説明

遊技者情報処理装置

【課題】自動貯玉処理によって、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正する。
【解決手段】会員カード1と、計数機3と、ユニット2と、サーバ4とからなり、会員カード1は、持玉数情報記憶手段6と、状態情報記憶手段7と、を備え、サーバ4は、貯玉数記憶手段21と、貯玉処理手段22と、貯玉処理履歴記憶手段23と、を備え、会員カード1の状態情報記憶手段7に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、貯玉処理手段22が、貯玉処理履歴記憶手段23に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数と、持玉数情報記憶手段6に記憶されている持玉数との差分を算出し、この差分数を、貯玉数記憶手段21に記憶されている当該会員の貯玉数に加算又は減算する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらかじめ会員登録されている遊技者(以下、「会員」という)が遊技場に預け入れている遊技媒体、いわゆる貯玉に関して、貯玉数に過誤が生じた場合に適正な貯玉数への修正を行う遊技者情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技者が遊技の結果獲得した遊技媒体、いわゆる持玉は、計数機により計数され、計数結果はデータ化されて、持玉数情報として、管理装置であるサーバで管理されている。そして、当該遊技者が遊技場で会員登録されている会員である場合には、当該遊技者に係る持玉数情報は、各会員を識別する会員識別情報と関連付けてサーバで管理されていることがある。
【0003】
また会員は、遊技場を退出するときに、サーバで管理されている自己の持玉について、景品カウンターのPOSにて、景品との交換処理を行い、あるいは、自己の貯玉数に加算する処理を行うことで、自己の持玉数を、精算して「0」にする。
【0004】
一方、まれにこのような処理を行わずに遊技場を退出してしまう会員が存在する。そのような場合に、会員と遊技場とのトラブルを低減させるため、特許文献1に示すように、自動貯玉処理を行う技術が知られている。
【0005】
具体的には、遊技場の管理装置は、閉店処理や翌営業日の開店処理において、会員の持玉を管理する会員用持玉管理テーブルに記憶される持玉の有無を、会員カードの識別情報(=カードID)順に照査する。そして、照査対象とするカードIDに、対応する持玉残高が存在する場合に、管理装置は、持玉残高が存在したカードIDに対応する貯玉残高に、当該持玉残高を加算更新する。
【0006】
ところで、遊技場に設置された台間機であるユニットと、管理装置との間で、何らかの要因により通信が途絶する(オフラインになる)場合がある。このような事態に陥ってもオンライン時とほぼ同様の営業を継続させ、遊技者に混乱を与えないようにするために、遊技終了時(=遊技者によりカード返却ボタン等のカード返却操作手段の操作がなされたとき)に会員カードに持玉数を書き込む方法が考えられる。このようにすることで、遊技者は台移動を行なう場合や景品交換を行う場合でも、オフラインのユニットから排出された会員カードに記憶された持玉数を使用して別の遊技機での遊技を行ったり、景品交換を行ったりすることができるため、遊技場はオンライン時とほぼ同様の営業を行うことができ、遊技者も混乱せずに遊技に興じたり景品交換したりすることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2010−17348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ユニットとサーバとの間がオフラインの場合であってもオンライン時とほぼ同様の営業を許容しようとする遊技場の場合、上記特許文献1に示す自動貯玉処理では例えば、次のような問題が生じる。
【0009】
(ケース1)
ユニットとサーバ間がオンラインの状態で、会員甲がユニットに対応して配設されている遊技機で遊技を行った結果、会員甲の持玉数は10,000個となった。その時点で、会員甲はユニットから会員カードを抜き取り、別の遊技機へ移動した。移動先の遊技機に対応して配設されている移動先のユニットとサーバ間はオフラインの状態であった。会員甲は、移動先のユニットに会員カードを挿入し、遊技機で遊技した結果、遊技終了の時点で、会員甲の持玉数は500個まで減ってしまった。なお、移動先のユニットは遊技終了の時点においてもオフラインの状態であった。
【0010】
そして会員甲は、遊技終了後、精算を行わずに帰宅し、遊技場の閉店時間を過ぎると、閉店処理時または開店処理時に、サーバの貯玉処理手段は、サーバ持玉数情報記憶手段に記憶されている会員甲の持玉数を、会員甲の貯玉数へ加算する自動貯玉処理を行う。このときに加算される持玉数は、オンラインの状態で、移動元のユニットが会員カードの排出時に、サーバに送信した10,000個である。従って、移動先のユニットの遊技終了時点の、正しい持玉数(500個)との間に乖離が生じる。
【0011】
(ケース2)
ケース2は、遊技場の開店当初から、システムオフラインとなり、遊技場の全てのユニットとサーバ間がオフライン状態となって、終日復旧しないケースである。会員乙が、遊技機で遊技を行った結果、持玉数は10,000個となった。
【0012】
そして会員乙は、遊技終了後、精算を行わずに帰宅し、遊技場の閉店時間を過ぎると、閉店処理時または開店処理時に、サーバの貯玉処理手段は、サーバ持玉数情報記憶手段に記憶されている会員乙の持玉数を、会員乙の貯玉数へ加算する自動貯玉処理を行う。オンラインの状態で、ユニットがサーバに会員乙の持玉数を送信していないため、このときに加算される持玉数は、0個である。従って、遊技終了時点の、正しい持玉数(10,000個)との間に大きな乖離が生じる。
【0013】
以上例示したように、持玉をサーバ管理している場合でも、ユニットとサーバとの間がオフライン状態にあるときにオンライン時とほぼ同等の営業を許容する遊技場では、サーバに保持されている持玉数と現実の持玉数との間に乖離が生じ、自動貯玉処理がなされた場合に、本来自動貯玉処理がなされるべき持玉数と、自動貯玉処理が行われた持玉数との間に過誤が生じ、結果として貯玉数に過誤が生じるという課題を有している。
【0014】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、遊技場で会員登録されている遊技者である会員に予め配布されている会員用記憶媒体と、
遊技の結果当該会員が獲得した遊技媒体を計数し、遊技機に対応して配設されている計数機と、
管理装置及び計数機と通信可能に接続され、遊技機に対応して配設されている台間機と、
当該遊技場内の各台間機と通信可能に接続されている管理装置とからなり、
前記会員用記憶媒体は、
会員識別情報を記憶する会員識別情報記憶手段と、
遊技の結果当該会員が獲得し、前記計数手段の計数結果として得られた遊技媒体数である持玉数を記憶する持玉数情報記憶手段と、
前記台間機と前記管理装置との間の、通信状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、を備え、
前記台間機は、
前記会員用記憶媒体から情報を読み取ると共に、当該会員用記憶媒体に情報を書き込むリード/ライト手段と、
当該会員の持玉数を記憶する台間機持玉数情報記憶手段と、
自身と前記管理装置間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、を備え、
前記管理装置は、
会員識別情報に関連付けて、会員が当該遊技場に預け入れている遊技媒体数である貯玉数を、会員毎に記憶する貯玉数記憶手段と、
各台間機から受信した持玉数を、会員識別情報に関連付けて、会員毎に記憶する管理装置持玉数情報記憶手段と、
当該管理装置持玉数情報記憶手段に記憶されている、会員の持玉数を、前記貯玉数記憶手段に記憶されている、当該会員の貯玉数に加算する処理を行うと共に、
前記状態情報記憶手段に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、当該会員の貯玉数を修正する修正処理を行う貯玉処理手段と、
貯玉処理手段が行った前記処理の履歴を記憶する貯玉処理履歴記憶手段と、を備え、
前記貯玉処理手段が行う前記修正処理は、前記貯玉処理履歴記憶手段に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数と、前記持玉数情報記憶手段に記憶されている持玉数との差分を算出し、
この差分数を、貯玉数記憶手段に記憶されている当該会員の貯玉数に加算又は減算する、遊技者情報処理装置とした。
【0016】
請求項2の発明では、遊技場で会員登録されている遊技者である会員に予め配布されている会員用記憶媒体と、
遊技の結果当該会員が獲得した遊技媒体を計数し、遊技機に対応して配設されている計数機と、
管理装置及び計数機と通信可能に接続され、遊技機に対応して配設されている台間機と、
当該遊技場内の各台間機と通信可能に接続されている管理装置とからなり、
前記会員用記憶媒体は、
会員識別情報を記憶する会員識別情報記憶手段と、
遊技の結果当該会員が獲得し、前記計数手段の計数結果として得られた遊技媒体数である持玉数を記憶する持玉数情報記憶手段と、
前記台間機と前記管理装置との間の、通信状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、を備え、
前記台間機は、
前記会員用記憶媒体から情報を読み取ると共に、当該会員用記憶媒体に情報を書き込むリード/ライト手段と、
当該会員の持玉数を記憶する台間機持玉数情報記憶手段と、
自身と前記管理装置間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、を備え、
前記管理装置は、
会員識別情報に関連付けて、会員が当該遊技場に預け入れている遊技媒体数である貯玉数を、会員毎に記憶する貯玉数記憶手段と、
各台間機から受信した持玉数を、会員識別情報に関連付けて、会員毎に記憶する管理装置持玉数情報記憶手段と、
当該管理装置持玉数情報記憶手段に記憶されている、会員の持玉数を、前記貯玉数記憶手段に記憶されている、当該会員の貯玉数に加算する処理を行うと共に、
前記状態情報記憶手段に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、当該会員の貯玉数を修正する修正処理を行う貯玉処理手段と、
貯玉処理手段が行った前記処理の履歴を記憶する貯玉処理履歴記憶手段と、を備え、
前記貯玉処理手段が行う前記修正処理は、前記貯玉処理履歴記憶手段に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数を、貯玉数記憶手段に記憶されている当該会員の貯玉数から減算し、
当該減算後の貯玉数に、前記持玉数情報記憶手段に記憶されている持玉数を加算する、遊技者情報処理装置とした。
【0017】
請求項3の発明では、前記管理装置と通信可能に接続された、前記台間機以外の情報処理装置を更に設け、
当該情報処理装置は、前記会員用記憶媒体から情報を読み取るリード手段を、更に備える、請求項1又は2に記載の遊技者情報処理装置とした。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜3の発明によれば、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正することができ、遊技者と遊技場とのトラブルを低減させることができる。
【0019】
特に、請求項3の発明によれば、台間機以外のPOS、精算機、クライアントコンピュータ等の遊技場にある、他の情報処理装置からも、貯玉修正処理を行うことができ、便宜である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、遊技場で会員登録されている遊技者である会員に予め配布されている会員用記憶媒体と、遊技の結果当該会員が獲得した遊技媒体を計数し、遊技機に対応して配設されている計数機と、管理装置及び計数機と通信可能に接続され、遊技機に対応して配設されている台間機と、当該遊技場内の各台間機と通信可能に接続されている管理装置とからなり、前記会員用記憶媒体は、会員識別情報を記憶する会員識別情報記憶手段と、遊技の結果当該会員が獲得し、前記計数手段の計数結果として得られた遊技媒体数である持玉数を記憶する持玉数情報記憶手段と、前記台間機と前記管理装置との間の、通信状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、を備え、前記台間機は、前記会員用記憶媒体から情報を読み取ると共に、当該会員用記憶媒体に情報を書き込むリード/ライト手段と、当該会員の持玉数を記憶する台間機持玉数情報記憶手段と、自身と前記管理装置間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、を備え、前記管理装置は、会員識別情報に関連付けて、会員が当該遊技場に預け入れている遊技媒体数である貯玉数を、会員毎に記憶する貯玉数記憶手段と、各台間機から受信した持玉数を、会員識別情報に関連付けて、会員毎に記憶する管理装置持玉数情報記憶手段と、当該管理装置持玉数情報記憶手段に記憶されている、会員の持玉数を、前記貯玉数記憶手段に記憶されている、当該会員の貯玉数に加算する処理を行うと共に、前記状態情報記憶手段に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、当該会員の貯玉数を修正する修正処理を行う貯玉処理手段と、貯玉処理手段が行った前記処理の履歴を記憶する貯玉処理履歴記憶手段と、を備え、前記貯玉処理手段が行う前記修正処理は、前記貯玉処理履歴記憶手段に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数と、前記持玉数情報記憶手段に記憶されている持玉数との差分を算出し、この差分数を、貯玉数記憶手段に記憶されている当該会員の貯玉数に加算又は減算する構成とすることにより、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正することができる。
【実施例1】
【0021】
図1は、遊技者情報処理装置Aの全体を示す概念図である。遊技者情報処理装置Aは、会員用記憶媒体の一例としての会員カード1と、台間機の一例としてのユニット2と、ユニット2に対応して配設されている計数機3と、管理装置の一例としてのサーバ4とから構成されている。ユニット2とサーバ4は通信回線を通じて接続されており、通常のオンラインの状態では、相互に情報及び信号の送受信が可能である。
【0022】
遊技場で会員登録した遊技者である会員に配布される会員カード1は、内部に情報を書込み、また内部に記憶された情報を読出すことのできる媒体であればよく、例えば、集積回路を組み込んだICカードや磁気テープを用いた磁気カード等により実現可能である。会員カード1は、会員識別情報記憶手段5と、持玉数情報記憶手段6と、状態情報記憶手段7とを有している。会員識別情報記憶手段5には会員を識別するための会員識別情報が記憶されている。この会員識別情報は、各会員カード1に割り振られた固有の文字、図形、記号又はこれらの組み合わせからなる。持玉数情報記憶手段6には、遊技終了時の当該会員の持玉数が記憶更新される。具体的には、遊技終了時にユニット2から会員カード1を排出するため、会員がカード返却ボタンを押す等、会員カード1の返却操作を行った時点で、ユニット2に保持されている当該会員の持玉数が記憶される。
【0023】
状態情報記憶手段7には、会員が会員カード1の返却操作を行った時点で、ユニット2とサーバ4間が通信不能のオフラインの状態であった場合には、オフラインフラグ等の通信不能情報が記憶される。
【0024】
ユニット2は、図2に示すように遊技場に複数設けられた各遊技機9に対応して設けられている台間機であり、現金が投入されると一定の遊技媒体を貸し出す、遊技媒体貸出機としての機能、及び遊技の結果遊技者が獲得し、計数機3で計数された遊技媒体、いわゆる持玉を払い出す機能を備えている。また、ユニット2には、予めICコイン(図示省略)が内蔵されており、ビジター(=遊技場で会員登録しないで、遊技を行う者)が遊技を終了し、ICコイン排出操作手段(図示省略)が操作された場合には、このICコインに当該遊技者の持玉数、その他の所要の情報を書き込んで、排出する機能も有している。
【0025】
ユニット2は、図1及び図2に示すように、夫々計数機3と接続されている。計数機3は遊技機9から払い出された遊技媒体を計数し、所定のタイミングで、計数結果をユニット2のユニット持玉数情報記憶手段12に送信し、ユニット持玉数情報記憶手段12はこれらの計数結果を順次受信して、持玉数を累積的に記憶する。なお、同様にこれらの計数結果はサーバ4のサーバ持玉数情報記憶手段24に所定のタイミングで送信されており、サーバ持玉数情報記憶手段24にも、各ユニット2の持玉数が記憶されている。
【0026】
また、ユニット2はリード/ライト手段11、ユニット持玉数情報記憶手段12、通信状態監視手段13、カード返却操作手段14、表示手段15、ユニット制御手段16、カード排出制御手段17、払出数入力手段18、持玉払出制御手段19を備えている。
【0027】
リード/ライト手段11は、会員カード1と有線又は無線通信を行い、会員カード1に記憶されている情報を読み取ったり、会員カード1に所定の情報を書き込んだりする。具体的には、会員識別情報記憶手段5から会員識別情報を読み取ること、持玉数情報記憶手段6に記憶されている持玉数情報を読み取ること、状態情報記憶手段7に通信不能情報が記憶されていればこの通信不能情報を読み取ることを行う。また、持玉数情報記憶手段6に当該会員の持玉数を書き込むこと、状態情報記憶手段7にオフラインフラグ等の通信不能情報を書き込むことを行う。
【0028】
ユニット持玉数情報記憶手段12は、例えば、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)や不揮発性メモリ等の記憶デバイスを用いることができる。ユニット持玉数情報記憶手段12は、会員が遊技機9で遊技の結果獲得し、計数機3で計数された遊技媒体数、当該会員のいわゆる持玉数が、会員カード1から読み出した会員識別情報と関連付けて、累積的に記憶更新される。また、会員カード1の持玉数情報記憶手段6から読み出した持玉数が、会員識別情報と関連付けて記憶される。更に、ユニット2から持玉が払い出された場合には、払い出された持玉相当分の持玉数を減算した減算後の持玉数が記憶更新される。また、カード返却操作手段14が操作されると、カード返却操作手段14は、ユニット制御手段16にカード排出信号を送信する。カード排出信号を受信したユニット制御手段16は、リード/ライト手段11を通じて持玉数情報、ユニット2とサーバ4の間がオフライン状態であれば通信不能情報を書き込む制御を行い、後述のカード排出制御手段17に対して会員カード1をユニット2から排出するよう制御を行うと共に、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を「0」にリセットする制御を行う。
【0029】
通信状態監視手段13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、通信状態監視手段13は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、通信状態監視手段13は、ロードして実行することとなる。通信状態監視手段13は、サーバ4から周期的に発信されている通信確認信号を受信している。そして、所定時間通信確認信号の受信が途切れると、通信状態監視手段13は、ユニット2とサーバ4間が、オフラインの状態であると判断し、この判断を保持する。一方、オフラインの状態であると判断しているときに通信確認信号を受信すると、オンラインの状態であると判断し、この判断を保持する。
【0030】
カード返却操作手段14は、遊技者、会員等から会員カード返却操作を受け付ける、例えばカード返却ボタン、レバー、テンキー、タッチパネル等の入力デバイスで構成されている。カード返却操作手段14は、会員から会員カード1の返却操作を受け付けると、カード排出信号をユニット制御手段16に送信する。
【0031】
表示手段15は、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、モニタ、7セグメント等の表示デバイスで構成することができる。そして表示手段15はユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている会員の持玉数、貯玉数、会員の遊技に関する情報、遊技機9の稼動情報、処理完了やエラーといったユニット2を制御するコマンドやそれに対する応答出力等を表示する。
【0032】
ユニット制御手段16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、ユニット制御手段16は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、ユニット制御手段16は、ロードして実行することとなる。ユニット制御手段16は、カード挿入信号を受信すると、カード排出制御手段17に挿入された会員カード1から、リード/ライト手段11を通じて、会員識別情報及び当該会員の持玉数を読み取って、サーバ4に送信すると共に、ユニット持玉数情報記憶手段12に当該持玉数を、当該会員識別情報と関連付けて記憶する制御を行う。
【0033】
また、ユニット制御手段16は、カード排出信号を受信すると、通信状態監視手段13が通信確認信号を受信中であるか否かを確認し、受信中ではない場合には、リード/ライト手段11を通じて、オフラインフラグ等の通信不能情報を会員カード1の状態情報記憶手段7に書き込む制御を行う。また、ユニット制御手段16は、カード排出信号を受信すると、その時点でユニット2が保持している当該会員の持玉数、つまりカード排出信号を受信した時点の、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を、リード/ライト手段11を通じて、会員カード1の持玉数情報記憶手段6に書き込む制御を行う。また、カード排出信号を受信すると、その時点でユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を、サーバ4に会員識別情報と共に送信する制御を行う。更に、ユニット制御手段16は、カード排出信号をカード排出制御手段17に送信する制御を行う。
【0034】
また、ユニット制御手段16は、払出信号を受信すると、持玉払出制御手段19に、払出信号を送信する制御を行う。また、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を呼び出して、当該持玉数から払出信号に含まれている払出遊技媒体数を減算し、減算後の持玉数をユニット持玉数情報記憶手段12に更新記憶する制御を行う。
【0035】
カード排出制御手段17は、会員カード1の挿入を受け付けて保持し、ユニット制御手段16からカード排出信号を受信すると、会員カード1を排出する機構である。また、カード排出制御手段17には、会員カード1の挿入を検知するセンサー(図示省略)が設けられており、当該センサーは、会員カード1の挿入を検知すると、カード挿入信号をユニット制御手段16に送信する制御を行う。
【0036】
払出数入力手段18は、その時点でユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を上限として、払い出す遊技媒体数の入力及び払出実行の入力を、会員から受け付ける、例えばテンキー、タッチパネル等の入力デバイスで構成されている。払出数入力手段18は、払い出す遊技媒体数の入力及び払出実行の入力を受け付けると、払出遊技媒体数を含んだ払出信号を、ユニット制御手段16に送信する。
【0037】
持玉払出制御手段19は、ユニット制御手段16から払出信号を受信して、指定された数の持玉を払い出す機構である。
【0038】
サーバ3は、プログラム制御により動作するコンピュータであり、会員情報記憶手段20、貯玉数記憶手段21、貯玉処理手段22、貯玉処理履歴記憶手段23、サーバ持玉数情報記憶手段24、サーバ制御手段25を備えている。
【0039】
会員情報記憶手段20は、例えば、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)や不揮発性メモリ等の記憶デバイスを用いることができる。会員情報記憶手段20は、会員識別情報ごとに区分けされて、会員に関する情報、例えば会員氏名、住所、生年月日、性別、年齢、来店回数、来店ポイント数等が記憶されている。従って、会員識別情報に基づいて、当該会員の会員情報を検索して、呼び出すことができる。
【0040】
貯玉数記憶手段21は例えば、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)や不揮発性メモリ等の記憶デバイスを用いることができる。貯玉数記憶手段21は、当該遊技場で会員登録されている遊技者、すなわち会員の貯玉数を会員識別情報に関連付けて記憶しており、会員識別情報を基に検索すれば、当該会員の貯玉数を呼び出すことができる。また、貯玉数記憶手段21は、貯玉数を「玉」、「メダル」といった遊技媒体種別、「1玉=1円」、「1玉=4円」といった貸出レート別に区分けして記憶している。
【0041】
貯玉処理手段22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、貯玉処理手段22は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、貯玉処理手段22は、ロードして実行することとなる。貯玉処理手段22は、例えばPOS(図示省略)から、会員識別情報及び貯玉処理信号を受信すると、会員識別情報に基づいて、サーバ持玉数情報記憶手段24に記憶されている当該会員の持玉数と、貯玉数記憶手段21に記憶されている当該会員の貯玉数を特定して呼び出す。そして、当該会員の持玉数を、当該会員の貯玉数に加算し、貯玉数記憶手段21に記憶されている貯玉数を更新する貯玉処理を行う。そして、サーバ持玉数情報記憶手段24に記憶されている当該会員の持玉数を「0」にリセットする処理を行う。
【0042】
また、貯玉処理手段22は、閉店時間を過ぎても、サーバ持玉数情報記憶手段24に記憶されている会員の持玉数を、対応する会員の貯玉数に加算する自動貯玉処理を行う。以下、具体的に説明する。貯玉処理手段22は、サーバ持玉数情報記憶手段24内を検索して、遊技場の閉店時までに精算して「0」にされなかった、残った持玉数を、例えば、閉店処理時または開店処理時に抽出し、抽出した持玉数と関連付けて記憶されている会員識別情報を特定する。次に、特定された会員識別情報に基づき、貯玉数記憶手段21内を検索し、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている貯玉数を呼び出す。そして、抽出した持玉数を、呼び出した貯玉数に加算するとともに、抽出した持玉数及び会員識別情報をサーバ持玉数情報記憶手段24から削除する。上記の貯玉処理を、抽出した持玉数毎に繰り返し行う。なお、抽出した持玉数に会員識別情報が関連付けられていない場合(ビジター用の識別情報が関連付けられている場合)は、この抽出した持玉数をサーバ持玉数情報記憶手段24から削除する。
【0043】
また、貯玉処理手段22は、後述の貯玉修正信号を受信すると、受信した会員識別情報に基づいて、貯玉数記憶手段21内を検索し、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている貯玉数を呼び出す。また、貯玉処理履歴記憶手段23内を検索し、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている貯玉処理履歴を呼び出し、当該貯玉処理履歴の中から貯玉処理を行った玉数である貯玉処理玉数を呼び出す。
【0044】
そして、受信した持玉数(=本来、貯玉すべき玉数)から、呼び出した貯玉処理玉数を減算し、差分が正の値であれば、呼び出した貯玉数に当該差分を加算する。一方、減算した結果、差分が負の値であれば、呼び出した貯玉数から当該差分を減算する。その後、貯玉修正完了信号をサーバ制御手段25に送信する。
【0045】
貯玉処理履歴記憶手段23は例えば、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)や不揮発性メモリ等の記憶デバイスを用いることができる。貯玉処理履歴記憶手段23は、貯玉処理手段22によって行われた貯玉処理の履歴(貯玉処理を取り消した履歴も含む)を、日時情報及び会員識別情報と共に、逐一記憶する。
【0046】
サーバ持玉数情報記憶手段24は例えば、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)や不揮発性メモリ等の記憶デバイスを用いることができる。サーバ持玉数情報記憶手段24は、当該遊技場の会員の持玉数を会員識別情報に関連付けて記憶しており、会員識別情報を基に検索すれば、当該会員の持玉数を呼び出すことができる。なお、サーバ持玉数情報記憶手段24に記憶されている持玉数の記憶更新については、後述のサーバ制御手段25が、ユニット2から会員識別情報と持玉数を所定のタイミングで受信することにより行う。例えば本実施例では、ユニット2から会員カード1を排出するカード返却操作手段14が操作されたタイミングでユニット2から会員識別情報及び持玉数を受信する。
【0047】
サーバ制御手段25は例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、サーバ制御手段25は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、サーバ制御手段25は、ロードして実行することとなる。
【0048】
サーバ制御手段25は、貯玉修正処理を行う場合には、ユニット2から受信した情報の中に、オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていたか否かを判定する。オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていた場合には、貯玉修正信号を貯玉処理手段22に送信する。以上のような制御を行う。
【0049】
また、サーバ制御手段25は、貯玉修正完了信号を受信すると、処理完了通知及び貯玉修正後の持玉数である「0」、修正後の貯玉数をユニット2に対して送信する。
【0050】
次に、遊技者情報処理装置Aの具体的な処理の流れを図3〜図4を用いて説明する。なお、ここでは自己の持玉を精算せずに遊技場を退出し自動貯玉処理された会員がその翌日以降に来店したこと、及び来店して最初に会員カード1が処理された機器がユニット2であることを前提とする。
【0051】
まず図3に示すように、当該会員によって会員カード1が、ユニット2のカード排出制御手段17に挿入されると(S301)、カード排出制御手段17に設けられているセンサー(図示省略)は挿入を検知して、カード挿入信号をユニット制御手段16に送信する。ユニット制御手段16は、通信状態監視手段13が保持している通信状態の情報を参照してオンライン状態である場合には、リード/ライト手段11を通じて、会員カード1に記憶されている会員識別情報、持玉数、オフラインフラグ等の通信不能情報を読み取り(S302)、これらの情報をサーバ4に送信する(S303)。一方、通信状態監視手段13が保持している通信状態の情報を参照してオフライン状態である場合には、カード排出信号をカード排出制御手段17に送信し、カード排出信号を受信したカード排出制御手段17は、会員カード1を排出する。
【0052】
図4に示すように、サーバ制御手段25は、ユニット2から受信した情報の中に、オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていたか否かを判定する(S401)。オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていた場合には、サーバ制御手段25は、貯玉修正信号を貯玉処理手段22に送信する。貯玉修正信号を受信した貯玉処理手段22は、受信した会員識別情報に基づいて、貯玉数記憶手段21内を検索し(S402)、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている貯玉数を呼び出す。また、貯玉処理履歴記憶手段23内を検索し(S403)、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている最新の貯玉処理履歴を抽出し(S404)、当該貯玉処理履歴の中から貯玉処理を行った玉数である貯玉処理玉数を呼び出す。
【0053】
次に、受信した持玉数(=本来、貯玉すべき玉数)から、呼び出した貯玉処理玉数を減算し、算出された差分(S405)が正の値であれば、呼び出した貯玉数に当該差分を加算する(S406)。一方、減算した結果、差分が負の値であれば、呼び出した貯玉数から当該差分を減算する(S406)。
【0054】
なお、ここでは、受信した持玉数(=本来、貯玉処理すべき玉数)から呼び出した貯玉処理玉数を減算する構成を示したが、呼び出した貯玉処理玉数から受信した持玉数(=本来、貯玉処理すべき玉数)を減算する構成としても良い。その場合には、差分が正の値であると、呼び出した貯玉数から当該差分を減算する。差分が負の値であると、呼び出した貯玉数に当該差分を加算する。
【0055】
そして貯玉処理手段22は貯玉修正完了信号をサーバ制御手段25に送信する。
【0056】
次に、貯玉修正完了信号を受信したサーバ制御手段25は、図3に示すように、処理完了通知及び貯玉修正後の持玉数である「0」、修正後の貯玉数をユニット2に対して送信する(S304)。処理完了通知及び修正後の持玉数、修正後の貯玉数を受信したユニット2の表示手段15は、処理完了、修正後の持玉数、修正後の貯玉数を表示する(S305)。
【0057】
このように、遊技者情報処理装置Aを構成することによって、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正することができる。
【0058】
なお、本実施例では、貯玉修正を行うために、受信した持玉数と貯玉処理玉数との差分を用いる構成を示したが、当該会員の貯玉数から貯玉処理玉数を減算し、減算後の貯玉数に受信した持玉数を加算する構成としても良い。
【0059】
また、本実施例では計数機3で計数した持玉数に基づいて景品交換する場合について説明したが、いわゆる封入式遊技機の場合であっても適用可能である。更に、上記実施例では遊技媒体としてパチンコ玉を例としたが、スロットマシン用のメダルに基づいて景品交換する場合にも適用可能である。また、上記実施例では、1つの装置内に各記憶手段をそれぞれ設ける構成としているが、1つの装置内に1つの記憶手段を設け、この1つの記憶手段にそれぞれの記憶領域を設ける構成としても良い。また、上記実施例では会員カード1内に複数の記憶手段を設ける構成としているが、1つの記憶手段を設け、この1つの記憶手段にそれぞれの記憶領域を設ける構成としても良い。
【0060】
また、本実施例では通信状態監視手段13を設け、この通信状態監視手段13が、サーバ4からの通信確認信号の有無を検知して、ユニット2とサーバ4間がオンライン状態か、オフライン状態かを判断する構成を示したが、ユニット2が会員カード1に記憶されている会員識別情報、持玉数、オフラインフラグ等の通信不能情報、更新日付をサーバ4へ送信できたか否かで、ユニット2とサーバ4間がオンライン状態か、オフライン状態かを判断する構成としても良い。
【0061】
また、本実施例ではユニット2は玉貸し時の玉の払い出しを行える構成としているが、玉貸し時の玉の払い出しは遊技機の玉排出口(図示省略)を利用するいわゆるCRユニットであってもよい。また、ユニット2はいわゆる貯玉再プレイ機能を備えるものであっても良い。
【0062】
また、本実施例ではユニット2に挿入された会員カード1を排出するためのカード返却操作手段14はユニット2に設ける構成としているが、これに限られるものではなく、遊技機9や呼出ランプ(図示省略)に設けることとしても良い。
【0063】
また、本実施例では払出数入力手段18に払い出す持玉数を入力することで指定された持玉数が払い出されるよう構成しているが、これに限られるものではない。例えば、払出実行入力手段(図示省略)を設け、この入力を受け付けている間は持玉を払い出す払出信号をユニット制御手段16に送信し続けるよう構成したり、1回の操作で払い出す持玉数を予め設定しておき、払出実行入力手段が入力を受け付けるとユニット制御手段16に対して払出信号を送信し、この払出信号を受信したユニット制御手段16は持玉払出制御手段19に対して払出信号を送信し、持玉払出制御手段19は予め設定された数の持玉を払い出すよう構成しても良い。
【0064】
また、本実施例では会員情報記憶手段20と貯玉数記憶手段21とを別個に構成する例を示したが、貯玉数記憶手段21を設けず、会員情報記憶手段20に記憶されている会員情報の一部として貯玉数を記憶する構成としても良い。
【0065】
また本実施例では、自動貯玉処理された会員が、その翌日以降に来店し、来店して最初に会員カード1が処理された機器がユニット2である場合について説明したが、来店して最初に会員カード1が処理された装置がPOS、精算機、クライアントコンピュータ等、会員カード1に記憶されている情報を読み取ることができ、サーバ4と相互通信可能に接続されている情報処理装置である場合にも同様の貯玉修正処理を行う。この場合の基本的な流れは図3及び図4に示す通りであるが、処理がなされた情報処理装置によって、貯玉修正後の持玉数等を表示すること(S305)は行わなくても良い。
【実施例2】
【0066】
上記実施例1では、貯玉修正処理を開始する条件として、会員カード1から受信した情報の中にオフラインフラグ等の通信不能情報がある場合のみの説明をしたが、本実施例ではこれに加えて、日付情報も参照して貯玉修正処理を開始するか否かを判断する構成例を示す。
【0067】
図5は、遊技者情報処理装置Bの全体を示す概念図である。遊技者情報処理装置Bは、会員用記憶媒体の一例としての会員カード31と、台間機の一例としてのユニット32と、ユニット32に対応して配設されている計数機3と、管理装置の一例としてのサーバ34とから構成されている。ユニット32とサーバ34は通信回線を通じて接続されており、通常のオンラインの状態では、相互に情報及び信号の送受信が可能である。
【0068】
遊技場で会員登録した遊技者である会員に配布される会員カード31は、内部に情報を書込み、また内部に記憶された情報を読出すことのできる媒体であればよく、例えば、集積回路を組み込んだICカードや磁気テープを用いた磁気カード等により実現可能である。会員カード31は、会員識別情報記憶手段5と、持玉数情報記憶手段6と、状態情報記憶手段7と、更新日時情報記憶手段8を有している。
【0069】
更新日時情報記憶手段8には、持玉数情報記憶手段6に持玉数が記憶更新された日時が記憶される。
【0070】
また、ユニット32はリード/ライト手段41、ユニット持玉数情報記憶手段12、通信状態監視手段13、カード返却操作手段14、表示手段15、ユニット制御手段46、カード排出制御手段17、払出数入力手段18、持玉払出制御手段19を備えている。
【0071】
リード/ライト手段41は、会員カード31と有線又は無線通信を行い、会員カード31に記憶されている情報を読み取ったり、会員カード31に所定の情報を書き込んだりする。具体的には、会員識別情報記憶手段5から会員識別情報を読み取ること、持玉数情報記憶手段6に記憶されている持玉数情報を読み取ること、状態情報記憶手段7に通信不能情報が記憶されていればこの通信不能情報を読み取ること、更新日時情報記憶手段8に記憶されている更新日時の情報を読み取ることを行う。また、持玉数情報記憶手段6に当該会員の持玉数を書き込むこと、状態情報記憶手段7にオフラインフラグ等の通信不能情報を書き込むこと、更新日時情報記憶手段8に、持玉数情報記憶手段6に持玉数が記憶更新された日時を書き込むことを行う。
【0072】
ユニット制御手段46は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、ユニット制御手段46は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、ユニット制御手段46は、ロードして実行することとなる。ユニット制御手段46は、カード返却操作手段14からカード排出信号を受信したリード/ライト手段41を通じて持玉数情報、更新日時、ユニット32とサーバ34の間がオフライン状態であれば通信不能情報を書き込む制御を行い、カード排出制御手段17に対して会員カード31をユニット32から排出するよう制御を行うと共に、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を「0」にリセットする制御を行う。
【0073】
ユニット制御手段46は、カード挿入信号を受信すると、カード排出制御手段17に挿入された会員カード31から、リード/ライト手段41を通じて、会員識別情報及び当該会員の持玉数を読み取って、サーバ34に送信すると共に、ユニット持玉数情報記憶手段12に当該持玉数を、当該会員識別情報と関連付けて記憶する制御を行う。
【0074】
また、ユニット制御手段46は、カード排出信号を受信すると、通信状態監視手段13が通信確認信号を受信中であるか否かを確認し、受信中ではない場合には、リード/ライト手段41を通じて、オフラインフラグ等の通信不能情報を会員カード31の状態情報記憶手段7に書き込む制御を行う。また、ユニット制御手段46は、カード排出信号を受信すると、その時点でユニット32が保持している当該会員の持玉数、つまりカード排出信号を受信した時点の、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を、リード/ライト手段41を通じて、会員カード31の持玉数情報記憶手段6に書き込む制御を行う。また、カード排出信号を受信すると、その時点でユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を、サーバ34に会員識別情報と共に送信する制御を行う。更に、ユニット制御手段46は、カード排出信号をカード排出制御手段17に送信する制御を行う。
【0075】
また、ユニット制御手段46は、払出信号を受信すると、持玉払出制御手段19に、払出信号を送信する制御を行う。また、ユニット持玉数情報記憶手段12に記憶されている持玉数を呼び出して、当該持玉数から払出信号に含まれている払出遊技媒体数を減算し、減算後の持玉数をユニット持玉数情報記憶手段12に更新記憶する制御を行う。
【0076】
サーバ34は、プログラム制御により動作するコンピュータであり、会員情報記憶手段20、貯玉数記憶手段21、貯玉処理手段22、貯玉処理履歴記憶手段23、サーバ持玉数情報記憶手段24、サーバ制御手段55、計時手段26を備えている。
【0077】
サーバ制御手段55は例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成することができる。従って、サーバ制御手段55は、後述する機能に対応するプログラムをROMや不揮発性メモリ(図示省略)に記憶しておき、これらのプログラムを、サーバ制御手段55は、ロードして実行することとなる。
【0078】
サーバ制御手段55は、貯玉修正処理を行う場合には、ユニット32から受信した情報の中に、オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていたか否かを判定する。オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていた場合には、後述の計時手段26から現在日付を呼び出し、受信した更新日時と照合する。具体的には、日付が一致するか否かを照合する。そして、照合の結果、日付が一致しなかった場合には、貯玉修正信号を貯玉処理手段22に送信する。以上のような制御を行う。
【0079】
また、サーバ制御手段55は、貯玉修正完了信号を受信すると、処理完了通知及び貯玉修正後の持玉数である「0」、修正後の貯玉数をユニット32に対して送信する。
【0080】
計時手段26は、現在日付を計時する計時デバイスである。
【0081】
次に、遊技者情報処理装置Bの具体的な処理の流れを説明する。
【0082】
まず、当該会員によって会員カード31が、ユニット32のカード排出制御手段17に挿入されると、カード排出制御手段17に設けられているセンサー(図示省略)は挿入を検知して、カード挿入信号をユニット制御手段46に送信する。ユニット制御手段46は、通信状態監視手段13が保持している通信状態の情報を参照してオンライン状態である場合には、リード/ライト手段41を通じて、会員カード31に記憶されている会員識別情報、持玉数、オフラインフラグ等の通信不能情報、更新日時を読み取り、これらの情報をサーバ34に送信する。一方、通信状態監視手段13が保持している通信状態の情報を参照してオフライン状態である場合には、カード排出信号をカード排出制御手段17に送信し、カード排出信号を受信したカード排出制御手段17は、会員カード31を排出する。
【0083】
そして図6に示すように、サーバ制御手段55は、ユニット32から受信した情報の中に、オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていたか否かを判定する(S601)。オフラインフラグ等の通信不能情報が含まれていた場合には、計時手段26から現在日付を呼び出し、受信した更新日時と照合する(S602)。具体的には、日付が一致するか否かを照合する。
【0084】
照合の結果、日付が一致しなかった場合には、サーバ制御手段55は、貯玉修正信号を貯玉処理手段22に送信する。貯玉修正信号を受信した貯玉処理手段22は、受信した会員識別情報に基づいて、貯玉数記憶手段21内を検索し(S603)、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている貯玉数を呼び出す。また、貯玉処理履歴記憶手段23内を検索し、一致する会員識別情報を探す。一致する会員識別情報が見つかった場合には、当該会員識別情報に関連付けて記憶されている最新の貯玉処理履歴(貯玉処理を行った玉数である貯玉処理玉数及び処理日時)を抽出し(S604)、最新の貯玉処理履歴の処理日時と受信した更新日時情報の日時とを比較する(S605)。
【0085】
この比較において、受信した更新日時情報の日時より最新の貯玉処理履歴の処理日時の方が新しい場合、受信した持玉数(=本来、貯玉すべき玉数)から、呼び出した貯玉処理玉数を減算し、算出された差分(S606)が正の値であれば、呼び出した貯玉数に当該差分を加算する(S607)。一方、減算した結果、差分が負の値であれば、呼び出した貯玉数から当該差分を減算する(S607)。そして貯玉処理手段22は貯玉修正完了信号をサーバ制御手段55に送信する。
【0086】
一方、上記比較(S605)において最新の貯玉処理履歴の処理日時より受信した更新日時情報の日時の方が新しい場合、ステップS603において呼び出した貯玉数に受信した持玉数を加算する処理を行う(S608)。
【0087】
このように、遊技者情報処理装置Bを構成することによって、誤った持玉数が加算された貯玉数を、本来あるべき貯玉数に修正することができる。また、貯玉修正処理を行う日と、会員カード31に持玉数が書き込まれた日が異なることを確認した上で、貯玉修正処理を行う構成としたため、例えば、ある遊技機で遊技していた会員が別の遊技機に移動して、移動先の遊技機に対応して配設されているユニット32が、当該会員の会員カード31を読み取った場合等に、誤って貯玉修正処理が行われてしまう事態を避けることができ、より慎重に貯玉修正処理を行うことができ、便宜である。
【0088】
また、本実施例では、貯玉修正を行う前に貯玉修正の必要性を確認するため、オフラインフラグ等の通信不能情報の有無の判定、受信した更新日時と現在日付との照合を順番に行う構成を示したが、これらの処理の順番は順不同であり、並行して同時に行う構成でも良い。
【0089】
<実施例2の変形例>
また、本実施例では自動貯玉処理において貯玉処理を行ったサーバ持玉数情報記憶手段24内の持玉数情報(日時情報を含む)を、自動貯玉処理が終了すると削除する構成としているが、自動貯玉処理が終了しても削除しないよう構成することもできる。この場合、サーバ34のサーバ持玉数情報記憶手段24には持玉数情報と関連付けて当該持玉数情報を記憶した日時を記憶しておき、貯玉修正処理の際にはこの更新日時情報記憶手段8内の日時情報とサーバ持玉数情報記憶手段24内に持玉数と関連付けて記憶された会員識別情報とともに記憶されている日時情報とを照合するよう構成する。
【0090】
すなわち、会員の遊技終了時にユニット32とサーバ34とがオンライン状態であれば、ユニット32から受信した持玉数情報を記憶した日時と、会員カード31内の更新日時情報記憶手段8内の日時情報とは一致することとなる。しかし、ユニット32とサーバ34とがオフライン状態であればこれらは一致しないこととなる。したがって、図7に示す貯玉修正処理において、ユニットから受信した更新日時情報(=会員カード31の更新日時情報記憶手段8内の更新日時情報)とサーバ持玉数情報記憶手段24内に持玉数・会員識別情報と共に記憶された日時情報との照合を行い(S702)、一致しない場合にステップS603に進むように構成する。貯玉修正処理の際にはこのような態様での実施も可能である。そして、貯玉修正処理が終了するとサーバ持玉数情報記憶手段24内の持玉数情報(会員識別情報、日時情報を含む)を削除するよう構成する。なお、このように構成する場合はサーバ34の計時手段26は不要となる。
【0091】
なお、遊技者情報処理装置Bの上記以外の構成及び作用は、実施例1の遊技者情報処理装置Aと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係る実施例1の遊技者情報処理装置Aの全体的な構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る実施例1のユニット、遊技機、計数機を示す正面図である。
【図3】本発明に係る実施例1の遊技者情報処理装置Aの処理の流れを示す流れ図である。
【図4】本発明に係る実施例1の遊技者情報処理装置Aの処理の流れを示す流れ図である。
【図5】本発明に係る実施例2の遊技者情報処理装置Bの全体的な構成を示す概念図である。
【図6】本発明に係る実施例2の遊技者情報処理装置Bの処理の流れを示す流れ図である。
【図7】本発明に係る実施例2の変形例の処理の流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
【0093】
A:遊技者情報処理装置、B:遊技者情報処理装置
1:会員カード、2:ユニット、3:計数機、4:サーバ、5:会員識別情報記憶手段、6:持玉数情報記憶手段、7:状態情報記憶手段、8:更新日時情報記憶手段、9:遊技機、11:リード/ライト手段、12:ユニット持玉数情報記憶手段、13:通信状態監視手段、14:カード返却操作手段、15:表示手段、16:ユニット制御手段、17:カード排出制御手段、18:払出数入力手段、19:持玉払出制御手段、20:会員情報記憶手段、21:貯玉数記憶手段、22:貯玉処理手段、23:貯玉処理履歴記憶手段、24:サーバ持玉数情報記憶手段、25:サーバ制御手段、26:計時手段、31:会員カード、32:ユニット、34:サーバ、41:リード/ライト手段、46:ユニット制御手段、55:サーバ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場で会員登録されている遊技者である会員に予め配布されている会員用記憶媒体と、
遊技の結果当該会員が獲得した遊技媒体を計数し、遊技機に対応して配設されている計数機と、
管理装置及び計数機と通信可能に接続され、遊技機に対応して配設されている台間機と、
当該遊技場内の各台間機と通信可能に接続されている管理装置とからなり、
前記会員用記憶媒体は、
会員識別情報を記憶する会員識別情報記憶手段と、
遊技の結果当該会員が獲得し、前記計数手段の計数結果として得られた遊技媒体数である持玉数を記憶する持玉数情報記憶手段と、
前記台間機と前記管理装置との間の、通信状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、を備え、
前記台間機は、
前記会員用記憶媒体から情報を読み取ると共に、当該会員用記憶媒体に情報を書き込むリード/ライト手段と、
当該会員の持玉数を記憶する台間機持玉数情報記憶手段と、
自身と前記管理装置間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、を備え、
前記管理装置は、
会員識別情報に関連付けて、会員が当該遊技場に預け入れている遊技媒体数である貯玉数を、会員毎に記憶する貯玉数記憶手段と、
各台間機から受信した持玉数を、会員識別情報に関連付けて、会員毎に記憶する管理装置持玉数情報記憶手段と、
当該管理装置持玉数情報記憶手段に記憶されている、会員の持玉数を、前記貯玉数記憶手段に記憶されている、当該会員の貯玉数に加算する処理を行うと共に、
前記状態情報記憶手段に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、当該会員の貯玉数を修正する修正処理を行う貯玉処理手段と、
貯玉処理手段が行った前記処理の履歴を記憶する貯玉処理履歴記憶手段と、を備え、
前記貯玉処理手段が行う前記修正処理は、前記貯玉処理履歴記憶手段に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数と、前記持玉数情報記憶手段に記憶されている持玉数との差分を算出し、
この差分数を、貯玉数記憶手段に記憶されている当該会員の貯玉数に加算又は減算することを特徴とする、遊技者情報処理装置。
【請求項2】
遊技場で会員登録されている遊技者である会員に予め配布されている会員用記憶媒体と、
遊技の結果当該会員が獲得した遊技媒体を計数し、遊技機に対応して配設されている計数機と、
管理装置及び計数機と通信可能に接続され、遊技機に対応して配設されている台間機と、
当該遊技場内の各台間機と通信可能に接続されている管理装置とからなり、
前記会員用記憶媒体は、
会員識別情報を記憶する会員識別情報記憶手段と、
遊技の結果当該会員が獲得し、前記計数手段の計数結果として得られた遊技媒体数である持玉数を記憶する持玉数情報記憶手段と、
前記台間機と前記管理装置との間の、通信状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、を備え、
前記台間機は、
前記会員用記憶媒体から情報を読み取ると共に、当該会員用記憶媒体に情報を書き込むリード/ライト手段と、
当該会員の持玉数を記憶する台間機持玉数情報記憶手段と、
自身と前記管理装置間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、を備え、
前記管理装置は、
会員識別情報に関連付けて、会員が当該遊技場に預け入れている遊技媒体数である貯玉数を、会員毎に記憶する貯玉数記憶手段と、
各台間機から受信した持玉数を、会員識別情報に関連付けて、会員毎に記憶する管理装置持玉数情報記憶手段と、
当該管理装置持玉数情報記憶手段に記憶されている、会員の持玉数を、前記貯玉数記憶手段に記憶されている、当該会員の貯玉数に加算する処理を行うと共に、
前記状態情報記憶手段に記憶されている通信状態情報が、通信不能状態を示す情報である場合に、当該会員の貯玉数を修正する修正処理を行う貯玉処理手段と、
貯玉処理手段が行った前記処理の履歴を記憶する貯玉処理履歴記憶手段と、を備え、
前記貯玉処理手段が行う前記修正処理は、前記貯玉処理履歴記憶手段に記憶されている処理の履歴の中の、当該会員の貯玉数に加算した持玉数を、貯玉数記憶手段に記憶されている当該会員の貯玉数から減算し、
当該減算後の貯玉数に、前記持玉数情報記憶手段に記憶されている持玉数を加算することを特徴とする、遊技者情報処理装置。
【請求項3】
前記管理装置と通信可能に接続された、前記台間機以外の情報処理装置を更に設け、
当該情報処理装置は、前記会員用記憶媒体から情報を読み取るリード手段を、更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遊技者情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−232185(P2012−232185A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−192710(P2012−192710)
【出願日】平成24年9月1日(2012.9.1)
【分割の表示】特願2010−152529(P2010−152529)の分割
【原出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(501005966)大都販売株式会社 (110)
【Fターム(参考)】