説明

連続袋体の連結装置

【課題】連続袋体の連結作業を容易、且つ廉価に行うことができるとともに、連結部分における外観を良好なものとし、衛生面や安全面においても問題の生じない連続袋体の連結装置を得ようとするものである。
【解決手段】対向間隔6を介して同一直線上に配置した一対の移送体1と、対向間隔6内に移送直線方向とは交差方向に傾斜して挿入及び抜き出し可能なセパレート板10と、上記対向間隔6の上下方向に配置し、端部の連結片16を重ねて溶着可能とする溶着装置17とから成る。そして、セパレート板10を対向間隔6内に挿入配置した状態で、端部の連結片16を移送体1によりセパレート板10を介して上下に重合可能な位置まで対向間隔6に移送する。そして、対向間隔6内のセパレート板10を抜き出して各連続袋体4の端部の連結片16を直接重合し、この重合部分19を溶着装置17にて溶着可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結片を介して個装部を複数個連結した熱可塑性樹脂製の連続袋体において、一の連続袋体の端部の連結片と他の連続袋体の端部の連結片とを連結する連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続袋体は、連結片を介して個装部を複数個連続的に形成するとともに、上記個装部内にラーメンのスープ、ラー油や、トコロテン、メカブトロロ、そば、玉子豆腐、温泉玉子、及び納豆のタレ、カラシ、シャンプー等の液状物、粉末スープ、スパイス、シリカゲル等の乾燥剤等の粉末、顆粒、化粧品等の内容物を個別に収納したものである。そして、この連続袋体を分離装置に移送して、個装部を一個ずつ切り離して目的容器に投入する。上記の如く長尺に形成される連続袋体は、製造能力や運搬目的のために一定の長さに限定されている。
【0003】
しかしながら、連続袋体を切り離して目的容器に投入する作業は、多量の目的容器に連続的に行われるもので、一つの連続袋体では分離作業が短時間で終了してしまい、次の連続袋体を改めて分離装置にセットしなければならない。このセットにはラインを停止しなければならず、連続袋体の分離作業に時間と手間がかかり効率が悪いものとなる。そこで、効率的な連続袋体の分離作業を長時間にわたって可能とするため、従来より一つの連続袋体の端部の連結片と他の連続袋体の端部の連結片とをそれぞれ手作業により重ね合わせ、当該重合部分に粘着テープを巻き付けて2つの連続袋体を順次連結した後、連結した連続袋体を分離装置にセットし、長時間にわたって連続袋体の分離作業を可能とする方法が行われていた。
【0004】
また、特許文献1に示す如く、一の連続袋体の端部の連結片の端縁と他の連続袋体の端部の連結片の端縁とを突き合わせ、この突き合わせ部分に繋ぎ用フィルムを重ねて、この繋ぎ用フィルムと上記突き合わせ部分とを溶着ヒーターにて熱溶着することにより、一の連続袋体の端部の連結片と他の連続袋体の端部の連結片とを上記繋ぎ用フィルムにて連結可能とする連続袋体の連結装置が開発されている。
【0005】
また、特許文献2に示す如く、一の連続袋体の端部の連結片の端縁と他の連続袋体の端部の連結片の端縁とを重ね合わせるとともに、一の連続袋体と他の連続袋体をそれぞれ装置本体に設けた一対の把持部に固定した後、上記重合部分を熱溶着することにより、一の連続袋体と他の連続袋体を連結可能とする連続袋体の連結装置が開発されている。また、特許文献3に示す如く、帯状に形成した一の合成樹脂フィルムの端部と他の合成樹脂フィルムの端部とを重ね合わせ、この重合部分を連結可能とする機構を有する連続合成樹脂フィルム供給装置が公知となっている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−182309号公報
【特許文献2】特開2007−15837号公報
【特許文献3】特開昭59−203049号公報
【0007】
しかしながら、上記手作業の場合には、2つの長尺な連続袋体の端部の連結片の重合部分を手で把持して連結作業を行うものであるから、重合部の重ね量が不均一となったり、端部にズレやヨレを生じやすく、個装部の切断作業時にラインの停止を生じたり、連結作業に時間や手間がかかるため、作業効率が低下し、作業者にとっても負担が大きいものとなっていた。また、連結作業の際に、作業者の指紋が連結テープに転写される事もあり、見た目も悪いものとなっていた。
【0008】
また、特許文献1に記載の装置は、一の端部の連結片の端縁と他の端部の連結片の端縁とを突き合わせて連結を行うものであるから、一の端部の連結片の端縁と他の端部の連結片の端縁とを隙間なく揃えて付き合わせる作業は困難であり、一の端部の連結片と他の端部の連結片との間に隙間やズレやヨレが生じたりする場合があった。また、上記手作業及び特許文献1に記載の装置により連続袋体の連結を行う場合には、上記粘着テープや繋ぎ用テープが容器内にはがれ落ちて異物となり、異物混入の問題が生じることもあった。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の装置では、上記重ね合わせの作業を行う際に、一の連続袋体の端部付近と他の連続袋体の端部付近とを、それぞれ装置に設けた一対の把持部に取付けなければならないため、この取付け作業に手間がかかり、作業効率が悪いものとなっていた。また、特許文献2及び特許文献3に記載の装置は、上記の如く2つの連続袋体又は合成樹脂フィルムの端部どうしを重ね合わせ、当該重合部分を溶着して固定するものであるが、この端部の重ね合わせ作業を手作業により行うため、作業に時間や手間がかかり、作業者にとって負担が大きいものとなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、連続袋体の端部の連結片を容易に重合することができるとともに、重合部分にズレが生じることなく、連結作業を正確且つ効率良く行うことができ、また、連結部分における外観を良好なものとするとともに異物混入の問題が生じない連続袋体の連結装置を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の如き課題を解決するため、本発明は、連結片を介して個装部を複数個連結した熱可塑性樹脂製の連続袋体を対向方向に移送するよう、対向間隔を介して同一直線上に配置した一対の移送体と、この対向間隔内に移送直線方向とは交差方向に傾斜して挿入及び抜き出し可能なセパレート板と、上記対向間隔の上下方向に配置し、連続袋体の端部の連結片を重ねて溶着可能とする溶着装置とから成るものである。尚、上記対向する各移送体は、連続袋体を載置するための移送板と、この移送板の側方に配置した一対の送りローラーとから成り、この一対の送りローラーにより連続袋体を挟持した状態で送りローラーを回動することにより、移送板上の連続袋体を対向間隔方向に移送可能としたものであっても良い。
【0012】
また、上記対向する各移送体の対向間隔側の上下方向には、端部の連結片を検知可能とする連結片検知センサーを各々配置したものであっても良い。これにより、各連続袋体を対向方向に移送し、各端部の連結片の端縁が連結片検知センサーを通過した際に、この連結片検知センサーが上記端縁を検知する。そして、この連結片検知センサーの検知から一定時間経過した後に移送体の移送を停止することにより、上記連続袋体を一定距離移動させて、対向間隔内の一定位置において停止させることができる。そのため、対向間隔内における各端縁の停止位置を任意に定めることができることから、各端部の重合間隔を所望の間隔とすることが可能となる。そのため、2つの端部の連結片を連結して形成した連結片の間隔を所望の間隔に調整することが可能となる。
【0013】
そして、セパレート板を対向間隔内に挿入配置した状態で、連続袋体の端部の連結片を一対の移送体に載置し、この一対の移送体によってセパレート板を介して上下に重合可能な位置まで対向間隔に移送する。このように、連続袋体の端部を一対の移送体にそれぞれ配置した後は、連続袋体を装置に取付けるための複雑な作業を必要とすることなく、連続袋体の連結作業を開始することができるため、特許文献2に記載の発明の如く一対の連続袋体の装置への取り付けに手間がかかることなく、作業効率を向上させることができる。
【0014】
これにより、セパレート板の上面と下面にそれぞれ各連続袋体の端部の連結片が配置されるものとなる。その後、対向間隔内のセパレート板を対向間隔から抜き出し、各連続袋体の端部の連結片を直接重合する。このようにセパレート板を配置することにより、各連続袋体の端部の連結片を衝突させることなく、自動的に上下に重合させることが可能となるため、連結作業を正確で効率よく進めることができる。そして、この重合部分を上記溶着装置にて溶着可能とするものである。尚、この溶着装置は、溶着ヒーターと溶着パッドとから成り、上記溶着ヒーターを対向間隔内に固定配置するとともに、この溶着ヒーターに臨ませて、上記溶着パッドを上下方向に摺動可能に配置したものであっても良い。
【0015】
また、上記溶着ヒーターは、温度センサーを配置することにより温度を一定に保持可能としたものであっても良い。このように、この溶着ヒーターを一定の温度を保持することにより、溶着ヒーターの加熱不足による溶着時の溶着不良や、加熱温度の急激な上昇による溶着部分の溶けすぎ等を防ぎ、2つの連続袋体を確実に連結することができる。
【0016】
また、従来より、連続袋体の端部の連結片の形成幅は、他の連結片の形成幅の半分に形成される。そのため、2つの連続袋体の端部の連結片を重合して連結した場合には、この重合部分の連結片の形成幅は、他の連結片の形成幅と比較して重合した分だけ短いものとなる。従って、このように連結した連続袋体を分離装置にセットした場合には、連結部分の連結片が形成幅検知センサーを通過した際に、連結部分の連結片が他の形成幅と異なるため形成幅検知センサーが異常を検知し、ラインを停止するものとなる。そのため、連続袋体の分離作業が中断し、作業効率が低下するものとなる。
【0017】
そこで、連続袋体の端部の連結片の形成は、連続袋体を移送する一対の移送ローラーと、この移送ローラーにより移送され、連続袋体の個装部に収納した内容物を検知可能とする内容物検知センサーと、この内容物検知センサーよりも連続袋体の移送方向に配置したカッター刃とから成る連結片切断装置によって2つの個装部を連結する連結片を、重合する重ね代分を余分に切り取って切断することにより端部の連結片を形成し、重ね代分を重合して溶着することにより、この連結後の端部の連結片を、他の連結片と同一幅に形成可能としたものであっても良い。
【0018】
そこで、上記連結片切断装置により、端部の連結片から個装部を介した次の連結片を切断して、上記端部の連結片よりも重合する重ね代分だけ長尺な形成幅の新たな端部の連結片を形成する。そして、上記連結片切断装置によって形成した新たな2つの連続袋体の端部の連結片の形成幅を、従来の端部の連結片の形成幅よりも重ね代分だけ長尺なものとし、新たな端部の連結片を上記重ね代分重合することにより、従来のように重合部分により端部の連結片の形成幅を短くすることがないため、連結部分の連結片の形成幅を他の連結片の形成幅と同一幅とすることができる。従って、このようにして連結した連続袋体を分離装置にセットした場合には、連結部分の連結片が形成幅検知センサーを通過した際に、この連結部分の連結片が他の形成幅と同一幅であることから、この形成幅検知センサーで異常が検知されないため、ラインが停止することなく分離作業を効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述の如く構成したものであって、セパレート板を配置することにより、各連続袋体の端部の連結片を衝突させることなく、円滑且つ容易に上下に重合させることが可能となる。また、同一直線上に配置した一対の移送体にそれぞれ連続袋体を配置した後は、連続袋体を装置に取付けるための複雑な作業を必要とすることなく連続袋体の連結作業を開始することができるため、連続袋体の装置への取り付けに手間がかかることなく、作業効率を向上させることができる。
【0020】
また、上記一対の移送体により、2つの連続袋体を対向方向に移送して一の連結袋体の端部の連結片と他の連結袋体の端部の連結片とを重合するため、連結作業を容易に行うことができるとともに、この重合部分にズレやヨレが生じることなく、製品の品質を良好に保ちながら連結作業を正確且つ効率良く行うことができるものである。また、端部の連結片どうしを重合し、この重合部分を熱溶着して連結を行うものであるから、粘着テープや繋ぎ用フィルムなどを必要とせず、連結部分における外観を良好なものとするとともに、粘着テープや繋ぎ用フィルムの混入による容器内への異物混入の問題が生じない連結装置を得ることができる。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1を以下に詳細に説明すると、図1に示す如く、(1)は移送体であって、連結片(2)を介して個装部(3)を複数個連結した連続袋体(4)を水平方向に移送するものである。また、この移送体(1)は、装置本体(5)に対向間隔(6)を介して一対配置するとともに、各移送体(1)は、連続袋体(4)を載置するための移送板(7)と、連続袋体(4)の耳部(9)を挟持して移送するための一対の送りローラー(8)とにより形成している。また、上記移送板(7)は、長尺な平板状に形成したものであって、装置本体(5)に沿って板面を水平に配置している。また、上記一対の送りローラー(8)は、図1に示す如く移送板(7)の対向間隔(6)側に、2つの送りローラー(8)の接触部が移送板(7)よりもやや上方に位置するよう配置している。
【0022】
また、図1に示す如く、上記一対の移送体(1)のうち、一方の移送体(1)の下方にセパレート板(10)を配置している。このセパレート板(10)は平板状であって、先端側を対向間隔(6)内に臨ませて、水平方向とは交差方向に傾斜して配置している。そして、このセパレート板(10)の基端側には摺動カム機構(11)を設け、この摺動カム機構(11)によってセパレート板(10)を上記交差方向に摺動可能なものとしている。そのため、上記摺動カム機構(11)を作動させることにより、セパレート板(10)を対向間隔(6)内に挿入及び抜き出し可能なものとしている。
【0023】
上記摺動カム機構(11)は、セパレート板(10)の基端部に摺動カムプレート(12)を固定配置し、この摺動カムプレート(12)に、長穴状の摺動カム溝(13)をセパレート板(10)の配置方向とは垂直方向に開口形成している。そして、上記摺動カム溝(13)には、この摺動カム溝(13)内において摺動可能な摺動カム軸(14)を係合配置し、この摺動カム軸(14)を、装置本体(5)に正逆方向に回転可能に軸支した長板状の回転体(15)の先端に固定配置している。
【0024】
そのため、回転体(15)を回転させることにより、摺動カム軸(14)が摺動カム溝(13)に沿って摺動しながら回転体(15)と同一方向に回動し、摺動カムプレート(12)が上記交差方向に摺動することから、この摺動カムプレート(12)を基端部に固定配置したセパレート板(10)も上記交差方向に進退摺動させることが可能となる。従って、摺動カム軸(14)を一方に回動させることにより、セパレート板(10)を交差方向に摺動させて対向間隔(6)内に挿入配置することが可能となるとともに、摺動カム軸(14)を他方に回動させることにより、セパレート板(10)を反対側に摺動させて対向間隔(6)内から抜き出すことが可能となる。
【0025】
また、図1に示す如く、上記対向間隔(6)の上下方向には、2つの連続袋体(4)の端部の連結片(16)を重ねて溶着可能とする溶着装置(17)を配置している。この溶着装置(17)は、溶着ヒーター(18)と溶着パッド(20)とから成るものであって、上記溶着ヒーター(18)は、対向間隔(6)内にヒーター面(21)が位置するようヒーター面(21)を上方に向けて対向間隔(6)の下方に固定している。
【0026】
また、従来より連続袋体(4)の連結作業に一般的に使用されている溶着ヒーターを用いた場合、例えば外気温が比較的低い場合には溶着時のヒーター面の温度が低下して溶着不良が発生する場合がある。また、外気温が高かったり連続使用を行った場合には、溶着時のヒーター面の温度が著しく上昇し、溶着部分で溶けすぎが発生する場合がある。そしてこのように、溶着時の溶着不良や溶けすぎが発生した場合には端部の連結片(16)の溶着が不十分となり2つの連続袋体(4)を確実に連結することが困難なものとなる。
【0027】
そこで、本実施例では、図1に示す如く、溶着ヒーター(18)に、この溶着ヒーター(18)のヒーター面(21)の温度を検知可能とする温度センサー(29)を設けている。そして、この温度センサー(29)で検知した検知信号を制御装置(図示せず)に送信することにより、上記ヒーター面(21)の温度制御を行い、このヒーター面(21)を一定の温度に保持可能としている。そのため、上記従来品の如く溶着時の溶着不良や溶着部分の溶けすぎ等が生じることなく、溶着ヒーター(18)による溶着によって2つの連続袋体(4)を確実に連結することができる。
【0028】
また、上記溶着パッド(20)は、上記の如く配置したヒーター面(21)の上方に、当該ヒーター面(21)との間にセパレート板(10)の挿入が可能な挿入間隔(22)を介して配置している。また、この溶着パッド(20)の上方には、溶着パッド(20)の上面から鉛直上方向に固定配置した連結杆(23)を介して、溶着パッド(20)を上下方向に摺動可能とする上下カム機構(24)を設けている。この上下カム機構(24)は、上記連結杆(23)の先端に上下カムプレート(25)を配置し、この上下カムプレート(25)には、長穴状の上下カム溝(26)を水平方向に形成している。そして、この上下カム溝(26)には、この上下カム溝(26)内において摺動可能な上下カム軸(27)を係合している。
【0029】
この上下カム軸(27)は、装置本体(5)に設けたモーター(図示せず)の偏心位置に固定したものであって、上記モーターを回動させることにより上下カム溝(26)に沿って水平方向に摺動しながら回動するものである。そして、この上下カム軸(27)の回動に伴って、上下カムプレート(25)が上下方向に摺動し、この上下カムプレート(25)の上下方向への摺動により、溶着パッド(20)を連結杆(23)を介して上下方向に摺動させることが可能となる。
【0030】
また、図1に示す如く、上記の如く形成した溶着装置(17)の両側には、連続袋体(4)の連結片(2)を検知することができる一対の連結片検知センサー(28)を設けている。この連結片検知センサー(28)は発光体(30)と受光体(31)とから成り、発光体(30)を移送体(1)の上方に配置するとともに、受光体(31)を移送体(1)の下方の上記発光体(30)の対向位置に配置し、発光体(30)より発したセンサー光(32)を、受光体(31)にて受光可能なものとしている。
【0031】
上記の如く構成した連続袋体の連結装置(33)を用いて、連続袋体(4)を連結する方法について以下に説明する。尚、本発明で使用する連続袋体(4)は熱可塑性樹脂製であって、連結片(2)を介して個装部(3)を複数個連結したものである。また、この連続袋体(4)の長さ方向の一側には、一定幅の耳部(9)を一端から他端まで連続的に形成している。また、隣り合う個装部(3)の間に設けた連結片(2)の形成幅を10mmとするとともに、端部の連結片(16)の形成幅を5mmとしている。
【0032】
そして、まず連結装置(33)の摺動カム機構(11)を作動させることにより、図1に示す如く、セパレート板(10)を予め摺動させて対向間隔(6)内に配置しておく。そして、連続袋体(4)を一対の移送板(7)の上面にそれぞれ配置するとともに、端部の連結片(16)側の耳部(9)を一対の送りローラー(8)の間にそれぞれ挟み込む。そして、各送りローラー(8)を回動させることにより、上記の如く各移送板(7)にそれぞれ配置した連続袋体(4)を、図1の矢印で示す如く対向方向に移送する。このように、一対の移送体(1)にそれぞれ連続袋体(4)を配置した後は、連続袋体(4)を装置に取付けるための複雑な作業を必要とすることなく連続袋体(4)の連結作業を開始することができるため、連続袋体(4)の装置への取り付けに手間がかかることなく、作業効率を向上させることができる。
【0033】
そして、上記移送により連続袋体(4)の端部の連結片(16)の端縁(41)が連結片検知センサー(28)のセンサー光(32)を通過する。この時、連結片検知センサー(28)は、上記端部の連結片(16)の端縁(41)を検知し、この検知信号を装置本体(5)に設けた制御部(図示せず)に送信する。そして、端部の連結片(16)が連結片検知センサー(28)を通過した後、図2及び図3に示す如く、一方の連続袋体(4)の端部の連結片(16)がセパレート板(10)の上面に移動するとともに、他方の連続袋体(4)がセパレート板(10)の下方に移動する。そして、一方及び他方の連続袋体(4)の端部の連結片(16)が、溶着装置(17)の溶着ヒーター(18)と溶着パッド(20)とにより形成される挿入間隔(22)まで移動した時点で、以下の方法により上記各送りローラー(8)を停止して各連続袋体(4)の移送を止める。
【0034】
上記の連続袋体(4)の移送の停止方法について説明すると、各送りローラー(8)による連続袋体(4)の移送スピードは一定であるから、端部の連結片(16)の端縁(41)がセンサー光(32)を通過してから溶着装置(17)の間隔に到達するまでの時間は一定である。そのため、予めセンサー光(32)が上記端縁(41)を検知してから連続袋体(4)が溶着装置(17)の挿入間隔(22)内に到達するまでの通過時間を確認しておく。
【0035】
そして、センサー光(32)が上記端縁(41)を検知し、この検知信号を上記制御部が受信した時点から上記通過時間を経過した時点で送りローラー(8)が停止するよう、予め上記制御部にプログラムしておく。これにより、制御部により上記端縁(41)がセンサー光(32)を通過してから上記通過時間が経過した時点で送りローラー(8)を停止させることが可能となるため、各連続袋体(4)が端部の連結片(16)を溶着装置(17)の挿入間隔(22)内まで移動した時点で停止するものとなる。このようにして、対向間隔(6)内における各端縁(41)の停止位置を任意に定めることができることから、各端縁(41)の停止位置をそれぞれ調節して、各端部の連結片(16)の重ね代の重合幅を所望の幅とすることが可能となる。
【0036】
尚、上記の如く通過時間によって端縁(41)の停止位置を調節する他に、他の異なる実施例においては、ステッピングモーターやサーボモーターを駆動させて、送りステップ角やロータリーエンコーダーのパルスなどを演算することにより、端縁(41)の通過距離を算出し、この端縁(41)の停止位置を調節することも可能である。
【0037】
そして、上記の如く端部の連結片(16)が挿入間隔(22)内において停止した後、摺動カム機構(11)を作動させることにより、図4に示す如く、対向間隔(6)内に配置していたセパレート板(10)を矢印方向に摺動させて、セパレート板(10)を対向間隔(6)の外方に配置する。これにより、図5に示す如く一方の連続袋体(4)の端部の連結片(16)と他方の連続袋体(4)の端部の連結片(16)とが溶着装置(17)の間隔内において直接重合した状態となる。
【0038】
尚、上記の如くセパレート板(10)を配置することにより、各連続袋体(4)の端部の連結片(16)を衝突させることなく、円滑且つ容易に上下に重合させることが可能となる。また、上記の如く同一直線上に配置した一対の移送体(1)によって、2つの連続袋体(4)を対向方向に移送して一の連続袋体(4)の端部の連結片(16)と他の連続袋体(4)の端部の連結片(16)とを重合するため、この重合部分にズレが生じることなく、製品の品質を良好に保ちながら連結作業を正確且つ効率良く行うことができる。
【0039】
このような状態において、溶着装置(17)の上下カム機構(24)を作動させて、溶着パッド(20)を連結杆(23)を介して下方に摺動させ、図6に示す如く、この溶着パッド(20)により一方及び他方の端部の連結片(16)の重合部分(19)を溶着ヒーター(18)に押圧する。これにより、溶着ヒーター(18)の熱によって2つの端部の連結片(16)の端縁部分が溶着し、2つの連続袋体(4)が連結されて連結作業が終了する。上記の如く、端部の連結片(16)どうしを重合し、この重合部分(19)を熱溶着して連結を行うものであるから、粘着テープや繋ぎ用フィルムなど、連結のための特別な材料を必要とすることなく、連結部分における外観を良好なものとすることができるとともに、容器内に上記粘着テープや繋ぎ用フィルム等が脱落して混入するおそれがなく、異物混入による問題が生じることはない。
【0040】
また、図1に示す如く、上記装置本体(5)には、上記連続袋体の連結装置(33)とは別に、連続袋体(4)の連結片(2)を切断して、端部の連結片(16)の形成幅を調節可能とする連結片切断装置(34)が設けられている。この連結片切断装置(34)について以下に説明すると、まず、一対の長尺なガイド板(35)を、連続袋体(4)が通過可能な通過間隔(36)を介して、板面を対向させた状態で装置本体(5)に鉛直方向に配置している。また、この一対のガイド板(35)のうち、一方のガイド板(37)の上端を上記連結装置(33)の一方の移送板(38)の対向間隔(6)側とは反対側の一端に連続している。また、この一対のガイド板(35)の長さ方向中央には一対の移送ローラー(40)を設け、この一対の移送ローラー(40)の接触部が対向間隔(6)内に位置するよう配置している。
【0041】
また、図7に示す如く、上記一対のガイド板(35)の下端両側には、内容物検知センサー(42)を配置している。この内容物検知センサー(42)は、連続袋体(4)の個装部(3)内に収納した内容物を検知可能とするものである。そして、図7に示す如く、受光体(55)と発光体(54)とを水平方向に対向配置し、上記発光体(54)からのセンサー光(32)は、一対のガイド板(35)を水平方向に通過して上記受光体(55)において受光可能なものとしている。また、上記内容物検知センサー(42)の下方には、一対のカッター刃(45)を、上記通過間隔(36)と略同一幅の配置間隔(46)を介して水平方向に摺動可能に配置している。
【0042】
次に、上記の如く形成した連結片切断装置(34)による連続袋体(4)の連結片(2)の切断方法について以下に説明する。従来より、連続袋体(4)の端部の連結片(16)の形成幅は、他の連結片(2)の形成幅の半分の長さに形成されるため、図9(a)に示す如く、例えば個装部(3)の間隔に形成した連結片(2)の形成幅を10mmとすると、端部の連結片(16)の形成幅は5mmである。そのため、端部の連結片(16)の形成幅が5mmである2つの連続袋体(4)の端部の連結片(16)を連結する際に、各端部の連結片(16)を、例えば端縁(41)から4mm内側の位置で重合した場合には、図9(b)に示す如く、連結部分の連結片(60)の形成幅が6mmとなる。
【0043】
そのため、連結部分の連結片(60)の形成幅が、連続袋体(4)の他の連結片(2)の形成幅と異なるものとなる。従って、上記の如く連結した連続袋体(4)を分離装置にセットした場合、連結部分の連結片(60)が、連結片(2)の形成幅を検知する形成幅検知センサーを通過した際に、この形成幅検知センサーが形成幅の異常を検知する。そのため、エラーが発生してラインが停止する事態が生じ、分離作業に支障をきたすものとなる。
【0044】
そこで、本発明の連結片切断装置(34)では、連続袋体(4)を分離装置にセットした際に、上記のようなエラーが発生しないようにするため、連結部分の連結片(47)を他の連結片(2)の形成幅と同じになるよう調整可能としている。即ち、図7に示す如く、一対のガイド板(35)の間隔に連続袋体(4)を挿入するとともに、この連続袋体(4)の耳部(9)を一対の移送ローラー(40)の間隔に挟み込む。このような状態で移送ローラー(40)を回動させることにより、上記連続袋体(4)は内容物検知センサー(42)の方向に移送され、この内容物検知センサー(42)を通過する。
【0045】
そして、端部の連結片(16)、及び端部の連結片(16)に隣接する第1個装部(48)に続いて、この第1個装部(48)に隣接する第1連結片(50)が内容物検知センサー(42)のセンサー光(53)を通過した後、第2個装部(52)が上記センサー光(53)の通過を開始した時点で、上記第1連結片(50)はカッター刃(45)の配置間隔(46)内に位置するものとなる。そこで、図8(a)に示す第1連結片(50)のX−X線の位置で切断を行う場合には、予め第2個装部(52)が上記センサー光(53)の通過を開始した時点から、第1連結片(50)のX−X線の位置がカッター刃(45)の配置間隔(46)内に位置するまでの一定時間を測定しておく。
【0046】
そして、装置内の制御部に、内容物検知センサー(42)が第2個装部(52)の内容物の検知を開始してから上記一定時間が経過した時点で、移送ローラー(40)が停止するようセットしておく。これにより、連続袋体(4)の第2個装部(52)が内容物検知センサー(42)のセンサー光(53)の通過を開始した後に、第1連結部のX−X線位置がカッター刃(45)の配置間隔(46)内に位置した時点で、移送ローラー(40)が停止して上記連続袋体(4)の移送が停止する。そのため、この時点で一対のカッター刃(45)を対向方向に摺動させることにより、第1連結部がX−X線位置において切断され、上記連続袋体(4)に新たな端部の連結片(16)が形成されるものとなる。
【0047】
尚、上記の如く通過時間によって連続袋体(4)の停止位置を調節する他に、他の異なる実施例においては、ステッピングモーターやサーボモーターを駆動させて、送りステップ角やロータリーエンコーダーのパルスなどを演算することにより、連続袋体(4)の通過距離を算出し、この連続袋体(4)の停止位置を調節することも可能である。
【0048】
そこで、例えば連結片(2)の形成幅が10mm、端部の連結片(16)の形成幅が5mmの2つの連続袋体(4)の連結部分の連結片(47)を、上記連結片(2)の形成幅と同じ10mmとする場合には、まず、図8(a)に示す如く、上記分離装置により、第1連結片(50)のX−X線の位置を、第2袋体から7mmの位置とし、上記連結片切断装置によってX−X線の位置で切断することにより、図8(b)に示す如く、形成幅が7mmの新たな端部の連結片(16)を形成する。
【0049】
このようにして、2つの連続袋体(4)に新たな端部の連結片(16)をそれぞれ形成し、図8(b)に示す如く、この新たな端部の連結片(16)の端縁(41)から2mm内側の場所を中央線(51)として、上記2つの連続袋体(4)の中央線(51)を重合する。これにより、図8(c)に示す如く、2つの新たな端部の連結片(16)が互いに2mmずつ重合されるものとなる。このような状態で、上記連結装置(33)により重合部分(19)を溶着して連結することにより、連結部分の連結片(47)の形成幅を他の連結片(2)の形成幅と同じ10mmとすることができる。そのため、上記の如く連結した連続袋体(4)を分離装置に供給した場合でも、連結部分の連結片(47)の形成幅は他の連結片(2)の形成幅と同じであるから、この連結部分の連結片(47)が分離装置の形成幅検知センサーを通過してもエラーが発生することなく、分離作業を円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1を示す正面図。
【図2】図1において、各連続袋体を対向方向に移送させ、セパレート板の上下に配置した状態を示す図。
【図3】図2の部分拡大図。
【図4】図2において、セパレート板を外方に抜き出した状態を示す図。
【図5】図4の部分拡大図。
【図6】図4において、連結片の重合部分に溶着装置を作動させた状態を示す図。
【図7】連結片切断装置の平面図。
【図8】実施例1で使用する連続袋体を示す平面図。
【図9】従来の装置において使用する連続袋体を示す平面図。
【符号の説明】
【0051】
1 移送体
2 連結片
3 個装部
4 連続袋体
6 対向間隔
7 移送板
8 送りローラー
10 セパレート板
16 端部の連結片
17 溶着装置
18 溶着ヒーター
19 重合部分
20 溶着パッド
28 連結片検知センサー
29 温度センサー
34 連結片切断装置
40 移送ローラー
42 内容物検知センサー
45 カッター刃


【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結片を介して個装部を複数個連結した熱可塑性樹脂製の連続袋体を対向方向に移送するよう、対向間隔を介して同一直線上に配置した一対の移送体と、この対向間隔内に移送直線方向とは交差方向に傾斜して挿入及び抜き出し可能としたセパレート板と、上記対向間隔の上下方向に配置し、連続袋体の端部の連結片を重ねて溶着可能とする溶着装置とから成り、セパレート板を対向間隔内に挿入配置した状態で、連続袋体の端部の連結片を一対の移送体によってセパレート板を介して上下に重合可能な位置まで対向間隔に移送した後、対向間隔内のセパレート板を対向間隔から抜き出し、各連続袋体の端部の連結片を直接重合し、この重合部分を上記溶着装置にて溶着可能としたことを特徴とする連続袋体の連結装置。
【請求項2】
対向する各移送体は、連続袋体を載置するための移送板と、この移送板の側方に配置した一対の送りローラーとからなり、この一対の送りローラーにより連続袋体を挟持した状態で送りローラーを回動することにより、移送板上の連続袋体を対向間隔方向に移送可能としたことを特徴とする請求項1の連続袋体の連結装置。
【請求項3】
対向する各移送体には、対向間隔側の上下方向に、端部の連結片を検知可能とする連結片検知センサーを各々配置したことを特徴とする請求項1または2の連続袋体の連結装置。
【請求項4】
溶着装置は、溶着ヒーターと溶着パッドとから成り、上記溶着ヒーターを対向間隔内に固定配置するとともに、この溶着ヒーターに臨ませて、上記溶着パッドを上下方向に摺動可能に配置したことを特徴とする請求項1の連続袋体の連結装置。
【請求項5】
連続袋体の端部の連結片の形成は、連続袋体を移送する一対の移送ローラーと、この移送ローラーにより移送され、連続袋体の個装部に収納した内容物を検知可能とする内容物検知センサーと、この内容物検知センサーよりも連続袋体の移送方向に配置したカッター刃とから成る連結片切断装置によって、2つの個装部を連結する連結片を重合する重ね代分を余分に切り取って切断することにより端部の連結片を形成し、重ね代分を重合して溶着することにより、この連結後の端部の連結片を、他の連結片と同一幅に形成可能としたことを特徴とする請求項1の連続袋体の連結装置。
【請求項6】
溶着ヒーターは、温度センサーを配置することにより温度を一定に保持可能としたことを特徴とする請求項4の連続袋体の連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−280086(P2008−280086A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175520(P2007−175520)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【特許番号】特許第3999258号(P3999258)
【特許公報発行日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(390019862)高野ベアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】