説明

遊技情報表示装置

【課題】遊技者が遊技の消化ペースや進行ペースを一定にし易くできるようにする。
【解決手段】遊技者がスロットマシン2にてスタートレバーを操作したことに応じて、内部当選役を決定するための内部抽選が実行された後に、新たな内部抽選が実行されるまでの期間を一定とすることが可能となるように、スタートレバー17の操作を促すメッセージを報知装置4にて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられた遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者が遊技状態を判断する基準は様々であり、実際の遊技データを緻密に検証して遊技状態を判断する遊技者もいれば、遊技データよりも自分自身のフィーリング(感覚)を重視して遊技状態を判断する遊技者もいる。後者の場合、ジンクスやオカルト的な楽しみを遊技者が感じている場合がある。例えば特許文献1には、オカルトとして遊技機に設けられた鍵穴を抑えつつ遊技者が遊技を進行させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−160732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、遊技者によっては、上記したジンクスやオカルトとして遊技の消化ペースや進行ペースが利益の付与に密接に絡んでいると考えている。しかしながら、遊技者は上記した遊技の消化ペースや進行ペースを把握し難いというのが実情である。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が遊技の消化ペースや進行ペースを一定にし易くすることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、複数の図柄表示額域において複数種類の図柄を所定の配列にしたがって変動表示する図柄変動表示手段と、前記図柄変動表示手段における図柄の変動表示を開始させるために遊技者が操作する開始操作手段と、前記開始操作手段が操作された場合に、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する抽選手段と、前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、前記停止操作手段が操作された場合に、前記抽選手段により決定された内部当選役に対応した図柄が停止するように前記図柄を停止表示する表示制御手段と、前記抽選手段により決定された内部当選役に対応した図柄が停止表示されたことに基づいて、内部当選役の入賞が成立したものとして停止表示された図柄に応じた利益を遊技者に付与する利益付与手段と、を備えた遊技機に対応して設けられ、前記抽選手段により内部抽選が実行された後、又は前記表示制御手段により図柄が停止表示された後、前記抽選手段により新たな内部抽選が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた報知である特別報知を実行するように特別報知手段を報知制御する報知制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記報知制御手段は、前記特別期間を予め定められた範囲内とすることが可能となるように、且つ前記抽選手段により内部抽選が実行されたタイミング、又は前記表示制御手段により図柄が停止表示されたタイミングからみて、前記特別報知を開始するまでの期間及び前記特別報知を終了するまでの期間の少なくとも一方が同一期間で繰返され続けることがないように、前記特別報知を実行するよう前記特別報知手段を報知制御することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、遊技を進行させるために遊技者が操作する操作手段と、前記操作手段が操作された場合に、遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、前記遊技結果決定手段により前記遊技結果が決定された場合に予め定められた単位動作を開始し、当該遊技結果に対応した報知を実行して当該単位動作を終了することを1回の単位遊技として、前記単位動作を行うように報知手段を制御する遊技制御手段と、前記遊技結果決定手段により決定された前記遊技結果が遊技者への利益の付与に対応したものであり、その遊技結果に対応した報知が前記遊技制御手段により実行された場合に遊技者に利益を付与する利益付与手段と、を備えた遊技機に対応して設けられ、前記遊技結果決定手段により遊技結果が決定された後、又は前記遊技結果決定手段により決定された遊技結果に対応した報知が実行された後、前記遊技結果決定手段により新たな遊技結果が決定されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた特別報知を実行するように前記報知手段又は前記報知手段とは異なる特別報知手段を報知制御する報知制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、内部抽選が実行された後、又は図柄が停止表示された後、新たな内部抽選が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた報知である特別報知を実行するように構成したので、遊技者が遊技の消化ペースや進行ペースを一定にし易くすることができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、特別報知の開始タイミング及び終了タイミングの少なくとも一方を不規則なタイミングとするように構成したので、特別報知の実行が体感器の代わりに使用されることを抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、遊技結果が決定された後、又は遊技結果に対応した報知が実行された後、新たな遊技結果が決定されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた特別報知を実行するように構成したので、上記した請求項1に記載した発明と同様に、遊技者が遊技の消化ペースや進行ペースを一定にし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】スロットマシンの正面図
【図3】リール配列を示す図
【図4】入賞ラインを示す図
【図5】スロットマシンの機能ブロック図
【図6】役構成を示す図
【図7】内部当選テーブルを示す図
【図8】報知装置の機能ブロック図
【図9】フローチャート
【図10】図9相当図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、遊技場管理システム1を概略的に示す全体構成図である。遊技場管理システム1は、遊技場内に設置されている複数のスロットマシン2(遊技機に相当)、各スロットマシン2に対応して設けられている貸出装置3、報知装置4、遊技情報表示装置5、中継装置6等を有している。中継装置6は、スロットマシン2、貸出装置3、報知装置4、遊技情報表示装置5と通信可能に接続されていると共に、LAN7を介して管理装置8と通信可能に接続されている。管理装置8は、例えば遊技場内の事務所等に設置されており、LAN7を介してスロットマシン2、貸出装置3、報知装置4、遊技情報表示装置5との間で各種情報や各種信号を送受信する。尚、図1では省略しているが、管理装置8は数100台のスロットマシン2を管理対象としている。
【0014】
図2は、スロットマシン2の正面外観を概略的に示している。スロットマシン2の正面には表示窓9が設けられており、遊技者は表示窓9を通じて内部に設けられたリール10(図柄変動表示手段、報知手段に相当)の図柄を視認可能となっている。各図柄は、図3に示すように、左リール10a、中リール10b、右リール10cの円周面に描かれており、各リール10a〜10cが停止した状態では、表示窓9の上段、中段、下段に対応して停止表示される。即ち、スロットマシン2には、各リール10a〜10cのそれぞれについて3図柄ずつ合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0015】
表示窓9の左方には、図4に示すように合計5本の入賞ライン1〜5の何れが有効化されているかを示す入賞ライン表示部11が設けられている。入賞ライン1は表示窓9の中段に対応した横方向、入賞ライン2及び入賞ライン3は表示窓9の斜め方向、入賞ライン4は表示窓9の上段に対応した横方向、入賞ライン5は表示窓9の下段に対応した横方向に設けられている。スロットマシン2では、入賞図柄が何れかの入賞ライン上に揃ったとき、即ち、後述する各役に対応した図柄が何れかの入賞ライン上に停止表示されたときに、停止表示された図柄に対応する入賞が発生する。
【0016】
表示窓9の上方には、各種情報を表示する液晶表示部12、スピーカ13が設けられている。表示窓9の下方には、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン14、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン15、メダルを投入するメダル投入口16が設けられており、これらの下方にはスタートレバー17(開始操作手段、操作手段に相当)、左ストップボタン18a、中ストップボタン18b、右ストップボタン18c(停止操作手段に相当)が設けられている。表示窓9の右方には、メダルの払出枚数を表示する払出数表示部19、メダルのクレジット枚数を表示するクレジット数表示部20が設けられている。又、スロットマシン2の正面最下部には受皿21が設けられており、正面最上部には装飾ランプ部22が設けられている。
【0017】
図5は、スロットマシン2の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部23(抽選手段、表示制御手段、利益付与手段、遊技結果決定手段、遊技制御手段に相当)は、CPU23a、ROM23b、RAM23c、I/O23d等を備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部23は、クレジットボタン14、精算ボタン15、スタートレバー17、左ストップボタン18a、中ストップボタン18b、右ストップボタン18c、投入メダル検知部24、設定値操作部25等から各種信号を入力する。
【0018】
制御部23は、メダル投入口16に投入されたメダルの真贋及び数量を判定する投入メダル検知部24から投入メダル検知信号を入力すると、その入力した投入メダル検知信号の数に基づいて投入されたメダルの数を計数する。メダルの数が1ゲームに必要な規定数(通常状態では3枚)を超過した場合には、超過した分のメダルの数をクレジット数として例えばRAM等に所定の上限値(例えば50枚)まで記憶すると共に、そのクレジット数をクレジット数表示部20に表示する。
【0019】
制御部23は、設定値操作部25から当選確率等の各種設定信号を入力する。スロットマシン2には例えば「1」〜「6」の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値(設定情報)が設けられており、設定値操作部25は、このうち何れか1つの設定値を有効化する。設定値操作部25では、設定変更キー26を挿入して設定変更が可能な状態とした上で、例えば図示しないDIPスイッチの切替え等により設定値が変更される。尚、設定値は、数値が大きいほど各役の内部当選確率が高くなる設定、即ち、遊技者にとって有利な設定であり、数値が小さいほど各役の内部当選確率が低くなる設定、即ち、遊技者にとって不利な設定である。このように、メダルの払出しやボーナスの発生等の特典が遊技者に付与される頻度や期待度が設定値に応じて異なり、設定値を変更することでスロットマシン2の有利度を遊技場にて変更可能となっている。又、設定値間(「1」〜「6」)でボーナス役や小役の内部当選確率が異なっていることから、遊技者は各役の入賞状況を観察することにより、設定値を推測することが可能となる。
【0020】
制御部23は、液晶表示部12、払出数表示部19、クレジット数表示部20、装飾ランプ部22、各リール10a〜10cに対応するリール用モータを駆動するリール駆動部27、各リール10a〜10cに設けられた基準位置片の通過を検知するセンサからの検知信号に基づいて各リール10a〜10cの基準位置を検知する基準位置検出部28、スピーカ13を駆動する音声出力部29、メダルを払出すメダル払出部30、各種信号を出力する信号出力部31を接続している。
【0021】
図6は、スロットマシン2に設定されている当選役の役構成を示している。スロットマシン2には、ボーナス役、小役、リプレイ役が設定されている。ボーナス役としてはビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役の2種類、小役としては7枚役、5枚役、2枚役の3種類が設定されている。これら複数種類の役のうち、7枚役が入賞した場合には7枚のメダルが払出され、5枚役が入賞した場合には5枚のメダルが払出され、2枚役が入賞した場合には2枚のメダルが払出される。又、ボーナス状態(BB状態又はRB状態)においては、通常状態における5枚役に対応した図柄が入賞した場合には15枚のメダルが払出される。即ち、ボーナス状態においては、5枚役が15枚役として機能する。
【0022】
図7は、スロットマシン2に設けられている遊技状態のうち、通常状態及びボーナス状態(BB状態又はRB状態)におけるボーナス役、小役及びリプレイ役に割振られている当選乱数の数を示している。取得乱数は、「0」〜「65535」までの数値であり、合計で65536個が設定されている。
【0023】
制御部23は、ソフトウェアにより構成される乱数発生部23e及び乱数抽出部23fを有しており、メダルが投入された状態でスタートレバー17が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、各リール10a〜10cを始動(回転)させ、乱数発生部23eが発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部23fで抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。この状態で各ストップボタン18a〜17cが操作されると、対応するリール10a〜10cの回転を停止させ、内部当選役のフラグに応じて各リール10a〜10cの停止位置を決定するための停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール10a〜10cを内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。尚、停止テーブルは、内部当選役のフラグの種類毎に設定されている。この場合、各リール10a〜10cの回転が単位動作に相当し、内部抽選の抽選結果が遊技結果に相当する。
【0024】
引込制御は、各ストップボタン18a〜17cの操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。この場合、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。
【0025】
貸出装置3は、遊技者が貨幣を投入する貨幣投入口32、メダルを払出すメダル払出口33、動作ランプ34等を有している。遊技者が貨幣を貨幣投入口32に投入すると、メダル払出口33から貨幣に応じた数のメダルが払出され、スロットマシン2の受皿21に供給される。この場合、払出したメダル数に応じた信号が中継装置6及びLAN7を介して管理装置8に送信される。又、貸出装置3に不具合が生じた場合等には動作ランプ34cが点灯し、不具合が生じた旨を従業員に対して報知する。
【0026】
スロットマシン2側からは次に示す遊技信号が出力される。
「アウト信号」:スロットマシン2から出力される信号であり、開始操作(スタートレバー17の操作)に応じてベット状態のメダルを使用したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数)となる。
【0027】
「セーフ信号」:スロットマシン2から出力される信号であり、メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数)となる。
「BB(ビッグボーナス)信号」:スロットマシン2から出力される信号であり、BB時にレベル出力されるので、BB信号受信期間中がBB状態として特定される。
【0028】
「RB(レギュラーボーナス)信号」:スロットマシン2から出力される信号であり、RB時にレベル出力されるので、RB信号受信期間中がRB状態として特定される。
「売上信号」:貸出装置3から出力される信号であり、貸出メダル5枚(100円分に相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額となる。
【0029】
尚、BB状態は300枚を超えるメダルの払出しにより終了し、RB状態は8回の入賞により終了する。又、BB状態中又はRB状態中のメダルの投入枚数は2枚とする。
スロットマシン2には、予め定められた待機期間であるウェイトタイムが設定されている。ウェイトタイムは4.1秒であり、一のゲームを開始した後、一のゲームを開始した時点からウェイトタイムが経過するまで、次のゲームを開始しない。即ち、一のゲームを開始した後、4.1秒が経過する前に当該一のゲームを終了して新たなゲームを開始しようとして遊技者がスタートレバー17を操作した場合には、その4.1秒の経過を待って新たなゲームを開始する。換言すれば、スロットマシン2は、図柄の変動表示を開始した後に新たな図柄の変動表示(次の図柄の変動表示)を開始するまでの期間が待機期間以下となることがないように図柄の変動表示を実行し、更に、図柄の変動表示を開始した後に経過した期間が待機期間以下である状況において、内部抽選が実行されるように遊技者によりスタートレバー17が操作された場合、待機期間が経過するのを待って新たな図柄の変動表示を開始する。尚、内部抽選はスタートレバー17が操作されたタイミングで実行される。即ち、待機期間が経過する前に遊技者によりスタートレバー17が操作された場合には、内部抽選は実行されるが、ゲームの開始は待機期間が経過した後となる。
【0030】
報知装置4は、遊技情報を表示する液晶表示部35(特別報知手段に相当)、液晶表示部35に設けられているタッチパネル36等を有している。図8は、報知装置4の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部37(報知制御手段に相当)は、CPU37a、ROM37b、RAM37c、I/O37d等を備えたマイクロコンピュータにより構成されており、制御プログラムにしたがって各種情報を液晶表示部35により表示したり、操作入力をタッチパネル36により受付けたり、各種信号を送受信したりする。
【0031】
遊技情報表示装置5は、呼出ボタン38、呼出ランプ39、液晶表示部40等を有する。遊技情報表示装置5は、CPU、ROM、RAM及びCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))の等の記憶装置からなるコンピュータで構成されており、遊技者が呼出ボタン38を操作すると、呼出ランプ39が点灯する。又、液晶表示部40は各種遊技情報を表示する。
【0032】
中継装置6は、CPU、ROM、RAM及びCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))の等の記憶装置からなるコンピュータで構成されており、各種信号を中継する。
管理装置8は、CPU、ROM、RAM及びHDD等の記憶装置からなるコンピュータで構成されており、例えばROM等に記憶されている制御プログラムに各種処理を行う。
【0033】
次に、上記した構成の作用について、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は、報知装置4が本発明に関連して行う処理をフローチャートにて示している。報知装置4は、
(1)特別報知実行周期特定処理
(2)特別報知実行処理
を実行する。以下、各処理について順次説明する。尚、制御部37は、ゲーム回数カウンタによりゲーム回数をカウントする機能、報知タイミングカウンタにより報知タイミングをカウントする機能、報知実行フラグ格納エリアにより報知実行フラグを格納する機能、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアにより報知タイミング決定済みフラグを格納する機能を有している。
【0034】
(1)特別報知実行周期特定処理
報知装置4において、制御部37は、特別報知実行周期特定処理を行うことで、特別報知を実行する周期を特定する。制御部37は、特別報知実行周期特定処理を開始すると、スロットマシン2から出力されたアウト信号を受信したか否かを判定する(S1)。制御部37は、遊技者が開始操作を行った(スタートレバー17を操作した)ことに応じて、スロットマシン2から出力されたアウト信号を受信したと判定すると(S1:YES)、ゲーム回数カウンタの値を「1」インクリメントし(S2)、インクリメントした後のゲーム回数カウンタの値が「30」に達したか否かを判定する(S3)。
【0035】
制御部37は、インクリメントした後のゲーム回数カウンタの値が「30」に達していないと判定すると(S3:NO)、特別報知実行周期特定処理を終了してリターンする一方、インクリメントした後のゲーム回数カウンタの値が「30」に達したと判定すると(S3:YES)、報知実行フラグ格納エリアを参照し、報知実行フラグ格納エリアの値が「0」であるか否かを判定する(S4)。
【0036】
制御部37は、報知実行フラグ格納エリアの値が「0」であると判定すると(S4:YES)、報知実行フラグ格納エリアの値を「1」に設定し(S5)、ゲーム回数カウンタの値を「0」に設定し(S6)、特別報知実行周期特定処理を終了してリターンする。一方、制御部37は、報知実行フラグ格納エリアの値が「0」でない(「1」である)と判定すると(S4:NO)、報知実行フラグ格納エリアの値を「0」に設定し(S5)、ゲーム回数カウンタの値を「0」に設定し(S6)、特別報知実行周期特定処理を終了してリターンする。
【0037】
即ち、制御部37は、特別報知実行周期特定処理を行うことにより、特別報知を30ゲーム周期で行うことになり、30ゲーム特別報知を行うと、30ゲーム特別報知を行うことがなく、更に30ゲーム特別報知を行う、という処理を繰返す。このように特別報知を所定周期で行うことにより、遊技者はスタートレバー17を同じタイミングで操作するか否かを適度な頻度で決定することができる。尚、「30」は例えば遊技場の管理者により予め設定入力される。
【0038】
(2)特別報知実行処理
報知装置4において、制御部37は、特別報知実行処理を4ミリ秒周期で行う。制御部37は、特別報知実行処理を開始すると、報知実行フラグ格納エリアを参照し、報知実行フラグ格納エリアの値が「1」であるか否かを判定する(S11)。制御部37は、報知実行フラグ格納エリアの値が「1」でない(「0」である)と判定すると(S11:「NO」)、特別報知実行処理を終了してリターンする一方、報知実行フラグ格納エリアの値が「1」であると判定すると(S11:YES)、スロットマシン2から出力されたアウト信号を受信したか否かを判定する(S12)。
【0039】
制御部37は、スロットマシン2からアウト信号を受信していないと判定すると(S12:NO)、報知タイミングカウンタの値を「1」インクリメントし(S13)、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアを参照し、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアの値が「1」であるか否かを判定する(S14)。制御部37は、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアの値が「1」でないと判定すると(S14:NO)、報知タイミング決定処理を行う(S15)。制御部37は、報知タイミング決定処理では、アウト信号を受信してから5.9〜6.1秒のうち何れかの秒数が経過した時点で特別報知を開始するかの特別報知の開始タイミングを決定する。具体的には、報知タイミングカウンタの値が何れの値となった場合に特別報知を開始するかを決定する。この場合、5.9〜6.1秒というように特別報知の開始タイミングにばらつきを持たせることにより、特別報知の開始タイミングが体感器代わりになることを抑制することができる。
【0040】
制御部37は、報知タイミング決定処理を行うと、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアの値を「1」に設定し(S16)、報知タイミングカウンタの値と報知タイミング決定処理にて決定した報知タイミングとを比較することで、報知実行タイミングであるか否かを判定する(S17)。一方、制御部37は、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアの値が「1」であると判定すると(S14:YES)、報知実行タイミングであるか否かを判定する(S17)。
【0041】
ここで、制御部37は、報知タイミングカウンタの値が報知タイミング決定処理にて決定した報知タイミングに対応していると判定することで、報知実行タイミングであると判定すると(S17:YES)、特別報知開始処理を行い(S18)、特別報知実行処理を終了してリターンする。即ち、制御部37は、スタートレバー17の操作タイミングに対応した報知である特別報知としてスタートレバー17の操作を促すメッセージ(例えば「今だ!!」)を表示し、新たな内部抽選(次のゲームを開始する場合の内部抽選)が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように特別報知を行う。尚、ここでいう新たな内部抽選が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、とは、新たな内部抽選が実行されるまでの期間を予め定められた範囲内とすることを可能となるようにすること、確実に内部抽選が実行されるまでの期間を一定とすることを可能となるようにすること、内部抽選が実行されるまでの期間を一定とする頻度を高くすることを可能となるようにすること、を含む。
【0042】
一方、制御部37は、報知タイミングカウンタの値が報知タイミング決定処理にて決定した報知タイミングに対応していないと判定することで、報知実行タイミングでないと判定すると(S17:NO)、特別報知終了処理を行い(S19)、特別報知実行処理を終了してリターンする。
【0043】
即ち、制御部37は、例えばアウト信号を受信してから6秒が経過した時点で特別報知を開始するように特別報知の開始タイミングを決定する場合であれば、報知タイミング決定処理にて特別報知を開始する報知タイミングカウンタを「1500(6秒/4ミリ秒)」に設定し、特別報知を開始してから2秒が経過した時点で特別報知を終了するように特別報知の終了タイミングを決定する場合であれば、報知タイミング決定処理にて特別報知を終了する報知タイミングカウンタを「2000((6+2)秒/4ミリ秒))」に設定する。この場合、制御部37は、報知タイミングカウンタの値が「1500〜1999」である場合に、報知実行タイミングであると肯定判定する。又、制御部37は、特別報知を既に実行している状況において特別報知開始処理を実行した場合や、特別報知を実行していない状況において特別報知終了処理を実行した場合には、それまでの状態を維持する。
【0044】
制御部37は、遊技者が開始操作を行った(スタートレバー17を操作した)ことに応じて、スロットマシン2から出力されたアウト信号を受信したと判定すると(S12:YES)、報知タイミングカウンタの値を「0」に設定し(S20)、特別報知終了処理を行い(S21)、報知タイミング決定済みフラグ格納エリアの値を「0」に設定し(S22)、特別報知実行処理を終了してリターンする。即ち、制御部37は、特別報知を実行している状況においてスロットマシン2から出力されたアウト信号を受信した判定すると、特別報知実行処理を終了してリターンする。
【0045】
以上に説明したように本実施形態によれば、遊技者がスロットマシン2にてスタートレバー17を操作したことに応じて、内部当選役を決定するための内部抽選が実行された後に、新たな内部抽選が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、スタートレバー17の操作を促すメッセージを報知装置4にて表示することで特別報知を実行するように構成したので、遊技者が遊技の消化ペースや進行ペースを一定にし易くすることができる。
【0046】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
遊技の消化ペースによって遊技者の有利度が変化する構成に本発明を適用しても良い。
スロットマシンと別体で報知装置を設ける構成としたが、スロットマシンが報知装置を備える構成としても良い。この場合、液晶表示部が報知装置を兼ねるようにしても良い。
アウト信号を受信してから経過した時間に応じて特別報知を実行する構成としたが、ゲームが終了してから経過した時間に応じて特別報知を実行するようにしても良い。この場合、ゲームの終了を報知装置が特定可能にすると良い。
【0047】
特別報知の態様を任意に変更しても良い。例えば音や光を用いて特別報知を実行するようにしても良い。即ち、ゲームが開始された後又はゲームが終了された後、所定時間が経過した場合に演出を実行するように構成すれば、その演出がゲームの開始を促すか否か、更には、毎ゲーム実行されるか否かに関わらず、本発明における特別報知に含まれる。
【0048】
特別報知の開始タイミング及び終了タイミングを任意に変更しても良い。又、特別報知の開始タイミング及び終了タイミングを遊技者が任意に設定可能としても良い。
特別報知を実行する周期が設定されている必要はなく、特別報知を実行するか否かを抽選により決定しても良いし、特別報知を毎ゲーム実行するようにしても良い。又、特別報知が行われ得る状態とするか否かを遊技者が設定可能としても良い。更に、特別報知の開始タイミングに不規則性を付与することで、特別報知の開始タイミング及び終了タイミングに不規則性を付与するものとしたが、特別報知の開始タイミング及び終了タイミングの一方又は両方が一義的であっても良い。
【0049】
スタートレバーの操作を促す場合に特別報知を実行するものとしたが、スタートレバーの操作を促さない場合に特別報知を実行するようにしても良い。例えば特別報知として、スタートレバーの非操作を促すメッセージ(例えば「まだ!!」)を表示するようにしても良い。本構成においては、特別報知を実行していない場合に、スタートレバーを操作することで所定周期にて遊技者がゲームを開始することができる。即ち、本構成においては、特別期間が一定となるタイミングにて特別報知を実行せず、スタートレバーを操作すると特別期間が一定とはならないタイミングにて特別報知を実行している。この場合、特別期間が一定となるタイミングにて特別報知を実行せず、スタートレバーを操作すると特別期間が一定とはならないタイミングにて特別報知を実行し続けるようにすると良い。
【0050】
特別報知を実行する期間を変更しても良い。例えば特別報知を0.5秒に亘って実行するようにしても良い。
所定のゲーム数の遊技が行われることでボーナス入賞を成立させることが可能となる遊技機に本発明を適用しても良い。この場合、スタートレバーの操作に応じてボーナスを入賞可能とするか否かの抽選が行われる必要はない。即ち、スタートレバーが操作された場合に、そのゲームの遊技結果を決定することが、操作手段が操作された場合に、遊技結果を決定することに相当する。
【0051】
パチンコ機に本発明を適用しても良い。この場合、始動口に所定周期にて玉が入賞し易くなるように玉の入賞タイミング(入賞させるべきタイミング)を報知しても良いし、玉を発射するために遊技者が操作する発射ハンドルの操作タイミング(発射タイミング)を報知するようにしても良い。
【符号の説明】
【0052】
図面中、1は遊技機、4は報知装置(遊技情報表示装置)、10はリール(図柄変動表示手段、報知手段)、17はスタートレバー(開始操作手段、操作手段)、18はストップボタン(停止操作手段)、23は制御部(抽選手段、表示制御手段、利益付与手段、遊技結果決定手段、遊技制御手段)、35は液晶表示部(特別報知手段)、37は制御部(報知制御手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄表示額域において複数種類の図柄を所定の配列にしたがって変動表示する図柄変動表示手段と、
前記図柄変動表示手段における図柄の変動表示を開始させるために遊技者が操作する開始操作手段と、
前記開始操作手段が操作された場合に、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作された場合に、前記抽選手段により決定された内部当選役に対応した図柄が停止するように前記図柄を停止表示する表示制御手段と、
前記抽選手段により決定された内部当選役に対応した図柄が停止表示されたことに基づいて、内部当選役の入賞が成立したものとして停止表示された図柄に応じた利益を遊技者に付与する利益付与手段と、を備えた遊技機に対応して設けられ、
前記抽選手段により内部抽選が実行された後、又は前記表示制御手段により図柄が停止表示された後、前記抽選手段により新たな内部抽選が実行されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた報知である特別報知を実行するように特別報知手段を報知制御する報知制御手段を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記報知制御手段は、前記特別期間を予め定められた範囲内とすることが可能となるように、且つ前記抽選手段により内部抽選が実行されたタイミング、又は前記表示制御手段により図柄が停止表示されたタイミングからみて、前記特別報知を開始するまでの期間及び前記特別報知を終了するまでの期間の少なくとも一方が同一期間で繰返され続けることがないように、前記特別報知を実行するよう前記特別報知手段を報知制御することを特徴とする請求項1に記載した遊技情報表示装置。
【請求項3】
遊技を進行させるために遊技者が操作する操作手段と、
前記操作手段が操作された場合に、遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、
前記遊技結果決定手段により前記遊技結果が決定された場合に予め定められた単位動作を開始し、当該遊技結果に対応した報知を実行して当該単位動作を終了することを1回の単位遊技として、前記単位動作を行うように報知手段を制御する遊技制御手段と、
前記遊技結果決定手段により決定された前記遊技結果が遊技者への利益の付与に対応したものであり、その遊技結果に対応した報知が前記遊技制御手段により実行された場合に遊技者に利益を付与する利益付与手段と、を備えた遊技機に対応して設けられ、
前記遊技結果決定手段により遊技結果が決定された後、又は前記遊技結果決定手段により決定された遊技結果に対応した報知が実行された後、前記遊技結果決定手段により新たな遊技結果が決定されるまでの期間である特別期間を一定とすることが可能となるように、予め定められた特別報知を実行するように前記報知手段又は前記報知手段とは異なる特別報知手段を報知制御する報知制御手段を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−55416(P2012−55416A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199803(P2010−199803)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】