説明

運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラム

【課題】車両に対する不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムを提供すること。
【解決手段】運転支援装置60は、信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得部61aと、信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内を行う案内部61bと、案内部61bが案内を行ってから信号機を通過するまでになされた車両2に対する操作を判断する操作判断部61cとを備え、案内部61bは、操作判断部61cが判断した車両2に対する操作に基づいて、信号機を通過した後に新たに前記信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号において車両を安全に停止又は通過させるために信号情報に基づく案内を行う運転支援装置が用いられている。例えば、黄信号が点灯した交差点に向かって走行中の車両のドライバが当該車両を停止させるか否かで判断を迷う区間(以下、ジレンマゾーン)に車両が進入することを予測し、信号が黄信号となる前にドライバにその旨を知らせる情報提供装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、車両が交差点に進入できるか否かを黄信号開始時点の位置で示す進入境界位置、車両が交差点で停止できるか否かを黄信号開始時点の位置で示す停止境界位置、及び黄信号開始時点での車両の位置などを含む運転支援情報を表示及び音声出力する情報提供装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−104543号公報(段落0049、0050)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の如き従来の装置では、運転支援情報を黄信号開始前に提供されたドライバが、車両を急加速させて交差点を赤信号前に無理に通過しようとしたり突発的に車線変更を行ったりする等、車両に対する不適切な操作を誘発する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に対する不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の運転支援装置は、信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得手段と、前記信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行う案内手段と、前記案内手段が案内を行ってから前記信号機を通過するまでになされた車両に対する操作を判断する操作判断手段と、を備え、前記案内手段は、前記操作判断手段が判断した車両に対する操作に基づいて、前記信号機を通過した後に新たに前記信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定する。
【0007】
また、請求項2に記載の運転支援装置は、請求項1に記載の運転支援装置において、前記操作判断手段は、前記車両に対する操作が、車両を加速させる操作であるか否かを判断し、前記案内手段は、前記車両に対する操作が、前記車両を加速させる操作であると判断された場合、前記案内を行わない。
【0008】
また、請求項3に記載の運転支援装置は、請求項2に記載の運転支援装置において、前記案内手段は、前記車両に対する操作が、前記車両を加速させる操作であると判断され、且つ、当該案内手段が案内を行った後に設定される所定時間範囲内になされた場合、前記案内を行わない。
【0009】
また、請求項4に記載の運転支援装置は、請求項3に記載の運転支援装置において、前記操作判断手段は、前記車両に対する操作が、車両を減速させる操作であるか否かを判断し、前記案内手段は、前記車両に対する操作が、前記車両を減速させる操作であると判断され、かつ、前記所定時間範囲外になされた場合に、前記案内を行なうタイミングを変更する。
【0010】
また、請求項5に記載の運転支援方法は、信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得ステップと、前記信号情報取得ステップで取得した信号情報に基づく案内を行う案内ステップと、前記案内ステップで案内を行ってから前記信号機を通過するまでになされた操作を判断する操作判断ステップと、を含み、前記案内ステップで、前記操作判断ステップで判断した車両に対する操作に基づいて、前記信号機を通過した後に新たに前記信号情報取得ステップで取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定する。
【0011】
また、請求項6に記載の運転支援プログラムは、請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の運転支援装置、請求項5に記載の運転支援方法、及び請求項6に記載の運転支援プログラムによれば、案内手段が案内を行ってから信号機を通過するまでになされた車両に対する操作に基づいて、信号機を通過した後に新たに信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定するので、案内を行った後の車両に対する操作に対応した適切な案内を行うことができ、車両に対する不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の運転支援装置によれば、車両に対する操作が、車両を加速させる操作であると判断された場合、案内を行わないので、案内を行った後の車両に対する操作が不適切な操作であると判断された場合には案内を行わないようにすることができ、車両に対する不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の運転支援装置によれば、車両に対する操作が、車両を加速させる操作であると判断され、且つ、案内手段が案内を行った後に設定される所定時間範囲内になされた場合、案内を行わないので、車両に対する操作が案内に起因すると推定される場合に、その後の不適切な操作の誘発を防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の運転支援装置によれば、車両に対する操作が、車両を減速させる操作であると判断され、かつ、所定時間範囲外になされた場合に、案内を行うタイミングを変更するので、案内に対するドライバの反応時間に応じたタイミングで案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1に係る運転支援システムを例示するブロック図である。
【図2】ユーザパラメータテーブルを例示した表である。
【図3】操作パターンテーブルを例示した表である。
【図4】操作テーブルを例示した表である。
【図5】案内処理のフローチャートである。
【図6】案内態様決定処理のフローチャートである。
【図7】車両に対する操作のパターン(「パターン1」)を例示した図である。
【図8】車両に対する操作のパターン(「パターン2」)を例示した図である。
【図9】車両に対する操作のパターン(「パターン3−1」)を例示した図である。
【図10】車両に対する操作のパターン(「パターン3−2」)を例示した図である。
【図11】車両に対する操作のパターン(「パターン4」)を例示した図である。
【図12】操作パターンテーブルを例示した表である。
【図13】車両に対する操作のパターン(「パターン3−1」)を例示した図である。
【図14】車両に対する操作のパターン(「パターン3−2」)を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、車両に対する加速又は減速操作を判断する形態である。
【0019】
(構成)
まず、実施の形態1に係る運転支援システムの構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る運転支援システムを例示するブロック図である。図1に示すように、この運転支援システム1は、車速センサ10、現在位置検出処理部20、通信部30、スピーカ40、ディスプレイ50、及び運転支援装置60を備えている。
【0020】
(構成−車速センサ)
車速センサ10は、車軸の回転数に比例する車速パルス信号等を運転支援装置60に出力するものであり、公知の車速センサを用いることができる。
【0021】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、運転支援装置60が取り付けられた車両の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0022】
(構成−通信部)
通信部30は、例えば信号機や路上機(例えばビーコン)に設けられた通信機器との間で、例えば光ビーコン、電波ビーコン、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を用いて通信を行なう通信手段である。この通信部30を介して信号情報の受信を行う。ここで、信号情報とは、信号機の現示に関する情報であり、例えば、当該信号情報の送信時点での信号機の現示、及び当該信号情報の送信時点から次に現在と同じ現示となるまでの信号機の現示サイクルを特定するための情報(例えば、「送信時点の現示=青信号」、「10秒後に黄信号、その2秒後に赤信号、その20秒後に青信号、その20秒後に黄信号」等)が含まれる。
【0023】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、運転支援装置60の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0024】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ50は、運転支援装置60の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ50の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0025】
(構成−運転支援装置)
運転支援装置60は、運転支援を行う運転支援手段であり、制御部61及びデータ記録部62を備えている。
【0026】
(構成−運転支援装置−制御部)
制御部61は、運転支援装置60を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態1に係る運転支援プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して運転支援装置60にインストールされることで、制御部61の各部を実質的に構成する。
【0027】
この制御部61は、機能概念的に、信号情報取得部61a、案内部61b、及び操作判断部61cを備えている。
【0028】
信号情報取得部61aは、信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得手段である。案内部61bは、信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内を行う案内手段である。操作判断部61cは、案内部61bが案内を行ってから信号機を通過するまでの車両に対する操作を判断する操作判断手段である。これらの制御部61の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0029】
(構成−運転支援装置−データ記録部)
データ記録部62は、運転支援装置60の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0030】
このデータ記録部62は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)62a、ユーザパラメータテーブル62b、操作パターンテーブル62c、及び操作テーブル62dを備えている。地図情報DB62aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、地形データ、地図をディスプレイ50に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0031】
図2は、ユーザパラメータテーブル62bを例示した表である。図2に示すように、ユーザパラメータテーブル62bは、テーブル項目として「ドライバID」「最短反応時間」及び「平均反応時間」を有し、これらの項目に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「ドライバID」に対応して格納される情報は、ドライバを一意に識別するための識別情報である(図2では「001」「002」等)。項目「最短反応時間」に対応して格納される情報は、ドライバがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力された案内(例えば「減速してください」との案内)を認識してから当該案内に対応した運転操作(例えばブレーキ操作)を行うまでの最短時間(以下、最短反応時間)を特定する最短反応時間情報である。項目「平均反応時間」に対応して格納される情報は、ドライバがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力された案内を認識してから当該案内に対応した運転操作を行うまでの平均時間(以下、平均反応時間)を特定する平均反応時間情報である。これらの情報をユーザパラメータテーブル62bに格納するタイミングは任意で、例えば予め公知の入力手段(図示省略)を介して入力してもよく、さらに後述する案内態様決定処理において車両に対する操作を判断する毎に適宜更新を行ってもよい。
【0032】
図3は、操作パターンテーブル62cを例示した表である。図3に示すように、操作パターンテーブル62cは、テーブル項目として「操作タイミング」及び「操作」を有し、これらの「操作タイミング」及び「操作」の内容(図3では「反応可能時間内」「減速」等)に対応する操作パターンを識別する情報(図3では「パターン1」「パターン2」等)が格納されている。この操作パターンテーブル62cの内容の詳細については後述する。
【0033】
図4は、操作テーブル62dを例示した表である。図4に示すように、操作テーブル62dは、テーブル項目として「ドライバID」「パターン2」及び「パターン3−2」を有し、これらの項目に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。このうち、項目「パターン2」及び「パターン3−2」に対応して格納される情報は、案内部61bによりスピーカ40やディスプレイ50を介して案内が行われてから信号機を通過するまでの車両の操作が各項目名に対応するパターンの操作であった回数を特定する回数情報である(図4では「2」「4」等)。なお、各項目名に対応する操作パターンの具体的な内容については後述する。これらの情報を操作テーブル62dに格納するタイミングは任意で、例えば後述する案内態様決定処理において随時更新される。
【0034】
(処理)
次に、このように構成される運転支援システム1によって実行される処理について説明する。運転支援システム1が実行する処理は、信号情報に基づく案内を行う案内処理と、案内処理における案内の態様を決定する案内態様決定処理とに大別される。これらの案内処理と案内態様決定処理とについて、以下説明する。
【0035】
(処理−案内処理)
まず、案内処理について説明する。図5は案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この案内処理は、例えば車両の走行開始後に自動的に起動される。なお、車両の走行開始の際、入力手段を介して入力された識別情報に基づいてドライバを特定してもよく、あるいは顔認証や音声認証等の公知の認証技術を用いて自動的にドライバを特定してもよい。
【0036】
案内処理の起動後、信号情報取得部61aは通信部30を介して信号機や路上機等に設けられた通信機器から送信された信号機の現示に関する信号情報を取得したか否かを判定する(SA1)。そして、信号情報を取得していないと判定した場合は(SA1、No)、信号情報を取得するまで当該判定を繰り返す(SA1)。
【0037】
SA1において信号情報を取得したと判定した場合(SA1、Yes)、案内部61bは車両情報を取得する(SA2)。ここで、車両情報には、例えば車速センサ10から入力された信号に基づき特定される車両の車速や、現在位置検出処理部20から入力された現在位置情報に基づき特定される車両の現在位置を特定する情報が含まれる。
【0038】
次に、SA1で取得した信号情報に基づき、案内部61bは当該信号情報に対応する信号機の現在の現示が青信号か否かを判定する(SA3)。なお、取得した信号情報に対応する信号機の特定方法は任意で、例えば、現在位置検出処理部20から入力された現在位置情報に基づいて特定される車両の現在位置及び走行方向と、地図情報DB62aに格納されている地物データとに基づき、車両が次に通過する信号機を特定し、当該特定した信号機をSA1で取得した信号情報に対応する信号機として特定する。
【0039】
SA3の判定の結果、信号機の現在の現示が青信号であった場合(SA3、Yes)、案内部61bは、SA1で取得した信号情報とSA2で取得した車両情報とに基づき、車両が信号機に到達する時点での現示が黄信号又は赤信号か否かを判定する(SA4)。車両が信号機に到達する時点での現示の推定方法は任意で、例えば、信号情報に基づき現示が黄信号(又は赤信号)に変わるまでの残り時間T1を特定すると共に、現在の車速Vと信号機までの距離Lとに基づき車両が信号機に到達するまでの時間T2=L/Vを特定する。そして、当該特定したT2がT1以上である場合に、車両が信号機に到達する時点での信号機が黄信号(又は赤信号)であると判定する。また、車両の現在の加速度(又は減速度)を考慮して車両が信号機に到達するまでの時間を求めてもよい。
【0040】
SA4の判定の結果、車両が信号機に到達する時点での現示が黄信号又は赤信号であると判定した場合(SA4、Yes)、案内部61bは、車両から信号機までの距離が安全停止可能距離に等しくなったかを判定する(SA5)。
【0041】
ここで、「安全停止可能距離」は、例えば制動距離と空走距離との合計で表される。このうち制動距離は、例えば車両を現在の車速から所定の減速度で停止させるために必要となる距離である。また、空走距離は、ドライバがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力された案内を認識してから当該案内に対応した運転操作を行うまでに車両が走行する距離であり、例えば現在の車速と平均反応時間との積で算出される。平均反応時間は、車両の走行開始時に特定したドライバの識別情報に関連付けて格納されている平均反応時間情報をユーザパラメータテーブル62bから取得することにより求めることができる。
【0042】
SA5の判定の結果、車両から信号機までの距離が安全停止可能距離に等しくなったと判定した場合(SA5、Yes)、案内部61bは案内を行うべきタイミングであるものとし、スピーカ40やディスプレイ50を介して信号情報に基づく案内を行う(SA6)。案内の具体的な内容は任意で、例えば、黄信号点灯を予告する旨の案内(例えば、「まもなく信号が黄色になります」等)や、停止を促す旨の案内(例えば、「停止してください」)等を、スピーカ40やディスプレイ50によって出力させる。あるいは、黄信号点灯までの時間をディスプレイ50に表示させたり、ジレンマゾーンを地図と重畳してディスプレイ50に表示させたりしてもよい。
【0043】
SA3において信号機の現在の現示が青信号でないと判定した場合(SA3、No)、SA4において車両が信号機に到達する時点での現示が黄信号又は赤信号の何れでもないと判定した場合(SA4、No)、又はSA5において車両から信号機までの距離が安全停止可能距離に等しくなっていないと判定した場合(SA5、No)、案内部61bは車両が信号機を通過したか否かを判定する(SA7)。信号機を通過したか否かの判定基準は任意で、例えば、SA1で取得した信号情報に対応する信号機の位置と、SA2で取得した車両情報に基づき特定される車両の現在位置とに基づき、車両が信号機を通過したか否かを判定する。また、信号機が設置されている交差点を通過したか否か、あるいは地図情報において予め設定されている地点(例えば交差点手前に設置されている停止線)を通過したか否かに基づいて判定してもよい。その結果、車両が信号機を通過していない場合には(SA7、No)、SA2に戻り案内部61bは車両情報を取得する(SA2)。一方、車両が信号機を通過した場合(SA5、Yes)、又はSA6の処理を行った後、案内部61bはSA1に戻り、再度信号情報を取得したか否かを判定する(SA1)。以降、SA1からSA7の処理を繰り返し実行する。
【0044】
(処理−案内態様決定処理)
次に、案内態様決定処理について説明する。図6は案内態様決定処理のフローチャートである。この案内態様決定処理は、例えば車両の走行開始後に所定周期で繰り返し起動され、図5に示した案内処理と並行して実行される。
【0045】
図6に示すように、案内態様決定処理が起動されると、案内部61bは当該案内態様決定処理と並行して実行されている案内処理における案内出力の有無を判定する(SB1)。その結果、案内出力が無かった場合(SB1、No)、案内部61bは再度SB1の判定を行う。一方、案内出力が有った場合(SB1、Yes)、操作判断部61cは車両に対する操作を判断する(SB2)。ここで車両に対する操作とは、ドライバによる車両に関する運転操作全般を含む概念であり、例えば車両の加減速、停止、車線変更等の操作を含む。操作判断部61cは、例えば車速センサ10から入力された信号に基づいて特定される車両の車速の変化や、公知の加速度センサ(図示省略)から入力された信号に基づき特定される車両の加減速度等に基づき、車両に対する加減速の操作を判断する。また、例えば車速センサ10から入力された信号に基づいて特定される車両の車速が0となったか否かに基づき、車両に対する停止の操作を判断する。また、例えば現在位置検出処理部20から入力された現在位置情報に基づいて特定される車両の現在位置に基づき、車両に対する車線変更の操作を判断する。また、公知のアクセルセンサやブレーキセンサ(何れも図示省略)から入力された信号に基づき、ドライバの運転操作を直接判断してもよい。
【0046】
続いて、操作判断部61cは車両が信号機を通過したか否かを判定する(SB3)。車両が信号機を通過したか否かの判定については、例えば図5に示した案内処理におけるSA7と同様に、信号機の位置と車両の現在位置とに基づいて判定する。あるいは、信号機が設置されている交差点を通過したか否か、又は地図情報において予め設定されている地点を通過したか否かに基づいて判定する。その結果、車両が信号機を通過していない場合には(SB3、No)、SB2に戻り操作判断部61cは車両に対する操作を判断する(SB2)。
【0047】
一方、車両が信号機を通過した場合は(SB3、Yes)、SB2で操作判断部61cが判断した車両に対する操作に基づいて操作パターンテーブル62cを参照し、操作判断部61cは当該車両の操作のパターンを判定する(SB4)。
【0048】
図3に示した操作パターンテーブルによれば、SB2で判断された車両に対する操作が車両を加速させる操作であるか否か、及び当該車両に対する操作が、案内部61bが案内を行った後に設定される所定時間範囲内(例えば反応可能時間内)になされたか否かに基づいて、操作のパターンが特定される。さらに、車両に対する操作が加速の場合には、当該車両がその後信号機を通過する手前で停止したか否かに基づいて、操作のパターンが特定される。ここで「反応可能時間」とは、案内出力が行われてから当該反応可能時間の範囲内で車両に対する操作が行われた場合に、当該操作は案内に基づく操作であると推定できる時間の範囲を示す。この反応可能時間の具体的な値は任意で、例えば図2のユーザパラメータテーブルにおける最短反応時間から、ドライバが案内に基づく操作を行うと考えられる最長の時間を示す最長反応時間までの範囲を反応可能時間として設定することができる。なお、最長反応時間の具体的な値も任意であり、例えば最短反応時間に所定時間を加えた値や、平均反応時間と最短反応時間との差を平均反応時間に加えた値を最長反応時間とすることができる。
【0049】
例えばSB2で判断された車両に対する操作が減速であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内に当該減速が行われた場合には、「パターン1」が当該車両の操作パターンとして判定される。図7はパターン1の車両に対する操作を例示した図である。この図7に示すように、パターン1に該当する操作としては、例えばSA6で出力された案内に基づいて反応可能時間内にドライバが車両2を減速させた場合が該当する。なお、車両2に対する操作が減速か否かの判断基準は任意で、例えばドライバがブレーキを踏む操作をブレーキセンサを介して検出した場合や、ドライバがアクセルを離す操作をアクセルセンサを介して検出した場合、あるいは加速度センサを介して車両2の進行方向の加速度が負の値になった場合等に、車両2に対する操作が減速であると判断する。
【0050】
また、SB2で判断された車両2に対する操作が減速であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間外に当該減速が行われた場合には、「パターン2」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図8はパターン2の車両2に対する操作を例示した図である。この図8に示すように、パターン2に該当する操作としては、例えばSA6で出力された案内に基づいてドライバが車両2を減速させたものの、当該減速が反応可能時間外となった場合が該当する。このような操作となる原因としては、例えば案内出力に対するドライバの反応時間が設定された反応可能時間よりも遅れている場合が考えられる。
【0051】
また、SB2で判断された車両2に対する操作が加速であり、且つ、信号機を通過する手前における停止の操作とは判断されなかった場合であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内に当該加速が行われた場合には、「パターン3−1」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図9はパターン3−1の車両2に対する操作を例示した図である。パターン3−1に該当する操作としては、例えば図9に示したように、SA6で案内部61bがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力させた案内に基づいて反応可能時間内にドライバが加速操作を行い、信号機を通過する手前で停止の操作を行うことなく黄信号が点灯中に当該信号機を通過した場合が該当する。なお、車両2に対する操作が加速か否かの判断基準は任意で、例えばドライバがアクセルを踏む操作をアクセルセンサを介して検出した場合、あるいは加速度センサを介して車両2の進行方向の加速度が正の値になった場合等に、車両2に対する操作が加速であると判断する。また、車両2に対する停止の操作の有無の判断基準は任意で、例えば車速センサ10から入力された信号に基づいて特定される車両2の車速が0となった場合に停止の操作が行われたと判断する。
【0052】
また、SB2で判断された車両2に対する操作が加速であり、且つ、信号機を通過する手前における停止の操作と判断された場合であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内に当該加速が行われた場合には、「パターン3−2」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図10はパターン3−2の車両2に対する操作を例示した図である。パターン3−2に該当する操作としては、例えば図10に示したように、SA6で案内部61bがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力させた案内に基づいて反応可能時間内にドライバが加速操作を行い、その後赤信号で停止の操作を行った場合が該当する。
【0053】
また、SB2で判断された車両2に対する操作が加速であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間外に当該加速が行われた場合には、「パターン4」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図11はパターン4の車両2に対する操作を例示した図である。パターン4に該当する操作としては、例えば図11に示したように、SA6で案内部61bがスピーカ40やディスプレイ50を介して案内出力を行った後の反応可能時間外にドライバが加速操作を行った場合、あるいは案内が出力されてから信号機を通過するまでに加減速操作を行わなかった場合が該当する。
【0054】
図5に戻り、SB4で上述のように車両2の操作のパターンの判定を行った結果、操作のパターンが「パターン2」であった場合(SB4、パターン2)、案内部61bは操作テーブル62dの項目「パターン2」において現在のドライバの識別情報と関連付けて格納されている回数を1回分加算する(SB5)。そして、加算後の回数が所定の上限回数を超過しているか否かを判定する(SB6)。上限回数の具体的な値は任意であるが、「パターン2」に該当する操作は、例えば2回を上限回数として設定する。
【0055】
SB6の判定の結果、加算後の回数が上限回数を超過していた場合(SB6、Yes)、案内部61bは、案内タイミングが遅れているために安全に停止できる減速操作のタイミングよりもユーザの反応が遅れているとし、図5の案内処理において新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内を行う際の当該案内を行うべきタイミングを変更する(SB7)。例えば、ユーザパラメータテーブル62bの項目「平均反応時間」において現在のドライバの識別情報と関連付けて格納されている平均反応時間を増加させる。これにより、図5の案内処理のSA3の判定基準である「安全停止可能距離」が増加するので、案内が行われるタイミングが早くなる。従って、案内処理で案内が行われた後に車両2を減速させて信号機で停止させるための十分な距離及び時間を確保できるようになる。また、平均反応時間の増加に対応して、SB4で車両2の操作パターンを判定する際の基準となる最長反応時間も増加させる。また、操作テーブル62dの項目「パターン2」において現在のドライバの識別情報と関連付けて格納されている回数をリセットする。一方、SB5で加算した後の回数が所定の上限回数を超過していないと判定した場合(SB6、No)、案内部61bは案内処理における案内の態様の変更や中止を行うことなく、案内態様決定処理を終了する。
【0056】
また、SB4で上述のように車両2の操作のパターンの判定を行った結果、操作のパターンが「パターン3−1」であった場合(SB4、パターン3−1)、当該車両2の操作は案内に起因して誘発された不適切な操作であって特に悪質性が高いものとし、この「パターン3−1」に該当する操作の誘発を防止するため、案内部61bは図5の案内処理において新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内の出力を中止する(SB8)。
【0057】
また、SB4で上述のように車両2の操作のパターンの判定を行った結果、操作のパターンが「パターン3−2」であった場合(SB4、パターン3−2)、案内部61bは操作テーブル62dの項目「パターン3−2」において現在のドライバの識別情報と関連付けて格納されている回数を1回分加算する(SB9)。そして、加算後の回数が所定の上限回数を超過しているか否かを判定する(SB10)。上限回数の具体的な値は任意であるが、「パターン3−2」に該当する操作は案内に起因して誘発された不適切な操作であって、今後、信号機で停止しない可能性があるため、例えば「パターン1」よりも多い3回を上限回数として設定する。
【0058】
SB10の判定の結果、加算後の回数が上限回数を超過していた場合(SB10、Yes)、「パターン3−2」に該当する操作の誘発を防止するため、案内部61bは図5の案内処理において新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内の出力を中止する(SB11)。また、操作テーブル62dの項目「パターン3−2」において現在のドライバの識別情報と関連付けて格納されている回数をリセットする。一方、SB9で加算した後の回数が所定の上限回数を超過していないと判定した場合(SB10、No)、案内部61bは案内処理における案内の態様の変更や中止を行うことなく、案内態様決定処理を終了する。
【0059】
また、SB4で上述のように車両2の操作のパターンの判定を行った結果、操作のパターンが「パターン1」であった場合(SB4、パターン1)、適切な操作であり、案内の態様を変更する必要がないことから、案内処理における案内の態様の変更や中止を行うことなく、案内態様決定処理を終了する。また、SB4で上述のように車両2の操作のパターンの判定を行った結果、操作のパターンが「パターン4」であった場合(SB4、パターン4)、案内出力の後に加速していることから不適切な操作ではあるものの、案内に起因する操作か否かは不明であるため、案内処理における案内の態様の変更や中止を行うことなく、案内態様決定処理を終了する。
【0060】
また、SB7、SB8、又はSB11の処理を実行した後、案内部61bは案内態様決定処理を終了する。
【0061】
なお、上述の案内態様決定処理におけるSB8又はSB11において、案内処理において新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内の出力を中止した場合であっても、公知の操作手段(図示省略)を介した操作入力により案内出力の再開の設定がされた場合には、案内処理において新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内の出力を行うようにしてもよい。
【0062】
(効果)
このように実施の形態1によれば、案内部61bが案内を行ってから信号機を通過するまでになされた車両2に対する操作に基づいて、信号機を通過した後に新たに信号情報取得部61aが取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定するので、案内を行った後の車両2に対する操作に対応した適切な案内を行うことができ、車両2の不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる。
【0063】
また、車両2に対する操作が、車両2を加速させる操作であると判断された場合、案内を行わないので、案内を行った後の車両2に対する操作が不適切な操作であると判断された場合には案内を行わないようにすることができ、車両2に対する不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる。
【0064】
特に、車両2に対する操作が、車両2を加速させる操作であると判断され、且つ、案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内になされた場合、案内を行わないので、車両2に対する操作が案内に起因すると推定される場合に、その後の不適切な操作の誘発を防止することができる。
【0065】
また、車両2に対する操作が、車両2を減速させる操作であると判断され、かつ、反応可能時間外になされた場合に、案内を行なうタイミングを変更するので、案内に対するドライバの反応時間に応じたタイミングで案内を行うことができる。
【0066】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、車両に車線変更を行わせる操作を判断するする形態である。なお、実施の形態2の構成は特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0067】
(構成−データ記録部)
まず、実施の形態2に係る運転支援システム1の構成について説明する。図12は、実施の形態2に係る操作パターンテーブル62cを例示した表である。図12に示すように、操作パターンテーブル62cには、実施の形態1で説明した図3の操作パターンテーブル62cの各項目に対応する情報に加えて、小項目「車線変更」に対応する情報が格納されている。この操作パターンテーブル62cの内容の詳細については後述する。
【0068】
(処理−案内態様決定処理)
次に、実施の形態2に係る運転支援システム1によって実行される案内態様決定処理について説明する。ただし、本実施の形態2における案内態様決定処理は、図6のSB4で判定される操作パターンの具体例を除いて当該図6と同様であるため、フローチャートの図示を省略する。
【0069】
図6のSB4において、操作判断部61cはSB2で当該操作判断部61cが判断した車両に対する操作に基づいて操作パターンテーブル62cを参照し、当該車両の操作のパターンを判定する(SB4)。
【0070】
図12に示した操作パターンテーブルによれば、SB2で判断された車両に対する操作が車両を加速させる操作であるか否か、さらに当該車両に対する操作が、案内部61bが案内を行った後に設定される所定時間範囲内(例えば反応可能時間内)になされたか否か、車両に対する操作が加速の場合には当該車両がその後信号機を通過する手前で停止したか否かに加えて、車両に対する操作が車両を車線変更させる操作であるか否か、さらに車両に対する操作が車線変更の場合には、その後の当該車両に対する操作が矢印灯方向外への進行、矢印方向へ進行、又は信号機を通過する手前での停止の何れに該当するか基づいて、操作のパターンが特定される。
【0071】
例えば、SB2で判断された車両2に対する操作が車両を車線変更させる操作であり、且つ、その後の当該車両に対する操作が矢印灯方向外への進行に該当する場合であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内に当該車線変更が行われた場合には、「パターン3−1」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図13はパターン3−1の車両2に対する操作を例示した図である。パターン3−1に該当する操作としては、例えば図13に示したように、案内部61bがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力させた案内に基づいて反応可能時間内にドライバが右折車線に車線変更を行い、その後右折用の矢印信号が点灯しているにも関わらず交差点を直進した場合が該当する。
【0072】
また、SB2で判断された車両2に対する操作が車両を車線変更させる操作であり、且つ、その後の当該車両に対する操作が矢印灯方向への進行又は信号機を通過する手前での停止に該当する場合であって、案内処理のSA6で案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内に当該車線変更が行われた場合には、「パターン3−2」が当該車両2の操作パターンとして判定される。図14はパターン3−2の車両2に対する操作を例示した図である。パターン3−2に該当する操作としては、例えば図14に示したように、直進車線が案内経路として案内されているにも関わらず、案内部61bがスピーカ40やディスプレイ50を介して出力させた案内に基づいて反応可能時間内にドライバが右折車線に車線変更を行い、その後赤信号で停止又は右折信号で右折した場合が該当する。
【0073】
(効果)
このように実施の形態2によれば、車両2を車線変更させる操作であると判断された場合、案内を行わないので、案内を行った後の車両2に対する操作が不適切な操作であると判断された場合には案内を行わないようにすることができ、車両2の不適切な操作を誘発することなく信号情報に基づく案内を行うことができる。
【0074】
特に、車両2に対する操作が、車両2を車線変更させる操作であると判断され、且つ、案内部61bが案内を行った後に設定される反応可能時間内になされた場合、案内を行わないので、車両2に対する操作が案内に起因すると推定される場合に、その後の不適切な操作の誘発を防止することができる。
【0075】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0076】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0077】
(案内処理について)
上述した各実施の形態の案内処理では、車両2から信号機までの距離が安全停止可能距離に等しくなったと判定した場合に、案内を行うべきタイミングであるものとすると説明したが、他のタイミングで案内を行なってもよい。例えば、図4のSA1において信号情報を取得したと判定し、SA2で車両2情報を取得した後、信号情報と車両情報とに基づいて車両2がジレンマゾーンに進入するか否かを公知の方法を用いて判定し、車両2がジレンマゾーンに進入する時点を案内を行うべきタイミングであると判定してもよい。あるいは、黄信号点灯開始から所定時間前の時点、又は信号機から所定距離手前を車両2が通過する時点を、案内を行うべきタイミングであると判定してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 運転支援システム
2 車両
10 車速センサ
20 現在位置検出処理部
30 通信部
40 スピーカ
50 ディスプレイ
60 運転支援装置
61 制御部
61a 信号情報取得部
61b 案内部
61c 操作判断部
62 データ記録部
62a 地図情報DB
62b ユーザパラメータテーブル
62c 操作パターンテーブル
62d 操作テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得手段と、
前記信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行う案内手段と、
前記案内手段が案内を行ってから前記信号機を通過するまでになされた車両に対する操作を判断する操作判断手段と、を備え、
前記案内手段は、
前記操作判断手段が判断した車両に対する操作に基づいて、前記信号機を通過した後に新たに前記信号情報取得手段が取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定する、
運転支援装置。
【請求項2】
前記操作判断手段は、
前記車両に対する操作が、車両を加速させる操作であるか否かを判断し、
前記案内手段は、
前記車両に対する操作が、前記車両を加速させる操作であると判断された場合、前記案内を行わない、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記案内手段は、
前記車両に対する操作が、前記車両を加速させる操作であると判断され、且つ、当該案内手段が案内を行った後に設定される所定時間範囲内になされた場合、前記案内を行わない、
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記操作判断手段は、
前記車両に対する操作が、車両を減速させる操作であるか否かを判断し、
前記案内手段は、
前記車両に対する操作が、前記車両を減速させる操作であると判断され、かつ、前記所定時間範囲外になされた場合に、
前記案内を行なうタイミングを変更する、
請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
信号機の現示に関する信号情報を取得する信号情報取得ステップと、
前記信号情報取得ステップで取得した信号情報に基づく案内を行う案内ステップと、
前記案内ステップで案内を行ってから前記信号機を通過するまでになされた操作を判断する操作判断ステップと、を含み、
前記案内ステップで、
前記操作判断ステップで判断した車両に対する操作に基づいて、前記信号機を通過した後に新たに前記信号情報取得ステップで取得した信号情報に基づく案内を行うか否かを決定する、
運転支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる運転支援プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−54089(P2011−54089A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204628(P2009−204628)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】