遊技機
【課題】遊技機の演出において、画像と音声のズレ量を小さくし、遊技者に違和感を生じさせないようにする。
【解決手段】遊技機のサウンドコントローラは複数のチャンネル(6ch)をもち音声、BGM、効果音などの多様な音声(音響)を発生する。1ch当たりデータ送信に8msを要するとして、その送信に要する時間Txmaxは48msである。画面表示開始タイミングtαよりもTxmax48msの半分24ms早くデータ送信を開始するようにする。すると、tαから±32ms以内において全chのデータ送信及び音声の再生を完了することができる。画像と音声のズレが32ms以内であれば、人間はこの程度のズレを認識することができないから、遊技者に違和感を生じることがなくなる。
【解決手段】遊技機のサウンドコントローラは複数のチャンネル(6ch)をもち音声、BGM、効果音などの多様な音声(音響)を発生する。1ch当たりデータ送信に8msを要するとして、その送信に要する時間Txmaxは48msである。画面表示開始タイミングtαよりもTxmax48msの半分24ms早くデータ送信を開始するようにする。すると、tαから±32ms以内において全chのデータ送信及び音声の再生を完了することができる。画像と音声のズレが32ms以内であれば、人間はこの程度のズレを認識することができないから、遊技者に違和感を生じることがなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機のような遊技機に関し、特に、画面と音響を用いて演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
遊技機では、遊技の興趣向上を図るべく様々な演出がなされる。例えば、装飾部材、モニタ(画面表示装置、液晶表示装置)、スピーカ、LEDランプを取り付け、見た目による演出、映像による演出、音による演出、光による演出等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−204492号公報 IPネットワーク等を介して伝送される映像・音声データを受信し、音声と映像を同期して再生する映像音声再生装置において、各データの到着時刻等を判定し、映像遅延制御及び音声遅延制御を行う。
【特許文献2】特開2006−053228号公報 音と同期して楽譜や歌詞を表示可能な電子楽器装置において、「表示切り替えタイミング」から表示処理にかかる時間を考慮して設定された所定時間前に達したことを検出し、これを駆動開始タイミングとして表示切り替えのための駆動を開始する。これにより、再生中の曲位置から遅れたりずれたりすることなく、楽譜や歌詞(あるいはポインタ等)を表示することができるようにしている。
【特許文献3】特開2007−328131号公報 外部からのデータを受信し、音と映像を同期させるカラオケ装置において、画質向上のための信号処理回路における処理による画像表示までの遅延時間を考慮して、音声に遅延処理を施す。
【特許文献4】特開2005−342533号公報 画像情報を形成する画素材データ、効果音を形成する音素材データ、画像情報を液晶表示装置に表示する表示制御手順、音源回路で発生させる音制御手順、効果音を表示制御手順と音制御手順との要素を任意に組み合わせて複数の「ブロック」単位で副ROMに格納し、副制御回路は主制御回路から「ブロック」を指定する指定命令信号が入力されたとき、液晶表示装置及び音源回路を制御することで、制御回路の制御負担を軽減し、主ROMにおける液晶表示装置及び音源回路のプログラム格納量を減少させる。
【特許文献5】特開2007−082155号公報 画像表示装置で再生させようとする画像データを解析し、この画像データ解析手段の解析結果に基づいて、前記画像表示装置上で前記画像データを再生する時間に応じた音声出力調整時間を生成する音声出力調整時間生成手段を備えた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画面と音響を用いて行う演出において、両者を同期させるようにしている。例えば、画面に表示されたキャラクタが口を動かすのに応じてセリフをスピーカから流すようにする。仮に、これらの間にズレがあると遊技者に違和感を生じる。
【0006】
画面、音響いずれもCPUから所定のコマンド(データ)を送信することで演出に係る動作を行わせている。データの送信から画面の表示あるいは音響の発生までに要する時間は、CPUの種類、周辺基板の制御ICの種類、ソフトウエアの設計によって異なる。したがって、仮に同時にデータを送信したとしても画面表示や音声発生などの提示が開始されるタイミングはそれぞれ異なる。このため、本来同時に開始されるべき画面表示や音声発生などの提示にズレが生じることがある。このズレは遊技者に違和感を与え、演出の品質を低下させるので好ましくないものである。このズレを無くすか少なくとも遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくする必要がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、画面表示や音声発生の間に生じるズレを遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくすることのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画面表示部と、前記サブ基板の制御に基づき前記画面表示部を制御する画面表示部制御部と、前記演出に係る音響を発生する音響装置と、前記サブ基板の制御に基づき前記音響装置を制御する音響制御部と、前記画面表示部制御部及び前記音響制御部へデータを送信するデータ送信部とを備える遊技機において、
少なくともひとつの演出に対応して、前記画面表示部に表示する画面及び前記音響装置で発生する音響が予め定められ、
前記画面表示部の前記画面の表示と前記音響装置の前記音響の発生の間に生じるズレの許容量をTmとし、
前記演出に対応する前記音響のデータを前記データ送信部から前記音響制御部へ送るのに要する時間をTxmaxとし、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータを取得し、
前記演出に対応する前記画面の表示タイミングtαを取得し、
式:tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求め、
前記送信タイミングtβにおいて前記音響のデータを前記音響制御部へ送信する、ものである。
【0009】
前記ズレの許容量Tmは、遊技者が当該ズレを認識できない程度に短い時間に定められ、
前記音響のデータの送信に要する時間Txmaxは、前記ズレの許容量Tmの2倍以下であるように定められている。
【0010】
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングをtδとし、前記画面表示部制御部が前記画像データの受信から前記画面の表示までに要する時間であって予め定められた時間をTcとし、
前記画面の表示タイミングtαをtδ+Tcにより求めるようにしてもよい。
【0011】
前記画面表示部制御部は、前記演出に係る画面の画像データとこれによる画面の表示タイミングを取得し、前記演出の情報及び前記画面の表示タイミングを前記データ送信部へ送り、
前記データ送信部は、
前記演出の情報に基づき、取得した前記音響のデータが前記演出に係る画面の画像データと関連するかどうか判定し、
前記音響のデータと前記画像データが関連するものであるとき、前記画面表示部制御部から受けた前記画面の表示タイミングをtαとするようにしてもよい。
【0012】
前記画面表示部制御部は、予め定められたフレームを単位として前記演出に係る画面を生成するとともに、前記フレームを単位として前記画面を前記画面表示部に表示するものであり、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングtδを取得し、
前記送信タイミングtδの含まれるフレームを特定し、
当該フレームに基づき前記画面が表示されるフレームを特定し、
前記画面が表示されるフレームの始期を前記画面の表示タイミングtαとするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像の表示タイミングと音声データの送信時間に基づき、違和感の生じないように予め定められた時間以内に音声データの送信を完了するようにその送信タイミングを設定しているので、表示画像と発生音声のズレを抑制し、遊技者に違和感を生じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。
【図5】サブ基板と周辺基板の通信系統の説明図である。
【図6】データ送信部のブロック図である。
【図7】画面表示に関する処理と音声発生に関する処理の説明図である。
【図8】VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)の機能ブロック図である。
【図9】VDPにおける描画データ保存、描画実行及び表示の各処理の説明図(タイミングチャート)である。
【図10】サウンドコントローラのブロック図である。
【図11】音声データの説明図である。
【図12】発明の実施の形態に係る遊技機における音声データの送信タイミングの説明図(タイミングチャート)である。
【図13】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理のフローチャートである。
【図14】演出の種類と、画像データ及び音声データの対応関係の説明図である。
【図15】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の説明図(タイミングチャート)である。
【図16】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他の説明図(タイミングチャート)である。
【図17】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図18】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図19】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図20】図19の処理におけるtαの求め方の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0016】
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0017】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0018】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0019】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0020】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0021】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0022】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0023】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0024】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0025】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
【0026】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0027】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0028】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0029】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0030】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0031】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0032】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0033】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0036】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0037】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0038】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0039】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0040】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0041】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0042】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0043】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0044】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0045】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0046】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0047】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0048】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0049】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0050】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0051】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0052】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0053】
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0054】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
【0055】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
【0056】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0057】
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
【0058】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0059】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0060】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0061】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0062】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0063】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0064】
図5は、サブ基板20とその周辺基板の接続の説明図である。図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
【0065】
これら複数の周辺基板は、図5のように接続されている(LED基板202の表示は省略している)。すなわち、複数の周辺基板が共通のバス(通信回線、通信路)に接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。以下の説明ではシリアル通信を例にとる。なお、図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
【0066】
液晶制御基板200はVDP(Video Display Processor)を内蔵し、スピーカ基板201はサウンドコントローラを内蔵している。VDPとサウンドコントローラについては後に説明する。
【0067】
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる)。
【0068】
スピーカ基板201も、液晶制御基板200と同様に動作する。
【0069】
以下の説明では、送信先を特定することなく、液晶制御基板200、スピーカ基板201などの任意の送信先について適用する動作であるとき、主に「周辺基板」という用語を用いる。どの周辺基板へのデータ送信であるか特定する必要があるときは、「液晶制御基板200」というように具体的に特定するものとする。
【0070】
周辺基板へのデータ送信に際して、サブ基板20は0又は1のデータが複数集まったデータ(例えば8ビットのデータ)を単位として処理を行う。また、サブ基板20は周辺基板へ、これに所定の動作を行わせるためのコマンド(命令)を送信するが、本明細書において上記データにはコマンドを含む。なお、コマンドは、所定ビットのひとまとまりのデータ、例えば8ビット単位のデータのセットであって、所定のコマンド体系に基づき作成されているものである。
【0071】
以下の説明では主に「データ」という用語を用いるが、周辺機器への命令であることを明確にするために「コマンド」という用語を用いることもある。
【0072】
液晶制御基板200、スピーカ基板201などの周辺機器へデータを送るために、サブ基板20はデータ送信部20TXを備える。図6は、データ送信部20TXの内部ブロック図を示す。データ送信部20TXは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0073】
101は、周辺基板へ送信するデータを受け入れるデータレジスタ(コマンドレジスタ)である。データレジスタ101は、データを受けたらすぐに送信データレジスタ102へ送る。データレジスタ101はひとつの単位のデータを一時的に蓄えるものである。なお、データの内容は公知であるので、送信されるデータがどのようなものであるかについての説明は省略する。
【0074】
102は、受け入れた順番で複数のデータを記憶するとともに、受け入れた順番に従って出力する送信データレジスタである。
【0075】
103は、送信データレジスタ102からデータの出力を受けてこれをサブ基板20へ送信する送信用シフトレジスタである。送信用シフトレジスタ103は、送信すべきデータをパラレルからシリアルへ変換する。
【0076】
図7は、データ(コマンド)送信とこれを受けた液晶制御基板200とスピーカ基板201の動作の概略の説明図である。サブ基板20は、液晶制御基板200とスピーカ基板201それぞれへ画像データと音声データを送る(符号PとR)。画像データを受けて液晶制御基板200は所定の画面を表示し(符号Q)、音声データを受けてスピーカ基板201は所定の音声を発生する。音声に限らずBGM、効果音などその他の音響も発生するが、便宜上これらも音声に含める。以下の音声・音声データは、音響・音響データと言える。特に断らない限り、本明細書において「音声」には、通常の意味の音声とともにBGM、効果音などその他の音響も含むものとする。
【0077】
図7からわかるように、サブ基板20によるコマンド送信−>周辺基板によるコマンドの実行・画面表示や音声発生などの提示という流れになっている。サブ基板20が制御できるのはどのようなコマンドをどの周辺基板へ、どのタイミングで送るということであり、画面表示や音声発生などの提示をどのタイミングで行えということは指定できない。周辺基板が画面表示や音声発生などの提示をどのタイミングで開始するかは、次のように通信に要する時間を含む全体の処理時間(=Tstep1+Tstep2+Tstep3)で定まる。
【0078】
周辺基板をシリアル通信で制御する場合、周辺基板の制御ICのレジスタ(液晶制御基板200のVDPの図示しないレジスタ、スピーカ基板201のサウンドコントローラの図示しないレジスタ)にデータ(コマンド)を設定するまでには、下記の手順が必要となる。
【0079】
(1)データ送信部20TXのデータレジスタ101へ送信データをセットする(この処理時間をTstep1とする)。
【0080】
(2)あらかじめ設定した通信速度でデータを送信する(この処理時間をTstep2とする)。
【0081】
(3)周辺基板の制御IC(VDPなど)で受信データを解析し、予め指定されたレジスタヘデータをセットする(この処理時間をTstep3とする)。
【0082】
上記(3)の直後から画面表示や音声発生などの提示あるいは処理が開始される。
【0083】
上記(1)乃至(3)それぞれに必要な時間は、CPUの種類、周辺基板の制御ICの種類、ソフトウエアの設計によって異なる。したがって、仮に同時にデータを送信したとしても画面表示や音声発生などの提示が開始されるタイミングはそれぞれ異なる。このため、本来同時に開始されるべき画面表示や音声発生などの提示にズレが生じることがある。このズレは遊技者に違和感を与え、演出の品質を低下させるので好ましくないものである。このズレを無くすか少なくとの遊技者に違和感を与えない程度まで小さくする必要がある。
【0084】
サウンドコントローラは複数のチャンネル(例えば8ch)をもち音声、BGM、効果音などの多様な音声(音響)を発生することができる。シリアル通信は(2)の時間が長く、制御する音声チャンネル数が多くなるほど送信データ量が増えるため、音声発生に関しては、上記(1)乃至(3)を経て音声が再生されるまでに時間がかかってしまうという問題もある。
【0085】
そこで、本発明の実施の形態では後述のような処理(図13など参照)を適用することにより、画面表示や音声発生の間に生じるズレを遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくしている。
【0086】
発明の実施の形態に係る処理の前に、遊技機における画面表示と音声発生に係る構成について説明を加える。以下の説明においては便宜上、メモリ上に描画されたものを画像と表示し、メモリを読み出して液晶表示装置LCDに表示すべきものを画面と表記することにする。概ね、ビットマップで表現されたキャラクタなどのオブジェクトは画像であり、オブジェクトが背景上に配置されて1枚の絵となったものは画面である。
【0087】
図8は、VDPの構造の概略図である。VDPは、液晶制御基板に設けられたLSIであり、CPUとのインタフェースI/F、CPUからのコマンドに従い画像を描画する描画エンジンE1、描画した画像を記憶するビデオメモリVRAM、及び、ビデオメモリVRAMに記憶された画像を読み出して液晶表示装置LCDへ送る表示エンジンE2を備える。これらの各要素は、内部のバスBUSに接続され、相互にデータを読み書きできるようになっている。インタフェースI/Fは、CPUからコマンドなどのデータを受けるとともに、表示エンジンE2などからの割り込み信号をCPUへ出力することもできる。このVDPは、例えば、XGAサイズの解像度(1024×768ピクセルの解像度)で毎秒60フレームの描画及び表示が可能である。
【0088】
毎秒60フレーム(=60fps)で描画及び表示する場合、1フレームの時間は16.67msである。これをフレーム時間と記すことにする。また、2つの連続するフレームをVフレームと呼ぶことにする。フレーム×2=Vフレーム×1である。Vフレームの時間は33.33msであり、その画面更新レート(更新周波数)は30fpsである。フレーム、Vフレームは、表示の単位及び処理の単位であるが、以下の説明においては、当該フレーム、Vフレームにおけるデータ、処理結果(描画された画像)、液晶表示装置LCDに表示された画像を意味することがある。例えば、Vフレーム1などのように数字(符号)が付されている場合は、特定のVフレームを示すと共にこれに対応する描画データ、画像データ、表示データを意味することがある。
【0089】
液晶表示装置LCDの制御は、描画データ(液晶表示装置に対するコマンド、動画デコード情報などを含む)の保存、描画データに基づく描画実行、描画された画像の表示実行の3段階で行われる。すなわち、CPUがVDPへ描画データを送り、VDPの描画エンジンE1が描画を実行し、表示エンジンE2が液晶表示装置LDCでの画像表示を行う。この3段階の処理はそれぞれ並列(独立)に実行される。画像表示までに3段階を要するため、ある画像が表示されているタイミング(Vフレーム)において、描画実行は次のVフレームで表示されるべき画像を描画し、描画データの保存は次の次のVフレームで表示されるべき画像を保存していることになる。その様子を図9に示す。
【0090】
描画データの保存、描画実行、及び、表示実行は、ひとつのVフレームについて1回の周期で実行判定がなされる。言い換えれば、描画データの保存(第1処理)、描画実行(第2処理)、表示実行(第3処理)は、それぞれVフレームを単位として実行される(正確には、Vフレームに含まれるフレーム単位で処理が行われる、例えば、Vフレーム更新中にデータ入力があった場合、Vフレームの2つのフレームの一方において入力されたデータに係る描画データの保存、描画実行、表示実行が行われる)。したがって、本遊技機の液晶表示装置LCDの更新周波数は30fpsである。なお、これは原則であって、fpsは処理状況に応じて変化し得る。
【0091】
描画データを保存してからその表示を実行するまでには、2つのVフレームに相当する時間を要する。例えば、図9では、符号T1で書き込んだ描画データは、それよりもVフレーム2つ分遅れた符号T3において表示される。ただし、描画データの保存、描画実行、表示実行はそれぞれ並列に実行されるため、液晶表示装置LCDの画像はVフレーム単位で更新される。図9の例では、表示に関して、符号T3,T4、・・・においてVフレーム1、Vフレーム2、・・・のように更新されている。
【0092】
図10は、サウンドコントローラSCの内部ブロック図を示す。同図は概念図であり、動作の説明に必要な部分のみを示している。
【0093】
SC1は、予め再生の順番が定められ、続けて再生される複数のサウンドデータを含むフレーズデータを予め記憶するフレーズデータ記憶部である。
【0094】
SC2は、フレーズデータをデコードして音響を再生するデコーダである。デコーダは、所定のサウンドデータ(例えばWAV)を音響に戻すものであり、この処理は公知であるので説明は省略する。
【0095】
SC3は、デコーダSC2で再生された音響の音量を調整する音量調整部である。音量調整部SC3はデジタル又はアナログ回路で構成される。その入力がデジタル信号のときはデジタル回路、例えば乗算器で構成され、ボリュームの値を音響デジタルデータに乗算することで音量を調整する。その入力がアナログ信号のときはアナログ回路、例えば増幅器で構成され、当該増幅器の増幅率(可変抵抗器)を変えることで音量を調整する。音量調整部SC3の出力はスピーカSPへ送られる。
【0096】
図11(a)はフレーズデータ記憶部SC1の記憶内容の概略を示すものである。演出A,B,C,D,・・・のように複数の演出があるときそれぞれに対応してサウンドフレーズ(音声データ)を記憶している。サウンドフレーズの数には上限があり、例えば255個のサウンドフレーズを記憶することができる。
【0097】
図11(b)は演出Aの音声データ(例えばWAV)の構造を示すものである。演出Aは3つのサウンド、すなわち第1サウンド(カットイン音)、第2サウンド(キャラボイス)、第3サウンド(発展音)から構成されている。
【0098】
カットイン音とは、あるショット(場面)に別のショットを挿入するカットインに対応付けられているサウンドである。キャラボイスとは、画面に表示されているキャラクタの台詞のサウンドである。発展音とは、演出の最後に、別の演出に発展する場合に加えられるサウンドである。
【0099】
サブ基板20はスピーカ基板201へ、例えば図11(b)の演出Aのカットイン音を再生するデータ、キャラボイスを再生するデータ、発展音を再生するデータをそれぞれ送信する。これら3つのデータ(コマンド)を受けて、サウンドコントローラSCが所定のサウンドを発生する。
【0100】
次に、前述の画像表示と音声発生のタイミングのズレを小さくするための、発明の実施の形態に係る処理について説明を加える。
【0101】
人間にとって、液晶表示装置LCDに表示される画像とスピーカから発生される音声のズレをどの程度の長さから認識可能かは、個人差があるため一定ではないが、33.3ms(30fpsの1フレーム)程度のズレは認識困難だと言われている。
【0102】
そこで、本発明の実施の形態では、液晶映像の表示開始タイミングが、音声データ送信の中心に位置するように所定タイミングで音声データを送信開始することで、ズレを許容時間以内に抑えるようにしている。具体的には、液晶映像の表示タイミングに対する前後の音声のズレの許容時間を基に、音声データの送信タイミングを設定する。上記許容時間は例えば32ms(<33.3ms。マージンを見込んでいる)である。この値は、上記画像と上記音声のズレが遊技者に認識できない程度の値であり、予め定められている。
【0103】
図12は、上述のタイミングの説明図(タイミングチャート)である。同図は3つのケースCASE1〜CASE3を示している。CASE1は画像と音声のズレが遊技者に認識できないケースを示し、CASE3は画像と音声のズレが遊技者に認識できるケースを示し(斜線の部分が許容時間をはみ出している)、CASE2は音声データ送信時間が許容時間に等しく、CASE1とCASE3の境界となるケースを示す。
【0104】
図12において、tcent1〜tcent3はそれぞれCASE1〜CASE3の音声データ送信時間の中点を示す。tαは画像表示開始タイミングを示す。発明の実施の形態では、中点tcent1〜tcent3はtαに一致している。なお、他の記号については以下の説明を参照されたい。
【0105】
ここで、ズレの許容時間=Tm(上記のように例えば32ms。この値は画像表示タイミングの前後両方に適用され、±32ms、合計64msの時間内で音声データを送ればよいことになる)とし、最大の音声データ送信時間=Txmax(例えば、1chあたり8ms、8chで64ms。これは図12のCASE2に相当する)とする。Txmaxは、全データについて、データ送信部20TXにおけるデータセットから、通信回線を通じた受信、サウンドコントローラSCにおいてデータをレジスタにセットするまでの時間を含むものである。
【0106】
上記画像と上記音声のズレが遊技者に認識できないようにするには、2×Tmの時間内に全音声データの送信が完了していなければならない。したがって、次の関係が成立する。
(関係1)2×Tm≧Txmax
【0107】
なお、図12のCASE3では、上記(関係1)が成立していない。上記(関係1)が成立するようにするためには、次に述べるように(ア)データを削減する、(イ)通信速度を上げる、のいずれかあるいは両方を行う必要がある。
【0108】
Txmaxは、送信する音声データの総量と通信速度により決まる。Txmax=(音声データの総量)÷(通信速度)である。もし、音声データの総量が大きく、上記(関係1)を満たさなくなったら、(ア)データを削減する、(イ)通信速度を上げる、のいずれかあるいは両方により上記(関係1)が成立するようにできる。逆に、音声データの総量が小さければ、通信速度を下げても上記(関係1)を満たすようにできる。
【0109】
前述した、データレジスタ101へ送信データをセットする時間Tstep1、あらかじめ設定した通信速度でデータを送信する時間Tstep2、サウンドコントローラSCで受信データを解析し、予め指定されたレジスタヘデータをセットする時間Tstep3を用いると、1チャンネル当たり通信に要する時間Txは次のようになる。
Tx=Tstep1+Tstep2+Tstep3
【0110】
上記式からわかるように、通信時間(送信時間)Txはシリアル通信に要する時間のみならず、送信側のデータセットと受信側のデータセットの時間を含む。受信側のデータセットの直後から音声が発生するから、Txはデータ送信部20Txのデータ送信開始から音声発生までの時間と考えてよい。
【0111】
送信チャンネル数=Numとすると
Txmax=Num×Tx
となる。
【0112】
ここで、例えばTx≦8msとする。送信チャンネル数=8の場合は、Txmax=64msとなる。同様に、送信チャンネル数=6の場合はTxmax=48ms(図12のCASE1)となり、送信チャンネル数=2の場合はTxmax=16ms(同じくCASE1)となる。
【0113】
画像の表示タイミングをtα(これの求め方は後述する)、音声データの送信開始タイミングをtβ、音声データの送信終了タイミングをtγとすると、上記関係1から次のような関係が必要である(図12参照)。
(関係2−1)tα−Tm≦tβ
(関係2−2)tγ≦tα+Tm
【0114】
tγ−tβ=Txmaxであるから、(関係2−2)は次のように変形できる。
Txmax+tβ≦tα+Tm
(関係2−2’)tβ≦tα+Tm−Txmax
【0115】
関係2−1と2−2’から次のようになる。
(関係3)tα−Tm≦tβ≦tα+Tm−Txmax
【0116】
本発明の実施の形態は、関係1を前提として、図12のCASE1又はCASE2のいずれかになるように、関係3に基づき送信開始タイミングtβを定めるようにしている。
【0117】
具体的には、tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求めている。これは、音声データ送信時間Txmaxのちょうど中間の位置(中点)tcent1〜tcent3が液晶映像の表示タイミングtαになるように、音声データの送信開始タイミングtβを定めていることに相当する。このようにtβを定めることにより、上記(関係1)を満たす限り、常に上記(関係3)を満たすことができる。したがって、tβ=tα−Txmax/2とすることは、最も有利な選択と言える。
【0118】
また、上述のやり方は、tαに誤差が生じたときでも、その影響を最も受けにくいものであるといえる。tαに誤差が含まれるとき、実際の液晶映像の表示タイミングは、推測されたtαを中心としてランダムに分布すると考えられる。上述のように、音声データ送信時間Txmaxの中点がtαになるようにすることで、仮に実際の液晶映像の表示タイミングがtαとずれるとしても、遊技者が認識できない程度にズレ量を収める可能性を高くできる。もし、実際の液晶映像の表示タイミングとtαのずれの量(=ΔT)が微小なものであれば常にそのようにできる。具体的には、ΔT≦Tm−Txmax/2であれば、遊技者はズレを認識することがない。
【0119】
各チャンネルの再生タイミングはサウンドコントローラSCの種類や音声データ内容によって異なるが、上記のやり方で画像表示と音声再生のズレを許容範囲内に抑えることが可能となる。
【0120】
図12のCASE1及びCASE2では、上記(関係1)と(関係3)の両方成立し、遊技者はズレを認識することがない。これに対し、CASE3は上記(関係1)を満たさないので、(関係3)は成立しない。なお、音声データの送信開始タイミングtβを定めれば、音声データの送信終了タイミングtγは自動的に定まる。
【0121】
図13は、発明の実施の形態に係るデータ送信部20TXの処理フローチャートである。なお、画像データの送信処理についての説明は省略する(画像データの送信タイミングは所与のものとする)。図14は演出の種類と画像データ、音声データの対応関係を示すものである。特定の演出において、どの画像を表示し同時にどの音声を発生するかは予め決められている。図14はこの関係を模式的に示すものである。4種類の演出A〜Dそれぞれに対応して、画像データA〜Dと音声データA〜Dが存在する。
【0122】
S100:データ送信部20TXが音声データを取得する。
所定の演出を行うとき、当該演出に対応する音声データを取得する。例えば、演出Aを行うときは音声データAを取得し、演出Bを行うときは音声データBを取得する。
【0123】
S101:データ送信部20TXが、S100で取得した音声データに対応する画面の表示タイミングtαを取得する。
取得した音声データがAであれば画像データAの表示タイミングを取得し、Bであれば画像データBの表示タイミングを取得する。
なお、tαの取得方法については後述する。
【0124】
S102:データ送信部20TXが、音声データ送信タイミングtβを求める。
上記(関係3)に基づき音声データ送信タイミングtβを求める。図15及び図16の例では、tβ=tα−Txmax/2としている。すなわち、S100で取得した音声データの最大の送信時間=Txmaxを求め、これの半分をS101で求めたtαから減算する。なお、Txmaxは、前述したようにチャネル数とチャネル当たりの送信時間の積により求めることができる。
【0125】
S103:データ送信部20TXが、タイミングを判定する。
例えば、サブ基板20は図示しないタイマーであって、現在時刻を出力するものを備え、この時刻情報によりタイミングを判定する。tαやtβを前記タイマーの時刻に関連づけて定義しておくことにより、時刻tβに至ったことを判定することができる。
【0126】
S104:データ送信部20TXが、S102で求めた当該タイミングになったかどうか判定する。
上記例では、前記タイマーの時刻t=tβになったときに、S104でYESとなる。
【0127】
S105:データ送信部20TXが、S100で取得した音声データを送信する。
具体的には、データ送信部20TXが、当該音声データをデータレジスタ101にセットする。
【0128】
図13の処理による具体例を、図15と図16に示す。これらはタイミングチャートであり、図15は、図14の演出Aの画像データAと音声データAの例を示し、図16は、図14の演出Bの画像データBと音声データBの例を示す。
【0129】
図15において、音声データAは6chのデータからなる(6×8ms=48ms)ので、tβ=tα−Txmax/2=tα−24msとしている。前後にそれぞれ8msずつの余裕がある。
【0130】
言い換えれば、送信する音声データ総量とシリアル通信速度より送信完了までの時間(Txmax)を算出し、画面表示開始タイミングtαを基準としてその時間の半分(48msかかる場合は24ms)早く音声データの送信を開始するようにしている。
【0131】
図16において、音声データBは2chのデータからなる(2×8ms=16ms)ので、tβ=tα−Txmax/2=tα−8msとしている。前後にそれぞれ24msずつの余裕がある。なお、全てのデータ送信について図15、図16のように時間が余っているのであれば、通信速度を下げることができる(通信速度を下げることでノイズに対する耐性が向上する)。
【0132】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、画像の表示タイミングと音声データの送信時間に基づき、違和感の生じないように予め定められた時間以内に音声データの送信を完了するようにその送信タイミングを設定しているので、表示画像と発生音声のズレを抑制し、遊技者に違和感を生じさせないようにすることができる。画像表示を中心として、その前後のズレの許容時間以内に音声データの送信を完了することができるので、遊技者がズレを認識することがなくなる。
【0133】
発明の実施の形態によれば、画像の表示タイミングtαの推定に誤差を含む場合でも、ズレの許容時間以内に音声データの送信を完了することができる可能性が高く、実機に適用する点で優れている。
【0134】
次に、音声データに対応する画像の表示タイミングtαの取得の具体的手法について説明する。
【0135】
図17は、その一例を示すフローチャートである。図17において、図13と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0136】
S98:データ送信部20TXが画像データを送信したら、その送信タイミングtδを取得する。
【0137】
S99:データ送信部20TXは、送信タイミングtδで図示しないタイマーを起動し、計時を開始する。
データ送信部20TXは画像データの送信タイミングを知ることができるから、当該タイミングを基準として計時を開始する。具体的には画像データをデータレジスタ101にセットしたタイミングで図示しないタイマーを起動する。
【0138】
S100b:データ送信部20TXは、送信された画像データに対応する音声データを取得する。
例えば、送信された画像データが演出Aに係る画像データAであれば、図14のテーブルを参照して音声データAを取得する。
【0139】
S101b:データ送信部20TXは、当該音声データに対応する画像の表示タイミングtαを取得する。具体的には次のようにする。
画像データの送信から一定時間Tc経過したときに当該画像データによる画面が表示されるものとして、tα=tδ+Tcとする。すなわち、図示しないタイマーの計時がTcになったときがtαであるとする。一定時間Tcは、予め定められている。
【0140】
図17によれば、簡単なやり方で画像の表示タイミングtαを推測することができる。実機においては処理負荷などによりTcが変動し、これが常に一定であるとは言えない。しかし、変動幅がそれほど大きくなければ図17のやり方は十分有効であり、発明の実施の形態の効果を奏する。仮に、図16のように時間に余裕があり、Tcの変動がこの範囲に収まるのならば、問題は生じない。図17によれば、簡単な処理で本発明の実施の形態を実現することができるという効果を奏する。
【0141】
図18は、他の例を示すフローチャートである。図18において、図13と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0142】
図18は、液晶制御基板200が画像データによる画面をいつ表示するかの通知を作成し、これをサブ基板20へ送り、これに基づきデータ送信部20TXは画像の表示タイミングtαを取得するというものである。図5に示すように、周辺基板からサブ基板20へデータ送信は可能である。液晶制御基板200はVDPの動作を監視することで、画面がいつ表示されるかを知ることができる。
【0143】
S101c:データ送信部20TXは、液晶制御基板200から次に表示する画像の情報とその表示開始時刻の予告を受ける。
【0144】
S101d:当該画像とS100で取得した音声データが関連しているかどうか判断する。
図14のテーブルを参照することで、この判断を行うことができる。例えば、S101cで受けたものが演出Aの画像データAであり、S100で取得したものが音声データAであればS101dの判定はYESとなり、S100で取得したものが音声データBであれば判定はNOとなる。
YESのときはS101eの処理に進む。
【0145】
S101e:S101cで受けた表示開始時刻を当該音声データに対応する画像の表示タイミングtαとする。
【0146】
図18によれば、図17とは別のやり方で画像の表示タイミングtαを取得することができる。液晶制御基板200から送られてくる情報は正確なものであると期待できるから、図18によれば、図17よりも正確な表示タイミングtαを取得することができる。図18も、発明の実施の形態に係る効果を奏する。
【0147】
図19は、他の例を示すフローチャートである。図19において、図18と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。図20は、図19の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0148】
前述のように画像の表示処理はVフレームを単位として行われる(図9及びその説明参照。なお、以下の説明において「Vフレーム」を単に「フレーム」と表記する)。図19の処理の前提として、データ送信部20TXはフレームに関するタイミングを取得できるものとする。例えば、液晶制御基板200からフレームの開始タイミング(例えば、図20のt(n)、t(n+1)、t(n+2)、t(n+3))を受けている。あるいは、液晶制御基板200のVDPのフレームを初期設定するときに、データ送信部20TXの図示しないタイマー又はカウンタなどをフレームに合わせて動作させる。タイマー又はカウンタはフレームに同期しているので、これからデータ送信部20TXはタイミング(例えば、図20のt(n)、t(n+1)、t(n+2)、t(n+3))を取得することができる。
【0149】
画像の表示処理はフレームを単位として行われるから、例えば、図20に示すように、画像データAが時刻t(n)とt(n+1)に送信されたとすると、当該画像データAの描画が行われるのは、次の時刻t(n+1)からt(n+2)にかけてのフレームT(n+1)である。フレームの時間は一定(Tfm)である。そして、当該画像データAによる画面が表示されるのは、次の時刻t(n+2)からt(n+3)にかけてのフレームT(n+2)である。このように、画像データの送信タイミングがわかれば当該画像データの画面がどのフレームで表示されるかわかる。図20の例では、画像データ送信のフレームの次の次(2つ目)のフレームで画面が表示される。そして、そのフレームの開始タイミングが画像の表示タイミングtαに相当する。
【0150】
具体的には次のような処理を行う。
【0151】
S101f:データ送信部20TXは、画像データの送信タイミングtδに基づき描画期間を求める。
図20の例では、フレームT(n)で画像データAを送信しているから、描画期間は次のフレームT(n+1)となる。
【0152】
S101g:データ送信部20TXは、求めた描画期間に基づき画像表示期間を求める。
図20の例では、画像表示期間は次のフレームT(n+2)となる。
【0153】
S101h:データ送信部20TXは、画像表示期間の開始タイミングを画像の表示タイミングtαとする。
図20の例では、画像の表示タイミングtαは、フレームT(n+2)の始期t(n+2)となる。
【0154】
なお、S101fとS101gをひとつにまとめてもよい。例えば、「データ送信部20TXは、画像データの送信タイミングtδに基づき画像表示期間を求める。画像表示期間はデータ送信のフレームの2つ後であるので、フレーム番号を+2する」という処理を行う。
【0155】
図19によれば、図17及び図18とは別のやり方で画像の表示タイミングtαを取得することができる。図19によれば、図17よりも正確な表示タイミングtαを取得することができる。液晶制御基板200に対してタイミング情報の送信を要求しないので、液晶制御基板200の負担を軽くすることができるとともに、通信回線のトラフィック増加を抑制することができる。図19も、発明の実施の形態に係る効果を奏する。
【0156】
以上は遊技機としてスロットマシンを例に取り説明を加えたが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機のような他の遊技機にも適用可能である。
【0157】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0158】
20 サブ基板
20TX データ送信部
200 液晶制御基板(画面表示部制御部)
201 スピーカ基板(音響制御部)
LCD 液晶表示装置(画面表示部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機のような遊技機に関し、特に、画面と音響を用いて演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
遊技機では、遊技の興趣向上を図るべく様々な演出がなされる。例えば、装飾部材、モニタ(画面表示装置、液晶表示装置)、スピーカ、LEDランプを取り付け、見た目による演出、映像による演出、音による演出、光による演出等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−204492号公報 IPネットワーク等を介して伝送される映像・音声データを受信し、音声と映像を同期して再生する映像音声再生装置において、各データの到着時刻等を判定し、映像遅延制御及び音声遅延制御を行う。
【特許文献2】特開2006−053228号公報 音と同期して楽譜や歌詞を表示可能な電子楽器装置において、「表示切り替えタイミング」から表示処理にかかる時間を考慮して設定された所定時間前に達したことを検出し、これを駆動開始タイミングとして表示切り替えのための駆動を開始する。これにより、再生中の曲位置から遅れたりずれたりすることなく、楽譜や歌詞(あるいはポインタ等)を表示することができるようにしている。
【特許文献3】特開2007−328131号公報 外部からのデータを受信し、音と映像を同期させるカラオケ装置において、画質向上のための信号処理回路における処理による画像表示までの遅延時間を考慮して、音声に遅延処理を施す。
【特許文献4】特開2005−342533号公報 画像情報を形成する画素材データ、効果音を形成する音素材データ、画像情報を液晶表示装置に表示する表示制御手順、音源回路で発生させる音制御手順、効果音を表示制御手順と音制御手順との要素を任意に組み合わせて複数の「ブロック」単位で副ROMに格納し、副制御回路は主制御回路から「ブロック」を指定する指定命令信号が入力されたとき、液晶表示装置及び音源回路を制御することで、制御回路の制御負担を軽減し、主ROMにおける液晶表示装置及び音源回路のプログラム格納量を減少させる。
【特許文献5】特開2007−082155号公報 画像表示装置で再生させようとする画像データを解析し、この画像データ解析手段の解析結果に基づいて、前記画像表示装置上で前記画像データを再生する時間に応じた音声出力調整時間を生成する音声出力調整時間生成手段を備えた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画面と音響を用いて行う演出において、両者を同期させるようにしている。例えば、画面に表示されたキャラクタが口を動かすのに応じてセリフをスピーカから流すようにする。仮に、これらの間にズレがあると遊技者に違和感を生じる。
【0006】
画面、音響いずれもCPUから所定のコマンド(データ)を送信することで演出に係る動作を行わせている。データの送信から画面の表示あるいは音響の発生までに要する時間は、CPUの種類、周辺基板の制御ICの種類、ソフトウエアの設計によって異なる。したがって、仮に同時にデータを送信したとしても画面表示や音声発生などの提示が開始されるタイミングはそれぞれ異なる。このため、本来同時に開始されるべき画面表示や音声発生などの提示にズレが生じることがある。このズレは遊技者に違和感を与え、演出の品質を低下させるので好ましくないものである。このズレを無くすか少なくとも遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくする必要がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、画面表示や音声発生の間に生じるズレを遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくすることのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画面表示部と、前記サブ基板の制御に基づき前記画面表示部を制御する画面表示部制御部と、前記演出に係る音響を発生する音響装置と、前記サブ基板の制御に基づき前記音響装置を制御する音響制御部と、前記画面表示部制御部及び前記音響制御部へデータを送信するデータ送信部とを備える遊技機において、
少なくともひとつの演出に対応して、前記画面表示部に表示する画面及び前記音響装置で発生する音響が予め定められ、
前記画面表示部の前記画面の表示と前記音響装置の前記音響の発生の間に生じるズレの許容量をTmとし、
前記演出に対応する前記音響のデータを前記データ送信部から前記音響制御部へ送るのに要する時間をTxmaxとし、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータを取得し、
前記演出に対応する前記画面の表示タイミングtαを取得し、
式:tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求め、
前記送信タイミングtβにおいて前記音響のデータを前記音響制御部へ送信する、ものである。
【0009】
前記ズレの許容量Tmは、遊技者が当該ズレを認識できない程度に短い時間に定められ、
前記音響のデータの送信に要する時間Txmaxは、前記ズレの許容量Tmの2倍以下であるように定められている。
【0010】
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングをtδとし、前記画面表示部制御部が前記画像データの受信から前記画面の表示までに要する時間であって予め定められた時間をTcとし、
前記画面の表示タイミングtαをtδ+Tcにより求めるようにしてもよい。
【0011】
前記画面表示部制御部は、前記演出に係る画面の画像データとこれによる画面の表示タイミングを取得し、前記演出の情報及び前記画面の表示タイミングを前記データ送信部へ送り、
前記データ送信部は、
前記演出の情報に基づき、取得した前記音響のデータが前記演出に係る画面の画像データと関連するかどうか判定し、
前記音響のデータと前記画像データが関連するものであるとき、前記画面表示部制御部から受けた前記画面の表示タイミングをtαとするようにしてもよい。
【0012】
前記画面表示部制御部は、予め定められたフレームを単位として前記演出に係る画面を生成するとともに、前記フレームを単位として前記画面を前記画面表示部に表示するものであり、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングtδを取得し、
前記送信タイミングtδの含まれるフレームを特定し、
当該フレームに基づき前記画面が表示されるフレームを特定し、
前記画面が表示されるフレームの始期を前記画面の表示タイミングtαとするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像の表示タイミングと音声データの送信時間に基づき、違和感の生じないように予め定められた時間以内に音声データの送信を完了するようにその送信タイミングを設定しているので、表示画像と発生音声のズレを抑制し、遊技者に違和感を生じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。
【図5】サブ基板と周辺基板の通信系統の説明図である。
【図6】データ送信部のブロック図である。
【図7】画面表示に関する処理と音声発生に関する処理の説明図である。
【図8】VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)の機能ブロック図である。
【図9】VDPにおける描画データ保存、描画実行及び表示の各処理の説明図(タイミングチャート)である。
【図10】サウンドコントローラのブロック図である。
【図11】音声データの説明図である。
【図12】発明の実施の形態に係る遊技機における音声データの送信タイミングの説明図(タイミングチャート)である。
【図13】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理のフローチャートである。
【図14】演出の種類と、画像データ及び音声データの対応関係の説明図である。
【図15】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の説明図(タイミングチャート)である。
【図16】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他の説明図(タイミングチャート)である。
【図17】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図18】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図19】発明の実施の形態に係る音声データ送信処理の他のフローチャートである。
【図20】図19の処理におけるtαの求め方の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0016】
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0017】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0018】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0019】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0020】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0021】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0022】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0023】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0024】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0025】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
【0026】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0027】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0028】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0029】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0030】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0031】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0032】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0033】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0036】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0037】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0038】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0039】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0040】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0041】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0042】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0043】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0044】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0045】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0046】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0047】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0048】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0049】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0050】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0051】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0052】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0053】
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0054】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
【0055】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
【0056】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0057】
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
【0058】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0059】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0060】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0061】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0062】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0063】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0064】
図5は、サブ基板20とその周辺基板の接続の説明図である。図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
【0065】
これら複数の周辺基板は、図5のように接続されている(LED基板202の表示は省略している)。すなわち、複数の周辺基板が共通のバス(通信回線、通信路)に接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。以下の説明ではシリアル通信を例にとる。なお、図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
【0066】
液晶制御基板200はVDP(Video Display Processor)を内蔵し、スピーカ基板201はサウンドコントローラを内蔵している。VDPとサウンドコントローラについては後に説明する。
【0067】
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる)。
【0068】
スピーカ基板201も、液晶制御基板200と同様に動作する。
【0069】
以下の説明では、送信先を特定することなく、液晶制御基板200、スピーカ基板201などの任意の送信先について適用する動作であるとき、主に「周辺基板」という用語を用いる。どの周辺基板へのデータ送信であるか特定する必要があるときは、「液晶制御基板200」というように具体的に特定するものとする。
【0070】
周辺基板へのデータ送信に際して、サブ基板20は0又は1のデータが複数集まったデータ(例えば8ビットのデータ)を単位として処理を行う。また、サブ基板20は周辺基板へ、これに所定の動作を行わせるためのコマンド(命令)を送信するが、本明細書において上記データにはコマンドを含む。なお、コマンドは、所定ビットのひとまとまりのデータ、例えば8ビット単位のデータのセットであって、所定のコマンド体系に基づき作成されているものである。
【0071】
以下の説明では主に「データ」という用語を用いるが、周辺機器への命令であることを明確にするために「コマンド」という用語を用いることもある。
【0072】
液晶制御基板200、スピーカ基板201などの周辺機器へデータを送るために、サブ基板20はデータ送信部20TXを備える。図6は、データ送信部20TXの内部ブロック図を示す。データ送信部20TXは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0073】
101は、周辺基板へ送信するデータを受け入れるデータレジスタ(コマンドレジスタ)である。データレジスタ101は、データを受けたらすぐに送信データレジスタ102へ送る。データレジスタ101はひとつの単位のデータを一時的に蓄えるものである。なお、データの内容は公知であるので、送信されるデータがどのようなものであるかについての説明は省略する。
【0074】
102は、受け入れた順番で複数のデータを記憶するとともに、受け入れた順番に従って出力する送信データレジスタである。
【0075】
103は、送信データレジスタ102からデータの出力を受けてこれをサブ基板20へ送信する送信用シフトレジスタである。送信用シフトレジスタ103は、送信すべきデータをパラレルからシリアルへ変換する。
【0076】
図7は、データ(コマンド)送信とこれを受けた液晶制御基板200とスピーカ基板201の動作の概略の説明図である。サブ基板20は、液晶制御基板200とスピーカ基板201それぞれへ画像データと音声データを送る(符号PとR)。画像データを受けて液晶制御基板200は所定の画面を表示し(符号Q)、音声データを受けてスピーカ基板201は所定の音声を発生する。音声に限らずBGM、効果音などその他の音響も発生するが、便宜上これらも音声に含める。以下の音声・音声データは、音響・音響データと言える。特に断らない限り、本明細書において「音声」には、通常の意味の音声とともにBGM、効果音などその他の音響も含むものとする。
【0077】
図7からわかるように、サブ基板20によるコマンド送信−>周辺基板によるコマンドの実行・画面表示や音声発生などの提示という流れになっている。サブ基板20が制御できるのはどのようなコマンドをどの周辺基板へ、どのタイミングで送るということであり、画面表示や音声発生などの提示をどのタイミングで行えということは指定できない。周辺基板が画面表示や音声発生などの提示をどのタイミングで開始するかは、次のように通信に要する時間を含む全体の処理時間(=Tstep1+Tstep2+Tstep3)で定まる。
【0078】
周辺基板をシリアル通信で制御する場合、周辺基板の制御ICのレジスタ(液晶制御基板200のVDPの図示しないレジスタ、スピーカ基板201のサウンドコントローラの図示しないレジスタ)にデータ(コマンド)を設定するまでには、下記の手順が必要となる。
【0079】
(1)データ送信部20TXのデータレジスタ101へ送信データをセットする(この処理時間をTstep1とする)。
【0080】
(2)あらかじめ設定した通信速度でデータを送信する(この処理時間をTstep2とする)。
【0081】
(3)周辺基板の制御IC(VDPなど)で受信データを解析し、予め指定されたレジスタヘデータをセットする(この処理時間をTstep3とする)。
【0082】
上記(3)の直後から画面表示や音声発生などの提示あるいは処理が開始される。
【0083】
上記(1)乃至(3)それぞれに必要な時間は、CPUの種類、周辺基板の制御ICの種類、ソフトウエアの設計によって異なる。したがって、仮に同時にデータを送信したとしても画面表示や音声発生などの提示が開始されるタイミングはそれぞれ異なる。このため、本来同時に開始されるべき画面表示や音声発生などの提示にズレが生じることがある。このズレは遊技者に違和感を与え、演出の品質を低下させるので好ましくないものである。このズレを無くすか少なくとの遊技者に違和感を与えない程度まで小さくする必要がある。
【0084】
サウンドコントローラは複数のチャンネル(例えば8ch)をもち音声、BGM、効果音などの多様な音声(音響)を発生することができる。シリアル通信は(2)の時間が長く、制御する音声チャンネル数が多くなるほど送信データ量が増えるため、音声発生に関しては、上記(1)乃至(3)を経て音声が再生されるまでに時間がかかってしまうという問題もある。
【0085】
そこで、本発明の実施の形態では後述のような処理(図13など参照)を適用することにより、画面表示や音声発生の間に生じるズレを遊技者に違和感を与えない程度にまで小さくしている。
【0086】
発明の実施の形態に係る処理の前に、遊技機における画面表示と音声発生に係る構成について説明を加える。以下の説明においては便宜上、メモリ上に描画されたものを画像と表示し、メモリを読み出して液晶表示装置LCDに表示すべきものを画面と表記することにする。概ね、ビットマップで表現されたキャラクタなどのオブジェクトは画像であり、オブジェクトが背景上に配置されて1枚の絵となったものは画面である。
【0087】
図8は、VDPの構造の概略図である。VDPは、液晶制御基板に設けられたLSIであり、CPUとのインタフェースI/F、CPUからのコマンドに従い画像を描画する描画エンジンE1、描画した画像を記憶するビデオメモリVRAM、及び、ビデオメモリVRAMに記憶された画像を読み出して液晶表示装置LCDへ送る表示エンジンE2を備える。これらの各要素は、内部のバスBUSに接続され、相互にデータを読み書きできるようになっている。インタフェースI/Fは、CPUからコマンドなどのデータを受けるとともに、表示エンジンE2などからの割り込み信号をCPUへ出力することもできる。このVDPは、例えば、XGAサイズの解像度(1024×768ピクセルの解像度)で毎秒60フレームの描画及び表示が可能である。
【0088】
毎秒60フレーム(=60fps)で描画及び表示する場合、1フレームの時間は16.67msである。これをフレーム時間と記すことにする。また、2つの連続するフレームをVフレームと呼ぶことにする。フレーム×2=Vフレーム×1である。Vフレームの時間は33.33msであり、その画面更新レート(更新周波数)は30fpsである。フレーム、Vフレームは、表示の単位及び処理の単位であるが、以下の説明においては、当該フレーム、Vフレームにおけるデータ、処理結果(描画された画像)、液晶表示装置LCDに表示された画像を意味することがある。例えば、Vフレーム1などのように数字(符号)が付されている場合は、特定のVフレームを示すと共にこれに対応する描画データ、画像データ、表示データを意味することがある。
【0089】
液晶表示装置LCDの制御は、描画データ(液晶表示装置に対するコマンド、動画デコード情報などを含む)の保存、描画データに基づく描画実行、描画された画像の表示実行の3段階で行われる。すなわち、CPUがVDPへ描画データを送り、VDPの描画エンジンE1が描画を実行し、表示エンジンE2が液晶表示装置LDCでの画像表示を行う。この3段階の処理はそれぞれ並列(独立)に実行される。画像表示までに3段階を要するため、ある画像が表示されているタイミング(Vフレーム)において、描画実行は次のVフレームで表示されるべき画像を描画し、描画データの保存は次の次のVフレームで表示されるべき画像を保存していることになる。その様子を図9に示す。
【0090】
描画データの保存、描画実行、及び、表示実行は、ひとつのVフレームについて1回の周期で実行判定がなされる。言い換えれば、描画データの保存(第1処理)、描画実行(第2処理)、表示実行(第3処理)は、それぞれVフレームを単位として実行される(正確には、Vフレームに含まれるフレーム単位で処理が行われる、例えば、Vフレーム更新中にデータ入力があった場合、Vフレームの2つのフレームの一方において入力されたデータに係る描画データの保存、描画実行、表示実行が行われる)。したがって、本遊技機の液晶表示装置LCDの更新周波数は30fpsである。なお、これは原則であって、fpsは処理状況に応じて変化し得る。
【0091】
描画データを保存してからその表示を実行するまでには、2つのVフレームに相当する時間を要する。例えば、図9では、符号T1で書き込んだ描画データは、それよりもVフレーム2つ分遅れた符号T3において表示される。ただし、描画データの保存、描画実行、表示実行はそれぞれ並列に実行されるため、液晶表示装置LCDの画像はVフレーム単位で更新される。図9の例では、表示に関して、符号T3,T4、・・・においてVフレーム1、Vフレーム2、・・・のように更新されている。
【0092】
図10は、サウンドコントローラSCの内部ブロック図を示す。同図は概念図であり、動作の説明に必要な部分のみを示している。
【0093】
SC1は、予め再生の順番が定められ、続けて再生される複数のサウンドデータを含むフレーズデータを予め記憶するフレーズデータ記憶部である。
【0094】
SC2は、フレーズデータをデコードして音響を再生するデコーダである。デコーダは、所定のサウンドデータ(例えばWAV)を音響に戻すものであり、この処理は公知であるので説明は省略する。
【0095】
SC3は、デコーダSC2で再生された音響の音量を調整する音量調整部である。音量調整部SC3はデジタル又はアナログ回路で構成される。その入力がデジタル信号のときはデジタル回路、例えば乗算器で構成され、ボリュームの値を音響デジタルデータに乗算することで音量を調整する。その入力がアナログ信号のときはアナログ回路、例えば増幅器で構成され、当該増幅器の増幅率(可変抵抗器)を変えることで音量を調整する。音量調整部SC3の出力はスピーカSPへ送られる。
【0096】
図11(a)はフレーズデータ記憶部SC1の記憶内容の概略を示すものである。演出A,B,C,D,・・・のように複数の演出があるときそれぞれに対応してサウンドフレーズ(音声データ)を記憶している。サウンドフレーズの数には上限があり、例えば255個のサウンドフレーズを記憶することができる。
【0097】
図11(b)は演出Aの音声データ(例えばWAV)の構造を示すものである。演出Aは3つのサウンド、すなわち第1サウンド(カットイン音)、第2サウンド(キャラボイス)、第3サウンド(発展音)から構成されている。
【0098】
カットイン音とは、あるショット(場面)に別のショットを挿入するカットインに対応付けられているサウンドである。キャラボイスとは、画面に表示されているキャラクタの台詞のサウンドである。発展音とは、演出の最後に、別の演出に発展する場合に加えられるサウンドである。
【0099】
サブ基板20はスピーカ基板201へ、例えば図11(b)の演出Aのカットイン音を再生するデータ、キャラボイスを再生するデータ、発展音を再生するデータをそれぞれ送信する。これら3つのデータ(コマンド)を受けて、サウンドコントローラSCが所定のサウンドを発生する。
【0100】
次に、前述の画像表示と音声発生のタイミングのズレを小さくするための、発明の実施の形態に係る処理について説明を加える。
【0101】
人間にとって、液晶表示装置LCDに表示される画像とスピーカから発生される音声のズレをどの程度の長さから認識可能かは、個人差があるため一定ではないが、33.3ms(30fpsの1フレーム)程度のズレは認識困難だと言われている。
【0102】
そこで、本発明の実施の形態では、液晶映像の表示開始タイミングが、音声データ送信の中心に位置するように所定タイミングで音声データを送信開始することで、ズレを許容時間以内に抑えるようにしている。具体的には、液晶映像の表示タイミングに対する前後の音声のズレの許容時間を基に、音声データの送信タイミングを設定する。上記許容時間は例えば32ms(<33.3ms。マージンを見込んでいる)である。この値は、上記画像と上記音声のズレが遊技者に認識できない程度の値であり、予め定められている。
【0103】
図12は、上述のタイミングの説明図(タイミングチャート)である。同図は3つのケースCASE1〜CASE3を示している。CASE1は画像と音声のズレが遊技者に認識できないケースを示し、CASE3は画像と音声のズレが遊技者に認識できるケースを示し(斜線の部分が許容時間をはみ出している)、CASE2は音声データ送信時間が許容時間に等しく、CASE1とCASE3の境界となるケースを示す。
【0104】
図12において、tcent1〜tcent3はそれぞれCASE1〜CASE3の音声データ送信時間の中点を示す。tαは画像表示開始タイミングを示す。発明の実施の形態では、中点tcent1〜tcent3はtαに一致している。なお、他の記号については以下の説明を参照されたい。
【0105】
ここで、ズレの許容時間=Tm(上記のように例えば32ms。この値は画像表示タイミングの前後両方に適用され、±32ms、合計64msの時間内で音声データを送ればよいことになる)とし、最大の音声データ送信時間=Txmax(例えば、1chあたり8ms、8chで64ms。これは図12のCASE2に相当する)とする。Txmaxは、全データについて、データ送信部20TXにおけるデータセットから、通信回線を通じた受信、サウンドコントローラSCにおいてデータをレジスタにセットするまでの時間を含むものである。
【0106】
上記画像と上記音声のズレが遊技者に認識できないようにするには、2×Tmの時間内に全音声データの送信が完了していなければならない。したがって、次の関係が成立する。
(関係1)2×Tm≧Txmax
【0107】
なお、図12のCASE3では、上記(関係1)が成立していない。上記(関係1)が成立するようにするためには、次に述べるように(ア)データを削減する、(イ)通信速度を上げる、のいずれかあるいは両方を行う必要がある。
【0108】
Txmaxは、送信する音声データの総量と通信速度により決まる。Txmax=(音声データの総量)÷(通信速度)である。もし、音声データの総量が大きく、上記(関係1)を満たさなくなったら、(ア)データを削減する、(イ)通信速度を上げる、のいずれかあるいは両方により上記(関係1)が成立するようにできる。逆に、音声データの総量が小さければ、通信速度を下げても上記(関係1)を満たすようにできる。
【0109】
前述した、データレジスタ101へ送信データをセットする時間Tstep1、あらかじめ設定した通信速度でデータを送信する時間Tstep2、サウンドコントローラSCで受信データを解析し、予め指定されたレジスタヘデータをセットする時間Tstep3を用いると、1チャンネル当たり通信に要する時間Txは次のようになる。
Tx=Tstep1+Tstep2+Tstep3
【0110】
上記式からわかるように、通信時間(送信時間)Txはシリアル通信に要する時間のみならず、送信側のデータセットと受信側のデータセットの時間を含む。受信側のデータセットの直後から音声が発生するから、Txはデータ送信部20Txのデータ送信開始から音声発生までの時間と考えてよい。
【0111】
送信チャンネル数=Numとすると
Txmax=Num×Tx
となる。
【0112】
ここで、例えばTx≦8msとする。送信チャンネル数=8の場合は、Txmax=64msとなる。同様に、送信チャンネル数=6の場合はTxmax=48ms(図12のCASE1)となり、送信チャンネル数=2の場合はTxmax=16ms(同じくCASE1)となる。
【0113】
画像の表示タイミングをtα(これの求め方は後述する)、音声データの送信開始タイミングをtβ、音声データの送信終了タイミングをtγとすると、上記関係1から次のような関係が必要である(図12参照)。
(関係2−1)tα−Tm≦tβ
(関係2−2)tγ≦tα+Tm
【0114】
tγ−tβ=Txmaxであるから、(関係2−2)は次のように変形できる。
Txmax+tβ≦tα+Tm
(関係2−2’)tβ≦tα+Tm−Txmax
【0115】
関係2−1と2−2’から次のようになる。
(関係3)tα−Tm≦tβ≦tα+Tm−Txmax
【0116】
本発明の実施の形態は、関係1を前提として、図12のCASE1又はCASE2のいずれかになるように、関係3に基づき送信開始タイミングtβを定めるようにしている。
【0117】
具体的には、tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求めている。これは、音声データ送信時間Txmaxのちょうど中間の位置(中点)tcent1〜tcent3が液晶映像の表示タイミングtαになるように、音声データの送信開始タイミングtβを定めていることに相当する。このようにtβを定めることにより、上記(関係1)を満たす限り、常に上記(関係3)を満たすことができる。したがって、tβ=tα−Txmax/2とすることは、最も有利な選択と言える。
【0118】
また、上述のやり方は、tαに誤差が生じたときでも、その影響を最も受けにくいものであるといえる。tαに誤差が含まれるとき、実際の液晶映像の表示タイミングは、推測されたtαを中心としてランダムに分布すると考えられる。上述のように、音声データ送信時間Txmaxの中点がtαになるようにすることで、仮に実際の液晶映像の表示タイミングがtαとずれるとしても、遊技者が認識できない程度にズレ量を収める可能性を高くできる。もし、実際の液晶映像の表示タイミングとtαのずれの量(=ΔT)が微小なものであれば常にそのようにできる。具体的には、ΔT≦Tm−Txmax/2であれば、遊技者はズレを認識することがない。
【0119】
各チャンネルの再生タイミングはサウンドコントローラSCの種類や音声データ内容によって異なるが、上記のやり方で画像表示と音声再生のズレを許容範囲内に抑えることが可能となる。
【0120】
図12のCASE1及びCASE2では、上記(関係1)と(関係3)の両方成立し、遊技者はズレを認識することがない。これに対し、CASE3は上記(関係1)を満たさないので、(関係3)は成立しない。なお、音声データの送信開始タイミングtβを定めれば、音声データの送信終了タイミングtγは自動的に定まる。
【0121】
図13は、発明の実施の形態に係るデータ送信部20TXの処理フローチャートである。なお、画像データの送信処理についての説明は省略する(画像データの送信タイミングは所与のものとする)。図14は演出の種類と画像データ、音声データの対応関係を示すものである。特定の演出において、どの画像を表示し同時にどの音声を発生するかは予め決められている。図14はこの関係を模式的に示すものである。4種類の演出A〜Dそれぞれに対応して、画像データA〜Dと音声データA〜Dが存在する。
【0122】
S100:データ送信部20TXが音声データを取得する。
所定の演出を行うとき、当該演出に対応する音声データを取得する。例えば、演出Aを行うときは音声データAを取得し、演出Bを行うときは音声データBを取得する。
【0123】
S101:データ送信部20TXが、S100で取得した音声データに対応する画面の表示タイミングtαを取得する。
取得した音声データがAであれば画像データAの表示タイミングを取得し、Bであれば画像データBの表示タイミングを取得する。
なお、tαの取得方法については後述する。
【0124】
S102:データ送信部20TXが、音声データ送信タイミングtβを求める。
上記(関係3)に基づき音声データ送信タイミングtβを求める。図15及び図16の例では、tβ=tα−Txmax/2としている。すなわち、S100で取得した音声データの最大の送信時間=Txmaxを求め、これの半分をS101で求めたtαから減算する。なお、Txmaxは、前述したようにチャネル数とチャネル当たりの送信時間の積により求めることができる。
【0125】
S103:データ送信部20TXが、タイミングを判定する。
例えば、サブ基板20は図示しないタイマーであって、現在時刻を出力するものを備え、この時刻情報によりタイミングを判定する。tαやtβを前記タイマーの時刻に関連づけて定義しておくことにより、時刻tβに至ったことを判定することができる。
【0126】
S104:データ送信部20TXが、S102で求めた当該タイミングになったかどうか判定する。
上記例では、前記タイマーの時刻t=tβになったときに、S104でYESとなる。
【0127】
S105:データ送信部20TXが、S100で取得した音声データを送信する。
具体的には、データ送信部20TXが、当該音声データをデータレジスタ101にセットする。
【0128】
図13の処理による具体例を、図15と図16に示す。これらはタイミングチャートであり、図15は、図14の演出Aの画像データAと音声データAの例を示し、図16は、図14の演出Bの画像データBと音声データBの例を示す。
【0129】
図15において、音声データAは6chのデータからなる(6×8ms=48ms)ので、tβ=tα−Txmax/2=tα−24msとしている。前後にそれぞれ8msずつの余裕がある。
【0130】
言い換えれば、送信する音声データ総量とシリアル通信速度より送信完了までの時間(Txmax)を算出し、画面表示開始タイミングtαを基準としてその時間の半分(48msかかる場合は24ms)早く音声データの送信を開始するようにしている。
【0131】
図16において、音声データBは2chのデータからなる(2×8ms=16ms)ので、tβ=tα−Txmax/2=tα−8msとしている。前後にそれぞれ24msずつの余裕がある。なお、全てのデータ送信について図15、図16のように時間が余っているのであれば、通信速度を下げることができる(通信速度を下げることでノイズに対する耐性が向上する)。
【0132】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、画像の表示タイミングと音声データの送信時間に基づき、違和感の生じないように予め定められた時間以内に音声データの送信を完了するようにその送信タイミングを設定しているので、表示画像と発生音声のズレを抑制し、遊技者に違和感を生じさせないようにすることができる。画像表示を中心として、その前後のズレの許容時間以内に音声データの送信を完了することができるので、遊技者がズレを認識することがなくなる。
【0133】
発明の実施の形態によれば、画像の表示タイミングtαの推定に誤差を含む場合でも、ズレの許容時間以内に音声データの送信を完了することができる可能性が高く、実機に適用する点で優れている。
【0134】
次に、音声データに対応する画像の表示タイミングtαの取得の具体的手法について説明する。
【0135】
図17は、その一例を示すフローチャートである。図17において、図13と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0136】
S98:データ送信部20TXが画像データを送信したら、その送信タイミングtδを取得する。
【0137】
S99:データ送信部20TXは、送信タイミングtδで図示しないタイマーを起動し、計時を開始する。
データ送信部20TXは画像データの送信タイミングを知ることができるから、当該タイミングを基準として計時を開始する。具体的には画像データをデータレジスタ101にセットしたタイミングで図示しないタイマーを起動する。
【0138】
S100b:データ送信部20TXは、送信された画像データに対応する音声データを取得する。
例えば、送信された画像データが演出Aに係る画像データAであれば、図14のテーブルを参照して音声データAを取得する。
【0139】
S101b:データ送信部20TXは、当該音声データに対応する画像の表示タイミングtαを取得する。具体的には次のようにする。
画像データの送信から一定時間Tc経過したときに当該画像データによる画面が表示されるものとして、tα=tδ+Tcとする。すなわち、図示しないタイマーの計時がTcになったときがtαであるとする。一定時間Tcは、予め定められている。
【0140】
図17によれば、簡単なやり方で画像の表示タイミングtαを推測することができる。実機においては処理負荷などによりTcが変動し、これが常に一定であるとは言えない。しかし、変動幅がそれほど大きくなければ図17のやり方は十分有効であり、発明の実施の形態の効果を奏する。仮に、図16のように時間に余裕があり、Tcの変動がこの範囲に収まるのならば、問題は生じない。図17によれば、簡単な処理で本発明の実施の形態を実現することができるという効果を奏する。
【0141】
図18は、他の例を示すフローチャートである。図18において、図13と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0142】
図18は、液晶制御基板200が画像データによる画面をいつ表示するかの通知を作成し、これをサブ基板20へ送り、これに基づきデータ送信部20TXは画像の表示タイミングtαを取得するというものである。図5に示すように、周辺基板からサブ基板20へデータ送信は可能である。液晶制御基板200はVDPの動作を監視することで、画面がいつ表示されるかを知ることができる。
【0143】
S101c:データ送信部20TXは、液晶制御基板200から次に表示する画像の情報とその表示開始時刻の予告を受ける。
【0144】
S101d:当該画像とS100で取得した音声データが関連しているかどうか判断する。
図14のテーブルを参照することで、この判断を行うことができる。例えば、S101cで受けたものが演出Aの画像データAであり、S100で取得したものが音声データAであればS101dの判定はYESとなり、S100で取得したものが音声データBであれば判定はNOとなる。
YESのときはS101eの処理に進む。
【0145】
S101e:S101cで受けた表示開始時刻を当該音声データに対応する画像の表示タイミングtαとする。
【0146】
図18によれば、図17とは別のやり方で画像の表示タイミングtαを取得することができる。液晶制御基板200から送られてくる情報は正確なものであると期待できるから、図18によれば、図17よりも正確な表示タイミングtαを取得することができる。図18も、発明の実施の形態に係る効果を奏する。
【0147】
図19は、他の例を示すフローチャートである。図19において、図18と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。図20は、図19の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0148】
前述のように画像の表示処理はVフレームを単位として行われる(図9及びその説明参照。なお、以下の説明において「Vフレーム」を単に「フレーム」と表記する)。図19の処理の前提として、データ送信部20TXはフレームに関するタイミングを取得できるものとする。例えば、液晶制御基板200からフレームの開始タイミング(例えば、図20のt(n)、t(n+1)、t(n+2)、t(n+3))を受けている。あるいは、液晶制御基板200のVDPのフレームを初期設定するときに、データ送信部20TXの図示しないタイマー又はカウンタなどをフレームに合わせて動作させる。タイマー又はカウンタはフレームに同期しているので、これからデータ送信部20TXはタイミング(例えば、図20のt(n)、t(n+1)、t(n+2)、t(n+3))を取得することができる。
【0149】
画像の表示処理はフレームを単位として行われるから、例えば、図20に示すように、画像データAが時刻t(n)とt(n+1)に送信されたとすると、当該画像データAの描画が行われるのは、次の時刻t(n+1)からt(n+2)にかけてのフレームT(n+1)である。フレームの時間は一定(Tfm)である。そして、当該画像データAによる画面が表示されるのは、次の時刻t(n+2)からt(n+3)にかけてのフレームT(n+2)である。このように、画像データの送信タイミングがわかれば当該画像データの画面がどのフレームで表示されるかわかる。図20の例では、画像データ送信のフレームの次の次(2つ目)のフレームで画面が表示される。そして、そのフレームの開始タイミングが画像の表示タイミングtαに相当する。
【0150】
具体的には次のような処理を行う。
【0151】
S101f:データ送信部20TXは、画像データの送信タイミングtδに基づき描画期間を求める。
図20の例では、フレームT(n)で画像データAを送信しているから、描画期間は次のフレームT(n+1)となる。
【0152】
S101g:データ送信部20TXは、求めた描画期間に基づき画像表示期間を求める。
図20の例では、画像表示期間は次のフレームT(n+2)となる。
【0153】
S101h:データ送信部20TXは、画像表示期間の開始タイミングを画像の表示タイミングtαとする。
図20の例では、画像の表示タイミングtαは、フレームT(n+2)の始期t(n+2)となる。
【0154】
なお、S101fとS101gをひとつにまとめてもよい。例えば、「データ送信部20TXは、画像データの送信タイミングtδに基づき画像表示期間を求める。画像表示期間はデータ送信のフレームの2つ後であるので、フレーム番号を+2する」という処理を行う。
【0155】
図19によれば、図17及び図18とは別のやり方で画像の表示タイミングtαを取得することができる。図19によれば、図17よりも正確な表示タイミングtαを取得することができる。液晶制御基板200に対してタイミング情報の送信を要求しないので、液晶制御基板200の負担を軽くすることができるとともに、通信回線のトラフィック増加を抑制することができる。図19も、発明の実施の形態に係る効果を奏する。
【0156】
以上は遊技機としてスロットマシンを例に取り説明を加えたが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機のような他の遊技機にも適用可能である。
【0157】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0158】
20 サブ基板
20TX データ送信部
200 液晶制御基板(画面表示部制御部)
201 スピーカ基板(音響制御部)
LCD 液晶表示装置(画面表示部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画面表示部と、前記サブ基板の制御に基づき前記画面表示部を制御する画面表示部制御部と、前記演出に係る音響を発生する音響装置と、前記サブ基板の制御に基づき前記音響装置を制御する音響制御部と、前記画面表示部制御部及び前記音響制御部へデータを送信するデータ送信部とを備える遊技機において、
少なくともひとつの演出に対応して、前記画面表示部に表示する画面及び前記音響装置で発生する音響が予め定められ、
前記画面表示部の前記画面の表示と前記音響装置の前記音響の発生の間に生じるズレの許容量をTmとし、
前記演出に対応する前記音響のデータを前記データ送信部から前記音響制御部へ送るのに要する時間をTxmaxとし、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータを取得し、
前記演出に対応する前記画面の表示タイミングtαを取得し、
式:tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求め、
前記送信タイミングtβにおいて前記音響のデータを前記音響制御部へ送信する、ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ズレの許容量Tmは、遊技者が当該ズレを認識できない程度に短い時間に定められ、
前記音響のデータの送信に要する時間Txmaxは、前記ズレの許容量Tmの2倍以下であるように定められていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングをtδとし、前記画面表示部制御部が前記画像データの受信から前記画面の表示までに要する時間であって予め定められた時間をTcとし、
前記画面の表示タイミングtαをtδ+Tcにより求める、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記画面表示部制御部は、前記演出に係る画面の画像データとこれによる画面の表示タイミングを取得し、前記演出の情報及び前記画面の表示タイミングを前記データ送信部へ送り、
前記データ送信部は、
前記演出の情報に基づき、取得した前記音響のデータが前記演出に係る画面の画像データと関連するかどうか判定し、
前記音響のデータと前記画像データが関連するものであるとき、前記画面表示部制御部から受けた前記画面の表示タイミングをtαとする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記画面表示部制御部は、予め定められたフレームを単位として前記演出に係る画面を生成するとともに、前記フレームを単位として前記画面を前記画面表示部に表示するものであり、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングtδを取得し、
前記送信タイミングtδの含まれるフレームを特定し、
当該フレームに基づき前記画面が表示されるフレームを特定し、
前記画面が表示されるフレームの始期を前記画面の表示タイミングtαとする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項1】
演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画面表示部と、前記サブ基板の制御に基づき前記画面表示部を制御する画面表示部制御部と、前記演出に係る音響を発生する音響装置と、前記サブ基板の制御に基づき前記音響装置を制御する音響制御部と、前記画面表示部制御部及び前記音響制御部へデータを送信するデータ送信部とを備える遊技機において、
少なくともひとつの演出に対応して、前記画面表示部に表示する画面及び前記音響装置で発生する音響が予め定められ、
前記画面表示部の前記画面の表示と前記音響装置の前記音響の発生の間に生じるズレの許容量をTmとし、
前記演出に対応する前記音響のデータを前記データ送信部から前記音響制御部へ送るのに要する時間をTxmaxとし、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータを取得し、
前記演出に対応する前記画面の表示タイミングtαを取得し、
式:tβ=tα−Txmax/2に基づき前記音響のデータの送信タイミングtβを求め、
前記送信タイミングtβにおいて前記音響のデータを前記音響制御部へ送信する、ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ズレの許容量Tmは、遊技者が当該ズレを認識できない程度に短い時間に定められ、
前記音響のデータの送信に要する時間Txmaxは、前記ズレの許容量Tmの2倍以下であるように定められていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングをtδとし、前記画面表示部制御部が前記画像データの受信から前記画面の表示までに要する時間であって予め定められた時間をTcとし、
前記画面の表示タイミングtαをtδ+Tcにより求める、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記画面表示部制御部は、前記演出に係る画面の画像データとこれによる画面の表示タイミングを取得し、前記演出の情報及び前記画面の表示タイミングを前記データ送信部へ送り、
前記データ送信部は、
前記演出の情報に基づき、取得した前記音響のデータが前記演出に係る画面の画像データと関連するかどうか判定し、
前記音響のデータと前記画像データが関連するものであるとき、前記画面表示部制御部から受けた前記画面の表示タイミングをtαとする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記画面表示部制御部は、予め定められたフレームを単位として前記演出に係る画面を生成するとともに、前記フレームを単位として前記画面を前記画面表示部に表示するものであり、
前記データ送信部は、
前記演出に対応する前記音響のデータに対応付けられている前記演出に係る前記画面の画像データの送信タイミングtδを取得し、
前記送信タイミングtδの含まれるフレームを特定し、
当該フレームに基づき前記画面が表示されるフレームを特定し、
前記画面が表示されるフレームの始期を前記画面の表示タイミングtαとする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−85671(P2013−85671A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228413(P2011−228413)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
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