説明

遊技機用基板ケースとこれを備える遊技機

【課題】かしめピンを用いることなく、ケースを開封不能に封止可能なかしめ構造を実現し、かしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消した遊技機用基板ケースと、これを備える遊技機を提供する。
【解決手段】蓋ケース3と本体ケース4との間に所定のプリント基板(主基板2)を挟んで収容するとともに、開封不能に封止するかしめ構造を備える遊技機用基板ケース1であって、かしめ構造は、所定の固化条件で液体から固体に変化する固化材5と、各ケース3、4に設けられ、ケース閉状態で互に連通するとともに、液体状態の固化材5が充填される連通穴31、41と、を備え、各ケース3、4が、液体から固体に固化した固化材5を介して連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のプリント基板を収容するとともに、開封不能に封止するかしめ構造を備える遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機には、ゲーム性に関与する複数の基板が配設されている。これらの基板には、遊技の結果を左右するとともに、遊技機全体を制御する主要な基板である主基板が含まれている。主基板は、プリント基板上にCPU,ROM,RAM等の種々の電子部品が配置されたコンピュータとして構成されている。このような遊技の結果を左右する主基板は、不正改造の対象となり易く、そのために、当該主基板を透明な二つのケースの間に挟んで収容するとともに、さらに、このケースを開封不能に封止している。
【0003】
基板ケースを封止する構造は、かしめ構造と称され、一般的には、ケース同士を専用のかしめピンで封止することで、開封不能としてある。通常、かしめピンは、ピン挿通穴に対する押し込み操作やねじ込み操作に応じて、一方のケースから他方のケースに亘って挿通されるとともに、ピン先端部が他方のケースに対して脱抜不能に係止されたり、さらに接着されることにより、両ケースを開封不能に封止するようになっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−253811号公報
【特許文献2】特開2007−325720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かしめピンを使用する従来のかしめ構造では、ケース同士を連結するかしめピンを切断・破壊することで、封止状態が解除される。基板ケースは、主基板に対する不正改造を確認するなど合法的な目的で開封する場合もあるため、再封止するための予備のかしめピンを複数備えている。しかしながら、この予備のかしめピンは、基板ケースに予めセットされているため、これを取り外して偽造される場合があった。偽造品が出回ると、再封止が容易にできてしまうことから、不正行為を誘発させるおそれがあった。
【0006】
また、かしめピンは、基板ケースを封止する際に、ピン挿通穴に対して押し込んだり、ねじ込んだりする関係上、その形状は単純な直線形状とせざるを得ない。そのため、カッター等の刃物による切断や、接着等による切断箇所の復元が容易となり、不正開封後、開封の痕跡を隠蔽されるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、かしめピンを用いることなく、ケースを開封不能に封止可能なかしめ構造を実現し、かしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消することができる遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の遊技機用基板ケースは、蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収容するとともに、開封不能に封止するかしめ構造を備える遊技機用基板ケースであって、前記かしめ構造は、所定の固化条件で液体から固体に変化する固化材と、前記各ケースに設けられ、ケース閉状態で互に連通するとともに、液体状態の前記固化材が充填される連通穴と、を備え、前記各ケースが、液体から固体に固化した前記固化材を介して連結される構成としてある。
【0009】
また、本発明の遊技機は、蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収容する基板ケースを備える遊技機であって、前記基板ケースを、上記の遊技機用基板ケースとしてある。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、かしめピンを用いることなく、ケースを開封不能に封止可能なかしめ構造を実現し、かしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る遊技機用基板ケースの概略斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す横断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す縦断面図であり、封止前の状態を示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す縦断面図であり、封止後の状態を示す図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す縦断面図であり、封止前の状態を示す図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る遊技機用基板ケースのかしめ部を示す縦断面図であり、封止後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技機用基板ケースの好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明の遊技機用基板ケースを適用した場合について説明する。
【0013】
[スロットマシン]
図1に示すように、スロットマシン100は、複数のリール110a,110b,100cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
スロットマシン100は、必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体100bと、筐体100bの正面側を開閉可能に覆う前扉100aとで構成されている。
前扉100aは、筐体100bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉100aに各リール110の回転を始動させるスタートレバーや、回転している各リール110を停止させる3つの停止ボタンなどの複数の操作手段が設けられて、スロットマシン100の正面部を構成している。
【0014】
筐体100bの中央には、リール110a,110b,110cと、各リール110を回転可能に支持する図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等が設けられている。
また、筐体100bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置120が設けられる。
筐体100bの上部には、所定のプリント基板が収容された基板ケース1が設けられている。
【0015】
基板ケース1は、本発明の遊技機用基板ケースの一例であり、上記の各操作手段からの信号に基づき、各リール110、メダル払出装置120などの各装置を制御することで、スロットマシン遊技の進行制御を行う、いわゆる主基板2が収容されている。
【0016】
このような構成からなるスロットマシン100は、主基板2により、以下のように制御されてスロットマシン遊技が進行する。
まず、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、主基板2は、各リール110を回転させる制御を行うとともに、ボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんを行い、各停止ボタンが押下操作されたタイミングに基づき、抽せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール110の停止制御を行う。
【0017】
また、主基板2は、各リール110に停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置120に対して所定数のメダルを払い出させる制御を行う。
【0018】
このようなスロットマシン遊技の進行を制御する主基板2は、CPU(中央演算処理装置)、ROM及びRAMなどの記憶手段、I/OインターフェイスなどのIC部品、抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの様々な電子部品が実装された部品実装面と、これらの部品のリード部を半田接合する半田面とからなるプリント基板で構成されている。
主基板2は、例えば、ROMに記憶されているプログラムの内容を書替えたり、実装されている電子部品を異なる電子部品に取り替えたりすることで、スロットマシン100における遊技特性(例えば、出玉率)を容易に変更できるため、不正改造がなされる可能性の高い基板とされている。
【0019】
そこで、本実施形態の基板ケース1は、図2〜図5に示すように、主基板2を蓋ケース3と本体ケース4の間に挟んで収容するとともに、後述する本発明のかしめ構造を用いて蓋ケース3と本体ケース4を開封不能に封止している。
そして、本発明のかしめ構造は、かしめピンを用いることなく、蓋ケース3と本体ケース4を開封不能に封止することにより、従来のかしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消する。
以下、本実施形態の基板ケース1及びかしめ構造について、図2〜図5を参照しつつ説明する。
【0020】
[基板ケース]
基板ケース1は、各図に示すように、矩形状のケース構造を有し、主基板2の部品実装面側を覆う蓋ケース3と、半田面側を覆う本体ケース4を備えている。
本実施形態では、主基板2は蓋ケース3に所定のネジにより螺着されて収容されるようになっている。
蓋ケース3と本体ケース4は、部品実装面と半田面を外部から視認可能、かつ、容易に破壊できないように、無色透明な工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
また、基板ケース1は、蓋ケース3と本体ケース4とを開閉可能に支持するヒンジを備えている。このヒンジは、ケース閉状態において、蓋ケース3と本体ケース4とを軸止し、ヒンジ側からケースを開放することができないように構成してある。
なお、基板ケース1は、本体ケース4側が筐体100b奥に面するとともに、蓋ケース3側が筐体100bの正面側開口を向くように、すなわち、部品実装面が正面から見えるよう、筐体100bに配置されている。
【0021】
また、基板ケース1は、蓋ケース3と本体ケース4とを開封不能に封止するかしめ構造を備えている。
具体的には、図2〜図5に示すように、蓋ケース3と本体ケース4に、各ケース外縁(ヒンジと反対側)から突出するかしめ部30、40をそれぞれ設けるとともに、このかしめ部30、40にかしめ構造が構成される。
また、本実施形態では、一方のケース(例えば、蓋ケース3)とかしめ部(かしめ部30)との接合部(例えば、接合部3a)を、所定の切断工具で切断可能に形成し、この接合部を切断することで蓋ケース3と本体ケース4とを開封可能としている。これは、主基板2に対する不正改造を確認するなど合法的な目的で基板ケース1を開封する場合に対応するためのもので、接合部の切断跡を開封の痕跡として残すことにより、不正開封の抑止効果も得られる。
なお、かしめ部30、40は、合法的な開封後、再封止を行うために、基板ケース1に複数組形成されている。
【0022】
本発明のかしめ構造は、図3〜図5に示すように、所定の固化条件で液体から固体に変化する固化材5と、各ケース3、4に設けられ、ケース閉状態で互に連通するとともに、液体状態の固化材5が充填される連通穴31、41とを備えており、各ケース3、4が、液体から固体に固化した固化材5を介して連結されることにより、開封不能に封止されるようになっている。
このようなかしめ構造によれば、かしめピンを用いることなく、基板ケース1を開封不能に封止できるので、かしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消することが可能になる。
【0023】
例えば、かしめピンを用いるかしめ構造では、かしめピンを切断・破壊して基板ケース1を開封した後、偽造されたかしめピンで再封止することにより、開封の痕跡を残すことなく、不正に基板ケース1を開封することが可能であるが、本発明のかしめ構造では、連通穴31、41内で固化した固化材5を仮に切断・破壊して基板ケース1を開封したとしても、切断・破壊した固化材5の除去や復元が困難であるため、開封の痕跡を確実に残すことができる。
【0024】
また、かしめピンは、基板ケース1を封止する際に、ピン挿通穴に対して押し込んだり、ねじ込んだりする関係上、その形状は単純な直線形状とせざるを得ず、カッター等の刃物による切断や、接着等による切断箇所の復元が容易となってしまうが、従来のかしめピンに相当する本発明の固化材5は、液体状態で連通穴31、41に充填し、連通穴31、41内で固化されるので、その形状を容易に複雑化することができ、その結果、固化材5の切断や復元を困難にし、不正開封の抑止効果をさらに高めることができる。
例えば、本実施形態の連通穴31、41は、図3、図4に示すように、複数の穴に分岐することにより、形状が複雑化されている。このようにすると、形状の複雑化により、固化材5の切断や復元が困難になるだけでなく、固化材5の目視確認が容易になるという利点がある。
なお、本実施形態の連通穴31、41は、基板ケース1の開閉方向に対して直交方向を向いており、固化した固化材5の剪断応力で基板ケース1の閉状態を維持するが、連通穴31、41を、基板ケース1の開閉方向に沿わせ、固化した固化材5の引張応力で基板ケース1の閉状態を維持するようにしてもよい(第二実施形態)。
【0025】
また、各図に示すように、蓋ケース3側の連通穴31や、本体ケース4側の連通穴41には、固化した固化材5を抜け止めする抜け止め部を形成することができる。例えば、本実施形態の抜け止め部は、連通穴31、41の穴径を部分的に大きくした液溜まり部32、42からなる。
このようにすると、固化した固化材5が確実に抜け止めされるので、固化材5の抜けを利用した不正開封などを防止することができる。
なお、抜止め部は、連通穴31、41を部分的に折曲させた折曲部としてもよい。
【0026】
固化材5としては、空気に触れることにより固化する1液式固化材や、2種類の液体を混合することにより固化する2液式固化材を用いることができる。
本実施形態では、液体状態を保ちやすく、2種類の液体の混合により確実に固化する2液式固化材を用いる。
また、2液式固化材は、2種類の液体を予め着色するなどの方法により、混合時に色を変化させることができるので、封止されているか否かの目視確認が容易になるという利点もある。
2液式固化材としては、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を挙げることができ、接着力や固体強度に応じて任意に選択することができる。
また、エポキシ樹脂は、経年や紫外線の照射により黄変する特性があるので、封止からの経過時間を色で推測できるという利点がある。
【0027】
2液式固化材を用いる場合は、2種類の液体A,Bを、連通穴31、41に通じる固化材収容部33に分離状態で収容しておき、封止に際して所定の混合治具で2種類の液体A,Bを混合し、連通穴31、41に押し出して充填する必要がある。
そこで、本実施形態では、図4及び図5に示すように、混合治具としてネジ6を用いるとともに、固化材収容部33に、内周に雌ねじが形成された丸穴とし、ここにネジ6をねじ込むように構成してある。
これにより、ネジ6の回転力を利用して液体A,Bが混合されるため、効率良く混合できるだけでなく、混合された固化材5を少ない操作力で連通穴31、41に押し出すことができる。
また、本実施形態では、液体A,Bをそれぞれカプセル化するとともに、固化材収容部33に交互に積層し、これらを先端が尖ったネジ6で押し潰すことにより、液体A,Bを混合させるようにしてある。これにより、液体A,Bが均一に混合される。
【0028】
以上のように構成された遊技機用基板ケース1によれば、蓋ケース3と本体ケース4が、液体から固体に固化した固化材5を介して連結されるので、かしめピンを用いることなく、基板ケース1を開封不能に封止でき、その結果、かしめピンを用いるかしめ構造の問題点を解消することができる。
【0029】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る遊技機用基板ケース1Bについて、図6〜図8を参照して説明する。ただし、前記実施形態と概念的に共通の部分については、前記実施形態と同じ符号を付けることにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0030】
図6〜図8に示すように、本発明の第二実施形態に係る遊技機用基板ケース1Bは、蓋ケース3側の連通穴31、及び/又は、本体ケース4側の連通穴41を、切断可能な管状の接合部(例えば、接合部34)内に形成し、該接合部を切断することにより、固化材5を介したケース3、4同士の連結を解除可能とした点が前記実施形態と相違している。
例えば、図7、図8に示すように、蓋ケース3側に突設した管状の接合部34の先端部を形成し、ケース閉状態で本体ケース4側の凹部43に嵌合させるとともに、接合部34内の連通穴31を本体ケース4側の連通穴41に連通させるように構成する。
【0031】
そして、第一実施形態と同様、2種類の液体A,Bを、連通穴31、41に通じる固化材収容部33に分離状態で収容しておき(図7参照)、ネジ6の回転力を利用して液体A,Bを連通穴31、41に押し出し、液体状態の固化材5を充填する(図8参照)。その結果、蓋ケース3と本体ケース4が、液体から固体に固化した固化材5を介して連結される。
本実施形態では、連通穴31、41を、基板ケース1の開閉方向に沿わせているが、連通穴31、41の穴径を部分的に大きくした液溜まり部32、42が抜け止めとなるため、固化した固化材5の引張応力で基板ケース1の閉状態を維持できる。
【0032】
以上のように構成された第二実施形態によれば、第一実施形態の接合部3aに相当する部分が不要になるだけでなく、連通穴31に充填された固化材5の目視確認が容易になり、しかも、開封に際しては、接合部34及び固化材5の切断が必要になるので、復元を困難にし、開封の痕跡を確実に残すことができる。
【0033】
以上、本発明の遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機について、実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、連通穴の形状は、前記実施形態よりも複雑な毛細管状とするなど、任意の変更を加えることができる。
また、連通穴の形状を文字や数字とし、これらの文字や数字で機種を判別するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、複数形成したすべての連通穴に対して固化材を充填しているが、予め設定される充填パターンに従い、選択した連通穴にのみ固化材を充填させるようにしてもよく、この場合には、パターンを知らない者による不正な封止を抑止する効果が得られる。
また、固化材を連通穴に充填する際、固化材にICチップ(IDによる偽造判定が可能)やセキュリティ部品(個数による偽造判定が可能)を混入してもよい。
また、固化材収容部を2室に分けるとともに、各固化材収容部にA液と、B液を別々に収容し、連通穴に充填する際に合流路で混合させるようにしてもよい。
また、固化材の充填に際し、固化材の充填量を調整して、固化材と連通穴内面との間に隙間が形成されるように充填してもよい。これにより、充填量によって固化材の形状を任意な形に変更できるため、複製をさらに困難にすることができるとともに、固化材の空気に触れる面積が増加し、固化を速めることができる。
また、充填時に連通穴内で圧縮される空気を逃がす抜け孔を連通穴の下流側に形成することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、所定のプリント基板を収容する基板ケースと、これを備えるパチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球などの遊技機に適用される。
【符号の説明】
【0035】
1 遊技機用基板ケース
2 主基板
3 蓋ケース
3a 接合部
4 本体ケース
5 固化材
6 ネジ
30 かしめ部
31 連通穴
32 液溜まり部
33 固化材収容部
34 接合部
41 連通穴
42 液溜まり部
43 凹部
100 スロットマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収容するとともに、開封不能に封止するかしめ構造を備える遊技機用基板ケースであって、
前記かしめ構造は、
所定の固化条件で液体から固体に変化する固化材と、
前記各ケースに設けられ、ケース閉状態で互に連通するとともに、液体状態の前記固化材が充填される連通穴と、を備え、
前記各ケースが、液体から固体に固化した前記固化材を介して連結されることを特徴とする遊技機用基板ケース。
【請求項2】
前記蓋ケース側の連通穴、及び/又は、前記本体ケース側の連通穴に、固化した前記固化材を抜け止めする抜け止め部を形成した請求項1記載の遊技機用基板ケース。
【請求項3】
前記抜け止め部は、前記連通穴の穴径を部分的に大きくした液溜まり部、又は、前記連通穴を部分的に折曲させた折曲部からなる請求項2記載の遊技機用基板ケース。
【請求項4】
前記連通穴は、複数の穴に分岐される請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機用基板ケース。
【請求項5】
前記蓋ケース側の連通穴、及び/又は、前記本体ケース側の連通穴を、切断可能な管状の接合部内に形成し、該接合部を切断することにより、前記固化材を介した前記ケース同士の連結を解除可能とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機用基板ケース。
【請求項6】
前記固化材は、2種類の液体を混合することにより固化する2液式固化材である請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機用基板ケース。
【請求項7】
前記2種類の液体は、前記連通穴に通じる固化材収容部に分離状態で収容され、前記固化材収容部に対するネジのねじ込み操作に応じて、混合されながら前記連通穴に押し出し状に充填される請求項6記載の遊技機用基板ケース。
【請求項8】
前記2種類の液体は、混合により色が変化する請求項6又は7記載の遊技機用基板ケース。
【請求項9】
前記固化材は、色が経年変化する請求項1〜8のいずれか一項に記載の遊技機用基板ケース。
【請求項10】
蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収容する基板ケースを備える遊技機であって、
前記基板ケースは、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遊技機用基板ケースであることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−87854(P2011−87854A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245647(P2009−245647)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】