説明

遊技機

【課題】不正行為を低減できる遊技機を提供する。
【解決手段】ケース上71とケース下72との結合状態を解除するために、連結部181の被切断部位182が切断されると、この被切断部位182の内部の光ファイバー320も切断される。連結部181の切断を知らせるための光ファイバー320が切断されたことで、連結部181の切断を知らせることができる。さらに、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、カール部323によって、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれてしまうので、切断された光ファイバー320の切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある。このスロットマシンは、例えば、その筐体内部の所定箇所に、遊技を制御する制御基板を基板ケースに収容した制御装置が配設されている。この基板ケースは、例えば、その内部に制御基板を被包して収容するためのベース部とカバー部とを備えている。また、この基板ケースには、このケースを開封不可に封止するための封止機構を備えている。この封止機構と基板ケースとを連結する連結部を切断しない限り、基板ケースが開封できない構造となっており、その連結部を切断してケースを開封した場合には、連結部の切断痕跡に基づいて開封(正規開封、不正開封の種類を問わず)の有無が確認でき、不正開封防止が図られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−111027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、上述のパチンコ機では、不正行為者によって、連結部が切断されて基板ケースが不正に開封され、制御基板に不正を施した後に、その切断された封止機構を元通りに配置し直したりするおそれがある。この場合には、連結部の切断痕跡を発見がし辛く、基板ケースの不正な開封の発見が遅れてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、不正行為を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との結合状態を解除不可に封止する封止手段とを備えた遊技機において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記封止手段による封止を解除する場合に前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを切り離すために切断される被切断部位を備え、
少なくとも前記被切断部位の内部を通すようにして前記第1部材または前記第2部材から前記連結部または前記封止手段まで設けられた、当該連結部の切断を知らせるための伝送部材と、
前記被切断部位の切断に伴って切断された前記伝送部材の切断端部位が当該被切断部位の切断面から内側に引き込まれるように付勢する付勢手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1部材と第2部材との結合状態を解除するために、連結部の被切断部位が切断されると、この被切断部位の内部の伝送部材も切断される。伝送部材が切断されたことで、連結部の切断を知らせることができる。さらに、切断された伝送部材の切断端部位は、付勢手段によって、被切断部位の切断面から内側に引き込まれてしまうので、切断された伝送部材の切断端部位にアクセスすることが困難になり、伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る遊技機によれば、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のスロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図である。
【図2】実施例1のスロットマシンの正面図である。
【図3】前面扉を取り外した状態でのスロットマシンの内部を示す図である。
【図4】前面扉の裏面図である。
【図5】主制御装置が取り付けられた状態の取付台を示す斜視図である。
【図6】取付台と主制御装置の分解斜視図である。
【図7】主制御装置の正面図である。
【図8】(a)〜(f)は、その順にケース下の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図である。
【図9】(a)〜(f)は、その順にケース上の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図である。
【図10】ケース上とケース下の斜視図である。
【図11】(a)〜(h)は、その順にかしめピンの上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図、裏面右上方から見た斜視図である。
【図12】(a)は主制御装置の図7に示したA−A線断面図、(b)は主制御装置の図7に示したB−B線断面図である。
【図13】(a)は、図12(a)でのかしめピンの挿入前で且つ硬化前樹脂の充填前の状態を示す断面図、(b)は実施例1の封止部材に間隙部を設けた断面図である。
【図14】実施例1の封止部材の有底係止穴に脆弱部を設けた正面図である。
【図15】封止部材の連結部が切断されていない状態の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図16】封止部材の連結部が切断された状態の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図17】(a)は、連結部の切断前状態の主制御装置の右下の封止部材の箇所を示す部分正面図であり、(b)は、連結部の切断後状態の封止部材の箇所を示す部分正面図である。
【図18】連結部の切断箇所を発光させた状態の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図19】封止部材の連結部が切断されていない状態における実施例2の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図20】封止部材の連結部が切断された状態の実施例2の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図21】(a)は連結部の切断前状態の実施例2の主制御装置の右下の封止部材の箇所を示す部分正面図であり、(b)は連結部の切断後状態の封止部材の箇所を示す部分正面図である。
【図22】封止部材の連結部が切断されていない状態における実施例3の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図23】封止部材の連結部が切断された状態の実施例3の主制御装置の図7に示したC―C線断面図である。
【図24】(a)は連結部の切断前状態の実施例3の主制御装置の右下の封止部材の箇所を示す部分正面図であり、(b)は連結部の切断後状態の封止部材の箇所を示す部分正面図である。
【図25】(a)は連結部の切断前状態の実施例4の主制御装置の右下の封止部材の箇所を示す部分正面図であり、(b)は連結部の切断後状態の封止部材の箇所を示す部分正面図である。
【図26】(a)〜(g)は、その順に、実施例5のかしめピンの上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。
【図27】(a)〜(d)は、その順に、実施例5の被封止部の正面図、右側面、下面図、正面右上方から見た一部斜視図である。
【図28】(a)〜(g)は、その順に、実施例6のかしめピンの上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。
【図29】(a)〜(d)は、その順に、実施例6の被封止部の正面図、右側面、下面図、正面右上方から見た一部斜視図である。
【図30】(a)は、実施例6でのかしめピンの挿入係止状態の被封止部の断面図、(b)は、実施例6でのかしめピンを被封止部に挿入する様子を示す斜視図である。
【図31】(a)〜(g)は、その順に、実施例7のかしめピンの上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。
【図32】(a)〜(d)は、その順に、実施例7の被封止部の正面図、右側面、下面図、正面右上方から見た一部斜視図である。
【図33】(a)は、実施例7でのかしめピンの挿入係止状態の被封止部の断面図、(b)は、実施例7でのかしめピンを被封止部に挿入する様子を示す斜視図である。
【図34】(a),(b)は、変形例でのかしめピンの挿入係止状態の被封止部の断面図である。
【図35】変形例でのかしめピンの挿入係止状態の被封止部の断面図である。
【図36】変形例でのかしめピンの斜視図である。
【図37】(a)〜(d)は、変形例での光ファイバーの係止固定構成を示す概略断面図である。
【図38】実施例8の主制御装置の正面図である。
【図39】連結部が切断される前の主制御装置における封止部材箇所を示す部分正面図である。
【図40】主制御装置のD−D線断面図である。
【図41】封止部材の連結部が切断された状態の主制御装置のD―D線断面図である。
【図42】(a)は連結部の切断前の主制御装置における封止部材箇所を示す部分正面図であり、(b)は連結部の切断の主制御装置における封止部材箇所を示す部分正面図である。
【図43】連結部の切断箇所を発光させた状態の主制御装置のD―D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、遊技機の一例としてスロットマシンの各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明を弾球遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)、特に、第1種パチンコ遊技機や第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)、コイン遊技機等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1のスロットマシン10の前面扉を閉じた状態の斜視図である。図2は、実施例1のスロットマシン10の正面図である。図3は、前面扉12を取り外した状態でのスロットマシン10の内部を示す図である。図4は、前面扉12の裏面図である。
【0012】
本実施例のスロットマシン10は、図1に示すように、本体11と、この本体11の前面側に位置する前面扉12とを備えている。前面扉12は、図1,図2に示すように、その左辺を回転軸J1として、本体11に回動可能(開閉可能)に取り付けられている。また、スロットマシン10は、図1,図2に示すように、前面扉12を閉じた状態で施錠装置20により前面扉12と本体11とを施錠可能となっている。
【0013】
前面扉12には、図1,図2に示すように、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするスピーカ14,14と、各種表示内容を表示する液晶ディスプレイ15と、左回胴Lと中回胴Mと右回胴R(図3参照)とをそれぞれ透視可能な遊技パネル30と、略中段付近にて各種ボタン51,53〜56,61,63やスタートレバー52やメダル投入口57が設けられた操作部50と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段表示部16と、メダル払出口17から払い出された遊技用媒体としてのメダルを受けるメダル受け皿18とが装着されている。
【0014】
また、スロットマシン10の内部には、図3に示すように、オンされるとスロットマシン10の各部に電源を供給する電源スイッチ81を備えている電源ボックス85や、溢れるメダルの外部への誘導口89を有し投入されたメダルを貯留する補助タンク87とこの補助タンク87内のメダルを払出用通路92(図4参照)に通じる開口93(図4参照)を介してメダル払出口17へ払い出す払出装置88とから構成されているホッパ86や、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており処理プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAMや入出力処理回路がバスによって接続されている主制御装置70や、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており主制御装置70からの出力信号による液晶ディスプレイ15の表示内容の制御を行う表示用制御装置94(図4参照)が装着されている。なお、この表示用制御装置94は、図4に示すように、前面扉12の裏面側の上部箇所に取り付けられている。
【0015】
遊技パネル30は、図1に示すように、左回胴L、中回胴M、右回胴R(図3参照)の停止中または回転中の様子を外部に露出する露出窓31L,31M,31Rを備え、露出窓31Lの左側に配設された5つのベットランプ32,33,33,34,34と、この露出窓31L,31M,31Rの下側に配設されている、スロットマシン内部に貯留されている枚数を表示するものであるクレジット枚数表示部35と、ビックボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかとかJACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているかといった回数を表示するものであるゲーム数表示部36と、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示するものである払出枚数表示部37とを備えている。
【0016】
操作部50は、図1,図2に示すように、前面扉12の前面部に設けられたクレジットボタン51と、スタートレバー52と、左回胴用ストップボタン53と、中回胴用ストップボタン54と、右回胴用ストップボタン55と、返却ボタン56と、前面扉12の水平段部に設けられたメダル投入口57と、1枚ベットボタン61と、マックスベットボタン63とを備えている。
【0017】
ここで、スロットマシン10の主制御装置70およびその取付台100の構造などについて、図5〜図13を用いて、もう少し詳細に説明する。
【0018】
図5は、主制御装置70が取り付けられた状態の取付台100を示す斜視図である。図6は取付台100と主制御装置70の分解斜視図である。図7は主制御装置70の正面図である。図8(a)〜(f)は、その順にケース下72の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図である。図9(a)〜(f)は、その順にケース上71の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図である。図10はケース上71とケース下72の斜視図である。図11(a)〜(h)は、その順にかしめピン160の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図、裏面右上方から見た斜視図である。図12(a)は主制御装置70の図7に示したA−A線断面図、図12(b)は主制御装置70の図7に示したB−B線断面図である。図13(a)は、図12(a)でのかしめピン160の挿入前で且つ硬化前樹脂の充填前の状態を示す断面図、図13(b)は実施例1の封止部材140に間隙部を設けた断面図である。
【0019】
スロットマシン10は、図3に示すように、その本体11の内部上方位置に取り付けられた取付台100に、当該スロットマシン10の遊技を統括制御する主制御装置70が取り付けられている。
【0020】
取付台100は、図5,図6に示すように、その正面視で横長の長方形状の金属製枠体110と、この金属製枠体110の下辺側を回動軸として当該金属製枠体110に対して回動可能で主制御装置70が装着される支持枠体120とを備えている。この支持枠体120は、図6に示すように当該金属製枠体110と平行な起立姿勢の状態と、その上辺側が下辺側を回動軸として手前側に前倒し姿勢となった状態(例えば、約60度前倒しとなった状態)とに回動可能となっている。
【0021】
具体的には、支持枠体120は、図6に示すように、金属製枠体110と平行な背面板部121と、この背面板部121の両側からそれぞれ手前側に突出した左側面部122および右側面部123と、この左側面部122および右側面部123の両下端側を結ぶ底面部124とを備えており、平面視で有底略コノ字形状に樹脂成型されたものである。
【0022】
また、金属製枠体110は、図6に示すように、その正面視両側に、支持枠体120を係止するための係止爪111をそれぞれ備えており、前倒し姿勢であった支持枠体120を起立姿勢の状態とすることで、支持枠体120の両側所定箇所(左側面部122及び右側面部123の上部側箇所)に各係止爪111がそれぞれ係止され、支持枠体120が起立姿勢状で金属製枠体110に保持されるようになっている。
【0023】
主制御装置70は、図6に示すように、支持枠体120の上部から左側面部122および右側面部123の間に挿入されて、当該支持枠体120に装着されるようになっている。
【0024】
主制御装置70は、図6に示すように、スロットマシン10の遊技を統括制御する主制御基板73と、この主制御基板73を内部に収容する基板ケース74とを備えている。
【0025】
基板ケース74は、主制御基板73が取り付けられるケース上71と、このケース上71での主制御基板73の取付面側に合わされるケース下72とを備え、ケース上71とケース下72とを合わせた状態での内部空間に主制御基板73を収容するものである。本実施例では、ケース上71およびケース下72は、例えば透明樹脂成型品としている。
【0026】
この実施例では、主制御基板73は、図6に示すように、IC(集積回路)や各種スイッチ部品やコネクタなどの電子部品が実装される実装面を、ケース上71の内側面に対向させた状態で、ネジなどの締結部品でケース上71の内側面の所定箇所に取り付けられる。そして、主制御基板73が取り付けられたケース上71にケース下72を合わせることから、主制御基板73の半田面は、ケース下72の内側面に対向した状態となる。
【0027】
主制御装置70は、図6に示すように、スロットマシン10をリセットするときに操作するリセットスイッチ82や、図示しない設定キーを挿入することにより、スロットマシン10の設定状態を変更可能にする設定キースイッチ83を備えている。具体的には、主制御基板73は、図6に示すように、右端上部箇所に上から順にリセットスイッチ82と設定キースイッチ83とを備えており、ケース上71の右端上部箇所にそれぞれ設けられた開閉蓋71aを開いて、リセットスイッチ82と設定キースイッチ83とが操作できるようになっている。
【0028】
基板ケース74は、図6に示すように、主制御基板73が取り付けられたケース上71でのその主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態でケース上71またはケース下72の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向(本実施例では、例えば基板ケース74の短手方向)にスライド移動させることでケース上71とケース下72とを係止するケース係止部130を備えている。
【0029】
ケース係止部130は、図6に示すように、ケース上71の両辺箇所(短手辺の両箇所)に当該辺方向に並設された破線で示す複数個(本実施例では4個)の鉤状突起部131(図6,図9では見えないため破線で示している)と、ケース下72の両辺箇所(短手辺の両箇所)に当該辺方向に並設された、鉤状突起部131とは逆向きに形成された複数個(本実施例では4個)の逆鉤状突起部132とを備えるとともに、図6に示すケース上71の最上の鉤状突起部131がケース下72の一番上の逆鉤状突起部132と2番目の逆鉤状突起部132との間に位置させるように当該ケース上71とケース下72とを合わせた状態にして、ケース上71またはケース下72の少なくとも一方をその短手方向にスライド移動させることで鉤状突起部131と逆鉤状突起部132とが係止するものである。
【0030】
また、ケース上71は、図6,図9(a),(e)に示すように、その上面側の所定箇所(例えば3箇所)に嵌合用上部突起71bが形成されている。また、ケース下72は、図6,図8(a)に示すように、その上面側でのケース上71の嵌合用上部突起71bと対応する3箇所に上部嵌合孔72aが形成されている。さらに、ケース上71は、図9(f)に示すように、その下面側の所定箇所(例えば2箇所)に下部嵌合孔71cが形成されている。また、ケース下72は、図6,図8(c),(e)に示すように、その下面側でのケース上71の下部嵌合孔71cと対応する2箇所に嵌合用下部突起72bが形成されている。したがって、基板ケース74は、図5に示すように、その所定箇所に主制御基板73が取り付けられたケース上71での主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態とすると、ケース上71の上面側の3箇所の嵌合用上部突起71bが、ケース下72の上面側の3箇所に上部嵌合孔72aに嵌合するとともに、ケース上71の下面側の2箇所の下部嵌合孔71cに、ケース下72の下面側の2箇所の嵌合用下部突起72bが嵌合する。
【0031】
さらに、ケース上71は、図9に示すように、その下面側の中央箇所に支持用下部突起71dが形成されている。また、本体11の取付台100の支持枠体120は、図6に示すように、その下面側でのケース上71の支持用下部突起71dに対応する箇所に支持用下部嵌合穴125が形成されている。また、ケース下72は、図6に示すように、その上面側の4箇所に支持用上部嵌合孔72cが形成されている。また、本体11の取付台100の支持枠体120は、図6に示すように、その上面側でのケース下72の支持用上部嵌合孔72cに対応する箇所に支持用上部突起126が形成されている。また、ケース下72は、図8(a),(e)に示すように、その裏面上部中央箇所に係止用突起72dが形成されている。また、本体11の取付台100の支持枠体120は、図6に示すように、その上部中央箇所に係止用突起72dを係止するための係止用孔127が形成されている。したがって、基板ケース74は、図5に示すように、取付台100の支持枠体120の上部から挿入されて、当該支持枠体120に装着された状態とすると、ケース上71の下面側の中央箇所の支持用下部突起71dが、支持枠体120の下面側の支持用下部嵌合穴125に嵌合し、ケース下72の上面側の4箇所の支持用上部嵌合孔72cに、支持枠体120の上面側の支持用上部突起126が嵌合するとともに、ケース下72の裏面上部中央箇所の係止用突起72dが、支持枠体120の上部中央箇所の係止用孔127に係止される。
【0032】
さらに、基板ケース74は、図5〜図7に示すように、その所定箇所(例えば、正面視で下部側の2箇所)に、主制御基板73が取り付けられたケース上71での主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態でケース上71およびケース下72を封止して当該基板ケース74を開封不可とする封止部材140を備えている。
【0033】
この封止部材140は、図5〜図7に示すように、ケース係止部130によって係止状態とされたケース上71およびケース下72を開封不可に封止するものである。
【0034】
また、封止部材140は、図5〜図7に示すように、ケース上71とケース下72とを合わせた状態での所定箇所(当該封止部材140の領域内箇所)に連通形成された有底係止穴151を有する被封止部150と、この被封止部150の有底係止穴151に挿入されて係止される挿入係止部161と当該挿入係止部161の挿入後端側に位置する頭部162とを有するかしめピン160と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して硬化させた硬化樹脂170(図12参照)と、を備えている。
【0035】
なお、かしめピン160としては、例えば、透明樹脂成形品が挙げられる。この実施例1では、透明樹脂成形品であるかしめピン160を採用するが、光透過性のある有色樹脂成形品としてもよい。また、かしめピン160内に導光しないのであれば、非光透過性の樹脂成形品のかしめピンを採用してもよい。
【0036】
なお、硬化樹脂170としては、例えば、光透過性の紫外線硬化樹脂を採用しているが、熱硬化性樹脂、紫外線以外の光で硬化する樹脂、例えば常温で所定時間放置することで硬化させる自然硬化樹脂などの各種の硬化樹脂を採用してもよい。
【0037】
本実施例では、図6に示すように、基板ケース74の下部両側の2箇所に、被封止部150が設けられており、各被封止部150にかしめピン160が挿入されて係止される。
【0038】
かしめピン160の頭部162は、図11に示すように、硬化樹脂170により被封止部150に接着された脆弱部163を備えている。この脆弱部163は、かしめピン160の挿入方向とは直交する方向に頭部162から複数本(本実施例では6本)延出した6本の延出部164である。
【0039】
被封止部150は、図5,図12に示すように、有底係止穴151の入口側周囲箇所に、かしめピン160が挿入係止された状態での頭部162が位置する窪み空間を有するものであって、その窪み空間内に硬化前樹脂が充填される受容凹部152を備えている。
【0040】
被封止部150は、図5〜図10に示すように、ケース下72に設けられた突出部72eと、ケース上71とケース下72とを合わせた状態とすることでその突出部72eが挿入される、ケース上71に設けられた収容穴71hを有する収容部71eと、を備えている。
【0041】
有底係止穴151は、図13に示すように、突出部72eにその突出方向と直交する方向に貫通形成された貫通孔72fと、突出部72eが収容部71eの収容穴71hに挿入された状態で貫通孔72fの一方の開口側に当該収容部71eに連通形成された挿入穴部71fと、貫通孔72fの他方の開口側に当該収容部71eに連通形成された挿入貫通孔71gとで構成されている。
【0042】
また、封止部材140は、図6,図7および図12に示すように、ケース上71およびケース下72のスライド移動を抑止するように固定するものであり、さらに、ケース上71およびケース下72のスライド移動不可状態を解除するべく破壊される、ケース上71およびケース下72の所定箇所(例えば、正面視下部側箇所)に形成された固定解除用被破壊部180(図8,図9参照)を備えている。
【0043】
固定解除用被破壊部180は、図8(c)に示すようにケース下72と被封止部150とを結ぶ2箇所の連結部181と、図9(c)に示すようにケース上71と被封止部150とを結ぶ4箇所の連結部181としている。
【0044】
さらに、基板ケース74は、図6に示すように、主制御基板73が取り付けられたケース上71での主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態で、ネジ75をケース下72のネジ孔76に挿入してケース上71に締結するようになっている。
【0045】
また、主制御装置70及び支持枠体120は、この主制御装置70を支持枠体120に取り付けられた状態で固定するための、封止部材140とは別の種類の別封止部材190を備えている。この別封止部材190は、図6に示すように、基板ケース74を支持枠体120に取り付けた状態での所定箇所に連通形成されたキー溝付きの別挿入穴191を有する別被封止部192と、この別被封止部192の別挿入穴191に挿入されて支持枠体120の係止穴128に係止される二重かしめピン193とを備えている。二重かしめピン193は、ケース上71の別挿入穴191に挿入されて支持枠体120の係止穴128に挿入されることで当該係止穴128に係止された状態となり、この二重かしめピン193を抜くことができないようになっている。したがって、二重かしめピン193が別挿入穴191に挿入されて係止されると、主制御装置70が支持枠体120に固定された状態となり、図6に示すケース上71の別被封止部192の上下2箇所の接続部位を切断して別被封止部192をケース上71から分離し、この分離された別被封止部192を二重かしめピン193ごとそのピン方向を回転軸として90度回転させて、二重かしめピン193の係止穴128への係止を解除し、分離された別被封止部192を二重かしめピン193ごと取り外さない限り、主制御装置70を支持枠体120から抜き出すことができない。
【0046】
なお、この二重かしめピン193に替えて、破断ネジやワンウエイネジを使用するようにして主制御装置70を支持枠体120に固定するようにしてもよい。
【0047】
さらに、主制御装置70は、図7に示すように、その右下の封止部材140の連結部181が切断された場合にその切断を知らせる報知表示部300を備えている。
【0048】
ここで、報知表示部300の詳細な構成等について、図15〜図17も用いて説明する。
【0049】
図15は、封止部材140の連結部181が切断されていない状態の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図16は、封止部材140の連結部181が切断された状態の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図17(a)は、連結部181の切断前状態の主制御装置70の右下の封止部材140の箇所を示す部分正面図であり、図17(b)は、連結部181の切断後状態の封止部材140の箇所を示す部分正面図である。
【0050】
まず、封止部材140の連結部181は、図7に示すように、当該封止部材140による封止を解除する場合に、ケース上71及びケース下72と封止部材140とを切り離すために切断される被切断部位182を備えている。
【0051】
主制御装置70は、図7に示すように、主制御基板73に実装されたLED310(図6参照)と、このLED310からの光が一端側(入射端側321)から入射されて他端側(出射端側322)から出射する、ケース上71に配設された光伝送部材としての光ファイバー320と、を備えている。
【0052】
この光ファイバー320は、例えばプラスチック製の光ファイバーであり、図7及び図9に示すように、伸縮性を持たせるためにカールさせたカール部323(巻き部)と、そのカール部323に比して線状である線状部324と、を備えている。この光ファイバー320は、そのコア材にプラスチックを採用していることにより、線状部324も曲がる等の変形可能な柔軟性のある構造となっている。
【0053】
なお、カール部323を有する光ファイバー320およびLED310の配置について、図7及び図9では概略的に図示し、図15〜図17ではさらに具体的に図示している。
【0054】
図7に示すケース上71の右側の封止部材140には、図15に示すように、ケース上71の内側から連結部181を通って封止部材140の途中箇所までにわたる挿入穴77が形成されている。
【0055】
光ファイバー320は、図15及び図17(a)に示すように、その出射端側322がケース上71の挿入穴77に挿入されており、接続部181の切断を知らせるためのものである。つまり、光ファイバー320は、その出射端側322が連結部181の内部を通すようにして封止部材140の内部に配設されている。
【0056】
光ファイバー320の出射端側322は、例えば接着剤340によって、ケース上71の挿入穴77の奥側に接着固定されている。挿入穴77の奥側に接着剤340を入れてから光ファイバー320の出射端側322を挿入して接着固定してもよいし、光ファイバー320の出射端側322に接着剤340を付けた状態でこの光ファイバー320を挿入穴77の奥側に挿入して接着固定してもよい。また、本実施例1のように、光ファイバー320の出射端側322での光出射箇所に接着剤340が位置しているので、光透過性の接着剤を採用している。なお、出射端側322での光出射箇所以外の箇所を接着剤340で挿入穴77に接着する場合には、非透過性の接着剤を採用してもよい。
【0057】
また、光ファイバー320の入射端側321は、主制御基板73に実装されたLED310に対向して近接するように、ケース上71の内側に設けられた支持部材350の貫通孔351に挿入され、この挿入状態の光ファイバー320が例えば接着剤340によって支持部材350に接着固定されている。具体的には、支持部材350の先端側箇所には、接着剤340が入れられる窪み受け部352が形成されており、光ファイバー320の入射端側321を支持部材350の貫通孔351に挿入した状態で、窪み受け部352に接着剤340を入れて、光ファイバー320の入射端側321を支持部材350に接着固定している。
【0058】
また、この実施例1では、主制御基板73のLED310と光ファイバー320の入射端側321とを対向して近接配置しているが、主制御基板73のLED310と光ファイバー320の入射端側321との間に、図示省略の導光部材(例えば、入射面及び出射面以外の外周箇所を遮光面とした導光部品や光学レンズなど)を設けて、LED310から出射された光を図示省略の導光部材で光ファイバー320の入射端側321に導いて入射させるようにしてもよい。
【0059】
また、図15に示すように、光ファイバー320は、その入射端側321と出射端側322との間に、例えば巻き数を5回としたカール部323を備えている。図15に示すように、光ファイバー320の両端が接着剤340で接着固定された状態では、カール部323が当該光ファイバー320の長さ方向に引き伸ばした状態(引っ張られた状態)となっている。
【0060】
光ファイバー320のカール部323は、被切断部位182の切断に伴って切断された当該光ファイバー320の切断端部位320aが当該被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるように付勢するためのものである。
【0061】
また、主制御基板73は、LED310(図6及び図15参照)を発光させるための二次電池(図示省略)を実装している。この主制御基板73の二次電池(図示省略)は、スロットマシン10の電源入状態においてスロットマシン10から主制御基板73に供給される電力の一部を用いて充電されているので、スロットマシン10の電源切状態においても主制御基板73のLED310(図6及び図15参照)を、二次電池(図示省略)からの電力で発光させることができる。また、スロットマシン10の電源入状態においては、主制御基板73への供給電力または主制御基板73の二次電池(図示省略)からの電力により、LED310(図6及び図15参照)を発光させることもできる。なお、二次電池の方が好ましいが、一次電池を採用してもよい。
【0062】
LED310からの光は、光ファイバー320の入射端側321に入射され、この光ファイバー320の内部を通って、封止部材140の内部に位置する出射端側322から出射される。つまり、被切断部位182を切断していない通常状態では、図15及び図17(a)に示すように、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140が発光する。
【0063】
また、この光ファイバー320からの光が、被封止部150の受容凹部152に充填して硬化させた硬化樹脂170に入射され、硬化樹脂170の少なくとも一部が発光する。また、硬化樹脂170に光拡散粒子が含まれる場合には、硬化樹脂170を一様に発光させることができる。
【0064】
また、被切断部位182が切断されると、カール部323が縮むことで、光ファイバー320の切断端部位320aが被切断部位182の切断面から内部に引き込まれ、図16及び図17(b)に示すように、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71の切断報知用表示箇所78に位置し、光ファイバー320の切断端部位320aから光が出射されることで切断報知用表示箇所78が発光する。この切断報知用表示箇所78には、図17に示すように「切断」の文字が記されており、被切断部位182が切断されると図17(b)に示すように「切断」との表記部分の発光表示にしているため、作業者はその発光表示に気付き易く、封止部材140の連結部181が切断されたこと見落としが低減する。
【0065】
なお、ケース上71の挿入穴77のうちで切断報知用表示箇所78に位置する穴内周箇所に、光拡散層を設けるようにし(例えば、光拡散塗料を塗ることや、微小凹凸を形成すること)、発光領域を拡張するようにし、作業者の注意をさらに惹くようにしてもよい。また、上記箇所に蛍光塗料を塗ってもよい。
【0066】
なお、上述したケース上71が本発明における第1部材、後述する第1ケース体に相当し、上述したケース下72が本発明における第2部材、後述する第2ケース体に相当し、上述した封止部材140が本発明における封止手段に相当し、上述した封止部材140が本発明における封止手段に相当し、上述した光ファイバー320が後述する伝送部材、光伝送部材に相当し、上述したカール部323が後述する付勢手段に相当し、上述したLED310が後述する光源に相当し、上述した基板ケース74が後述する遊技機用基板収容ケースに相当し、上述した有底係止穴151が後述する係止穴に相当し、上述したかしめピン160が後述する係止部材に相当し、上述したケース係止部130が後述する係止手段に相当する。
【0067】
ここで、実施例1の基板ケース74の封止手順について説明する。
【0068】
図6に示すように、ケース上71の内側面の所定箇所に主制御基板73をネジ留めする。
【0069】
図6に示すように、ケース上71の最上の鉤状突起部131を、ケース下72の一番上の逆鉤状突起部132と2番目の逆鉤状突起部132との間に位置させるようにして、当該ケース上71とケース下72とをほぼ合わせた状態にする。
【0070】
そして、ケース上71またはケース下72の少なくとも一方をその短手方向に鉤状突起部131の長さ程度にスライド移動させることで、鉤状突起部131と逆鉤状突起部132とを係止させるとともに、ケース下72の突出部72eがケース上71の収容部71eに収容された状態となり、ケース上71とケース下72とが完全に合わせた状態となる。また、この状態では、ケース上71の上面側の3箇所の嵌合用上部突起71bが、ケース下72の上面側の3箇所に上部嵌合孔72aに嵌合するとともに、ケース上71の下面側の2箇所の下部嵌合孔71cに、ケース下72の下面側の2箇所の嵌合用下部突起72bが嵌合している。
【0071】
続いて、図6に示すように、基板ケース74の下部両側2箇所の被封止部150での有底係止穴151に、かしめピン160がそれぞれ挿入されて係止される。この状態では、封止部材140、つまりかしめピン160の挿入係止により、ケース上71およびケース下72の短手方向へのスライドができない状態に規制されている。
【0072】
そして、被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に硬化前樹脂を充填し、この充填した硬化前樹脂に紫外線を照射して図12に示すように硬化させる。
【0073】
続いて、図6に示すように、ネジ75が、ケース下72のネジ孔76に挿入されてケース上71に締結される。このように、封止部材140のみならずこのネジ留めによっても、ケース上71およびケース下72をそのスライド移動を抑止するように固定されている。
【0074】
さらに、このように封止された基板ケース74、つまり主制御装置70を、本体11の内部上方位置に取り付けられた取付台100に取り付ける。具体的には、取付台100の金属製枠体110に対して支持枠体120を前倒し姿勢とした状態で、この支持枠体120の上部側から主制御装置70を挿入して当該支持枠体120に装着する。この装着状態では、ケース上71の下面側の中央箇所の支持用下部突起71dが、支持枠体120の下面側の支持用下部嵌合穴125に嵌合し、ケース下72の上面側の4箇所の支持用上部嵌合孔72cに、支持枠体120の上面側の支持用上部突起126が嵌合するとともに、ケース下72の裏面上部中央箇所の係止用突起72dが、支持枠体120の上部中央箇所の係止用孔127に係止された状態となる。
【0075】
続いて、支持枠体120に装着された主制御装置70の別被封止部192の別挿入穴191に二重かしめピン193を挿入することで、この二重かしめピン193が支持枠体120の係止穴128に係止され、主制御装置70が支持枠体120に固定される。つまり、この固定状態では、図6に示すケース上71の上下2箇所の接続部位を切断して別被封止部192をケース上71から分離し、この分離された別被封止部192を二重かしめピン193ごとそのピン方向を回転軸として90度回転させて、二重かしめピン193の係止穴128への係止を解除し、分離された別被封止部192を二重かしめピン193ごと取り外さない限り、主制御装置70を支持枠体120から抜き出すことができない。
【0076】
最後に、このように主制御装置70が装着固定された支持枠体120を、前倒し姿勢状態から起立姿勢状態にすることで、支持枠体120が起立姿勢で金属製枠体110に係止され、主制御装置70が図3に示すように本体11の内部上方位置に最終的に取り付けられた状態となる。
【0077】
上述したように、本実施例1のスロットマシン10によれば、ケース上71と、ケース下72と、ケース上71とケース下72との結合状態を解除不可に封止する封止部材140とを備え、ケース上71と封止部材140とを連結する連結部181を備え、この連結部181は、封止部材140による封止を解除する場合にケース上71と封止部材140とを切り離すために切断される被切断部位182を備え、少なくとも被切断部位182の内部を通すようにしてケース上71から封止部材140まで設けられた、当該連結部181の切断を知らせるための光ファイバー320と、被切断部位182の切断に伴って切断された光ファイバー320の切断端部位320aが当該被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるように付勢するカール部323と、を備えている。
【0078】
したがって、ケース上71とケース下72との結合状態を解除するために、連結部181の被切断部位182が切断されると、この被切断部位182の内部の光ファイバー320も切断される。光ファイバー320が切断されたことで、連結部181の切断を知らせることができる。さらに、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、カール部323によって、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれてしまうので、切断された光ファイバー320の切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。その結果、不正行為を低減できるスロットマシン10(遊技機)を提供することができる。
【0079】
また、光ファイバー320は、LED310からの光が入射端側321から入射されて、封止部材140の内部に位置する出射端側322からその光が出射される光伝送部材であり、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140が発光し、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置するケース上71での切断報知用表示箇所78が発光する。
【0080】
したがって、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140が発光しているので、発光によって封止部材140を注視させることができる。また、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71での切断報知用表示箇所78に位置し、この切断報知用表示箇所78が発光するので、封止部材140とは異なる切断報知用表示箇所78が点灯していることで、連結部181の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0081】
また、この実施例1では、被切断部位182の切断後状態において、ケース上71での切断報知用表示箇所78が発光するようにしているが、図18に示すように、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する連結部181の切断箇所を発光させるようにしてもよい。図18は、連結部181の切断箇所を発光させた状態の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。この場合には、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する、連結部181の切断箇所が発光するので、連結部181の切断箇所が点灯していることで、連結部181の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0082】
また、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る主制御基板73を内部に収容する基板ケース74を備えた遊技機において、基板ケース74は、ケース上71と、このケース上71と合わされるケース下72とを備え、基板ケース74は、その所定箇所(例えば、正面視で下部側の2箇所)に、主制御基板73が取り付けられたケース上71でのその主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態でケース上71およびケース下72を封止して当該基板ケース74を開封不可とする封止部材140を備え、この封止部材140は、ケース上71とケース下72とを合わせた状態での所定箇所に連通形成された有底係止穴151を有する被封止部150と、この被封止部150の有底係止穴151に挿入されて係止される挿入係止部161と当該挿入係止部161の挿入後端側に位置する頭部162とを有するかしめピン160と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して硬化させた硬化樹脂170と、を備え、かしめピン160の頭部162は、硬化樹脂170により被封止部150に接着された脆弱部163を備えている。したがって、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴ってかしめピン160の頭部162の脆弱部163が破壊され、その除去した硬化樹脂170と一緒に脆弱部163が取れてしまうので、この脆弱部163が取れたかしめピン160を不正に再使用しても、そのかしめピン160の頭部162の脆弱部163の破損を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。その結果、スロットマシン10に取り付けられた基板ケース74の開封を低減できるし、いわゆる二個一で基板ケース74を不正に作ること(二個の基板ケース74から無傷のケース上71とケース下72とを取り出して一個の基盤ケース74を作ること)を低減できることから、不正行為を低減できるスロットマシン(遊技機)を提供することができる。
【0083】
また、被封止部150は有底係止穴151を採用しているので、この被封止部150の裏側(つまり、被封止部150での有底係止穴151の存する側とは反対側)からのアクセスを不可とすることができる。
【0084】
また、被封止部150での有底係止穴151の入口側周囲箇所に設けられた受容凹部152は、その窪み空間内に、かしめピン160が挿入係止された状態での当該かしめピン160の頭部162を位置させた状態で、その窪み空間に硬化前樹脂が充填されて硬化されるので、受容凹部152の窪み空間内に頭部162を位置させた状態で硬化樹脂170で覆うことができ、窪み空間の硬化樹脂170を不正に除去することが困難であり、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴ってかしめピン160の頭部162の脆弱部163が破壊され、その除去した硬化樹脂170と一緒に脆弱部163が取れてしまうので、この脆弱部163が取れたかしめピン160を不正に再使用しても、そのかしめピン160の頭部162の脆弱部163の破損を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0085】
また、脆弱部163は、かしめピン160の挿入方向とは直交する方向に頭部162から複数本延出した複数本の延出部164としているので、その複数本の延出部164の表面積の分だけ、頭部162の硬化樹脂170への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部162と硬化樹脂170との接着力が向上するので、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴ってかしめピン160の頭部162の複数本の延出部164のうちのいずれかの延出部164が破壊され、その除去した硬化樹脂170と一緒に一部の延出部164が取れてしまうことになり、この延出部164が取れたかしめピン160を不正に再使用しても、そのかしめピン160の頭部162の延出部164の破損を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【0086】
また、被封止部150は、ケース下72に設けられた突出部72eと、ケース上71に設けられた、ケース上71とケース下72とを合わせた状態とすることで突出部72eが挿入される収容部71eと、を備え、有底係止穴151は、突出部72eにその突出方向と直交する方向に貫通形成された貫通孔72fと、突出部72eが収容部71eに挿入された状態で貫通孔72fの一方の開口側に当該収容部71eに連通形成された挿入穴部71fと、貫通孔72fの他方の開口側に当該収容部71eに連通形成された挿入貫通孔71gとで構成されている。したがって、封止部材140の存する箇所での当該ケース上71とケース下72との境界面BLが収容部71eで囲われているので、当該境界面BLに不正な細状部材の挿入を困難とすることができ、当該境界面BLに不正な細状部材を挿入して封止部材140の存する箇所でのケース上71とケース下72とを引き離すことを困難とすることができる。また、収容部71e以外でのケース上71とケース下72との境目に不正な細状部材を挿入したとしても、突出部72eの突出方向に力がかかるだけで、当該境界面BLを離す方向つまりかしめピン160が抜ける方向には力がかからないので、収容部71e以外でのケース上71とケース下72との境目に無理矢理に不正な細状部材を挿入したとしても、封止部材140の封止解除できない。その結果、不正開封を低減できる基板ケース74を用いた遊技機を提供することができる。
【0087】
また、基板ケース74のケース係止部130は、主制御基板73が取り付けられたケース上71でのその主制御基板73の取付面側にケース下72を合わせた状態でケース上71またはケース下72の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向(本実施例では、例えば基板ケース74の短手方向)にスライド移動させることで、ケース上71とケース下72とを係止する。封止部材140は、ケース係止部130によって係止状態とされたケース上71およびケース下72を開封不可に封止する。したがって、封止部材140によってケース上71およびケース下72が開封不可に封止されているので、基板ケース74が不正に開封されることを低減できる。また、この封止状態では、ケース係止部130によってケース上71およびケース下72がスライド係止されており、ケース上71およびケース下72をスライド方向に直交する対向方向に開けることができず、基板ケース74が不正に開封されることを低減できる。
【0088】
また、基板ケース74のケース係止部130は、ケース上71の短手辺の両箇所に当該辺方向に並設された破線で示す4個の鉤状突起部131(図6,図9では見えないため破線で示している)と、ケース下72の短手辺の両箇所に当該辺方向に並設された、鉤状突起部131とは逆向きに形成された4個の逆鉤状突起部132とを備えるとともに、ケース上71またはケース下72の少なくとも一方をスライド移動させることで鉤状突起部131と逆鉤状突起部132とが係止するので、封止部材140によってケース上71およびケース下72が開封不可に封止された封止状態では、ケース上71またはケース下72の両辺で所定長さに亘って配置された複数個の鉤状突起部131および逆鉤状突起部132でスライド係止されており、細状の不正具をケース上71とケース下72との間に挿し入れるなどしてケース上71とケース下72との間に隙間を開けたり、ケース上71およびケース下72を開けたりすることを低減でき、基板ケース74が不正に隙間形成や開封されることを低減できる。
【0089】
また、封止部材140は、ケース上71およびケース下72を、そのスライド移動を抑止するように固定する。さらに、この封止部材140の固定解除用被破壊部180が破壊されると、ケース上71およびケース下72のスライド移動不可状態が解除される。したがって、固定解除用被破壊部180の破壊痕を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【0090】
なお、基板ケース74が取付台100から取り外された単体状態では、図8に示すようにケース下72の2箇所の固定解除用被破壊部180を破断することで、基板ケース74が開封可能(ケース上71およびケース下72のスライド移動が可能)となる。また、基板ケース74が取付台100に取り付けられた状態では、図8に示すケース下72の2箇所の固定解除用被破壊部180に直接アクセスすることはできず、図9に示すように手前に位置するケース上71の上側2箇所の固定解除用被破壊部180を破断することで、ようやく、奥側に位置するケース下72の2箇所の固定解除用被破壊部180に直接アクセスして切断することができる。
【0091】
また、固定解除用被破壊部180は、ケース上71またはケース下72と封止部材140とを結ぶ連結部181としているので、連結部181を破断することで、ケース上71とケース下72との相対的なスライド移動を可能とすることができ、ケース上71とケース下72とを開封できる。なお、封止部材140がケース上71またはケース下72の方に残ったままであるため、当該破断痕によって開封があったことがわかる。
【0092】
また、図9に示すように、ケース上71の下側2箇所の連結部181は、切断破壊するのではなく、支持部として使用できる。このように、ケース上71の下側2箇所の連結部181を支持部として使用した場合には、ケース上71の上側2箇所の連結部181およびケース下72の2箇所の連結部181が切断されても、封止部材140がスロットマシン10内に落下することを防止できる。
【0093】
また、図13(b)に示すように、かしめピン160のピン長さを長くすることで、頭部162の挿入側面とケース下72の突出部72eの貫通孔72fの周囲箇所とを所定の間隔(例えば、1〜2ミリ程度などの間隔)を空けた間隙部200を設けるようにしてもよい。この場合には、封止部材140は、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該かしめピン160の頭部162と被封止部150との間に所定の間隙が形成された間隙部200と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して間隙部200にも回り込むようにした状態で硬化させた硬化樹脂170とを備えているので、被封止部150とかしめピン160の頭部162とを、つまり、ケース上71およびケース下72とかしめピン160とを硬化樹脂170で接着することができる。また、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着されているので、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとしても、かしめピン160の頭部162の表側(手前側)の硬化樹脂170の除去に時間がかかるし、このかしめピン160の頭部162の裏側(奥側)つまり間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。したがって、基板ケース74を不正に開封することが困難である。その結果、不正行為を低減できるスロットマシン(遊技機)を提供することができる。
【0094】
なお、図12(a)に示すように、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間であって当該頭部162の一部よりも挿入方向先端側に形成された所定の隙間(間隙部200に相当する)にも硬化樹脂170が回り込んで接着されているので、回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。
【0095】
また、図14に示すように、被封止部150は、有底係止穴151の開口側の内周箇所に突出形成されて、硬化樹脂170によりかしめピン160の頭部162に接着された脆弱部154を備えたものとしてもよい。この脆弱部154は、図14に示すように、有底係止穴151の入口近くの内周箇所であって、その周方向に沿った例えば2箇所に、突き出た2個の内周突起部153である。この2個の突起部153は、かしめピン160の頭部162の隣り合う2個の延出部164の間の窪み部分に入り込む程度の突出長さとしている。また、図14に示すように被封止部150の正面視状態において、左側の内周突起部153は、左側で隣り合う2個の延出部164の間である窪み部分に向くように存在し、右側の内周突起部153は、右側で隣り合う2個の延出部164の間である窪み部分に向くように存在しているため、有底係止穴151の2個の内周突起部153とかしめピン160の頭部162の6本の延出部164となどで囲まれた形状が複雑に入り込んだ形となっており、この箇所に充填されて硬化した硬化樹脂170の形状をそのように複雑に入り込んだ形とすることができる。
【0096】
この場合には、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去して不正にかしめピン160を取り外そうとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴って被封止部150の脆弱部154が破壊され、その除去した硬化樹脂170と一緒に脆弱部154が取れてしまうので、この脆弱部154が取れた被封止部150を不正に再使用しても、その被封止部150の脆弱部154の破損を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。その結果、不正行為を低減できるスロットマシン(遊技機)を提供することができる。
【0097】
さらに、この内周突起部153は、図14に破線で示すように、その基端側に切り欠き溝部155を形成したものとしてもよい。つまり、2個の内周突起部153の基端側で裏面箇所には、図14に破線で示すように、当該内周突起部153の基端側に沿って所定深さ(例えば、1ミリ程度など)で切り欠き溝部155が形成されている。なお、この切り欠き溝部155を内周突起部153の基端側で正面箇所に形成するようにしてもよいし、正面および裏面の両方に形成するようにしてもよい。
【0098】
また、図14に示すように、有底係止穴151の内周突起部153は、その基端側に切り欠き溝部155を備えているので、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴って有底係止穴151の内周突起部153がさらに破断し易くなっており、その除去した硬化樹脂170と一緒に内周突起部153が取れてしまうので、有底係止穴151の内周突起部153の破断を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【実施例2】
【0099】
次に、実施例2の基板ケース74の報知表示部300について図19〜図21を用いて説明する。
【0100】
図19は、封止部材140の連結部181が切断されていない状態における実施例2の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図20は、封止部材140の連結部181が切断された状態の実施例2の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図21(a)は、連結部181の切断前状態の実施例2の主制御装置70の右下の封止部材140の箇所を示す部分正面図であり、図21(b)は、連結部181の切断後状態の封止部材140の箇所を示す部分正面図である。
【0101】
この実施例2は、光ファイバー320の出射端側322に、この出射端側322から光の出射を低減する遮蔽部360を備えている点が、前述の実施例1とは異なっている。したがって、実施例2では、前述の実施例1と異なる構成について以下に詳細に説明することとし、実施例1と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0102】
光ファイバー320は、図19及び図21(a)に示すように、その出射端側322に、当該出射端側322からの光の出射を遮る遮蔽部360を備えている。
【0103】
図19及び図21(a)に示すように、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322からの光の出射が遮蔽部360で遮られるため、連結部181は消灯状態である。
【0104】
また、図20及び図21(b)に示すように、被切断部位182が切断されると、カール部323が縮むことで、光ファイバー320の切断端部位320aが被切断部位182の切断面から内部に引き込まれ、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71の切断報知用表示箇所78に位置し、光ファイバー320の切断端部位320aから光が出射されることで切断報知用表示箇所78が発光する。
【0105】
本実施例2では、光ファイバー320の出射端側322に遮蔽部360を採用しているが、この遮蔽部360に替えて、光ファイバー320の出射端側322に、その入射端側321の方に光を反射させる反射部(図示省略)を採用しても良い。
【0106】
なお、上述した遮蔽部360や反射部(図示省略)が後述する終端部に相当する。
【0107】
上述したように、本実施例2のスロットマシン10によれば、光ファイバー320は、LED310からの光が入射端側321から入射されて、封止部材140の内部に位置する出射端側322からその光が出射される光ファイバー320であり、光ファイバー320の出射端側322からの光の出射を遮る遮蔽部360(前記の反射部(図示省略)としてもよい)を備え、被切断部位182を切断していない通常状態では、連結部181は消灯状態であり、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置するケース上71の切断報知用表示箇所78が発光する。
【0108】
したがって、被切断部位182を切断していない通常状態では、連結部181が消灯状態であるが、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する、ケース上71の切断報知用表示箇所78が発光するので、封止部材140とは異なる切断報知用表示箇所78が点灯していることで、連結部181の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0109】
また、この実施例2では、被切断部位182の切断後状態において、ケース上71での切断報知用表示箇所78が発光するようにしているが、前述の実施例1での図18に示すように、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する連結部181の切断箇所を発光させるようにしてもよい。この場合には、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する、連結部181の切断箇所が発光するので、連結部181の切断箇所が点灯していることで、連結部181の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【実施例3】
【0110】
次に、実施例3の基板ケース74の報知表示部300について図22〜図24を用いて説明する。
【0111】
図22は、封止部材140の連結部181が切断されていない状態における実施例3の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図23は、封止部材140の連結部181が切断された状態の実施例3の主制御装置70の図7に示したC―C線断面図である。図24(a)は、連結部181の切断前状態の実施例3の主制御装置70の右下の封止部材140の箇所を示す部分正面図であり、図24(b)は、連結部181の切断後状態の封止部材140の箇所を示す部分正面図である。
【0112】
この実施例3は、前述の実施例2と同様に、光ファイバー320の出射端側322に遮蔽部360を備えた構成において、その光ファイバー320での連結部181に位置する箇所に光出力部325を備えている点が、前述の実施例2とは異なっている。したがって、実施例3では、前述の実施例2と異なる構成について以下に詳細に説明することとし、実施例2と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0113】
光ファイバー320は、図22に示すように、その連結部181に位置する箇所に、光を出力する光出力部325を備えている。この光出力部325は、例えば、光ファイバー320での連結部181に位置する外周箇所をVノ字状に切り欠いたものである。光ファイバー320の形成後にVノ字状に切り欠いて光出力部325を形成してもよいし、光ファイバー320のプラスチック成形時にこの切り欠きが同時に形成されるようにしてもよい。
【0114】
図22及び図24(a)に示すように、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322からの光の出射が遮蔽部360で遮られるため、連結部181は消灯状態であるが、光ファイバー320での連結部181に位置する光出力部325からの光の出射によって連結部181が点灯状態である。
【0115】
また、図23及び図24(b)に示すように、被切断部位182が切断されると、カール部323が縮むことで、光ファイバー320の切断端部位320aが被切断部位182の切断面から内部に引き込まれ、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71の切断報知用表示箇所78に位置し、光ファイバー320の切断端部位320aから光が出射されることで切断報知用表示箇所78が発光する。また、このように光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71の切断報知用表示箇所78に引き込まれて位置しているので、切断された連結部181は消灯状態である。
【0116】
本実施例3では、光ファイバー320の出射端側322に遮蔽部360を採用しているが、前述の実施例2と同様に反射部(図示省略)を採用しても良い。
【0117】
なお、上述した光出力部325が後述する出射部に相当する。
【0118】
上述したように、本実施例3のスロットマシン10によれば、光ファイバー320は、LED310からの光が入射端側321から入射されて、連結部181に位置する箇所に形成された光出力部325から光を出射するものであり、被切断部位182を切断していない通常状態では、光出力部325から出射された光で連結部181が発光し、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置するケース上71の切断報知用表示箇所78が発光する。
【0119】
したがって、被切断部位182を切断していない通常状態では、連結部181が発光しているので、連結部181の被切断部位を示唆することができる。また、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する、ケース上71の切断報知用表示箇所78が発光するので、封止部材140とは異なる切断報知用表示箇所78が点灯していることで、連結部181の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【実施例4】
【0120】
次に、実施例4の基板ケース74の報知表示部300について図25を用いて説明する。
【0121】
図25(a)は、連結部181の切断前状態の実施例4の主制御装置70の右下の封止部材140の箇所を示す部分正面図であり、図25(b)は、連結部181の切断後状態の封止部材140の箇所を示す部分正面図である。
【0122】
この実施例4は、図25(a)に示すように、カール部323付き光ファイバー320が2箇所の連結部181に通されており、光ファイバー320の入射端側321から入射された光信号が出射端側322の検出器370で正常に検出されるか否かで、連結部181の被切断部位182の切断の有無を知らせる構成としている点が、前述の実施例1〜3とは異なっている。したがって、実施例4では、前述の実施例1〜3と異なる構成について以下に詳細に説明することとし、実施例1〜3と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0123】
図25(a)に示すように、光ファイバー320は、2箇所の連結部181に通されており、その入射端側321には、光信号を入射するためのLED310が配設され、その出射端側322には、伝送された光信号を検出する検出器370が接続されている。
【0124】
この実施例では、検出器370は、光ファイバー320からの光信号の入射光量が閾値以上であるか否かを検出するものである。なお、光信号としてパルス信号や各種変調信号などを採用してもよく、検出器370において正常なパルス信号や正常な変調信号などであるか否かを検出するものを採用してもよい。
【0125】
検出器370はさらに表示部375に接続されており、表示部375は、検出器370で光信号が異常検出された場合に被切断部位182の切断を知らせる表示を行う。表示部375としては、報知点灯あるいは報知点滅させるランプやLEDの他、小型液晶表示器やデジタル表示器など種々の表示器を採用してもよい。
【0126】
前述したように表示部375は異常検出時のみ表示を行うようにしてもよいが、検出器370で光信号が正常に検出されている場合には、表示部375は、被切断部位182が切断されていないとの正常表示を行うようにしてもよい。
【0127】
また、図25(a)での左側の連結部181と検出器370との間にカール部323が位置している。
【0128】
なお、上述した検出器370が本発明における検出手段に相当し、上述した表示部375が本発明における示唆手段に相当する。
【0129】
光ファイバー320は、LED310からの光信号が入射端側321から入射されて、出射端側322の検出器370にその光信号を伝送する。そして、被切断部位182を切断していない通常状態では、図25(a)に示すように、光ファイバー320の出射端側322に伝送された光信号が検出器370で正常に検出され、表示部375は被切断部位182を切断されていないとの正常表示を行う。
【0130】
また、図25(b)に示すように被切断部位182が切断されると、光ファイバー320からの光信号が検出器370で検出できず、表示部375は、被切断部位182の切断を知らせる表示を行う。また、図25(b)に示すように、被切断部位182が切断されると、カール部323が縮むことで、光ファイバー320の切断端部位320aが被切断部位182の切断面から内部に引き込まれる。
【0131】
上述したように、本実施例4のスロットマシン10によれば、光ファイバー320は、その入射端側321から光信号が入力されて出射端側322に伝送する光伝送部材である。光ファイバー320の出射端側322から出力される光信号を検出する検出器370と、この検出器370で光ファイバー320からの光信号が検出されない場合に連結部181の被切断部位182の切断を知らせる表示を行う表示部375と、を備えている。したがって、連結部181の切断を表示部375によって明確に知らせることができる。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0132】
また、本実施例4では、光ファイバー320を採用しているが、カール部323を備えた導線を採用し、導線からの電気信号の有無を検出器370で検出し、その検出器370で電気信号が検出されない場合に連結部181の被切断部位182の切断を知らせる表示を表示部375で行うようにしてもよい。この場合も本実施例4と同様の効果を有する。
【0133】
また、本実施例4では、示唆手段として表示部375を採用しているが、表示部375に替えて、報知音によって切断を知らせる音声出力部(図示省略)を採用してもよい。また、表示部375とともに音声出力部(図示省略)を採用してもよい。
【実施例5】
【0134】
次に、実施例5のスロットマシン10の基板ケース74について図26,図27を用いて説明する。
【0135】
図26(a)〜(g)は、その順に、実施例5のかしめピン160の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。図27(a)〜(c)は、その順に、実施例5の被封止部150の正面図、右側面、正面右上方から見た一部斜視図であり、図27(d)は、変形例の被封止部150の正面図である。
【0136】
この実施例5は、前述の実施例1のかしめピン160の頭部162および有底係止穴151の一部が異なっている。具体的には、実施例5のかしめピン160は、図26,図27(a)〜(c)に示すように、その頭部162から放射状に8本の延出部164を備えるとともに、頭部162の表面に複数本(本実施例では3本)の溝部165が形成されており、これらの8本の延出部164が脆弱部163である点、実施例5の被封止部150の有底係止穴151が正面視で円形とし、且つ、その入口近くの内周箇所にも脆弱部154(内周突起部153)を備えている点が、前述の実施例1とは異なっている。実施例5では、前述の実施例1と異なる構成について以下に詳細に説明することとし、実施例1と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0137】
実施例5のかしめピン160は、図26に示すように、正面視で円形の頭部162から放射状に8本の延出部164が形成されている。さらに、このかしめピン160は、図26に示すように、その頭部162の表面側に例えば3本の平行な直線状に溝部165が形成されている。この溝部165は、図26(a),(f),(g)に示すように、断面視でV字状形状となっている。この実施例5のかしめピン160の頭部162以外の部分、つまり、挿入係止部161は、実施例1のかしめピン160と同様の構造となっている。
【0138】
続いて、実施例5の被封止部150は、図27(a)〜(c)に示すように、その有底係止穴151が正面視で円形となっており、さらに、その入口近くの内周箇所に突出形成された脆弱部154を備えている。この脆弱部154は、有底係止穴151の入口近くの内周箇所であって、その周方向に沿った例えば5箇所に、突き出た5個の内周突起部153である。この実施例5では、内周突起部153は、かしめピン160の頭部162の延出部164と接触しない程度の突出長さとしている。つまり、内周突起部153の先端と延出部164の先端とが所定の間隔(例えば、1〜2ミリ程度の間隔など)を空けて位置するようにしている。
【0139】
この実施例5では、図27(a)に示すように、有底係止穴151の内周方向に内周突起部153が5個突出形成されており、かしめピン160の頭部162の延出部164が8本としているので、両者の数が異なっている。つまり、図27(a)に示すように被封止部150の正面視状態において、内周突起部153と延出部164とが向かい合う部分と、隣り合う内周突起部153の間である窪み部分に延出部164が向く部分とが存在しているため、有底係止穴151の5個の内周突起部153とかしめピン160の頭部162の8本の延出部164となどで囲まれた形状が複雑に入り込んだ形となっており、この箇所に充填されて硬化した硬化樹脂170の形状をそのように複雑に入り込んだ形とすることができる。
【0140】
さらに、この実施例5の有底係止穴151の5個の内周突起部153は、図27(a)に破線で示すように、その基端側に切り欠き溝部155が形成されている。つまり、5個の内周突起部153の基端側で裏面箇所には、図27(a)に破線で示すように、当該内周突起部153の基端側に沿って所定深さ(例えば、1ミリ程度など)で切り欠き溝部155が形成されている。なお、この切り欠き溝部155を内周突起部153の基端側で正面箇所に形成するようにしてもよいし、正面および裏面の両方に形成するようにしてもよい。
【0141】
なお、図27(d)に示すように、内周突起部153を内歯車のような突起形状とし、延出部164を外歯車のような突起形状とし、かしめピン160が有底係止穴151に挿入係止された状態で、内歯車状の内周突起部153と外歯車状の延出部164とが噛み合うような形状としてもよい。例えば、図27(d)では、複数個(例えば、8個)の内周突起部153と複数本(例えば、8本)の延出部164とは、隣り合う内周突起部153の間に延出部164が位置するように配設されている。
【0142】
また、有底係止穴151は、前述の実施例1と同様に、その入口側から順に、ケース上71の挿入貫通孔71gと、ケース下72の突出部72eの貫通孔72fと、ケース上71の挿入穴部71fとで構成されており、ケース上71の挿入貫通孔71gの径がケース下72の突出部72eの貫通孔72fの径よりも大きくなっているため、各内周突起部153の間はケース下72の一部(突出部72eの貫通孔72fの周囲一部分)が露出した状態となっており、このケース下72の一部(突出部72eの貫通孔72fの周囲一部分)に後述の硬化樹脂170が付着することになる。
【0143】
図27に示すように、かしめピン160が有底係止穴151に挿入係止された状態では、かしめピン160の頭部162が受容凹部152内に位置している。この状態にて、前述の実施例1と同様に、硬化前樹脂を受容凹部152に充填し、硬化前樹脂に紫外線を照射して硬化させる。硬化樹脂170は、かしめピン160の頭部162の溝部165にも入った状態で硬化しているし、有底係止穴151の入口近くの5個の内周突起部153での各内周突起部153の間や、内周突起部153と延出部164との間にも入った状態で硬化している。硬化樹脂170によって、有底係止穴151とかしめピン160とが接着される。つまり、ケース上71とケース下72とかしめピン160とが接着される。
【0144】
上述したように、本実施例5のスロットマシン10によれば、被封止部150の有底係止穴151の内周突起部153の表面積の分も、有底係止穴151の硬化樹脂170への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、有底係止穴151と硬化樹脂170との接着力がさらに向上するし、かしめピン160の頭部162の溝部165の表面積の分も、頭部162の硬化樹脂170への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部162と硬化樹脂170との接着力がさらに向上するし、その溝部165で延出部164が破断し易くなっているので、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴ってかしめピン160の頭部162の延出部164が切り欠き溝部165で破断して、その除去した硬化樹脂170と一緒に延出部164が取れてしまうので、この延出部164が破断したかしめピン160を不正に再使用しても、そのかしめピン160の頭部162の延出部164の破断を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【0145】
また、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴って有底係止穴151の内周突起部153が破断して、その除去した硬化樹脂170と一緒に内周突起部153が取れてしまうので、有底係止穴151の内周突起部153の破断を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【0146】
また、図27(a)に示すように、有底係止穴151の内周突起部153は、その基端側に切り欠き溝部155を備えているので、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴って有底係止穴151の内周突起部153がさらに破断し易くなっており、その除去した硬化樹脂170と一緒に内周突起部153が取れてしまうので、有底係止穴151の内周突起部153の破断を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【実施例6】
【0147】
次に、実施例6のスロットマシン10の基板ケース74について図28〜図30を用いて説明する。
【0148】
図28(a)〜(g)は、その順に、実施例6のかしめピン160の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。図29(a)〜(d)は、その順に、実施例6の被封止部150の正面図、右側面、下面図、正面右上方から見た一部斜視図である。図30(a)は、実施例6でのかしめピン160の挿入係止状態の被封止部150の断面図、図30(b)は、実施例6でのかしめピン160を被封止部150に挿入する様子を示す斜視図である。
【0149】
この実施例6は、前述の実施例1及び実施例5のかしめピン160の頭部162および有底係止穴151の一部が異なっている。具体的には、実施例6のかしめピン160は、図28,図29に示すように、前述の実施例1及び実施例5の延出部164や実施例5の溝部165を有さず、その頭部162は、その表側面に、硬化前樹脂が充填される受け皿部166を備え、この受け皿部166は、かしめピン160の挿入方向視した状態で挿入係止部161よりも外側の一部箇所に、当該頭部162の挿入側面に貫通した流入孔167を備えている点、実施例6の被封止部150の有底係止穴151が前述の実施例5と同様に正面視で円形とし、実施例5の内周突起部153を備えていない点が、前述の実施例1及び実施例5とは異なっている。なお、実施例1及び実施例5と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0150】
実施例6のかしめピン160は、図28に示すように、その頭部162の表側面に、硬化前樹脂が充填される凹状の受け皿部166を備えている。この受け皿部166は、図28(c),(e)に示すように、かしめピン160の挿入方向視した状態で挿入係止部161よりも外側の一部箇所に、当該頭部162の挿入側面に貫通した流入孔167を備えている。
【0151】
図30(b)に示すように、実施例6のかしめピン160を被封止部150の有底係止穴151に挿入すると、図29,図30(a)に示すように、かしめピン160の挿入係止部161が有底係止穴151に係止される。具体的には、図30(a)に示すように、かしめピン160の挿入係止部161が有底係止穴151の奥側であるケース上71の挿入穴部71fに係止される。
【0152】
図30(a)に示すように、ケース上71の挿入貫通孔71gは、かしめピン160の挿入係止部161よりも径が大きくなっており、ケース下72の突出部72eの貫通孔72fは、挿入貫通孔71gよりも直径が小さくなっている。また 図30(a)に示すように、ケース上71の挿入穴部71fは、かしめピン160の先端側が挿入されており、かしめピン160の挿入係止部161は、ケース下72の突出部72eの貫通孔72fでの奥側貫通開口の周囲部位に係止されている。
【0153】
さらに、図30(a)に示すように、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態において、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間には、所定の間隙である間隙部200が形成されている。この実施例6では、ケース上71の挿入貫通孔71gの径を、かしめピン160の挿入係止部161よりも大きく、且つ、かしめピン160の頭部162の径よりも小さくすることで、頭部162とケース下72の貫通孔72fの周囲箇所との間に前記の間隙部200を形成している。この間隙部200は、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間に空けられた間隙である。
【0154】
図30(a)に示すように、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態において、当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所、つまり、かしめピン160の頭部162の受け皿部166に硬化前樹脂を充填すると、この受け皿部166の流入孔167を通じて硬化前樹脂が間隙部200に入り込んでおり、この状態で紫外線を照射することで、間隙部200にも回り込むようにした状態で硬化樹脂170が硬化している。
【0155】
上述したように、本実施例6のスロットマシン10によれば、封止部材140は、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該かしめピン160の頭部162と被封止部150との間に所定の間隙が形成された間隙部200と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して間隙部200にも回り込むようにした状態で硬化させた硬化樹脂170とを備えているので、被封止部150とかしめピン160の頭部162とを、つまり、ケース上71またはケース下72とかしめピン160とを硬化樹脂170で接着することができる。また、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着されているので、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとしても、かしめピン160の頭部162の表側(手前側)の硬化樹脂170の除去に時間がかかるし、このかしめピン160の頭部162の裏側(奥側)つまり間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。したがって、基板ケース74を不正に開封することが困難である。その結果、不正行為を低減できるスロットマシン(遊技機)を提供することができる。
【0156】
また、被封止部150での有底係止穴151の入口側周囲箇所に設けられた受容凹部152は、その窪み空間内に、かしめピン160が挿入係止された状態での当該かしめピン160の頭部162を位置させた状態で、その窪み空間に硬化前樹脂が充填されて硬化されるので、受容凹部152の窪み空間内に頭部162を位置させた状態で硬化樹脂170で覆うことができ、窪み空間の硬化樹脂170を不正に除去することが困難である。また、間隙部200は、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間に空けられた所定の間隙であるので、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着させることができ、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとしても、受容凹部152におけるかしめピン160の頭部162の挿入面側(裏側)つまり間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも受容凹部152における間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。したがって、基板ケース74を不正に開封することが困難である。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0157】
かしめピン160の頭部162は、その表側面に、硬化前樹脂が充填される受け皿部166を備えている。この受け皿部166は、かしめピン160の挿入方向視した状態で挿入係止部161よりも外側の一部箇所に、当該頭部162の挿入側面に貫通した流入孔167を備えている。したがって、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態において、このかしめピン160の頭部162の受け皿部166に硬化前樹脂を充填することで、硬化前樹脂が受け皿部166の流入孔167を通じて頭部162の挿入側面の方に流入して間隙部200に回り込み易くでき、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着させることができ、間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、不正行為を低減できる。
【0158】
また、有底係止穴151は、挿入貫通孔71gと突出部72eの貫通孔72fと挿入穴部71fとで構成されている。挿入貫通孔71gは、かしめピン160の挿入係止部161の存する挿入部分よりも径が大きく、突出部72eの貫通孔72fは、挿入貫通孔71gよりも直径が小さくなっている。したがって、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にてこの被封止部150でのかしめピン160の頭部162に充填した硬化前樹脂は、挿入貫通孔71gとかしめピン160との隙間にも流入してケース上71とケース下72とかしめピン160とに接触した状態とすることができ、挿入貫通孔71gとかしめピン160との隙間の硬化前樹脂に紫外光が当たり易く硬化させ易くできる。硬化樹脂170はケース上71とケース下72とかしめピン160との3部材とを接着することができ、有底係止穴151の挿入貫通孔71gにまで入り込んだ硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、不正行為を低減できる。
【実施例7】
【0159】
次に、実施例7のスロットマシン10の基板ケース74について図31〜図33を用いて説明する。
【0160】
図31(a)〜(g)は、その順に、実施例7のかしめピン160の上面図、左側面図、正面図、右側面図、裏面図、下面図、正面右上方から見た斜視図である。図32(a)〜(d)は、その順に、実施例7の被封止部150の正面図、右側面、下面図、正面右上方から見た一部斜視図である。図33(a)は、実施例7でのかしめピン160の挿入係止状態の被封止部150の断面図、図33(b)は、実施例7でのかしめピン160を被封止部150に挿入する様子を示す斜視図である。
【0161】
この実施例7は、前述の実施例1〜6のかしめピン160の頭部162および有底係止穴151の一部が異なっている。具体的には、実施例7のかしめピン160は、図31,図32に示すように、その頭部162の表面側に、前述の実施例6の受け皿部166を有さず、頭部162の挿入面側と受容凹部152の窪み面との間に間隙部200を有している点、実施例7の被封止部150の有底係止穴151が前述の実施例5,6と同様に正面視で円形とし、実施例5の内周突起部153を備えておらず、受容凹部152の奥側がスロープ状となっている点が、前述の実施例1〜6とは異なっている。なお、実施例1〜6と同様の構成についてはここでの説明を省略する。
【0162】
実施例7の受容凹部152は、その開口径がかしめピン160の頭部162の径よりも十分に大きくなっており、図32(d)に示すように、かしめピン160の頭部162と受容凹部152との間に硬化前樹脂を充填し易くなっており、図33(a)に示すように、かしめピン160の挿入面側に硬化前樹脂が入り込み易くなっている。
【0163】
図33(b)に示すように、実施例7のかしめピン160を被封止部150の有底係止穴151に挿入すると、図32,図33(a)に示すように、かしめピン160の挿入係止部161が有底係止穴151に係止される。具体的には、図33(a)に示すように、かしめピン160の挿入係止部161が有底係止穴151の奥側であるケース上71の挿入穴部71fに係止される。
【0164】
図33(a)に示すように、ケース上71の挿入貫通孔71gは、かしめピン160の挿入係止部161よりも径が大きくなっており、ケース下72の突出部72eの貫通孔72fは、挿入貫通孔71gよりも直径が小さくなっている。また 図33(a)に示すように、ケース上71の挿入穴部71fは、かしめピン160の先端側が挿入されており、かしめピン160の挿入係止部161は、ケース下72の突出部72eの貫通孔72fでの奥側貫通開口の周囲部位に係止されている。
【0165】
さらに、図33(a)に示すように、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態において、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間には、所定の間隙である間隙部200が形成されている。この実施例7では、ケース上71の挿入貫通孔71gの径を、かしめピン160の頭部162の径よりも大きくし、かしめピン160のピン長さを長くすることで、かしめピン160の頭部162の挿入面側とケース下72の貫通孔72fの周囲箇所との間に前記の間隙部200を形成している。この間隙部200は、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間に空けられた間隙である。
【0166】
図33(a)に示すように、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態において、当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所、つまり、受容凹部152に硬化前樹脂を充填すると、硬化前樹脂が間隙部200に入り込んでおり、この状態で紫外線を照射することで、間隙部200にも回り込むようにした状態で硬化樹脂170が硬化している。
【0167】
上述したように、本実施例7のスロットマシン10によれば、封止部材140は、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該かしめピン160の頭部162と被封止部150との間に所定の間隙が形成された間隙部200と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して間隙部200にも回り込むようにした状態で硬化させた硬化樹脂170とを備えているので、被封止部150とかしめピン160の頭部162とを、つまり、ケース上71またはケース下72とかしめピン160とを硬化樹脂170で接着することができる。また、かしめピン160の頭部162と被封止部150との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着されているので、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとしても、かしめピン160の頭部162の表側(手前側)の硬化樹脂170の除去に時間がかかるし、このかしめピン160の頭部162の裏側(奥側)つまり間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。したがって、基板ケース74を不正に開封することが困難である。その結果、不正行為を低減できるスロットマシン(遊技機)を提供することができる。
【0168】
また、被封止部150での有底係止穴151の入口側周囲箇所に設けられた受容凹部152は、その窪み空間内に、かしめピン160が挿入係止された状態での当該かしめピン160の頭部162を位置させた状態で、その窪み空間に硬化前樹脂が充填されて硬化されるので、受容凹部152の窪み空間内に頭部162を位置させた状態で硬化樹脂170で覆うことができ、窪み空間の硬化樹脂170を不正に除去することが困難である。また、間隙部200は、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間に空けられた所定の間隙であるので、受容凹部152の窪み面とかしめピン160の頭部162の挿入側面との間の間隙部200にも硬化樹脂170が回り込んで接着させることができ、例えば、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとしても、受容凹部152におけるかしめピン160の頭部162の挿入面側(裏側)つまり間隙部200に回り込んだ硬化樹脂170は直接にアクセスできないことからこの硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、しかも受容凹部152における間隙部200の硬化樹脂170でかしめピン160と被封止部150とが接着された状態を維持しており、かしめピン160を取り外すことが困難である。したがって、基板ケース74を不正に開封することが困難である。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【実施例8】
【0169】
次に、実施例8のスロットマシン10の基板ケース74について、図38〜図42を用いて説明する。
【0170】
図38は、実施例8の主制御装置70の正面図である。図39は、連結部181が切断される前の主制御装置70における封止部材140箇所を示す部分正面図である。図40は、主制御装置70の図38に示したD−D線断面図である。図41は、連結部181が切断された状態の主制御装置70のD―D線断面図である。図42(a)は、連結部181が切断される前の主制御装置70における封止部材140箇所を示す部分正面図であり、図42(b)は、連結部181が切断された後の主制御装置70における封止部材140箇所を示す部分正面図である。
【0171】
この実施例8では、実施例1と同様に、図38及び図39に示すように、光ファイバー320の出射端側322を封止部材140での光透過性の硬化樹脂170の方に向けて近接配設している。図39に示すように、主制御装置70の正面視において、光ファイバー320の出射端側322は、封止部材140の中央箇所(かしめピン160のピン中心箇所)に向くようにして配設されている。
【0172】
また、前述の実施例1では、図7に示すように、縦方向に被封止部150と結ぶ連結部181を2個としているが、この実施例8では、図38に示すように、縦方向に被封止部150と結ぶ連結部181を1個としている。この連結部181は、図39に示すように、その連結方向が受容凹部152の中央箇所に向けて形成されている。図40に示すように、この連結部181の内部に光ファイバー320の線状部324が通されている。
【0173】
実施例8の光ファイバー320は、図39及び図40に示すように、その出射端側322を封止部材140での硬化樹脂170の近傍箇所(例えば、受容凹部152の箇所)に位置させた状態で前述の実施例1と同様に光透過性の接着剤340で固定されている。また、光ファイバー320の出射端側322は、図39に示すように、受容凹部152の中央に向けられている。
【0174】
図40に示すように、光ファイバー320は、前述の実施例1と同様にカール部323を備えており、光ファイバー320の配設状態では、カール部323がその長さ方向に引き伸ばされた状態としている。
【0175】
ケース上71及びかしめピン160は透明樹脂成型品であり、硬化樹脂170も光透過性の樹脂であるので、図39、図40及び図42(a)に示すように、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光はケース上71の封止部材140での受容凹部152及び硬化樹脂170に入射され、受容凹部152及び硬化樹脂170に入射した光によって受容凹部152及び硬化樹脂170が発光する。なお、硬化樹脂170に光拡散粒子が含まれる場合には、硬化樹脂170をより一様に発光させることができる。
【0176】
また、かしめピン160も透明であるので、硬化樹脂170を介してかしめピン160に入射した光によってかしめピン160が発光する。
【0177】
また、ケース上71及びかしめピン160を構成する透明樹脂に光拡散粒子を含めるようにし、ケース上71の封止部材140及びかしめピン160をより一様に発光させるようにしてもよい。
【0178】
図40及び図42(a)に示すように、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光は、封止部材140での受容凹部152に入射されるとともに、この受容凹部152から硬化樹脂170の方に出射した光が硬化樹脂170に入射される。このように入射された光が受容凹部152及び硬化樹脂170から出射されることで、受容凹部152及び硬化樹脂170が発光する。
【0179】
これに対して、図41に示すように、連結部181の被切断部位182が切断されると、その切断に伴って光ファイバー320の線状部324も切断され、この切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、引き伸ばされていたカール部323が縮むことで、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれる。
【0180】
図41及び図42(b)に示すように、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aがケース上71の切断報知用表示箇所78に位置し、光ファイバー320の切断端部位320aから光が出射されることで切断報知用表示箇所78が発光する。
【0181】
また、前述の実施例1と同様に、かしめピン160は、図39に示すように、その頭部162に当該頭部162から分離され易い脆弱部163を備えている。この脆弱部163は、硬化樹脂170により被封止部150に接着されているので、硬化樹脂170を不正に削り取ろうとすると、削り取った硬化樹脂170に引っ付いて脆弱部163が取れ易くなっている。
【0182】
なお、上述した基板ケース74が後述する結合部材に相当する。
【0183】
上述したように、本実施例8のスロットマシン10によれば、ケース上71とケース下72とを結合状態とした基板ケース74と、その結合状態を解除不可に封止する封止部材140と、ケース上71と封止部材140とを連結する連結部181とを備え、この連結部181は、封止部材140による封止を解除する場合にケース上71と封止部材140とを切り離すために切断される被切断部位182を備え、基板ケース74は、被切断部位182の内部を通すようにしてケース上71から封止部材140まで設けられた、LED310からの光が一端側から入射されて連結部181に近い他端側である出射端側322から出射されて封止部材140を発光させる光ファイバー320と、被切断部位182の切断に伴ってその切断された光ファイバー320の切断端部位320aが当該被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるように付勢するカール部323と、を備え、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140が発光し、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aから出射された光で、当該被切断部位182が発光する。
【0184】
したがって、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140が発光する(光拡散粒子を含有する封止部材140の場合には封止部材140が一様に発光するし、光拡散粒子を含有しない封止部材140の場合には封止部材140での入射光が到達する面箇所が発光する)ので、被切断部位182ではなく、発光する封止部材140に遊技場関係者等を着目させることができ、封止部材140を明るく見易い状態で目視確認ができ、封止部材140に対する不正の有無が確認し易い。
【0185】
一方、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aが位置する、ケース上71での切断報知用表示箇所78が発光するので、切断報知用表示箇所78が点灯していることで、連結部181の切断を遊技場関係者等に明確に知らせることができる。
【0186】
また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれて切断報知用表示箇所78に位置しているので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0187】
上述したように、被切断部位182の切断前では封止部材140に、被切断部位182の切断後では当該被切断部位182に、遊技場関係者等を注視させることができ、被切断部位182の切断前と切断後とに応じた報知を行うことができる。
【0188】
よって、封止部材140及び連結部181に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0189】
また、封止部材140は、ケース上71とケース下72との結合状態で連通形成された有底係止穴151を有する被封止部150と、この被封止部150の有底係止穴151に挿入されて係止する挿入係止部161と当該挿入係止部161の挿入後端側に位置する頭部162とを有するかしめピン160と、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にて当該被封止部150でのかしめピン160の頭部162の箇所に充填して硬化させた光透過性の硬化樹脂170と、を備え、光ファイバー320は、その出射端側322から出射された光を硬化樹脂170に導入するように配設され、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光で封止部材140での硬化樹脂170が発光する。
【0190】
したがって、被切断部位182を切断していない通常状態では、光ファイバー320の出射端側322から出射された光が封止部材140の硬化樹脂170に入射され、この入射光が硬化樹脂170内の光拡散粒子によって拡散されて外部に出射されるので、硬化樹脂170が一様に発光し、封止部材140の硬化樹脂170を明るく見易い状態で目視確認ができ、かしめピン160の頭部162の箇所に充填された硬化樹脂170に対する不正の有無が確認し易い。
【0191】
また、硬化樹脂170が光拡散粒子を含まない場合には、封止部材140の被封止部150での硬化樹脂170が削られたり切れ目が入れられたりすると、その硬化樹脂170の削れ部位や切れ目箇所から光が出射されるので、削れ部位や切れ目箇所が発光によって目立ち、硬化樹脂170への破壊痕跡を発見し易い。
【0192】
さらに、受容凹部152での硬化樹脂170と接する内面箇所のうちで少なくとも、光ファイバー320の出射端側322からの光が硬化樹脂170(光拡散粒子を含まない場合に限る)の内部を進んで到達する箇所に、光吸収部材(例えば、可視光を吸収するフィルター、フィルム、シートまたは光吸収層など)を設ける場合には、光ファイバー320の出射端側322からの光が硬化樹脂170(光拡散粒子を含まない場合に限る)の内部に入射されるものの光吸収部材で吸収されて硬化樹脂170が発光することはないが、硬化樹脂170が削られたり切れ目が入れられたりすると、その硬化樹脂170の削れ部位や切れ目箇所から光が出射される。つまり、通常は発光していない硬化樹脂170を削ったり切れ目を入れたりすると、その削れ部位や切れ目箇所が発光することで特に目立ち、硬化樹脂170への破壊痕跡をさらに発見し易くできる。
【0193】
また、かしめピン160の頭部162における脆弱部163は、分離され易く、且つ、硬化樹脂170により被封止部150に接着されているので、かしめピン160の頭部162周辺における硬化樹脂170を不正行為者が削り取ろうとすると、削り取られた硬化樹脂170と一緒に脆弱部163も取れてしまう。この取れた脆弱部163を元通りに被封止部150に戻したとしても、その戻した脆弱部163と頭部162との境界面が光の乱反射で目立ち、かしめピン160への破壊痕跡を発見し易い。
【0194】
また、この実施例8では、被切断部位182の切断後状態において、ケース上71での切断報知用表示箇所78が発光するようにしているが、図43に示すように、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aから出射された光で、被切断部位182が発光するようにしてもよい。図43は、連結部181の切断箇所を発光させた状態での主制御装置70のD―D線断面図である。この場合には、被切断部位182の切断後状態では、引き込まれた光ファイバー320の切断端部位320aから出射された光で連結部181の被切断部位182が発光するので、連結部181の被切断部位182が切断されたことを遊技場関係者等に知らせることができる。また、不正行為者によって、連結部181が切断されてケース上71とケース下72との結合状態が解除されて不正行為がなされた後に、その切断された連結部181を元通りに配置し直したりしても、当該被切断部位182が光の乱反射で目立ち、連結部181への破壊痕跡を発見し易い。また、切断された光ファイバー320の切断端部位320aは、被切断部位182の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位320aにアクセスすることが困難になり、光ファイバー320の切断端部位320aを不正に再接続することを低減できる。
【0195】
なお、前述した実施例1の場合も、本実施例8と同様に封止部材140に光を入射させる構成である点において共通するため、前述の実施例1においても上述した効果を有する。また、本実施例8では、光ファイバー320の出射端側322を、実施例1の場合よりも封止部材140の中央箇所(かしめピン160のピン中心箇所)に向けるように配設しているため、封止部材140の中央箇所(硬化樹脂170やかしめピン160の頭部162)への入射光量が実施例1の場合よりも多くなっている。
【0196】
また、前述した実施例1の図14に示すように、被封止部150は、有底係止穴151の開口側の内周箇所に突出形成されて、硬化樹脂170によりかしめピン160の頭部162に接着された脆弱部155をさらに備える構成としてもよい。この場合には、封止部材140の硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴って被封止部150の脆弱部155が破壊され、その除去した硬化樹脂170と一緒に脆弱部155が取れてしまう。この取れた脆弱部155を元通りに被封止部150に戻したとしても、その戻した脆弱部155と頭部162との境界面が光の乱反射で目立ち、かしめピン160への破壊痕跡を発見し易い。
【0197】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
【0198】
<1>上述した実施例1〜4及び8では、ケース上71の連結部181に光ファイバー320を設けるようにしているが、ケース下72に設けるようにしてもよい。また、実施例4の変形例では、ケース上71の連結部181に、光ファイバー320に替えて導線を設けるようにしているが、ケース下72に設けるようにしてもよい。
【0199】
<2>上述した実施例1〜4及び8では、付勢手段としてカール部323を採用しているが、線状の光ファイバー320の出射端側322が固定され、且つ、光ファイバー320での連結部181よりもLED310に近い箇所を弾性部材(例えば、コイルバネ、板バネ)で連結部181から離れる方向に付勢する構成を採用してもよい。この場合であっても、連結部181の被切断部位182の切断によって、光ファイバー320の切断端部位320aが被切断部位182の切断面から内部に引き込むことができる。
【0200】
<3>上述した各実施例では、主制御基板73の電子部品実装面を、ケース上71の内側面に対向させた状態で当該ケース上71の内側面に取り付けているが、主制御基板73の半田面をケース上71に対向させて取り付けるようにしてもよい。また、主制御基板73をケース上71に取り付けているがケース下72に取り付けるようにしてもよいし、ケース下72の内側面に主制御基板73の電子部品実装面を対向させて取り付けるようにしてもよいし、半田面を対向させて取り付けるようにしてもよい。
【0201】
<4>図34(a),(b)に示すように、ケース上71は、封止部材140の存する箇所での当該ケース上71とケース下72との境界面BLを囲う囲い壁210を備えるようにしてもよい。この場合には、ケース上71の囲い壁210によって、封止部材140の存する箇所での当該ケース上71とケース下72との境界面BLが囲われているので、当該境界面BLに不正な細状部材の挿入を困難とすることができ、当該境界面BLに不正な細状部材を挿入して封止部材140の存する箇所でのケース上71とケース下72とを引き離すことを困難とすることができる。また、ケース上71の囲い壁210と、この囲い壁210を有しない方のケース下72との境目に不正な細状部材を挿入したとしても、囲い壁210を反らす方向に力がかかるだけで、当該境界面BLを離す方向つまりかしめピン160が抜ける方向には力がかからないので、囲い壁210に沿って無理矢理に不正な細状部材を挿入したとしても、封止部材140の封止解除できない。その結果、不正開封を低減できる基板ケース74を用いた遊技機を提供することができる。また、ケース下72に囲い壁210を設けた場合も同様の効果を有する。
【0202】
<5>図35に示すように、有底係止穴151は、ケース上71に形成された、かしめピン160の挿入係止部161よりも径の大きい貫通孔部220と、ケース下72に形成されて貫通孔部220よりも直径が小さく且つ挿入係止部161を係止する奥側穴部221とを連通形成した二段穴としてもよい。この場合では、被封止部150の有底係止穴151にかしめピン160を挿入して係止させた状態にてこの被封止部150の受容凹部152に充填した硬化前樹脂は、貫通孔部220と挿入係止部161との間にも流入してケース上71とケース下72とかしめピン160とに接触した状態で硬化させることができ、硬化樹脂170はケース上71とケース下72とかしめピン160との3部材とを接着することができ、有底係止穴151の貫通孔部220にまで入り込んだ硬化樹脂170を除去することはさらに困難であり、不正行為を低減できる。
【0203】
<6>上述した各実施例のケース上71およびケース下72は両者を合わせた状態でその少なくとも一方をスライド移動させることで、ケース上71およびケース下72が閉塞した状態となる構成を採用しているが、スライド無しの嵌め合わせ構造や、回動軸を軸心として回動式で組み合わせる構成などを採用してもよい。
【0204】
<7>図36に示すように、かしめピン160の頭部162の延出部164の基端側に切り欠き溝部168を備えるようにしてもよい。また、図36では、切り欠き溝部168を、頭部162の挿入面側で延出部164の基端側に形成しているが、切り欠き溝部168を、頭部162の表面側で延出部164の基端側に形成してもよい。また、実施例5〜8のかしめピン160の頭部162の延出部164の基端側に切り欠き溝部168を備えるようにしてもよい。この場合には、延出部164は、その基端側に切り欠き溝部168を備えているので、さらに、延出部164の切り欠き溝部168の表面積の分も、頭部162の硬化樹脂170への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部162と硬化樹脂170との接着力がさらに向上するし、その切り欠き溝部168で延出部164が破断し易くなっているので、より破断し易い脆弱部163を形成することができるし、硬化樹脂170を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂170の不正な除去に伴ってかしめピン160の頭部162の延出部164が切り欠き溝部168で破断して、その除去した硬化樹脂170と一緒に延出部164が取れてしまうので、この延出部164が破断したかしめピン160を不正に再使用しても、そのかしめピン160の頭部162の延出部164の破断を見ることで、基板ケース74が開封されたことがわかる。
【0205】
<8>上述した実施例5のかしめピン160の頭部162の表面側に溝部165を設けていた(図26参照)が、この溝部165を設けないようにしてもよい。
【0206】
<9>上述した各実施例では、固定解除用被破壊部180は所定箇所を切断工具で切断破壊されるものとしているが、例えば、固定解除用被破壊部180の肉厚を他の箇所と比べて薄くし、かかる固定解除用被破壊部180を押下することで破断するものとしてもよい。
【0207】
<10>上述した各実施例では、主制御基板73を内部に収容する基板ケース74を例に挙げて説明しているが、主制御基板73以外の表示制御基板などの各種の制御基板を内部に収容する基板ケースに採用することもできる。
【0208】
<11>上述した各実施例では、基板ケース74は、ケース上71とケース下72とを合わせた状態でその内部空間に主制御基板73を収納するものとしているが、例えば、ケース上71に主制御基板73を取り付けた後に、ケース上71の主制御基板73の取付面側を他の部材で覆い、さらにこの他の部材の少なくとも一部をケース下72で覆い、ケース上71およびケース下72を封止部材140で封止して当該基板ケース74を開封不可とするようにしてもよい。
【0209】
<12>上述した各実施例では、係止穴として有底係止穴151を採用しているが、底無し係止穴を採用してもよい。
【0210】
<13>上述した各実施例では、封止部材140は、基板ケース74の封止(かしめ)に用いているが、封止部材140を基板ケース74と取付台100との封止(かしめ)に用いてもよいし、種々の部品の封止(かしめ)に用いてもよい。例えば、流通過程や遊技場(ホール)などで不正に交換や不正改造などがされたら困る部品としては、払出装置やスタートレバーやストップスイッチなどが挙げられる。
【0211】
<14>上述した各実施例では、頭部162は図12(b)に示すように少なくとも一方向視でTノ字形状としているが、それ以外の形状としてもよく、頭部162を断面視で挿入貫通孔71gよりも小さい形状としてもよい。頭部162は後端部であるとも言える。
【0212】
<15>上述した実施例1〜4及び8では、光ファイバー320の出射端側322を接着剤340によって挿入穴77の奥側に接着固定しているが、図37(a),(b)に示すような係止固定などを採用してもよい。
【0213】
図37(a)は、光ファイバー320の出射端側322を係止固定する構成であって、光ファイバー320の出射端側322の外周に接着して取り付けた係止取付部品380に被係止用窪み部380aを形成し、挿入穴77に係止突起77aを形成した場合の要部概略断面図であり、図37(b)は、挿入穴77に被係止用窪み部77bを形成し、光ファイバー320の出射端側322の外周に例えば接着して取り付けた係止取付部品380に係止突起380bを形成した場合の要部概略断面図である。
【0214】
図37(a)に示すように、光ファイバー320の出射端側322の外周に接着して取り付けた係止取付部品380の外周面に被係止用窪み部380aを形成し、挿入穴77の奥側の内壁部に係止突起77aを形成し、光ファイバー320を挿入穴77に挿入すると、挿入穴77の係止突起77aが光ファイバー320の被係止用窪み部380aに係止され、光ファイバー320の出射端側322を挿入穴77に係止固定する構成を採用してもよい。
【0215】
またその逆の構成として、図37(b)に示すように、挿入穴77に被係止用窪み部77bを形成し、光ファイバー320の出射端側322の外周に例えば接着して取り付けた係止取付部品380に係止突起380bを形成し、光ファイバー320を挿入穴77に挿入すると、光ファイバー320の係止突起380bが挿入穴77の被係止用窪み部77bに係止され、光ファイバー320の出射端側322を挿入穴77に係止固定するようにしてもよい。
【0216】
また、光ファイバー320の出射端側322の外被部分に、被係止用窪み部380aや係止突起380bを形成してもよい。なお、この外被部分に被係止用窪み部380aや係止突起380bを形成しているので、被係止用窪み部380aや係止突起380bからの光の漏れは無い。
【0217】
<16>上述した実施例1〜4及び8では、光ファイバー320の入射端側321を接着剤340で支持部材350に接着固定しているが、図37(c),(d)に示すような係止固定などを採用してもよい。
【0218】
図37(c)は、光ファイバー320の入射端側321を係止固定する構成であって、光ファイバー320の入射端側321の外周に接着して取り付けた係止取付部品380に被係止用窪み部380aを形成し、支持部材350の貫通孔351に係止突起351aを形成した場合の要部概略断面図であり、図37(d)は、支持部材350の貫通孔351に被係止用窪み部351bを形成し、光ファイバー320の入射端側321の外周に接着して取り付けた係止取付部品380に係止突起380bを形成した場合の要部概略断面図である。
【0219】
図37(c)に示すように、光ファイバー320の入射端側321の外周に例えば接着して取り付けた係止取付部品380の外周面に被係止用窪み部380aを形成し、支持部材350の貫通孔351の奥側の内壁部に係止突起351aを形成し、光ファイバー320を貫通孔351に挿入すると、貫通孔351の係止突起351aが光ファイバー320の被係止用窪み部380aに係止され、光ファイバー320の入射端側321を貫通孔351に係止固定する構成を採用してもよい。
【0220】
またその逆の構成として、貫通孔351に被係止用窪み部351bを形成し、光ファイバー320に係止突起380bを形成して係止固定するようにしてもよい。
【0221】
また、光ファイバー320の入射端側321の外被部分に、被係止用窪み部380aや係止突起380bを形成してもよい。なお、この外被部分に被係止用窪み部380aや係止突起380bを形成しているので、被係止用窪み部380aや係止突起380bからの光の漏れは無い。
【0222】
<17>上述した実施例1〜4では、光ファイバー320の切断部位320を基板ボックス263の内部の方に引き込んでいるが、被封止部150(かしめ部)の内部の方に引き込むようにしてもよい。
【0223】
<18>上述した実施例1〜4及び8では、伝送部材、光伝送部材として光ファイバー320を採用しているが、光ファイバー以外の部品であって導光部材や導光板などの導光部品などを採用してもよい。
【0224】
<19>上述した各実施例では、光ファイバー320の一部(線状部324の一部)を連結部181の内部に通しているが、光ファイバー320の一部(線状部324の一部)を連結部181の外側に配設(例えば、連結部の181の外面に沿わせて配設)し、その出射端側322からの光を封止部材140や硬化樹脂170に入射させるようにしてもよい。また、光ファイバー320の出射端側322を連結部181の手前位置に配設し、出射端側322からの光が連結部181を通じて封止部材140や硬化樹脂170に入射するようにしてもよい。
【0225】
<20>上述した実施例1では、図17(a)に示すように、光ファイバー320の出射端側322が封止部材140の中央箇所(硬化樹脂170やかしめピン160の頭部162)の方に向いていないが、その出射端側322を封止部材140の中央箇所(硬化樹脂170やかしめピン160の頭部162)の方に向けるように配設してもよい。この場合には、封止部材140の中央箇所(硬化樹脂170やかしめピン160の頭部162)への入射光量を増加させることができる。
【0226】
<21>また、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0227】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0228】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0229】
<第1課題>
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンがある。このスロットマシンは、例えば、その筐体内部の所定箇所に、遊技を制御する制御基板を基板ケースに収容した制御装置が配設されている。この基板ケースは、例えば、その内部に制御基板を被包して収容するためのベース部とカバー部とを備えている。また、この基板ケースには、このケースを開封不可に封止するための封止機構を備えている。この封止機構と基板ケースとを連結する連結部を切断しない限り、基板ケースが開封できない構造となっており、その連結部を切断してケースを開封した場合には、連結部の切断痕跡に基づいて開封(正規開封、不正開封の種類を問わず)の有無が確認でき、不正開封防止が図られている(例えば、特許文献1参照:特開2005−111027号公報)。
【0230】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
不正行為者によって、連結部が切断されて基板ケースが不正に開封され、制御基板に不正を施した後に、その切断された封止機構を元通りに配置し直したりするおそれがある。この場合には、連結部の切断痕跡を発見し辛く、基板ケースの不正な開封の発見が遅れてしまうという問題がある。
【0231】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、不正行為を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
【0232】
(A1) 第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との結合状態を解除不可に封止する封止手段とを備えた遊技機において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記封止手段による封止を解除する場合に前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを切り離すために切断される被切断部位を備え、
少なくとも前記被切断部位の内部を通すようにして前記第1部材または前記第2部材から前記連結部または前記封止手段まで設けられた、当該連結部の切断を知らせるための伝送部材と、
前記被切断部位の切断に伴って切断された前記伝送部材の切断端部位が当該被切断部位の切断面から内側に引き込まれるように付勢する付勢手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0233】
前記(A1)に記載の遊技機によれば、第1部材と第2部材との結合状態を解除するために、連結部の被切断部位が切断されると、この被切断部位の内部の伝送部材も切断される。伝送部材が切断されたことで、連結部の切断を知らせることができる。さらに、切断された伝送部材の切断端部位は、付勢手段によって、被切断部位の切断面から内側に引き込まれてしまうので、切断された伝送部材の切断端部位にアクセスすることが困難になり、伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0234】
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記伝送部材は、光源からの光が一端側から入射されて前記連結部に位置する箇所に形成された出射部から出射する光伝送部材であり、
前記被切断部位を切断していない通常状態では、前記光伝送部材の前記出射部から出射された光で前記連結部が発光し、
前記被切断部位の切断後状態では、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する、前記第1部材または前記第2部材での所定箇所である切断報知用表示箇所が発光する
ことを特徴とする遊技機。
【0235】
前記(A2)に記載の遊技機によれば、光源からの光は、光伝送部材の一端側から入射されて、連結部に位置する箇所に形成された出射部から出射される。被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の出射部から出射された光で連結部が発光しているので、連結部の被切断部位を示唆することができる。また、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、第1部材または第2部材での切断報知用表示箇所が発光するので、連結部とは異なる切断報知用表示箇所が点灯していることで、連結部の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0236】
(A3) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記伝送部材は、光源からの光が一端側から入射されて、前記封止手段の内部に位置する他端側からその光が出射される光伝送部材であり、
前記被切断部位を切断していない通常状態では、前記光伝送部材の他端側から出射された光で前記封止手段が発光し、
前記被切断部位の切断後状態では、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する前記第1部材または前記第2部材での所定箇所である切断報知用表示箇所、または、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する前記連結部の切断箇所が発光する
ことを特徴とする遊技機。
【0237】
前記(A3)に記載の遊技機によれば、光源からの光は、光伝送部材の一端側から入射されて、封止手段の内部に位置する、光伝送部材の他端側から出射される。被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の他端側から出射された光で封止手段が発光しているので、発光によって封止手段を注視させることができる。また、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、第1部材または第2部材での切断報知用表示箇所が発光したり、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、連結部の切断箇所が発光したりするので、封止手段とは異なる切断報知用表示箇所または連結部の切断箇所が点灯していることで、連結部の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0238】
(A4) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記伝送部材は、光源からの光が一端側から入射されて、前記封止手段の内部に位置する他端側からその光が出射される光伝送部材であり、
前記光伝送部材の前記他端側からの光の出射を遮るまたは前記一端側の方に光を反射させる終端部を備え、
前記被切断部位を切断していない通常状態では、前記連結部は消灯状態であり、
前記被切断部位の切断後状態では、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する前記第1部材または前記第2部材での所定箇所である切断報知用表示箇所、または、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する前記連結部の切断箇所が発光する
ことを特徴とする遊技機。
【0239】
前記(A4)に記載の遊技機によれば、光源からの光は、光伝送部材の一端側に入射され、封止手段の内部に位置する、当該光伝送部材の他端側から出射される。終端部は、光伝送部材の他端側からの光の出射を遮る、または、光伝送部材の一端側の方に光を反射させる。被切断部位を切断していない通常状態では、連結部が消灯状態であるが、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、第1部材または第2部材での切断報知用表示箇所が発光したり、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、連結部の切断箇所が発光したりするので、封止手段とは異なる切断報知用表示箇所または連結部の切断箇所が点灯していることで、連結部の切断を明確に知らせることができる。また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0240】
(A5) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記伝送部材は、その一端側から光信号が入力されて他端側に伝送する光伝送部材であり、
前記光伝送部材の他端側から出力される光信号を検出する検出手段と、
前記検出手段で所定の光信号が検出されない場合に前記連結部の切断を示唆する示唆手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0241】
前記(A5)に記載の遊技機によれば、光信号は、光伝送部材の一端側から入力されて当該光伝送部材の他端側に伝送される。検出手段は、光伝送部材の他端側から出力される光信号を検出する。示唆手段は、検出手段で所定の光信号が検出されない場合に、連結部の切断を示唆する。したがって、連結部の切断を示唆手段によって明確に知らせることができる。また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0242】
(A6) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記伝送部材は、その一端側から電気信号が入力されて他端側に伝送する電気信号伝送部材であり、
前記電気信号伝送部材の他端側から出力される電気信号を検出する検出手段と、
前記検出手段で所定の電気信号が検出されない場合に前記連結部の切断を示唆する示唆手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0243】
前記(A6)に記載の遊技機によれば、電気信号は、電気信号伝送部材の一端側から入力されて当該電気信号伝送部材の他端側に伝送される。検出手段は、電気信号伝送部材の他端側から出力される電気信号を検出する。示唆手段は、検出手段で所定の電気信号が検出されない場合に、連結部の切断を示唆する。したがって、連結部の切断を示唆手段によって明確に知らせることができる。また、切断された電気信号伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、電気信号伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0244】
<第2課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、当該パチンコ機の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の正面視での左端側を開閉軸として外枠に対して開閉可能に支持される内枠と、この内枠の略中央に形成された開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視での左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域を視認するための視認窓を有する前面扉とを備えている。
【0245】
また、パチンコ機は、その裏面側に、遊技を制御する制御基板を収容した基板ケースを備えている。この基板ケースは、その内部に制御基板を被包して収容するためのベース部とカバー部とを備えている。また、この基板ケースには、このケースを封止するための封止機構を備えている。この封止機構は所定箇所を破壊しない限り開封できない構造となっており、その封止機構を破壊してケースを開封した場合には、封止機構の破壊に基づいて開封(正規開封、不正開封の種類を問わず)の有無が確認でき、不正開封防止が図られている(例えば、特許文献:特開2005−152297号公報を参照)。
【0246】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、封止機構として、ベース部とカバー部とを合わせた状態で所定箇所に形成される単一の有底穴状の係止雌部に係止ピンを挿入することで、当該係止ピンが係止雌部に係止して抜けなくなり、さらにこの係止ピンのピン頭部分を硬化性樹脂で固着させて、基板ケースを封止するものがあるが、このような硬化樹脂を用いた封止機構であっても硬化樹脂が簡単に取り外されてしまうと、不正に開封されて不正行為が行われることがあるという問題がある。
【0247】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、不正行為を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
【0248】
(A7) 遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する遊技機用基板収容ケースを備えた遊技機において、
前記遊技機用基板収容ケースは、第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体とを備え、
前記遊技機用基板収容ケースは、その所定箇所に、前記制御基板が取り付けられた前記第1ケース体でのその制御基板取付面側に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体および前記第2ケース体を封止して当該遊技機用基板収容ケースを開封不可とする封止手段を備え、
前記封止手段は、
前記第1ケース体と前記第2ケース体とを合わせた状態での所定箇所に連通形成された係止穴を有する被封止部と、
前記被封止部の前記係止穴に挿入されて係止される挿入係止部と当該挿入係止部の挿入後端側に位置する頭部とを有する係止部材と、
前記被封止部の前記係止穴に前記係止部材を挿入して係止させた状態にて当該被封止部での前記係止部材の前記頭部の箇所に充填して硬化させた硬化樹脂と、
を備え、
前記被封止部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に突出形成されて、前記硬化樹脂により前記係止部材の前記頭部に接着された脆弱部を備えている
ことを特徴とするものである。
【0249】
前記(A7)に記載の発明によれば、遊技機用基板収容ケースは、第1ケース体と、この第1ケース体と合わされる第2ケース体とを備え、内部空間内に、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を収容するものである。また、この遊技機用基板収容ケースは、その所定箇所に、制御基板が取り付けられた第1ケース体でのその制御基板取付面側に第2ケース体を合わせた状態で第1ケース体および第2ケース体を封止して当該遊技機用基板収容ケースを開封不可とする封止手段を備えている。そして、この封止手段は、第1ケース体と第2ケース体とを合わせた状態での所定箇所に連通形成された係止穴を有する被封止部と、この被封止部の係止穴に挿入されて係止される挿入係止部と当該挿入係止部の挿入後端側に位置する頭部とを有する係止部材と、被封止部の係止穴に係止部材を挿入して係止させた状態にて当該被封止部での係止部材の頭部の箇所に充填して硬化させた硬化樹脂とを備えている。よって、被封止部と係止部材の頭部とを、つまり、第1ケース体または第2ケース体と係止部材とを硬化樹脂で接着することができる。また、被封止部の係止穴は、硬化樹脂により係止部材の頭部に接着された脆弱部を備えている。したがって、例えば、封止手段の硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って被封止部の脆弱部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に脆弱部が取れてしまうので、この脆弱部が取れた被封止部の遊技機用基板収容ケースを不正に再使用しても、その被封止部の脆弱部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0250】
(A8) 前記(A7)に記載の遊技機において、
前記被封止部は、前記係止穴の入口側周囲箇所に、前記係止部材が挿入係止された状態での前記頭部が位置する窪み空間を有するものであって、その窪み空間内に硬化前樹脂が充填される受容凹部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0251】
前記(A8)に記載の発明によれば、被封止部での係止穴の入口側周囲箇所に設けられた受容凹部は、その窪み空間内に、係止部材が挿入係止された状態での当該係止部材の頭部を位置させた状態で、その窪み空間に硬化前樹脂が充填されて硬化されるので、受容凹部の窪み空間内に頭部を位置させた状態で硬化樹脂で覆うことができ、窪み空間の硬化樹脂を不正に除去することが困難であり、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去して不正に係止部材を取り外そうとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って被封止部の脆弱部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に脆弱部が取れてしまうので、この脆弱部が取れた被封止部を不正に再使用しても、その被封止部の脆弱部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0252】
(A9) 前記(A8)に記載の遊技機において、
前記脆弱部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に突出形成された突出部である
ことを特徴とする遊技機。
【0253】
前記(A9)に記載の発明によれば、脆弱部は、係止穴の開口側の内周箇所に突出形成された突出部としているので、その突出部の表面積の分だけ、係止穴の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、係止穴と硬化樹脂との接着力が向上するので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って被封止部の係止穴の突出部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に突出部が取れてしまうので、この突出部が取れた被封止部を不正に再使用しても、その被封止部の突出部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0254】
(A10) 前記(A8)に記載の遊技機において、
前記脆弱部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部である
ことを特徴とする遊技機。
【0255】
前記(A10)に記載の発明によれば、脆弱部は、係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部としているので、その複数本の突出部の表面積の分だけ、係止穴の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、係止穴と硬化樹脂との接着力が向上するので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って被封止部の係止穴の複数本の突出部のうちのいずれかの突出部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に一部の突出部が取れてしまうことになり、この突出部が取れた被封止部を不正に再使用しても、その被封止部の突出部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0256】
(A11) 前記(A9)または(A10)に記載の遊技機において、
前記突出部は、その基端側に切り欠き溝部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0257】
前記(A11)に記載の発明によれば、突出部は、その基端側に切り欠き溝部を備えているので、さらに、突出部の切り欠き溝部の表面積の分も、係止穴の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、係止穴と硬化樹脂との接着力がさらに向上するし、その切り欠き溝部で突出部が破断し易くなっているので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止穴の突出部が切り欠き溝部で破断して、その除去した硬化樹脂と一緒に突出部が取れてしまうので、この突出部が破断した被封止部を不正に再使用しても、その被封止部の突出部の破断を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0258】
(A12) 前記(A7)から(A11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記係止部材の前記頭部は、前記硬化樹脂により前記被封止部に接着された脆弱部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0259】
前記(A12)に記載の発明によれば、係止部材の頭部は、硬化樹脂により被封止部に接着された脆弱部を備えている。したがって、例えば、封止手段の硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の脆弱部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に脆弱部が取れてしまうので、この脆弱部が取れた係止部材を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の脆弱部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。その結果、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0260】
(A13) 前記(A12)に記載の遊技機において、
前記脆弱部は、前記係止部材の挿入方向とは異なる方向に前記頭部から延出した延出部である
ことを特徴とする遊技機。
【0261】
前記(A13)に記載の発明によれば、脆弱部は、係止部材の挿入方向とは異なる方向に頭部から延出した延出部としているので、その延出部の表面積の分だけ、頭部の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部と硬化樹脂との接着力が向上するので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の延出部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に延出部が取れてしまうので、この延出部が取れた係止部材を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の延出部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0262】
(A14) 前記(A12)に記載の遊技機において、
前記脆弱部は、前記係止部材の挿入方向とは異なる方向に前記頭部から複数本延出した複数本の延出部である
ことを特徴とする遊技機。
【0263】
前記(A14)に記載の発明によれば、脆弱部は、係止部材の挿入方向とは異なる方向(例えば、直交する方向、斜め方向)に頭部から複数本延出した複数本の延出部としているので、その複数本の延出部の表面積の分だけ、頭部の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部と硬化樹脂との接着力が向上するので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の複数本の延出部のうちのいずれかの延出部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に一部の延出部が取れてしまうことになり、この延出部が取れた係止部材を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の延出部の破損を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0264】
(A15) 前記(A14)に記載の遊技機において、
前記被封止部の前記脆弱部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部であり、
前記複数本の突出部と前記複数本の延出部とは、隣り合う前記突出部の間に前記延出部が位置するように配設されている
ことを特徴とする遊技機。
【0265】
前記(A15)に記載の発明によれば、被封止部の脆弱部は、係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部である。複数本の突出部と複数本の延出部とは、隣り合う突出部の間に延出部が位置するように配設されているので、硬化樹脂の被封止部および係止部材への接着形状を複雑に入り組んだ形状とすることができ、硬化樹脂の不正除去が困難にできるのみならず、被封止部での複数本の突出部および係止部材の頭部での複数本の延出部の表面積の分も、被封止部および係止部材の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、被封止部および係止部材と硬化樹脂との接着力がさらに向上するし、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の延出部や被封止部での複数本の突出部が破断され、その除去した硬化樹脂と一緒に延出部や突出部が取れてしまうので、延出部が破断した係止部材や突出部が破断した被封止部を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の延出部や被封止部の突出部の破断を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0266】
(A16) 前記(A14)に記載の遊技機において、
前記被封止部の前記脆弱部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部であり、
前記複数本の突出部と前記複数本の延出部とは、異なる本数としている
ことを特徴とする遊技機。
【0267】
前記(A16)に記載の発明によれば、被封止部の脆弱部は、係止穴の開口側の内周箇所に複数本突出形成された複数本の突出部である。複数本の突出部と複数本の延出部とは、異なる本数としているので、隣り合う突出部の間に延出部が位置する部分もあれば、突出部と延出部とが向かい合う部分もあり、硬化樹脂の被封止部および係止部材への接着形状を複雑に入り組んだ形状とすることができ、硬化樹脂の不正除去が困難にできるのみならず、被封止部での複数本の突出部および係止部材の頭部での複数本の延出部の表面積の分も、被封止部および係止部材の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、被封止部および係止部材と硬化樹脂との接着力がさらに向上するし、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の延出部や被封止部での複数本の突出部が破断され、その除去した硬化樹脂と一緒に延出部や突出部が取れてしまうので、延出部が破断した係止部材や突出部が破断した被封止部を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の延出部や被封止部の突出部の破断を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0268】
(A17) 前記(A13)または(A14)に記載の遊技機において、
前記延出部は、その基端側に切り欠き溝部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0269】
前記(A17)に記載の発明によれば、延出部は、その基端側に切り欠き溝部を備えているので、さらに、延出部の切り欠き溝部の表面積の分も、頭部の硬化樹脂への接着面積を拡大することができ、その拡大した分、頭部と硬化樹脂との接着力がさらに向上するし、その切り欠き溝部で延出部が破断し易くなっているので、硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って係止部材の頭部の延出部が切り欠き溝部で破断して、その除去した硬化樹脂と一緒に延出部が取れてしまうので、この延出部が破断した係止部材を不正に再使用しても、その係止部材の頭部の延出部の破断を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0270】
(A18) 前記(A7)から(A17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第1ケース体または前記第2ケース体は、前記封止手段の存する箇所での当該第1ケース体と第2ケース体との境界面を囲う囲い壁を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0271】
前記(A18)に記載の発明によれば、第1ケース体または第2ケース体の囲い壁によって、封止手段の存する箇所での当該第1ケース体と第2ケース体との境界面が囲われているので、当該境界面に不正な細状部材の挿入を困難とすることができ、当該境界面に不正な細状部材を挿入して封止手段の存する箇所での第1ケース体と第2ケース体とを引き離すことを困難とすることができる。また、第1ケース体または第2ケース体の囲い壁と、この囲い壁を有しない方の第1ケース体または第2ケース体との境目に不正な細状部材を挿入したとしても、囲い壁を反らす方向に力がかかるだけで、当該境界面を離す方向つまり係止部材が抜ける方向には力がかからないので、囲い壁に沿って無理矢理に不正な細状部材を挿入したとしても、封止手段の封止解除できない。その結果、不正開封を低減できる遊技機用基板収容ケースを用いた遊技機を提供することができる。
【0272】
(A19) 前記(A7)から(A17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記被封止部は、
前記第1ケース体または前記第2ケース体の一方に設けられた突出部と、
前記第1ケース体または前記第2ケース体のその他方に設けられた、前記第1ケース体と前記第2ケース体とを合わせた状態とすることで前記突出部が挿入される収容部と、
を備え、
前記係止穴は、前記突出部にその突出方向と直交する方向に貫通形成された貫通孔と、前記突出部が前記収容部に挿入された状態で前記貫通孔の一方の開口側に当該収容部に連通形成された挿入穴部と、前記貫通孔の他方の開口側に当該収容部に連通形成された挿入貫通孔とで構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0273】
前記(A19)に記載の発明によれば、第1ケース体または第2ケース体の一方には、突出部が設けられている。第1ケース体または第2ケース体のその他方には、第1ケース体と第2ケース体とを合わせた状態とすることで突出部が挿入される収容部が設けられている。係止穴は、突出部にその突出方向と直交する方向に貫通形成された貫通孔と、突出部が収容部に挿入された状態で貫通孔の一方の開口側に当該収容部に連通形成された挿入穴部と、貫通孔の他方の開口側に当該収容部に連通形成された挿入貫通孔とで構成されている。したがって、封止手段の存する箇所での当該第1ケース体と第2ケース体との境界面が収容部で囲われているので、当該境界面に不正な細状部材の挿入を困難とすることができ、当該境界面に不正な細状部材を挿入して封止手段の存する箇所での第1ケース体と第2ケース体とを引き離すことを困難とすることができる。また、収容部以外での第1ケース体と第2ケース体との境目に不正な細状部材を挿入したとしても、突出部の突出方向に力がかかるだけで、当該境界面を離す方向つまり係止部材が抜ける方向には力がかからないので、収容部以外での第1ケース体と第2ケース体との境目に無理矢理に不正な細状部材を挿入したとしても、封止手段の封止解除できない。その結果、不正開封を低減できる遊技機用基板収容ケースを用いた遊技機を提供することができる。
【0274】
(A20) 前記(A7)から(A19)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機用基板収容ケースは、前記制御基板が取り付けられた前記第1ケース体でのその制御基板取付面側に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体または前記第2ケース体の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることで前記第1ケース体と前記第2ケース体とを係止する係止手段を備え、
前記封止手段は、前記係止手段によって係止状態とされた前記第1ケース体および前記第2ケース体を開封不可に封止する
ことを特徴とする遊技機。
【0275】
前記(A20)に記載の発明によれば、遊技機用基板収容ケースの係止手段は、制御基板が取り付けられた第1ケース体でのその制御基板取付面側に第2ケース体を合わせた状態で第1ケース体または第2ケース体の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることで、第1ケース体と第2ケース体とを係止する。封止手段は、係止手段によって係止状態とされた第1ケース体および第2ケース体を開封不可に封止する。したがって、封止手段によって第1ケース体および第2ケース体が開封不可に封止されているので、遊技機用基板収容ケースが不正に開封されることを低減できる。また、この封止状態では、係止手段によって第1ケース体および第2ケース体がスライド係止されており、第1ケース体および第2ケース体をスライド方向に直交する対向方向に開けることができず、遊技機用基板収容ケースが不正に開封されることを低減できる。
【0276】
(A21) 前記(A20)に記載の遊技機において、
前記係止手段は、
前記第1ケース体または前記第2ケース体の一方のケース体での前記スライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に並設された複数個の鉤状突起部と、
前記第1ケース体または前記第2ケース体の他方のケース体での前記スライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に並設された、前記鉤状突起部とは逆向きに形成された複数個の逆鉤状突起部とを備えるとともに、
前記第1ケース体または前記第2ケース体の少なくとも一方を前記スライド移動させることで前記鉤状突起部と前記逆鉤状突起部とが係止する
ことを特徴とする遊技機。
【0277】
前記(A21)に記載の発明によれば、遊技機用基板収容ケースの係止手段は、第1ケース体または第2ケース体の一方のケース体でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に並設された複数個の鉤状突起部と、第1ケース体または第2ケース体の他方のケース体でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に並設された、鉤状突起部とは逆向きに形成された複数個の逆鉤状突起部とを備えるとともに、第1ケース体または第2ケース体の少なくとも一方をスライド移動させることで鉤状突起部と逆鉤状突起部とが係止するので、封止手段によって第1ケース体および第2ケース体が開封不可に封止された封止状態では、第1ケース体または第2ケース体の両辺で所定長さに亘って配置された複数個の鉤状突起部および逆鉤状突起部でスライド係止されており、細状の不正具を第1ケース体と第2ケース体との間に挿し入れるなどして第1ケース体と第2ケース体との間に隙間を開けたり、第1ケース体および第2ケース体を開けたりすることを低減でき、遊技機用基板収容ケースが不正に隙間形成や開封されることを低減できる。
【0278】
(A22) 前記(A21)に記載の遊技機用基板収容ケースにおいて、
前記封止手段は、前記第1ケース体および前記第2ケース体をそのスライド移動を抑止するように固定するものであり、
さらに、前記封止手段は、前記第1ケース体および前記第2ケース体のスライド移動不可状態を解除するべく破壊される固定解除用被破壊部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0279】
前記(A22)に記載の発明によれば、封止手段は、第1ケース体および第2ケース体を、そのスライド移動を抑止するように固定する。さらに、この封止手段の固定解除用被破壊部が破壊されると、第1ケース体および第2ケース体のスライド移動不可状態が解除される。したがって、固定解除用被破壊部の破壊痕を見ることで、遊技機用基板収容ケースが開封されたことがわかる。
【0280】
(A23) 前記(A22)に記載の遊技機用基板収容ケースにおいて、
前記固定解除用被破壊部は、前記第1ケース体または前記第2ケース体の少なくとも一方と前記封止手段とを結ぶ連結部である
ことを特徴とする遊技機。
【0281】
前記(A23)に記載の発明によれば、固定解除用被破壊部は、第1ケース体または第2ケース体の少なくとも一方と封止手段とを結ぶ連結部としているので、連結部を破断することで、第1ケース体と第2ケース体との相対的なスライド移動を可能とすることができ、第1ケース体と第2ケース体とを開封できる。なお、封止手段が第1ケース体または第2ケース体の方に残ったままであるため、当該破断痕によって開封があったことがわかる。
【0282】
(A24) 前記(A7)に記載の遊技機において、
前記第1ケース体と前記第2ケース体の少なくとも一方と前記封止手段とを連結する連結部と、
前記封止手段による封止を解除する場合に前記第1ケース体と前記第2ケース体の少なくとも一方と前記封止手段とを切り離すために切断される、前記連結部の所定部位である被切断部位と、
少なくとも前記被切断部位の内部を通すようにして設けられた、光源からの光が一端側から入射されて前記連結部に近い他端側である出射端側から出射されて前記封止手段を発光させる光伝送部材と、
前記被切断部位の切断に伴って切断された前記光伝送部材の切断端部位が当該被切断部位の切断面から内側に引き込まれるように付勢する付勢手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0283】
前記(A24)に記載の遊技機によれば、被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の出射端側から出射された光で被封止部が発光するので、被切断部位ではなく封止手段に遊技場関係者等を着目させることができ、被封止部を明るく見易い状態で目視確認ができる。例えば、被封止部の硬化樹脂の不正な除去痕跡や、被封止部の脆弱部の破損等の有無が目視確認し易い。
【0284】
一方、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位から出射された光で被切断部位が発光するので、被切断部位が切断されたことを遊技場関係者等に知らせることができる。また、不正行為者によって、連結部が切断されて第1ケース体と第2ケース体との結合状態が解除されて不正行為がなされた後に、その切断された連結部を元通りに配置し直したりしても、当該被切断部位が光の乱反射で目立ち、連結部への破壊痕跡を発見し易い。
【0285】
また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0286】
上述したように、被切断部位の切断前では封止手段に、被切断部位の切断後では当該被切断部位に、遊技場関係者等を注視させることができ、被切断部位の切断前と切断後とに応じた報知を行うことができる。
【0287】
よって、封止手段及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0288】
また、前記(A24)に記載の遊技機において、前記(A3)〜(A5)、(A8)〜(A11)の少なくとも一つを組み合わせてもよい。
【0289】
また、被封止部の脆弱部に替えて、あるいは被封止部の脆弱部とともに、前記(A12)に記載の係止部材での頭部の脆弱部を採用してもよい。また、前記(A13)〜(A17)の少なくとも一つを組み合わせてもよい。
【0290】
その他、前記(A24)に記載の遊技機において、前記(A18)〜(A23)の少なくとも一つを組み合わせてもよい。
【0291】
(A25) 前記(A1)から(A24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0292】
前記(A25)に記載の遊技機によれば、不正行為を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0293】
(A26) 前記(A1)から(A24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0294】
前記(A26)に記載の遊技機によれば、不正行為を低減できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0295】
(A27) 前記(A1)から(A24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0296】
前記(A27)に記載の遊技機によれば、不正行為を低減できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0297】
<第3課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、当該パチンコ機の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の正面視での左端側を開閉軸として外枠に対して開閉可能に支持される内枠と、この内枠の略中央に形成された開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視での左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域を視認するための視認窓を有する前面扉とを備えている。
【0298】
また、パチンコ機は、その裏面側に、遊技を制御する制御基板を収容した基板ケースを備えている。この基板ケースは、その内部に制御基板を被包して収容するためのベース部とカバー部とを備えている。さらに、この基板ケースは、当該ケースを封止するための封止機構を備えている。この封止機構は所定箇所を破壊しない限り開封できない構造となっており、その封止機構を破壊してケースを開封した場合には、封止機構の破壊に基づいて開封(正規開封、不正開封の種類を問わず)の有無が確認でき、不正開封防止が図られている(例えば、特許文献:特開2005−152297号公報を参照)。
【0299】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、上述のパチンコ機では、例えば、封止機構を構成する係止ピンを巧妙に破壊し、基板ケースを不正に開封して制御基板に不正を施した後に、当該破壊した係止ピンを破壊されていないように見せかけて封止機構に戻されるおそれがある。このような場合には、封止機構への不正痕跡を発見し辛く、基板ケースの不正な開封の発見が遅れてしまうという問題がある。
【0300】
また、不正行為者によって、連結部が切断されて基板ケースが不正に開封され、制御基板に不正を施した後に、その切断された封止機構を元通りに配置し直したりするおそれがある。この場合には、連結部の切断痕跡を発見し辛く、基板ケースの不正な開封の発見が遅れてしまうという問題がある。
【0301】
上述したように、遊技場関係者等は、封止機構及び連結部の両方について、詳細に目視確認等を行わなければならないため、基板ケースに対する不正行為の痕跡の発見に手間がかかるのみならず、基板ケースの不正な開封を見落とすおそれがあり、不正行為を低減できないという問題がある。
【0302】
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、封止機構及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
【0303】
(B0) 第1部材と、第2部材と、前記第1部材と第2部材との結合状態を解除不可に封止する封止手段と、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを連結する連結部と、を備えた遊技機において、
前記封止手段による封止を解除する場合に前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを切り離すために切断される、前記連結部の所定部位である被切断部位と、
光源からの光が一端側から入射され、前記被切断部位を切断していない状態では他端側である出射端側から出射された光を前記封止手段に入射し、前記被切断部位を切断した状態では前記封止手段への光の入射が低減される光伝送部材と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0304】
前記(B0)に記載の遊技機によれば、被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の出射端側から出射された光が封止手段に入射されているので、封止手段が例えば入射光を内部で拡散させて外周面から出射する光学部材である場合には封止手段が発光し、被切断部位ではなく封止手段に遊技場関係者等を着目させることができ、封止手段を明るく見易い状態で目視確認ができ、封止手段に対する不正の有無が確認し易い。
【0305】
一方、被切断部位の切断後状態では、封止手段の発光量が低減するので、被切断部位が切断されたことを遊技場関係者等に知らせることができる。
【0306】
また、封止手段が例えば入射光がその入射方向に伝搬する光学部材である場合には、不正行為者が被切断部位ではなく封止部材を切断したり切れ目を入れたりするとその箇所が発光するので、封止手段への不正切断行為を発見し易い。また、不正行為者が被切断部位を切断したときは、当該被切断部位または光伝送部材の切断端部位の発光により、不正行為を発見し易い。
【0307】
よって、封止手段または連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0308】
(B1) 前記(B0)に記載の遊技機において、
前記光伝送部材が少なくとも前記被切断部位の内部を通すようにして前記第1部材または前記第2部材から前記封止手段まで設けられ、
前記被切断部位の切断に伴ってその切断された前記光伝送部材の切断端部位が当該被切断部位の切断面から内側に引き込まれるように付勢する付勢手段を備え、
前記被切断部位を切断していない通常状態では、前記光伝送部材の前記出射端側から出射された光で前記封止手段が発光し、
前記被切断部位の切断後状態では、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位から出射された光で、当該被切断部位が発光する
ことを特徴とする遊技機。
【0309】
前記(B1)に記載の遊技機によれば、被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の出射端側から出射された光で封止手段が発光するので、被切断部位ではなく封止手段に遊技場関係者等を着目させることができ、封止手段を明るく見易い状態で目視確認ができ、封止手段に対する不正の有無が確認し易い。
【0310】
一方、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位から出射された光で被切断部位が発光するので、被切断部位が切断されたことを遊技場関係者等に知らせることができる。また、不正行為者によって、連結部が切断されて第1部材と第2部材との結合状態が解除されて不正行為がなされた後に、その切断された連結部を元通りに配置し直したりしても、当該被切断部位が光の乱反射で目立ち、連結部への破壊痕跡を発見し易い。
【0311】
また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれるので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0312】
上述したように、被切断部位の切断前では封止手段に、被切断部位の切断後では当該被切断部位に、遊技場関係者等を注視させることができ、被切断部位の切断前と切断後とに応じた報知を行うことができる。
【0313】
よって、封止手段及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる遊技機を提供することができる。
【0314】
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記封止手段は、
前記第1部材と前記第2部材との結合状態での所定箇所に連通形成された係止穴を有する被封止部と、
前記被封止部の前記係止穴に挿入されて係止する挿入係止部と当該挿入係止部の挿入後端側に位置する頭部とを有する係止部材と、
前記被封止部の前記係止穴に前記係止部材を挿入して係止させた状態にて当該被封止部での前記係止部材の前記頭部の箇所に充填して硬化させた光透過性の硬化樹脂と、
を備え、
前記光伝送部材は、その出射端側から出射された光を前記硬化樹脂に導入するように配設され、
前記被切断部位を切断していない通常状態では、前記光伝送部材の前記出射端側から出射された光が前記封止手段での前記硬化樹脂に入射される
ことを特徴とする遊技機。
【0315】
前記(B2)に記載の遊技機によれば、被切断部位を切断していない通常状態では、光伝送部材の出射端側から出射された光が封止手段の硬化樹脂に入射されるので、この入射光が硬化樹脂内の光拡散粒子によって拡散されて外部に出射される場合には、硬化樹脂が一様に発光し、封止手段の硬化樹脂を明るく見易い状態で目視確認ができ、係止部材の頭部の箇所に充填された硬化樹脂に対する不正の有無が確認し易い。また、硬化樹脂が光拡散粒子を含まない場合には、封止手段の被封止部での硬化樹脂が削られたり切れ目が入れられたりすると、その硬化樹脂の削れ部位や切れ目箇所から光が出射されるので、削れ部位や切れ目箇所が発光によって目立ち、硬化樹脂への破壊痕跡を発見し易い。
【0316】
さらに、被封止部での硬化樹脂と接する所定箇所のうちで少なくとも、光伝送部材の出射端側からの光が硬化樹脂(光拡散粒子を含まない場合に限る)の内部を進んで到達する箇所に、光吸収部材(例えば、可視光を吸収するフィルター、フィルム、シートまたは光吸収層など)を設けるようにしてもよい。この場合には、光伝送部材の出射端側からの光が硬化樹脂(光拡散粒子を含まない場合に限る)の内部に入射されるものの光吸収部材で吸収されて硬化樹脂が発光することはないが、硬化樹脂が削られたり切れ目が入れられたりすると、その硬化樹脂の削れ部位や切れ目箇所から光が出射される。つまり、通常は発光していない硬化樹脂を削ったり切れ目を入れたりすると、その削れ部位や切れ目箇所が発光することで特に目立ち、硬化樹脂への破壊痕跡をさらに発見し易くできる。
【0317】
(B3) 前記(B2)に記載の遊技機において、
前記係止部材の前記頭部は、当該頭部から分離され易い脆弱部を備え、
前記脆弱部は、前記硬化樹脂により前記被封止部に接着されている
ことを特徴とする遊技機。
【0318】
前記(B3)に記載の遊技機によれば、係止部材の頭部の脆弱部は、分離され易く、且つ、硬化樹脂により被封止部に接着されているので、係止部材の頭部周辺の硬化樹脂を不正行為者が削り取ろうとすると、削り取られた硬化樹脂と一緒に脆弱部も取れてしまう。この取れた脆弱部を元通りに被封止部に戻したとしても、その戻した脆弱部と頭部との境界面が光の乱反射で目立ち、係止部材への破壊痕跡を発見し易い。
【0319】
(B4) 前記(B1)から(B3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記被切断部位の切断後状態では、引き込まれた前記光伝送部材の切断端部位が位置する、前記第1部材または前記第2部材での所定箇所である切断報知用表示箇所が発光する
ことを特徴とする遊技機。
【0320】
前記(B4)に記載の遊技機によれば、被切断部位の切断後状態では、引き込まれた光伝送部材の切断端部位が位置する、第1部材または第2部材での切断報知用表示箇所が発光するので、切断報知用表示箇所が点灯していることで、連結部の切断を遊技場関係者等に明確に知らせることができる。また、切断された光伝送部材の切断端部位は、被切断部位の切断面から内側に引き込まれて切断報知用表示箇所に位置しているので、その切断端部位にアクセスすることが困難になり、光伝送部材の切断端部位を不正に再接続することを低減できる。
【0321】
(B5) 前記(B2)に記載の遊技機において、
前記被封止部は、前記係止穴の開口側の内周箇所に突出形成されて、前記硬化樹脂により前記係止部材の前記頭部に接着された脆弱部をさらに備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0322】
前記(B5)に記載の遊技機によれば、被封止部の係止穴は、硬化樹脂により係止部材の頭部に接着された脆弱部を備えているので、封止手段の硬化樹脂を不正な細状部材を用いて除去しようとすると、硬化樹脂の不正な除去に伴って被封止部の脆弱部が破壊され、その除去した硬化樹脂と一緒に脆弱部が取れてしまう。この取れた脆弱部を元通りに被封止部に戻したとしても、その戻した脆弱部と頭部との境界面が光の乱反射で目立ち、係止部材への破壊痕跡を発見し易い。
【0323】
(B6) 前記(B1)から(B5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0324】
前記(B6)に記載の遊技機によれば、封止手段及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できるパチンコ機を提供できる。
【0325】
(B7) 前記(B1)から(B5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0326】
前記(B7)に記載の遊技機によれば、封止手段及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できるスロットマシンを提供できる。
【0327】
(B8) 前記(B1)から(B5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0328】
前記(B8)に記載の遊技機によれば、封止手段及び連結部に対する不正痕跡を容易に発見でき、不正行為を低減できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。
【0329】
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。
【産業上の利用可能性】
【0330】
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0331】
71 …ケース上(第1部材、第1ケース体)
72 …ケース下(第2部材、第2ケース体)
73 …主制御基板(制御基板)
74 …基板ケース(遊技機用基板収容ケース、結合部材)
78 …切断報知用表示箇所
140 …封止部材(封止手段)
150 …被封止部
151 …有底係止穴(係止穴)
154 …脆弱部
155 …切り欠き溝部
160 …かしめ部材(係止部材)
161 …挿入係止部
162 …頭部
163 …脆弱部
164 …延出部
170 …硬化樹脂
200 …間隙部
310 …LED(光源)
320 …光ファイバー(伝送部材、光伝送部材)
323 …カール部(付勢手段)
325 …光出力部(出射部)
360 …遮蔽部(終端部)
370 …検出器(検出手段)
375 …表示部(示唆手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との結合状態を解除不可に封止する封止手段とを備えた遊技機において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記封止手段による封止を解除する場合に前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方と前記封止手段とを切り離すために切断される被切断部位を備え、
少なくとも前記被切断部位の内部を通すようにして前記第1部材または前記第2部材から前記連結部または前記封止手段まで設けられた、当該連結部の切断を知らせるための伝送部材と、
前記被切断部位の切断に伴って切断された前記伝送部材の切断端部位が当該被切断部位の切断面から内側に引き込まれるように付勢する付勢手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2011−224335(P2011−224335A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263497(P2010−263497)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】