説明

遊技媒体貸出システム

【課題】一つの鍵で複数の錠を解除することが可能な利便性を維持しつつ、セキュリティを向上させることが可能な遊技媒体貸出システムを提供する。
【解決手段】鍵カードの設定情報であるキーデータを集中管理装置30で設定し、キーデータの中から鍵カードの特定に必要な鍵カードデータを鍵カードに記録する。そして、遊技媒体貸出装置30に鍵カードが挿入されると、当該鍵カードに記録されている鍵カードデータとキーデータとを比較して、錠を解除するか否かの判断を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体貸出システムに関し、特に、遊技媒体貸出装置内に貨幣を収納する遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メダルやパチンコ玉などの遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置は、パチスロ台やパチンコ台などの遊技台毎に設けられており、遊技媒体を貸し出す際に投入された500円硬貨や1000円紙幣などの貨幣を遊技媒体貸出装置内に収納するものもある。
【0003】
このような遊技媒体貸出装置では、店員などが巡回して貨幣の回収を行うが、この際、各遊技媒体貸出装置に設けられている錠(ロック機構)を解除しなければならない。遊技店には数多くの遊技媒体貸出装置が設置されており、各遊技媒体貸出装置毎に異なる専用鍵を用いて錠を解除しなけらばならないとすると、貨幣の回収に際して専用鍵を探し出すだけでも大変な手間である。
【0004】
また、利便性を向上させるために鍵を同一のものとすると、鍵が流出してしまった場合、その鍵を入手すれば、誰でも複数の遊技媒体貸出装置の錠を解除し、不正に紙幣を抜き出すことも可能なため、セキュリティが著しく低下するという問題があり、鍵を紛失すると当該鍵で解除可能な複数の遊技媒体貸出装置の錠を交換しなければならず、多大な手間とコストが発生する。
【0005】
このため、従来は、鍵を設定/変更可能なカードキーにして保管しやすくし、台間機の保守の利便性を高める方法(例えば、特許文献1参照)や、台間機の取り外し作業者の特定、錠前不要にすることにより台間機の簡略化を図るためにIDカードを鍵として用いる方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【特許文献1】特開平7−255941号公報
【特許文献2】特開2001−107609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明では、一つの鍵(カード)で複数の錠を解除することが可能な利便性を維持しつつ、セキュリティを向上させることが可能な遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技媒体貸出システムは、集中管理装置と遊技媒体貸出装置とを接続し、前記集中管理装置で前記遊技媒体貸出装置の管理を行う遊技媒体貸出システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置は、投入された貨幣を収納する収納手段と、前記収納手段に収納されている貨幣の取り出しを妨げる錠手段と、前記錠手段を解除する鍵手段の設定情報であるキーデータを記録するキーデータ記録手段と、前記鍵手段に記録されている鍵カードデータを取得する鍵カードデータ取得手段とを具備し、前記集中管理装置は、前記キーデータを設定するキーデータ設定手段と、前記鍵カードデータを前記鍵手段に記録する書き込み手段とを具備し、前記集中管理装置は、前記遊技媒体貸出装置に前記キーデータを送信し、前記遊技媒体貸出装置は、前記鍵手段から前記鍵カードデータを取得すると、該鍵カードデータと前記キーデータとに基づいて前記錠手段を解除するか否かの判断を行う。
【0008】
また、本発明に係る遊技媒体貸出システムは、集中管理装置と遊技媒体貸出装置とを接続し、前記集中管理装置で前記遊技媒体貸出装置の管理を行う遊技媒体貸出システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置は、投入された貨幣を収納する収納手段と、前記収納手段に収納されている貨幣の取り出しを妨げる錠手段と、前記錠手段を解除する鍵手段に記録されている鍵カードデータを取得する鍵カードデータ取得手段とを具備し、前記集中管理装置は、前記キーデータを設定するキーデータ設定手段と、前記錠手段を解除する鍵手段の設定情報であるキーデータを記録するキーデータ記録手段と、前記鍵カードデータを前記鍵手段に記録する書き込み手段とを具備し、前記遊技媒体貸出装置は、前記鍵手段から前記鍵カードデータを取得すると、該鍵カードデータを前記集中管理装置に送信し、前記集中管理装置は、前記鍵カードデータと前記キーデータとに基づいて前記錠手段を解除するか否かの判断を行う。
【0009】
そして、前記集中管理装置は、前記鍵手段の履歴を記録する履歴記録手段をさらに具備し、前記遊技媒体貸出装置は、履歴情報を前記集中管理装置に送信し、前記集中管理装置は、前記履歴情報に基づいて履歴を前記履歴記録手段に記録する。
【0010】
ここで、前記キーデータは、前記錠手段を解除する解除条件をさらに有し、前記錠手段を解除するか否かの判断は、前記鍵カードデータと前記キーデータと前記解除条件とに基づいて行う。
【0011】
さらに、前記キーデータは、設定の変更が可能である。
【0012】
また、前記キーデータ設定手段は、任意の数の遊技媒体貸出装置が設置されるエリア毎にグループを設定し、前記各グループ毎に前記キーデータを設定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、集中管理装置は、設定したキーデータを遊技媒体貸出装置に送信し、遊技媒体貸出装置は、該キーデータを記録し、鍵手段から取得した鍵カードデータと記録しているキーデータとに基づいて錠手段を解除するか否かの判断を行うようにしたため、遊技媒体貸出装置で、集中管理装置から受信して記録したキーデータと、鍵手段から読み取った鍵カードデータに基づいて錠手段を解除するとの判断がなされない限りは鍵手段により錠手段を解除して収納手段から貨幣を取り出すことはできず、貨幣収容部(収納手段)のセキュリティを向上させることができる。
【0014】
また、本発明によれば、遊技媒体貸出装置は、鍵手段から取得した鍵カードデータを集中管理装置に送信し、集中管理装置は、当該鍵カードデータと、設定しているキーデータとに基づいて錠手段を解除するか否かの判断を行うようにしたため、集中管理装置で、設定したキーデータと、遊技媒体貸出装置から受信される鍵カードデータに基づいて錠手段を解除するとの判断がなされない限り、遊技媒体貸出装置側は鍵手段により錠手段を解除して収納手段から貨幣を取り出すことはできない。特に、本発明の構成によれば、鍵手段から取得した鍵カードデータと照合するキーデータは集中管理装置に設定されており、遊技媒体貸出装置には当該キーデータを記録する必要がないため、遊技媒体貸出装置のメモリに過大な負荷をかけずに、貨幣収容部(収容手段)のセキュリティを向上させることができる。
【0015】
また、本発明では、集中管理装置は、鍵手段の履歴を記録する履歴記録手段をさらに具備し、遊技媒体貸出装置から送信される履歴情報に基づいて履歴を履歴記録手段に記録する構成を有するため、鍵手段に関する過去に錠手段が解除されたか否かの履歴を集中管理装置の履歴記録手段を用いて監視及び管理でき、セキュリティの更なる向上が図れる。
【0016】
また、本発明では、キーデータは、錠手段を解除する解除条件をさらに有し、錠手段を解除するか否かの判断は、鍵カードデータとキーデータと解除条件とに基づいて行うようにしたため、解除条件として、例えば、勤務時間、権限、担当島等の条件を設定し、勤務時間外、権限以外、担当島以外等での鍵手段の使用を禁止することによって、更なるセキュリティの向上が見込める。
【0017】
また、本発明では、キーデータは、設定の変更が可能であるため、鍵手段のデータの設定/変更が遊技店で自在に行えるようになり、不都合が生じた場合など、簡単に且つ迅速に変更設定に対応でき、更なるセキュリティの向上が見込める。
【0018】
また、本発明によれば、キーデータ設定手段は、任意の数の遊技媒体貸出装置が設置されるエリア毎にグループを設定し、該各グループ毎にキーデータを設定する構成を有するため、本システムが採用される遊技店内を各エリア毎にグループ化し、該各グループ毎にキーデータを設定(グループ設定)することによって、各鍵手段を、該各鍵手段に対応して設定されたグループ(使用可能エリア)でのみ使用可能にして更になるセキュリティの向上が見込める。また、グループ設定ができる為、キーデータの設定が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る遊技媒体貸出システムを実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明における遊技媒体貸出システムの構成の一例を示す概略概念図である。同図に示すように、本発明における遊技媒体貸出システムは、遊技台10毎に設けられ、遊技媒体としてメダルを貸し出す遊技媒体貸出装置であるメダル貸出機(台間メダル貸出機)20と、複数のメダル貸出機20を集中管理する集中管理装置30とが島コントローラ40を介して接続されている。
【0021】
また、集中管理装置30は、メダル貸出機20の錠を解除する媒体である鍵カードに、鍵カードデータ(識別情報)を記録する書き込み手段である鍵カードデータ書き込み装置50が接続されている。
【0022】
この鍵カードデータ書き込み装置50は、集中管理装置30で設定される後述するキーデータ(図3参照)のうちの、鍵番号及びパスワードを上記鍵カードデータ(識別情報)として鍵カード(事前に挿入されている)に書き込む処理を行う。
【0023】
ここで、島コントローラ40は、遊技店の店内を複数の領域に分割したいわゆる島毎に設けられ、当該島に設置されているメダル貸出機20と集中管理装置30とを接続する装置である。
【0024】
なお、鍵カードは、鍵カードデータの記録や更新が可能な媒体であればよく、磁気カードやICカードなど、任意の媒体を用いることができる。
【0025】
図2は、図1に示した遊技媒体貸出システムの一部を詳細に示した図である。同図に示すように、メダル貸出機20には、メダル貸出機20全体の制御を行なう制御部21と、紙幣の投入を受け付ける紙幣投入部22−1と、紙幣を収納する収納手段である紙幣収納部22−2と、メダルを投出して貸し出すメダル投出部23と、電子錠などのロック機構である錠部24と、集中管理装置30で設定された鍵カードの設定情報であるキーデータを記録する手段であるキーデータ記録部25と、鍵カードを受け付ける鍵カード挿入部26−1と、鍵カード挿入部26−1に挿入された鍵カードから鍵カードデータを取得する手段である鍵カードデータ取得部26−2と、データ照会部27と、島コントローラ40(図1参照)を介して集中管理装置30と接続する通信インターフェイス(I/F)28と、紙幣収納部22−2の扉(図示せず)が開いているか閉じているかを検知する紙幣収納部扉開閉検知部29とが設けられている。
【0026】
ここで、錠部24は、紙幣収納部22−2に収納されている紙幣の回収を妨げるロック機構などの錠手段であり、ロック機構(錠)が解除されると、紙幣収納部22−2の扉を開け、メダル貸出機の内部を引き出して、紙幣収納部22−2に収納されている紙幣を回収することが可能となる。
【0027】
キーデータ記録部25に記録されるキーデータとしては、例えば、図3に一例を示したキーデータ〔後述する集中管理装置30のデータベース33に記録され、鍵カードを識別する鍵番号、及びパスワードなどの識別情報と、鍵カードを用いて錠の解除が可能なメダル貸出機20の範囲を示す使用許可エリア、鍵カードを用いて錠の解除が可能な時間帯を示す使用許可時間などの条件(解除条件)から成る〕の中から選ばれて集中管理装置30より当該各メダル貸出機20に送信される一部のキーデータ(当該各メダル貸出機20に関係するキーデータのみ)が挙げられる。
【0028】
また、別の例としては、集中管理装置30のデータベース33に記録される全てのキーデータを各メダル貸出機20に送信してキーデータ記録部25に記録するようにしても良い。
【0029】
データ照会部27は、鍵カード挿入部26−1に挿入された鍵カードから鍵カードデータ取得部26−2で取得した鍵カードデータと、キーデータ記録部25に記録されているキーデータとを照会する手段であり、錠部24を解除するか否かの判断を行う。
【0030】
上記構成を用いて、本実施例におけるメダル貸出機20は、まず、集中管理装置30から送信されたキーデータを取得し、キーデータ記録部25に記録する。そして、鍵カードが挿入されると、錠を解除するか否かの判断を行う。
【0031】
ここで、錠を解除した場合は、履歴情報を集中管理装置30に送信する。この履歴情報としては、鍵カードの鍵番号、及び錠が解除されていた時刻を示す情報などが挙げられる。
【0032】
一方、錠を解除することができない鍵カードが挿入された場合は、鍵カードを無効とする無効処理を行う。この無効処理とは、当該鍵カードを用いた錠の解除をエリアや時間に関係なく許可しないようにする処理であり、鍵番号が無効であることを示すフラグ(無効フラグ)を該当する鍵番号のキーデータに立てる。そして、鍵カードの鍵番号、及び無効処理を指示する情報(無効処理指示)からなる無効処理情報を集中管理装置30に送信する。
【0033】
また、集中管理装置30から無効処理情報を受信すると、該当する鍵番号のキーデータに無効フラグを立てる。
【0034】
集中管理装置30には、図2に示すように、集中管理装置30全体の制御を行なう制御部31と、キーデータを設定するキーデータ設定部32と、キーデータや履歴情報などの情報を記録する記録手段であるデータベース33と、鍵カードデータ書き込み装置50や島コントローラ40(図1参照:図2には示さず)を介してメダル貸出機20と接続する通信I/F34と、メダル貸出機20から受信する後述の履歴情報の1つとして残すための時刻データを得る等のために時刻の計時を行う計時部35とが設けられている。
【0035】
キーデータ設定部32は、図示しないモニタなどの表示部やキーボード、マウスなどの操作部を用いて、管理者等によるキーデータの設定を可能とする。
【0036】
キーデータ設定部32により設定されデータベース33に記憶可能なキーデータとしては、例えば、図3に一例を示すように、鍵カードを識別する鍵番号、及びパスワードなどの識別情報(鍵カードに書き込む鍵カードデータに相当)と、鍵カードを用いて錠の解除が可能なメダル貸出機の範囲を示す使用許可エリア、鍵カードを用いて錠の解除が可能な時間帯を示す使用許可時間などの条件(解除条件)とが挙げられる。
【0037】
なお、図3では、使用許可エリアを「ALL(全ての島)」、「areaA(島A)」、「areaB(島B)」、「areaA、B(島A及び島B)」として、島単位で設定しているが、遊技台の台番号など、他の方法で使用許可エリアを設定してもよい。
【0038】
また、パスワードは、乱数などを用いて集中管理装置30で自動的に設定する方法や、管理者が指定する方法など、任意の方法によって設定される。
【0039】
鍵カードデータ書き込み装置50には、鍵カードを受け付け、鍵カードに記録されている鍵カードデータの読み取りや書き込みを行う鍵カードリーダ/ライタ(R/W)51が設けられている。
【0040】
そして、鍵カードデータ書き込み装置50では、鍵カードを受け付け、集中管理装置30から鍵番号、及びパスワード(識別情報)を受信すると、受信した識別情報を鍵カードデータとして鍵カードに書き込む。
【0041】
上記構成を用いて、本実施例における集中管理装置30は、管理者等がキーデータを設定すると、キーデータをデータベース33に記録すると共に、該データベース33に記録されたキーデータのうちの必要なデータを各メダル貸出機20に送信する。
【0042】
各メダル貸出機20へのキーデータの送信の具体例として、集中管理装置30は、例えば、データベース33に記録されたキーデータ(図3参照)内設定データの1つである使用可能エリアのデータから該使用可能エリアに配置されるメダル貸出機20の機番号を特定すると共に、該特定された機番号を有する各メダル貸出機20に対して、上記キーデータ中の当該使用可能エリアに対応するキーデータ(鍵番号、使用可能時間、パスワード)のみを抽出してそれぞれ個別に送信する。
【0043】
なお、各メダル貸出機20へのキーデータの送信方法としては、上述したように、機番号毎に使用可能エリアに該当するメダル貸出機20へ個別にデータを送信する方法とは別に、集中管理装置30のデータベース33に記録されたキーデータ(図3参照)の全データを管理下の全てのメダル貸出機20に送出するようにしても良い。
【0044】
そして、メダル貸出機20から履歴情報を受信すると、履歴情報の発信元であるメダル貸出機20の識別情報と共に履歴情報をデータベース33に記録する。
【0045】
ここで、メダル貸出機20から無効処理情報を受信すると、データベース33に記録されているキーデータの中から、無効処理情報で通知された鍵番号のキーデータに無効フラグを立てる無効処理を行うと共に、無効処理情報の送信元以外のメダル貸出機20に無効処理情報を送信する。
【0046】
図4及び5は、本実施例における遊技媒体貸出システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
まず、図4に示すように、集中管理装置30でキーデータ(鍵カードの設定情報)が設定され(ステップ100)、該設定されたキーデータがデータベース33に記録された(ステップ101)後、該集中管理装置30からメダル貸出機20に上記データベース33中の必要なキーデータが送信され(ステップ102)、メダル貸出機20のキーデータ記録部25に当該キーデータが記録される(ステップ103)。
【0048】
上記ステップS102で、集中管理装置30からメダル貸出機20に送信されるキーデータは、例えば、上記データベース33中の当該メダル貸出機20に関係するキーデータのみである。また、別の方法としては、上記データベース33中の全てのキーデータをメダル貸出機20に送信しても良い。
【0049】
そして、図5に示すように、メダル貸出機20に鍵カードが挿入される(ステップ200)と、メダル貸出機20は、鍵カードに記録されている鍵カードデータを鍵カードデータ取得部26−2により読み出して、鍵カードデータ(鍵番号、パスワード)を取得する(ステップ201)。
【0050】
ここで、メダル貸出機20は、キーデータ記録部25に記録しているキーデータと鍵カードデータ取得部26−2により鍵カードから取得した鍵カードデータとをデータ照会部27で照会(照合)し(ステップ202)、キーデータと鍵カードデータが一致するか不一致かを判定する。
【0051】
ここで、キーデータと鍵カードデータが一致する(ステップ202で一致)ことにより錠を解除(開錠)すると判断すると、ロック機構を解除して開錠し(ステップ203)、履歴情報(鍵番号、錠の解除時間)を集中管理装置30に送信する(ステップ204)。
【0052】
そして、集中管理装置30は、履歴情報に基づいて、データベース33に履歴を記録する(ステップ205)。
【0053】
一方、キーデータと鍵カードデータの照合(ステップ202)の結果、キーデータと鍵カードデータが不一致である(ステップ202で不一致)ことにより錠を解除しないと判断すると、鍵カードを無効とする無効処理を行い(ステップ206)、履歴情報及び無効処理情報(鍵番号、無効処理指示)を集中管理装置30に送信する(ステップ207)。なお、キーデータと鍵カードデータが不一致である場合、錠部24は施錠状態のまま維持される。
【0054】
そして、無効処理情報を受信した集中管理装置30は、鍵カード無効処理を行う(ステップ208)と共に、無効処理情報を当該情報の発信元以外の各メダル貸出機20に送信する無効処理情報送信処理を行い(ステップ209)、履歴情報に基づいて、データベース33に履歴を記録する(ステップ205)。
【0055】
なお、錠解除の判断は、上述したように、ステップ202でキーデータと鍵カードデータとを照会し、鍵番号及びパスワード(鍵カードの識別情報)が一致すると、錠を解除すると判断するが、その際、キーデータに解除条件(鍵カードを使用することが可能な時間や島など)が含まれている場合は、鍵番号及びパスワードが一致すると共に、解除条件が満たされている場合に、錠を解除すると判断する。
【0056】
このように本実施例では、鍵カードの設定情報であるキーデータと鍵カードに記録されている鍵カードデータとを用いて錠の解除を判断するため、一つの鍵カードで複数のメダル貸出機20の錠(錠部24)を解除することができる。
【0057】
また、キーデータの設定や変更を鍵カード毎に集中管理装置30で行うことが可能であり、セキュリティを容易且つ低コストで向上させることができる。さらに、キーデータの条件を自由に設定することができる。
【0058】
加えて、鍵カードが使用された情報を集中管理装置30で記録するため、鍵カードの履歴を容易に確認することが可能であり、また、錠解除の条件を満たさないメダル貸出機20に挿入された鍵カードは無効となるため、セキュリティを向上させることができる。
【0059】
ところで、鍵カードが挿入されたメダル貸出機20において、錠を解除するか否かの判断を行っているが、集中管理装置30において判断することも可能であり、以下、実施例2で詳細に説明する。
【実施例2】
【0060】
図6は、本実施例における遊技媒体貸出システムの一部を詳細に示した図である。なお、図2と共通な機能を果たす部分には、図2で使用した符号と同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0061】
同図に示すように、メダル貸出機20には、制御部21と、紙幣投入部22−1と、紙幣収納部22−2と、メダル投出部23と、錠部24と、鍵カード挿入部26−1と、鍵カードデータ取得部26−2と、通信I/F28と、紙幣収納部扉開閉検知部29とが設けられている。
【0062】
上記構成を用いて、本実施例におけるメダル貸出機20は、鍵カードが挿入されると、該鍵カードから読み取った鍵カードデータを集中管理装置30に送信し、集中管理装置30の指示に基づいて錠を解除する。また、錠を解除した場合は、履歴情報を集中管理装置30に送信する。
【0063】
集中管理装置30には、制御部31と、キーデータ設定部32と、データベース33と、通信I/F34と、計時部35と、データ照会部36とが設けられている。
【0064】
データ照会部36は、データベース33に記録されているキーデータとメダル貸出機20から受信した鍵カードデータとを照会する手段であり、当該メダル貸出機20において、錠部24を解除するか否かの判断を行う。
【0065】
鍵カードデータ書き込み装置50には、鍵カードR/W51が設けられており、鍵カードを受け付け、集中管理装置30から鍵番号、及びパスワード(識別情報)を受信すると、受信した識別情報を鍵カードデータとして鍵カードに書き込む。
【0066】
上記構成を用いて、本実施例における集中管理装置30は、管理者等がキーデータを設定すると、キーデータをデータベース33に記録する。
【0067】
そして、メダル貸出機20から鍵カードデータを受信すると、当該メダル貸出機20の錠(錠部24)の解除を許可するか否かを判断し、錠の解除を許可しないと判断すると、当該鍵カードデータの鍵カードを無効とする無効処理を行う。
【0068】
一方、錠を解除すると判断すると、錠の解除を当該メダル貸出機20に指示し、メダル貸出機20から履歴情報を受信すると、履歴情報の発信元であるメダル貸出機20の識別情報と共に履歴情報をデータベース33に記録する。
【0069】
図7は、本実施例における遊技媒体貸出システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
まず、メダル貸出機20に鍵カードが挿入される(ステップ300)と、メダル貸出機20は、鍵カードから鍵カードデータを読み出して、鍵カードデータを取得し(ステップ301)、鍵カードデータを集中管理装置30に送信する(ステップ302)。
【0071】
ここで、集中管理装置30は、キーデータと鍵カードデータとをデータ照会部36で照会し(ステップ303)、キーデータと鍵カードデータが一致する(ステップ303で一致)ことにより錠を解除(開錠)すると判断すると、錠の解除を指示する錠解除指示をメダル貸出機20に送信する(ステップ304)。
【0072】
そして、メダル貸出機20は、上記錠解除指示に基づきロック機構を解除して開錠し(ステップ305)、履歴情報を集中管理装置30に送信する(ステップ306)。
【0073】
また、集中管理装置30は、履歴情報に基づいて、データベース33に履歴を記録する(ステップ307)。
【0074】
一方、キーデータと鍵カードデータの照合(ステップ303)の結果、キーデータと鍵カードデータが不一致である(ステップ303で不一致)ことにより錠を解除しないと判断すると、鍵カードを無効とする無効処理を行い(ステップ308)、データベース33に履歴を記録する(ステップ307)。なお、キーデータと鍵カードデータが不一致である場合、錠部24は施錠状態のまま維持される。
【0075】
なお、錠解除の判断は、上述したように、ステップ303でキーデータと鍵カードデータとを照会し、鍵番号及びパスワード(鍵カードの識別情報)が一致すると、錠を解除すると判断するが、その際、キーデータに解除条件が含まれている場合は、鍵番号及びパスワードが一致すると共に、解除条件が満たされている場合に、錠を解除すると判断する。
【0076】
このように本実施例では、キーデータの設定や変更を鍵カード毎に集中管理装置30で行うと共に、キーデータを各メダル貸出機20に送信することなく、集中管理装置30で錠の解除を判断するため、実施例1における効果に加えて、キーデータの設定変更をさらに容易に行うことができる。
【0077】
実施例1及び2では、鍵カードの識別情報としてパスワードを用いずに鍵番号のみを用いる場合は、鍵番号のみを鍵カードデータとして鍵カードに記録し、当該鍵番号とキーデータとを比較して錠の解除を判断してもよい。
【0078】
また、図3に示したキーデータの例のように、各鍵番号に対応して、例えば、「ALL(全ての島)」、「areaA(島A)」、「areaB(島B)」、「areaA、B(島A及び島B)」などといった使用可能エリアを設定したキーデータの場合、該キーデータ中の鍵番号が記憶された鍵カードは、当該鍵番号に対応して設定されている使用可能エリア内の各メダル貸出機20でしか使用できないことになる。
【0079】
例えば、図3の例では、鍵番号001が記憶された鍵カードは遊技店の全エリア(全ての島)のメダル貸出機20で使用できるが、鍵番号002、003、004が各々記憶された各鍵カードは、それぞれ、島A、島A及びB、島B内のメダル貸出機20でしか使用できない。
【0080】
ここで、遊技店内の任意の数のメダル貸出機20が設置される各エリア(実際には、当該各エリア内に設置されるメダル貸出機20に対応付けられる)を1つのグループとして設定すれば、図3におけるキーデータは、各グループ毎に鍵識別情報(鍵番号、パスワード)を設定したキーデータであり、この場合、キーデータ設定手段(キーデータ設定部32)はキーデータをグループ設定可能な手段である。
【0081】
このように、遊技店内を各エリア毎にグループ化し、該各グループ毎に鍵識別情報が対応付けられたキーデータを設定(グループ設定)することによって、各鍵手段毎に、該各鍵手段に対応して設定されたグループ(使用可能エリア)でのみ使用可能にして更になるセキュリティの向上が見込める。
【0082】
さらに、メダル貸出機20で紙幣を受け付け、当該メダル貸出機20内に備えられている紙幣収納部22−2に収納しているが、紙幣と共に、若しくは紙幣に代えて硬貨を受け付け、メダル貸出機20内の収納部に収納するように構成してもよい。
【0083】
なお、メダル貸出機20に代えて、収納部を備えた玉貸出機やCRユニット、島端金庫、両替機、精算機など、集中管理装置30と接続すると共に、貨幣を収納する収納部を備えた他の装置に用いてもよい。
【0084】
また、パチンコ台やパチスロ台などの遊技台、玉やメダルの計数機など、集中管理装置30と接続し、収納部が備えられていない装置に適用することも可能であり、ROM交換などの不正に対するセキュリティを向上させると共に、錠の一括管理を行うことができる。
【0085】
加えて、鍵カード挿入部26−1を設けて鍵カードを受け付けているが、プリペイドカードや会員カードなど、他のカードを受け付ける機構で鍵カードを受け付けるように構成しても良く、そうすることにより、カード挿入口、カード搬送機構を別途設ける必要がないので、安価に製造できるようになる。
【0086】
また、ICカードなど、非接触式の媒体を鍵カードとして用いる場合は、鍵カードから無線通信で鍵カードデータを取得する機構など、鍵カードデータの取得が可能な他の機構を鍵カード挿入部に代えて設けてもよい。
【0087】
このように本発明では、一つの鍵カードで複数の遊技媒体貸出装置の錠を解除することが可能であり、また、設置場所や時間などの条件を用いて、錠を解除することが可能な遊技媒体貸出装置を鍵カード毎に自由に設定することができる。
【0088】
そして、必要に応じてキーデータの設定変更や鍵カードに記録されている鍵カードデータの書き換えを容易且つ低コストで行うことが可能であり、鍵カードを用いた錠解除のセキュリティを向上させることができる。
【0089】
特に、集中管理装置30のキーデータ設定部32でキーデータを設定し、該キーデータを各遊技媒体貸出装置に送信する方法(実施例1参照)によれば、各遊技媒体貸出装置を対象とするキーデータの店内一括設定が可能になる。
【0090】
加えて、錠の解除が許可されていない遊技媒体貸出装置に鍵カードが挿入されると、当該鍵カードのキーデータを無効とするため、鍵カードが不正に入手された場合などであっても、鍵カードを用いた錠解除のセキュリティを向上させることができる。
【0091】
なお、本件では1回の操作でキーデータを無効にしているが、操作間違いもあるので、1回で即無効にするのではなく、数回(例えば、3回くらい)の解除不許可で無効にするようにしても良い。その場合は、解除不許可毎にフラグを立てていき、該フラグの本数が解除不許可許容回数分を超えたら無効にするというように、無効のフラグの本数管理を行なえば良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明における遊技媒体貸出システムの構成の一例を示す概略概念図
【図2】実施例1における遊技媒体貸出システムの一部を詳細に示したブロック図
【図3】キーデータの一例を示す図
【図4】実施例1における遊技媒体貸出システムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】実施例1における遊技媒体貸出システムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施例2における遊技媒体貸出システムの一部を詳細に示したブロック図
【図7】実施例2における遊技媒体貸出システムの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0093】
10…遊技台
20…メダル貸出機
21、31…制御部
22−1…紙幣投入部
22−2…紙幣収納部
23…メダル投出部
24…錠部
25…キーデータ記録部
26−1…鍵カード挿入部
26−2…鍵カードデータ取得部
27…データ照会部
28、34…通信インターフェイス
29…紙幣収納部扉開閉検知部
30…集中管理装置
32…キーデータ設定部
33…データベース
35…計時部
36…データ照会部
40…島コントローラ
50…鍵カードデータ書き込み装置
51…鍵カードリーダ/ライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集中管理装置と遊技媒体貸出装置とを接続し、前記集中管理装置で前記遊技媒体貸出装置の管理を行う遊技媒体貸出システムにおいて、
前記遊技媒体貸出装置は、
投入された貨幣を収納する収納手段と、
前記収納手段に収納されている貨幣の取り出しを妨げる錠手段と、
前記錠手段を解除する鍵手段の設定情報であるキーデータを記録するキーデータ記録手段と、
前記鍵手段に記録されている鍵カードデータを取得する鍵カードデータ取得手段と
を具備し、
前記集中管理装置は、
前記キーデータを設定するキーデータ設定手段と、
前記鍵カードデータを前記鍵手段に記録する書き込み手段と
を具備し、
前記集中管理装置は、
前記遊技媒体貸出装置に前記キーデータを送信し、
前記遊技媒体貸出装置は、
前記鍵手段から前記鍵カードデータを取得すると、該鍵カードデータと前記キーデータとに基づいて前記錠手段を解除するか否かの判断を行う
ことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項2】
集中管理装置と遊技媒体貸出装置とを接続し、前記集中管理装置で前記遊技媒体貸出装置の管理を行う遊技媒体貸出システムにおいて、
前記遊技媒体貸出装置は、
投入された貨幣を収納する収納手段と、
前記収納手段に収納されている貨幣の取り出しを妨げる錠手段と、
前記錠手段を解除する鍵手段に記録されている鍵カードデータを取得する鍵カードデータ取得手段と
を具備し、
前記集中管理装置は、
前記キーデータを設定するキーデータ設定手段と、
前記錠手段を解除する鍵手段の設定情報であるキーデータを記録するキーデータ記録手段と、
前記鍵カードデータを前記鍵手段に記録する書き込み手段と
を具備し、
前記遊技媒体貸出装置は、
前記鍵手段から前記鍵カードデータを取得すると、該鍵カードデータを前記集中管理装置に送信し、
前記集中管理装置は、
前記鍵カードデータと前記キーデータとに基づいて前記錠手段を解除するか否かの判断を行う
ことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項3】
前記集中管理装置は、
前記鍵手段の履歴を記録する履歴記録手段をさらに具備し、
前記遊技媒体貸出装置は、
履歴情報を前記集中管理装置に送信し、
前記集中管理装置は、
前記履歴情報に基づいて履歴を前記履歴記録手段に記録する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項4】
前記キーデータは、
前記錠手段を解除する解除条件をさらに有し、
前記錠手段を解除するか否かの判断は、前記鍵カードデータと前記キーデータと前記解除条件とに基づいて行う
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項5】
前記キーデータは、設定の変更が可能である
ことを特徴とする請求項1乃至4記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項6】
前記キーデータ設定手段は、
任意の数の遊技媒体貸出装置が設置されるエリア毎にグループを設定し、
前記各グループ毎に前記キーデータを設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5記載の遊技媒体貸出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−14995(P2006−14995A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196934(P2004−196934)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】