説明

遊技機

【課題】ピアノ線などの不正用異物の侵入を防ぐことが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】遊技者が操作可能な操作手段53を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体7と、遊技構成体7を保持する遊技構成体取付枠5と、遊技構成体7の前方に位置すると共に遊技構成体取付枠5に対し開閉可能にされて閉時には遊技構成体7の前面を覆って遊技構成体が視認可能な透明板扉10を備え、透明板扉10を第1透明板扉11と第1透明板扉の前方に位置する第2透明板扉13とで構成し、第1透明板扉11と第2透明板扉13をそれぞれ遊技構成体取付枠5に対して開閉可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体の前方に位置し、かつ遊技構成体取付枠に対して開閉可能にされて前記遊技構成体を視認可能な透明板扉を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機における遊技球が流下可能な遊技領域の形成された遊技盤や、スロット遊技機におけるドラムなどが視認可能なガラス枠などを取り付けた遊技機がある。
【0003】
また、遊技盤の前面を覆って遊技盤の遊技領域を視認可能とする複数の透明板を設けたガラス扉枠を備えると共に、遊技領域に位置してガラス扉枠の透明板間に電気的表示装置を設けたパチンコ遊技機がある。
【0004】
しかし、従来の遊技機にあっては、ガラス枠やガラス扉枠を開けて、例えば、遊技構成体の一例である遊技盤に不正が行われるおそれがある。また、遊技機の側方や前方から、遊技盤に向けてピアノ線などの異物が侵入するおそれがあり、遊技盤に対して不正行為が行われるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−159384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、ピアノ線などの不正用異物の侵入による不正等を防ぐことが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体と、前記遊技構成体を保持する遊技構成体取付枠と、前記遊技構成体の前方に位置すると共に前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能にされて閉時には前記遊技構成体の前面を覆って前記遊技構成体が視認可能な透明板扉を備えた遊技機において、前記透明板扉は第1透明板扉と前記第1透明板扉の前方に位置する第2透明板扉とを備え、前記第1透明板扉と前記第2透明板扉がそれぞれ前記遊技構成体取付枠に対して開閉可能とされており、前記遊技構成体または前記遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間に、前記第1透明板扉の閉鎖状態時に前記遊技構成体または遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間の隙間を塞いで前記隙間から異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、前記第2透明板扉の閉鎖状態時に前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間の隙間を塞いで該隙間から異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、遊技状態を報知する電気的装置が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3において、前記電気的装置が前記第1透明板扉と接触しないように設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3または4において、前記遊技構成体は遊技球の流下する遊技領域の形成された遊技盤からなり、前記電気的装置は音声発生装置であることをことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5において、前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されると共に前記窓部とは異なる位置に前記音声発生装置の少なくとも一部を覆う覆い部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間に、第1透明板扉の閉鎖状態時に遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間の隙間を塞いで前記隙間から異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられていることにより、遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間の隙間からピアノ線などの異物を侵入させて不正を行うのを防止することが可能となる。
【0015】
請求項2の発明によれば、第1透明板扉と第2透明板扉間には、第2透明板扉の閉鎖状態時に第1透明板扉と第2透明板扉間の隙間を塞いで該隙間から異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられていることにより、第1透明板扉と第2透明板扉間の隙間からピアノ線などの異物を侵入させて不正を行うのを防止することが可能となる。
【0016】
請求項3の発明によれば、第1透明板扉と第2透明板扉間に、遊技状態を報知する電気的装置が設けられている構成としたことにより、遊技状態を報知する電気的装置を新たな位置に設けることが可能であると共に、第2透明板扉を開放するだけで電気的装置の交換などの作業を行うことが可能である。
【0017】
請求項4の発明によれば、電気的装置が前記第1透明板扉と接触しないように設けられている構成としたことにより、電気的装置から遊技構成体あるいは遊技構成体から電気的装置への影響により生じる電気的装置や遊技構成体における不具合等を低減することが可能である。
【0018】
請求項5の発明によれば、遊技構成体は遊技球の流下する遊技領域の形成された遊技盤からなり、電気的装置は音声発生装置であることにより、音声発生装置による振動が第1透明板扉に直接伝わらず、遊技領域を流下する遊技球が第1透明板扉と接触することがあっても、音声発生装置による振動の影響を受けにくく、遊技球の流下が乱れるのを防ぐことが可能となる。
【0019】
請求項6の発明によれば、第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されて遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、第2透明板扉の前方に備えていることにより、第2透明板扉の少なくとも一部を枠扉で保護することが可能となる。さらに、遊技構成体を少なくとも第1透明板扉、第2透明板扉、枠扉により強化して保護することが可能となる。
【0020】
請求項7の発明によれば、第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されると共に窓部とは異なる位置に音声発生装置の少なくとも一部を覆う覆い部が形成されて遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、第2透明板扉の前方に備えていることにより、第2透明板扉の少なくとも一部を枠扉で保護することが可能になると共に遊技構成体を少なくとも第1透明板扉、第2透明板扉、枠扉により強化して保護することが可能となり、さらには音声発生装置を視認し難くすることができ、遊技機に求められる美観や装飾性を高めること可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に係る遊技機について示す正面図である。
【図2】同遊技機の斜視図である。
【図3】同遊技機における枠扉開放状態の斜視図である。
【図4】同遊技機における枠扉及び第2透明板扉開放状態の斜視図である。
【図5】同遊技機における枠扉、第2透明板扉及び第1透明板扉開放状態の斜視図である。
【図6】同遊技機における枠扉、第2透明板扉、第1透明板扉、遊技構成体取付枠、遊技盤及び木枠の分解斜視図である。
【図7】は同遊技機の遊技盤の正面図である。
【図8】同遊技機における第2透明板扉及び第1透明板扉の上側軸着部を示す図である。
【図9】同遊技機における第2透明板扉及び第1透明板扉の下側軸着部を示す図である。
【図10】同遊技機におけるロック手段について第2透明板扉及び第1透明板扉の閉鎖状態を示す側面図である。
【図11】同遊技機におけるロック手段について第2透明板扉開放、第1透明板扉閉鎖状態を示す側面図である。
【図12】同遊技機におけるロック手段について第2及び第1透明板扉開放状態を示す側面図である。
【図13】同遊技機における第2及び第1透明板扉における透明板材の取付状態及び着脱作業を示す斜視図及び断面図である。
【図14】図2のE−Eにおける概略断面図である。
【図15】音声発生装置の取付状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る遊技機について示す正面図、図2は同遊技機の斜視図、図3は同遊技機における枠扉開放状態の斜視図、図4は同遊技機における枠扉及び第2透明板扉開放状態の斜視図、図5は同遊技機における枠扉、第2透明板扉及び第1透明板扉開放状態の斜視図、図6は同遊技機における枠扉、第2透明板扉、第1透明板扉、遊技構成体取付枠、遊技盤及び木枠の分解斜視図、図7は同遊技機における遊技盤の正面図、図8は同遊技機における第2透明板扉及び第1透明板扉の上側軸着部を示す図、図9は同遊技機における第2透明板扉及び第1透明板扉の下側軸着部を示す図、図10は同遊技機におけるロック手段について第2透明板扉及び第1透明板扉の閉鎖状態を示す側面図、図11は同遊技機におけるロック手段について第2透明板扉開放、第1透明板扉閉鎖状態を示す側面図、図12は同遊技機におけるロック手段について第2及び第1透明板扉開放状態を示す側面図、図13は同遊技機における第2及び第1透明板扉における透明板材の取付状態及び着脱作業を示す斜視図及び断面図、図14は図2のE−Eにおける概略断面図、図15は音声発生装置の取付状態の概略図である。
【0023】
図1から図6に示すこの実施例の遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、木枠3、遊技構成体取付枠5、遊技構成体としての遊技盤7、第1透明板扉11、第2透明板扉13、枠扉15、前記遊技盤7の背面側に取り付けられるCPUを備えた制御装置(図示せず)等からなる。
【0024】
木枠3は、遊技機1の各構成部品を保護及び保持すると共に、検査等の際に遊技機を直立に載置可能とするための外枠に相当し、遊技機の外周と略等しい枠体からなる。
【0025】
遊技構成体取付枠5は、中央上部に遊技構成体としての遊技盤7が背面側から取り付けられると共に、遊技盤7における後述の遊技領域71を遊技構成体取付枠5の前方F側から視認可能な遊技構成体用開口窓51が形成されており、また、遊技構成体取付枠5の下部の前面には、払い出された遊技球を受けるための下側球受け皿52、遊技者の操作により遊技球を遊技領域へ向けて弾発発射する発射装置53がそれぞれ組み付けられている。なお、前記発射装置53は本発明において遊技者が操作可能な操作手段に相当する。符号54は発射装置53の操作レバーである。
【0026】
前記遊技構成体取付枠5は、前記木枠3に可動可能に軸着されて開閉可能とされている。本実施例では、前記遊技構成体取付枠5は、左側側部が木枠3の左側側部における前面側の上下にヒンジで回動可能に軸着されると共に、遊技構成体取付枠5の右側側部に前記木枠3に対する開閉用係合爪55が設けられている。前記係合爪55は、上下に揺動させることによって、前記木枠3に形成されている係合部(図示せず)と係合及び係合解除可能とされ、係合によって前記木枠3に対する遊技構成体取付枠5の閉状態が維持固定され、一方、係合解除により前記遊技構成体取付枠5の開放が可能になる。
【0027】
遊技盤7は、本発明において操作手段(本実施例における発射装置53)を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体に相当し、本実施例では前記発射装置53により発射された遊技球が流下する遊技領域71が前面に形成されている。前記遊技領域71は、図7に示すように、遊技盤7の前面の縁に略円形に立設された遊技球の外側ガイドレール61及び内側ガイドレール62によって囲まれた部分で構成されている。
【0028】
前記遊技領域71には、中心線上にその上部から下部に向かって順に表示装置73、始動入賞口76、大入賞口79、アウト口83が配設されている。前記表示装置73は、数字、アルファベット、記号あるいは絵(キャラクタ)等が表示可能なものであって、液晶、ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。この実施例の表示装置73は、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。表示装置73内の左下には普通図柄表示部74が組み込まれ、その他の部分が特別図柄表示部75を構成している。前記普通図柄表示部74では普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされ、前記特別図柄表示部75では特別図柄が変動表示及び停止表示可能とされる。
【0029】
また前記表示装置73の左右には普通図柄変動開始用左ゲート84及び普通図柄変動開始用右ゲート85が設けられ、さらにその下方に左袖入賞口86及び右袖入賞口87と左落とし入賞口88及び右落とし入賞口89がそれぞれ設けられている。なお、符号L1,L2はランプ風車、M1,M2は風車、Kは遊技領域71に立設された遊導釘である。
【0030】
前記表示装置73、前記始動入賞口76、前記大入賞口79、前記普通図柄変動開始用左ゲート84及び前記普通図柄変動開始用右ゲート85、前記左袖入賞口86及び前記右袖入賞口87、前記左落とし入賞口88及び前記右落とし入賞口89は、本発明において操作手段(本実施例における発射装置53)を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置に相当する。なお、本実施例では、上記装置や各入賞口が遊技装置に相当するものとしているが、それに限るものではなく、遊技の進行に係るその他の装置や入賞口(例えば、第二種非電動役物など)でもよい。以上をまとめると、発射装置により発射された遊技球が流下可能である遊技領域を有する遊技盤を備えており、遊技領域において流下する遊技球の挙動に起因して遊技が進行することになる。それらの作動については、後述する。
【0031】
第1透明板扉11及び第2透明板扉13は、本発明において前記遊技構成体(本実施例における遊技盤7)の前方に位置すると共に前記遊技構成体取付枠5に対し開閉可能にされて閉時には前記遊技構成体(本実施例における遊技盤7)の前面を覆って前記遊技構成体(本実施例における遊技盤7)が視認可能な透明板扉10に相当する。
【0032】
前記第1透明板扉11は、図6及び図13に示すように、略中央が開口した枠形状からなる第1透明板扉本体110と、前記第1透明板扉本体110の開口部分111に装着されたガラス板や透明プラスチック板等からなる第1透明板材112とからなる。前記透明板扉本体110には、前記透明板部材112を上方から前記開口部分111に挿入し、また前記透明板部材112を前記開口部分111から上方へ抜き取り可能なように、前記開口部分111の内周下部及び左右側部に第1透明板部材112が嵌るスライド溝113,114が形成されている。前記第1透明板扉11は前記遊技盤7の前方位置となるように前記遊技構成体取付枠5に開閉可能に後述の軸着構造で取り付けられている。前記第1透明板扉11は、閉時に前記遊技盤7を覆うと共に前記第1透明板材112を介して前記遊技盤7を視認可能とする。
【0033】
前記第2透明板扉13は、図6及び図13に示すように、略中央が開口した枠形状からなる第2透明板扉本体130と、前記第2透明板扉本体130の開口部分131に装着されたガラス板や透明プラスチック板等からなる透明板材132とからなる。前記透明板扉本体130には、前記透明板部材132を上方から前記開口部分131に挿入し、また前記透明板部材132を前記開口部分131から上方へ抜き取り可能なように、前記開口部分131の内周下部及び左右側部に透明板部材132が嵌るスライド溝133,134が形成されている。前記第2透明板扉13は前記第1透明板扉11の前方位置となるように前記遊技構成体取付枠5に開閉可能に後述の軸着構造で取り付けられている。前記第2透明板扉13は、閉時に前記遊技盤7を覆うと共に前記第2透明板材132及び前記第1透明板扉11の第1透明板材112を介して前記遊技盤7を視認可能とする。
【0034】
前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13の前記遊技構成体取付枠5に対する軸着構造について説明する。前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13は左側部の上下が、前記遊技構成体取付枠5における左側部の前面側に軸着されている。
【0035】
前記第1透明板扉11における上側の軸着は、図8に示すように、前記遊技構成体取付枠5の前面上部に上側軸受け部材17が固定され、前記上側軸受け部材17から前方(前記F方向)へ向けて突出形成された上側第1軸受け部171に、前記第1透明板扉11の上部が上側第1軸部材175で回動可能に軸着されている。また、前記第2透明板扉13における上側の軸着は、前記上側軸受け部材17から前記上側第1軸受け部171よりも前方へ突出形成された上側第2軸受け部173に、上側第2軸部材177で前記第2透明板扉13の上部が回動可能に軸着されている。なお、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13とを各々開閉可能に回動する際に、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13に各々形成された前記上側第1軸受け部171や前記上側第2軸受け部173が各々挿入可能な貫通孔の開口縁と前記上側第1軸受け部171や前記上側第2軸受け部173が接触しないように前記上側第1軸受け部171や前記上側第2軸受け部173は略円弧状に形成されている。この構成により、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13とを各々スムーズに開閉可能に回動することが可能である。
【0036】
一方、前記第1透明板扉11における下側の軸着は、図9に示すように、前記遊技構成体取付枠5の前面下部側に下側軸受け部材18が固定され、前記下側軸受け部材18から前方(前記F方向)へ向けて突出形成されている下側受け部181に下側第1軸孔182が形成され、前記下側第1軸孔182に下側第1軸部材185で前記第1透明板扉11の下部が回動可能に軸着されている。また、前記第2透明板扉13における下側の軸着は、前記下側軸受け部181において前記下側第1軸孔182よりも前方位置に形成された下側第2軸受け孔183に、下側第2軸部材187で前記第2透明板扉13の下部が回動可能に軸着されている。なお、前記下側軸受け部材18の前端側には、枠扉下側軸着孔184が形成され、該枠扉下側軸着孔184に軸部材を介して枠扉15の左側下部が回動可能に軸着されるように構成されている。
【0037】
前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13間には、遊技状態を報知する電気的装置として、図3から図6に示すように、本実施例では音声発生装置19が設けられている。前記音声発生装置19は本実施例ではスピーカからなり、前記第1透明板扉11と接触しないように、前記第2透明板扉13の内面に取り付けられている。本実施例では、図15の概略図に示すように、第1透明板扉11及び第2透明板扉13の閉鎖状態において、音声発生装置19の背面が前記第1透明板扉11と接触せず、前記音声発生装置19と第1透明板扉間に隙間を有するようにされている。なお、本実施例では、前記第2透明板扉13において、前記第2透明板材132の上部左右コーナー部を覆う上部コーナー枠部135の内面側に音声発生装置19が設けられている。前記音声発生装置19からは、遊技の当たり等、遊技状態が音声で報知される。
【0038】
前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13と前記遊技構成体取付枠5間には、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13を前記遊技構成体取付枠5に対して別々に開放阻止(開放禁止)及び開放阻止解除(開放可能に)するロック手段を備えている。さらに前記ロック手段は、前記透明板扉10の開放時に、前記第2透明板扉13の開放阻止解除(開放可能)後に、前記第1透明板扉11の開放阻止解除(開放)を可能にする開放阻止解除機構を備え、また前記透明板扉10の閉鎖時に、前記第1透明板扉11の閉鎖及び開放阻止後に前記第2透明板扉13の閉鎖及び開放阻止を可能にする開放阻止機構を備える。
【0039】
前記開放阻止解除機構及び前記開放阻止機構を備える本実施例のロック手段は、図6、図10及び図11に示すように、前記遊技構成体取付枠5の裏側に上下動可能に取り付けられた鍵部材201と、前記遊技構成体取付枠5の裏側から遊技構成体取付枠5の前方(F方向)へ向けて設けられた第1透明板扉係合爪203及び第2透明板扉係合爪205と、前記第1透明板扉11の裏側に設けられた第1透明板扉被係合爪207と、前記第2透明板扉13の裏側に設けられた第2透明板扉被係合爪209からなる。
【0040】
前記鍵部材201は、下方へバネにより付勢され、前記遊技構成体取付枠5の前面側に形成された鍵孔211に鍵(図示せず)を挿入して一方向へ回転することにより、鍵の先端と係合して上方へスライド可能とされている。
【0041】
前記第1透明板扉係合爪203は、先端が上向きの鈎状に形成され、前記第1透明板扉11の閉鎖時に、第1透明板扉係合爪203の鈎状先端が前記第1透明板扉11と前記遊技構成体取付枠5間に位置する長さとされている。さらに、前記第1透明板扉係合爪203は、前記遊技構成体取付枠5に上下揺動可能に設けられると共に基部側が前記鍵部材201と係合しており、前記鍵部材201の上方スライドによって前記第1透明板扉係合爪203の先端側が下方へ揺動するようにされている。
【0042】
前記第2透明板扉係合爪205は、先端が上向きの鈎状に形成され、前記第1透明板扉11及び第2透明板扉13の閉鎖時に、前記第2透明板扉係合爪205の鈎状先端が前記第1透明板扉11と第2透明板扉13間に位置する長さとされている。さらに、前記第2透明板扉係合爪205は、前記遊技構成体取付枠5に上下揺動可能に設けられると共に基部側が前記鍵部材201と係合しており、前記鍵部材201の上方スライドによって第2透明板扉係合爪205の先端側が下方へ揺動するようにされている。
【0043】
前記第2透明板扉係合爪205及び前記第1透明板扉係合爪203は、何れも鈎状先端の上端が水平方向へ屈曲した屈曲部206,204とされ、かつ前記屈曲部206,204は前方へ(F方向)へ向けて下方へ傾斜している。また、前記第2透明板扉係合爪205及び前記第1透明板扉係合爪203は、前記鍵部材201がバネによって常時下方へ付勢されていることによって、通常時においては、前記先端側が上方位置にある。前記第2透明板扉係合爪205及び前記第1透明板扉係合爪203の下方揺動は、前記鍵孔211に挿入した鍵を一方向へ回転させることによる前記鍵部材201の上方スライド時、まず前記第2の透明板扉係合爪205の先端側が下方へ揺動する。このとき、前記第1の透明板扉係合爪203はまだ下方へ揺動せず、先端が上方に位置する。次いで、前記鍵をさらに同方向へ回転させて前記鍵部材201をさらに下方へスライドさせると、前記第1透明板扉係合爪203の先端爪部側が下方へ揺動する。
【0044】
前記第1透明板扉被係合爪207は、前記第1透明板扉11の裏側に遊技構成体取付枠5へ向けて形成されている。前記第1透明板扉被係合爪207の先端は下向きに鈎状に形成され、前記第1透明板扉11の閉状態において、前記上方位置にある前記第1透明板扉係合爪203の鈎状先端と係合することにより、前記第1透明板扉11の開放阻止が行われる。また、前記第1透明板扉係合爪203の下方揺動により、前記第1透明板扉被係合爪207の鈎状先端と前記第1透明板扉係合爪203の鈎状先端との係合が解除されて前記第1透明板扉11の開放阻止解除が行われる。
【0045】
前記第2透明板扉被係合爪209は、前記第2透明板扉13の裏側に第1透明板扉11へ向けて形成されている。前記第2透明板扉被係合爪209の先端は下向きに鈎状に形成され、前記第2透明板扉13の閉状態において、前記上方位置にある前記第2透明板扉係合爪205の鈎状先端と係合することにより、前記第2透明板扉13の開放阻止が行われる。また、前記第2透明板扉係合爪205の下方揺動により、前記第2透明板扉被係合爪209の鈎状先端と前記第2透明板扉係合爪205の鈎状先端との係合が解除されて前記第2透明板扉13の開放阻止解除が行われる。図10の10Bに示すように、前記第2透明板扉被係合爪209における前後方向の厚みdは、閉状態の前記第1透明板扉11と第2透明板扉13間の間隔d1と略等しくされている。そのため、前記第2透明板扉13の閉状態においては、万一、前記第1透明板扉係合爪203と前記第1透明板扉被係合爪207との係合が解除される事態が発生しても、前記第2透明板扉被係合爪209における前後方向の厚みdにより、前記第2透明板扉被係合爪209と前記第1透明板扉11が接触して前記第1透明板扉11の開放が阻止される。
【0046】
前記ロック手段の開放阻止解除機構による前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13の開放について、図10及び図11を用いて説明する。図10に示す前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13の閉鎖状態において、前記鍵孔211に鍵(図示せず)を挿入して一方向へ回転させると、前記鍵部材201が上方へスライドし、それによって前記第2透明板扉係合爪205が、図10の10Cのように下方へ揺動して前記第2透明板扉係合爪205と前記第2透明板扉被係合爪209の係合が外れ、前記第2透明板扉13の開放阻止が解除されて前記第2透明板扉13が開放される。次に、前記第2透明板扉13が開放された図11の状態で、前記鍵を前記と同一方向へさらに回転させると、前記鍵部材201が上方へさらにスライドし、それによって前記第1透明板扉係合爪203が、図11の11Cのように下方へ揺動して前記第1透明板扉係合爪203と前記第1透明板扉被係合爪207の係合が外れ、前記第1透明板扉11の開放阻止が解除されて前記第1透明板扉11が開放され、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13の開放状態となる。図12は前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13の開放状態を示す。
【0047】
前記ロック手段の前記開放阻止機構による前記第1透明板扉11及び前記第2透明板扉13の開放阻止について説明する。図5及び図12に示す前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13の開放状態から、前記第1透明板扉11を前記遊技構成体取付枠5へ向け回動させて閉鎖する際、前記第1透明板扉被係合爪207の先端が、前記第1透明板扉係合爪203の先端における傾斜した屈曲部204と接触して前記第1透明板扉係合爪203を下方へ揺動させながら前記遊技構成体取付枠5へ接近し、最終的に前記第1透明板扉被係合爪207と前記第1透明板扉係合爪203が係合し、これによって前記第1透明板扉11の開放が阻止される。また、前記第1透明板扉11の閉鎖及び開放阻止によって、前記第1透明板扉11の鍵用開口115(図6に示す)から第2透明板扉係合爪205が、図11の11A及び11Bに示すように、第1透明板扉11の前方へ突出し、その後に第2透明板扉13の閉鎖及び開放阻止が可能となる。そして、図11の11A及び11Bに示す前記第1透明板扉11の閉鎖及び開放阻止状態から、前記第2透明板扉13を前記第1透明板扉11へ向け回動させて閉鎖する際に、前記第2透明板扉被係合爪209の先端が、前記第2透明板扉係合爪205の先端における傾斜した屈曲部206と接触して前記第2透明板扉係合爪205を下方へ揺動させながら前記第1透明板扉11へ接近し、最終的に前記第2透明板扉被係合爪209と前記第2透明板扉係合爪205が係合し、これによって前記第2透明板扉13の開放が阻止される。
【0048】
また、前記第1透明板扉11と前記遊技構成体(本実施例における遊技盤7)あるいは前記遊技構成体取付枠5の側部には、前記第1透明板扉11の閉鎖状態時に前記遊技構成体(本実施例における遊技盤7)または遊技構成体取付枠5と前記第1透明板扉11間の隙間を塞いで前記隙間からピアノ線等の異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられている。前記異物の侵入防止により、遊技構成体等に不正が行われるのを防ぐことが可能となる。本実施例では、図4、図6、図14に示すように、ゴムやスポンジ等からなる棒状の弾性角材で構成される第1異物侵入防止部材221が、前記第1透明板扉11の右側部裏面において、前記第1透明板扉11の閉鎖時に前記遊技構成体(遊技盤7)と対向する位置に設けられている。さらに、前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13間には、前記第2透明板扉13の閉鎖状態時に前記第1透明板扉11と前記第2透明板扉13間の隙間を塞いで該隙間からピアノ線等の異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられている。前記異物の侵入防止により、音声発生装置等や前記遊技構成体等に不正が行われるのを防ぐことが可能となる。本実施例では、図4から図6、図14に示すように、ゴムやスポンジ等からなる棒状の弾性角材で構成される第2異物侵入防止部材222が、前記第2透明板扉13の右側部裏面において、前記第2透明板扉13の閉鎖時に前記第1透明板扉11の前面右側部と対向する位置に設けられている。
【0049】
枠扉15は、前記第2透明板扉13を視認可能な窓部151が形成された枠体からなり、前記第2透明板扉の前方に配置されて左側部がヒンジで前記遊技構成体取付枠5に軸着され、前記遊技構成体取付枠5に対して開閉可能にされている。また、前記枠扉15において前記窓部151とは異なる位置、本実施例では窓部151の上方には、前記音声発生装置19の少なくとも一部を覆う覆い部152が形成されている。また、前記枠扉15の前面下部には、払出装置から払い出される遊技球を受けるための上側球受け皿153が形成され、前記上側球受け皿153の飽和時に前記下側球受け皿52で受けるように構成されている。なお、本実施例では、前記枠扉15は、前記鍵を一方向へ回す際に最初に開放可能とされ、その後に前記第2透明板扉13と前記第1透明板扉11が順に開放可能とされる。例えば、前記鍵を右方向へ45度回転させると前記枠扉15が開放され、さらに右方向へ鍵を45度(最初からは90度)回すと前記第2透明板扉13が開放され、さらに右方向へ45度(最初からは135度)回すと前記第1透明板扉11が開放される。
【0050】
ここで、前記遊技機1における遊技について、簡単に説明する。前記遊技領域71へ向けて前記発射装置53により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿153に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用左、右ゲート84,85を遊技球が通過すると、制御装置の作動により小当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示部74で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口76の2つの可動片77a,77bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口76に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0051】
また、前記始動入賞口76に遊技球が入賞すると、制御装置の作動により、大当たり当否判定用乱数値及び大当たり確定特別図柄の組合せ決定用乱数値が取得され、前記取得された大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記表示装置73の特別図柄表示部75で特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。
【0052】
前記大当たりの当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示部75に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口79の開閉板79aが開いて遊技領域71の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口79へ入賞可能にし、該大入賞口79への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板79aは、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。また、前記大入賞口79の開放中又は大入賞口79が閉じてから約2秒以内に、大入賞口内の特定領域入賞口への入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高16回)、前記開閉板79aの開放を繰り返すようになっている。
【0053】
本実施例の遊技機1は、このように、遊技構成体の前方に第1透明板扉を開閉可能に設け、さらに前記第1透明板扉の前方に第2透明板扉を開閉可能に設けたため、遊技構成体の前面を開放して遊技装置に不正を行うには、第2透明板扉と第1透明板扉の両方を開放しなければならないため、不正行為に手間取ることになって不正に対する意欲を減退させることができ、不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為に手間取るため不正行為の発見が容易になる。
【0054】
前記実施例を概念的にまとめると以下の通りである。
(1)遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体と、
前記遊技構成体を保持する遊技構成体取付枠と、
前記遊技構成体の前方に位置すると共に前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能にされて閉時には前記遊技構成体の前面を覆って前記遊技構成体が視認可能な透明板扉を備えた遊技機において、
前記透明板扉は第1透明板扉と前記第1透明板扉の前方に位置する第2透明板扉とを備え、前記第1透明板扉と前記第2透明板扉がそれぞれ前記遊技構成体取付枠に対して開閉可能とされていることを特徴とする遊技機。
【0055】
(2)前記第1透明板扉及び前記第2透明板扉を前記遊技構成体取付枠に対して別々に開放阻止及び開放阻止解除するロック手段を設けたことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記ロック手段は、前記第2透明板扉の開放阻止解除後に前記第1透明板扉の開放阻止解除を可能にする開放阻止解除機構を備えることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記ロック手段は、前記第1透明板扉の閉鎖及び開放阻止後に前記第2透明板扉の閉鎖及び開放阻止を可能にする開放阻止機構を備えることを特徴とする(2)または(3)に記載の遊技機。
【0056】
(5)前記遊技構成体または前記遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間に、前記第1透明板扉の閉鎖状態時に前記遊技構成体または遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間の隙間を塞いで前記隙間から異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする(1)から(4)の何れか一に記載の遊技機。
(6)前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、前記第2透明板扉の閉鎖状態時に前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間の隙間を塞いで該隙間から異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする(1)から(5)の何れか一に記載の遊技機。
【0057】
(7)前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、遊技状態を報知する電気的装置が設けられていることを特徴とする(1)から(6)の何れか一に記載の遊技機。
(8)前記電気的装置が前記第1透明板扉と接触しないように設けられていることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
【0058】
(9)前記遊技構成体は遊技球の流下する遊技領域の形成された遊技盤からなり、前記電気的装置は音声発生装置であることを特徴とする(7)または(8)に記載の遊技機。
(10)前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする(1)から(9)の何れか一に記載の遊技機。
(11)前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されると共に前記窓部とは異なる位置に前記音声発生装置の少なくとも一部を覆う覆い部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする(9)に記載の遊技機。
【0059】
前記(1)〜(11)の構成の効果をまとめると以下の通りである。
(1)によれば、遊技構成体の前面を開放して遊技装置に不正を行うには、第2透明板扉と第1透明板扉の両方を開放しなければならないため、不正行為に手間取ることになって不正に対する意欲を減退させることができ、不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為に手間取るため不正行為の発見が容易になる。また、第2透明板扉と第1透明板扉を有しているため、仮にピアノ線などの不正用異物が侵入した場合においても第1透明板扉や第2透明板扉等に接触する可能性が高くなり、不正用異物などの侵入による不正などを防止することが可能である。
【0060】
(2)によれば、第1透明板扉及び第2透明板扉を遊技構成体取付枠に対して別々に開放阻止及び開放阻止解除するロック手段を設けたことにより、遊技構成体の前面を開放して遊技装置に不正を行うには、第2透明板扉と前記第1透明板扉の両方の透明板扉についてロック手段により開放阻止解除を行わねばならず、またその後に両方の透明板扉を閉じてロック手段により開放阻止を行わねばならないため、不正行為に手間取ることになって不正に対する意欲を減退させることができ、不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為に手間取るため不正行為の発見が容易になる。
【0061】
(3)によれば、ロック手段が、第2透明板扉の開放阻止解除後に第1透明板扉の開放阻止解除を可能にする開放阻止解除機構を備えたことにより、遊技構成体の前面を開放して遊技装置に不正を行おうとしても、第2透明板扉と第1透明板扉を一緒に同時に開放することができず、まず第2透明板扉を開放した後に第1透明板扉を開放しなければならないため、不正行為に手間取ることになって不正に対する意欲を減退させることができ、不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為に手間取るため不正行為の発見が容易になる。
【0062】
(4)によれば、第1透明板扉の閉鎖及び開放阻止後に第2透明板扉の閉鎖及び開放阻止を可能にする開放阻止機構を備えたことにより、不正を目的として遊技構成体の前面を開放後閉鎖しようとしても、第2透明板扉と第1透明板扉を一緒に同時に閉鎖及び開放阻止をすることができず、まず第1透明板扉を閉じた後に第2透明板扉を閉じなければならないため、不正行為に手間取ることになって不正に対する意欲を減退させることができ、不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為に手間取るため不正行為の発見が容易になる。
【0063】
(5)によれば、遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間に、第1透明板扉の閉鎖状態時に遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間の隙間を塞いで前記隙間から異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられていることにより、遊技構成体または遊技構成体取付枠と第1透明板扉間の隙間からピアノ線などの異物を侵入させて不正を行うのを防止することが可能となる。
【0064】
(6)によれば、第1透明板扉と第2透明板扉間には、第2透明板扉の閉鎖状態時に第1透明板扉と第2透明板扉間の隙間を塞いで該隙間から異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられていることにより、第1透明板扉と第2透明板扉間の隙間からピアノ線などの異物を侵入させて不正を行うのを防止することが可能となる。
【0065】
(7)によれば、第1透明板扉と第2透明板扉間に、遊技状態を報知する電気的装置が設けられている構成としたことにより、遊技状態を報知する電気的装置を新たな位置に設けることが可能であると共に、第2透明板扉を開放するだけで電気的装置の交換などの作業を行うことが可能である。
【0066】
(8)によれば、電気的装置が前記第1透明板扉と接触しないように設けられている構成としたことにより、電気的装置から遊技構成体あるいは遊技構成体から電気的装置への影響により生じる電気的装置や遊技構成体における不具合等を低減することが可能である。
【0067】
(9)によれば、遊技構成体は遊技球の流下する遊技領域の形成された遊技盤からなり、電気的装置は音声発生装置であることにより、音声発生装置による振動が第1透明板扉に直接伝わらず、遊技領域を流下する遊技球が第1透明板扉と接触することがあっても、音声発生装置による振動の影響を受けにくく、遊技球の流下が乱れるのを防ぐことが可能となる。
【0068】
(10)によれば、第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されて遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、第2透明板扉の前方に備えていることにより、第2透明板扉の少なくとも一部を枠扉で保護することが可能となる。さらに、遊技構成体を少なくとも第1透明板扉、第2透明板扉、枠扉により強化して保護することが可能となる。
【0069】
(11)によれば、第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されると共に窓部とは異なる位置に音声発生装置の少なくとも一部を覆う覆い部が形成されて遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、第2透明板扉の前方に備えていることにより、第2透明板扉の少なくとも一部を枠扉で保護することが可能になると共に遊技構成体を少なくとも第1透明板扉、第2透明板扉、枠扉により強化して保護することが可能となり、さらには音声発生装置を視認し難くすることができ、遊技機に求められる美観や装飾性を高めること可能となる。
【0070】
なお、本発明は、本実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本実施例では、弾球遊技機(パチンコ遊技機)を例にして説明したが、本発明の遊技機は、スロットであってもよい。また、遊技構成体は遊技領域を有する遊技盤に限定されず、例えばスロットのドラムを有するものであってもよい。この場合、ドラムなどが遊技装置に相当し、乱数抽選やドラムを駆動する等のための起因となるレバーや、ドラムを停止するための起因となる押しボタンなどが操作手段に相当し、レバーや押しボタン等の操作手段を操作することに起因して乱数抽選を行ったり、ドラムが駆動・停止などすることで遊技が進行する構成である。また、前記第1透明板扉及び第2透明板扉はガラス等の透明板材の単独で構成してガラス等の透明板材を直接ヒンジ部等で遊技構成体取付枠に軸着してもよい。
【0071】
前記透明板扉は第1透明板扉と第2透明板扉の2枚に限定されず、3枚以上であってもよく、その場合には、遊技状態を報知する電気的装置が第1透明板扉と接触しないように設けられればよい。また、遊技状態を報知する電気的装置が複数の透明板扉に設けられていてもよい。さらに、音声発生装置は、低音専用や高音専用に振り分けた音声発生装置を複数設けてもよい。
【0072】
本実施例では、第1透明板扉、第2透明板扉、枠扉等は、同一方向へ回動して開閉可能とされているが、各扉が異なる方向へ回動するように設けられていてもよい。また、遊技状態を報知する電気的装置は、音声発生装置に限定されず、発光体や表示装置等であってもよい。なお、電気的装置が第1透明板扉と接触しないように設けることにより、電気的装置から発生する振動やノイズなどが遊技構成体に影響を与えたり、逆に遊技構成体から発生する振動やノイズなどが電気的装置に影響を与え、その結果、電気的装置や遊技構成体が不具合を起こす等のおそれを低減することが可能である。
【0073】
本実施例では、第1透明板扉と第2透明板扉は、略同一の大きさとされているが、それに限るものではなく、異なる大きさ及び形状としてもよい。例えば、第2透明板扉を第1透明板扉よりも小さくし、仮に前方側から異物が第2透明板扉を超えて侵入しようとしても、異物が第1透明板扉にぶつかって遊技構成体側へ侵入できないようにして不正を防止する構成としてもよい。また、第2透明板扉を第1透明板扉よりも大きくし、仮に前方側から異物が侵入しようとしても、異物が第1透明板扉側へ侵入するには第2透明板扉を乗り越えなければならず、異物の侵入に手間取るようにして不正を防止する構成としてもよい。すなわち、大きさや形状を異ならせることによって、異物の侵入ルートを複雑にして手間取るようにし、異物侵入による不正を防止する構成としてもよい。
【0074】
第1及び第2異物侵入防止部材は、本実施例では第1透明板扉及び第2透明板扉の側部に設けているが、それに限られず、異物侵入ルートを複雑化することが可能であれば、どこに設けてもよい。また、本実施例では、第1透明板扉11や第2透明板扉13を開閉可能に回動するために、遊技構成体取付枠5に上側第1軸受け部171及び上側第2軸受け部173を形成した上側軸受け部材17や下側第1軸孔182及び下側第2軸孔183を形成した下側軸受け部材18を設ける一方、第1透明板扉11に上側第1軸部材175及び下側第1軸部材185を設けると共に第2透明板扉13に上側第2軸部材177及び下側第2軸部材187を設けている。すなわち、第1透明板扉の一端を軸にして開閉可能に回動する第1軸部及び第1軸受け部と、第2透明板扉の一端を軸にして開閉可能に回動する第2軸部及び第2軸受け部を備えており、遊技機構成体取付枠に第1軸受け部と第2軸受け部とを設ける一方、第1軸部は第1透明板扉に設けており、第2軸部は第2透明板扉に設けた構成である。しかしながら、この構成に限るものではなく、例えば、第1軸部と第2軸部を遊技構成体取付枠に、第1軸受け部を第1透明板扉に、第2軸受け部を第2透明板扉に設ける構成でもよいし、第1軸受け部や第2軸受け部を例えば枠扉に設ける等の構成でもよい。また、第1軸受け部と第2軸受け部とを一つの軸受け部材で構成してもよいし、第1軸部と第2軸部を一つの軸部材で構成してもよい。その他、第1透明板扉と第2透明板扉が開閉可能に回動する構成であれば、軸部と軸受け部の位置・構成は適宜変更可能である。以上まとめると、遊技機には第1透明板扉の一端を軸にして開閉可能に回動する第1軸部及び第1軸受け部と、第2透明板扉の一端を軸にして開閉可能に回動する第2軸部及び第2軸受け部とを備えており、この構成により第1透明板扉と第2透明板扉を各々開閉可能に回動することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 遊技機
3 木枠
5 遊技構成体取付枠
7 遊技盤(遊技構成体)
10 透明板扉
11 第1透明板扉
13 第2透明板扉
15 枠扉
19 音声発生装置(遊技状態を報知する電気的装置)
53 発射装置
151 枠扉の窓部
152 音声発生装置の覆い部
221 第1異物侵入防止部材
222 第2異物侵入防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段を操作することに起因して遊技を進行させるために作動する遊技装置を設けた遊技構成体と、
前記遊技構成体を保持する遊技構成体取付枠と、
前記遊技構成体の前方に位置すると共に前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能にされて閉時には前記遊技構成体の前面を覆って前記遊技構成体が視認可能な透明板扉を備えた遊技機において、
前記透明板扉は第1透明板扉と前記第1透明板扉の前方に位置する第2透明板扉とを備え、前記第1透明板扉と前記第2透明板扉がそれぞれ前記遊技構成体取付枠に対して開閉可能とされており、
前記遊技構成体または前記遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間に、前記第1透明板扉の閉鎖状態時に前記遊技構成体または遊技構成体取付枠と前記第1透明板扉間の隙間を塞いで前記隙間から異物が侵入するのを防止する第1異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、前記第2透明板扉の閉鎖状態時に前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間の隙間を塞いで該隙間から異物が侵入するのを塞ぐ第2異物侵入防止部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1透明板扉と前記第2透明板扉間には、遊技状態を報知する電気的装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記電気的装置が前記第1透明板扉と接触しないように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技構成体は遊技球の流下する遊技領域の形成された遊技盤からなり、前記電気的装置は音声発生装置であることを特徴とする請求項3または4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記第2透明板扉を視認可能な窓部が形成されると共に前記窓部とは異なる位置に前記音声発生装置の少なくとも一部を覆う覆い部が形成されて前記遊技構成体取付枠に対し開閉可能とされた枠扉を、前記第2透明板扉の前方に備えていることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−167575(P2011−167575A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129813(P2011−129813)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【分割の表示】特願2005−189262(P2005−189262)の分割
【原出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】