説明

遠心圧縮機

【課題】羽根車の出口における空気温度の高温化に耐え得る遠心圧縮機を提供すること。
【解決手段】羽根車3の背面に、環状多重に配置された複数本のフィン3a,3bと、これらフィン3a,3bと対向する位置に配置されたラビリンスパッキン5とを有し、羽根車3の出口と羽根車3の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、ラビリンスパッキン5に、羽根車3の背部圧力よりも高圧の冷却空気を供給する環状空間12を形成し、冷却空気を環状空間12から羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機1であって、環状空間12は、冷却空気が、羽根車3の背面に平行となる平面に沿うとともに、羽根車3の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、排気タービン過給機の圧縮機等に適用される遠心圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
排気タービン過給機の圧縮機等に適用される遠心圧縮機としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2934530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された遠心圧縮機では、羽根車の背面周端部に向かって低温の高圧空気が供給され、羽根車の背面が冷却されるようになっており、これにより遠心圧縮機の圧力比が、従来の遠心圧縮機よりも高められるようになっている。
しかしながら近年、遠心圧縮機のさらなる高圧力比化に伴って、羽根車の出口における空気温度がさらに高温化してきた。そのため、近年では、羽根車の出口における空気温度のさらなる高温化に耐え得る遠心圧縮機の開発が要求されている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、羽根車の出口における空気温度の高温化に耐え得る遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る遠心圧縮機は、羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、前記冷気体が、前記羽根車の背面に平行となる平面に沿うとともに、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられている。
【0007】
本発明に係る遠心圧縮機によれば、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに沿って平行となり、かつ、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れの接線方向に平行となる冷気体が、羽根車の半径方向外側から半径方向内側に向かって、供給口から流されるようになっている。
これにより、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに、供給口から供給された冷気体が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
【0008】
本発明に係る遠心圧縮機は、羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、前記冷気体が、前記羽根車の背面に対して10度〜80度の角度を有し、かつ、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられている。
【0009】
本発明に係る遠心圧縮機によれば、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに沿うとともに、羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに対して10度〜80度の角度を有し、かつ、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れの接線方向に平行となる冷気体が、羽根車の半径方向外側から半径方向内側に向かって、供給口から流されるようになっている。
これにより、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに、供給口から供給された冷気体が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
また、冷気体が、羽根車の背面に対して10度〜80度の角度をもって供給される(流される)ことになるので、羽根車の背面が、冷気体によりインピンジメント冷却されることになる。
これにより、羽根車の温度上昇をさらに抑えることができ、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
【0010】
上記遠心圧縮機において、前記羽根車の出口における空気温度を逐次測定して、その測定結果を制御器に逐次出力する温度センサーと、この温度センサーから送られてきた測定結果に基づいて、前記供給口に連通する空気通路の途中に接続された制御弁の弁開度を制御する制御器とが設けられているとさらに好適である。
【0011】
このような遠心圧縮機によれば、羽根車の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合には制御弁が閉じられ、供給口から羽根車の背面への冷気体の供給が停止され、羽根車の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)を超えた場合のみ制御弁が開けられ、供給口から羽根車の背面への冷気体の供給が開始されることになる。
これにより、羽根車の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合における、羽根車の背面と冷気体との摩擦損失をなくすことができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
また、供給口から供給される冷気体の消費量を低減させることができる。
【0012】
本発明に係る排気タービン過給機は、上記いずれかの遠心圧縮機を具備している。
このような排気タービン過給機によれば、羽根車の温度上昇を抑えることができ、この温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる遠心圧縮機を具備しているので、遠心圧縮機の高圧力比化を図ることができる。
【0013】
本発明に係る内燃機関は、上記排気タービン過給機を具備しているので、内燃機関に高圧力の圧縮空気を供給することができて、内燃機関の高出力比化を図ることができる。
また、このような内燃機関によれば、供給口から供給される冷気体の消費量を低減させることができるので、内燃機関に供給される空気量を増加させることができて、内燃機関の高出力比化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、羽根車の温度上昇を抑えることができて、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を具備した排気タービン過給機の要部概略構成図である。
【図2】図1に示す遠心圧縮機の要部を拡大して示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機の要部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る遠心圧縮機の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る遠心圧縮機1を具備した排気タービン過給機100の要部概略構成図、図2は図1に示す遠心圧縮機1の要部を拡大して示す図、図3は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図、図4は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る遠心圧縮機1の、ロータ軸2に固定された羽根車3の周端部に位置する背面と、ケーシング4との間には、ラビリンスパッキン(シール機構)5が配設されている。
【0017】
ラビリンスパッキン5は、羽根車3の出口と、羽根車3の背部に形成されたシール空間(空間)6との間をシールするものである。また、シール空間6は放風穴7によって外部と連通しており、ラビリンスパッキン5を通過してシール空間6へ入る若干量の空気を外部へ放出して、シール空間6内の圧力を低下させるようにしている。これにより、羽根車3の出口における高圧の空気が羽根車3の背面に入って、ロータ軸2を羽根車3の入口の方向に押す推力を発生するのを阻止し、その結果、主スラスト軸受8の面圧を低下させ、主スラスト軸受8の負担を低減している。
なお、図1中の符号9はスラストカラー、符号10は反スラスト軸受、符号11はディフューザである。
【0018】
ラビリンスパッキン5は、半径方向外側に位置する外側領域5aと半径方向内側に位置する内側領域5bとに分けられており、これら外側領域5aと内側領域5bとの間、すなわち、ラビリンスパッキン5の径方向における中央部には、環状空間(供給口)12が形成されている。この環状空間12には、空気通路13(図7参照)を介して、低温で、かつ、羽根車3の背部における圧力P1よりも高い圧力P2の空気(冷気体)が外部から供給されるようになっている。この低温高圧空気、すなわち、低温で、かつ、羽根車3の背部における圧力P1よりも高い圧力P2の空気としては、例えば、排気タービン過給機100から空気冷却器(図示せず)を経て内燃機関(図示せず)へ供給される低温高圧力の圧縮空気等が用いられる。
【0019】
また、ラビリンスパッキン5の外側領域5aと対向する羽根車3の背面には、フィン(凸部)3aが周方向に沿って設けられており(形成されており)、ラビリンスパッキン5の内側領域5bと対向する羽根車3の背面には、フィン(凸部)3bが周方向に沿って設けられている(形成されている)。
【0020】
さて、本実施形態における環状空間12、およびこの環状空間12に連通する空気通路13は、図3に示すように、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに沿って平行となり、かつ、図4に示すように、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASの接線方向に平行となる低温高圧空気(以下、「冷却空気」という。)CAが、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から噴き出されるように設けられている(構成されている)。すなわち、本実施形態における環状空間12、およびこの環状空間12に連通する空気通路13、図3に示すように、羽根車3の背面に平行となる平面に沿うとともに、図4に示すように、羽根車3の外周縁の接線方向に平行となる冷却空気が、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から噴き出されるように設けられている。
【0021】
本実施形態に係る遠心圧縮機1によれば、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに沿って平行となり、かつ、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASの接線方向に平行となる冷却空気CAが、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から流されるようになっている。
これにより、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに、環状空間12から供給された冷却空気CAが衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
【0022】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機について、図5および図6を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図、図6は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
【0023】
本実施形態における環状空間12、およびこの環状空間12に連通する空気通路13(図7参照)は、図5に示すように、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに沿うとともに、羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに対して10度〜80度(より好ましくは、30度〜60度)の角度を有し、かつ、図6に示すように、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASの接線方向に平行となる冷却空気CAが、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から羽根車3の背面に向かって噴き出されるように設けられている(構成されている)。すなわち、本実施形態における環状空間12、およびこの環状空間12に連通する空気通路13、図5に示すように、羽根車3の背面に対して10度〜80度(より好ましくは、30度〜60度)の角度を有し、かつ、図6に示すように、羽根車3の外周縁の接線方向に平行となる冷却空気が、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から羽根車3の背面に向かって噴き出されるように設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0024】
本実施形態に係る遠心圧縮機によれば、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに沿うとともに、羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに対して10度〜80度(より好ましくは、30度〜60度)の角度を有し、かつ、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASの接線方向に平行となる冷却空気CAが、羽根車3の半径方向外側から半径方向内側に向かって、環状空間12から流されるようになっている。
これにより、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに、環状空間12から供給された冷却空気が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
また、冷却空気CAが、羽根車3の背面に対して10度〜80度(より好ましくは、30度〜60度)の角度をもって供給される(流される)ことになるので、羽根車3の背面が、冷却空気CAによりインピンジメント冷却されることになる。
これにより、羽根車3の温度上昇をさらに抑えることができ、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
【0025】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機について、図7を参照しながら説明する。
図7は本実施形態に係る遠心圧縮機の要部を拡大して示す図である。
【0026】
図7に示すように、本実施形態に係る遠心圧縮機31は、羽根車3の出口における空気温度を逐次測定して、その測定結果(測定値)を制御器32に逐次出力する温度センサー33と、この温度センサー33から送られてきた測定結果に基づいて、環状空間12に連通する空気通路13の途中に接続された(設けられた)制御弁34の弁開度(流量)を制御する制御器32とが設けられているという点で上述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0027】
本実施形態に係る遠心圧縮機31によれば、羽根車3の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合には制御弁34が閉じられ、環状空間12から羽根車3の背面への冷却空気CAの供給が停止され、羽根車3の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)を超えた場合のみ制御弁34が開けられ、環状空間12から羽根車3の背面への冷却空気の供給が開始されることになる。
これにより、羽根車3の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合における、羽根車3の背面と冷却空気との摩擦損失をなくすことができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
また、環状空間12から供給される冷却空気の消費量を低減させることができる。
【0028】
さらに、上記いずれかの遠心圧縮機を具備した排気タービン過給機100によれば、羽根車3の温度上昇を抑えることができ、この温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる遠心圧縮機を具備しているので、遠心圧縮機の高圧力比化を図ることができる。
【0029】
さらにまた、上記排気タービン過給機を具備した内燃機関(例えば、舶用内燃機関)によれば、当該内燃機関に高圧力の圧縮空気を供給することができて、当該内燃機関の高出力比化を図ることができる。
また、このような内燃機関によれば、環状空間12から供給される冷却空気の消費量を低減させることができるので、当該内燃機関に供給される空気量を増加させることができて、当該内燃機関の高出力比化を図ることができる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 遠心圧縮機
3 羽根車
3a フィン
3b フィン
5 ラビリンスパッキン
12 環状空間(供給口)
13 空気通路
31 遠心圧縮機
32 制御器
33 温度センサー
34 制御弁
100 排気タービン過給機
CA 冷却空気(冷気体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、
前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、
前記冷気体が、前記羽根車の背面に平行となる平面に沿うとともに、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられていることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、
前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、
前記冷気体が、前記羽根車の背面に対して10度〜80度の角度を有し、かつ、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられていることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項3】
前記羽根車の出口における空気温度を逐次測定して、その測定結果を制御器に逐次出力する温度センサーと、この温度センサーから送られてきた測定結果に基づいて、前記供給口に連通する空気通路の途中に接続された制御弁の弁開度を制御する制御器とが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機を具備していることを特徴とする排気タービン過給機。
【請求項5】
請求項4に記載の排気タービン過給機を具備していることを特徴とする内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−82689(P2012−82689A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226839(P2010−226839)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】