説明

過熱水蒸気による加熱処理装置

【課題】少ない蒸気噴出ノズルでトンネル内の温度を高温に保つことができ、トンネルのベルトコンベアの出入口部において水蒸気の凝縮水が発生すること、およびトンネル内の過熱水蒸気の排気の流れによどみや渦流が発生することを防止することのできる過熱水蒸気による加熱処理装置を提供する。
【解決手段】ベルトコンベアの走行可能なトンネル通路を形成する筒状筐体のトンネル通路の両端の出入口付近に吸引ダクトを結合し、この吸引ダクトによりトンネル通路内の水蒸気を外気とともに吸引するとともに、この吸引ダクトと筒状筐体とによりトンネル通路の上部に断熱用空間を形成し、この断熱用空間内にトンネル通路の上壁中央からトンネル通路内に過熱水蒸気を下向きに噴き出す水蒸気噴出ノズルを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、過熱水蒸気により搬送ベルトあるいはこの搬送ベルトによって搬送される物品等の被処理物を加熱して、洗浄、除菌、加工または乾燥等を行う過熱水蒸気による加熱処理装置に関するものである。例えば、食品の加工、製造工程においては、連続的に搬送される食品またはこの食品を搬送するベルトコンベア装置の搬送ベルトを加熱したり、洗浄、殺菌したりするために過熱水蒸気による加熱処理装置が用いられる。また、グラビア印刷された気体不透過性の紙またはフィルムからなる薄膜上のインクの乾燥を行うためにも、過熱水蒸気による加熱処理装置が用いられる。
【背景技術】
【0002】
食品の製造加工を行う場合、食品の安全性を高めるために、食品自身または、この食品を搬送するベルトコンベアなどの製造設備を入念に洗浄・殺菌することが必要である。このような食品やその製造設備等の加工、殺菌処理に過熱水蒸気を用いると、処理時間の短縮、処理温度の低下や装置の小型化が可能となる等の多くの長所があることから、従来から過熱水蒸気による加熱処理方法または装置が多数提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、食品の加熱処理を連続的に行うために、食品を搭載して搬送する搬送ベルトを通すトンネルを設け、このトンネル内にノズルから水蒸気を注入、充満し、この充満された水蒸気に赤外線を照射して加熱することにより過熱水蒸気雰囲気を生成し、この過熱水蒸気により食品等を加熱処理するようにした熱処理装置が示されている。
【0004】
また、特許文献2には、食肉搬送ラインにおいて、水蒸気を電磁誘導加熱装置により加熱して100℃以上の過熱水蒸気を発生し、この過熱水蒸気をノズルにより搬送設備のベルトコンベアに噴出して、洗浄・殺菌を行う洗浄殺菌装置が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、過熱水蒸気の充満されたトンネル内を搬送ベルトに載せて通過させることにより食品の加工・殺菌を行うようにした食品の加熱処理装置が示されている。この文献には、処理装置におけるトンネルの入口および出口から漏れる過熱水蒸気を回収するために吸引ブロアを設け、この吸引ブロアにより入口側および出口側フードを介してこの漏洩水蒸気を吸引することも示されている。
【0006】
また、このような過熱水蒸気による加熱処理装置においては、殺菌・洗浄後のベルトコンベアが水で濡れていることは衛生上好ましくないので、運転中にトンネルの内壁などで凝縮した水がベルトコンベアに滴下しない構造であることが望ましい。このため、従来から、特許文献1や特許文献4に示されるように、ベルトコンベアの通されるトンネルを構成するチャンバーの周壁に溝を設け、この溝により凝縮水を集めて外部へ排出して、ベルトコンベヤに凝縮水が付着することを防止することが行われている。
【特許文献1】特開平06−153881号公報
【特許文献2】特開平11−346645号公報
【特許文献3】特開2004−041098号公報
【特許文献4】特開2003−310438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記のような従来から知られている過熱水蒸気による加熱処理装置においては、次のような多くの問題がある。
【0008】
まず、従来装置は何れも、ベルトコンベア装置の搬送ベルトの通過するトンネル内において過熱水蒸気を噴き出すノズルを、搬送ベルトの幅方向および搬送方向に多数配置してトンネル内を高温に保つ構造となっているため、ノズルの個数が多い分、コストが増加するだけでなく、必要とする熱容量が増加することによって、運転開始時のノズルの管壁を昇温するためのエネルギー損失や起動時間が増大するといった問題がある。
【0009】
また、搬送ベルトの出入りするトンネルの出入口部では、外気に通じているため水蒸気が凝縮しやすく、ここで生じた凝縮水が搬送ベルトに滴下してこれを濡らすことがあり、これを防ぐために、後工程に搬送ベルトの乾燥手段が必要となる問題もある。
【0010】
さらに、搬送ベルトの通るトンネル内に供給された過熱水蒸気の排気の流れによどみや渦が生じると、排気中に含まれる物質がそこで滞留して運転終了時などに逆流・落下して搬送ベルトを汚染する問題がある。
【0011】
この発明は、このような問題を解決するために、少ない蒸気噴出ノズルでトンネル内の温度を高温に保つことができ、搬送ベルトの出入りするトンネルの出入口部において水蒸気の凝縮の発生、およびトンネル内の過熱水蒸気の排気の流れのよどみや渦流の発生を防止することのできる過熱水蒸気による加熱処理装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、被処理物の走行するトンネル通路内に過熱水蒸気を供給して前記被処理物の加熱処理を行うものにおいて、前記トンネル通路を構成する筒状筐体の両端のトンネル通路の出入口付近にそれぞれ一端が結合され、前記トンネル通路内の水蒸気とともに外部から侵入する外気を吸引する1対の吸引ダクトと、この1対の吸引ダクトの他端に結合され、前記吸引ダクトで吸引された水蒸気および外気を吸引手段により吸引して外部へ排気する排気ダクトを設けるとともに、前記トンネル通路を構成する筒状筐体の外壁に接して外部から断熱された断熱空間を形成し、この断熱用空間内に水蒸気噴出ノズルを1個以上設置し、この水蒸気噴出ノズルを通して外部から供給される過熱水熱蒸気を前記トンネル通路内に噴き込むようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この発明においては、前記蒸気噴出ノズルを少なくとも前記トンネル通路の長さ方向のほぼ中央に設置したり、前記トンネル通路の入口付近および出口付近に設置したりすることができる。
【0014】
また、この発明においては、前記蒸気噴出ノズルは、ほぼ前記トンネル通路の幅と等しい長さを有し、その全長に亘って開口した所定幅のスリットにより形成された噴出口に備えるようにするのがよい。
【0015】
さらに、この発明においては、前記断熱空間がその周囲を前記1対の吸引ダクトにより取り囲んで形成され、そして前記1対の吸引ダクトの他端を中心側に傾斜させて上方に延ばすようにすることができる。
【0016】
この発明においては、前記断熱用空間内の前記筒状筐体の外壁に加熱用ヒータを設置したり、水蒸気噴出ノズルの外側に加熱用ヒータを設置したりするのがよい。
【0017】
この発明においては、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口からの過熱水蒸気の噴出方向を下向きにしたり、前記トンネル通路の出入口側に斜めに下向きにしたりすることができる。
【0018】
さらに、この発明においては、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口を上向にするとともに、この水蒸気噴出ノズルを上方から取り囲むカバーを設け、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口から噴出された過熱水蒸気を前記カバーの下方の開口から前記トンネル通路内に噴き込むようにすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、搬送ベルトやこの搬送ベルトに搬送される食品等の被加熱処理物の走行するトンネル通路の長さ方向(被加熱処理物の走行方向)の中央部または、両端の入口および出口部付近に1個または複数個の水蒸気噴出ノズルを設け、このノズルにより外部から供給される過熱水蒸気をトンネル通路内に下向きに噴き込んで全体に拡散させるようにしているので少ない蒸気噴出ノズルでトンネル通路全体を高温に保つことができる。また、トンネル通路の搬送ベルトの入口および出口付近に吸引ダクトを結合して、トンネル通路内の余剰水蒸気と一緒に入口および出口から侵入する外気を吸引して排気ダクトから外部へ排出するとともに、この吸引ダクトによりトンネル通路を構成する筒状筐体の上部に吸引ダクトおよび排気ダクトにより断熱された断熱用空間を形成しているため、トンネル通路全体が高温に維持され、トンネル通路内で過熱水蒸気が殆ど凝縮することがなく、トンネル通路の出入口付近でベルトコンベアが凝縮水により濡らされることがなくなるとともに、トンネル通路内における過熱水蒸気の流れのよどみや渦流の発生を防止することができる。
【0020】
トンネル通路の両端の入口および出口付近にそれぞれ水蒸気噴出ノズルを設けて、これらのノズルから過熱水蒸気をトンネル内に噴きこむことにより、トンネル通路の入口および出口部に過熱水蒸気の層が形成され、入口および出口から侵入する外気がここで遮断されるため、トンネル通路内の外気による温度低下が抑制され、トンネル通路内の温度を高温に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の実施の形態を、図に示す実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1ないし図3は、食品搬送用の搬送ベルトを洗浄・殺菌するための加熱処理装置に適用したこの発明の第1の実施例を示すものである。図1は、その正面縦断面図、図2は図1のII−II線の縦断面図、図3は加熱処理装置の搬送ベルトの出口側からみた側面図である。
【0023】
図1ないし図3において、1は、搬送ベルト11と搬送ローラ12とを備える食品搬送用のベルトコンベアである。このベルトコンベア1の搬送ベルト11は、網状または梯子状のベルトのような、流体を透過させることのできるベルトで構成されている。
【0024】
2は、搬送ベルト11を走行させるトンネル通路21を形成する筒状筐体20を備えた加熱処理装置である。トンネル通路21は、筒状筐体20の上壁24、底壁25および両側壁26の4つの壁面により囲まれて形成され、その長さ方向(搬送ベルト走行方向)の両端は開口され搬送ベルトの11の入口22および出口23となる。
【0025】
筒状筐体20の上壁24の長さ方向(搬送ベルト11の走行方向)のほぼ中央に、開口24aを設け、この開口に噴出口41aを臨ませて水蒸気噴出ノズル41を設置する。この水蒸気噴出ノズル41は、蒸気管42を介して図示しない蒸気発生装置に接続され、これから供給される過熱水蒸気を噴出口41aからトンネル通路21内へ噴出し、このトンネル通路21内に高温の過熱水蒸気を供給する。
【0026】
筒状筐体20の上壁24の両端の入口22および出口23付近にこれらより内側(中心側)に設けた開口24bおよび24cに連通させて吸引ダクト31および32の一端をそれぞれ結合する。これらの吸引ダクト31および32の他端は上方へ伸ばされ、共通の排気ヘッダ33を介して排気ダクト34に連結される。排気ダクト34には、吸引ファン35が設置され、この吸引ファンイにより吸引ダクト31、32を介してトンネル通路21内から蒸気等を吸引し、排気ダクト34を通して外部の図示しない凝縮装置に排出し、ここで水に戻して排出する。
【0027】
筒状筐体20の上部には、上壁24およびこれに結合された吸引ダクト31、32ならびに排気ヘッダ33により囲われた空間の側方の開口を断熱性の閉塞板38により閉塞して形成した、外気から断熱された断熱空間30が設けられている。過熱水蒸気を噴き出す噴出ノズル41は、この断熱空間30内に配置され、搬送ベルト11の全幅にわたって均等に過熱水蒸気を噴き出すため、トンネル通路21の横幅とほぼ等しい長さに形成され、ノズル41のほぼ全長に亘って開口された所定幅のスリットにより形成した噴出口41aを備える。断熱空間30内には、さらに、装置の起動時にトンネル通路21を予熱するため、あるいは運転時に加熱を補助するための加熱用電気ヒータ51が設けられ、筒状筐体20の上壁24に接合されている。この電気ヒータ51は、水蒸気噴出ノズル41の収められた断熱空間30内に設置される関係で、過熱水蒸気の温度に耐える必要があるため、ニッケル合金を人造マイカで絶縁した高温仕様の面状ヒータを使用する。
【0028】
筒状筐体20の底壁25の中心部には、起動時に水蒸気噴出ノズル41等から噴き出される蒸気の凝縮水等を集めて外部へ排出するためにドレン口27およびドレン管28が設けられる。このため、底壁25は、周囲から中心のドレン口27に凝縮水が集まるように傾斜されている。そして筒状筐体20の外側面および断熱空間30の閉塞板38の外側面には断熱材61を貼り付けて、加熱処理装置全体の断熱効果を高めるようにしている。装置全体を断熱材で覆うようした方が熱効率を高めることができるが、この実施例では、食品の加工時に断熱材を構成するガラスウール等の繊維片が落下して搬送中の食品に付着することがないようにするため、搬送ベルト11の上方に位置する吸引ダクト31,32の部分には断熱材61を被着しないようにしている。
【0029】
次にこのように構成されたこの発明の加熱処理装置による搬送ベルト11の洗浄・殺菌のための加熱処理について説明する。
【0030】
特に、食肉等の生鮮食品の製造、加工に使用される食品搬送用ベルトコンベア1は、生鮮食品を搬送ベルト1上に直載して搬送するので、搬送ベルトを清潔な衛生状態に保つために、加工開始前または加工終了後に、ベルトコンベア1を空運転し、搬送ベルト11を加熱処理装置2のトンネル通路21の中を通して高温の過熱水蒸気により加熱処理して洗浄・殺菌を行い、清潔な状態に維持する必要がある。
【0031】
このような洗浄・殺菌のための加熱処理を開始する前に、加熱処理装置2の電気ヒータ51により搬送ベルト11の通されたトンネル通路21の予熱を行うが、この電気ヒータ51は、断熱空間30内に、筒状筐体20の上壁24と接合して配置されるため、効率よくトンネル通路21および水蒸気噴出ノズル41の予熱を行うことができ、トンネル通路21内の温度を短時間で所定の温度まで昇温することができる。
【0032】
このような電気ヒータ51による予熱によってトンネル通路21内の温度が所定の温度まで高められたところで、水蒸気噴出ノズル41により150〜400℃の高温に加熱された過熱水蒸気をトンネル通路21内に噴き込んで、トンネル通路21内の温度を洗浄・殺菌に必要な温度まで高める。過熱水蒸気の吹き込みと同時に吸引ファン35の運転を開始する。
【0033】
過熱水蒸気によってトンネル通路21内の温度が洗浄・殺菌に必要な温度まで高められたところで、空の食品搬送用ベルトコンベア1を運転し、搬送ベルト11が加熱処理装置2のトンネル通路21内を連続的に通過する過程でトンネル通路21内に満たされた高温の過熱水蒸気に曝されて洗浄・殺菌処理される。
【0034】
この発明の加熱処理装置2においては、トンネル通路21の長さ方向、すなわち搬送ベル11の走行方向のほぼ中央に配置された水蒸気噴出ノズル41の噴出口41aを適宜な形状にして噴出ノズル41からジェット流としてトンネル通路21内に噴き出される過熱水蒸気の方向がトンネル通路21の底面に向けて下向きまたは両方向(出入口方向)に斜め下向きとなるようにしている。これによりノズル41の噴出口41aからトンネル通路21内に噴き出された過熱水蒸気は、図1に実線矢印で示すように、トンネル通路21の底壁面を中央から両端の出入口方向へ流れ、両端で反転してトンネル通路21の上面に沿ってノズル41の方向(中央方向)に循環する流れを作り出すことができる。このようなトンネル通路21内における過熱水蒸気の循環流は、トンネル通路21内の温度を均一にするように作用するので、少ない個数のノズルでトンネル通路の広い範囲の加熱を行うことができる。
【0035】
噴出ノズル41から噴出された過熱水蒸気によりトンネル通路21内の内圧が大気圧より高い圧力に高められ、トンネル通路21の搬送ベルト11の出入りする出入口22,23からトンネル通路内への外気の侵入が抑制されるので、出入口22、23付近の蒸気濃度を高く維持することができ、この付近で凝縮水が発生するのを防止することができる。
【0036】
また、排気ダクト34に設けた吸引ファン35の吸引作用によりトンネル通路21の両端の出入口22,23付近に結合された吸引ダクト31、32を通してトンネル通路21内の余剰の過熱水蒸気が、出入口22、23から侵入する外気(点線矢印)とともに吸引され、排気ヘッダ33および排気ダクト34を通して外部へ排出される。これによっても、外気がトンネル通路の奥まで侵入するのが抑制される。そして外気とともに吸引された余剰の過熱水蒸気は、排気ダクト34の先端に接続された図示しない水蒸気を冷却して凝縮する凝縮装置により凝縮されて水に戻される。
【0037】
このような余剰過熱水蒸気の吸引は、トンネル通路21の出入口22、23から水蒸気がトンネル通路外へ流出しないようにするために行うものであり、実施例の装置では、吸引する排気流量を0.25〜4.0Nm3/minの範囲で調整できるようにしている。吸引する排気流量が少ないと排気の温度が高くなり、吸引ファン35の前段に排気を冷却して水蒸気を除去するための凝縮器が必要となる場合がある。
【0038】
図1に示すようにトンネル通路21の過熱水蒸気の一部を吸引して排気する吸引ダクト31、32は、比較的小さな角度で傾斜させて排気ヘッダ33に結合するようにすることにより、この吸引ダクト内での水蒸気の流れが円滑となるため、排気水蒸気の流れによどみや渦流が発生するのを防止することができる。
【0039】
また、水蒸気噴出ノズル41を設置した断熱空間30の下面および上面が高温の過熱水蒸気またはこれを含む流体の通流されるトンネル通路21および吸引ダクト31、32よって構成され、側面は断熱材61によって覆われているので、この断熱空間30は外気からほぼ完全に断熱される。外部の図示しない蒸気発生装置から蒸気管42を介してこの断熱空間30内に設置された水蒸気噴出ノズル41に供給される過熱水蒸気は、この断熱空間30により断熱されることにより外気への放熱が僅少となるので、水蒸気噴出ノズル41での熱損失が小さくなり装置の熱効率を高めることができる。
【0040】
次のような諸元を有する実施例1の装置についてシミュレーションにより2、3の特性を求めたので、以下にこれについて説明する。
(1)ベルトコンベア1の搬送ベルト11の寸法:幅=600mm
(2)トンネル通路21の寸法:長さ=700mm×幅=650mm×高さ=40mm(但し幅および高さの寸法は、出入口22、23の寸法)
(3)水蒸気噴出ノズル41の噴出口41aのスリットの寸法:幅=0.8mm×長さ=620mm
(4)水蒸気噴出ノズル41からの噴出過熱水蒸気流量:20kg/h
(5)水蒸気噴出ノズル41からの噴出過熱水蒸気の温度:350℃
図9は、加熱処理装置2の主要部分の温度分布を示す図である。装置は水蒸気噴出ノズル41aを中心にして左右対称となっているので、ここでは右半部だけを示す。
【0041】
この温度分布図は、前記諸元のとおりに構成された加熱処理装置2を、蒸気噴出ノズル41aから350℃に加熱された過熱水蒸気を20kg/hの流量でトンネル通路21内に噴き出し、吸引ダクト31,32によりトンネル通路21内の流体(主として水蒸気)を0.35Nm3/minの流量で吸引しながら運転している状態におけるトンネル通路32、吸引ダクト32および断熱空間30内の温度分布を示すものである。このとき外気の温度は20℃としている。
【0042】
この図9から明らかなとおり、トンネル通路21内の温度は、出口23付近を除いてほとんどが295〜350℃に保たれる。トンネル通路21の出口23付近の温度は外気を吸い込む関係から、20〜75℃となる。また、水蒸気噴出ノズル41の設置された断熱空間30内の温度は、噴出ノズル41の周囲が295〜350℃のほか、ほぼ全体が240〜295℃の高温に保たれ、この断熱空間30が蒸気噴出ノズル41の外気への放熱を有効に遮断していることが理解できる。さらに吸引ダクト32および排気ダクト34内は、295〜130℃の範囲の温度に保たれ、吸引ダクト32が、断熱空間30の熱遮断層として作用していることがわかる。
【0043】
次に図10は、前記と同じ条件で運転している状態での、加熱処理装置2の内部を流れる流体(水蒸気および空気)の流速分布を示すものである。
【0044】
この図10に示されるように、トンネル通路21内、吸引ダクト32および排気ダクト34内を流れる流体は、よどみや渦流を発生することなく円滑な流れとなっている。そして、この図10から、トンネル通路21内に供給された流体(水蒸気)は出口23付近で、外気といっしょに吸引ダクト32により吸引され、この出口23から外部へ漏れ出すことがないことも理解できる。
【0045】
トンネル通路21内の流体(水蒸気)は、吸引ダクト31、32による吸引流量が小さくなると、出入口22、23から外部へ漏れ出すようになる。この発明の装置におけるシミュレーションにより求めた吸引ダクトによる吸引流量とトンネル通路の出入口22、23からの水蒸気の漏洩流量との関係を図11に示す。
【0046】
図11は、吸引ダクト31、32による外気からの吸引空気流量(横軸)に対するトンネル通路21の出入口22、23から漏れ出す水蒸気流量(縦軸)の変化を示すものである。この図11から分るように、吸引空気流量が0.25Nm3/minと小さいときでも、水蒸気の漏洩量が1Nl/min程度にしかならず、吸引空気流量をこれより増やし、0.35Nm3/min以上とすると、水蒸気の漏洩流量は急激に減少し、水蒸気の漏洩流量は0.1Nml/min以下となり水蒸気の漏洩は実質的に問題なくなる。
【0047】
また図12は、吸引ダクト31および32によりトンネル通路21から吸引する空気(水蒸気および外気)の流量を、0.25〜4.0Nm3/minの間で変化させた場合の、トンネル通路21内の長さ方向の各位置(横軸=中央からの距離(mm))における温度(縦軸(℃)の)分布を示すものである。
【0048】
この温度分布特性図から明らかなとおり、この発明によれば吸引空気量を0.25Nm3/min以上にすると、トンネル通路21の出入口22、23の手前の300mmから内側は、300℃以上の高温に維持することができ、出入口の位置となる350mmの位置でも100℃以上の温度に保つことができ、過熱水蒸気がトンネル通路21の出入口部で冷却されたとしても、凝縮水まで戻されることはない。
【0049】
図13は、同じく吸引ダクト31および32によりトンネル通路21から吸引する空気(水蒸気および外気)の流量を、0.25〜4.0Nm3/minの間で変化させた場合の、トンネル通路21内の長さ方向の各位置(横軸=中央からの距離(mm))における水蒸気濃度(横軸(モル比))の分布を示すものである。
【0050】
この図13の特性図から明らかなように、この発明においては、トンネル通路21の出入口付近(350mmの位置)でトンネル通路21内の蒸気および外部から侵入する外気を吸引することにより、出入口付近の水蒸気濃度はほとんどゼロとなる。図12に示されるようにトンネル通路21の両端の出入口付近で温度が100℃以上の温度になるとともに、このように水蒸気濃度がほぼゼロとなることによって、トンネル通路21の出入口付近での凝縮水の発生がほぼ完全に抑えられることになるので、出口付近でここから出て行く搬送ベルトが凝縮水によって濡らされるのを防止することができるようになる。
【実施例2】
【0051】
図4は、この発明の第2の実施例の構成を示す正面断面図である。
【0052】
この実施例2の加熱処理装置2Bは、前記の実施例1の装置とは、断熱空間30内に蒸気噴出ノズルを2個設置した点が異なるだけで、その他の構成は同じである。
【0053】
2個の蒸気噴出ノズル43、44には、左右の端部に対称的にそれぞれ蒸気噴出口43a、44aが設けられ、ここからトンネル通路21内に、出入口22、23側に斜め下向きに過熱水蒸気がジェット流として噴き出される。これによりトンネル通路21の長さ方向(搬送ベルトの走行方向)の中央から上流側および下流側にそれぞれ実線矢印で示すような過熱水蒸気の循環流が発生し、トンネル通路21内の全体がほぼ均等に過熱水蒸気で充満され高温に保たれる。
【0054】
トンネル通路21内に噴き出された過熱水蒸気がこのトンネル通路の出入口22,23から漏れ出ないようにするために吸引ファン35を運転して、吸引ダクト31、32を介して出入口22、23付近からトンネル通路21内の水蒸気をトンネル通路外の外気とともに吸引する。
【0055】
過熱水蒸気により高温に保たれたトンネル通路21内に通された食品搬送用ベルトコンベア1の搬送ベルト11を走行させることにより、この搬送ベルト11を噴出ノズル43、44から噴き出される過熱水蒸気のジェット流により洗浄し、高温の雰囲気で殺菌することができる。
【実施例3】
【0056】
図5は、この発明の第3の実施例の構成を示す正面断面図である。
【0057】
この実施例3の加熱処理装置2Cは、前記の実施例1および実施例2の装置とは、断熱空間30内に設置した蒸気噴出ノズル45が上向の噴出口45aを備えるとともに外側をバッファ用のカバー48で覆われている点が異なるだけで、その他の構成は同じである。なお、カバー46の下方には開口が設けられ、筒状筐体20の上壁24の開口24aの中に置かれている。
【0058】
この実施例3の加熱処理装置2Cは、グラビア印刷紙のインクの乾燥に用いるものであり、実施例1および2における搬送ベルト11の代わりに、グラビア印刷された気体不透過性の紙またはフィルムからなる薄膜15が搬送装置1によって駆動され、トンネル通路21内を走行する。
【0059】
このようにグラビア印刷のされた薄膜15を過熱水蒸気で満たされたトンネル通路21内を走行させて印刷インクを過熱水蒸気で乾燥するようにした場合、薄膜15の印刷面に水蒸気噴出ノズルから噴出される蒸気を直接高速で当てると未乾燥のインクが飛散して印刷の品質を低下させるような不都合がある。
【0060】
このような不都合を除くために、この実施例3においては、水蒸気噴出ノズル45に上向きに噴出口45aを設けるとともに、この水蒸気噴出ノズル47を外側を上方からバッファ用カバー46により覆うようにしている。そして、このカバー46の下方に開口46aを設け、これを筒状筐体21の上壁24に設けた開口24a内に置くようにする。
【0061】
これにより、蒸気発生装置ぁら供給される過熱水蒸気は、水蒸気噴出ノズル45の噴出口45aからカバー46内に上向きに噴出され、この中で方向を反転されるとともに、速度を落として下方の開口46aからトンネル通路21内に噴出されるため、水蒸気はトンネル通路21内の薄膜15に低速で当たるようになる。このため、トンネル通路21内に噴出される水蒸気が薄膜15に当たってもその表面の印刷された未乾燥のインクが飛散されることがなくなり、印刷品質の低下を防止することができる。
【実施例4】
【0062】
図6ないし図8にこの発明の第4の実施例による加熱処理装置の構成を示す。図6は、この発明の第4の実施例による加熱処理装置2Dの正面断面図、図7は図6のVII−VII線に沿う縦断面図、図8は、第4の実施例による加熱処理装置のトンネル通路の出口側から見た側面図である。
【0063】
前記の第1の実施例ないしは第3の実施例による過熱処理装置は、水蒸気噴出ノズルがトンネル通路21の長さ方向のほぼ中央に設置されている関係で、外気の風速が低速のときは問題とならないが、風速が増大すると、外気がトンネル通路の出入口22,23からトンネル通路21内に外気が侵入するようになり、トンネル通路内21の出入口付近の蒸気温度の低下が増大し、トンネル通路21内の高温に保つことのできる範囲が小さくなる問題が生じる。
【0064】
このような問題を解決するために、第4の実施例においては、図6に示すように、加熱処理装置2Dのトンネル通路21の上壁24の両端の出入口22、23の付近にそれぞれ1個ずつ水蒸気噴出ノズル47、48を設置している。2つの水蒸気噴出ノズル47、48は、第1の実施例に示した水蒸気噴出ノズル41と同様に、トンネル通路の横幅とほぼ同じ長さに形成され、その上壁24に対向する側にほぼ全長に亘って設けられた所定幅のスリットによって形成された噴出口47a、48aを備える。水蒸気噴出ノズル47、48の噴出口47a、48aは、それぞれトンネル通路21の上壁24に設けられた開口24a上に置かれ、これと連通される。一方の水蒸気噴出ノズル47に蒸気を供給するためにこれに接続された蒸気管42aは、図7に示すように加熱処理装置2Dの右側の側壁から引き出されるが、他方の水蒸気噴出ノズル48に接続された蒸気管42bは左側の側壁から引き出される。このように、2つの蒸気噴出ノズル47、48に接続された蒸気管42a、42bを互い違いの側壁から引き出すのは、これらのノズルを収容する断熱空間30内の温度分布を可能限り均一して水蒸気噴出ノズル等の熱変形を抑えるためである。
また、装置の起動時にトンネル通路21を予備加熱したり、運転中に水蒸気による加熱の不足を補助したりするためにトンネル通路21の上壁の外側に加熱ヒータ51を、そして水蒸気噴出ノズル47、48の上に加熱ヒータ52を設置する。
その他の構成は、前記した実施例1ないし3の構成と同じである。
【0065】
トンネル通路21の上壁の両端の出入口付近に設置した2個の蒸気噴出ノズル47、48のそれぞれの蒸気噴出口47a、48aからトンネル通路21内に、底壁に向けて下向きに過熱水蒸気をジェット流として噴き出す。これによりトンネル通路21の長さ方向(搬送ベルトの走行方向)の両端付近の噴出ノズル47,48から噴出された過熱水蒸気は、それぞれ実線矢印で示すように底壁25当たって両側へ流れて再び噴出口付近へ戻るような過熱水蒸気の循環流が発生する。これにより、トンネル通路21内の2個の水蒸気噴出ノズル57と48より内側の空間は全体がほぼ均等に過熱水蒸気で充満されて高温に保たれる。
【0066】
トンネル通路21内の水蒸気噴出ノズル47、48より外側、すなわち入口22側、および出口23側の空間における過熱水蒸気の循環流は、一部が外気とともに吸引ダクト31および32により吸引されて排出される。しかし、このトンネル通路21の噴出ノズルより外側の空間にも相当量の過熱水蒸気が充満されているので、外気が出入口22、23からトンネル通路21内に侵入してもこの外側の空間の過熱水蒸気層により侵入が阻止されるようになる。このためトンネル通路21内の2個の水蒸気噴出ノズル47、48より内側の空間への外気の侵入はほぼ完全に防止することができる。そしてこのトンネル通路21内の水蒸気噴出ノズルより外側の空間に充満された過熱水蒸気は十分に圧力が高められ、十分な厚さの層をなすために、これがエアーカーテンの作用をしてある程度の風速までであれば、風速の速い外気もトンネル通路21内の水蒸気噴出ノズルより内側の空間への侵入をほぼ完全に阻止することができる。
【0067】
この第4の実施例によれば、2個の水蒸気噴出ノズルより外側の空間をトンネル通路21の入口と出口付近に設けることにより、トンネル通路の2個の水蒸気噴出ノズルの間の内側に外気に影響されない過熱水蒸気により高温に保たれた広い領域を作ることができるので、トンネル通路21内に通された食品搬送用ベルトコンベア1の搬送ベルト11を走行させることにより、この搬送ベルト11を効率よく洗浄、殺菌処理することができる。
【0068】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、少ない熱蒸気噴出ノズルでトンネル内の温度を高温に保つことができ、トンネルのベルトコンベアの出入口部において水蒸気の凝縮水の発生、およびトンネル内の過熱水蒸気の排気の流れのよどみや渦流の発生を防止することのできる過熱水蒸気による加熱処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の第1の実施例による加熱処理装置の構成を示す正面断面図。
【図2】図1のII−II線の縦断面図。
【図3】この発明の第1の実施例による加熱処理装置の外観を示す側面図。
【図4】この発明の第2の実施例による加熱処理装置の構成を示す正面断面図。
【図5】この発明の第3の実施例による加熱処理装置の構成を示す正面断面図。
【図6】この発明の第4の実施例による加熱処理装置の構成を示す正面断面図。
【図7】図6のVII−VII線の縦断面図。
【図8】この発明の第4の実施例による加熱処理装置の外観を示す側面図。
【図9】この発明の第1の実施例による加熱処理装置における内部温度分布を示す特性図。
【図10】この発明の第1の実施例による加熱処理装置における内部を流れる流体の流速分布を示す特性図。
【図11】この発明の第1の実施例による加熱処理装置における水蒸気漏洩特性を示す特性図。
【図12】この発明の第1の実施例による加熱処理装置におけるトンネル通路内の温度分布を示す特性図。
【図13】この発明の第1の実施例による加熱処理装置におけるトンネル通路内の水蒸気濃度の分布を示す特性図。
【符号の説明】
【0070】
1:ベルトコンベア、11:搬送ベルト、12:駆動ローラ
2:加熱処理装置、20:筒状筐体、21:トンネル通路、22:入口、23:出口
30:断熱用空間、31,32:吸引ダクト、33:排気ヘッダ、34:排気ダクト、
35:吸引ファン
41、43、44、45、47、48:蒸気噴出ノズル、
41a、43a、44a、45a、47a、48a:噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の走行するトンネル通路内に過熱水蒸気を供給して前記被処理物の加熱処理を行うものにおいて、前記トンネル通路を構成する筒状筐体の両端のトンネル通路の出入口付近にそれぞれ一端が結合され、前記トンネル通路内の水蒸気とともに外部から侵入する外気を吸引する1対の吸引ダクトと、この1対の吸引ダクトの他端に結合され、前記吸引ダクトで吸引された水蒸気および外気を吸引手段により吸引して外部へ排気する排気ダクトを設けるとともに、前記トンネル通路を構成する筒状筐体の外壁に接して外部から断熱された断熱空間を形成し、この断熱用空間内に水蒸気噴出ノズルを1個以上設置し、この水蒸気噴出ノズルを通して外部から供給される過熱水熱蒸気を前記トンネル通路内に噴き込むようにしたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記蒸気噴出ノズルを前記トンネル通路の長さ方向のほぼ中央に設置したことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記水蒸気噴出ノズルを、少なくとも前記トンネル通路の両端の入口付近および出口付近に1個ずつ設置したことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記蒸気噴出ノズルは、前記トンネル通路の幅とほぼ等しい長さを有し、その全長に亘って開口した所定幅のスリットにより形成された噴出口に備えることを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記断熱空間がその周囲を前記1対の吸引ダクトにより取り囲んで形成されたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記1対の吸引ダクトの他端を中心側に傾斜させて上方に延ばしたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記断熱用空間内の前記筒状筐体の外壁に加熱用ヒータを設置したことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記断熱用空間内の前記水蒸気噴出ノズルの外側に加熱用ヒータを設置したことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口からの過熱水蒸気の噴出方向を下向きにしたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項10】
請求項2に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口からの過熱水蒸気の噴出方向を前記トンネル通路の出入口側に斜めに下向きにしたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか1項に記載の過熱水蒸気による加熱処理装置において、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口を上向にするとともに、この水蒸気噴出ノズルを上方から取り囲むカバーを設け、前記水蒸気噴出ノズルの噴出口から噴出された過熱水蒸気を前記カバーの下方の開口から前記トンネル通路内に噴き込むようにしたことを特徴とする過熱水蒸気による加熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−201502(P2009−201502A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295322(P2008−295322)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】