説明

遮音装置

【課題】騒音発生源の騒音が外部に伝達されることを抑えつつ遮音装置に外気を流入させることでその内部にエア流れを形成することにある。
【解決手段】騒音発生源が配置される配置部4と、騒音発生源の騒音を吸収する吸音部材24が取り付けられて配置部4の外側に配置される内側遮音壁18と、内側遮音壁18と配置部4とを囲うよう配置される外側遮音壁20と、騒音発生源の熱気を排出するように配置部4の鉛直方向上方に形成される排出口6とを有し、内側遮音壁18と外側遮音壁20との間には、配置部4へと外気を導くための外気導入路22が形成され、外気導入路22の下部は、配置部4内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じるように配置部4と連通する構成とされ、外気導入路22の上部は、排出口6から排出される熱気が流入しないよう排出口6と離間した位置で開口する構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音発生源の騒音を低減する遮音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンや発電機などの騒音発生源の騒音を低減する遮音装置として遮音壁が知られている(特許文献1を参照)。例えば図7の遮音装置52は遮音壁70にて構成され、地面などの載置面30に直置きされたものである。遮音壁70の発電機8を臨む内径面には吸音部材73が取り付けられている。遮音装置52によれば、発電機8から発せられる騒音を遮音及び吸音して低減させることができる。
ここで、建設用機械用又は建設用機器用の比較的大型の発電機8を稼動させると騒音とともに熱気が発生する。上述の遮音装置52では、発電機8を配置する配置部4の上部が排出口6とされ、熱気を排出するために開放状態とされている。しかし、発電機8を配置する空間としての配置部4には自発的な空気の流れが若干少ないのでその内部に熱気がこもりがちとなる。このため、配置部4内で長期にわたって発電機8を稼動させ続けると、配置部4内の温度が比較的上昇しやすいので、発電機8に対して何らかの悪影響が発生することが懸念される。
【0003】
配置部4内の熱気を外部へと効率良く排出する技術として、例えば、特許文献2に記載の技術がある。特許文献2に記載のエンジンを配置する配置部には、ファンによって常に外気が取り入れられている。この外気により、配置部内のエンジンに沿って空気の流れ(エア流れ)が生じる。このエア流れによって配置部の下部に形成された排出口から熱気を排出する。
【0004】
上述の技術を考慮し、例えば、遮音装置52の配置部4内にエア流れをつくってやれば熱気を効率良く上方へと排出することができる。例えば図8のように、遮音壁70の下部に外気を取り入れるための連通孔74を設ける。連通孔74から配置部4に外気が流れ込み、この外気により発電機8の熱気を鉛直方向上方へと押し出すようなエア流れを形成することができる。
【特許文献1】登録実用新案第3109567号公報
【特許文献2】特開2004−360641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の連通孔74を設けた遮音壁70では、その連通孔74から発電機8の騒音が直接的に外部に伝達される。もっとも連通孔74付近に防音用の板材を取り付けることもできるが(特許文献2を参照)、この板材によって外気の流入も遮られることとなる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明の課題とするところは、騒音発生源の騒音が外部に伝達されることを抑えつつ遮音装置に外気を流入させることでその内部にエア流れを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として本発明の第1発明の遮音装置は、熱気を発生する騒音発生源が配置される配置部と、騒音発生源の騒音を吸収する吸音部材が取り付けられて配置部の外側に配置される内側遮音壁と、内側遮音壁と配置部とを囲うよう配置される外側遮音壁と、騒音発生源の熱気を排出するように配置部の鉛直方向上方に形成される排出口とを有し、内側遮音壁と外側遮音壁との間には、配置部へと外気を導くための外気導入路が形成され、外気導入路の下部は、配置部内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じるように配置部と連通する構成とされ、外気導入路の上部は、排出口から排出される熱気が流入しないよう排出口と離間した位置で開口する構成とされていることを特徴とする。
【0007】
第1発明の遮音装置では、熱気を発生する騒音発生源が配置部に配置される。配置部の外側には内側遮音壁と外側遮音壁とが配置されている。配置部の鉛直方向上方には、騒音発生源の熱気を排出する排出口が形成されている。外側遮音壁は、内側遮音壁と配置部とを囲うよう配置されている。内側遮音壁は、騒音発生源の騒音伝達経路の少なくとも一部を遮るように配置されておればよい。内側遮音壁と外側遮音部材との間には外気導入路が形成され、この外気導入路により配置部に外気が導き入れられる。
外気導入路の下部は、配置部内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じるように配置部と連通する構成とされる。例えば、外気導入路の下部は、排出口よりも鉛直方向下方位置で配置部と連通する。配置部の下部位置で連通すると好ましい。外気導入路中の外気は、排出口よりも鉛直方向下方から配置部内に流入し、配置部内の熱気は排出口から鉛直方向上方へと排出される。このため配置部内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じる。
また外気導入路の上部は、排出口から排出される熱気が流入しないよう排出口と離間した位置で開口する構成とされる。例えば、外気導入路の上部は、熱気を排出するための排出口より外側で、且つ排出口よりも鉛直方向下方位置で開口する。あるいは外気導入路の上部は、熱気を排出するための排出口よりも水平方向に離間した位置で開口する。熱気は、外気導入路の上部と離間した位置で排出されるので外気導入路内に熱気が流入しにくく、外気が流入しやすい構成とされている。
【0008】
そして遮音装置の内側遮音壁には、騒音発生源の騒音を吸収する吸音部材が取り付けられている。配置部に配置された騒音発生源の外側には、内側遮音壁と外側遮音壁とからなる二重壁が配置されている。外側遮音壁と内側遮音壁との間に形成された外気導入路は空気バネの役割を果たす。このため騒音発生源から発生する騒音は、吸音部材の吸音効果とともに二重壁の遮音効果によって低減される。
また、外気導入路の下部から外部に伝達される騒音発生源の騒音は外気導入路を通過し、外気導入路を通過する過程で、当該騒音の振動エネルギーが減衰されて低減される。
【0009】
また、本発明の第2の発明は、第1の発明に記載の遮音装置であって、内側遮音壁は配置部を囲うように配置され、内側遮音壁には、配置部の上方を覆う上部壁が設けられ、上部壁に排出口が形成され、排出口には、騒音発生源の熱気を排出口より強制的に排出可能な排出手段が設けられていることを特徴とする。
第2の発明の遮音装置では、配置部の外側を、内側遮音壁及び外側遮音壁の二重壁が囲う構成とされる。配置部の上方は、内側遮音壁に設けられた上部壁によって覆われている。上部壁には排出口が形成されている。この排出口は、内側遮音壁よりもその径寸法(開口寸法)が絞られて小さくされている。この絞り効果により、排出口から鉛直方向上方へと伝達される騒音発生源の騒音の振動エネルギーが減衰されて低減される。
また排出口には、配置部内のエアを強制的に排出する排出手段が設けられている。このため配置部内のエア流れを比較的維持することができる。
【0010】
また、本発明の第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の遮音装置であって、吸音部材は、内側遮音壁の騒音発生源を臨む面に取り付けられ、吸音部材の縦断面は、騒音発生源に向けて突出した凸形状を有することを特徴とする。
第3発明の遮音装置では、配置部が、騒音発生源に向けて突出した凸形状の吸音部材により絞られている。吸音部材の凸形状部分を通過して鉛直方向上方へと伝達される騒音発生源の騒音は、その絞り効果により、その振動エネルギーが減衰されて低減される。
また、配置部内に発生したエア流れは、吸音部材の凸形状の頂部でその流速を増すとともに凸形状とされた吸音部材に沿って上方へ流れる。このため、配置部内には、よりスムーズなエア流れが形成される。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明の遮音装置によれば、騒音発生源の騒音が外部に伝達されることを抑えつつ遮音装置に外気を流入させることでその内部にエア流れを形成することができる。また、第2の発明の遮音装置によれば、騒音発生源の騒音をより低減しつつエア流れを維持することができる。また、第3の発明の遮音装置によれば、騒音発生源の騒音を更に低減しつつよりスムーズなエア流れを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
[第一の実施の形態]
図1は、第一の実施の形態にかかる遮音装置の斜視図である。図2は、同遮音装置の縦断面図であり、図3は、同遮音装置の一部縦断面図である。なお図2における上下方向を鉛直方向とし、同図の左右方向を水平方向とする。
第一の実施の形態にかかる遮音装置2は、地面などの載置面30に配置された発電機8(騒音発生源の一例)を囲う内側遮音壁18及び外側遮音壁20からなる二重壁(単に、遮音壁19と呼ぶこともある)で構成されてなる。この二重壁の内側が発電機8を配置する配置部4とされ、配置部4の鉛直方向上方位置には排出口6が形成されて開放状態とされている。
発電機8は、幅寸法370mm・長さ寸法600mm・高さ寸法450mmの外形寸法を有する通常型の発電機(最大出力:20kW)であり、稼動時にはその周囲に熱気が発生する。
【0013】
内側遮音壁18は配置部4を囲う円筒状の壁体であり、本実施の形態では、発電機8の騒音伝達経路をその全周にわたって遮る構成とされている。そして外側遮音壁20は、内側遮音壁18と配置部4とを囲う円筒状の壁体である。
遮音壁19(内側遮音壁18及び外側遮音壁20)の高さ寸法は、配置部4に配置された状態の発電機8の高さ寸法と同等以上であればよく、50mm〜300mm高い寸法とされることが好ましい。50mm未満の高さ寸法であると、発電機8の騒音が遮音壁19を回り込んで水平方向に伝達されやすくなる(回折音が大きくなる)。また遮音壁19の高さ寸法を必要以上にとると、遮音装置2の重量が増し取扱性が劣ることとなる。
【0014】
そして内側遮音壁18は、外側遮音壁20よりも鉛直方向上方へ突出した状態で外側遮音壁20に平板状の複数の取付具(便宜上、17a,17b,17c,17dの符号を付した取付具のみを図示する。)を介して取り付けられている。この内側遮音壁18の上端部10により排出口6が形成される。これにより排出口6が、発電機8の配置された配置部4の鉛直方向上方に形成されることとなる。
なお取付具17a,17b,17c,17dは、後述の外気導入路22を通過する外気のエア流れをなるべく阻害しないよう、外側遮音壁20の内径面と内側遮音壁18の外径面とに所定間隔をあけてそれぞれ配設されている。
【0015】
そして内側遮音壁18は、外側遮音壁20との間に隙間(クリアランスCg)を設けて取り付けられている(図3の(I)を参照)。これにより、内側遮音壁18外径面と外側遮音壁20内径面とにより外気が通過可能な外気導入路22が形成されることとなる。
外気導入路22の幅寸法(クリアランスCg)は、騒音発生源により適宜設定可能である。外気導入路22の幅寸法を5mm〜150mmとすることで発電機8の熱気を排出するのに十分な外気を配置部4に流入させることができる。外気導入路22の幅寸法が5mm未満であると、外気を取り入れる外気導入路22の上部14の開口寸法が小さくなるのでスムーズな外気の流入が達成できない場合がある。また外気導入路22の幅寸法を150mmより大きくあけてもよいが、流入する外気の量が極端に増加するわけではない。外気導入路22の幅寸法を必要以上にとろうとすると外側遮音壁20の寸法が大きくなってしまうので、それだけ遮音装置2の取扱いが不便となる。遮音装置2の取扱いが簡便で且つスムーズな外気の流入を確保するため、外気導入路22の幅寸法を30〜100mmとすることが好ましい。
【0016】
そして内側遮音壁18は、その下端部28と、それに対面する載置面30との間にクリアランスCrを設けて取り付けられている(図3の(I)を参照)。これにより、内側遮音壁18の下端部28とそれに対面する載置面30との間に連通孔32が形成され、外気導入路22の下部26と配置部4の下部とが連通状態とされる。
連通孔32の幅寸法(クリアランスCr)は、外気導入路22の幅寸法(クリアランスCg)に対応して適宜設定可能である。例えば、外気導入路22の幅寸法と連通孔32の幅寸法とを同じとするか、又は連通孔32の幅寸法の方を大きくして連通孔32の幅寸法を確保する。このようにすれば、連通孔32を介して外気導入路22から配置部4に外気がスムーズに流入するので好ましい。
【0017】
そして外気導入路22の上部14は、外側遮音壁20の上端部16とそれに対面する内側遮音壁18の外径面12とで形成される。外側遮音壁20の上端部16は、内側遮音壁18の上端部10よりも鉛直方向下方に位置する。このため、外気導入路22の上部14は、上述の排出口6よりも鉛直方向下方位置に開口した状態とされ、排出口6から排出される熱気が流入しないよう排出口6と離間した位置で開口することとなる。
ここで外気導入路22の上部14は、排出口6から上方へと排出される熱気が流入しないよう、排出口6より5mm〜150mm鉛直方向下方に設けられることが好ましい。
なお、「排出口6から排出される熱気が流入しない」とは、当該熱気がほとんど流入しない場合のほかに、エア流れによる発電機8の冷却作用に極端な悪影響を及ぼさない程度(少量)の当該熱気が流入する場合も含む。
【0018】
そして配置部4は、内側遮音壁18の内径面9内方に形成される。また内側遮音壁18の内径面9には、その全面にわたって多孔質部材24(吸音部材の一例)が接着固定されている。多孔質部材24の縦断面は、発電機8に向けて突出した円弧状とされている。縦断面で見て多孔質部材24の中央部24bが最も厚みの大きく、その両端部24a,24c向かってその厚みが薄くなるよう緩やかなカーブを描く円弧状とされている。多孔質部材24の中央部24bにおける厚み(中央部24b厚み)は騒音発生源の最大出力により適宜設定され、例えば発電機8の場合、実用的な吸音性能を確保する観点から30〜100mmであると好ましい。そして中央部24b厚みと両端部24a,24c厚みとの差を設けて多孔質部材24による絞り効果を実現する観点から、両端部24a,24cを0〜10mmと設定することが望ましい。
また配置部4の寸法は、収納される騒音発生源の外形寸法又は最大出力に対応して適宜設定される。配置部4内のエア流れを確保する観点から、多孔質部材24の中央部24bと騒音発生源との間に所定のクリアランスを設けることが好ましい。例えば発電機8を収納する場合、多孔質部材24の中央部24bと発電機8の間のクリアランスを10mm〜200mmとすることが好ましい。
【0019】
図3の(I)は、エア流れについて説明するための遮音装置の一部縦断面図である。同図においては、エア流れの向きが太線の矢印にて示されている。
発電機8を駆動させると発電機8より熱気が発生する。熱気は、鉛直方向上向きのエア流れ(上昇気流)により排出口6から排出され、これに伴い、外気導入路22中の外気が連通孔32を通じて配置部4内に下方から流入する。このとき外気は、多孔質部材24の端部24aから中央部24bの円弧形状に沿ってスムーズに流入する。そして配置部4に流入した外気により形成されたエア流れは、絞られた多孔質部材24の中央部24b(吸音部材の凸形状の頂)でその速度を増し、多孔質部材24の中央部24bから多孔質部材24の端部24cの円弧形状に沿って上方の排出口6へと流れる。このため配置部4内に、よりスムーズなエア流れが形成される。このため配置部4内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じ、配置部4内の熱気と外気との換気がスムーズに行われる。
なお外気導入路22から外気を導入する連通孔32は、内側遮音壁18の下端部28全周に形成されている。このため外気導入路22を通過した外気が、内側遮音壁18の下端部28全周から配置部4に流入することとなる。また内側遮音壁18は円筒状とされている。発電機8を配置部4の中央に配置させておくことで、外気導入路22を通過した外気が、内側遮音壁18の下端部28全周から配置部4に均等に流入することとなる。
【0020】
次に、遮音装置2への外気の流入について説明する。外気導入路22の上部14は、熱気の排出される排出口6よりも鉛直方向下方位置に開口している。このため外気導入路22は、排出口6より排出されて上方へと向かう熱気が流入しにくく(遮音装置2に逆戻りしにくく)、代わりに外気が流入しやすい構成とされている。
そして外気導入路22に流入した外気は外気導入路22を通過する。外気導入路22は、多孔質部材24と内側遮音壁18により配置部4と隔離されている。このため外気導入路22に流入した外気には、配置部4に配置された発電機8の熱が伝わりにくくされている。よって、流入した状態の温度を比較的維持した状態の(温度上昇による粘性増加を極力抑えた)外気が外気導入路22を通過し、連通孔32を通じて配置部4にスムーズに流入することとなる。
【0021】
図3の(II)は、遮音・吸音作用について説明するための遮音装置の一部縦断面図である。同図においては、騒音の伝達向きが太線の矢印にて示されている。
配置部4から鉛直方向上方に伝達される騒音は、内側遮音壁18に取り付けられた多孔質部材24の絞り効果(ラビリンス効果とも呼ぶ)により、その振動エネルギーが減衰されて低減される。また水平方向に伝達される騒音は、内側遮音壁18の多孔質部材24の吸音効果と、上述の二重壁の遮音効果とにより低減される。
そして発電機8から連通孔32に向けて伝達される騒音は外気導入路22を通過して外部に伝達されるが、この外気導入路22の上部14と下部26との離間幅を大きくとることで外部へ漏れ出る騒音を低減することができる。そして外気導入路22の上部14は上方に向けて開口しているので、騒音は、その指向性を上方に向けたまま外部へと伝達される。このため、遮音装置2の水平方向に直接騒音が伝わることを低減することができる。
上述の構成によれば、遮音装置2の外気を効率良く流入させてスムーズなエア流れを配置部4内に形成する構成は防音のための構成ともなる。スムーズなエア流れと防音とが同一の構成により兼用されて達成されるので遮音装置2がコンパクトなものとなる。
【0022】
図4は、別の例の第一の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
この遮音装置2aでは、外側遮音壁20は、発電機8を下から支持する底部壁34を有する。底部壁34の上部面31が載置面に相当する。他の構成要素は、上述の遮音装置2の構成要素と同一であるので、同一の部材には同一の符号を付す事でその詳細な説明を省略する。この底部壁34は、下方に伝達される発電機8の振動を受け止めて制振する。このため遮音装置2aの防音性能がより高まる。
【0023】
[材質]
遮音壁19(内側遮音壁18及び外側遮音壁20)の材質は、音を遮音する性能を有する材質であればよく、面密度の高い金属類であると好ましい。面密度が高い金属としては、例えば鉄,アルミニウム,ステンレス又は鋳鋼である。面密度の高い金属類は音の透過損失が高いため、遮音壁19を透過する音の量を低減できる。また建設機械から生ずる振動や衝撃に耐えるだけの機械的特性を有する。アルミニウムを用いた遮音壁19は腐蝕しづらく又衝撃に対して変形しづらく丈夫なものとなるので好ましい。
また面密度の高い金属製の遮音壁19を使用する場合には、遮音装置2自体の重量増加を抑えるため、その厚みを0.5mm〜10mm程度とすることが好ましい。この範囲の厚みであれば、実用性のある遮音効果を得ることができるとともに搬送可能な大きさ及び重量を有する遮音装置2となる。
【0024】
また遮音壁19の材質として、制振能力の高い材料(制振材料)と組み合わせた複合素材を使用することで実用的な遮音効果を得ることができる。複合素材として、薄い金属箔に接着剤を塗布し、これを金属板に貼り付ける素材がある。例えば、鉄などの金属板にアルミ箔(厚み:6〜200μm)を接着被覆して遮音壁19とする。接着剤として、市販一般の接着剤(後述するアルミ箔は含有しない)を用いることができ、金属板やアルミ箔を侵食しない成分からなるものであれば好ましい。接着剤の成分として、例えば、エポキシ系樹脂,フェノール系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリエチレン系樹脂,ポリエステル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂等の樹脂や、シリコーン系ゴム,クロロプレンゴム,アクリルゴムなどの合成ゴム又は天然ゴム等のゴムを使用してもよい。
【0025】
更に上記接着剤には、アルミ箔粒子(粒径100μm以下)を1〜20%混入させてもよい。異なる材質が複合的に組み合わされた遮音壁19内を騒音が透過すると、騒音を構成する音成分が異なる材質におのおの反射して互いに打ち消しあうように干渉する。なお混入させるアルミ箔が1%未満の場合には実用的な制振効果を得ることができない。また20%以上加えてもそれに見合うだけの制振効果を得ることができないのでコストの面から好ましくない。またアルミ箔の粒径が100μmよりも大きいと、接着剤成分中にうまく分散せず、所望の干渉作用が得られない。上述の構成によれば、遮音壁19の厚みを減らして重量を低減しつつ実用的な防音効果を得ることができる遮音装置となる。
【0026】
多孔質部材24の材質として、例えばアルミニウム等の金属繊維,岩石を原料とするロックウール(岩綿)・高炉スラグを原料とするスラグウール(鉱さい綿)・ガラス繊維を原料とするグラスウールなどの無機質繊維,綿や麻などの植物繊維や羽毛や獣毛などの動物繊維等の有機質繊維(以下繊維類と呼ぶ)が使用される。この繊維類を、綿状・ボード状・不織布状に成形して繊維と繊維の間に複雑に連続した多くの隙間や気泡を有する部材とすることで吸音性能を有する多孔質部材24となる。またポリウレタンなどの高分子物質を発泡させた発泡樹脂材料(ウレタンフォーム)を使用してもよい。ウレタンフォーム内部に形成された複数の気泡をつなげて連続気泡とすることで吸音性能を有する多孔質部材24となる。
なお、多孔質部材24と内側遮音壁18とを焼付けして結合してもよいし、接着剤を用いて結合してもよい。結合に用いる接着剤の成分は、多孔質部材24と内側遮音壁18とを侵食せず、所要の接着強度を有しているものであれば、上述した成分を有する接着剤でよい。また上述のように、アルミ箔粒子を混入した特殊配合の接着剤を用いてもよい。
【0027】
[第二の実施の形態]
図5は、第二の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
第二の実施の形態にかかる遮音装置2bでは、内側遮音壁18に上部壁3が形成され、この上部壁3が、配置部4の上方を覆う構成とされている。他の構成要素は、上述の遮音装置2(2a)の構成要素と同一であるので、同一の部材には同一の符号を付す事でその詳細な説明を省略する。そして内側遮音壁18の上部壁3には、排出口6aが形成されている。排出口6aの径寸法は、内側遮音壁18の径寸法よりも小さく絞られている。この絞り効果(ラビリンス効果)により、同方向へと伝達される騒音の振動エネルギーが減衰されて低減される。
そして排出口6aには、配置部4内のエアを強制的に排出するファン7が配設されている。このため径寸法の小さい排出口6aから熱気が鉛直方向上方に排出され、配置部4内のスムーズなエア流れを維持できる。また排出口6aは、外気導入路22の上部14より水平方向に離間した位置に開口した状態とされている。このため外気導入路22の上部14は、排出口6aから排出される熱気が流入しないよう排出口6aと離間した位置で開口することとなる。
なお、上述の上部壁3にも多孔質部材24を配置してもよい。
【0028】
[第三の実施の形態]
図6は、第三の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
第三の実施の形態にかかる遮音装置2cでは、内側遮音壁18が発電機8の騒音伝達経路の一部を遮る構成とされる。つまり発電機8を臨む一部側方にのみ内側遮音壁18が取り付けられている。外側遮音壁20にも、発電機8を臨む内径面21に多孔質部材23が取り付けられている。そして、外側遮音壁20の発電機8を臨む上端部16と内側遮音壁18の上端部10とで遮音装置2cの排出口6が形成されている。他の構成要素は、上述の遮音装置2(2a)の構成要素と同一であるので、同一の部材には同一の符号を付す事でその詳細な説明を省略する。
遮音装置2cでは、発電機8を遮音する内側遮音壁18が部分的に形成されているだけなので、遮音装置2cの軽量化がなされている。例えば建設現場の状況に応じて、距離減衰,樹木や地表の吸音効果など他の騒音低減効果を期待できる場合は、内側遮音壁18が発電機8の一部を遮音するだけでよいこともある。この場合には、遮音装置2cを使用することが好ましい。
【0029】
[試験例]
以下、本実施の形態を試験例に基づいて説明する。なお本発明はこの試験例に限定されない。
本試験例の実施例1として、第一の実施の形態にかかる遮音装置2を使用した(図1〜3を参照)。内側遮音壁18として、アルミニウム製で円筒状の壁体(外径寸法:1500mm、高さ寸法:700mm、厚み:10mm)を使用した。また外側遮音壁20として、アルミニウム製で円筒状の壁体(外径寸法:1350mm、高さ寸法:700mm、厚み:10mm)を使用した。外気導入路22の上部14は排出口6よりも100mm下方に配置した。外気導入路22の幅寸法(内側遮音壁18と外側遮音壁20との間のクリアランスCg)を100mmとした。そして内側遮音壁18の下端部28を載置面30より100mm浮かして外側遮音壁20に固定した。つまり連通孔32の幅寸法(内側遮音壁18と載置面30の間のクリアランスCr)を100mmとした。
内側遮音壁18には、ウレタンフォーム製の多孔質部材24を接着固定し、更にL字鋼にて補強的に支持した。接着材として、クロロプレンゴムを含有する接着剤を用いた。多孔質部材24の縦断面は円弧形状とした。多孔質部材24の中央部24b厚みを100mmとし、多孔質部材24の両端24a,24c厚みを0とした。そして多孔質部材24の中央部24bと発電機8との間のクリアランスを100mmとした。
【0030】
また比較例1として、図6に示す従来の遮音装置52を使用した。遮音壁70として、アルミニウム製で四角形状の壁体(外径寸法:1000mm×900mm、高さ寸法:600mm、厚み:10mm)を使用した。遮音壁70には、ウレタンフォーム製で板状の吸音部材73(厚み:50mm)を接着固定した。
【0031】
(温度測定試験)
図9は、温度測定試験の実施方法を説明するための遮音装置の概略平面図である。
上述の遮音装置2(実施例1)の配置部4に発電機8を配置し、発電機8の周囲4箇所A,B,C,Dに温度計を設置した(図9の(I)を参照)。外気温5℃の下、発電機8を2時間稼動させた後に上記4箇所A,B,C,Dの温度を測定した。
そして、上述の遮音装置52(比較例1)の配置部4に発電機8を配置し、発電機8の周囲4箇所E,F,G,Hに温度計を設置した(図9の(II)を参照)。そして実施例1と同様の条件の下で上記4箇所E,F,G,Hの温度を測定した。
【0032】
(騒音測定試験)
図10は、騒音測定試験の実施方法を説明するための遮音装置の概略平面図である。
上述の遮音装置2(実施例1)の配置部4に発電機8を配置した。そして遮音装置2から水平方向に7.5m離して騒音計80を配置した。騒音計80の集音マイク82は、載置面30より鉛直方向に1.2m離して設置した。そして発電機8を2時間稼動させた後に、遮音装置2の「等価騒音レベル(LAeq,T、以下「騒音レベルLAeq,T」と呼ぶ)」及び「5パーセント時間率騒音レベル(LA5,T、以下「騒音レベルLA5,T」と呼ぶ))」(JIS Z 8731)を測定した。
そして、上述の遮音装置52(比較例1)の配置部4に発電機8を配置し、実施例1と同様の条件の下で遮音装置52の騒音レベルLAeq,T及び騒音レベルLA5,Tを測定した。
また比較例2として、発電機8のみを配置し、実施例1と同様の条件の下で騒音を測定した。また発電機8を駆動せずにその周囲の環境より生ずる騒音(暗騒音)を測定した。
騒音測定は、JIS Z 8731に記載の手法にて実施した。騒音計80として、下記[表1]の条件設定とした騒音計及びレベルレコーダを組み合わせて使用した。騒音計は、JISC 1502に適合したものを使用した。使用したレベルレコーダは、JIS C 1512に適合したものを使用した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
表2は、温度測定試験の結果を示す表である。
実施例1の遮音装置2では、発電機8を稼動して2時間経過しても配置部4の温度上昇が比較的抑えられた。これにより実施例1の遮音装置2では、配置部4内に鉛直方向下から上へのスムーズなエア流れが生じ、配置部4内の熱気と外気との換気がスムーズに行われたことがわかった。一方、比較例1の遮音装置52では、外気温が5℃であっても配置部4の温度が平均65℃に上昇した。
【0036】
【表3】

【0037】
表3は、騒音測定試験の結果を示す表である。
実施例1の遮音装置2では、発電機8のみ配置した比較例2と比較して、騒音レベルLAeq,Tが6.9dB低減し、騒音レベルLA5,Tが6.2dB低減した。特に実施例1の遮音装置2における騒音レベルLA5,Tは暗騒音とほぼ同程度にまで低減させることができた。一方、比較例1の遮音装置52では、騒音レベルLAeq,T及び騒音レベルLA5,Tともに3.7dBの騒音の低減にとどまった。
【0038】
以上の結果より、本実施の形態における遮音装置2は、配置部4内の発電機8の騒音が外部に伝達されることを極力抑えつつ外気を効率良く取り入れて配置部4にスムーズなエア流れを形成可能なことがわかった。また発電機8を長時間(2時間以上)稼動させたとしても、配置部4内の温度上昇が抑え続けられると推測される。このため、オーバーヒート等のトラブルが発電機8に発生する可能性が非常に低くなると予想される。なお、比較例1の従来の遮音装置52では、発電機8を稼動させ続けると、配置部4内の温度上昇により、発電機8が比較的高温になる可能性があることが容易に推測される。
【0039】
本実施の形態の遮音装置は、本実施の形態で説明した外観、構成、処理、表示例等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態においては、円筒状の遮音壁19(内側遮音壁18及び外側遮音壁20)の例を説明したが、遮音壁19の外形形状は、騒音発生源の外形形状に応じて適宜変更可能なものである。例えば、作業員が単独で持ち運び可能な簡易的な建設機械(例えばプレートコンパクター)では、その重量が軽く作業性のよいものが好まれる。そのような建設機械の発電機やエンジンが直方体などの外形形状を有していた場合、配置部のデッドスペースを削減してコンパクトな四角筒形状としてもよい。
【0040】
本実施の形態においては、平板状の取付具17a〜17dにて内側遮音壁18を外側遮音壁20に溶接固定した。取付具は、外側遮音壁に内側遮音壁を安定して取り付け支持可能な剛性及び強度を有したものであればその材質・形状に制限はない。例えば、ステンレスや鉄などの金属製の取付具は、建設機械の騒音発生源から生じる振動にも耐え得るために好ましい。またボルトやリベットからなる取付具を用いて内側遮音壁を外側遮音壁にネジ止めしてもよい。
そして本実施の形態においては、外側遮音壁20に内側遮音壁18を一体的に取り付けた遮音装置2の例を説明した。これとは異なり、内側遮音壁と外側遮音壁とを別体としてもよい。例えば内側遮音壁の下部縁に支持脚などのアジャスタ(キャスタ付きでもよい)を取り付ける。アジャスタにより内側遮音壁と載置面との間のクリアランスCrが確保される。内側遮音壁と外側遮音壁とが別体とされているので、内側遮音壁と外側遮音壁とを別々に動かすことができ、内側遮音壁18と外側遮音壁20との間のクリアランスCg(外気導入路22の幅寸法)の微調整が可能となる。
【0041】
本実施例においては、内側遮音壁18の下部と配置部4とを連通孔32にて連通した例を示した。これとは異なり、内側遮音壁の下部に複数の連通孔を設け、この連通孔により外気導入路と配置部と連通してもよい。内側遮音壁と載置面との間にクリアランスCrを設けるように内側遮音壁を配設する必要がなく、内側遮音壁の配設作業が容易となる。
【0042】
本実施の形態においては、その縦断面が円弧状の多孔質部材24の例を説明した。これとは異なり、多孔質部材の縦断面を、三角形・五角形などの多角形状や階段状などの角張った形状としてもよい。また、縦断面が平板状の多孔質部材であってもよい。
【0043】
本実施の形態においては、吸音部材として多孔質部材24の例を説明した。これとは異なり、音を吸収する構造を有する部材を吸音部材としてもよい。
音を吸収する構造とは、例えば、金属板や合板等の複合素材に貫通孔を設けた構造(孔あき板吸音構造)である。板材の貫通孔に音が入射することで、孔の管壁付近の空気が共振する。共振した空気の振動エネルギーを、孔の管壁との摩擦によって吸収する。この孔あき板吸音構造の内側遮音壁18の背後に吸音部材を配置してもよい。内側遮音壁18の背後に配設された多孔質部材により上記空気の振動をより吸収することができる。つまり、孔あき板吸音構造の内側遮音壁18の外径面側に吸音部材としての多孔質部材を設けてもよい。更に、孔あき板吸音構造の内側遮音壁18を中空形状とし、その中空内部に多孔質部材を配置してもよい。つまり内側遮音壁18の内部に吸音部材としての多孔質部材を設けてもよい。
更に、弾性の大きい発泡樹脂材料で通気性の小さい柔軟材料(例えば、軟質ウレタンフォーム)を吸音部材として使用してもよい。軟質ウレタンフォームの柔軟性に由来する共振効果により騒音の振動エネルギーを減衰させて低減する。柔軟材料は、特定の周波数の音に対して共振し大きな吸音効果を示すので、特定周波数の騒音を発生する騒音発生源に対して有効である。
【0044】
本実施の形態においては、排出手段としてファン7を使用する例を説明した。排出手段は、配置部の熱気を外部に排出可能であればどのような機器及び器具を用いてもよく、例えば、エアダクトにて熱気を吸引して排出してもよい。熱気を排出するエアダクト排出口の設置場所を適宜変更することで、都合のよい場所に熱気を排出可能である。複数の排出手段を配設することもできる。
【0045】
本実施の形態においては、騒音発生源として発電機8の例を説明した。本実施の形態における騒音発生源とは、その周りの空気の圧力変化を起こすことで、音(騒音)を発生させる音源のことをいう。騒音発生源として、例えば、エンジン,コンプレッサー,ポンプ,モータ又はボイラーがある。騒音発生源は、プレートコンパクター又は削岩機などの装置の一部材として使用されることもある。いずれの騒音発生源であっても本実施の形態における遮音装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第一の実施の形態にかかる遮音装置の斜視図である。
【図2】第一の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
【図3】第一の実施の形態にかかる遮音装置の一部縦断面図であり、(I)は、エア流れについて説明するための遮音装置の図であり、(II)は、遮音・吸音作用について説明するための図である。
【図4】別の例の第一の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
【図5】第二の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
【図6】第三の実施の形態にかかる遮音装置の縦断面図である。
【図7】従来の遮音装置の縦断面図である。
【図8】従来とは異なる遮音装置の縦断面図である。
【図9】温度測定方法を説明するための概略平面図であり、(I)は、第一の実施の形態にかかる遮音装置の概略平面図であり、(II)は、従来の遮音装置の概略平面図である。
【図10】騒音測定方法を説明するための概略正面図である。
【符号の説明】
【0047】
2 遮音装置(第一の実施の形態)
2a 遮音装置(第一の実施の形態の変形例)
2b 遮音装置(第二の実施の形態)
2c 遮音装置(第三の実施の形態)
3 上部壁
4 配置部
6 排出口
6a (別の例の)排出口
7 ファン
8 発電機
9 内側遮音壁の内径面
10 内側遮音壁の上端部
12 内側遮音壁の外径面
14 外部導入路の上部
16 外側遮音壁の上端部
17a,17b,17c,17d 取付具
18 内側遮音壁
19 遮音壁
20 外側遮音壁
21 外側遮音壁の他の内径面
22 外気導入路
23 外側遮音壁の多孔質部材
24a,24c 多孔質部材の端部
24b 多孔質部材の中央部
24 多孔質部材
26 外気導入路の下部
28 内側遮音壁の下端部
30 載置面
32 連通孔
34 底部壁



【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱気を発生する騒音発生源が配置される配置部と、
前記騒音発生源の騒音を吸収する吸音部材が取り付けられて前記配置部の外側に配置される内側遮音壁と、
前記内側遮音壁と前記配置部とを囲うよう配置される外側遮音壁と、
前記騒音発生源の熱気を排出するように前記配置部の鉛直方向上方に形成される排出口とを有し、
前記内側遮音壁と前記外側遮音壁との間には、前記配置部へと外気を導くための外気導入路が形成され、
前記外気導入路の下部は、前記配置部内に鉛直方向下から上へのエア流れが生じるように該配置部と連通する構成とされ、
該外気導入路の上部は、前記排出口から排出される熱気が流入しないよう該排出口と離間した位置で開口する構成とされていることを特徴とする遮音装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遮音装置であって、
前記内側遮音壁は前記配置部を囲うように配置され、
前記内側遮音壁には、前記配置部の上方を覆う上部壁が設けられ、
前記上部壁に前記排出口が形成され、該排出口には、前記騒音発生源の熱気を該排出口より強制的に排出可能な排出手段が設けられていることを特徴とする遮音装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遮音装置であって、
前記吸音部材は、前記内側遮音壁の前記騒音発生源を臨む面に取り付けられ、
前記吸音部材の縦断面は、前記騒音発生源に向けて突出した凸形状を有することを特徴とする遮音装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−303443(P2007−303443A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135263(P2006−135263)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(390017628)大有建設株式会社 (10)
【Fターム(参考)】