説明

遠隔操作装置、遠隔操作方法、プログラム

【課題】緊急地震速報の放送がなくとも、地震の発生に応じて多様な電子機器を動作させられるようにしたうえで、その動作について高い自由度で設定できるようにすることを目的とする。
【解決手段】地震対応リモートコントローラに対して、ユーザが、キーコードと、キーコードの送信手順を登録させておく。地震の発生の有無は内蔵の加速度センサを利用する。地震の発生を検知した場合、地震対応リモートコントローラは、登録された送信手順にしたがって登録されたキーコードの送信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を遠隔操作(リモートコントロール)する遠隔操作装置、遠隔操作方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震の発生に際して、テレビジョン放送により提供される地震に関する情報を得るには、例えばユーザがテレビジョン受像機の電源をオンにし、この後に地震情報の取得に適しているとユーザが判断している放送局のチャンネルを選局するという操作を行うことになる。しかし、この場合には、ユーザがいつくかの操作手順を経なければならず、即座に地震の情報を得ることができないという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1のように、テレビジョン受信機に緊急地震速報時に放送される報知音を記憶させたうえで、電源部のスタンバイ状態において緊急地震速報の受信用に登録された放送局を選局しておくようにする。そして、スタンバイ状態において、放送波による音声と上記のように記憶させている報知音とが一致すると判別したときに電源部を起動するという技術が知られている。この技術によれば、緊急地震速報が放送されるのに応じてテレビジョン受信機を起動させることが可能になる。
【0004】
しかし、地震が発生したとしても、なんらかの理由で緊急地震速報が発せられない場合も想定される。このような場合、上記特許文献1の技術ではテレビジョン受信機を自動で起動させることができない。
【0005】
そこで、特許文献2のように、プロジェクタとしての表示装置に印加される加速度の検出出力と閾値の比較結果に基づいて地震発生についての判定を行い、その判定結果に応じて地震発生を通知する警告信号の表示や光源の消灯を行う技術が提案されている。このような構成であれば、緊急地震速報の放送が行われない場合でも地震の発生を検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−159190号公報
【特許文献2】特開2006−284626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載の技術は、プロジェクタが動作中である場合を前提としているために、地震の発生を判定した後の動作は、警告の表示や光源の停止に限定され、かつ、固定的なものとなっている。したがって、例えばユーザがこれ以外の動作を行わせたいと考えたとしてもこれに対応することが難しい。また、プロジェクタ以外の装置をコントロールすることについての考慮も為されていない。
【0008】
そこで本発明は、上述の課題を解決することのできる遠隔操作装置、遠隔操作方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による遠隔操作装置は、他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データを記憶する記憶部と、振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定部と、前記地震判定部により地震が発生したことが判定された場合に、前記送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御部とを備える。
【0010】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による遠隔操作方法は、前記振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定ステップと、前記地震判定ステップにより地震が発生したことが判定された場合に、他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御ステップとを備える。
【0011】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるプログラムは、コンピュータを、振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定手段、前記地震判定手段により地震が発生したことが判定された場合に、他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、緊急地震速報の放送がなくとも、地震の発生に応じて多様な電子機器を動作させられるようにしたうえで、その動作について高い自由度で設定可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の地震対応リモートコントローラの利用態様例を説明するための図である。
【図2】本実施形態の地震対応リモートコントローラに対してキーコード登録および送信手順登録を行う際の作業手順例を説明するための図である。
【図3】本実施形態の地震対応リモートコントローラの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態のキーコード登録テーブルの構造と内容の一例を示す図である。
【図5】キーコードの波形パターン例を示す図である。
【図6】本実施形態の送信手順データ部の構造例を示す図である。
【図7】本実施形態の送信手順データの構造と内容の一例を示す図である。
【図8】本実施形態におけるキーコード登録テーブルへのキーコード登録に対応する地震対応リモートコントローラの処理手順例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の地震対応リモートコントローラが実行する送信手順登録に対応する処理手順例を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の地震対応リモートコントローラが実行するリモートコントロール動作のための処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の地震対応リモートコントローラが実行するキーコード順次送信のための処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の地震対応リモートコントローラが実行する地震履歴情報記録のための処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[地震対応リモートコントローラの利用態様例および動作概要]
図1および図2を参照して、本発明の実施形態における遠隔操作装置である地震対応リモートコントローラ100の利用態様例およびその動作の概要について説明する。まず、図1には、地震対応リモートコントローラ100と、テレビジョン受像機200と、リモートコントローラ300が示されている。
【0015】
地震対応リモートコントローラ100は、地震の発生に対応して電子機器のリモートコントロールを行う装置である。この地震対応リモートコントローラ100の筐体には、キーコード送受信部110、光度センサ130、および操作部160が設けられている。キーコード送受信部110は、リモートコントロールのためのキーコードを送受信する。光度センサ130は、外部の光度を検出する。操作部160は、ユーザが地震対応リモートコントローラ100に対して操作を行う際に用いる操作子から成る。この操作部160は、主に、キーコードの登録や送信手順データの登録を行う際に使用される。
【0016】
なお、本実施形態におけるキーコードは、例えばリモートコントローラに設けられたキーに対する操作に応じた特定の指示内容を示すコードパターン(波形)による信号をいう。また、本実施形態において、キーコードの送受信には、赤外線を用いることとするが、例えば電波などとされてもかまわない。なお、キーコードは、特許請求の範囲に記載の送信信号の一例となる。
【0017】
地震対応リモートコントローラ100は、内部の加速度センサにより検出される加速度値に基づいて地震が発生したか否かを判定している。そして、地震の発生を判定すると、コントロール対象の電子機器に対して、予め登録された送信順にしたがって1以上のキーコードをキーコード送受信部110から順次送信出力する。コントロール対象の電子機器は、順次送信されるキーコードの受信に応じた動作を順次実行することになる。ユーザは、順次送信すべきキーコードの内容について、地震発生時に実行させたい所望の動作となるように予め登録しておく。これにより、コントロール対象の電子機器は地震の発生に応じた適切な動作を自動で実行することになる。
【0018】
テレビジョン受像機200は、地震対応リモートコントローラ100のコントロール対象としての電子機器の一例として代表的なものの1つであり、テレビジョン放送を受信してその映像を画面部210に表示させる。また放送音声をスピーカ(ここでは図示せず)から再生出力させる。
【0019】
テレビジョン受像機200の前面には、キーコード受信部220が設けられる。キーコード受信部220は、リモートコントローラ300から送信されるキーコードを受信する。テレビジョン受像機200は、キーコード受信部220にて受信されたキーコードに応じて所定の動作を実行する。
【0020】
リモートコントローラ300は、ユーザがテレビジョン受像機200に対するリモートコントロール(遠隔操作)を行う際に使用するもので、例えばその上面部においてユーザが操作する各種のキーが配置された操作キー部310が設けられる。この操作キー部310におけるキーに対して操作が行われるのに応じて、リモートコントローラ300は、例えばその前面に設けられたキーコード送信部(図1においては図示せず)から、操作されたキーに応じたキーコードを送信する。
【0021】
次に、地震発生時に対応して、上記図1に示す地震対応リモートコントローラ100とテレビジョン受像機200が実行する動作例について説明する。なお、平常時において、地震対応リモートコントローラ100は、次のような位置状態で配置される。つまり、キーコード送受信部110から送信するキーコードがテレビジョン受像機200のキーコード受信部220にて受信可能なように、かつ、光度センサ130によりテレビジョン受像機200の画面部210の光度を検出可能なように配置される。
【0022】
ここで、地震対応リモートコントローラ100が内部の加速度センサにより検出される加速度値に基づいて地震の発生を検知したとする。これに応じて、まず、地震対応リモートコントローラ100は、光度センサ130により検出される光度に基づいて、テレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する。つまり、スタンバイ状態であれば、画面部210からは、映像が表示されていない状態に対応した光度が検出される。これに対して、電源オンの状態であれば、画面部210からは、映像が表示されている状態に対応した光度が検出される。このように検出される光度の相違に基づいてテレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する。
【0023】
そして、スタンバイ状態と判定した場合、地震対応リモートコントローラ100は、一例として、次のように、キーコードを順次送信する。地震対応リモートコントローラ100は、まず、電源オンを指示するキーコードを送信する。次に、発生した地震に関連した情報を視聴するにあたりユーザが予め登録しておいた放送局のチャンネル(一例として国営放送のチャンネルなど)への切り替えを指示するキーコードを送信する。そして、最後に、音量の増加を指示するためのキーコードを送信する。
【0024】
上記のように順次送信されるキーコードの受信に応じて、テレビジョン受像機200は、まず、地震の発生とともにスタンバイ状態から電源がオンの状態となる。そして、このときには、地震情報の視聴のためにユーザが予め登録しておいたチャンネルの映像と音声が再生出力されている。また、再生音量については、例えば最後にスタンバイ状態にしたときに設定されていた音量よりも高くなっている。この一連の動作が自動的に行われる。
【0025】
また、電源オン状態であると判定した場合の地震対応リモートコントローラ100は、例えば次のようにキーコードを順次送信する。つまり、この場合には、既に電源オンの状態であるため、電源オンを指示するキーコードの送信は最初に行わず、まず、ユーザが予め登録しておいた放送局のチャンネルへの切り替えを指示するキーコードを送信する。そして、次に音量の増加を指示するためのキーコードを送信する。これにより、テレビジョン受像機200は、地震の発生とともに、ユーザが予め登録しておいた放送局のチャンネルへの切り替えが行われるとともに、これまでより高い音量に変化するという動作を自動的に実行する。
【0026】
このように、テレビジョン受像機200は、地震の発生とともに、スタンバイ状態であれば電源オン状態に移行したうえで、地震関連情報の取得に対応するチャンネルへの切り替えと放送音声の音量増加の動作を行う。つまり、本実施形態では、地震対応リモートコントローラ100によって、コントロール対象のテレビジョン受像機200について、地震の発生に対応した適切な動作を自動で実行させることができる。
【0027】
そして、上記のようにテレビジョン受像機200に一連の動作を実行させるには、その一連の動作に対応したキーコードの順次送信が可能なように、ユーザにより、以下の作業を予め行っておくようにする。つまり、ユーザは、地震対応リモートコントローラ100に対してキーコードの波形を記憶させるキーコード登録を行う。また、登録されたキーコードの送信手順を設定する送信手順登録を行う。
【0028】
ユーザは、図2に示すように、地震対応リモートコントローラ100とリモートコントローラ300の各前面部を向かい合わせる。これにより、リモートコントローラ300のキーコード送信部320から送信されるキーコードが地震対応リモートコントローラ100のキーコード送受信部110にて受信可能な状態とする。
【0029】
上記図2の状態のもとで、ユーザは、地震対応リモートコントローラ100の操作部160に対する所定操作により、キーコード登録モードを設定する。この状態にもとで、ユーザは、リモートコントローラ300の操作キー部310におけるキーのうちから、登録したいキーコードに応じたキーを操作する。これにより、操作されたキーに応じたキーコードがリモートコントローラ300のキーコード送信部320から送信され、地震対応リモートコントローラ100のキーコード送受信部110にて受信される。地震対応リモートコントローラ100は、受信したキーコードの波形を記憶する。
【0030】
ユーザは、上記の手順を、地震発生に際してテレビジョン受像機200に実行させる一連の動作を行わせるのに操作が必要なキーごとに行う。具体例として、先に図1により説明した動作例を想定した場合、ユーザは、電源オン/オフキーと、ユーザが地震情報取得に好ましいと考える放送局のチャンネルを示す数字キーと、音量アップキーを操作する。これにより、電源オンを指示するキーコードと、上記数字キーが示すチャンネルへの切り替えを指示するキーコードと、音量アップを指示するキーコードがそれぞれ地震対応リモートコントローラ100に登録される。そして、これらのキーごとに応じたキーコードの登録が完了すると、ユーザは、操作部160に対する所定操作によって、キーコード登録モードを終了させる。このようにキーコード登録が行われる。
【0031】
上記のようにキーコード登録を行った後において、ユーザは、送信手順登録を行う。この際、ユーザは、操作部160に対する所定操作によって地震対応リモートコントローラ100に送信手順登録モードを設定する。この状態において、ユーザは、テレビジョン受像機200に実行させたい一連の動作に対応して、リモートコントローラ300の操作キー部310における所定のキーを順次操作する。
【0032】
上記の操作に応じて、地震対応リモートコントローラ100は、キーコードを順次受信する。地震対応リモートコントローラ100は、先のキーコード登録により登録済みとされているキーコードのうちから今回の送信手順登録に応じて受信したキーコードを、その受信順と同じに設定した送信順に対応付けて送信手順データとして記憶する。この後、ユーザは、地震対応リモートコントローラ100の操作部160に対する所定操作により送信手順登録モードを終了させる。
【0033】
具体例として、前述の一例のように、テレビジョン受像機200をスタンバイ状態から電源をオンとし、次に、地震情報取得のためのチャンネルへの切り替えと、音量の増加を行わせたいとする。この場合、ユーザは、操作部160に対する操作によりスタンバイ状態対応送信手順データの登録モードを設定しておく。そのうえで、ユーザは、まず、リモートコントローラ300の操作キー部310における電源オン/オフキーを操作する。次に、地震情報取得に好ましいと考えている放送局のチャンネルを示す数字キーを操作する。最後に、音量アップキー操作を行う。この後、ユーザは、操作部160に対する操作により、スタンバイ状態に対応する送信手順登録モードを終了させる。
【0034】
上記のようにユーザが行った作業に応じて、地震対応リモートコントローラ100は、次の内容の送信手順データを記憶することになる。つまり、送信順の1番目が電源オン/オフのキーコードとなる。また、2番目が数字キーに応じたチャンネル番号への切り替えのキーコードとなり、3番目が音量アップのキーコードとなる。このように、テレビジョン受像機200をコントロール対象とするにあたり、スタンバイ状態から動作を実行させるための送信手順データについてはスタンバイ状態対応送信手順データという。
【0035】
また、先の図1との説明の対応では、電源オン状態のテレビジョン受像機200も動作させている。このための送信手順データ(電源オン状態対応送信手順データ)を登録するための作業としては、以下のようになる。
【0036】
まず、ユーザは、電源オン状態対応送信手順データの登録モードを設定する。次に、ユーザは、地震対応リモートコントローラ100に送信手順登録モードを設定したうえで、リモートコントローラ300に対して、最初に地震情報取得のための放送局のチャンネルを示す数字キーを操作し、次に音量アップキー操作を行う。これにより、地震対応リモートコントローラ100は、送信順の1番目が数字キーに応じたチャンネル番号への切り替えのキーコードであり、2番目が音量アップのキーコードとされる内容の電源オン状態対応送信手順データを記憶する。
【0037】
地震対応リモートコントローラ100は、先の説明のように地震が発生したことを判定すると、光度センサ130を利用してテレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する。そして、スタンバイ状態であれば、スタンバイ状態対応送信手順データの内容にしたがってキーコードを順次送信し、電源オン状態であれば、電源オン状態対応送信手順データの内容にしたがってキーコードを順次送信する。これにより、テレビジョン受像機200は、先の説明のように地震発生時に対応した動作を実行する。
【0038】
また、本実施形態の地震対応リモートコントローラ100は、地震発生時において内部の加速度センサにより検出された加速度値を記録可能とされている。このように記録された加速度値を後に読み出して参照することで、地震発生時の揺れの状態を推定することができる。つまり、本実施形態の地震対応リモートコントローラ100は、簡易な地震計としても機能させることができる。
【0039】
[地震対応リモートコントローラの構成]
次に、図3を参照して、本実施形態の地震対応リモートコントローラ100の構成例について説明する。なお、この図において、図1および図2と同一とされる部位には同一符号を付している。この図に示す地震対応リモートコントローラ100は、キーコード送受信部110、加速度センサ120、光度センサ130、データ処理部140、記憶部150および操作部160を備える。
【0040】
キーコード送受信部110は、図1にて説明したように、赤外線によるキーコードの送受信が行われる部位である
加速度センサ120(振動検出部)は、地震に応じた振動状態を加速度により検出する部位である。この加速度センサ120により検出された加速度の値は、データ処理部140の地震判定部144による地震判定に利用される。
【0041】
光度センサ130は、図1にて説明したように、テレビジョン受像機200の画面部210における映像表示状態を光度として検出する部位である。検出された光度の値は、データ処理部140のスタンバイ状態判定部145によりテレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定するのに利用される。
【0042】
データ処理部140は、地震対応リモートコントローラ100が扱う各種データの処理を実行する。このデータ処理部140に相当するハードウェアとしては、例えば、CPUおよびRAMなどによるコンピュータとして構成することが可能である。なお、データ処理部140を構成する各機能部については後述する。
【0043】
記憶部150は、データ処理部140が利用するデータを記憶する。ここでは、記憶部150が記憶するデータとして、キーコード登録テーブル151、送信手順データ部152、地震判定データ153、スタンバイ状態判定データ154および地震履歴情報155が示される。なお、これらのデータ構造等については後述する。
【0044】
操作部160は、図1に例示したように地震対応リモートコントローラ100の筐体に設けられる操作子を一括して示したものである。この操作部160を形成する操作子に対して行われた操作に応じて、操作部160からデータ処理部140に対して操作信号が供給される。データ処理部140における所定の機能部は、上記操作信号に応じて所定の処理を実行する。これにより、操作に応じた地震対応リモートコントローラ100の動作が実現される。
【0045】
次に、同じ図3を参照して、データ処理部140における機能部について説明する。この図に示すように、データ処理部140は、機能部として、キーコード登録部141、キーコード送信手順登録部142、キーコード送信制御部143、地震判定部144、スタンバイ状態判定部145および地震履歴管理部146を備える。
【0046】
キーコード登録部141は、キーコード登録に対応する処理を実行する。つまり、キーコード登録部141は、キーコード登録モードにおいて、キーコード送受信部110にて受信したキーコードについて、例えばそのデータを符号化して記憶部150のキーコード登録テーブル151に登録する。
【0047】
キーコード送信手順登録部142は、送信手順登録に対応する処理を実行する。つまり、キーコード送信手順登録部142は、送信手順登録モードにおいて、キーコード送受信部110にて受信したキーコードの受信順に基づいて、キーコード登録テーブル151に登録されているキーコードについての地震発生時における送信順を示すデータを生成する。そして、キーコード送信手順登録部142は、このように生成したデータを送信手順データとして記憶部150の送信手順データ部152に記憶させる。
【0048】
キーコード送信制御部143は、地震判定部144により地震が発生したとの判定が行われるのに応じてキーコードを送信する。この際、キーコード送信制御部143は、記憶部150の送信手順データ部152に格納されている送信手順データにしたがった送信順により、キーコード送受信部130からキーコードを送信させる。また、送信すべきキーコードは、送信手順データにおいて示されるキーコード番号に対応付けられているキーコードの波形をキーコード登録テーブル151から読み出すことにより取得する。
【0049】
地震判定部144は、加速度センサ120により検出される加速度値と記憶部150に記憶される地震判定データ153に基づいて地震の発生状況を判定する。地震判定データ153は、例えば地震発生に対応する加速度値の閾値とされる。あるいは、地震発生に対応する加速度値の変動パターンのデータとされる。地震判定部144は、この地震判定データ153と加速度センサ120により検出される加速度値とを比較した結果に基づいて、地震が発生しているか否かについて判定する。前述のように、キーコード送信制御部143は、地震判定部144により地震が発生したと判定されるのに応じて、キーコードの送信制御を行う。
【0050】
スタンバイ状態判定部145は、光度センサ130により検出される光度に基づいてテレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する。この判定にあたり、スタンバイ状態判定部145は、記憶部150に記憶されるスタンバイ状態判定データ154を参照する。スタンバイ状態判定データ154は、例えば電源オン状態において映像を表示している状態の画面部210に対応して得られる光度を基にした閾値とされる。あるいは、スタンバイ状態において映像が表示されていない画面部210に対応して得られる光度を基にした閾値とされる。スタンバイ状態判定部145は、このようなスタンバイ状態判定データ154と光度センサ130により検出される光度とを比較して、テレビジョン受像機200がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する。
【0051】
先に説明したキーコード送信制御部143は、テレビジョン受像機200をコントロール対象とする場合に、上記スタンバイ状態判定部145の判定結果を利用する。つまり、キーコード送信制御部143は、スタンバイ状態と判定された場合にはスタンバイ状態対応送信手順データにしたがってキーコードを送信し、電源オン状態と判定された場合には電源オン状態対応送信手順データにしたがってキーコードを送信する。
【0052】
地震履歴管理部146は、記憶部150に記憶される地震履歴情報155を管理する。つまり、地震履歴管理部146は、地震判定部144により地震が発生していると判定されている期間にわたって、加速度センサ120により検出される加速度値を地震履歴情報155として記録し、記憶部150に記憶させる。なお、地震履歴情報155の記録の際には検出された加速度値をそのまま記録してもよいし、加速度値を例えば震度などに相当する他の形式の数値に変換して記録してもよい。また、地震履歴管理部146は、例えば操作部160に対する地震履歴情報155の読み出しを指示する操作に応じて、地震履歴情報155をキーコード送受信部130から送信出力させることも行う。ユーザは、このように送信される地震履歴情報155のデータを、赤外線受信機能を有する装置により受信させて取得することができる。
【0053】
[キーコード登録テーブルおよび送信手順データの構造および内容例]
次に、記憶部150が記憶するデータにおけるキーコード登録テーブル151と送信手順データ部152の各構造例およびその具体的内容例について説明する。まず、キーコード登録テーブル151は、キーコード登録モードにより登録されたキーコードを格納するテーブルである。
【0054】
図4は、キーコード登録テーブル151の構造およびその内容の一例を示している。この図に示すように、キーコード登録テーブル151は、キーコード番号に対してキーコードの波形のデータが対応付けられた構造を有する。
【0055】
ここで、図5を参照してキーコード波形について説明しておく、この図に示すように、キーコードは、例えば先頭のリーダー部と、これに続く機器コード部、データ部、反転データ部およびストップビットからなる。リーダー部は、キーコードの送信開始を通知する機能を有する。機器コード部は、コントロール対象の識別子を示すもので、これにより、コントロール対象外の機器がキーコードに応答して誤動作してしまうことが防止される。データ部は、操作されたキーに応じたコマンド内容を示す。反転データ部は、データ部を反転させたパターンを有し、例えば受信側でのデータ誤りのチェックに利用される。ストップビットは、キーコードの終端を示す。
【0056】
図4に示すキーコード登録テーブル151においては、上記図5に例示するようなキーコードの波形を例えば符号化し、この符号化したデータをキーコード番号に対応付けて格納する。すなわち、キーコード登録テーブル151は、キーコードの波形を特定するためのデータを格納する。
【0057】
また、図4のキーコード登録テーブル151においては、格納されたキーコードが示す内容の一具体例が示されている。つまり、キーコード番号#1には、機器Aとしてのテレビジョン受像機に電源オン/オフを指示するキーコードが格納される。キーコード番号#2には、同じ機器Aとしてのテレビジョン受像機に音量アップを指示するキーコードが格納される。キーコード番号#3には、同じ機器Aとしてのテレビジョン受像機にch1への切り替えを指示するキーコードが格納される。なお、この機器Aとしてのテレビジョン受像機は、図1に示したテレビジョン受像機200を想定している。
【0058】
また、図4のキーコード登録テーブル151のキーコード番号#4には、機器Bとしての録画装置に電源オン/オフを指示するキーコードが格納される。キーコード番号#5には、同じ機器Bとしての録画装置に、ch3へのチューナのチャンネルの切り替えを指示するキーコードが格納される。キーコード番号#6には、同じ機器Bとしての録画装置に録画開始を指示するキーコードが格納される。
【0059】
送信手順データ部152(図3参照)は、送信手順登録モードにより登録された1以上の送信手順データを格納するデータ部である。その構造例を図6および図7に示す。送信手順データ部152は、図6に示すように、送信手順データ#1〜送信手順データ#NまでのN個の送信手順データを格納した構造を有する。送信手順データ#1〜#Nの各々は、1回の送信手順登録モードにより登録されたものであり、1つのコントロール対象の電子機器に対して実行させる一連の動作に対応したキーコードの送信手順が示される。
【0060】
また、本実施形態では、送信手順データ#1〜#Nのうち、送信手順データ#1と送信手順データ#2については、それぞれ、次のように固定的に割り当てを行うこととしている。つまり、送信手順データ#1には、テレビジョン受像機をコントロール対象とするスタンバイ状態対応送信手順データを割り当て、送信手順データ#2には、同じテレビジョン受像機をコントロール対象とする電源オン状態対応送信手順データを割り当てることとしている。送信手順データ#3以降が、テレビジョン受像機以外の他の電子機器に対して任意に割り当てられる。
【0061】
なお、キーコード送信制御部143は、キーコードを送信するにあたり、送信手順データ部152に複数の送信手順データが格納される場合、その番号順にしたがって送信手順データを処理していくものとする。ただし、スタンバイ状態対応送信手順データ(送信手順データ#1)と電源オン状態対応送信手順データ(送信手順データ#2)については、スタンバイ状態判定部145の判定結果に基づいていずれか一方のみを選択して処理する。そして、次に、送信手順データ#3以降を順次処理していくことになる。
【0062】
図7は、送信手順データ部152において、送信手順データ#1〜#3の3つが格納されている状態を想定した場合の、各送信手順データの内容例を示している。まず、図7(a)は、送信手順データ#1(スタンバイ状態対応送信手順データ)の内容例を示し、図7(b)は、送信手順データ#2(電源オン状態対応送信手順データ)の内容例を示し、図7(c)は、送信手順データ#3の内容例を示している。
【0063】
図7(a)、図7(b)、および図7(c)に示されるように、1つの送信手順データは、1からの昇順による送信順ごとに対してキーコード番号を対応付けて格納した構造を有する。なお、この図に示されるキーコード番号は、図4のキーコード登録テーブルの内容に対応しているものとする。
【0064】
その上で、図7(a)の送信手順データ#1(スタンバイ状態対応送信手順データ)は、まず、送信順#1に対応してキーコード番号#1が格納されている。続けて、送信順#2に対応してキーコード番号#3が格納され、送信順#3に対応してキーコード番号#2が格納されている。この内容は、図4のキーコード登録テーブル151のキーコードの格納内容との対応では、次の順でキーコードを送信することを示している。つまり、機器A(テレビジョン受像機)に電源オン/オフを指示するキーコード、機器A(テレビジョン受像機)にch1への切り替えを指示するキーコード、機器A(テレビジョン受像機)に音量アップを指示するキーコードの順で送信を行うべきことを示している。
【0065】
また、図7(b)の送信手順データ#2(電源オン状態対応送信手順データ)は、まず、送信順#1に対応してキーコード番号#3が格納され、続けて、送信順#2に対応してキーコード番号#2が格納されている。この内容は、1番目に機器A(テレビジョン受像機)に対してch1への切り替えのキーコードを送信し、2番目に機器A(テレビジョン受像機)に対して音量アップのキーコードを送信すべきことを指示している。
【0066】
次に、図7(c)の送信手順データ#3は、送信順#1に対応してキーコード番号#4が格納され、続けて、送信順#2に対応してキーコード番号#5が格納され、送信順#3に対応してキーコード番号#6が格納されている。これは、1番目に機器B(録画装置)に対して電源オン/オフのキーコードを送信し、2番目に機器B(録画装置)に対してch3への切り替えのキーコードを送信し、3番目に機器B(録画装置)に対して録画開始のキーコードを送信することを指示している。
【0067】
図7の内容例の場合、地震発生時におけるキーコード送信制御部143の動作は次のようになる。まず、キーコード送信制御部143は、スタンバイ状態判定部145の判定結果に応じて、送信手順データ#1(スタンバイ状態対応送信手順データ)と送信手順データ#2(電源オン状態対応送信手順データ)のいずれかにしたがってキーコードを送信する。次に、キーコード送信制御部143は、送信手順データ#3にしたがってキーコードを送信する。これにより、テレビジョン受像機がch1を表示してこれまでより音量がアップした状態となるとともに、録画装置においてch3の記録が開始される。
【0068】
この場合、ユーザは、地震の発生に際して、テレビジョン受像機によりch1を選局してその映像と音声を出力させるだけではなく、ch3の放送を録画することでch1以外の放送局の地震関連の情報を得ることができる。このように、本実施形態では、例えばテレビジョン受像機以外の機器もコントロール可能であり、また、このテレビジョン受像機と録画装置のように、複数の機器をコントロールすることも可能である。
【0069】
なお、送信手順データ#1(スタンバイ状態対応送信手順データ)と送信手順データ#2(電源オン状態対応送信手順データ)の各内容に、送信手順データ#3の内容を追加した構造としても、上記と同様の動作をテレビジョン受像機と録画装置に実行させることができる。
【0070】
図8のフローチャートは、キーコード登録部141が実行するキーコード登録のための処理手順例を示している。なお、この図に示す処理は、キーコード登録モードにおいて1つの操作手順データを登録する際に対応したものとなる。また、キーコード登録モードとしては、スタンバイ状態対応送信手順データを登録するモードと、電源オン状態対応送信手順データを登録するモードと、テレビジョン受像機以外の機器を対象とする送信手順データを登録するモードのうちのいずれか1つを設定することができるものとする。
【0071】
キーコード登録部141は、操作部160に対してキーコード登録モードを設定するための所定操作が行われるのに応じて、キーコード登録テーブル151のキーコード番号を示す変数nに「0」を代入する(ステップS101)。次に、キーコード登録部141は、キーコード送受信部110によりキーコードを受信可能なキーコード受信モードを設定する(ステップS102)。
【0072】
次に、キーコード受信モードが設定された状態のもとで、キーコード登録部141は、キーコード送受信部110によりキーコードが受信されるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、キーコードが受信されないと判定した場合には(ステップS103−NO)、後述のステップS106に進む。これに対して、キーコードが受信されたことを判定すると(ステップS103−YES)、キーコード登録部141は、まず、変数nについてインクリメントする(ステップS104)。次に、今回受信されたキーコードの波形データを、キーコード登録テーブル151のキーコード番号#nに対応付けて格納する(ステップS105)。
【0073】
次に、キーコード登録部141は、キーコード登録モード終了のための操作が行われたか否かを判定し(ステップS106)、この操作が行われていなければ(ステップS106−NO)、ステップS103に戻り、再度、キーコードが受信されるのを待機する。これにより、例えばユーザのリモートコントローラ300などに対する操作に応じてキーコードが受信される都度、そのキーコードの波形データが、キーコード番号順にしたがってキーコード登録テーブル151に格納されていく。
【0074】
そして、キーコード登録部141は、キーコード登録モード終了のための操作が行われたことを判定すると(ステップS106−YES)、先のステップS102にて設定したキーコード受信モードを終了させる(ステップS107)。これにより、キーコード登録モードが終了する。
【0075】
次に、図9のフローチャートを参照して、キーコード送信手順登録部142が実行する送信手順登録のための処理手順例について説明する。この図に示す処理は、操作部160に対して送信手順登録モードを設定するための操作が行われるのに応じて実行される。送信手順登録モードが設定されるごとに、1つの送信手順データが登録されるものとする。
【0076】
操作部160に対して行われた送信手順登録モード設定の操作に応じて、キーコード送信手順登録部142は、送信順データにおける送信順を示す変数mに「0」を代入する(ステップS201)。次に、キーコード送信手順登録部142は、キーコード送受信部110によりキーコードを受信可能なキーコード受信モードを設定する(ステップS202)。
【0077】
次に、キーコード送信手順登録部142は、キーコード送受信部110によりキーコードが受信されたか否かを判定する(ステップS203)。ここで、キーコードが受信されないと判定した場合には(ステップS203−NO)、後述のステップS210に進む。これに対して、キーコードが受信されたことを判定すると(ステップS203−YES)、キーコード送信手順登録部142は、まず、変数mについてインクリメントするとともに(ステップS204)、キーコード番号を示す変数nについて初期値としての「1」を代入する(ステップS205)。
【0078】
次に、キーコード送信手順登録部142は、今回受信されたキーコードの波形データを、キーコード登録テーブル151においてキーコード番号#nに対応して格納されているキーコードの波形データと比較する(ステップS206)。
【0079】
そして、キーコード送信手順登録部142は、上記ステップS206による比較処理の結果として、両者が一致しているか否かについて判定する(ステップS207)。ここで、両者が一致していないと判定された場合(ステップS207−NO)、キーコード送信手順登録部142は、変数nをインクリメントして(ステップS208)、再度ステップS206に戻る。これにより、受信キーコードの波形データは、キーコード登録テーブル151において次のキーコード番号に対応する波形データと比較される。そして、両者が一致しているとの判定が得られると(ステップS207−YES)、キーコード送信手順登録部142は、送信手順データにおける送信順#mにキーコード番号#nを対応付けて格納する(ステップS209)。
【0080】
次に、キーコード送信手順登録部142は、キーコード登録モード終了のための操作が行われたか否かを判定し(ステップS210)、この操作が行われていなければ(ステップS210−NO)、ステップS203に戻り、再度、キーコードが受信されるのを待機する。これにより、外部から送信されるキーコードが受信される都度、そのキーコードに対応付けられたキーコード番号#nが、送信順にしたがって送信手順データに格納されていく。
【0081】
そして、キーコード送信手順登録部142は、送信手順登録モード終了のための操作が行われたことを判定すると(ステップS210−YES)、先のステップS202にて設定したキーコード受信モードを終了させる(ステップS211)。これにより、送信手順登録モードが終了する。
【0082】
次に、図10のフローチャートを参照して、地震発生に対応したキーコード送信のための処理手順例について説明する。この図に示す処理は、地震判定部144、スタンバイ状態判定部145およびキーコード送信制御部143が連携して実行するものとしてみることができる。
【0083】
まず、地震判定部144は、加速度センサ120により検出される加速度値を入力し(ステップS301)、この加速度値と地震判定データ153を比較することにより(ステップS302)、地震が発生したか否かについて判定している(ステップS303)。
【0084】
そして、地震判定部144により地震が発生したとの判定が得られるのに応じて(ステップS303−YES)、スタンバイ状態判定部145は、コントロール対象のテレビジョン受像機がスタンバイ状態か電源オン状態か否かについての判定を行う(ステップS304〜S306)。つまり、スタンバイ状態判定部145は、光度センサ130により検出された光度値を入力し(ステップS304)、この光度値とスタンバイ状態判定データ154とを比較する(ステップS305)。そして、この比較結果に基づいて、スタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定する(ステップS306)。
【0085】
そして、キーコード送信制御部143は、スタンバイ状態判定部145の判定結果に応じて、スタンバイ状態対応送信手順データと電源オン状態対応送信手順データのいずれによりテレビジョン受像機をコントロールするのかを決定する。つまり、キーコード送信制御部143は、スタンバイ状態判定部145によりスタンバイ状態であると判定された場合(ステップS306−YES)、送信手順データ部152からスタンバイ状態対応送信手順データの読み出しを行う(ステップS307)。これに対して、電源オン状態であると判定された場合(ステップS306−NO)、送信手順データ部152からオン状態対応送信手順データの読み出しを行う(ステップS308)。
【0086】
そして、キーコード送信制御部143は、上記ステップS307により読み出したスタンバイ状態対応送信手順データまたはステップS308により読み出した電源オン状態対応送信手順データを利用して、キーコード順次送信処理を実行する(ステップS309)。このキーコード順次送信処理については後述する。
【0087】
上記のスタンバイ状態対応送信手順データまたは電源オン状態対応送信手順データにしたがったキーコード順次送信処理(ステップS309)を終了すると、キーコード送信制御部143は、残りの送信手順データの処理を実行する(ステップS310)。つまり、送信手順データ部152に格納されている送信手順データ#3以降の送信手順データごとに、その内容にしたがってキーコード順次送信処理を実行する。この際のキーコード順次送信処理は、ステップS309と同様の手順とされてよい。また、送信手順データ#3以降の送信手順データの処理順は、送信手順データに付された番号の昇順にしたがえばよい。
【0088】
図11のフローチャートは、上記図10のステップS309としてのキーコード順次送信処理のための処理手順例を示している。まず、キーコード送信制御部143は、送信手順データにおける送信順を示す変数mについて「1」を代入したうえで(ステップS401)、処理対象の送信手順データから、送信順#mに対応付けられているキーコード番号を認識する(ステップS402)。
【0089】
次に、キーコード送信制御部143は、上記ステップS402により認識したキーコード番号に対応付けられているキーコードの波形を、キーコード登録テーブル151から読み出す(ステップS403)。そして、キーコード送信制御部143は、この読み出した波形によるキーコードをキーコード送受信部110から送信させる(ステップS404)。
【0090】
次に、キーコード送信制御部143は、現在の変数mが最大値であるか否かについて判定する(ステップS405)。変数mが最大値未満である場合には(ステップS405−NO)、処理対象の送信手順データにおいてまだ送信すべきキーコードが残っているので、変数mをインクリメントし(ステップS406)、ステップS402に戻る。これに対して、変数mが最大値である場合には(ステップS405―YES)、処理対象の送信手順データが示すすべてのキーコードの送信を完了していることになるので、これまでのキーコード送信のための処理を終了する。
【0091】
図12のフローチャートは、地震履歴情報155の記録のための処理手順例を示している。この図に示す処理は、地震判定部144および地震履歴管理部146が連携して実行するものとしてみることができる。
【0092】
まず、地震判定部144は、加速度センサ120により検出された加速度値と地震判定データ153とに基づいて地震発生の有無を判定している(ステップS501〜S503)。なお、このステップSS501〜S503の処理は、図10のステップS301〜S303の処理と共通化されてよい。
【0093】
そして、地震判定部144により地震発生が発生したことが判定されると(ステップS503−YES)、地震履歴管理部146は、加速度センサ120にて検出されている加速度値を入力し、この加速度値を地震履歴情報155として記憶部150に対して記録する処理を開始する(ステップS504)。
【0094】
また、地震判定部144は、上記ステップS504に応じて加速度値の記録が実行されている状態のもとで、加速度センサ120により検出される加速度値と地震判定データ153とを比較する(ステップS505)。そして、この比較結果に基づいて、先のステップS503に対応してその発生が判定された地震がおさまった状態となる(沈静化する)のを待機している(ステップS506−NO)。そして、地震が沈静化したことが判定されると(ステップS506−YES)、地震履歴管理部146は、これまで地震履歴情報155としての加速度値の記録を停止する(ステップS507)。
【0095】
これまでの説明から理解されるように、本実施形態では、地震対応リモートコントローラ100にキーコード登録テーブル151と送信手順データをユーザが予め登録しておくようにする。そして、検出される加速度に基づいて地震の発生したことが判定されると、地震対応リモートコントローラ100は、送信手順データにしたがってキーコードを送信する。これにより、本実施形態では、地震発生の際に、緊急地震速報に依存することなく、電子機器に所定の動作を自動で実行させることが可能になる。
【0096】
また、本実施形態では、地震発生時に対応して電子機器に所定の動作を実行させるにあたり、ユーザが地震対応リモートコントローラ100に対してキーコードの送信手順を登録するようにしている。これにより、地震発生時に対応して実行させる電子機器の動作については、ユーザの意図や都合などに応じて任意に設定することができることになる。
【0097】
また、キーコード波形は、例えば同じコマンド内容であってもメーカや機種によって異なるが、本実施形態は、キーコード登録テーブル151としてキーコードの波形そのものを記憶させることとしている。そして、キーコード送信時は、この記憶されたキーコードを読み出して送信するようにしている。これにより、本実施形態の地震対応リモートコントローラ100は、データの伝送媒体(例えば赤外線)について共通であれば、メーカや機種によるコードフォーマットの相違に係わらず、あらゆるメーカや機種の電子機器をコントロール可能である。また、複数の機器をコントロールすることも可能とされている。つまり、本実施形態は、電子機器に実行させる動作設定に関して自由度が高く、また、多様な1以上の機器をコントロールできるという点で広い汎用性を有する。
【0098】
なお、上記実施の形態においては、地震発生の有無の判定のために振動検知を行うにあたり加速度センサ120を用いているが、例えば磁気センサや圧電センサなどのように振動を検知可能な他のセンサを用いることもできる。
【0099】
また、本実施の形態の地震対応リモートコントローラ100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいう「コンピュータシステム」とは、CPUおよび各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0100】
また、各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、また、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これまでに説明した各処理を行ってもよい。
【0101】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0102】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0103】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0104】
100 地震対応リモートコントローラ
110 キーコード送受信部
120 加速度センサ
130 キーコード送受信部
130 光度センサ
140 データ処理部
141 キーコード登録部
142 キーコード送信手順登録部
143 キーコード送信制御部
144 地震判定部
145 スタンバイ状態判定部
146 地震履歴管理部
150 記憶部
151 キーコード登録テーブル
152 送信手順データ部
153 地震判定データ
154 スタンバイ状態判定データ
155 地震履歴情報
160 操作部
200 テレビジョン受像機
300 リモートコントローラ
310 操作キー部
320 キーコード送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データを記憶する記憶部と、
振動を検出する振動検出部と、
前記振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定部と、
前記地震判定部により地震が発生したことが判定された場合に、前記送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御部と
を備えることを特徴とする遠隔操作装置。
【請求項2】
前記他の遠隔操作装置から送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、
前記操作信号受信部にて受信される前記操作信号にその受信順と同じに設定した送信順を対応付けて生成した前記送信手順データを前記記憶部に記憶させる送信手順登録部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記記憶部は、送信順の1番目が電源オンの操作信号であることが示されるスタンバイ状態対応送信手順データと、送信順の1番目が電源オン以外の操作信号であることが示される電源オン状態対応送信手順データを記憶するとともに、
前記スタンバイ状態対応送信手順データおよび電源オン状態対応送信手順データにより遠隔操作される電子機器がスタンバイ状態と電源オン状態のいずれであるのかを判定するスタンバイ状態判定部をさらに備え、
操作信号送信制御部は、スタンバイ状態であることが判定された場合に前記スタンバイ状態対応送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信し、電源オン状態であることが判定された場合に前記電源オン状態対応送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記地震判定部により地震が発生していると判定されている期間に対応して、地震判定部前記振動検出部により検出された振動を前記記憶部に記憶させる地震履管理部をさらに備える請求項1から3のうちいずれか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定ステップと、
前記地震判定ステップにより地震が発生したことが判定された場合に、他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御ステップと
を備えることを特徴とする遠隔操作方法。
【請求項6】
コンピュータを、
振動検出部により検出された振動に基づいて地震が発生したか否かについて判定する地震判定手段、
前記地震判定手段により地震が発生したことが判定された場合に、他の遠隔操作装置に対する操作に応じて送信される操作信号に送信順を対応付けた送信手順データが示す送信順により前記操作信号を送信する操作信号送信制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−16948(P2013−16948A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146999(P2011−146999)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】