説明

遊技機

【課題】 前扉や取付部の剛性を向上可能とするとともに、取付部の配置領域を確保して演出効果をさらに向上でき、かつ、取付部材の簡易な仮止めを可能とする。
【解決手段】 垂直方向に立設され上下に開口部21、22を有した板状部材からなる基枠(前扉本体90)と、基枠に取り付けられる複数の取付部材7と、を備える遊技機1であって、基枠は、第一の開口部21と第二の開口部22の間に、複数の取付部材7を係止する取付部を備え、取付部は、該取付部を介して上下に取り付けられる二つの取付部材7それぞれに当接可能に凸設された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技に関する情報を表示する液晶表示器やリール図柄を表示する表示窓などが前面に設けられた遊技機に関し、特に、液晶表示器を含む表示ユニットや、表示窓を構成する表示部材を支持する中パネル枠を、遊技機の前面に設けられた前扉に取り付けるための取付構造を備えて該前扉の剛性を向上可能とする遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機は、前面に開口を有する箱状の筐体と、水平方向に回動する遊技機の正面側を覆う前扉とを備えて構成されている。そして、前扉には、遊技に関する情報を表示可能な液晶表示器や、所定の図柄が周面に描かれたリールを視認可能な表示窓、遊技者により操作されるスタートレバーやストップボタンなどが設けられる操作台、遊技機に関連したキャラクタやデザインなどが施された化粧パネルなどが装着されている。
【0003】
ここで、それら液晶表示器等を前扉に装着する手法には様々なものがあるが、その具体例として、例えば、液晶表示器を含む表示ユニットを前扉の裏側から取り付けるもの(例えば、特許文献1参照。)、表示窓を構成する透明表示板を支持する中パネル枠を前扉の裏側から取り付けるもの(例えば、特許文献2参照。)、化粧パネルを含む下パネルを前扉の裏側から取り付けるもの(例えば、特許文献3参照。)、などがある。
【0004】
また、下パネルの取り付け方法として、該下パネルの上辺に凸設形成された係止片を前扉の係止部に係止させた後、下パネルの下辺に鉤状に形成された係合爪を前扉の係合部に係合させることにより、下パネルを取り付けるものがある(例えば、特許文献4参照。)。このような構成にすれば、下パネルを前扉に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−304747号公報
【特許文献2】特開2005−021435号公報
【特許文献3】特開2007−252395号公報
【特許文献4】特開2003−225353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前扉への液晶表示器等の装着については、次のような問題があった。
例えば、前扉の前面上部に取り付けられる液晶表示器は、制御基板を含むユニット化された状態で前扉の裏面にネジにより螺着固定されるが、特に表示ユニットの下側を固定するネジや、このネジが螺入するネジ穴には、表示ユニットの荷重が一手に加わるため、その剛性や耐荷重が問題となっていた。しかも、液晶表示器は、演出効果の向上のために表示画面が拡大傾向にあり、これに伴って表示ユニットの重量も増加していることから、前述したネジやネジ穴といった表示ユニットの取付部の剛性や耐荷重を高める必要があった。
【0007】
また、前述したように、液晶表示器は、演出効果の向上のために表示画面が拡大傾向にあった。そして、前扉の本体上部には、その液晶表示器を前面に露出させるための表示窓が形成されており、液晶表示器の拡大に伴って表示窓も大きくなっていた。このため、前扉においては、その液晶表示器を含む表示ユニットの取付部の配置領域が狭くなり、その配置領域の確保が難しくなっていた。
【0008】
さらに、遊技機の設計段階や検査段階においては、取付部材の改良や更新等にともなって該取付部材の取り外しや交換を行うことが多い。ここで、取付部材がネジを用いて装着される場合、ドライバーなどでそのネジを回しながら締め付けて螺着し、また取付部材を交換する際には、そのネジを逆方向に回しながら緩めて取り外す必要があり、相当の手間がかかっていた。よって、ネジによる強固な螺着ではなく、取付部材の交換を想定した簡易な仮止めが可能な技術の提案が求められていた。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、前扉や取付部の剛性や耐荷重の問題を解消するとともに、取付部の配置領域を確保しつつ液晶表示器を拡大して演出効果の向上を実現でき、かつ、取付部材の簡易な仮止めを可能とする遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の遊技機は、垂直方向に立設され上下に開口部を有した板状部材からなる基枠と、基枠に取り付けられる複数の取付部材と、を備える遊技機であって、基枠は、第一の開口部と第二の開口部の間に、複数の取付部材を係止する取付部を備え、取付部は、該取付部を介して上下に取り付けられる二つの取付部材それぞれに当接可能に凸設された構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、基枠に取り付けられる少なくとも二つの取付部材間の境界に、これら二つの取付部材それぞれに当接可能に凸設された取付部を備えたので、上方の取付部材からの荷重が、取付部を介して下方の取付部材に加わるようになり、該取付部の負担が減少することから、取付部の剛性や耐荷重の問題を解消できる。
【0012】
また、基枠に対して一つの取付部が二つの取付部材を係止可能としたので、該取付部の配置領域を最小限に抑えることができ、取付部材を設ける表示窓を大きく形成して、演出効果の向上を実現できる。
さらに、前扉側の取付部として係入部と弾性爪部を備え、ユニット側の取付部として挿入部と被係止部を備えた構成とし、ユニット側取付部の挿入部を前扉側取付部の係入部に係入するとともに、前扉側取付部の弾性爪部をユニット側取付部の被係止部に係止することで、取付部材を容易に仮止めできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】遊技機の構成を示す外観斜視図である。
【図2】遊技機の内部構成を示す斜視図である。
【図3】遊技機の前扉本体の裏面の構成を示す斜視図である。
【図4】斜め上方向から見た前扉本体の裏面の構成を示す斜視図である。
【図5】表示ユニットの構成を示す裏面図である。
【図6】中パネル枠の構成を示す裏面図である。
【図7】表示ユニットと中パネル枠を前扉本体に装着する様子を示す分解斜視図である。
【図8】表示ユニット及び中パネル枠が取り付けられていない状態における前扉本体の裏面の構成を示す裏面図である。
【図9】前扉本体の第一桟部に設けられる取付部の構成を示す水平方向断面図(図8のI−I断面図)である。
【図10】表示ユニットに対応して設けられる前扉側取付部の構成を示す垂直方向断面図(図8のII−II断面図)であって、(a)は、表示ユニットの取付前、(b)は、表示ユニットの取付後を示す。
【図11】中パネル枠に対応して設けられる前扉側取付部(凸状部及びネジ穴部)の構成を示す垂直方向断面図(図8のIII−III断面図)であって、(a)は、中パネル枠の取付前、(b)は、中パネル枠の取付後を示す。
【図12】中パネル枠に対応して設けられる前扉側取付部(弾性爪部)の構成を示す水平方向断面図(図8のIV−IV断面図)である。
【図13】表示ユニット及び中パネル枠が取り付けられた状態における前扉本体の前面の構成を示す正面図である。
【図14】表示ユニットが取り付けられた状態における前扉上部の構成を示す垂直方向断面図(図13のV−V断面図)である。
【図15】中パネル枠が取り付けられた状態における前扉中央部の構成を示す垂直方向断面図(図13のVI−VI断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明を適用した場合について、図面を参照して説明する。
【0015】
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図、図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体1bと、この筐体1bの前面に開閉可能に設けられる前扉1aとを備えて構成されている。
【0016】
前扉1aは、水平方向に回動する遊技機1の正面側を覆う扉体であって、垂直方向に立設される板状部材からなる。この前扉1aの前面中央には、筐体1bの内部に配置され、外周面に複数種類の図柄や数字などの識別情報が描かれた複数のリール11(11a,11b,11c)の該識別情報を視認可能な識別情報表示窓(中窓)21が設けられている。
また、識別情報表示窓21の上方には、遊技に関する情報を画面表示する液晶表示器71の表示画面を視認可能な遊技情報表示窓(上窓)22が設けられている。
【0017】
さらに、識別情報表示窓21の下方には、遊技操作に係る複数の操作手段が設けられている。操作手段には、メダルが投入されるメダル投入口31と、各リール11の回転を始動させるスタートレバー32と、回転している各リール11を停止させる複数(通常3つ)の停止ボタン33(33a,33b,33c)などがあり、これらが操作台3に設けられている。操作台3は、前扉1aの正面から前方に向けて張り出した凸型形状の遊技者操作用台であって、遊技者が操作しやすいように前述の各操作手段が集中して取り付けられている。
そして、前扉1aには、この前扉1aの前面を覆うように前面パネル1cが設けられている。
【0018】
筐体1bの内部には、複数のリール11を収納するドラムユニット10と、マイクロコンピュータ等で構成された制御部4と、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置5が設けられている。
【0019】
このような構成を有するスロットマシン1では、次のようなスロットマシン遊技が進行する。
すなわち、遊技者によりメダル投入口31からメダルが投入され、スタートレバー32が操作されると、制御部4は、ドラムユニット10を駆動して、各リール11を回転させる制御を行う。また、制御部4は、スタートレバー32が操作されたときに、ボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんを行い、各停止ボタン33が押下操作されたタイミングに基づき、抽せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール11の停止制御を行う。
さらに、制御部4は、各リール11に停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置5に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口6から払い出す。
【0020】
このような遊技動作を行うスロットマシン1においては、前扉1aの裏面90aの上部に、制御部4からの指令により液晶表示器71の表示内容を制御する表示制御基板72(図14参照)と該液晶表示器71とを含む表示ユニット7aが設けられている。また、前扉1aの裏面90aの中央には、識別情報表示窓21を構成する透明の表示部材21aを周囲から支持する矩形状の枠体である中パネル枠7bが取り付けられている。これら表示ユニット7a及び中パネル枠7bは、所定かつ複数の機能をユニット化して前扉1aの裏面90aに取付容易にした取付部材7(7a、7b)として構成されており、前扉1aの裏面90aに重なることなく取り付けられている。
【0021】
取付部材7には、該取付部材7を前扉1aの裏面90aに取付可能に形成された挿入部73−1(73a−1、73b−1)や貫通孔75−1(75a−1、75b−1)などのユニット側取付部が設けられている。一方、前扉1aの裏面90aには、取付部材7のユニット側取付部に対応して形成された係入部92cやネジ穴部94a(94a−1、94a−2)などの前扉側取付部が設けられている。これらユニット側取付部と前扉側取付部とを互いに係止することで、取付部材7を前扉1aの裏面90aに取付可能となっている。つまり、それらユニット側取付部と前扉側取付部とにより取付部材7の取付構造を構成している。
そして、取付部材7の取付構造の一つとして、前扉1aの裏面90aにおける表示ユニット7aとこれに隣接して取り付けられる中パネル枠7bとの間の境界に、これらの取付部材7を前扉1aの裏面90aに係止する取付部(凸状部92b)を備え、この取付部がそれら二つの取付部材7それぞれに当接可能に凸設された構造となっている。
以下に、本実施形態の遊技機における取付部材の取付構造について、各図を参照して詳述する。
【0022】
[遊技機における取付部材の取付構造]
図3は、取付部材7が取り外された状態における前扉本体90の裏面90aの構成を示す斜視図、図4は、前扉1aの裏面90aを斜め上から見た状態を示す斜視図、図5は、表示ユニット7aの構成を示す裏面図、図6は、中パネル枠7bの構成を示す裏面図、図7は、表示ユニット7aと中パネル枠7bを前扉1aの裏面90aへ取り付ける様子を示す分解斜視図、図8は、表示ユニット7a及び中パネル枠7bが取り外された状態における前扉本体90の裏面90aの構成を示す裏面図、図9は、凸状部92bの構成を示す水平方向断面図(図8のI−I断面図)、図10は、表示ユニット7aの取付前(a)又は取付後(b)における、表示ユニット取付用の前扉側取付部の構成を示す垂直方向断面図(図8のII−II断面図)、図11は、中パネル枠7bの取付前(a)又は取付後(b)における、中パネル枠取付用の前扉側取付部(凸状部92b及びネジ穴部94a)の構成を示す垂直方向断面図(図8のIII−III断面図)、図12は、中パネル枠取付用の前扉側取付部(弾性爪部93a−2)の構成を示す水平方向断面図(図8のIV−IV断面図)、図13は、表示ユニット7a及び中パネル枠7bの取付状態における前扉本体90の前面90bの構成を示す正面図、図14は、表示ユニット7aの取付状態における前扉本体90の上部の構成を示す垂直方向断面図(図13のV−V断面図)、図15は、中パネル枠7bの取付状態における前扉本体90の中央部の構成を示す垂直方向断面図(図13のVI−VI断面図)である。
【0023】
本実施形態に係る取付部材7の取付構造は、前述したように、取付部材7に形成された挿入部73−1や貫通孔75−1などのユニット側取付部と、前扉1aの裏面90aに形成された係入部92cやネジ穴部94aなどの前扉側取付部とによって構成され、これらユニット側取付部と前扉側取付部とを互いに係止することで、取付部材7を前扉1aの裏面90aに取付可能となっている。
そして、前扉側取付部の一つとして、前扉1aの裏面90aにおける表示ユニット7aとこれに隣接して取り付けられる中パネル枠7bとの間の境界に、これらの取付部材7を前扉1aの裏面90aに係止する取付部(凸状部92b)を備え、この取付部がそれら二つの取付部材7それぞれに当接可能に凸設された構造となっている。
ここでは、まず、前扉1a及び前扉側取付部の構成について説明し、その後にユニット側取付部の構成について説明する。
【0024】
前扉1aの本体90は、垂直方向に立設された板状部材である前扉1aの基礎となる枠体部分(基枠)であって、一定の剛性を有した金属又は合成樹脂などで形成することができ、前述した表示ユニット7a等の取付部材7や操作台3、前面パネル1cなど、遊技に関する装置が多数装着されるとともに、これら各装置を装着可能とするために、所定の箇所にネジ穴や弾性爪部などの取付部が多数配置されている。
【0025】
また、前扉本体90には、表示ユニット7aに含まれる液晶表示器71の表示画面を前面に表示可能に開口された遊技情報表示窓(上窓)22と、中パネル枠7bに含まれる透明板状の表示部材21aを前面に露出可能に開口された識別情報表示窓(中窓)21と、操作台3に配置された各操作手段の配線やメダル投入口31からのメダルを遊技機1の内部に取込可能に開口された下窓23が形成されている。
そして、遊技情報表示窓22と識別情報表示窓21との間に、前扉本体90の右枠部91cと左枠部91dとを橋渡しするように設けられた、長手方向が水平方向の第一桟部91aを有し、識別情報表示窓21と下窓23との間に、前扉本体90の右枠部91cと左枠部91dとを橋渡しするように設けられた、長手方向が水平方向の第二桟部91bを有している。
【0026】
なお、本実施形態においては、前扉本体90を裏面90a側から見て右側にある枠を右枠部91c、左側にある枠を左枠部91dとしているが、これらに限るものではなく、前扉1aを前面90b側から見て右側にある枠を右枠部、左側にある枠を左枠部とすることもできる。ただし、これらは呼び名の違いだけであって、前扉1aの構成が変わるものではない。
また、遊技情報表示窓22には表示ユニット7aが取り付けられることから、遊技情報表示窓22及びこの周辺は、表示ユニット7aの取付領域を構成する。さらに、識別情報表示窓21には中パネル枠7bが取り付けられることから、識別情報表示窓21及びこの周辺は、中パネル枠7bの取付領域を構成する。そして、遊技情報表示窓22と識別情報表示窓21との間に位置する第一桟部91aは、表示ユニット7aの取付領域と中パネル枠7bの取付領域との境界に位置する。
【0027】
第一桟部91aは、前扉本体90の右枠部91cと左枠部91dとを橋渡しするように連接する板状の基部92aと、この基部92aから遊技機1の内部へ向かう方向(前扉本体90の裏面90aから垂直方向)に凸設形成された一又は二以上の凸状部92bとを有している。
凸状部92bは、図3、図4、図9等に示すように、上方から見た形状がほぼ矩形状(本実施形態においては、ほぼ台形状)で肉厚中空に形成されており、第一桟部91aの長手方向(立設された前扉本体90に対して水平方向)に沿って連続して複数形成することができる。
【0028】
また、凸状部92bには、矩形状の中央部に穴状に開口された係入部92cが形成されている。
係入部92cは、凸状部92bの上面92b1又は下面92b2のいずれか一方に形成されている。そして、係入部92cが上面92b1に形成された凸状部92bは、表示ユニット7aの下辺77aに形成された挿入部73a−1(後述)が係入し、係入部92cが下面92b2に形成された凸状部92bは、中パネル7bの上辺78bに形成された挿入部73b−1(後述)が係入するようになっている。
つまり、複数の凸状部92bのうち上面92b1に係入部92cが形成された凸状部92bは、表示ユニット7a用の前扉側取付部として構成され、下面92b2に係入部92cが形成された凸状部92bは、中パネル枠7b用の前扉側取付部として構成されている。具体的には、図4に示すように、五つの凸状部92b(第一凸状部92b−1〜第五凸状部92b−5)が第一桟部91aに連設されている場合において、右枠部91cの方から数えて一つ目の第一凸状部92b−1と、三つ目の第三凸状部92b−3と、五つ目の第五凸状部92b−5が、上面92b1に係入部92cが形成された表示ユニット7a用の前扉側取付部を構成し、二つ目の第二凸状部92b−2と、四つ目の第四凸状部92b−4が、下面92b2に係入部92c(図示せず)が形成された中パネル枠7b用の前扉側取付部として構成されている。
【0029】
また、凸状部92bの上面92b1又は下面92b2の一方に係入部92cが形成されている場合において、該係入部92cが形成されていない面は、閉塞しており、取付部材7の側面の一部が当接する被当接面92dとして構成されている。
例えば、上面92b1に係入部92cが形成された凸状部92bの下面92b2は、中パネル枠7bの上辺78bに設けられた当接部73b−2が当接する被当接面92dとして構成されている。また、下面92b2に係入部92cが形成された凸状部92bの上面92b1は、表示ユニット7aの下辺77aに設けられた当接部73a−2が当接する被当接面92dとして構成されている。
【0030】
さらに、凸状部92bの上面92b1に形成された係入部92cに表示ユニット7aの挿入部73a−1が係入する場合、挿入部73a−1の先端面73a−3が係入部92cの穴状底部92eに当接するか、あるいは、挿入部73a−1が形成された表示ユニット7aの下辺77aのうちの挿入部73a−1の周辺部73a−4が係入部92cの形成された凸状部92bの上面92b1に当接する。また、凸状部92bの下面92b2に形成された係入部92cに中パネル枠7bの挿入部73b−1が係入する場合、挿入部73b−1の先端面73b−3が係入部92cの穴状底部92eに当接するか、あるいは、挿入部73b−1が形成された中パネル枠7bの上辺78bのうちの挿入部73b−1の周辺部73b−4が係入部92cの形成された凸状部92bの下面92b2に当接する。
【0031】
つまり、凸状部92bにおいては、係入部92cが形成された上面92b1又は下面92b2で、該係入部92cに挿入部73−1を挿入する取付部材7の一部が当接し、係入部92cが形成されていない下面92b2又は上面92b1では、前述したように取付部材7の当接部73−2が当接する。
このように、凸状部92bは、二つの取付部材7それぞれに当接可能に凸設されていることから、該凸状部92bの上面92b1に当接する表示ユニット7aからの荷重を、該凸状部92bを介して、下面92b2に当接する中パネル枠7bに伝えることができ、該凸状部92bの加重負担を軽減可能として、凸状部92bの剛性又は耐荷重に関する問題、例えば、それら剛性や耐荷重の強化に伴う設計労力やコストアップを抑えることができる。
【0032】
また、前扉本体90の裏面90aに取り付けられた表示ユニット7aと中パネル枠7bとの間の境界に、表示ユニット7a用の凸状部92bと中パネル枠7b用の凸状部92bを配置したので、それら凸状部92bを最小限の配置エリアで効率的に配置できる。これにより、遊技情報表示窓22を大きく形成できるため、画面の拡大された液晶表示器71を取付可能にして、演出効果をさらに高めることができる。
【0033】
また、凸状部92bは、中パネル枠7bにおける該凸状部92bと当接する側の辺(中パネル枠7bの上辺78b)に対応した長さで複数連設されている。これにより、表示ユニット7aからの荷重を、中パネル枠7bの上辺78bの全体で受け止めて表示ユニット7aを支持することができる。これにより、液晶表示器71の表示画面が大きくなって表示ユニット7aが重くなったり、表示ユニット7aの下辺77aが中パネル枠7bの上辺78bより長くなったりしたとしても、中パネル枠7bの上辺78bの全体で安定して表示ユニット7aを支持することができる。なお、表示ユニット7aの下辺77aが中パネル枠7bの上辺78bより短い場合には、中パネル枠7bの上辺78bのうち表示ユニット7aの下辺77aに対向する部分で、その表示ユニット7aを支持することができる。
【0034】
さらに、第一桟部91aを、単なる平板ではなく、複数の凸状部92bが連設した凹凸形状としたので、この第一桟部91aの剛性を高めることができる。
しかも、複数の凸状部92bが前扉本体90と一体形成されているので、係止用の部品点数を減少でき、部品管理の煩雑さを軽減できる。ただし、凸状部92b(又は、係入部92cが形成される部材)は、前扉本体90とは別個に形成し、第一桟部91aに接合する構成とすることもできる。
【0035】
なお、凸状部92bの凸設方向の長さ(凸状部92bの矩形状の高さ、図4の「L」)は、一の取付部材7用と他の取付部材7用で変えることができる。具体的には、例えば、図4に示すように、表示ユニット7a用の凸状部92b(第一凸状部92b−1、第三凸状部92b−3、第五凸状部92b−5)の凸設方向の長さを長くし、中パネル7b用の凸状部92b(第二凸状部92b−2、第四凸状部92b−4)の凸設方向の長さを短くすることができる。これにより、その凸状部92bがいずれの取付部材7用の凸状部92bであるかを容易に認識でき、取付部材7を係止する際に、係止位置の間違えを防止できる。
【0036】
ここまで説明した凸状部92bの他、前扉本体90に形成される前扉側取付部には、凸設鉤状に形成された弾性爪部93a(93a−1、93a−2)や、ネジ8が螺入されるネジ穴部94a(94a−1、94a−2)などがある。
弾性爪部93aは、前扉本体90の裏面90aのうち窓部(遊技情報表示窓22、識別情報表示窓21)の周縁部に沿った複数箇所に、前扉本体90の裏面90aから垂直方向外方に向かって凸設形成された取付部である。この弾性爪部93aの先端は、窓部に向かって鉤状に屈曲形成されており、取付部材7の端辺に設けられた被係止部74−2(74a−2、74b−2)に係止して該取付部材7を固定するようになっている。
【0037】
具体的に、弾性爪部93aには、表示ユニット7aを係止固定する弾性爪部93a−1と、中パネル枠7bを係止固定する弾性爪部93a−2がある。
表示ユニット7a用の弾性爪部93a−1は、遊技情報表示窓22の上縁部に沿った複数箇所(図3においては、二箇所)に凸設形成されており、表示ユニット7aの被係止部74a−2に係止して該表示ユニット7aを固定するようになっている。
中パネル枠7b用の弾性爪部93a−2は、識別情報表示窓21の側縁部近傍の複数箇所(図3においては、二箇所)に凸設形成されており(図12参照)、中パネル枠7bの被係止部74b−2に係止して該中パネル枠7bを固定するようになっている。
【0038】
なお、表示ユニット7a用の弾性爪部93a−1は、本実施形態においては、遊技情報表示窓22の上縁部に沿った二箇所に形成しているが、上縁部かつ二箇所に限るものではなく、遊技情報表示窓22の周縁部に沿った任意の箇所に任意の数だけ設けることができる。
また、中パネル枠7b用の弾性爪部93a−2は、本実施形態においては、識別情報表示窓21の側縁部近傍の二箇所に形成しているが、識別情報表示窓21の側縁部近傍かつ二箇所に限るものではなく、識別情報表示窓21の周縁部に沿った任意の箇所に任意の数だけ設けることができる。
【0039】
ネジ穴部94aは、前扉本体90の裏面90aのうち窓部(遊技情報表示窓22、識別情報表示窓21)の周縁部に沿った複数箇所に、該裏面90aから前扉1aの前面90b方向に向かって穿設された穴部である。このネジ穴部94aに、取付部材7に設けられた貫通孔75−1を重ね合わせ、これら貫通孔75−1とネジ穴部94aにネジ8を挿入して該取付部材7を螺着固定するようになっている。
【0040】
具体的に、ネジ穴部94aには、表示ユニット7aを係止固定するネジ穴部94a−1と、中パネル枠7bを係止固定するネジ穴部94a−2がある。
表示ユニット7a用のネジ穴部94a−1は、遊技情報表示窓22の上縁部に沿った複数箇所(図3においては、三箇所)に穿設されており、表示ユニット7aの貫通孔75a−1を重ね合わせてネジ8を挿入し該表示ユニット7aを螺着固定するようになっている。
中パネル枠7b用のネジ穴部94a−2は、識別情報表示窓21の下縁部に沿った複数箇所(図3においては、二箇所)に穿設されており、中パネル枠7bの貫通孔75b−1を重ね合わせてネジ8を挿入し該中パネル枠7bを螺着固定するようになっている。
【0041】
なお、表示ユニット7a用のネジ穴部94a−1は、本実施形態においては、遊技情報表示窓22の上縁部に沿った三箇所に形成しているが、上縁部かつ三箇所に限るものではなく、遊技情報表示窓22の周縁部に沿った任意の箇所に任意の数だけ設けることができる。
また、中パネル枠7b用のネジ穴部94a−2は、本実施形態においては、識別情報表示窓21の下縁部に沿った二箇所に形成しているが、識別情報表示窓21の下縁部かつ二箇所に限るものではなく、識別情報表示窓21の周縁部に沿った任意の箇所に任意の数だけ設けることができる。
【0042】
このように、前扉1aの裏面90aには、前扉側取付部が形成されているが、この前扉側取付部に対応して、表示ユニット7aや中パネル枠7bなどの取付部材7には、ユニット側取付部が形成されている。
以降、取付部材7及びユニット側取付部の構成について説明する。
【0043】
表示ユニット7aは、液晶表示器71の表示内容を制御する表示制御基板72を収納する基板ケース76を備えて構成されている。
基板ケース76は、例えば、透明のプラスチックなどを材料として形成することができ、図5に示すように、下辺77aには、外方へ向かって凸設形成された挿入部73a−1が設けられており、上辺78aには、外方へ向かって延出形成された延設部79aが設けられている。この延設部79aには、該延設部79aの延出方向に対して垂直に穿設された孔部74a−1と、この孔部74a−1の内面の一部に形成された壁部(又は、孔部74a−1の開口周縁部の一部)からなる被係止部74a−2と、延設部79aの延出方向に対して垂直に穿設された貫通孔75a−1が形成されている。
【0044】
挿入部73a−1は、前扉本体90の裏面90aに設けられた複数の凸状部92bのうち表示ユニット7a用の凸状部92bに対応して設けられた突設部分であって、図10(a),(b)及び図14に示すように、凸状部92bの係入部92cに上方から係入されることで、該挿入部73a−1の側面や先端面73a−3が係入部92cの内側面や穴状底部92eに近接又は接触するため、挿入部73a−1が係入部92cに係止されて、表示ユニット7aを前扉本体90に対する前後左右方向及び下方向に脱抜不能としている。
【0045】
孔部74a−1及び被係止部74a−2は、前扉本体90の裏面90aに設けられた弾性爪部93a−1に対応して設けられており、図10(a),(b)に示すように、弾性爪部93a−1の鉤状部分が孔部74a−1に挿入されるとともに被係止部74a−2に係止することで、弾性爪部93a−1が孔部74a−1の内側面により上下及び側方から囲まれるとともに、弾性爪部93a−1が孔部74a−1の開口方向から被係止部74a−2を係止するため、表示ユニット7aを前扉本体90から脱抜不能としている。
貫通孔75a−1は、前扉本体90の裏面90aに設けられたネジ穴部94a−1に対応して穿設されており、図14に示すように、該貫通孔75a−1に挿入されたネジ8がネジ穴部94a−1に螺入することで、表示ユニット7aを前扉本体90に螺着固定し脱抜不能としている。
【0046】
なお、本実施形態において、表示ユニット7aには、挿入部73a−1が三つ設けられているが、三つに限るものではなく、任意の数だけ設けることができる。そして、前扉本体90においては、その挿入部73a−1の数と同数の凸状部92b及び係入部92cが形成される。被係止部74a−1や貫通孔75a−1も同様である。
また、延設部79aは、基板ケース76の上辺78aに複数形成することができ、これら延設部79aのそれぞれに、被係止部74a−1と貫通孔75a−1の一方又は双方を形成することができる。
【0047】
中パネル枠7bは、識別情報表示窓21を構成する透明な表示部材21aを四方から支持する枠体7b1を有して構成されている。
この枠体7b1は、例えば、一定の剛性を有するプラスチックなどの材料で形成することができ、上辺78bには、外方へ向かって凸設形成された挿入部73b−1が設けられており、下辺77bには、外方へ向かって延出形成された延設部79bが設けられている。この延設部79bには、該延設部79aの縁部からなる被係止部74b−1と、該延設部79aの延出方向に対して垂直に穿設された貫通孔75b−1とを有している。
【0048】
挿入部73b−1は、前扉本体90の裏面90aに設けられた複数の凸状部92bのうち中パネル枠7b用の凸状部92bに対応して設けられた突設部分であって、図11(a),(b)及び図15に示すように、凸状部92bの係入部92cに下方から係入されることで、該挿入部73b−1の側面や先端面73b−3が係入部92cの内側面や穴状底部92eに近接又は接触するため、挿入部73b−1が係入部92cに係止されて、中パネル枠7bを前扉本体90の前後左右方向及び上方向に脱抜不能としている。
【0049】
被係止部74b−2は、前扉本体90の裏面90aに設けられた弾性爪部93a−2に対応して設けられており、弾性爪部93a−2の鉤状部分が被係止部74b−2に係止することで、弾性爪部93a−2が中パネル枠7bを側方から係止固定するため、中パネル枠7bを前扉本体90の左右方向に脱抜不能としている。
貫通孔75b−1は、前扉本体90の裏面90aに設けられたネジ穴部94aに対応して穿設されており、図11(a),(b)に示すように、該貫通孔75b−1に挿入されたネジ8がネジ穴部94a−2に螺入することで、中パネル枠7bを前扉本体90に螺着固定し脱抜不能としている。
【0050】
なお、本実施形態において、中パネル枠7bには、挿入部73b−1が二つ設けられているが、二つに限るものではなく、任意の数だけ設けることができる。そして、前扉本体90においては、その挿入部73b−1の数と同数の凸状部92bが形成される。被係止部74b−1や貫通孔75b−1も同様である。
【0051】
このように、本実施形態に係る取付部材の取付構造は、前扉本体90の裏面90aにおいて、第一桟部91aに形成された複数の凸状部92bと、窓部21、22の周縁に沿って設けられた鉤状の弾性爪部93aと、同じく窓部21、22の周縁に沿って穿設されたネジ穴部94aを設けるとともに、取付部材7において、前記の凸状部92bの係入部92cに係入する挿入部73−1と、前記の弾性爪部93aが係止される被係止部74−1と、前記のネジ穴部94aに重ね合わされてネジ8が挿入される貫通孔75−1とを有して構成されている。
【0052】
そして、取付部材7は、次の手順で、前扉本体90の裏面90aに取り付けられる。
取付部材7が表示ユニット7aの場合は、まず、表示ユニット7aの挿入部73a−1を前扉本体90の係入部92cに係入する。このとき、その表示ユニット7aの挿入部73a−1は、係入部92cの垂直上方から係入するのではなく、表示ユニット7aの上辺78aを手前へ傾斜させながら係入部92cに対し斜め上方向から係入し、係入後に表示ユニット7aが垂直方向に向くように、係入部92cを軸として起こす。そして、このときに、表示ユニット7aの被係止部74a−2に前扉本体90の弾性爪部93a−1の鉤状部分を係止させる。これにより、表示ユニット7aが前扉本体90の裏面90aに装着(仮止め)される。また、表示ユニット7aを仮止めした状態では、表示ユニット7aの貫通孔75a−1と前扉本体90のネジ穴部94a−1が重なり合う。ここにネジ8を螺入することで、表示ユニット7aを前扉本体90の裏面90aに螺着固定することができる。
【0053】
また、取付部材7が中パネル枠7bの場合は、まず、中パネル枠7bの挿入部73b−1を前扉本体90の係入部92cに係入する。このとき、その中パネル枠7bの挿入部73b−1は、係入部92cの垂直下方から係入するのではなく、中パネル枠7bの下辺77bを手前へ傾斜させながら係入部92cに対し斜め下方向から係入し、係入後に中パネル枠7bが垂直方向に向くように、係入部92cを軸として中パネル枠7bの下辺77bを押し込む。このように押し込むと、中パネル枠7bの被係止部74b−2に前扉本体90の弾性爪部93a−2の鉤状部分が係止する。これにより、中パネル枠7bが前扉本体90の裏面90aに装着(仮止め)される。また、中パネル枠7bが仮止めされた状態では、中パネル枠7bの貫通孔75b−1が前扉本体90のネジ穴部94a−2に重なり合う。ここにネジ8を螺入することで、中パネル枠7bを前扉本体90の裏面90aに螺着固定することができる。
【0054】
このように、取付部材7の取付構造として、前扉本体90に穴状の係入部92cと鉤状の弾性爪部93aを形成し、取付部材7に凸状部73−1と被係止部74−1を形成して、取付部材7の凸状部73−1を前扉本体90の係入部92cに係入するとともに、取付部材7の被係止部74−1に前扉本体90の弾性爪部93aを係止するようにしたので、取付部材7を前扉本体90に取付可能となるとともに、係入部92cでは凸状部73−1が単に挿入された状態であり、弾性爪部93aを人の手で係止方向とは逆の方向へ弾性的に曲げることで、その係止を解除して取付部材7を容易に取り外すことができる。つまり、取付部材7の取付構造として、係入部92cと凸状部73−1、そして、弾性爪部93aと被係止部74−1との組み合わせを採用したことで、取付部材7を前扉1aに対し取り外し可能に仮止めすることができる。そして、取付部材7の貫通孔75−1と前扉本体90のネジ穴部94aにネジ8を螺入することで取付部材7を前扉本体90にしっかり螺着固定することができる。
【0055】
なお、取付部材7の挿入部73−1が係入する係入部92cの開口の形状は、取付部材7の挿入部73−1の形状に対応している。具体的には、例えば、係入部92cの開口の幅方向(第一桟部91aの長手方向に平行する方向、図4のA1方向)の長さは、取付部材7の挿入部73−1の幅方向(取付部材7における挿入部73−1が形成された辺に平行する方向、図7のA2方向)の長さより僅かに長くなっている。そして、係入部92cの開口の奥行き方向(第一桟部91aの長手方向に対して垂直方向、図4のB1方向)の長さは、取付部材7の挿入部73−1の奥行き方向(取付部材7における挿入部73−1が形成された辺に対して水平に直交する方向、図7のB2方向)の長さの所定倍以上(例えば、1.5倍以上)の長さとなっている。
これは、取付部材7を前扉本体90の裏面90aに取り付ける手順に関係している。すなわち、前述したように、取付部材7の挿入部73−1を係入部92cに係入する際に、その取付部材7の上辺78(又は下辺77)を手前へ傾けながら係入部92cに斜め上方向(又は斜め下方向)から係入し、係入後に取付部材7が垂直方向に向くように起こして前扉本体90に取り付ける。つまり、取付部材7を前扉本体90に取り付ける際、取付部材7の挿入部73−1が係入部92cの中を該挿入部73−1の奥行き方向に移動する。このため、その移動分を考慮して、係入部92cの開口の奥行き方向の長さを挿入部73−1の奥行き方向の長さよりも長くしたものである。
【0056】
また、表示ユニット7aと中パネル枠7bを前扉本体90に取り付ける場合、先に中パネル枠7bを取り付け、その後に表示ユニット7aを取り付けるようにする。このような順番で取り付けることにより、先に取り付けられた中パネル枠7bが凸状部92bの下面92b2に当接して該凸状部92bを支持し、該凸状部92b及び第一桟部91aの剛性を高めてから表示ユニット7aを取り付けることができるので、第一桟部91aや凸状部92aが表示ユニット7aからの荷重で破損する恐れをなくすことができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の遊技機によれば、前扉に取り付けられる複数の取付部材間の境界に、これらの取付部材それぞれに当接可能に凸設された取付部を備えたので、上方の取付部材からの荷重が、取付部を介して下方の取付部材に加わるようになり、該取付部の負担が減少することから、取付部の剛性の問題を解消できる。
また、板状部材に対して一つの取付部が二つの取付部材を係止可能とするので、該取付部の配置領域を最小限に抑えることができ、取付部材を設ける表示窓を大きく形成して、演出効果をさらに向上できる。
【0058】
さらに、前扉側の取付部として係入部と弾性爪部を備え、ユニット側の取付部として挿入部と被係止部を備えた構成とし、ユニット側取付部の挿入部を前扉側取付部の係入部に係入するとともに、前扉側取付部の弾性爪部をユニット側取付部の被係止部に係止することで、取付部材を容易に仮止めできる。
しかも、境界部の長手方向に沿って複数の凸状部を連設配置したので、前扉の剛性を高めることができる。
【0059】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、取付部材の例として表示ユニットや中パネル枠を挙げて説明したが、これらに限るものではなく、化粧パネルを含む下パネル枠にも本発明の取付構造を適用できる。
【0060】
また、上述した実施形態では、第一桟部に複数の凸状部を形成し、これら凸状部のそれぞれに係入部を形成することとしたが、これに限るものではなく、例えば、第一桟部の全体にわたって一の凸状部を形成し、この凸状部の所定の位置に係入部を複数形成することもできる。ただし、凸状部を中空としたときは、機械的強度の問題があるので、凸状部の内部にリブなどを設けて機械的強度を高めておくのが望ましい。
さらに、上述した実施形態では、第一桟部に凸状部を五つ形成することとしたが、これに限るものではなく、例えば、凸状部を二つあるいは三つ形成し、一つの凸状部の上面又は下面に係入部を複数形成することもできる。
【0061】
また、上述した実施形態では、凸状部の上面又は下面の一方に係入部を形成することしたが、これに限るものではなく、凸状部の上面と下面の両方に係入部を形成することができる。この場合、上面の係入部に表示ユニットの挿入部が係入し、下面の係入部に中パネル枠の挿入部が係入する。そして、このように上面と下面の両方に係入部が形成された凸状部は、表示ユニットと中パネル枠の両用の前扉側取付部として構成される。この場合、係入部は、底部を有しない貫通孔又は底部を有する穴状に形成することができる。
【0062】
さらに、上述した実施形態では、表示ユニットに含まれる表示制御基板が液晶表示器を制御することとしたが、表示制御基板は、液晶表示器を制御することに限るものではなく、演出制御も可能とすることができる。
また、表示制御基板は、上述した実施形態においては、表示ユニットの内部に設けることとしたが、これに限るものではなく、遊技機内部の任意好適な箇所に設けることができる。この場合、表示制御基板と表示ユニットは、制御信号送信用のハーネスを介して接続される。これにより、表示制御基板からの制御信号が表示ユニット内の液晶表示器へ送信されて、該液晶表示器の表示内容が表示制御基板により制御可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、取付部材が前扉に装着される遊技機に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 遊技機(スロットマシン)
1a 前扉
7 取付部材
7a 表示ユニット
71 液晶表示器
72 表示制御基板
7b 中パネル枠
73a−1、73b−1 挿入部
74a−1、74b−1 被係止部
75a−1、75b−1 貫通孔
90 前扉本体(基枠)
92b 凸状部
92c 係入部
92d 被当接面
93a−1、93a−2 弾性爪部
94a−1、94a−2 ネジ穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に立設され上下に開口部を有した板状部材からなる基枠と、前記基枠に取り付けられる複数の取付部材と、を備える遊技機であって、
前記基枠は、第一の前記開口部と第二の前記開口部の間に、前記複数の取付部材を係止する取付部を備え、
前記取付部は、該取付部を介して上下に取り付けられる二つの前記取付部材それぞれに当接可能に凸設されたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記取付部は、前記二つの取付部材の一部が係入可能に開口された係入部を備える請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記取付部は、前記二つの取付部材に対応して複数設けられ、
一方の取付部材に対応する前記取付部において、他方の取付部材が当接する面側を閉塞させた請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記取付部は、上下に取り付けられる前記二つの取付部材のうち下に取り付けられる取付部材における当該取付部と当接する側の辺の長さに対応して連設された請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記基枠は、前記二つの取付部材に対応して設けられ、それぞれの取付部材と係合する弾性爪部を備え、
前記弾性爪部と前記取付部とで、二つの前記取付部材をそれぞれ前記基枠に係止する請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記基枠は、水平方向に回動する遊技機の正面側を覆う前扉であり、
前記取付部の上側に取り付けられる前記取付部材を、所定の表示器を備える表示ユニットとし、
前記取付部の下側に取り付けられる前記取付部材を、矩形状の枠体とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−217872(P2011−217872A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88453(P2010−88453)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】