説明

部品実装状態検査装置および部品実装状態検査方法

【課題】電子部品の実装状態に応じた分類ができる。
【解決手段】本発明の部品実装状態検査装置は、検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得するまたは複数の情報取得手段と、情報取得手段によって取得された情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別手段とを有する。判別手段は、情報取得手段によって取得された計測情報に基づいて、前記検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かを判定する、前記実装状態判別条件が互いに異なる複数の分別部を含み、判別手段は、一つの分別部によって該一つの分別部の実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、他の分別部が該他の分別部の実装状態判別条件を満たしているか否かを判定することによって、基板上の電子部品の実装状態を判別するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に実装された電子部品の実装状態を検査する部品実装状態検査装置および部品実装状態検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に実装された電子部品の実装状態を検査することが行われている。一般的に、電子部品の実装状態の検査では、X線撮像装置、光学撮像装置およびレーザー距離計測装置などを用いて、検査物の検査対象要素の画像データや距離データを取得する(特許文献1参照)。そして、取得したデータを基に、種々の判定が行なわれる。
【特許文献1】特開平7−294450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術では、電子部品の実装状態を検査する際に、図19に示されるような、画一的な検査が実施されている。たとえば、良否判定の検査では、図19に示されるように、ステップP1のX線撮像検査、ステップP2の光学撮像検査およびステップP3のレーザー検査の全ての検査において、所定の条件を満たしているものだけを良品と判定し、いずれかの検査で所定の条件を満たしていないものは不良品と判定している。
【0004】
しかしながら、このような画一的な検査では、検査物の用途に応じて製品に求められる性能が違った場合に対応できない、加えて、検査物の形態の違いを考慮した検査ができない、といった問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、検査物を、電子部品の実装状態に応じて分類することができる部品実装状態検査装置および部品実装状態検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品実装状態検査装置は、電子部品が基板上に実装された検査物に対して、電子部品の実装状態についての検査を行う部品実装状態検査装置であって、前記検査物の検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得する1または複数の情報取得手段と、該情報取得手段によって取得された計測情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別手段とを有し、該判別手段は、前記情報取得手段によって取得された計測情報に基づいて、前記検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かを判定する、前記実装状態判別条件が互いに異なる複数の分別部を含み、前記判別手段は、一つの分別部によって該一つの分別部の実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、他の分別部が該他の分別部の実装状態判別条件を満たしているか否かを判定することによって、基板上の電子部品の実装状態を判別するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、判別手段は、特定の実装状態判別条件に基いて基板上の電子部品の実装状態が当該実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、改めて、他の実装状態判別条件に基いて実装状態の判定を行っている。つまり、一度は基板上の電子部品が望ましい状態に実装されていないと判定された検査物に対して、改めて、異なる判定基準に基づいて、基板上の電子部品の実装状態について判定がなされることになる。このように、分別部による分別が何回か行われると、検査物が、基板上の電子部品の実装状態を表すいくつかのモデルのなかの一つに属するように分別される。したがって、検査物を、電子部品の実装状態に応じて分類できる。
【0008】
また、前記分別部による判定の順序が異なる複数種類の判別手段が備えられており、検査時には、前記検査物の種類に応じた判別手段を選択する選択手段によって複数種類の判別手段のうちの1つが選択されるように構成されていることが好ましい。
【0009】
この発明によれば、複数種類の判別手段から検査物の種類に応じた判別手段が1つ選択される。したがって、検査物の種類や用途などに応じて検査物の分類の基準を変更することができる。
【0010】
また、前記複数の分別部による判定が、互いに異なる複数種の情報取得手段により取得された情報に基いて行われることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、異なる種類の情報取得手段により取得された多様な情報に基いて判定が行われるので、精度の高い判定を行うことができる。
【0012】
また、前記複数の分別部による判定が、1種の情報取得手段により取得された情報に基いて行われる形態であってもよい。
【0013】
この発明によれば、1種の情報取得手段で得られた情報だけを用いて判定を行うことが可能なので、検査対象要素の情報を取得する時間を短縮することができる。
【0014】
また、前記情報取得手段としては、X線撮像装置、光学撮像装置およびレーザー距離計測装置のうち少なくとも2種が備えられていることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、情報取得手段として、X線撮像装置、光学撮像装置およびレーザー距離計測装置のうち少なくとも2種が備えられていれば、基板上に実装された電子部品の実装状態を精度よく検査するのに充分な情報を入手することができる。
【0016】
また、前記判別手段は、検査物が良品か否かを判定するものであることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、検査物が良品または不良品のいずれに属するかを分類することができる。すなわち、分別部によって一度は不良品と判定された検査物に対して、再度良否判定を実施することで、検査物に求められる性能に応じて不良品か良品かを判断する基準を柔軟に変更することが可能であり、不良品の発生を抑制することができる。
【0018】
また、前記実装状態の検査が、電子部品の基板に対するはんだ付け状態の検査および電子部品の基板に対する配置状態の検査のうち、少なくとも一方であることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、実装状態の検査が、はんだ付け状態および配置状態のうち、少なくとも一方であるので、はんだ付けや電子部品の配置の状態に応じた検査物の分類が可能である。
【0020】
本発明の部品実装状態検査方法は、電子部品が基板上に実装された検査物に対して、電子部品の実装状態についての検査を行う上記の部品実装状態検査装置を用いた部品実装状態検査方法であって、前記検査物の検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得する情報取得ステップと、該情報取得ステップで取得された計測情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別ステップとを含み、該判別ステップには、前記情報取得手段によって取得された計測情報に基づいて、前記検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かを判定する、前記実装状態判別条件が互いに異なる複数の分別ステップが含まれ、一つの分別ステップで該一つの分別ステップの実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、他の分別ステップが該他の分別ステップの実装状態判別条件を満たしているか否かを判定することによって、基板上の電子部品の実装状態を判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、検査物を、電子部品の実装状態に応じて分類できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下で、実施の形態1および実施の形態2の部品実装状態検査装置および部品実装状態検査方法について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、プリント基板3上に実装された電子部品1を説明するための図である。図2は、(a)〜(g)は、プリント基板3上に実装された電子部品1の端子11の状態を説明するための図である。
【0024】
図1に示されるように、プリント基板3上に実装された、たとえば、集積回路などの電子部品1は、パッケージ12の周縁に沿って外部に突出するように設けられた多数の端子11がプリント基板3の表面に対してはんだ付けによって接続されている。
【0025】
このような、端子11がはんだ付けされた状態については、はんだ2の塗布状態および端子11の姿勢などを基に、図2に示されるように、たとえば、(a)〜(g)の7つのタイプにモデル化される。(a)は、端子11の前面側におけるはんだ2の塗布量が適正であり、端子11の背面側におけるはんだ2の塗布量が適正であり、端子11の先端部が正常な形状であるタイプを示す。(b)は、端子11の前面側におけるはんだ2の塗布量が多く、端子11の背面側におけるはんだ2の塗布量が適正であり、端子11の先端部が正常な形状であるタイプを示す。(c)は、端子11の前面側におけるはんだ2の塗布量が少なく、端子11の背面側におけるはんだ2の塗布量が適正であり、端子11の先端部が正常な形状であるタイプを示す。(d)は、はんだ2がプリント基板3上に塗布されていないタイプを示す。(e)は、はんだ2が端子11の前面側にのみ少量塗布され、端子11の先端部が正常な形状であるタイプを示す。(f)は、端子11の背面側におけるはんだ2の塗布量および端子11の前面側におけるはんだ2の塗布量がともに少なく、端子11の先端部が変位したタイプを示す。(g)は、端子11の背面側におけるはんだ2の塗布量は適正で、端子11の前面側におけるはんだ2の塗布量が少なく、端子11の先端部が変位したタイプを示す。
【0026】
本実施の形態の部品実装状態検査装置および部品実装状態検査方法を用いることによって、検査物が(a)〜(g)のどのタイプに属しているかという極めて精度の高い判別が可能になり、良品と不良品との境界を所望に応じて変更することができる。
【0027】
図3は、部品実装状態検査装置を説明するためのブロック図である。
【0028】
実施の形態1の部品実装状態検査装置は、プリント基板3上に実装された電子部品1の実装状態を検査するためのものである。ここで、本明細書中における実装状態とは、電子部品のプリント基板へのはんだ付け状態、プリント基板上の電子部品の姿勢、プリント基板上の電子部品の向きなどを含む概念である。特に、本実施の形態では、検査物を、良品または不良品のいずれかに分類するための検査について説明する。
【0029】
実施の形態1の部品実装状態検査装置は、図3に示されるように、検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得する情報取得手段4と、部品実装状態検査装置の全体を統括的に制御するコントローラ5とを備えている。このほか、部品実装状態検査装置には、検査物の検査結果を表示する表示ユニット6などが備えられているが、本実施の形態において、特に限定されるものではないのでここでの説明を省略する。
【0030】
情報取得手段4は、X線撮像装置41と、光学撮像装置42と、レーザー距離測定装置43とを含む。また、本実施の形態では、図4に示されるように、X線撮像装置41および光学撮像装置42が設けられている。
【0031】
X線撮像装置41は、電子部品1の端子11の背面側に存在するはんだ2(いわゆる、ヒールフィレット)の有無を調べるためのものである。X線撮像装置41は、X線を放射するX線放射装置41aと、検査対象要素を透過したX線を受光するX線CCDカメラなどのX線受光部41bとを含む。
【0032】
具体的には、X線撮像装置41を用いた検査では、端子11の背面(下側)に位置するはんだ2について、プリント基板3の表面からの高さH1(図8参照)における、ヒールフィレット投影面積A3が計測される(図5参照)。そして、この面積A3が所定の閾値以下である場合には、ヒールフィレットが存在していない、または、不足しているため、はんだの溶着強度が低いと判定される。
【0033】
光学撮像装置42は、電子部品1の端子11の前面側のはんだ(いわゆる、フロントフィレット)の塗布状態を調べるためのものである。光学撮像装置42は、図4に示されるように、上述のX線放射装置41aのX線の放射方向に対して略垂直に設けられたCCDカメラなどの光受光部42aと、検査対象要素に対して光を照射する照明装置42cと、照明装置42cから出射されて、検査対象要素で反射した光を光受光部42aへ向けて反射させる反射板42bとを含む。照明装置42cは、頂部に開口が形成されたドーム状を呈し、内周面にLEDなどの発光体が設けられている。さらに、照明装置42cは、上部発光部42c1、中部発光部42c2、下部発光部42c3を含み、それぞれの発光部42c1、42c2、42c3が光を発光する。たとえば、上部発光部42c1から赤色の光を発光し、中部発光部42c2から緑色の光を発光し、下部発光部42c3から青色の光を発光しても良いし、上部発光部42c1から赤外線を照射し、中部発光部42c2および下部発光部42c3に白色LEDを用いて光を発光させても良いし、上部発光部42c1、中部発光部42c2および下部発光部42c3を全て白色LEDにして光を発光させても良い。このように、照明装置42cで発光させる光の組み合わせを変えることで、多様な画像データを得ることができる。また、反射板42bは、上述のX線放射装置41aから放射された光を透過させる。
【0034】
具体的には、光学撮像装置42を用いた検査では、図6および図7に示されるように、照明装置42cから照射した光のうち、検査対象要素で反射した光を光受光部42aで受光し、フロントフィレットの基準領域A0における画像データを得る。そして、基準領域A0内における輝度について、所定の閾値を超えているか否か(つまり、塗布されたはんだ2が所定の高さだけ塗布されているか否か)が判定される。また、輝度が所定値以上の反射領域A1の平面形状を把握し、この形状が連続的な形状か否か(つまり、はんだ2の塗布状態に局所的な偏りがあるか否か)が判定される。さらに、基準領域A0における輝度が所定値以上(つまり、塗布されたはんだ2の高さが所定の高さより高い部分)の反射領域A1の面積と、基準領域A0の面積との比を算出し、この値が所定の範囲内にあるか否か(つまり、はんだ2の塗布量が適正な状態にあるか否か)が判定される。
【0035】
レーザー距離測定装置43は、図8に示されるように、プリント基板3上に実装された電子部品1の端子11の先端部分の高さを計測することで、電子部品1の端子11がプリント基板3から浮いた状態(離れた状態)になっているか否かを調べるためのものである。レーザー距離測定装置43は、所定の高さからレーザー光を出射する発光部43aと、検査対象要素で反射したレーザー光を所定の高さで受光する受光部43bとを含む。
【0036】
具体的には、レーザー距離測定装置43を用いた検査では、図8に示されるように、発光部43aから端子11の先端部の表面まで距離H2が計測される。この距離H2が所定の閾値より小さい場合(つまり、端子11の先端部の高さが高い場合)には、端子11の先端部が折れ曲がったり、端子11に浮きが生じたりしていることが確認される。
【0037】
本実施の形態の部品実装状態検査装置は、情報取得手段4として、これらX線撮像装置41、光学撮像装置42およびレーザー距離測定装置43の3種の装置が備えられていることによって、プリント基板3上に実装された電子部品1の実装状態を精度よく検査するのに足りる充分な情報を入手することができる。
【0038】
コントローラ5は、判別プログラム選定手段(選択手段)51と、判別プログラム記憶手段52と、X線撮像装置41および光学撮像装置42によって得られた検査対象要素の画像データを処理する画像処理部53と、レーザー距離測定装置43によって得られた、レーザー距離測定装置43から検査対象要素までの距離データを処理する距離計処理部54とを含む。このほか、コントローラ5には、演算処理部、搬送系データ記憶手段、モーター制御部、外部入出力部などが備えられているが、これらは本実施の形態において特に限定されるものではないのでここでの説明を省略する。具体的には、コントローラ5は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM、部品実装状態検査装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM、各種データやソフトを記憶するHDDなどから構成されている。
【0039】
判別プログラム選定手段51は、検査時に、判別プログラム記憶手段52に記憶された後述の判別プログラム(判別手段)52a、52b、52cのうちから、たとえば、用途やプリント基板3上に実装された電子部品1の形態(端子11の形状)などの検査物の種類に応じた適切な判別手段を1つ選定するためのものである。つまり、このような複数の判別プログラム52a、52b、52cから一つを選択するような判別プログラム選定手段51をコントローラ5に備えることで、検査物の種類に応じて検査物の分類の基準を柔軟に変更することができるようになり、検査物に要求される性能に応じた臨機応変な検査が可能となる。
【0040】
判別プログラム記憶手段52は、各種プログラムなどの情報が記憶されているものである。具体的には、判別プログラム記憶手段52には、異なる種類の複数の判別プログラム(以下、第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52b、第3の判別プログラム52cという)が記憶されている。第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52bおよび第3の判別プログラム52cは、互いに、判別の基準や、判別に使用する情報が異なるプログラムである。
【0041】
たとえば、第1の判別プログラム52aで良品と判定された検査物が、第2の判別プログラム52bでは不良品と判定されることもあり、あるいは、第1の判別プログラム52aで不良品と判定され、第2の判別プログラム52bで不良品と判定された検査物が、第3の判別プログラム52cでは良品と判定されることもある。
【0042】
さらに、第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52bおよび第3の判別プログラム52cには、それぞれ、複数の分別部が備えられている。各分別部は、検査物の判別を行うための互いに異なる実装状態判別条件を含んでいる。そして、各分別部は、情報取得手段4により得られた情報に基いて、検査対象要素が所定の条件を満たしているか否かを判定する。本実施の形態では、各々の判別プログラム52a、52b、52cにおいて、一度は、一つの分別部によって特定の実装状態判別条件に基いて基板上の電子部品が特定の状態に実装されていないと判定された検査物に対して、改めて、他の分別部が他の実装状態判別条件に基いて基板上の電子部品の実装状態を判定するように構成されている。すなわち、第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52bおよび第3の判別プログラム52cは、互いに異なるアルゴリズムで判定を行う。ここで、実装状態判別条件とは、プリント基板3上の電子部品1の実装状態を判別する際に基準とする閾値や条件式である。
【0043】
つぎに、部品実装状態検査方法について図面を用いて詳細に説明する。
【0044】
図9は、部品実装状態検査方法のメインフローチャートである。
【0045】
本実施の形態の部品実装状態検査方法は、(1)検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す情報を取得する情報取得ステップ(図9のステップS2およびステップS3)と、(2)情報取得ステップで取得された情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別ステップ(図9のステップS4)とを含む。そして、判別ステップS4には、検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かに基いて基板上の電子部品が特定の状態に実装されているか否かを判定する、実装状態判別条件が異なる複数の分別ステップが含まれている。
【0046】
まず、電子部品1が実装されたプリント基板3が、図示しないコンベアなどによって搬送され、部品実装状態検査装置の所定の位置にセットされる(ステップS1)。
【0047】
つぎに、情報取得手段4のX線撮像装置41によって、X線撮像が行われて(ステップS2)、検査対象要素のヒールフィレットの部分の画像データが取得される。さらに、情報取得手段4の光学撮像装置42によって、光学撮像が行われて、検査対象要素のフロントフィレットの部分の画像データが取得される(ステップS3)。なお、光学撮像装置42による画像データの取得は、照明装置42cの上部発光部42c1を発光させた場合の画像データ、照明装置42cの中部発光部42c2を発光させた場合の画像データ、および、照明装置42cの下部発光部42c3を発光させた場合の画像データをそれぞれ取得する。
【0048】
つぎに、情報取得手段4によって得られたデータを基に、はんだ付けの良否判定が行われる(図9のステップS4、および、図10〜図13)。
【0049】
図10は、はんだ付けの良否判定を行う第1の判別プログラム52aによる判別ステップのサブフローチャートである。
【0050】
具体的には、図10に示されるように、まず、X線撮像装置41により得られた画像データをコントローラ5の画像処理部53にて処理し、ステップSS11(分別ステップ)にて、X線撮像検査が行われる。この検査では、(a)プリント基板3の表面からの高さH1における、ヒールフィレットの投影面積が所定の閾値以上か否か、および、(b)ヒールフィレットの投影画像の図心の座標が所定の領域内にあるか否かが判定される。そして、(a)および(b)の双方の条件をともに満たしている場合には、ステップSS12(分別ステップ)へ進む。また、ステップSS11で、(a)および(b)の双方の条件のいずれかを満たしていない、または、(a)および(b)の双方の条件をともに満たしていない場合には、ステップSS17へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0051】
ステップSS12では、光学撮像装置41によって得られた画像データをコントローラ5の画像処理部53にて処理し、光学撮像検査が行われる。ステップSS12における光学撮像検査では、(c)基準領域A0内の反射領域A1が連続した状態になっているか否か、および、(d)反射領域A1の輝度が所定の閾値以上になっているか否かが判定される。(c)および(d)の双方の条件をともに満たしている場合には、ステップSS13(分別ステップ)へ進む。また、ステップSS12で、(c)および(d)の双方の条件のいずれかを満たしていない、または、(c)および(d)の双方の条件をともに満たしていない場合には、ステップSS14へ進む。
【0052】
ステップSS14では、情報取得手段4のレーザー距離測定装置43によって、発光部43aから端子11の先端部までの距離H2の計測が行われる。特に、レーザー距離測定装置43は、検査対象要素をスキャンしながら距離H2のデータを取得するため、データを取得するのにまとまった時間を要する。本実施の形態のように、レーザー距離計測のみを、電子部品1のプリント基板3上での実装状態に応じて、選択的に実施することで、検査の所要時間を大幅に削減できる。ステップSS14で距離H2のデータを取得したのち、ステップSS15(分別ステップ)へ進む。
【0053】
ステップSS15では、レーザー距離測定装置43によって得られた距離データをコントローラ5の距離計処理部54にて処理し、計測部分(端子11の先端部)の高さが所定の閾値以下であるか否かが判定される(以下、レーザー検査という)。検査対象要素の計測部分の高さが所定の閾値以下である場合には、ステップSS18に進み、検査物が良品であると判定される。また、検査対象要素の計測部分の高さが所定の閾値を超えている場合には、ステップSS17へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0054】
一方、ステップSS12で、所定の条件を満たしていると判定された場合には、ステップSS13において、光学撮像検査が行われる。ステップSS13における光学撮像検査では、基準領域A0の面積SA0と反射領域の面積SA1との比が式1の関係を満たしているか否かが判定される。
【0055】
(式1)
R1≦(SA0/SA1)≦R2
ステップSS13の光学撮像検査で、式1の条件を満たしていると判定された場合には、ステップSS18へ進み、検査物が良品であると判定される。また、ステップSS13の光学撮像検査で、式1の条件を満たしていないと判定された場合には、ステップSS16(分別ステップ)へ進む。
【0056】
ステップSS16では、さらに光学撮像検査が行われる。ステップSS16における光学撮像検査では、基準領域A0の面積SA0と反射領域A1の面積SA1との比が式2の関係を満たしているか否かが判定される。
【0057】
(式2)
R3≦(SA0/SA1)≦R4
ここで、R1〜R2、および、R3〜R4は、互いにずれた範囲になっている。このように、分別ステップSS11、SS12、SS13、SS16、SS15で用いられる判定基準、すなわち実装状態判別条件は、互いに異なる。したがって、従来ならば不良品と誤判定されていた検査物を、検査物の用途や形態に応じて、良品と判定することができる。そして、ステップSS16で式2の条件を満たしていると判定された場合には、ステップSS18へ進み、検査物が良品であると判定される。また、ステップSS16で式2の条件を満たしていないと判定された場合には、ステップSS17へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0058】
図11は、はんだ付けの良否判定を行う第2の判別プログラム52bによる判別ステップのサブフローチャートである。第2の判別プログラム52bは、X線撮像検査で所定の条件を満たしていると判定された場合には、他の検査を省略することができるという点で第1の判別プログラム52aと異なる。
【0059】
具体的には、第2の判別プログラム52bによる判別ステップでは、まず、ステップSS21(分別ステップ)においてX線撮像検査を行い、X線撮像検査に合格した場合(実装状態判別条件を満たしていると判定された場合)には、ステップSS27で検査物が良品であると判定される。また、ステップSS21でX線撮像検査に不合格だった場合(実装状態判別条件を満たしていないと判定された場合)には、ステップSS22(分別ステップ)の光学撮像検査を行う。ステップSS22の光学撮像検査で合格した場合には、さらにステップSS23(分別ステップ)の光学撮像検査を行う。また、ステップSS22で光学撮像検査に不合格だった場合には、ステップSS24に進み、レーザー距離測定装置43により距離H2のデータを取得し、ステップSS25(分別ステップ)でレーザー検査を行う。ステップSS25でレーザー検査に合格した場合には、ステップSS27で、検査物が良品であると判定される。また、ステップSS25でレーザー検査に不合格だった場合には、ステップSS28で、検査物が不良品であると判定される。
【0060】
一方、ステップSS22の光学撮像検査で合格し、さらに、ステップSS23の光学撮像検査にも合格した場合には、ステップSS27へ進み、検査物が良品であると判定される。また、ステップSS23の光学撮像検査で不合格である場合には、ステップSS26(分別ステップ)へ進み、さらに光学撮像検査を行う。ステップSS26の光学撮像検査に合格した場合には、ステップSS27へ進み、検査物が良品であると判定される。また、ステップSS26の光学撮像検査に不合格だった場合には、ステップSS28へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0061】
また、第2の判別プログラム52bでもまた、第1の判別プログラム52aと同様に、分別ステップSS21、SS22、SS23、SS25、SS26で用いられる判定基準、すなわち実装状態判別条件は互いに異なる。
【0062】
図12は、はんだ付けの良否判定を行う第3の判別プログラム52cによる判別ステップのサブフローチャートである。第3の判定手段52cによる判別ステップでは、X線撮像検査で、所定の条件を満たしていない場合であっても、所定の条件を満たしている場合であっても、さらに、他の検査を実施しているという点で第1の判定手段52aと異なる。
【0063】
具体的には、第3の判別プログラム52cによる判別ステップでは、まず、ステップSS31においてX線撮像検査を行い、合格した場合(実装状態判別条件を満たしていると判定された場合)には、ステップSS32(分別ステップ)の光学撮像検査へ進み、ステップSS31のX線撮像検査で不合格だった場合(実装状態判別条件を満たしていないと判定された場合)には、ステップSS35(分別ステップ)の光学撮像検査へ進む。
【0064】
ステップSS32の光学撮像検査で合格した場合には、ステップSS33(分別ステップ)の光学撮像検査へ進み、ステップSS32の光学撮像検査で不合格だった場合には、ステップSS36へ進み、レーザー距離測定装置43によるデータ取得を行う。
【0065】
また、ステップSS31のX線撮像検査で不合格と判定され、ステップSS35の光学撮像検査で合格した場合には、ステップSS36へ進み、レーザー距離測定装置43によるデータ取得を行なう。ステップSS35の光学撮像検査で不合格だった場合には、ステップSS38へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0066】
ステップSS36で、レーザー距離測定装置43によるデータ取得が済むと、ステップSS37(分別ステップ)へ進み、レーザー検査を行う。ステップSS37のレーザー検査で合格した場合には、ステップSS39へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS37のレーザー検査で不合格だった場合には、ステップSS38へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0067】
一方、ステップSS33の光学撮像検査で合格した場合には、ステップSS39へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS33の光学撮像検査で不合格だった場合には、ステップSS34(分別ステップ)へ進み、光学撮像検査を行う。ステップSS34の光学撮像検査で合格した場合には、ステップSS39へ進み、検査物が良品であると判定し、ステップSS34の光学撮像検査で不合格だった場合には、ステップSS38へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0068】
また、第3の判別プログラム52cでもまた、第1の判別プログラム52aと同様に、分別ステップSS31、SS32、SS33、SS34、SS35、SS37で用いられる判定基準、すなわち実装状態判別条件は互いに異なる。
【0069】
以上で説明したように、本実施の形態では、第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52bおよび第3の判別プログラム52cのアルゴリズムが互いに異なる。したがって、判別プログラム選定手段51によって、第1の判別プログラム52a、第2の判別プログラム52bおよび第3の判別プログラム52cのうちからいずれかを選択することで、検査物の用途や形態に応じた臨機応変な分別が可能である。
【0070】
(実施の形態2)
実施の形態1の部品実装状態検査方法が、電子部品1のはんだ付け状態を検査した形態であるのに対し、実施の形態2の部品実装状態検査方法は、電子部品1のプリント基板3上における配置状態を検査する形態である。
【0071】
図13は、電子部品1のパッケージ12の形態について説明するための平面図である。
電子部品1のパッケージ12には、図13に示されるように、上面の所定の位置に、極性を示すための極性マーク12bと、電子部品1の種類や製造元などの情報を示す型番文字列12cと、パッケージ12の縁の所定の位置に1つ形成された凹部12aとが凹状に刻印されている。
【0072】
本実施の形態では、これらの電子部品1のパッケージ12に示された情報に基いて、光学撮像装置42、X線撮像装置41、および、レーザー距離測定装置43を用いて、各種情報を取得し、電子部品1がプリント基板3上に所定の姿勢で配置されているか否かを判定する。
【0073】
なお、部品実装状態検査装置の構成および、部品実装状態検査方法のメインフローチャートについては、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0074】
図14および図15は、電子部品1のパッケージ12の形態から、電子部品1の配置状態の良否判定を行う判別ステップのサブフローチャートであり、図14は、第1の判別プログラム52aによる判別ステップを示し、図15は、第2の判別プログラム52bによる判別ステップを示す。実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、判別プログラム選定手段51が、検査物の用途や形態に応じて、判別プログラム記憶手段52に記憶された第1の判別プログラム52aおよび第2の判別プログラム52bのうち、いずれかを選択して検査を実行する。
【0075】
具体的には、第1の判別プログラム52aを用いた判別ステップでは、図14に示されるように、まず、ステップSS51(分別ステップ)で光学撮像検査が行われ、極性マーク12bがパッケージ12の上面の所定の位置に写っているか否か(つまり、電子部品1が裏返った状態で実装されているか否か)が判定される。極性マーク12bが所定の位置に写っていること(つまり、電子部品1が裏返った状態で実装されていないこと)が判定されると、ステップSS54へ進み、検査物が良品であると判定される。また、極性マーク12bが所定の位置に写っていない場合(つまり、電子部品1が裏返った状態で実装されている場合)には、ステップSS52(分別ステップ)でX線撮像検査を行う。
【0076】
ステップSS52のX線撮像検査では、ICの内部の画像に基いて、極性が分かるか否かが判定される。ステップSS52で極性が分かると判定されると、ステップSS54へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS52で極性が適正でないと判定されると、ステップSS53(分別ステップ)のレーザー検査を行う。
【0077】
ステップSS53のレーザー検査では、電子部品1のパッケージ12の縁に形成された凹部12aが所定の位置にあるか否かが判定される。ステップSS53で凹部12aが所定の位置で検出された場合には、ステップSS54へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS53で凹部12aが所定の位置で検出されない場合には、ステップSS55へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0078】
このようにして、第1の判別プログラム52aを用いた判別ステップでは、プリント基板3上に実装された電子部品1が、所定の向きで実装されているものを良品、所定の向きで実装されていないものが不良品と判定される。
【0079】
図15は、第2の判別プログラム52bを用いて、電子部品の配置状態の良否判定を行う判別ステップのサブフローチャートである。第2の判別プログラム52bは、光学撮像検査およびレーザー検査における判別をより厳格に行っているという点で第1の判別プログラム52aと異なる。
【0080】
具体的には、第2の判別プログラム52bによる判別ステップでは、まず、ステップSS61(分別ステップ)で光学撮像検査を行い、極性マーク12bが電子部品1のパッケージ12の上面の所定の位置に写っているか否かが判定される。ステップSS61で極性マーク12bが所定の位置に写っていると判定されると、ステップSS62(分別ステップ)へ進み、さらに、光学撮像検査を行う。ステップSS61で極性マーク12bが所定の位置に写っていないと判定されると、ステップSS63(分別ステップ)へ進む。
【0081】
ステップSS62の光学撮像検査では、極性マーク12bの真円度が充分か否かが判定される。ステップSS62で極性マーク12bの真円度が充分と判定されると、ステップSS66へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS62で極性マーク12bの真円度が不充分と判定されると、ステップSS63へ進む。ここで、真円度とは、円形部分の幾何学的円からの狂いの大きさを意味している。極性マーク12bの真円度を判定の基準に用いることで、電子部品1が傾いた姿勢でプリント基板3上に実装されているか否かを確認できる。
【0082】
ステップSS63では、X線撮像検査が行われる。ステップSS63のX線撮像検査では、ICの内部の画像に基いて、極性が分かるか否かが判定される。ステップSS63で極性が分かると判定されると、ステップSS66へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS63で極性が分からないと判定されると、ステップSS64のレーザー検査へ進む。
【0083】
ステップSS64のレーザー検査では、パッケージ12の上面をX方向(図13参照)にスキャンして、凹部12aが検出されるか否かが判定される。ステップSS64で凹部12aが検出された場合には、ステップSS65でさらにレーザー検査を行う。ステップSS64で、凹部12aが検出されない場合には、ステップSS67へ進み、検査物が不良品であると判定される。ステップSS65のレーザー検査では、パッケージ12の上面をY方向(図13参照)にスキャンして、凹部12aが検出されるか否かが判定される。ステップSS65で凹部12aが検出された場合には、ステップSS66へ進み、検査物が良品であると判定される。ステップSS65で凹部12aが検出されない場合には、ステップSS67へ進み、検査物が不良品であると判定される。
【0084】
このようにして、第2の判別プログラム52bを用いた判別ステップでは、プリント基板3上に実装された電子部品1が、所定の向きおよび所定の姿勢で実装されているものが良品、所定の向きおよび所定の姿勢で実装されていないものが不良品と判定される。
【0085】
特に、実施の形態2では、第1の判別プログラム52aを用いても、第2の判別プログラム52bを用いても、電子部品1の配置状態について、多様な検査結果に基いて、多面的な判定を行うことができる。したがって、仮に、電子部品1のパッケージ12に刻印される情報の一部が欠如していても対応可能である。
【0086】
以上の実施の形態によれば、判別プログラム52a〜52cは、特定の実装状態判別条件に基いて基板上の電子部品1が特定の状態に実装されていないと判定された検査物に対して、改めて、他の実装状態判別条件に基いて実装状態の判定を行っている。つまり、一度はプリント基板3上の電子部品1が望ましい状態に実装されていないと判定された検査物に対して、改めて、異なる判定基準に基づいて、プリント基板3上の電子部品1の実装状態について判定がなされることになる。このように、複数の分別部によって分別が何回か行われると、検査物が、プリント基板3上の電子部品1の実装状態を表すいくつかのモデルのなかの一つに属するように分別される。したがって、検査物を、電子部品1の実装状態に応じて分類できる。さらに、検査物の用途や形態に応じた検査が可能なので、従来の検査では画一的に不良品と判定されていたものの中から、検査物の用途や形態に応じて良品を見出すことができ、不良品率を低減することができる。
【0087】
なお、上記実施の形態では、部品実装状態検査装置で、検査物が、良品または不良品のいずれに属するかを判別する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、電子部品の実装状態に応じて、検査物を3種以上のいずれに属するかを判別したり、図2に示されるような、7種以上のいずれに属するかを判別する形態であってもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、良否判定を行う判別ステップにおいて、X線撮像により得られた画像データ、光学撮像により得られた画像データおよびレーザー距離計測により得られた距離データに基いて検査物の良否判定を行った形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図16、図17および図18に示されるように、光学撮像により得られた画像データだけを用いて検査物の良否を判定する形態であってもよい。図16は、はんだ付けの良否判定を行う判別ステップのサブフローチャートであり、光学撮像検査の結果だけを用いて良否判定を行う形態である。図17および図18は、部品実装状態検査方法における、電子部品のパッケージの形態から、電子部品の配置状態の良否判定を行うサブフローチャートであり、部品の種類に応じて保存される他の形態であり、光学撮像検査の結果だけを用いて良否判定を行う形態である。
【0089】
ここで、図16中の分別ステップSS41〜SS45は、図10中の分別ステップSS11〜SS13、SS15、SS16に準じるような複数の分別処理を、光学撮像装置だけを用いて判別条件や判別基準を変えて行うようにしたものである。そして、これらの分別処理に基き、良品判定(SS46)または不良品判定(SS47)が行われる。
【0090】
図17中の分別ステップSS71〜SS73は、図14中の分別ステップSS51〜SS53に準じた処理を光学撮像装置だけを用いて行うようにしたものであり、これらの処理に基づき、良品判定(SS74)または不良品判定(SS75)が行われる。
【0091】
図18中の分別ステップSS81〜SS86は、図15中の分別ステップSS61〜SS65に準じた処理を光学撮像装置だけを用いて行うようにしたものであり、これらの処理に基づき、良品判定(SS87)または不良品判定(SS88)が行われる。
【0092】
図16〜図18に示されるような例による場合、1種の情報取得手段で得られた情報だけを用いて判定を行うことが可能なので、検査対象要素の情報を取得する時間および検査対象要素の情報を処理する時間を短縮することができる。さらに、情報取得手段を小型化することもできる。
【0093】
また、上記実施の形態では、電子部品のはんだ付けの良否、または、電子部品の配置状態の良否を判定する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子部品の配置状態の良否を判定するとともに、電子部品のはんだ付けの良否を判定する形態であってもよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、判別プログラムが3つ判別プログラム記憶手段52に記憶されている形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判別プログラムが判別プログラム記憶手段52に、4つ以上あるいは3つ未満記憶されている形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】基板上に実装された電子部品を説明するための図である。
【図2】(a)〜(g)は、基板上に実装された電子部品の端子の状態を説明するための図である。
【図3】部品実装状態検査装置を説明するためのブロック図である。
【図4】X線撮像装置および光学撮像装置を説明するための概略図である。
【図5】X線撮像により得られたヒールフィレットの像を説明するための図である。
【図6】光学撮像検査で検査する領域を説明するための図である。
【図7】光学撮像により得られた画像を説明するための図である。
【図8】はんだによって端子が基板に対して接続された状態を説明するための図である。
【図9】実施の形態1の部品実装状態検査方法のメインフローチャートである。
【図10】実施の形態1の部品実装状態検査方法における、はんだ付けの良否判定を行う第1の判別プログラムによる判別ステップのサブフローチャートである。
【図11】実施の形態1の部品実装状態検査方法における、はんだ付けの良否判定を行う第2の判別プログラムによる判別ステップのサブフローチャートである。
【図12】実施の形態1の部品実装状態検査方法における、はんだ付けの良否判定を行う第3の判別プログラムによる判別ステップのサブフローチャートである。
【図13】電子部品のパッケージの形態について説明するための平面図である。
【図14】実施の形態2の部品実装状態検査方法における、電子部品のパッケージの形態から、電子部品の配置状態の良否判定を行う第1の判別プログラムによる判別ステップのサブフローチャートである。
【図15】実施の形態2の部品実装状態検査方法における、電子部品のパッケージの形態から、電子部品の配置状態の良否判定を行う第2の判別プログラムによる判別ステップのサブフローチャートである。
【図16】はんだ付けの良否判定を行う判別ステップのサブフローチャートであり、光学撮像検査の結果だけを用いて良否判定を行う形態である。
【図17】電子部品のパッケージの形態から、電子部品の配置状態の良否判定を行うサブフローチャートであり、光学撮像検査の結果だけを用いて良否判定を行う形態である。
【図18】電子部品のパッケージの形態から、電子部品の配置状態の良否判定を行う判別ステップのサブフローチャートであり、光学撮像検査の結果だけを用いて良否判定を行う形態である。
【図19】従来の良否判定プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1 電子部品
3 プリント基板(基板)
4 情報取得手段
41 X線撮像装置
42 光学撮像装置
43 レーザー距離測定装置
51 判別プログラム選定手段(選択手段)
52a 第1の判別プログラム(判別手段)
52b 第2の判別プログラム(判別手段)
52c 第3の判別プログラム(判別手段)







【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が基板上に実装された検査物に対して、電子部品の実装状態についての検査を行う部品実装状態検査装置であって、
前記検査物の検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得する1または複数の情報取得手段と、
該情報取得手段によって取得された計測情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別手段とを有し、
該判別手段は、前記情報取得手段によって取得された計測情報に基づいて、前記検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かを判定する、前記実装状態判別条件が互いに異なる複数の分別部を含み、
前記判別手段は、一つの分別部によって該一つの分別部の実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、他の分別部が該他の分別部の実装状態判別条件を満たしているか否かを判定することによって、基板上の電子部品の実装状態を判別するように構成されていることを特徴とする部品実装状態検査装置。
【請求項2】
前記分別部による判定の順序が異なる複数種類の判別手段が備えられており、検査時には、前記検査物の種類に応じた判別手段を選択する選択手段によって複数種類の判別手段のうちの1つが選択されるように構成されている請求項1記載の部品実装状態検査装置。
【請求項3】
前記複数の分別部による判定が、互いに異なる複数種の情報取得手段により取得された情報に基いて行われる請求項1または2記載の部品実装状態検査装置。
【請求項4】
前記複数の分別部による判定が、1種の情報取得手段により取得された情報に基いて行われる請求項1または2記載の部品実装状態検査装置。
【請求項5】
前記情報取得手段としては、X線撮像装置、光学撮像装置およびレーザー距離計測装置のうち少なくとも2種が備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品実装状態検査装置。
【請求項6】
前記判別手段は、検査物が良品か否かを判定するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の部品実装状態検査装置。
【請求項7】
前記実装状態の検査が、電子部品の基板に対するはんだ付け状態の検査および電子部品の基板に対する配置状態の検査のうち、少なくとも一方である請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品実装状態検査装置。
【請求項8】
電子部品が基板上に実装された検査物に対して、電子部品の実装状態についての検査を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品実装状態検査装置を用いた部品実装状態検査方法であって、
前記検査物の検査対象要素の状態を計測して、その計測結果を示す計測情報を取得する情報取得ステップと、
該情報取得ステップで取得された計測情報に基いて、基板上の電子部品の実装状態を判別する判別ステップとを含み、
該判別ステップには、前記情報取得手段によって取得された計測情報に基づいて、前記検査対象要素が予め定められた実装状態判別条件を満たしているか否かを判定する、前記実装状態判別条件が互いに異なる複数の分別ステップが含まれ、
一つの分別ステップで該一つの分別ステップの実装状態判別条件を満たしていないと判定された検査物に対して、他の分別ステップが該他の分別ステップの実装状態判別条件を満たしているか否かを判定することによって、基板上の電子部品の実装状態を判別することを特徴とする部品実装状態検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−122016(P2010−122016A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294887(P2008−294887)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】