説明

遊技機

【課題】大当り遊技中の興趣を向上し得る遊技機を提供する。
【解決手段】 ジャンプアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において16回の短時間開放動作を開閉扉に繰り返し行わせ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉に行わせる。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉に行わせる。従って、1ラウンド目を見ただけでは、ジャンプアップ確変大当り遊技か16R突然確変大当り遊技かは判別できない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、図柄変動演出にて当り表示結果が表示された場合に、図柄変動演出の終了後に当り遊技が行なわれる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機では、遊技盤に設けた始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機に大当りか否かの大当り判定が行なわれ、図柄変動演出で導出されて最終的に停止表示された図柄の組み合わせから、遊技者は大当りまたははずれを認識できるようになっている。そして、最終的に停止表示された図柄組み合わせが、大当りである場合に行なわれる大当り遊技は、複数回のラウンド遊技にて構成されている。近時のパチンコ機において、例えば、2ラウンド大当り遊技と、15ラウンド大当り遊技というようなラウンド数に格差を持たせた複数種類の大当り遊技を設けたものがある。
【0003】
前記2ラウンド大当り遊技は、一般的に、大入賞口の開放秒数がパチンコ球の入賞の見込みが殆どないような短時間に設定され、ラウンド遊技毎の賞球が殆ど期待し得ないものの、大当り遊技終了後には遊技者にとって有利な確率変動状態(確変)や入賞率向上状態(変短)を付与するように構成されている。一方、15ラウンド大当り遊技は、一般的に、大入賞口の開放秒数が規定個数のパチンコ球を入賞し得る長さの時間で設定され、ラウンド遊技毎に多量の賞球を獲得させ得るよう構成されている。
【0004】
前述したように、複数種類の大当り遊技を設定することで遊技の多様化を図り得るものの、2ラウンド大当り遊技と15ラウンド大当り遊技とでは、開放態様の差異が一目瞭然であるため、大当り遊技の開放態様から何れの大当り遊技が生起されているのかを遊技者が容易に認識できてしまう。すなわち、2ラウンド大当り遊技では殆ど賞球を獲得できないことから、大当り遊技の開放態様から2ラウンド大当り遊技が生起されていることを遊技者が認識した時点で、遊技者は多くの賞球を獲得できる15ラウンド大当り遊技と比較して利益がないと感じ、遊技の興趣を損なってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、15ラウンド大当り遊技が付与されているのか、または2ラウンド大当り遊技が付与されているのかを遊技者に容易に把握されないようにする演出として、15ラウンド大当り遊技の1ラウンド目と2ラウンド目におけるラウンド遊技を、2ラウンド大当り遊技におけるラウンド遊技と同様の開放態様にし、3ラウンド目以降のラウンド遊技における大入賞口の開放秒数を前述したように規定個数のパチンコ球を入賞し得る長さの時間に設定した遊技(以後、JUB(ジャンプアップボーナス)遊技という)を行なうパチンコ機が知られている。このようなパチンコ機では、当り遊技の開始初期に短時間開放が行なわれても、その後にどのような展開になっていくか分からず、15ラウンド大当り遊技の期待感を持って遊技を進行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−174927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のパチンコ機では、JUB遊技の対象となる大当り遊技に対応する賞球を殆ど獲得し得ない2ラウンド大当り遊技等の大当り遊技(以後、「出球小大当り遊技」という)が1種類のみであったため、当り遊技に際して出球小大当り遊技であるのか15ラウンド大当り遊技であるのかが判明する時点は一定であった。このため、大当り遊技中の興趣を向上するのに限度があった。
【0008】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、大当り遊技中の興趣を向上し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球が入賞可能な第1始動入賞口(31a)および第2始動入賞口(31b)と、第1始動入賞口(31a)および第2始動入賞口(31b)への遊技球の入賞を契機として複数種類の図柄を変動させて行なう図柄変動演出を表示する図柄表示手段(17)と、前記第1始動入賞口(31a)および第2始動入賞口(31b)への遊技球の入賞を契機として、前記図柄変動演出の結果を当りとするか否かの当り判定を行なう当り判定手段(60a)と、遊技球が入賞可能な入賞口を開閉手段(43)で開閉する入賞手段(40)とを備え、前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動演出の終了後に、前記開閉手段(43)で入賞口を開閉して遊技球の入賞が許容される当り遊技が行なわれる遊技機において、
前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に、当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(60a)と、
前記当り遊技で行なわれる前記開閉手段(43)の開放および閉鎖を制御する開放制御手段(60a)とを備え、
前記開放制御手段(60a)は、前記開閉手段(43)の開放時間が相対的に短かい短時間開放制御と長い長時間開放制御とを実行し、
前記当り遊技は、遊技者に与えられる価値が異なる第1当り遊技と第2当り遊技を含み、
前記第1当り遊技では、当り遊技の開始から前記開放制御手段(60a)が前記短時間開放制御を所定回数実行した後に、該開放制御手段(60a)が前記長時間開放制御を実行する一方で、
前記第2当り遊技では、前記開放制御手段(60a)が短時間開放制御のみを実行し、
前記第2当り遊技として、前記開放制御手段(60a)により短時間開放制御が実行される回数が第1当り遊技の短時間開放制御される回数と同じに設定された第1短開放当り遊技、および開放制御手段(60a)により短時間開放制御が実行される回数が第1当り遊技の短時間開放制御される回数と異なる第2短開放当り遊技を備えることを要旨とする。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、開閉手段が短時間開放する回数が異なる複数の第2当り遊技(短開放当り遊技)を備えることで、当り遊技に際して開閉手段の短時間開放が行なわれた際に、第2当り遊技より多くの賞球を獲得可能な第1当り遊技に何時の時点で移行するのかを推測することを困難とし得る。すなわち、当り遊技時には第1当り遊技に移行することへの期待を長く保って遊技を行なうことができ、遊技の興趣を向上し得る。
【0011】
請求項2に係る発明では、前記当り遊技決定手段(60a)は、第1始動入賞口(31a)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記第2当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口(31b)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記第2当り遊技を決定する確率より高く設定されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、遊技球が入賞する始動入賞口の種類によって第2当り遊技が出現する割合を変えることで、遊技の興趣を向上し得る。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記第1当り遊技は、前記開放制御手段(60a)が長時間開放制御のみを実行する特別当り遊技を含み、
前記当り遊技決定手段(60a)は、第1始動入賞口(31a)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記第1当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口(31b)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記第1当り遊技を決定する確率より高く設定されることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、遊技球が入賞する始動入賞口の種類によって、第1当り遊技が出現する割合を変えることで、興趣を向上し得る。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記第1始動入賞口(31a)に入賞した遊技球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段(60c)と、
前記第2始動入賞口(31b)に入賞した遊技球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段(60c)とを備え、
前記第1および第2保留記憶手段(60c)の何れにも始動保留球が記憶されている場合は、第2始動保留球に基づく図柄変動演出を優先的に実行し、
前記当り遊技決定手段(60a)は、第1始動入賞口(31a)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記特別当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口(31b)への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段(60a)の判定結果が肯定の場合に前記特別当り遊技を決定する確率より低く設定されることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、遊技球が入賞する始動入賞口の種類によって、特別当り遊技が出現する割合を変えることで、遊技の興趣を向上し得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遊技機によれば、当り遊技中の興趣を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、特図表示器、特図保留表示部、普図表示器、普図保留表示部を拡大して示している。
【図3】大当り遊技の種類を示す説明図である。
【図4】特図入力処理を示すフローチャートである。
【図5】特図開始処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップB15に続く処理を示すフローチャートである。
【図7】図5のステップB19に続く処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【図9】遊技演出モードの種類を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は、特別入賞装置の開閉扉の開放および閉鎖の実行態様を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0017】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31aへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0018】
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
【0019】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0020】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0021】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,31bを有する始動入賞装置(始動入賞手段)30および特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
【0022】
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bを上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
【0023】
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
【0024】
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50,51において特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口31bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。
【0025】
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
【0026】
(特図表示器50,51について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する2組の特図表示器(特図表示手段)50,51が設けられている。ここで、2組の特図表示器50,51は、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50と、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器51とからなり、各特図表示器50,51の何れも複数個(8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50の発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器51の発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図表示可能な表示手段を採用できる。
【0027】
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50,51では、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50,51において表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示結果としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各第1特図表示器50または第2特図表示器51に確定停止表示される。そして、前記第1特図表示器50または第2特図表示器51に、大当り表示結果としての特図が表示されることで、引き続いて遊技者に大当り遊技が付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50で行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50に確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。また同様に、第2特図表示器51で行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器51に確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
【0028】
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に、この第1特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
【0029】
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の記憶数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の記憶数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の記憶数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の記憶数を遊技者が把握し得るようになっている。
【0030】
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。このラウンド表示部57は、ラウンド数に対応する複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「16回」と「5回」の2種類が設定されており、ラウンド表示部57では、左側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「16回」の大当り遊技であることが報知され、右側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「5回」の大当り遊技であることが報知されようになっている。
【0031】
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、該状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される後述の報知演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
【0032】
(図柄表示装置17について)
実施例に係る図柄表示装置17には、前記飾図を変動表示可能な図柄表示列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄表示列26a,26b,26cにおいて飾図が変動開始されるようになっている。また、各図柄表示列26a,26b,26cには、飾図の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄表示列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄表示列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cと指称する場合がある。
【0033】
また、前記図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50および第2特図表示器51に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
【0034】
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄表示列26a、右図柄表示列26c、中図柄表示列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
【0035】
また、図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では600ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
【0036】
ここで、第1特図表示器50と図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器51と図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1特図表示器50および第2特図表示器51は、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50,51で特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
【0037】
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄表示列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該飾図が各図柄表示列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものでははなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後の付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図することもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。また、実施例の図柄表示装置17には、後述する突然確変大当り遊技を発生させる場合に表示される突確報知用飾図が設定されている。
【0038】
そして、前記図柄表示装置17における各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されると共に、中図柄表示列26bの有効停止位置27に特殊図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「2特殊図柄2」、「7特殊図柄7」、「4特殊図柄7」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示結果となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを、所定の演出(例えば、突然確変大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄表示列26aおよび中図柄表示列26bの飾図が同一で、右図柄表示列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。なお、以下の説明では、大当り表示結果を構成する3列の飾図の図柄組み合わせを「大当り図柄」と指称し、はずれ表示結果を構成する3列の飾図の図柄組み合わせを「はずれ図柄」と称する場合がある。
【0039】
また、図柄変動演出において、複数の図柄表示列26a,26b,26cの内で、特定の図柄表示列(実施例では、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄表示列(実施例では、中図柄表示列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄表示列(左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄表示列(中図柄表示列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄表示列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
【0040】
また、図柄表示装置17には、第1特図表示器50および第2特図表示器51での特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50および第2特図表示器51に表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50および第2特図表示器51に特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0041】
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
【0042】
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
【0043】
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
【0044】
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0045】
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0046】
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)を較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
【0047】
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。実施例において普図変動表示の変動時間は、変短状態が付与されていない状態で、普図変動の開始から5000msに設定され、変短状態が付与されている状態で、普図変動の開始から1000msに設定されている。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、600msに設定されている。
【0048】
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を、所定時間間隔(実施例では980ms)で3回繰り返すようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄である場合には、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数(実施例では80回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。
【0049】
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50,51に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では5ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバルINa」という)だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるインターバルが設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
【0050】
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
【0051】
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50に確定停止表示された特図1に応じて6種類の大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器51に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示器51に確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技が付与される。
【0052】
ここで、図柄Aには、26種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄Bには、1種類の特図1が振り分けられている。図柄Cには、1種類の大当り図柄としての特図1が振り分けられている。図柄Dには、26種類の特図1が振り分けられている。図柄Eには、18種類の特図1が振り分けられている。図柄Fには、28種類の特図1が振り分けられている。また、図柄aには、42種類の特図2が振り分けられている。同様に、図柄bには、10種類の特図2が振り分けられている。図柄cには、2種類の特図2が振り分けられている。図柄dには、18種類の特図2が振り分けられている。そして、図柄eには、28種類の特図2が振り分けられている。
【0053】
(特別確変大当り遊技について)
ここで、図柄A、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50に表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0054】
特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、特別確変大当り遊技のラウンド間インターバルINaは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.6(秒)」に夫々設定されている。すなわち、図柄A、図柄Bおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合に付与される大当り遊技の価値は等しく設定されている。そして、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0055】
(5R特別確変大当り遊技について)
本実施例では、全てのラウンド遊技が、長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成された特別確変大当り遊技(特別当り遊技)として、規定ラウンド数が「5回」に設定された5R特別確変大当り遊技が設けられている。この5R特別確変大当り遊技は、図柄dに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合に付与される大当り遊技であって、図柄A、図柄Bまたは図柄aに分類される特図1または特図2が第1特図表示器50または第2特図表示器51に表示された場合に付与される前記特別確変大当り遊技と規定ラウンド数が異なるだけで、その他の設定(各ラウンド遊技の入賞上限個数、ラウンド遊技時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間、ラウンド間インターバルINa等)は同じである。なお、図柄dに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0056】
(第1の特殊確変大当り遊技について)
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技(第1当り遊技)は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0057】
ジャンプアップ確変大当り遊技では、図10(a)に示す如く、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
【0058】
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルINaは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。なお、ラウンド内インターバル時間については、以下「ラウンド内インターバルINb」という場合がある。
【0059】
(16R突然確変大当り遊技、5R突然確変大当り遊技について)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として16R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、第1短開放当り遊技)が付与されるようになっている。また、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として5R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、第2短開放当り遊技)が付与されるようになっている。前記16R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0060】
一方で、前記5R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「5回」に設定された5ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。すなわち、前記16R突然確変大当り遊技と同様に、5R突然確変大当り遊技も各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体では5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。すなわち、突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、短時間開放動作のみを開閉扉43に行わせるよう構成されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0061】
ここで、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバルINaは「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
【0062】
また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が開放してから2ラウンド目で開閉扉43が閉鎖するまでのラウンド間インターバルINa(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバルINb(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており(図10(a),(b)参照)、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0063】
(通常非確変大当り遊技について)
図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
【0064】
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバルINaは、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Fに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0065】
(ステップアップ確変大当り遊技について)
図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
【0066】
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では、8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目〜16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄bに分類される特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
【0067】
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバルINbとして「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
【0068】
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバルINaは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。
【0069】
(16R短縮確変大当り遊技、16R短縮非確変大当り遊技について)
図柄cに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、16R短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、16R短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
【0070】
この16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
【0071】
ここで、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバルINaは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。これにより、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.32(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄c,eに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
【0072】
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技に振分けられている特図1が1種類であるのに対し、特図2はジャンプアップ確変大当り遊技に振分けられておらず、実施例では、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が当選する確率は「0/100(零)」である。すなわち、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が決定される確率(「1/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されている。また、突然確変大当り遊技(16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技)に振分けられている特図1が44種類であるのに対し、特図2は突然確変大当り遊技(16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技)に振分けられておらず、実施例では、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が当選する確率は「0/100(零)」である。すなわち、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が決定される確率(「44/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されている。
【0073】
また、全ラウンド遊技が開閉扉43を長時間開放動作させる全開放ラウンド遊技で構成される特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技に振分けられている特図1が45種類であるのに対し、特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技に振分けられている特図2は60種類であり、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技が決定される確率(「45/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技が決定される確率(「60/100」)より低く設定されている。また、図柄Aには26種類の特図1が振り分けられている(26/45)のに対し、図柄aには42種類の特図2が振り分けられており(42/60)、相対的に図柄aの方が選択確率が高くなっている。すなわち、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技が決定される確率は、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されており、第2始動入賞口31bの方が第1始動入賞口31aより有利といえる。
【0074】
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、図9 に示すように、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
【0075】
実施例に係る遊技演出モードには、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態となる(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、非確変状態で変短状態が付与されている遊技状態となる時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
【0076】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
【0077】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
【0078】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50,51、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
【0079】
(判定用乱数について)
メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0080】
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50に確定停止表示させる特図1または第2特図表示器51に確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50に確定停止表示される特図1または第2特図表示器51に確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
【0081】
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
【0082】
実施例のパチンコ機では、大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。なお、前記普図当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
【0083】
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1518個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
【0084】
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、大当り表示結果が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
【0085】
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0086】
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
【0087】
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態あり時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
【0088】
更にまた、メイン制御ROM60bには、複数種類の変動内容としての変動パターンが記憶されている。前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間を、演出内容に応じて特定している。
【0089】
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、大当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
【0090】
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる図柄変動演出には、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出と、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出とが設けられている。はずれリーチ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17の飾図による図柄変動演出において、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
【0091】
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0092】
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
【0093】
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0094】
すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(大当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与するか否かを判定する変短状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動入賞口31aに入賞したパチンコ球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段および前記第2始動入賞口31bに入賞したパチンコ球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
【0095】
(メイン制御について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
【0096】
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップSA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の記憶数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
【0097】
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
【0098】
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の記憶数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
【0099】
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
【0100】
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン用制御CPU60aは、特図表示器50,51および図柄表示装置において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
【0101】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第2特図記憶領域MB1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域MB2の情報(乱数)を、前記第2特図記憶領域MB1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域MB3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域MB2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域MB4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域MB3に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第2特図表示器51の表示を変更させる。
【0102】
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第2特図表示器51に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
【0103】
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB29)。
【0104】
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB31)。
【0105】
ここで、ステップB28,B29,B30,B31において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPUは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示が開始させるように第2特図表示器51を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器51の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0106】
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の記憶数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
【0107】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域M1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域M1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域M3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域M2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域M4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域M3に記憶させる。これにより、すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
【0108】
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第1特図表示器50に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
【0109】
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
【0110】
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB41)。
【0111】
ここで、ステップB38,B39,B40,B41において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0112】
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
【0113】
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄表示列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が決定される。そして、前記演出パターンで特定される各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄表示列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄表示列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄表示列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
【0114】
ここで、大当り図柄が図柄A、図柄a、図柄bまたは図柄dの場合には、特別確変大当り遊技に当選していることを昇格演出(大当り遊技中の演出)や再抽選演出(図柄変動演出中の演出)で報知するか否かによって飾図の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、昇格演出または再抽選演出にて報知する場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定し、昇格演出または再抽選演出にて報知しない場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知可能な飾図(具体的には奇数図柄)からなる大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、大当り図柄が図柄Bまたは図柄cである場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄C、図柄Dまたは図柄Eである場合には、突然確変大当り遊技の可能性を示唆する飾図(具体的には突確示唆図柄)を含む図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄Fまたは図柄eである場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない飾図(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。
【0115】
また、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
【0116】
また、統括制御CPUは、メイン制御CPUが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
【0117】
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄表示列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
【0118】
従って、本実施例によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1) 前記ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技において、メイン制御CPU60aは、図10(a)に示す如く、16回の短時間開放動作を開閉扉34に繰り返し行わせた後に、当該1ラウンド目のラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技を行う。これに対し、16R突然確変大当り遊技において、メイン制御CPU60aは、図10(b)に示す如く、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技における1回の短時間開放動作時間+2.0(秒)と同じ時間に設定されたラウンド遊技時間で16回のラウンド遊技を行う。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉34が16回開閉するまでの開閉扉34の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉34が閉鎖するまでの開閉扉34の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行う。これにより、大当り遊技が開始されて開閉扉34が16回開閉するまでは、遊技者に対して当選した大当り遊技がジャンプアップ確変大当り遊技であるのか、または16R突然確変大当り遊技かを、分からなくすることができる。従って、大当り遊技がジャンプアップ確変大当り遊技であった場合は、開閉扉34が16回の短時間開放動作を行った後、引続いて開閉扉34が長時間開放動作を行ったときには、遊技者は多くの賞球を獲得することが可能なジャンプアップ確変大当り遊技であることを認識し、優越感を味わうことができる。
(2) また本実施例のパチンコ機10では、16R突然確変大当り遊技とは別に、ラウンド回数の異なる5R突然確変大当り遊技を備え、該5R突然確変大当り遊技における1ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、16R突然確変大当り遊技のラウンド遊技時間と同じに設定されている(図10(b),(c)参照)。すなわち、大当り遊技が開始されて開閉扉34が短時間開放動作が行われた際には、ジャンプアップ確変大当り遊技に何時の時点で移行するのかを遊技者が推測することは困難となり、ジャンプアップ確変大当り遊技に移行することへの期待を長く保って遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上し得る。
(3) 前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき16R突然確変大当り遊技や5R突然確変大当り遊技が選択される確率は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき16R突然確変大当り遊技や5R突然確変大当り遊技が選択される確率が高く設定されているから、第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞し易い状況や第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞し易い状況等、その状況によって遊技の興趣を向上し得る。
(4) 前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づきジャンプアップ確変大当り遊技が選択される確率は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づきジャンプアップ確変大当り遊技が選択される確率より高く設定されているから、第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞し易い状況や第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞し易い状況等、その状況によって遊技の興趣を向上し得る。
(5) パチンコ球の入賞に基づきジャンプアップ確変大当り遊技、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技が選択される確率が第1始動入賞口31aに入賞した場合より低く設定された第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した場合に、特別確変大当り遊技(5R特別確変大当り遊技を含む)等の、より多くの賞球を獲得可能な大当り遊技が選択される確率を第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した場合より高く設定することで、遊技が単調となることなく興趣を向上し得る。
【0119】
(6) 出球が殆ど得られない突然確変大当り遊技は、第1始動入賞口31aに入賞した場合にのみ選択されるようになっていることから、第1始動入賞口31aへの入賞による大当り遊技に比較して第2始動入賞口31bへの入賞による大当り遊技は、出球率が高く、第2始動入賞口31bに関する第2始動保留球の図柄変動演出を、第1始動入賞口31aに関する第1始動保留球の図柄変動演出に優先して実施することで、多くの出球を獲得可能となることの期待感を遊技者に与えることができる。また、前述したように、図柄Aには26種類の特図1が振り分けられている(26/45)のに対し、図柄aには42種類の特図2が振り分けられており(42/60)、相対的に図柄aの方が選択確率が高くなっている。すなわち、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技が決定される確率は、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されており、第2始動入賞口31bの方が第1始動入賞口31aより有利といえる。
(7) 実施例では、特図2に、非確変の大当り遊技を導出する図柄として、8ラウンド分は長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されると共に残りのラウンドは短時間ラウンド遊技で構成される出球が少ない大当り遊技(16R短縮非確変大当り遊技)を付与する図柄eが設定されているのに対し、特図1では、同じく非確変の大当り遊技を導出する図柄として、16ラウンド分の長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技のみからなる出球が多い大当り遊技(通常非確変大当り遊技)を付与する図柄Fを設定することで、前記出球が殆ど得られない突然確変大当り遊技を付与する図柄を設定している特図1と特図2との間での出球のバランスを図り得るようになっている。
(8) 特図2には、前述した出球が少ない16R短縮非確変大当り遊技を付与する図柄eが設定されているが、特図2で出球の多い特別確変大当り遊技を付与する図柄aの振り分け数を多くすることで、出球数が少ない大当り遊技(図柄e)が設定されていても、遊技の興趣が低下するのを抑えると共に、バラエティーに富んだ遊技を行い得る。
(9) 特図2では、5ラウンド分の長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技からなる大当り遊技(5R特別確変大当り遊技)を付与する図柄dが設定されている。この5R特別確変大当り遊技は、特図1に設定されている通常非確変大当り遊技(図柄F)に比較して出球数は少ないものの、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態となることで、遊技者の落胆度合いを小さく抑えることができる。
(10) 特図2に関して、ステップアップ確変大当り遊技を付与する図柄bと、該ステップアップ確変大当り遊技に対応する16R短縮確変大当り遊技を付与する図柄cおよび16R短縮非確変大当り遊技を付与する図柄eを設定しているので、8ラウンドまではステップアップ確変大当り遊技であることを期待して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上し得る。
また、5R特別確変大当り遊技と、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技とを比較した場合、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技の方が、5R特別確変大当り遊技より多くの出球を獲得可能ではある。但し、16R短縮確変大当り遊技と16R短縮非確変大当り遊技とでは大当り遊技の途中までは開閉扉43の開閉態様が同じで、遊技者は何れの大当り遊技か判断できないため、大当り遊技終了後が非確変状態となるリスクもあるが、何れの大当り遊技であるのかに興味をもって遊技を行うことができる。すなわち、多く出球が獲特可能な大当り遊技ではあるが、非確変状態となる可能性のある大当り遊技(16R短縮非確変大当り遊技)および出球の獲得数は少なくとも確変状態を付与する大当り遊技(5R特別確変大当り遊技)を設定することでバラエティーに富む遊技を行うことができ、遊技者に飽きさせることなく遊技を継続させることができる。
(11) 特図1に、ジャンプアップ確変大当り遊技を付与する図柄Cに対応する16R突然確変大当り遊技を付与する図柄Dおよび5R突然確変大当り遊技を付与する図柄Eを設定するのに対し、特図2には、ジャンプアップ確変大当り遊技、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技を付与する図柄を設定していないので、特図1と特図2とで遊技のメリハリを付けることができ、遊技がマンネリ化するのを抑制し得る。なお、
【0120】
(変更例について)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開閉扉の開閉態様として、複数回の短時間開放動作の後に長時間開放動作を行うようにしたが、短時間開放動作のみから構成したものであってもよい。
(2) 実施例では、16ラウンドの突然確変大当り遊技に対応して、1ラウンド目における開閉扉の短時間開放動作を16回行うジャンプアップ確変大当り遊技を設定したが、突然確変大当り遊技のラウンド回数やジャンプアップ確変大当り遊技における開閉扉の短時間開放動作回数はこれに限定されるものではなく、同一回数であれば任意の数に設定し得る。
(3) 実施例では、ジャンプアップ確変大当り遊技(第1当り遊技)において1ラウンド目で開閉扉を短時間開放動作する回数と異なる回数のラウンド回数(短時間開放動作の回数)に設定した突然確変大当り遊技(第2短開放当り遊技)として5R突然確変大当り遊技を挙げたが、該突然確変大当り遊技のラウンド回数は5Rに限定されるものではなく、ジャンプアップ確変大当り遊技における短時間開放動作回数と異なるものであればよい。
(4) また、ジャンプアップ確変大当り遊技(第1当り遊技)において1ラウンド目で開閉扉を短時間開放動作する回数と異なる回数のラウンド回数(短時間開放動作の回数)に設定した突然確変大当り遊技(第2短開放当り遊技)を、ラウンド回数が異なる複数種類設けてもよい。
(5) 実施例では、ジャンプアップ確変大当り遊技や突然確変大当り遊技に特図2を振分けないようにしたが、特図2を振分けるようにしてもよい。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技や突然確変大当り遊技に特図2を振分ける場合は、第1始動入賞口へのパチンコ球の入賞に基づきジャンプアップ確変大当り遊技や突然確変大当り遊技が選択される確率が、第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞に基づきジャンプアップ確変大当り遊技や突然確変大当り遊技が選択される確率より高くなるように特図1および特図2の振分け数を設定すればよい。
(6) 実施例では、特図2が振分けられる特別確変大当り遊技(特別当り遊技)として、ラウンド回数が「16R」および「5R」のものを挙げたが、「16R」のみとしてもよく、第1始動入賞口へのパチンコ球の入賞に基づき特別確変大当り遊技が選択される確率より第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞に基づき特別確変大当り遊技が選択される確率が高くなるように特図1および特図2の振分け数を設定すればよい。
(7) 実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板とで分けて各種制御を行うようにしたが、サブ制御基板で行う制御をメイン制御基板で行うようにしてもよい。すなわち、メインとサブとに分けることなく一つの制御基板で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用可能である。
【0121】
(8) 当り遊技(大当り遊技)の種類として、特別入賞口(開閉扉)を1回または複数回開放してパチンコ球が入賞可能になると共に、当選によってパチンコ機が通常状態から時短状態に移行したり、逆に時短状態から通常状態に移行したり、または新たに確変状態が付与されたりすることのない小当り遊技を備えてもよい。そして、小当り遊技における特別入賞口(開閉扉)の開閉回数および開閉態様を、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目に行う開閉扉の開閉回数および開閉態様(開放時間およびラウンド内インターバル時間)を同じに設定することで、当選した遊技の種類を遊技者により推測し難くし得る。
(9) なお、実施例では特図1にのみジャンプアップ確変大当り遊技を付与する図柄Cと、これに対応する16R突然確変大当り遊技を付与する図柄Dおよび5R突然確変大当り遊技を付与する図柄Eを設定したが、特図2にも同様の図柄を設定してもよい。
(10) 実施例では、ラウンド表示部を設けてラウンド回数を報知するようにしたが、ラウンド回数が1種類(例えば16R)のみの場合は、ラウンド表示部を省略し得る。
(11) 大当り図柄が図柄A、図柄a、図柄bまたは図柄dの場合に実行可能性のある報知昇格演出について、当該昇格演出は大当り遊技のラウンド遊技中に限らず、大当り遊技の終了を示すエンディング演出中に行うようにしてもよい。
(12) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(13) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(14) 実施例では、大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞手段(特別入賞装置)の開閉手段(開閉扉)の開閉態様(開閉パターン)として、長時間開放動作と短時間開放動作とを適宜に組み合わせた例を示した。ここで、開閉手段の長時間開放動作としては、開閉手段の短時間開放動作に較べて有利な開放態様となっていればよい。開閉手段の短時間開放動作が不利となる開閉制御としては、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な開放時間とすることができる。また、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)において入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な開放時間とすることで、開閉手段の短時間開放動作が長時間開放動作と較べて不利となる開閉態様とすることも可能である。また、開閉手段に長時間開放動作をさせた際に、ラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能である必要はなく、開閉手段に長時間開放動作をさせた場合と較べて、より多くのパチンコ球が入賞可な開放時間とすることもできる。
【符号の説明】
【0122】
17 図柄表示装置(図柄表示手段)
30 始動入賞装置(始動入賞手段)
31a 第1始動入賞口
31b 第2始動入賞口
40 特別入賞装置(入賞手段)
43 開閉扉(開閉手段)
60a メイン制御CPU(当り判定手段、当り遊技決定手段、開放制御手段)
60c メイン制御RAM(第1保留記憶手段、第2保留記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞可能な第1始動入賞口および第2始動入賞口と、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞を契機として複数種類の図柄を変動させて行なう図柄変動演出を表示する図柄表示手段と、前記第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞を契機として、前記図柄変動演出の結果を当りとするか否かの当り判定を行なう当り判定手段と、遊技球が入賞可能な入賞口を開閉手段で開閉する入賞手段とを備え、前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記図柄変動演出の終了後に、前記開閉手段で入賞口を開閉して遊技球の入賞が許容される当り遊技が行なわれる遊技機において、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段と、
前記当り遊技で行なわれる前記開閉手段の開放および閉鎖を制御する開放制御手段とを備え、
前記開放制御手段は、前記開閉手段の開放時間が相対的に短かい短時間開放制御と長い長時間開放制御とを実行し、
前記当り遊技は、遊技者に与えられる価値が異なる第1当り遊技と第2当り遊技を含み、
前記第1当り遊技では、当り遊技の開始から前記開放制御手段が前記短時間開放制御を所定回数実行した後に、該開放制御手段が前記長時間開放制御を実行する一方で、
前記第2当り遊技では、前記開放制御手段が短時間開放制御のみを実行し、
前記第2当り遊技として、前記開放制御手段により短時間開放制御が実行される回数が第1当り遊技の短時間開放制御される回数と同じに設定された第1短開放当り遊技、および開放制御手段により短時間開放制御が実行される回数が第1当り遊技の短時間開放制御される回数と異なる第2短開放当り遊技を備える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記当り遊技決定手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記第2当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記第2当り遊技を決定する確率より高く設定される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1当り遊技は、前記開放制御手段が長時間開放制御のみを実行する特別当り遊技を含み、
前記当り遊技決定手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記第1当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記第1当り遊技を決定する確率より高く設定される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1始動入賞口に入賞した遊技球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2始動入賞口に入賞した遊技球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段とを備え、
前記第1および第2保留記憶手段の何れにも始動保留球が記憶されている場合は、第2始動保留球に基づく図柄変動演出を優先的に実行し、
前記当り遊技決定手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記特別当り遊技を決定する確率が、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づく前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に前記特別当り遊技を決定する確率より低く設定される請求項3記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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