説明

遊技機

【課題】 従来とは異なる趣をもったタイピングゲームを行う遊技機を提供すること。
【解決手段】 タイピングゲームの実行中において、入力されたキー2001の文字とディスプレイの文字とが一致すると判定する場合には、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯させ、これにより、入力されたキー2001のキートップ2401を一時的に青色にする。一方、入力されたキー2001の文字とディスプレイの文字とが一致しないと判定する場合には、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に赤色に点灯させ、これにより、入力されたキー2001のキートップ2401を一時的に赤色にする。従って、遊技者は、押下操作直後のキー2001のキートップ2401の色を介して、キー2001の押下操作が正しいか誤りかをキーボード3上で確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイピングゲームが行われる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの使用頻度が増大しているが、かかるコンピュータへの入力は、文字・数字・記号などの入力情報が付されたキートップを配列したキーボードからキー入力するのが一般的である。もっとも、初心者にとって、入力情報が付されたキートップの配列は覚えづらいため、キー入力をスムーズにするには、ある程度の練習が必要とされている。また、キー入力をある程度習得しているユーザであっても、キー入力の入力時間をより短縮させるためには練習が必要であり、かかる練習はユーザにとって困難なことが多い。そこで、タイピングの練習を補助する観点から、これまでに、様々に工夫されたタイピングゲームが提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載されたタイピングゲーム装置では、ディプレイ画面を通して出題された問題を解きながらその解答をキーボード上でキー入力するので、楽しみながらタイピングの練習を行うことができる。
【特許文献1】特開2003−62331号公報
【0004】
一方、タイピングゲームで必要不可欠なキーボードにおいては、文字・数字・記号などの入力情報がキートップに付されているが、その入力情報をわかりやすくするために、立体表示したり、発光表示させたりしているものがある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【特許文献2】特開2002−23924号公報
【特許文献3】登録実用新案第3101665号公報
【0005】
さらには、全透明又は半透明の状態にあるキートップを透光させることによって、押下操作が必要なキートップの位置を強調表示させるものもある(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献4】登録実用新案第3082585号公報
【0006】
従って、それらのキーボードのいずれかをタイピングゲームで使用すれば、キートップに付された入力情報が立体表示・発光表示・強調表示され、その入力情報である文字・数字・記号などの位置が認識しやすくなるので、タイピングゲームの目的の一つであるタイピング練習の補助を確保することができ、さらに、その結果、従来のタイピングゲームとは異なる趣をもったタイピングゲームを提供することもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、タイピングゲームの目的の一つであるタイピング練習の補助を確保するという立場からは、コンピュータへの入力という現実を重視する傾向にあり、さらに、現実的な立場に立てば、多くの遊技者がキーボードを見ながらキー入力を行っているにもかかわらず、キー入力の正誤を表示する特殊なキーボードを使用して練習することは想定外のため、逆に、キー入力の正誤をキーボード上で表示して、その結果、従来のタイピングゲームとは異なる趣をもったタイピングゲームを提供しようとする発想に乏しかった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、従来とは異なる趣をもったタイピングゲームを行う遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、入力情報を画面表示する表示装置(例えば、ディスプレイ4)と、前記表示装置(例えば、ディスプレイ4)に画面表示された入力情報に合わせてキー入力が行われるキーボード(例えば、キーボード3)と、前記キーボード(例えば、キーボード3)でキー入力されたキー情報(キー情報2402)と前記表示装置(例えば、ディスプレイ4)に画面表示された入力情報(入力情報43)とが一致するか否かを判定する入力判定手段(例えば、CPU21)と、を有し、前記キーボード(例えば、キーボード3)は、キー情報が付された透光性のキートップ(例えば、キートップ2401)と、前記キートップ(例えば、キートップ2401)に覆設された発光素子(例えば、発光ダイオード2302,2303)と、を備える遊技機(例えば、PC10)であって、前記入力判定手段(例えば、CPU21)の判定結果に反映させながら前記発光素子(例えば、発光ダイオード2302,2303)を異なる色彩で点灯又は消灯させる第1キー情報表示手段(例えば、CPU21)を備えたこと、を特徴としている。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、PC10)であって、前記キートップ(例えば、キートップ2401)に付されたキー情報の前記キートップ(例えば、キートップ2401)に対する色彩の同化現象を前記発光素子(例えば、発光ダイオード2302,2303)の点灯又は消灯により発生させる第2キー情報表示手段(例えば、CPU21)を備えたこと、を特徴としている。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載する遊技機(例えば、PC10)であって、前記第1キー情報表示手段(例えば、CPU21)を実行するか否かの設定を行う設定手段(例えば、CPU21)を備えたこと、を特徴としている。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する遊技機(例えば、PC10)であって、前記表示装置(例えば、ディスプレイ4)に画面表示された入力情報に関連させながら音声情報を出力する出力装置(例えば、ヘッドフォン6)を備えたこと、を特徴としている。
【0013】
尚、第1キー情報表示手段や第2キー情報表示はキーボードに備えたものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
すなわち、本発明の遊技機は、キーボードでキー入力されたキー情報と表示装置に画面表示された入力情報とが一致するか否かを判定することから、タイピングゲームを行うものであるが、このとき、その判定結果に反映させながら発光素子を異なる色彩で点灯又は消灯させ、その判定結果をキーボード上で確認することができるので、従来とは異なる趣をもったタイピングゲームを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
本実施の形態において、タイピング練習システム1は、遊技者が、キーボードを見ずにキー入力をスムーズに行えるように(以下、「ブラインドタッチ」という)練習するためのタイピングゲームを行うものであり、図1に示すように、サーバ5と、サーバ5に接続されたPC(Personal Computer)10(端末装置)とを備えている。
【0017】
まず、タイピング練習システム1で行うタイピングゲームについて説明する。タイピングゲームは、ヘッドフォン6から流れる楽曲を聞きながら、画面表示される、その楽曲の歌詞をタイピングしていくゲームである。ここで、タイピングとは、画面表示される文字に対応するキーボード3のキーを入力することである。図3に示すように、後述のディスプレイ4の左部分には、文字入力画面41が表示され、楽曲の歌詞が複数に区切られた1フレーズである文字列(歌詞データ)が文字入力画面41の画面上部から現れ、下部に向かって移動する。後に詳述するが、文字列は、1以上の文字種の文字から構成されているが、文字入力画面41に画面表示される際には、図3に示すように、選択した文字種に変換された文字列、即ち、全て同じ文字種から構成された文字列が表示される。
【0018】
文字入力画面41の下方には、タイミングライン41aが設けられており、遊技者は、文字列が画面上部から現れてから下部に向かって移動し、タイミングライン41aを越えるまでの所定の時間内に、画面表示された文字列を構成する各文字に合わせてキーボード3からその文字に対応するキーを入力する。また、文字入力画面41の右側には、映像画面42が表示され、プレイ中の楽曲に関する映像、例えば、プレイ中の楽曲のプロモーションビデオなどが表示される。さらに、映像画面42の下方には、プレイ中の楽曲のアーティスト名、楽曲名、及びゲームスコアなどが表示される。ここで、ゲームスコアとは、遊技者が行ったタイピングの結果に基づいて点数が決定される、遊技者のタイピング技量の指標である。
【0019】
PC10は、本体2、キーボード3、ディスプレイ4、及びヘッドフォン6を有している。ディスプレイ4は、本体2からの表示制御信号に基づいて、上記のタイピングゲーム画面や後述する図4の楽曲入力画面などを表示する表示装置である。また、キーボード3は、「A〜Z」、「あ〜ん」、「0〜9」、ピリオド、コンマ、決定キーなどのキーが複数配列された、文字、記号、数字などに対応したキーを入力するための手段であり、また、楽曲名や文字種などを入力したり選択したりする手段でもある。
【0020】
ここで、キーボード3の構成について説明する。図14は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。また、図15は、キーボードのブロック図である。
【0021】
図14に示すように、キー2001は、ベース板2101と、スイッチ回路板2201、発光回路板2301、キートップ2401、付勢機構2501,2502などから構成されている。
【0022】
この点、ベース板2101の上に敷設されているスイッチ回路板2201には、キートップ2401の中央付近の真下に配置される一対の電極2202,2203が設けられている。
また、スイッチ回路板2201の上に敷設されている発光回路板2301には、上記一対の電極2202,2203を露出させるための開口部2305が設けられており、その開口部2305の周囲には、フルカラーで点灯させることができる発光ダイオード2302,2303が設けられている。
【0023】
また、発光回路板2301とキートップ2401の間には、付勢機構2501,2502が設けられており、その付勢機構2501,2502によって、スイッチ回路板2201の反対側にキートップ2401を付勢させている。さらに、キートップ2401の中央付近には、スイッチ回路板2201の側へ電極2403が突設されている。従って、キートップ2401を押下操作すれば、キートップ2401に突設された電極2403をスイッチ回路板2201に設けられた一対の電極2202,2203に接触させることができるので、キートップ2401が押下操作されたことを、スイッチ回路板2201に流れる電気信号として伝えることができる。よって、これらの3つの電極2202,2203,2403は、キースイッチ2011を構成している。
尚、付勢機構2501,2502は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0024】
また、キートップ2401は、透光させることができるものでできており(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)、スイッチ回路板2201の反対側の平面部には、文字・数字・記号などのキー情報2402が印刷されている。この点、そのキー情報2402は黒色で印刷されているが、さらに、発光回路板2301のキートップ2401側の表面2304も、黒色に印刷されている。従って、発光ダイオード2302,2303が消灯中においては、透光性のキートップ2401は、発光回路板2301の表面2304の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなる。ただし、発光ダイオード2302,2303が点灯中においては、透光性のキートップ2401は、発光ダイオード2302,2303が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402は認識しやすくなる。
【0025】
そして、図15に示すように、キーボード3においては、キー2001内のキースイッチ2011が発信回路3003に接続されている。さらに、発信回路3003は、キーボード3側のインターフェースユニット(以下、I/Oと称す)3001を介して、本体2
に接続されている。従って、この発信回路3003を介して、押下操作されたキー2001のキースイッチ2011からの電気信号を本体2に送信することで、押下操作されたキー2001を本体2で特定することができる。尚、発信回路3003は、上記スイッチ回路板2201に搭載されている。
【0026】
また、図15に示すように、キーボード3においては、キー2001内の発光ダイオード2302,2303が発光回路3002に接続されている。さらに、発光回路3002は、キーボード3側のI/O3001を介して、本体2に接続されている。従って、この
発光回路3002を介して、本体2から特定されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を本体2から特定された色で点灯させることができる。尚、発光回路3002は、上記発光回路板2301に搭載される。
【0027】
尚、図14及び図15では、キー2001は一つしか記載されていないが、キーボード3に配列されたその他のキー2001についても同様な構成・機能を有する。
【0028】
図1に戻り、ヘッドフォン6は、遊技者が楽曲を聞くための出力装置である。遊技者は、ヘッドフォン6から流れる楽曲を聞きながら、ディスプレイ4に画面表示される文字列に基づいて、キーボード3からキー入力をすることで、ブラインドタッチの練習を行うことができる。尚、ヘッドフォン6は、スピーカなどであってもよい。
【0029】
本体2は、OS(operating System)が組み込まれた制御装置であり、キーボード3、ディスプレイ4、及びヘッドフォン6などが接続されている。また、本体2は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21と、本体2側のI/O22と、RO
M(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、通信手段25と、フラッシュメモリ26とを含んでいる。
【0030】
CPU21は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。本体2側のI/O22は、モジュールとして分離されたキーボード3、ディスプレイ4、及びヘ
ッドフォン6などとCPU21とを直接的、間接的に電気的接続する技続部である。ROM23は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。RAM24は、CPU21がプログラムを実行する際に使用するデータの一時記憶用の揮発性の読出し又は書き込みメモリであり、フラッシュメモリ26に格納されている楽曲データ(音楽データ、歌詞データ、映像データ)を一時的に記憶する。
【0031】
通信手段25は、コンピュータ通信で、コンピュータが送り出す信号を電話回線やLANケーブルなどで送れる形の信号に変え、一方送られて来た信号をコンピュータが読み取れる形の信号にもどす装置であり、サーバ5と無線又は有線により接続している。フラッシュメモリ26は、何度でも電気的に記憶の消去、書き込みができるメモリであり、サーバ5から受信する楽曲データを記憶する。サーバ5から受信する楽曲データをフラッシュメモリ26に記憶することで、PC10の電源を切った後、再度同じ楽曲でタイピング練習したい場合でもデータが消去することがないため、再度サーバ5から同じ楽曲データを受信する手間を省くことができる場合がある。
【0032】
ここで、後述のフローチャートを動作させるROM23の各機能について詳述する。ROM23は、初期設定部231と、文字変換部232と、表示部233と、正誤判定部234と、時間判定部235と、得点決定部236と、表示照明部1001とを有している。
【0033】
初期設定部231は、楽曲選択部231a、文字種選択部231b及び上書選択部231cを有しており、ゲーム開始時において、そのゲームの内容(楽曲、文字種など)を設定する。楽曲選択部231aは、遊技者に楽曲名を選択させ、遊技者が選択した楽曲名に対応する各データをサーバから受信し、各データをRAM24やフラッシュメモリ26に格納する。より具体的には、ディスプレイ4に、図4に示す楽曲入力画面を表示する。楽曲入力画面には、アーティストの名前を入力するアーティスト名入力欄と、アーティスト名と対応する楽曲名を入力する楽曲名入力欄とから構成されており、各欄にキーボード3から入力する。そして、遊技者が、楽曲入力画面の各欄に入力すると、入力内容に基づいて楽曲要求信号をサーバ5に送信する。その後、対応する映像データ、音楽データ、及び歌詞データをサーバ5から受信し、RAM24やフラッシュメモリ26に格納する。尚、歌詞データは、RAM24に記憶される場合、複数のフレーズに区分され、フレーズ毎に格納される。
【0034】
文字種選択部231bは、遊技者に文字種を選択させて、選択した文字種をRAM24に格納する。ここで、文字種とは、「平仮名」及び「アルファベット」をいう。一般的なキーボード3からの入力方法として、「あ〜ん」のキー2001により入力する「仮名打ち入力」、「A〜Z」のキー2001により入力する「ローマ字打ち入力」の2つのがあり、遊技者は、遊技者の入力方法に応じて文字種を選択することにより、遊技者にあったタイピング練習を行うことができる。例えば、遊技者が、「ローマ字打ち」で入力する場合、文字種に「アルファベット」を選択すると、表示される文字列は、後述の文字変換部232により、アルファベット(ローマ字)に変換されて表示されるため、画面表示された文字をそのままタイピングすれば良くなり、スムーズにタイピング練習を行うことができる。
【0035】
上書選択部231cは、サーバ5から受信した楽曲データをフラッシュメモリ26に記憶する場合に、上書き(書換え)して記憶するか否かを選択する。具体的には、サーバ5から受信した楽曲データをフラッシュメモリ26に記憶する場合に、前回までのゲームにおいてフラッシュメモリ26に記憶した楽曲データを消去してフラッシュメモリ26に記憶するか、又は、フラッシュメモリ26に記憶されている楽曲データは消去せず、フラッシュメモリ26内の別の領域に新たにサーバ5から受信した楽曲データを記憶するのかを選択する。
【0036】
文字変換部232は、RAM24に格納された文字列(歌詞の1フレーズ)を、文字種選択部231bで選択された文字種に変換して、再びRAM24に格納する。例えば、「青い空」という文字列を表示する場合、文字種に「平仮名」が選択されている場合には、この文字列を「あおいそら」に変換して表示し、文字種に「アルファベット」が選択されている場合には、「AOISORA」に変換してRAM24に格納する。
【0037】
表示部233は、ディスプレイ4に、上述した図3のタイピングゲーム画面や、ゲーム開始時において遊技者が楽曲を入力する図4の楽曲入力画面、ゲーム開始時において遊技者がキー表示を選択する図13のキー表示選択画面などを表示する。また、表示部233は、図3のタイピングゲーム画面において、映像画面42に、RAM24に格納している映像データを表示し、文字入力画面41に、文字変換部232により変換され、RAM24に格納された文字列を表示する。尚、表示部233は、文字変換部232による変換前の文字列と、変換後の文字列を同時に表示するようにしてもよい。この場合、画面表示される文字列の難易度に応じて、変換前の文字列を見てタイピングするか、又は変換後の文字列を見てタイピングするかを遊技者が選択することができる場合がある。また、画面表示される文字列は、ヘッドフォン6から流れる楽曲に同期して、表示されることが好ましい。これにより、遊技者は、楽曲のリズムに乗りながらタイピング練習ができる。
【0038】
さらに、表示部233は、後述する正誤判定部234が入力されたキー2001とディスプレイ4に表示された文字に対応するキー2001とが一致すると判定した場合に、一致と判定された文字の背景色を変更する(図3参照)。これにより、遊技者は、画面表示されている文字列において、どの文字までキー入力が成功しているかを認識することができ、次の文字に対して行うキー入力が行いやすくなる。
【0039】
正誤判定部234は、ディスプレイ4に表示された文字列を構成する各文字に対応する入力情報43と、キーボード3から入力されたキー2001との一致又は不一致を判定して、文字列全体に対するキー入力が成功したか否かを判定する。また、正誤判定部234は、後述の時間判定部235により、所定時間を経過したと判定された場合にも、ディスプレイ4に表示された文字列に対するキー入力は失敗であると判定する。
【0040】
時間判定部235は、文字列がディスプレイ4に表示されてから所定時間を経過したか否かを判定する。即ち、文字入力画面41の上部に現れた文字列が、下部に向かって移動し、タイミングライン41aを越えたか否かを判定する。
【0041】
得点決定部236は、正誤判定部234における判定結果に基づいて、遊技者のゲームスコアを決定する。例えば、ゲーム開始時に、RAM24に開始スコアとして10000点を記憶しておき、正誤判定部234において文字列に対するキー入力が失敗と判定されると100点づつ減点し、ディスプレイ4に表示する。
【0042】
表示照明部1001は、キー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させるか否かを設定する。さらに、キー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させると設定した際には、どのキー2001内の発光ダイオード2302,2303をどのタイミングで且つどの色で点灯させるかを指示する。
【0043】
具体的には、図13のキー表示選択画面において、遊技者が上級者モードを選択すれば、ゲーム中は全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を消灯する上級者モードに設定される。この場合には、上述したように、透光性のキートップ2401は、発光回路板2301の表面2304の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなり、遊技者には、キーボード3が図18に示すように見える。
【0044】
また、図13のキー表示選択画面において、遊技者がノーマルモードを選択すれば、ゲーム中は全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を白色で点灯させるノーマルモードに設定される。この場合には、上述したように、透光性のキートップ2401は、発光ダイオード2302,2303が点灯する白色に映るので、その白色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402は認識しやすくなり、遊技者には、キーボード3が図16に示すように見える。
【0045】
また、図13のキー表示選択画面において、遊技者がサポートモードを選択すれば、上記ノーマルモードと同様にして、ゲーム中は全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を白色で点灯させ、さらに、ディスプレイ4に表示された1フレーズを表す文字に該当するキー2001については、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示されている限り、そのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を白色から緑色に変更して点灯させるサポートモードに設定される。通常、この場合には、上述したように、透光性のキートップ2401は、発光ダイオード2302,2303が点灯する白色に映るので、その白色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402は認識しやすくなり、遊技者には、キーボード3が図16に示すように見える。但し、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示された1フレーズを表す文字に該当するキー2001については、その透光性のキートップ2401は、発光ダイオード2302,2303が点灯する緑色に映るので、その他のキートップ2401が白色に映る中で、その緑色に映ったキートップ2401を認識しやすくなる。例えば、説明の便宜上、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示された1フレーズを表す文字が「の」だけである場合に、「仮名打ち入力」に設定されているときは、「の」に該当するキー2001のキートップ2401が緑色に映る一方、その他のキー2001のキートップ2401は白色に映るので、遊技者には、キーボード3が図17に示すように見え、「の」に該当するキー2001の位置をキートップ2401の色で識別することができる。これにより、遊技者に対して、現時点でどのキー2001を押下操作すればよいかをナビゲートすることができる。
【0046】
さらに、ノーマルモード・上級者モード・サポートモードのいずれであっても、入力されたキー2001とディスプレイ4に表示された文字に対応するキー2001とが一致すると正誤判定部234が判定した場合には、当該キー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯させ、これにより、当該キー2001のキートップ2401を一時的に青色にする。一方、入力されたキー2001とディスプレイ4に表示された文字に対応するキー2001とが一致しないと正誤判定部234が判定した場合に、当該キー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に赤色に点灯させ、これにより、当該キー2001のキートップ2401を一時的に赤色にする。
これにより、遊技者に対して、押下操作したキー2001のキートップ2401の色で、キー2001の押下操作が正しいか誤りかを知らせることができる。
【0047】
上記のように構成されたPC10とデータ通信可能に接続しているサーバ5は、楽曲データを記憶する記憶領域51、PC10とデータ通信可能に接続する通信手段52、その他、PC10からの要求信号に基づいて、記憶領域51に記憶されている楽曲データを抽出し、通信手段52を介してPC10に送信させるためのプログラムなどを格納したROMやCPU(図示せず)などを備えている。記憶領域51は、音楽データベース501、映像データベース502及び歌詞データベース503を有している。音楽データベース501には、ヘッドフォン6から楽曲を流すための音楽データが格納されており、映像データベース502には、ゲーム画面の映像画面42に映し出す、例えば、楽曲のプロモーションビデオなどの映像データが格納されており、歌詞データベース503には、楽曲の歌詞に対応する歌詞データが格納されている。サーバ5のCPUは、各データベースから、受信した楽曲要求信号に対応する、音楽データ、映像データ、及び歌詞データを抽出し、要求したPC10に送信する。
【0048】
尚、各データは、アーティスト名毎に分類して記憶されており、上述の楽曲入力画面で入力されたアーティスト名に基づいて、より早く楽曲データをPC10に送信することができる。また、楽曲データをサーバ5に記憶することで、PC10に、予め楽曲データを記憶しておく必要がなく、サーバ5のデータベースを更新するだけで、接続しているPC10は、常に、最新の楽曲でタイピング練習を行うことができる。さらに、サーバ5に複数台のPC10が接続されている場合には、各PC10は、楽曲データを共有することができるため、サーバ5の楽曲データを更新すれば、各PC10の遊技者は、より早く最新の楽曲データを入手することができる。
【0049】
次に、タイピング練習システム1における端末の動作について図5〜図8を参照しつつ説明する。
【0050】
初めに、PC10において、CPU21が、プレイ開始時の初期化を行う(ステップ[以下、Sと表記する]1)。具体的には、RAM24の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行い、続いてゲーム終了時のRAM24の所定の記憶内容を消去する。即ち、前回のゲームに使用されたRAM24の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM24の書き込みエリアへの次回のゲームに必要なパラメータの書き込み、例えば、ゲームの得点「10000」点の書き込み、次回のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定、ディスプレイ4にタイピングゲーム画面の表示等を行う。
【0051】
次に、サーバ5との通信を確立する(S2)。このとき、サーバ5と通信できない場合は、ディスプレイ4に異常である内容を表示するようにしてもよい。サーバ5と通信が確立すると、楽曲を選択する(S3)。即ち、図6に示す楽曲選択ルーチンを実行し、ディスプレイ4に、図4に示す楽曲入力画面を表示する(S201)。次に、楽曲入力画面にアーティスト名及び楽曲名が入力されたか否かを判定する(S202)。アーティスト名及び楽曲名が入力されていない場合(S202:NO)、入力されていない状態で所定時間経過したか否かを判定する(S203)。
【0052】
所定時間経過していない場合(S203:NO)、再びS202に戻る。所定時間経過した場合(S203:YES)、PC10は、乱数を発生させ、この乱数に基づいてランダムに楽曲名を選択する(S204)。具体的には、ROM23には、予め所定の楽曲名が記憶されたテーブルが格納されており、発生した乱数に基づいて、所定の楽曲名の中からランダムに選択される。そして、サーバ5から楽曲データを受信し、フラッシュメモリ26に記憶する際に、上書きするか否かの設定をする(S205)。
【0053】
また、S202において、アーティスト名及び楽曲名が入力されている場合(S202:YES)、サーバ5から楽曲データを受信し、フラッシュメモリ26に記憶する際に、上書きするか否かの設定をする(S205)。その後、S202で入力された楽曲名、又はS204でコンピュータがランダムに選択した楽曲名に基づいて、楽曲要求信号をサーバ5に送信する(S206)。サーバ5は、各データベースから、受信した楽曲要求信号に対応する音楽データ、映像データ及び歌詞データを抽出し、PC10に送信する。そして、サーバ5から送信された音楽データ、映像データ、及び歌詞データを受信する(S207)。尚、このステップにおいて、楽曲入力画面に入力されたアーティスト名と楽曲名とが対応していない場合や、楽曲入力画面に入力された内容に対応する楽曲データがサーバ5に存在しない場合に警告画面などを表示するようにしてもよい。
【0054】
次に、S205での設定が、上書き設定の場合(S208:YES)、フラッシュメモリ26の楽曲データを消去する(S209)。即ち、前回までのゲームにおいてサーバ5から受信し、フラッシュメモリ26に格納している楽曲データを消去する。その後、受信した新たな楽曲データをフラッシュメモリ26に格納する(S210)。その後、フラッシュメモリ26に格納した楽曲データを、RAM24に記憶する(S211)。このとき、歌詞データは、複数のフレーズに区分され、フレーズ毎に格納される。また、上書き設定でない場合(S208:NO)、フラッシュメモリ26において、前回までのゲームにおいてサーバ5から楽曲データを受信し、格納している領域とは別の領域に受信した新たな楽曲データを格納し(S210)、フラッシュメモリ26に格納した楽曲データを、RAM24に記憶する(S211)。その後、本ルーチンを終了する。
【0055】
次に、文字種を選択する(S4)。具体的には、遊技者がタイピング練習したい文字種、例えば、「平仮名」を練習したい場合には、「平仮名」を選択する。尚、選択された文字種は、設定値としてRAM24に格納される。
【0056】
次に、上記までに設定した値に基づいて、タイピングゲームをプレイする(S5)。即ち、図7に示す、タイピングゲームルーチンを実行し、楽曲の映像をディスプレイ4に表示する(S301)。具体的には、遊技者のPC10に、図3に示すタイピングゲーム画面を表示し、図6のS210において、サーバ5から受信し、RAM24に格納した映像データを映像画面42に表示する。また、同時に、受信した音楽データをヘッドフォン6から流す。次に、文字列、つまり、歌詞の1フレーズを表示する(S302)。
【0057】
即ち、図8に示すフレーズ表示ルーチンを実行し、RAM24に格納されている歌詞の1フレーズを取得する(S401)。そして、1フレーズの文字数Iを取得し(S402
)、任意の変数Iに0を代入する(S403)。ここで、任意の変数Iは、1フレーズの1番目の文字に対する文字種の判定に用いられる変数であり、1フレーズの先頭の文字は0番目と設定する。
【0058】
そして、1フレーズの1番目の文字が、S4において選択された文字種であるか否かを判定する(S405)。フレーズの1番目の文字が、S4において選択された文字種でない場合(S405:NO)、1番目の文字を選択した文字種に対応する文字に変換する(S406)。その後、任意の変数Iに1を加算した値を、再びIに代入する(S407)。そして、I=I、つまり、1フレーズの最後の文字まで文字種を判定したか否かを判定
する(S408)。フレーズの1番目の文字が、S4において選択された文字種である場合(S405:YES)、S407に移行する。そして、S408において、I=Iでな
い場合、つまり、1フレーズの最後の文字まで文字種を判定していない場合(S408:NO)、S405に戻り、残りのRAM24に格納されている歌詞データに対して、フレーズのI番目の文字に対して、S4において選択された文字種であるか否かの判定を繰り返す。一方、S408において、I=Iの場合、つまり、1フレーズの最後の文字まで文
字種を判定した場合(S408:YES)、変換後のフレーズをRAM24に格納する(S409)。
【0059】
そして、図3に示すように、S401で取得した1フレーズと、S409で格納した1フレーズとを上下並列に配置し、ゲーム画面の文字入力画面41の上部に表示する(S410)。表示された歌詞のフレーズは、文字入力画面41の下方に向かって移動する。
【0060】
再び、図7のタイピングゲームルーチンに戻り、次に、S302で表示した歌詞の1フレーズの文字数nを取得する(S303)。尚、翻訳文が表示されている場合には、翻訳文に対する処理は行われない。そして、任意の変数mに0を代入する(S304)。ここで、任意の変数mは、1フレーズのm番目の文字に対するキー入力の正誤判定に用いられる変数であり、1フレーズの先頭の文字は0番目と設定する。
【0061】
S302において歌詞データの1フレーズを表示させてから、所定時間経過したか否かを判定する(S305)。即ち、図3において、文字入力画面の上部に現れた歌詞の1フレーズが、下部に向かって移動し、タイミングライン41aを越えたか否かを判定する。所定時間経過していない場合(S305:NO)、即ち、1フレーズがタイミングライン41aを越えていない場合、次にキーボード3からキー入力されたか否かを判定する(S306)。キー入力されていない場合(S306:NO)、S305に戻り、再び所定時間を経過しているか否かを判定する。
【0062】
キー入力があった場合(S306:YES)、入力されたキー2001と、文字列におけるm番目の文字との比較を行う(S307)。より具体的には、入力されたキー2001と、歌詞の1フレーズにおけるm番目の文字に対応するキー2001との比較を行う。そして、m番目の文字と入力されたキー2001とが一致しているか否かを判定し(S308)、入力されたキー2001が一致している場合(S308:YES)、m番目の文字の背景色を変更する(S309)。これにより、遊技者には歌詞の1フレーズにおけるm番目の文字に対するキー入力が成功していることが認識でき、次の文字のキー入力を続けることができるため、スムーズにタイピング練習を行うことができる。そして、任意の変数mに1を加算した値を、再びmに代入する(S310)。
【0063】
S305において、所定時間を経過している場合(S305:YES)、画面表示されたフレーズに対するキー入力は失敗とし、得点を減算する(S315)。つまり、RAM24に格納されている得点データから、キー入力不一致に伴う点(例えば「100」点)を減算し、再びRAM24に格納する。そして、ゲームスコアを表示する(S316)。そして、楽曲が終了したか否かを判定する(S314)。また、S308において、入力されたキー2001が一致していない場合(S308:NO)、ゲームスコアを減算する(S311)。その後、S310に移行する。そして、ゲームスコアを表示する(S312)。
【0064】
S310において、任意の変数mに1を加算した値を、再びmに代入した後、m=n、即ち、任意の変数mの値は、歌詞の1フレーズの文字数nと同値であるか否かを判定する(S313)。m=nでない場合(S313:NO)、歌詞の1フレーズにおける全ての文字に対応するキー入力が終了していないと判定し、S305に戻り、上記の動作を繰り返す。m=nである場合(S313:YES)、歌詞の1フレーズにおける全ての文字に対応するキー入力が終了したと判定し、次に、楽曲が終了したか否かを判定する(S314)。楽曲が終了した場合(S314:YES)、本ルーチンを終了する。また、楽曲が終了していない場合(S314:NO)、S302に戻り、残りのRAM24に格納されている歌詞データに対して、上記の動作を繰り返す。その後、図5に戻り、タイピングゲームを終了する。
【0065】
さらに、本実施の形態では、図5のメインルーチンに示すS4とS5の間の時点W1において、キー表示選択ルーチンが行われる。図9は、キー表示選択ルーチンのフローチャートを示した図である。すなわち、図5のメインルーチンのS4からキー表示選択ルーチンに進むと、図9に示すように、先ず、S501において、遊技者がノーマルモードを選択しているか否かを判断する。このとき、遊技者がノーマルモードを選択していると判断する場合には(S501:YES)、S502に進んで、ノーマルモードに設定した後に、キー表示選択ルーチンを終了して、図5のメインルーチンのS5に進む。
【0066】
尚、ノーマルモードに設定されると、その後は、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色に点灯され続ける。
【0067】
一方、遊技者がノーマルモードを選択していないと判断する場合には(S501:NO)、S503に進んで、遊技者がサポートモードを選択しているか否かを判断する。このとき、遊技者がサポートモードを選択していると判断する場合には(S503:YES)、S504に進んで、サポートモードに設定した後に、キー表示選択ルーチンを終了して、図5のメインルーチンのS5に進む。一方、遊技者がサポートモードを選択していないと判断する場合には(S503:NO)、S505に進んで、上級者モードに設定した後に、キー表示選択ルーチンを終了して、図5のメインルーチンのS5に進む。
【0068】
尚、サポートモードに設定されると、その後は、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色に点灯され続けるが、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示された1フレーズを表す文字に該当するキー2001については、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示されている限り、そのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色から緑色に変更されて点灯され続ける。
また、上級者モードに設定されると、その後は、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が消灯され続ける。
【0069】
また、本実施の形態では、図7のタイピングゲームルーチンに示すS308とS309の間の時点W2において、入力キー正解表示ルーチンが行われる。図10は、入力キー正解表示ルーチンのフローチャートを示した図である。すなわち、図7のタイピングゲームルーチンのS308から入力キー正解表示ルーチンに進むと、図10に示すように、S601において、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯させた後に、入力キー正解表示ルーチンを終了して、図7のタイピングゲームルーチンのS309に進む。
【0070】
また、本実施の形態では、図7のタイピングゲームルーチンに示すS308とS311の間の時点W3において、入力キー不正解表示ルーチンが行われる。図11は、入力キー不正解表示ルーチンのフローチャートを示した図である。すなわち、図7のタイピングゲームルーチンのS308から入力キー不正解表示ルーチンに進むと、図11に示すように、S701において、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に赤色に点灯させた後に、入力キー不正解表示ルーチンを終了して、図7のタイピングゲームルーチンのS311に進む。
【0071】
また、本実施の形態では、図8のフレーズ表示ルーチンに示すS410の直後の時点W4において、入力キーナビゲート表示ルーチンが行われる。図12は、入力キーナビゲート表示ルーチンのフローチャートを示した図である。すなわち、図8のフレーズ表示ルーチンに示すS410から入力キーナビゲート表示ルーチンに進むと、図12に示すように、先ず、S801において、サポートモードに設定されているか否かを判断する。
【0072】
このとき、サポートモードに設定されていると判断する場合には(S801:YES)、S802に進んで、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示された1フレーズを表す文字に該当するキー2001について、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示されている限り、そのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を白色から緑色に変更して点灯させた後に、入力キーナビゲート表示ルーチンを終了して、図8のフレーズ表示ルーチンに戻り、さらに、図7のタイピングゲームルーチンのS303に進む。
【0073】
一方、サポートモードに設定されていないと判断する場合には(S801:NO)、何もすることなく、入力キーナビゲート表示ルーチンを終了して、図8のフレーズ表示ルーチンに戻り、さらに、図7のタイピングゲームルーチンのS303に進む。
【0074】
以上より、CPU21は、図7のタイピングゲームルーチンのS308を実行する際には、「入力判定手段」として機能する。
また、CPU21は、図9のキー表示選択ルーチンのS505を実行する際には、「第2キー情報表示手段」として機能する。
また、CPU21は、図10の入力キー正解表示ルーチンのS601や図11の入力キー不正解表示ルーチンのS701を実行する際には、「第1キー情報表示手段」として機能する。
また、CPU21は、図9のキー表示選択ルーチンのS501,S503を実行する際には、「設定手段」として機能する。
【0075】
以上詳細に説明したように、本実施の形態のPC10は、図7のタイピングゲームルーチンのS307において、入力されたキー2001と、文字列におけるm番目の文字との比較を行い、さらに、図7のタイピングゲームルーチンのS308において、入力されたキー2001と文字列におけるm番目の文字とが一致するか否かを判定することから、タイピングゲームを行うものである。そして、そのタイピングゲームの開始前において、図9のキー表示選択ルーチンのS501,S503,S505を経由して、上級者モードを選択・設定されると、キーボード3においては、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が消灯され、全ての透光性のキートップ2401は、発光回路板2301の表面2304の色である黒色に映るので、黒色に映った全てのキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなり、遊技者には、キーボード3が図18に示すように見える。従って、この状態にあるキーボード3を遊技者が使用してタイピングゲームを遊技することによって、従来とは異なる趣をもったタイピングゲームを行うことができる。
【0076】
さらに、本実施の形態のPC10では、タイピングゲームを実行中に、図7のタイピングゲームルーチンのS308において、入力されたキー2001と文字列におけるm番目の文字とが一致すると判定する場合には、図10の入力キー正解表示ルーチンに進んで、S601において、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯させ、これにより、入力されたキー2001のキートップ2401を一時的に青色にする。一方、図7のタイピングゲームルーチンのS308において、入力されたキー2001と文字列におけるm番目の文字とが一致しないと判定する場合には、図11の入力キー不正解表示ルーチンに進んで、S701において、入力されたキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に赤色に点灯させ、これにより、入力されたキー2001のキートップ2401を一時的に赤色にする。従って、遊技者は、押下操作直後のキー2001のキートップ2401の色を介して、キー2001の押下操作が正しいか誤りかをキーボード3上で確認することができるので、従来とは異なる趣をもったタイピングゲームを行うことができる。
【0077】
この点、遊技者は、キーボード3上の配列位置がわからないキー2001があると、無意識的にキーボード3を目視してしまうが、この場合には、キー2001の押下操作が正しいか誤りかを自ら判断することは難しい。もっとも、本実施の形態のPC10では、上述したように、遊技者は、押下操作直後のキー2001のキートップ2401の色を介して、キー2001の押下操作が正しいか誤りかをキーボード3上で確認することができるので、キー2001の押下操作が正しいか誤りかをすぐに認識することができる。さらに、本実施の形態のPC10では、押下操作するキー2001をナビゲートする場面では、押下操作しなければならないキー2001のキートップ2401が緑色に映るので(S802)、そのキー2001の配列位置をすぐに認識し・覚えることができ、ブラインドタッチの習得に貢献することができる。
【0078】
そして、本実施の形態のPC10では、図9のキー表示選択ルーチンのS501〜S505によって、その上級者モードを選択・設定することも、その上級者モードとは異なったノーマルモードやサポートモードを選択・設定することもできる。この点、ノーマルモードやサポートモードが選択・設定されると、キーボード3においては、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色に点灯され、全ての透光性のキートップ2401は、発光ダイオード2302,2303が点灯する白色に映るので、その白色に映ったキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しやすくなり、遊技者には、キーボード3が図16に示すように見える。
【0079】
従って、タイピングゲームの内容が遊技者のタイピングレベルからして易しければ、上級者モードを選択・設定すれば、発光ダイオード2302,2303が消灯することによって全てのキートップ2401が黒色に映り、その黒色に映った全てのキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなるので、タイピングゲームの内容を遊技者にとって難しくすることができる。一方、タイピングゲームの内容が遊技者のタイピングレベルからして難しければ、ノーマルモードやサポートモードを選択・設定すれば、発光ダイオード2302,2303が白色で点灯することによって全てのキートップ2401が白色に映り、その白色に映った全てのキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しやすくなるので、タイピングゲームの内容を遊技者のタイピングレベルにあったものにすることができる。
【0080】
また、タイピングゲームにおいては、キートップ2401に印刷されたキー情報2402を遊技者が無意識的に目視してしまうことがあり、この目視がブラインドタッチの取得の妨げになるが、この点、本実施の形態のPC10では、上級者モードを選択・設定すれば、上述したように、キートップ2401に印刷されたキー情報2402が認識しにくくなり、無意識に目視した場合であっても、キートップ2401に印刷されたキー情報2402を判別することは難しいので、ブラインドタッチの取得の向上に役立つ。
【0081】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。即ち、本実施の形態において、得点決定部236は、ゲーム開始時に格納された得点から、キー入力が失敗のたびに減算する方法で、得点を決定しているが、これに限定することはない。例えば、ゲーム開始時を「0」点とし、キー入力が成功のたびに、得点を加算していく方法であっても良い。また、実施の形態において、タイピング練習システムの端末として、PCを用いているが、これに限定することはなく、キー入力できるキーボードを接続できる端末であればよい。
【0082】
また、本実施の形態では、楽曲を選択するのに、楽曲入力画面を表示し、各欄に、楽曲名などを入力するようにしているが、これに限定することはない。例えば、アーティスト名を入力すれば、そのアーティストに関する楽曲名の一覧を表示し、遊技者が選択するようにしてもよい。この場合、遊技者がアーティスト名を知っていて、楽曲名を知らない場合であっても、その楽曲を選択することができる場合がある。さらに、本実施の形態では、書換え可能なメモリとしてフラッシュメモリ26を用いているが、例えば、HD(Hard Disk)などであっても良い。また、サーバ5から受信した楽曲データをフラッシュメモリ26に格納し、その後、RAM24に記憶するようにしているが、受信と同時にフラッシュメモリ26とRAM24とに記憶するようにしても良い。これにより、楽曲データの読込み時間を短縮することができる。
【0083】
また、本実施の形態のPC10においては、図2と図15に示すように、本体2内のCPU21がキーボード3内の発光回路3002に命令することにより、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303に対して点灯制御を行っている。この点、キーボード3内にサブのCPUを設けて、そのサブのCPUをもって、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303に対して点灯制御を行ってもよい。
【0084】
また、本実施の形態のPC10では、キーボード3において、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が消灯されると、全ての透光性のキートップ2401は、発光回路板2301の表面2304の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映った全てのキートップ2401に黒色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなり、遊技者には、キーボード3が図18に示すように見える。この点、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させることにより、全てのキートップ2401に印刷されたキー情報2402を認識しにくくさせてもよい。
そのためには、例えば、全てのキートップ2401に対してキー情報2402を白色で印刷する。この場合には、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が消灯されると、全ての透光性のキートップ2401は、発光回路板2301の表面2304の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ2401に白色で印刷されたキー情報2402は認識しやすくなり、遊技者には、キーボード3が図16に示すように見え、一方、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色に点灯されると、全ての透光性のキートップ2401は白色に映るので、その白色に映った全てのキートップ2401に白色で印刷されたキー情報2402が認識しにくくなり、遊技者には、キーボード3が図18に示すように見える。
【0085】
また、本実施の形態のPC10では、上級者モードに設定すれば、遊技者には、キーボード3が図18に示すように見え、全てのキートップ2401に印刷されたキー情報2402を認識しにくくさせることができるが、上級者モードに設定するに際して、認識しにくくさせるキー情報2402を選択できるようにし、その選択されたキー情報2402が印刷されたキートップ2401内の発光ダイオード2302,2303を点灯・消灯させる制御を行うことにより、特定のキートップ2401に印刷されたキー情報2402のみを認識しにくくさせてもよい。
【0086】
また、本実施の形態のPC10では、キーボード3において、押下操作されたキー2001が正しい場面で当該キー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯させることによって、当該キー2001のキートップ2401を一時的に青色に映るようにしているが、このとき、発光ダイオード2302,2303を点滅させてもよく、また、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に青色に点灯又は点滅させることによって、キーボード3の全体が一時的に青色に点灯又は点滅させてもよい。この点は、押下操作されたキー2001が誤っている場面に点灯させる赤色に対しても、同様に行うことができる。
【0087】
また、本実施の形態のPC10では、サポートモードに設定されると、その後は、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色に点灯され続けるが、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示された1フレーズを表す文字に該当するキー2001については、ディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示されている限り、そのキー2001内の発光ダイオード2302,2303が白色から緑色に変更されて点灯され続ける。このとき、1フレーズを表す文字がディスプレイ4のタイミングライン41aの上方に表示されている間に、それらの文字に該当するキー2001の全てを正しい順番で押下操作できなかった場合には、1フレーズを表す文字がディスプレイ4のタイミングライン41aの上方から下方に表示された際において、全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を一時的に点滅させてもよい。
すなわち、キー2001の押下操作のタイミングの正否を、当該キー2001内の発光ダイオード2302,2303の点灯・点滅などの演出によって、遊技者に知らせてもよい。
【0088】
また、本実施の形態のPC10では、キーボード3において、キー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させる際の色は、キー情報2402の認識の場面では白色(S502,S504)、押下操作されたキー2001が正しい場面では青色(S601)、押下操作されたキー2001が誤っている場面では赤色(S701)、押下操作するキー2001をナビゲートする場面では緑色であったが(S802)、この点、それぞれの場面の目的を達成できるのであれば、それぞれの場面での色は別の色であってもよい。また、キー情報2402をキートップ2401に対して立体的に付することによって、キー2001内の発光ダイオード2302,2303が点灯した際に、キー情報2402を立体的に表示させてもよい。
【0089】
また、本実施の形態のPC10では、キーボード3において、キー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させる際の色は、押下操作されたキー2001が正しい場面では青色(S601)、押下操作されたキー2001が誤っている場面では赤色であったが(S701)、この点、例えば、1回のゲーム中に必要な押下操作が各キー2001について1回限りのタイピングゲームを行う際には、ゲーム開始前に全てのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を点灯させた後に、押下操作されたキー2001が正しければ、そのキー2001内の発光ダイオード2302,2303を消灯させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】タイピング練習システムの概略図。
【図2】タイピング練習システムのブロック図。
【図3】タイピング練習システムにおけるタイピングゲーム画面の概略図。
【図4】楽曲名を入力する楽曲入力画面の概略図。
【図5】好適な実施の形態に係るタイピング練習システムのメインルーチンのフローチャート。
【図6】楽曲選択ルーチンのフローチャート。
【図7】タイピングゲームプレイルーチンのフローチャート。
【図8】フレーズ表示ルーチンのフローチャート。
【図9】キー表示選択ルーチンのフローチャート。
【図10】入力キー正解表示ルーチンのフローチャート。
【図11】入力キー不正解表示ルーチンのフローチャート。
【図12】入力キーナビゲート表示ルーチンのフローチャート。
【図13】キー表示を選択するキー表示選択画面の概略図。
【図14】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図。
【図15】キーボードのブロック図。
【図16】ノーマルモードに設定された際のキーボードの概略図。
【図17】サポートモードに設定された際のキーボードの概略図。
【図18】上級者モードに設定された際のキーボードの概略図。
【符号の説明】
【0091】
1 タイピング練習システム
2 本体
3 キーボード
4 ディスプレイ
5 サーバ
6 ヘッドフォン
10 PC
21 CPU
23 ROM
24 RAM
26 フラッシュメモリ
43 入力情報
51 記憶領域
52 通信手段
231 初期設定部
231a 楽曲選択部
231b 文字種選択部
231c 上書選択部
232 文字変換部
233 表示部
234 正誤判定部
235 時間判定部
236 得点決定部
501 音楽データベース
502 映像データベース
503 歌詞データベース
1001 表示照明部
2001 キー
2011 キースイッチ
2301 発光回路板
2302 発光ダイオード
2303 発光ダイオード
2304 発光回路板の表面
2401 キートップ
2402 キー情報
3002 発光回路
3003 発信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報を画面表示する表示装置と、前記表示装置に画面表示された入力情報に合わせてキー入力が行われるキーボードと、前記キーボードでキー入力されたキー情報と前記表示装置に画面表示された入力情報とが一致するか否かを判定する入力判定手段と、を有し、前記キーボードは、キー情報が付された透光性のキートップと、前記キートップに覆設された発光素子と、を備える遊技機であって、
前記入力判定手段の判定結果に反映させながら前記発光素子を異なる色彩で点灯又は消灯させる第1キー情報表示手段と、を備えたこと、を特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記キートップに付されたキー情報の前記キートップに対する色彩の同化現象を前記発光素子の点灯又は消灯により発生させる第2キー情報表示手段を備えたこと、を特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する遊技機であって、
前記第1キー情報表示手段を実行するか否かの設定を行う設定手段を備えたこと、を特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する遊技機であって、
前記表示装置に画面表示された入力情報に関連させながら音声情報を出力する出力装置を備えたこと、を特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−162930(P2006−162930A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353741(P2004−353741)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】