説明

遠隔監視制御システム

【課題】遠隔監視制御システムにおいて、別途タイマユニットを設けることなく、熱線センサ付自動スイッチを用いてスケジュールに対応したタイマ制御を実現する。
【解決手段】熱線センサ付自動スイッチ2は、照明器具などの負荷の動作制御をしない動作無効時間を入力する操作入力部17と、操作入力部17を用いて調整される値を表示する液晶表示部18と、動作無効時間を計測する時間計測処理部10aと、時間計測処理部10aでの計測に基づいて、照度センサ及び熱線センサの少なくとも一方の動作を有効又は無効にするCPU10とを備える。この構成により、別途タイマユニットを設けることなく、操作入力部17で照明負荷の制御動作の無効時間などを入力して、熱線センサ付自動スイッチ2において動作無効時間などのスケジュールに対応したタイマ制御が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視制御システムの熱線センサ付自動スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、全てのスイッチをネットワーク化して、2線式の信号線を介して、パルス信号で各照明を制御する遠隔監視制御システムが知られている。例えば、図19に示す遠隔監視制御システムは、熱線センサの検知信号に基づいて監視データを発生する熱線センサ付自動スイッチ91と、照明器具92を制御するリレー制御端末器93と、信号線Lsを介して接続される伝送ユニット94とを備える。
【0003】
伝送ユニット94は、熱線センサ付自動スイッチ91及び制御端末器93を特定するためのアドレスデータを含む伝送信号を信号線Lsに時分割多重伝送方式で送出し、熱線センサ付自動スイッチ91及び制御端末器93を個別にアクセスする。また、伝送ユニット94は、熱線センサ付自動スイッチ91からの監視データを受信して照明器具92の動作制御を行う。熱線センサ付自動スイッチ91の熱線センサが人体から放射される熱線を検知すると監視データを発生し、この監視データに応じて照明器具92を点灯させ、熱線を検知しなくなってから所定の動作保持時間が経過すると照明器具92を間引き点灯又は消灯させる。
【0004】
この遠隔監視制御システムは、さらに、スケジュールに対応したタイマによる照明制御が可能なタイマユニット95、及び熱線センサ付自動スイッチ91による照明制御を強制的に入/切りするセンサ入切用スイッチ96を備える。タイマユニット95は、例えば休日動作、毎年の繰り返しなどの年間スケジュールや日出及び日入りなどに対応して、熱線センサ付自動スイッチ91の照明制御の有効/無効をスケジュール管理するタイマ機能を備えている。
【0005】
タイマユニット95及びセンサ入切用スイッチ96には、熱線センサ付自動スイッチ91の負荷制御動作の有効/無効を切り替えるアドレスが設定され、ONにすると熱線センサ付自動スイッチ91のセンサ機能を有効、OFFにするとセンサ機能を無効に設定する。なお、熱線センサ付自動スイッチ91の下面には、図20に示すように、照明がONする動作保持時間を設定する調整ツマミ97、照明の動作する照度を変える照度センサ調整ツマミ98、熱線検知部99や照度センサ100などが備えられる。
【0006】
ところで、動作に関わる設定値を所望の値に正確に設定することができ、且つ、悪戯や不用意な操作で設定値が変更されるのを防止した熱線センサ付自動スイッチが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−150834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の遠隔監視制御システムにおいて、熱線センサ付自動スイッチ91などにおけるスケジュールに対応したタイマ制御は、信号線Lsを介して接続されたタイマユニット95を用いて行う必要がある。このため、遠隔監視制御システムにタイマユニット95を別途設ける必要があり、このタイマユニット95の施工や各種設定に手間を要するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解消するものであり、別途タイマユニットを設けることなく、信号線を介して接続された熱線センサ付自動スイッチなどにおいてスケジュールに対応したタイマ制御が実現できる遠隔監視制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、検知エリア内の照度を検知する照度センサ及び前記検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサによる各検知結果に基づいて負荷の動作制御をする熱線センサ付自動スイッチを備えた遠隔監視制御システムにおいて、前記熱線センサ付自動スイッチは、前記負荷の動作制御をしない動作無効時間を入力する入力部と、前記入力部を用いて調整される値を表示する表示部と、前記動作無効時間を計測するタイマ部と、前記タイマ部での計測に基づいて、前記照度センサ及び前記熱線センサの少なくとも一方の動作を有効又は無効にする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この遠隔監視制御システムは、前記熱線センサ付自動システムに接続され、前記熱線センサ付自動スイッチの動作を設定する設定スイッチをさらに備え、前記設定スイッチは、前記熱線センサ付自動スイッチが前記負荷の動作制御をしない動作無効時間を入力する入力部と、前記入力部を用いて調整される値を表示する表示部と、前記動作無効時間を計測するタイマ部と、前記タイマ部での計測に基づいて、前記照度センサ及び前記熱線センサの少なくとも一方の動作を有効又は無効にする制御信号を生成する制御部と、前記制御部で生成された前記制御信号を送信する送信部と、を備えることが好ましい。
【0012】
この遠隔監視制御システムにおいて、前記送信部は、前記制御信号の送信において、前記設定スイッチ及び前記熱線センサ付自動スイッチ間の通信に用いる設定用アドレスを使用することが好ましい。
【0013】
この遠隔監視制御システムにおいて、前記入力部は、さらに、前記熱線センサ又は前記照度センサの検知後に前記負荷の動作状態を保持する動作保持時間、前記照度センサの検知入力を有効又は無効とする際に基準となる照度、及びアドレスデータの入力が可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る遠隔監視制御システムによれば、熱線センサ付自動スイッチに備わる操作入力部及び液晶表示部を介して負荷の制御動作を無効にする動作無効時間を入力できる。また、タイマ部及び制御部を用いてこの動作無効時間において熱線センサ付自動スイッチの負荷制御動作を無効にすることができる。これにより、別途タイマユニットを設けることなく、熱線センサ付自動スイッチにおいてスケジュールに対応したタイマ制御が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る遠隔監視制御システムのシステム構成図である。
【図2】実施の形態1に係る熱線センサ付自動スイッチのプレートを外した状態の下面図である。
【図3】同上熱線センサ付自動スイッチの機能ブロック図である。
【図4】(a)〜(f)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る遠隔監視制御システムのシステム構成図である。
【図6】(a)実施の形態2に係る設定スイッチの正面図、(b)同上設定スイッチの背面図である。
【図7】同上設定スイッチの機能ブロック図である。
【図8】実施の形態2に係る熱線センサ付自動スイッチのプレートを外した状態の下面図である。
【図9】同上熱線センサ付自動スイッチの機能ブロック図である。
【図10】(a)〜(f)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図11】(a)〜(e)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図12】(a)〜(f)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図13】(a)〜(f)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る遠隔監視制御システムのシステム構成図である。
【図15】(a)実施の形態3に係る設定スイッチの正面図、(b)同上設定スイッチの背面図である。
【図16】実施の形態3に係る熱線センサ付自動スイッチのプレートを外した状態の下面図である。
【図17】同上熱線センサ付自動スイッチの機能ブロック図である。
【図18】(a)〜(f)液晶表示部の表示画面の説明図である。
【図19】従来の遠隔監視制御システムのシステム構成図である。
【図20】従来の熱線センサ付自動スイッチのプレートを外した状態の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る遠隔監視制御システムについて図面を参照して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る遠隔監視制御システムは、図1に示すように、個別のアドレスデータが付与された端末器である伝送ユニット1、熱線センサ付自動スイッチ2、センサ入切用スイッチ3、及びリレー制御端末器4を備える。これら各部は2線式の信号線Lsを介して接続される。なお、図1では図示を省略しているが信号線Lsには複数台のリレー制御端末器4が接続されており、熱線センサ付自動スイッチ2は複数台の照明器具5のオン/オフを制御することができる。
【0018】
伝送ユニット1は、アドレスデータを含む伝送信号を信号線Lsに時分割多重伝送方式で送出することによって各端末器を個別にアクセスする。伝送ユニット1は、伝送信号に同期して設定した信号返信期間に何れかの端末器からの監視データを受信すると、監視データに基づいて制御信号を作成する。そして、監視データを発生した端末器とアドレスの対応関係が設定された端末器に対して制御データを伝送信号により伝送する。当該端末器では受信した制御データにより照明器具5の動作を制御する。
【0019】
熱線センサ付自動スイッチ2は、天井面などに設置され、検知エリア内の照度を検知する照度センサ、及び検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサを備える。この熱線センサは、人の動き、温度変化を検知し、照明器具5の自動でのON/OFF制御や自動調光を実現するために備えられる。
【0020】
照度センサは、検知エリアの明るさを検知(検知照度100〜2000ルクス等)し、熱線センサ付自動スイッチ2は、検知された照度に基づいて照明器具5を制御するために制御信号を信号線Lsを介して伝送ユニット1に送信する。照度センサを用いた照明制御により、外光が入る時には間引き点灯、日没後は点灯するなど外光にあわせて平均照度を一定に保って調光でき、照明環境の快適性を保ちながら省エネを図ることが可能となる。また、熱線センサ付自動スイッチ2が熱線センサに加えて照度センサをも備えることで、暗くなり且つ人がいる時だけの点灯制御などが可能となる。
【0021】
熱線センサ付自動スイッチ2は、照明制御を行う時間帯をスケジュール管理するためのタイマ機能を備え、タイマ制御により動作の有効/無効の切り替えを自動で行う。このため、例えば、検知エリアを頻繁に人が通る時間帯は熱線センサによる制御動作を停止して照明器具5を強制的に点灯させるようにすれば、照明器具5がオン/オフする回数を減らして、リレーや照明器具5の寿命を伸ばすことができる。
【0022】
このように、熱線センサ付自動スイッチ2は、スケジュールに対応したタイマ機能、人の動きの温度変化を検知して照明制御する機能、及び屋外からの自然光の明るさを検知して照明制御する機能を備え、より省エネを実現できる。
【0023】
熱線センサ付自動スイッチ2には、異なる検知エリア内の人体から放射される熱線を検出する熱線センサを具備した熱線センサ子器2’が接続されており、この熱線センサ子器2’の使用により検知範囲を拡大できる。熱線センサ付自動スイッチ2は、内蔵する照度センサ、熱線センサ及び熱線センサ子器2’の出力を監視し、それらの内の何れか検知すると、割込信号を発生して伝送ユニット1に監視データを送出する。
【0024】
センサ入切用スイッチ3は、壁面に埋め込まれた壁面スイッチであり、熱線センサ付自動スイッチ2による照明器具5の制御動作を強制的に入/切りするためのスイッチSW1を備え、スイッチSW1の押操作に応じて監視データを伝送ユニット1に伝送する。また、熱線センサ付自動スイッチ2による制御動作の入状態及び切状態をそれぞれ表示する発光ダイオードのような表示灯をも備える。
【0025】
リレー制御端末器4は、リレーの制御状態に応じて照明器具5の状態を制御する負荷制御端末器としての機能を担っている。リレー制御端末器4は、伝送ユニット1からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレーのうち、制御対象となる照明器具5に対応するリモコンリレーに対して制御信号を送ることにより、リモコンリレーの状態を制御する。リモコンリレーの個々のリレーは、リレー制御端末器4に制御されて、ブレーカ電源(AC100又は200V)などからの商用交流をオン/オフすることで、照明器具5をオン状態またはオフ状態にする。なお、2つ以上のアドレスを用いて、照明器具5と換気扇のような2つ以上の負荷の制御に対応することも可能である。
【0026】
次に、熱線センサ付自動スイッチ2の熱線センサが人体から放射される熱線を検知して検知信号を発生したり、センサ入切用スイッチ3のスイッチSW1が操作されて操作信号が発生した場合の動作に関して説明する。
【0027】
この場合、最初に、熱線センサ付自動スイッチ2又はセンサ入切用スイッチ3は割込信号を発生し、熱線センサの検知信号又はスイッチSW1の操作信号に対応した監視データを伝送ユニット1に返送する。そして、伝送ユニット1は、受け取った監視データをもとに制御データを作成し、作成した制御データを対応する端末器に伝送すると、制御データを受信した端末器が所定の動作を行う。
【0028】
そして、例えば熱線センサ付自動スイッチ2から熱線センサの検知入力に応じた監視データが返送されると、伝送ユニット1はこの監視データに基づいて作成した制御データをリレー制御端末器4に送信する。リレー制御端末器4は制御データを受信すると、リレーを制御して照明器具5を点灯/ 消灯させる。
【0029】
また、センサ入切用スイッチ3からスイッチSW1のオン/ オフ操作に応じた監視データが返送されると、伝送ユニット1はこの監視データに基づいて作成した制御データを熱線センサ付自動スイッチ2に送信する。熱線センサ付自動スイッチ2は制御データを受信すると、熱線センサの検知入力に基づいた負荷の制御動作をオン/オフする。また、熱線センサ付自動スイッチ2は、制御動作のオン/オフを示す監視データを伝送ユニット1に返信し、伝送ユニット1はこの監視データに基づいてセンサ入切用スイッチ3に付設している動作モニタ用の表示灯を点灯/ 消灯させる制御データを伝送する。
【0030】
次に、図2を参照して熱線センサ付自動スイッチ2のスイッチ構成に関して説明する。
熱線センサ付自動スイッチ2は、天井に設けた取り付け孔に埋め込んだ状態で取り付けられ、前面にはプレートが被着される。プレートが外された状態での熱線センサ付自動スイッチ2の下面には、図2に示すように、液晶表示部21、操作ボタン21a〜21c、動作保持時間調整ツマミ22、照度センサ調整ツマミ23、受信表示ランプ24、アドレス設定送受信部25、検知LED26、熱線検知部27、及び照度センサ28が備えられる。
【0031】
液晶表示部21は、熱線センサ付自動スイッチ2の動作有効/無効切り替え設定のための値を表示する。なお、液晶表示に限定されるものではなく、LEDや有機EL表示など表示機能を備えていればよい。
【0032】
操作ボタンである切替ボタン21aは、熱線センサ付自動スイッチ2における負荷の制御時間(例えば動作無効開始時間や無効終了時間)を設定する際のモードを変更するためのボタンである。時設定ボタン21bは、動作無効時間の「時」を決定するためのボタンであり、例えば1回押すごとに数字が大きくなる。分設定ボタン21cは、熱線センサ付自動スイッチ2の動作無効時間の「分」を決定するためのボタンであり、例えば1回押すごとに数字が大きくなる。そして、各操作ボタン21a〜21cの近傍の部位に各ボタンの機能を示す文字(「切替」、「時」、「分」)が表示されている。
【0033】
動作保持時間調整ツマミ22は、熱線センサで人の存在を検出した場合に、照明器具5がONする時間を変更するための切替スイッチであり、30秒、3分、10分などから時間を選択する。照度センサ調整ツマミ23は、照度センサで検出する照明器具5の動作する照度を変更するための切替スイッチである。熱線センサ付自動スイッチ2は、照度センサ調整ツマミ23により設定された明るさより暗くなれば照明器具5を点灯する制御を開始する。
【0034】
受信表示ランプ24は、アドレス設定器からの光信号を受信すると点滅(5回等)し、アドレス設定送受信部25は、アドレス設定器からのデータを送受信する。検知LED26は、熱線センサにおいて人を検知すると青点滅し、熱線検知部27は、熱線の変化を検知する焦電素子のような熱線センサであり、照度センサ28は、周囲の明るさを検出するCdS、フォトダイオード、フォトトランジスタのようなセンサ部となる。
【0035】
次に、図3を参照して熱線センサ付自動スイッチ2の機能構成に関して説明する。
熱線センサ付自動スイッチ2は、CPU10、熱線センサ検出部11、子器信号送受信部12、明るさ検出部13、多重伝送信号送受信部14、電源部15、液晶表示部16、操作入力部17、液晶表示部18、不揮発性メモリ19、及びアドレス設定信号送受信部20を備える。
【0036】
熱線センサ検出部11は、熱線センサを具備し、熱線センサの出力を増幅してCPU10に出力する。CPU10は、熱線センサ検出部11の出力と、不揮発性メモリ19に記憶された所定の閾値との高低を比較することによって、検知エリア内の人の存否を判定している。
【0037】
子器信号送受信部12には一対の端子T2を介して熱線センサ子器2’が接続されており、信号線Lsを介して入力される伝送信号を全波整流し、さらに定電圧化することで、熱線センサ子器2’の動作電源を生成して、熱線センサ子器2’に給電する。また、端子T2,T2間の電圧を監視することで、熱線センサ子器2’の出力を監視している。すなわち、熱線センサ子器2’は、熱線センサを具備し、熱線センサが人体からの熱線を検出すると、端子T2,T2間の電圧レベルを非検出時に比べて低下させることで、熱線を検出した旨を子器信号送受信部12に報知する。そして、子器信号送受信部12は、端子T2,T2間の電圧から熱線センサ子器2’が熱線を検知したと判断すると、熱線センサ検出部11を介してCPU10に検知信号を出力する。
【0038】
明るさ検出部13は、照度センサを具備し、照度センサの出力を増幅してCPU10に出力しており、CPU10では、明るさ検出部13の出力と、不揮発性メモリ19に記憶された所定の明るさレベル(設定レベル)との明暗を比較する。
【0039】
伝送通信部たる多重伝送信号送受信部14は、一対の端子T1,T1に接続された信号線Lsを介して、伝送ユニット1との間で多重伝送方式により伝送信号の送受信を行う。また、多重伝送信号送受信部14は、信号線Lsを介して入力された伝送信号を信号変換してCPU10に出力し、CPU10から出力された信号を伝送信号に変換して信号線Lsに送出する。
【0040】
電源部15は、信号線Lsを介して入力される伝送信号を全波整流器で全波整流し、さらに定電圧部で定電圧化することによって、内部部の電源を得ている。液晶表示部16は、操作入力部17を用いて入力されるタイマ機能以外の設定項目やその値を表示する。
【0041】
操作入力部17は、熱線センサ付自動スイッチ2のタイマ機能の動作に関わる各種の設定項目(例えば、熱線センサ付自動スイッチ2の動作無効時間、アドレスデータなど)の値を入力したり、設定値の確認を行うためのものである。液晶表示部18は、熱線センサ付自動スイッチ2のタイマ機能の動作無効時間などの設定時に、操作入力部17を用いて入力される設定項目やその値を表示する。
【0042】
不揮発性メモリ19は、例えばEEPROMからなり、操作入力部17によって入力された設定項目(例えばタイマ機能に関連した動作無効時間やアドレスデータ)の値を記憶する。アドレス設定信号送受信部20は、多重伝送信号送受信部14を介して伝送信号に含まれるアドレスデータを受信する。またCPU10では、多重伝送信号送受信部14を介して受信した伝送信号に含まれるアドレスデータが不揮発性メモリ19に格納されたアドレスデータに一致すると、伝送信号の制御データを受け取り、制御データに応じた動作をする。また、アドレス設定信号送受信部20は、伝送信号を受信したことを多重伝送信号送受信部14を通して端子T1,T1から信号線Lsに送出する。
【0043】
時計計測処理部10aは、CPU10に備わり、クロックを数えることで一定時間の経過を知るタイマ機能を有し、操作入力部17で入力された熱線センサ付自動スイッチ2の動作無効時間の検出時にCUP10に対して割り込みを発生させる。
【0044】
図4(a)〜(f)は、熱線センサ付自動スイッチ2に備わる液晶表示部21の表示例を示し、画面の上側には設定項目の内容が、画面の下側にはその値がそれぞれ表示され、操作ボタン21a〜21cを押操作することで表示項目が所定の順番で切り替わる。
【0045】
ここで、熱線センサ付自動スイッチ2の動作無効開始時間「10:10」及び無効終了時間「13:00」を設定する手順を図4に基づいて説明する。通常時は、液晶表示部21の電源供給が停止され、例えば何れかの操作ボタン21a〜21cが押操作されることで液晶表示部21への電源供給が開始され、図4(a)に示す初期画面が表示される。次に、切替ボタン21aを押して図4(b)に示す無効開始時間の設定モードにする。
【0046】
そして、時設定ボタン21bを用いて図4(c)に示すように熱線センサ付自動スイッチ2の動作の無効開始時間の「時」を設定する。また、図4(d)に示すように、分設定ボタン21cを用いて、熱線センサ付自動スイッチ2の動作の無効開始時間の「分」を設定する。次に、切替ボタン21aを押操作し、図4(e)に示す無効終了時間の設定モードにして、時設定ボタン21b及び分設定ボタン21cを用いて、上述の無効開始時間と同様に無効終了時間を「13:00」に設定する。最後に、図4(f)に示すように切替ボタン21aを押して通常モードに切り替える。
【0047】
このように、本遠隔監視制御システムにおいては、熱線センサ付自動スイッチ2の負荷制御動作の有効/無効時間を、タイマ制御する場合においても別途タイマユニットを設けることなく設定できる。
【0048】
次に、図1を参照して熱線センサ付自動スイッチ2に設定されるアドレスと制御動作との関係を説明する。センサ入切用スイッチ3のスイッチSW1を用いて熱線センサ付自動スイッチ2の制御動作をオフ/オフさせる制御を行う場合について説明する。この場合、センサ入切用スイッチ3は割込信号を送出し、伝送処理を経た後に熱線センサ付自動スイッチ2に設定された動作有効/無効切替用アドレス(例えば63−4等の任意の未使用アドレスを設定)を返送信号として伝送ユニット1に返送する。この時、伝送ユニット1はセンサ入切用スイッチ3から受信した返送信号に基づいて熱線センサ付自動スイッチ2に制御動作をオン/オフさせる制御データを送出し、この制御データを受信した熱線センサ付自動スイッチ2が制御動作をオフ/オフさせる。従って、センサ入切用スイッチ3には、動作有効/無効切替用アドレスが設定され、熱線センサ付自動スイッチ2の制御動作を手動で無効にできる。
【0049】
また、制御動作がオン状態に設定されている場合、熱線センサ付自動スイッチ2は、熱線センサ検出部11、子器信号送受信部12の出力や明るさ検出部13の出力に基づいて負荷(照明器具5)を制御する。具体的には、CPU10は、照度センサの検出した明るさが所定の明るさレベルよりも明るい状態では、熱線センサ検出部11からの入力が閾値を超えるか、又は、子器信号送受信部12から検知入力があっても制御動作は行わない。
【0050】
そして、CPU10は、照度センサの検出した明るさが所定の明るさレベルよりも暗い状態で、熱線センサ検出部11からの入力が閾値を超えるか、又は、子器信号送受信部12から熱線センサ検出部11を介して検知入力があるか判定する。CPU10は、上記条件を満たす場合、多重伝送信号送受信部14から割込信号を送出させ、ONアドレスのデータ(例えば、全ての照明器具5を点灯させるパターンP5)を返送信号として伝送ユニット1に返送させる。この時、伝送ユニット1は熱線センサ付自動スイッチ2から受信した返送信号に基づいて対応するリレー制御端末器4に制御データを送出し、パターンP5で照明器具5を全点灯させる。
【0051】
その後、検知入力が無くなってから動作保持時間が経過すると、CPU10は、多重伝送信号送受信部14から割込信号を送出させ、OFFアドレスのデータ(例えば、全ての照明器具5を消灯させるパターンP6)を返送信号として伝送ユニット1に返送させる。この時、伝送ユニット1は熱線センサ付自動スイッチ2から受信した返送信号に基づいて対応するリレー制御端末器4に制御データを送出し、パターンP6で照明器具5を全消灯させることができる。
【0052】
以上のように、熱線センサ付自動スイッチ2は、動作無効時間を入力する操作入力部17、調整される値を表示する液晶表示部18、時間計測処理部10a、及び時間計測処理部10aの計測に基づいて動作を有効又は無効にする制御部であるCPU10を備える。このため、遠隔監視制御システムに別途タイマユニットを接続することなく、操作入力部17を介して動作無効時間などを入力して、熱線センサ付自動スイッチ2の動作有効/無効のタイマ制御が可能となる。従って、タイマユニットを設ける必要がなく、このタイマユニットの設定や施工作業をなくすことができる。
【0053】
(実施の形態2)
以下、本発明に係る遠隔監視制御システムの第2の実施の形態に関して説明する。なお、上記実施の形態1に係る遠隔監視制御システムと同様の構成に関しては同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する(以下同様とする)。
【0054】
本遠隔監視制御システムには、図5に示すように、熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の制御動作を有効/無効にする時間などの各種の動作設定を行うための設定スイッチ6が信号線Lsを介して接続される。設定スイッチ6は、例えば操作しやすい壁面に設置される。
【0055】
設定スイッチ6は、図6(a)に示すように、液晶表示部61、ENT(実行)ボタン62、ESC(戻る)ボタン63、値/機能切替(+側)ボタン64、及び値/機能切替(−側)ボタン65を扉66を開けた前面に備える。なお、図6(b)に示すように、設定スイッチ6の背面には2線式の信号線Lsに接続される遠隔監視制御信号端子67が備えられる。
【0056】
液晶表示部61は、熱線センサ付自動スイッチ2の照明制御の無効開始時間及び無効終了時間の設定時などに、操作ボタン62〜65を用いて入力される設定項目やその値を表示する。実行ボタン62は、設定項目の選択時には設定項目の切り替えボタンとして機能し、ESC(戻る)ボタン63は、キャンセル操作を行うためのボタンである。設定項目の値を入力する際には値/機能切替(+側)ボタン64が設定項目の値を増加させるボタン、値/機能切替(−側)ボタン65が設定項目の値を減少させるボタンとして機能する。そして、設定スイッチ6の前面には各操作ボタン62〜65の近傍の部位に各ボタンの機能を示す文字(「ENT」、「ESC」)やシンボル(「▲」、「▼」)が表示されている。
【0057】
なお、これらの操作ボタン62〜65を用いて設定される設定項目は、熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の制御動作の無効開始時間及び無効終了時間のみではない。すなわち、熱線センサなどの検知後に照明器具5の動作状態を保持する動作保持時間、照度センサの検知入力を有効又は無効にする際の基準となる照度や、設定用アドレスなども含まれる。また、熱線センサの検知時に制御するアドレス(ONアドレス)、検知が無くなってから所定の動作保持時間が経過した後に制御するアドレス(OFFアドレス)、負荷の制御動作を入/切りする際に指定する動作有効/無効切替用アドレスも含まれる。さらに、設定スイッチ6及び熱線センサ付自動スイッチ2間の通信に用いる設定用アドレスなども設定可能とする。
【0058】
次に、図7を参照して設定スイッチ6の機能構成に関して説明する。
設定スイッチ6は、CPU10、時間計測処理部10a、熱線センサ検出部11、多重伝送信号送受信部14、電源部15、操作ボタン62〜65の押操作に応じて設定項目の値を増減させる入力部62a〜65a、及び液晶表示部61を備える。設定スイッチ6は、入力された動作無効時間を時計計測処理部10aを用いて計測する。多重伝送信号送受信部14は、設定入力された動作有効/無効切替用アドレスに対応させて伝送ユニット1を介して熱線センサ付自動スイッチ2に制御信号を送信することでこの熱線センサ付自動スイッチ2のタイマ制御を実現する。
【0059】
次に、図8及び図9を参照して本実施の形態2に係る熱線センサ付自動スイッチ2に関して説明する。熱線センサ付自動スイッチ2の下面には、受信表示ランプ24、アドレス設定送受信部25、液晶表示部2a、ENT(実行)ボタン2b、ESC(戻る)ボタン2c、値/機能切替(+側)ボタン2d、及び値/機能切替(−側)ボタン2eが備えられる。液晶表示部2aは、各操作ボタン2b〜2eを用いて入力される設定項目やその値を表示し、操作ボタン2b〜2eは、上述した操作ボタン62〜65と同様の機能を有する。
【0060】
熱線センサ付自動スイッチ2は、CPU10、熱線センサ検出部11、子器信号送受信部12、明るさ検出部13、多重伝送信号送受信部14、電源部15、不揮発性メモリ19、アドレス設定信号送受信部20、操作入力部31、及び液晶表示部32を備える。この熱線センサ付自動スイッチ2は、操作入力部31たる操作ボタン2b〜2eの押操作に応じて所望の設定項目の値を増減させ、液晶表示部32は操作ボタン2b〜2eにより入力される設定項目やその入力値を表示する。
【0061】
なお、本遠隔監視制御システム上で、熱線センサ付自動スイッチ2と設定スイッチ6の関連付けは、熱線センサ付自動スイッチ2に設定用アドレス(例えば10−4)を設定し、同じ設定用アドレスを設定スイッチ6に設定する。この設定用アドレスは、例えば設定スイッチ6及び熱線センサ付自動スイッチ2間の通信に用いるアドレスである。
【0062】
この設定用アドレスの設定内容は、設定スイッチ6(又は熱線センサ付自動スイッチ2)の実行ボタン62を押下時に設定用アドレスのデータとして、伝送ユニット1を介して熱線センサ付自動スイッチ2(又は設定スイッチ6)にデータ送信される。このため、設定スイッチ6及び熱線センサ付自動スイッチ2の両ユニットに設定用アドレスの設定値が記憶される。
【0063】
図10(a)〜(f)は、熱線センサ付自動スイッチ2又は設定スイッチ6に備わる液晶表示部2a又は61の表示例を示している。この場合、熱線センサ付自動スイッチ2の操作ボタン2b〜2e、又は設定スイッチ6の操作ボタン62〜65を押操作することで表示項目が所定の順番で切り替わる。なお、以下の図10の説明は設定スイッチ6での液晶表示例とするが、熱線センサ付自動スイッチ2の液晶画面表示も同様となる。
【0064】
最初に、動作保持時間「10分10秒」に設定する手順を説明する。通常時は、液晶表示部61の電源供給が停止されており、実行ボタン62を押操作することで液晶表示部61への電源供給が開始されて、図10(a)に示すような初期画面が表示される。そして、実行ボタン62を繰り返して押操作して「動作保持時間」の項目の設定画面を選択する。
【0065】
次に、図10(b)及び(c)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン64、値/機能切替(−側)ボタン65を用いて熱線センサ付自動スイッチ2の動作保持時間の「分」を設定する。また、実行ボタン62を押して次の入力項目の設定を開始する。この時、図10(d)及び(e)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン64又は値/機能切替(−側)ボタン65を1回押すとsec(秒)、もう一回押すとmin(分)の項目に切り替わる。最後に、図10(f)に示すように、実行ボタン62を押すと項目にカーソルが移動し、他の項目の設定画面に移ることができる。なお、ESCボタン63を押すと設定内容は変更されずに項目にカーソルが移動する。
【0066】
図11を参照して、設定スイッチ6で照度センサで検出する照明負荷の動作する照度を変更する場合の手順を説明する。最初に、図11(a)及び(b)に示すように、最初に値/機能切替(+側)ボタン64を押して、動作保持時間から明るさセンサ設定の項目に切り替え、実行ボタン62を押して明るさセンサの照度設定を開始する。次に、図11(c)及び(d)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン64及び値/機能切替(−側)ボタン65を用いて値を設定する。そして、図11(e)に示すように、実行ボタン62を押すと、項目欄にカーソルが移動し、他の項目の設定画面に移ることができる。
【0067】
図12を参照して、熱線センサ付自動スイッチ2での設定用アドレスを変更する場合の手順を説明する。最初に、図12(a)及び(b)に示すように、値/機能切替(−側)ボタン2eを押して、設定用アドレスの設定の項目に切り替え、実行ボタン2bを押して、設定用アドレスの設定を開始する。この場合、図12(c)及び(d)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン2dを一回押すと数字が大きくなり、値/機能切替(−側)ボタン2eを押すと数字が小さくなる。次に、図12(e)に示すように、実行ボタン2bで次の入力項目の設定を開始する。この場合も、値/機能切替(+側)ボタン2dを一回押すと数字が大きくなり、値/機能切替(−側)ボタン2eを押すと数字が小さくなる。そして、図12(f)に示すように、実行ボタン2bを押すと項目にカーソルが移動し、他の項目の設定画面に移ることができる。
【0068】
図13を参照して、設定スイッチ6で、熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の制御動作の無効開始時間「10:10」及び無効終了時間「13:00」を設定する場合の手順を説明する。
【0069】
最初に、図13(a)及び(b)に示すように、値/機能切替(−側)ボタン65を押して無効開始時間設定の項目に切り替え、実行ボタン62を押して、無効開始時間の設定を開始する。この場合、図13(c)及び(d)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン64を一回押すと数字が大きくなり、値/機能切替(−側)ボタン65を押すと数字が小さくなる。次に、図13(e)に示すように、実行ボタン62で次の入力項目の設定を開始する。この場合も、値/機能切替(+側)ボタン64を一回押すと数字が大きくなり、値/機能切替(−側)ボタン65を押すと数字が小さくなる。そして、図13(f)に示すように、実行ボタン62を押すと無効終了時間設定の項目に切り替わる。次に、無効終了時間を上記の無効開始時間と同様に設定し、実行ボタン62を押すと項目にカーソルが移動し、他の項目の設定画面に移ることができるようになる。
【0070】
以上の説明のように、本実施の形態2に係る遠隔監視制御システムでは、熱線センサ付自動スイッチ2と分離し、この熱線センサ付自動スイッチ2の設定用アドレス、動作保持時間、動作無効時間、照度などを設定入力できる設定スイッチ6を壁面に設ける。設定スイッチ6は、入力部62a〜65a、調整される値を表示する液晶表示部61、時間計測処理部10a、及び時間計測処理部10aの計測に基づいてスイッチ2の動作を有効又は無効にする制御信号を生成するCPU10を備える。すなわち、設定スイッチ6は、熱線センサ付自動スイッチ2と同様の設定入力機能を備える。
【0071】
このため、本遠隔監視制御システムでは、不特定の休暇、長期休暇などの場合においても、壁面に設置された設定スイッチ6を用いることで、熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の動作制御の有効/無効のスケジュール切替などを容易に変更できる。
【0072】
(実施の形態3)
以下、本発明に係る制御システムの第3の実施の形態に関して説明する。図14に示すように、本実施の形態3に係る遠隔制御監視システムは、熱線センサ付自動スイッチ2による照明器具5の制御動作を強制的に入/切りするセンサ入切用スイッチを有しない。
【0073】
そして、本遠隔監視制御システム上で、熱線センサ付自動スイッチ2と設定スイッチ6の関連付けは、熱線センサ付自動スイッチ2に設定用アドレス(例えば10−4)を設定し、同じ設定用アドレスを設定スイッチ6に設定する。この設定用アドレスの設定内容(明るさセンサ)は、設定スイッチ6の実行ボタン62を押下時に設定用アドレスのデータとして、伝送ユニット1を介して熱線センサ付自動スイッチ2にデータ送信される。このため、設定スイッチ6及び熱線センサ付自動スイッチ2の両ユニットに設定用アドレスの設定値が記憶される。また、熱線センサ付自動スイッチ2での検知情報は、熱線センサ付自動スイッチ2から伝送ユニット1を介して設定スイッチ6にデータ送信される。
【0074】
設定スイッチ6は、図15(a)に示すように、液晶表示部61、実行ボタン62、ESC(戻る)ボタン63、値/機能切替(+側)ボタン64、及び値/機能切替(−側)ボタン65を扉66を開けた前面に備える。このESC(戻る)ボタン63は、長押しで熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の制御動作の有効/無効切替ボタンとなる。なお、設定スイッチ6の機能構成は上記実施の形態2の図7と同様となる。
【0075】
熱線センサ付自動スイッチ2のプレートを外した状態の下面には、図16に示すように、受信表示ランプ24及びアドレス設定送受信部25が備えられる。熱線センサ付自動スイッチ2は、図17に示すように、CPU10、熱線センサ検出部11、子器信号送受信部12、明るさ検出部13、多重伝送信号送受信部14、電源部15、不揮発性メモリ19、及びアドレス設定信号送受信部20を備える。すなわち、熱線センサ付自動スイッチ2は操作入力部や液晶表示部を有しない。
【0076】
図18(a)〜(f)は、設定スイッチ6に備わる液晶表示部61の表示例を示している。ここで、ONアドレスを「P5」に設定する手順を説明する。
【0077】
最初に、図18(a)及び(b)に示すように、値/機能切替(−側)ボタン65を押してONアドレス設定の項目に切り替え、実行ボタン62を押して、ONアドレスの設定を開始する。この場合、図18(c)及び(d)に示すように、値/機能切替(+側)ボタン64及び値/機能切替(−側)ボタン65を用いて個別、パターンP、グループG、調光などの種別を選択する。次に、図18(e)に示すように、実行ボタン62で次の入力項目であるパターンNo.の設定を開始する。この場合、値/機能切替(+側)ボタン64を一回押すと数字が大きくなり、値/機能切替(−側)ボタン65を押すと数字が小さくなる。そして、図18(f)に示すように、実行ボタン62を押すと設定項目に切り替えてOFFアドレスを上記のONアドレスと同様に設定する。最後に、実行ボタン62を押すと項目にカーソルが移動し、他の項目の設定画面に移ることができる。
【0078】
以上の説明のように、本実施の形態3に係る遠隔監視制御システムでは、分離型の設定スイッチ6から制御信号を出す場合においては、設定スイッチ6の内部で熱線センサ付自動スイッチ2の制御動作の有効/無効の切替をタイマ制御で行う。そして、設定用アドレスのデータとして設定内容が熱線センサ付自動ユニット2に送信される。このため、遠隔監視制御システムに用いるアドレスを使用しない。
【0079】
従って、従来では熱線センサ付自動スイッチ2の負荷の制御動作を有効/無効用切替アドレスを使用した場合、負荷に対する制御アドレスが減るが、本実施の形態3では、遠隔監視制御システムのアドレスを全て照明負荷に対する制御アドレスとして使用できる。
【0080】
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、遠隔監視制御システムの信号線Lsに接続されタイマ制御される装置は熱線センサ付自動スイッチ2に限定されるものではなく、他の外部連動ユニットでもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 伝送ユニット
2 熱線センサ付自動スイッチ
3 センサ入切用スイッチ
4 リレー制御端末器
5 照明器具
6 設定スイッチ
10 CPU(制御部)
10a 時計計測処理部(タイマ部)
17,31 操作入力部(入力部)
18,21,32,61,2a 液晶表示部(表示部)
2b〜2e,21a〜21c,62〜65 操作ボタン
Ls 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知エリア内の照度を検知する照度センサ及び前記検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサによる各検知結果に基づいて負荷の動作制御をする熱線センサ付自動スイッチを備えた遠隔監視制御システムにおいて、
前記熱線センサ付自動スイッチは、
前記負荷の動作制御をしない動作無効時間を入力する入力部と、
前記入力部を用いて調整される値を表示する表示部と、
前記動作無効時間を計測するタイマ部と、
前記タイマ部での計測に基づいて、前記照度センサ及び前記熱線センサの少なくとも一方の動作を有効又は無効にする制御部と、を備えることを特徴とする遠隔監視制御システム。
【請求項2】
前記熱線センサ付自動システムに接続され、前記熱線センサ付自動スイッチの動作を設定する設定スイッチをさらに備え、
前記設定スイッチは、
前記熱線センサ付自動スイッチが前記負荷の動作制御をしない動作無効時間を入力する入力部と、
前記入力部を用いて調整される値を表示する表示部と、
前記動作無効時間を計測するタイマ部と、
前記タイマ部での計測に基づいて、前記照度センサ及び前記熱線センサの少なくとも一方の動作を有効又は無効にする制御信号を生成する制御部と、
前記制御部で生成された前記制御信号を送信する送信部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の遠隔監視制御システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記制御信号の送信において、前記設定スイッチ及び前記熱線センサ付自動スイッチ間の通信に用いる設定用アドレスを使用することを特徴とする請求項2記載の遠隔監視制御システム。
【請求項4】
前記入力部は、さらに、前記熱線センサ又は前記照度センサの検知後に前記負荷の動作状態を保持する動作保持時間、前記照度センサの検知入力を有効又は無効とする際に基準となる照度、及びアドレスデータの入力が可能である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の遠隔監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図6】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−155921(P2012−155921A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12563(P2011−12563)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】