説明

連続鋳造用鋳型の補修方法及び補修された連続鋳造用鋳型

【課題】補修に伴う鋳型の冷却効率の上昇を抑制し、良好な品質の鋳片の製造が可能な連続鋳造用鋳型の補修方法及び補修された連続鋳造用鋳型を提供する。
【解決手段】上下方向に貫通し溶鋼を受入れて冷却する空間部11を内側に形成する冷却部材12の内面側に、溶鋼湯面位置を上位置とし、上位置から下方へ300mm以上を下位置として空間部11側へ張り出す膨出部21が設けられ、膨出部21の縦断面の内側線は、上位置から下位置までを3〜8の連続する直線部で構成され、隣り合う直線部のなす角は、174〜179.97度であり、上位置と下位置を結ぶ直線を底辺とする膨出部21の最大高さhは0.2〜5mmである連続鋳造用鋳型10の補修方法であって、冷却部材12の内面側を改削して膨出部21の形状を復元し、改削後の冷却部材12の外面、又は内面と外面の双方に、冷却部材12より熱伝導率が小さい金属の熱抵抗層29を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶鋼を受入れて冷却する空間部を内側に形成し、内面側に膨出部が設けられた冷却部材を有する連続鋳造用鋳型の補修方法及び補修された連続鋳造用鋳型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳片の製造において、上下方向に貫通する空間部が形成された冷却部材を有する連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)を使用し、空間部に溶鋼を供給して冷却しながら凝固させている。ここで、溶鋼の凝固過程においては凝固収縮が発生するため、鋳片の引き抜き方向へ向けて、冷却部材内面と溶鋼の冷却部材接触面側に形成される凝固シェルとの間に隙間が生じ、鋳片のコーナー部の冷却効率が他の部分よりも低下して、凝固遅れが発生していた。そこで、特許文献1のように、冷却部材内面(溶鋼接触面側)の形状を、鋳片の凝固プロフィールに対応させた形状、即ちマルチテーパとした鋳型が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−49385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、鋳片の製造を連続して行っていると、冷却部材の内面側(溶鋼接触面側)は凝固シェルとの接触により徐々に磨耗するので、内面側を改削(研削ともいう)して補修作業を行う必要が生じる。そして、この補修作業を複数回行うことで、同一の鋳型を繰り返し使用できる。しかしながら、補修作業では、冷却部材内面の形状を鋳片の凝固プロフィールに対応させたマルチテーパに復元する必要があり、加工がしずらく、補修コストが上昇するという問題がある。
【0005】
また、冷却部材の内面側の改削に伴い、冷却部材の厚みが使用開始時の厚みより薄くなって熱抵抗が低下してくる。このため、冷却部材の内面温度が低下(例えば、300℃から240℃へ低下)し、凝固シェルが形成された鋳片の冷却効率が高められてその収縮量が増加し、冷却部材の内面と鋳片表面との間に発生するギャップ(隙間)が大きくなって、コーナー部における鋳片の凝固遅れが拡大するという問題が生じている。その結果、改削を行うたびに、鋳型のコーナー部における鋳片の品質が低下し易くなり、また、鋳型のコーナー部に位置する鋳片の凝固シェルが薄くなり、熱応力等で割れ易くなって鋳型下端で凝固シェルが破断し溶鋼が外部に噴出するブレークアウトが発生する恐れも高くなっている
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、加工が容易で補修コストが低く、補修に伴う鋳型の冷却効率の上昇を抑制して、過冷却による鋳片のブレークアウトを抑制しながら、良好な品質の鋳片を安定して製造可能な連続鋳造用鋳型の補修方法及び補修された連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法は、上下方向に貫通し、溶鋼を受入れて冷却する空間部を内側に形成し、外面側が冷却水により冷却される冷却部材と、前記冷却部材の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数の締結手段からなる締結手段群によって該冷却部材を取付ける支持部材とを有し、前記冷却部材の内面側には、溶鋼湯面位置を上位置とし、該上位置から下方へ300mm以上を下位置として前記空間部側へ張り出す膨出部が設けられ、該膨出部の縦断面の内側線は、前記上位置から前記下位置までを3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成され、しかも、前記隣り合う直線部のなす角は、174度以上179.97度以下の範囲内であり、前記上位置と前記下位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhは0.2mm以上5mm以下の範囲内である連続鋳造用鋳型が、使用によって前記冷却部材の内面側が損傷した際の連続鋳造鋳型の補修方法であって、
前記冷却部材の内面側を改削して前記膨出部の形状を復元すると共に、改削後の前記冷却部材の外面、又は内面と外面の双方に、該冷却部材より熱伝導率が小さい金属で構成される熱抵抗層を形成する。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法は、上下方向に貫通し、溶鋼を受入れて冷却する空間部を内側に形成する冷却部材の内面側に、溶鋼湯面位置を上位置とし、該上位置から下方へ300mm以上を下位置として前記空間部側へ張り出す膨出部が設けられ、該膨出部の縦断面の内側線は、前記上位置から前記下位置までを3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成され、しかも、前記隣り合う直線部のなす角は、174度以上179.97度以下の範囲内であり、前記上位置と前記下位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhは0.2mm以上5mm以下の範囲内である連続鋳造用鋳型が、使用によって前記冷却部材の内面側が損傷した際の連続鋳造鋳型の補修方法であって、
前記冷却部材の内面側を改削して前記膨出部の形状を復元すると共に、改削後の前記冷却部材の内面に、該冷却部材より熱伝導率が小さい金属で構成される熱抵抗層を形成し、該熱抵抗層の厚みを、損傷した前記冷却部材の改削時の研削厚みに応じて設定する。
【0009】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層の厚みは、損傷した前記冷却部材の改削時の研削厚みに応じて設定されることが好ましい。
【0010】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層は損傷した前記冷却部材の外面に形成され、該冷却部材に設けられた導水溝は、その内幅Wが8mm以上300mm以下、深さDが3mm以上20mm以下であり、かつ、深さDと内幅Wの比D/Wが0.01以上2.5以下の関係を満足して幅広に形成されていることが好ましい。
【0011】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層は損傷した前記冷却部材の外面に形成され、該冷却部材に設けられた導水溝は、該冷却部材の外面側に形成された空間領域と、該冷却部材の外面側に向けて突出して、その先端面が該冷却部材の前記空間領域を形成する底面に当接する仕切り部が設けられたスペーサーとで形成されていることが好ましい。
【0012】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層はめっき又は溶射により形成されることが好ましい。
ここで、前記熱抵抗層を構成する前記金属はNi又はNiを含む合金であることが好ましい。
【0013】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材の前記上位置より上側の縦断面の内側線を、前記膨出部を構成する最上の前記直線部を延長して形成することが好ましい。
【0014】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記隣り合う直線部の連接箇所を、前記冷却部材の上下方向に均等な間隔で設け、前記隣り合う直線部のなす角を同一角度とすることが好ましい。
【0015】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材を、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺とで構成し、前記一対の短辺及び前記一対の長辺のいずれか一方又は双方に、前記膨出部を設けることが好ましい。
【0016】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材をチューブ状とすることが好ましい。
【0017】
前記目的に沿う第3の発明に係る連続鋳造用鋳型は、第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法を用いて補修されている。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法、及び該補修方法を用いて補修された第3の発明に係る連続鋳造用鋳型においては、改削により復元する冷却部材内面の形状が、鋳片の凝固プロフィールに対応する簡単な形状のため、加工が容易になって補修コストの低減が図れる。そして、補修のため冷却部材の改削を行って冷却部材の厚みが薄くなった場合でも、熱抵抗層を形成することにより補修を行う前と同様の冷却条件で溶鋼の冷却を実施できる。これにより、過冷却による鋳片のブレークアウトを抑制しながら、良好な品質を備える鋳片を安定に製造できる。
【0019】
第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法、及び該補修方法を用いて補修された第3の発明に係る連続鋳造用鋳型においては、改削により復元する冷却部材内面の形状が、鋳片の凝固プロフィールに対応する簡単な形状のため、加工が容易になって補修コストの低減が図れる。そして、補修のため冷却部材の改削を行って冷却部材の厚みが薄くなった場合でも、熱抵抗層を形成することにより補修を行う前と同様の冷却条件で溶鋼の冷却を実施できる。更に、熱抵抗層の厚みが、補修する際の冷却部材の研削厚みに応じて設定されているので、補修を行うごとに、冷却部材の熱抵抗を未使用の状態まで復元できる。これにより、過冷却による鋳片のブレークアウトを抑制しながら、良好な品質を備える鋳片を安定に製造できる。
【0020】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、熱抵抗層の厚みが、損傷した冷却部材の改削時の研削厚みに応じて設定される場合、補修を行うごとに、冷却部材の熱抵抗を未使用の状態まで復元できる。
【0021】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、熱抵抗層を損傷した冷却部材の外面に形成する場合、例えば、熱応力に起因する熱抵抗層へのクラックによる被害を避けることができる。
また、導水溝を、その内幅Wが8mm以上300mm以下、深さDが3mm以上20mm以下であり、かつ、深さDと内幅Wの比D/Wが0.01以上2.5以下の関係を満足して幅広に形成する場合、例えば、めっき又は溶射の施工性及び作業性を良好にできる。
【0022】
第1の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、熱抵抗層を損傷した冷却部材の外面に形成し、冷却部材に設けられた導水溝は、冷却部材の裏面側に形成された空間領域と、冷却部材の外面側に向けて突出して、その先端面が冷却部材の空間領域を形成する底面に当接する仕切り部が設けられたスペーサーとで形成する場合、改造加工に伴うコストの低減が図れる。
【0023】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、熱抵抗層がめっき又は溶射により形成される場合、熱抵抗層と冷却部材との密着性を高めることができる。
そして、第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、熱抵抗層を構成する金属が、Ni又はNiを含む合金である場合、熱抵抗層と冷却部材との密着性を更に高めることができる。
【0024】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、冷却部材の上位置より上側の縦断面の内側線を、膨出部を構成する最上の直線部を延長して形成する場合、冷却部材の内面側の形状を簡単にでき、補修コストの更なる低減が図れる。
【0025】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、隣り合う直線部の連接箇所を、冷却部材の上下方向に均等な間隔で設け、隣り合う直線部のなす角を、同一角度とする場合、膨出部の形状を更に簡単にでき、鋳型の補修を更に容易にできる。
【0026】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、冷却部材が、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺とで構成され、一対の短辺及び一対の長辺のいずれか一方又は双方に、膨出部を設けた場合、上下方向に貫通した空間部を簡便に形成することができる。
【0027】
第1、第2の発明に係る連続鋳造用鋳型の補修方法において、冷却部材がチューブ状である場合、鋳型の組立が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態に係る補修方法によって補修された連続鋳造用鋳型の長辺の縦断面図である。
【図2】同補修方法によって補修された連続鋳造用鋳型の長辺の外面側の説明図である。
【図3】(A)は図2のa−a矢視断面図、(B)は図2のb−b矢視断面図、(C)は図2のc−c矢視断面図である。
【図4】図2のd−d矢視断面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ第1、第2の変形例に係る連続鋳造用鋳型の長辺の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の補修方法によって補修された連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)10は、上下方向に貫通した空間部11を内側に形成し、外面側(裏面側)が冷却水により冷却される冷却部材12と、冷却部材12が取付けられる支持部材の一例であるバックプレート(冷却箱又は水箱ともいう)13とを有し、使用により損傷したため補修したものである。ここで、冷却部材12は、間隔を有して対向配置された図示しない一対の短辺(短片ともいう)と、この短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺(長片ともいう)14とで構成されている。
【0030】
そして、短辺及び長辺14は、その裏面(溶鋼と接する面とは反対側の面)側にそれぞれ上下方向(鋳造方向)に並べて配置された複数の締結手段15を備えた締結手段群によって、バックプレート13に取付けられている。これにより、バックプレート13の下部に設けられた給水部(図示せず)から、短辺と長辺11の裏面側に設けられた多数の導水溝16、17を介して、バックプレート13の上部に設けられた排水部18へ冷却水を流し、短辺及び長辺14で構成される冷却部材12の空間部11に供給した溶鋼19を冷却し凝固させながら下方へ引き抜き鋳片を製造するものである。
【0031】
損傷前の鋳型において、短辺は、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、幅が50mm以上300mm以下程度で、上下方向の長さが600mm以上1200mm以下程度である。また、長辺14は、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、対向配置される一対の短辺の間隔(鋳片と接触する幅)を、600mm以上3000mm以下の範囲で変更可能とすることのできる幅を有し、上下方向の長さは短辺と同程度である。なお、短辺と長辺14は、銅又は銅合金で構成されている。これにより、例えば、幅が600mm以上3000mm以下程度、厚みが50mm以上300mm以下程度のスラブを製造できる。なお、短辺と長辺14は、その幅のみが異なって他の構成は略同様であり、また一対の長辺14は鏡面対称であるため、以下、図1〜図4に示す長辺14の構成を主として、以下、詳細に説明する。
【0032】
損傷前の冷却部材12を構成する一対の短辺及び一対の長辺14の双方の溶鋼接触面20側(すなわち、冷却部材12の内面側)に、その幅方向に渡って、溶鋼19の溶鋼湯面位置(メニスカス位置、単に湯面位置という場合もある)を上位置P1とし、上位置P1から下方へ300mm以上を下位置P2として空間部11側へ張り出す膨出部21が設けられている。この溶鋼湯面位置は、長辺14(短辺も同様)の上端位置を基点として、下方へ50mm以上150mm以下の範囲内(ここでは、100mm程度)にある。なお、膨出部21の空間部11側への張り出し量は僅かであるが、説明の便宜上、図1、図3(A)、(B)、(C)、図5(A)、(B)においては、誇張して示している。
【0033】
ここで、膨出部21の上位置P1を、湯面位置としたのは、溶鋼の冷却の起点位置だからである。また、膨出部21の下位置P2を、上位置P1から下方へ300mm以上の位置としたのは、溶鋼の鋳型接触面側に形成される凝固シェルと冷却部材12内面との間に隙間が生じる範囲が、この範囲内であることによる。以上のことから、膨出部21の形成位置を、溶鋼の湯面位置を上位置P1とし、上位置P1から下方へ300mm以上の下位置P2までとしたが、下位置P2を、上位置P1から下方へ500mm以上の位置、更には短辺及び長辺14の下端位置とすることが好ましい。なお、図5(A)に示す長辺22は、膨出部23の形成位置を、溶鋼19の湯面位置を上位置P1とし、上位置P1から下方へ300mm以上の下位置P2までとし、図5(B)に示す長辺24は、膨出部25の形成位置を、溶鋼19の湯面位置を上位置P1とし、下位置P2を長辺24の下端位置としている。
【0034】
膨出部21の縦断面の溶鋼接触面20側の輪郭線(内側線)は、上位置P1から下位置P2まで3つ以上8つ以下(本実施の形態では、3つ)の連続する直線部L1〜L3で構成されており、長辺14の溶鋼接触面20が、傾斜角度の異なる3段以上8段以下の傾斜面で構成されている。ここで、膨出部を構成する直線部が3つ未満(2つ以下)の場合、直線部の数が少な過ぎて、膨出部の縦断面形状が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。一方、直線部の数が8つを超える(9つ以上)場合、直線部の数が多過ぎて、膨出部の加工が複雑となり、製造コストの増大を招く。以上のことから、膨出部21を、3つの直線部L1〜L3で構成したが、直線部の数の下限を4つとすることが好ましく、また上限を6つとすることが好ましい。図5(A)に示す長辺22は、膨出部23を、3つの直線部M1〜M3で構成し、図5(B)に示す長辺24は、膨出部25を4つの直線部N1〜N4で構成している。
【0035】
なお、長辺14(短辺も同様)の溶鋼接触面20側であって、長辺14の上位置P1より上側の縦断面の内側線は、膨出部21を構成する最上の直線部L1を延長して形成されている。この上位置P1より上側の縦断面の内側線は、図5(A)に示す長辺22(短辺も同様)のように、長辺22の溶鋼接触面側であって、膨出部23を構成する最上の直線部M1を延長して形成することなく、長辺22の裏面側と平行な垂直状態(傾斜角度0度)にしてもよい。
【0036】
直線部L1〜L3については、最上の直線部L1と、この直線部L1に隣接する上から2番目の直線部L2のなす角θ1、この直線部L2と上から3番目の直線部L3のなす角θ2を、それぞれ174度以上179.97度以下の範囲内としている。なお、各角θ1、θ2は、同一角度であるが、異なる角度にしてもよい。ここで、隣り合う直線部のなす角θが174度未満の場合、膨出部の側断面視した形状が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。一方、隣り合う直線部のなす角θが179.97度を超える場合、直線部の数が多くなって膨出部の加工が複雑となり、製造コストの増大を招く。以上のことから、隣り合う直線部L1〜L3のなす角θ1、θ2を、それぞれ174度以上179.97度以下の範囲内としたが、下限を178.0度、更には179.0度とすることが好ましく、上限を179.90度とすることが好ましい。
【0037】
上記した最上の直線部L1と次の直線部L2の連接箇所X1と、直線部L2と次の直線部L3の連接箇所X2と、下位置P2は、長辺14(短辺も同様)の上端位置から、長辺14の上下方向に異なる間隔H1〜H3で設けられている。また、図5(B)に示す長辺24も、直線部N1と直線部N2の連接箇所Y1と、直線部N2と直線部N3の連接箇所Y2と、直線部N3と直線部N4の連接箇所Y3と、下位置P2とを、長辺24の上下方向で異なる間隔K1〜K4で設けている。なお、各連接箇所X1、X2と下位置P2は、長辺14(短辺も同様)の上下方向の一部又は全部について、均等な間隔Hで設けてもよい。ここで、均等な間隔Hとは、各間隔の平均値に対して、±20%(好ましくは±5%)の範囲内で、各間隔が異なる場合も含む。
【0038】
図1に示すように、上位置P1と下位置P2を結ぶ直線L4を底辺とする膨出部21の最大高さh(ここでは、上から1番目の直線部L1と2番目の直線部L2との連接箇所X1の高さ)を、0.2mm以上5mm以下の範囲内としている。ここで、最大高さhが0.2mm未満の場合、膨出部の空間部側への張り出し量が小さ過ぎて、膨出部の表面形状がスラブの凝固収縮に追従できず、膨出部の表面と溶鋼の鋳型接触面側に形成される凝固シェルとの間に隙間が生じる。一方、最大高さhが5mmを超える場合、膨出部の縦断面が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。以上のことから、膨出部21の最大高さhを0.2mm以上5mm以下の範囲内としたが、下限を0.5mm、更には0.55mmとすることが好ましく、上限を2.5mm、更には2.2mmとすることが好ましい。
【0039】
以上に示した膨出部の形成位置、膨出部を構成する直線部の数、隣り合う直線部のなす角、及び膨出部の最大高さhは、以下に示す条件を考慮したり、また実際に測定した結果を基にして、3次元のスラブの凝固収縮及び鋳型の熱変形を考慮したFEM解析(有限要素法を用いた解析)により、前記した範囲内で決定するのがよい。
1)スラブの形状、スラブのサイズ、又は鋳込み条件(例えば、鋳込み温度、引き抜き速度、鋳型冷却条件等)。
2)鋳込み鋼種の成分に由来する物理量(例えば、液相温度、固相温度、変態温度、線膨張率、剛性値等)。
3)鋳型とスラブ間の接触熱移動量(スラブの収縮量は、この量に大きく影響される)。
この接触熱移動量については、特開2008−49385号公報に開示されているため、その詳細内容については省略する。
【0040】
長辺14の裏面側に設けられた導水溝16、17は、長辺14の裏面側に形成された空間領域26と、バックプレート13とで形成されている。長辺14に形成された空間領域26は、長辺14を平板化して、この部分の長辺14の厚みTを、5mm以上100mm以下とするようにして形成する。一方、バックプレート13には、長辺14の裏面側に向けて長辺14の上下方向に渡って突出して、その先端面が長辺14の空間領域26を形成する底面に当接する仕切り部27、28が設けられている。なお、幅方向に隣り合う締結手段群の列の間にそれぞれ複数本(本実施の形態では、2本)の仕切り部27、28が設けられている。この幅方向に隣り合う締結手段群の間隔Sは、例えば、50mm以上200mm以下程度である。これにより、隣り合う仕切り部27、28間に導水溝17が、また締結手段群を中心として隣り合う仕切り部27、28間に導水溝16が、それぞれ形成される。
【0041】
この仕切り部27、28のうち、締結手段15の側方部分に位置する仕切り部27、28を、他の部分よりも幅狭にして、締結手段15を間に有する導水溝16の平断面積の変化量を小さくしているが、各仕切り部の断面形状を同一にしてもよい。なお、導水溝17は、長辺14の上下方向に渡ってその断面形状が同一である。また、仕切り部をバックプレートに設けず、仕切り部が設けられたスペーサーを介して、バックプレートを長辺に固定することもできる。この場合、長辺の裏面側であって、締結手段群の上下に隣り合う締結手段を連結する領域に、長辺の上下方向に渡って長辺の裏面側から突出する固定部を残して空間部を形成する。そして、スペーサーを固定部にねじで固定した後、その裏面側にバックプレートを取付ける。なお、スペーサーは、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、又は耐食性を備えるステンレスで構成し、長辺の幅方向に、締結手段群を境として複数配置するとよい。
【0042】
なお、各導水溝16、17は、その内幅W1、W2が8mm以上300mm以下、深さD1、D2が3mm以上20mm以下であり、かつ、深さD1と内幅W1の比D1/W1と深さD2と内幅W2の比D2/W2が、それぞれ0.01以上2.5以下の関係を満足している。このため、各導水溝16、17は、従来例の鋳型の導水溝の内幅(5mm程度)と比較して、幅広に形成されている。
【0043】
長辺14の表面側が損傷して、補修を行った鋳型においては、長辺14の裏面側の面であって、空間領域26が形成される領域に、熱抵抗層29が形成されている。この熱抵抗層29の厚みT1は、長辺14を補修する際に行う長辺14の切削厚み(研削厚みともいう)に応じて設定する。具体的には、図3(A)〜(C)に示すように、熱抵抗層29を構成する金属の熱伝導率をλ1、厚みをT1とし、長辺14を構成する金属の熱伝導率をλ2、切削した厚みをT2とした場合、以下の関係が成り立つようにする。
T1/λ1=(T2/λ2)×α
ここで、αは、0.9以上1.1以下である。このαの数値範囲であれば、使用上問題ない。
【0044】
なお、上記した熱抵抗層29の厚みT1は、例えば、0.1mm以上4mm以下の範囲内で行う。本実施の形態では、形成する熱抵抗層29の厚みT1と同じだけ、空間領域26が形成された長辺14の裏面側(空間領域26の底面)を彫り込み加工した後、熱抵抗層29を形成した場合について示した。この場合は、彫り込み加工した深さも、上記した切削した厚みT2に算入する。しかし、熱抵抗層の厚みが、冷却水の流れに影響を与えない程度であれば、長辺の裏面側を彫り込み加工することなく、空間領域26の底面に熱抵抗層を形成してもよい。
【0045】
この熱抵抗層29は、メニスカス(溶鋼湯面位置)の上方50mmの位置から、メニスカスの下方300mm位置までの範囲内に渡って全体的に設けているが、この範囲内に部分的に設けてもよく、また長辺の全体に渡って又は部分的に設けてもよい。熱抵抗層29は、長辺14を構成する銅(熱伝導率:0.941cal/cm/sec/℃)又は銅合金より熱伝導率が小さく(例えば、0.3cal/cm/sec/℃以下、好ましくは、0.1cal/cm/sec/℃以下)て、熱抵抗が大きい金属で構成されている。この金属としては、例えば、Ni(熱伝導率:0.16cal/cm/sec/℃)又はNiを含む合金を使用することが好ましい。なお、Niを含む合金とは、例えば、Ni−Cu合金、Ni−Co合金、Ni−Co系合金、Ni−Si−Cu合金、Ni−Mn合金、Ni−Fe合金、Ni−Cr合金、Ni−Cr系合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Mo−Cr系合金、及びNi−Cr−Fe−Mo合金である。
【0046】
以上に示した長辺14の裏面側(冷却面とは反対側)には、複数の締結手段15を使用して、例えば、ステンレス製のバックプレート13(例えば、厚みが50mm以上500mm以下程度)が取付けられる。この取付けに際しては、バックプレート13の周辺部に、バックプレート13の給水部、排水部18、及び長辺14の導水溝16、17を囲むように溝(図示しない)が形成され、ここにOリングを配置することで、長辺14とバックプレート13の密着性を向上させ、導水溝16、17からの冷却水の漏れを防止している。このとき、バックプレート13に設けられた仕切り部27、28の先端面が、空間領域26を形成する底面、即ち熱抵抗層29の表面に当接する。この締結手段15は、長辺14に形成されている雌ねじ部30と、雌ねじ部30に螺合してバックプレート13を締着する雄ねじ(図示しない)を有している。また、雄ねじを取付けるため、バックプレート13に形成された孔(図示しない)には、予め防水可能なシール座金が配置されており、雄ねじを取付けた部分からの冷却水の漏れを防止している。
【0047】
また、長辺14の表面である溶鋼接触面(鋳型本体の内側面)20には、損傷部位を除去した後、コーティング層を形成してもよい。コーティング層は、例えば、Co−NiのようなCo合金、Ni−FeのようなNi合金、又はNiのめっきを使用できるが、溶射(例えば、NiベースのCr−Si−B系合金)も使用できる。このコーティング層は、同一種類の成分を、長辺に使用する銅板の表面全面に渡って形成してもよく、また、複数種類の成分を、銅板の上下方向の異なる領域に、各成分の機能に応じてそれぞれ形成してもよい。
以上に示した長辺は、それぞれ銅板表面にコーティング層を形成した後、所定の形状を、従来公知の機械加工を行って製造する。この長辺の形状は、一対の長辺の間隔を、スラブの引き抜き方向へ向けて同一としてもよいが、スラブの凝固収縮形状に応じて狭くすることが好ましい。
【0048】
続いて、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の補修方法について説明する。
未使用状態の連続鋳造用鋳型は、各短辺と各長辺の表面に損傷がない状態であるが、鋳片を製造することで、例えば、長辺の表面側(溶鋼接触面側)に損傷が発生する。そこで、長辺の表面側を改削(研削ともいう)して、損傷部位を除去し、膨出部23を復元する補修作業を行う。まず、図3(A)〜(C)に示すように、長辺14の表面側を、損傷の深さに応じて所定厚みT2(例えば、1回当たり1〜3mm程度)改削する。
【0049】
次に、長辺14の改削厚みT2と、長辺14を構成する銅の熱伝導率から、熱抵抗層29を形成する金属とその厚みT1を決定する。このとき、形成する熱抵抗層29の厚みに応じて、長辺14の裏面側(空間領域26の底面)を彫り込むため、この彫り込み深さも、前記した改削厚みT2に算入する。
【0050】
そして、熱抵抗層29を構成する金属であるNi又はNiを含む合金を、彫り込まれた底面に対してめっき又は溶射して付着させ、機械加工によりその表面(空間領域26の底面となる面)を平滑にする。なお、雌ねじ部30の表面(バックプレート13との接触面)に、予め被覆材料(即ち、レジスト)からなるレジスト膜を形成し、雌ねじ部30表面へ熱抵抗層が形成されることを防止する。このように、熱抵抗層29を形成した後、レジスト膜を除去し、バックプレート13を取付け、熱抵抗層29の表面に仕切り部27、28の先端面を当接させて、鋳型形状に組み立て、再び鋳造作業を開始する。
補修作業を行うことにより、同一の鋳型を繰り返し使用できる。
【0051】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、膨出部を、一対の短辺及び一対の長辺のいずれか一方に設けてもよい。この場合、膨出部を設けた辺と、この辺を取付ける支持部材との間に空間領域を形成し、この空間領域にスペーサーを配置して強冷却導水溝を形成する必要がある。
また、冷却部材を、チューブ状とすることもできる。
【0052】
そして、本実施の形態においては、長辺の外面側のみに熱抵抗層を形成した場合について説明したが、長辺の内面側のみに形成してもよく、更には長辺の外面と内面にそれぞれ形成してもよい。なお、長辺の内面側に熱抵抗層を形成する場合は、補修のため長辺の内面側の切削作業を行った後、その表面に熱抵抗層を形成して機械加工を行う。更に、内面側にコーティング層を形成する場合は、熱抵抗層の表面にコーティング層を形成する。
なお、前記実施の形態においては、鋳片の一例であるスラブを製造する鋳型の構成について説明したが、形状と寸法の異なる他の鋳片、例えば、ブルームを製造する鋳型に、本願発明を適用することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0053】
10:連続鋳造用鋳型、11:空間部、12:冷却部材、13:バックプレート、14:長辺、15:締結手段、16、17:導水溝、18:排水部、19:溶鋼、20:溶鋼接触面、21:膨出部、22:長辺、23:膨出部、24:長辺、25:膨出部、26:空間領域、27、28:仕切り部、29:熱抵抗層、30:雌ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に貫通し、溶鋼を受入れて冷却する空間部を内側に形成し、外面側が冷却水により冷却される冷却部材と、前記冷却部材の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数の締結手段からなる締結手段群によって該冷却部材を取付ける支持部材とを有し、前記冷却部材の内面側には、溶鋼湯面位置を上位置とし、該上位置から下方へ300mm以上を下位置として前記空間部側へ張り出す膨出部が設けられ、該膨出部の縦断面の内側線は、前記上位置から前記下位置までを3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成され、しかも、前記隣り合う直線部のなす角は、174度以上179.97度以下の範囲内であり、前記上位置と前記下位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhは0.2mm以上5mm以下の範囲内である連続鋳造用鋳型が、使用によって前記冷却部材の内面側が損傷した際の連続鋳造鋳型の補修方法であって、
前記冷却部材の内面側を改削して前記膨出部の形状を復元すると共に、改削後の前記冷却部材の外面、又は内面と外面の双方に、該冷却部材より熱伝導率が小さい金属で構成される熱抵抗層を形成することを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項2】
上下方向に貫通し、溶鋼を受入れて冷却する空間部を内側に形成する冷却部材の内面側に、溶鋼湯面位置を上位置とし、該上位置から下方へ300mm以上を下位置として前記空間部側へ張り出す膨出部が設けられ、該膨出部の縦断面の内側線は、前記上位置から前記下位置までを3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成され、しかも、前記隣り合う直線部のなす角は、174度以上179.97度以下の範囲内であり、前記上位置と前記下位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhは0.2mm以上5mm以下の範囲内である連続鋳造用鋳型が、使用によって前記冷却部材の内面側が損傷した際の連続鋳造鋳型の補修方法であって、
前記冷却部材の内面側を改削して前記膨出部の形状を復元すると共に、改削後の前記冷却部材の内面に、該冷却部材より熱伝導率が小さい金属で構成される熱抵抗層を形成し、該熱抵抗層の厚みを、損傷した前記冷却部材の改削時の研削厚みに応じて設定することを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項3】
請求項1記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層の厚みは、損傷した前記冷却部材の改削時の研削厚みに応じて設定されることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項4】
請求項1又は3記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層は損傷した前記冷却部材の外面に形成され、該冷却部材に設けられた導水溝は、その内幅Wが8mm以上300mm以下、深さDが3mm以上20mm以下であり、かつ、深さDと内幅Wの比D/Wが0.01以上2.5以下の関係を満足して幅広に形成されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項5】
請求項1又は3記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層は損傷した前記冷却部材の外面に形成され、該冷却部材に設けられた導水溝は、該冷却部材の外面側に形成された空間領域と、該冷却部材の外面側に向けて突出して、その先端面が該冷却部材の前記空間領域を形成する底面に当接する仕切り部が設けられたスペーサーとで形成されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層はめっき又は溶射により形成されることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記熱抵抗層を構成する前記金属はNi又はNiを含む合金であることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材の前記上位置より上側の縦断面の内側線を、前記膨出部を構成する最上の前記直線部を延長して形成することを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記隣り合う直線部の連接箇所を、前記冷却部材の上下方向に均等な間隔で設け、前記隣り合う直線部のなす角を同一角度とすることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材を、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺とで構成し、前記一対の短辺及び前記一対の長辺のいずれか一方又は双方に、前記膨出部を設けることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法において、前記冷却部材をチューブ状とすることを特徴とする連続鋳造用鋳型の補修方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型の補修方法を用いて補修されたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−218401(P2011−218401A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89743(P2010−89743)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000176626)三島光産株式会社 (40)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】