説明

遊戯用撮影装置および遊戯用撮影方法

【課題】携帯電話等の外部の装置に送信するための画像を作成するのに適した印刷出力される画像に相当する画像を作成することができる遊技用自動写真作成装置を提供する。
【解決手段】本遊技用自動写真作成装置の表示装置に表示される落書き画面400に対して、利用者はパレット領域402L,402Rにおいてアニメーション表示される付加画像(落書きペンの軌跡画像やスタンプ画像など)を適宜選択し、落書き領域401L,401Rに表示される撮影画像に合成する操作を行う。またここに表示される合成画像もアニメーション表示される。このように本自動写真作成装置は、携帯電話等の外部の装置に送信するための画像を作成するのに適したサンプル表示手段であるパレット領域402L,402Rにおいて適宜選択された動画像である付加画像を含む合成画像を作成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づき生成される合成画像を写真として出力する遊戯用撮影装置に関し、より詳細には、当該合成画像を他の外部の装置へ送信することができる遊戯用撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真として出力する遊戯用写真作成装置が知られている。このような遊戯用写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像(以下「付加画像」という)を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像から選択したり、タッチペンやライトペン等のペン型入力手段を用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されているものが多い。利用者によるこのような行為は、撮影画像に対してなされるため、「落書き」と呼ばれる。
【0003】
また近年の遊戯用写真作成装置には、作成した写真を印刷出力するだけでなく、当該写真の画像データを他の外部の装置へ送信することができるものがある。例えば、従来の写真作成装置は、撮影された画像の中からユーザにより選択された画像をネットワークを介して接続されている画像配信サーバに送信し、送信された画像はユーザにより指定されたメールアドレスを有する携帯電話へ配信される(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−333573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の遊技用写真作成装置では、印刷出力される画像と送信される画像とが基本的に同一であって、当該画像が携帯電話等の外部の装置に表示される場合には静止画となる。その結果、動画像(アニメーション画像)が含まれない静止画のみが表示されるため、携帯電話等の外部の装置における遊戯性ないし娯楽性が十分に得られない。
【0006】
また、従来の遊技用写真作成装置において、仮に印刷出力される画像とは異なる画像、例えば付加画像として動画像(アニメーション画像)が含まれている画像を携帯電話等の外部の装置に送信するとしても、印刷出力される画像とは異なる画像が別個に作成されるので、印刷出力される(落書きを含む)画像と携帯電話等の外部の装置に送信される画像との関連性が無く、その結果遊技用写真作成装置における遊戯性ないし娯楽性が十分に得られない。
【0007】
そこで本発明の目的は、携帯電話等の外部の装置に送信するための画像を作成するのに適した画像であって印刷出力される画像に相当する画像を作成することができる遊戯用撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段を備える遊戯用撮影装置であって、
前記利用者による操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段により受け付けられた操作に応じて、少なくとも一部が動画像である所定の付加画像を前記撮影画像に合成することにより撮影画像を含む合成画像を生成する落書き合成手段と、
前記落書き合成手段により生成される合成画像を動画像として表示可能なデータ形式で装置外部の所定の端末装置に送信する送信手段と
を備え、
前記落書き合成手段は、生成されるべき合成画像に含まれる付加画像の少なくとも一部を動画像として表示させることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記落書き合成手段により合成されるべき付加画像の候補となる複数のサンプル画像を前記入力手段による選択操作に応じて選択可能な動画像として表示するサンプル表示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、
前記サンプル表示手段は、複数種類のサンプル画像のうち、前記入力手段により受け付けられる切り替え操作に応じて選ばれる1種類に含まれる複数のサンプル画像を表示することを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、
前記複数種類のサンプル画像は、
前記入力手段により受け付けられる軌跡を描く操作に応じて描かれる線の太さ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像と、
前記入力手段により受け付けられる位置を指定する操作に応じた位置に合成される所定の画像の大きさ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像との少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記送信手段は、前記端末装置である携帯電話と光または電波により直接通信を行い、
前記入力手段は、前記落書き合成手段による前記合成画像の生成のための操作とともに、前記送信手段による前記携帯電話との通信を開始するための操作を受け付け、
前記落書き合成手段は、前記入力手段により前記通信を開始するための操作が受け付けられる場合、前記携帯電話における通信のための操作手順を示す情報または通信可能か否かを示す情報を表示することを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、 所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像ステップを含む遊戯用撮影方法であって、
前記利用者による操作を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて受け付けられた操作に応じて、少なくとも一部が動画像である所定の付加画像を前記撮影画像に合成することにより前記撮影画像を含む合成画像を生成する落書き合成ステップと、
前記落書き合成ステップにおいて生成される合成画像を動画像として表示可能なデータ形式で装置外部の所定の端末装置に送信する送信ステップと
を備え、
前記落書き合成ステップでは、生成されるべき合成画像に含まれる付加画像の少なくとも一部を動画像として表示させることを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、第6の発明に記載の遊戯用撮影方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明によれば、落書き合成手段は、生成されるべき合成画像に含まれる付加画像を動画像として表示させるので、例えば携帯電話等の端末装置に送信するための画像を作成するのに適しており、動画像である付加画像を含む合成画像を容易に作成することができる。
【0016】
上記第2の発明によれば、落書き合成手段により合成されるべき付加画像の候補となる複数のサンプル画像を入力手段による選択操作に応じて選択可能な動画像としてサンプル表示手段が表示するので、例えば携帯電話等の端末装置に送信するための画像を作成するのに適しており、動画像である付加画像を含む合成画像を容易に作成することができる。
【0017】
上記第3の発明によれば、サンプル表示手段により複数種類のサンプル画像のうち、切り替え操作に応じて選ばれる1種類に含まれる複数のサンプル画像が表示されるので、各種類毎に多くのサンプル画像を利用者に選択させることができ、動画像である付加画像を含む合成画像を容易に作成することができる。
【0018】
上記第4の発明によれば、複数種類のサンプル画像には、軌跡を描く操作に応じて描かれる線の太さ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像と、位置を指定する操作に応じた位置に合成される所定の画像の大きさ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像との少なくとも一方を含むので、例えば仮想的な落書きペンで描いたような画像や、スタンプで押したような画像などを付加画像として提供することができる。
【0019】
上記第5の発明によれば、落書き合成手段により、通信開始時に、携帯電話における通信のための操作手順を示す情報または通信可能か否かを示す情報が表示されるので、落書き中にすぐ画像の送信を開始でき、また表示される操作手順等の情報に基づき利用者が容易に携帯電話への画像送信を行うことができる。
【0020】
上記第6の発明によれば、上記第1の発明と同様な効果を奏する遊戯用撮影方法を実現することができる。
【0021】
上記第7の発明によれば、上記第1の発明と同様な効果を奏するプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置の側面図である。
【図2】上記実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置の本体部を示す正面図である。
【図3】上記実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置における主制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記実施形態における落書き処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記実施形態における落書き処理が行われる際のメイン表示・操作部による表示例を示す模式図である。
【図7】上記実施形態におけるアニメーションする軌跡画像が選択されることにより仮想的な落書きペンで落書きが行われる場合を説明するための画面例を示す図である。
【図8】上記実施形態におけるアニメーションするスタンプ画像が選択されることにより前景としてスタンプ画像が付加される落書きが行われる場合を説明するための画面例を示す図である。
【図9】上記実施形態におけるアニメーションする軌跡画像およびスタンプ画像が選択され落書きされた合成画像の変化態様を説明するための図である。
【図10】上記実施形態におけるダウンロード画面を含む落書き画面例を示す図である。
【図11】上記実施形態におけるダウンロードが開始された後の落書き画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態につき添付図面を参照して説明する。
<1. 全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る遊戯用写真作成装置(遊戯用撮影装置)を側面から見た図であり、図2は、この遊戯用写真作成装置の本体部4を正面から(被写体としての利用者Uから)見た図である。以下、図1および図2を参照して、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0024】
この遊戯用写真作成装置は、利用者Uが入る撮影室2と、利用者Uの撮影画像を含む合成画像を生成して写真シール(または写真カード)として出力する本体部4とを備えている。なお、ここでは利用者Uは2人であるものとする。
【0025】
本体部4は、利用者Uを撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上方の適宜の位置に配置され閃光を発する照明手段としてのフラッシュ11と、当該カメラ10の下方に配置されたCRT(Cathode Ray Tube)または液晶ディスプレイパネル等からなる表示装置であるプレビューモニタ22と、撮影画像を表示し、利用者Uによる自由な作図(落書き)を行うための画面や、操作画面などを提供する液晶ディスプレイおよび当該操作画面を覆う操作位置検出用の透明シートからなる液晶タッチパネル20と、液晶タッチパネル20に対する操作に使用される2つのタッチペン21L,21Rと、これら下方の適宜の位置に配置され閃光を発する照明手段としてのフラッシュ12と、本体部4の一部であるテーブル4a上に載置される携帯電話100との赤外線による通信を行う赤外線インタフェース装置30L,30Rとを備える。なお、液晶タッチパネル20は、上記透明シートを含まない静電誘導方式の操作位置検出機能を有する液晶タッチパネルなどであってもよい。
【0026】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、撮影室2内の利用者Uを撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。
【0027】
プレビューモニタ22は、上記画像信号の表す画像をリアルタイムで表示するように構成されており、カメラ10によって得られる撮影画像を確認するために使用される。
【0028】
液晶タッチパネル20は、落書きを行うための操作手段など、利用者Uによる各種操作を受け付ける操作手段として機能する。
【0029】
赤外線インタフェース装置30L,30Rは、テーブル4a上の所定位置に置かれた携帯電話100との赤外線による通信を行うための赤外線発光素子および赤外線受光素子を含んでおり、これら発光素子および受光素子と携帯電話100が置かれるべき所定位置との間の本体部4前面部分は開口されて、開口部に保護ガラスなどがはめ込まれている。なお、図2では携帯電話100が示されていないが、赤外線インタフェース装置30L,30Rのそれぞれの前方のテーブル4a上の所定位置に2人の利用者の使用する携帯電話100がそれぞれ1台ずつ置かれる。赤外線インタフェース装置30L,30Rは、これらの携帯電話100にそれぞれ所定の合成画像を送信するが、この詳しい動作については後述する。
【0030】
また本体部4は、コンピュータを中心に構成され各部の制御や後述する画像合成等の画像処理を行う主制御装置およびI/O制御装置や、カメラ10により得られる撮影画像を含む合成画像を写真シール(または写真カード)として出力するプリンタ等を内蔵している。さらに、本体部4は、前面下方にコイン投入口26を、側面に写真シールの取出口28を、それぞれ備えている。さらにまた、本体部4は、本遊戯用写真作成装置の動作中は常時点灯される照明装置13L,13Rをカメラ10の左右にそれぞれ備えている。
【0031】
<2. 機能的構成>
図3は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この遊戯用写真作成装置は、機能的には、撮像部52と、確認表示部54と、メイン表示・操作部62と、出力部66と、照明部70と、I/O制御部72と、主制御部80と、通信部92とから構成される。
【0032】
この構成において、撮像部52は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(この画像は「スルー画像」と呼ばれる)を表す画像信号を出力する。この画像信号は主制御部80に入力されて、その内部のメモリにスルー画像データとして一時的に記憶される。また、このスルー画像データは、スルー画像信号として主制御部80から確認表示部54に供給される。確認表示部54は、プレビューモニタ22に相当し、そのモニタ用画像信号に基づきスルー画像をリアルタイムで表示する。
【0033】
メイン表示・操作部62は、液晶タッチパネル20に相当し、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者Uの操作や、シャッター操作等を受け付け、これらの操作を示す信号は、操作信号として主制御部80に入力される。いま、利用者Uの撮影のためにシャッターボタン(不図示)が押下されたとすると、主制御部80からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にフラッシュ11から閃光が放たれる。そのとき、利用者Uの撮影画像を表す信号として撮像部52から出力される画像信号が主制御部80に入力され、主制御部80内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディス装置等に撮影画像データとして格納される。
【0034】
出力部66は、本体部4に内蔵されるプリンタに相当し、主制御部80からの指示に基づき、リモコン端末31における利用者Uの操作や液晶タッチパネル20における落書き操作などに応じて画像処理された上記撮影画像データの表す画像を写真シール(または写真カード)として出力する。
【0035】
通信部92は、本体部4に内蔵される赤外線インタフェース装置30L,30Rに相当し、後述するように主制御部80により作成される合成画像をへ赤外線により携帯電話100に送信する。典型的には通信部92は、携帯電話との赤外線通信規格を定めたIrMC(Infra-red Mobile Communication)規格に基づき、携帯電話100との通信を行う。なお、通信部92は、携帯電話100との通信が可能であれば、赤外線による通信の他、可視光または電波などの電磁波や、超音波など周知の媒体による通信を行う構成であってもよい。例えば電波による携帯電話100との通信規格としては、Bluetooth(登録商標)規格がよく知られており、この規格に基づき通信が行われてもよい。また、インターネットを介したファイル転送やメールなどによる通信が行われてもよい。
【0036】
照明部70は、本体部4における照明装置13L,13Rとフラッシュ11とに相当し、主制御部80からの指示に基づきI/O制御部72によって点灯/消灯および調光が制御される。
【0037】
I/O制御部72は、本体部4に内蔵されるI/O制御装置に相当し、主制御部80からの指示に基づき、照明部70を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を主制御部80へ転送する。
【0038】
主制御部80は、本体部4に内蔵され、CPUや、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置などを含むコンピュータを中心に構成される主制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。上記の落書きによる画像合成が終了すると、その後、出力部66からは当該合成画像が写真シール等として出力される。出力された写真シール等は、本体部4の側面に設けられた取出口28から取り出される。なお、当該合成画像は撮影前または撮影後に利用者Uにより適宜に指定されたレイアウトに基づき、複数が写真シール等の所定位置に配置されるものとする。
【0039】
上記の構成要素の他、本体部4におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に本体部4に設けられており、主制御部80は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者Uに所定時間だけ撮影や撮影画像に対する描画等による合成画像の生成など、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部やその検出結果に基づく主制御部80による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0040】
なお、主制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるCD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのCD−ROMが主制御装置内に補助記憶装置として内蔵されたCD−ROM駆動装置に装着され、そのCD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、CD−ROM以外の記録媒体や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための所定操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、主制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、主制御装置内のCPUによって実行される。これにより、主制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0041】
<3. 全体的な動作>
上述のように本実施形態における主制御部80の動作は、その内部のCPUが上記所定プログラムを実行により実現される。図4は、このようにして実現される主制御部80の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、コイン投入口26に所定のコインが投入されると、主制御部80(主制御装置)は、以下のように動作する。
【0042】
まず、主制御部80は、装置の初期化処理、すなわち各ハードウェアの初期化や、設定値として主制御部80に記憶されるデータの初期化処理を行い、さらに予め決められた撮影のための時間(以下「撮影時間」という)が経過するとタイムアウトとなるようにタイマーを設定し、そのタイマーをスタートさせる(ステップS10)。
【0043】
次に、主制御部80は、利用者Uを撮影するための撮影処理を行う(ステップS20)。この撮影処理において、主制御部80は、図示されないシャッターボタンまたはメイン表示・操作部62の画面に表示されるシャッターボタンが押されたか否かを操作信号に基づき判定し、シャッターボタンが押されるまで待機する。なお、シャッターボタンが一度も押されないまま撮影時間が終了するときには、シャッターボタンが押されたときの処理が自動的に行われるものとする。
【0044】
シャッターボタンが押下されると、主制御部80は、撮影開始を利用者にメイン表示・操作部62の画面で知らせ、数秒程度の予め決められた時間の経過後に撮像部(カメラ)52に撮影信号(シャッター信号)を送る。これにより、撮像部52のシャッター動作と同期して照明部(フラッシュ)70が閃光を放ち、主制御部80がキャプチャ処理を開始する。すなわち、主制御部80は、照明部(フラッシュ)70からの閃光で照らされた利用者Uの撮影画像を表す信号として撮像部52から出力される画像信号を受け取り、メモリまたは補助記憶装置内に撮影画像の画像ファイルとして格納する。なお、所定の撮影時間の間、シャッターボタンが押下される毎に上記キャプチャ処理が実行され、撮影画像が画像ファイルとして一時的に保存される。
【0045】
次に、主制御部80は、予め定められた回数の撮影が行われることにより撮影が終了したか、撮影時間を示すタイマがタイムアウトとなることにより撮影が終了したか、または撮影時間の経過前であっても、メイン表示・操作部62に対して撮影処理の終了を指示する操作が行われることにより撮影が終了したか否かを判定する(ステップS30)。撮影が終了した場合、処理は次のステップS40に進む。撮影が終了しない場合には、ステップS20の処理に戻り、撮影が終了するまで上記処理が繰り返される(S30→S20→S30)。
【0046】
続いて、主制御部80は、落書きのための利用者Uによる操作を受け付け、当該操作に応じた画像処理を含む落書き処理が行われる(ステップS40)。この落書き処理には予め定められた制限時間が設けられており、この制限時間内で撮影画像に対する利用者Uの仮想的な落書きを受け付ける。具体的には、メイン表示・操作部62に表示される撮影画像に対して利用者Uの操作に基づき所定の位置に配されたスタンプ画像や所定の(仮想的な)落書きペンの軌跡画像、フレーム画像、または背景画像などの付加画像をさらに合成することにより、あたかも落書きされたような合成画像を生成する。これらの落書き処理の具体的な処理内容および操作画面例については詳しく後述するが、付加画像がアニメーションする点およびこのようなアニメーションする画像を携帯電話100にダウンロードすることができる点に特徴がある。
【0047】
次に、図4に示すステップS50における印刷処理では、主制御部80は、印刷指示を示す操作信号を受け取ると、これに基づき、その時点でメイン表示・操作部62に表示されている合成画像の出力を出力部(プリンタ)66に指示する。これにより、出力部66としてプリンタは、その合成画像を写真シールとして出力する。なお、この印刷出力されるべき合成画像は当然静止画であって、アニメーションする合成画像(動画像)のうちの所定時点(例えばアニメーションの開始時点)または利用者により決定された時点での静止画像である。これにより、印刷処理が終了する。出力された写真シールは、本体部4の側面に設けられた取出口28から利用者Uによって取り出される。この印刷処理が終了すると、全ての処理は終了され、所定の金額に相当するコインが新たにコイン投入口26に投入されるまで待機状態となる。この待機状態において、所定の金額に相当するコインが新たに投入されると、上記と同様の処理(ステップS10〜S50)が実行される。
【0048】
<4. 落書き処理の動作>
次に、上記ステップS40における落書き処理の詳しい処理内容(サブルーチン)について説明する。図5は、この落書き処理の詳しい手順を示すフローチャートである。
【0049】
まず、主制御部80は、上記ステップS20により生成された撮影画像を含む落書き操作を受け付けるための表示画面(以下「落書き画面」という)をメイン表示・操作部62に表示するとともに、落書き処理のために予め決められた時間(以下「落書き時間」という)を設定する(ステップS41)。この落書き時間の設定は、当該時間が経過するとタイムアウトとなるようにタイマーを設定し、そのタイマーをスタートさせることにより行われる。この落書き時間を示すタイムアウトまでの残り時間は、上記落書き画面内に常時表示される。ここで、図6に落書き画面の例を示して詳しく説明する。
【0050】
図6はこの落書き処理が行われる際のメイン表示・操作部62による表示例を示す模式図である。図に示す落書き画面400には、撮影画像およびそれに対する落書き画像が合成された合成画像が表示される落書き領域401L,401Rと、落書き画像を構成するペンやスタンプなどの画像例(サンプル)が複数表示されるパレット領域402L,402Rと、落書きの対象となるべき撮影画像を選択するための第1ないし第4のサムネイル画像表示領域431L,431R〜434L,434Rと、落書き可能な残り時間を示すタイマー表示領域450とが含まれている。
【0051】
このパレット領域402L,402Rの近傍には、落書きの種類に応じて、仮想的な落書きペンの種類(典型的にはアニメーションの形態)を選択可能にするためのペンボタン421L,421Rと、利用者の前景となる小さな画像であるスタンプ画像の種類を選択可能にするためのスタンプボタン422L,422Rと、撮影画像の周囲近傍を装飾するフレーム画像の種類を選択可能にするためのフレームボタン423L,423Rと、利用者の背景となる背景画像の種類を選択可能にするための背景ボタン424L,424Rとが表示されている。利用者Uは、2つのタッチペン21L,21Rのいずれかで、これらのボタンの1つを選択する(すなわち表示されたボタン画像上にペン先を接触させる)操作を行うことにより、パレット領域402L,402R内に対応する種類の複数の落書きのためのサンプル画像が表示される。このようにパレット領域402L,402Rは合成されるべき付加画像(落書きペンの軌跡の画像やスタンプ画像など)の候補となる複数のサンプル画像を利用者の選択操作に応じて選択可能な動画像として表示するサンプル表示手段として機能する。
【0052】
なお、サンプル表示手段として機能する表示手法であれば、上記のようにパレット領域402L,402Rにサンプル画像を表示する手法の他、所定の方向にスクロールすることによりサンプル画像を表示する手法など、周知の表示手法を使用することができる。
【0053】
このパレット領域402L,402R内のサンプル画像は、静止画として印刷される合成画像に付加される画像であるにもかかわらず周期的に変化する(すなわちアニメーションする)点に大きな特徴がある。詳しくは後述する。
【0054】
また、パレット領域402L,402Rの上辺近傍には選択可能な複数のタブ領域420L,420Rが設けられており、それらのいずれかを選択することにより、選択されるタブ領域に関連づけられた複数のサンプル画像が表示される。例えば、利用者Uは、いずれかのタブ領域を選択することにより、6つのタブ領域にそれぞれ6個ずつ対応づけられた合計36個のスタンプ画像を選択することができる。
【0055】
さらに、落書き領域401L,401Rの近傍には、落書きのための操作の種類に応じて、落書きを終了させるための終了ボタン411L,411Rと、落書きを全て消去するための全消去ボタン412L,412Rと、落書きの操作を1回分取り消す(元に戻す)ための1つ戻るボタン413L,413Rと、背景画像を除く落書き画像を部分的に消去するための消しゴムボタン414L,414Rと、背景画像を部分的に消去するための背景消しゴムボタン415L,415Rと、後述するダウンロード動作を開始させるためのダウンロードボタン416L,416Rと、仮想的な落書きペンの太さを選択するための太ペンボタン417L,417R、中ペンボタン418L,418R、および細ペンボタン419L,419Rとが表示されている。
【0056】
利用者Uは、2つのタッチペン21L,21Rのいずれかで、これらのボタンの1つを選択する操作を行うことにより、所望の動作を行わせることができる。さらに、利用者Uによりパレット領域402L,402R内の落書きのためのサンプル画像のうちいずれか、例えば1つのスタンプ画像や落書きペンの種類などが選択されている状態において、2つのタッチペン21L,21Rのいずれかで、落書き領域401L,401R内の所望の位置が選択され、または所望の軌跡が描かれることにより、落書き領域401L,401R内の選択された位置にスタンプ画像が表示され、また所望の軌跡に沿った線が描かれる。以上のように利用者により落書きが行われる。なお、落書きにより付加された画像は、選択されたパレット領域402L,402R内のサンプル画像の変化態様と同じ態様で周期的に変化する、すなわちアニメーションする。詳しくは後述する。
【0057】
なお、以上の落書きは、落書き画面400の左半分に含まれる各領域(例えば落書き領域401Lおよびパレット領域402Lなど)や各ボタン(例えば終了ボタン411Lおよびペンボタン421Lなど)に対しては、タッチペン21Lによってのみ操作可能であり、落書き画面400の右半分に含まれる各領域や各ボタンに対しては、タッチペン21Rによってのみ操作可能であるものとする。
【0058】
また、2つのタッチペン21L,21Rはそれぞれ独立に操作を行うことが可能であるものとする。すなわち、2人の利用者Uのうちの一方がタッチペン21Lを把持して行う落書き操作と、その他方がタッチペン21Rを把持して行う落書き操作とは互いに無関係に行われるものとする。したがって、一方の利用者が落書きペンを使用して落書きをしているときにも、他方の利用者は別の位置で落書きペンを使用して落書きをしたり、スタンプ画像を使用して落書きをすることなどが可能である。
【0059】
次に図5を再び参照すると、主制御部80は、メイン表示・操作部62の図6に示されるような落書き画面に表示された各種ボタンを選択するための操作(具体的にはペン先を接触させる操作)や仮想的な落書きペンで描画する操作(具体的にはペン先を接触させまたは離す操作やペン先を接触させたまま軌跡を描く操作)などを受け付ける(ステップS42)。
【0060】
続いて、主制御部80は、受け付けられた操作が落書きのための操作であるか否かを判定する(ステップS43)。なお、ここでの落書きのための操作とは、終了ボタン411L,411Rを押下する操作と、ダウンロードボタン416L,416Rを押下する操作とを除く各種操作を指す。この判定の結果、落書きのための操作でない場合(ステップS43においてNoの場合)、処理はステップS45へ進み、落書きのための操作である場合(ステップS43においてYesの場合)、受け付けられた操作に応じた落書き画像を描画し(ステップS44)、その後にステップS45の処理へ進む。なお、ここでは落書きのための操作として図6の落書き画面400に示される各種落書きを選択するためのボタン等を押下する操作を例示しているが、落書きの種類には限定がなく周知の落書きを行うための操作であればよい。また、この落書きのための操作には、特に使用されることが多い落書きペンで描画する操作およびスタンプ画像を付加する操作のうち少なくとも一方が含まれることが好ましい。
【0061】
ここで、ステップS44において、パレット領域402L内の周期的に変化する(アニメーションする)サンプル画像がタッチペン21Lによって選択され、選択されたアニメーション画像が落書き領域401L内に描画される場合について、図7ないし図9にその画像例を示して詳しく説明する。
【0062】
図7は、アニメーションする落書きペンの軌跡画像が選択されることにより仮想的な落書きペンで落書きが行われる場合を説明するための画面例を示す図であり、より詳細には図7(a)は落書き領域401Lの画面例であり、図7(b)はパレット領域402Lの画面の一例であり、図7(c)はパレット領域402Lの画面の他の例である。
【0063】
図7(a)に示される落書き領域401Lには、カメラ10により撮影された2人の利用者の像と、その前景画像として付加された落書きペンで描かれた軌跡の画像とが表示されている。ここで、この落書きペンで描かれた軌跡の画像の変化態様(すなわちアニメーションの種類)は、パレット領域402Lにより表示され選択されたサンプル画像の変化態様と同じ態様となっている。
【0064】
図7(b)および図7(c)は、このような落書きペンで描かれるべき軌跡の変化態様例を表しており、落書きペンで描かれた軌跡の画像は、所定の時間経過毎に図7(b)に示される態様から図7(c)に示される態様へ、またその後図7(c)に示される態様から図7(b)に示される態様へと周期的に変化する。すなわち、図の左端では、落書きペンで描かれた軌跡の画像が直線から点線へさらにその逆にその形状または模様が変化する。また、図の中央では、落書きペンで描かれた軌跡の画像が濃い色(例えば濃紺)から薄い色(例えば黄色)へさらにその逆にその色または明るさが変化する。さらに図の右端では、落書きペンで描かれた軌跡の画像が太い線から細い線へさらにその逆にその太さが変化する。
【0065】
なお、このように落書きペンで描かれた軌跡の画像の線の太さ、色、形状、または模様が変化する態様の他、線の種類(波線など)や変化の速度など、およそアニメーションの種類として周知の変化態様であれば、上記画像はどのような変化態様で変化してもよい。
【0066】
また図8は、アニメーションするスタンプ画像が選択されることにより前景としてスタンプ画像が付加される落書きが行われる場合を説明するための画面例を示す図であり、より詳細には図8(a)は落書き領域401Lの画面例であり、図8(b)はパレット領域402Lの画面の一例であり、図8(c)はパレット領域402Lの画面の他の例である。
【0067】
図8(a)に示される落書き領域401Lには、カメラ10により撮影された2人の利用者の像と、その前景画像として星形のスタンプ画像とが表示されている。ここで、このスタンプ画像は、前述した落書きペンで描かれた軌跡の画像と同様に、その変化態様(すなわちアニメーションの種類)は、パレット領域402Lにより表示され選択されたサンプル画像の変化態様と同じ態様となっている。
【0068】
図8(b)および図8(c)は、このようなスタンプ画像の変化態様例を表しており、所定の時間経過毎に図8(b)に示される態様から図8(c)に示される態様へ、またその逆の態様へと周期的に変化する。すなわち、スタンプ画像の大きさ、色、形状、または模様などが変化する。例えば、図の中央下段の6角柱の図形は、所定の視点から見た3次元形状の図形として描かれているが、この視点が時間と共に変化する。このようにおよそアニメーションの種類として周知の変化態様であれば、上記スタンプ画像はどのような変化態様で変化してもよい。
【0069】
図9は、アニメーションする落書きペンの軌跡画像およびスタンプ画像が選択され落書きされた合成画像の変化態様を説明するための図であり、より詳細には図9(a)は落書き領域401Lの画面の一例であり、図9(b)は落書き領域401Lの画面の他の例である。
【0070】
図9(a)に示される落書き領域401Lには、カメラ10により撮影された2人の利用者の像と、その前景画像として図7(a)に示した落書きペンの軌跡画像と図8(a)に示したスタンプ画像とが合成されて表示されている。ここで、前述したようにこれらの軌跡画像およびスタンプ画像は、周期的に変化する(すなわちアニメーションする)ので、所定の時間経過毎に図9(a)に示される態様から図9(b)に示される態様へ、またその逆の態様へと周期的に変化する。そして、この変化態様は合成画像に記憶されるので、後述するように通信部92を介して携帯電話100に送られた合成画像は、当該携帯電話100において図9(a)および図9(b)に示されるのと全く同様の変化態様でアニメーション表示されることになる。
【0071】
なお、このような動画を含む画像ファイルは、例えばアニメーションGIF(Graphics Interchange Format)などの周知の画像ファイル形式を使用することにより容易に作成することができる。また、上記動画像はマクロメディア社のフラッシュなどの各種コンテンツなど、およそ動画像として表示可能な周知のデータ形式を使用することにより実現することができる。
【0072】
以上のように図5に示すステップS44の処理が終了すると、続いて、主制御部80は、受け付けられた操作がダウンロードボタン416L,416Rを押下する操作(以下この操作を「ダウンロード操作」という)であるか否かを判定する(ステップS45)。この判定の結果、ダウンロード操作でない場合(ステップS45においてNoの場合)、処理はステップS47へ進み、ダウンロード操作である場合(ステップS45においてYesの場合)、処理はステップS46へ進む。
【0073】
ステップS46において、主制御部80は、どの合成画像を携帯電話100へ送信するかの選択操作を受け付けるための表示画面(以下「ダウンロード画面」という)をメイン表示・操作部62に表示するとともに、上記選択操作を受け付ける。
【0074】
図10は、このダウンロード画面を含む落書き画面例を示す図である。図10に示されるように、この落書き画面400の右半分(およびタイマー表示領域450)は、図6に示される落書き画面400と同様であるが、その左半分にダウンロード画面が含まれている点が異なっている。すなわち、図10に示されるダウンロード画面は、送信される候補となる合成画像を複数表示する送信候補画像表示領域470と、利用者Uに操作等のための案内を表示する案内表示領域481と、落書きに対応する付加画像が含まれる合成画像を携帯電話100に送信する指示を受け付ける落書き付きダウンロードボタン482と、落書きに対応する付加画像が含まれない合成画像(すなわち撮影画像そのまま)を携帯電話100に送信する指示を受け付ける落書きなしダウンロードボタン483とを含む。なお、送信候補画像表示領域470内に表示される合成画像はアニメーション表示されていてもよい。
【0075】
利用者Uは、図10に示されるダウンロード画面に表示される案内表示領域481内の案内文に従って送信候補画像表示領域470内に表示される複数の合成画像(ここでは8つ)のうち送信したい合成画像を1つ以上選択し、落書き付きダウンロードボタン482または落書きなしダウンロードボタン483のいずれかをタッチペン21Lで押下する。なお、主制御部80は、このときに案内表示領域481内またはその他の図示されない表示領域内において、ダウンロードが可能な携帯電話の種類(機種名など)や、ダウンロードのための手順(例えば携帯電話において画像を受信可能な状態に設定しなければならない点など)を表示してもよい。また、携帯電話の機種によってダウンロードできないものがある旨の簡易な警告を表示してもよい。さらに、ダウンロードしようとする携帯電話の機種名等を利用者に入力させ、入力された機種名に対応する予め記憶された詳しいダウンロード手順(すなわち当該携帯電話の操作手順)を表示してもよい。
【0076】
ここで、落書き付きダウンロードボタン482が押下された場合、主制御部80は、利用者により選択された合成画像であって落書きに対応する付加画像が含まれる合成画像の携帯電話100への送信を通信部92を介して開始する。また、落書きなしダウンロードボタン483が押下された場合、主制御部80は、利用者が選択した合成画像(または撮影画像)であって落書きに対応する付加画像が含まれない撮影画像の携帯電話100への送信を通信部92を介して開始する。なお、携帯電話100へのデータ送信が何らかの理由でうまく行かない場合には「やり直してください」などの利用者への案内文などが案内表示領域481内に表示されてもよい。
【0077】
このとき合成画像(または撮影画像)の送信は画像の大きさや枚数によって異なるが、数秒から数分の時間がかかるので、本遊技用自動写真作成装置ではこのダウンロード中も落書きを受け付けるものとする。
【0078】
図11は、ダウンロードが開始された後の落書き画面例を示す図である。図11に示されるように、この落書き画面400における落書き領域401Lの下方には「この画像をダウンロード」という表示が行われ、落書き領域401Lに表示される合成画像(または撮影画像)に対する落書きが禁止される。また落書き領域401Rに表示される画像に対する落書きは自由に行うことができるようになっている。なお、落書き領域401Lに表示される画像に対する落書きも自由に行うことができるようになっていてもよい。
【0079】
また、図11に示されるように、この落書き画面400におけるパレット領域402Rの下方にはダウンロードインジケータ490が表示されており、ダウンロードがどこまで進んだかが斜線を付された升目の数により示されている。
【0080】
以上のように図5に示すステップS46のダウンロード開始処理が終了すると、続いて、主制御部80は、受け付けられた操作が落書きを終了させるための終了ボタン411L,411Rをともに押下する操作(以下この操作を「終了操作」という)であるか否かを判定する(ステップS47)。この判定の結果、終了操作でない場合(ステップS47においてNoの場合)、処理はステップS42へ戻り、落書きが終了するまで繰り返される(S47→S42→…→S47)。なお、上記終了操作は終了ボタン411L,411Rのいずれかが押下される場合としてもよい。また、落書き時間が経過した場合には終了操作がなされたものと同様の処理とする。
【0081】
また、終了操作である場合(ステップS47においてYesの場合)、さらに主制御部80は、ステップS46において開始されたダウンロードが終了したか否かを判定する(ステップS48)。この判定の結果、終了していない場合(ステップS48においてNoの場合)、処理はステップS42へ戻り、ダウンロードが終了するまで繰り返される(S48→S42→…→S48)。また、終了している場合(ステップS48においてYesの場合)、主制御部80は、図4に示す処理へ復帰し、前述したステップS50における印刷処理へ進む。ここで、印刷処理前に印刷されるべき静止画像である合成画像を利用者に決定させるため、アニメーションする合成画像(動画像)のうちの印刷すべき画像またはその時点を決定する利用者による操作入力が受け付けられてもよい。
【0082】
なお、当初よりダウンロードが開始されていない場合にはダウンロードが終了したものと同様の処理とする。また、このステップS48における判定処理を省略して、ダウンロードが終了していない場合であっても、落書きが終了する構成であってもよい。この場合には、前述した印刷処理中(ステップS50)にダウンロード処理が継続して行われることになる。
【0083】
<4. 効果>
上記のように本実施形態によれば、利用者はパレット領域402L,402Rにおいてアニメーション表示される付加画像(軌跡画像やスタンプ画像など)を適宜選択し、落書き領域401L,401Rに表示される撮影画像に合成する。またこの合成画像もまたアニメーション表示される。このように本遊技用自動写真作成装置は、携帯電話等の外部の装置に送信するための画像を作成するのに適したサンプル表示手段であるパレット領域402L,402Rにおいて適宜選択された動画像である付加画像を含む合成画像を作成することができる。
【符号の説明】
【0084】
2 …撮影室
4 …本体部
10 …カメラ
11,12…フラッシュ
20 …液晶タッチパネル
21L,21R …タッチペン
30L,30R …赤外線インタフェース装置
52 …撮像部(カメラ)
54 …確認表示部(プレビューモニタ)
62 …メイン表示・操作部(液晶タッチパネル)
66 …出力部(プリンタ)
70 …照明部
72 …I/O制御部(I/O制御装置)
80 …主制御部(主制御装置)
92 …通信部(赤外線インタフェース装置)
400 …落書き画面
401L,401R …落書き領域
402L,402R …パレット領域
416L,416R …ダウンロードボタン
420L,420R …タブ領域
481 …案内表示領域
U …利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像手段を備える遊戯用撮影装置であって、
前記利用者による操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段により受け付けられた操作に応じて、少なくとも一部が動画像である所定の付加画像を前記撮影画像に合成することにより撮影画像を含む合成画像を生成する落書き合成手段と、
前記落書き合成手段により生成される合成画像を動画像として表示可能なデータ形式で装置外部の所定の端末装置に送信する送信手段と
を備え、
前記落書き合成手段は、生成されるべき合成画像に含まれる付加画像の少なくとも一部を動画像として表示させることを特徴とする、遊戯用撮影装置。
【請求項2】
前記落書き合成手段により合成されるべき付加画像の候補となる複数のサンプル画像を前記入力手段による選択操作に応じて選択可能な動画像として表示するサンプル表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の遊戯用撮影装置。
【請求項3】
前記サンプル表示手段は、複数種類のサンプル画像のうち、前記入力手段により受け付けられる切り替え操作に応じて選ばれる1種類に含まれる複数のサンプル画像を表示することを特徴とする、請求項2に記載の遊戯用撮影装置。
【請求項4】
前記複数種類のサンプル画像は、
前記入力手段により受け付けられる軌跡を描く操作に応じて描かれる線の太さ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像と、
前記入力手段により受け付けられる位置を指定する操作に応じた位置に合成される所定の画像の大きさ、色、形状、または模様の少なくとも1つ以上の変化を示す動画像との少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項3に記載の遊戯用撮影装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記端末装置である携帯電話と光または電波により直接通信を行い、
前記入力手段は、前記落書き合成手段による前記合成画像の生成のための操作とともに、前記送信手段による前記携帯電話との通信を開始するための操作を受け付け、
前記落書き合成手段は、前記入力手段により前記通信を開始するための操作が受け付けられる場合、前記携帯電話における通信のための操作手順を示す情報または通信可能か否かを示す情報を表示させることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の遊戯用撮影装置。
【請求項6】
所定の撮影領域における被写体である利用者を撮影する撮像ステップを含む遊戯用撮影方法であって、
前記利用者による操作を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて受け付けられた操作に応じて、少なくとも一部が動画像である所定の付加画像を前記撮影画像に合成することにより前記撮影画像を含む合成画像を生成する落書き合成ステップと、
前記落書き合成ステップにおいて生成される合成画像を動画像として表示可能なデータ形式で装置外部の所定の端末装置に送信する送信ステップと
を備え、
前記落書き合成ステップでは、生成されるべき合成画像に含まれる付加画像の少なくとも一部を動画像として表示させることを特徴とする、遊戯用撮影方法。
【請求項7】
請求項6に記載の遊戯用撮影方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−253779(P2012−253779A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142427(P2012−142427)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2006−283404(P2006−283404)の分割
【原出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】