説明

運行状況通知システム

【課題】 車載端末装置に設定される運行データの通知条件を、車外のユーザが簡単に変更することができる運行状況通知システムの提供。
【解決手段】 車載端末装置2では、運行データ取得部が車両の運行データを取得する。記憶部には運行データのうち何れを外部へ送信するかを規定する通知条件情報が格納される。通知判定部は記憶部から最新の通知条件情報を読み出し、運行データ取得部によって取得された運行データが、上記読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する。車載端末送受信部は、通知判定部が通知条件を満たすと判定した運行データを運行管理端末装置3へ送信する。通知条件の更新時には、運行管理端末装置3がユーザからの設定入力に応じて通知条件情報を生成し、これをセンタ装置4を中継して車載端末装置2へ送信する。車載端末装置2では、通知条件更新部が運行管理端末装置3からの通知条件情報を記憶部に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載端末装置とユーザ側に設けられたユーザ端末装置とが所定のネットワークを介して接続された運行状況通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配送業者の運行管理者が、荷物を配送する車両の運行状況を監視する方法として、車両の運行データを取得する車載端末装置を車両に設け、車載端末装置から送信された運行データを運行管理者側のユーザ端末装置で受信するシステムが知られている。
【0003】
また、運行データの通知条件を車載端末装置に予め設定しておき、この通知条件を満たす運行データをユーザ端末装置へ送信するシステムも知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−044976号公報
【特許文献2】特開2004−240828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のシステムでは、通知条件を変更する場合、車両に搭載された車載端末装置に対して直接設定する必要がある。また、配送に使用される車両は、通常配送業者の元から離れている時間帯が長く、各車両の車載端末装置に対して通知条件の変更作業を行うことが可能な時間帯が極めて限定されてしまう。このため、多数の車両を管理する配送業者にとって、通知条件の変更作業は煩雑であった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、車載端末装置に設定される運行データの通知条件を、車外のユーザが簡単に変更することができる運行状況通知システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る運行状況通知システムでは、車両に搭載された車載端末装置とユーザ側に設けられたユーザ端末装置とが所定のネットワークを介して接続されている。
【0008】
車載端末装置は、車載端末送受信部と運行データ取得部と通知条件格納部と通知判定部と通知条件更新部とを有する。
【0009】
ユーザ端末装置は、ユーザ端末送受信部とユーザ端末報知部とユーザ端末入力部と情報生成部とを有する。
【0010】
車載端末装置の車載端末送受信部は、ネットワークを介して外部と情報の送受信を行う。運行データ取得部は、車両の運行状況に関する運行データを取得する。通知条件格納部には、運行データのうち何れの運行データを外部へ送信するかを規定する通知条件情報が格納される。通知判定部は、通知条件格納部から通知条件情報を読み出し、運行データ取得部によって取得された運行データが、上記読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する。車載端末送受信部は、通知判定部によって通知条件を満たすと判定された運行データをユーザ端末装置へ送信する。
【0011】
ユーザ端末装置のユーザ端末送受信部は、ネットワークを介して外部と情報の送受信を行う。ユーザ端末報知部は、車載端末送受信部から送信されユーザ端末送受信部が受信した運行データをユーザへ報知する。
【0012】
ユーザ端末装置のユーザ端末入力部は、ユーザから通知条件の設定入力を受ける。情報生成部は、ユーザ端末入力部が受けた通知条件の設定入力に応じて通知条件情報を生成する。ユーザ端末送受信部は、情報生成部が生成した通知条件情報を車載端末装置へ送信する。
【0013】
車載端末装置の通知条件更新部は、ユーザ端末送受信部から送信され車載送受信部が受信した通知条件情報を通知条件格納部に格納する。通知判定部が上記判定のために通知条件格納部から読み出す通知条件情報は、通知条件格納部に最後に格納された最新の通知条件情報である。
【0014】
上記構成では、配送担当者が荷物を配送する車両において、車載端末装置の運行データ取得部が運行データを取得すると、通知判定部は、この取得された運行データが、通知条件格納部から読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する。通知判定部が通知条件を満たすと判定した運行データは、車載端末送受信部によってユーザ端末装置へ送信される。
【0015】
ユーザ端末装置では、ユーザ端末送受信部が車載端末装置から送信された運行データを受信し、この運行データがユーザ端末報知部によってユーザへ報知される。
【0016】
従って、係るユーザ端末装置を配送業者の運行管理者側に設けることにより、この運行管理者は、荷物を配送する車両の運行状況を確実に監視することができる。
【0017】
また、車載端末装置に設定された通知条件を変更する場合、ユーザ端末装置のユーザ(例えば、配送業者の管理者)は、ユーザ端末装置のユーザ端末入力部を操作し、通知条件の設定入力を行う。情報生成部は、設定入力された通知条件に応じて通知条件情報を生成し、この通知条件情報は、ユーザ端末送受信部によって車載端末装置へ送信される。
【0018】
ユーザ端末送受信部から送信された通知条件情報を車載端末装置の車載受信部が受信すると、この受信した通知条件情報を通知条件更新部部が通知条件格納部に格納する。すなわち、ユーザ端末装置への設定入力により車載端末装置に設定される通知条件が更新される。そして、通知判定部は、運行データ取得部によって取得された運行データが通知条件を満たすか否かを判定する際に、通知条件格納部に最後に格納された最新の通知条件情報を読み出し、この最新の通知条件情報が規定する通知条件に基づいて判定を行う。このため、ユーザ端末装置への設定入力により通知条件が更新された後は、この更新された最新の通知条件に従って車載端末装置からユーザ端末装置への運行データの送信が行われる。
【0019】
従って、車両の車載端末装置に設定された通知条件を、任意の場所に設定可能なユーザ端末装置を操作することによって行うことができる。すなわち、ユーザ端末装置のユーザは、車載端末装置がユーザ端末装置からの情報を受信可能な状態であれば、車載端末装置が搭載された車両の場所や時間の制限を受けることなく、例えば、車両が遠隔地にある場合や走行中であっても、リアルタイムで通知条件の変更を行うことができる。
【0020】
また、車載端末装置が運行データとして車両の位置情報を取得可能であっても、通常の配送業務において車両の位置を逐次知ることが運行管理者にとって必ずしも必要とは限らない。しかし、車両が予定の運行を行っていない場合や盗難された場合などの特別な状況では、運行管理者は車両の位置を直ぐに知る必要が生じる。この点に関し、上記構成では、運行管理者は、通常時の通知条件に位置情報の逐次送信が含まれていない場合であっても、ユーザ端末装置から通知条件の設定を変更することによって車両の位置情報を直ぐに知ることができ、車両が予定の運行を行っていない場合や盗難された場合などの特別な状況に即座に対応することができる。
【0021】
さらに、上述のように、通常時の通知条件を必要最低限の運行データに限定しておき、必要に応じてユーザ端末装置から通知条件の設定変更を行うことができるので、車載端末装置から送信される運行データのデータ量を最低限に抑えることができ、全体として、限られたネットワーク資源を有効に活用することができる。
【0022】
また、上記運行状況通知システムは、ユーザ端末装置と車載端末装置とにネットワークを介して接続され、ユーザ端末装置と車載端末装置との間の情報の送受信を中継する中継管理装置を備えてもよい。
【0023】
中継管理装置は、中継送受信部と中継管理記憶部とを有する。中継送受信部は、ユーザ端末装置及び車載端末装置との間でネットワークを介して情報の送受信を行う。中継管理記憶部には、通知条件として設定可能な通知条件項目に対応する通知条件項目情報が予め記憶される。
【0024】
ユーザ端末入力部は、ユーザによる通知条件の設定開始時に当該ユーザから設定開始の指示入力を受ける。情報生成部は、ユーザ端末入力部が設定開始の指示入力を受けたとき、設定開始情報を生成する。ユーザ端末送受信部は、情報生成部が生成した設定開始情報を中継管理装置へ送信する。
【0025】
中継送受信部は、ユーザ端末送受信部から送信された設定開始情報を受信したとき、中継管理記憶部に記憶された通知条件項目情報をユーザ端末装置へ送信する。
【0026】
ユーザ端末報知部は、中継送受信部から送信されユーザ送受信部が受信した通知条件項目情報に対応する通知条件項目をユーザに報知する。ユーザ端末入力部は、ユーザから通知条件項目に対する設定入力を受ける。情報生成部は、ユーザ端末入力部が受けた通知条件項目に対する設定入力に応じて通知条件情報を生成する。ユーザ端末送受信部は、情報生成部が生成した通知条件情報を中継管理装置へ送信する。
【0027】
中継送受信部は、ユーザ端末送受信部から送信された通知条件情報を受信して当該通知条件情報を車載端末装置へ送信する。
【0028】
上記構成では、ユーザは、通知条件を変更する場合、中継管理装置から提供された通知条件項目に従って設定入力を行えばよいので、通知条件の変更を簡単に行うことができる。
【0029】
また、中継管理装置は、複数の車両のそれぞれ搭載された複数の車載端末装置にネットワークを介して接続されてもよい。この場合、中継管理記憶部には車両毎に通知条件項目情報が予め記憶され、ユーザ端末入力部はユーザから設定開始の指示入力と車両を特定する指示入力とを受け、情報生成部は、ユーザ端末入力部が設定開始及び車両を特定する指示入力を受けたとき、設定開始情報及び車両特定情報を生成し、ユーザ端末送受信部は情報生成部が生成した設定開始情報及び車両特定情報を中継管理装置へ送信し、中継送受信部はユーザ端末送受信部から送信された設定開始情報及び車両特定情報を受信したとき、中継管理記憶部に記憶された通知条件項目情報のうち受信した車両特定情報に対応する通知条件項目情報をユーザ端末装置へ送信してもよい。
【0030】
上記構成では、ユーザは、車両毎に異なる通知条件をそれぞれ簡単な操作で変更することができる。
【0031】
なお、上記構成において、車両特定情報に設定開始情報としての機能を持たせることにより、ユーザによるユーザ端末入力部への設定開始の指示入力を省略することができる。
【0032】
また、中継管理記憶部には、少なくともユーザ端末装置を特定する送信先特定情報とネットワークを介して情報を受信可能なユーザ端末装置以外の端末装置を特定する送信先特定情報とを含む複数の送信先特定情報が記憶されてもよく、中継送受信部は、車載送受信部から送信された運行データを受信したとき、当該運行データを、中継管理記憶部に記憶された送信先特定情報によって特定される複数の端末装置へそれぞれ送信してもよい。
【0033】
上記構成では、ユーザは、ユーザ端末装置以外の他の端末装置によって、ユーザ端末装置と同様に運行データを取得することができる。
【0034】
なお、上記ユーザ端末装置以外の端末装置は、車載端末装置を含んでもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る運行状況通知システムによれば、車両の車載端末装置に設定される運行データの通知条件を、車外のユーザ端末装置から簡単に変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は本発明の一実施形態に係る運行状況通知システムの全体を模式的に示すブロック図、図2は図1の車載端末装置を模式的に示すブロック図、図3は図2の運行データ取得部を模式的に示すブロック図、図4は図1の運行管理端末装置を模式的に示すブロック図、図5は図1のセンタ装置を模式的に示すブロック図、図6は運行データの通知処理を示すフローチャート、図7は通知条件の更新処理を示すフローチャートである。
【0038】
図1に示すように、本発明に係る運行状況通知システムは、配送業務を行う複数の車両1にそれぞれ搭載された車載端末装置2と、車両1を管理する配送会社に設けられ運行管理者によって操作されるユーザ端末装置としての運行管理端末装置3と、この運行状況通知システムを提供するシステム運営会社に設けられた中継管理装置としてのセンタ装置4と、を備える。車載端末装置2と運行管理端末装置3とはコンピュータとしての基本的機能を有し、センタ装置4はサーバとしての基本的機能を有する。各車載端末装置2とセンタ装置4とは、携帯電話回線を利用したパケット通信網5を介して無線通信可能に接続され、運行管理端末装置3とセンタ装置4とは、インターネット6を介して接続され、センタ装置4は、車載端末装置2と運行管理端末装置3との間の情報の送受信を中継する。なお、車載端末装置2と運行管理端末装置3とセンタ装置4とを、同一のネットワークを介して接続してもよい。
【0039】
この運行状況通知システムでは、各車載端末装置2は、車両1の運行状況に関する運行データを取得し、取得した運行データをセンタ装置4を中継させて運行管理端末装置3へ送信する。各車載端末装置2には、取得した運行データのうち何れの運行データを送信するかを規定する通知条件情報が設定され、車載端末装置2は、通知条件情報が規定する通知条件を満たす運行データを送信する。車載端末装置2に対する通知条件情報の設定及び変更(更新)は、運行管理者が運行管理端末装置3に通知条件を入力し、その通知条件情報をセンタ装置4を中継させて車載端末装置2へ送信することにより行われる。
【0040】
各車載端末装置2には、通知条件情報の他、運行パターンを表すルート情報が予め設定される。ルート情報とは、車両1が走行する配送ルートにおける出発地点、各立ち寄り地点、及び目的地点(以下、これらを登録地点と称する)の位置と、各登録地点の到着予定時刻及び出発予定時刻と、を含む情報である。
【0041】
車載端末装置2が取得する運行データは、車両の現在位置を表す位置情報と、各登録地点への到着を表す到着情報と、各登録地点からの出発を表す出発情報と、各登録地点への到着予定時刻又は各登録地点からの出発予定時刻に対する遅延時間を表す遅延時間情報と、イグニションキーのON状態を表すキーON情報と、荷台の室内温度(荷台温度)を表す荷台温度情報と、休憩の開始を表す休憩開始情報と、休憩の終了を表す休憩終了情報と、待機の開始を表す待機開始情報と、待機の終了を表す待機終了情報と、積み卸しの開始を表す積卸開始情報と、積み卸しの終了を表す積卸終了情報と、準備の開始を表す準備開始情報と、準備の終了を示す準備終了情報と、を含む。ここで、休憩開始情報と休憩終了情報と待機開始情報と待機終了情報と積卸開始情報と積卸終了情報と準備開始情報と準備終了情報とは、全て車両1の停車又は発車の際に車両1の運転者や乗員等(以下、配送担当者と称する)からの入力によって送信される運行データである。また、休憩には休憩のための停車が該当し、待機には配送時間を調整するための停車が該当し、積み卸しには荷物の積み卸しのための停車が該当し、準備にはそれ以外の停車が該当する。なお、車両1の停車時にこれらのうち何れの情報を送信させるかは、配送担当者の判断に委ねられる。
【0042】
これらの運行データのうち、位置情報と各登録地点における到着情報及び出発情報とキーON情報と休憩開始情報と休憩終了情報と待機開始情報と待機終了情報と積卸開始情報と積卸終了情報と準備開始情報と準備終了情報とは、通知条件として独立して設定可能な通知条件項目であり、各情報に対して送信を行うか否かが設定される。遅延時間情報については、直接外部へ送信されず、これに代えて、各登録地点への到着予定時刻又は各登録地点からの出発予定時刻に対し予め設定した時間以上遅延した場合(運行パターンに対して所定時間以上遅延した場合)に運行データとしての遅延情報が生成され、この遅延情報に対して、これを送信するか否か及び遅延時間が通知条件項目として設定される。また、荷台温度情報についても、直接外部へ送信されず、これに代えて、荷台の室内温度(荷台温度)が予め設定した閾値以上又は以下となった場合に運行データとしての荷台温度超過情報が生成され、この荷台温度超過情報に対して、これを送信するか否か及び閾値となる温度が通知条件項目として設定される。さらに、位置情報については、何分毎に送信を行わせるかを規定する送信間隔についても通知条件項目として設定される。なお、上記到着情報、出発情報、遅延情報、及び荷台温度超過情報は、後述する通知判定部15によって生成される。
【0043】
各車両1には、図2に示すように、車載端末装置2に加えて、位置検出センサ7とキーON/OFF検出センサ8と温度センサ9とが設けられている。位置検出センサ7は、GPS(Global Positioning Systems)を利用して車両の位置情報を取得する。キーON/OFF検出センサ8は、イグニションキーがON状態か否かを検出する。温度センサ9は、荷台の室内に設けられてその室内温度(荷台温度)を検出する。なお、特に図示していないが、本実施形態では、荷台の室内が3室に分割されており、各室内にそれぞれ温度センサ9が設けられている。位置検出センサ7が取得した位置情報と、キーON/OFF検出センサ8が検出したキーON/OFF情報と、温度センサ9が検出した荷台温度情報とは、車載端末装置2に出力される。
【0044】
車載端末装置2は、CPU(Central Processing Unit)10と記憶部(通知条件格納部)11と送受信部(車載端末送受信部)12と操作スイッチ13とを備える。記憶部11には、上記通知条件情報及びルート情報が格納されている。送受信部12は、パケット通信網5を介して外部と情報の送受信を行う。操作スイッチ13は、配送担当者からの各種入力を受け、その入力に対応した情報をCPU10へ出力する。
【0045】
CPU10は、運行データ取得部14と通知判定部15と通知条件更新部16とを含む。運行データ取得部14は、車両1の上記運行データを取得する。通知判定部15は、記憶部11から上記通知条件情報を読み出し、運行データ取得部14によって取得された運行データが、上記読み出した通知条件情報が規定する通知条件(各通知条件項目)を満たすか否かを判定する。通知判定部15が上記判定のために記憶部11から読み出す通知条件情報は、記憶部11に最後に格納された最新の通知条件情報である。送受信部12は、通知判定部15によって通知条件を満たすと判定された運行データをセンタ装置4へ送信する。通知条件更新部16は、センタ装置4から送信され送受信部12が受信した通知条件情報を記憶部11に格納する。
【0046】
図3に示すように、運行データ取得部14は、位置検出部17とルート設定部18と遅延時間計測部19と入力受付部20とキーON/OFF検出部21と荷台温度検出部22とを有する。
【0047】
位置検出部17は、位置情報の入力を位置検出センサ7から受け付け、この位置情報を通知判定部15とルート設定部18と遅延時間計測部19とに出力する。入力受付部20は、配送担当者からの各種入力に対応する情報を操作スイッチ13から受け付け、この情報を通知判定部15とルート設定部18とに出力する。キーON/OFF検出部21は、キーON情報をキーON/OFF検出センサ8から受け付け、このキーON情報を通知判定部15に出力する。荷台温度検出部22は、荷台温度情報を温度センサ9から受け付け、この荷台温度情報を通知判定部15に出力する。
【0048】
ルート設定部18は、操作スイッチ13への入力に応じてルート情報を設定し記憶部11に格納する機能と、操作スイッチ13への入力に応じて記憶部11に記憶されたルート情報を読み出して通知判定部15と遅延時間計測部19とに出力する機能とを有する。
【0049】
ルート設定部18によるルート情報の設定処理は、配送担当者が配送ルートに従って車両1を実際に走行させながら、操作スイッチ13へ所定の入力を行うことによって実行される。係る設定処理では、配送担当者は、まず配送ルートの出発地点において、車両1の出発時に操作スイッチ13に対して所定の入力を行い、設定処理を開始する。設定処理の開始後は、立ち寄り地点への到着時及び立ち寄り地点からの出発時に、それぞれ順次操作スイッチ13に対して所定の入力を行う。そして、最終的な目的地点への到着時に、操作スイッチ13に対して所定の入力を行い、設定処理を終了する。各入力時において、ルート設定部18は、位置情報と時刻とを関連付けた状態で記憶部11に順次記憶させる。これにより、車両1が走行する配送ルートにおける各登録地点の位置と、各登録地点の到着予定時刻及び出発予定時刻と、を含むルート情報(運行パターン)が、所定の運行パターンコードが付された状態で設定され、記憶部11に格納される。記憶部11には、それぞれ異なる運行パターンコードで識別された複数のルート情報が格納可能である。また、ルート設定部18は、新たにルート情報を設定した場合、このルート情報を、後述するセンタ装置4の記憶部30に記憶させるため送受信部12から送信させる。
【0050】
遅延時間計測部19は、位置検出部17からの位置情報とルート設定部18からのルート情報とに基づき、各登録地点への到着予定時刻又は各登録地点からの出発予定時刻に対する遅延時間を算出し、この遅延時間を表す遅延時間情報を通知判定部15へ出力する。
【0051】
通知判定部15は、記憶部11から読み出した通知条件(各通知条件項目)に基づき、各運行データをセンタ装置4へ送信するか否かを判定する。
【0052】
例えば、通知条件として位置情報を所定時間毎に送信するように設定されている場合には、位置検出部17から通知判定部15に逐次入力される位置情報のうち所定時間毎に入力される位置情報のみが、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。通知条件としてある登録地点における到着情報を送信するように設定されている場合には、通知判定部15は、位置検出部17から入力された位置情報とルート設定部18から入力されたルート情報とに基づいて車両1がその登録地点に到着したか否かを判断し、到着したと判断したときに到着情報を生成し、この生成された到着情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。同様に、通知条件としてある登録地点における出発情報を送信するように設定されている場合には、通知判定部15は、位置検出部17から入力された位置情報とルート設定部18から入力されたルート情報とに基づいて車両1がその登録地点から出発したか否かを判断し、出発したと判断したときに出発情報を生成し、この生成された出発情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。通知条件として運行パターンに対して所定時間以上遅延した場合に遅延情報を送信するように設定されている場合には、通知判定部15は、遅延時間計測部19から入力される遅延時間情報に基づいて、車両1が所定時間以上遅延しているか否かを判断し、遅延していると判断したときに遅延情報を生成し、この生成された遅延情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。通知条件としてキーON情報が設定されている場合には、キーON/OFF検出部21から入力されるキーON情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。休憩開始情報と休憩終了情報と待機開始情報と待機終了情報と積卸開始情報と積卸終了情報と準備開始情報と準備終了情報とに関し、通知条件として各情報が設定されている場合には、入力受付部20から入力される各情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。通知条件として荷台温度が予め設定した閾値以上(又は以下)となった場合に荷台温度超過情報を送信するように設定されている場合には、通知判定部15は、荷台温度検出部22から入力される荷台温度情報に基づいて、荷台温度が予め設定した閾値以上(又は以下)であるか否かを判断し、閾値以上(又は以下)であると判断したときに荷台温度超過情報を生成し、この生成された荷台温度超過情報が、送受信部12からセンタ装置4へ出力される。
【0053】
図4に示すように、運行管理端末装置3は、CPU23と送受信部(ユーザ端末送受信部)24と入力部(ユーザ端末入力部)25と表示部(ユーザ端末報知部)26と記憶部33とを有する。CPU23は、情報生成部27を含む。送受信部24は、インターネット6を介して外部と情報の送受信を行う。CPU23は、端末装置2からセンタ装置4を中継して送信され送受信部24が受信した運行データを、記憶部33に記憶させる。表示部26は、表示画面を有し、上記送受信部24が受信した運行データを、表示画面に表示してユーザへ報知する。また、表示部26は、センタ装置4から送信され送受信部24が受信した通知条件項目情報に対応する通知条件項目を、表示画面に表示してユーザへ報知する。なお、表示部26に代えて又は加えて、運行データや通知条件項目を音声によって報知する音声出力部を設けてもよい。
【0054】
入力部25は、キーボードを有し、運行管理者から通知条件の設定開始の指示入力及び通知条件の設定入力を受ける。この設定開始の指示入力は、後述するように車両及び運行パターンを特定するための入力であり、運行条件の指示入力は、上記各通知条件項目に対する設定入力である。情報生成部27は、入力部25が受けた設定開始の指示入力に応じて設定開始情報を、通知条件の設定入力に応じて通知条件情報を、それぞれ生成する。送受信部24は、情報生成部27が生成した設定開始情報や通知条件情報をインターネット6を介してセンタ装置4へ送信する。
【0055】
図5に示すように、センタ装置4は、CPU28と送受信部(中継送受信部)29と記憶部(中継管理記憶部)30とを有する。送受信部29は、車載端末装置2との間でパケット通信網5を介して情報の送受信を行う共に、運行管理端末装置3との間でインターネット6を介して情報の送受信を行う。記憶部30には、上記通知条件項目に対応する通知条件項目情報と上記ルート情報とが車両1毎に記憶される。
【0056】
本実施形態の通知条件項目情報は上記通知条件情報に含まれ、記憶部30には通知条件情報が記憶される。また、記憶部30には、運行管理端末装置3を特定する送信先特定情報としてのアドレスが記憶されている。さらに、記憶部30は、パケット通信網5又はインターネット6を介して情報を受信可能な端末装置31,32や車載端末装置2などの他の端末装置を特定する他のアドレスと、この他のアドレスに対して運行データを送信するか否かの設定についても記憶可能に構成されている。なお、これらの端末装置31,32は、パソコンや携帯電話などのあらゆる態様の端末装置を含む。
【0057】
車載端末装置2から送信された運行データを送受信部29が受信すると、CPU28は、この運行データを、記憶部30に記憶させると共に送受信部29から運行管理端末装置3へ送信させる。また、送信を求めるように設定された他のアドレスが記憶部30に記憶されている場合、CPU28は、この運行データを、送受信部29から他のアドレスにより特定される端末装置へ送信させる。
【0058】
運行管理端末装置3から送信された設定開始情報を送受信部29が受信すると、CPU28は、記憶部30に記憶された通知条件項目情報(通知条件情報)の中から対象となる通知条件項目情報(通知条件情報)のうち最新の情報を読み出し、送受信部29から運行管理端末装置3へ送信させる。また、送受信部29が運行管理端末送3から送信された通知条件情報を受信すると、CPU28は、当該通知条件情報を、記憶部30に格納すると共に、送受信部29から車載端末装置2へ送信させる。
【0059】
次に、この運行状況通知システムにおける運行データの通知処理について、図6に基づき説明する。
【0060】
運行データの通知処理は、車両1の配送担当者が車載端末装置2の操作スイッチ13に対して所定の入力を行うことによって開始される。この際、配送担当者は、記憶部11に格納されたルート情報の中からこれから配送を行う運行ルートに対応したルート情報を特定するための入力を、操作スイッチ13に対して行う。係る入力に応じて、ルート設定部18は、特定されたルート情報を記憶部11から読み出して通知判定部15と遅延時間計測部19とに出力する。
【0061】
通知処理が開始されると、車載端末装置2の運行データ取得部14は、運行データを逐次取得して通知判定部15へ出力する(ステップS1)。通知判定部15は、記憶部11から最新の通知条件情報を読み出し(ステップS2)、運行データ取得部14から入力された運行データが、読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。通知条件を満たすと判定された場合、その運行データが送受信部24によってセンタ装置4へ送信される(ステップS4)。一方、通知条件を満たさないと判定された場合、ステップS1へ戻る。
【0062】
センタ装置4において、車載端末装置2から送信された運行データを送受信部29が受信する(ステップS5)と、CPU28が、この運行データを、記憶部30に記憶させる(ステップS6)と共に、送受信部29から運行管理端末装置3へ送信させる(ステップS7)。なお、送信を求めるように設定された他のアドレスが存在する場合、この他のアドレスにより特定される端末装置へも運行データが送信される。
【0063】
運行管理端末装置3において、送受信部24がセンタ装置4から送信された運行データを受信する(ステップS8)と、この運行データを、CPU23が記憶部33に記憶させると共に、表示部26が表示してユーザへ報知する(ステップS9)。
【0064】
従って、運行管理者は、表示部26に表示された運行データによって、荷物を配送する車両1の運行状況を確実に監視することができる。
【0065】
次に、この運行状況通知システムにおける通知条件の更新処理について、図7に基づき説明する。
【0066】
通知条件の更新処理は、センタ装置4からインターネット6を介して運行管理端末装置3に提供され表示部26に表示される入力画面を見ながら、運行管理者が入力部25を操作しID番号とパスワードとを入力することによって開始される(ステップS11)。ID番号は、運行管理者を識別するための番号であり、パスワードは、ID番号と関連付けられた番号である。これらID番号とパスワードとは、システム運営会社が発行して運行管理者へ供給される番号であり、センタ装置4の記憶部30に格納される。なお、ID番号は、運行管理端末装置3を識別するための番号であってもよい。
【0067】
次に、入力されたID番号とパスワードとは、運行管理者からの指示入力に従って、運行管理端末装置3からセンタ装置4に送信される(ステップS12)。
【0068】
センタ装置4では、運行管理端末装置3から送信されたID番号とパスワードとを受信する(ステップS13)と、CPU28が、記憶部30に格納されたID番号とパスワードとの照合を行う。照合の結果、運行管理者が特定されると、センタ装置4は運行管理端末装置3に初期画面を送信する(ステップS14)。この初期画面には、特定された運行管理者によって管理されている全ての車両1の車名と各車両1に設定されている運行パターン(ルート情報)とが含まれる。なお、運行管理者によって管理されている車両1の車名を含む車両1に固有の各車両情報は、予めセンタ装置4の記憶部30に格納されている。
【0069】
運行管理端末装置3がセンタ装置4から送信された初期画面を受信すると、表示部26がこれを表示する(ステップS15)。
【0070】
次に、運行管理者が初期画面を見ながら入力部25を操作して、車両1と運行パターンとを特定する(ステップS16)。車両1と運行パターンとが特定されると、運行管理者からの指示入力に従って、これらがセンタ装置4へ送信される(ステップS17)。
【0071】
センタ装置4では、運行管理端末装置3から送信された車両1と運行パターンとを受信する(ステップS18)と、CPU28が、運行管理端末装置3によって特定された車両1と運行パターンとに対応する車両情報と運行パターンコードと通知条件情報(通知条件項目情報)と他の操作端末のアドレスとを含む登録情報を読み出し、これを運行管理端末装置3に送信する(ステップS19)。なお、登録情報が更新されている場合には、CPU28は、最新の登録情報を読み出して送信する。
【0072】
運行管理端末装置3がセンタ装置4から送信された登録情報を受信すると、表示部26がこれを表示する(ステップS20)。
【0073】
図8は、表示部26に表示される登録情報の一例である。この例では、[個別情報]、[登録地点への入/出]、[運行状態]、[荷台温度]、[車両位置]、及び[メール送信の有無]が表示される。
【0074】
[個別情報]の欄には、車名、車体番号、運行パターンコード、運行パターン、プレートナンバー、及び最終更新日時が表示される。
【0075】
[登録地点への入/出]、[運行状態]、[荷台温度]、及び[車両位置]の各欄に設定された各項目には、これらを送信させる場合にチェックマークを設定入力するためのボックスと、遅延時間(時間遅れ)及び荷台温度の閾値の数値を設定入力するためのボックスとが設けられている。
【0076】
例えば、[登録地点への入/出]の欄には、各登録地点に車両が入ったことを運行データとして報知させる場合にチェックマークを設定入力するボックス(「入ったとき」に対応するボックス)と、各登録地点から車両が出たことを運行データとして報知させる場合にチェックマークを設定入力するボックス(「出たとき」に対応するボックス)と、上記特定された運行パターンの各登録地点名(LM1,LM2,LM3の3つの地点名)に対応するボックスと、時間遅れの閾値を設定入力するためのボックスとが設けられている。
【0077】
車両1がある登録地点に入ったこと(到着したこと)を知りたい場合、運行管理者は、「入ったとき」に対応するボックスにチェックマークを設定入力すると共に、その登録地点名に対応するボックスにチェックマークを設定入力する。係る設定により、選択された登録地点へ車両1が到着した際に、この到着を表す到着情報が車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。
【0078】
同様に、車両がある登録地点から出たこと(出発したこと)を知りたい場合、運行管理者は、「出たとき」に対応するボックスにチェックマークを設定入力すると共に、その登録地点名に対応するボックスにチェックマークを設定入力する。係る設定により、選択された登録地点から車両1が出発した際に、この出発を表す出発情報が車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。
【0079】
また、特定された運行パターンに対して実際の車両1の運行が所定時間以上遅れていることを知りたい場合、運行管理者は、時間遅れに対応するボックスにその所定時間を設定入力する。係る設定により、車両1が運行パターンに対して所定時間以上遅れた場合、遅延情報が車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。
【0080】
[運行状態]の欄には、「キーON」、「休憩開始」、「休憩終了」、「待機開始」、「待機終了」、「積卸開始」、「積卸終了」、「準備開始」、及び「準備終了」のそれぞれに対応するボックスが設けられている。各ボックスに対してチェックマークを設定入力することにより、イグニションキーのON状態を表すキーON情報、休憩の開始を表す休憩開始情報、休憩の終了を表す休憩終了情報、待機の開始を表す待機開始情報、待機の終了を表す待機終了情報、積み卸しの開始を表す積卸開始情報、積み卸しの終了を表す積卸終了情報、準備の開始を表す準備開始情報、及び準備の終了を示す準備終了情報が、それぞれ車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。
【0081】
[荷台温度]の欄には、「センサ1」、「センサ2」、及び「センサ3」のそれぞれに対して、その選択を行うためのボックスと、閾値を設定入力するボックスとが設けられている。各ボックスに対してチェックマークを設定入力し、且つ閾値(温度)を設定入力することにより、荷台温度が閾値以上又は以下となったとき、荷台温度超過情報が車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。なお、「センサ1」、「センサ2」、及び「センサ3」は、荷台の3つの室内にそれぞれ設けられた温度センサ9にそれぞれ対応している。
【0082】
[車両位置]の欄には、「車両位置を送信する」に対してその選択を行うためのボックスと、「送信間隔」を設定入力するボックスとが設けられている。ボックスに対してチェックマークを設定入力し、且つ送信間隔(時間)を設定入力することにより、その所定時間毎に位置情報が車載端末装置2からセンタ装置4へ送信される。
【0083】
[メール送信の有無]の欄には、他の操作端末に対して運行データの送信を行わせる場合にチェックマークを設定入力するためのボックスと、他の操作端末のアドレス(例えば、メールアドレス)を設定入力するためのボックスとが設けられている。
【0084】
運行管理者は、係る登録情報を見ながら、各ボックスにチェックマークまたは数値を設定入力することによって、通知条件情報(通知条件項目情報)やアドレスの変更などを行う(ステップS21)。
【0085】
上記設定の更新が行われ、入力部25が運行管理者から更新決定の指示入力を受けると、情報生成部27が更新された登録情報(通知条件情報を含む)を生成し、この登録情報がセンタ装置4に送信される(ステップS22)。
【0086】
センタ装置4では、運行管理端末装置3から送信された登録情報を受信する(ステップS23)と、CPU28が、この登録情報を記憶部30に格納し(ステップS24)、これを車載端末装置2に送信する(ステップS25)。
【0087】
車載端末装置2では、センタ装置4からの登録情報を受信する(ステップS26)と、この受信した登録情報に含まれる更新された通知条件情報を、通知条件更新部部16が記憶部11に格納し(ステップS27)、本処理が終了する。
【0088】
なお、ステップS27の処理に引き続き、車載端末装置2からセンタ装置4を介して運行管理端末装置3に向けて更新処理の完了を表す更新処理完了情報を送信してもよい。これにより、運行管理端末装置3側において、運行管理者は、更新処理が正常に完了したことを容易且つ確実に認識することができる。
【0089】
このように、運行管理者は、運行管理端末装置3への設定入力によって車載端末装置2に設定される通知条件を更新することができる。そして、車載端末装置2の通知判定部15は、運行データ取得部14によって取得された運行データが通知条件を満たすか否かを判定する際に、記憶部11に最後に格納された最新の通知条件情報を読み出し、この最新の通知条件情報が規定する通知条件に基づいて判定を行う。このため、通知条件が更新された後は、この更新された最新の通知条件に従って車載端末装置2から運行管理端末装置3への運行データの送信が行われる。
【0090】
従って、運行管理者は、車両の車載端末装置2に設定された通知条件を、配送会社に設けられた運行管理端末装置3を操作することによって行うことができる。すなわち、運行管理者は、車載端末装置2がセンタ装置4からの情報を受信可能な状態であれば、車載端末装置2が搭載された車両1の場所や時間の制限を受けることなく、例えば、車両1が遠隔地にある場合や走行中であっても、リアルタイムで通知条件の変更を行うことができる。
【0091】
また、運行管理者は、通知条件を変更する場合、センタ装置4から提供された通知条件項目に従って設定入力を行えばよいので、通知条件の変更を簡単に行うことができる。
【0092】
また、車載端末装置2は運行データとして車両の位置情報を取得可能であるが、通常の配送業務において車両の位置を逐次知ることが運行管理者にとって必ずしも必要とは限らない。しかし、車両1が予定の運行を行っていない場合や盗難された場合などの特別な状況では、運行管理者は車両1の位置を直ぐに知る必要がある。この点に関し、本実施形態では、通常時の通知条件に位置情報の逐次送信が含まれていない場合であっても、運行管理者は、運行管理端末装置3から通知条件の設定を変更することによって車両1の位置情報を直ぐに知ることができ、車両1が予定の運行を行っていない場合や盗難された場合などの特別な状況に即座に対応することができる。
【0093】
また、通常時の通知条件を必要最低限の運行データに限定しておき、必要に応じて運行管理端末装置3から通知条件の設定変更を行うことができるので、車載端末装置2から送信される運行データのデータ量を最低限に抑えることができ、全体として、限られたネットワーク資源を有効に活用することができる。
【0094】
また、センタ装置4は、複数の車両1のそれぞれ搭載された複数の車載端末装置2にパケット通信網5を介して接続されており、センタ装置4の記憶部30には車両1毎に通知条件項目情報が予め記憶されている。そして、通知条件の更新時には、センタ装置4は、各車両1に対応した通知条件項目情報を運行管理端末装置3へ提供するので、運行管理者は、車両1毎に異なる通知条件をそれぞれ簡単な操作で変更することができる。
【0095】
さらに、センタ装置4から運行管理端末装置3以外の他の端末装置へも運行データが送信されるように設定可能であるため、係る設定を行うことによって、運行担当者以外の者(例えば、配送担当者)であっても、運行担当者と同様に上記他の端末装置から運行データを取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、車両に搭載された車載端末装置とユーザ側に設けられたユーザ端末装置とが所定のネットワークを介して接続された様々な運行状況通知システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施形態に係る運行状況通知システムの全体を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1の車載端末装置を模式的に示すブロック図である。
【図3】図2の運行データ取得部を模式的に示すブロック図である。
【図4】図1の運行管理端末装置を模式的に示すブロック図である。
【図5】図1のセンタ装置を模式的に示すブロック図である。
【図6】運行データの通知処理を示すフローチャートである。
【図7】通知条件の更新処理を示すフローチャートである。
【図8】通知条件の更新処理で使用する表示画面の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0098】
1:車両
2:車載端末装置
3:運行管理端末装置(ユーザ端末装置)
4:センタ装置(中継管理装置)
5:パケット通信網(ネットワーク)
6:インターネット(ネットワーク)
11:記憶部(通知条件格納部)
12:送受信部(車載端末送受信部)
14:運行データ取得部
15:通知判定部
16:通知条件更新部
24:送受信部(ユーザ端末送受信部)
25:入力部(ユーザ端末入力部)
26:表示部(ユーザ端末報知部)
27:情報生成部
29:送受信部(中継送受信部)
30:記憶部(中継管理記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載端末装置とユーザ側に設けられたユーザ端末装置とが所定のネットワークを介して接続され、
前記車載端末装置は、前記ネットワークを介して外部と情報の送受信を行う車載端末送受信部と、前記車両の運行状況に関する運行データを取得する運行データ取得部と、前記運行データのうち何れの運行データを外部へ送信するかを規定する通知条件情報が格納された通知条件格納部と、前記通知条件格納部から通知条件情報を読み出し、前記運行データ取得部によって取得された運行データが、前記読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する通知判定部と、を有し、
前記車載端末送受信部は、前記通知判定部によって前記通知条件を満たすと判定された運行データを前記ユーザ端末装置へ送信し、
前記ユーザ端末装置は、前記ネットワークを介して外部と情報の送受信を行うユーザ端末送受信部と、前記車載端末送受信部から送信され前記ユーザ端末送受信部が受信した運行データを前記ユーザへ報知するユーザ端末報知部と、を有する運行状況通知システムであって、
前記ユーザ端末装置は、前記ユーザから前記通知条件の設定入力を受けるユーザ端末入力部と、前記ユーザ端末入力部が受けた前記通知条件の設定入力に応じて通知条件情報を生成する情報生成部と、を有し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した通知条件情報を前記車載端末装置へ送信し、
前記車載端末装置は、前記ユーザ端末送受信部から送信され前記車載送受信部が受信した通知条件情報を前記通知条件格納部に格納する通知条件更新部を有し、
前記通知判定部が前記判定のために前記通知条件格納部から読み出す通知条件情報は、前記通知条件格納部に最後に格納された最新の通知条件情報である
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運行状況通知システムであって、
前記ユーザ端末装置と前記車載端末装置とに前記ネットワークを介して接続され、前記ユーザ端末装置と前記車載端末装置との間の情報の送受信を中継する中継管理装置を備え、
前記中継管理装置は、前記ユーザ端末装置及び前記車載端末装置との間で前記ネットワークを介して情報の送受信を行う中継送受信部と、前記通知条件として設定可能な通知条件項目に対応する通知条件項目情報が予め記憶された中継管理記憶部と、を有し、
前記ユーザ端末入力部は、前記ユーザによる前記通知条件の設定開始時に当該ユーザから設定開始の指示入力を受け、
前記情報生成部は、前記ユーザ端末入力部が設定開始の指示入力を受けたとき、設定開始情報を生成し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した設定開始情報を前記中継管理装置へ送信し、
前記中継送受信部は、前記ユーザ端末送受信部から送信された設定開始情報を受信したとき、前記中継管理記憶部に記憶された通知条件項目情報を前記ユーザ端末装置へ送信し、
前記ユーザ端末報知部は、前記中継送受信部から送信され前記ユーザ送受信部が受信した通知条件項目情報に対応する通知条件項目を前記ユーザに報知し、
前記ユーザ端末入力部は、前記ユーザから前記通知条件項目に対する設定入力を受け、
前記情報生成部は、前記ユーザ端末入力部が受けた前記通知条件項目に対する設定入力に応じて通知条件情報を生成し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した通知条件情報を前記中継管理装置へ送信し、
前記中継送受信部は、前記ユーザ端末送受信部から送信された通知条件情報を受信して当該通知条件情報を前記車載端末装置へ送信する
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の運行状況通知システムであって、
前記中継管理記憶部には、少なくとも前記ユーザ端末装置を特定する送信先特定情報と前記ネットワークを介して情報を受信可能な前記ユーザ端末装置以外の端末装置を特定する送信先特定情報とを含む複数の送信先特定情報が記憶され、
前記中継送受信部は、前記車載送受信部から送信された運行データを受信したとき、当該運行データを、前記中継管理記憶部に記憶された送信先特定情報によって特定される複数の端末装置へそれぞれ送信する
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載端末装置とユーザ側に設けられ前記車載端末装置と所定のネットワークを介して接続されるユーザ端末装置と、を備えた運行状況通知システムであって
前記車載端末装置は、前記ネットワークを介して外部と情報の送受信を行う車載端末送受信部と、前記車両の運行状況に関する複数種類の運行データを取得する運行データ取得部と、前記複数種類の運行データのうち外部へ送信する運行データの種類を規定する運行データ種類情報を含む通知条件情報が格納された通知条件格納部と、前記通知条件格納部から通知条件情報を読み出し、前記運行データ取得部によって取得された運行データが、前記読み出した通知条件情報が規定する通知条件を満たすか否かを判定する通知判定部と、を有し、
前記車載端末送受信部は、前記通知判定部によって前記通知条件を満たすと判定された運行データを前記ユーザ端末装置へ送信し、
前記ユーザ端末装置は、前記ネットワークを介して外部と情報の送受信を行うユーザ端末送受信部と、前記車載端末送受信部から送信され前記ユーザ端末送受信部が受信した運行データを前記ユーザへ報知するユーザ端末報知部と、前記ユーザから前記通知条件のうち少なくとも運行データの種類を規定するための設定入力を受けるユーザ端末入力部と、前記ユーザ端末入力部が前記設定入力を受けたとき、当該設定入力に応じた運行データ種類情報を含む通知条件情報を生成する情報生成部と、を有し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した通知条件情報を前記車載端末装置へ送信し、
前記車載端末装置は、前記ユーザ端末送受信部から送信され前記車載端末送受信部が受信した通知条件情報を前記通知条件格納部に格納する通知条件更新部を有し、
前記通知判定部が前記判定のために前記通知条件格納部から読み出す通知条件情報は、前記通知条件格納部に最後に格納された最新の通知条件情報である
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運行状況通知システムであって、
前記通知条件情報は、前記運行データのデータ値の範囲を規定するデータ値情報を含み、
前記通知判定部は、前記運行データ取得部によって取得された運行データが、前記運行データ種類情報が規定する種類の運行データであるか否か、及び前記データ値情報が規定するデータ値の範囲内であるか否かを判定し、
前記車載端末送受信部は、前記運行データ取得部によって取得された運行データが、前記運行データ種類情報が規定する種類の運行データであり且つ前記データ値情報が規定するデータ値の範囲内であると前記通知判定部によって判定された場合、当該運行データを前記ユーザ端末装置へ送信し、
前記ユーザ端末入力部は、前記ユーザから前記通知条件のうち少なくとも運行データの種類と運行データのデータ値の範囲とを規定するための設定入力を受け、
前記情報生成部は、前記ユーザ端末入力部が前記設定入力を受けたとき、当該設定入力に応じた運行データ種類情報とデータ値情報とを含む通知条件情報を生成する
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運行状況通知システムであって、
前記ユーザ端末装置と前記車載端末装置とに前記ネットワークを介して接続され、前記ユーザ端末装置と前記車載端末装置との間の情報の送受信を中継する中継管理装置を備え、
前記中継管理装置は、前記ユーザ端末装置及び前記車載端末装置との間で前記ネットワークを介して情報の送受信を行う中継送受信部と、前記通知条件として設定可能な通知条件項目に対応する通知条件項目情報が予め記憶された中継管理記憶部と、を有し、
前記ユーザ端末入力部は、前記ユーザによる前記通知条件の設定開始時に当該ユーザから設定開始の指示入力を受け、
前記情報生成部は、前記ユーザ端末入力部が設定開始の指示入力を受けたとき、設定開始情報を生成し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した設定開始情報を前記中継管理装置へ送信し、
前記中継送受信部は、前記ユーザ端末送受信部から送信された設定開始情報を受信したとき、前記中継管理記憶部に記憶された通知条件項目情報を前記ユーザ端末装置へ送信し、
前記ユーザ端末報知部は、前記中継送受信部から送信され前記ユーザ端末送受信部が受信した通知条件項目情報に対応する通知条件項目を前記ユーザに報知し、
前記ユーザ端末入力部は、前記ユーザから前記通知条件項目に対する設定入力を受け、
前記情報生成部は、前記ユーザ端末入力部が受けた前記通知条件項目に対する設定入力に応じて通知条件情報を生成し、
前記ユーザ端末送受信部は、前記情報生成部が生成した通知条件情報を前記中継管理装置へ送信し、
前記中継送受信部は、前記ユーザ端末送受信部から送信された通知条件情報を受信して当該通知条件情報を前記車載端末装置へ送信する
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項4】
請求項に記載の運行状況通知システムであって、
前記中継管理記憶部には、少なくとも前記ユーザ端末装置を特定する送信先特定情報と前記ネットワークを介して情報を受信可能な前記ユーザ端末装置以外の端末装置を特定する送信先特定情報とを含む複数の送信先特定情報が記憶され、
前記中継送受信部は、前記車載端末送受信部から送信された運行データを受信したとき、当該運行データを、前記中継管理記憶部に記憶された送信先特定情報によって特定される複数の端末装置へそれぞれ送信する
ことを特徴とする運行状況通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−227975(P2006−227975A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41856(P2005−41856)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】