説明

遠心圧縮機

【課題】遠心圧縮機1のサージを十分に抑制して、遠心圧縮機1の作動域をより低流量側へ拡大すること。
【解決手段】吸入口25とインペラ11との間に円筒空間状の拡大部33が形成され、拡大部33の入口側に内径を上流方向に向かって漸次縮径した入口テーパ部35が形成され、拡大部33の出口側に内径を下流方向に向かって漸次縮径した出口テーパ部37が形成され、拡大部33の内径が吸入口25の内径よりも大きくかつインペラ11の入口径の2倍以上に設定されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機、ガスタービン、産業用空気設備等に用いられ、遠心力を利用して空気等のガスを圧縮する遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用過給機等の過給器に用いられる一般的な遠心圧縮機の構成について簡単に説明すると、次のようになる。
【0003】
一般的な遠心圧縮機は、ハウジングを具備しており、このハウジングは、内側に、シュラウド(壁面)を有している。また、ハウジングのシュラウド内には、インペラが回転可能に設けられており、このインペラは、その軸心周りに回転可能かつ外周面(ハブ面)がインペラの軸方向から径方向外側へ延びたディスク(ハブディスク)、及びこのディスクの外周面に間隔を置いて設けられた複数枚のブレードを備えている。
【0004】
ハウジングの外壁におけるインペラの入口の下流側には、空気(ガスの一例)を吸入する吸入口が形成されている。また、ハウジングの内部におけるインペラの出口側には、圧縮した空気を排気する排気流路が形成されており、ハウジングの外壁の適宜位置には、圧縮した空気を吐出する吐出口が排気流路に連通して形成されている。
【0005】
従って、遠心圧縮機を運転する場合には、インペラを回転させることにより、吸入口からインペラ側に吸入した空気を遠心力を利用して圧縮することができると共に、圧縮した空気を排気流路を経由して吐出口からハウジングの外側へ吐出することができる。
【0006】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献3に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−209694号公報
【特許文献2】特開2004−27931号公報
【特許文献3】特開平9−310699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、遠心圧縮機のサージを抑制して、遠心圧縮機の作動域をより低流量側へ拡大するという要請が強くなってきている。
【0009】
そこで、本発明は、作動域をより低流量側へ拡大することができる、新規な構成の遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者は、前述の課題を解決するために、試行錯誤を繰り返した結果、図4(a)(b)に示すように、吸入口とインペラとの間に適正な内径を有した円筒空間状の拡大部を形成することにより、拡大部の壁面付近の環状空間内の圧力が高くなり、拡大部を形成しない場合に比べて、サージ近傍におけるインペラの上流側の逆流領域が上流方向に拡大されることを抑制できるという、新規な知見を得ることができ、本発明を完成するに至った。ここで、適正な内径とは、吸入口の内径よりも大きくかつインペラの入口径の2倍以上の内径のことをいう。また、前述の新規な知見は、拡大部の壁面付近の環状空間が所謂ダンパーとしての機能を発揮して、逆流の圧力エネルギーを受け止めることによるものと考えられる。なお、拡大部の入口側(直上流側)には、内径を上流方向に向かって上流方向に向かって漸次縮径した入口テーパ部が形成されており、拡大部の出口側(直下流側)には、内径を下流方向に向かって漸次縮径した出口テーパ部が形成されている。
【0011】
ここで、図4(a)は、吸入口とインペラとの間に円筒空間状の拡大部を形成しない場合において、サージ近傍におけるインペラの上流側の逆流領域を示す図、図4(b)は、吸入口とインペラとの間に円筒空間状の拡大部を形成した場合において、サージ近傍におけるインペラの上流側の逆流領域を示す図であって、図4(a)(b)中の逆流領域は、3次元定常粘性CFD(Computational Fluid Dynamics)により解析した圧力分布から求めたものである。
【0012】
本発明の第1の特徴は、遠心力を利用してガスを圧縮する遠心圧縮機において、内側にシュラウド(壁面)を有したハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に設けられ、軸心周りに回転可能かつ外周面(ハブ面)が軸方向から径方向外側に向かって延びたディスク(ハブディスク)、及び前記ディスクの外周面に周方向に間隔を置いて設けられた複数枚のブレードを備えたインペラと、を具備し、前記インペラの入口の上流側にガスを吸入する吸入口が形成され、前記インペラの出口側(直下流側)に圧縮したガスを排気する排気流路が形成され、前記ハウジングの外壁に圧縮したガスを吐出する吐出口が前記排気流路に連通して形成され、前記吸入口と前記インペラとの間に円筒空間状(円柱空間状)の拡大部(ストレート部)が形成され、前記拡大部の内径が前記吸入口の内径よりも大きくかつ前記インペラの入口径の2倍以上に設定されていることを要旨とする。
【0013】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「ガス」とは、空気、窒素ガス、水素ガス等を含む意である。また、「軸心」とは、インペラの軸心のことであって、「軸方向」とは、インペランの軸方向のことであって、「径方向」とは、インペラの径方向のことである。更に、「上流」とは、主流のガスの流れ方向から見て上流のことであって、「下流」とは、主流のガスの流れ方向から見て下流のことである。
【0014】
本発明の第1の特徴によると、前記遠心圧縮機を運転する場合には、前記インペラを回転させることにより、前記吸入口から前記インペラ側に吸入したガスを遠心力を利用して圧縮することができると共に、圧縮したガスを前記排気流路を経由して前記吐出口から前記ハウジングの外側へ吐出することができる。
【0015】
前述の作用の他に、前記吸入口と前記インペラとの間に円筒空間状の前記拡大部が形成され、前記拡大部の内径が前記吸入口の内径よりも大きくかつ前記インペラの入口径の2倍以上に設定されているため、前述の新規な知見を適用すると、サージ近傍における前記インペラの上流側の逆流領域が上流方向に拡大することを抑制できる。
【0016】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、前記ブレードの軸長(前記ブレードの前記軸方向の長さ)に対する前記ブレードの前縁から前記拡大部までの前記軸方向の長さの比率は、1.0〜6.0に設定されていることを要旨とする。
【0017】
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「ブレードの軸長」とは、ブレードにおける前縁のチップ端(先端)から後縁のハブ端(基端)までの長さのことをいい、軸長の異なる複数種のブレードを備えている場合には、最も長いブレードの軸長のことをいう。
【0018】
本発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に加えて、前記ブレードの軸長に対する前記拡大部の軸長の比率は、0.5〜5.0に設定されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、サージ近傍における前記インペラの上流側の逆流領域が上流方向に拡大することを抑制できるため、前記遠心圧縮機のサージを十分に抑制して、前記遠心圧縮機の作動域をより低流量側へ拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機の断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機の部分拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機の断面図である。
【図4】図4(a)は、吸入口とインペラとの間に円筒空間状の拡大部を形成しない場合において、サージ近傍におけるインペラの上流側の逆流領域を示す図、図4(b)は、吸入口とインペラとの間に円筒空間状の拡大部を形成した場合において、サージ近傍におけるインペラの上流側の逆流領域を示す図インペラの上流側の逆流領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、図面中において、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向をそれぞれ指してある。
【0022】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機1は、車両用過給機に用いられ、遠心力を利用して空気(ガスの一例)Aを圧縮するものである。そして、本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機1の具体的な構成は、以下のようになる。
【0023】
本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機1は、ハウジング3を具備しており、このハウジング3は、内側にシュラウド(内壁)5sを有したハウジング本体5と、このハウジング本体5の後側に設けられたシールプレート7等からなる。なお、シールプレート7は、車両用過給機における別のハウジング(ベアリングハウジング)9に一体的に連結されてある。
【0024】
ハウジング本体5のシュラウド5s内には、インペラ(コンプレッサインペラ)11が回転可能に設けられている。
【0025】
具体的には、ハウジング本体5のシュラウド5s内には、ディスク(ハブディスク)13が設けられており、このディスク13は、インペラ11の軸心11c周りに回転可能であって、別のハウジング9に回転可能に設けられたロータ軸(タービン軸)15の一端部(前端部)に固定ナット17を介して一体的に連結されている。また、ディスク13の外周面(ハブ面)13fは、インペラ11の軸方向(前後方向)B1から径方向B2外側に向かって延びてあって、ディスク13の背面13dは、シールプレート7に対向してある。なお、ロータ軸15は、ロータ軸15の他端部(後端部)一体的に連結された図示省略の別のインペラ(タービンインペラ)からの回転力によって回転するようになっている。
【0026】
ディスク13の外周面13fには、軸長の異なる2種類のフルブレード(全羽根)19及びスプリッタブレード(短羽根)21が周方向に間隔を置いて交互に設けられており、2種類のブレード19,21は、複数枚のフルブレード19と、各隣接するフルブレード19間に配置されたスプリッタブレード21である。ここで、フルブレード19の前縁19aは、スプリッタブレード21の前縁21aよりも上流側(前側)に位置してあって、フルブレード19の後縁19b及びスプリッタブレード21の後縁21bは、インペラ11の軸方向B1及び径方向B2の同じ位置に位置してある。また、フルブレード19のチップ端(先端)19t及びスプリッタブレード21のチップ端(先端)21tは、ハウジング本体5のシュラウド5sに沿うように延びている。なお、軸長の異なる2種類のブレード19,21を用いる代わりに、軸長の同じブレード(図示省略)を用いても構わない。
【0027】
ハウジング本体5の外壁におけるインペラ11の入口の上流側には、筒状のケーシング23が連通して設けられている。また、筒状のケーシング23の先端側には、空気Aを吸入する吸入口25が形成されており、この吸入口25は、空気を浄化するエアクリーナ(図示省略)に配管(図示省略)を介して接続可能である。
【0028】
ハウジング本体5(ハウジング3の内部)におけるインペラ11の出口側(直下流側)には、圧縮した空気を減速させて排気する環状のディフューザ流路27(排気流路の一例)が形成されており、ハウジング本体5の内部におけるディフューザ流路27の外周側には、渦巻き状のスクロール流路29(排気流路の一例)が形成されている。また、ハウジング本体5の外壁には、空気を吐出する吐出口31がスクロール流路29及びディフューザ流路27に連通して形成されており、この吐出口31は、内燃機関の吸気マニホールド(図示省略)に配管(図示省略)を介して接続可能である。
【0029】
続いて、本発明の第1実施形態の要部について説明する。
【0030】
図1に示すように、ケーシング23の内部の中央、換言すれば、吸入口25とインペラ11との間には、円筒空間状(円柱空間状)の拡大部(ストレート部)33が形成されている。また、ケーシング23の内部における拡大部33の入口側(直上流側)には、内径を上流方向(前方向)に向かって漸次縮径した入口テーパ部35が連続して形成されており、ケーシング23の内部における拡大部33の出口側(直下流側)には、内径を下流方向(後方向)に向かって漸次縮径した出口テーパ部37が連続して形成されている。なお、拡大部33の壁面33f付近(入口テーパ部35の壁面35f付近及び出口テーパ部37の壁面37f付近を含む)には、吸入口25の内径Deと同じ内径を有した環状空間Sが形成されるようになっている。
【0031】
ここで、拡大部33の内径Dmは、吸入口25の内径Deよりも大きくかつインペラ11の入口径Diの2.0〜4.0倍に設定されている。拡大部33の内径Dmを吸入口25の内径Deよりも大きくかつインペラ11の入口径Diの2.0倍以上に設定されるようにしたのは、前述の新規な知見を適用するためのである。一方、拡大部33の内径Dmをインペラ11の入口径Diの4.0倍以下に設定されるようにしたのは、4.0倍を超えて設定されると、遠心圧縮機1が大型化して、遠心圧縮機1のコンパクト化を図ることが困難になるからである。
【0032】
フルブレード19の軸長Lsに対するフルブレード19の前縁19aから拡大部33までのインペラ11の軸方向B1の距離Ltの比率(Lt/Ls)は、1.0〜6.0、好ましくは、1.5〜4.0に設定されている。比率(Lt/Ls)を1.0以上に設定されるようにしたのは、比率(Lt/Ls)が1.0未満に設定されると、インペラ11と拡大部33の間隔が小さすぎて、遠心圧縮機1の性能が著しく低下するからである。一方、比率(Lt/Ls)を6.0以下に設定されるようにしたのは、比率(Lt/Ls)が6.0を超えて設定されると、インペラ11と拡大部33の間隔が大きすぎて、遠心圧縮機1のコンパクト化を図ることが困難になるからである。
【0033】
フルブレード19の軸長Lsに対する拡大部33の軸長Lmの比率(Lm/Ls)は、0.5〜5.0、好ましくは、0.5〜2.5に設定されている。比率(Lm/Ls)を0.5以上に設定されるようにしたのは、比率(Lm/Ls)が0.5未満に設定されると、拡大部33の軸長Lmが小さすぎて、拡大部33の壁面33f付近の環状空間Sが所謂ダンパーとしての機能を発揮して、逆流の圧力エネルギーを受け止めることが困難になるからである。一方、比率(Lm/Ls)を5.0以下に設定されるようにしたのは、比率(Lm/Ls)が5.0を超えて設定されると、遠心圧縮機1が大型化して、遠心圧縮機1のコンパクト化を図ることが困難になるからである。
【0034】
続いて、本発明の第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0035】
別のインペラからの回転力によってロータ軸15を回転させて、インペラ11を一体的に回転させることにより、吸入口25からインペラ11側に吸入した空気Aを遠心力を利用して圧縮することができると共に、圧縮した空気Aをディフューザ流路27及びスクロール流路29を経由して吐出口31からハウジング3の外側へ吐出することができる。
【0036】
前述の作用の他に、吸入口25とインペラ11との間に円筒空間状の拡大部33が形成され、拡大部33の内径Dmが吸入口25の内径Deよりも大きくかつインペラ11の入口径Diの2倍以上に設定されているため、前述の新規な知見を適用すると、サージ近傍におけるインペラ11の上流側の逆流領域が上流方向に拡大することを抑制できる。
【0037】
従って、本発明の第1実施形態によれば、遠心圧縮機1のサージを十分に抑制して、遠心圧縮機1の作動域をより低流量側へ拡大することができる(後述の実施例参照)。特に、フルブレード19の軸長Lsに対するフルブレード19の前縁19aから拡大部33までのインペラ11の軸方向B1の距離Ltの比率(Lt/Ls)が1.0〜6.0に設定され、フルブレード19の軸長Lsに対する拡大部33の軸長Lmの比率(Lm/Ls)が0.5〜5.0に設定されているため、遠心圧縮機1の大型化を抑えて、遠心圧縮機1のコンパクト化を図ることができる。
【0038】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図3を参照して説明する。なお、図面中において、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向をそれぞれ指してある。
【0039】
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機39は、車両用過給機に用いられかつ遠心力を利用して空気Aを圧縮するものであって、本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機1と同様の構成を有している。以下、遠心圧縮機39の構成のうち、遠心圧縮機1の構成と異なる部分についてのみ簡単に説明する。なお、遠心圧縮機39における複数の構成要素のうち、遠心圧縮機1における構成要素と対応するものについては、図面中に同一番号を付する。
【0040】
遠心圧縮機39にあっては、筒状のケーシング23が省略されており、それに伴い、吸入口25がハウジング3の外壁におけるインペラ11の入口の上流側(ハウジング3の外壁の前側)に形成されており、拡大部33がハウジング3の内部における吸入口25とインペラ11との間に形成されている。また、入口テーパ部35がハウジング3の内部における拡大部33の入口側(直上流側)に連続して形成されており、出口テーパ部37がハウジング3の内部における拡大部33の出口側(直下流側)に連続して形成されている。
【0041】
ここで、本発明の第2実施形態にあっても、拡大部33の内径Dmは、吸入口25の内径Deよりも大きくかつインペラ11の入口径Diの2.0〜4.0倍に設定されている。また、フルブレード19の軸長Lsに対するフルブレード19の前縁19aから拡大部33までのインペラ11の軸方向B1の距離Ltの比率(Lt/Ls)は、1.0〜6.0、好ましくは、1.5〜4.0に設定されている。更に、フルブレード19の軸長Lsに対する拡大部33の軸長Lmの比率(Lm/Ls)は、0.5〜5.0、好ましくは、0.5〜2.5に設定されている。
【0042】
そして、本発明の第2実施形態においても、本発明の第1実施形態と同様の作用及び効果を奏する他に、吸入口25、拡大部33、入口テーパ部35、及び出口テーパ部37がハウジング3に形成されているため、遠心圧縮機1の大型化を十分に抑えて、遠心圧縮機1のコンパクト化をより一層図ることができる。
【0043】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、適宜の変更を行うことにより、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【実施例】
【0044】
本発明の実施例について簡単に説明する。
【0045】
本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1を発明品として試作し、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1からケーシング23を省略したものを比較品として試作し、発明品及び比較品について実際の運転条件を模擬して性能試験を行った。その結果、発明品のサージ流量を比較品のサージ流量に対して15%低減できることが確認された。
【符号の説明】
【0046】
1 遠心圧縮機
3 ハウジング
5 ハウジング本体
5s シュラウド
11 インペラ
11c インペラの軸心
13 ディスク
13f ディスクの外周面
19 フルブレード
21 スプリッタブレード
23 ケーシング
25 吸入口
27 ディフューザ流路
29 スクロール流路
31 吐出口
33 拡大部
35 入口テーパ部
37 出口テーパ部
39 遠心圧縮機
B1 インペラの軸方向
B2 インペラの径方向
De 吸入口の内径
Di インペラの入口径
Dm 拡大部の内径
Lm 拡大部の軸長
Ls フルブレードの軸長
Lt フルブレードの前縁から拡大部までのインペラの軸方向の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心力を利用してガスを圧縮する遠心圧縮機において、
内側にシュラウドを有したハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に設けられ、軸心周りに回転可能かつ外周面が軸方向から径方向外側に向かって延びたディスク、及び前記ディスクの外周面に周方向に間隔を置いて設けられた複数枚のブレードを備えたインペラと、を具備し、
前記インペラの入口の上流側にガスを吸入する吸入口が形成され、前記インペラの出口側に圧縮したガスを排気する排気流路が形成され、前記ハウジングの外壁に圧縮したガスを吐出する吐出口が前記排気流路に連通して形成され、
前記吸入口と前記インペラとの間に円筒空間状の拡大部が形成され、前記拡大部の内径が前記吸入口の内径よりも大きくかつ前記インペラの入口径の2倍以上に設定されていることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記ブレードの軸長に対する前記ブレードの前縁から前記拡大部までの前記軸方向の距離の比率は、1.0〜6.0に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記ブレードの軸長に対する前記拡大部の軸長の比率は、0.5〜5.0に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記拡大部の入口側に内径を上流方向に向かって漸次縮径した入口テーパ部が形成され、前記拡大部の出口側に内径を下流方向に向かって漸次縮径した出口テーパ部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記ハウジングの外壁における前記インペラの入口の上流側に連通して設けられた筒状のケーシングと、を具備し、
前記吸入口が前記ケーシングの先端側に形成され、前記拡大部が前記ケーシングの内部に形成され、前記入口テーパ部が前記ケーシングの内部における前記拡大部の入口側に形成され、前記出口テーパ部が前記ケーシングの内部における前記拡大部の出口側に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記吸入口が前記ハウジングの外壁における前記インペラの入口の上流側に形成され、前記拡大部が前記ハウジングの内部における前記吸入口と前記インペラとの間に形成され、前記入口テーパ部が前記ハウジングの内部における前記拡大部の入口側に形成され、前記出口テーパ部が前記ハウジングの内部における前記拡大部の出口側に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19385(P2013−19385A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154973(P2011−154973)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】