説明

道路用標示体

【課題】電気部材を内装させた筐体内への雨水の浸入を防止させた道路用標示体を提供する。
【解決手段】本体部と、この本体部に開閉自在に取り付けられる蓋部とを有する筐体内に電気部材を収め、筒状に形成させた本体側板の下方を閉塞させ上方に本体開口部を有する箱体に前記本体部を形成させ、筒状に形成させた蓋側板の上方を閉塞させ下方を開口させた箱体に前記蓋部を形成させ、前記蓋部の筒内に前記本体部を挿入させた状態で、前記本体部の本体開口部を前記蓋部で覆う。
前記蓋部を前記本体部の本体開口部を覆うので、特にシール材などを本体部と蓋部に設けなくても雨水が筐体の内側へ侵入しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路周辺に設置される道路用標示体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路を通行する歩行者やドライバーに対して、状況に応じて発光標示の発光パターンや情報表示の内容などを変化させて標示させる道路用標示体については、多くの発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、地上に立設される外皮柱と、電気的に情報を可変表示する可変情報表示手段と、上記可変情報表示手段と電気的に接続する電子装置とを具備する情報表示柱において、上記外皮柱を、地上に立設固定される外皮柱基体と、この外皮柱基体に対して着脱可能に連結されると共に、互いに着脱可能に連結される複数の外皮柱本体とで構成し、上記外皮柱本体又は外皮柱基体に上記可変情報表示手段又は電子装置を一体に形成してユニット化し、ユニット化された上記外皮柱本体を、連結手段を介して交換可能に積層状に連結してなる、ことを特徴とする情報表示柱、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-151144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の中には、「中空状の内部筐体内に電子装置を内蔵すると共に、内部筐体の開口端に蓋体を気水密に閉塞」させる構成が記載されている。屋外において電力を用いて使用される道路用標示体などの場合、特許文献1に記載のように電気を用いる部材を筐体内に収め、雨水などが浸入しないようにシール部材などで蓋部や窓部を気水密にする構造がよく用いられる。しかしながら、このような構造においては、屋外で長期間用いられることによって、シール部材が経年劣化し気水密が破れることによって、水などが筐体内部に浸入して故障等を引き起こす可能性が懸念されていた。
【0006】
そこで本発明は、電気部材を内装させた筐体内への雨水の浸入を防止させた道路用標示体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用標示体は、電力を用いて使用される道路用標示体であって、
該道路用標示体は電力を利用する電気部材を内装した筐体と備え、
該筐体は本体部と、該本体部に開閉自在に取り付けられる蓋部とを有し、
前記本体部は筒状に形成された本体側板の下方が閉塞され上方に本体開口部を有する箱体に形成され、
前記蓋部は筒状に形成された蓋側板の上方が閉塞され下方が開口された箱体に形成され、
前記蓋部の筒内に前記本体部が挿入された状態で、前記蓋部が前記本体部の本体開口部を覆い、且つ開閉可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る道路用標示体によれば、本体部を筒状に形成された本体側板の下方を閉塞させ上方に本体開口部を有する箱体に形成させ、
蓋部を筒状に形成させた蓋側板の上方を閉塞させ下方を開口させた箱体に形成させ、
前記蓋部の筒内に前記本体部を挿入させた状態で、前記蓋部を前記本体部の本体開口部を覆うので、雨水が蓋部にかかっても、雨水が蓋側板の外側を流れ落ち、本体側板の外側に伝い、流れ落ち、特にシール材などを本体部と蓋部に設けなくても雨水が筐体の内側へ侵入しない。
【0009】
また、前記の道路用標示体を、電力を用いて標示のパターンを変更可能に構成させ、
前記電気部材が前記標示のパターンを変更させる操作を行うための操作部を有し、
前記蓋部を、前記本体部の背面側の本体側板に取り付けられたヒンジを介して開閉自在に固定させる共に、前記操作部を前記蓋部に固定させれば、
前記蓋部を開いた時に蓋開口部が正面に向けられるので、蓋部に固定された操作部を正面側から容易に操作でき、好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る道路用標示体によれば、電気部材を内装させた筐体内への雨水の浸入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る道路用標示体の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図2】図1の断面図であり、(イ)はA−A断面図であり、(ロ)はB−B断面図である。
【図3】図1の発光部付近を拡大した断面図である。
【図4】図1の道路用標示体の発光部を示す図であり、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図5】図1に示す筐体6の本体部を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図6】図1に示す筐体6の蓋部を示す、(イ)平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は背面図であり、(ホ)は底面図である。
【図7】筐体6の断面を示す図1のC−C断面図である。
【図8】図7の筐体6の蓋部を開いた状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態の筐体6の蓋部64に操作部62cを取り付けるための取付金具を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図10】図1の筐体6の蓋部を開いた状態を示す筐体6の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は道路用標示体である。
本実施形態の道路用標示体1は、箱状体に形成された筐体6及び支柱支持体8をそれぞれ上部と下部とに備え、これらに架け渡された3本の支柱2がその上端と下端とをそれぞれ支持されている。
3本の支柱2は、道路用標示体1の前方にあたる位置に1本、その後方の位置に2本並設させて配置されており、水平断面における配置が二等辺三角形の3つの頂点を形成するように設けられている。
道路用標示体1は、例えば図1に図7を加えて説明すると、別体に形成された太陽電池(図示せず)で生起させた電力を筐体6の内部に内装された電気部材62である蓄電部62aに供給して蓄える。蓄電部62aに蓄えられた電力は、同じく筐体6に内装された電気部材62である制御部62bを通じて、支柱2に取り付けられた発光部4の発光体41に供給されこれを発光させる。各支柱2にそれぞれ取り付けられた発光部4の発光体41は制御部62bによって点灯、消灯を制御され、各発光体41を個別に、または同時に点灯、点滅させることで、様々な発光パターンで発光可能としている。道路用標示体1は別に形成された固定用ポール(図示せず)等に、例えば筐体6や支柱支持体8が支持されて、歩行者や車両の運転手などの主な標示対象者の目線の高さに各発光部4からの光が放射されるように固定されて、道路脇や交差点などに設置される。
【0013】
2は支柱である。支柱2は図3に示されるようにアルミニウム合金の押出成形によって形成されており、円柱状の側壁22の前方に長手方向に切り欠くように形成された開口部21を備えた略C字状の断面形状に形成している。
側壁22の内側には開口部21の各々の側端に沿うように凹溝23が左右に形成されており、この両凹溝23はそれぞれに開口方向を向けて対向するように設けられている。
【0014】
4は発光部である。本実施形態では、発光部4は、後面が開口した箱体の透光性の保護カバー部42を前面に有し、保護カバー部42の開口部分にはこれを塞ぐように背面板47が取り付けられ、発光部4が箱形のユニット体に形成されている。
保護カバー部42の両側の側面には、保護カバー部42の上面から下面に亘るように突条部48が形成されており、この突条部48は保護カバー部42の両側の側面において互いが反対方向を向くように形成されている。
また、保護カバー部42の上面および下面は発光部4や後述の反射体5を段積みできるようにそれぞれ平面に形成されている。
保護カバー部42の材質としては、透明なポリカーボネート樹脂を用いることができ、これに限らず透光性を有するものであれば何でも良く、アクリル樹脂やガラスなどを用いてもよい。本実施形態ではポリカーボネート樹脂を用いている。
【0015】
保護カバー部42と背面板47とに囲われた発光部4の内部には、発光体41が内装されている。本実施形態では発光体41にLEDを用いており、発光体41は発光させる光の向きを同じ方向に向けて配線基板49上に横方向に3個一列に取り付けられ、これを上下方向に二列配置して合計6個ずつ取り付けられている。配線基板49は、発光体41から発する光が保護カバー部42の前面に向けられるように、発光部4に内装されている。このとき、発光体41の列の向きが、発光部4の上下方向に沿うように配置されており、発光部4の側壁に形成された突条部48と同一方向としている。
【0016】
前記の発光部4の保護カバー部42の前面は、図3及び図4に示されるように左右方向には平面に形成されると共に、上下方向には凸状に曲成されたレンズ部43が設けられている。レンズ部43は発光体41から発せられる光を透過して発光部4の外部に出射する際に、光が上下方向に拡散するのを防いでいる。
【0017】
突条部48の大きさと間隔は、支柱2に形成された凹溝23の大きさと対向する各凹溝23同士の間隔にそれぞれ対応するように形成されており、発光部4はその前面を支柱2の前方に向けて、前記凹溝23に突条部48を挿入して支柱2に固定されている。発光部4は、突条部48を凹溝23に挿入して固定されるので、発光部4は両側の側面で強固に固定され、方向などのずれを容易に起こさない。本実施形態では、支柱に設けた開口部21と凹溝23の長さを発光部4を複数段積みして設置できる大きさに形成しているので、凹溝23に突条部48を挿入するだけで各発光部4を容易に段積み可能としている。また、発光部4の発光体41は突条部48の方向に合わせて列状に配置しているので、複数の発光部4を同一の凹溝23に段積みしたとき、各発光部4の発光体41が自動的に同じ方向に沿った列として配置される。
【0018】
本実施形態では、突条部48に対応した凹溝23に挿入させて発光部4を段積み可能とできるので、突条部48に対応した凹溝23の長さを変更することで段積みする発光部4の個数を容易に変更できる。例えば支柱2の長さを変更して、それに応じた個数の発光部4を取り付けることが可能である。
【0019】
5は反射体である。
発光部4は1本の支柱2にそれぞれ6個ずつ取り付けられており、支柱2の上方と下方にそれぞれ3個づつ取り付けられ、これらの間に反射体5が取り付けられている。
反射体5は図2(ロ)に示されるように前面が左右方向にアールを描いて前方に突出するかまぼこ形状の箱体に形成され、前面が光の再帰反射性を有するように構成されている。反射体5の左右の側面には、発光部4の突条部48と同じ大きさと間隔の突条部52がその上面から下面に至るように上下方向にそれぞれ形成されており、発光部4と同様に前記の突条部52を支柱2の凹溝23に挿入させて、支柱2に固定される。
反射体5を発光部4と上下方向に並設させて設けることで、発光部4の発する光と、反射体5によって再帰反射されるヘッドライト等の光とが、それぞれ光の強さや色調を異ならせて視認されるので、視認される光が複雑でより誘目性を高めたものとなされ、道路用標示体1の視認性を高める。
【0020】
発光部4は、図7に示されるように道路用標示体1の上部に配置された筐体6に内装された蓄電部62aや制御部62b等の電気部材62から電力と制御を受けて発光されるが、この筐体6は箱体に形成された本体部63と、これにヒンジHを介して開閉自在に固定された蓋部64とから構成されている。
【0021】
図5は図1に示す筐体6の本体部63を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
本体部63は、底板63aと、その側縁から上方に延設される前面本体側板63b、左右本体側板63c、後面本体側板63d、とから構成された、上方に本体開口部63eを有する箱体に形成されている。
底板63aは台形状の板体に形成されており、詳細には、後方の辺の左右両端から左右の辺が前方へ向けて直角にそれぞれ形成され、左右の各辺の端部からは斜め前方へ向かってそれぞれが収束するように斜辺が形成され、更にこれらの辺の端部を結ぶように前方の辺が形成されている。
底板63aには、円形の支柱挿入穴61が3箇所形成されており、これに支柱2の上端25を挿入させることで、支柱2の向きを回転調整可能に支持させることができる。
【0022】
そして、前記の後面本体側板63dは前記底板63aの後方の辺から上方へ垂直に延設されている。
前記の各左右本体側板63cは前記底板63aの左右の辺からそれぞれ上方へ垂直に延設されており、後面本体側板63dと同じ高さに形成させている。
前記の前面本体側板63bは前記底板63aの前方の辺と、この端から左右の辺の端へ延びる斜め方向に形成された2つの斜辺からそれぞれ上方へ延設させており、後面本体側板63d及び左右本体側板63cより低い高さに形成させている。
上記のように各本体側板63b〜63dと底板63aとを形成させることで、筐体6の本体部63は、筒状に形成された各本体側板63b〜63dの上方が開口されて本体開口部63eを形成させ、下方が底板63aで閉塞されて本体部63を箱体に形成させている。
【0023】
前記の各左右本体側板63cには、開蓋固定穴66と閉蓋固定穴65とが左右本体側板63cの上部と下部とに形成されている。前記の閉蓋固定穴65と開蓋固定穴66にはそれぞれ雌ねじが形成されており、これは後述する蓋部64の固定に用いる固定ねじを螺結させるために用いられる。
また、図5は本体部63の底板63aと、各本体側板63b〜63dの形状を表しており、内装されている電気部材62等は記載を省略している。
【0024】
図6は図1に示す筐体6の蓋部64を示す、(イ)平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は背面図であり、(ホ)は底面図である。
蓋部64は、天板64aと、その側縁から下方に延設される前面蓋側板64b、左右蓋側板64c、後面蓋側板64d、とから構成された、下方に蓋開口部64eを有する箱体に形成されている。
天板64aは台形状の板体に形成されており、前記の筐体6の本体部63の底板63aと同様の形状に形成されているが、天板64aの前方の辺に該当する部分はアール68を描いて前面蓋側板64bの前方の面に延設されるように形成されている。
【0025】
前面蓋側板64bは前記天板64aの前方の辺に該当する部分と、この端から左右の辺の端へ延びる斜め方向に形成された2つの斜辺からそれぞれ下方へ延設させており、前記のように天板64aの前方の辺に該当する部分からアール68を描くようになだらかに形成されている。
前記の各左右蓋側板64cは前記天板64aの左右の辺からそれぞれ下方へ垂直に延設されており、その延設大きさを前面蓋側板64bと同じ大きさに形成させている。
前記の後面蓋側板64dは前記天板64aの後方の辺から下方へ垂直に延設されており、その延設大きさは前記の前面蓋側板64b及び各左右蓋側板64bより小さく形成されている。
上記のように各蓋側板64b〜64dと天板64aとを形成させることで、筐体6の蓋部64は本体部63と同様に、筒状に形成された各蓋側板64b〜64dの下方が開口されて蓋開口部64eを形成させ、上方が天板64aで閉塞されて蓋部64を箱体に形成させている。
【0026】
前記の各左右蓋側板64cの下部には、蓋固定貫通穴67が形成されている。これは後述する蓋部64の固定に用いる固定ねじを螺結させるために用いられ、前記の本体部63の閉蓋固定穴65に対応した位置に形成されている。
また、図6は蓋部64の天板64aと、各蓋側板64b〜64dの形状を表しており、内装されている電気部材62等は記載を省略している。
【0027】
図7は筐体6の断面を示す図1のC−C断面図であり、図8は図7の筐体6の蓋部を開いた状態を示す断面図である。
支柱2は、その上端25を、筐体6の本体部63の底板63aに設けられた支柱挿入穴61に挿入させると共に、支柱支持体8に支持されて回転可能に支持されており、発光体4から発する光の向きを水平の任意の方向へ調整可能に構成されている。
また、図7においては、図面の簡略化のために、並設された3本の支柱2の内、道路用発光標示体1の後方側に配置された支柱2の図示を省略している。
【0028】
筐体6において、蓋部64の筒内に本体部63が挿入された状態で、蓋部64は本体部63に取り付けられ、蓋部64が本体開口部63eを覆うように固定されている。具体的には、蓋部64において形成された各蓋側板64b〜64dによる筒形状は、図7に示されるように本体部63における各本体側板63b〜63dの筒形状より、わずかに大きく形成されており、各蓋側板64b〜64dの形成する筒の少なくとも下端部分が、各本体側板63b〜63dの形成する筒の外側面の外側を囲うように取り付けられている。
このように蓋部64を本体部63に取り付けることで、道路用標示体1を屋外で使用した場合に、筐体6に雨水などがかかっても、蓋部64に付着した雨水は各蓋側板64b〜64dを流れ落ち、本体開口部63eから浸入することなく各本体側板63b〜63dの外側を流れ落ちるので、本体部63と蓋部64との間にシール材などによる止水手段を特に講じる必要がない。
【0029】
また、筐体6においては、ヒンジHの固定板h1を本体部63の後面本体側板63dに固定させ、前記ヒンジHの可動板h2を蓋部64の後面蓋側板64dに固定させて、それぞれを固定させている。上記のように蓋部64を本体部63に取り付けることで、蓋部64の前面蓋側板64bを持ち上げると、ヒンジHが動き、図8に示すように蓋部64が上方に移動され、本体部63の本体開口部63eが開口される。
本実施形態の本体部63は、前面本体側板63bが他の本体側板63c、63dより低く形成させているので、蓋部64を持ち上げたときに本体開口部63eが前面がわに大きく開口して形成されるようになされており、本体部63に内装させた電気部材62を容易に取り扱えるようにしている。
【0030】
支柱2に取り付けられた発光部4は、筐体6に内装された電気部材62から電力と制御を受けてあらかじめ定められた発光パターンで発光するように構成されている。本実施形態の道路用標示体1の電気部材62は、主に、充電池や電気二次コンデンサーなどから構成され発光部4を発光させる電力を蓄える蓄電部62a、発光部4の発光パターンをあらかじめ記憶させた集積回路などを備えた基板から形成された制御部62b、発光パターンを切り替えるためのスイッチ等を板表面上に設けて操作盤を形成させた操作部62c、から構成させており、蓄電部62aを筐体6の本体部63に固定させ、制御部62b及び操作部62cを蓋部64に固定させて、それぞれ筐体6内に内装されるように取り付けている。
【0031】
本実施形態の蓄電部62aは、本体部63の後面本体側板63dの内側面に取り付けられており、経年劣化などして蓄電部62aの交換が必要になった場合に、蓋部64を持ち上げて、前面側から交換作業が容易に行えるように配置されている。
【0032】
本実施形態の操作部62cは、蓋部64の天板64aと平行に取り付けられており、具体的には、取付金具7を介して天板64aの内側面に取り付けられている。
図9は本実施形態の筐体6の蓋部64に操作部62cを取り付けるための取付金具を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
本実施形態の取付金具7は、長方形の平板状の金属板を折り曲げて形成されている。
具体的には取付金具7の上部には、長方形の平板状に形成された蓋部側取付部71が設けられており、この蓋部側取付部71の前方及び後方の辺から垂直下方へ延びるように脚部72がそれぞれ形成され、更に各脚部72の端縁から水平方向へ拡がるように延設された操作部側取付部73a、73bがそれぞれ形成されている。操作部側取付部73aと操作部側取付部73bは、前記の蓋部側取付部71の前方の辺と後方の辺とからそれぞれ延設されたものであるが、後方側に設けられた操作部側取付部73bにおいては、水平方向に延ばされた端縁から更に垂直上方へ延びる当接部74が形成されている。
【0033】
図7に示すように、取付金具7は操作部側取付部73aを前面蓋側板64bの方へ向け、操作部側取付部73bを後面蓋側板64d側に向けて、蓋部側取付部71の上面を蓋部64の天板64aの内側面に当接させて固定されている。
操作部62cは、この取付金具7から延設された各操作部側取付部73a、73bの下面に当接されて固定され、蓋部64の天板64aと平行に間隔を開けて配置される。
より詳細には、操作部62cの板表面上には発光部4の発光パターンを切り替えるためのスイッチ等が設けられているが、この板表面を下方に向けて、板裏面を各操作部側取付部73a、73bに当接させて固定させている。
このように操作部62cを取り付けることで、蓋部64を持ち上げて筐体6を開いたときに、図8に示すように操作部62cの表面が筐体6の前面側に向けられるようになされるので、操作部62cの操作の作業を容易に行える。
本実施形態の操作部62cは、板表面上に発光パターンの切り替えを行うスイッチ等を設けて構成させているが、これに限るものではなく、別体に構成された端末装置と発光パターンの切り替え信号を送受信するためのケーブルを繋ぐための端子の類を設けるように形成させてもよい。
【0034】
本実施形態の取付金具7には、操作部側取付部73bの端縁から当接部74を延設させているが、これは図8に示すように、蓋部64を持ち上げて筐体6を開いたときに、当接部74の端が本体部63の後面本体側板63dの内側面に当接されるように設けられている。これによって、ある一定の大きさ以上には蓋部64が開くことを防止でき、操作部62cを操作する作業を好適に行うことができる。本実施形態では、図8に示すように、蓋部64が90°の角度以上に開く事を防止させている。
【0035】
本実施形態の電気部材62の一つである制御部62bは、操作部62cの板裏面側に隙間を開けて取り付けられており、取付金具7の各脚部72の間に収納されている。
本実施形態の制御部62bや操作部62cは、それぞれ基板や操作盤のように形成されているので、その重量は充電池などを用いる蓄電部62aなどと比較して軽量に形成されている。このため、制御部62bや操作部62cを筐体6の蓋部64に取り付けても、ヒンジHに過剰な力がかからないように構成されており、筐体6を比較的簡素な構造とすることができる。
【0036】
図5及び図6に示した閉蓋固定穴65と蓋固定貫通穴67とは、筐体6の蓋部64が閉じられているときに、それぞれが重なるように配置されて形成されている。
この状態で、固定ねじの雄ねじ部分を蓋部64の外側から蓋固定貫通穴67に挿入させ、閉蓋固定穴65に形成された雌ねじに羅結させて、蓋部64を持ち上げて開く事ができないように本体部63に固定させる。
図10は図1の筐体6の蓋部64を開いた状態を示す筐体6の側面図である。
蓋部64を開く際には、固定ねじを取り外せば良いが、蓋部64を持ち上げて図10のような状態となったときに、取り外した固定ねじを開蓋固定穴66に羅結させることで、蓋部64を持ち上げ続けなくても、蓋部64の左右蓋側板64cの縁が前記の固定ねじの頭部に当接されて、蓋部64が閉じるのを防止でき、作業を容易に行うことが出来る。
また、このように取り外した固定ねじを開蓋固定穴66に羅結させるようにすれば、固定ねじを紛失させるような問題の発生も防止できる。
【符号の説明】
【0037】
1 道路用標示体
2 支柱
21 開口部
22 側壁
23 凹溝
25 上端
4 発光部
41 発光体
42 保護カバー部
43 レンズ部
47 背面板
48 突条部
49 配線基板
5 反射体
52 突条部
6 筐体
61 支柱挿入穴
62 電気部材
62a 蓄電部
62b 制御部
62c 操作部
63 本体部
64 蓋部
65 閉蓋固定穴
66 開蓋固定穴
67 蓋固定貫通穴
68 アール
7 取付金具
8 支柱支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を用いて使用される道路用標示体であって、
該道路用標示体は電力を利用する電気部材を内装した筐体と備え、
該筐体は本体部と、該本体部に開閉自在に取り付けられる蓋部とを有し、
前記本体部は筒状に形成された本体側板の下方が閉塞され上方に本体開口部を有する箱体に形成され、
前記蓋部は筒状に形成された蓋側板の上方が閉塞され下方が開口された箱体に形成され、
前記蓋部の筒内に前記本体部が挿入された状態で、前記蓋部が前記本体部の本体開口部を覆い、且つ開閉可能に取り付けられていることを特徴とする道路用標示体
【請求項2】
請求項1に記載の道路用標示体であって、
該道路用標示体は電力を用いて標示のパターンを変更可能に構成され、
前記電気部材は前記標示のパターンを変更させる操作を行うための操作部を有し、
前記蓋部は、前記本体部の背面側の本体側板に取り付けられたヒンジを介して開閉自在に固定される共に、前記操作部が前記蓋部に固定されていることを特徴とする道路用標示体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−111814(P2011−111814A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269755(P2009−269755)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】