説明

遠隔読影システム及び遠隔読影方法

【課題】読影端末の環境を把握し、読影作業を効率よく行うことができる遠隔読影システムを提供する。
【解決手段】複数の読影端末及び医療機関と通信回線を介して接続した読影センターを含み、読影センターは、複数の医療機関からの読影依頼を受信して依頼内容及び画像データを管理する第1のデータベースと、複数の読影端末から送信された端末情報及び読影要求情報を受信管理する第2のデータベースと、受信した端末情報及び読影要求情報を基に読影端末を選択して読影候補の情報を送信し、送信先の読影端末で読影を受諾した場合に画像データを送信する配信部と、読影端末からの読影結果の情報を管理する第3のデータベースと、読影結果の情報を医療機関に提示するための依頼管理部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等の医療機関で作成した医用画像を、通信回線を利用して遠隔地の読影専門医(読影端末)に送信し、専門医によって読影した結果を受信できるようにした遠隔読影システム及び遠隔読影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院等の機関では、X線CT装置やMRI装置等の画像診断装置で撮影して得た医用画像を読影して診断を行うようにしている。またCT画像やMRI画像等の読影の専門医を欠く場合は、読影センターを介して読影の専門医に医用画像を送信し、読影を依頼するようにしている。
【0003】
読影センターは、通信回線を介して複数の読影端末及び複数の医療機関(病院等)と接続しており、医療機関から医用画像の読影依頼があった場合に、適切な専門医(読影端末)を決定して読影依頼を発送するようにしている。
【0004】
ところで、このような遠隔読影システムでは、読影依頼があったときに各読影医の現況(空き状況)や、専門分野、読影端末の性能等を十分に把握して、的確に読影依頼を発送する必要がある。このスケジューリングがうまくいかないと、特定の読影医に依頼が集中したり、読影できなかったりして、再度依頼をし直すことになり効率が悪くなる。
【0005】
特許文献1には、読影する医師を自動的に割り当てるようにした遠隔読影システムが開示されている。この例では複数の医師から送信されたスケジュールをセンター側で管理し、スケジュール情報に基づいて読影担当医を自動的に割り当てるようにしている。
【0006】
また特許文献2には、検査内容に応じて適切な読影医を選択する遠隔読影システムが開示されている。この例では、読影医から送られた各種の情報(例えば専門分野や現在の状態)を読影センターで管理し、読影医から送られた情報に基づいて読影医を選択するようにしている。
【0007】
しかしながら、このような読影システムでは、読影医がセンターに対して随時状況を通知しなければならず負担が増える。またセンター側は読影医の置かれている状況の一部を把握しているに過ぎず、センター側と読影医との間でスケジュールのずれを生じる可能性がある。特に至急依頼時には、読影医のおかれている状況とセンター側で想定した状況とが食い違うと、医師の再選定や再依頼が必要になる場合もあり、読影処理の遅延を招くことがある。
【0008】
また従来の読影システムでは、読影環境が考慮されていないため、ネットワーク環境及び読影端末の性能が異なると、検査内容によっては読影不能になったり、特定の医師に作業が集中することがあった。さらに予定した時間帯に読影業務ができなくても、あとで読影時間が取れる場合や、別の医師がたまたま時間が空いていて代行できる場合があっても、従来の読影システムでは、柔軟な対応ができないという不具合がある。
【特許文献1】特開2002−329190号公報
【特許文献2】特開2006−268075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の読影システムでは、読影医がセンターに対して随時状況を通知しなければならず負担が増えるし、センター側と読影医との間でスケジュールのずれを生じる可能性がある。特に至急依頼時には、読影医のおかれている状況とセンター側で想定した状況とが食い違うと、医師の再選定や再依頼が必要になり、読影処理の遅延を招くことがある。また読影環境が考慮されていないため、検査内容によっては読影不能になったり、特定の医師に作業が集中することがあった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、読影医の使用している端末の仕様やネットワークの状態を把握し、医師の負担を低減し作業負荷を平準化することができる遠隔読影システム及び遠隔読影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、複数の読影端末及び医療機関と通信回線を介して接続可能な読影センターを含む遠隔読影システムであって、前記読影センターは、 前記複数の医療機関からの読影依頼を受信して依頼内容及び読影すべき画像データを含む依頼情報を管理する第1のデータベースと、前記複数の読影端末から送信された端末情報及び読影要求情報を受信管理する第2のデータベースと、前記受信した端末情報及び読影要求情報を基に読影端末を選択し、選択した読影端末に読影候補の情報を送信するとともに、送信先の読影端末で読影を受諾した場合に画像データを送信する配信部と、前記読影端末からの読影結果の情報を受信して管理する第3のデータベースと、前記第3のデータベースに保管された読影結果の情報を前記医療機関に提示するための依頼管理部と、を具備したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7記載の本発明の遠隔読影方法は、複数の読影端末及び医療機関と通信回線を介して接続可能な読影センターを有し、前記読影センターは、前記複数の医療機関からの読影依頼を受信し、前記読影依頼の内容及び読影すべき画像データを含む依頼情報を管理し、前記複数の読影端末からの端末情報及び読影要求情報を受信管理し、受信した端末情報及び読影要求情報を基に読影端末を選択し、選択した読影端末に読影候補の情報を送信し、送信先の読影端末で読影を受諾した場合に当該読影端末に前記画像データを配信し、前記読影端末からの読影結果の情報を受信して依頼のあった前記医療機関に提示可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、読影医のスケジュール入力が不要となり、事務方及び医師の負担を低減することができ、読影医の状況に即した遠隔読影業務を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の遠隔読影システムの一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の遠隔読影システムの一実施形態を示す構成図である。図1において、100は読影センターであり、読影センター100は、通信回線(ネットワーク)101を介して複数の読影端末201,202…、及び医療機関301,302…に接続されている。以下の説明では、読影端末201,202…を総称して読影端末200と呼ぶこともある。また医療機関301,302…を総称して医療機関300と呼ぶこともある。
【0016】
読影センター100は、読影端末200との間で情報の送受信を行うデータ入出力部11と、医療機関300との間で情報の送受信を行うデータ入出力部12を有している。また第1、第2、第3のデータベースを備えている。第1のデータベースは、依頼検査データベース(D/B)13であり、第2のデータベースは、接続管理データベース(D/B)14であり、第3のデータベースは、読影結果データベース(DB)15である。
【0017】
接続管理データベース14とデータ入出力部11間には、端末接続管理部16、依頼検索・配信部17、検査情報配信部18を有している。また依頼検査データベース13とデータ入出力部11間には、読影管理部19を有し、依頼検査データベース13とデータ入出力部12間には、依頼管理部20を有している。依頼検査データベース13は、依頼検索・配信部17及び検査情報配信部18にも接続しており、読影結果データベース(DB)15は、読影管理部19と依頼管理部20に接続している。
【0018】
依頼検査データベース13は、医療機関300から送られてきた読影用の画像データや、依頼検査内容等の情報を記憶する。接続管理データベース14は、通信回線(ネットワーク101)を介して接続された読影端末200からの端末情報(端末識別コード、仕様、医師コード等)や読影要求情報等を記憶する。また読影結果データベース15は、読影端末200によって読影された読影結果(読影レポート等)を記憶する。
【0019】
端末接続管理部16は、読影センター100に接続されている読影端末20を管理し、読影端末200からの端末情報をもとに通信スループット(後述)の測定を行う。また依頼検索・配信部17は、医療機関30から読影依頼があったときに、どの読影端末(読影医)に対して読影の依頼を行うかを決定し、決定した読影端末200に依頼情報を配信する。
【0020】
検査情報配信部18は、PACS(Picture Archiving Communication System)等の画像ファイル通信保管部であり、読影端末が決定したあと、該当する読影端末20に医用画像データを配信する。尚、依頼検索・配信部17と検査情報配信部18は、読影センター100の配信部を構成する。
【0021】
読影管理部19は、レポートシステム等を含み、読影端末200からの読影結果(読影レポート等)を依頼のあった医療機関別に管理し、読影結果をデータベース15に記憶する。依頼管理部20は、医療機関30からの依頼を受け付けたり、読影結果を依頼のあった医療機関300に提示可能にする。
【0022】
次に読影センター100と読影端末200(ここでは読影端末201)との情報のやりとりを、図2のシーケンス図を参照して説明する。読影端末201は、コンピュータ本体21と操作部22及び表示部23を有し、ネットワーク101を介して読影センター100と通信可能である。
【0023】
図2において、ステップS1では、読影端末201から読影センター100に対して起動通知を送信する。起動通知としては、端末識別コード、仕様情報、医師コード等の端末情報を送信する。端末識別コードは読影端末201を識別するMACアドレス等であり、仕様情報は、読影端末201のスペック(モニタサイズの大きさや、ワークステーション型のコンピュータか、電子手帳型のコンピュータか等)を表す情報である。また医師コードは、読影端末201を操作する読影医のコードであり、この医師コードをもとに医師の専門分野等を把握することができる。
【0024】
図3は、読影端末201を起動したときの画面の一例を示している。図3において、読影端末201が読影センター100に接続されると、接続した旨の表示がなされ、医師コードの入力画面が表示される。この起動画面は、読影センター100で読影環境(スペック等)を確認したり、至急の依頼を読影センター100から通知するために、端末起動時またはログイン時に自動的に起動するようにしている。
【0025】
尚、起動画面の表示は必ずしも必要ではなく、読影センター100側で読影端末201の端末情報(MACアドレス等)と読影医が対応付けされている場合や、読影端末201のログイン情報と読影医が対応付けされている場合は、医師コード等の入力は不要であり。起動画面の表示は省略することができる。また読影端末201がPDA等の携帯情報端末の場合は、VPN(Virtual Private Network)等を介して読影センター100と接続してもよい。
【0026】
読影センター100は起動通知を受取ると、ステップS2で通信スループット測定し、その測定情報を読影端末201に送信する。通信スループット情報は、ネットワーク101上での処理スピードや、読影端末201の単位時間当たりの処理能力を示す情報であり、読影センター100で測定した通信スループット情報を読影端末201に送る。
【0027】
ステップS3では、読影端末201から読影センター100に対して、受け取った通信スループット情報と、端末識別コードを送信する。また読影端末201からは、ステップS4において読影医が読影可能な時間に読影要求情報を送信する。読影要求情報は、読影リストを要求する信号である。読影リストの要求を行う場合は、端末識別コード、要求内容、通信スループット情報を併せて送信する。
【0028】
読影リストの要求を行う場合、例えば、病院名、依頼科、依頼内容、検査種別、検査目的、画像タイプ、画像数、データ量、過去検査の有無、等の要求内容を指示することができ、読影端末201の表示画面に表示された条件設定画面から選択することができる。また図4で示すように読影医の専門分野等から、希望する検査のタイプや条件を予めプリセットしておき、リスト要求画面を表示するようにしてもよい。尚、図3の起動画面を表示しない場合は、図4の画面を表示するためのアプリケーションソフトを用意しておくことが望ましい。
【0029】
読影端末201から読影リストの要求があると、読影センター100では、ステップS5において要求内容(条件)に合う未読影の検査依頼を検索し、読影端末毎に読影可能な候補を選択する。このとき読影センター100側は、通信スループットの測定結果や端末情報をもとに、読影端末201で処理できそうな読影候補を絞り込む。またセンター側の判断で要求内容の一部を無視して候補を決定することもある。また運用によっては、センター側の絞込みによって各読影端末200に提供していない検査リストを要求するようにしてもよい。
【0030】
読影候補が決まると読影センター100は、ステップS6で読影候補の情報を読影端末201に送信する。読影端末201では、読影候補の情報を受取ると例えば図5に示すような読影候補一覧画面が表示される。読影候補一覧画面には、読影、依頼病院、依頼内容等のいくつかの項目が表示されるが、センター側の状況を随時反映させるため、他の端末で既に読影が開始された候補については「開始」等の識別マークを付けて表示し、未読影の候補と区分して表示される。或いは、既に読影が開始された候補についてはリストから削除される。
【0031】
図5のリストの中から、希望する読影候補をマウス等で選択し、「検査選択」ボタンが操作されると、ステップS7では読影端末201から読影センター100に対して選択した読影候補と読影を受諾した旨の回答が通知される。この通知を受けると読影センター100は、ステップS8で読影端末201に対して該当する読影候補の画像データを依頼検査データベース13から抽出して送信する。この場合、読影センター100は、読影環境(スペック等)に合わせて、画像の圧縮率等を調整して画像データを送信する。
【0032】
尚、リアルタイムに状況を更新できない環境にいる場合は、「検査選択」ボタンを操作したときに既に他の読影医が選択した可能性がある。したがって、所定時間経過したあとに「検査選択」ボタンが操作されたときは、その段階で別な検査を受け入れ可能である旨のメッセージを併せて読影センター100に送信するようにしてもよい。
【0033】
ステップS9で、読影端末201は画像データの読影を行い、ステップS10で読影結果を読影センター100に送信する。こうして読影センター100は、受け取った読影結果を依頼のあった医療機関300に送信する。或いは医療機関300から読影センター100に対してアクセスして読影結果を受取るようにしてもよい。依頼管理部20は、読影結果の情報を医療機関300に提示するための機能を有している。
【0034】
このように読影端末200では、自己の読影端末が読影可能な時間に読影リスト要求を行い、センター側は読影端末200の要求に応じてタイムリーに画像データを送信することができる。このため、センター100側で読影医のスケジュールを管理する必要がなく、スケジュール入力等の手間が省略され省力化が期待できる。また読影医の状況に即した遠隔読影業務を行うことができ、特定の医師に業務が集中するのを避けることができ、遠隔読影業務を効率よく遂行することができる。
【0035】
さらにセンター側は、通信スループットを考慮して読影候補のリストを返信するとともに、読影端末200の読影環境(スペック等)に合わせて画像の圧縮サイズ等を調整して画像データを送信するため、読影医はそのリストの中から、対応可能な検査を容易に選択することができる。
【実施例2】
【0036】
次に本発明の遠隔読影システムの第2の実施形態について説明する。この実施形態は、緊急の読影依頼があった場合に対処したものである。
【0037】
以下、第2の実施形態における読影センター100と読影端末200(ここでは読影端末201,202)との情報のやりとりを、図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0038】
図6において、ステップS11では、読影端末201から読影センター100に対して起動通知を送信する。起動通知としては端末識別コード、仕様情報、医師コード等の端末情報を送信する。読影センター100は起動通知を受取ると、ステップS12で通信スループット測定情報を読影端末201に送信する。ステップS13では、読影端末201から読影センター100に対して通信スループットの測定結果と端末識別コードを送信する。
【0039】
また、読影端末202から読影センター100との間でも同様の通信を行い、ステップS14では、読影端末202から読影センター100に対して起動通知を送信する。読影センター100は起動通知を受取ると、ステップS15で通信スループット測定情報を読影端末202に送信する。ステップS16では、読影端末202から読影センター100に対して通信スループットの測定結果と端末識別コードを送信する。
【0040】
この状態では、読影端末201及び読影端末202は待機状態にある。ここで医療機関300から緊急の検査依頼があると、ステップS17では、依頼内容及び通信スループットの測定結果を考慮して読影可能な読影端末200を絞り込み、依頼候補を選択する。
【0041】
ステップS18、S19では、選択した読影端末200(例えば読影端末201,202)に対して読影の打診情報を発送する。読影の打診を行う場合、依頼内容を同時に送信する。読影端末201,202では、読影の打診情報を受取ると、例えば図7に示すような読影候補一覧画面が表示される。
【0042】
読影候補一覧画面には、「センターから依頼がありました」といったメッセージのほかに、読影、依頼時刻、依頼病院、依頼内容等のいくつかの項目が表示される。またセンター側の状況を随時反映させるため、他の端末で既に読影が開始された候補については「開始」等の識別マークを付けて表示し、未読影の候補と区分して表示される。或いは、既に読影が開始された候補についてはリストから削除される。
【0043】
読影センター100は、至急の依頼を受け取ったときに、読影端末200に図7の画面をポップアップ等で表示させる。図7の画面は、センター側で依頼可能と判断した複数の読影端末200に同じ依頼内容で同時に表示される。尚、画面が非表示の状態でも依頼待ちうけサービスが稼動している必要があるが、アプリケーションの起動URL等を埋め込んだメールや、メッセンジャソフトによるメッセージを表示してもよい。また読影端末200において、図4、図5の画面を表示中の場合は、図7の画面に書き換える等により割り込み依頼を行う。
【0044】
読影の打診を受けた読影端末20の内、例えば読影端末202で読影可能であったとすると、読影端末202では、図7のリストの中から、希望する依頼項目(未読影の候補)をマウス等で選択し、「検査選択」ボタンを操作する。これにより、ステップS20では、読影端末202から読影センター100に選択した読影候補と読影を受諾した旨の回答が通知される。この通知を受けると読影センター100は、ステップS21で読影端末202に対して該当する読影候補の画像データ等を送信する。また「検査選択」ボタンを選択後、検査情報(画像等)の画面や、レポート作成の画面の表示に移行するようにしてもよい。
【0045】
読影端末202は、ステップS22で読影を行い、ステップS23で読影結果を読影センター100に送信する。こうして読影センター100は、受け取った読影結果を依頼のあった医療機関300に送信する。或いは医療機関300から読影センター100に対してアクセスして読影結果を受取るようにしてもよい。
【0046】
一方、読影の打診情報を受けた読影端末200(例えば201)において、読影時間がなく即座に対応できない場合は、例えば図7の「当分無理」、「暫時」のいずれかを選択する。「当分無理」は、現時点では読影時間がとれず当分の間は読影できない状況を意味し、「暫時」は、もう少し待てば読影可能を意味する。これらの、「当分無理」、「暫時」のボタンを操作すると読影端末201の現況を示す情報が読影センター100に送信される。
【0047】
例えば、依頼した読影医全員が緊急の依頼を受けられない場合は、再度要請する必要があるが、再依頼するときには、受信した回答(「当分無理」、「暫時」の種類)をもとに現況を判断し、読影の可能性の高い読影端末200に対して再度打診することができる。
【0048】
このように緊急の読影依頼があった場合、読影センター100は読影可能な端末200を絞り込んで、該当する読影端末200に読影の打診を行い、読影可能な読影端末200があれば、そこに画像データを送信して読影を依頼することができる。また緊急の依頼が受けられない場合であっても、読影の可能性の高い読影端末200に対して再度打診することができる。
【0049】
以上説明したように、本発明の遠隔読影システムでは、読影担当医のスケジュール入力が不要となり、読影センター側での事務方及び医師の負担を低減することができる。またシステム全体の読影効率及び読影量を向上することができる。
【0050】
尚、本発明の医療情報管理システムは、以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の医療情報管理システムの一実施形態を示すシステム構成図。
【図2】同実施形態における読影センターと読影端末間の情報のやりとりを説明するシーケンス図。
【図3】同実施形態における読影端末の起動画面の一例を示す説明図。
【図4】同実施形態における読影端末の読影リスト要求画面の一例を示す説明図。
【図5】同実施形態における読影端末の読影候補一覧画面の一例を示す説明図。
【図6】本発明の医療情報管理システムの他の実施形態における読影センターと読影端末間の情報のやりとりを説明するシーケンス図。
【図7】他の実施形態における読影端末の読影候補一覧画面の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0052】
100…読影センター
11,12…データ入出力部
13…依頼検査データベース
14…接続管理データベース
15…読影結果データベース
16…端末接続管理部
17…依頼検査・配信部
18…検査情報配信部
19…読影管理部
20…依頼管理部
101…ネットワーク
201,202…読影端末
301,302…医療機関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の読影端末及び医療機関と通信回線を介して接続可能な読影センターを含む遠隔読影システムであって、前記読影センターは、
前記複数の医療機関からの読影依頼を受信して依頼内容及び読影すべき画像データを含む依頼情報を管理する第1のデータベースと、
前記複数の読影端末から送信された端末情報及び読影要求情報を受信管理する第2のデータベースと、
前記受信した端末情報及び読影要求情報を基に読影端末を選択し、選択した読影端末に読影候補の情報を送信するとともに、送信先の読影端末で読影を受諾した場合に画像データを送信する配信部と、
前記読影端末からの読影結果の情報を受信して管理する第3のデータベースと、
前記第3のデータベースに保管された読影結果の情報を前記医療機関に提示するための依頼管理部と、
を具備したことを特徴とする遠隔読影システム。
【請求項2】
前記読影端末は、読影可能な時間に自己の端末識別コード及び仕様情報を含む前記端末情報を前記読影センターに送信することを特徴とする請求項1記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記読影センターは、前記端末情報を受信したとき前記読影端末の通信スループット情報を測定し、前記通信スループット情報及び前記端末情報をもとに読影要求のあった前記読影端末の読影環境を判断し、読影可能と判断した読影端末に読影候補のリストを送信することを特徴とする請求項2記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記読影端末は、前記読影候補のリストから読影を実施する依頼項目を選択し、前記読影センターの配信部は、前記選択された依頼項目に関する画像データを前記第2のデータベースから抽出して前記読影端末に送信することを特徴とする請求項3記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
前記読影センターは、前記医療機関から至急の読影依頼があったときに、前記端末情報をもとに複数の読影端末を指定して読影の打診情報を送信し、読影の受諾回答があった読影端末に対して読影すべき画像データを送信することを特徴とする請求項1記載の遠隔読影システム。
【請求項6】
前記読影の打診情報を受信した読影端末は、読影の受諾ができない場合に自己の端末の現況を前記読影センターに通知することを特徴とする請求項5記載の遠隔読影システム。
【請求項7】
複数の読影端末及び医療機関と通信回線を介して接続可能な読影センターを有し、前記読影センターは、
前記複数の医療機関からの読影依頼を受信し、
前記読影依頼の内容及び読影すべき画像データを含む依頼情報を管理し、
前記複数の読影端末からの端末情報及び読影要求情報を受信管理し、
受信した端末情報及び読影要求情報を基に読影端末を選択し、選択した読影端末に読影候補の情報を送信し、
送信先の読影端末で読影を受諾した場合に当該読影端末に前記画像データを配信し、
前記読影端末からの読影結果の情報を受信して依頼のあった前記医療機関に提示可能にしたことを特徴とする遠隔読影方法。
【請求項8】
前記読影端末は、読影可能な時間に自己の端末識別コード及び仕様情報を含む前記端末情報を前記読影センターに送信し、
前記読影センターは、前記端末情報を受信したとき前記読影端末の通信スループット情報を測定し、前記通信スループット情報及び前記端末情報をもとに読影要求のあった前記読影端末の読影環境を判断し、読影可能と判断した読影端末に読影候補リストを送信することを特徴とする請求項7記載の遠隔読影方法。
【請求項9】
前記読影端末は、前記読影候補リストから読影を実施する依頼項目を選択し、
前記読影センターは、前記選択された依頼項目に関する画像データを前記読影端末に送信することを特徴とする請求項8記載の遠隔読影方法。
【請求項10】
前記読影センターは、前記医療機関から至急の読影依頼があったときに、前記端末情報をもとに複数の読影端末を指定して読影の打診情報を送信し、
読影の受諾回答があった読影端末に対して読影すべき画像データを送信し、読影の受諾ができない読影端末は、自己の端末の現況を前記読影センターに通知することを特徴とする請求項7記載の遠隔読影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−134540(P2010−134540A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307580(P2008−307580)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】