説明

遮蔽部材を備えたスピンドル

【課題】糸を受容するための紡績機のスピンドルの遮蔽体を改善して、特に紡績開始時、ドッフィング時、または糸の破断時における紡績個所への簡単なアクセス性が得られ、流れ抵抗に基づくスピンドルにおけるエネルギ損出をできるだけ小さく維持することができるようなスピンドルを提供する。
【解決手段】軸受が駆動部材と前記受容領域(9)との間に配置されている軸受スリーブ(3)として形成されており、シャフト(4)と、軸受スリーブ(3)と、場合によっては駆動装置(5)とが、遮蔽部材(10)が軸方向でシャフト(4)に沿って、軸受スリーブ(3)の少なくとも1つの部分区分の上を摺動可能であるように、場合によっては駆動装置(5)と駆動部材上を摺動可能であるように長手方向で延びていて、形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、パッケージとしての糸を受容するための、紡績機のスピンドルレールに配置可能な、遮蔽部材を有するスピンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
紡績という概念は、本発明では、撚糸とも理解される。この場合、糸受容(巻取り)の代わりに、パッケージからの糸の引き渡し(繰り出し)も行われ、糸は単糸から成っていても、撚糸から成っていても良い。
【0003】
例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第3613163号明細書により公知の遮蔽部材はとりわけ迅速に回転するスピンドルのもとで使用され、部分的に著しい周囲への騒音負荷や、各パッケージの周りに特に糸の突出した細い繊維により生じる空気渦流に基づくエネルギの消費が減じられる。スピンドルからスピンドルへと伝えられるその各空気渦流がまとまることにより、紡績機の両側に長手方向で空気流が生じ、この空気流の結果、形成された繊維において繊維の自由端部が拡開し、その結果、不都合な微細な繊維が生じる。これにより各糸パッケージの空気抵抗はさらに大きくなる。スピンドルの駆動エネルギの大部分は、このようにして本来の目的をそれて限定される。とりわけ大きなパッケージ直径のもとでは、比較的大きな周速度に基づく、又は糸に作用する上昇する遠心力に基づくこのような不都合な作用は、プロセスのエネルギバランスや、対人的な負荷、糸の品質に関して不都合に作用する。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3613163号明細書に記載の、走行リングに沿って回転走行するトラベラと共に働く繊維機械のスピンドル上のコップとして形成されたパッケージのための遮蔽部材では、多数の糸層が互いに重なり合って巻き付けられていて、特に所定の直径に達したコップの部分は取り囲まれていて、徐々に減少する糸量が円錐状に巻き付けられているコップの上方部分は、遮蔽部材に遮蔽されずに保持され、これにより紡績開始時、ドッフィング時、または糸破損の際に所定のアクセス性が与えられている。これに対して既に形成された糸巻き体の太い部分が形成されているコップの下方部分は常に遮蔽部材によって取り囲まれている。遮蔽体はベローズまたはテレスコピック式の管として走行リングの下側、スピンドルの駆動ベルトの上側に形成されていて、走行リングとともに上下動可能である。遮蔽体として所定の一定の高さを有した短縮不可能な円筒管が使用される場合は、その下縁部に少なくとも1つのスリットを設けなければならない。このスリットにより、スピンドル軸受の上方でスピンドルに配置されていて、遮蔽体が沈められている場合に、この遮蔽体によって取り囲まれるホワールを駆動する駆動ベルトの貫通を可能にする。ベローズ及びテレスコピック管も、スリットの入れられた円筒管も、均一に閉じられた平滑な内面を有しておらず、コップの外面とカバー内面との間に一定の間隔は形成されないので、流れ技術的に、即ちエネルギ的に良好な状態は得られない。
【0005】
DE3400327号特許明細書にはベル精紡機のために設けられた遮蔽体が記載されている。この遮蔽体は電動モータと、そのロータ軸として形成されたスピンドルとを一緒に取り囲んでいる。遮蔽体の内法幅は、スピンドル電動モータの上下運動が遮蔽体内部で行えるようなサイズに選択されている。これにより必要な遮蔽体の大きな直径に基づき、パッケージと遮蔽体との間の間隔は、スピンドル駆動装置における効率がこの遮蔽体によって極めて制限されてしか改善されないような大きさである。ベル形遮蔽体またはスピンドルレールに連結されている遮蔽体自体は必然的に、糸破断の解消といったパッケージにおける作業のために、または充填された受容スリーブを空の受容スリーブと交換するために開放されなければならない。この場合、遮蔽体は特にフラップ開放可能に形成されている。従って、パッケージおよびスピンドルもしくは全紡績個所への自由なアクセス性は制限されてしまう。
【0006】
EP485880号特許明細書には、紡績機、特にベル形精紡機の外被体が示されていて、これは複数の互いに入れ子式に摺動可能な個々のスリーブ部材から成っている。外被体はベル形ホルダに保持されていて、互いに入れ子式にスライドして縮められた状態でこれを取り囲んでおり、これによりスピンドル、従ってパッケージは自由にアクセス可能である。互いに入れ子が引き伸ばされるようにスライドされた状態ではパッケージは完全に外被体によって取り囲まれている。この場合、外被体の少なくとも2つのテレスコピックエレメントに基づき、パッケージの外面と外被体の内面との間に一定の間隔が生じない。これにより流れ技術的に最良な状態が得られない。記載した装置のさらなる欠点は、テレスコープ可動性により必要となる構造の複雑性、特に繊維による汚染に基づく故障のし易さなどがあげられる。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3613163号明細書
【特許文献2】DE3400327号特許明細書
【特許文献3】EP485880号特許明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、糸を受容するための紡績機のスピンドルの遮蔽体を改善して、特に紡績開始時、ドッフィング時、または糸の破断時における紡績個所への簡単なアクセス性が得られ、流れ抵抗に基づくスピンドルにおけるエネルギ損出をできるだけ小さく維持することができるようなスピンドルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項の特徴部の実現により解決される。本発明を選択的にまたは有利に改善する特徴は従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は基本的に各精紡機または撚糸機で使用され、この精紡機や撚糸機では少なくとも繊維の一部がプロセス製品の横断面において本当の撚りを有し、従ってこれらの機械は、繊維を受容するために設けられていてコップを介して巻き付けられるまたはコップを介して繰り出される領域を備えた回転するシャフトを有しているものである。以下では単に、シャフトに、特にそこに配置された受容スリーブに、巻き付けが行われる紡績機および紡績過程について述べる。当業者には公知であるように、このような過程は基本的には例えば、撚糸、ラップ撚糸、モック撚糸、コアヤーン、コア撚糸、意匠糸、意匠撚糸を用いて、および別の方法実施例で、方法に応じて、記載した材料の流れ方向でまたは逆の材料の流れ方向で実行可能である。従って、糸の受容とは、本発明の範囲では糸の繰り出しとも理解される。
【0010】
本発明によるスピンドルは以下では一般的に、紡績機のスピンドルレールに組み付けられた状態で記載されている。
【0011】
全体のユニットとしてのスピンドルは駆動可能なシャフトを有しており、該シャフトには糸を受容するために規定された受容領域が設けられている。受容領域への糸の巻き付けは有利には公知のようにパッケージの成形により行われる。このパッケージは、例えばコップとして形成されていて、シャフトの受容エレメントに、特に差し込まれた受容スリーブに、またはシャフトに直接に形成されている。シャフトに直接の場合は、シャフトは取り外し可能に形成されている。さらに、複数の糸を1つのパッケージに、または2つの軸方向にずらされたパッケージに巻き付けることが可能である。シャフトは唯1つの軸または、特に互いに内外に差し込まれた、またはねじ込まれた、パッケージのドッフィングのために分離可能な複数の軸から成っている。シャフトは回転可能であって、特に浮動式に軸受スリーブに支承されている。この軸受スリーブは、間接的にまたは直接的に回転可能に紡績機のスピンドルレールに結合されている。
【0012】
スピンドルレールとしては一般的には、紡績機の基体に対して、使用される紡績方法に応じて、定置のまたは上下動可能な、紡績機のスピンドルが配置される構成部分として理解される。シャフトの、軸受スリーブに関して受容領域とは反対側に位置する半部には、シャフトを駆動することができる駆動部材が配置されている。従って軸受は、駆動部材と、糸を受容するために設けられた領域との間に存在する。この駆動部材は例えば、紡績機の駆動ベルトによって駆動可能なホワールまたは、電動モータのロータとして形成されている。
【0013】
本発明の有利な構成では、スピンドルはシャフトを駆動するために個々の電動モータ駆動装置を有していて、この場合、駆動部材を形成するそのロータはシャフトに回動不能に結合されていて、ステータは間接的又は直接的に回動不能に軸受スリーブに結合されている。この場合、軸受スリーブとステータとは1つの共通の構成群を形成している。
【0014】
別の有利な構成では、シャフト全体の軸受はもっぱら軸受スリーブを介して2つの軸受列によって行われる。この場合、特にロータとして形成された駆動部材は、軸受装置の外側で駆動側の軸受列の近傍に配置されているので、駆動部材はオーバーハング式に支承されている。これによりロータと軸受装置との間に短いレバーアームが得られ、このことはステータに対するロータの整合正確性に関して有利である。これにより駆動部材の耐用寿命が延びると同時に高い効率が得られる。軸受のために転がり軸受が使用されるならば、軸受スリーブは例えば共通の外レースを形成し、この場合、シャフトには転動体収容のための溝が形成され、軸受を組み付けることができる相応の部材も設けられる。勿論、選択的に、とりわけ外レースが軸受スリーブに結合されていて、内レースがシャフトに結合されているコンベンショナルな2つの転がり軸受を使用することもできる。安定性の理由から軸受列は有利には互いに大きな間隔を置いて配置されている。この場合、両軸受列の軸方向の間隔は、軸受列に支承されたシャフトの直径よりも極めて大きく、特に少なくともファクタ3は大きい。
【0015】
1つの可能な実施例では、個々の電動モータ駆動装置が、後述する遮蔽部材の内側または、さらには軸受スリーブの内側に取り付け可能であるような小さな直径を有している。有利にはスピンドルは、スピンドルレールに、軸受スリーブの駆動側の端部の近傍に成形された、例えば軸受スリーブを取り囲むフランジによって、または、駆動装置のステータを介して固定されているので、スピンドルレールへのスピンドルの固定は、軸受の下方、場合によっては駆動装置の下方で行われる。従って、縦長の、特に軸受スリーブによって形成される、スピンドルレール固定部とシャフトの受容領域との間の領域が設けられる。
【0016】
本発明の別の構成では、軸受スリーブと、場合によっては駆動装置も、スピンドルレールに結合された軸受収容スリーブによって半径方向で間隔を置いて取り囲まれる。軸受収容スリーブは、半径方向及び軸方向で作用する、スペーサとして働く緩衝部材を介して軸受スリーブに連結解除可能に結合されている。回転する部材、軸受、個々の電動モータによる駆動装置ではステータが、スピンドルレールから連結解除されることにより、スピンドルの振動特性が改善され、これにより軸受は損傷されにくくなる。従って耐用寿命が延長され、より高いスピンドル回転数が得られる。
【0017】
スピンドルはさらに遮蔽部材を有している。この遮蔽部材は、遮蔽位置でシャフトを、主として糸を受容するために設けられている受容領域で取り囲む。受容された糸は、例えばコップとして形成されているパッケージを形成する。遮蔽部材は、ほぼ円筒状の形状を有していて、例えばプラスチックから成る、特に平滑に閉じられた内部円筒面と一体に形成されている。遮蔽部材の内径は、受容された糸の形式に応じて、受容された糸から成るパッケージの所定の外径よりも、少なくとも4mm、最大でも60mm大きいように形成されていると、空気抵抗により生じるパッケージにおける損失が最も小さいことが実験より示されている。最良の結果は、糸に応じて約10〜20mmの範囲であって、遮蔽部材の内部領域の閉じられた平滑な周面で得られる。遮蔽部材の内輪郭を、少なくとも部分区分において、最終的に巻き付けられたパッケージの所定の外輪郭に適合させることができる。遮蔽部材の長さは可能な実施例では、パッケージの最大直径範囲全体の遮蔽を可能にするように設定されている。
【0018】
本発明によれば、シャフト、軸受スリーブ、場合によっては駆動装置、さらには場合によっては軸受収容スリーブは、特にスピンドルレールへの固定部の上方で、遮蔽部材が軸方向でシャフトに沿って軸受スリーブの少なくとも部分区分と、場合によっては軸受収容スリーブと、場合によっては駆動装置と駆動部材の上を摺動可能であるような長さと形式に形成されている。このために、遮蔽部材の長さは有利には、軸方向の摺動可能性が、少なくとも最大直径範囲の長さにわたって、パッケージ軸線に沿って可能であるように寸法設定されている。少なくともシャフトおよび軸受スリーブ上で行われる駆動装置の方向での遮蔽部材の摺動により、遮蔽部材がアクセス位置にもたらされ、このアクセス位置では、パッケージがほぼスピンドルの全充填行程の長さにわたって解放される。これによりスピンドル個所における妨げられない操作が、特に紡績開始時、ドッフィング時、糸破断時に可能である。
【0019】
遮蔽部材のこのような形式の軸方向の摺動を可能にするために、シャフトと、シャフトを少なくとも部分区分で取り囲み、シャフトを支承する軸受スリーブとは、特にスピンドルレールにおける固定部の上側で縦長の形状を有しており、この形状により、遮蔽部材の駆動軸の方向での摺動が、シャフトと軸受スリーブとを介して可能になる。この場合、軸受スリーブの外径は、オーバラップ領域で、遮蔽部材の内径よりも小さく寸法設定されている。駆動部材が軸受スリーブの内側に配置されているならば、及び/又は駆動部材の外径が遮蔽部材の内径よりも小さいならば、遮蔽部材が1つの可能な構成では駆動部材上でも摺動可能である。
【0020】
遮蔽部材の軸方向の摺動性を可能にする支承は例えば、遮蔽部材が滑動するように軸方向で、軸受スリーブの外面に支承されているか、またはスライドスリーブを使用して軸受収容スリーブに支承されていることにより行われる。この場合、遮蔽部材を、パッケージを遮蔽する遮蔽位置に保持し、遮蔽部材が軸受スリーブ上にずらされているアクセス位置に保持するための手段が設けられている。単数又は複数の紡績個所における操作が、方法に基づき行われるかどうかに応じて、遮蔽部材を軸方向で摺動させるための手段または、紡績過程中に複数のスピンドルの多数の遮蔽部材を軸方向で同期的に摺動させるための手段または遮蔽部材を遮蔽位置からアクセス位置に摺動させる、またはアクセス位置から遮蔽位置へと摺動させる手段が設けられている。遮蔽部材はグループでも、グループとは独立的に個々にでも運動可能である。このために、例えばバヨネット結合、ねじ結合、磁石結合の形の、例えば少なくとも1つの遮蔽部材を、共通の同期的な軸方向の摺動のための手段から個々に連結解除するための手段が設けられている。これにより、連結解除すべき遮蔽部材を、特に手動で、残りの遮蔽部材の同期的な軸方向の摺動から少なくとも一時的にはずすことができる。
【0021】
遮蔽部材は本発明の可能な別の構成では軸方向で摺動可能であるだけでなく、シャフトの回転軸線を中心として回転可能にも形成されている。この場合、遮蔽部材はシャフトよりも低い回転数で、例えば半分の回転数で駆動される。選択的には、遮蔽部材は固有の駆動装置を有しておらず、スピンドルの周りを流れる空気流により駆動されるようにスムーズに支承されている。このような手段により、スピンドルにおけるエネルギ損失はさらに減じることができる。軸受は例えば、エアベアリングまたはマグネットベアリングを介して行われるが、別の形式の軸受を使用することもできる。
【0022】
本発明によるスピンドルは、種々異なる精紡法および撚糸法のために使用することができ、例えばフライヤー精紡及び/又は撚糸、ファンネル精紡及び/又は撚糸、ベル精紡及び/又は撚糸、ループ精紡及び/又は撚糸、ラップ精紡及び/又は撚糸、リング精紡及び/又は撚糸に使用することができ、バルーン制限装置を有していても有していなくても、バルーンがなくても良い。この場合、本発明によるスピンドルでは実質的に、遮蔽部材の操作および寸法設定および、遮蔽部材を軸方向で摺動させるための対応する手段においてしか相違点がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0024】
図1aと図1bには、スピンドル1aの可能な第1の実施例が示されている。この場合、図1aは遮蔽位置Aにおける遮蔽部材10を示していて、図1bはアクセス位置Zにおける遮蔽部材10を示している。以下に両図に共通の点を説明する。
【0025】
スピンドル1aは長いシャフト4を有しており、このシャフト4上には、コップとして形成されたパッケージ8の形の糸を受容するための受容領域9が設けられており、このパッケージ8は、シャフト4に差し込まれた受容スリーブ24上に形成される。パッケージ8は完成状態で、図1a及び図1bに示されているように、最大数の糸層が互いに重なり合って位置している最大の直径領域11を有していて、この領域の外径はD11で長さはL11である。シャフト4は、2つの互いに間隔をおいて位置している転がり軸受18によって軸受スリーブ3内に支承されている。軸受スリーブ3内に位置するシャフト4の区分の直径D4と比較して大きい、即ち3倍以上、特に5倍以上、ここでは10倍以上の、両転がり軸受18の軸受列の軸方向の間隔L18と、良好なレバーアームとにより、シャフト4をほぼ振動なしに高い回転数で駆動することができる。シャフトを個々に駆動するために、スピンドル1aは個々の電動モータによる駆動装置5を電動モータとして有しており、そのロータ6はシャフト4に直接配置されていて、ステータ7は、軸受スリーブ3に結合されている複数の部分から成る駆動装置ケーシング25内に配置されている。従ってロータ6はオーバーハング式に支承されている。勿論、ここでは駆動機能と、軸受機能と、糸受容機能とを有する一体のシャフト4の代わりに、互いに結合された複数の軸を使用することができ、これにより例えば駆動装置5を特に保守・整備目的でシャフト4から取り外すことができる。
【0026】
駆動装置ケーシング25には軸受スリーブ3の下側にフランジ19が成形されており、このフランジ19は、ねじ20によってスピンドル1aを紡績機のスピンドルレール2に組み付けるために利用される。これにより、軸受スリーブ3はスピンドルレール2の上方に長手方向で突出している。フランジ19とスピンドルレール2との間には緩衝部材28が、スピンドル全体の緩衝のために設けられている。図示した実施例では、軸受スリーブ3と、駆動装置ケーシング25と、一体成形されたフランジ19とが堅固に直接的に互いに結合されている。従ってこのユニット全体は3つの機能区分に分けられる。即ち、シャフト4の軸受ケーシングとして働き、駆動装置5のステータケーシングとして働き、スピンドルレール2へのスピンドル1a全体の固定部として働く。従って選択的に、このユニットを複数の部分から形成する代わりに、3つ全ての機能区分を有する1つの部分を使用することもできる。さらにスピンドルレール2と軸受スリーブ3とは一体的に形成することができる。従って、この出願の範囲では、軸受スリーブ3とはシャフト4を少なくとも部分的に取り囲み、これを特に転がり軸受、滑り軸受、エアベアリング、磁気ベアリングによって支承するシャフト被覆部と理解される。このシャフト被覆部は、図示した実施例のように、個々の部分または選択的には1つのエレメント、例えば駆動エレメントまたは固定エレメントとしても働く1つのエレメントの純粋な機能区分によって形成することができる。ステータ7を軸受スリーブ3に直接的に回動不能に結合する代わりに、例えば選択的に、ステータ7と軸受スリーブ3との間の結合をスピンドルレール2を介して形成することもできる。スピンドル1aをスピンドルレール2に組み付けていない状態では、ステータ7と軸受スリーブ3とは結合されていない。
【0027】
軸受スリーブ3と駆動装置ケーシング25の外側に位置するシャフト4の部分、特に糸を受容するための受容領域9を遮蔽するために、とりわけパッケージ8を遮蔽するために、スピンドル1aは、円筒状の一体的な環状に閉じられたスリーブの形の遮蔽部材10を有している。その内径d10は、パッケージ8の最大直径領域11の外径D11よりも大きいので、パッケージ8を遮蔽するための遮蔽部材10は外側からパッケージ8上を摺動することができる。この軸方向の摺動可能性は矢印27で示されている。有利には、遮蔽部材10の内径d10は、受容すべき糸の形式に応じて、少なくとも4mm、特にほぼ10〜20mm、パッケージ8の最大直径領域11の所定の外径D11よりも大きく規定されている。軸受スリーブ3の外径D3は遮蔽部材10の内径d10よりもさらに小さいので、遮蔽部材10は同様に軸受スリーブ3上も摺動することができる。遮蔽部材10の長さL10は少なくとも、パッケージ8の最大直径領域11の長さL11と同じ大きさでなければならない。これにより最大直径領域11全体が、殆ど完全なパッケージの巻き付け状態で遮蔽可能である。しかしながら最良の遮蔽のために、遮蔽部材10の長さL10は、最大直径領域11の長さL11よりも大きく、例えば少なくとも受容領域9の長さL9の大きさである。これにより有利には、糸を受容するための受容領域9全体が遮蔽でき、一方では周囲に対する騒音的な負荷を軽減することができ、他方ではとりわけ、遮蔽部材10内側のパッケージ8を取り囲む制限された空気流領域の形成を形成することができる。
【0028】
この実施例では長さL10は殆ど全受容領域9が遮蔽されることができ、遮蔽部材10はさらに、軸受スリーブ3を取り囲むスライドスリーブ21に沿って最大の遮蔽位置までスライドするように支承されているように寸法設定されている。スライドスリーブ21は軸受スリーブ3の外径D3と遮蔽部材10の内径d10との間の直径差を補償するために働き、これにより、図示した実施例では間接的に、軸方向で行われる、軸受スリーブ3の外面15上での遮蔽部材10の滑り支承を可能にする。スライドスリーブ21は例えばテフロンから成っている。シャフト4と、軸受スリーブ3と、遮蔽部材10とが相応の寸法と形状であるならば、スライドスリーブ21は完全に省くことができる。
【0029】
遮蔽部材10の長さL10と軸受スリーブ3の長さL3は、この実施例では、遮蔽部材10の殆どの部分が軸受スリーブ3上を摺動することができるような比率であって、これにより図1bに示したように軸受スリーブ3を、糸の受容のために規定された受容領域9、即ち紡績個所にできるだけ自由に接近することができるアクセス位置Zにもたらすことができる。これにより紡績個所における操作、特に巻き始めのための、または糸破断時の、またはドッフィングのための操作が可能になる。軸受スリーブ3の長さL3は図示した場合、軸受スリーブ3によって取り囲まれたシャフト4の区分が鉛直方向でスピンドルレール2の固定区分を越えて長手方向で外方に延びるような長さである。
【0030】
遮蔽部材10の軸方向の摺動のために、特にアクセス位置Zから遮蔽位置Aへの摺動のために、遮蔽部材10は手段16を有しており、この手段は例えばニューマチックシリンダとして形成されている。紡績機においては常に多数のスピンドルが使用されるので、個々の遮蔽部材が同期的に調節可能に形成されていて、調節するための手段16を相応に同期化させられると有利である。1つのスピンドルグループもしくは全てのスピンドルが、遮蔽部材10によって同期的に閉鎖されている場合に、例えば糸破断時の操作を個々のスピンドルにおいて可能にするために、少なくとも1つの遮蔽部材10を、全体的に同期的な軸方向の摺動のための手段16から個々に連結解除するための手段29が設けられている。これにより、個々の遮蔽部材10は特に手動で、その他の遮蔽部材10とは無関係に、少なくとも一時的に摺動することができる。従って、同期的な運動のために設けられた手段16への結合も解除可能であって、特に手動で解除可能であるように形成することができる。このような個々の連結解除のための手段29としては例えば、磁石、バヨネット、ねじその他の接続形態が可能である。遮蔽部材10は手動でアクセス位置Zにもたらされる。
【0031】
第1の実施例のスピンドル4は、先行技術により公知のファンネル17を備えたファンネル精紡機の部分であって、その最大外径D17は遮蔽部材10の内径d10よりも小さい。これにより遮蔽部材10は、少なくとも部分的に、迅速に回転するファンネル17を、図1aに示したように遮蔽するためにも使用することができる。ファンネル17と遮蔽部材10とが互いに妨害しないので、紡績過程中に遮蔽部材10が軸方向でずれる必要ない。しかしながらループ精紡の際、ファンネル17の下方に、ファンネルホイールを越えて突出する糸ループを形成する方法では、遮蔽部材10が継続的に、ファンネル17の下縁部と遮蔽部材10の上縁部との間に軸方向で一定の間隔があるように調節される。これによりループは妨げられることなく形成される。選択的には例えば遮蔽部材10において、ループのための成形部が形成されている。
【0032】
図2には、遮蔽位置Aにある遮蔽部材10とベルト駆動装置とを備えた本発明によるスピンドル1a′の第2の実施例が示されている。スピンドル1a′の第2の実施例は、スピンドル1aの第1の実施例と駆動装置以外はほぼ同じであるので、以下の説明では駆動装置における相違点にのみ触れる。従ってその他の部材の説明に関しては、図1a及び図1bのスピンドル1aの第1の実施例の説明を参照されたい。シャフト4を駆動するために、図1a及び図1bのスピンドル1aの個々の電動モータ駆動装置5の代わりに、フランジ19によって行われる、スピンドルレール2へのスピンドル1a′の固定部の下側に駆動部材としてのホワール30がシャフト4の下端部に回動不能に固定されている。ホワール30、ひいてはシャフト4は1つの駆動ベルト31によって駆動可能であって、この駆動ベルト31は図示されていない1つの駆動装置によって駆動される。
【0033】
図3には、本発明によるスピンドル1bの、具体的にファンネル精紡機に配置された第3の構成が、即ちスピンドル1aを有する第1の実施例の別の構成が示されている。軸受スリーブ3は、環状の半径方向で間隔をおいて配置された特に円筒状の軸受収容スリーブ12内に配置されている。この場合、軸受スリーブ3と軸受収容スリーブ12とは、半径方向および軸方向で作用する、距離を保つための緩衝部材13を介して互いに連結解除可能に結合されている。軸受収容スリーブ12にはスピンドル1bをスピンドルレール2に固定するためのフランジ19が成形されている。このような配置により、駆動装置5、軸受スリーブ3、シャフト4、パッケージ8から成るユニット全体をスピンドルレール2から連結解除することができるので、シャフト4の高い回転数により生じ、紡績過程で生じる振動が緩衝される。これにより極めて高いスピンドル回転数に達することができ、スピンドルの不安定な振動の危険は減じられる。緩衝部材13は例えばゴム弾性的な材料またはゴム・金属部材から成っており、例えば、鋼の内側リング、エラストマ、鋼の外側リングから成っていて、軸受スリーブ3が半径方向および軸方向で下方及び/又は上方に向かって、駆動装置の方向で及び/又は駆動装置から離れる方向で緩衝されて支承されている。緩衝部材は有利には軸受列の高さまたはその近傍に取り付けられる。図示した第3の実施例では、軸受収容スリーブ12の外径D12は、遮蔽部材10の内径d10よりも小さいので、図1aおよび図1bの第1の実施例のように、遮蔽部材10は軸受収容スリーブ12上を、従って軸受スリーブ3及び、シャフト4上を軸方向に摺動することができる。しかしながら図3では、遮蔽部材10の長さL10が、図1aおよび図1bに示した第1の実施例のものよりも短く、受容領域9の長さにほぼ相当する。さらに、遮蔽部材10の軸受は、軸方向に摺動させるための手段16を介して行われる。選択的には、遮蔽部材10をスライドするように軸方向摺動可能に軸受収容スリーブ12の外面14に支承することもできる。
【0034】
図4には図3の構成に似ているスピンドル1cが示されているが、ファンネル精紡機ではなくリング精紡機に組み付けられている。少なくとも間接的に糸をガイドするエレメントとして、リング26を備えた、軸方向で運動可能なリングフレーム23が使用されている。このリング23にはトラベラ22が配置されていて、このトラベラ22によって糸がガイドされ、トラベラ22はパッケージ8の周りを走行する。遮蔽部材10はリングフレーム23に不動に、または場合によっては解離可能に連結されている。遮蔽部材10の長さL10は、図4に示したように、リングフレーム23に連結された状態で最大直径領域11のほぼ全長L11に沿ってパッケージ8を遮蔽するように規定されている。固定部の上側でスピンドルレール2に配置された軸受収容スリーブ12が縦長に形成されていることにより、遮蔽部材10は軸受部の上方を摺動可能であり、このことは例えば紡績過程の開始時に、リングフレーム23が下方の位置に位置している場合、または遮蔽部材10が付加的にリングフレーム23から分離されている場合などに行われる。遮蔽部材10が特にパッケージ8への良好なアクセス性を得るために、手動で軸受収容スリーブ12上を摺動することを可能にする付加的に解離可能なこのような結合は、例えばバヨネット結合部材、ねじ結合部材、磁石結合部材によって行われる。
【0035】
図5には、図1a及び図1bの第1の構成の変化実施例、即ち第5変化実施例が、軸受スリーブ3の内側に配置された駆動装置5を有したスピンドル1dの形で示されている。従って軸受スリーブ3は同様に駆動ケーシングとして働き、その内部にはステータ7が取り付けられている。スライドスリーブ21によって間接的に軸受スリーブ3の外面15に支承されている、図5にアクセス位置Zで示された遮蔽部材10は、軸受スリーブ3上で軸方向に摺動可能であるだけではなく、軸受スリーブ3の内側に位置する駆動装置5上でも摺動可能であるので、スピンドル1dの全長が減じられる。これにより、個々の電動モータ駆動装置5と軸受とを含むスピンドル1d全体がスピンドルレール2の上方に配置されることも考えられる。緩衝部材28は、スピンドル1dとスピンドルレール2の間の連結解除のために働く。転がり軸受18の軸方向の間隔が小さいことにより、この第5実施例における振動特性は、その他の実施例の場合よりも幾分不都合なものになるが、軸受の製造は簡単になる。図5のその他の部材の説明は、図1a及び図1bの説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】軸受スリーブのスライドスリーブ上にスライドするように支承された遮蔽位置にある遮蔽部材と個々の電動モータによる駆動装置とを備えたファンネル精紡装置のためのスピンドルの第1実施例を示した図である。
【図1b】アクセス位置にある遮蔽部材を備えた前記第1実施例のスピンドルを示した図である。
【図2】ベルト駆動装置を有したスピンドルの第2実施例を示した図である。
【図3】軸受収容スリーブと遮蔽位置にある遮蔽部材とを有したファンネル精紡機のためのスピンドルの第3実施例を示した図である。
【図4】軸受スリーブの軸受収容スリーブ上にスライドするように支承された、遮蔽位置にある遮蔽部材を備えたリング精紡機のためのスピンドルの第4実施例を示した図である。
【図5】軸受スリーブの内側に配置された個々の電動モータによる駆動装置を備えたスピンドルの第5実施例を示した図である。
【符号の説明】
【0037】
1a スピンドル、 2 スピンドルレール、 3 軸受スリーブ、 4 シャフト、 5 駆動装置、 6 ロータ、 7 ステータ、 8 パッケージ、 9 受容領域、 10 遮蔽部材、 11 催行直径領域、 12 軸受収容スリーブ、 13 緩衝部材、 14 外面、 15 外面、 16 手段、 17 ファンネル、 18 転がり軸受、 19 フランジ、 20 ねじ、 21 スライドスリーブ、 22 トラベラ、 23 リングフレーム、 24 受容スリーブ、 25 駆動ケーシング、 26 リング、 27 矢印、 28 緩衝部材、 29 手段、 30 ホワール、 31 駆動ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を受容するためのスピンドルであって、該スピンドル(1a,1b,1c,1d)が紡績機のスピンドルレール(2)に配置可能であって、
直接的または間接的に回動不能にスピンドルレール(2)に結合可能な軸受内に支承されたシャフト(4)が設けられており、該シャフトが、パッケージ(8)の形で行われる糸の受容のために設けられた受容領域(9)を有しており、
前記シャフト(4)に回動不能に結合された駆動部材が設けられており、該駆動部材は、シャフト(4)を駆動することができる駆動装置(5)に配属されており、
ほぼ円筒状の、特に一体的な遮蔽部材(10)が設けられており、該遮蔽部材(10)によってシャフト(4)の受容領域(9)が少なくとも部分的に取り囲まれていて、遮蔽部材(10)が軸方向でシャフト(4)に沿って、場合によっては駆動部材上に摺動可能である形式のものにおいて、
前記軸受が、駆動部材と前記受容領域(9)との間に配置されている軸受スリーブ(3)として形成されており、
シャフト(4)と、軸受スリーブ(3)と、場合によっては駆動装置(5)とが、遮蔽部材(10)が軸方向でシャフト(4)に沿って、軸受スリーブ(3)の少なくとも1つの部分区分の上を摺動可能であるように、場合によっては駆動装置(5)と駆動部材上を摺動可能であるように長手方向で延びていて、形成されていることを特徴とする、糸を受容するためのスピンドル。
【請求項2】
遮蔽部材(10)が、受容領域(9)を取り囲む領域で、一定の内径(d10)の閉じられた周面をもって円筒状に形成されている、請求項1記載のスピンドル。
【請求項3】
遮蔽部材(10)が、パッケージ(8)の最大直径領域(11)の所定の外径(D11)よりも、受容すべき糸の形式に応じて、少なくとも4mm大きい、特に約10〜20mm大きい内径(d10)を有している、請求項1又は2記載のスピンドル。
【請求項4】
遮蔽部材(10)が、パッケージ(8)の所定の最大直径領域(11)全体を遮蔽することができる長さ(L10)を有していて、少なくともパッケージ(8)の所定の最大直径領域(11)の長さ(L11)だけ軸方向の摺動可能性が得られるように形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項5】
軸受スリーブ(3)には、特に転がり軸受(18)として形成された2つの軸受列が、シャフトの直径(D4)よりも大きい軸方向の間隔(L18)をもって軸受スリーブ(3)内に配置されていて、この場合、シャフト(4)が、特に浮動するようにもっぱら軸受スリーブ(3)を介して、従って駆動部材を介してオーバーハング式に支承されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項6】
駆動装置が、1つのロータ(6)とステータ(7)とを備えた個々の電動モータによる駆動装置(5)として形成されていて、駆動部材が、特にオーバーハング式に支承されたロータ(6)によって形成されており、ステータ(7)が間接的にまたは直接的に回動不能に軸受スリーブ(3)に結合可能である、または結合されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項7】
軸受スリーブ(3)を取り囲む、半径方向で間隔をおいて配置された、スピンドルレール(2)に結合可能な、特に円筒状の軸受収容スリーブ(12)が設けられており、該軸受収容スリーブが半径方向および軸方向で作用する、スペーサとして働く緩衝部材(13)を介して軸受スリーブ(3)に解除可能に結合されていて、これにより少なくともシャフト(4)と、ロータ(6)と、ステータ(7)と、軸受スリーブ(3)とがスピンドルレール(2)および軸受収容スリーブ(12)から連結解除されていて、遮蔽部材(10)が少なくとも部分的に軸受収容スリーブ(12)上を軸方向で摺動可能である、請求項6記載のスピンドル。
【請求項8】
個々の電動モータによる駆動装置(5)が軸受収容スリーブ(12)の内側に配置されている、請求項7記載のスピンドル。
【請求項9】
遮蔽部材(10)がスライドするように軸方向摺動可能に、軸受収容スリーブ(12)の外面(14)に支承されている、請求項7又は8記載のスピンドル。
【請求項10】
遮蔽部材(10)がスライドするように軸方向摺動可能に、軸受スリーブ(3)の外面(15)に支承されている、請求項6記載のスピンドル。
【請求項11】
個々の電動モータによる駆動装置(5)が軸受スリーブ(3)の内側に配置されている、請求項6から10までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項12】
紡績機械が特に、ファンネル精紡機またはベル精紡機として形成されていて、遮蔽部材(10)が、最大直径領域(11)のほぼ全長(L11)わたってパッケージ(8)を遮蔽する遮蔽位置(A)と、遮蔽部材(10)が軸受スリーブ(3)の少なくとも1つの部分区分上を、場合によっては駆動部材(5)上と駆動エレメント上を軸方向で摺動して、少なくとも最大直径領域(11)の全長(L11)にわたってパッケージ(8)を解放するアクセス位置とに摺動可能であるような長さ(L10)を有していて、軸方向で摺動可能であるように支承されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項13】
精紡機が特にリング精紡機として形成されていて、遮蔽部材(10)が、少なくとも間接的に糸を案内する部材、特にリング精紡機の軸方向に運動可能なリングフレーム(23)に連結されている、または連結可能であって、パッケージ(8)の最大直径領域(11)のほぼ全長(L11)にわたって遮蔽を可能にする長さ(L10)を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項14】
遮蔽部材(10)が軸方向摺動のための手段(16)を有している、請求項1から13までのいずれか1項記載のスピンドル。
【請求項15】
それぞれ1つのスピンドルに設けられた多数の遮蔽部材(10)を有する、請求項14記載の複数のスピンドルであって、遮蔽部材によって多数のシャフト(4)のそれぞれの受容領域(9)が少なくとも部分的に取り囲まれている形式のものにおいて、
多数の遮蔽部材(10)が、共通の同期的な軸方向摺動のための手段(16)を有していることを特徴とする、それぞれ1つのスピンドルに設けられた多数の遮蔽部材(10)を有する、請求項14記載の複数のスピンドル。
【請求項16】
多数の遮蔽部材(10)のうち少なくとも1つの遮蔽部材(10)が、少なくとも1つの遮蔽部材(10)を、共通の同期的な軸方向摺動のための手段(16)から個々に連結解除するための手段(29)を有しており、これにより少なくとも1つの遮蔽部材(10)を、特に手動で、その他の遮蔽部材(10)の同期的な軸方向の摺動から少なくとも一時的に分離することができる、請求項15記載の複数のスピンドル。
【請求項17】
請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つのスピンドルを有していることを特徴とする紡績機。
【請求項18】
請求項15又は16記載の複数のスピンドルを有していることを特徴とする紡績機。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−89909(P2006−89909A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277976(P2005−277976)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【Fターム(参考)】