説明

道路交通情報受信装置の表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法。

【課題】道路交通情報受信装置の表示装置に表示されるGPSスポットの追加を簡単に行えるようにした追加表示支援方法を提供する。
【解決手段】GPSスポット変換機能を備え、パソコンによってGPSスポット変換機能が立ち上げられたときのパソコン画面上に「大分類」と「小分類」と「地図」の入力画面が表示され、「大分類」と「小分類」とにそれぞれ該当する項目をマウスクリックで入力し、かつ、「地図」上の所定の位置をマウスクリックすることでクリックされた位置の緯度及び経度が自動的に入力されるものであり、「地図」上マウスクリックによる緯度及び経度の自動的取り込みは、パソコンを用いて、Google Mapのアプリケーション・プログラム・インターフェースAPIを、アドープ・エア(Adobe Air)社で設計したアプリケーションソフトに埋め込むことにより実行可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制限速度切り替わりポイント、交通取締ポイント、事故多発エリア、警察署、オービス制限速度、速度取締機の位置、Nシステムの位置、17バンドの無線波、X・Kレーダ波情報などの道路交通情報をその都度ドライバーに報知して交通遵守を促す道路交通情報受信装置に関するもので、特にその受信装置が備えている表示装置にGPSスポットを表示させる機能において、新たにGPSスポットを追加する際に簡便な方法で追加できるようにした表示装置におけるGPSスポットの追加方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通情報の受信装置には、全国の道路を緯度・経度に対応づけてその制限速度を位置登録データメモリに記憶させ、GPSモジュールから受ける現在位置情報とから、現在位置に対応した道路の制限速度が判り、このようにして得られた制限速度とGPSモジュールから受ける自車の走行速度を比較することで、制限速度違反かどうかが制限速度の異なる道路においても判るようにし、制限速度違反の場合これを報知するようにしたものがある。例えば、本出願人の先行出願に係る特許文献1を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−256165号公報
【0004】
図7は公知の道路交通情報受信装置のブロック図である。
図において、100は道路交通情報受信装置、110はソーラバッテリー、111は電源制御部、112は自動車のエンジンで発電機を回転させて発電した電気エネルギを充電する充電式電池である。120はGPSモジュールで、GPS受信器121と位置検出/速度演算部122から成り、GPS受信器121の受信信号が位置検出/速度演算部122で処理されて、その結果を距離・位置・速度データ受信部140に送信する。主制御部(CPU)130では、距離・位置・速度データ受信部140と、演算部および位置・登録データメモリ150が信号の授受を行なっている。位置・登録データメモリ150は、日本全国の緯度・経度に対応した位置における道路交通情報と、高速道/一般道データ、各道路の制限速度データ150aを記憶している。
【0005】
また、ここで言う「道路交通情報」とは、上述のスピード違反取締機(オービス)として、固定式のレーダー式、速度計測機(計測用カメラ)、速度警告板、計測センサーとしてカメラとループセンサーを備えたループコイル式のもの、「NHシステム」、ステルス型、光電管式や赤外線式の計測センサーを使用して車が一定区間を通過する時間を計測して車速を割り出すもの、移動式のものにはパトロールカーの屋根に積載されるレーダー式の取締り機等の信号および設置位置を示す情報を言う。
【0006】
X・Kバンドのレーダー受信部160としての高周波受信器161からの受信信号を信号処理部161aで処理して主制御部130に入力している。
また、無線受信部170として、350MHz高周波受信器171からの受信信号を信号レベル検出・検波器171aへ送り、所定の信号レベルのものを検波して主制御部130に入力している。
また、407MHz高周波受信器172の受信した信号を信号レベル検出器172aで検出して所定の信号レベル以上のものを主制御部130に入力している。
同じく、160MHz帯高周波受信器173の受信した信号を信号レベル検出器173aで検出して所定の信号レベル以上のものを主制御部130に入力している。
また、赤外線検知部180として赤外線受光部181があり、ここで受信した赤外線信号を主制御部130に入力している。
【0007】
主制御部130は、聴覚的警報信号を音声出力部191へ出力し、スピーカ192で知らせる。また、視覚的警報信号を文字・図形に直して表示装置193上へ出力する。
【0008】
次に、図7の受信装置の動作について図8のフローチャートを用いて説明する。
受信装置が動作開始すると、主制御部(CPU)130は、GPSモジュール120から現在位置と自車の現在の車速データを受け取り(ステップ51)、ステップ52で位置登録データメモリから受け取ったスピード違反取締機の設置位置情報を基に進行方向にスピード違反取締機があるかどうかを調べ、なければステップ51へ戻り、スピード違反取締機があればステップ54へ進む。
ステップ54では、位置登録データメモリから受け取った位置対制限速度データを基に、現在の車速が現在地の制限速度を超えているか調べ、超えていなければ通常の報知、例えば「取締機が近くにある」という事実だけを運転者に報知して(ステップ56)、運転者にこれから加速しないようにさせて、ステップ51へ戻る。
一方、車速が現在地の制限速度を超えていれば、「取締機が近くにある」という報知だけではなくて、車速が制限速度を超えているのでスピードを落とすように警告をする。さらにその警告の際にその制限速度が一般道か高速道かの報知をも行って(ステップ56)、運転者に速度を落とすべきかどうかの最終判断を委ねるようにしている。
【0009】
このように、スピード違反取締機の設置位置および全国の高速道を含む道路を緯度・経度に対応づけてその制限速度を位置登録データメモリに記憶させているので、GPSモジュール120から受ける現在位置情報からスピード違反取締機が近傍にあるかどうかが判りかつ道路の制限速度が判り、この制限速度とGPSモジュール120から受ける自車の走行速度を比較することで、制限速度違反かどうかが制限速度の異なる道路においても判ることになる。
このような結果を音声出力部191からのスピーカ192から音声で伝えると共に、表示装置193上で文字や記号にして表していた。
【0010】
〈表示装置193にプライベートな施設の表示機能〉
このように表示装置193には、スピード違反取締機などの設置位置を地図上に表示して、運転者の便に供している。そして、表示装置193には、道路交通に関する情報に限らず、その他の「建物や施設」(以後、「GPSスポット」と言う。)の位置情報(緯度・経度)情報も「位置登録データメモリ」に登録しており、GPS情報からの位置(緯度・経度)情報から「位置登録データメモリ」を検索し、登録してある建物や施設に自車が近付いたらとその旨を表示装置193に表示するようにしている。しかしながら、「位置登録データメモリ」に予め登録してあるGPSスポットは有名な施設や建物などであり、プライベートな施設・建物については登録されていないので自車がそこに近づいても当然のことながら表示装置にはその旨表示されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、道路交通情報受信装置の表示装置に表示されるGPSスポットとして、プライベートなGPSスポットをユーザーが追加できるようにし、しかもその追加が簡便にできるようにした追加表示支援方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本願第1発明はGPSスポットの追加表示支援方法に係り、道路交通情報を自動車において受信し、前記受信の受信内容や受信状況に応じて運転者に報知する道路交通情報の受信装置であって、前記自動車の位置と前記自動車の速度を演算するGPSモジュールと、位置に対応した道路交通情報を登録している位置登録データメモリと、前記GPSモジュールから位置および速度データを受信し前記位置登録データメモリから現在位置に対応した道路交通情報を得て制御を行うCPUと、前記道路交通情報を聴覚的に運転者に報知する報知部と、視覚的に運転者に報知すると表示装置と、を備えた道路交通情報受信装置に前記表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法において、
パソコンがGPSスポット変換機能を有し、
前記GPSスポット変換機能は、前記パソコンによって前記GPSスポット変換機能が立ち上げられたときのパソコン画面上に「大分類」と「小分類」と「地図」の入力画面が表示され、前記「大分類」と前記「小分類」とにそれぞれ該当する項目をマウスクリックで入力し、かつ、前記「地図」上の所定の位置をマウスクリックすることでクリックされた位置の緯度及び経度が自動的に入力されるものであり、
前記「地図」上マウスクリックによる緯度及び経度の自動的取り込みは、前記パソコンを用いて、Google Mapのアプリケーション・プログラム・インターフェースAPIを、アドープ・エア(Adobe Air)社で設計したアプリケーションソフトに埋め込むことにより実行可能であり、
前記GPSスポット変換機能によって作成されたGPSスポットデータが、前記パソコンからSDカードで取り出されて、前記道路交通情報の受信装置にインポートされることによって、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記GPSスポットであることを前記表示装置に表示するようになることを特徴としている。
【0013】
また、第2発明は、第1発明において、前記パソコン画面上の「地図」上の所定の位置をマウスクリックすることに代えて、所定の位置の住所を記入することで記入した住所の緯度及び経度が自動的に入力されるものであることを特徴としている。
【0014】
また、第3発明は、第1または第2発明において、前記パソコン画面上に矢印付きの時計状円盤を表示し、マウスドラッグで前記時計状円盤の矢印の先端を時計の文字に相当する位置に回転移動させて、これを入力することで、矢印の向く方向から自動車が前記緯度および経度に近づいたときのみに前記GPSスポットであることを前記表示装置が報知するようになることを特徴としている。
【0015】
また、第4発明は、第1〜第3発明において、前記パソコン画面上に「画像の登録」ボタンを表示し、前記「画像の登録」ボタンをクリックすると、複数の画像が表示され、その中からマウスで画像を選択し、前記パソコンに入力することで、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記選択された画像を前記表示装置に表示するようにしたことを特徴としている。
【0016】
また、第5発明は、第1〜第4発明において、前記パソコン画面上に「音声の登録」ボタンを表示し、前記「音声の登録」ボタンをクリックすると、複数の音声が例示され、その中からマウスで音声を選択し、前記パソコンに入力することで、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記選択された音声を前記聴覚的に報知する報知部から報知するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
以上、第1発明によれば、ユーザーはパソコンからきわめて簡単にGPSスポットの追加作業を行うことができる。
第2発明によれば、住所が分かっている場合にユーザーはパソコンからさらに簡単にGPSスポットの追加作業を行うことができる。
第3発明によれば、自動車の進入方向の登録作業を簡単に行うことができる。
第4発明によれば、自動車がGPSスポットに近づいたときに所望の画像を表示させることができる。
第5発明によれば、自動車がGPSスポットに近づいたときに所望の音声を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の「GPSスポット変換」システムの各種データの流れを説明する概略構成図である。
【図2】図2は、本発明に係るGPSスポット変換ツールを起動させたときに立ち上がる画面例である。
【図3】図3は、図2の地図表示画面に所望の記入をした記入例である。
【図4】図4は、先行発明に係るGPSスポット変換ツールを起動させたときに立ち上がる画面例である。
【図5】図5は、登録したいGPSスポットの大分類と小分類を規定した分類表である。
【図6】図6は、図4の画面に所望の記入をした記入例である。
【図7】図7は、公知の道路交通情報受信装置のブロック図である。
【図8】図8は、図7の受信装置の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
そこで、プライベートな施設・建物についても事前に「位置登録データメモリ」に登録することによって、自車がそこに近づいたら表示装置193(図7)にその旨表示させるようにする「GPSスポット変換」機能を本出願人は先に開発した。
【0020】
〈GPSスポット変換ツールのインストール〉
GPSスポット変換ツールはWEBサーバーに保管されている。
ユーザーパソコンにGPSスポット変換ツールがインストールされていないときは、インターネットを介してWEBサーバに行って、WEBサーバーからGPSスポット変換ツールをインストールする。
【0021】
〈GPSスポット変換ツール〉
GPSスポット変換ツールは次のようなプログラムである。
ユーザーがパソコンを用いてこの変換ツールによって立ち上げられた画面上で所定の大分類と小分類とその小分類に属する場所(GPSスポット)の緯度および経度、場合によっては進行方向から成るデータを記入し、このようにして作成したGPSスポットデータをパソコンからSDカードで取り出して、GPSを用いた道路交通情報受信装置にインポートすることによってGPSが該当する緯度および経度に近づいたときにそれの表示装置にGPSスポットであることを表示させることを支援するプログラムである。
【0022】
〈先行開発に係るGPSスポット追加の操作手順〉
ユーザーはパソコンをスタートさせ、パソコンにインストールされている「GPSスポット変換ツール」を起動すると、パソコンの表示画面上に図4の画面が立ち上がる。
図4には、「ファイル」の表示領域と、「データ入力」領域と、「リスト編集」領域と、「出力」領域とに分かれている。
「データ入力」領域には、「大分類」、「小分類」、「緯度」、「経度」、方向フラッグの角度記入枠が表示されている。「リスト編集」領域には、「追加」、「編集」、「削除」、「クリア」ボタンが表示されている。「出力」領域には、SDメモリのドライブ選択枠が表示されている。
【0023】
まず、「データ入力」領域の「大分類」と「小分類」の記入を行う。大分類と小分類とは次のような分類を意味している。
〈大分類と小分類の分類表〉
図5は登録したいGPSスポットの大分類と小分類を規定した分類表である。
「大分類」には、公共施設、教育施設、グルメスポット、宿泊施設、文化スポット、病院、お買い物スポット、プレイスポット、金融機関、交通機関、注目スポットに分類され、各大分類にはそれぞれ小分類がぶら下がっている。例えば、公共施設には、都庁、府庁、県庁、市役所、区役所、・・・その他スポットが分類され、また、金融機関には、銀行、信用金庫、郵便局、その他のスポットが分類され、また、注目スポットには、夜景スポット、おすすめ、危険地帯、会社、その他スポットが分類されている。
そこで、選択枠の右の矢印をクリックすると、大分類の施設(例えば、公共施設、教育施設、グルメスポット、金融機関、・・・)が表示されるので、その中から所望の分類、例えば、「金融機関」をクリックすると、金融機関が選択されて大分類選択枠に記入される。
【0024】
〈大分類と小分類の記入〉
そこで、図4の画面の「大分類」選択枠の右の矢印をクリックすると、「大分類」に属する例が表示されるのでその中の所望の分類(例えば、金融機関)をクリックする。
次に、「大分類」選択枠の下に位置する「小分類」選択枠の右の矢印をクリックすると、上で選択した大分類の下位に属する小分類の建物(例えば、「グルメスポット」を選択していたら、ファミリーレストラン、ファストフード、そば屋、ラーメン屋、・・・)が表示される。今の場合、大分類で金融機関を選択したので、小分類には、銀行、信用金庫、郵便局、その他のスポットが表示され、その中から例えば銀行をクリックすると、クリックした銀行が選択されて小分類選択枠に記入される。
【0025】
〈緯度・経度の記入〉
図4の「小分類」選択枠の下に「緯度」記入枠と「経度」記入枠があるので、選択した銀行の日本測地系の緯度および経度を記入する。日本測地系の緯度および経度は地図ソフトなどで知ることができる。パソコンで例えば「Geocoding」ソフトを用いて、住所を記入すればパソコン画面上に「緯度」および「経度」が表示されるので、例えば、選択した銀行の緯度が35度30分40.8秒で、経度が139度27分36.4秒であるとすれば、それぞれ「緯度」記入枠に「353040.8」、「経度」記入枠に「1392736.4」と記入する。
【0026】
〈進行方向フラグの設定〉
「進行方向フラグ」とは、GPSスポットが車の進行方向に対して設定した角度の方向からの進行である場合にのみ案内するシステムで、「進行方向フラグ」を設定しなければ、GPSスポットは全方向からの進行に対して案内する。
図4の「経度」記入枠の下に「進行フラグ On/Off」記載があり、その横のフラグ設定枠をマウスでクリックすれば、フラグ設定枠に「レ」点が入って進行フラグが設定される。設定しないのであればフラグ設定枠にチェックを入れなければよい。また設定を解除したければ、マウスで再度設定枠をクリックすれば「レ」点が消えて解除される。
「方向フラッグ」を設定したら、GPSスポットを中心に北を0度として時計回りで0〜259度のうちの数字を角度記入枠に記入する。選択した銀行が北を0度として300度の方向からの進行にあれば「300」を入力する。
【0027】
〈「追加ボタン」のクリック〉
図6は、図4の画面に上記のようにして記入をした記入例である。
これで問題なければ、最後に、リスト編集領域にある「追加」ボタンをクリックすると、上記の新たなGPSスポットがリストに追加される。
【0028】
〈GPSスポットの編集ファイルの保存〉
そして、上記のようにしてGPSスポットが追加されたリストのGPSスポットの編集ファイルを保存する。
【0029】
〈GPSスポットデータをレーダー本体にインポート〉
パソコンにて作成されたGPSスポットデータは、SDカードをパソコンに挿入して、SDカードに出力した後、SDカードをパソコンから取り出して、それを道路交通情報受信装置100(図7)のSDカードスロットに挿入して、GPSスポットデータを道路交通情報受信装置100にインポートする。
このようにすることで、自車がその登録したGPSスポットに所定の距離(例えば、1000mと500mの2か所)まで近付くと、道路交通情報受信装置100(図7)の音声出力部191(図7)のスピーカー192(図7)から、「500m先、注目スポットがあります。」との大分類を音声で知らせると共に、道路交通情報受信装置100(図7)の表示装置193(図7、図1)に「GPSスポットまで約500m地点」の表示を行うようになる。
【0030】
〈従来の「GPSスポット変換ツール」システムの不便な点。〉
このように、従来の「GPSスポット変換ツール」システムによれば、ユーザーがGPSスポットを予め登録しておくことにより、自車がそのGPSスポット近傍に来た時にその旨を音声および表示装置に表示するようになるので使いやすくなった。
しかしながら、不便な点は、「緯度」記入枠と「経度」記入枠にそれぞれ緯度および経度を調べて記入することである。地図ソフトなどを用いて緯度および経度を事前に簡単に調べることができるものの、それらの数値を間違うことなく入力することは神経を使いかつ時間のかかる作業であった。
本発明はこの不便な点を解決するためになされたもので、いちいち緯度および経度を調べなくても、表示装置上に表示された地図を用いて簡便に緯度および経度を記入できるようにするGPSスポット変更システムを提供することを目的としている。
【0031】
〈本発明の「GPSスポット変換」システムのデータ流れの概略構成図〉
図1は、本発明の「GPSスポット変換」システムの各種データの流れを説明する概略構成図である。
図1において、ユーザーパソコンはインターネットを介してWEBサーバに接続されている。WEBサーバには、「GPSデータファイル」、「実写画像データファイル」、「公開交通取締情報ファイル」が備わっており、それぞれのファイルにGPSデータ、実写画像データ、公開交通取締情報が蓄積されている。
WEBサーバにはシステム側のパソコンが接続されており、システム側担当者はGPSデータ、実写画像データ、公開交通取締情報に関する新しいデータを定期的にこれらのGPSデータファイル、実写画像データファイル、公開交通取締情報ファイルの指定のフォルダにアップロードしている。
ユーザーパソコンはインターネットを介してWEBサーバにアクセスし、起動時に自動的にGPSデータファイル、実写画像データファイル、公開交通取締情報を読みに行く。データが更新されていれば、記述しているデータを自動的にダウンロードする。
ユーザーパソコンにはSDカードが挿入され、ダウンロードされた更新データをSDカードに保存する。新たに追加されたGPSスポットも更新データに含まれている。
更新データが保存されたSDカードはユーザーパソコンから抜き取られて、自動車のダッシュボードなどに備え付けられた道路交通情報受信装置のSDカードスロットに挿入して、更新データは道路交通情報受信装置の位置登録データメモリに保存する。
【0032】
〈GPSスポット変換ツールのインストール〉
ユーザーパソコンにGPSスポット変換ツールがインストールされていないときは、インターネットを介してWEBサーバに行って、まず、WEBサーバーからGPSスポット変換ツールをインストールする。インストールが完了したらパソコンを閉じて、スタートさせ、スタートメニューからGPSスポット変換ツールを選んでGPSスポット変換ツールを起動させる。
【0033】
〈起動時の立ち上がり画面〉
本発明に係るGPSスポット変換ツールを起動させると、図2のような画面が立ち上がる。図2において、画面の上列に、左から、「HOME」、「各種データダウンロード」、「おもしろカスタマイズ」、「デジタルフォトフレーム」、「GPSスポット変換」の選択ボタンが配列表示されている。
「HOME」はこの機能を提供する会社のホームページにアクセスするボタンである。
「各種データダウンロード」は、GPSデータ、実写画像データ、公開交通取締情報などのデータをダウンロードする機能のボタンである。
「おもしろカスタマイズ」は、道路交通情報受信装置の表示装置に表示する警告案内用画像や音声をユーザーの好みにカスタマイズさせる機能のボタンである。
「デジタルフォトフレーム」は、待ち受け画面で設定できるデジタルフォトフレーム機能の画像をユーザーが用意したJPEC画像に変更する機能のボタンである。
「GPSスポット変換」は、本発明に係る機能で、GPSポイントをパソコンの表示装置に表示されている実際の地図から編集して、道路交通情報受信装置に反映させる機能のボタンである。ユーザーの登録したGPSポイントは、そこで案内される画像や音声も自由に設定でき、ユーザープライベートのGPSポイントを作成できるものである。
図2のGPSスポット変換機能の画面において、付け加えたい施設・建物のある地図をまず地図表示画面に表示させる。使用する地図は入手可能なGoogle Mapや、Yahoo Mapを用いる。図3のGPSスポット変換機能の画面における地図表示画面にはこのような地図を表示している。地図を表示させて、スクロール、拡大、縮小させながら目的の場所を表示させる。また、住所が分かっていれば住所から表示させることもできる。例えば、サーチ欄に「虎ノ門」と記入して検索すれば、図2の地図表示画面に図3のような地図が表示される。表示された画面の地図上で付け加えたい施設・建物をマウスでクリックすると、そのクリックされた地点の緯度と経度が直ちに下欄の緯度・経度欄に表示される。表示された画面の地図上でクリックすると、そのクリックされた地点の緯度と経度は次のようにして取得される。
【0034】
〈マウスクリックでその地点の緯度・経度を取得する方法〉
Google MapのAPI(Application Program Interface)を、Adobe Airで設計した本アプリケーションソフトに埋め込むことで、Google Mapの上でマウスクリックを実行すると、その地点の緯度経度(世界測地系WGS8)が取得できる。なお、Application Program Interfaceとは、OSなどのプラットホーム上でソフト開発するときに、他のプログラムを利用するときの手続き規約のことである。なお、このようにして、呼び込んだデータは、このアプリケーションソフト上では百分率表記で記述している。
【0035】
〈大分類と小分類の記入〉
地図の表示された図3の画面の右側欄外に「大分類」、「小分類」、「方向を指定するフラッグ」が表示されている。まだ、選択されていないから、図2の画面の状態になっている。「大分類」選択枠の右の矢印をクリックすると、「大分類」に属する例が、「公共施設、教育施設、グルメスポット、宿泊施設、文化スポット、病院、お買い物スポット、プレイスポット、金融機関、交通機関、注目スポット」と表示されるのでその中の所望の分類(例えば、金融機関)をクリックする。
次に、「大分類」選択枠の下に位置する「小分類」選択枠の右の矢印をクリックすると、上で選択した大分類の下位に属する小分類の施設・建物が表示される。
今の場合、「金融機関」を選択したので、「銀行、信用金庫、郵便局、その他のスポット」が表示され、その中から例えば銀行をクリックすると、クリックした銀行が選択されて小分類選択枠に記入される。
【0036】
従来の図4にあっては、次に「緯度」と「経度」を調べて記入したが、本発明では、地図上の施設・建物をクリックすることですでに「緯度」と「経度」は図3のその欄に記入済みである。
【0037】
〈進行方向フラッグの設定〉
本発明の図2では、「方向を指定する」と表示されている所にフラグ設定枠があるので、そのフラグ設定枠をマウスでクリックすれば、フラグ設定枠に「レ」点が入りこれでフラグが設定される。設定しないのであればフラグ設定枠にチェックを入れなければよい。フラグを設定しなければGPSスポットは全方向からの進行に対して案内する。また設定を解除したければ、マウスで再度設定枠をクリックすれば「レ」点が消えて解除される。
「方向を指定する」がフラグが設定されると、次に、右側に丸時計状をした円盤が表示されており、矢印が上(12時方向)を向いている。マウスで矢印先端の矢にカーソルを置いて、矢を所望の位置(例えば、時計の7時の位置)までドラッグしてそこで離すと、矢印は7時方向(約南南西方向)を指す。このように方向指定が簡単に設定できる。矢印を7時方向に設定すると、時計の中心から7時方向(約南南西方向)に自車が進んでいるときにのみGPSスポットを案内し、逆方向の場合は同じ場所にGPSスポットがあっても案内しないようになる。
従来の図4にあっては、GPSスポットを中心に北を0度として時計回りで0〜259度のうちの数字を角度記入枠に記入していたが、本発明では、円盤上の矢印の向きを所望の向きに合わせるだけでよいので方向の指定が簡単になる。
【0038】
〈GPSスポットの報知時の対応画像の表示〉
本発明の図2では、さらに、画像の登録ができ、「画像の登録」ボタンをクリックして「参照」ボタンをクリックすると、それまでに登録してある種々の画面例が表示され、表示された画像例のうち選択した画像例が「画像表示領域」に表示される。例えば、追加するGPSスポットが銀行であれば、その銀行の正面のデジタル画像を予め登録しておけば「画像表示領域」にそれが表示される。そこでこれを選択しておけば、自社がそのGPSスポットに接近したとき、銀行の正面のデジタル画像が、道路交通情報受信装置の表示装置に表示される。これは「緯度・経度対画像データ」リストを作成して図7の位置登録データメモリに登録おしておくことで、GPS位置(緯度・経度)情報から、その都度緯度・経度対画像データリストを検索し、その緯度・経度をヒットしたとき対応する画像を画像表示領域に表示させることで実現できる。
【0039】
〈GPSスポットの報知時の対応音声の出力〉
本発明の図2では、さらに、音声の登録ができ、「音声の登録」ボタンをクリックして「参照」ボタンをクリックすると、それまでに登録してある種々の音声例が演奏され、そのうち選択した音声例が音声で流される。これは「緯度・経度対音声データ」リストを作成して図7の位置登録データメモリに登録おしておくことで、GPS位置(緯度・経度)情報から、その都度緯度・経度対音声データリストを検索し、その緯度・経度をヒットしたとき対応する音声を音声出力部191からスピーカ192に報知させることで実現できる。
【0040】
〈画像表示・音声表示の効果〉
このようにGPSスポットの報知時の対応画像および対応音声で表示することで、対象となるGPSスポットをより正確に把握できる。
【0041】
〈スポットを登録する〉
これで問題なければ、「スポットを登録する」ボタンのフラッグをクリックすると、上記の新たなGPSスポットが登録される。
【0042】
〈データを保存する〉
最後に、「データを保存する」ボタンのフラッグをクリックすると、上記の新たなGPSスポットがリストに追加される。
【0043】
〈データを読み込む〉
「データを読み込む」ボタンのフラッグをクリックすると、上記のGPSスポットがリストから読み込まれる。
【0044】
〈データを読み込む〉
読み込まれたGPSスポットデータをSDカードに出力した後、SDカードをパソコンから取り出して、それを道路交通情報受信装置(レーダー本体)のSDカードスロットに挿入して、GPSスポットをレーダー本体にインポートする。
【0045】
〈道路交通情報受信装置による案内〉
このように本発明の機能によって緯度・経度を簡単を入力できるので、自車がその登録したGPSスポットに所定の距離(例えば、1000mと500mの2か所)まで指定した角度の方向から近付くと、道路交通情報受信装置100(図7)の音声出力部191(図7)のスピーカー192(図7)から、「500m先、注目スポットがあります。」との大分類を音声で知らせると共に、道路交通情報受信装置100(図7)の表示装置193(図7、図1)に「GPSスポットまで約500m地点」の表示を簡単に行わせることができる。
また、図3の音声の登録をしておくことで、スピーカー192(図7)から、登録したオリジナルな音声で案内するようになる。
また、図3の画像の登録をしておくことで、表示装置193(図7、図1)に登録したオリジナルな画像で案内するようになる。
【0046】
〈まとめ〉
以上、本発明によると、次の2点が特徴である。
(1)本発明により、ユーザーオリジナルのGPSポイントを実際の地図(例えば、Yahoo Map、Google Map)を用いて編集できるようにした点。
(2)本発明により、ユーザーオリジナルのGPSポイントに近づいたことを案内音声と文字で表示する他に、ユーザーの好みの画像で表示させるようにした点である。
【符号の説明】
【0047】
100 道路交通情報受信装置
110 ソーラバッテリー
111 電源制御部
112 充電式電池
120 GPSモジュール
121 GPS受信器
122 位置検出/速度演算部
130 主制御部(CPU)
140 距離・位置・速度データ受信部
150 位置・登録データメモリ
160 X・Kバンドのレーダー受信部
170 無線受信部
180 赤外線検知部
191 音声出力部
192 スピーカ
193 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路交通情報を自動車において受信し、前記受信の受信内容や受信状況に応じて運転者に報知する道路交通情報の受信装置であって、前記自動車の位置と前記自動車の速度を演算するGPSモジュールと、位置に対応した道路交通情報を登録している位置登録データメモリと、前記GPSモジュールから位置および速度データを受信し前記位置登録データメモリから現在位置に対応した道路交通情報を得て制御を行うCPUと、前記道路交通情報を聴覚的に運転者に報知する報知部と、視覚的に運転者に報知すると表示装置と、を備えた道路交通情報受信装置に前記表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法において、
パソコンがGPSスポット変換機能を有し、
前記GPSスポット変換機能は、前記パソコンによって前記GPSスポット変換機能が立ち上げられたときのパソコン画面上に「大分類」と「小分類」と「地図」の入力画面が表示され、前記「大分類」と前記「小分類」とにそれぞれ該当する項目をマウスクリックで入力し、かつ、前記「地図」上の所定の位置をマウスクリックすることでクリックされた位置の緯度及び経度が自動的に入力されるものであり、
前記「地図」上マウスクリックによる緯度及び経度の自動的取り込みは、前記パソコンを用いて、Google Mapのアプリケーション・プログラム・インターフェースAPIを、アドープ・エア(Adobe Air)社で設計したアプリケーションソフトに埋め込むことにより実行可能であり、
前記GPSスポット変換機能によって作成されたGPSスポットデータが、前記パソコンからSDカードで取り出されて、前記道路交通情報の受信装置にインポートされることによって、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記GPSスポットであることを前記表示装置に表示するようになることを特徴とする道路交通情報受信装置の表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法。
【請求項2】
前記パソコン画面上の「地図」上の所定の位置をマウスクリックすることに代えて、所定の位置の住所を記入することで記入した住所の緯度及び経度が自動的に入力されるものであることを特徴とする請求項1記載のGPSスポットを追加表示させるための追加表示支援方法。
【請求項3】
前記パソコン画面上に矢印付きの時計状円盤を表示し、マウスドラッグで前記時計状円盤の矢印の先端を時計の文字に相当する位置に回転移動させて、これを入力することで、矢印の向く方向から自動車が前記緯度および経度に近づいたときのみに前記GPSスポットであることを前記表示装置が表示するようになることを特徴とする請求項1または2記載の前記表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法。
【請求項4】
前記パソコン画面上に「画像の登録」ボタンを表示し、前記「画像の登録」ボタンをクリックすると、複数の画像が表示され、その中からマウスで画像を選択し、前記パソコンに入力することで、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記選択された画像を前記表示装置に表示するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の前記表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法。
【請求項5】
前記パソコン画面上に「音声の登録」ボタンを表示し、前記「音声の登録」ボタンをクリックすると、複数の音声が例示され、その中からマウスで音声を選択し、前記パソコンに入力することで、自動車が前記緯度および経度に近づいたときに前記選択された音声を前記聴覚的に報知する報知部から報知するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の前記表示装置に表示されるGPSスポットの追加表示支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−132785(P2012−132785A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285065(P2010−285065)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(593026627)セルスター工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】