説明

運動変数のフェールセーフモニタリングのための安全回路およびモニタリング方法

【課題】可動機械部品の運動変数、特に回転速度のフェールセーフモニタリングのための安全回路(10)を提供する。
【解決手段】モニタリングするべき運動変数を表すエンコーダ信号(A)を供給する信号入力(16)と、基準電圧(UrefA)を供給する基準電圧路(20)と、エンコーダ信号(A)に基準電圧(UrefA)を重ね合わせることによって重畳信号を提供するために、信号入力(16)および基準電圧路(20)に接続されているタップ(M)と、タップ(M)に接続されて、重畳信号が少なくとも1つの所定の信号レベルに達するかどうかまたは所定の信号レベル範囲内にあるかどうかを検出するように設計されている測定ユニット(22)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動機械部品の運動変数のフェールセーフモニタリングのため、より具体的には回転速度のフェールセーフモニタリングのための安全回路、該安全回路を備えるモニタリング装置、およびモニタリング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に機械ツール、ロボット、コンベヤベルトまたは自動開閉ドアなど、自動運転する設備の危険領域の保護のための回転速度センサのフェールセーフ評価に関する。
当該機械または設備の危険領域は、危険領域への直接の接近を防止する、および/または危険領域に侵入すると設備が停止するように、防護柵、ライトバリアおよび他の装置によって保護されていることが多い。しかし、機械に関する自動運転シーケンスまたは自動ドアをセットアップするときなど、設備の危険領域への接近を完全には防止できない場合がある。人の傷害のリスクを最小限にするために、駆動装置の回転速度および/またはトルク、または設備の可動部品の速度および/または力など、関連する駆動装置の運動変数を所定の値に制限することが周知の慣行である。例として、機械ツールは、防護ドアが開いているときには、このように減速した制限速度で運転できる。こうした状況で人の安全を確保するために、作動中の駆動装置の危険な運動変数をフェールセーフ方式でモニタリングする必要がある。
【0003】
フェールセーフモニタリングは、通常、関連変数を少なくとも2回モニタリングし、それぞれの結果を互いに比較して実施する。この場合、機械または設備の危険な運動は、危険な運動変数の冗長測定結果が一致する場合かつその間に限り許可される。さらに、フェールセーフモニタリングは、1つ以上の測定変数を評価する相互に独立した測定システムによって達成される。
【0004】
下記特許文献1は同期電動機または非同期電動機の回転速度をモニタリングするモニタリング装置を開示しており、回転速度は回転速度センサによって検出されて目標回転速度と比較され、さらに電動機の駆動電流を測定して予想される目標値と比較される。測定した回転速度と測定した駆動電流との妥当性比較により、関連する同期または非同期機械の回転速度を冗長的にモニタリングできる。
【0005】
下記特許文献2は電気駆動装置の速度のフェールセーフモニタリング用回路を開示しており、2つの独立したシステムが電気駆動装置の測定変数をモニタリングする。第1モニタリングユニットは見積回転速度値または測定回転速度値を使用することによってモニタリングを行うのに対して、第2モニタリングユニットは電動機の電流値または再生電圧を読み取って、それから電気駆動装置の速度を判定するための測定変数を確認する。2つの独立したモニタリングユニットは通信線によって互いに接続されて、モニタリング結果の妥当性比較を行う。
【0006】
下記特許文献3は、2つの独立した制御ユニットが2つの電動機の位相からの電流を同じ電動機の位相からの電圧と比較する回転速度モニタリング装置を開示している。さらに、すべての電動機の位相からの総電流も検出されて、回転速度は検出された信号のリップルから確認される。これによりモニタリングシステムのエラーの検出が可能となる。
以上の周知の方法および装置はすべて、駆動装置の回転速度など、運動を表す利用可能な変数およびセンサに、特定的に向けられている。
【0007】
しかし、異なる信号を送出することのできる異なるセンサは多数ある。例として、それぞれが複数の方形波パルスを有する2つの異なる方形波信号を送出するインクリメンタルロータリエンコーダがある。互いに対するパルスの数および信号の位相から、回転速度および回転方向を判定することができる。これらの場合には信号のレベルはしばしばTTLレベルである。
【0008】
しかし、HTLレベルを有する信号を送出する、つまり、TTL信号の場合よりも電圧レベルが実質的に高いインクリメンタルエンコーダもある。また、リゾルバなど、アナログ正弦および/または余弦信号を送出するロータリエンコーダがある。この場合も、使用するセンサによって振幅が変動するおそれがある。また、Hiperface(登録商標)など、さらに別の信号を使用する特殊なセンサインターフェースがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第100 35 783 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第101 63 010 A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2005 045 284 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ロータリエンコーダからの信号を評価するモニタリング装置は、それぞれの場合に、使用するロータリエンコーダの種類に基づいて選択され実装されている必要がある。複数の異なるセンサの種類と安価に組み合わせることができ、しかも小型であるモニタリング装置があることが要望されている。
以上の状況に照らして、本発明の目的は、運動変数を捕捉する複数の異なるセンサについて、設備の運動変数のフェールセーフモニタリングが可能な安全回路及びモニタリング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面によると、この目的は、モニタリングするべき運動変数を表すエンコーダ信号を供給する信号入力と、基準電圧を供給する基準電圧路と、エンコーダ信号に基準電圧を重ね合わせることによって重畳信号を提供するために、信号入力および基準電圧路に接続されているタップと、タップに接続されて、重畳信号が少なくとも1つの所定の信号レベルに達するかどうかまたは所定の信号レベル範囲内にあるかどうかを判定するように設計されている測定ユニットとを備える安全回路によって達成される。
【0012】
別の側面によると、この目的は、モニタリングするべき運動変数を表すエンコーダ信号を提供するステップと、エンコーダ信号に基準電圧を重ね合わせることによって重畳信号を生成するステップと、重畳信号が少なくとも1つの所定の信号レベルに達するかどうかまたは所定の信号レベル範囲内にあるかどうかをチェックするステップとを含む方法によって達成される。
【0013】
本発明の安全回路および方法は、エンコーダ信号に所定の個別の基準電圧を重ね合わせて、好ましくは実際の信号評価の前に、これを安全回路の入力に供給するという発想に基づいている。有利なことに、基準電圧はDC電圧であり、つまりエンコーダ信号にDC電圧を重ね合わす。その結果、異なる信号レベルを有するエンコーダ信号は妥当性のために処理してチェックすることができる。エンコーダ信号自体は異なる信号レベルを有してもよく、これは基準電圧により所望のレベル範囲に変換できる。エンコーダ信号がエラーなく存在する場合、エンコーダ信号および基準電圧の和によって形成される重畳信号は、測定されたときに、エラーエンコーダ信号または不在エンコーダ信号とは有意に異なる特定の信号レベルを有する。重畳信号によって達する必要のある信号レベルは、エンコーダ信号単独、エラーエンコーダ信号および基準電圧とは有意に異なる。その結果、本発明の安全回路および方法により、例えば、ケーブル破損によるなど、接続されているエンコーダのエラーおよび信号伝送中のエラーの安全認知が可能になり、その結果エラー信号の生成および機械部品の制御への介入、またはおそらく機械部品の運動の中断が可能になる。
【0014】
このため、本発明の安全回路および方法は、任意のセンサおよび特に回転速度センサによって捕捉される可動機械部品の運動変数および特に回転速度を処理し、これらを安価にフェールセーフ方式でモニタリングするのに特に適する。
具体的には、本発明はIEC 61508に従う自己診断率の水準を高めるために使用できる。そのため、上記の目的は完全に達成される。
【0015】
好ましくは、エンコーダ信号はAC信号成分を有する。
AC信号成分は、信号線の短絡など、エラーを非常に容易にモニタリングできる信号ダイナミクスをもたらす。エンコーダ信号のAC信号成分は、方形波信号、パルス信号または1つ以上の正弦信号など、あらゆる所望のAC信号であってもよい。本発明の状況において、測定変数は、AC信号成分、一定もしくはDC信号成分、または異なる信号成分間の関係など、エンコーダ信号のあらゆる成分で伝送できる。
【0016】
信号レベル範囲は、有利なことに、片側または両側で、すなわち、最高レベルもしくは最低レベルによって、または最高レベルおよび最低レベルによって制限してもよい。
安全回路の好適な改良形態において、信号レベルまたは信号レベル範囲は上限閾値および下限閾値によって定義され、または信号レベル範囲は上限最高レベルおよび下限最低レベルによって定義される。すなわち、重畳信号は、エラーなし信号として受け入れられるには、上限閾値および下限閾値の両方に達しなければならず、または信号レベル範囲内になければならない。エンコーダ信号がAC信号成分を有する場合、2つの閾値を使用して、エンコーダ信号がエラーAC信号成分を有するかどうか、または単に一定信号であるかどうかをチェックでき、これは例えばエンコーダのエラーまたは線破損に起因するであろう。閾値は好ましくは、重畳信号のポジティブエッジが上限閾値に達しまたは上限閾値を通過し、同じ期間内に、重畳信号のネガティブエッジまたは立ち下りエッジが下限閾値に達するまたは通過するように設定される。エンコーダ信号がDC成分だけを有する場合、最高レベルおよび最低レベルを使用して、重畳信号が信号レベル範囲にあるかどうかをチェックできる。
【0017】
さらに、測定ユニットを、所定の信号レベルに達しない場合、または重畳信号が信号レベル範囲内にない場合に、エラー信号を生成するように設計すると有利である。
この改良形態は、モニタリングされるエンコーダ信号が予想される属性またはエラーなしのエンコーダ信号にとって普通の属性を持たない場合、駆動装置の停止を簡単なことにする。
【0018】
好ましくは、測定ユニットは、上限および下限の閾値に交互に、好ましくはAC信号成分の所定の期間内に達しない場合にエラー信号を生成するように設計されている。
これにより、エラーなしのエンコーダ信号が供給されているかどうか、正しい振幅を有するかどうかを確実にチェックすることが可能になり、具体的には「スタック・アット・ハイ(stuck-at-high)」または「スタック・アット・ロー(stuck-at-low)」エラーなどのエンコーダのエラーを安全に認知することが可能である。
【0019】
この場合、生成されるエラー信号は機械部品の運動変数に影響するように設計されていれば好ましい。これによりエラーが認知されると、危険な機械部品の運動への介入および必要な安全の確保を生じさせる。
さらに、測定ユニットがアナログ比較器を有すると好ましい。
アナログ比較器は、例えば、好ましくはアナログ比較器に印加される比較電圧を提供することによって、ほとんど努力せずに、閾値、特に閾値電圧を調整するために使用でき、これで単一の比較器の出力信号を使用して、閾値の一方に達するときをすぐに検出してチェックすることが可能になる。
【0020】
さらに、閾値をそれぞれ少なくとも1つのアナログ比較器でモニタリングすると好ましい。その結果、閾値は互いに独立して調整することができ、比較器からの信号は互いに独立して評価できる。
さらに、測定ユニットは少なくとも1つのアナログ/デジタル変換器を有すると有利である。これにより、重畳信号をデジタル評価ユニットでチェックすることが可能になる。
【0021】
さらに、エンコーダ信号は一種のパルス信号であると好ましい。
これにより運動変数を測定するTTLエンコーダ、HTLエンコーダまたは他のイニシエータをモニタリングすることが可能になる。
あるいは、エンコーダ信号は一種の正弦波信号である。
これにより、正弦/余弦エンコーダを安全回路によってフェールセーフ方式でモニタリングすることが容易に可能になる。
【0022】
安全回路について、基準電圧および/または閾値もしくは信号レベル範囲のうちの少なくとも1つが制御ユニットによって自動的に調整可能であれば好ましい。
その結果、回路制御に深く介入する必要なく、あらゆる所望のエンコーダを安全回路に接続することが可能である。このことは回路構成をセットアップするときにヒューマンエラーをなくすのにも役立つ。
【0023】
さらに、基準電圧および/または閾値もしくは信号レベル範囲のうちの少なくとも1つが手動で調整可能であれば好ましい。
これにより、例えば、各エンコーダについて、安全回路の感度または反応速度に関する個々の要件を個別に調整することが可能になる。
ある好適な改良形態では、タップは運動変数を判定する評価ユニットに接続されている。
【0024】
この改良形態は、安全回路をエンコーダ信号自体のフェールセーフモニタリングのために使用させるだけでなく、エンコーダ信号を定量評価することも可能になり、例として、測定速度または測定回転速度を次のコントローラに利用できるようにできる。
ある好適な改良形態では、評価ユニットは差動増幅器を有する。
差動増幅器の使用により、例えば接続されているコンポーネント、電磁干渉信号またはコモンモード干渉によって引き起こされる重畳信号の干渉信号を抑制または濾波することが可能となる。当該干渉除去を受けた信号はその後確実に評価できる。
【0025】
別の改良形態では、タップは差動増幅器の入力に接続されており、差動増幅器に別のエンコーダ信号、特に反転エンコーダ信号を供給するために、差動増幅器の別の入力は別の信号線に接続されている。
反転エンコーダ信号は同様に信号トランスミッタによって提供されるため、この改良形態により妥当性比較ができ、そのため別の測定変数を使用してフェールセーフ性をチェックする。さらに、この回路構成により、DC電圧成分などの信号成分を、測定変数のより単純な評価ができるように濾波することが可能になる。
【0026】
ある好適な改良形態では、評価ユニットは直交位相評価部を有する。
この改良形態では、様々なエンコーダ信号が供給される異なる差動増幅器からの出力信号は、直交位相評価回路によって評価するのが好ましい。この評価方法の具体的な利点は、高い精度で行うことができ、比較的高い回転速度を測定でき、回転方向の認知が可能であることである。この直交位相評価回路により、運動変数を表すアナログ信号の単純で信頼性のある評価が可能となる。
【0027】
別の改良形態では、直交位相評価回路は差動増幅器の出力、および少なくとも1つの第2安全回路に接続されており、これに別のエンコーダ信号が供給される。
ある好適な改良形態では、評価ユニットは互いに冗長で、差動増幅器の出力に接続されている2つのチャネルを有する。
この改良形態では、さらなる冗長評価回路が使用されるため、エンコーダ信号の非常に信頼性のある評価が可能である。そのため、この冗長性は本発明の安全回路および本発明の方法のフェールセーフ性の増大に寄与する。
【0028】
言うまでもなく、上記述べた特徴およびこれから以下説明する特徴は、それぞれ示される組み合わせだけでなく、本発明の特許請求の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせまたは単独でも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】エンコーダ信号のフェールセーフモニタリングのための安全回路の第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1に図示する安全回路の変型例を示す図である。
【図3】図1または図2に図示する安全回路を複数使用するモニタリング装置の簡略図を示す図である。
【図4】図3に図示するモニタリング装置を備える設備の簡略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1では、安全回路の全体を参照符号10で表す。
安全回路10は、第1安全回路12と第2安全回路14とを有する。この好適な事例では、安全回路12,14は同一の設計である。
安全回路12はエンコーダ信号Aを安全回路12に供給するために使用される入力信号線16を有する。
【0031】
エンコーダ信号Aは好ましくは、運動、例えば、シャフトの回転運動を表すAC信号成分17を含む。しかし、エンコーダ信号Aは単にDC成分19を含むだけでもよく、そのレベルは例えば運動を表す。エンコーダ信号Aは、AC信号成分17とDC成分19とを備える混合信号でもよい。いずれの場合も、入力信号線16はここでは抵抗器R1を介してタップMに接続されている。タップMは抵抗器R2を介して基準電圧点18に接続されている。
【0032】
基準電圧点18はそれに印加される基準電圧UrefAを有する。基準電圧点18はコンデンサC1を介して接地点GNDに接続(route)されている。基準電圧UrefAは基準電圧路20を介して基準電圧点18に供給される。この基準電圧路20は基準電圧UrefAを生成する供給ユニットを有する。
この場合、供給ユニット21は、演算増幅器に供給されるパルス幅変調信号からの基準電圧UrefAの平均を出す演算増幅器21である。例として、前記パルス幅変調信号はデューティ比を有し、この場合これは0%〜100%に調整可能である。パルス幅変調信号は好ましくは安全回路10を収容するモニタリング装置の評価・制御ユニットによって生成され、または端子を介して外部から演算増幅器21に供給される。演算増幅器21の代わりに、供給ユニットは基準電圧を生成するデジタル/アナログ変換器を有してもよい。
【0033】
一方、タップMは測定ユニット22に接続されている。測定ユニット22はこの場合アナログ比較器である。代わりにまたは追加で、測定ユニット22はアナログ/デジタル変換器を有してもよい。測定ユニット22はエラー信号を評価・制御ユニットに接続するための出力線24を有する。
タップMは差動増幅器28の第1入力26に接続されている。差動増幅器28は、安全回路10から差動増幅器信号を接続するために、信号出力線30を有する。
【0034】
安全回路14は安全回路12と同じように設計されている。安全回路14は抵抗器R3を介してタップ
【0035】

【0036】
(以下、Mに下線を付けて表示する)に接続されている入力信号線16'を有する。タップは抵抗器R4を介して基準電圧端子18'に接続されている。
基準電圧点18'はそれに印加される基準電圧Uref
【0037】

【0038】
(以下、Aに下線を付けて表示する)を有する。基準電圧点18'は基準電圧線20'に接続されており、これは基準電圧点18'に基準電圧Urefを印加するために使用される。基準電圧線20'は供給ユニット21'を含む。基準電圧点18'はコンデンサC2を介して接地点GNDに接続されている。
タップは測定ユニット22'に接続されており、これは好ましくはアナログ比較器22'を含む。測定ユニット22'は、安全回路からチェック信号を接続するために出力信号線24'に接続されている。タップは差動増幅器28の第2差動増幅器入力32に接続されている。好適な実施形態では、基準電圧UrefAおよびUrefは互いに別々に調整できる。
【0039】
入力信号線16は、ロータリエンコーダまたは別の運動センサから第1エンコーダ信号Aを安全回路12に供給するために使用される。入力信号線16'はこの場合、安全回路14に第2エンコーダ信号を供給するために使用され、これはエンコーダ信号Aと比較して反転されてもよい。したがって、エンコーダ信号はAC信号成分17'を有する。あるいは、エンコーダ信号はDC成分19'のみを有する。エンコーダ信号はAC信号成分17'とDC成分19'とを備える混合信号の形態としてもよい。エンコーダ信号A,は好ましくは運動変数を捕捉するエンコーダからの2つの出力信号である。このようにエンコーダはエンコーダ信号Aおよび、例として、反転エンコーダ信号、エンコーダ信号Aと比較して180°の位相差を有する反転エンコーダ信号を供給する。あるいは、安全回路10には反転エンコーダ信号の代わりにDC電圧を供給することができ、または第2エンコーダ信号はまったく供給しないこともできる。
【0040】
入力信号線16のエンコーダ信号Aは抵抗器R1を介してタップMに接続されている。基準電圧UrefAは抵抗器R2を介してタップMに供給される。エンコーダ信号Aは分圧器を形成する抵抗器R1およびR2を介して基準電圧UrefAに接続されているため、基準電圧UrefAはエンコーダ信号Aに重ね合わされる。この重畳信号はAC信号成分17および/またはDC成分19を有し、基準電圧UrefAのレベルも有する。このように形成される重畳信号はタップMで引き出すことができる。
【0041】
測定ユニット22は、アナログ信号値に関して重畳信号をモニタリングするために、特にアナログ信号値が所定の信号範囲内にあるおよび/または所定の信号挙動を示すかどうかを判定するように、タップMに接続されている。このため、測定ユニット22はエラーチェックのために使用される。基準電圧UrefAがタップMでエンコーダ信号Aに重ね合わされているため、異なるエンコーダ信号レベルを安全回路12ならびに測定ユニット22および差動増幅器28にそれぞれ整合させることが可能である。これにより異なるエンコーダの種類を1つの信号入力16または冗長信号入力16/16'でチェックすることが可能となる。
【0042】
この場合、測定ユニット22は、重畳信号が実際にAC信号成分17を有するかどうか、もしそうなら、重畳信号は上限閾値および下限閾値に達するかどうかをチェックするために特に設計されている。閾値は、上限閾値が重畳信号に予想される最大振幅未満になり、下限閾値が重畳信号に予想される最低振幅を上回るように設定される。エラーなし重畳信号の場合、重畳信号の立ち上がりエッジは上限閾値に達し、信号の同じ期間内に、重畳信号の立ち下がりエッジは下限閾値に達する。増強したエラー検出を達成するために、交互に閾値に達するかどうかを判定するためにチェックを行うのが好ましい。
【0043】
エンコーダ信号AがDC成分19しかもたない場合、測定ユニット22は重畳信号が所定の値の範囲内にあるかどうかをチェックする。入力16とエンコーダとの間の接続線にケーブル破損がある場合、測定ユニット22はタップMで基準電圧UrefAを測定するだけである。この基準電圧UrefAは、1回のアナログ測定によって評価できるように選ばれて、安全回路の他の電圧とは有意に異なることが好ましい。そのため、エンコーダからのAC信号の場合およびDC信号の場合のどちらも、入力信号16からケーブル破損を認知することが可能である。
【0044】
さらに、電圧状態は、一般にエンコーダのエラーに関連して2つ発生するであろう。まず、エンコーダはエンコーダ信号Aの最大値に対応する常に高い電圧を送出でき(スタック・アット・ハイ)、または次に、エンコーダ信号Aの最低値に対応し、例えばTTLエンコーダの場合は約0ボルトに対応する常に低い電圧(スタック・アット・ロー)を送出できる。そのため、重畳信号はエンコーダでスタック・アット・ハイエラーの場合はちょうど1回だけ上限閾値に達し、エンコーダでスタック・アット・ローエラーの場合はちょうど1回だけ下限閾値に達し、その後は一定になる。エンコーダ信号AがDC成分19だけを有する場合、重畳信号はこれら2つの場合において所定の範囲外になり、エラーとして認知できる。そのため、起こりうるすべてのエラー変型は測定ユニット22で検出できる。
【0045】
好ましくは、測定ユニット22は、重畳信号のレベル値をモニタリングするためにアナログ比較器を有する。有利なことに、アナログ比較器の閾値電圧は、評価・制御ユニットによるエンコーダ信号の信号レベルに合わせて、特に自動的に変動および整合させることができる。重畳信号のレベル値に応じて、アナログ比較器22(またはアナログ比較器22')は、閾値のいずれも所定の期間内に重畳信号によって達しない場合に、出力線24(または24')でエラー信号を生成する。代わりにまたは追加で、測定ユニット22は、重畳信号のレベル値を判定するためにアナログ/デジタル変換器を有してもよく、これらの場合、アナログ/デジタル変換器および下流の比較ユニットがエラー信号を生成する。
【0046】
UrefAおよびUrefは、得られる2つの重畳信号のAC成分17が一致するように調整するのが好ましい。さらに、タップM,は差動増幅器の入力26,32に接続されている。差動増幅器28は出力信号線30を介して差動増幅器の出力信号を送出する。差動増幅器の出力信号は方形波信号(方形波パルスをもつパルス列)であり、この場合は、例えば、エンコーダ信号Aが反転エンコーダ信号よりも大きい場合、プラスである。そうでなければ、差動増幅器の出力信号はマイナスである。差動増幅器28はエンコーダ信号A,の干渉を除去できる。前記信号は、以下説明するが、出力信号線30に接続されている評価ユニットによって評価できる。評価ユニットは有利なことに、シャフトの回転速度および/または位置など、運動変数を判定するために方形波信号の信号変化を使用するために、直交位相デコーダ、周波数計および/またはパルス幅計を有してもよい。
【0047】
安全回路12,14に設けられている測定ユニット22,22'は、入力16,16'および前記入力に接続されている接続エンコーダの出力信号線を個別にチェックすることを可能にする。
重畳信号は、上限閾値に達するかどうかを判定するためにチェックされ、下限閾値に達するかどうかを判定するためにチェックされ、および/または所定の信号レベル範囲内にあるかどうかを判定するためにチェックされるため、正弦波信号、パルス信号、方形波信号、混合信号など、DC成分およびAC成分から形成される異なるエンコーダ信号、ならびにDC成分しかもたない純粋なDC信号をモニタリングすることが可能である。
【0048】
安全回路12,14の電磁適合性(electromagnetic compatibility)を高めるために、タップM,は、図示していないZダイオードを有する直列回路を介して接地点GNDに接続するのが好ましい。この直列回路は非常に低いキャパシタンスをもたらし、これは高いカットオフ周波数の場合に特に有利な効果を有する。
電磁適合性をさらに高めるために、好ましくはタップM,と差動増幅器入力26,32との間に接続されている各抵抗器があってもよい。さらに、差動増幅器入力26,32の各々は、範囲の切り替えのために図示していないトランジスタおよび切り替え可能な抵抗器を介して接地点GNDに接続できる。これにより、比較的低い最高電圧を有する演算増幅器、特に3.3ボルトの演算増幅器の使用が可能となる。
【0049】
図2は、安全回路10の変型例を示す。同じ要素は同じ参照符号で表され、相違点のみを以下に述べる。
安全回路12のタップMは、抵抗器R6と抵抗器R5とを備える直列回路を介して接地点GNDに接続されている。測定ユニット22は、抵抗器R6と抵抗器R5との間に位置するタップ34に接続されている。そのため、エンコーダ信号Aは抵抗器R5およびR6とともにR1を備える分圧器を介して接地点GNDに接続されている。この分圧器により異なるエンコーダ信号Aと測定ユニット22とのさらなる整合が可能となる。
【0050】
安全回路14は安全回路12と同一の設計であり、図2に図示する実施形態では、同様に接地点GNDにつながる抵抗器R7およびR8とともに抵抗器R3によって形成されている分圧器を有する。抵抗器R7およびR8はその間に形成されて、測定ユニット22'が接続されているタップまたは電圧点34'を有する。上記述べる実施形態の抵抗器R2およびR4は高値(high values)を有するように設計されていることが好ましい。
【0051】
安全性をさらに高めるために、差動増幅器28の他に、差動増幅器28と同様に差動増幅器入力26,32に接続されている別の差動増幅器を設けてもよい。追加の差動増幅器の出力信号線は、追加の安全性を確保するために別の評価ユニットに接続されている。
図3は、複数のエンコーダ信号のフェールセーフ評価のために複数の安全回路10を有するモニタリング装置を示す。この場合、モニタリング装置は3つの安全回路10を有し、全体を参照符号29で表している。第1安全回路10'にはエンコーダ信号Aが供給され、存在すればエンコーダ信号が供給される。第2安全回路10''にはエンコーダ信号Bが供給され、存在すれば別のエンコーダ信号
【0052】

【0053】
(以下、Bに下線を付けて表示する)が供給される。第3安全回路10'''にはエンコーダ信号Zが供給され、存在すれば別のエンコーダ信号
【0054】

【0055】
(以下、Zに下線を付けて表示する)が供給される。
安全回路10',10'',10'''の出力信号線30',30'',30'''はそれぞれ、第1評価回路36および第2評価回路38に接続されている。この場合、エンコーダ信号Bはエンコーダ信号Aと比較して90°の位相差を有するエンコーダ信号である。好ましくは、エンコーダ信号Bはエンコーダ信号Aと同じエンコーダによって供給される。ある場合には、エンコーダ信号AおよびB(およびおそらくは反転エンコーダ信号)は1つのインクリメンタルエンコーダからの2つの「チャネル」である。しかし、エンコーダ信号A,Bはリゾルバから、そうでなければ異なるエンコーダから提供されてもよい。
【0056】
反転エンコーダ信号は好ましくはエンコーダ信号Bと比較して180°の位相差を有し、エンコーダ信号Bと同じエンコーダによって供給される。エンコーダ信号Zは同様にエンコーダ信号AおよびBと同じエンコーダによって提供してもよい。例として、エンコーダ信号Zは、エンコーダ信号Zをシャフトの基準位置を認知するために使用できるように、モニタリングされるシャフトの基準点を表すインデックス信号であってもよい。
【0057】
他の場合において、エンコーダ信号Zは、第1エンコーダから物理的に離れている運動変数を捕捉する個別のエンコーダによって供給される。例えば、信号A,Bおよびおそらくを送出する第1エンコーダが回転シャフトの第1端部に配置されており、Z信号用の第2エンコーダがシャフトの第2端部に配置されていると有利である。このように、2つのエンコーダからのエンコーダ信号を使用してシャフトの破損または同様な他のものを判定できる。
【0058】
測定するべき運動変数を、特に直交位相評価、周波数評価および/またはパルス長評価によって判定するために、評価回路36,38には、第1安全回路10'からの出力信号A'および第2安全回路10''からの出力信号B'が供給される。この場合、出力信号A',B'は有利なことに、安全回路10'および10''の差動増幅器28からの出力信号である。
【0059】
好適な実施形態では、評価回路36,38はさらに各安全回路10',10'',10'''の測定ユニット22,22'からのエラー信号を受信する。そのため、回路構成10',10'',10'''の出力線24,24'は評価回路36,38に接続されていてもよい。この接続を安全回路10''の単なる例として図3に示す。
第3安全回路10'''の出力信号は評価回路36,38に供給されて、有利なことにインデックスとして、またはシャフト破損の認知のいずれかのために使用される。好ましくは、第3安全回路10'''からの出力信号はモニタリングされるシャフトの回転あたり1つまたは少なくとも1つのパルスを送出する。
【0060】
さらに、この場合のモニタリング装置29は、追加の測定変数を捕捉するために、追加のアナログ信号を評価回路36,38に接続するために使用できる「Sチャネル」40も有する。好適な事例では、Sチャネルは使用されるエンコーダの動作電圧線に接続されているので、評価回路36,38は追加の安全モニタリングを提供するために使用されるエンコーダの動作電圧をモニタリングできる。
【0061】
評価回路36,38は、妥当性比較を行うために、通信線42によって互いに接続されている。評価回路は、評価される運動変数および/または制御信号を外部に接続するために出力信号線46,48を有する。通信線42は2チャネル形態でもよく、2つのDC絶縁バスおよび/または例えばモニタリングされるシャフトの2つの遮断路によって実施してもよい。
【0062】
直交位相評価は2つの方形波信号A',B'に関わり、これらは第1安全回路10'の出力信号線30'および第2安全回路10''の出力信号線30''に存在し、互いに比較される。出力信号は、対応するエンコーダ信号A,Bの位相差の結果として、同様に90°の位相差を有する方形波信号である。直交位相評価はそれぞれ2つの信号A',B'の一方の各検出されるエッジに関わり、それぞれ他方の信号の極性およびそれぞれ他方の信号の絶対値に関するチェックを促す。この情報から、8つの異なる状態または範囲、具体的には、右に移動するシャフトに関して、A'が立ち上がりでB'が「低」、A'が立ち下がりでB'が「高」、B'が立ち上がりでA'が「高」またはB'が立ち下がりでA'が「低」、および左に移動するシャフトに関して、A'が立ち上がりでB'が「高」、A'が立ち下がりでB'が「低」、B'が立ち上がりでA'が「低」またはB'が立ち下がりでA'が「高」を確認することが可能である。信号間の間隔を使用して、シャフトの回転位置を判定できる。2つの位相差のあるエンコーダ信号A,Bの直交位相評価により、回転速度の測定のために4倍の分解能を達成することが可能となる。
【0063】
ある特定の実施形態では、安全回路10',10'',10'''は互いに関して冗長である2つの差動増幅器28を有し、その差動増幅器入力26はそれぞれタップMに接続されており、その差動増幅器入力32はそれぞれタップに接続されている。第1差動増幅器28の出力信号線30は評価回路36に接続されており、第2差動増幅器28の出力信号線30は評価回路38に接続されている。これにより、追加のフェールセーフ性がもたらされる。
【0064】
評価回路36,38は好ましくはマイクロコントローラまたは他の論理回路によって実施され、その評価結果を互いに比較する。この比較は通信線42を介して行われる。通信線42は双方向インターフェースの形態、バス接続の形態および/またはデュアルポートRAMの形態であってもよい。
さらに、これらの評価回路36,38は、第1安全回路10'の基準電圧UrefA,Uref、ならびに第2および第3の安全回路10'',10'''の対応する基準電圧を調整するように設計して、安全回路10',10'',10'''と適切なエンコーダとの自動整合をさせるようにしてもよい。好適な事例では、評価回路36,38はエンコーダ信号のレベル値に基づいて基準電圧を調整する。これは例として線44で示している。抵抗器R1からR8は、異なるエンコーダ信号との精密な自動整合をさせるために、マイクロコントローラによって調整可能であってもよい。
【0065】
安全回路10はモニタリング装置29のためのユニバーサルエンコーダ接続を設けており、前記エンコーダ接続はTTLエンコーダ、HTLエンコーダ、正弦/余弦エンコーダ、タコメータまたはデュアルタコジェネレータ、リゾルバの接続、およびHyperface(登録商標)またはEnDatエンコーダからのアナログチャネルの接続も可能にする。この場合、イニシエータ・エンコーダなど、反転エンコーダ信号を提供しないエンコーダを接続することも可能である。反転信号の代わりに、この場合差動増幅器入力32にDC電圧を印加する、または前記DC電圧を、特に好ましくはタップMの信号の平均値に調整することが可能である。この場合、このエンコーダ信号は基準電圧Urefを使用して個別にカスタマイズできる。言うまでもなく、この場合、安全回路14は検出される交流量が存在しない場合エラー信号を生成しないように適切にカスタマイズする必要がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、安全回路10はスタンドアロン型装置の形態、特にプラグコネクタの形態であってもよい。すなわち、関連エンコーダは入力端子を介して安全回路10に接続することができ、出力線24,24'および出力信号線30も出力端子でコネクタから接続される。さらに、基準電圧UrefA,Urefは別の入力端子でコネクタに供給できる。
【0067】
他の実施形態では、フル回転速度およびゼロ速度モニタを、図3に図示するように、モニタリング装置29として提供できる。この場合、この装置はエンコーダ信号A,,B,,Z,およびSの端子を備える装置ハウジングを有し、測定した回転速度または運動変数およびエラー信号を出力する。すなわち、安全回路10',10'',10'''および評価ユニット36,38は、装置ハウジングに統合されている。これにより、この回転速度およびゼロ速度モニタを既存の機械および/または設備に特に簡単に統合することが可能になる。
【0068】
図4は、図3のモニタリング装置のアプリケーションを示す。この場合、装置29は信号線50,51,52,53,54,55,56によってエンコーダ58,60,62に接続されている。エンコーダ58,60,62は、特に回転速度、位置、角度位置など、駆動装置64の運動変数を捕捉するために、駆動装置64に関連付けられている。信号線50から56はプラグ接点66を介してモニタリング装置29に接続されている。出力信号線46,48はそれぞれ、プラグコネクタ67によって装置29から接続されて、コントローラ68に接続されている。コントローラ68は好ましくは、緊急停止ボタン、防護ドア、ライトバリアおよび/またはモニタリング装置29の接続のために複数の入力を有するフェールセーフコントローラである。この場合、コントローラは出力70を使用して、1つ以上のコンタクタ72の制御信号を生成する。コンタクタ72は好ましくは、駆動装置64のフェールセーフ停止のために使用される複数の直列接続接点(ここでは図示せず)を有する。したがって、コンタクタ72は線74によって駆動装置64に接続されている。別の実施形態では、コントローラ68および/またはコンタクタ72はモニタリング装置29に統合してもよく、つまり、モニタリング装置29の評価回路36,38が駆動装置の2チャネル停止信号を生成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動機械部品の運動変数、特に回転速度のフェールセーフモニタリングのための安全回路(10)であって、
モニタリングするべき前記運動変数を表すエンコーダ信号(A)を供給する信号入力(16)と、
基準電圧(UrefA)を供給する基準電圧路(20)と、
前記エンコーダ信号(A)に前記基準電圧(UrefA)を重ね合わせることによって重畳信号を提供するために、前記信号入力(16)および前記基準電圧路(20)に接続されている第1タップ(M)と、
前記第1タップ(M)に接続されて、前記重畳信号が少なくとも1つの所定の信号レベルに達するかどうかまたは所定の信号レベル範囲内にあるかどうかを判定するように設計されている測定ユニット(22)と、 を備える安全回路。
【請求項2】
前記エンコーダ信号(A)はAC信号成分(17)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の安全回路。
【請求項3】
前記所定の信号レベルまたは前記所定の信号レベル範囲は、上限閾値および下限閾値によって定義される、請求項1または請求項2に記載の安全回路。
【請求項4】
前記測定ユニット(22)は、前記上限閾値および下限閾値に交互に達していないときに、エラー信号を生成するように設計されている、請求項3に記載の安全回路。
【請求項5】
前記測定ユニット(22)はアナログ比較器(22)である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の安全回路。
【請求項6】
前記基準電圧(UrefA)および/または前記所定の信号レベルもしくは前記所定の信号レベル範囲を自動調整するように設計されている制御ユニット(36,38)をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の安全回路。
【請求項7】
前記基準電圧(UrefA)および/または前記所定の信号レベルもしくは前記所定の信号レベル範囲は手動調整可能である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の安全回路。
【請求項8】
前記エンコーダ信号(A)に基づいて前記運動変数を判定する評価ユニット(28,36,38)をさらに備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の安全回路。
【請求項9】
前記評価ユニット(28,36,38)は前記タップ(M)に連結されている、請求項8に記載の安全回路。
【請求項10】
前記評価ユニット(28,36,38)は差動増幅器(28)を備える、請求項8または請求項9に記載の安全回路。
【請求項11】
モニタリングするべき前記運動変数を表す第2エンコーダ信号()を供給する第2信号入力(17)と、第2基準電圧(Uref)を供給する第2基準電圧路(20')と、第2タップ()とをさらに備え、前記第2基準電圧(Uref)は前記第2エンコーダ信号()に重ね合わされ、前記差動増幅器(28)は前記タップ(M)に接続されている第1入力(26)と、前記第2タップ()に接続されている別の入力(32)とを有する、請求項10に記載の安全回路。
【請求項12】
前記評価ユニット(28,36,38)は直交位相評価回路(36,38)を有する、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の安全回路。
【請求項13】
前記直交位相評価回路(36,38)は前記差動増幅器(28)の出力(30)、および少なくとも1つの第2安全回路(10)に連結されており、それに別のエンコーダ信号(B,)が供給されることを特徴する、請求項12に記載の安全回路。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項の安全回路を複数備える、可動機械部品の運動変数、特に回転速度のフェールセーフモニタリングのためのモニタリング装置。
【請求項15】
可動機械部品の運動変数、特に回転速度のフェールセーフモニタリングのための方法であって、
モニタリングするべき前記運動変数を表すエンコーダ信号(A)を提供するステップと、
前記エンコーダ信号(A)に基準電圧(UrefA)を重ね合わせることによって重畳信号を生成するステップと、
前記重畳信号が少なくとも1つの所定の信号レベルに達するかどうかまたは所定の信号レベル範囲内にあるかどうかをチェックするステップと、を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−511757(P2013−511757A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539360(P2012−539360)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068021
【国際公開番号】WO2011/061345
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(501493037)ピルツ ゲーエムベーハー アンド コー.カーゲー (49)
【Fターム(参考)】