説明

連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システム

【課題】 計量機の排出口から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給する。
【解決手段】 本発明の連係装置30は、それぞれ、上部の入口へ供給される被計量物が下部の出口から排出される漏斗状の複数のシュート32と、周回経路の一部の区間であって下方において周回経路に沿った方向に1列に並んだ袋P3が搬送されている第1の区間(IV)を有する周回経路上を、各々のシュート32の出口が周回経路に沿った方向に1列に並んだ状態にて複数のシュート32を搬送する回転板31とを備え、シュート32は、入口が周回経路に沿った方向に長い細長形状の開口からなり、回転板31は、第1の区間(IV)において、各々のシュート32の出口が各々の袋P3の上方に位置するようにしてシュートを搬送するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ秤等の計量機と、袋を連続的に搬送しながら包装する包装機とを連結するための連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1列に並んで連続的に搬送される袋へ、体積が一定量の被包装物を充填し、包装品を製造する計量包装システムがある(例えば、特許文献1参照)。このような従来の計量包装システムの一例を図6に示す。図6(a)は、従来の計量包装システムの側面図であり、図6(b)は同計量包装システムの要部を示す平面図である。
【0003】
この計量包装システムには、包装機20と、被包装物として粉剤を供給する粉剤供給装置50とを備えている。包装機20では、フィルムロール(図示せず)から長尺フィルムPが巻き戻されて、いくつかのローラを介して連続的に水平に搬送しながら、フィルムガイド21を通して、折り線が下になるように樋状に折り曲げられる。この二つ折りのフィルムP1の間に、投入ファネル23の下端部が順次入れられる。次いで、シーリングバー22(固定加熱バー22a、傾動レバー22b)が順次、二つ折りのフィルムを両側から挟持することにより、固定加熱バー22aの加熱面で、フィルムの幅方向に狭幅の熱シールがなされてサイドシール部P2が一定間隔で形成される。このサイドシール部P2で区切られた多数の袋P3がフィルムの長手方向に連続して形成される。袋P3はその上縁部の開口に投入ファネル23の下端部が挿入されたまま連続的に搬送される。
【0004】
そして、直上の粉剤供給装置50から、分量枡54の開口部を通じて粉剤が定量切り出され、投入ファネル23を介して各袋P3に充填される。粉剤供給装置50は、粉剤を入れておくホッパ51と、ホッパ51の下端開口から粉剤を受け入れ平たい底板53を有する回転容器52と、底板53の周縁に下方に向けて貫通した定容積の複数の筒状の分量枡54と、底板53上に固定されて分量枡54の上端開口面に近接して分量枡54に粉剤をすり切り充填するすり切り板(図示せず)と、各分量枡54の下端開口面を開閉するシャッター55とを有している。
【0005】
粉剤供給装置50から各袋P3内に粉剤が充填されたフィルムは、連続的に搬送されながら、折り返しローラ24を経て上縁シーリング装置25により、連続的に袋P3の上縁部が熱シールされて、上縁シール部P4が形成され、袋内が密封にされる。さらに、フィルムは、搬送されながら、切断装置26によりサイドシール部P2にミシン目が入れられ又はカットされて、各袋P3が随時切り離されて包装品が製造される。
【特許文献1】特開2004−99136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の計量包装システムでは、包装機20において投入ファネル23の下端部が挿入された袋P3が高速で連続的に搬送されるとともに、粉剤供給装置50の回転容器52が連続回転することにより、袋充填区間IVにおいて、袋P3へ粉剤を供給する分量枡54と、袋P3に挿入されている投入ファネル23とが上下に重なった状態で移動するため、その移動中に分量枡54から投入ファネル23を介して高速搬送される袋P3へ粉剤を供給することができる。
【0007】
しかしながら、被計量物の重量が所定重量範囲内になるように計量して排出する組合せ秤等の計量機では、その被計量物の排出口の位置が固定されているため、上記のように袋を高速で連続的に搬送する包装機20に対して被計量物を供給することが困難である。なお、上記の包装機20では、袋が円弧を描いて連続的に搬送されるように構成されているが、袋が直線状に高速で連続的に搬送されるように構成されている包装機の場合も同様に、上記計量機から被計量物を供給することは困難である。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の連係装置は、それぞれ、上部の入口へ供給される被計量物が下部の出口から排出される漏斗状の複数のシュートと、周回経路の一部の区間であって下方において前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ袋が搬送されている第1の区間を有する前記周回経路上を、各々の前記シュートの前記出口が前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ状態にて前記複数のシュートを搬送する搬送手段とを備え、前記シュートは、前記入口が前記周回経路に沿った方向に長い細長形状の開口からなり、前記搬送手段は、前記第1の区間において、各々の前記シュートの前記出口が各々の前記袋の上方に位置するようにして前記シュートを搬送するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、周回経路上を搬送される複数のシュートが設けられ、シュートの入口が周回経路に沿った方向に長い細長形状の開口からなるため、シュートの搬送中に、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物をシュートの入口へ供給することができる。第1の区間において、計量機からシュートの入口へ供給された被計量物は、シュートの出口から排出され、その下方の袋へ供給することができる。したがって、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0011】
また、前記シュートは、互いに出口が隣接するk個(kは複数)ずつの前記シュートの前記入口が前記周回経路に沿って並行に、かつ前記周回経路に沿った方向へずらされた状態にて前記搬送手段により搬送されるように構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、シュートの入口を周回経路に沿った方向により長くすることができる。
【0013】
また、前記複数のシュートは、前記搬送手段に前記周回経路に沿った方向に前記袋の配置ピッチと等しいピッチで搭載され、前記搬送手段は、前記袋の搬送速度と等しい速度で前記シュートを搬送するように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記周回経路の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつ(nは複数)の前記シュートへ被計量物が順次供給されることにより、被計量物が供給されるn個の前記シュートからn個の前記袋へ被計量物が排出されるように構成されていてもよい。
【0015】
本発明の計量装置は、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個(nは複数)の排出口を有し、前記n個の排出口から計量済みの被計量物を順次排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつの前記シュートへ被計量物を順次供給する計量機とを備えている。
【0016】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0017】
また、前記計量機は、被計量物を複数のグループに分けて計量し、計量された前記グループの合計重量が所定重量範囲内となる組合せをn組求め、n組の各々の前記組合せに選ばれたグループの被計量物をn個の各々の前記排出口から排出するように構成されてあってもよい。
【0018】
本発明の包装装置は、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第1の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えている。
【0019】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0020】
本発明の計量包装システムは、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個(nは複数)の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を順次排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつの前記シュートへ被計量物を順次供給する計量機と、前記連係装置の前記第1の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えている。
【0021】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0022】
前記包装機は、前記連係装置の前記第1の区間の下方において各々の前記袋に挿入された状態で搬送され、前記連係装置の前記シュートから排出される被計量物を前記袋内へ導くための複数のファネルを有する構成であってもよい。
【0023】
これにより、シュートから排出される被計量物がファネルを介して袋へ供給され、被計量物が袋へ入りやすくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以上に説明した構成を有し、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1(a)は、本発明の実施の形態の連係装置を用いた計量包装システムの要部の概略構成を示す側面図であり、図1(b)は、同計量包装システムの要部を模式的に示した平面図である。
【0027】
本実施の形態の計量包装システムは、例えば組合せ秤からなる計量機10と、包装機20と、連係装置30とを備えている。
【0028】
連係装置30には、回転板31を有し、回転板31の周縁部には多数の漏斗状のシュート32(32A,32B)が取り付けられている。回転板31が回転することにより袋充填区間IVに入った2つのシュート32に、計量機10の排出口10a、10bから被計量物が排出される。
【0029】
計量機10は、2個の排出口10a、10bを有する。この排出口10a、10bの各々から重量が所定重量範囲内の被計量物(例えば砂糖などの粉粒体等)を排出する。この排出口10a、10bは、袋充填区間IVの上方に、例えば、シュート32の配置ピッチと同ピッチで配置されている。
【0030】
包装機20は、従来例と同様の構成であり、複数のシーリングバー22(固定加熱バー22a、傾動レバー22b)が開閉しながら周回するとともに、複数の投入ファネル23が昇降及び内外方向へ振られながら周回するように構成されている。
【0031】
この包装機20では、図1に示すように、回転筒体29が、固定された円筒基台28の回りに回転可能に支持されており、回転駆動される。
【0032】
シーリングバー22は、回転筒体29の上端に固定されたリング状板29Aに、所定ピッチでフィルムP1のサイドシール部P2を形成するように複数個取り付けられ、回転筒体29の回転に伴い、回転筒体29の周囲を周回する。シーリングバー22は、その周回中において、傾動シールバー22bが閉じられると、フィルムP1を固定加熱バー22aと傾動シールバー22bとの間で挟持して、固定加熱バー22aの加熱面でフィルムの幅方向に狭幅の熱シールをしてサイドシール部P2を形成する。また、傾動シールバー22bが開くと、フィルムP1は、固定加熱バー22aから離れることができる。
【0033】
各投入ファネル23は、昇降軸27の上端部に固定したアームを介して固定されている。各昇降軸27は、回転筒体29の上端のリング状板29Aに所定ピッチで設けられた貫通孔に挿入され、回転筒体29の回転に伴い、回転筒体29の周囲を周回する。また、昇降軸27は、周回しながら昇降するように構成されるとともに、回動可能に構成されている。これにより、投入ファネル23はそれが取り付けられている昇降軸27とともに周回し、昇降軸27が昇降することにより投入ファネル23も昇降し、昇降軸27が回動することにより、投入ファネル23が外側あるいは内側方向へ振られることになる。
【0034】
また、包装機20には、包装機制御部20Aが備えられている。この包装機制御部20Aは、例えばマイクロコンピュータにより構成され、包装機20の全体の動作の制御を行う。
【0035】
この包装機20では、フィルムロール(図示せず)から長尺フィルムPを巻き戻して、いくつかのローラを介して連続的に水平に搬送しながら、フィルムガイド21(図6参照)を通して、折り線が下になるように樋状に折り曲げて、二つ折りのフィルムP1を形成する。一方、投入ファネル23は周回しながら、区間IIIにおいて、投入ファネル23が上昇し、さらに投入ファネル23が外側方向へ振られる。その後、区間Iにおいて、投入ファネル23が下降しながら内側方向へ振られることにより、投入ファネル23は順次、その下端部が、上記の二つ折りのフィルムP1の間に入れられてフィルムP1と同方向へ進む。
【0036】
次に、区間IIにおいては、投入ファネル23が下降した状態が維持され、傾動シールバー22bを順次閉じる。これにより、シーリングバー22が順次、二つ折りのフィルムP1を両側から挟持して、サイドシール部P2が一定間隔で形成され、サイドシール部P2で区切られ上縁部が開口された多数の袋P3がフィルムの長手方向に連続して形成される。これらの袋P3の上縁部の開口には投入ファネル23の下端部が挿入されている。
【0037】
この投入ファネル23が下降している区間II内において、投入ファネル23の入口の真上に連係装置30のシュート32の排出口が位置する間(袋充填区間IV)に、計量機10から排出された被計量物がシュート32及び投入ファネル23を通過して袋P3へ充填される。
【0038】
袋充填区間IVにおいて各袋P3内に被包装物(ここでは計量機10から排出される被計量物)が充填されたフィルムは、連続的に搬送されながら、区間IIIにおいて、投入ファネル23が上昇し、傾動シールバー22bが開いて、フィルムは、固定加熱バー22aから離れる。そして、折り返しローラ24を経て、さらに図6に示されるように、上縁シーリング装置25により、連続的に袋P3の上縁部が熱シールされて、上縁シール部P4が形成され、袋内が密封にされる。さらに、フィルムは、搬送されながら、切断装置26によりサイドシール部P2にミシン目が入れられ又はカットされて、各袋P3が随時切り離されて包装品が製造される。
【0039】
連係装置30は、包装機20の円筒基台28の上端に取り付けられた横板28A上に固定され、回転板31と、その周縁部に配設された多数の漏斗状のシュート32(32A,32B)と、回転板31を回転させるための回転軸33と、駆動部34とを備えている。駆動部34には、回転軸33を駆動するモータ(図示せず)が備えられ、モータによって回転軸33を回転させる構成は周知の構成を用いればよい。シュート32は、ねじ止めあるいは溶接等によって回転板31に固定されている。なお、図1(a)では、2つのシュート32(32A)のみを模式的に示しているが、実際には図1(b)のように、多数のシュート32(32A,32B)が回転板31の周縁部に配設されている。
【0040】
それぞれのシュート32(32A,32B)は、回転板31に固定されており、回転板31が回転することによって回転板31の周縁部に沿って周回する。それぞれのシュート32は、その上部に周回方向に長い細長形状の開口からなる被計量物の入口ENを有し、この入口ENと連通し、入口ENから入った被計量物を排出する下部の小さい開口からなる出口EXを有する漏斗状に形成されている。
【0041】
ここで、各シュート32の出口EXは円周上に配置され、各シュート32の出口EXの周回経路が袋充填区間IVにおいて投入ファネル23の搬送経路と重なるように構成されている。したがって、袋充填区間IVにおいて投入ファネル23の搬送経路上をシュート32の出口EXが通過する。そして、出口が互いに隣接するシュート32のうち、一方のシュート32Aはその入口ENが外側に並んで配置され、他方のシュート32Bはその入口ENが内側に並んで配置されている。シュート32Aとシュート32Bとはその出口EXが上記円周上に交互に配置されている。シュート32の配置ピッチ(互いに出口が隣接するシュート32の出口EXの中心間の距離)は、袋充填区間IVを通過しているときの投入ファネル23の配置ピッチ(=袋P3の配置ピッチ)と等しいように構成されている。
【0042】
回転板31は、図1(b)中の矢印Xの方向へ回転し、袋充填区間IVにおいては、各シュート32の出口が各投入ファネル23の直上に位置した状態を維持しながらシュート32が搬送されるように回転する。したがって、袋充填区間IVにおいて、シュート32の搬送速度が投入ファネル23の搬送速度(=袋P3の搬送速度)と等しくなるように、回転板31が回転する。このように、回転板31が回転するように、回転軸33を駆動するモータの回転速度が設定されている。
【0043】
また、図1(b)に示されるように、計量機10の一方の排出口10aは、出口EXが袋充填区間IVを通過しているときのシュート32Aの入口ENの移動経路上に配置され、他方の排出口10bは、出口EXが袋充填区間IVを通過しているときのシュート32Bの入口ENの移動経路上に配置されている。
【0044】
図2は、袋充填区間IVにおける計量機10の排出口、連係装置30のシュート32、包装機20の投入ファネル23及び袋P3を模式的に示す側面図であり、この図は、上から見て円弧状のフィルム(袋)を直線状に伸ばした状態にして描かれており、シュート32と、投入ファネル23及び袋P3とは矢印Xの方向へ同じ速度で搬送される。この図2では、サイドシール部P2を形成するシーリングバー22は図示していない。
【0045】
計量機10では、例えば、シュート32A,32Bが矢印Xの方向へ搬送されることにより、図2において左側のシュート32Aに対する排出口10aの相対的な位置が、実線で示された位置から鎖線で示された位置になるまでの間(期間T1)に、排出口10aから被計量物を排出する。他の排出口10bについても同様であり、同一の期間T1に排出口10bから被計量物を排出する。
【0046】
なお、ここでは、2個の排出口10a、10bから同時に被計量物を排出するように構成されているが、シュート32Aの入口ENに対する排出口10aの矢印X方向の位置と、シュート32Bの入口ENに対する排出口10bの矢印X方向の位置とがずれている場合には、そのずれている分、2個の排出口10a、10bから被計量物を排出するタイミングをずらすようにすればよい。また、入口が外側に並ぶシュート32Aの各入口ENの間に隙間を設けているが、各入口ENの周回方向の長さをより長くして隙間を無くしてもよい。同様に、入口が内側に並ぶシュート32Bの各入口ENの間に隙間を設けているが、各入口ENの周回方向の長さをより長くして隙間を無くしてもよい。
【0047】
連係装置30の駆動部34には、その動作を制御する制御回路(これを、制御回路Aとする)が内蔵されている。制御回路Aは、ここでは回転軸33を駆動するためのモータの制御回路である。
【0048】
計量機10の制御部11は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、制御回路Aを介して連係装置30の動作をも制御するように構成されている。
【0049】
この制御部11には、計量機の入力手段(図示せず)を介して動作速度(運転速度:例えば、1分間に生産する袋数=1分間における1袋分の被計量物の排出回数)が設定され、その設定された動作速度に応じて計量機10及び連係装置30が動作するように制御する。
【0050】
また、制御部11では、計量機10で繰り返し行われる動作中の所定のタイミング、例えば、被計量物の排出準備ができたとき、あるいは被計量物を排出するときに、包装機制御部20Aへ所定の信号(以下、「計量動作信号」という)を出力する。これにより、正常な動作が行われているときには動作速度に応じた動作サイクル(周期:TM)で包装機制御部20Aへ計量動作信号が出力される。
【0051】
また、包装機制御部20Aには、包装機の入力手段(図示せず)を介して動作速度(運転速度:例えば、1分間に生産する袋数)が設定され、その設定された動作速度に応じて包装機20が動作するように制御する。区間II内を搬送される投入ファネル23は、袋P3とともに動作速度に応じた所定の速度で搬送される。
【0052】
また、包装機制御部20Aでは、包装機20で繰り返し行われる動作中の所定のタイミング、例えば、傾動シールバー22bが順次閉じられるときに、計量機の制御部11へ所定の信号(以下、「包装動作信号」という)を出力する。これにより、正常な動作が行われているときには動作速度に応じた動作サイクル(周期:Tp)で計量機の制御部11へ包装動作信号が出力される。
【0053】
計量機10の制御部11及び包装機制御部20Aに、同じ動作速度(運転速度)が設定された場合、計量機10では、1回の動作サイクルで2袋分の被計量物の排出が行われるので、計量機10の動作サイクル(TM)は包装機20の動作サイクル(Tp)の2倍の周期になる。逆に、包装機20の動作サイクル(Tp)は計量機10の動作サイクル(TM)の1/2の周期になる。
【0054】
包装機制御部20Aでは、包装機20の動作サイクル(Tp)の2倍の時間ごとに、計量機10から計量動作信号が入力されることを確認して包装機20の動作を継続させ、計量動作信号の入力が遅れたときには、入力されるまで包装機20の動作を一時停止(待機)させる。
【0055】
また、計量機10の制御部11では、計量機10の動作サイクル(TM)の1/2の時間ごとに、包装機20から包装動作信号が入力されることを確認して計量機10及び連係装置30の動作を継続させ、包装動作信号の入力が遅れたときには、入力されるまで計量機10及び連係装置30の動作を一時停止(待機)させる。
【0056】
また、連係装置30及び包装機20には、運転開始位置及び運転停止位置が予め設定されており、図1(b)に示された状態、すなわち、袋充填区間IVにおいて、各シュート32の直下に投入ファネル23が位置する状態となるように、運転開始位置及び運転停止位置が設定されている。また、この計量包装システムの運転時には、計量機10の制御部11及び包装機制御部20Aには同じ動作速度(運転速度)が設定される。
【0057】
この設定により、包装機20においては、投入ファネル23及び袋P3が設定された動作速度に応じた一定速度で搬送される。また、連係装置30においては、袋充填区間IVにおいて、各シュート32が投入ファネル23の直上に位置する状態を維持しながら搬送されるように、回転板31を回転する。例えば、図1(b)に示されるように、連係装置30のシュート32の個数が12個であり、包装機20の投入ファネル23の個数が16個である場合、シュート32を周回させる回転板31の回転速度は、投入ファネル23を周回させる回転筒体29の回転速度の4/3(=16/12)倍になる。この速度で回転板31及び回転筒体29が回転することにより、袋充填区間IVにおいては常に、シュート32の直下に投入ファネル23が位置する状態でシュート32及び投入ファネル23が搬送される。
【0058】
次に、2個の排出口10a、10bを有する計量機10の一例を図3に示す。
【0059】
図3(a)は、2個の排出口を有する計量機10を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図3(b)は、同計量機10の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【0060】
この図3に示す計量機10は組合せ秤であり、図3(a)に示すように、装置中央に配設されたセンター基体(ボディ)5の上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむための複数のリニアフィーダ2が設けられている。各リニアフィーダ2の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれセンター基体5の周囲に円弧状に配置されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体5に取り付けられている。また、各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するロードセル等の重量センサ41が取り付けられ、各重量センサ41による計測値は制御部11へ出力される。
【0061】
図3(b)に示された中心角θに対応する領域を除く領域に、供給ホッパ3及び計量ホッパ4が円弧状に列設され、各供給ホッパ3に対応して各リニアフィーダ2が配設されている。
【0062】
円弧状に列設された計量ホッパ4の下方には、内側シュート6Aと外側シュート6Bとが配設されている。各計量ホッパ4は、内側シュート6Aと外側シュート6Bとへ選択的に被計量物を排出可能なように、内側シュート6Aへ被計量物を排出するためのゲートと、外側シュート6Bへ被計量物を排出するためのゲートとが設けられた構成である。
【0063】
外側シュート6Bは、略円錐形を上下逆にした形状のシュートに、計量ホッパ4が列設されていない部分に対応して切欠き部6Bxが設けられた構成であり、その下部の排出口6Beには集合ホッパ7bが配設されている。計量ホッパ4から外側シュート6Bへ排出された被計量物は、外側シュート6Bを滑り落ち、集合ホッパ7bで一時保持された後、排出される。
【0064】
内側シュート6Aは、外側シュート6Bの内側に配設された略円錐形を上下逆にした形状のシュート61と、そのシュート61の排出口61eに配設された筒状のシュートであるパイプ62とからなる。パイプ62は、外側シュート6Bの切欠き部6Bxを通ってその排出口62eが外側シュート6Bの外側で切欠き部6Bxの下方に位置するように配設されている。パイプ62の排出口62eには集合ホッパ7aが配設されている。計量ホッパ4から内側シュート6Aへ排出された被計量物は、シュート61を滑り落ちた後、パイプ62を通過して集合ホッパ7aで一時保持された後、排出される。
【0065】
制御部11では、この場合、組合せ秤全体の動作と連係装置の動作を制御するとともに、組合せ処理を行う。この組合せ処理では、各重量センサ41により計測される計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、複数の計量ホッパ4の中から、被計量物の重量値の合計が、予め定められた所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)である計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を2組求めて、いずれか一方の排出組合せを内側シュート6Aへ排出する組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6Bへ排出する組合せとする。
【0066】
この組合せ秤では、外部の供給装置から分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ41で計測され、その重量値が制御部11へ送出される。そして、制御部11による組合せ処理が行われて2組の排出組合せが同時に求められ、一方の排出組合せの計量ホッパ4から内側シュート6Aへ被計量物を排出させると同時に、他方の排出組合せの計量ホッパ4から外側シュート6Bへ被計量物を排出させる。これにより、集合ホッパ7a、7bに被計量物が供給される。なお、被計量物が排出されて空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。
【0067】
そして、所定のタイミングにて集合ホッパ7a、7bから同時に被計量物を排出させる。
【0068】
この組合せ秤の集合ホッパ7a、7bが図1に示す計量機10の排出口10a、10bである。例えば、集合ホッパ7aから排出される被計量物は、連係装置30のシュート32Aへ供給され、さらに、シュート32Aから包装機20の投入ファネル23を介して袋P3へ充填される。同様に、集合ホッパ7bから排出される被計量物は、シュート32Bへ供給され、さらに、シュート32Bから投入ファネル23を介して袋P3へ充填される。
【0069】
なお、上記の組合せ秤では、2組の排出組合せを同時に求めるようにしたが、内側シュート6Aへ排出する排出組合せと、外側シュート6Bへ排出する排出組合せとを順次求めて、それぞれの排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、それぞれの集合ホッパ7a、7bから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0070】
本実施の形態の連係装置30では、周回経路上を搬送される複数のシュート32が設けられ、シュート32の入口ENが周回経路に沿った方向に長い細長形状の開口からなるため、シュート32の搬送中に、排出口の位置が固定されている計量機10の排出口10a、10bから排出される被計量物をそれぞれのシュート32の入口ENへ供給することができる。袋充填区間IV(第1の区間)において、計量機10の排出口10a、10bからそれぞれのシュート32の入口ENへ供給された被計量物は、それぞれのシュート32の出口EXから排出され、それぞれの下方の袋P3へ供給することができる。したがって、排出口の位置が固定されている計量機10から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋P3へ供給することが可能になる。
【0071】
シュート32の入口ENの周回経路に沿った方向の長さは、シュート32の搬送速度と、計量機10から1回に排出される被計量物のシュート32での受け入れに要する時間との乗算値より長ければよい。
【0072】
なお、回転板1に代えて、シュート32をチェーン等の無端の搬送帯で周回させるように構成にしてもよい。例えば、複数のスプロケットを所定位置に配置し、その複数のスプロケットにチェーン等の無端の搬送帯をセットし、その無端の搬送帯にそれぞれシュート32を保持した複数のシュート保持部材を一定間隔で連結し、一部のスプロケットをモータにより駆動する構成とすればよい。なお、シュート32が所定の周回軌道を安定して通るように、シュート保持部材を案内するガイドレール等を設けてもよい。
【0073】
上記のような搬送帯を用いた場合、シュート32の周回軌道は円軌道に限らず、楕円軌道や他の周回軌道とすることができる。
【0074】
また、袋を直線状に高速で連続的に搬送するように構成されている包装機を用いた場合には、上記のようにシュート32をチェーン等の無端の搬送帯で周回させるように構成すればよい。
【0075】
また、後述のように、計量機10が3個以上の排出口を有するように構成されていてもよい。
【0076】
以上に述べた変形例の一例を次に説明する。
【0077】
図4(a)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、計量機10が偶数個の排出口を有するように構成されている場合の袋充填区間及びその近傍における連係装置のシュートの配置を示す平面図である。
【0078】
連係装置のシュート32(32a〜32d等)は、包装機の投入ファネル23の搬送速度(=袋P3の搬送速度)と同じ速度で矢印Y方向へ搬送される。シュート32の配置ピッチ(互いに出口が隣接するシュート32の出口EXの中心間の距離)は、投入ファネル23の配置ピッチ(=袋P3の配置ピッチ)と等しく、少なくとも袋充填区間(F2,F4)においては、各シュート32の出口EXが投入ファネル23の真上に位置した状態で、シュート32及び投入ファネル23が矢印Y方向へ搬送される。そして、シュート32は、袋充填区間(F2,F4)を通過した後、反時計方向(左回り)に回るように搬送され、再び袋充填区間(F2,F4)へ進入するというように周回する。
【0079】
この図4(a)の場合、例えば、シュート32の出口EXの周回軌道の内側を周回するようにチェーン91を配設し、このチェーン91の上側に、入口ENが出口EXの周回軌道の外側寄りになるシュート32a、32c等を保持したシュート保持部材92Aと、入口ENが出口EXの周回軌道の内側寄りになるシュート32b、32d等を保持したシュート保持部材92Bとを交互に一定間隔で連結し、シュート保持部材92A、92Bのチェーン91に連結された端部とは反対側の端部を摺動自在に保持するガイドレール93を配設している。例えば、シュート保持部材92A、92Bは、それぞれシュート32の入口ENと出口EXとの中間の位置でシュート32を保持するための開口が設けられた板状部材であり、それぞれのシュート32はシュート保持部材92A、92Bに適当な方法(溶接あるいはねじ止め等)によって固定されている。また、ガイドレール93は、シュート32の出口EXの周回軌道の外側の周囲に配設され、例えば、図4(a)中の円100内に示すように、断面U字型であり、このU字型の凹部(溝)に、シュート保持部材92(92A、92B)のチェーン91に連結された端部とは反対側の端部が入れられ、摺動自在に保持されている。チェーン91は複数のスプロケット等(図示せず)によって周回経路をなすようにセットされ、一部のスプロケットが、モータにより駆動されるように構成されている。
【0080】
計量機10が2個の排出口を有し、袋充填区間が区間F2である場合、例えば、シュート32が通過する領域上の2つの位置4aと位置4bとに計量機10の排出口が配置される。矢印Yで示す搬送方向に対しシュート32の上部の入口ENの先頭側の部分が計量機10の排出口の位置4a、4bの直下を通過する時点(図4(a)に示された状態のとき)から、計量機10の2個の排出口から被計量物を排出し始める。そして、搬送方向に対しシュート32の入口ENの後尾側の部分が計量機10の排出口の位置4a、4bの直下を通過するまでに、計量機10の2個の排出口からの被計量物の排出を終了する。
【0081】
この場合、計量機10では、2個の排出口から同時に被計量物を排出するように動作する。計量機10から2つのシュート32a、32bへ被計量物が排出されると、次には、その後に続く2つのシュート32c、32dに対して被計量物が排出される。
【0082】
また、計量機10が4個の排出口を有し、袋充填区間が区間F4である場合、例えば、シュート32が通過する領域上の4つの位置4a〜4dに計量機10の排出口が配置される。矢印Yで示す搬送方向に対しシュート32の上部の入口ENの先頭側の部分が計量機10の排出口の位置4a、4b、4c、4dの直下を通過する時点(図4(a)に示された状態のとき)から、計量機10の4個の排出口から被計量物を排出し始める。そして、搬送方向に対しシュート32の入口ENの後尾側の部分が計量機10の排出口の位置4a、4b、4c、4dの直下を通過するまでに、計量機10の4個の排出口からの被計量物の排出を終了する。
【0083】
この場合、計量機10では、4個の排出口から同時に被計量物を排出するように動作する。計量機10から4つのシュート32a〜32dへ被計量物が排出されると、次には、上記のシュート32a〜32dの後に続く4つのシュート32に対して被計量物が排出される。
【0084】
図4(a)に示す連係装置とともに用いられ、2個の排出口を有する計量機10の場合には、例えば、図3に示すような組合せ秤を用いてもよい。
【0085】
また、図4(a)に示す連係装置とともに用いられ、4個の排出口を有する計量機10の場合には、例えば、図3に示すような組合せ秤を2台用いた構成としてもよい。
【0086】
図4(b)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、計量機10が(3の倍数)個の排出口を有するように構成されている場合の袋充填区間及びその近傍における連係装置のシュートの配置を示す平面図である。
【0087】
連係装置のシュート32(32e〜32j等)は、包装機の投入ファネル23の搬送速度(=袋P3の搬送速度)と同じ速度で矢印Y方向へ搬送される。シュート32の配置ピッチ(互いに出口が隣接するシュート32の出口EXの中心間の距離)は、投入ファネル23の配置ピッチと等しく、少なくとも袋充填区間(F3,F4)においては、各シュート32の出口EXが投入ファネル23の真上に位置した状態で、シュート32及び投入ファネル23が矢印Y方向へ搬送される。そして、シュート32は、袋充填区間(F3,F6)を通過した後、反時計方向(左回り)に回るように搬送され、再び袋充填区間(F3,F6)へ進入するというように周回する。このように、シュート32を周回させる構成については、例えば、図4(a)の場合と同様に構成すればよい。
【0088】
計量機10が3個の排出口を有し、袋充填区間が区間F3である場合、例えば、シュート32が通過する領域上の3つの位置4e、4f、4gに計量機10の排出口が配置される。矢印Yで示す搬送方向に対しシュート32の上部の入口ENの先頭側の部分が計量機10の排出口の位置4e、4f、4gの直下を通過する時点(図4(b)に示された状態のとき)から、計量機10の3個の排出口から被計量物を排出し始める。そして、搬送方向に対しシュート32の入口ENの後尾側の部分が計量機10の排出口の位置4e、4f、4gの直下を通過するまでに、計量機10の3個の排出口からの被計量物の排出を終了する。
【0089】
この場合、計量機10では、3個の排出口から同時に被計量物を排出するように動作する。計量機10から3つのシュート32e、32f、32gへ被計量物が排出されると、次には、その後に続く3つのシュート32h、32i、32jに対して被計量物が排出される。
【0090】
また、計量機10が6個の排出口を有し、袋充填区間が区間F6である場合、例えば、シュート32が通過する領域上の6つの位置4e〜4jに計量機10の排出口が配置される。矢印Yで示す搬送方向に対しシュート32の上部の入口ENの先頭側の部分が計量機10の排出口の位置4e〜4jの直下を通過する時点(図4(b)に示された状態のとき)から、計量機10の6個の排出口から被計量物を排出し始める。そして、搬送方向に対しシュート32の入口ENの後尾側の部分が計量機10の排出口の位置4e〜4jの直下を通過するまでに、計量機10の6個の排出口からの被計量物の排出を終了する。
【0091】
この場合、計量機10では、6個の排出口から同時に被計量物を排出するように動作する。計量機10から6つのシュート32e〜32jへ被計量物が排出されると、次には、上記のシュート32e〜32jの後に続く6つのシュート32に対して被計量物が排出される。
【0092】
次に、例えば図4(b)に示す連係装置とともに用いられ、3個の排出口を有する計量機10の一例を図5に示す。
【0093】
図5(a)は、3個の排出口を有する計量機10を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図5(b)は、同計量機10の集合シュート(内側シュート及び2つの外側シュート)及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【0094】
この組合せ秤は、分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3、計量ホッパ4、重量センサ41及びセンター基体5は図3に示す計量機と同様のものである。但し、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれ円状に配置されている。
【0095】
円状に列設された計量ホッパ4の下方には、略逆円錐台形状の内側シュート6aが配設されるとともに、内側シュート6aの周囲に上部開口が同心円状で、かつ2分割された外側シュート6b、6cが配設されている。各計量ホッパ4は、その下方の内側シュート6aと外側シュート6bまたは6cとへ選択的に被計量物を排出可能なように、内側シュート6aへ被計量物を排出するためのゲートと、外側シュート6bまたは6cへ被計量物を排出するためのゲートとが設けられた構成である。
【0096】
外側シュート6b、6cのそれぞれの上方に配置された計量ホッパ4のグループB、Cは、それぞれ外側シュート6b、6cに対応するグループであり、それぞれ、例えば9個あるいは10個等の計量ホッパ4からなるグループである。また、グループB及びグループCの計量ホッパ4で構成されるグループAは、内側シュート6aに対応する計量ホッパ4のグループである。内側シュート6a及び外側シュート6b、6cのそれぞれの下部の排出口6ae、6be、6ceには集合ホッパ7a、7b、7cが配設されている。計量ホッパ4から各シュート6a、6b、6cへ排出された被計量物は、それぞれの集合ホッパ7a、7b、7cで一時保持された後、排出される。
【0097】
制御部11は、組合せ秤全体の動作と連係装置の動作を制御するとともに、組合せ処理を行う。この組合せ処理では、内側シュート6a及び外側シュート6b、6cのそれぞれに対して排出する計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を求める。各排出組合せは、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)内である計量ホッパ4の組合せである。例えば、一方の外側シュート6bの上方に配置されたグループBの計量ホッパ4内の被計量物の重量値(重量センサ41による計測値)に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)内であり、かつ目標重量値に最も近い計量ホッパ4の組合せを外側シュート6bへ排出する排出組合せとして求めるとともに、同様にして、他方の外側シュート6cの上方に配置されたグループCの計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、外側シュート6cへ排出する排出組合せを求める。さらに、全計量ホッパ4からなるグループAのうち、グループB、Cにおいて、排出組合せに選択されなかった計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、同様にして内側シュート6aへ排出する排出組合せを求める。
【0098】
このように、制御部11による組合せ処理が行われて3組の排出組合せが同時に求められ、各排出組合せの計量ホッパ4から内側シュート6a、外側シュート6b、6cへ被計量物を同時に排出させる。これにより、集合ホッパ7a、7b、7cに被計量物が供給される。
【0099】
そして、所定のタイミングにて集合ホッパ7a、7b、7cから同時に被計量物を排出させる。
【0100】
この組合せ秤の集合ホッパ7a、7b、7cが計量機10の3個の排出口である。例えば、集合ホッパ7bが図4(b)に示す位置4eに、集合ホッパ7aが図4(b)に示す4fに、集合ホッパ7cが図4(b)に示す位置4gにそれぞれ配置され、各集合ホッパ7a、7b、7cから排出される被計量物は、図4(b)に示す連係装置の各シュート32へ供給され、さらに、各シュート32から包装機の投入ファネル23を介して袋へ充填される。
【0101】
なお、上記の組合せ秤では、3組の排出組合せを同時に求めるようにしたが、外側シュート6bへ排出する排出組合せと、内側シュート6aへ排出する排出組合せと、外側シュート6cへ排出する排出組合せとを順次求めて、それぞれの排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、それぞれの集合ホッパ7b、7a、7cから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0102】
また、図4(b)に示す連係装置とともに用いられ、6個の排出口を有する計量機10の場合には、例えば、図5に示すような組合せ秤を2台用いた構成とすればよい。
【0103】
また、図4(a)に示す連係装置とともに用いられ、4個の排出口を有する計量機10の場合には、次のような構成の組合せ秤を用いてもよい。
【0104】
例えば、図5に示す構成において、内側シュート6aを、外側シュート6b、6cと対応し、それぞれの排出口を有する2つのシュート(以下、「第1、第2内側シュート」という)に分割し、第1、第2内側シュートの各排出口に集合ホッパを設けた構成とする。すなわち、計量ホッパ4のグループBは、第1内側シュートと外側シュート6bに対応するグループとし、計量ホッパ4のグループCは、第2内側シュートと外側シュート6cに対応するグループとする。組合せ処理では、計量ホッパ4のグループBから2組の排出組合せを求めていずれか一方の排出組合せを第1内側シュートへ排出する排出組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6bへ排出する排出組合せとするとともに、計量ホッパ4のグループCから2組の排出組合せを求めていずれか一方の排出組合せを第2内側シュートへ排出する排出組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6cへ排出する排出組合せとする。
【0105】
このように、制御部11による組合せ処理が行われて4組の排出組合せが同時に求められ、各排出組合せの計量ホッパ4から第1、第2内側シュート、外側シュート6b、6cへ被計量物を同時に排出させる。これにより、4つの集合ホッパに被計量物が供給される。
【0106】
そして、所定のタイミングにて4つの集合ホッパから同時に被計量物を排出させる。
【0107】
この組合せ秤の4つの集合ホッパが計量機10の4個の排出口である。例えば、4つの集合ホッパが図4(a)に示す位置4a〜4dの各位置に1つずつ配置される。各集合ホッパから排出される被計量物は、図4(a)に示す連係装置の各シュート32へ供給され、さらに、各シュート32から包装機の投入ファネル23を介して袋へ充填される。なお、この場合も、4組の排出組合せを順次求めて、各排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、4個の集合ホッパから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0108】
なお、図1及び図4(a)では、連係装置のシュート32の上部の入口ENがシュート32の周回方向(搬送方向)に沿って2列に並んで配置され、図4(b)では、3列に並んで配置された構成を示したが、4列以上に並んで配置される構成も可能である。
【0109】
また、上記の実施の形態において、連係装置の各シュート32に、シュート32の出口EXを開閉することができるシャッターあるいは組合せ秤の供給ホッパに使用されているゲート等の開閉手段を配設した構成としてもよい。この場合、例えば、各シュート32が袋充填区間IV以外の位置において開閉手段を閉じた状態とし、袋充填区間IVの位置において開閉手段を開いた状態となるように動作させることにより、計量機10の排出口を袋充填区間IV以外の位置となるように配設することができる。この場合、袋充填区間IV以外の位置において計量機10から被計量物を排出し、各シュート32が袋充填区間IVを通過中に開閉手段を開くことにより、被計量物を投入ファネル23を介して袋へ充填することができる。
【0110】
また、上記の実施の形態において、計量機等の構成については、種々変更が可能である。以下に、その一例を挙げる。
【0111】
例えば、組合せ秤は、集合シュート(内側シュート、外側シュート)の排出口に集合ホッパが設けられていない構成でもよい。この場合、集合シュートの排出口が計量機の排出口となり、排出組合せに選択されている計量ホッパ4から排出された被計量物は集合シュート上を滑り落ちて直接包装機の投入ファネル23へ供給されるように構成される。
【0112】
また、組合せ秤は、図3、図5の例では、組合せ演算の対象となるホッパ(組合せ用ホッパ)として計量ホッパ4のみを有する構成であるが、合計重量値が所定重量範囲内である被計量物が排出されるように構成されてあればよく、組合せ演算の対象となるホッパの構成としては種々変更が可能である。一例を挙げれば、それぞれの計量ホッパ4に対応して計量ホッパ4の下方に、それぞれ対応する計量ホッパ4から計量済みの被計量物が供給されるメモリホッパを配設し、計量ホッパ4は、対応するメモリホッパと集合シュートとへ選択的に被計量物を排出可能な構成にしてもよい。この場合、組合せ秤の制御部11は、各々の計量ホッパ4に供給されている被計量物の重量値と各々のメモリホッパに供給されている被計量物の重量値とに基づいて組合せ演算を行うことにより、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内になる計量ホッパ4及び/又はメモリホッパの組合せを求めて排出組合せに決めればよい。
【0113】
また、上記の組合せ秤では、組合せに用いられる組合せ用ホッパが円状に列設された構成としたが、この構成に限られない。例えば、組合せ用ホッパが楕円状、正方形、長方形等の多角形状、あるいは直線状に列設された構成であってもよい。
【0114】
さらに、組合せ秤に代えて、被計量物を計量し、複数の排出口の各々から被計量物を排出する計量機であってもよい。
【0115】
また、組合せ秤等の計量機に備えられた被計量物の排出口が1つである構成とし、複数の計量機から複数のシュート32へ被計量物を排出するように構成されてあってもよい。
【0116】
また、上記の実施の形態では、連係装置が、計量機の制御部11によって制御されるように構成しており、この場合、連係装置と計量機とからなる計量装置を構成できる。また、連係装置が、計量機の制御部11ではなく包装機制御部20Aによって制御されるように構成してもよい。この場合、連係装置と包装機とからなる包装装置を構成できる。
【0117】
なお、包装機とは別に連係装置を設けることなく、連係装置の機能を包装機に持たせた構成とすることも可能である。例えば、図1において、連係装置30を設けずに、包装機20の投入ファネル23の上部の開口を、投入ファネル23の周回方向に長い細長形状とし、袋充填区間において計量機から直接投入ファネル23へ被計量物を排出するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態の連係装置を用いた計量包装システムの要部の概略構成を示す側面図であり、(b)は、同計量包装システムの要部を模式的に示した平面図である。
【図2】袋充填区間における計量機の排出口、連係装置のシュート、包装機の投入ファネル及び袋を模式的に示す側面図である。
【図3】(a)は、2個の排出口を有する計量機を側方から視た一部断面の概略模式図であり、(b)は、同計量機の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【図4】(a)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、計量機が偶数個の排出口を有するように構成されている場合の袋充填区間及びその近傍における連係装置のシュートの配置を示す平面図であり、(b)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、計量機が(3の倍数)個の排出口を有するように構成されている場合の袋充填区間及びその近傍における連係装置のシュートの配置を示す平面図である。
【図5】(a)は、3個の排出口を有する計量機を側方から視た一部断面の概略模式図であり、(b)は、同計量機の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【図6】(a)は、従来の計量包装システムの側面図であり、(b)は同計量包装システムの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0120】
10 計量機
10a、10b 計量機の排出口
11 計量機の制御部
20 包装機
20A 包装機制御部
23 投入ファネル
30 連係装置
31 回転板
32 シュート
33 回転軸
34 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、上部の入口へ供給される被計量物が下部の出口から排出される漏斗状の複数のシュートと、
周回経路の一部の区間であって下方において前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ袋が搬送されている第1の区間を有する前記周回経路上を、各々の前記シュートの前記出口が前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ状態にて前記複数のシュートを搬送する搬送手段とを備え、
前記シュートは、前記入口が前記周回経路に沿った方向に長い細長形状の開口からなり、
前記搬送手段は、前記第1の区間において、各々の前記シュートの前記出口が各々の前記袋の上方に位置するようにして前記シュートを搬送するように構成された連係装置。
【請求項2】
前記シュートは、互いに出口が隣接するk個(kは複数)ずつの前記シュートの前記入口が前記周回経路に沿って並行に、かつ前記周回経路に沿った方向へずらされた状態にて前記搬送手段により搬送されるように構成された請求項1に記載の連係装置。
【請求項3】
前記複数のシュートは、前記搬送手段に前記周回経路に沿った方向に前記袋の配置ピッチと等しいピッチで搭載され、
前記搬送手段は、前記袋の搬送速度と等しい速度で前記シュートを搬送するように構成された請求項1に記載の連係装置。
【請求項4】
前記周回経路の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつ(nは複数)の前記シュートへ被計量物が順次供給されることにより、被計量物が供給されるn個の前記シュートからn個の前記袋へ被計量物が排出されるように構成された請求項1に記載の連係装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個(nは複数)の排出口を有し、前記n個の排出口から計量済みの被計量物を順次排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつの前記シュートへ被計量物を順次供給する計量機とを備えた計量装置。
【請求項6】
前記計量機は、被計量物を複数のグループに分けて計量し、計量された前記グループの合計重量が所定重量範囲内となる組合せをn組求め、n組の各々の前記組合せに選ばれたグループの被計量物をn個の各々の前記排出口から排出するように構成された請求項5に記載の計量装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第1の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えた包装装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個(nは複数)の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を順次排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくるn個ずつの前記シュートへ被計量物を順次供給する計量機と、
前記連係装置の前記第1の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えた計量包装システム。
【請求項9】
前記包装機は、前記連係装置の前記第1の区間の下方において各々の前記袋に挿入された状態で搬送され、前記連係装置の前記シュートから排出される被計量物を前記袋内へ導くための複数のファネルを有する請求項8に記載の計量包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−230630(P2008−230630A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68991(P2007−68991)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(505260556)
【Fターム(参考)】