説明

部品実装方法および部品実装装置

【課題】簡易な部品実装動作制御により平坦でない部品装着面を有する基板に部品を高精度に且つ短時間に実装することができる部品実装方法および装置を提供すること。
【解決手段】基板保持装置情報および基板情報に基づいて、平坦でない部品装着面11aにおける実装部11dの法線が鉛直方向を向くように基板保持装置2の基板保持台21を回転する。これにより、部品移載装置6に採取された部品を実装部11dの法線上に移動した後は、部品移載装置6を鉛直方向に移動させるのみの簡易な部品実装動作制御により部品を実装でき、部品位置ズレを防止し、短時間に部品実装できる。また、回転量、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、実装部11dの位置の補正量を演算し、該実装部11dの位置の補正量および基板情報から補正実装位置を演算する。これにより、水平、鉛直方向の正確な補正実装位置が求められ、部品を高精度に実装できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装する部品実装方法および部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平坦でない部品装着面を有する基板としては、例えば、円柱状の一部や球状の一部等でなる曲面状の部品装着面を有する基板や、ピラミッド型のような複数の角度に傾斜した複数面の部品装着面を有する基板等が挙げられる。例えば、特許文献1には、吸着ヘッド(部品吸着ノズル)の先端に部品を吸着し、立体基板(平坦でない部品装着面を有する基板)の傾斜した実装部壁面(部品装着面)に実装する部品実装方法が開示されている。この吸着ヘッドは、水平方向および鉛直方向に移動可能に、かつ鉛直方向の軸線回りに回動可能に構成されている。さらに、吸着ヘッドの先端部分が、水平方向の軸線回りに回動可能、すなわち、鉛直方向の軸線に対し折り曲げ可能に構成されている。この部品実装方法は、吸着ヘッドの先端に部品を吸着し、立体基板の実装部壁面の傾斜角度に応じて吸着ヘッドの先端部分を折り曲げ、吸着ヘッドを移動して立体基板の実装部壁面に実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−154798号公報(段落番号0009、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の部品実装方法では、部品を立体基板の傾斜した実装部壁面に実装するとき、吸着ヘッドを折り曲げ方向、すなわち実装部壁面の法線方向に移動させなければならず、複雑な動作制御が必要になる。一方、吸着ヘッドを折り曲げたまま鉛直方向に移動して部品実装する場合は、簡易な動作制御のみでよい。ところが、部品を立体基板の傾斜した実装部壁面に実装するときに部品の位置ズレが発生するおそれがある。
【0005】
また、吸着ヘッドは、部品供給装置と基板との間を実装部品数の回数分だけ往復移動して部品実装する。平板状の基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとなるように設定されており、これにより吸着ヘッドの鉛直方向の移動ストロークを必要最小限にすることができ、部品実装時間の短縮化を図ることができる。しかし、平坦でない部品装着面を有する基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとならない。よって、吸着ヘッドの鉛直方向の移動ストロークが長くなる場合があり、部品実装時間が長くなる傾向にある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な部品実装動作制御により平坦でない部品装着面を有する基板に部品を高精度に且つ短時間に実装することができる部品実装方法および部品実装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装するために、前記基板を基板保持面の保持位置に保持して回転する保持部材を有する基板保持装置と、前記基板を前記保持部材の基板保持面に対し搬入出する基板搬送装置と、前記基板に実装する前記部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から前記部品を採取して水平面内で直角な2方向および鉛直方向に移動し、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板の実装部に実装する部品移載装置と、を備えた部品実装装置における部品実装方法であって、前記基板を前記基板保持面に位置決めするための位置決め部の位置および前記実装部の位置に関する基板情報を入力する基板情報入力工程と、前記基板を前記基板搬送装置によって前記基板保持面の保持位置に搬入し、搬入した前記基板を前記基板保持装置に設けられている保持手段によって前記基板保持面の保持位置に保持する基板搬入保持工程と、予め記憶している前記保持部材の回転軸の前記基板保持装置における位置、前記回転軸と前記基板保持面との位置関係および前記基板保持面の保持位置の位置に関する基板保持装置情報並びに前記入力した基板情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記保持部材を回転する基板回転工程と、前記基板回転工程によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記基板回転工程における前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算し、該水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量並びに前記基板情報から補正実装位置を演算する補正実装位置演算工程と、前記補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装する部品実装工程と、を備えたことである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記基板保持装置は、鉛直方向に移動可能に構成され、前記部品実装工程は、前記補正実装位置演算工程で演算された前記鉛直方向の補正量については前記基板保持装置を鉛直方向に補正移動することである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板を撮像装置により撮像して該基板の前記保持位置に対する位置ズレ量を画像認識する基板位置認識工程、を備え、前記補正実装位置演算工程は、前記基板回転工程によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記位置ズレ量、前記基板回転工程における前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算することである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記実装部の位置の法線が鉛直方向を向くように前記保持部材が前記基板回転工程によって回転された後に、前記実装部を撮像装置により撮像し、前記回転後の実装部の位置を画像認識する回転後実装位置認識工程と、前記画像認識された前記回転後の実装部の位置と前記補正実装位置演算工程で演算された前記補正実装位置との差だけ前記補正実装位置を再補正する基板再補正位置演算工程と、を備え、前記部品実装工程は、前記再補正された補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装することである。
【0011】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装するために、前記基板を基板保持面の保持位置に保持して回転する保持部材を有する基板保持装置と、前記基板を前記保持部材の基板保持面に対し搬入出する基板搬送装置と、前記基板に実装する前記部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から前記部品を採取して水平面内で直角な2方向および鉛直方向に移動し、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板の実装部に実装する部品移載装置と、前記基板保持装置、前記基板搬送装置、前記部品供給装置、および前記部品移載装置の動作を制御する制御装置と、を備えた部品実装装置であって、前記制御装置は、前記基板を前記基板保持面に位置決めするための位置決め部の位置および前記実装部の位置に関する基板情報並びに前記保持部材の回転軸の前記基板保持装置における位置、前記回転軸と前記基板保持面との位置関係および前記基板保持面の保持位置の位置に関する基板保持装置情報を入力する入力手段と、入力される前記基板情報および前記基板保持装置情報を記憶する記憶手段と、前記基板を前記基板搬送装置によって前記基板保持面の保持位置に搬入し、搬入した前記基板を前記基板保持装置に設けられている保持手段によって前記基板保持面の保持位置に保持する基板搬入保持手段と、前記基板情報および前記基板保持装置情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記保持部材を回転する基板回転手段と、前記基板回転手段によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記基板回転手段による前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算し、該水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量並びに前記基板情報から補正実装位置を演算する補正実装位置演算手段と、前記補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装する部品実装手段と、を備えたことである。
【0012】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項5において、前記基板保持装置は、鉛直方向に移動可能に構成され、前記部品実装手段は、前記補正実装位置演算手段で演算された前記鉛直方向の補正量については前記基板保持装置を鉛直方向に補正移動することである。
【0013】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項5又は6において、前記基板を撮像可能な撮像装置を備え、前記制御装置は、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板を前記撮像装置により撮像して該基板の前記保持位置に対する位置ズレ量を画像認識する基板位置認識手段、を備え、前記補正実装位置演算手段は、前記基板回転手段によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記位置ズレ量、前記基板回転手段による前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算することである。
【0014】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項5乃至7の何れか一項において、前記保持部材は、水平方向の軸回りで回転可能な第1回転軸を有する第1保持部材と、該第1保持部材上において前記第1回転軸と直角な方向の軸回りで回転可能な第2回転軸を有する第2保持部材とで構成され、前記基板回転手段は、前記基板情報および前記基板保持装置情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記第1保持部材および前記第2保持部材を夫々回転することである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、平坦でない部品装着面における実装部の法線が鉛直方向を向くように基板保持装置の保持部材を回転するようにしている。これにより、部品移載装置に採取された部品を実装部の法線上に移動した後は、部品移載装置を鉛直方向に移動させるのみの簡易な部品実装動作制御により、実装部に部品を実装することができる。よって、従来のように部品移載装置を斜め方向に移動させる複雑な部品実装動作制御は不要となり、実装部における部品の位置ズレを防止し、実装部に部品を短時間に実装することができる。また、保持部材の回転量、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、実装部の位置の補正量を演算し、該実装部の位置の補正量および基板情報から補正実装位置を演算するようにしている。これにより、水平方向および鉛直方向の正確な補正実装位置を求めることができる。よって、実装部に部品を高精度に実装することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、実装部の位置の鉛直方向の補正は、基板保持装置を鉛直方向に移動することにより行うようにしている。ここで、部品移載装置は、部品供給装置と基板との間を実装部品数の回数分だけ往復移動して部品実装する。平板状の基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとなるように設定されており、これにより部品移載装置の鉛直方向の移動ストロークを必要最小限にすることができ、部品実装時間の短縮化を図ることができる。しかし、平坦でない部品装着面を有する基板、特に、部品装着面と基板保持装置の保持部材の回転軸の中心との距離が変化するような、例えば、波板状の基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとならない。そこで、基板保持装置を鉛直方向に移動して実装部が一定の実装基準高さとなるようにする。これにより、部品移載装置の鉛直方向の移動ストロークを必要最小限にすることができる。よって、平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装する場合の部品実装時間の短縮化を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、保持部材の基板保持面の保持位置に対する基板の位置ズレ量を画像認識し、該位置ズレ量、保持部材の回転量、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、実装部の位置の補正量を演算し、該実装部の位置の補正量および基板情報から補正実装位置を演算するようにしている。これにより、位置ズレ量を加味している分、高精度な補正実装位置を得ることができる。よって、実装部に部品を、より高精度に実装することができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、基板保持装置の保持部材を回転した後の実装部の位置を画像認識し、該実装部の位置と補正実装位置との差だけ補正実装位置を再補正している。これにより、例えば、実装部に部品を挿入するための穴があいており、その穴の中心の水平方向の位置が保持部材の回転により変化してしまうような場合であっても、再補正により実装部の補正実装位置の精度が高められているので、部品を実装部の穴にスムーズに挿入して実装することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、基板回転手段は、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、平坦でない部品装着面における実装部の法線が鉛直方向を向くように基板保持装置の保持部材を回転するようにしている。これにより、部品移載装置に採取された部品を実装部の法線上に移動した後は、部品移載装置を鉛直方向に移動させるのみの簡易な部品実装動作制御により、実装部に部品を実装することができる。よって、従来のように部品移載装置を斜め方向に移動させる複雑な部品実装動作制御は不要となり、実装部における部品の位置ズレを防止し、実装部に部品を短時間に実装することができる。また、補正実装位置演算手段は、保持部材の回転量、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、実装部の位置の補正量を演算し、該実装部の位置の補正量および基板情報から補正実装位置を演算するようにしている。これにより、水平方向および鉛直方向の正確な補正実装位置を求めることができる。よって、部品実装手段は、実装部に部品を高精度に実装することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、部品実装手段は、基板保持装置を鉛直方向に移動することにより、平坦でない部品装着面における実装部の位置の鉛直方向の補正を行うようにしている。上述した理由から、平坦でない部品装着面を有する基板、特に、部品装着面と基板保持装置の保持部材の回転軸の中心との距離が変化するような、例えば、波板状の基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとならない。そこで、基板保持装置を鉛直方向に移動して実装部が一定の実装基準高さとなるようにする。これにより、部品移載装置の鉛直方向の移動ストロークを必要最小限にすることができる。よって、部品実装手段は、実装部に部品を実装する場合の部品実装時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、補正実装位置演算手段は、画像認識した位置ズレ量、保持部材の回転量、基板保持装置情報および基板情報に基づいて、実装部の位置の補正量を演算し、該実装部の位置の補正量および基板情報から補正実装位置を演算するようにしている。これにより、位置ズレ量を加味している分、高精度な補正実装位置を得ることができる。よって、部品実装手段は、実装部に部品を、より高精度に実装することができる。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、基板回転手段は、基板情報および基板保持装置情報に基づいて、平坦でない部品装着面における実装部の法線が鉛直方向を向くように基板保持装置の第1保持部材および第2保持部材を夫々回転するようにしている。これにより、例えば、球状の基板であっても、部品移載装置に採取された部品を鉛直方向に移動させるのみで、実装部に部品を実装することができる。よって、簡易な部品実装動作制御により、より複雑な平坦でない部品装着面を有する基板に部品を高精度に且つ短時間に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態による部品実装装置の全体構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の部品実装装置の基板保持装置、基板搬送装置および部品移載装置の概略を示す正面図である。
【図3】図1の部品実装装置の基板保持装置および部品移載装置の概略を示す側面図である。
【図4】図1の部品実装装置により部品実装される基板の例を示す斜視図である。
【図5】(A),(B)は、図1の部品実装装置の基板保持装置に基板を移載する前後の様子を示す斜視図である。
【図6】(A),(B)は、本発明の第2の実施の形態による部品実装装置の基板保持装置の概略を示す平面図および正面図である。
【図7】図6の部品実装装置により部品実装される基板の例を示す斜視図である。
【図8】(A),(B)は、図6の部品実装装置の基板保持装置に基板を移載する前後の様子を示す斜視図である。
【図9】(A),(B)は、実装部の位置のX,Y,Z方向の補正量を求める方法を説明するための座標を示す図および座標の詳細を示す図である。
【図10】(A),(B)は、図1の部品実装装置の基板保持装置に保持された基板の第1の実装位置および第2の実装位置に部品を実装する際の動作を示す図である。
【図11】(A)は、図6の部品実装装置の基板保持装置に保持された基板の第1の実装位置に部品を実装する際の動作を示す図、(B),(C)は、第2の実装位置に部品を実装する際の動作を示す図である。
【図12】図1の部品実装装置による部品実装の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1の部品実装装置による部品実装の別の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図において、基板搬送方向をY方向、Y方向と直交する水平方向をX方向、Y方向と直交する鉛直方向をZ方向とする。先ず、第1の実施形態による部品実装装置1について説明する。図1〜3に示すように、第1の実施形態による部品実装装置1は、基板保持装置2と、3台の基板搬送装置3と、部品供給装置4と、部品移載装置6と、これらの装置2〜6を動作制御する制御装置7とにより概略構成されている。この部品実装装置1は、例えば、図4に示すように、平坦でない部品装着面11aを有する基板11に部品を実装する。
【0025】
この基板11は、上面視が矩形状に形成され、側面視が円弧状の部分および円弧両端から外側に突出した部分を有する形状に形成されている。すなわち、基板11は、中空円筒状の部材の端部における円弧部分を軸線方向に切断し、各切断部分に帯状の部材を夫々一体化した形状に形成されている。この基板11の円弧状の周面は、例えば、格子状に設けられた複数の実装部11dに複数の部品が夫々実装される部品装着面11aとして形成されている。また、基板11の帯状の部分は、後述する基板保持装置2の保持手段として位置決めガイド211に当接される位置決め部11b、および基板保持装置2の保持手段としてクランプ部材212にクランプされるクランプ部11cとして形成されている。
【0026】
図1〜3に示すように、基板保持装置2は、基台10上面の奥側中央(図1における上側中央)に配設され、後述の移動装置23によるZ方向の上昇により、基板搬送装置3で基板保持台21の上方に搬入された基板11を基板搬送装置3から基板保持面21aに移載可能に構成され、また、移動装置23によるZ方向の下降により、基板11を基板保持面21aから基板搬送装置3に移載可能に構成されている。そして、後述する方法により基板11に部品を実装するために、基板11を後述する保持位置211X,211Yに保持して回転する装置である。この基板保持装置2は、基板11を載置して保持する保持部材として基板保持台21と、基板保持台21に保持された基板11を基板保持台21と共にY方向の軸線回りに回転する回転装置22と、基板保持台21に保持された基板11を基板保持台21および回転装置22と共にZ方向に移動する移動装置23とにより概略構成されている。
【0027】
基板保持台21は、直方体状に形成され、上面が基板11が載置され保持される基板保持面21aとして形成されている。基板保持面21aには、載置される基板11の位置決め部11bの直交2辺の部分が当接されることにより、基板11をX方向およびY方向に位置決めして保持するL字状の位置決めガイド211と、該基板11のクランプ部11cの上面を押圧することにより、基板11を基板保持面21aとの間でクランプするクランプ部材212とが設けられている。位置決めガイド211における基板11の位置決め部11bのX方向およびY方向の当接位置が、基板保持面21aの基板11の保持位置211X,211Yとして設定されている。クランプ部材212は、図略のエアシリンダ等により、基板保持面21aに対し接近・離間して基板11をクランプ・アンクランプ可能に構成されている。
【0028】
回転装置22は、基板保持台21が載置固定され、両端からY方向外側に夫々延びる一対の回転軸222回りで回転可能な回転台221と、一対の回転軸222を回転可能に夫々支承する一対の支持部材223と、回転台221の回転軸222を回転させるベルト・プーリ機構224およびステッピングモータ225と、支持部材223およびステッピングモータ225が固定される台座226とにより概略構成されている。基板保持台21は、ステッピングモータ225により任意の回転位置に位置決め可能に構成されている。
【0029】
移動装置23は、回転装置22の台座226の四隅に貫装され、台座226のZ方向の移動を案内する4本のガイド部材231と、台座226の中央に設けられ、台座226をZ方向に移動するボールネジ・ナット機構232およびステッピングモータ233と、4本のガイド部材231およびステッピングモータ233が固定される台座234とにより概略構成されている。基板保持台21は、ステッピングモータ233により任意のZ方向の位置に位置決め可能に構成されている。
【0030】
3台の基板搬送装置3は、基板保持装置2の上方および基板保持装置2のY方向両側に一直線状となるように夫々配設され、Y方向一側の基板搬送装置3は、部品実装前の基板11を基板保持装置2に搬入し、基板保持装置2の上方の基板搬送装置3は、搬入された基板11を部品装着位置に位置決めし、Y方向他側の基板搬送装置3は、部品実装後の基板11を基板保持装置2から搬出する装置である。各基板搬送装置3は、同一構成であり、基板11の搬送を案内する一対のガイドレール31と、基板11を搬送する一対のコンベアベルト32とにより概略構成されている。一対のガイドレール31は、Y方向に延在し基板11の位置決め部11bとクランプ部11cとの間の幅と略同一の距離を隔てて互いに平行に配置されている。一対のコンベアベルト32は、ガイドレール31の直下に並設されている。
【0031】
部品供給装置4は、基台10上面の手前側(図1における下側)に配設され、カセット式の複数のフィーダ41に収容している異なる部品種の部品を供給する装置である。フィーダ41は、後部に部品供給リール42がセットされるフィーダ本体41aと、該フィーダ本体41aの前部に設けられた部品取出部41bとにより概略構成されている。部品供給リール42には、部品が所定ピッチで配置されカバーテープ(図示省略)で覆われたキャリアテープ42aが巻回されている。フィーダ41は、キャリアテープ42aがフィーダ本体41aに備えられたスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出されてカバーテープが引き剥がされ、部品が部品取出部41bに順次送り込まれると共にキャリアテープ42aが巻き取られるように構成されている。
【0032】
部品移載装置6は、基台10上面の上方に配設され、部品供給装置4から部品を採取して基板保持装置2に搬入された基板11に実装する装置である。部品移載装置は、一対の固定レール51と、ヘッド移動レール52と、部品移載ヘッド53と、部品を吸着する部品吸着部61とにより概略構成されている。
【0033】
一対の固定レール51は、2台の基板搬送装置3の両端部の上方にX方向に延在し互いに平行に配置されている。ヘッド移動レール52は、Y方向に延在して配置されて両端が一対の固定レール51に沿って移動可能に支持されている。ヘッド移動レール52の移動は、ボールねじ(図示省略)を介してサーボモータ(図示省略)により制御されている。部品移載ヘッド53は、ヘッド移動レール52に沿って移動可能に支持されている。移載ヘッド53の移動は、ボールねじ(図示省略)を介してサーボモータ(図示省略)により制御されている。
【0034】
部品吸着部61は、部品移載ヘッド53から下方に突出して設けられたノズルホルダー部611と、該ノズルホルダー部611の下端部に設けられて部品を吸着保持する部品吸着ノズル612とにより概略構成されている。ノズルホルダー部611は、部品移載ヘッド53にサーボモータ(図示省略)によりZ軸方向に昇降可能に且つZ軸回りで回転可能に支承されている。部品吸着ノズル612は、ノズルホルダー部611の下端部に取り付けられ、ノズル先端で部品を吸引可能なように真空ポンプ(図示省略)に接続されている。また、基板保持面21aの保持位置211X,211Yに対する基板11の位置ズレ量等を画像認識するため、基板11を撮像する撮像装置として基板撮像カメラ55が、部品移載ヘッド53から下方に突出して設けられている。また、ノズルホルダー部611における部品の吸着状態を認識するため、部品を撮像する部品撮像カメラ62が、基板保持装置2と部品供給装置4の間に取付けられている。
【0035】
以上のような構成の第1の実施形態の部品実装装置1において、基板11を基板保持装置2に保持する動作について説明する。図5に示すように、基板11は、図略の基板搬送装置3により基板保持装置2の上方に搬送されて所定の位置に位置決めされる。すると、基板保持装置2の基板保持台21のクランプ部材212が外側に開き、基板保持台21が上方に移動開始する(図5(A)参照)。そして、基板11は、基板搬送装置3から基板保持台21の基板保持面21aに移載される。
【0036】
このとき、基板11の位置決め部11bのX方向およびY方向の2辺の部分が、基板保持装置2の位置決めガイド211の保持位置211X,211Yに当接されて位置決めされ、基板11のクランプ部11cが、基板保持装置2のクランプ部材212にクランプされる(図5(B)参照)。そして、詳細は後述するが、基板11の各実装部11dの法線がZ方向(鉛直方向)を向くように基板保持台21を回転軸222の軸回りで回転し、さらに必要なときは実装部11dが実装基準高さに位置するように基板保持台21をZ方向(鉛直方向)に移動する。そして、基板11の各実装部11dに部品を実装する。
【0037】
次に、第2の実施形態による部品実装装置8について説明する。第2の実施形態による部品実装装置8は、第1の実施形態による部品実装装置1と比較して、3台の基板搬送装置3のうち基板保持装置2のY方向両側に配設された2台の基板搬送装置3と、部品供給装置4と、部品移載装置6と、制御装置7とは同一構成であるが、図6に示すように、基板保持装置9が基板保持装置2と異なる構成となっており、また基板保持装置2の上方の基板搬送装置3は設けられておらず、基板移載装置5が新たに設けられている。よって、以下では、基板保持装置9および基板移載装置5について説明する。この部品実装装置8は、例えば、図7に示すように、平坦でない部品装着面12aを有する基板12に部品を実装する。
【0038】
この基板12は、上面視が円形状に形成され、側面視が円弧状の部分および円弧両端から外側に突出した部分を有する形状に形成されている。すなわち、基板12は、球状の部材の一部分を径方向と平行な方向に切断し、切断部分にリング状の部材を一体化した形状に形成されている。この基板12の球状の周面は、例えば、同心円状に設けられた複数の実装部12cに複数の部品が夫々実装される部品装着面12aとして形成されている。また、基板12のリング状の部分は、後述する基板保持装置9の保持手段として位置決め保持装置93に挟持され、位置決めされてクランプされる位置決め部12bとして形成されている。
【0039】
図6に示すように、基板保持装置9は、基板移載装置5により基板搬送装置3から移載される基板12を載置して保持する複数台(本例では、3台)の基板保持台91と、各基板保持台91に保持された基板12を基板保持台91と共に基板12の周方向に回転する保持台回転装置92と、各基板保持台91に保持された基板12を夫々挟持し、位置決めしてクランプする複数台(本例では、3台)の位置決め装置93と、各基板保持台91に保持された基板12を基板保持台91と共にY方向の軸線回りに回転する回転装置22と、各基板保持台91に保持された基板12を基板保持台91および回転装置22と共にZ方向に移動する移動装置23とにより概略構成されている。基板保持装置9の回転装置22および移動装置23は、第1の実施形態と同一構成であり、同一部材は同一番号を付して同一部材の詳細な説明は省略する。
【0040】
各基板保持台91は、円柱状に形成され、上面が基板12が載置され保持される基板保持面91aとして形成されている。そして、各基板保持台91には、下面から下方に延びて回転台221に回転可能に支承される回転軸91aが設けられている。すなわち、各基板保持台91は、第1保持部材として回転台221上において第1回転軸として回転軸222の軸回りで回転可能であって、回転軸222と直角な方向の第2回転軸として回転軸911の軸回りで回転可能な第2保持部材として構成されている。
【0041】
保持台回転装置92は、各回転軸911を回転させるベルト・プーリ機構921および回転台221の下面に固定されているステッピングモータ922により概略構成されている。各基板保持台91は、ステッピングモータ922により任意の回転位置に位置決め可能に構成されている。
【0042】
各位置決め装置93は、各基板保持台91と並設され回転台221の上面に固定されている。各位置決め装置93は、基板12の位置決め部12bを挟持して保持可能な保持手段として一対の位置決めアーム931a,931bと、一方の位置決めアーム931bのみを他方の位置決めアーム931aに対して平行移動するモータおよびギア機構等でなるアーム移動装置932とにより概略構成されている。位置決めアーム931aは、回転台221の上面に固定され、位置決めアーム931bは、位置決めアーム931aに対して平行移動可能なようにアーム移動装置932に連結されている。一対の位置決めアーム931a,931bには、長手方向に延びる溝部931c,931dが対向するように夫々設けられている。
【0043】
位置決め装置93は、一方の位置決めアーム931bが他方の位置決めアーム931aに対して平行移動して、基板保持面91a上に載置されている基板12の位置決め部12bを各溝部931c,931d内に入り込ませて挟持することにより、基板12を基板保持面91aに位置決めしてクランプするように構成されている。よって、基板保持面91aの基板12の保持位置としては、固定された位置決めアーム931aの溝部931cの底位置が基準位置となって設定されている。
【0044】
基板移載装置5は、基台10上面の上方に配設され、基板11を基板搬送装置3と基板保持装置9との間で移載する装置である。基板移載装置5は、基板移載ヘッド56と、基板11を把持する基板把持部54とにより概略構成されている。基板移載ヘッド56は、部品移載ヘッド53と同様に、ヘッド移動レール52に沿って移動可能に支持されている。基板移載ヘッド56の移動は、ボールねじ(図示省略)を介してサーボモータ(図示省略)により制御されている。
【0045】
基板把持部54は、基板移載ヘッド56から下方に突出して設けられた複数(本例では、3つ)の爪ホルダー部541と、各爪ホルダー部541の下端部に夫々設けられて基板11を把持する一対の基板把持爪542とにより概略構成されている。爪ホルダー部541は、基板移載ヘッド56にサーボモータ(図示省略)によりZ軸方向に昇降可能に且つZ軸回りで回転可能に支承されている。一対の基板把持爪542は、爪ホルダー部541の下端部にサーボモータ(図示省略)により開閉可能に取り付けられている。3台の基板把持部54の間隔は、3台の基板保持台91の間隔と同一となるように設けられている。そして、基板12の搬入側の基板搬送装置3には、搬入される3つの基板12を3台の基板把持部54の間隔で停止させる図略のストッパが設けられている。これにより、3台の基板把持部54は、基板搬送装置3と基板保持装置9との間で、3つの基板12を同時に移載することが可能に構成される。
【0046】
以上のような構成の第2の実施形態の部品実装装置8において、基板12を基板保持装置9に保持する動作について説明する。図8に示すように、基板12は、基板搬送装置3により基板保持装置9の近傍に搬送されると、基板移載装置5により基板搬送装置3から基板保持装置9の基板保持台91の上方に移動される(図8(A)参照)。そして、基板12は、基板移載装置5により基板保持台91の基板保持面91aに載置される。このとき、基板12の位置決め部12bは、位置決め装置93の一対の位置決めアーム931a,931bに挟持され、位置決めされてクランプされる(図8(B)参照)。そして、詳細は後述するが、基板12の各実装部12cの法線がZ方向(鉛直方向)を向くように基板保持台91を回転軸222および回転軸911の軸回りで回転し、さらに必要なときは実装部12cが一定の実装基準高さに位置するように基板保持台21をZ方向(鉛直方向)に移動する。そして、基板12の各実装部12cに部品を実装する。
【0047】
次に、基板11,12の実装部11d,12cの法線がZ方向(鉛直方向)を向き、実装部11d,12cが一定の実装基準高さに位置するように基板保持台21,91を回転等させる理由について説明する。基板11,12の部品装着面11a,12aは、側面視が円弧状であるため、実装部11d,12cの法線がZ方向の軸線に対し傾斜している場合、部品吸着ノズル612を傾斜方向に移動させなければならず、複雑な動作制御が必要になる。一方、部品吸着ノズル612の動作制御を簡易にするために、部品吸着ノズル612をZ方向に移動させて部品を実装すると、部品の位置ズレが発生するおそれがある。
【0048】
また、部品吸着ノズル612は、部品供給装置4と基板11,12との間を実装部品数の回数分だけ往復移動して部品実装する。平板状の基板の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとなるように設定されており、これにより部品吸着ノズル612の鉛直方向の移動ストロークを必要最小限にすることができ、部品実装時間の短縮化を図ることができる。しかし、平坦でない部品装着面を有する基板11,12の場合、全ての実装部が一定の実装基準高さとならない。よって、部品吸着ノズル612の鉛直方向の移動ストロークが長くなる場合があり、部品実装時間が長くなる傾向にある。そこで、本実施形態の部品実装装置1,8においては、基板保持装置2,9の基板保持台21,91を回転および必要なときはZ方向に移動させ、実装部11d,12cの法線がZ方向を向き、かつ実装部11d,12cが実装基準高さに位置するように補正して上記問題を解消している。
【0049】
上述の補正方法は、基板11,12の情報および基板保持装置2,9の情報が用いられる。基板11,12の情報としては、位置決め部11b,12bの位置および実装部11d,12cの位置等である。位置決め部11b,12bの位置は、位置決めガイド211に当接される位置決め部11bの直交2辺のX,Y,Z方向の各座標で表され、基板11,12を基板保持台21,91に位置決め保持した状態で部品実装する場合に用いられる。一方、基板11,12を基板撮像カメラ55により画像認識して部品実装する場合は、基板11,12に予め形成されている基準穴(図示省略)が位置決め部として用いられるため、位置決め部11b,12bの位置の代わりに基準穴の位置が基板情報として用いられる。実装部11d,12cの位置は、X,Y,Z方向の各座標およびX,Y方向の傾きで表される。
【0050】
また、基板保持装置2,9の情報としては、基板保持台21,91の回転軸222の基板保持装置2,9における位置、回転軸222と基板保持面21a,91aとの位置関係および基板保持面21aの保持位置211X,211Y等である。なお、基板保持面91aの保持位置に関しては、前述したように、位置決めアーム931aの溝部931cの底位置が基準位置となって設定される位置である。基板保持台21,91の回転軸222の基板保持装置2,9における位置、回転軸222と基板保持面21a,91aとの位置関係および基板保持面21aの保持位置211X,211Yは、X,Y,Z方向の各座標で表される。
【0051】
基板保持装置2,9の基板保持台21,91の回転は、上述の基板11,12の情報および基板保持装置2,9の情報に基づいて、実装部11d,12cの法線がZ方向を向くように行われる。これにより、部品吸着ノズル612に採取された部品を実装部11d,12cの法線上に移動した後は、部品吸着ノズル612を鉛直方向に移動させるのみの簡易な部品実装動作制御により、実装部11d,12cに部品を実装することができる。よって、従来のように部品吸着ノズル612を斜め方向に移動させる複雑な部品実装動作制御は不要となり、実装部11d,12cにおける部品の位置ズレを防止し、実装部11d,12cに部品を短時間に実装することができる。
【0052】
そして、該実装部11d,12cの位置のX,Y,Z方向の補正量は、基板保持台21,91の回転量、基板11,12の情報および基板保持装置2,9の情報に基づいて演算される。基板保持装置2,9の基板保持台21,91のZ方向の移動は、演算された実装部11d,12cの位置のZ方向の補正量により行われる。実装部11d,12cの補正実装位置は、演算された実装部11d,12cの位置のX,Y,Z方向の補正量および基板11,12の情報から演算される。このようにして求めた実装部11d,12cの補正実装位置に基づいて、基板11,12の実装部11d,12cに部品が高精度に実装される。
【0053】
また、基板11,12を基板撮像カメラ55により画像認識して部品実装する場合は、基板11,12の保持位置211X,211Y等に対する位置ズレ量が画像認識される。そして、該実装部11d,12cの位置のX,Y,Z方向の補正量は、画像認識された位置ズレ量、基板保持台21,91の回転量、基板11,12の情報および基板保持装置2,9の情報に基づいて演算される。よって、位置ズレ量を加味している分、基板11,12の実装部11d,12cへの部品の実装を、より高精度に行うことができる。
【0054】
さらに、基板保持装置2,9の基板保持台21,91の回転後に、基板11,12の実装部11d,12cの位置を画像認識して部品実装するようにしてもよい。この場合、画像認識された基板11,12の実装部11d,12cの位置と演算された実装部11d,12cの補正実装位置との差だけ、実装部11d,12cの補正実装位置が再補正される。これにより、例えば、実装部11d,12cに部品を挿入するための穴があいており、その穴の中心の水平方向の位置が基板保持台21,91の回転により変化してしまうような場合であっても、再補正により実装部11d,12cの補正実装位置の精度が高められているので、部品を実装部11d,12cの穴にスムーズに挿入して実装することができる。
【0055】
上述の実装部11d,12cの位置のX,Y,Z方向の補正量は、基板11,12を基板保持台21,91に搬入したときの実装部11d,12cの機械座標系(部品実装装置1)の位置座標と、基板保持台21,91を回転したときの実装部11d,12cの機械座標系の位置座標とのズレ量である。
【0056】
例えば、図9に示すように、X,Z方向を考えて、機械座標系をXm,Zmとし、Zmは基板保持台21,91の回転中心Cを通って鉛直方向に延び、XmはZmと直交し且つ基板保持台21,91の水平な基板保持面21a,91a上を通るものとし、機械原点をM0とする。また、基板保持面21a,91a上の基板座標系をXp,Zpとし、Zpは鉛直方向に延び、XpはZpと直交し且つXmと同一線になるものとし、基板原点をP0とする。そして、機械原点M0と回転中心CとのX方向の距離は0、Z方向の距離はBとし、基板原点をP0と回転中心CとのX方向の距離はA、Z方向の距離はBとする。また、機械座標系Xm,Zmを回転中心Cを中心に時計回りに角度θ回転したときの回転座標系をXθ,Zθとする。なお、基板撮像カメラ55により画像認識する場合は、X方向の距離はAにカメラズレ量ΔAを加味する。
【0057】
上述のズレ量は、先ず、基板座標系Xp,Zpを平行移動(X方向に距離A移動)して機械座標系Xm,Zmと一致させ、次に、機械座標系Xm,Zmと一致させた基板座標系Xp,Zpを回転中心Cを中心に回転(時計回りに角度θ回転)することにより導出できる。
【0058】
例えば、基板座標系Xp,Zpにおける実装部11d,12cの位置の座標を(xp,zp)とし、この座標(xp,zp)を機械座標系Xm,Zmの座標(xm,zm)に変換すると次式(1)となる。
xm=xp+A,zm=zp・・・(1)
次に、座標(xm,zm)を回転座標系Xθ,Zθの座標(xθ,zθ)に変換する。座標(xm,zm)と回転中心Cとの距離をQとすると、次式(2)が得られる。
Q=√((B+zm)+xm)・・・(2)
次に、座標(xm,zm)と座標(xθ,zθ)とを結ぶ線と回転中心Cとの距離をSとすると、次式(3)が得られる。
S=Q・cosθ/2・・・(3)
【0059】
次に、座標(xθ,zθ)からZmに平行な直線と回転中心Cとの距離をTとすると、次式(4)が得られる。なお、α=cos−1((B+zm)/Q)である。
T=2Scos(π−θ/2−α)−xm・・・(4)
次に、回転中心CからXmに平行な直線と座標(xθ,zθ)との距離をUとすると、次式(5)が得られる。
U=√(Q−T)・・・(5)
以上から、座標(xθ,zθ)を次式(6)で機械座標系Xm,Zmに変換することができる。
xθ=T=2Scos(π−θ/2−α)−xm,zθ=U−B=√(Q−T)−B
=√(((B+zm)+xm)−(2Scos(π−θ/2−α)−xm))−B・・・(6)
【0060】
よって、基板11,12を基板保持台21,91に搬入したときの実装部11d,12cの機械座標系の位置座標と、基板保持台21,91を回転したときの実装部11d,12cの機械座標系の位置座標とのズレ量、すなわち実装部11d,12cの位置のX,Z方向の補正量を求めることができる。Y方向の補正量についても、上述と同様に求められる。
【0061】
次に、上述の補正方法について具体例を挙げて説明する。先ず、図10に示すように、各基板11,12の部品装着面11a,12aの曲率円の中心Cpが、基板保持装置2,9の基板保持台21,91の回転軸222の中心Cと一致している場合、すなわち各基板11,12の部品装着面11a,12aと基板保持台21,91の回転軸222の中心Cとの距離が常に一定の場合について説明する。基板保持台21,91の基板保持面21a,91aが水平状態にあるとき、基板11,12の部品装着面11a,12aの頂点の第1実装部Paは、法線LpaがZ方向を向き、かつ実装基準高さHに位置にしている(図10(A)参照)。よって、部品吸着ノズル612をZ方向に最小ストローク移動させるのみの簡易な動作制御により、部品を第1実装部Paに高精度に且つ短時間で実装することができる。
【0062】
そして、第1実装部Paから反時計回りにθ度の第2実装部Pbに部品を実装するときは、基板保持台21,91の基板保持面21a,91aをθ度に傾斜、すなわち基板保持台21,91を時計回りにθ度回転する(図10(B)参照)。これにより、第2実装部Pbの法線LpbがZ方向を向き、かつ第2実装部Pbが実装基準高さHに位置するように調整することができる。よって、部品吸着ノズル612をZ方向に最小ストロークで移動させるのみの簡易な動作制御により、部品を第2実装部Pbに高精度に且つ短時間で実装することができる。
【0063】
次に、図11に示すように、基板13の部品装着面13aと基板保持台21,91の回転軸222の中心Cとの距離が変化するような、例えば、波板状の基板13の場合について説明する。基板保持台21,91の基板保持面21a,91aが水平から右肩下がりにφc度傾斜しているときに、法線LpcがZ方向を向き、かつ実装基準高さHに位置する第3実装部Pcに対しては、基板保持面21a,91aを時計回りにφc度回転する(図11(A)参照)。これにより、部品吸着ノズル612をZ方向に最小ストロークで移動させるのみの簡易な動作制御により、部品を第3実装部Pcに高精度に且つ短時間で実装することができる。
【0064】
そして、基板保持台21,91の基板保持面21a,91aが水平から左肩下がりにφd度傾斜しているときに、法線LpdがZ方向を向く第4実装部Pdに対しては、時計回りにφc度回転した状態の基板保持面21a,91aを反時計回りにφc+φd度回転する(図11(B)参照)。このときは、第4実装部Pdは実装基準高さHに位置していないため、基板保持台21,91をZ方向にα移動する(図11(C)参照)。これにより、部品吸着ノズル612をZ方向に最小ストロークで移動させるのみの簡易な動作制御により、部品を第4実装部Pdに高精度に且つ短時間で実装することができる。
【0065】
次に、上述の部品実装装置1による部品実装方法について図12のフローチャートを参照して説明する。ここで、基板保持台21の回転軸222の基板保持装置2における位置、回転軸222と基板保持面21aとの位置関係および基板保持面21aの保持位置211X,211Yでなる基板保持装置2の情報は、予め測定されて制御装置7のメモリに記憶されているものとする。制御装置7は、位置決め部11bの位置および実装部11dの位置でなる基板11の情報を入力したか否かを判断し(ステップ1)、入力前であるときは該基板情報を入力して制御装置7のメモリに記憶する(ステップ2、本発明の「基板情報入力工程」に相当する)。
【0066】
制御装置7は、基板搬送装置3を動作制御して基板11を基板保持装置2の近傍に搬入し(ステップ3)、基板移載装置5を動作制御して基板11を基板搬送装置3から基板保持装置2に移載する(ステップ4)。このとき、基板11の位置決め部11bを基板保持装置2の位置決めガイド211に当接して位置決めする。そして、基板保持装置2のクランプ部材212を動作制御して基板11のクランプ部11cをクランプする(ステップ5、本発明の「基板搬入保持工程」に相当する)。
【0067】
制御装置7は、メモリに記憶されている基板保持装置情報および基板情報に基づいて、基板11の部品装着面11aにおける実装部11dの法線が鉛直方向を向くように、基板保持装置2の回転装置22を動作制御して基板保持台21を回転する(ステップ6、本発明の「基板回転工程」に相当する)。そして、基板保持台21の回転量、基板情報および基板保持装置情報に基づいて、実装部11dの位置のX,Y,Z方向の補正量を演算し、演算した実装部11dの位置のX,Y,Z方向の補正量および基板情報から実装部11dの補正実装位置を演算する(ステップ7,8、本発明の「補正実装位置演算工程」に相当する)。
【0068】
制御装置7は、実装部11dが実装基準高さに位置しているか否かを判断し(ステップ9)、実装部11dが実装基準高さに位置していないときは、実装部11dが実装基準高さに位置するように、移動装置23を動作制御して基板保持台21を実装部11dの位置のZ方向の補正量だけZ方向に移動する(ステップ10)。そして、演算した実装部11dの補正実装位置に基づいて、部品移載装置6を動作制御して、部品を実装部11dの補正実装位置に実装する(ステップ11、本発明の「部品実装工程」に相当する)。なお、基板保持台21を移動せずに、部品吸着ノズル612を実装部11dの位置のZ方向の補正量だけZ方向に移動させて部品実装を行うようにしてもよい。
【0069】
制御装置7は、現基板11の部品実装が完了したか否かを判断し(ステップ12)、現基板11の部品実装が完了していない場合は、ステップ6に戻って上述の処理を実行する。一方、現基板11の部品実装が完了した場合は、基板保持装置2のクランプ部材212を動作制御して基板11のクランプ部11cをアンクランプする。そして、基板移載装置5を動作制御して基板11を基板保持装置2から基板搬送装置3に移載し(ステップ13)、基板搬送装置3を動作制御して基板11を搬出する(ステップ14)。制御装置7は、全ての基板11の生産が終了したか否かを判断し(ステップ15)、全ての基板11の生産が終了していない場合は、ステップ1に戻って上述の処理を実行する。一方、全ての基板11の生産が終了した場合は、部品実装プログラムを終了する。
【0070】
以上の部品実装方法は、基板11の位置決め部11bを基板保持装置2の位置決めガイド211に当接して位置決めすることにより、基板11の部品装着面11aにおける各実装部11dに部品を実装する方法である。別の部品実装方法として、基板11を基板撮像カメラ55により画像認識することにより、基板11の部品装着面11aにおける各実装部11dに部品を実装する方法があり、図13のフローチャートを参照して説明する。ここで、基板保持台21の回転軸222の基板保持装置2における位置、回転軸222と基板保持面21aとの位置関係および基板保持面21aの保持位置211X,211Yでなる基板保持装置2の情報は、予め測定されて制御装置7のメモリに記憶されているものとする。
【0071】
制御装置7は、位置決め部11bの位置および実装部11dの位置でなる基板11の情報を入力したか否かを判断し(ステップ21)、入力前であるときは該基板情報を入力して制御装置7のメモリに記憶する(ステップ22、本発明の「基板情報入力工程」に相当する)。そして、基板搬送装置3を動作制御して基板11を基板保持装置2の近傍に搬入し(ステップ23)、基板移載装置5を動作制御して基板11を基板搬送装置3から基板保持装置2に移載する(ステップ24)。この場合、基板11の位置決め部11bを基板保持装置2の位置決めガイド211に当接して位置決めする際の精度はラフでよい。そして、基板保持装置2のクランプ部材212を動作制御して基板11のクランプ部11cをクランプする(ステップ25、本発明の「基板搬入保持工程」に相当する)。
【0072】
制御装置7は、基板移載装置5および基板撮像カメラ55を動作制御して基板11を撮像し(ステップ26)、基板11の保持位置211X,211Yに対する位置ズレ量を画像認識する(ステップ27、本発明の「基板位置認識工程」に相当する)。そして、メモリに記憶されている基板保持装置情報および基板情報に基づいて、基板11の部品装着面11aにおける実装部11dの法線が鉛直方向を向くように、基板保持装置2の回転装置22を動作制御して基板保持台21を回転する(ステップ28、本発明の「基板回転工程」に相当する)。
【0073】
制御装置7は、基板11の保持位置211X,211Yに対する位置ズレ量、基板保持台21の回転量、基板情報および基板保持装置情報に基づいて、実装部11dの位置のX,Y,Z方向の補正量を演算し、演算した実装部11dの位置のX,Y,Z方向の補正量および基板情報から実装部11dの補正実装位置を演算する(ステップ29,30、本発明の「補正実装位置演算工程」に相当する)。そして、実装部11dが実装基準高さに位置しているか否かを判断し(ステップ31)、実装部11dが実装基準高さに位置していないときは、実装部11dが実装基準高さに位置するように、移動装置23を動作制御して基板保持台21を実装部11dの位置のZ方向の補正量だけZ方向に移動する(ステップ32)。
【0074】
ここで、例えば、基板11の部品装着面11aにおける実装部11dに穴があいており、その穴の中心の水平方向の位置が基板11の回転により変化してしまう事態が予想される場合等、実装部11dの補正実装位置の精度を高めたいときは、基板11を再度撮像して回転後の実装部11dの位置を画像認識すればよい。そこで、制御装置7は、基板11を再度撮像する必要があるか否かを判断し(ステップ33)、基板11を再度撮像する必要がないときはステップ37に進む。
【0075】
一方、基板11を再度撮像する必要があるときは、制御装置7は、基板移載装置5および基板撮像カメラ55を動作制御して基板11を再度撮像し(ステップ34)、回転後の実装部11dの位置を画像認識する(ステップ35、本発明の「回転後実装位置認識工程」に相当する)。そして、画像認識した基板11の実装部11dの位置と演算した実装部11dの補正実装位置との差だけ、実装部11dの補正実装位置を再補正する(ステップ36、本発明の「基板再補正位置演算工程」に相当する)。そして、演算した実装部11dの補正実装位置もしくは再補正した補正実装位置に基づいて、部品移載装置6を動作制御して、部品を実装部11dの補正実装位置に実装する(ステップ37、本発明の「部品実装工程」に相当する)。
【0076】
制御装置7は、現基板11の部品実装が完了したか否かを判断し(ステップ38)、現基板11の部品実装が完了していない場合は、ステップ28に戻って上述の処理を実行する。一方、現基板11の部品実装が完了した場合は、基板保持装置2のクランプ部材212を動作制御して基板11のクランプ部11cをアンクランプする。そして、基板移載装置5を動作制御して基板11を基板保持装置2から基板搬送装置3に移載し(ステップ39)、基板搬送装置3を動作制御して基板11を搬出する(ステップ40)。制御装置7は、全ての基板11の生産が終了したか否かを判断し(ステップ41)、全ての基板11の生産が終了していない場合は、ステップ1に戻って上述の処理を実行する。一方、全ての基板11の生産が終了した場合は、部品実装プログラムを終了する。
【符号の説明】
【0077】
1,8…部品実装装置、2,9…基板保持装置、3…基板搬送装置、4…部品供給装置、5…基板移載装置、6…部品移載装置、7…制御装置、11,12,13…基板、11a,12a,13a…部品装着面、21,91…基板保持台、22…回転装置、23…移動装置、92…第2回転装置、93…位置決め装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装するために、前記基板を基板保持面の保持位置に保持して回転する保持部材を有する基板保持装置と、
前記基板を前記保持部材の基板保持面に対し搬入出する基板搬送装置と、
前記基板に実装する前記部品を供給する部品供給装置と、
前記部品供給装置から前記部品を採取して水平面内で直角な2方向および鉛直方向に移動し、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板の実装部に実装する部品移載装置と、を備えた部品実装装置における部品実装方法であって、
前記基板を前記基板保持面に位置決めするための位置決め部の位置および前記実装部の位置に関する基板情報を入力する基板情報入力工程と、
前記基板を前記基板搬送装置によって前記基板保持面の保持位置に搬入し、搬入した前記基板を前記基板保持装置に設けられている保持手段によって前記基板保持面の保持位置に保持する基板搬入保持工程と、
予め記憶している前記保持部材の回転軸の前記基板保持装置における位置、前記回転軸と前記基板保持面との位置関係および前記基板保持面の保持位置の位置に関する基板保持装置情報並びに前記入力した基板情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記保持部材を回転する基板回転工程と、
前記基板回転工程によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記基板回転工程における前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算し、該水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量並びに前記基板情報から補正実装位置を演算する補正実装位置演算工程と、
前記補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装する部品実装工程と、を備えたことを特徴とする部品実装方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記基板保持装置は、鉛直方向に移動可能に構成され、
前記部品実装工程は、前記補正実装位置演算工程で演算された前記鉛直方向の補正量については前記基板保持装置を鉛直方向に補正移動することを特徴とする部品実装方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板を撮像装置により撮像して該基板の前記保持位置に対する位置ズレ量を画像認識する基板位置認識工程、を備え、
前記補正実装位置演算工程は、前記基板回転工程によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記位置ズレ量、前記基板回転工程における前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算することを特徴とする部品実装方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記実装部の位置の法線が鉛直方向を向くように前記保持部材が前記基板回転工程によって回転された後に、前記実装部を撮像装置により撮像し、前記回転後の実装部の位置を画像認識する回転後実装位置認識工程と、
前記画像認識された前記回転後の実装部の位置と前記補正実装位置演算工程で演算された前記補正実装位置との差だけ前記補正実装位置を再補正する基板再補正位置演算工程と、を備え、
前記部品実装工程は、前記再補正された補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装することを特徴とする部品実装方法。
【請求項5】
平坦でない部品装着面を有する基板に部品を実装するために、前記基板を基板保持面の保持位置に保持して回転する保持部材を有する基板保持装置と、
前記基板を前記保持部材の基板保持面に対し搬入出する基板搬送装置と、
前記基板に実装する前記部品を供給する部品供給装置と、
前記部品供給装置から前記部品を採取して水平面内で直角な2方向および鉛直方向に移動し、前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板の実装部に実装する部品移載装置と、
前記基板保持装置、前記基板搬送装置、前記部品供給装置、および前記部品移載装置の動作を制御する制御装置と、を備えた部品実装装置であって、
前記制御装置は、
前記基板を前記基板保持面に位置決めするための位置決め部の位置および前記実装部の位置に関する基板情報並びに前記保持部材の回転軸の前記基板保持装置における位置、前記回転軸と前記基板保持面との位置関係および前記基板保持面の保持位置の位置に関する基板保持装置情報を入力する入力手段と、
入力される前記基板情報および前記基板保持装置情報を記憶する記憶手段と、
前記基板を前記基板搬送装置によって前記基板保持面の保持位置に搬入し、搬入した前記基板を前記基板保持装置に設けられている保持手段によって前記基板保持面の保持位置に保持する基板搬入保持手段と、
前記基板情報および前記基板保持装置情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記保持部材を回転する基板回転手段と、
前記基板回転手段によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記基板回転手段による前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算し、該水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量並びに前記基板情報から補正実装位置を演算する補正実装位置演算手段と、
前記補正実装位置に基づいて、前記部品を前記基板の前記実装部に実装する部品実装手段と、を備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記基板保持装置は、鉛直方向に移動可能に構成され、
前記部品実装手段は、前記補正実装位置演算手段で演算された前記鉛直方向の補正量については前記基板保持装置を鉛直方向に補正移動することを特徴とする部品実装方法。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記基板を撮像可能な撮像装置を備え、
前記制御装置は、
前記基板保持面の保持位置に保持された前記基板を前記撮像装置により撮像して該基板の前記保持位置に対する位置ズレ量を画像認識する基板位置認識手段、を備え、
前記補正実装位置演算手段は、前記基板回転手段によって法線が鉛直方向を向けられた前記実装部の位置の前記水平面内で直角な2方向および鉛直方向の補正量を、前記位置ズレ量、前記基板回転手段による前記保持部材の回転量、前記基板保持装置情報および前記基板情報に基づいて演算することを特徴とする部品実装装置。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか一項において、
前記保持部材は、水平方向の軸回りで回転可能な第1回転軸を有する第1保持部材と、該第1保持部材上において前記第1回転軸と直角な方向の軸回りで回転可能な第2回転軸を有する第2保持部材とで構成され、
前記基板回転手段は、前記基板情報および前記基板保持装置情報に基づいて、前記平坦でない部品装着面における前記実装部の法線が鉛直方向を向くように前記基板保持装置の前記第1保持部材および前記第2保持部材を夫々回転することを特徴とする部品実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−178489(P2012−178489A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41207(P2011−41207)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】