連結装置、コンクリートブロックの連結構造と該連結構造に使用可能なコンクリートブロック
【課題】管路上の屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を担保し得るような連結構造を実現する。
【解決手段】一方のコンクリートブロックのPC鋼棒2に装着した第一の連結部材431と他方のコンクリートブロックのPC鋼棒2に装着した第二の連結部材432とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5を配した連結構造とした。このようなものであれば、PC鋼棒2を牽引し緊張してもPC鋼棒2が折れ曲がり破断する等の不具合は生じない。従って、連結対象のコンクリートブロックに適切に圧縮力を加えることができ、相互の一体性、連続性、水密性を具現し得る。
【解決手段】一方のコンクリートブロックのPC鋼棒2に装着した第一の連結部材431と他方のコンクリートブロックのPC鋼棒2に装着した第二の連結部材432とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5を配した連結構造とした。このようなものであれば、PC鋼棒2を牽引し緊張してもPC鋼棒2が折れ曲がり破断する等の不具合は生じない。従って、連結対象のコンクリートブロックに適切に圧縮力を加えることができ、相互の一体性、連続性、水密性を具現し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボックスカルバートに代表されるコンクリートブロックを連結するために用いられる連結装置、及び、この連結装置を用いてなる連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボックスカルバートを緊張材たるPC鋼棒を介して緊締連結して上下水道、共同溝、地下道等を構築する工法が知られている。出願人は既に、ボックスカルバートを直列連結して直線方向に延伸する管路を構築するための画期的な工法の幾つかを出願している(例えば、下記特許文献を参照)。基本的には、既設のボックスカルバートの開口端面に次に敷設するボックスカルバートの開口端面を突き合わせ、これらボックスカルバートに挿通されているアンボンドPC鋼棒同士をカップラで連結した後、ジャッキを使用してPC鋼棒を強力に牽引して、ボックスカルバート同士を圧着する。そして、所定の緊張力を付与した状態でPC鋼棒に定着ナットを締結して定着する。以降、連結するボックスカルバートの個数に応じて同様の工程を反復実施する。結果、直列連結したボックスカルバート群に均一に圧縮力(プレストレス)が加えられ、ボックスカルバート相互の一体性、連続性、水密性が具現される。
【特許文献1】特開平11−061954号公報
【特許文献2】特願2003−167014号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述した工法は、管路が屈曲する部位に対してはそのまま適用できない。管路上の屈曲部位は、斜角面即ち延伸方向に非垂直な開口端面を有するボックスカルバートの斜角面同士を接合することで構築可能であるが、PC鋼棒はボックスカルバートの延伸方向に平行に伸長するものであるため、連結されるPC鋼棒の軸線は交差して一直線上にはない。従って、これらPC鋼棒をカップラで連結しジャッキで牽引しようとすれば、PC鋼棒に曲げモーメントが作用して、PC鋼棒が折れ曲がり破断しかねない極めて危険な状況に陥る。
【0004】
上記の理由により、管路上の屈曲部位において斜角面を有するボックスカルバートを連結するに際しては、斜角面に連結用ボルトを螺着するための金具を予め埋設しておき、ボックスカルバート配置後にこの金具に連結用ボルトを螺入して両ボックスカルバートの連結を行うことが一般的である。しかしながら、この場合には、ボックスカルバートが連結用ボルトのみで連結していることとなり、圧縮力が作用せず、従って相互の一体性、連続性、水密性が担保されない。
【0005】
以上の問題に初めて着目してなされた本発明は、管路上の屈曲部位において直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を担保し得るような連結構造を実現することを所期の目的とし、そのために有効な連結装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、緊張材が挿通または埋設されたコンクリートブロック同士を連結するために用いられるものであって、相対回動可能な第一の連結部材及び第二の連結部材を備え、第一の連結部材を一方のコンクリートブロックの緊張材に装着し、第二の連結部材を他方のコンクリートブロックの緊張材に装着して両緊張材を連結する連結具(カップラ)と、前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具とを具備する連結装置を構成した。
【0007】
即ち、軸線が交差する位置関係にある緊張材同士を、その交差角度に対応して両連結部材のなす角度を変更可能な連結具を用いて連結し、なおかつ、両連結部材が拡開することを保定具によって抑止するようにしたのである。このようなものであれば、斜角面を有するボックスカルバート等のコンクリートブロックの連結に際して、これらコンクリートブロックの緊張材を連結、牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらにこのとき、連結具における両連結部材が拡開すること、言い換えるならば連結具が装着されている緊張材の端部が入隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの内方)に変位することが抑止されるため、曲げモーメントが作用して緊張材が折れ曲がる問題は回避される。よって、連結されるコンクリートブロックに適切に圧縮力を加えることができ、相互の一体性、連続性、水密性が具現される。
【0008】
前記第一の連結部材と、前記第二の連結部材と、これら連結部材を相対回動可能に結合する結合部材とに分解することができるならば、第一の連結部材を一方の緊張材に装着し、第二の連結部材を他方の緊張材に装着して、しかる後に結合部材によりこれら連結部材を結合するという手順をとり得る。つまり、コンクリートブロックの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0009】
前記保定具が、前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材を相対回動可能に結合する結合部材を前記コンクリートブロックに係留して該結合部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、連結具を一箇所(即ち、結合部材)で保定することとなるため、複数箇所で複数個の保定具を用いずともよくなる利点がある。
【0010】
前記保定具が、前記結合部材の軸心回りに回動可能であるならば、連結具に対する保定具の配置を適宜に変更し得る。これにより、施工が簡便化するだけでなく、連結されるコンクリートブロックの幾何的条件(両コンクリートブロックの交差角度)に対する汎用性も向上する。
【0011】
前記保定具に雌ねじを設け、前記結合部材に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けており、前記保定具を前記コンクリートブロックに固定し、しかる後前記結合部材を保定具に螺着するものであるならば、該連結装置を構成する部品の点数の削減に奏効する。
【0012】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向即ち軸線方向に略平行に延伸する溝を形成し、前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、前記連結部材が保定具に対し緊張材の伸長方向に沿って相対的に変位することが許容される。従って、緊張材を牽引して緊張するときに保定具が妨げとならないという有利な効用を得られる。
【0013】
前記保定具が、前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に介在して該連結部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、連結具を簡便に保定できる。
【0014】
前記保定具が、雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材に螺合する雄ねじ部材とを備えており、前記雌ねじ部材と前記雄ねじ部材とのうち一方を前記コンクリートブロックに固定し、他方を前記連結具に取着するものであるならば、雄ねじ部材と雌ねじ部材とを分解して個別にコンクリートブロックと連結具とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、コンクリートブロックの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0015】
前記保定具の少なくとも一部を連結対象となる両コンクリートブロック間に配置し、前記連結具を介して連結した緊張材を緊張してコンクリートブロックの接合面同士を圧接することを通じて保定具をコンクリートブロックに固定するならば、緊張材を牽引し緊張する工程と同時に保定具をコンクリートブロックへ確実に定着することができる。しかも、コンクリートブロックの製造時に予め保定具を埋設しておくような工程が不要となる。
【0016】
前記連結部材に前記緊張材の伸長方向に略直交する方向に延伸する溝を形成し、この溝に緊張材を挿通して係止せしめるように構成しているならば、緊張材が連結部材に対しその溝に沿って相対的に変位することが許容される。このことは、連結具を緊張材に装着する際のフレキシビリティを向上させることにつながる。
【0017】
本発明に係る連結装置を使用すれば、一方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第一の連結部材と他方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第二の連結部材とを相対回動可能に結合して両緊張材を連結し、かつ、保定具を配して前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したコンクリートブロックの連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0018】
また、連結用の緊張材を埋設し、前記緊張材の端部に該当する部位に緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面に前記凹陥に連通する凹溝を形成してあるコンクリートブロックを予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝に、連結具が拡開することを抑止する保定具を嵌め込んで固定することができ、簡便に本発明に係る連結構造を形成することが可能となる。
【0019】
同様に、連結用の緊張材を埋設し、前記緊張材の端部に該当する部位に緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、かつ、前記凹陥に臨む所定位置に雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロックを製作しておくことも好ましい。このようなものであれば、連結具と係合して連結具が拡開することを抑止する雄ねじ部材または雌ねじ部材を、既に埋設してある雌ねじ部材または雄ねじ部材に螺着して固定することができ、簡便に本発明に係る連結構造を形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、管路上の屈曲部位においても、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を担保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1実施形態>以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。はじめに、各実施形態に共通するコンクリートブロック及び緊張材の基本構成について概説する。図1に示すように、コンクリートブロックたるボックスカルバート1は、複数を連結して上下水道、共同溝、地下道等の管路を構築するために用いられるもので、頂版11、底版12及び左右の側壁13、14が角筒形状をなしているプレキャストコンクリート部材である。内周の四隅には厚肉の隅肉部(ハンチ)15を設けており、この隅肉部15にボックスカルバート1の延伸方向に沿って延伸する緊張材挿通孔16を穿ってある。また、ボックスカルバート1の開口端面に、隅肉部15を切り欠くような凹陥17を形成している。緊張材挿通孔16は、この凹陥17に開口する。凹陥17はボックスカルバート1の内周に連通しており、ボックスカルバート1の開口端面同士を近接ないし密接させた状態で、内周側より凹陥17内に連結装置3を設置する作業を行うことが可能である。
【0022】
緊張材挿通孔16には、緊張材たるアンボンドPC鋼棒2を挿通して配置する。PC鋼棒2は、管路の施工時に緊張材挿通孔16に挿通してもよく、ボックスカルバート1の製造時(または、コンクリートの打設時)に予め埋設しておいてもよいことは言うまでもない。PC鋼棒2の両端部は、凹陥17内に露出させる。PC鋼棒2の両端部には、雄ねじ21を切ってある。一般に、連結対象となるボックスカルバート1を互いの開口端面を近接させるように据え付け、各ボックスカルバート1のPC鋼棒2の相寄る端部同士を連結装置3を介して連結し、しかる後ジャッキで牽引してPC鋼棒2に緊張力を付与することで、ボックスカルバート1を圧着連結する。
【0023】
ボックスカルバート1の開口端面には、ジョイントゴム4を配することが多い。ジョイントゴム4は、ボックスカルバート1間の間隙を埋める目地シール材であり、例えば水膨張ゴムを基材とし、開口端面における内周と外周との中間の領域に収まるような環状をなす。
【0024】
直線的な管路を構築する場合には、開口端面が延伸方向に垂直である外形が略直方体状のボックスカルバート1Xを直列連結する。他方、屈曲ないし湾曲する管路を構築する場合には、開口端面が延伸方向に非垂直な斜角面18となっているボックスカルバート1を用いる。即ち、斜角面18を有するボックスカルバート1の斜角面18同士を接合することで、管路の屈曲部位を構築する。斜角面18を有するボックスカルバート1は、斜角面18を有さない通常のボックスカルバート1の製造に使用される型枠を流用して製造可能である。ボックスカルバート1の斜角面18同士を接合する場合、連結されるPC鋼棒2の軸線は交差する位置関係にあり、両者は一直線上にない。本発明に係る連結装置3は、このように交差する位置関係にあるPC鋼棒2を好適に連結し得るものである。
【0025】
以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。図2ないし図4に示すように、連結装置3は、連結対象となるボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する連結具4と、連結具4を介して連結したPC鋼棒2を牽引したときに連結具4が管路の入隅側に変位することを抑止する保定具5とを具備する。連結具4は、一方のPC鋼棒2に装着する第一の連結部材411と、他方のPC鋼棒2に装着する第二の連結部材412とを要素とする。
【0026】
第一の連結部材411は、略円筒状の本体の一端側に雌ねじ穴411aを設け、他端側に軸心方向に平行に延出する一対の延出体411bを設けたものである。雌ねじ穴411aには、雄ねじ21が形成されたPC鋼棒2の端部を螺入することができる。延出体411bは、本体の軸心に対称に離間して対向し、間に空隙を内在させている。両延出体411bには、本体の径方向に貫通する軸孔411cを穿ってある。
【0027】
第二の連結部材412は、第一の連結部材411における空隙に差し入れられる程度の断面寸法を有する略六角柱状の部材であって、一端側に雌ねじ穴412aを設けており、かつ他端側に径方向に貫通する軸孔412bを穿ってある。雌ねじ穴412aには、PC鋼棒2の端部を螺入することができる。
【0028】
第一の連結部材411及び第二の連結部材412は、結合部材たるヒンジ軸61を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第二の連結部材412の他端側を第一の連結部材411の他端側の空隙に差し入れ、両連結部材411、412の軸孔にヒンジ軸61を挿通することで、各連結部材411、412がヒンジ軸61回りに回動可能となる。
【0029】
保定具5は、PC鋼棒2を連結する連結具4をボックスカルバート1に係留する役割を担う。保定具5は、雄ねじ部材511と、雄ねじ部材511に螺着する雌ねじ部材512とを要素とする。雄ねじ部材511は、略U字形状をなし、その両端部に雄ねじ511aを切ってある。雄ねじ部材511は、ボックスカルバート1に対して固定される。より具体的には、図5に例示するように、連結対象となるボックスカルバート1の一方または両方の開口端面(即ち、斜角面18)に、雄ねじ部材511の湾曲部位を嵌め入れることが可能な凹溝191を予め形成しておき、雄ねじ部材511の当該部位を凹溝191に嵌め入れた後、両ボックスカルバート1の開口端面同士を圧接することで、雄ねじ部材511をボックスカルバート1に固定するものとしている。凹溝191は凹陥17に連通しており、雄ねじ部材511を嵌め入れたときにその端部が凹陥17内に突出する。
【0030】
雌ねじ部材512は、連結具4に対し取着されるもので、ヒンジ軸61を挿通可能な環状体512aに、雄ねじ部材511の端部に螺合する雌ねじ孔512cを有するナット512bを設けてなる。雌ねじ孔512cは、環状体512aの径方向に沿ってナット512bを貫通している。
【0031】
但し、略U字形状をなす部材の両端部に雌ねじ穴を設けてこれを雌ねじ部材とし、環状体に前記雌ねじ穴に螺合する雄ねじを設けてこれを雄ねじ部材とする態様を妨げない。この場合、雌ねじ部材がボックスカルバート1に固定され、雄ねじ部材が連結具4に取着されることとなる。
【0032】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材411を螺着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材412を螺着する。また、既設のボックスカルバート1の開口端面に形成された凹溝191に雄ねじ部材511の湾曲部位を嵌め入れ、粘着テープや接着剤等で仮止めする。
【0033】
次に、両ボックスカルバート1の開口端面同士が近接するように、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎(図示せず)上に据え置く。続いて、第一の連結部材411、第二の連結部材412を軸回りに回転させ、第一の連結部材411の他端側の空隙に第二の連結部材412の他端側が入り込むように両連結部材411、412の位置を調整する。並びに、凹陥17内に突出している雄ねじ部材511の端部に雌ねじ部材512を螺着し、両連結部材411、412の軸孔411c、412bと雌ねじ部材512の環状体512aとが同心軸上に並ぶように配置する。そして、ヒンジ軸61を両連結部材411、412の軸孔411c、412b及び雌ねじ部材512の環状体512aに挿通する。この結果、第一の連結部材411及び第二の連結部材412がヒンジ軸61を介して相対回動可能に結合し、両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。
【0034】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接し、雄ねじ部材511が挟み付けられて完全に固定される。同時に、両連結部材411、412を結合しているヒンジ軸61には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、このヒンジ軸61は保定具5を介してボックスカルバート1に係留されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0035】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材411及び第二の連結部材412を備え、第一の連結部材411を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材412を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材411と前記第二の連結部材412とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材411、412のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材411、412が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0036】
前記第一の連結部材411と、前記第二の連結部材412と、これら連結部材411、412を相対回動可能に結合するヒンジ軸61とに分解することができるため、第一の連結部材411を一方のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材412を他方のPC鋼棒2に装着して、しかる後にヒンジ軸61によりこれら連結部材411、412を結合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0037】
前記保定具5が、前記第一の連結部材411及び前記第二の連結部材412を相対回動可能に結合するヒンジ軸61を前記ボックスカルバート1に係留して該ヒンジ軸61が入隅側に変位することを抑止するため、連結具4を一箇所(即ち、ヒンジ軸61)で保定でき、複数箇所で複数個の保定具5を用いずともよくなる。
【0038】
前記保定具5が、前記ヒンジ軸61の軸心回りに回動可能であるため、連結具4に対する保定具5の配置を適宜に変更し得る。これにより、施工が簡便化するだけでなく、連結されるボックスカルバート1の幾何的条件(両ボックスカルバート1の交差角度)に対する汎用性も向上する。
【0039】
前記保定具5が、雌ねじ部材512と、前記雌ねじ部材512に螺合する雄ねじ部材511とを備えており、前記雌ねじ部材512と前記雄ねじ部材511とのうち一方を前記ボックスカルバート1に固定し、他方を前記連結具4に取着するものであるため、雄ねじ部材511と雌ねじ部材512とを分解して個別にボックスカルバート1と連結具4とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0040】
前記保定具5の少なくとも一部(即ち、雄ねじ部材511の湾曲部位)を連結対象となる両ボックスカルバート1間に配置し、前記連結具4を介して連結したPC鋼棒2を緊張してボックスカルバート1の接合面(即ち、斜角面18)同士を圧接することを通じて保定具5をボックスカルバート1に固定するため、PC鋼棒2を牽引し緊張する工程と同時に保定具5をボックスカルバート1へ確実に定着することができる。しかも、ボックスカルバート1の製造時に予め保定具5を埋設しておくような工程が不要となる。
【0041】
該連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材411と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材412とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、保定具5を介して前記連結具4が前記第一の連結部材411と前記第二の連結部材412とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0042】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具4の要素である第一の連結部材411または第二の連結部材412を配置するための凹陥17を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面18に前記凹陥17に連通する凹溝191を形成してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝191に、連結具4が拡開することを抑止する保定具5(の一部をなす雄ねじ部材511)を嵌め込んで固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0043】
<第2実施形態>本実施形態の連結装置3は、第一の連結部材421及び第二の連結部材422を相対回動可能に結合するヒンジ軸62を直接的にコンクリートブロックに保定するようにしている点を特徴とする。以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。
【0044】
図6ないし図7に示すように、本実施形態における第一の連結部材421は、炭素鋼管等のパイプ材の一部を切り出した部分円筒形状をなす本体に、軸孔421cを有する軸受体421bを設けたものである。第一の連結部材421の本体は、平面視半周よりも小さい角度の範囲で切り取った周壁を主体とし、その周壁にPC鋼棒2を挿通する挿通孔421aを穿っている。軸受体421bは、本体の周壁の切り取り範囲に対応する角度に屈曲している平面視略く字形状をなす板状体で、略水平姿勢で本体の内側方に溶接等により取り付けられる。軸孔421cは、軸受体421bの中心部に穿たれ、軸受体421bを本体の軸心方向に沿って、言い換えるならば上下に貫通する。本実施形態では、軸心方向に離間して対向する複数の軸受体421bを設けている。図示例では、本体の上端よりやや下った位置と下端近傍とに軸受体421bを取り付けてある。また、軸受体421bの本体側の縁部に、上方に突き出る突条421dを形成している。
【0045】
第二の連結部材422もまた、部分円筒形状をなす本体に、軸孔を有する軸受体422bを設けたものである。第二の連結部材422の本体は、平面視半周よりも小さい角度の範囲で切り取った周壁を主体とし、その周壁にPC鋼棒2を挿通する挿通孔422aを穿っている。軸受体422bは、本体の周壁の切り取り範囲に対応する角度に屈曲している平面視略く字形状をなす板状体で、略水平姿勢で本体の内側方に溶接等により取り付けられる。軸孔422cは、軸受体421bの中心部に穿たれ、軸受体421bを上下に貫通する。本実施形態では、軸心方向に離間して対向する複数の軸受体422bを設けている。図示例では、本体の上端近傍と下端よりやや上った位置とに軸受体422bを取り付けてある。また、軸受体422bの本体側の縁部に、下方に突き出る突条422dを形成している。
【0046】
第一の連結部材421及び第二の連結部材422は、結合部材たるボルト62を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第一の連結部材421の軸受体421bと第二の連結部材422の軸受体422bとを略重ね合わせてこれらの軸孔421c、422cを同心軸上に配列し、軸孔421c、422cにボルト62を挿通することで、各連結部材421、422がボルト62の軸部回りに回動可能となる。即ち、ボルト62の軸部がヒンジ軸として機能する。このとき、両連結部材421、422の軸受体421b、422bは互い違いになるように配置され、一方の連結部材を他方に対して回動させても所定の範囲内であれば軸受体421b、422bが干渉し合うことはない。ボルト62の先端部位には、雄ねじ62aを切ってある。
【0047】
本実施形態における保定具5は、第一の連結部材421と第二の連結部材422とを結合するボルト62が螺着される角ナット521(高ナット)である。角ナット521は、ボルト62の先端部位に形成された雄ねじ62aに螺合する雌ねじ孔521aを有し、ボックスカルバート1に対して固定される。より具体的には、図8に例示するように、連結対象となるボックスカルバート1の一方または両方の開口端面に、角ナット521を嵌め入れることが可能な凹192を予め形成しておき、角ナット521を凹溝192に嵌め入れた後、両ボックスカルバート1の開口端面同士を圧接することで、角ナット521をボックスカルバート1に固定するものとしている。凹溝192は凹陥17に連通しており、角ナット521を嵌め入れたときにその雌ねじ孔62aが凹陥17内に露出する。
【0048】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材421を装着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材422を装着する。本実施形態では、連結部材421、422の本体に穿たれた挿通孔421a、422aにPC鋼棒2を外側方より挿通し、その端部に特殊ナット423を螺着することで、PC鋼棒2を連結部材421、422に対して係止する。因みに、特殊ナット423の座面は、連結部材421、422の本体の内周面に概ね対応する曲面形状に成形してある。また、既設のボックスカルバート1の開口端面に形成された凹溝192に角ナット521を嵌め入れ、粘着テープや接着剤等で仮止めする。
【0049】
次に、両ボックスカルバート1の開口端面同士が近接するように、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎上に据え置く。続いて、特殊ナット423を軸回りに回転させて第一の連結部材421及び第二の連結部材422の位置を調整し、両連結部材421、422の軸孔421c、422cと角ナット521の雌ねじ孔521aとが同心軸上に並ぶように配置する。そして、連結部材421、422の上下にワッシャ424を配した上で、ボルト62を両連結部材421、422の軸孔421c、422cに挿通して角ナット521の雌ねじ孔521aに螺入する。この結果、第一の連結部材421及び第二の連結部材422がボルト62の軸部を介して相対回動可能に結合し、両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。
【0050】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接し、角ナット521が挟み付けられて完全に固定される。同時に、両連結部材421、422を結合しているボルト62には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、このボルト62は角ナット521を介してボックスカルバート1に保定されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0051】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材421及び第二の連結部材422を備え、第一の連結部材421を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材422を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材421と前記第二の連結部材422とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材421、422のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材421、422が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0052】
前記第一の連結部材421と、前記第二の連結部材422と、これら連結部材421、422を相対回動可能に結合するボルト62とに分解することができるため、第一の連結部材421を一方のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材422を他方のPC鋼棒2に装着して、しかる後にボルト62によりこれら連結部材421、422を結合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0053】
前記保定具5たる角ナット521が、前記第一の連結部材421及び前記第二の連結部材422を相対回動可能に結合するボルト62を前記ボックスカルバート1に係留して該ボルト62が入隅側に変位することを抑止するため、連結具4を一箇所(即ち、ボルト62)で保定でき、複数箇所で複数個の保定具5を用いずともよくなる。
【0054】
前記角ナット521に雌ねじを設け、前記ボルト62に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けて、前記角ナット521を前記ボックスカルバート1に固定し、しかる後前記ボルト62を角ナット521に螺着するものとしたため、該連結装置3を構成する部品の点数の削減に奏効する。
【0055】
前記角ナット521を連結対象となる両ボックスカルバート1間に配置し、前記連結具4を介して連結したPC鋼棒2を緊張してボックスカルバート1の接合面(即ち、斜角面18)同士を圧接することを通じて角ナット521をボックスカルバート1に固定するため、PC鋼棒2を牽引し緊張する工程と同時に角ナット521をボックスカルバート1へ確実に定着することができる。しかも、ボックスカルバート1の製造時に予め角ナット521を埋設しておくような工程が不要となる。
【0056】
本発明に係る連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材421と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材422とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、ボルト62と角ナット521との螺合により前記連結具4が前記第一の連結部材421と前記第二の連結部材422とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0057】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具4の要素である第一の連結部材421または第二の連結部材422を配置するための凹陥17を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面18に前記凹陥17に連通する凹溝192を形成してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝192に、結合部材62と螺合して連結具4が拡開することを抑止する保定具521を嵌め込んで固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0058】
<第3実施形態>本実施形態の連結装置3は、第一の連結部材431及び第二の連結部材432のそれぞれをコンクリートブロックに保定するようにしている点を特徴とする。以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。
【0059】
図9ないし図12に示すように、本実施形態における第一の連結部材431は、平行板部431aと、平行板部431aの一端側で屈曲し平行板部431aに対して略垂直に延伸する垂直板部431bと、これら平行板部431a及び垂直板部431bに接合し各々に対して直交する補強板部431cとを備える。平行板部431aは、該第一の連結部材431をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略平行となる部位であって、PC鋼棒2に略平行に延伸する平行溝431dを切り欠いてある。平行板部431aの他端側は湾曲させ、軸孔を内包する筒状の軸受体431eを形成する。図示例では、平行板部431aの上下幅の中間に軸受体431eを設けている。垂直板部431bは、該第一の連結部材431をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略垂直となる部位であって、PC鋼棒2に略直交する方向に延伸する係止溝431fを切り欠いてある。平行溝431dと係止溝431fとは、一体的な溝穴となっている。係止溝431fの溝幅は、PC鋼棒2の径寸法に略対応する大きさに設定する。補強板部431cは、平行板部431aと垂直板部431bとがなす平面視略L字形状の内角側に接合する平面視略三角形状の薄板体である。また、平行板部431aの外表面(反補強板部431c側の面)に、突片431gを設けている。図示例では、短尺な円柱状をなし、軸受体431eの上下端近傍に取り付けてある。
【0060】
第二の連結部材432もまた、平行板部432aと、平行板部432aの一端側で屈曲し平行板部432aに対して略垂直に延伸する垂直板部432bと、これら平行板部432a及び垂直板部432bに接合し各々に対して直交する補強板部432cとを備える。平行板部432aは、該第二の連結部材432をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略平行となる部位であって、PC鋼棒2に略平行に延伸する平行溝432dを切り欠いてある。平行板部432aの他端側は湾曲させ、軸孔を内包する筒状の軸受体432eを形成する。図示例では、平行板部432aの上端近傍及び下端近傍に軸受体432eを離間させて設けている。垂直板部432bは、該第二の連結部材432をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略垂直となる部位であって、PC鋼棒2に略直交する方向に延伸する係止溝432fを切り欠いてある。平行溝432dと係止溝432fとは、一体的な溝穴となっている。係止溝432fの溝幅は、PC鋼棒2の径寸法に略対応する大きさに設定する。補強板部432cは、平行板部432aと垂直板部432bとがなす平面視略L字形状の内角側に接合する平面視略三角形状の薄板体である。また、平行板部432aの外表面に、突片432gを設けている。図示例では、短尺な円柱状をなし、上下に離間している軸受体432eの近傍に取り付けてある。突片432gは、連結部材431、432の剛性を高めるために機能する。
【0061】
第一の連結部材431及び第二の連結部材432は、結合部材たるヒンジ軸63を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第一の連結部材431の軸受体431eと第二の連結部材432の軸受体432eとを略重ね合わせてこれらを同心軸上に配列し、軸受体431e、432e内にヒンジ軸63を挿通することで、各連結部材431、432がヒンジ軸63回りに回動可能となる。このとき、両連結部材431、432の軸受体431e、432eは互い違いになるように配置され、一方の連結部材を他方に対して回動させても軸受体431e、432eが干渉し合うことはない。なお、本実施形態では、ヒンジ軸63を軸孔より抜脱不能としており、第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離させることはできない。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、ヒンジ軸63を自由に挿脱できるものとして第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離可能とすることを妨げない。
【0062】
本実施形態の連結具4は、後述するように、屈曲する管路の入隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの内方)に配される場合と出隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの外方)に配される場合とで使用態様が異なる。そして、保定具5も、屈曲する管路の入隅側に配される連結具4を保定するものと出隅側に配される連結具4を保定するものとでは相異なる。管路の入隅側において用いられる保定具5は、ボックスカルバート1の凹陥17の内壁面と第一の連結部材431または第二の連結部材432の外表面との間に介在させるスペーサ531、532である。本実施形態のスペーサ531、532は、各連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面に当接し、該連結部材431、432が管路の入隅側に変位することを抑止する。凹陥17と第一の連結部材431との間に介在させるスペーサ531、凹陥17と第二の連結部材432との間に介在させるスペーサ532はともに、平行板部431a、432aに相似する面形状をなす板状体であって、側端には突片431g、432gの少なくとも一部を収容する切欠531a、532aを形成している。
【0063】
管路の出隅側において用いられる保定具5は、雄ねじ部材533と、雄ねじ部材533に螺着する雌ねじ部材534とを要素とする。雄ねじ部材は、先端部位に雄ねじを切ったボルト533であり、その軸部を第一の連結部材431または第二の連結部材432の平行溝431d、432dに挿通して頭部を平行溝431d、432dの縁端に係止させ得るものである。つまり、軸部を平行溝431dに挿通することを通じて、ボルト533を連結部材431、432に対し取着することができる。雌ねじ部材は、前記ボルト533が螺着されるインサートナット534である。インサートナット534は、ボルト533の先端部位に形成された雄ねじ533aに螺合する雌ねじ孔534aを有し、ボックスカルバート1に対して固定される。本実施形態では、ボックスカルバート1の製造時に、凹陥17に臨む所定位置に予め埋設されている。
【0064】
但し、連結部材431、432の平行溝431d、432dに係止される部材に雌ねじ穴を設けてこれを雌ねじ部材とし、ボックスカルバート1に埋設されるインサート部材に前記雌ねじ穴に螺合する雄ねじを設けてこれを雄ねじ部材とする態様を妨げない。この場合、雌ねじ部材がボックスカルバート1に固定され、雄ねじ部材が連結具4に取着されることとなる。
【0065】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎上に据え置き、両ボックスカルバート1の開口端面同士を近接させる。次に、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材431を装着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材432を装着する。本実施形態では、連結部材431、432の垂直板部431b、432bに形成された係止溝431f、432fにPC鋼棒2を外側方より挿通し、その端部にワッシャ433及びナット434を螺着することで、PC鋼棒2を連結部材431、432に対して係止する。この結果、第一の連結部材431及び第二の連結部材432が両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。なお、図9に示しているように、ボックスカルバート1が構築する管路の入隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面が入隅側を向くように連結具4を設置する。並びに、図10に示しているように、管路の出隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面が出隅側を向くように連結具4を設置する。
【0066】
続いて、連結具4を保定する保定具5を配設する。管路の入隅側においては、ボックスカルバート1の凹陥17の内壁面と連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面との間にスペーサ531、532を差し入れ、平行板部431a、432aに設けられた突片431g、432gにスペーサ531、532の側端に形成された切欠531a、532aを係合させる。管路の出隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aに形成された平行溝431d、432dにワッシャ535を介してボルト533を管路の入隅側より挿通し、予めボックスカルバート1の凹陥17の内壁面に埋設されているインサートナット534の雌ねじ孔534aに螺入する。
【0067】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接する。同時に、両連結部材431、432には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、これら連結部材431、432はスペーサ531、532またはボルト533及びインサートナット534を介してボックスカルバート1に保定されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0068】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材431及び第二の連結部材432を備え、第一の連結部材431を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材432を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材431、432のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材431、432が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0069】
管路の出隅側において、前記ボルト533を前記平行溝431d、432dに挿通した状態で前記第一の連結部材431または前記第二の連結部材432に係止し、かつこのボルト533をインサートナット534を介して前記ボックスカルバート1に固定することで、該連結部材431、432が入隅側に変位することを抑止しているため、前記連結部材431、432が保定具5たるボルト533及びインサートナット534に対しPC鋼棒2の伸長方向に沿って相対的に変位することが許容される。従って、PC鋼棒2を牽引して緊張するときに保定具5が妨げとならないという有利な効用を得られる。
【0070】
管路の入隅側において、前記ボックスカルバート1と前記第一の連結部材431または前記第二の連結部材432との間に保定具5たるスペーサ531、532を介在させて該連結部材431、432が管路の入隅側に変位することを抑止するものとしているため、簡便に連結具4の保定を行うことが可能であり、連結具4及び保定具5をボックスカルバート1に固定するための特段の処理手順を経る必要がない。
【0071】
管路の出隅側における保定具5が、雌ねじ部材534と、前記雌ねじ部材534に螺合する雄ねじ部材533とを備えており、前記雌ねじ部材534と前記雄ねじ部材533とのうち一方を前記ボックスカルバート1に固定し、他方を前記連結具4に取着するものであるため、雄ねじ部材533と雌ねじ部材534とを分解して個別にボックスカルバート1と連結具4とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0072】
前記連結部材431、432に前記PC鋼棒2の伸長方向に略直交する方向に延伸する係止溝431f、432fを形成し、この係止溝431f、432fにPC鋼棒2を挿通して係止せしめるように構成しているため、PC鋼棒2が係止溝431f、432fに沿って相対的に変位することが許容される。よって、連結具4をPC鋼棒2に装着する際のフレキシビリティが向上する。
【0073】
該連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材431と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材432とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、保定具5を介して前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバートの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0074】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具2の要素である第一の連結部材431または第二の連結部材432を配置するための凹陥17を形成し、かつ、前記凹陥17に臨む所定位置に雌ねじ部材534(または、雄ねじ部材)を埋設してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、連結具4と係合して連結具4が拡開することを抑止する雄ねじ部材533(または、雌ねじ部材)を、既に埋設してある雌ねじ部材534(または、雄ねじ部材)に螺着して固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0075】
<第4実施形態>本実施形態は、上記第3実施形態における第一の連結部材431及び第二の連結部材432を相対回動可能に結合する結合部材の態様を変更したものである。以降、第3実施形態との相異点に主眼を置いて述べる。
【0076】
図13ないし図15に示しているように、本実施形態における第一の連結部材431では、平行板部431aの他端側に軸受体431eを設ける替わりに、平行板部431aの他端の一部をその延伸方向に沿って延出させ、延出端より上下方向に略楕円の断面形状をなすピン431hを突出させている。図示例では、上下の延出端より互いに相寄る方向に突出する一対のピン431hを設けている。第二の連結部材432でも、同じくピン432hを設けている。
【0077】
しかして、第一の連結部材431のピン431hと、第二の連結部材432のピン432hとをともに挿通するように結合リング435を装着することで、第一の連結部材431及び第二の連結部材432を相対回動可能に結合するものとしている。即ち、結合リング435を装着した状態で、両ピン431h、432hは結合リング435の内周に対し摺動する。
【0078】
結合リング435を連結部材431、432に装着するに際しては、第一の連結部材431の他端側と第二の連結部材432の他端側とを隣接させ、上下になすピン431h、432hの先端間に結合リング435を差し入れ、しかる後この結合リング435をピン431h、432hに沿って上方または下方に移動させることにより、両連結部材431、432のピン431h、432hを結合リング435内に挿通する。本実施形態では、上側のピン431h、432h、下側のピン431h、432hのそれぞれに結合リング435を装着する。さらに、ピン431h、432hと係合している上下の結合リング435間に別個の結合リング435を挿入することで、上下の結合リング435がピン431h、432hより脱離することを防止する。この結果、両連結部材431、432が結合する。
【0079】
本実施形態では、結合リング435が結合部材としての役割を担う。第3実施形態と異なり、結合部材たる結合リング435は両連結部材431、432に対して挿脱自在である。従って、第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離させることが可能である。
【0080】
その他各部の具体的態様については、上記第3実施形態と同様の構成とすることができるため、ここでは説明を省略する。
【0081】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の適用対象となるコンクリートブロックを示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態における連結装置を示す平断面図。
【図3】同正面図。
【図4】同側面図。
【図5】同実施形態におけるコンクリートブロックの斜角面を示す平面部。
【図6】本発明の一実施形態における連結装置を示す平断面図。
【図7】図6におけるA−A線断面図。
【図8】同実施形態におけるコンクリートブロックの斜角面を示す平面部。
【図9】本発明の一実施形態における(管路の入隅側の)連結装置を示す平断面図。
【図10】同実施形態における(管路の出隅側の)連結装置を示す平断面図。
【図11】同実施形態における連結具を示す斜視図。
【図12】同実施形態における連結具及びスペーサーを示す斜視図。
【図13】本発明の一実施形態における連結装置を示す要部側面図。
【図14】同要部側面図
【図15】同要部側面図。
【符号の説明】
【0083】
1…コンクリートブロック(ボックスカルバート)
2…緊張材(PC鋼棒)
3…連結装置
4…連結具
411、421、431…第一の連結部材
412、422、432…第二の連結部材
5…保定具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボックスカルバートに代表されるコンクリートブロックを連結するために用いられる連結装置、及び、この連結装置を用いてなる連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボックスカルバートを緊張材たるPC鋼棒を介して緊締連結して上下水道、共同溝、地下道等を構築する工法が知られている。出願人は既に、ボックスカルバートを直列連結して直線方向に延伸する管路を構築するための画期的な工法の幾つかを出願している(例えば、下記特許文献を参照)。基本的には、既設のボックスカルバートの開口端面に次に敷設するボックスカルバートの開口端面を突き合わせ、これらボックスカルバートに挿通されているアンボンドPC鋼棒同士をカップラで連結した後、ジャッキを使用してPC鋼棒を強力に牽引して、ボックスカルバート同士を圧着する。そして、所定の緊張力を付与した状態でPC鋼棒に定着ナットを締結して定着する。以降、連結するボックスカルバートの個数に応じて同様の工程を反復実施する。結果、直列連結したボックスカルバート群に均一に圧縮力(プレストレス)が加えられ、ボックスカルバート相互の一体性、連続性、水密性が具現される。
【特許文献1】特開平11−061954号公報
【特許文献2】特願2003−167014号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述した工法は、管路が屈曲する部位に対してはそのまま適用できない。管路上の屈曲部位は、斜角面即ち延伸方向に非垂直な開口端面を有するボックスカルバートの斜角面同士を接合することで構築可能であるが、PC鋼棒はボックスカルバートの延伸方向に平行に伸長するものであるため、連結されるPC鋼棒の軸線は交差して一直線上にはない。従って、これらPC鋼棒をカップラで連結しジャッキで牽引しようとすれば、PC鋼棒に曲げモーメントが作用して、PC鋼棒が折れ曲がり破断しかねない極めて危険な状況に陥る。
【0004】
上記の理由により、管路上の屈曲部位において斜角面を有するボックスカルバートを連結するに際しては、斜角面に連結用ボルトを螺着するための金具を予め埋設しておき、ボックスカルバート配置後にこの金具に連結用ボルトを螺入して両ボックスカルバートの連結を行うことが一般的である。しかしながら、この場合には、ボックスカルバートが連結用ボルトのみで連結していることとなり、圧縮力が作用せず、従って相互の一体性、連続性、水密性が担保されない。
【0005】
以上の問題に初めて着目してなされた本発明は、管路上の屈曲部位において直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を担保し得るような連結構造を実現することを所期の目的とし、そのために有効な連結装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、緊張材が挿通または埋設されたコンクリートブロック同士を連結するために用いられるものであって、相対回動可能な第一の連結部材及び第二の連結部材を備え、第一の連結部材を一方のコンクリートブロックの緊張材に装着し、第二の連結部材を他方のコンクリートブロックの緊張材に装着して両緊張材を連結する連結具(カップラ)と、前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具とを具備する連結装置を構成した。
【0007】
即ち、軸線が交差する位置関係にある緊張材同士を、その交差角度に対応して両連結部材のなす角度を変更可能な連結具を用いて連結し、なおかつ、両連結部材が拡開することを保定具によって抑止するようにしたのである。このようなものであれば、斜角面を有するボックスカルバート等のコンクリートブロックの連結に際して、これらコンクリートブロックの緊張材を連結、牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらにこのとき、連結具における両連結部材が拡開すること、言い換えるならば連結具が装着されている緊張材の端部が入隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの内方)に変位することが抑止されるため、曲げモーメントが作用して緊張材が折れ曲がる問題は回避される。よって、連結されるコンクリートブロックに適切に圧縮力を加えることができ、相互の一体性、連続性、水密性が具現される。
【0008】
前記第一の連結部材と、前記第二の連結部材と、これら連結部材を相対回動可能に結合する結合部材とに分解することができるならば、第一の連結部材を一方の緊張材に装着し、第二の連結部材を他方の緊張材に装着して、しかる後に結合部材によりこれら連結部材を結合するという手順をとり得る。つまり、コンクリートブロックの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0009】
前記保定具が、前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材を相対回動可能に結合する結合部材を前記コンクリートブロックに係留して該結合部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、連結具を一箇所(即ち、結合部材)で保定することとなるため、複数箇所で複数個の保定具を用いずともよくなる利点がある。
【0010】
前記保定具が、前記結合部材の軸心回りに回動可能であるならば、連結具に対する保定具の配置を適宜に変更し得る。これにより、施工が簡便化するだけでなく、連結されるコンクリートブロックの幾何的条件(両コンクリートブロックの交差角度)に対する汎用性も向上する。
【0011】
前記保定具に雌ねじを設け、前記結合部材に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けており、前記保定具を前記コンクリートブロックに固定し、しかる後前記結合部材を保定具に螺着するものであるならば、該連結装置を構成する部品の点数の削減に奏効する。
【0012】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向即ち軸線方向に略平行に延伸する溝を形成し、前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、前記連結部材が保定具に対し緊張材の伸長方向に沿って相対的に変位することが許容される。従って、緊張材を牽引して緊張するときに保定具が妨げとならないという有利な効用を得られる。
【0013】
前記保定具が、前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に介在して該連結部材が入隅側に変位することを抑止するものであるならば、連結具を簡便に保定できる。
【0014】
前記保定具が、雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材に螺合する雄ねじ部材とを備えており、前記雌ねじ部材と前記雄ねじ部材とのうち一方を前記コンクリートブロックに固定し、他方を前記連結具に取着するものであるならば、雄ねじ部材と雌ねじ部材とを分解して個別にコンクリートブロックと連結具とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、コンクリートブロックの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0015】
前記保定具の少なくとも一部を連結対象となる両コンクリートブロック間に配置し、前記連結具を介して連結した緊張材を緊張してコンクリートブロックの接合面同士を圧接することを通じて保定具をコンクリートブロックに固定するならば、緊張材を牽引し緊張する工程と同時に保定具をコンクリートブロックへ確実に定着することができる。しかも、コンクリートブロックの製造時に予め保定具を埋設しておくような工程が不要となる。
【0016】
前記連結部材に前記緊張材の伸長方向に略直交する方向に延伸する溝を形成し、この溝に緊張材を挿通して係止せしめるように構成しているならば、緊張材が連結部材に対しその溝に沿って相対的に変位することが許容される。このことは、連結具を緊張材に装着する際のフレキシビリティを向上させることにつながる。
【0017】
本発明に係る連結装置を使用すれば、一方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第一の連結部材と他方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第二の連結部材とを相対回動可能に結合して両緊張材を連結し、かつ、保定具を配して前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したコンクリートブロックの連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0018】
また、連結用の緊張材を埋設し、前記緊張材の端部に該当する部位に緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面に前記凹陥に連通する凹溝を形成してあるコンクリートブロックを予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝に、連結具が拡開することを抑止する保定具を嵌め込んで固定することができ、簡便に本発明に係る連結構造を形成することが可能となる。
【0019】
同様に、連結用の緊張材を埋設し、前記緊張材の端部に該当する部位に緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、かつ、前記凹陥に臨む所定位置に雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロックを製作しておくことも好ましい。このようなものであれば、連結具と係合して連結具が拡開することを抑止する雄ねじ部材または雌ねじ部材を、既に埋設してある雌ねじ部材または雄ねじ部材に螺着して固定することができ、簡便に本発明に係る連結構造を形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、管路上の屈曲部位においても、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を担保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1実施形態>以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。はじめに、各実施形態に共通するコンクリートブロック及び緊張材の基本構成について概説する。図1に示すように、コンクリートブロックたるボックスカルバート1は、複数を連結して上下水道、共同溝、地下道等の管路を構築するために用いられるもので、頂版11、底版12及び左右の側壁13、14が角筒形状をなしているプレキャストコンクリート部材である。内周の四隅には厚肉の隅肉部(ハンチ)15を設けており、この隅肉部15にボックスカルバート1の延伸方向に沿って延伸する緊張材挿通孔16を穿ってある。また、ボックスカルバート1の開口端面に、隅肉部15を切り欠くような凹陥17を形成している。緊張材挿通孔16は、この凹陥17に開口する。凹陥17はボックスカルバート1の内周に連通しており、ボックスカルバート1の開口端面同士を近接ないし密接させた状態で、内周側より凹陥17内に連結装置3を設置する作業を行うことが可能である。
【0022】
緊張材挿通孔16には、緊張材たるアンボンドPC鋼棒2を挿通して配置する。PC鋼棒2は、管路の施工時に緊張材挿通孔16に挿通してもよく、ボックスカルバート1の製造時(または、コンクリートの打設時)に予め埋設しておいてもよいことは言うまでもない。PC鋼棒2の両端部は、凹陥17内に露出させる。PC鋼棒2の両端部には、雄ねじ21を切ってある。一般に、連結対象となるボックスカルバート1を互いの開口端面を近接させるように据え付け、各ボックスカルバート1のPC鋼棒2の相寄る端部同士を連結装置3を介して連結し、しかる後ジャッキで牽引してPC鋼棒2に緊張力を付与することで、ボックスカルバート1を圧着連結する。
【0023】
ボックスカルバート1の開口端面には、ジョイントゴム4を配することが多い。ジョイントゴム4は、ボックスカルバート1間の間隙を埋める目地シール材であり、例えば水膨張ゴムを基材とし、開口端面における内周と外周との中間の領域に収まるような環状をなす。
【0024】
直線的な管路を構築する場合には、開口端面が延伸方向に垂直である外形が略直方体状のボックスカルバート1Xを直列連結する。他方、屈曲ないし湾曲する管路を構築する場合には、開口端面が延伸方向に非垂直な斜角面18となっているボックスカルバート1を用いる。即ち、斜角面18を有するボックスカルバート1の斜角面18同士を接合することで、管路の屈曲部位を構築する。斜角面18を有するボックスカルバート1は、斜角面18を有さない通常のボックスカルバート1の製造に使用される型枠を流用して製造可能である。ボックスカルバート1の斜角面18同士を接合する場合、連結されるPC鋼棒2の軸線は交差する位置関係にあり、両者は一直線上にない。本発明に係る連結装置3は、このように交差する位置関係にあるPC鋼棒2を好適に連結し得るものである。
【0025】
以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。図2ないし図4に示すように、連結装置3は、連結対象となるボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する連結具4と、連結具4を介して連結したPC鋼棒2を牽引したときに連結具4が管路の入隅側に変位することを抑止する保定具5とを具備する。連結具4は、一方のPC鋼棒2に装着する第一の連結部材411と、他方のPC鋼棒2に装着する第二の連結部材412とを要素とする。
【0026】
第一の連結部材411は、略円筒状の本体の一端側に雌ねじ穴411aを設け、他端側に軸心方向に平行に延出する一対の延出体411bを設けたものである。雌ねじ穴411aには、雄ねじ21が形成されたPC鋼棒2の端部を螺入することができる。延出体411bは、本体の軸心に対称に離間して対向し、間に空隙を内在させている。両延出体411bには、本体の径方向に貫通する軸孔411cを穿ってある。
【0027】
第二の連結部材412は、第一の連結部材411における空隙に差し入れられる程度の断面寸法を有する略六角柱状の部材であって、一端側に雌ねじ穴412aを設けており、かつ他端側に径方向に貫通する軸孔412bを穿ってある。雌ねじ穴412aには、PC鋼棒2の端部を螺入することができる。
【0028】
第一の連結部材411及び第二の連結部材412は、結合部材たるヒンジ軸61を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第二の連結部材412の他端側を第一の連結部材411の他端側の空隙に差し入れ、両連結部材411、412の軸孔にヒンジ軸61を挿通することで、各連結部材411、412がヒンジ軸61回りに回動可能となる。
【0029】
保定具5は、PC鋼棒2を連結する連結具4をボックスカルバート1に係留する役割を担う。保定具5は、雄ねじ部材511と、雄ねじ部材511に螺着する雌ねじ部材512とを要素とする。雄ねじ部材511は、略U字形状をなし、その両端部に雄ねじ511aを切ってある。雄ねじ部材511は、ボックスカルバート1に対して固定される。より具体的には、図5に例示するように、連結対象となるボックスカルバート1の一方または両方の開口端面(即ち、斜角面18)に、雄ねじ部材511の湾曲部位を嵌め入れることが可能な凹溝191を予め形成しておき、雄ねじ部材511の当該部位を凹溝191に嵌め入れた後、両ボックスカルバート1の開口端面同士を圧接することで、雄ねじ部材511をボックスカルバート1に固定するものとしている。凹溝191は凹陥17に連通しており、雄ねじ部材511を嵌め入れたときにその端部が凹陥17内に突出する。
【0030】
雌ねじ部材512は、連結具4に対し取着されるもので、ヒンジ軸61を挿通可能な環状体512aに、雄ねじ部材511の端部に螺合する雌ねじ孔512cを有するナット512bを設けてなる。雌ねじ孔512cは、環状体512aの径方向に沿ってナット512bを貫通している。
【0031】
但し、略U字形状をなす部材の両端部に雌ねじ穴を設けてこれを雌ねじ部材とし、環状体に前記雌ねじ穴に螺合する雄ねじを設けてこれを雄ねじ部材とする態様を妨げない。この場合、雌ねじ部材がボックスカルバート1に固定され、雄ねじ部材が連結具4に取着されることとなる。
【0032】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材411を螺着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材412を螺着する。また、既設のボックスカルバート1の開口端面に形成された凹溝191に雄ねじ部材511の湾曲部位を嵌め入れ、粘着テープや接着剤等で仮止めする。
【0033】
次に、両ボックスカルバート1の開口端面同士が近接するように、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎(図示せず)上に据え置く。続いて、第一の連結部材411、第二の連結部材412を軸回りに回転させ、第一の連結部材411の他端側の空隙に第二の連結部材412の他端側が入り込むように両連結部材411、412の位置を調整する。並びに、凹陥17内に突出している雄ねじ部材511の端部に雌ねじ部材512を螺着し、両連結部材411、412の軸孔411c、412bと雌ねじ部材512の環状体512aとが同心軸上に並ぶように配置する。そして、ヒンジ軸61を両連結部材411、412の軸孔411c、412b及び雌ねじ部材512の環状体512aに挿通する。この結果、第一の連結部材411及び第二の連結部材412がヒンジ軸61を介して相対回動可能に結合し、両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。
【0034】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接し、雄ねじ部材511が挟み付けられて完全に固定される。同時に、両連結部材411、412を結合しているヒンジ軸61には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、このヒンジ軸61は保定具5を介してボックスカルバート1に係留されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0035】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材411及び第二の連結部材412を備え、第一の連結部材411を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材412を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材411と前記第二の連結部材412とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材411、412のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材411、412が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0036】
前記第一の連結部材411と、前記第二の連結部材412と、これら連結部材411、412を相対回動可能に結合するヒンジ軸61とに分解することができるため、第一の連結部材411を一方のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材412を他方のPC鋼棒2に装着して、しかる後にヒンジ軸61によりこれら連結部材411、412を結合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0037】
前記保定具5が、前記第一の連結部材411及び前記第二の連結部材412を相対回動可能に結合するヒンジ軸61を前記ボックスカルバート1に係留して該ヒンジ軸61が入隅側に変位することを抑止するため、連結具4を一箇所(即ち、ヒンジ軸61)で保定でき、複数箇所で複数個の保定具5を用いずともよくなる。
【0038】
前記保定具5が、前記ヒンジ軸61の軸心回りに回動可能であるため、連結具4に対する保定具5の配置を適宜に変更し得る。これにより、施工が簡便化するだけでなく、連結されるボックスカルバート1の幾何的条件(両ボックスカルバート1の交差角度)に対する汎用性も向上する。
【0039】
前記保定具5が、雌ねじ部材512と、前記雌ねじ部材512に螺合する雄ねじ部材511とを備えており、前記雌ねじ部材512と前記雄ねじ部材511とのうち一方を前記ボックスカルバート1に固定し、他方を前記連結具4に取着するものであるため、雄ねじ部材511と雌ねじ部材512とを分解して個別にボックスカルバート1と連結具4とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0040】
前記保定具5の少なくとも一部(即ち、雄ねじ部材511の湾曲部位)を連結対象となる両ボックスカルバート1間に配置し、前記連結具4を介して連結したPC鋼棒2を緊張してボックスカルバート1の接合面(即ち、斜角面18)同士を圧接することを通じて保定具5をボックスカルバート1に固定するため、PC鋼棒2を牽引し緊張する工程と同時に保定具5をボックスカルバート1へ確実に定着することができる。しかも、ボックスカルバート1の製造時に予め保定具5を埋設しておくような工程が不要となる。
【0041】
該連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材411と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材412とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、保定具5を介して前記連結具4が前記第一の連結部材411と前記第二の連結部材412とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0042】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具4の要素である第一の連結部材411または第二の連結部材412を配置するための凹陥17を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面18に前記凹陥17に連通する凹溝191を形成してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝191に、連結具4が拡開することを抑止する保定具5(の一部をなす雄ねじ部材511)を嵌め込んで固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0043】
<第2実施形態>本実施形態の連結装置3は、第一の連結部材421及び第二の連結部材422を相対回動可能に結合するヒンジ軸62を直接的にコンクリートブロックに保定するようにしている点を特徴とする。以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。
【0044】
図6ないし図7に示すように、本実施形態における第一の連結部材421は、炭素鋼管等のパイプ材の一部を切り出した部分円筒形状をなす本体に、軸孔421cを有する軸受体421bを設けたものである。第一の連結部材421の本体は、平面視半周よりも小さい角度の範囲で切り取った周壁を主体とし、その周壁にPC鋼棒2を挿通する挿通孔421aを穿っている。軸受体421bは、本体の周壁の切り取り範囲に対応する角度に屈曲している平面視略く字形状をなす板状体で、略水平姿勢で本体の内側方に溶接等により取り付けられる。軸孔421cは、軸受体421bの中心部に穿たれ、軸受体421bを本体の軸心方向に沿って、言い換えるならば上下に貫通する。本実施形態では、軸心方向に離間して対向する複数の軸受体421bを設けている。図示例では、本体の上端よりやや下った位置と下端近傍とに軸受体421bを取り付けてある。また、軸受体421bの本体側の縁部に、上方に突き出る突条421dを形成している。
【0045】
第二の連結部材422もまた、部分円筒形状をなす本体に、軸孔を有する軸受体422bを設けたものである。第二の連結部材422の本体は、平面視半周よりも小さい角度の範囲で切り取った周壁を主体とし、その周壁にPC鋼棒2を挿通する挿通孔422aを穿っている。軸受体422bは、本体の周壁の切り取り範囲に対応する角度に屈曲している平面視略く字形状をなす板状体で、略水平姿勢で本体の内側方に溶接等により取り付けられる。軸孔422cは、軸受体421bの中心部に穿たれ、軸受体421bを上下に貫通する。本実施形態では、軸心方向に離間して対向する複数の軸受体422bを設けている。図示例では、本体の上端近傍と下端よりやや上った位置とに軸受体422bを取り付けてある。また、軸受体422bの本体側の縁部に、下方に突き出る突条422dを形成している。
【0046】
第一の連結部材421及び第二の連結部材422は、結合部材たるボルト62を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第一の連結部材421の軸受体421bと第二の連結部材422の軸受体422bとを略重ね合わせてこれらの軸孔421c、422cを同心軸上に配列し、軸孔421c、422cにボルト62を挿通することで、各連結部材421、422がボルト62の軸部回りに回動可能となる。即ち、ボルト62の軸部がヒンジ軸として機能する。このとき、両連結部材421、422の軸受体421b、422bは互い違いになるように配置され、一方の連結部材を他方に対して回動させても所定の範囲内であれば軸受体421b、422bが干渉し合うことはない。ボルト62の先端部位には、雄ねじ62aを切ってある。
【0047】
本実施形態における保定具5は、第一の連結部材421と第二の連結部材422とを結合するボルト62が螺着される角ナット521(高ナット)である。角ナット521は、ボルト62の先端部位に形成された雄ねじ62aに螺合する雌ねじ孔521aを有し、ボックスカルバート1に対して固定される。より具体的には、図8に例示するように、連結対象となるボックスカルバート1の一方または両方の開口端面に、角ナット521を嵌め入れることが可能な凹192を予め形成しておき、角ナット521を凹溝192に嵌め入れた後、両ボックスカルバート1の開口端面同士を圧接することで、角ナット521をボックスカルバート1に固定するものとしている。凹溝192は凹陥17に連通しており、角ナット521を嵌め入れたときにその雌ねじ孔62aが凹陥17内に露出する。
【0048】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材421を装着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材422を装着する。本実施形態では、連結部材421、422の本体に穿たれた挿通孔421a、422aにPC鋼棒2を外側方より挿通し、その端部に特殊ナット423を螺着することで、PC鋼棒2を連結部材421、422に対して係止する。因みに、特殊ナット423の座面は、連結部材421、422の本体の内周面に概ね対応する曲面形状に成形してある。また、既設のボックスカルバート1の開口端面に形成された凹溝192に角ナット521を嵌め入れ、粘着テープや接着剤等で仮止めする。
【0049】
次に、両ボックスカルバート1の開口端面同士が近接するように、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎上に据え置く。続いて、特殊ナット423を軸回りに回転させて第一の連結部材421及び第二の連結部材422の位置を調整し、両連結部材421、422の軸孔421c、422cと角ナット521の雌ねじ孔521aとが同心軸上に並ぶように配置する。そして、連結部材421、422の上下にワッシャ424を配した上で、ボルト62を両連結部材421、422の軸孔421c、422cに挿通して角ナット521の雌ねじ孔521aに螺入する。この結果、第一の連結部材421及び第二の連結部材422がボルト62の軸部を介して相対回動可能に結合し、両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。
【0050】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接し、角ナット521が挟み付けられて完全に固定される。同時に、両連結部材421、422を結合しているボルト62には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、このボルト62は角ナット521を介してボックスカルバート1に保定されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0051】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材421及び第二の連結部材422を備え、第一の連結部材421を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材422を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材421と前記第二の連結部材422とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材421、422のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材421、422が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0052】
前記第一の連結部材421と、前記第二の連結部材422と、これら連結部材421、422を相対回動可能に結合するボルト62とに分解することができるため、第一の連結部材421を一方のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材422を他方のPC鋼棒2に装着して、しかる後にボルト62によりこれら連結部材421、422を結合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0053】
前記保定具5たる角ナット521が、前記第一の連結部材421及び前記第二の連結部材422を相対回動可能に結合するボルト62を前記ボックスカルバート1に係留して該ボルト62が入隅側に変位することを抑止するため、連結具4を一箇所(即ち、ボルト62)で保定でき、複数箇所で複数個の保定具5を用いずともよくなる。
【0054】
前記角ナット521に雌ねじを設け、前記ボルト62に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けて、前記角ナット521を前記ボックスカルバート1に固定し、しかる後前記ボルト62を角ナット521に螺着するものとしたため、該連結装置3を構成する部品の点数の削減に奏効する。
【0055】
前記角ナット521を連結対象となる両ボックスカルバート1間に配置し、前記連結具4を介して連結したPC鋼棒2を緊張してボックスカルバート1の接合面(即ち、斜角面18)同士を圧接することを通じて角ナット521をボックスカルバート1に固定するため、PC鋼棒2を牽引し緊張する工程と同時に角ナット521をボックスカルバート1へ確実に定着することができる。しかも、ボックスカルバート1の製造時に予め角ナット521を埋設しておくような工程が不要となる。
【0056】
本発明に係る連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材421と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材422とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、ボルト62と角ナット521との螺合により前記連結具4が前記第一の連結部材421と前記第二の連結部材422とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0057】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具4の要素である第一の連結部材421または第二の連結部材422を配置するための凹陥17を形成し、かつ、連結時に接合される開口端面18に前記凹陥17に連通する凹溝192を形成してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、凹溝192に、結合部材62と螺合して連結具4が拡開することを抑止する保定具521を嵌め込んで固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0058】
<第3実施形態>本実施形態の連結装置3は、第一の連結部材431及び第二の連結部材432のそれぞれをコンクリートブロックに保定するようにしている点を特徴とする。以降、本実施形態の連結装置3に関して詳述する。
【0059】
図9ないし図12に示すように、本実施形態における第一の連結部材431は、平行板部431aと、平行板部431aの一端側で屈曲し平行板部431aに対して略垂直に延伸する垂直板部431bと、これら平行板部431a及び垂直板部431bに接合し各々に対して直交する補強板部431cとを備える。平行板部431aは、該第一の連結部材431をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略平行となる部位であって、PC鋼棒2に略平行に延伸する平行溝431dを切り欠いてある。平行板部431aの他端側は湾曲させ、軸孔を内包する筒状の軸受体431eを形成する。図示例では、平行板部431aの上下幅の中間に軸受体431eを設けている。垂直板部431bは、該第一の連結部材431をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略垂直となる部位であって、PC鋼棒2に略直交する方向に延伸する係止溝431fを切り欠いてある。平行溝431dと係止溝431fとは、一体的な溝穴となっている。係止溝431fの溝幅は、PC鋼棒2の径寸法に略対応する大きさに設定する。補強板部431cは、平行板部431aと垂直板部431bとがなす平面視略L字形状の内角側に接合する平面視略三角形状の薄板体である。また、平行板部431aの外表面(反補強板部431c側の面)に、突片431gを設けている。図示例では、短尺な円柱状をなし、軸受体431eの上下端近傍に取り付けてある。
【0060】
第二の連結部材432もまた、平行板部432aと、平行板部432aの一端側で屈曲し平行板部432aに対して略垂直に延伸する垂直板部432bと、これら平行板部432a及び垂直板部432bに接合し各々に対して直交する補強板部432cとを備える。平行板部432aは、該第二の連結部材432をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略平行となる部位であって、PC鋼棒2に略平行に延伸する平行溝432dを切り欠いてある。平行板部432aの他端側は湾曲させ、軸孔を内包する筒状の軸受体432eを形成する。図示例では、平行板部432aの上端近傍及び下端近傍に軸受体432eを離間させて設けている。垂直板部432bは、該第二の連結部材432をPC鋼棒2に装着したときにPC鋼棒2の伸長方向に略垂直となる部位であって、PC鋼棒2に略直交する方向に延伸する係止溝432fを切り欠いてある。平行溝432dと係止溝432fとは、一体的な溝穴となっている。係止溝432fの溝幅は、PC鋼棒2の径寸法に略対応する大きさに設定する。補強板部432cは、平行板部432aと垂直板部432bとがなす平面視略L字形状の内角側に接合する平面視略三角形状の薄板体である。また、平行板部432aの外表面に、突片432gを設けている。図示例では、短尺な円柱状をなし、上下に離間している軸受体432eの近傍に取り付けてある。突片432gは、連結部材431、432の剛性を高めるために機能する。
【0061】
第一の連結部材431及び第二の連結部材432は、結合部材たるヒンジ軸63を介して互いに相対的に回動可能に結合する。即ち、第一の連結部材431の軸受体431eと第二の連結部材432の軸受体432eとを略重ね合わせてこれらを同心軸上に配列し、軸受体431e、432e内にヒンジ軸63を挿通することで、各連結部材431、432がヒンジ軸63回りに回動可能となる。このとき、両連結部材431、432の軸受体431e、432eは互い違いになるように配置され、一方の連結部材を他方に対して回動させても軸受体431e、432eが干渉し合うことはない。なお、本実施形態では、ヒンジ軸63を軸孔より抜脱不能としており、第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離させることはできない。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、ヒンジ軸63を自由に挿脱できるものとして第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離可能とすることを妨げない。
【0062】
本実施形態の連結具4は、後述するように、屈曲する管路の入隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの内方)に配される場合と出隅側(屈曲する管路を巨視的に見たときの外方)に配される場合とで使用態様が異なる。そして、保定具5も、屈曲する管路の入隅側に配される連結具4を保定するものと出隅側に配される連結具4を保定するものとでは相異なる。管路の入隅側において用いられる保定具5は、ボックスカルバート1の凹陥17の内壁面と第一の連結部材431または第二の連結部材432の外表面との間に介在させるスペーサ531、532である。本実施形態のスペーサ531、532は、各連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面に当接し、該連結部材431、432が管路の入隅側に変位することを抑止する。凹陥17と第一の連結部材431との間に介在させるスペーサ531、凹陥17と第二の連結部材432との間に介在させるスペーサ532はともに、平行板部431a、432aに相似する面形状をなす板状体であって、側端には突片431g、432gの少なくとも一部を収容する切欠531a、532aを形成している。
【0063】
管路の出隅側において用いられる保定具5は、雄ねじ部材533と、雄ねじ部材533に螺着する雌ねじ部材534とを要素とする。雄ねじ部材は、先端部位に雄ねじを切ったボルト533であり、その軸部を第一の連結部材431または第二の連結部材432の平行溝431d、432dに挿通して頭部を平行溝431d、432dの縁端に係止させ得るものである。つまり、軸部を平行溝431dに挿通することを通じて、ボルト533を連結部材431、432に対し取着することができる。雌ねじ部材は、前記ボルト533が螺着されるインサートナット534である。インサートナット534は、ボルト533の先端部位に形成された雄ねじ533aに螺合する雌ねじ孔534aを有し、ボックスカルバート1に対して固定される。本実施形態では、ボックスカルバート1の製造時に、凹陥17に臨む所定位置に予め埋設されている。
【0064】
但し、連結部材431、432の平行溝431d、432dに係止される部材に雌ねじ穴を設けてこれを雌ねじ部材とし、ボックスカルバート1に埋設されるインサート部材に前記雌ねじ穴に螺合する雄ねじを設けてこれを雄ねじ部材とする態様を妨げない。この場合、雌ねじ部材がボックスカルバート1に固定され、雄ねじ部材が連結具4に取着されることとなる。
【0065】
本実施形態の連結装置3を用いたボックスカルバート1の連結の施工手順について述べると、新たに敷設するボックスカルバート1を基礎上に据え置き、両ボックスカルバート1の開口端面同士を近接させる。次に、既設のボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第一の連結部材431を装着し、新たに敷設するボックスカルバート1に配されたPC鋼棒2の端部に第二の連結部材432を装着する。本実施形態では、連結部材431、432の垂直板部431b、432bに形成された係止溝431f、432fにPC鋼棒2を外側方より挿通し、その端部にワッシャ433及びナット434を螺着することで、PC鋼棒2を連結部材431、432に対して係止する。この結果、第一の連結部材431及び第二の連結部材432が両ボックスカルバート1のPC鋼棒2を連結する状態となる。なお、図9に示しているように、ボックスカルバート1が構築する管路の入隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面が入隅側を向くように連結具4を設置する。並びに、図10に示しているように、管路の出隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面が出隅側を向くように連結具4を設置する。
【0066】
続いて、連結具4を保定する保定具5を配設する。管路の入隅側においては、ボックスカルバート1の凹陥17の内壁面と連結部材431、432の平行板部431a、432aの外表面との間にスペーサ531、532を差し入れ、平行板部431a、432aに設けられた突片431g、432gにスペーサ531、532の側端に形成された切欠531a、532aを係合させる。管路の出隅側においては、連結部材431、432の平行板部431a、432aに形成された平行溝431d、432dにワッシャ535を介してボルト533を管路の入隅側より挿通し、予めボックスカルバート1の凹陥17の内壁面に埋設されているインサートナット534の雌ねじ孔534aに螺入する。
【0067】
しかる後、新たに敷設したボックスカルバート1の反連結端において、アンカープレート71及び定着ナット72をPC鋼棒2に仮に装着し、ジャッキを使用してPC鋼棒2を牽引し緊張力を付与する。すると、両ボックスカルバート1の相寄る開口端面同士が圧接する。同時に、両連結部材431、432には管路の入隅側に向かう方向の合力が作用するが、これら連結部材431、432はスペーサ531、532またはボルト533及びインサートナット534を介してボックスカルバート1に保定されているために管路の入隅側に向けて変位することはない。よって、連結しているPC鋼棒2の端部に曲げモーメントが作用することは回避される。PC鋼棒2に付与される緊張力が所要の大きさを超えたとき、定着ナット72を締めて緊張力が維持される状態にPC鋼棒2を定着する。以上で、ボックスカルバート1の連結工程が完了する。
【0068】
本実施形態によれば、相対回動可能な第一の連結部材431及び第二の連結部材432を備え、第一の連結部材431を一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着し、第二の連結部材432を他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着して両PC鋼棒2を連結する連結具4と、前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具5とを具備する連結装置3を用いることとしたため、軸線が交差する位置関係にあるPC鋼棒2同士を、その交差角度に対応して両連結部材431、432のなす角度を変更可能な連結具4を用いて連結できる。従って、斜角面18を有するボックスカルバート1等の連結に際して、これらボックスカルバート1のPC鋼棒2を適切に連結し、PC鋼棒2を牽引して所要の緊張力を付与することが可能となる。さらに、連結具4における両連結部材431、432が拡開すること、言い換えるならば連結具4が装着されているPC鋼棒2の端部が入隅側に変位することが抑止されるため、PC鋼棒2に曲げモーメントが作用してPC鋼棒2が折れ曲がる問題は回避される。総じて言えば、管路上の屈曲部位を構築するべく連結されるボックスカルバート1に適切に圧縮力を加えることができ、屈曲部位においても直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
【0069】
管路の出隅側において、前記ボルト533を前記平行溝431d、432dに挿通した状態で前記第一の連結部材431または前記第二の連結部材432に係止し、かつこのボルト533をインサートナット534を介して前記ボックスカルバート1に固定することで、該連結部材431、432が入隅側に変位することを抑止しているため、前記連結部材431、432が保定具5たるボルト533及びインサートナット534に対しPC鋼棒2の伸長方向に沿って相対的に変位することが許容される。従って、PC鋼棒2を牽引して緊張するときに保定具5が妨げとならないという有利な効用を得られる。
【0070】
管路の入隅側において、前記ボックスカルバート1と前記第一の連結部材431または前記第二の連結部材432との間に保定具5たるスペーサ531、532を介在させて該連結部材431、432が管路の入隅側に変位することを抑止するものとしているため、簡便に連結具4の保定を行うことが可能であり、連結具4及び保定具5をボックスカルバート1に固定するための特段の処理手順を経る必要がない。
【0071】
管路の出隅側における保定具5が、雌ねじ部材534と、前記雌ねじ部材534に螺合する雄ねじ部材533とを備えており、前記雌ねじ部材534と前記雄ねじ部材533とのうち一方を前記ボックスカルバート1に固定し、他方を前記連結具4に取着するものであるため、雄ねじ部材533と雌ねじ部材534とを分解して個別にボックスカルバート1と連結具4とに取り付け、しかる後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバート1の連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0072】
前記連結部材431、432に前記PC鋼棒2の伸長方向に略直交する方向に延伸する係止溝431f、432fを形成し、この係止溝431f、432fにPC鋼棒2を挿通して係止せしめるように構成しているため、PC鋼棒2が係止溝431f、432fに沿って相対的に変位することが許容される。よって、連結具4をPC鋼棒2に装着する際のフレキシビリティが向上する。
【0073】
該連結装置3を使用すれば、一方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第一の連結部材431と他方のボックスカルバート1のPC鋼棒2に装着した第二の連結部材432とを相対回動可能に結合して両PC鋼棒2を連結し、かつ、保定具5を介して前記連結具4が前記第一の連結部材431と前記第二の連結部材432とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止したボックスカルバート1の連結構造を形成し得る。このような連結構造であれば、管路の屈曲部位において、直線部位と同等の一体性、連続性、水密性を具現可能となる。
後に両者を螺合するという手順をとり得る。つまり、ボックスカルバートの連結における施工の簡便化を図ることができる。
【0074】
また、連結用のアンボンドPC鋼棒2を埋設し、前記PC鋼棒2の端部に該当する部位に連結具2の要素である第一の連結部材431または第二の連結部材432を配置するための凹陥17を形成し、かつ、前記凹陥17に臨む所定位置に雌ねじ部材534(または、雄ねじ部材)を埋設してあるコンクリートブロック1を予め製作しておけば、管路上の屈曲部位を構築するために極めて有用となる。即ち、連結具4と係合して連結具4が拡開することを抑止する雄ねじ部材533(または、雌ねじ部材)を、既に埋設してある雌ねじ部材534(または、雄ねじ部材)に螺着して固定することができ、簡便に本実施形態の連結構造を形成することが可能となる。
【0075】
<第4実施形態>本実施形態は、上記第3実施形態における第一の連結部材431及び第二の連結部材432を相対回動可能に結合する結合部材の態様を変更したものである。以降、第3実施形態との相異点に主眼を置いて述べる。
【0076】
図13ないし図15に示しているように、本実施形態における第一の連結部材431では、平行板部431aの他端側に軸受体431eを設ける替わりに、平行板部431aの他端の一部をその延伸方向に沿って延出させ、延出端より上下方向に略楕円の断面形状をなすピン431hを突出させている。図示例では、上下の延出端より互いに相寄る方向に突出する一対のピン431hを設けている。第二の連結部材432でも、同じくピン432hを設けている。
【0077】
しかして、第一の連結部材431のピン431hと、第二の連結部材432のピン432hとをともに挿通するように結合リング435を装着することで、第一の連結部材431及び第二の連結部材432を相対回動可能に結合するものとしている。即ち、結合リング435を装着した状態で、両ピン431h、432hは結合リング435の内周に対し摺動する。
【0078】
結合リング435を連結部材431、432に装着するに際しては、第一の連結部材431の他端側と第二の連結部材432の他端側とを隣接させ、上下になすピン431h、432hの先端間に結合リング435を差し入れ、しかる後この結合リング435をピン431h、432hに沿って上方または下方に移動させることにより、両連結部材431、432のピン431h、432hを結合リング435内に挿通する。本実施形態では、上側のピン431h、432h、下側のピン431h、432hのそれぞれに結合リング435を装着する。さらに、ピン431h、432hと係合している上下の結合リング435間に別個の結合リング435を挿入することで、上下の結合リング435がピン431h、432hより脱離することを防止する。この結果、両連結部材431、432が結合する。
【0079】
本実施形態では、結合リング435が結合部材としての役割を担う。第3実施形態と異なり、結合部材たる結合リング435は両連結部材431、432に対して挿脱自在である。従って、第一の連結部材431と第二の連結部材432とを分離させることが可能である。
【0080】
その他各部の具体的態様については、上記第3実施形態と同様の構成とすることができるため、ここでは説明を省略する。
【0081】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の適用対象となるコンクリートブロックを示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態における連結装置を示す平断面図。
【図3】同正面図。
【図4】同側面図。
【図5】同実施形態におけるコンクリートブロックの斜角面を示す平面部。
【図6】本発明の一実施形態における連結装置を示す平断面図。
【図7】図6におけるA−A線断面図。
【図8】同実施形態におけるコンクリートブロックの斜角面を示す平面部。
【図9】本発明の一実施形態における(管路の入隅側の)連結装置を示す平断面図。
【図10】同実施形態における(管路の出隅側の)連結装置を示す平断面図。
【図11】同実施形態における連結具を示す斜視図。
【図12】同実施形態における連結具及びスペーサーを示す斜視図。
【図13】本発明の一実施形態における連結装置を示す要部側面図。
【図14】同要部側面図
【図15】同要部側面図。
【符号の説明】
【0083】
1…コンクリートブロック(ボックスカルバート)
2…緊張材(PC鋼棒)
3…連結装置
4…連結具
411、421、431…第一の連結部材
412、422、432…第二の連結部材
5…保定具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊張材が挿通または埋設されたコンクリートブロック同士を連結するために用いられるものであって、
相対回動可能な第一の連結部材及び第二の連結部材を備え、第一の連結部材を一方のコンクリートブロックの緊張材に装着し、第二の連結部材を他方のコンクリートブロックの緊張材に装着して両緊張材を連結する連結具と、
前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具と
を具備する連結装置。
【請求項2】
前記第一の連結部材と、前記第二の連結部材と、これら連結部材を相対回動可能に結合する結合部材とに分解することができる請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
前記保定具が前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材を相対回動可能に結合する結合部材を前記コンクリートブロックに係留して、該結合部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項4】
前記保定具は、前記結合部材の軸心回りに回動可能である請求項3記載の連結装置。
【請求項5】
前記保定具に雌ねじを設け、前記結合部材に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けており、
前記保定具を前記コンクリートブロックに固定し、しかる後前記結合部材を保定具に螺着する請求項3記載の連結装置。
【請求項6】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向に略平行に延伸する溝を形成し、
前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項7】
前記保定具を前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に介在させて、該連結部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項8】
前記保定具は、雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材に螺合する雄ねじ部材とを備えており、
前記雌ねじ部材と前記雄ねじ部材とのうち一方を前記コンクリートブロックに固定し、他方を前記連結具に取着する請求項1、2、3、4または6記載の連結装置。
【請求項9】
前記保定具の少なくとも一部を連結対象となる両コンクリートブロック間に配置し、前記連結具を介して連結した緊張材を緊張してコンクリートブロックの接合面同士を圧接することを通じて保定具をコンクリートブロックに固定する請求項1、2、3、4または5記載の連結装置。
【請求項10】
前記連結部材に前記緊張材の伸長方向に略直交する方向に延伸する溝を形成し、この溝に緊張材を挿通して係止せしめるように構成している請求項1、2、6または7記載の連結装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の連結装置を用いてなるものであって、
一方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第一の連結部材と、他方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第二の連結部材とを相対回動可能に結合して両緊張材を連結し、
かつ、前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具を配したコンクリートブロックの連結構造。
【請求項12】
前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とを結合部材を介して結合し、
前記保定具により前記結合部材を前記コンクリートブロックに係留して、該結合部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項13】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向に略平行に延伸する溝を形成し、
前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項14】
前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に保定具を介在させ、該連結部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項15】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記凹陥に連通する凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項16】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、相対回動可能に結合する第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とが拡開することを抑止する保定具を嵌めることができる凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項17】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、結合部材を介して相対回動可能に結合する第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記結合部材と螺合して該結合部材を係留する保定具を嵌めることができる凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項18】
請求項11または13記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、前記凹陥に臨む所定位置に、雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロック。
【請求項19】
請求項11または13記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、相対回動可能に結合する第一の連結部材と第二の連結部材とのうち一方を配設する凹陥を形成し、
かつ、前記凹陥に臨む所定位置に、雌ねじ部材とこれに螺合する雄ねじ部材とを組み合わせてなり前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とが拡開することを抑止する保定具の雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロック。
【請求項1】
緊張材が挿通または埋設されたコンクリートブロック同士を連結するために用いられるものであって、
相対回動可能な第一の連結部材及び第二の連結部材を備え、第一の連結部材を一方のコンクリートブロックの緊張材に装着し、第二の連結部材を他方のコンクリートブロックの緊張材に装着して両緊張材を連結する連結具と、
前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具と
を具備する連結装置。
【請求項2】
前記第一の連結部材と、前記第二の連結部材と、これら連結部材を相対回動可能に結合する結合部材とに分解することができる請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
前記保定具が前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材を相対回動可能に結合する結合部材を前記コンクリートブロックに係留して、該結合部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項4】
前記保定具は、前記結合部材の軸心回りに回動可能である請求項3記載の連結装置。
【請求項5】
前記保定具に雌ねじを設け、前記結合部材に前記雌ねじに螺合する雄ねじを設けており、
前記保定具を前記コンクリートブロックに固定し、しかる後前記結合部材を保定具に螺着する請求項3記載の連結装置。
【請求項6】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向に略平行に延伸する溝を形成し、
前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項7】
前記保定具を前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に介在させて、該連結部材が入隅側に変位することを抑止する請求項1または2記載の連結装置。
【請求項8】
前記保定具は、雌ねじ部材と、前記雌ねじ部材に螺合する雄ねじ部材とを備えており、
前記雌ねじ部材と前記雄ねじ部材とのうち一方を前記コンクリートブロックに固定し、他方を前記連結具に取着する請求項1、2、3、4または6記載の連結装置。
【請求項9】
前記保定具の少なくとも一部を連結対象となる両コンクリートブロック間に配置し、前記連結具を介して連結した緊張材を緊張してコンクリートブロックの接合面同士を圧接することを通じて保定具をコンクリートブロックに固定する請求項1、2、3、4または5記載の連結装置。
【請求項10】
前記連結部材に前記緊張材の伸長方向に略直交する方向に延伸する溝を形成し、この溝に緊張材を挿通して係止せしめるように構成している請求項1、2、6または7記載の連結装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の連結装置を用いてなるものであって、
一方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第一の連結部材と、他方のコンクリートブロックの緊張材に装着した第二の連結部材とを相対回動可能に結合して両緊張材を連結し、
かつ、前記連結具が前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とのなす角度を拡げるように拡開することを抑止する保定具を配したコンクリートブロックの連結構造。
【請求項12】
前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とを結合部材を介して結合し、
前記保定具により前記結合部材を前記コンクリートブロックに係留して、該結合部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項13】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に、前記緊張材の伸長方向に略平行に延伸する溝を形成し、
前記保定具を前記溝に挿通した状態で前記第一の連結部材または前記第二の連結部材に係止し、かつこの保定具を前記コンクリートブロックに固定することで、該連結部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項14】
前記コンクリートブロックと前記第一の連結部材または前記第二の連結部材との間に保定具を介在させ、該連結部材が入隅側に変位することを抑止している請求項11記載のコンクリートブロックの連結構造。
【請求項15】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記凹陥に連通する凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項16】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、相対回動可能に結合する第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とが拡開することを抑止する保定具を嵌めることができる凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項17】
請求項11または12記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、結合部材を介して相対回動可能に結合する第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、連結時に接合される開口端面に、前記結合部材と螺合して該結合部材を係留する保定具を嵌めることができる凹溝を形成してあるコンクリートブロック。
【請求項18】
請求項11または13記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、緊張材同士を連結する連結具の要素である第一の連結部材または第二の連結部材を配置するための凹陥を形成し、
かつ、前記凹陥に臨む所定位置に、雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロック。
【請求項19】
請求項11または13記載のコンクリートブロックの連結構造に使用可能なものであって、
連結用の緊張材を埋設し、
前記緊張材の端部に該当する部位に、相対回動可能に結合する第一の連結部材と第二の連結部材とのうち一方を配設する凹陥を形成し、
かつ、前記凹陥に臨む所定位置に、雌ねじ部材とこれに螺合する雄ねじ部材とを組み合わせてなり前記第一の連結部材と前記第二の連結部材とが拡開することを抑止する保定具の雌ねじ部材または雄ねじ部材を埋設してあるコンクリートブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−22569(P2006−22569A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202210(P2004−202210)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000116769)旭コンクリート工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000116769)旭コンクリート工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
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