遊技機
【課題】打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることのない遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、画素の一つ一つに光センサが組み込まれた液晶表示装置の表示面上に遊技面が形成されている。そして、この遊技機では、遊技面の中央より右側または左側を狙って遊技球を打ち込む右打ち又は左打ちを行うと有利な場合、光センサを用いて遊技面全体を撮影して、遊技面上に打ち出された遊技球が、右打ちされているか左打ちされているかを判定している(S71,S72)。そのため、従来の遊技機のように、ある一定箇所を狙って打ち込まないと右打ちまたは左打ちの判定ができず、右打ち又は左打ちを行っているにもかかわらず、右打ち等がなされていないという不適切な判定が行われることがなく、遊技者に不快な思いをさせることを防止できる。
【解決手段】遊技機は、画素の一つ一つに光センサが組み込まれた液晶表示装置の表示面上に遊技面が形成されている。そして、この遊技機では、遊技面の中央より右側または左側を狙って遊技球を打ち込む右打ち又は左打ちを行うと有利な場合、光センサを用いて遊技面全体を撮影して、遊技面上に打ち出された遊技球が、右打ちされているか左打ちされているかを判定している(S71,S72)。そのため、従来の遊技機のように、ある一定箇所を狙って打ち込まないと右打ちまたは左打ちの判定ができず、右打ち又は左打ちを行っているにもかかわらず、右打ち等がなされていないという不適切な判定が行われることがなく、遊技者に不快な思いをさせることを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技盤に設定された遊技面の中央から見て右側に設置された大入賞口が開口したとき、その大入賞口をねらって遊技球を遊技面に打ち込む、いわゆる右打ちが行われているか検出する機能を備えた遊技機がある。
【0003】
この検出を行うため、遊技機100は、図13に示すように、遊技面102に打ち出され、レール101によって導かれた遊技球を止めるストッパー104の背面に、ストッパー104に遊技球が当たったか否かを検出するセンサ105を備えている。
【0004】
そして、この遊技機100では、右打ちのイベントが発生しているときに、ストッパー104に遊技球が当たるとセンサ105がこれを検知し、センサ105によりストッパー104に遊技球が当たっていないことを検出すると、右打ちを行うよう警報装置を用いて報知している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−68137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、遊技者によっては、ストッパー104に遊技球を当てずに右打ちをする場合もあり、ストッパー104に遊技球が当たったか否かで右打ちが行われたか否かを判断しても、右打ちが行われているか否かを正確に判断することはできなかった。
【0007】
そのため、遊技者からすると右打ちを行っているのに、右打ちが行われていないことを報知する警告がなされることがあるので、不快な思いをさせるという問題があった。
また逆に、左打ちを行わねばならない場合も同様の問題が発生することがあった。
【0008】
そこで本発明では、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることのない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した問題を解決するためになされた発明である請求項1に記載の遊技機は、遊技面上に打ち出される遊技球の打ち分けが必要な遊技機において、遊技球を検出する光センサが組み込まれた表示部の表面上に形成された遊技面と、前記遊技面上の遊技球を前記光センサで検出して、前記遊技面に打ち出されている遊技球の打ち分け状態を判定する打分判定手段と、前記打分判定手段により、遊技球の打ち分け状態を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の遊技機は、遊技面が、光センサを組み込んだ表示部の表面上に形成されており、この光センサを用いて遊技面に打ち出された遊技球を検出することによって、遊技球がどのように打ち分けられているかを判定し、その判定の結果を報知している。
【0011】
そのため、従来の遊技機では、ある一定の箇所を通らないと打ち分けを判定出来ないの
に対し、本発明の遊技機では、遊技球を遊技面上にどのように打ち出しても、遊技球の打ち分けを適切に判定することができる。
【0012】
従って、本発明の遊技機を用いると、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることを確実に防止することができる。
次に、請求項2に記載した遊技機のように、打分判定手段は、遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われていないか判定し、報知手段は、有利打分が行われていない場合、報知するようにしてもよい。
【0013】
例えば、なんらかの当り状態が発生し、有利打分として、いわゆる右打ちあるいは左打ち等を行ったほうが遊技者にとって有利であるとき、この有利な打分が行われていない場合、報知手段は、有利な打分が行われていないことを報知するようにするとよい。
【0014】
具体的には、右打ちをすると遊技者に有利な遊技状態において、右打ちが行われていないと判定されたとき、「右を狙ってください」等の表示を行ってもよいし、右打ちを行って狙うべき場所を指し示す表示「ココを狙え!」等の表示を行ってもよい。
【0015】
尚、請求項3に記載した遊技機のように、打分判定手段は、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定するようにしてもよいし、請求項4に記載したように、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定するようにしてもよい。
【0016】
次に、請求項2では、有利打分が行われていないときに報知したが、請求項5に記載したように、打分判定手段は、遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われているか判定し、報知手段は、有利打分が行われている場合、報知するようにしてもよいことはもちろんである。
【0017】
例えば、なんらかの当り状態が発生し、有利打分として、いわゆる右打ちあるいは左打ち等を行ったほうが遊技者にとって有利であるとき、この有利な打分が行われている場合、報知手段は、有利な打分が行われていることを文字表示等により報知するようにするとよい。
【0018】
具体的には、右打ちをしなければいけない遊技状態において、右打ちが行われていると判定されたとき、「そのまま右打ち」等の表示を行ってもよいし、右打ちを行って狙うべき場所を指し示す表示「引き続き狙え!」等の表示を行ってもよい。
【0019】
尚、請求項6に記載した遊技機のように、打分判定手段は、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定するようにしてもよいし、請求項7に記載したように、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定するようにしてもよい。
【0020】
次に、請求項8に記載したように、請求項1〜7の発明で行われる報知は、遊技面の表示部に表示して行うとよいが、これ以外にも、スピーカやランプをも使って、音や光により報知を行ってもよいことはもちろんである。
【0021】
尚、遊技球の検出は、具体的には、請求項9に記載したように、打分判定手段が、光センサを用いて遊技面を撮影し、この撮影された遊技面上の遊技球を、遊技面上に設置された設置物と区別することで行ってもよい。この場合、請求項10に記載したように、光センサは、表示部を構成する各画素毎に設けられたものを用いると、遊技球の検出を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の遊技機1の斜視図である。
【図2】本実施形態の遊技機1の正面図で、ガラス92aを介して遊技面10が視認できる様子を示している。
【図3】遊技面を構成する表示部材3の説明図で、(a)は図2のA−A’断面図、(b)は、液晶表示装置3の構成を説明する説明図である。
【図4】遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】入賞処理のフローチャートである。
【図6】大当処理Aのフローチャートである。
【図7】大当処理Bのフローチャートである。
【図8】打分検出処理のフローチャートである。
【図9】第3報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図10】第4報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図11】第1報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図12】第2報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図13】従来の遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明が適用された実施形態について説明する。
[外枠及び内枠]
本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠90と、この外枠90に取り付けられた内枠91とから構成されている。
【0024】
内枠91には、ガラス92aが嵌め込まれたガラス扉枠92、このガラス扉枠92の下部に設けられた皿ユニット93、及び、このガラス扉枠92の上部に設けられ、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ94を備えている。
【0025】
そして、内枠91の裏面(外枠90に対して閉じる側)には、遊技者にパチンコ遊技を提供する図示しない遊技盤が着脱可能に設置され、この遊技盤の遊技面がガラス92aを介して、内枠91の表面側に位置する遊技者から視認できるように構成されている。
【0026】
[遊技盤]
本実施形態の遊技機1の遊技面10には、図2に示すように、特別図柄の変動表示や、普通図柄の変動表示、保留球の表示などを主に行う表示領域10aと、複数の釘や、打球誘導レール11、遊技領域形成レール12、風車13等が設けられた遊技領域10bとが形成されている。
【0027】
このうち遊技領域10bには、釘等の他にも、普通図柄作動ゲート14、始動入賞口15、第1大入賞口16、第2大入賞口17が設けられている。
また遊技面10には、表示領域10aと遊技領域10bとの境界部分であって、内枠91の表面側に位置する遊技者から見て表示領域10aの左右及び上部を囲う位置に、遮蔽物18が設けられている。
【0028】
このうち、第1大入賞口16は、遊技面10の最下部に設けられ、遊技領域10bに打ち出されたものの始動入賞口15等の入賞口に入賞しなかった遊技球を回収する回収口19の直上に設けられ、始動入賞口15は、この第1大入賞口16の直上に設けられる。
【0029】
また、遊技領域10bに打ち出された遊技球は、遮蔽物18によって左右に分けられて下方に向かって釘等に当りながら落下するが、第2大入賞口17は、左右に分けられた遊
技球が落下するルートのうち、右側のルート側であって、遮蔽物18の右下端の近傍に設けられ、普通図柄作動ゲート14は、第2大入賞口17から所定距離離れた上方に配置される。
【0030】
[遊技面]
次に、遊技面10の構成について図3を用いて説明する。
この遊技面10は、図3(a)に示すように、基礎板10xの表面に、光センサが組み込まれた液晶表示装置3が積層され、その上に透明の樹脂板10yが積層された構造となっている。
【0031】
このうち液晶表示装置3は、図3(b)に示すように、画像を表示可能な画像表示領域30と、それを囲む額縁部32とから構成される。額縁部32は、遊技面10の外縁部分であって、遊技者から見えない部分に設けられている。
【0032】
画像表示領域30の表面には、画素30aが規則正しく(マトリックス状に)配列している。また、画素30aはそれぞれ、フォトダイオードを用いる光センサ(図示略)を内蔵している。額縁部32には、上述した光センサを駆動する光センサ駆動回路34、液晶ソースドライバ36、液晶ゲートドライバ38等が設けられている。
【0033】
液晶表示装置3は、後述する演出制御基板から入力する表示信号に基づき、画像表示領域30に、所定の画像を表示することができる。
また、液晶表示装置3は、各画素30aに内蔵された光センサにより、遊技面10上を撮像することができる。すなわち、遊技面10から見て、正面方向(遊技者がいる方向)の画像を撮像することができる。
【0034】
液晶表示装置3が画像を撮像できる範囲は、遊技面10の全面にわたる。撮像した画像の信号(読み取り信号)は、演出制御基板へ出力することができる。
なお、上記の液晶表示装置3は、例えば、シャープ株式会社等が販売している。
【0035】
[内部構成]
次に、本実施形態の遊技機1の内部構成について、図4を用いて説明する。
本実施形態の遊技機1は、以下に示すものの他に様々な構成を内部構成として備えているが、以下では、本実施形態の説明に必要なもののみを示している。
【0036】
本実施形態の遊技機1は、図4に示すように、主制御基板50と、演出制御基板51、液晶表示装置3、その他演出装置52、盤用中継端子板53、普通図柄作動ゲートスイッチ54、第1カウントスイッチ55、第2カウントスイッチ56、始動入賞口スイッチ57、始動入賞口ソレノイド58、第1大入賞口ソレノイド59、第2大入賞口ソレノイド60を内部構成として備えている。
【0037】
主制御基板50は、遊技機1全体を制御する図示しないCPU、ROM、RAM等を備えた制御基板であり、後述する入賞処理、大当処理A、大当処理Bを実行する。
演出制御基板51は、主制御基板50からの指示を受けて液晶表示装置3やその他演出装置52を制御し、表示領域10a(図2参照)に対して特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、保留球の表示を行うための制御や、後述する打分検出処理に伴う各種表示の制御を行う、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えた制御基板である。
【0038】
また、その他演出装置52としては、遊技面10の周囲に配置されたランプやスピーカを備えているが、この演出制御基板51は、これらを制御して、各種演出に伴う楽音やランプの点滅等の制御を行う。
【0039】
盤用中継端子板53は、主制御基板50と通信するとともに、普通図柄作動ゲートスイッチ54、第1カウントスイッチ55、第2カウントスイッチ56、始動入賞口スイッチ57、から各種検出信号を入力した信号を中継して主制御基板50に出力し、主制御基板50の制御に基づいて入力した始動入賞口ソレノイド58、第1大入賞口ソレノイド59、第2大入賞口ソレノイド60を駆動する駆動信号を中継して、各ソレノイドにこれら駆動信号を出力する基板である。
【0040】
このうち、普通図柄作動ゲートスイッチ54は、普通図柄作動ゲート14(図2参照)の遊技球の通過の有無を検出するスイッチである。普通図柄作動ゲートスイッチ54は、遊技球が普通図柄作動ゲート14を通過したことを検出すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に中継する。
【0041】
第1カウントスイッチ55は、第1大入賞口16に入賞した遊技球をカウントするセンサで、遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0042】
第2カウントスイッチ56は、第2大入賞口17に入賞した遊技球をカウントするセンサで、遊技球が第2大入賞口17に入賞すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0043】
始動入賞口スイッチ57は、始動入賞口15への遊技球の入賞の有無を検出するスイッチである。始動入賞口スイッチ57は、遊技球の始動入賞口15への入普を検出すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0044】
始動入賞口ソレノイド58は、チューリップ型の可動物15aである始動入賞口15の開口を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、可動物15aを開閉させる。
【0045】
第1大入賞口ソレノイド59は、第1大入賞口16を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、第1大入賞口16を開閉させる。
【0046】
第2大入賞口ソレノイド60は、第2大入賞口17を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、第2大入賞口17を開閉させる。
【0047】
[入賞処理]
次に、主制御基板50で実行される入賞処理について図5を用いて説明する。
この入賞処理は、遊技機1に電源が投入され、電源が切られるまで繰り返し実行される処理である。
【0048】
この入賞処理が開始されると、まずS10の処理が実行される。
S10では、始動入賞口15に遊技球が入賞したかを判定する処理を実行する。具体的には、始動入賞口スイッチ57が遊技球を検出し、その検出信号が盤用中継端子板53から主制御基板50に入力されたか否かにより判定を行っている。
【0049】
この判定により、始動入賞口15に遊技球が入賞したと判定された場合は(S10:YES)、S12が実行され、入賞していない場合は、待機する処理が実行される(S10
:NO)。
【0050】
S12では、始動入賞口15に遊技球が入賞したタイミングに応じ、ハズレ対応乱数、大当A対応乱数、大当B対応乱数からなる所定数の乱数の中から一つの乱数をランダムに抽出する処理が実行される。
【0051】
大当Aには2種類あり、一つは、再び入賞処理が実行されるとき、大当Bと同様に、S12において大当A対応乱数や大当B対応乱数が抽出される確率を上昇させる、いわゆる確率変動(本実施形態の場合、1/300から1/30とする)と、普通図柄作動ゲート14を遊技球が通過したとき実行される普通図柄の抽選の大当り確率を上昇させ、単位時間あたりの可動物15aの開く回数を多くする、いわゆる時短の両方を実行するタイプA1と、時短のみを実行するタイプA2とがある。
【0052】
そのため、ハズレ対応乱数または大当A対応乱数が抽選された場合、後述する特別図柄の変動表示後に停止表示する特別図柄を抽選する処理も実行される。大当A対応乱数が抽選された場合、タイプA1の場合、「111」「333」「555」「999」のいずれかが抽選され、タイプA2の場合、「222」「444」「666」「888」のいずれかが抽選される。
【0053】
このS12が実行されると、抽選した乱数の種類と、乱数が大当A対応乱数の場合、特別図柄の変動表示後に表示される特別図柄の種類と、確率変動と時短が実行される場合に、これらを実行することを示すフラグが主制御基板50内に記憶される。
【0054】
そして、S12の処理の後、S14の処理が実行される。
S14では、S12で抽出された乱数がハズレ対応乱数か否かを判定する処理が実行され、ハズレ対応乱数であった場合(S14:YES)、続くS16でハズレ対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行する。
【0055】
具体的には、主制御基板50は演出制御基板51に対しハズレ演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始してから所定時間経過したときに、ハズレ対応乱数とともに別途抽選したハズレの組合せの特別図柄を停止表示する演出などを実行する。
【0056】
一方、S12で抽出された乱数がハズレ対応乱数以外の乱数である場合(S14:NO)、次のS18では、S12で抽出された乱数が、大当A対応乱数か否かを判定する処理を実行する。
【0057】
このS18の処理で、S12で抽出された乱数が大当A対応乱数であった場合(S18:YES)、続くS20で大当A対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行し、S12で抽出された乱数が大当B対応乱数であった場合(S18:NO)、続くS22で大当B対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行する。
【0058】
S20では具体的には、主制御基板50が演出制御基板51に対し大当A対応乱数に対応した大当演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始後所定時間経過したときに、大当A対応乱数とともに別途抽選した大当Aに対応した特別図柄を停止表示する演出などを実行する。そして、S3の処理を実行し、本入賞処理を終了する。
【0059】
S22では具体的には、主制御基板50が演出制御基板51に対し大当B対応乱数に対応した大当演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、
特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始後所定時間経過したときに、「777」の特別図柄を停止表示する演出などを実行する。そして、S5の処理を実行し、本入賞処理を終了する。
【0060】
[大当処理A]
次に、主制御基板50で実行される大当処理Aについて図6を用いて説明する。
この大当処理Aは、第1大入賞口16を5ラウンド(5回)開口する処理を実行する。
【0061】
この大当処理A(S3)が開始されると、まず、S31に示すように、主制御基板50内で、第1大入賞口16の開閉回数Xとして、「1」をセットする処理が実行され、S32の処理が実行される。
【0062】
S32では、第1大入賞口16を開口するため、第1大入賞口ソレノイド59を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
S33では、S32で第1大入賞口16を開口させてから30秒経過したか、又は、遊技球が第1大入賞口16に10個入賞したかを判定する。
【0063】
計時は主制御基板50で実行され、また第1大入賞口16に入賞した遊技球の計数は、第1大入賞口16に遊技球が一つ入賞すると、第1カウントスイッチ55が盤用中継端子板53に入賞を知らせる信号を出力するので、この信号を盤用中継端子板53から受けて行う。
【0064】
この判定(S33)は、計時・計数のいずれかの条件を満たすまで実行され(S33:YES)、いずれかの条件を満たすと(S33:YES)、次にS34の処理が実行される。
【0065】
S34では、第1大入賞口16を閉じるため、第1大入賞口ソレノイド59を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
続くS35では、第1大入賞口16の開閉回数Xとして、「X+1」をセットする処理が実行され、S36の処理が実行される。
【0066】
S36では、第1大入賞口16の開閉回数Xが「5」となったか判定する処理が実行され、開閉回数Xが「5」になっていたら(S36:YES)、この大当処理A(S3)を終了し、入賞処理に移行する。
【0067】
一方、開閉回数Xが「5」になっていなかったら(S36:NO)、再びS32以下の処理を実行する。
[大当処理B]
次に、主制御基板50で実行される大当処理Bについて図7を用いて説明する。
【0068】
この大当処理Bは、第2大入賞口17を15ラウンド(15回)開口する処理を実行する。
この大当処理B(S5)が開始されると、まず、S51に示すように、主制御基板50内で、第2大入賞口17の開閉回数Yとして、「1」をセットする処理が実行され、S52の処理が実行される。
【0069】
S52では、第2大入賞口17を開口するため、第2大入賞口ソレノイド60を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
S53では、S52で第2大入賞口17を開口させてから30秒経過したか、又は、遊技球が第2大入賞口17に10個入賞したかを判定する。
【0070】
計時は主制御基板50で実行され、また第2大入賞口17に入賞した遊技球の計数は、第2大入賞口17に遊技球が一つ入賞すると、第1カウントスイッチ55が盤用中継端子板53に入賞を知らせる信号を出力するので、この信号を盤用中継端子板53から受けて行う。
【0071】
この判定(S53)は、計時・計数のいずれかの条件を満たすまで実行され(S53:YES)、いずれかの条件を満たすと(S53:YES)、次にS54の処理が実行される。
【0072】
S54では、第2大入賞口17を閉じるため、第2大入賞口ソレノイド60を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
続くS55では、第2大入賞口17の開閉回数Yとして、「Y+1」をセットする処理が実行され、S56の処理が実行される。
【0073】
S56では、第2大入賞口17の開閉回数Yが「15」となったか判定する処理が実行され、開閉回数Yが「15」になっていたら(S56:YES)、本大当処理B(S5)を終了し、入賞処理に移行する。
【0074】
一方、開閉回数Yが「15」になっていなかったら(S56:NO)、再びS52以下の処理を実行する。
[打分検出処理]
次に、演出制御基板51で実行される打分検出処理について、図8〜図12を用いて説明する。
【0075】
この打分検出処理は、遊技機1の電源が投入され、電源が切られるまで繰り返し実行される処理である。
この打分検出処理が開始されると、図8に示すように、まずS70の処理が実行される。
【0076】
S70では、左打ち中か否かを判定する処理が実行される。
この左打ち中とは、本実施形態の遊技機1では、大当処理Aが実行され、第1大入賞口16が開口している場合や、大当処理AもBも実行されていないいわゆる通常中等に、始動入賞口15を狙って遊技球を打ち込む場合、遊技面10の中央より左側を狙って打つと、始動入賞口15や第1大入賞口16に入りやすくなるので、左側を狙って遊技球を打ち出したほうがよい状態であることを示している。
【0077】
一方、後述する右打ち中とは、本実施形態の遊技機1では、大当処理Bが実行され、第2大入賞口17が開口している場合、遊技面10の中央より右側を狙って打たないと第2大入賞口17に遊技球が入らない状態であることを示している。
【0078】
本実施形態では、主制御基板50が大当処理Bを開始するときと終了するときに、それぞれ開始情報と終了情報を演出制御基板51に出力するので、このS70では、具体的には、この開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内でないか否かを判定する処理が実行される。
【0079】
このS70の処理で、左打ち中である、すなわち、開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内でないと判定されると(S70:YES)、S71が実行され、右打ち中である、すなわち、開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内であると判定されると(S70:NO)、S72が実行される。
【0080】
S71では、左打ちが行われているか判定する処理が実行される。
具体的には、液晶表示装置3を制御し、遊技面10を撮影した画像の画像信号として液晶表示装置3から演出制御基板51に読み取り信号を入力する処理が実施され、その画像信号から、遊技球が遊技面10の中央より左側に存在する数が、右側に存在する数よりも多いか否かを判定する処理が実行される。
【0081】
この判定は、具体的には、液晶表示装置3を用いて、遊技球が発射されていないときに、遊技面10上に設置された設置物(釘や風車13等)のみが撮影された画像をストックしておき、このストックされた画像と、S71で撮影された画像とを比較して、相違点、すなわち、設置物と遊技球とを区別して遊技球を検出し、その相違点がいくつあるかを計数することにより行っても良い。
【0082】
本実施形態では、遊技面10の中央よりも右側に遊技球が存在する数が1であるのに対し、左側に10個以上存在したら左打ちが行われていると判定され、左側に存在する遊技球が9個以下だと左打ちが行われていないと判定される。
【0083】
このS71の判定で、左打ちが行われていると判定されると(S71:YES)、S73にて第3報知を行う処理が実行され、左打ちが行われていないと判定されると(S71:NO)、S74にて第4報知を行う処理が実行される。
【0084】
S73では、具体的には、図9に示すように、「そのまま左打ち→」という表示が、遊技面10の表示領域10a内であって、表示領域の10aから見て左側の左下に向かって傾斜している遮蔽物18に沿って表示する処理が実行される。
【0085】
S74では、具体的には、図10に示すように、「左を狙ってください」という表示が、遊技面10中の下部に表示する処理が実行される。
次に、S72の処理について説明する。
【0086】
S72では、右打ちが行われているか判定する処理が実行される。
具体的には、S71と同様、液晶表示装置3を制御し、遊技面10を撮影した画像の画像信号として液晶表示装置3から演出制御基板51に読み取り信号を入力する処理が実施され、その画像信号から、遊技球が遊技面10の中央より右側に存在する数が、左側に存在する数よりも多いか否かを判定する処理が実行される。
【0087】
本実施形態では、遊技面10の中央よりも左側に遊技球が存在する数が1であるのに対し、右側に5個以上存在したら右打ちが行われていると判定され、右側に存在する遊技球が4個以下だと右打ちが行われていないと判定される。
【0088】
このS72の判定で、右打ちが行われていると判定されると(S72:YES)、S75にて第2報知を行う処理が実行され、右打ちが行われていないと判定されると(S72:NO)、S76にて第1報知を行う処理が実行される。
【0089】
S75では、具体的には、図11に示すように、「そのまま右打ち→」という表示が、遊技面10の表示領域10a内であって、表示領域の10aから見て右側の右下に向かって傾斜している遮蔽物18に沿って表示する処理が実行される。
【0090】
S76では、具体的には、図12に示すように、第2大入賞口17に向かって矢印を表示するとともに、「右を狙ってください」という表示を、遊技面10中に表示する処理が実行される。
【0091】
そして、S73〜S76の処理が終了すると、再びS70以下の処理が繰り返し実行される。
[本実施形態の特徴的な作用効果]
以上説明した遊技機1は、以下のような特徴的な作用効果を発揮する。
【0092】
本実施形態の遊技機1は、遊技面10が、光センサを組み込んだ液晶表示装置3の表面上に形成されており、この光センサを用いて遊技面10に打ち出された遊技球を検出することによって、遊技球がどのように打ち分けられているかを判定し、その判定の結果を報知(S73〜S76)している。
【0093】
そのため、従来の遊技機では、ある一定の箇所を通らないと打ち分けを判定出来ないのに対し、本実施形態の遊技機1では、遊技球を遊技面上にどのように打ち出しても、遊技球の打ち分けを適切に判定することができる。
【0094】
従って、本実施形態の遊技機1を用いると、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることを確実に防止することができる。
また、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利となる打ち分けが行われているか判定し(S71,S72)、有利となる打ち分けが行われていない場合、報知している(S73,S75)。
【0095】
また、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利とならない打ち分けが行われているか判定し(S71,S72)、有利とならない打ち分けが行われている場合、報知している(S74,S76)。
【0096】
そのため、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利な状態を案内してくれるので、初心者でも遊技が行い易い。
(本実施形態と本発明の対応関係)
本実施形態の液晶表示装置3は本発明の表示部に相当し、S71、S72の処理が打分判定手段に相当し、S73〜S76の処理が報知手段に相当する。
【0097】
本実施形態の右打ちまたは左打ちは本発明の有利打分に相当する。
[他の実施形態]
上記実施形態では、S71の判定で、左打ちが行われているか否かの判断を、遊技面10の右側に遊技球が1個あるのに対し、左側に遊技球が10個以上あるか否かを判定していたが、この数に限られるものではない。
【0098】
例えば単に、遊技面10の中央より左側に位置する遊技球の数が、右側に位置する遊技球の数よりも多いか否かで判定し、左側に位置する遊技球の数が多い場合にS73の処理、右側が多い場合にS74の処理を実行するようにしてもよい。
【0099】
あるいは、左打ちを行わなければならない状況において、遊技面10の中央より右側に一定個数以上遊技球があった場合、左打ちが行われておらず、遊技球の数が一定個数未満である場合、左打ちが行われていると判定してもよい。
【0100】
あるいは、一定時間遊技球の検出を継続し、その一定時間内に検出された遊技球の数が遊技面10の中央より左側に位置する遊技球の数が、右側に位置する遊技球の数よりも多い場合に、左打ちが行われていると判定し(S71:YES)、少ない場合に、左打ちが行われていないと判定してもよい(S71:NO)。
【0101】
また、上記実施形態では、S72の判定で、右打ちが行われているか否かの判断を、遊技面10の左側に遊技球が1個あるのに対し、右側に遊技球が10個以上あるか否かを判定していたが、この数に限られるものではない。
【0102】
例えば単に、遊技面10の中央より右側に位置する遊技球の数が、左側に位置する遊技球の数よりも多いか否かで判定し、右側に位置する遊技球の数が多い場合にS75の処理、左側が多い場合にS76の処理を実行するようにしてもよい。
【0103】
あるいは、右打ちを行わなければならない状況において、遊技面10の中央より左側に一定個数以上遊技球があった場合、右打ちが行われておらず、遊技球の数が一定個数未満である場合、右打ちが行われていると判定してもよい。
【0104】
あるいは、一定時間遊技球の検出を継続し、その一定時間内に検出された遊技球の数が遊技面10の中央より右側に位置する遊技球の数が、左側に位置する遊技球の数よりも多い場合に、右打ちが行われていると判定し(S72:YES)、少ない場合に、右打ちが行われていないと判定してもよい(S72:NO)。
【0105】
尚、上記実施形態では、S73〜S76において行われる報知として、遊技面10上に文字表示を行う例について説明したが、この文字表示とともに、同内容の音声をスピーカから出力してもよいし、ランプ等を用いて報知を行ってもよいことはもちろんである。
【0106】
上記実施形態では、大当処理Bが実行されているかときに打分検出処理を実行しているが、上述した大当処理Aにおいて時短処理がなされているときも、普通図柄作動ゲート14を狙って遊技球が打ち出される、いわゆる右打ちが行われるので、この大当処理Aが実行されているときにも、打分検出処理を実行してもよい。
【0107】
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0108】
1…遊技機、3…液晶表示装置、10…遊技面、10a…表示領域、10b…遊技領域、10x…基礎板、10y…樹脂板、11…打球誘導レール、12…遊技領域形成レール、14…普通図柄作動ゲート、15…始動入賞口、15a…チューリップ、16…第1大入賞口、17…第2大入賞口、18…レール、19…回収口、30…画像表示領域、30a…画素、32…額縁部、34…光センサ駆動回路、36…液晶ソースドライバ、
50…主制御基板、51…演出制御基板、52…その他演出装置、53…盤用中継端子板、54…普通図柄作動ゲートスイッチ、55…第1カウントスイッチ、56…第2カウントスイッチ、57…始動入賞口スイッチ、58…始動入賞口ソレノイド、59…第1大入賞口ソレノイド、60…第2大入賞口ソレノイド、90…外枠、91…内枠、92…ガラス扉枠、92a…ガラス、93…皿ユニット、94…遊技効果ランプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技盤に設定された遊技面の中央から見て右側に設置された大入賞口が開口したとき、その大入賞口をねらって遊技球を遊技面に打ち込む、いわゆる右打ちが行われているか検出する機能を備えた遊技機がある。
【0003】
この検出を行うため、遊技機100は、図13に示すように、遊技面102に打ち出され、レール101によって導かれた遊技球を止めるストッパー104の背面に、ストッパー104に遊技球が当たったか否かを検出するセンサ105を備えている。
【0004】
そして、この遊技機100では、右打ちのイベントが発生しているときに、ストッパー104に遊技球が当たるとセンサ105がこれを検知し、センサ105によりストッパー104に遊技球が当たっていないことを検出すると、右打ちを行うよう警報装置を用いて報知している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−68137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、遊技者によっては、ストッパー104に遊技球を当てずに右打ちをする場合もあり、ストッパー104に遊技球が当たったか否かで右打ちが行われたか否かを判断しても、右打ちが行われているか否かを正確に判断することはできなかった。
【0007】
そのため、遊技者からすると右打ちを行っているのに、右打ちが行われていないことを報知する警告がなされることがあるので、不快な思いをさせるという問題があった。
また逆に、左打ちを行わねばならない場合も同様の問題が発生することがあった。
【0008】
そこで本発明では、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることのない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した問題を解決するためになされた発明である請求項1に記載の遊技機は、遊技面上に打ち出される遊技球の打ち分けが必要な遊技機において、遊技球を検出する光センサが組み込まれた表示部の表面上に形成された遊技面と、前記遊技面上の遊技球を前記光センサで検出して、前記遊技面に打ち出されている遊技球の打ち分け状態を判定する打分判定手段と、前記打分判定手段により、遊技球の打ち分け状態を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の遊技機は、遊技面が、光センサを組み込んだ表示部の表面上に形成されており、この光センサを用いて遊技面に打ち出された遊技球を検出することによって、遊技球がどのように打ち分けられているかを判定し、その判定の結果を報知している。
【0011】
そのため、従来の遊技機では、ある一定の箇所を通らないと打ち分けを判定出来ないの
に対し、本発明の遊技機では、遊技球を遊技面上にどのように打ち出しても、遊技球の打ち分けを適切に判定することができる。
【0012】
従って、本発明の遊技機を用いると、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることを確実に防止することができる。
次に、請求項2に記載した遊技機のように、打分判定手段は、遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われていないか判定し、報知手段は、有利打分が行われていない場合、報知するようにしてもよい。
【0013】
例えば、なんらかの当り状態が発生し、有利打分として、いわゆる右打ちあるいは左打ち等を行ったほうが遊技者にとって有利であるとき、この有利な打分が行われていない場合、報知手段は、有利な打分が行われていないことを報知するようにするとよい。
【0014】
具体的には、右打ちをすると遊技者に有利な遊技状態において、右打ちが行われていないと判定されたとき、「右を狙ってください」等の表示を行ってもよいし、右打ちを行って狙うべき場所を指し示す表示「ココを狙え!」等の表示を行ってもよい。
【0015】
尚、請求項3に記載した遊技機のように、打分判定手段は、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定するようにしてもよいし、請求項4に記載したように、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定するようにしてもよい。
【0016】
次に、請求項2では、有利打分が行われていないときに報知したが、請求項5に記載したように、打分判定手段は、遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われているか判定し、報知手段は、有利打分が行われている場合、報知するようにしてもよいことはもちろんである。
【0017】
例えば、なんらかの当り状態が発生し、有利打分として、いわゆる右打ちあるいは左打ち等を行ったほうが遊技者にとって有利であるとき、この有利な打分が行われている場合、報知手段は、有利な打分が行われていることを文字表示等により報知するようにするとよい。
【0018】
具体的には、右打ちをしなければいけない遊技状態において、右打ちが行われていると判定されたとき、「そのまま右打ち」等の表示を行ってもよいし、右打ちを行って狙うべき場所を指し示す表示「引き続き狙え!」等の表示を行ってもよい。
【0019】
尚、請求項6に記載した遊技機のように、打分判定手段は、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定するようにしてもよいし、請求項7に記載したように、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定するようにしてもよい。
【0020】
次に、請求項8に記載したように、請求項1〜7の発明で行われる報知は、遊技面の表示部に表示して行うとよいが、これ以外にも、スピーカやランプをも使って、音や光により報知を行ってもよいことはもちろんである。
【0021】
尚、遊技球の検出は、具体的には、請求項9に記載したように、打分判定手段が、光センサを用いて遊技面を撮影し、この撮影された遊技面上の遊技球を、遊技面上に設置された設置物と区別することで行ってもよい。この場合、請求項10に記載したように、光センサは、表示部を構成する各画素毎に設けられたものを用いると、遊技球の検出を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の遊技機1の斜視図である。
【図2】本実施形態の遊技機1の正面図で、ガラス92aを介して遊技面10が視認できる様子を示している。
【図3】遊技面を構成する表示部材3の説明図で、(a)は図2のA−A’断面図、(b)は、液晶表示装置3の構成を説明する説明図である。
【図4】遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】入賞処理のフローチャートである。
【図6】大当処理Aのフローチャートである。
【図7】大当処理Bのフローチャートである。
【図8】打分検出処理のフローチャートである。
【図9】第3報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図10】第4報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図11】第1報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図12】第2報知が行われている遊技機1の正面図である。
【図13】従来の遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明が適用された実施形態について説明する。
[外枠及び内枠]
本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠90と、この外枠90に取り付けられた内枠91とから構成されている。
【0024】
内枠91には、ガラス92aが嵌め込まれたガラス扉枠92、このガラス扉枠92の下部に設けられた皿ユニット93、及び、このガラス扉枠92の上部に設けられ、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ94を備えている。
【0025】
そして、内枠91の裏面(外枠90に対して閉じる側)には、遊技者にパチンコ遊技を提供する図示しない遊技盤が着脱可能に設置され、この遊技盤の遊技面がガラス92aを介して、内枠91の表面側に位置する遊技者から視認できるように構成されている。
【0026】
[遊技盤]
本実施形態の遊技機1の遊技面10には、図2に示すように、特別図柄の変動表示や、普通図柄の変動表示、保留球の表示などを主に行う表示領域10aと、複数の釘や、打球誘導レール11、遊技領域形成レール12、風車13等が設けられた遊技領域10bとが形成されている。
【0027】
このうち遊技領域10bには、釘等の他にも、普通図柄作動ゲート14、始動入賞口15、第1大入賞口16、第2大入賞口17が設けられている。
また遊技面10には、表示領域10aと遊技領域10bとの境界部分であって、内枠91の表面側に位置する遊技者から見て表示領域10aの左右及び上部を囲う位置に、遮蔽物18が設けられている。
【0028】
このうち、第1大入賞口16は、遊技面10の最下部に設けられ、遊技領域10bに打ち出されたものの始動入賞口15等の入賞口に入賞しなかった遊技球を回収する回収口19の直上に設けられ、始動入賞口15は、この第1大入賞口16の直上に設けられる。
【0029】
また、遊技領域10bに打ち出された遊技球は、遮蔽物18によって左右に分けられて下方に向かって釘等に当りながら落下するが、第2大入賞口17は、左右に分けられた遊
技球が落下するルートのうち、右側のルート側であって、遮蔽物18の右下端の近傍に設けられ、普通図柄作動ゲート14は、第2大入賞口17から所定距離離れた上方に配置される。
【0030】
[遊技面]
次に、遊技面10の構成について図3を用いて説明する。
この遊技面10は、図3(a)に示すように、基礎板10xの表面に、光センサが組み込まれた液晶表示装置3が積層され、その上に透明の樹脂板10yが積層された構造となっている。
【0031】
このうち液晶表示装置3は、図3(b)に示すように、画像を表示可能な画像表示領域30と、それを囲む額縁部32とから構成される。額縁部32は、遊技面10の外縁部分であって、遊技者から見えない部分に設けられている。
【0032】
画像表示領域30の表面には、画素30aが規則正しく(マトリックス状に)配列している。また、画素30aはそれぞれ、フォトダイオードを用いる光センサ(図示略)を内蔵している。額縁部32には、上述した光センサを駆動する光センサ駆動回路34、液晶ソースドライバ36、液晶ゲートドライバ38等が設けられている。
【0033】
液晶表示装置3は、後述する演出制御基板から入力する表示信号に基づき、画像表示領域30に、所定の画像を表示することができる。
また、液晶表示装置3は、各画素30aに内蔵された光センサにより、遊技面10上を撮像することができる。すなわち、遊技面10から見て、正面方向(遊技者がいる方向)の画像を撮像することができる。
【0034】
液晶表示装置3が画像を撮像できる範囲は、遊技面10の全面にわたる。撮像した画像の信号(読み取り信号)は、演出制御基板へ出力することができる。
なお、上記の液晶表示装置3は、例えば、シャープ株式会社等が販売している。
【0035】
[内部構成]
次に、本実施形態の遊技機1の内部構成について、図4を用いて説明する。
本実施形態の遊技機1は、以下に示すものの他に様々な構成を内部構成として備えているが、以下では、本実施形態の説明に必要なもののみを示している。
【0036】
本実施形態の遊技機1は、図4に示すように、主制御基板50と、演出制御基板51、液晶表示装置3、その他演出装置52、盤用中継端子板53、普通図柄作動ゲートスイッチ54、第1カウントスイッチ55、第2カウントスイッチ56、始動入賞口スイッチ57、始動入賞口ソレノイド58、第1大入賞口ソレノイド59、第2大入賞口ソレノイド60を内部構成として備えている。
【0037】
主制御基板50は、遊技機1全体を制御する図示しないCPU、ROM、RAM等を備えた制御基板であり、後述する入賞処理、大当処理A、大当処理Bを実行する。
演出制御基板51は、主制御基板50からの指示を受けて液晶表示装置3やその他演出装置52を制御し、表示領域10a(図2参照)に対して特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、保留球の表示を行うための制御や、後述する打分検出処理に伴う各種表示の制御を行う、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えた制御基板である。
【0038】
また、その他演出装置52としては、遊技面10の周囲に配置されたランプやスピーカを備えているが、この演出制御基板51は、これらを制御して、各種演出に伴う楽音やランプの点滅等の制御を行う。
【0039】
盤用中継端子板53は、主制御基板50と通信するとともに、普通図柄作動ゲートスイッチ54、第1カウントスイッチ55、第2カウントスイッチ56、始動入賞口スイッチ57、から各種検出信号を入力した信号を中継して主制御基板50に出力し、主制御基板50の制御に基づいて入力した始動入賞口ソレノイド58、第1大入賞口ソレノイド59、第2大入賞口ソレノイド60を駆動する駆動信号を中継して、各ソレノイドにこれら駆動信号を出力する基板である。
【0040】
このうち、普通図柄作動ゲートスイッチ54は、普通図柄作動ゲート14(図2参照)の遊技球の通過の有無を検出するスイッチである。普通図柄作動ゲートスイッチ54は、遊技球が普通図柄作動ゲート14を通過したことを検出すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に中継する。
【0041】
第1カウントスイッチ55は、第1大入賞口16に入賞した遊技球をカウントするセンサで、遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0042】
第2カウントスイッチ56は、第2大入賞口17に入賞した遊技球をカウントするセンサで、遊技球が第2大入賞口17に入賞すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0043】
始動入賞口スイッチ57は、始動入賞口15への遊技球の入賞の有無を検出するスイッチである。始動入賞口スイッチ57は、遊技球の始動入賞口15への入普を検出すると、その検出信号を盤用中継端子板53に出力し、さらに盤用中継端子板53が主制御基板50に出力する。
【0044】
始動入賞口ソレノイド58は、チューリップ型の可動物15aである始動入賞口15の開口を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、可動物15aを開閉させる。
【0045】
第1大入賞口ソレノイド59は、第1大入賞口16を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、第1大入賞口16を開閉させる。
【0046】
第2大入賞口ソレノイド60は、第2大入賞口17を開閉するもので、主制御基板50から盤用中継端子板53を介して、駆動信号を受信すると、その受信した駆動信号に従って、第2大入賞口17を開閉させる。
【0047】
[入賞処理]
次に、主制御基板50で実行される入賞処理について図5を用いて説明する。
この入賞処理は、遊技機1に電源が投入され、電源が切られるまで繰り返し実行される処理である。
【0048】
この入賞処理が開始されると、まずS10の処理が実行される。
S10では、始動入賞口15に遊技球が入賞したかを判定する処理を実行する。具体的には、始動入賞口スイッチ57が遊技球を検出し、その検出信号が盤用中継端子板53から主制御基板50に入力されたか否かにより判定を行っている。
【0049】
この判定により、始動入賞口15に遊技球が入賞したと判定された場合は(S10:YES)、S12が実行され、入賞していない場合は、待機する処理が実行される(S10
:NO)。
【0050】
S12では、始動入賞口15に遊技球が入賞したタイミングに応じ、ハズレ対応乱数、大当A対応乱数、大当B対応乱数からなる所定数の乱数の中から一つの乱数をランダムに抽出する処理が実行される。
【0051】
大当Aには2種類あり、一つは、再び入賞処理が実行されるとき、大当Bと同様に、S12において大当A対応乱数や大当B対応乱数が抽出される確率を上昇させる、いわゆる確率変動(本実施形態の場合、1/300から1/30とする)と、普通図柄作動ゲート14を遊技球が通過したとき実行される普通図柄の抽選の大当り確率を上昇させ、単位時間あたりの可動物15aの開く回数を多くする、いわゆる時短の両方を実行するタイプA1と、時短のみを実行するタイプA2とがある。
【0052】
そのため、ハズレ対応乱数または大当A対応乱数が抽選された場合、後述する特別図柄の変動表示後に停止表示する特別図柄を抽選する処理も実行される。大当A対応乱数が抽選された場合、タイプA1の場合、「111」「333」「555」「999」のいずれかが抽選され、タイプA2の場合、「222」「444」「666」「888」のいずれかが抽選される。
【0053】
このS12が実行されると、抽選した乱数の種類と、乱数が大当A対応乱数の場合、特別図柄の変動表示後に表示される特別図柄の種類と、確率変動と時短が実行される場合に、これらを実行することを示すフラグが主制御基板50内に記憶される。
【0054】
そして、S12の処理の後、S14の処理が実行される。
S14では、S12で抽出された乱数がハズレ対応乱数か否かを判定する処理が実行され、ハズレ対応乱数であった場合(S14:YES)、続くS16でハズレ対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行する。
【0055】
具体的には、主制御基板50は演出制御基板51に対しハズレ演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始してから所定時間経過したときに、ハズレ対応乱数とともに別途抽選したハズレの組合せの特別図柄を停止表示する演出などを実行する。
【0056】
一方、S12で抽出された乱数がハズレ対応乱数以外の乱数である場合(S14:NO)、次のS18では、S12で抽出された乱数が、大当A対応乱数か否かを判定する処理を実行する。
【0057】
このS18の処理で、S12で抽出された乱数が大当A対応乱数であった場合(S18:YES)、続くS20で大当A対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行し、S12で抽出された乱数が大当B対応乱数であった場合(S18:NO)、続くS22で大当B対応乱数に対応した演出を表示領域10a等で行う処理を実行する。
【0058】
S20では具体的には、主制御基板50が演出制御基板51に対し大当A対応乱数に対応した大当演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始後所定時間経過したときに、大当A対応乱数とともに別途抽選した大当Aに対応した特別図柄を停止表示する演出などを実行する。そして、S3の処理を実行し、本入賞処理を終了する。
【0059】
S22では具体的には、主制御基板50が演出制御基板51に対し大当B対応乱数に対応した大当演出を実行するよう指示を出し、演出制御基板51は、表示領域10a上で、
特別図柄が変動する様子を表示し、この変動表示の開始後所定時間経過したときに、「777」の特別図柄を停止表示する演出などを実行する。そして、S5の処理を実行し、本入賞処理を終了する。
【0060】
[大当処理A]
次に、主制御基板50で実行される大当処理Aについて図6を用いて説明する。
この大当処理Aは、第1大入賞口16を5ラウンド(5回)開口する処理を実行する。
【0061】
この大当処理A(S3)が開始されると、まず、S31に示すように、主制御基板50内で、第1大入賞口16の開閉回数Xとして、「1」をセットする処理が実行され、S32の処理が実行される。
【0062】
S32では、第1大入賞口16を開口するため、第1大入賞口ソレノイド59を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
S33では、S32で第1大入賞口16を開口させてから30秒経過したか、又は、遊技球が第1大入賞口16に10個入賞したかを判定する。
【0063】
計時は主制御基板50で実行され、また第1大入賞口16に入賞した遊技球の計数は、第1大入賞口16に遊技球が一つ入賞すると、第1カウントスイッチ55が盤用中継端子板53に入賞を知らせる信号を出力するので、この信号を盤用中継端子板53から受けて行う。
【0064】
この判定(S33)は、計時・計数のいずれかの条件を満たすまで実行され(S33:YES)、いずれかの条件を満たすと(S33:YES)、次にS34の処理が実行される。
【0065】
S34では、第1大入賞口16を閉じるため、第1大入賞口ソレノイド59を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
続くS35では、第1大入賞口16の開閉回数Xとして、「X+1」をセットする処理が実行され、S36の処理が実行される。
【0066】
S36では、第1大入賞口16の開閉回数Xが「5」となったか判定する処理が実行され、開閉回数Xが「5」になっていたら(S36:YES)、この大当処理A(S3)を終了し、入賞処理に移行する。
【0067】
一方、開閉回数Xが「5」になっていなかったら(S36:NO)、再びS32以下の処理を実行する。
[大当処理B]
次に、主制御基板50で実行される大当処理Bについて図7を用いて説明する。
【0068】
この大当処理Bは、第2大入賞口17を15ラウンド(15回)開口する処理を実行する。
この大当処理B(S5)が開始されると、まず、S51に示すように、主制御基板50内で、第2大入賞口17の開閉回数Yとして、「1」をセットする処理が実行され、S52の処理が実行される。
【0069】
S52では、第2大入賞口17を開口するため、第2大入賞口ソレノイド60を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
S53では、S52で第2大入賞口17を開口させてから30秒経過したか、又は、遊技球が第2大入賞口17に10個入賞したかを判定する。
【0070】
計時は主制御基板50で実行され、また第2大入賞口17に入賞した遊技球の計数は、第2大入賞口17に遊技球が一つ入賞すると、第1カウントスイッチ55が盤用中継端子板53に入賞を知らせる信号を出力するので、この信号を盤用中継端子板53から受けて行う。
【0071】
この判定(S53)は、計時・計数のいずれかの条件を満たすまで実行され(S53:YES)、いずれかの条件を満たすと(S53:YES)、次にS54の処理が実行される。
【0072】
S54では、第2大入賞口17を閉じるため、第2大入賞口ソレノイド60を駆動させる指示信号が盤用中継端子板53に送信される。
続くS55では、第2大入賞口17の開閉回数Yとして、「Y+1」をセットする処理が実行され、S56の処理が実行される。
【0073】
S56では、第2大入賞口17の開閉回数Yが「15」となったか判定する処理が実行され、開閉回数Yが「15」になっていたら(S56:YES)、本大当処理B(S5)を終了し、入賞処理に移行する。
【0074】
一方、開閉回数Yが「15」になっていなかったら(S56:NO)、再びS52以下の処理を実行する。
[打分検出処理]
次に、演出制御基板51で実行される打分検出処理について、図8〜図12を用いて説明する。
【0075】
この打分検出処理は、遊技機1の電源が投入され、電源が切られるまで繰り返し実行される処理である。
この打分検出処理が開始されると、図8に示すように、まずS70の処理が実行される。
【0076】
S70では、左打ち中か否かを判定する処理が実行される。
この左打ち中とは、本実施形態の遊技機1では、大当処理Aが実行され、第1大入賞口16が開口している場合や、大当処理AもBも実行されていないいわゆる通常中等に、始動入賞口15を狙って遊技球を打ち込む場合、遊技面10の中央より左側を狙って打つと、始動入賞口15や第1大入賞口16に入りやすくなるので、左側を狙って遊技球を打ち出したほうがよい状態であることを示している。
【0077】
一方、後述する右打ち中とは、本実施形態の遊技機1では、大当処理Bが実行され、第2大入賞口17が開口している場合、遊技面10の中央より右側を狙って打たないと第2大入賞口17に遊技球が入らない状態であることを示している。
【0078】
本実施形態では、主制御基板50が大当処理Bを開始するときと終了するときに、それぞれ開始情報と終了情報を演出制御基板51に出力するので、このS70では、具体的には、この開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内でないか否かを判定する処理が実行される。
【0079】
このS70の処理で、左打ち中である、すなわち、開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内でないと判定されると(S70:YES)、S71が実行され、右打ち中である、すなわち、開始情報が入力されてから終了情報が入力されるまでの期間内であると判定されると(S70:NO)、S72が実行される。
【0080】
S71では、左打ちが行われているか判定する処理が実行される。
具体的には、液晶表示装置3を制御し、遊技面10を撮影した画像の画像信号として液晶表示装置3から演出制御基板51に読み取り信号を入力する処理が実施され、その画像信号から、遊技球が遊技面10の中央より左側に存在する数が、右側に存在する数よりも多いか否かを判定する処理が実行される。
【0081】
この判定は、具体的には、液晶表示装置3を用いて、遊技球が発射されていないときに、遊技面10上に設置された設置物(釘や風車13等)のみが撮影された画像をストックしておき、このストックされた画像と、S71で撮影された画像とを比較して、相違点、すなわち、設置物と遊技球とを区別して遊技球を検出し、その相違点がいくつあるかを計数することにより行っても良い。
【0082】
本実施形態では、遊技面10の中央よりも右側に遊技球が存在する数が1であるのに対し、左側に10個以上存在したら左打ちが行われていると判定され、左側に存在する遊技球が9個以下だと左打ちが行われていないと判定される。
【0083】
このS71の判定で、左打ちが行われていると判定されると(S71:YES)、S73にて第3報知を行う処理が実行され、左打ちが行われていないと判定されると(S71:NO)、S74にて第4報知を行う処理が実行される。
【0084】
S73では、具体的には、図9に示すように、「そのまま左打ち→」という表示が、遊技面10の表示領域10a内であって、表示領域の10aから見て左側の左下に向かって傾斜している遮蔽物18に沿って表示する処理が実行される。
【0085】
S74では、具体的には、図10に示すように、「左を狙ってください」という表示が、遊技面10中の下部に表示する処理が実行される。
次に、S72の処理について説明する。
【0086】
S72では、右打ちが行われているか判定する処理が実行される。
具体的には、S71と同様、液晶表示装置3を制御し、遊技面10を撮影した画像の画像信号として液晶表示装置3から演出制御基板51に読み取り信号を入力する処理が実施され、その画像信号から、遊技球が遊技面10の中央より右側に存在する数が、左側に存在する数よりも多いか否かを判定する処理が実行される。
【0087】
本実施形態では、遊技面10の中央よりも左側に遊技球が存在する数が1であるのに対し、右側に5個以上存在したら右打ちが行われていると判定され、右側に存在する遊技球が4個以下だと右打ちが行われていないと判定される。
【0088】
このS72の判定で、右打ちが行われていると判定されると(S72:YES)、S75にて第2報知を行う処理が実行され、右打ちが行われていないと判定されると(S72:NO)、S76にて第1報知を行う処理が実行される。
【0089】
S75では、具体的には、図11に示すように、「そのまま右打ち→」という表示が、遊技面10の表示領域10a内であって、表示領域の10aから見て右側の右下に向かって傾斜している遮蔽物18に沿って表示する処理が実行される。
【0090】
S76では、具体的には、図12に示すように、第2大入賞口17に向かって矢印を表示するとともに、「右を狙ってください」という表示を、遊技面10中に表示する処理が実行される。
【0091】
そして、S73〜S76の処理が終了すると、再びS70以下の処理が繰り返し実行される。
[本実施形態の特徴的な作用効果]
以上説明した遊技機1は、以下のような特徴的な作用効果を発揮する。
【0092】
本実施形態の遊技機1は、遊技面10が、光センサを組み込んだ液晶表示装置3の表面上に形成されており、この光センサを用いて遊技面10に打ち出された遊技球を検出することによって、遊技球がどのように打ち分けられているかを判定し、その判定の結果を報知(S73〜S76)している。
【0093】
そのため、従来の遊技機では、ある一定の箇所を通らないと打ち分けを判定出来ないのに対し、本実施形態の遊技機1では、遊技球を遊技面上にどのように打ち出しても、遊技球の打ち分けを適切に判定することができる。
【0094】
従って、本実施形態の遊技機1を用いると、打ち分けに対する不適切な判定によって遊技者に不快な思いをさせることを確実に防止することができる。
また、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利となる打ち分けが行われているか判定し(S71,S72)、有利となる打ち分けが行われていない場合、報知している(S73,S75)。
【0095】
また、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利とならない打ち分けが行われているか判定し(S71,S72)、有利とならない打ち分けが行われている場合、報知している(S74,S76)。
【0096】
そのため、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利な状態を案内してくれるので、初心者でも遊技が行い易い。
(本実施形態と本発明の対応関係)
本実施形態の液晶表示装置3は本発明の表示部に相当し、S71、S72の処理が打分判定手段に相当し、S73〜S76の処理が報知手段に相当する。
【0097】
本実施形態の右打ちまたは左打ちは本発明の有利打分に相当する。
[他の実施形態]
上記実施形態では、S71の判定で、左打ちが行われているか否かの判断を、遊技面10の右側に遊技球が1個あるのに対し、左側に遊技球が10個以上あるか否かを判定していたが、この数に限られるものではない。
【0098】
例えば単に、遊技面10の中央より左側に位置する遊技球の数が、右側に位置する遊技球の数よりも多いか否かで判定し、左側に位置する遊技球の数が多い場合にS73の処理、右側が多い場合にS74の処理を実行するようにしてもよい。
【0099】
あるいは、左打ちを行わなければならない状況において、遊技面10の中央より右側に一定個数以上遊技球があった場合、左打ちが行われておらず、遊技球の数が一定個数未満である場合、左打ちが行われていると判定してもよい。
【0100】
あるいは、一定時間遊技球の検出を継続し、その一定時間内に検出された遊技球の数が遊技面10の中央より左側に位置する遊技球の数が、右側に位置する遊技球の数よりも多い場合に、左打ちが行われていると判定し(S71:YES)、少ない場合に、左打ちが行われていないと判定してもよい(S71:NO)。
【0101】
また、上記実施形態では、S72の判定で、右打ちが行われているか否かの判断を、遊技面10の左側に遊技球が1個あるのに対し、右側に遊技球が10個以上あるか否かを判定していたが、この数に限られるものではない。
【0102】
例えば単に、遊技面10の中央より右側に位置する遊技球の数が、左側に位置する遊技球の数よりも多いか否かで判定し、右側に位置する遊技球の数が多い場合にS75の処理、左側が多い場合にS76の処理を実行するようにしてもよい。
【0103】
あるいは、右打ちを行わなければならない状況において、遊技面10の中央より左側に一定個数以上遊技球があった場合、右打ちが行われておらず、遊技球の数が一定個数未満である場合、右打ちが行われていると判定してもよい。
【0104】
あるいは、一定時間遊技球の検出を継続し、その一定時間内に検出された遊技球の数が遊技面10の中央より右側に位置する遊技球の数が、左側に位置する遊技球の数よりも多い場合に、右打ちが行われていると判定し(S72:YES)、少ない場合に、右打ちが行われていないと判定してもよい(S72:NO)。
【0105】
尚、上記実施形態では、S73〜S76において行われる報知として、遊技面10上に文字表示を行う例について説明したが、この文字表示とともに、同内容の音声をスピーカから出力してもよいし、ランプ等を用いて報知を行ってもよいことはもちろんである。
【0106】
上記実施形態では、大当処理Bが実行されているかときに打分検出処理を実行しているが、上述した大当処理Aにおいて時短処理がなされているときも、普通図柄作動ゲート14を狙って遊技球が打ち出される、いわゆる右打ちが行われるので、この大当処理Aが実行されているときにも、打分検出処理を実行してもよい。
【0107】
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0108】
1…遊技機、3…液晶表示装置、10…遊技面、10a…表示領域、10b…遊技領域、10x…基礎板、10y…樹脂板、11…打球誘導レール、12…遊技領域形成レール、14…普通図柄作動ゲート、15…始動入賞口、15a…チューリップ、16…第1大入賞口、17…第2大入賞口、18…レール、19…回収口、30…画像表示領域、30a…画素、32…額縁部、34…光センサ駆動回路、36…液晶ソースドライバ、
50…主制御基板、51…演出制御基板、52…その他演出装置、53…盤用中継端子板、54…普通図柄作動ゲートスイッチ、55…第1カウントスイッチ、56…第2カウントスイッチ、57…始動入賞口スイッチ、58…始動入賞口ソレノイド、59…第1大入賞口ソレノイド、60…第2大入賞口ソレノイド、90…外枠、91…内枠、92…ガラス扉枠、92a…ガラス、93…皿ユニット、94…遊技効果ランプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技面上に打ち出される遊技球の打ち分けが必要な遊技機において、
遊技球を検出する光センサが組み込まれた表示部の表面上に形成された遊技面と、
前記遊技面上の遊技球を前記光センサで検出して、前記遊技面に打ち出されている遊技球の打ち分け状態を判定する打分判定手段と、
前記打分判定手段により、遊技球の打ち分け状態を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われていないか判定し、
前記報知手段は、
前記有利打分が行われていない場合、報知することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われているか判定し、
前記報知手段は、
前記有利打分が行われている場合、報知することを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項5に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項6に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記報知は、前記遊技面の前記表示部に表示して行うことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記光センサを用いて前記遊技面を撮影し、該撮影された前記遊技面上の遊技球を、前記遊技面上に設置された設置物と区別することで、前記遊技球を検出することを特徴とする遊技機。
【請求項10】
請求項9に記載の遊技機において、
前記光センサは、前記表示部を構成する各画素毎に設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技面上に打ち出される遊技球の打ち分けが必要な遊技機において、
遊技球を検出する光センサが組み込まれた表示部の表面上に形成された遊技面と、
前記遊技面上の遊技球を前記光センサで検出して、前記遊技面に打ち出されている遊技球の打ち分け状態を判定する打分判定手段と、
前記打分判定手段により、遊技球の打ち分け状態を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われていないか判定し、
前記報知手段は、
前記有利打分が行われていない場合、報知することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられていないか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
遊技者にとって有利となる打ち分けである有利打分が行われているか判定し、
前記報知手段は、
前記有利打分が行われている場合、報知することを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項5に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項6に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記有利打分として、予め定められた時間内に予め定められた数の遊技球が遊技者にとって有利となるよう打ち分けられているか判定することを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記報知は、前記遊技面の前記表示部に表示して行うことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記打分判定手段は、
前記光センサを用いて前記遊技面を撮影し、該撮影された前記遊技面上の遊技球を、前記遊技面上に設置された設置物と区別することで、前記遊技球を検出することを特徴とする遊技機。
【請求項10】
請求項9に記載の遊技機において、
前記光センサは、前記表示部を構成する各画素毎に設けられていることを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【公開番号】特開2013−78527(P2013−78527A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221125(P2011−221125)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
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