説明

遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造

【課題】前扉の裏面側の設定変更ボタンへの不正なアクセスを防止することができる遊技機の内部構造を提供する。
【解決手段】前扉4の裏面側に設けられた設定変更ボタン469の操作部を、開閉蓋470によって常時閉じておく遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造において、設定変更ボタン469の操作部を、前扉4の裏面側のほぼ左右中心に位置させると共に、開閉蓋470の開き方及びヒンジ位置を、前扉4の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き(上ヒンジ)、または下開き(下ヒンジ)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スロットマシン等の遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造にあっては、図6に示されるように、前扉4の裏面側に設けられた設定変更ボタン469の操作部(紙面手前側)を、開閉蓋470によって常時閉じておくことによって、不正操作がなされないようにしていた。これは、設定変更ボタン469の不正操作によって当たり図柄が発生する確率が所定範囲内において高められてしまうのを防止するためである(例えば、特許文献1参照)。
なお、図6中の符号45は、中央制御基板カバーを示しており、設定変更ボタン469及び開閉蓋470は、中央制御基板カバー45に設けられた開口部451に配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−21438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造にあっては、図7に示されるように、設定変更ボタン469は、スライドヒンジ3によって支持された左開き(左ヒンジ)の前扉4をあけてすぐのところ、すなわち、前扉4の裏面側の施錠装置ユニット480に近接して配置されているうえに、開閉蓋470は右開き(右ヒンジ)となっていた。このため、筐体2と前扉4との隙間から差し込まれた針金等によって、開閉蓋470が容易に開けられて、設定変更ボタン469が不正操作されやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、設定変更ボタンの不正操作をより確実に防止することが可能な遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、前扉の裏面側に設けられた設定変更ボタンの操作部を、開閉蓋によって常時閉じておく遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造において、
前記設定変更ボタンを前記前扉の裏面側のほぼ左右中心に位置させると共に、前記開閉蓋の開き方及びヒンジ位置を、前記前扉の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き、上ヒンジ、または下開き、下ヒンジとしたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、設定変更ボタンの操作部を、前扉の裏面側のほぼ左右中心に位置させることにより、設定変更ボタンへの不正なアクセスを困難なものとしたうえで、開閉蓋の開き方及びヒンジ位置を、前扉の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き(上ヒンジ)、または下開き(下ヒンジ)にした。これにより、筐体と前扉との隙間から針金等が差し込まれても、開閉蓋は、針金等の差し込み方向とは異なる方向にしか開かないので、開閉蓋を簡単に開くことはできなくなる。従って、設定変更ボタンの不正操作を確実に防止することが可能となる。
【0008】
前記開閉蓋は、枠体状の支持ベースにヒンジ部を介して開閉可能に支持され、かつ、前記開閉蓋が閉じた状態にあっては、前記開閉蓋のヒンジ結合部に隣あった枠部材とほぼ面一となることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、開閉蓋は、開閉蓋のヒンジ結合部に隣あった枠部材と面一となるので、針金等が開閉蓋に引っかかりにくくすることができる。これにより、設定変更ボタンの不正操作をより確実に防止することができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造によれば、設定変更ボタンを、前扉の裏面側のほぼ左右中心に位置させると共に、開閉蓋の開き方及びヒンジ位置を、前扉の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き(上ヒンジ)、または下開き(下ヒンジ)にした。これにより、筐体と前扉との隙間から針金を差し込んだだけでは、開閉蓋を簡単に開くことはできないようになるので、設定変更ボタンの不正操作を確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】スロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を開放した状態におけるスロットマシンの内部構造を示した正面図である。
【図3】同例における設定変更ボタンを説明するためのパネル面の裏面側における分解斜視図である。
【図4】同パネル面の裏面側における斜視図である。
【図5】図4中のA−A矢視断面図である。
【図6】従来の遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造を説明するための図である。
【図7】従来の遊技機における前扉と開閉蓋との開き方、ヒンジ位置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な一実施形態を、スロットマシンを例に図面を参照して説明する。図1は、スロットマシンの正面図、図2は、前扉を開放した状態におけるスロットマシンの内部構造を示した正面図である。
なお、従来と同様の構成部材については、同一の符号を付している。
【0013】
スロットマシン1は、図1,2に示されるように、前面が開放した矩形状箱体の筐体2(図2に図示)と、この筐体2にスライドヒンジ3,3を介して開閉可能に取り付けられた左開き(左ヒンジ)の前扉4と、を備えて構成されている。
【0014】
まず、筐体2の内部構造について説明する。
筐体2は、図2に示されるように、いずれも木製の上板部2a、左右側板部2b,2c、底板部2d、背板部2eを備えて構成されている。
筐体2内の背板部2eの上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備えた主制御基板20が、硬質プラスチック製のカバー21内に収容された状態で取り付けられている。カバー21は、主制御基板側に設けられた基板側カバーに蓋側カバーが重ね合わされた状態で、両カバー上部間に跨った2つのかしめ具としてのかしめキャップ22により内部封止がなされている。かしめキャップ22は、ほぼ円筒状の本体部の左右側部に一体形成された前後2つの固定係止爪が、それぞれ基板側カバー或いは蓋側カバーの所定位置に係止することにより、基板側カバーと蓋側カバーとを抜け止め固定し、カバー21を封止するようになっている。
【0015】
また、筐体2内の右側板部2cの上部には、スロットマシン1からホールコンピュータに向かって所定の情報データ(例えば、大当たり、払い戻し数等)を出力するための外部出力端子を備えた外部集中端子基板23が取り付けられている。
【0016】
筐体2内の中央には、リール101a,101b,101cを備えた可変表示装置を構成するリールユニット100が配設されている。このリールユニット100は、左右側板部2b,2c、背板部2eによって支持された金属製のフレーム板部2fの上面に載置されているものであって、前扉4が筐体2側に閉じられると、前扉4のパネル面50の表示窓51に、複数種類の図柄や数字等による識別情報が描かれたリール101a,101b,101cが位置するようになっている。
【0017】
リール101a,101b,101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動されるものであって、リールユニット100の上面には、ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板24が取り付けられている。そして、主制御基板20が回胴装置基板24に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、リールl01a,101b,101cの回転、制動及び停止の制御が行われるようになっている。
【0018】
リールユニット100の下方側、つまり筐体2内の底板部2dの上面中央には、筐体2内に投入されたメダル等の遊技媒体(以下、メダルという)を収容するホッパ装置25が取り付けられている。このホッパ装置25の右側には、このホッパ装置25から溢れたメダルを収容するための補助貯留部26が取り付け固定されている。また、ホッパ装置25の左側には、外部から電力供給を受けて内部装置に必要な電力を供給する主電源装置27が取り付け固定されている。この主電源装置27には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板が内蔵されている。
【0019】
次に、前扉4の外部構成について説明する。
前扉4の前面側は、図1に示されるように、遊技者に面する「前面パネル部」として視覚効果を高めるようにデザインされた所謂化粧板として硬質プラスチックにより一体形成されているものであって、上部パネル部5、下部パネル部6、操作卓7にほぼ区分されるようになっている。
【0020】
上部パネル部5の中央には、パネル面50が設けられている。このパネル面50のほぼ中央には、略矩形状の透明な表示窓51が設けられており、この表示窓51を通して、筐体2内に設けられたリールユニット100の3個のリール101a,101b,101cを目視できるようになっている。
【0021】
上部パネル部5の上部や左右側部には、レンズパネルの内部に蛍光灯や高輝度発光ダイオード等の光源を内蔵する照明手段としての照明演出装置52、演出用照明部53a〜53hが配設されている。これら照明演出装置52、演出用照明部53a〜53hは、ゲームの進行に応じて点灯或いは点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるようになっている。また、照明手段としての照明演出装置52は、スロットマシン1の遊技状態を報知する手段としても機能するようになっている。
【0022】
照明演出装置52の下方には、ゲームに係る効果音を発生するスピーカ42a,42b(図2に図示)を内蔵した左右一対の演出用放音部54a,54bと、液晶表示演出装置55とが配設されている。液晶表示演出装置55は、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれることによって形成されたスロットマシン1の演出装置であって、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示するようになっている。
【0023】
下部パネル部6には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの意匠等を表示するパネル61が設けられている。このパネル61の下方には、受皿ユニット62、入賞時にメダルを排出するメダル払出口63、演出効果音を発生するスピーカ49a,49b(図2に図示)を内蔵した演出用放音部64a,64b等が配設されている。さらに、受皿ユニット62には、メダル払出口63から払い出されたメダルを貯留する受皿部62aが一体形成されていると共に、遊技者の喫煙の用に供するための灰皿部材65が設けられている。
【0024】
また、パネル61の左右両側には、レンズパネルの内部に高輝度発光ダイオード等の光源を内蔵する演出用照明部66a,66bが配設されている。これら演出用照明部66a,66bは、照明演出装置52、演出用照明部53a〜53hと同様に、ゲームの進行に応じて点灯或いは点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるようになっている。
【0025】
操作卓7は、その上面側(操作パネル)に、メダル投入部71、ベットボタン72,73が配設されていると共に、前面側(フロントマスク)に、スタートレバー74、ストップボタン75a,75b,75c、積算ボタン76、イジェクトボタン77、鍵穴78が配設されている。
【0026】
メダル投入部71には、ゲームに賭けるメダルを筐体2内に投入するためのメダル投入口が一体的に形成されている。
ベットボタン72,73は、スロットマシン1の1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。すなわち、ゲームを開始する際に、ベットボタン72を1回押圧操作すると、貯留されているメダルのなかから1枚のメダルがゲームに対して賭けられ、また、ベットボタン73を1回押圧操作すると、3枚のメダルが当該ゲームに賭けられる。このため、ベットボタン72は、「1ベットボタン」、ベットボタン73は、最大枚数のメダルを賭けることができるので、「マックスベットボタン」と呼ばれている。
【0027】
スタートレバー74は、リール101a〜101cの回転開始を指示するためのレバースイッチである。
ストップボタン75a,75b,75cは、スタートレバー74によって回転動しているリール101a,101b,101cの回転停止をそれぞれ指示するためのボタンスイッチであって、各リールの配列に対応して並設されている。
精算ボタン76は、ゲームに賭けたメダルの払い出しを指示すると共に、メダルクレジット手段(図示せず)が内部保留したメダルの払い出しを指示するためのボタンスイッチである。
【0028】
イジェクトボタン77は、メダル投入後に詰まったメダルを排出するボタンスイッチである。
鍵穴78は、前扉4を開錠するための鍵が挿入されるものであって、この鍵穴78にスロットマシン1の管理者などが所定の鍵を挿入して開錠操作すると、スライドヒンジ3,3を介して筐体2に取り付けられた前扉4を前方へ開くことができるようになっている。また、前扉4を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
【0029】
次に、前扉4の裏面構造について説明する。
図2に示されるように、前扉4の裏面側上部、つまり、液晶表示装置55の裏面側にあたる位置には、電気回路基板によって形成されたサブ制御基板40が、カバー21と同様の態様により、硬質プラスチック製のカバー41に収納された状態で配設されている。このサブ制御基板40は、液晶表示演出装置55による演出映像の表示制御、照明演出装置52及び演出用照明部53a〜53h、66a,66bを用いた演出効果照明制御、演出用放音部54a,54b,64a,64bを用いた演出効果音制御等、ゲームの演出に係る制御を主に行う。また、このサブ制御基板40の左右側、つまり演出用放音部54a,54bの裏面側にあたる位置には、左右一対のスピーカ42a,42bが配設されている。
【0030】
サブ制御基板40の下方側、すなわち、パネル面50の裏面側にあたる位置には、リールl01a,101b,101cの外周面を照射して図柄を明るく表示させるための冷陰極蛍光ランプを収納した収納部43と、冷陰極蛍光ランプを駆動するインバータ44と、硬質プラスチック製の中央制御基板カバー45に収納された中央制御基板46とが、ユニット化された状態で取り付けられている。
【0031】
中央制御基板46の下方には、メダル選別装置47が配設されている。このメダル選別装置47は、メダル投入部71から投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。さらに、このメダル選別装置47は、メダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入されてメダルセンサがこのメダルを検出すると、メダル投入の受け付けを示す信号を中央制御基板46へ送出するようになっている。
【0032】
また、メダル選別装置47には、メダル選別装置46の右側面から排出された正規のメダルを筐体2内に設けられたホッパ装置23へ案内する紙面奥側から手前側に延びた平面視J字状のガイド部材48aと、メダル選別装置46により排除されたメダル(或いは異物)を下方のメダル排出口63へ案内するガイド部材48bとが連なっている。さらに、ガイド部材48bの下部には、ホッパ装置23から排出されたメダルをメダル排出口63へ案内するガイド部材48cが連なっている。
また、前扉4の裏面側下部、つまり、演出用放音部62の裏目側にあたる位置には、左右一対のスピーカ49a,49bが配設されている。
【0033】
そして、スロットマシン1は、遊技者がメダルを投入し、今回の遊技に賭けるメダル数を選択するベットボタン72,73の何れかを押圧操作し、スタートレバー74を叩いてリール101a,101b,101cを回転させ、ストップボタン75a,75b,75cを押してリール101a,101b,101cが停止した際の各リール101a,101b,101cに描かれている図柄や数字等の識別情報が所定の組み合せとなると、その組み合わせの態様に応じて予め定められた枚数のメダルを払い出すようになっている。
【0034】
次に、本発明のスロットマシンの設定変更ボタンの不正操作防止構造について図3〜5を用いて説明する。図3は、設定変更ボタンを説明するためのパネル面の裏面側における分解斜視図、図4は、同パネル面の裏面側における斜視図、図5は、図4中のA−A矢視断面図である。
【0035】
図3〜5に示されるように、前扉4(パネル面50)の裏面側には、電気回路基板によって形成された中央制御基板46が、エンジニアリングプラスチック、例えば、PC(ポリカーボネート)製の透明な中央制御基板カバー45によって覆われた状態で取り付けられている。
【0036】
この中央制御基板46の下部には、図3に示されるように、前扉4の開閉センサ用コネクタ461、投入センサ用コネクタ462、接続モニタ用コネクタ463、ストップボタン用コネクタ464、スタートレバー及びマックスベットボタン用コネクタ465、積算スイッチ及び1ベットボタン用コネクタ466、パネル内照明用コネクタ467、ハーネス(内部配線)接続用の基板側コネクタ468、が一体的に設けられている。基板側コネクタ468には、ハーネス(内部配線)としての50ピンフラットハーネスのハーネス側コネクタの左右下肩部を係止保持するように左右方向に開閉動作する一対の可動係止爪468a,468bを備えている。
【0037】
中央制御基板46のほぼ左右中心には、ゲームの当たり発生確率を段階的に設定変更する押圧式の設定変更ボタン469が、その操作部(筐体2に臨む面部のこと)をほぼ正方形の開閉蓋470によって覆われた状態で一体的に設けられている。すなわち、従来では、設定変更ボタン469の操作部は、前扉4をあけてすぐのところ、つまり前扉4の裏面側の施錠装置ユニット480(反スライドヒンジ側)に近接して配設されていたのに対し、本実施形態にあっては、筐体2の左右側面2b,2cからほぼ均等に離れた位置、具体的には、中央制御基板46のほぼ左右中心となる位置に移設されている。これにより、設定変更ボタン469への不正なアクセスを困難なものとしている。
【0038】
さらに、開閉蓋470は、左開き、左ヒンジの前扉4と同様に、前扉4の裏面側において左開き、左ヒンジとされており(図5参照)、ヒンジ結合部に設けたねじりバネ471(図3に図示)により、常時、設定変更ボタン469の操作部を閉ざすようになっている。これにより、筐体2と前扉4との隙間等から針金等が差し込まれても、開閉蓋470は、針金等の差し込み方向とは逆の方向にしか開かないので、開閉蓋470を簡単に開くことはできないようになっている。
なお、開閉蓋470は、左開き(左ヒンジ)にのみ限定されるものではなく、上開き(上ヒンジ)、または、下開き(下ヒンジ)としてもよい。これらによっても、開閉蓋470は、針金等の差し込み方向とは異なる方向にしか開かないので、開閉蓋470を簡単に開くことはできないようにすることができる。
【0039】
また、この開閉蓋470は、図3に示されるように、四角枠体の支持ベース472を介して中央制御基板46に取り付けられていると共に、開閉蓋470が閉じた状態にあっては、図5に示されるように、ヒンジ結合部に隣り合った支持ベース472の上枠472aと下枠472bとほぼ面一とされている。このため、開閉蓋470に針金等が引っかかりにくくすることができると共に、開閉蓋470は、開閉蓋470の右側に指などを引っ掛けて開かなければならないので、開閉蓋470を不正に開くことはより困難なものとなっている。
【0040】
そして、この開閉蓋470は、図3〜5に示されるように、設定変更ボタン469が中央制御基板カバー45から露出するように設けられた開口部451の奥側に位置するようになっている。この開口部451は、支持ベース471に応じて紙面奥側がほぼ正方形、紙面手前側がスライドヒンジ側に向かって延びた横長矩形状に形成されており、開閉蓋470の右側からのみ、開口部451の奥側に突起物や指等を差し入れて開閉蓋470を開くことができるようになっている。
【0041】
なお、図3,4中の符号600は、基板側コネクタ468とハーネス側コネクタとを覆うコネクタカバー、符号610は、コネクタカバー600と中央制御基板カバー45とを抜け止め固定するかしめキャップ、符号611は、中央制御基板カバー45を中央制御基板46に固定する固定ネジを封止するかしめキャップを示している。また、中央制御基板46は、パネル面50の裏面側に固定ネジ80(図5に図示)によってネジ止め固定されるようになっている。
【0042】
以上説明したように本発明によれば、設定変更ボタン469の操作部を、前扉4の裏面側のほぼ左右中心に位置させることにより、設定変更ボタン469への不正なアクセスを困難なものとしたうえで、開閉蓋470の開き方及びヒンジ位置を、前扉4の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き(上ヒンジ)、または下開き(下ヒンジ)にした。これにより、筐体2と前扉4との隙間から針金等が差し込まれても、開閉蓋470は、針金等の差し込み方向とは異なる方向にしか開かないので、開閉蓋470を簡単に開くことはできなくなる。従って、設定変更ボタン469の不正操作を確実に防止することが可能となる。
また、本発明によれば、開閉蓋470は、開閉蓋470のヒンジ結合部に隣あった上枠472a,472bと面一となるので、針金等が開閉蓋470に引っかかりにくくすることができる。これにより、設定変更ボタン469の不正操作をより確実に防止することができるようになる。
【符号の説明】
【0043】
1…スロットマシン(遊技機)
3…スライドヒンジ
4…前扉
45…中央制御基板カバー
451…開口部
46…中央制御基板
469…設定変更ボタン
470…開閉蓋
471…ねじりバネ
472…支持ベース
472a…上枠
472b…下枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前扉の裏面側に設けられた設定変更ボタンの操作部を、開閉蓋によって常時閉じておく遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造において、
前記設定変更ボタンを前記前扉の裏面側のほぼ左右中心に位置させると共に、前記開閉蓋の開き方及びヒンジ位置を、前記前扉の開き方及びヒンジ位置と同様の態様とするか、または上開き、上ヒンジ、または下開き、下ヒンジとしたことを特徴とする遊技機の設定変更ボタンの不正操作防止構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−90979(P2013−90979A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−30508(P2013−30508)
【出願日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【分割の表示】特願2012−30219(P2012−30219)の分割
【原出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】