説明

遊技機

【課題】不正行為及び各制御基板の誤動作を確実に防止することができるとともに、各遊技機の遊技状態を正確に把握することが可能なセキュリティ及び信頼性が高い遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機の筐体2に設けられた主制御回路基板55と、筐体2に設けられ主制御回路基板55からの信号が入力されるとともに必要な情報を遊技場のホールコンピュータ80に送信する外部集中端子板63と、遊技機の前面扉9に設けられ主制御回路基板55からの信号が入力される副制御回路基板56と、前面扉9に設けられ各種信号を主制御回路基板55に送信するドア中継基板62と、を備えた遊技機において、すくなくとも主制御回路基板55と外部集中端子板63との間及び外部集中端子板63とホールコンピュータ80との間を光ファイバーケーブルで接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチスロ機又はパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチスロ機やパチンコ機等の遊技機においては、基本となる遊技状態の「一般遊技状態」と、所定の条件を満たしたこと又は抽選結果等に基づいて遊技者にとって有利となる複数種類の「特別遊技状態」とが設定されており、これらの種々の遊技状態に応じて、装飾ランプや液晶表示装置、又は音声発生装置等を用いた演出が実行されるように構成されている。
【0003】
これらの各遊技状態の決定や、演出の実行を実現するために、遊技機の内部には、主に遊技状態の設定や遊技処理動作を制御する主制御回路基板と、主制御回路基板から送信される制御信号に基づいて光、映像又は音声による演出を実現するための副制御回路基板が搭載されている。
【0004】
例えば、パチスロ機の主制御回路基板には、遊技者により遊技媒体が投入されたことを検出するメダルセンサ、役の成否を決定する有効ラインの設定を行うベットスイッチ、リールを回転させるスタートスイッチ、リールの回転を停止させるストップスイッチ、その他の入力手段や、クレジットされているメダル枚数を表示する貯留枚数表示器、役物回数表示器、払出枚数表示器、当たり表示器、その他の出力手段、リールの回転制御を行うことで図柄の変動表示を行うリールモータ駆動回路、遊技媒体の払い出しを制御するメダル排出装置その他の周辺装置と、副制御回路基板とが接続されている。そして、主制御回路基板は、各入力手段から入力された情報に基づいて処理を行い、遊技の進行や図柄の停止表示、遊技媒体の払い出し、各種出力手段の制御などを行っている。
【0005】
このようなパチスロ機では、図5に示すように、主制御回路基板55はパチスロ機の筐体2に設けられ、副制御回路基板56は前面扉9の裏側に設けられている。また、ベットスイッチ13S、スタートスイッチ46、メダルセンサ50等からの信号は前面扉9の裏側に設けられたドア中継基板62を介して主制御回路基板55に出力される。
【0006】
また、筐体2の内部には外部集中端子板63が設置され、図6に示すように主制御回路基板55からのメダルの投入/払い出し枚数、遊技回数、ボーナスの入賞情報等の信号が入力端子63aを介して入力されるとともに、それらの信号を出力端子63bから遊技場のホストコンピュータ80に出力する。
【0007】
このような従来のパチスロ機において、筐体2内に設置された主制御回路基板55や外部集中端子板63、及び前面扉9に設置された副制御回路基板5やドア中継基板62、及び遊技場のホストコンピュータ8等は、多数の配線が束になった電気ケーブル81によって電気的に接続されており、必要な信号の送受信を行っている。
【0008】
ところで、このような遊技機では前面扉9の隙間や、不正に開放した扉から、例えば、電気ケーブル81に不正な信号を加えたり、電磁波によって誤動作を引き起こしたりする等の不正行為が行われる場合がある。
【0009】
そのため、従来の遊技機では、前面扉の不正開放や異物挿入等の異常が検出されると警報を発したり、前面扉の開閉状態をホールコンピュータで監視したりする等して、不正行為を未然に予防する方策が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−135814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来の基板間の接続に電気ケーブルを用いた遊技機では、前面扉の開閉状況や異物挿入の有無を監視し、異常が検出されると警報等を発すること等により不正行為を防止する方策が講じられているが、遊技場が休止中である場合、異物挿入を検出できない場合又は前面扉の開閉信号にも不正な工作がなされた場合等には、電気ケーブルに対する不正行為を完全に防止することが困難であった。
【0012】
また、遊技機内の外部集中端子板は、遊技機内の主要な信号が入力され、ホールコンピュータ等の外部に信号を伝達する機能を有し、これにより各遊技機の遊技状態を監視・管理するというホール運営上の重要な役割を果たすものであるが、この外部集中端子板等の電気ケーブルに対し不正行為、例えば、遊技獲得枚数を少なく見せかけたり、不正な大当たりを発生させたり、大当たり回数を少なく見せかけたりするような不正行為(ゴト行為)が行われた場合、各遊技機における遊技状態の監視・管理が困難となり、ひいてはホールの運営に重大な支障をきたす恐れがあった。
【0013】
また、従来の電気ケーブルによる信号送受信手段は、上記のような不正行為に限らず、遊技者の衣類等に静電気が帯電し、遊技者が遊技機に触れた瞬間に静電気が遊技機に放電した場合や、遊技者が携行する携帯電話機が発する電磁波により、電気ケーブルに想定していない電流が流れ、制御回路の誤動作を誘発する可能性もあった。
【0014】
さらに、電気ケーブルは発熱体であるので、多数の電気ケーブルが用いられると遊技機内の温度が上昇し、各制御基板や電気接続部に悪影響を与え、ひいては誤信号の発生、ケーブルの断線や接続不良を誘発する可能性もあった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、不正行為及び各制御基板の誤動作を確実に防止することができるとともに、各遊技機の遊技状態を正確に把握することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、遊技機の筐体に設けられた主制御基板と、前記筐体に設けられ主制御基板からの信号が入力されるとともに必要な情報を遊技場のホールコンピュータに送信する外部集中端子板と、遊技機の前面扉に設けられ前記主制御基板からの信号が入力される副制御基板と、前記前面扉に設けられ各種信号を前主制御基板に送信するドア制御基板と、を備えた遊技機において、前記主制御回路基板と副制御回路基板との間、前記主制御回路基板と外部集中端子板との間、前記副制御回路基板とドア中継基板との間、及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間のうち、すくなくとも前記主制御回路基板と外部集中端子板との間及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間を光ファイバーケーブルで接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、すくなくとも前記主制御回路基板と外部集中端子板との間及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間を光ファイバーケーブルにより接続したことにより、不正行為を確実に防止することができるとともに、各遊技機における遊技状態を正確に把握することが可能となるため、セキュリティ及び信頼性の高いホール運営が可能となる。
【0018】
また、遊技機内の電気ケーブルを大幅に減少させることができるため、放熱による基板の故障や電線の断線や接続不良等の故障の発生率を低下させることができる。
【0019】
さらに、静電気等の外来ノイズによる主制御基板又は副制御基板等の誤動作を減少させるとともに、通信速度が速く信頼性の高い情報伝達を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る遊技機の外観図。
【図2】本実施形態に係る遊技機の内部構造図。
【図3】本実施形態に係る遊技機の各基板の配置構成図。
【図4】本実施形態に係る外部集中端子板の配線構成図。
【図5】従来の遊技機における各基板の配置構成図。
【図6】従来の外部集中端子板の配線構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る遊技機の実施形態について、以下図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態ではパチスロ機を例に説明するが、これに限定されず、パチンコ機等のその他の遊技機に適用することも可能である。
【0022】
[パチスロ機の概要]
図1は、本実施形態におけるパチスロ機1の外観図であり、図2は前面扉を開放した状態における内部構造図である。
【0023】
本実施形態に係るパチスロ機1は、リール3や回路基板等を収容する筐体2と、筐体2に対して開閉可能に取り付けられる前面扉9とを備える。筐体2の内部には、3つのリール3が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0024】
前面扉9の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
【0025】
つまり、図柄表示領域は、表示窓4としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0026】
図柄表示領域(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリール3の回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン8)として定義する。
【0027】
本実施形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓の上段、中表示窓の中段及び右表示窓の下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓の下段、中表示窓の中段及び右表示窓の上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ライン8として設けている。
【0028】
前面扉9には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。台座部右側に配されているメダル投入口15は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口15に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ機1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0029】
台座部左側に配されているベットボタン13は、パチスロ機1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ機1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0030】
台座部左側に配されているスタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
【0031】
リール3の左側に配されている7セグ表示器12は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0032】
液晶表示装置5の側方及び上方には、多数のランプ24(LED等)が配されており、演出内容に応じて、点灯状態の移動、点灯状態の回転、ストロボ状の発光、その他の点消灯のパターンにて発光する。液晶表示装置5の下方左右に配されている一対のスピーカ21は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口16は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口16から排出されたメダルは、メダル受皿17に貯められる。
【0033】
液晶表示装置5の下方かつ台座部の上方には、図柄組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当パネル23が配設されている。また、台座部の下方には、機械名称やキャラクタの図柄を表示する腰部パネル25が設けられている。なお、腰部パネル25下方のメダル受皿17の奥にも、演出等の音響効果を高める一対のスピーカ21が設けられている。
【0034】
[パチスロ機の内部構成]
図2は、本実施形態におけるパチスロ機1の内部構成を示す図であり、前面扉9が開放され、前面扉9の裏面側の構造及び筐体2内部の構造が現れた状態が示されている。
【0035】
筐体2内部の上方には、主制御回路基板55が設けられている。主制御回路基板55は、内部当選役の決定、リール3の回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路基板である。
【0036】
筐体2内部の中央には、3つのリール3が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
【0037】
筐体2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43が設けられている。メダル払出装置43の左側には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
【0038】
前面扉9の裏側の上部には、副制御回路基板56が設けられている。副制御回路基板56は、ランプ24の点消灯、音声の発生、映像の表示等による演出の実行を制御する回路基板である。なお、副制御回路基板56の具体的な構成は後述する。
【0039】
前面扉9の裏側の中央、表示窓4の下方には、セレクタ51が設けられている。セレクタ51は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口15に受け入れられた適正なメダルをメダル払出装置43へ案内する。尚、セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ50(図3参照。)が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0040】
[各基板の構成]
次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の筐体2及び前面扉9に搭載される各基板の構成について説明する。
【0041】
本実施形態におけるパチスロ機1は、主制御回路基板55、副制御回路基板56、ドア中継基板62、外部集中端子板63、及びその他の周辺装置を備える。
【0042】
(主制御回路基板)
主制御回路基板55は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータを主たる構成要素としている。マイクロコンピュータは、CPU(以下、メインCPU)、ROM(以下、メインROM)、RAM(以下、メインRAM)、I/O、通信回路等により構成される。
【0043】
メインROMには、メインCPUにより実行される制御プログラム、内部抽選テーブル等のデータテーブル、副制御基板56に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAMには、制御プログラムの実行により決定された内部当選役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0044】
主制御回路基板55のメインCPUには、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路等が接続されており、メインCPUは、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生し、サンプリング回路は、発生された乱数の中から1つの値を抽出して、遊技に関する抽選処理を行う。
【0045】
主制御回路基板55は、電力を供給する電源装置54と電気的に接続され、また、リール3の回転及び停止制御を行うリールモータ駆動回路39、メダルの払い出し制御を行うメダル払出装置43、ドア中継基板62等の各中継基板とは信号ケーブルによって接続されており、また、外部集中端子板63を介して遊技場のホストコンピュータ等にも接続されている。
【0046】
さらに、主制御回路基板55は、演出を目的として、ランプ24や液晶表示装置5、又は音声発生装置等の制御を実行する副制御回路基板56に対して、メダルの投入、スタートレバー6の操作、ストップボタン7の操作、内部当選役、表示役、遊技状態等の各種の情報を送信する。
【0047】
ここで、主制御基板55は直接、ドア中継基板62に接続されている各入力手段の状態を読み取るとともに、リールモータ駆動回路39、メダル払出装置43等の周辺装置を制御し、貯留枚数表示器、役物回数表示器、払出枚数表示器、当たり表示器、その他の出力手段に対して表示情報を出力して遊技を進行する。
【0048】
図3に示すように、主制御回路基板55に接続されているドア中継基板62には、パチスロ機1の操作部に配されている各種スイッチ等の信号ケーブルが接続されている。ドア中継基板62に接続されているメダルセンサ50は、メダル投入口15に受け入れられたメダルが前述のセレクタ51内を通過したことを検出する。
【0049】
ドア中継基板62に接続されているベットスイッチ13Sは、ベットボタン13が遊技者により操作されたことを検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたことを検出する。
【0050】
また、ストップスイッチ46は、3つのストップボタン7のそれぞれが遊技者により押されたことを検出する。これらのスイッチ等の入力情報は、ドア中継基板62から主制御基板55に対して伝達される。主制御基板55は、これらの入力情報に基づいて遊技を進行させ、リールモータ駆動回路39、メダル払出装置43等の周辺装置の動作を制御する。
【0051】
リールモータ駆動回路39は、各リール3毎に配されたステッピングモータの駆動を制御する。各リール3にはリール位置検出回路が接続されており、このリール位置検出回路は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを検出する。
【0052】
各リール3を回転させるステッピングモータの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
【0053】
主制御回路基板55のメインCPUは、リールインデックスを検出してからステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3の回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0054】
メダル払出装置43には、メダル検出部が配されており、払い出しを行うメダルの数量を検出して、メダル払出装置43から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックすることができる。
【0055】
(外部集中端子板)
筐体2の内部には主制御回路基板55から各種信号が入力される外部集中端子板63が設置されている。外部集中端子板は、主制御回路基板55からのメダルの投入/払い出し枚数、遊技回数、ボーナスの入賞情報等の信号が光信号入力端子63cを介して入力されるとともに、それらの信号を光信号出力端子63dから遊技場のホストコンピュータ80に出力する。
【0056】
(副制御回路基板)
副制御回路基板56は、主制御回路基板55と一方向の通信により接続されており、主制御回路基板55から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路基板56は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)、ROM(以下、サブROM)、RAM(以下、サブRAM)、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM及びA/D変換器及びアンプを含んで構成されている。
【0057】
副制御回路基板56のサブCPUは、主制御回路基板55から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAMは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板55から送信される内部当選役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROMは、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0058】
プログラム記憶領域には、サブCPUが実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御基板55との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ24による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ21による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0059】
副制御回路基板56には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びサウンド基板110、ランプ基板58、下皿LED基板61等が接続されている。
【0060】
副制御回路基板56のサブCPU、レンダリングプロセッサ、描画用RAM(フレームバッファを含む)及びドライバは、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5に伝達して表示する。
【0061】
また、副制御回路基板56のサブCPU、DSP、オーディオRAM、A/D変換器及びアンプは、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音を上部スピーカ21により出力する。また、サブCPUは、演出内容により指定された音声情報のコマンドをサウンド基板110に送信する。当該音声情報のコマンドを受信したサウンド基板110は、コマンドを解析して、DSP、オーディオRAM、A/D変換器及びアンプ等により音声信号を生成して、下部スピーカ21及び背面スピーカ21から音声を出力する。
【0062】
また、副制御基板56のサブCPUは、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ24の点灯及び消灯を行う。
【0063】
ランプ基板58は、副制御回路基板56から受信した指令に基づいて、主に図1に示すパチスロ機1の前面上部の液晶表示装置5の側方に配されている多数のランプ24の点消灯のパターンを切り替えることができる。副制御基板56は、ランプ24の点消灯に関する演出内容に応じたコマンドをランプ基板58に送信する。ランプ基板58が当該コマンドを受信すると、ランプ基板58では多数配置されているランプ24の点灯及び消灯を個々に制御して、点灯状態の移動、点灯状態の回転、ストロボ状の発光、その他の点消灯のパターンにてそれぞれのランプ24を発光させる。
【0064】
[光ファイバーケーブル]
上述したように、パチスロ機を構成する主制御回路基板55、副制御回路基板56、ドア中継基板62、外部集中端子板63、ホールコンピュータ80及びその他の周辺装置は、必要な情報を入出力するために相互間を通信ケーブルで接続されている。従来のパチスロ機では通信ケーブルとして電気ケーブルが用いられているが、本実施形態では通信ケーブルとして光ファイバーケーブル90が用いられる。
【0065】
光ファイバーケーブル90は、セキュリティ度が高く、外部からの不正な電磁気的又は機械的手段に対し安全性が高い。すなわち、従来の電気ケーブルでは、電磁波や電気信号印加による不正行為又は配線の付け替え等の不正行為を防止することは困難であったが、光ファイバーケーブルではそのような不正行為を未然に抑止することが可能である。
【0066】
本実施形態では、図2乃至図4に示すように、主制御回路基板55の光信号出力端子55dと外部集中端子板63の光信号入力端子63cは光ファイバーケーブル90で接続され、同様に副制御回路基板56と主制御回路基板56との間、外部集中端子板63とホールコンピュータ80との間、主制御回路基板55とドア中継基板62との間は、それぞれに設けられた光信号入力/出力端子を介して光ファイバーケーブル90で接続されている。
【0067】
主制御回路基板55、副制御回路基板56及び各種基板内で電気的に処理された電気信号は各機器内で電気・光信号変換器により光信号に変換され(図示せず)、光信号出力端子(55d、63d、等)を介して光ファイバーケーブルに伝送される。また、他の機器から光ファイバーケーブル90、光信号入力端子(63c等)を介して入力された光信号は当該機器内で光・電気信号変換器により電気信号に変換され(図示せず)電気的に処理される。
【0068】
なお、光ファイバーケーブルはその他の周辺機器、例えば、メダルセンサ50、ベットスイッチ13S等とドア中継基板62との間、及び主制御回路基板55とメダル排出装置43との間の接続にも適宜用いることができる。
【0069】
また、本実施形態では、外部集中端子板63は光信号入力端子63cに入力された光信号を電気信号変換しているが、これに限定されず、入力された光信号を光学的に処理(増幅、分岐、等)した上、光信号のままで光信号出力端子63dからホールコンピュータ80へ出力するようにしてもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、パチスロ機を構成する主制御回路基板、副制御回路基板、ドア中継基板、外部集中端子板等の主要機器間、及び外部集中端子板とホールコンピュータとの間のうち、すくなくとも前記主制御回路基板と外部集中端子板との間及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間の伝送手段として光ファーバーブルを用いたことにより、従来用いられた電気ケーブルよりも不正行為を確実に抑制することが可能となるとともに、各遊技機における遊技状態を正確に把握することが可能となるため、セキュリティ及び信頼性の高いホール運営が可能となる。
【0071】
また、光ファイバーケーブルを用いたことで通信速度が速く信頼性の高い情報伝達を行うことが可能となるとともに、静電気等による外来ノイズの影響を抑制することができるので主制御基板又は副制御基板等の誤動作を減少させることができる。
【0072】
さらに、放熱による基板の故障や電線の断線や接続不良等の故障の発生率を低下させることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…パチスロ機、2…キャビネット、3…リール、4…表示窓、5…液晶表示装置、6…スタートレバー、6S…スタートスイッチ、7…ストップボタン、8…入賞判定ライン、9…フロントドア、12…7セグ表示器、13…ベットボタン、13S…ベットスイッチ、15…メダル投入口、16…メダル払出口、17…メダル受皿、21…スピーカ、23…配当パネル、24…ランプ、25…腰部パネル、39…リールモータ駆動回路、43…メダル払出装置、46…ストップスイッチ、50…メダルセンサ、51…セレクタ、54…電源装置、54b、63b…出力端子、55…主制御回路基板、55d、63d…光信号出力端子、56…副制御回路基板、58…ランプ基板、61…下皿LED基板、62…ドア中継基板、63…外部集中端子板、63a…入力端子、63c、80c…光信号入力端子、79…CRCチェッカ、80…ホールコンピュータ、81…電気ケーブル、90…光ファイバーケーブル、110…サウンド基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の筐体に設けられた主制御回路基板と、前記筐体に設けられ主制御回路基板からの信号が入力されるとともに必要な情報を遊技場のホールコンピュータに送信する外部集中端子板と、遊技機の前面扉に設けられ前記主制御回路基板からの信号が入力される副制御回路基板と、前記前面扉に設けられ各種信号を前主制御回路基板に送信するドア中継基板と、を備えた遊技機において、
前記主制御回路基板と副制御回路基板との間、前記主制御回路基板と外部集中端子板との間、前記副制御回路基板とドア中継基板との間、及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間のうち、すくなくとも前記主制御回路基板と外部集中端子板との間及び前記外部集中端子板とホールコンピュータとの間を光ファイバーケーブルで接続したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記主制御基板、外部集中端子板、副制御基板、ドア中継基板及びホールコンピュータのそれぞれは電気・光信号変換部及び/又は光・電気信号変換部を有することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機は、メダルセンサ、ベットスイッチ及びスタートスイッチを備え、前記メダルセンサ、ベットスイッチ及びスタートスイッチと、前記ドア中継基板との間を光ファイバーケーブルで接続したことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−34642(P2013−34642A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172796(P2011−172796)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】