説明

運行体管制通信システムおよび運行体管制通信における周波数変換指示方法

【課題】
管制官及びパイロット両者の業務負荷を軽減する。
【解決手段】
管制対象の航空機には、機上通信装置12、機上情報表示入力装置11が搭載される。地上の管制側には、機上通信装置12と通信を行う地上通信装置21a、21bと、通信における周波数変更指示情報を入力する管制情報表示入力装置22と、航空機の位置情報を管制情報表示入力装置22に与える航空管制情報供給装置31と、を備える。地上通信装置21aおよび機上通信装置12が第1の周波数帯で通信リンクが確立している状態で、周波数変更指示情報が入力された場合には、周波数変更指示情報は、機上情報表示入力装置11に伝達される。機上情報表示入力装置11は、指示された周波数を表示し、パイロットが確認ボタンを押すことで、第2の周波数帯で機上通信装置12および地上通信装置21b間の通信リンクを確立するように機上通信装置12を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運行体管制通信システムおよび運行体管制通信における周波数変換指示方法に関し、特に管制対象となる運行体の通信装置と管制側の通信装置との間で通信を行う運行体管制通信システムおよびその通信における周波数変換指示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の航空管制無線通信は、アナログ通信であり、管制官がパイロットに対して周波数変更指示を出す場合、管制官がマイクを使用して口頭で指示を出している。この指示を聞いたパイロットは、管制官に周波数変更指示についての了解を口頭で伝える。また、この指示に従い、周波数変更装置を操作して指示通りの周波数にあわせるようにする。
【0003】
しかし、このようなシステムでは、アナログ方式の音声のみの通信なので、航空機に対して周波数変換指示を出すには、そのつど口頭で周波数を伝える必要があり、管制対象機数が増えると業務負荷が高まった。また、管制官の言い間違えや、パイロットの聞き取りミスが生じる可能性があった。
【0004】
そこで、管制指示において効率化するための技術が開示されている。例えば、特許文献1において、管制指示内容の選択・確認及び操作途中での操作キャンセル等の操作回数を減らすことで送信操作時間を短縮し、音声通信と同等のインタラクティブ通信を実現し、さらに、直感的な操作で選択操作を簡易化することで、送信操作における思考負荷を低減することのできる管制通信発出システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、航空用管制卓で管制官とパイロット間の通信をデータリンクによるメッセージ交換で行うCPDLC(Controller-Pilot Datalink Communications)システムで使用されるCPDLCメッセージを作成するCPDLCメッセージ作成方式が開示されている。このCPDLCメッセージ作成方式では、表示手段に表示された画面表示に基づいて、入力手段からの操作指示を繰返し行うことにより、CPDLCメッセージを作成し、また、CPDLCメッセージを階層化させて構成し、その階層ごとに入力手段から操作指示を行いCPDLCメッセージを作成するようにしたので、メッセージを作成する上で、語句の打ち間違いが発生しないという効果を有する。また、メッセージが階層化されているため、メッセージ全体から1つといった選択をすることなく、各選択段階で少数候補からの選択ができ、作成する時間の短縮が図れる。
【0006】
【特許文献1】特開2000−268299号公報
【特許文献2】特開2001−283395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1および特許文献2に開示される従来技術では、管制官の業務負荷は軽減されるが、地上のシステムのみの構成であるため、機上側の業務負荷は軽減されず、航空管制通信システムにおける業務効率化が不十分である。例えば、従来技術ではTDMA通信を使用する旨の記述が無いため、データ通信と音声通信は、異なる周波数かつ異なるプロトコルで通信されると考えられる。この場合、特別な工夫が無い限り、データを使用した管制指示による音声チャネルの変更は自動化できない。このためパイロットにはメッセージで周波数が伝わるだけで、そのメッセージの表示(周波数)を確認したパイロットがマニュアル操作で周波数を変更するものと考えられ、パイロットの見誤りまたは操作ミスにより、誤った周波数に変更してしまう可能性がある。また、周波数変更の結果の正誤を管制官が知るすべが無いため、周波数変更を誤った場合には、誤りに気付くのに時間がかかってしまう虞がある。
【0008】
さらに、特許文献2に開示される技術は、CPDLCアプリケーションを実装し、さらに周波数変更指示のメッセージ・セットを持っているシステムに限定されるために汎用性に欠けていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つのアスペクトに係る運行体管制通信システムは、管制対象となる運行体の通信装置と管制側の通信装置との間で通信を行う運行体管制通信システムである。このシステムは、運行体に搭載される第1の通信装置と、運行体に搭載され、第1の通信装置に接続される運行体情報表示入力装置と、管制側に設置され、第1の通信装置と通信を行う第2および第3の通信装置と、管制側に設置され、第2および第3の通信装置に接続され、通信における周波数変更指示情報を入力する管制情報表示入力装置と、管制側に設置され、運行体の位置情報の管理を行い、位置情報を管制情報表示入力装置に与える管制情報供給装置と、を備える。そして、第1および第2の通信装置が第1の周波数帯で通信リンクが確立している状態で、入力された周波数変更指示情報は、第1および第2の通信装置を介して運行体情報表示入力装置に伝達され、周波数変更指示情報を受け取った運行体情報表示入力装置は、第2の周波数帯で第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように第1の通信装置を制御する。
【0010】
第1の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、管制情報表示入力装置に接続されるポインティング・デバイスを備え、管制情報表示入力装置は、管制情報供給装置から与えられる運行体の位置情報を表示し、ポインティング・デバイスの操作によって周波数変更指示情報を入力するようにしてもよい。
【0011】
第2の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、管制情報表示入力装置は、位置情報に対応するシンボルとポインティング・デバイスによるポインタとを表示し、シンボルをポインタによって所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップするようにポインティング・デバイスを操作して周波数変更指示情報を入力するようにしてもよい。
【0012】
第3の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、管制情報表示入力装置に接続されるスイッチ手段を備え、管制情報表示入力装置は、スイッチ手段によって目的とする周波数に対応のボタンを選択することで周波数変更指示情報を入力するようにしてもよい。
【0013】
第4の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、管制情報表示入力装置に接続される周波数変更指示自動発行装置を備え、管制情報表示入力装置は、周波数変更指示自動発行装置が発行する周波数変更指示情報を入力するようにしてもよい。
【0014】
第5の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、運行体情報表示入力装置は、周波数変更指示情報を表示し、運行体情報表示入力装置の操作者が周波数変更の確認操作を行うことで、第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように第1の通信装置を制御するようにしてもよい。
【0015】
第6の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、通信リンクは、VDL3(VHF Digital Link Mode 3)のプロトコルに基づいて設定されるようにしてもよい。
【0016】
第7の展開形態の運行体管制通信システムにおいて、運行体は、航空機、船舶、車両のいずれかであってもよい。
【0017】
本発明の1つのアスペクトに係る運行体管制通信における周波数変換指示方法は、管制対象となる運行体の第1の通信装置と管制側の第2および第3の通信装置との間でなされる。この方法は、第1の通信装置と第2の通信装置とが第1の周波数帯で通信リンクを確立するステップと、第2の通信装置と接続される管制情報表示入力装置が周波数変更指示情報を入力するステップと、入力された周波数変更指示情報を第2および第1の通信装置を介して第1の通信装置に接続される運行体情報表示入力装置に伝達するステップと、運行体情報表示入力装置は、第2の周波数帯で第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように第1の通信装置を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、管制官及びパイロットの両者において、誤伝達・誤操作の可能性を回避し、さらに周波数変更の完了を管制官が知ることができる。したがって、管制官及びパイロット両者の業務負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る運行体管制通信システムは、管制対象となる運行体、例えば航空機、船舶、車両等に搭載される通信装置と管制側の通信装置との間で通信を行う。運行体には、第1の通信装置(図1の12)と、第1の通信装置と接続される運行体情報表示入力装置(図1の11)とが搭載される。また、管制側には、第1の通信装置と通信を行う第2および第3の通信装置(図1の21a、21b)と、第2および第3の通信装置と接続され、通信における周波数変更指示情報を入力する管制情報表示入力装置(図1の22)と、運行体の位置情報の管理を行い、位置情報を管制情報表示入力装置に与える管制情報供給装置(図1の31)と、を備える。
【0020】
このような運行体管制通信システムにおいて、第1および第2の通信装置が第1の周波数帯で通信リンクが確立している状態で、周波数変更指示情報が入力された場合には、周波数変更指示情報は、第1および第2の通信装置を介して運行体情報表示入力装置に伝達される。そして、運行体情報表示入力装置は、指示された周波数を表示し、操作者(パイロット等)が確認ボタンを押すことなどによって確認操作を行うことで、第2の周波数帯で第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように第1の通信装置を制御する。
【0021】
なお、運行体側と管制側との間の通信プロトコルとして、例えば国際民間航空機関で規格を定めるVDL3(VHF Digital Link Mode 3)を使用する。VDL3の通信プロトコルは、データリンク層のプロトコルを用いており、データ及び音声を同一チャンネルで扱うことが可能である。
【0022】
以上のような運行体管制通信システムによれば、管制官が周波数変換指示を音声で伝えることなく、容易に運行体に対する周波数変換指示を出すことができる。また、運行体側の操作者(パイロット)の言い間違えやパイロットの聞き取りミスの回避することができ、さらに周波数変更の完了を管制官側が知ることができる。したがって、管制官及びパイロット両者の業務負荷を軽減することができる。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施例に係る航空管制通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、航空管制通信システムは、機上装置1と地上装置2と地上後方装置3とを備える。また、機上装置1は、機上情報表示入力装置11と、機上通信装置12とを備えている。機上情報表示入力装置11は、次周波数指示情報の表示を行い、表示された次周波数への変更確認入力を受け付ける。機上通信装置12は、地上通信装置21a、21bとの間の通信を管理する。また、機上通信装置12は、機上情報表示入力装置11とのインタフェースを持ち、地上装置2が発行した周波数変更指示データに対してパイロットが確認を行った場合、指示どおりの周波数に自動変更することができる。
【0024】
一方、地上装置2は、地上通信装置21a、21b、管制情報表示入力装置22、ポインティング・デバイス23を備える。地上通信装置21a、21bは、管制情報表示入力装置22とのインタフェースを持つと共に、機上通信装置12との間の通信を実行する。尚、地上通信装置と21aおよび機上通信装置12と、地上通信装置21bおよび機上通信装置12とは、互いに異なる周波数で運用されるものとする。管制情報表示入力装置22は、航空機の位置情報を表示し、ポインティング・デバイス23の操作による航空機に対する次周波数指示の入力を受け付ける。ポインティング・デバイス23は、例えばマウス、トラックボール、デジタイザ等の装置であって、管制情報表示入力装置22へのポインタ操作、メニュー選択等の入力を行う。
【0025】
また、地上後方装置3は、航空管制情報供給装置31を備え、航空機の位置情報の管理を行い、航空機の位置情報を管制情報表示入力装置22に提供する。
【0026】
次に、図1を参照して航空管制通信システムの動作について説明する。まず、地上通信装置21aは、任意の機上装置1に自装置の存在および時分割多重方式のタイミングを知らせるために定期的に電波を発信する。機上通信装置12は、地上通信装置21aからの電波を受信して地上通信装置21aとの時刻同期を完了すると、地上通信装置21aとの間の通信リンクを確立するために、自分の航空機アドレスを含んだリンク確立要求を送信する。地上通信装置21aは、このリンク確立要求を受信すると、機上通信装置12に対し機上装置識別番号を含むリンク確立応答を送信する。さらに、地上通信装置21aは、管制情報表示入力装置22に対して航空機アドレスを送信する。管制情報表示入力装置22は、地上通信装置21aから受信した航空機アドレスを元に、当該航空機がリンク確立状態になったことを表示する。以上が通信リンク確立に関する動作である。
【0027】
次に、管制官は、管制情報表示入力装置22の航空機の位置表示に基づき、特定の航空機に対する周波数変更指示入力を行う。この周波数変更指示入力は、ポインティング・デバイス23によって当該航空機の表示にポインタを合わせ、指示(例えばクリック)することで周波数の選択肢を表示させ、管制官が当該周波数を選ぶ方法によって行う。あるいは当該航空機の表示をドラッグ・アンド・ドロップすることで当該周波数を選ぶ。入力された周波数変更指示データは、地上通信装置21aに出力される。地上通信装置21aは、機上通信装置12に周波数変更指示データを送信する。
【0028】
機上通信装置12は、受信した周波数変更指示データを機上情報表示入力装置11に出力する。また、機上情報表示入力装置11は、受け取った周波数変更指示の表示およびパイロットの確認待ちを行う。パイロットがボタンなどの操作によって確認入力を行うと、機上情報表示入力装置11は、確認入力データを機上通信装置12に出力する。そして、機上通信装置12は、周波数変更指示に従い、周波数を自動的に変更する。
【0029】
機上通信装置12は、地上通信装置21aと同様に構成され別の周波数で動作している地上通信装置21bに対してリンクを確立する。地上通信装置21bは、管制情報表示入力装置22に対して機上装置1が地上通信装置21bにリンクしたことを通知する。
【0030】
以上のような航空管制通信システムによれば、簡単な入力によって周波数変更指示が発行されるため、管制官が従来の方式と比較して非常に容易にパイロットに対する周波数変更指示を与えることができ、管制官の業務負荷を低減できる。また、周波数変更指示をメニュー選択方式で行うため、管制官による言い間違い等の周波数変更指示ミスが低減できる。さらに、データ通信およびデータ処理により周波数を変更するため、パイロットの周波数聞き取りミスを回避できる。
【0031】
次に、管制情報表示入力装置22における表示の具体例について詳細に説明する。図2は、管制情報表示入力装置における表示例を示す図である。この表示の例は、管制情報表示入力装置22における入力方法が、マウスおよびポインタを用いたドラッグ・アンド・ドロップ方式となる例である。管制情報表示入力装置22は、航空機位置表示入力画面40を表示する。また、航空機位置表示入力画面40には、周波数Aエリア41aと、周波数Bエリア41bと、航空機位置表示シンボル42と、ポインタ43とが表示されている。
【0032】
図2において、航空機位置表示シンボル42の航空機の周波数を周波数Aから周波数Bに変更する場合、まず、管制官は、マウスを操作し、ポインタ43を周波数Aエリア41aに表示されている航空機位置表示シンボル42に重ねる。重ねた位置でマウスのボタンを押したまま、周波数Bエリア41bまでポインタを移し(ドラッグ)、ボタンを離す(ドロップ)。これにより管制情報表示入力装置22は、航空機位置表示シンボル42に対応する機上装置1に対して周波数変更指示が有ったものと認識し、周波数変更指示を地上通信装置21aに出力する。そして、先に説明したように地上通信装置21aは、機上通信装置12に周波数変更指示データを送信する。
【0033】
このようにマウス等のポインティング・デバイス23のドラッグ・アンド・ドロップによれば、より直感的な操作での入力が可能になるため、管制官の業務負荷をより軽減することができる。
【実施例2】
【0034】
図3は、本発明の第2の実施例に係る地上装置の構成を示すブロック図である。図3において、地上装置2aは、図1の管制情報表示入力装置22に対しハードウェア・スイッチ24を追加した構成となる管制情報表示入力装置22aを備える。航空機の周波数を変更する場合、まず、管制官は、管制情報表示入力装置22aで目的とする航空機を選択する。次に、ハードウェア・スイッチ24で目的とする周波数のボタンを選択して押す。これにより管制情報表示入力装置22aは、該当の航空機に対する周波数変更指示を地上通信装置21aに出力する。これ以降の動作は、第1の実施例と同一のため、その説明を省略する。
【0035】
このような構成の地上装置2aでは、ハードウェア・スイッチ24による周波数指示入力が行われるため、操作の慣熟によって目視による確認なしでの入力が可能になる。したがって管制官の入力負荷がより軽減される。
【実施例3】
【0036】
図4は、本発明の第3の実施例に係る地上装置の構成を示すブロック図である。図4において、地上装置2bは、図1の管制情報表示入力装置22に対し周波数変更指示自動発行装置25を追加した構成となる管制情報表示入力装置22bを備える。周波数変更指示自動発行装置25は、管制情報表示入力装置22bが管理する航空機の位置情報に基づき、あらかじめ設定してある針路方角と飛行位置に適合した航空機に対して周波数変更指示を自動発行する。管制情報表示入力装置22bは、自動発行された周波数変更指示についての発行確認メッセージを表示する。管制官がこのメッセージの確認入力を行うと、管制情報表示入力装置22bは、当該航空機に対する周波数変更指示を地上通信装置21aに出力する。これ以降の動作は、第1の実施例と同一のため、その説明を省略する。
【0037】
このような構成の地上装置2bでは、周波数指示が自動的に作成されるため、管制官の入力負荷および操作ミスがより低減される。
【0038】
なお、図4では、図3におけるポインティング・デバイス23あるいはハードウェア・スイッチ24を省略しているが、これらを併設し、周波数変更指示自動発行装置25と併用する、あるいは切替するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、管制官とパイロットの航空管制通信のみならず、船舶や業務用車両などの管制通信における周波数変更指示といった用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例に係る航空管制通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】管制情報表示入力装置における表示例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る地上装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る地上装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0041】
1 機上装置
2、2a、2b 地上装置
3 地上後方装置
11 機上情報表示入力装置
12 機上通信装置
21a、21b 地上通信装置
22、22a、22b 管制情報表示入力装置
23 ポインティング・デバイス
24 ハードウェア・スイッチ
25 周波数変更指示自動発行装置
31 航空管制情報供給装置
40 航空機位置表示入力画面
41a 周波数Aエリア
41b 周波数Bエリア
42 航空機位置表示シンボル
43 ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管制対象となる運行体の通信装置と管制側の通信装置との間で通信を行う運行体管制通信システムであって、
前記運行体に搭載される第1の通信装置と、
前記運行体に搭載され、前記第1の通信装置に接続される運行体情報表示入力装置と、
前記管制側に設置され、前記第1の通信装置と通信を行う第2および第3の通信装置と、
前記管制側に設置され、前記第2および第3の通信装置に接続され、前記通信における周波数変更指示情報を入力する管制情報表示入力装置と、
前記管制側に設置され、前記運行体の位置情報の管理を行い、前記位置情報を前記管制情報表示入力装置に与える管制情報供給装置と、
を備え、
前記第1および第2の通信装置が第1の周波数帯で通信リンクが確立している状態で、入力された前記周波数変更指示情報は、前記第1および第2の通信装置を介して前記運行体情報表示入力装置に伝達され、前記周波数変更指示情報を受け取った前記運行体情報表示入力装置は、第2の周波数帯で前記第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように前記第1の通信装置を制御することを特徴とする運行体管制通信システム。
【請求項2】
前記管制情報表示入力装置に接続されるポインティング・デバイスを備え、
前記管制情報表示入力装置は、前記管制情報供給装置から与えられる運行体の位置情報を表示し、前記ポインティング・デバイスの操作によって前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項3】
前記管制情報表示入力装置は、前記位置情報に対応するシンボルと前記ポインティング・デバイスによるポインタとを表示し、前記シンボルを前記ポインタによって所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップするように前記ポインティング・デバイスを操作して前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項2記載の運行体管制通信システム。
【請求項4】
前記管制情報表示入力装置に接続されるスイッチ手段を備え、
前記管制情報表示入力装置は、前記スイッチ手段によって目的とする周波数に対応のボタンを選択することで前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項5】
前記管制情報表示入力装置に接続される周波数変更指示自動発行装置を備え、
前記管制情報表示入力装置は、前記周波数変更指示自動発行装置が発行する前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項6】
前記運行体情報表示入力装置は、前記周波数変更指示情報を表示し、前記運行体情報表示入力装置の操作者が前記周波数変更の確認操作を行うことで、前記第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように前記第1の通信装置を制御することを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項7】
前記通信リンクは、VDL3(VHF Digital Link Mode 3)のプロトコルに基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項8】
前記運行体は、航空機、船舶、車両のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の運行体管制通信システム。
【請求項9】
管制対象となる運行体の第1の通信装置と管制側の第2および第3の通信装置との間でなされる運行体管制通信における周波数変換指示方法であって、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とが第1の周波数帯で通信リンクを確立するステップと、
前記第2の通信装置に接続される管制情報表示入力装置が周波数変更指示情報を入力するステップと、
入力された前記周波数変更指示情報を前記第2および第1の通信装置を介して前記第1の通信装置に接続される運行体情報表示入力装置に伝達するステップと、
前記運行体情報表示入力装置は、第2の周波数帯で前記第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように前記第1の通信装置を制御するステップと、
を含むことを特徴とする運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項10】
前記周波数変更指示情報を入力するステップにおいて、前記管制情報表示入力装置は、管制情報供給装置から与えられる運行体の位置情報を表示し、前記管制情報表示入力装置に接続されるポインティング・デバイスの操作によって前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項11】
前記管制情報表示入力装置は、前記位置情報に対応するシンボルと前記ポインティング・デバイスによるポインタとを表示し、前記シンボルを前記ポインタによって所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップするように前記ポインティング・デバイスを操作して前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項10記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項12】
前記周波数変更指示情報を入力するステップにおいて、前記管制情報表示入力装置は、前記管制情報表示入力装置に接続されるスイッチ手段によって目的とする周波数に対応のボタンを選択することで前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項13】
前記周波数変更指示情報を入力するステップにおいて、前記管制情報表示入力装置は、前記管制情報表示入力装置に接続される周波数変更指示自動発行装置が発行する前記周波数変更指示情報を入力することを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項14】
前記第1の通信装置を制御するステップにおいて、前記運行体情報表示入力装置は、前記周波数変更指示情報を表示し、前記運行体情報表示入力装置の操作者が前記周波数変更の確認操作を行うことで、前記第1および第3の通信装置間の通信リンクを確立するように前記第1の通信装置を制御することを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項15】
前記通信リンクは、VDL3(VHF Digital Link Mode 3)のプロトコルに基づいて設定されることを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。
【請求項16】
前記運行体は、航空機、船舶、車両のいずれかであることを特徴とする請求項9記載の運行体管制通信における周波数変換指示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−52551(P2007−52551A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235976(P2005−235976)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】