部品実装装置及び部品実装方法
【課題】挿入部品の撮像を短時間で行って実装タクトの増大を防止することができるようにした部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が表面実装部品4aである場合にはその部品4に対して斜め下方から光を照射する第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品カメラ19により部品4を撮像し、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が下方に延出する下方延出部4Fを有した挿入部品4bである場合にはその部品4に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品カメラ19により部品4を撮像する。
【解決手段】吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が表面実装部品4aである場合にはその部品4に対して斜め下方から光を照射する第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品カメラ19により部品4を撮像し、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が下方に延出する下方延出部4Fを有した挿入部品4bである場合にはその部品4に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品カメラ19により部品4を撮像する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を吸着させた吸着ノズルを移動させて基板に部品を装着する部品実装装置及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品を吸着させた吸着ノズルを移動させて搬送コンベア等の基板位置決め手段によって位置決めされた基板に部品を装着する。このような部品実装装置では、吸着ノズルに吸着された部品を下方から撮像する撮像装置(撮像手段)を備えており、得られた画像に基づいて部品の画像認識を行って部品の姿勢を把握することにより、部品を基板上の所定の位置に所定の姿勢で正確に装着することができるようになっている。ここで、部品の姿勢の把握は、部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品(基板の表面に接触される屈曲形状の電極部を有した部品のほか、チップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ部品を含む)である場合には、部品の斜め下方から光を照射する照明装置によって部品の下面を照明して撮像し、電極部の位置等を認識することによって行い、部品が下方に延出する下方延出部(例えば、基板を厚さ方向に挿通する直線形状の電極部や挿入片等の部品の下方に延出する部分)を有した挿入部品である場合には、下方延出部の長手方向に対して直交する方向(水平方向)に光を照射する照明装置によって下方延出部のみを照明して撮像し、挿入部品の位置を認識することによって行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4576062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水平方向に光を照射する照明装置を備えた撮像装置では、撮像装置の上方に位置する部品を照明することはできないことから、挿入部品の下方延出部を照明してこの部分の撮像を行うためには、下方延出部が撮像装置の内部に入り込むように部品を吸着している吸着ノズルを下降させる必要があり、その分、部品の撮像に要する時間が長くなって実装タクトが増大し、基板の生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、挿入部品の撮像を短時間で行って実装タクトの増大を防止することができるようにした部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の部品実装装置は、基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して部品を下方から撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して部品を下方から撮像する撮像手段と、撮像手段により部品が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる装着制御手段とを備えた。
【0007】
請求項2に記載の部品実装方法は、基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、部品を下方から撮像する撮像手段とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して撮像手段により部品を撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して撮像手段により部品を撮像する工程と、撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいてその部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、撮像手段が、撮像視野内に位置した表面実装部品に対して斜め下方から光を照射して表面実装部品の下面を照明する第1の照明手段のほか、撮像視野内に位置した挿入部品の下方延出部のみを照明する照明手段として、第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い(すなわち水平方向照射でない)照射角度で光を照射する第2の照明手段を備えており、第1の照明手段によって部品を照明する場合と、第2の照明手段によって部品を照明する場合の双方において、部品の撮像領域を撮像手段の上方の位置に設定することができ、吸着ノズルにより吸着した部品が表面実装部品であるか挿入部品であるかによらず、撮像視野内の同一の高さで部品の撮像を行うことができるので、従来のように、吸着した挿入部品が撮像手段の撮像視野内に位置したとき、吸着ノズルの水平方向移動を一旦停止させたうえで吸着ノズルを下降させるといった動作が不要であり、挿入部品の撮像に要する時間を短くして部品実装装置の実装タクトの増大を防止することができる。また、表面実装部品の撮像を行うための第1の照明手段と挿入部品の撮像を行うための第2の照明手段が併設されているうえ、挿入部品の撮像を表面実装部品の場合と同じ撮像高さで行うことができることから、部品が表面実装部品であるか挿入部品であるかによらず、部品の撮像の際の吸着ノズルの動作を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置の側面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に装着される表面実装部品の斜視図(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に装着される挿入部品の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系統を示すブロック図
【図5】本発明の一実施の形態における部品実相装置が備える部品カメラの側面図
【図6】本発明の一実施の形態における部品カメラの平面図
【図7】本発明の一実施の形態における部品カメラの側面図
【図8】本発明の一実施の形態における部品カメラの側面図
【図9】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品カメラにより撮像した表面実装部品の画像データの一例を示す図
【図10】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品カメラにより撮像した挿入部品の画像データの一例を示す図
【図11】本発明の一実施の形態における部品実装装置が実行する部品実装工程の進行手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2に示す部品実装装置1は、基板2の搬入及び位置決め、位置決めした基板2上の電極3への部品4の装着及び部品4を装着した基板2の搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する装置である。本実施の形態では、部品実装装置1における基板2の搬送方向(図1中に示す矢印A)をX軸方向、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向(前後方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向(前後方向)のうち、オペレータOPが部品実装装置1に対して通常位置する側(図1における紙面下方)を前方、その反対側を後方とする。
【0011】
図1及び図2において、部品実装装置1は、基台11上に設けられて基板2の搬送及び所定の作業位置(図1に示す位置)への位置決めを行う基板位置決め手段としての搬送コンベア12、部品4の供給を行う部品供給手段としての複数のテープフィーダ13とトレイフィーダ14、基台11上に設けられた直交座標型のヘッド移動ロボット15、ヘッド移動ロボット15によって水平面内で移動される2つの装着ヘッド16、各装着ヘッド16に昇降自在かつ上下軸回りに回転自在に設けられ、テープフィーダ13及びトレイフィーダ14から供給される部品4を吸着する吸着ノズル17、各装着ヘッド16に設けられた基板カメラ18及び基台11上の搬送コンベア12を跨ぐ両位置に設けられた2つの部品カメラ19(撮像手段)を備えている。
【0012】
図1及び図2において、搬送コンベア12は基台11上をX軸方向に延びて設けられた一対のベルトコンベアから成り、基板2のY軸方向の両端部を下方から支持した状態で基板2をX軸方向に搬送する。
【0013】
図1及び図2において、各テープフィーダ13は基台11の前方側にオペレータOPによって取り付けられる台車13C上に複数個設置されており、それぞれ基台11の中央部側の端部に設けられた部品供給口13pに部品4を連続的に供給する。トレイフィーダ14は、基台11の後方側にオペレータOPによって取り付けられ、部品4を収容したトレイ14tにより部品4の供給を行う。
【0014】
本実施の形態では、各テープフィーダ13が供給する部品4は、例えば図3(a)に示すように、基板2の表面に接触される屈曲形状の電極部4Dを複数本(ここでは16本)有した表面実装部品4aから成り、トレイフィーダ14が供給する部品4は、例えば、図3(b)に示すように、下方に延びて基板2に挿着される直線形状の下方延出部4Fを複数本(ここでは16本)備えた挿入部品4bから成る。
【0015】
図1及び図2において、ヘッド移動ロボット15は搬送コンベア12の上方をY軸方向に延びて設けられたY軸テーブル15a、Y軸テーブル15a上をY軸方向に移動自在に設けられてX軸方向に延びる2つのX軸テーブル15b及び各X軸テーブル15b上をX軸方向に移動自在に設けられた2つの移動ステージ15cから成る。
【0016】
各移動ステージ15cは2つの装着ヘッド16のそれぞれにひとつずつ取り付けられており、ヘッド移動ロボット15の作動、すなわち、Y軸テーブル15aに対するX軸テーブル15bの移動及びX軸テーブル15bに対する移動ステージ15cの移動の組み合わせによって基台11の上方を水平方向に移動する。
【0017】
図1及び図2において、各装着ヘッド16に設けられる吸着ノズル17はテープフィーダ13又はトレイフィーダ14から供給される部品4を真空吸着してピックアップし、搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の所定の部位(部品装着部位)でその部品4の真空吸着を解除し、部品4を吸着ノズル17から離脱させることによって部品4を基板2に装着する。
【0018】
図1及び図2において、各基板カメラ18は撮像視野を下方に向けており、基板2が搬送コンベア12によって作業位置に位置決めされたとき、基板2上に設けられた基板2の位置検出用のマークである基板マーク(図示せず)を上方から撮像する。
【0019】
図1及び図2において、各部品カメラ19は撮像視野を上方に向けており、装着ヘッド16によって吸着され、装着ヘッド16の移動によって撮像視野内に位置した部品4を下方から撮像する。
【0020】
搬送コンベア12による基板2の搬送及び作業位置への位置決め動作は、部品実装装置1が備える制御装置20(図2及び図4)が図示しないアクチュエータから成る搬送コンベア駆動機構21(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0021】
テープフィーダ13による部品供給口13pへの部品4の供給は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動機構22(図4)の作動制御を行うことによってなされ、トレイフィーダ14による部品4の供給は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るトレイフィーダ駆動機構23(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0022】
各装着ヘッド16の水平面内方向への移動動作は、制御装置20がヘッド移動ロボット15を作動させるロボット駆動機構24(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0023】
各吸着ノズル17の装着ヘッド16に対する昇降及び上下軸回りの回転動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動機構25(図4)の作動制御を行うことによってなされ、各吸着ノズル17による部品4の吸着(ピックアップ)及び吸着解除(離脱)動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構26(図4)の作動制御を行って吸着ノズル17内に真空圧を供給し、また真空圧の供給を解除することによってなされる。
【0024】
各基板カメラ18の撮像動作制御と各部品カメラ19の撮像動作制御は、制御装置20によってなされる(図4)。各基板カメラ18の撮像動作によって得られた画像データ及び各部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像データはそれぞれ制御装置20に送られ、制御装置20が備える画像認識部20a(図4)において画像認識処理される。
【0025】
本実施の形態では部品カメラ19の構成に特徴があり、以下にその説明を行う。図5及び図6に示すように、各部品カメラ19は、基台11上に設けられた筐体31、筐体31の内部に設けられた第1照明装置32、第2照明装置33、照明切り替え部34及び撮像実行部35を備える。
【0026】
図5及び図6において、第1照明装置32は筐体31の上下中心軸Jを取り囲むように複数個(ここでは4個)設けられており、それぞれ、部品カメラ19の撮像視野Rg内であって部品カメラ19の上方に位置した部品4に対して斜め下方から光を照射する(第1照明装置32の光軸L1参照)。各第1照明装置32から照射される光は広範囲の照明が可能なように拡散光から成り、部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させた部品4の下面を下方から照明する(図7)。
【0027】
図5及び図6において、第2照明装置33は筐体31の上下中心軸Jを取り囲むように複数後(ここでは6個)設けられており、それぞれ、部品カメラ19の上方の撮像視野Rg内に位置した部品4に対して各第1照明装置32による光の照射角度θ1(図5)よりも水平方向照射(水平方向に向けた照射)に近い角度θ2(図5)で光を照射する(第2照明装置33の光軸L2参照)。各第2照明装置33から照射される光は局所的な照明が可能なように平行光又は収束光から成り、部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させた部品4が挿入部品4bである場合に、その挿入部品4bが備える下方延出部4F(特に下方延出部4Fの下端)のみを照明する(図8)。
【0028】
ここで、図5に示すように、第2照明装置33は筐体31の内部の第1照明装置32よりも高い位置(但し、第1照明装置32からの光を遮らない位置)に設けられており、これにより部品カメラ19全体が横方向に広がらないコンパクトな構成となっている。
【0029】
照明切り替え部34は、制御装置20からの指令に基づいて、第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明との切り替えを行う。ここで、制御装置20は、部品実装作業の手順が記録された実装プログラムの内容等に基づいて、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかの判断を行い、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aである場合には照明切り替え部34に第1照明装置32を点灯させる指令を出力し、吸着ノズル17に吸着された部品4が挿入部品4bである場合には照明切り替え部34に第2照明装置33を点灯させる指令を出力する。
【0030】
撮像実行部35は図示しないラインセンサから成る撮像素子を有して成り、撮像光軸Kが筐体31の上下中心軸Jと一致するように筐体31内に設けられている。撮像実行部35は、制御装置20によって制御されて、第1照明装置32又は第2照明装置33により照明された部品4の撮像を行う(図4)。
【0031】
このように照明切り替え部34は、吸着ノズル17により吸着された部品4、すなわち部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置して撮像対象となっている部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかに応じて第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明の切り替えを行う照明切り替え手段として機能し、撮像実行部35は、第1照明装置32又は第2照明装置33により照明された部品4の撮像を行う撮像実行手段として機能する。
【0032】
このような構成を有する部品カメラ19は、撮像視野Rg内に位置した表面実装部品4aに対して斜め下方から光を照射して表面実装部品4aの下面を照明する第1照明装置32のほか、撮像視野Rg内に位置した挿入部品4bの下方延出部4Fのみを照明する照明手段として、第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い(図5に示すように、水平方向照射でなく、第1照明装置32による光の照射角度よりは小さい)照射角度で光を照射する第2照明装置33を備えており、第1照明装置32によって部品4を照明する場合と、第2照明装置33によって部品4を照明する場合の双方において(すなわち、部品4が表面実装部品4aである場合と挿入部品4bである場合との双方において)、部品カメラ19による部品4の撮像領域Ar(図5)を、部品カメラ19の上方の位置に設定することができる。このため吸着ノズル17により吸着した部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、撮像視野Rg内の同一の撮像高さH(図7及び図8)で部品4の撮像を行うことができる。
【0033】
第1照明装置32によって下面が照明された表面実装部品4aの撮像を撮像実行部35により行うと、各電極部4Dが表面実装部品4aの下面よりも明るく見える図9(a),(b)のような画像が得られる。この画像に基づいて制御装置20は表面実装部品4aが備える電極部4Dの位置を認識することができ、これにより表面実装部品4aの姿勢を把握することができる。
【0034】
また、第2照明装置33によって下方延出部4Fのみが照明された挿入部品4bの撮像を撮像実行部35により行うと、挿入部品4bの下面には光が当たらないために暗く、光の当たっている下方延出部4Fの下端のみが明るく光って見える図10(a),(b)のような画像が得られる。この画像に基づいて制御装置20は挿入部品4bが備える下方延出部4Fの位置を認識することができ、これにより挿入部品4bの姿勢を把握することができる。
【0035】
制御装置20は、上記のように、撮像実行部35による撮像動作によって得られた部品4の画像に基づいて、その部品4の姿勢を把握するほか、その部品4に異常箇所が認められるか否かの判断を行う。ここで、部品4の異常箇所が認められる場合とは、表面実装部品4aについては、例えば、電極部4Dに曲がりや欠損等が認められる場合いい、挿入部品4bについては、下方延出部4Fに曲がりや欠損等が認められる場合をいう。
【0036】
図9(a)は表面実装部品4aが備える16本全ての電極部4Dに曲がりが生じておらず、全ての電極部4Dが整然と並んでいる場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は表面実装部品4aには異常箇所が認められないと判断する。図9(b)は16本の電極部4Dのうちの1本(符号を4Dpで示す)に曲がりが生じていてその曲がりが生じている1本の電極部4Dpが他の電極部4Dに対してずれて見えている場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は表面実装部品4aに異常箇所が認められると判断する。
【0037】
図10(a)は挿入部品4bが備える16本全ての下方延出部4Fに曲がりが生じておらず、全ての下方延出部4Fが整然と並んでいる場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は挿入部品4bに異常箇所は認められないと判断する。図10(b)は16本の下方延出部4Fのうちの1本(符号を4Fpで示す)に曲がりが生じていてその曲がりが生じている1本の下方延出部4Fpが他の下方延出部4Fに対してずれて見えている場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は挿入部品4bに異常箇所が認められると判断する。
【0038】
制御装置20は、吸着ノズル17に吸着された部品4について異常箇所の有無を判断した結果、部品4に異常箇所が認められなかった場合には、把握した部品4の姿勢に基づいて、吸着ノズル17に吸着された部品4が搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の部品装着部位に正確に装着されるように吸着ノズル17を(装着ヘッド16を)移動させる。一方、制御装置20は、吸着ノズル17に吸着された部品4について異常箇所が認められた場合には、その部品4を基板2に装着することなく廃棄する。
【0039】
このような構成を有する部品実装装置1による部品装着作業では、制御装置20は、先ず、部品実装装置1の上流側に配置された他の装置(例えば半田印刷機)から送られてきた基板2を搬送コンベア12によって搬入して所定の作業位置に位置決めする(図11に示すステップST1)。そして、ヘッド移動ロボット15を作動させて基板カメラ18を(装着ヘッド16を)基板2の上方に移動させ、基板カメラ18に基板2上の基板マークを撮像させて画像認識を行い、基板2の正規の作業位置からの位置ずれを算出する(図11に示すステップST2)。
【0040】
制御装置20は、基板2の位置ずれを算出したら、ヘッド移動ロボット15を作動させて装着ヘッド16をテープフィーダ13の上方に移動させ、吸着ノズル17をテープフィーダ13の部品供給口13pに供給された部品4に接触させるとともに、吸着機構26の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を行い、吸着ノズル17により部品4を吸着してピックアップする(図11に示すステップST3)。
【0041】
制御装置20は実装プログラムの内容等から、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bであるか否かの判断を行う(図11に示すステップST4)。そして、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bでない(表面実装部品4aである)場合には第1照明装置32を点灯させ(図11に示すステップST5)、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bである場合には第2照明装置33を点灯させる(図11に示すステップST6)。
【0042】
このように、ステップST4〜ステップST6は、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかに応じて第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明の切り替えを行う工程となっている。
【0043】
制御装置20は、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bであるか否かに応じて第1照明装置32又は第2照明装置33を点灯させたら、吸着ノズル17を(装着ヘッド16を)移動させて部品4を部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させ、部品カメラ19により部品4を下方から撮像する(図11に示すステップST7)。
【0044】
なお、ここでは、部品4が部品カメラ19の上方を水平方向に横切るように吸着ノズル17(装着ヘッド16)を水平方向に移動させるスキャン動作を行いながら部品4の撮像を行うことができる。部品カメラ19の上方で吸着ノズル17の移動を一旦停止させたうえで吸着ノズル17を下降させるようにしていた従来では、撮像実行部35には高価なエリアセンサを使用せざるを得なかったが、本実施の形態における部品カメラ19では、上記スキャン動作との関係で撮像実行部35にラインセンサを用いることができるので、コストを安価にすることができる。
【0045】
制御装置20は、部品カメラ19により部品4の撮像を行ったら、その撮像によって得られる部品4の画像データを画像認識してその部品4に異常箇所が認められるか否かの判断を行い(図11に示すステップST8)、その結果、部品4に異常箇所が認められなかった場合には吸着ノズル17に対する部品4の姿勢を把握するとともに、吸着ノズル17に対する位置ずれ(吸着ずれ)を算出する(図11に示すステップST9)。そして、吸着ノズル17を(装着ヘッド16)を基板2の上方に移動させ、ノズル駆動機構25の作動制御を行うことによって吸着ノズル17により吸着した部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の目標装着部位(この目標装着部位にある電極3上には、部品実装装置1の上流側に配置された半田印刷機によって半田が印刷されている)に接触させるとともに、吸着機構26の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を解除し、部品4を基板2に装着する(図11に示すステップST10)。
【0046】
ここで、制御装置20は、部品4を基板2に装着するときは、ステップST9で把握した部品4の姿勢を考慮したうえで、基板カメラ18による基板マークの撮像によって得られた基板2の位置ずれと、部品カメラ19による部品4の撮像によって得られた吸着ノズル17に対する部品4の位置ずれ(吸着ずれ)がキャンセルされるように吸着ノズル17の位置補正(回転補正を含む)を行うようにする。
【0047】
このように、制御装置20は、撮像手段である部品カメラ19により部品4が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる装着制御手段となっている。また、ステップST9及びステップST10は、ステップST7の部品カメラ19による撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる工程となっている。
【0048】
一方、制御装置20は、ステップST8において、部品4に異常箇所が認められた場合には、吸着ノズル17に吸着された部品4を所定の部品廃棄位置(図示せず)に廃棄する(図11に示すステップST11)。
【0049】
制御装置20は、ステップST10又はステップST11が終了したら、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了したか否かの判断を行う(図11に示すステップST12)。そして、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了していなかった場合には、ステップST3に戻って次の部品4のピックアップを行い、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了していた場合には、搬送コンベア12を作動させて、部品実装装置1の下流側に配置された他の装置(例えば実装後検査機)に基板2を搬出する(図11に示すステップST13)。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1は、基板2の位置決めを行う基板位置決め手段としての搬送コンベア12、部品4の供給を行う部品供給手段としてのテープフィーダ13及びトレイフィーダ14、テープフィーダ13及びトレイフィーダ14より供給される部品4を吸着する吸着ノズル17、吸着ノズル17に吸着されて撮像視野Rg内に移動された部品4が基板2の表面に表面実装される表面実装部品4aである場合にはその部品4(表面実装部品4a)に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段としての第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品4を下方から撮像し、吸着ノズル17に吸着されて撮像視野Rg内に移動された部品4が下方に延出する下方延出部4Fを有した挿入部品4bである場合にはその部品4(挿入部品4b)に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段としての第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品4を下方から撮像する撮像手段としての部品カメラ19及び部品カメラ19により部品4が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる装着制御手段としての制御装置20を備えたものとなっている、
【0051】
また、この部品実装装置1による部品実装方法は、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が表面実装部品4aである場合にはその部品4(表面実装部品4a)に対して斜め下方から光を照射する第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品カメラ19により部品4を撮像し、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が挿入部品4bである場合にはその部品4(挿入部品4b)に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品カメラ19により部品4を撮像する工程(ステップST4〜ステップST7)及び部品カメラ19による撮像によって得られた画像に基づいてその部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる工程(ステップステップST9及びステップST10)を含むものとなっている。
【0052】
本実施の形態における部品実装装置1及びその部品実装方法では、前述のように、撮像手段である部品カメラ19において、第1照明装置32によって部品4を照明する場合と、第2照明装置33によって部品4を照明する場合の双方において、部品4の撮像領域Arを部品カメラ19の上方の位置に設定することができ、吸着ノズル17により吸着した部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、撮像視野Rg内の同一の撮像高さHで部品4の撮像を行うことができるので、従来のように、吸着した部品4が部品カメラ19の撮像視野内に位置したとき、吸着ノズル17の水平方向移動を一旦停止させたうえで吸着ノズル17を下降させるといった動作が不要であり、挿入部品4bの撮像に要する時間を短くして部品実装装置の実装タクトの増大を防止することができる。
【0053】
また、表面実装部品4aの撮像を行うための第1照明装置32と挿入部品4bの撮像を行うための第2照明装置33が併設されているうえ、挿入部品4bの撮像を表面実装部品4aの場合と同じ撮像高さHで行うことができることから、部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、部品4の撮像の際の吸着ノズル17の動作を一定にすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態における部品実装装置1及び部品実装方法では、表面実装部品でありながらも下方への延出部(バンプ)を有するタイプの部品(例えばBGAなど)については、第1照明装置32と第2照明装置33の双方による光の照射を行って部品の撮像を行うケースもあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0055】
挿入部品の撮像を短時間で行って実装タクトの増大を防止することができるようにした部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0056】
1 部品実装装置
2 基板
4 部品
4a 表面実装部品
4b 挿入部品
4F 下方延出部
12 搬送コンベア(基板位置決め手段)
13 テープフィーダ(部品供給手段)
14 トレイフィーダ(部品供給手段)
17 吸着ノズル
19 部品カメラ(撮像手段)
20 制御装置(装着制御手段)
32 第1照明装置(第1の照明手段)
33 第2照明装置(第2の照明手段)
Rg 撮像視野
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を吸着させた吸着ノズルを移動させて基板に部品を装着する部品実装装置及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品を吸着させた吸着ノズルを移動させて搬送コンベア等の基板位置決め手段によって位置決めされた基板に部品を装着する。このような部品実装装置では、吸着ノズルに吸着された部品を下方から撮像する撮像装置(撮像手段)を備えており、得られた画像に基づいて部品の画像認識を行って部品の姿勢を把握することにより、部品を基板上の所定の位置に所定の姿勢で正確に装着することができるようになっている。ここで、部品の姿勢の把握は、部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品(基板の表面に接触される屈曲形状の電極部を有した部品のほか、チップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ部品を含む)である場合には、部品の斜め下方から光を照射する照明装置によって部品の下面を照明して撮像し、電極部の位置等を認識することによって行い、部品が下方に延出する下方延出部(例えば、基板を厚さ方向に挿通する直線形状の電極部や挿入片等の部品の下方に延出する部分)を有した挿入部品である場合には、下方延出部の長手方向に対して直交する方向(水平方向)に光を照射する照明装置によって下方延出部のみを照明して撮像し、挿入部品の位置を認識することによって行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4576062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水平方向に光を照射する照明装置を備えた撮像装置では、撮像装置の上方に位置する部品を照明することはできないことから、挿入部品の下方延出部を照明してこの部分の撮像を行うためには、下方延出部が撮像装置の内部に入り込むように部品を吸着している吸着ノズルを下降させる必要があり、その分、部品の撮像に要する時間が長くなって実装タクトが増大し、基板の生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、挿入部品の撮像を短時間で行って実装タクトの増大を防止することができるようにした部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の部品実装装置は、基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して部品を下方から撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して部品を下方から撮像する撮像手段と、撮像手段により部品が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる装着制御手段とを備えた。
【0007】
請求項2に記載の部品実装方法は、基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、部品を下方から撮像する撮像手段とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して撮像手段により部品を撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して撮像手段により部品を撮像する工程と、撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいてその部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、撮像手段が、撮像視野内に位置した表面実装部品に対して斜め下方から光を照射して表面実装部品の下面を照明する第1の照明手段のほか、撮像視野内に位置した挿入部品の下方延出部のみを照明する照明手段として、第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い(すなわち水平方向照射でない)照射角度で光を照射する第2の照明手段を備えており、第1の照明手段によって部品を照明する場合と、第2の照明手段によって部品を照明する場合の双方において、部品の撮像領域を撮像手段の上方の位置に設定することができ、吸着ノズルにより吸着した部品が表面実装部品であるか挿入部品であるかによらず、撮像視野内の同一の高さで部品の撮像を行うことができるので、従来のように、吸着した挿入部品が撮像手段の撮像視野内に位置したとき、吸着ノズルの水平方向移動を一旦停止させたうえで吸着ノズルを下降させるといった動作が不要であり、挿入部品の撮像に要する時間を短くして部品実装装置の実装タクトの増大を防止することができる。また、表面実装部品の撮像を行うための第1の照明手段と挿入部品の撮像を行うための第2の照明手段が併設されているうえ、挿入部品の撮像を表面実装部品の場合と同じ撮像高さで行うことができることから、部品が表面実装部品であるか挿入部品であるかによらず、部品の撮像の際の吸着ノズルの動作を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置の側面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に装着される表面実装部品の斜視図(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に装着される挿入部品の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系統を示すブロック図
【図5】本発明の一実施の形態における部品実相装置が備える部品カメラの側面図
【図6】本発明の一実施の形態における部品カメラの平面図
【図7】本発明の一実施の形態における部品カメラの側面図
【図8】本発明の一実施の形態における部品カメラの側面図
【図9】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品カメラにより撮像した表面実装部品の画像データの一例を示す図
【図10】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品カメラにより撮像した挿入部品の画像データの一例を示す図
【図11】本発明の一実施の形態における部品実装装置が実行する部品実装工程の進行手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2に示す部品実装装置1は、基板2の搬入及び位置決め、位置決めした基板2上の電極3への部品4の装着及び部品4を装着した基板2の搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する装置である。本実施の形態では、部品実装装置1における基板2の搬送方向(図1中に示す矢印A)をX軸方向、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向(前後方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向(前後方向)のうち、オペレータOPが部品実装装置1に対して通常位置する側(図1における紙面下方)を前方、その反対側を後方とする。
【0011】
図1及び図2において、部品実装装置1は、基台11上に設けられて基板2の搬送及び所定の作業位置(図1に示す位置)への位置決めを行う基板位置決め手段としての搬送コンベア12、部品4の供給を行う部品供給手段としての複数のテープフィーダ13とトレイフィーダ14、基台11上に設けられた直交座標型のヘッド移動ロボット15、ヘッド移動ロボット15によって水平面内で移動される2つの装着ヘッド16、各装着ヘッド16に昇降自在かつ上下軸回りに回転自在に設けられ、テープフィーダ13及びトレイフィーダ14から供給される部品4を吸着する吸着ノズル17、各装着ヘッド16に設けられた基板カメラ18及び基台11上の搬送コンベア12を跨ぐ両位置に設けられた2つの部品カメラ19(撮像手段)を備えている。
【0012】
図1及び図2において、搬送コンベア12は基台11上をX軸方向に延びて設けられた一対のベルトコンベアから成り、基板2のY軸方向の両端部を下方から支持した状態で基板2をX軸方向に搬送する。
【0013】
図1及び図2において、各テープフィーダ13は基台11の前方側にオペレータOPによって取り付けられる台車13C上に複数個設置されており、それぞれ基台11の中央部側の端部に設けられた部品供給口13pに部品4を連続的に供給する。トレイフィーダ14は、基台11の後方側にオペレータOPによって取り付けられ、部品4を収容したトレイ14tにより部品4の供給を行う。
【0014】
本実施の形態では、各テープフィーダ13が供給する部品4は、例えば図3(a)に示すように、基板2の表面に接触される屈曲形状の電極部4Dを複数本(ここでは16本)有した表面実装部品4aから成り、トレイフィーダ14が供給する部品4は、例えば、図3(b)に示すように、下方に延びて基板2に挿着される直線形状の下方延出部4Fを複数本(ここでは16本)備えた挿入部品4bから成る。
【0015】
図1及び図2において、ヘッド移動ロボット15は搬送コンベア12の上方をY軸方向に延びて設けられたY軸テーブル15a、Y軸テーブル15a上をY軸方向に移動自在に設けられてX軸方向に延びる2つのX軸テーブル15b及び各X軸テーブル15b上をX軸方向に移動自在に設けられた2つの移動ステージ15cから成る。
【0016】
各移動ステージ15cは2つの装着ヘッド16のそれぞれにひとつずつ取り付けられており、ヘッド移動ロボット15の作動、すなわち、Y軸テーブル15aに対するX軸テーブル15bの移動及びX軸テーブル15bに対する移動ステージ15cの移動の組み合わせによって基台11の上方を水平方向に移動する。
【0017】
図1及び図2において、各装着ヘッド16に設けられる吸着ノズル17はテープフィーダ13又はトレイフィーダ14から供給される部品4を真空吸着してピックアップし、搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の所定の部位(部品装着部位)でその部品4の真空吸着を解除し、部品4を吸着ノズル17から離脱させることによって部品4を基板2に装着する。
【0018】
図1及び図2において、各基板カメラ18は撮像視野を下方に向けており、基板2が搬送コンベア12によって作業位置に位置決めされたとき、基板2上に設けられた基板2の位置検出用のマークである基板マーク(図示せず)を上方から撮像する。
【0019】
図1及び図2において、各部品カメラ19は撮像視野を上方に向けており、装着ヘッド16によって吸着され、装着ヘッド16の移動によって撮像視野内に位置した部品4を下方から撮像する。
【0020】
搬送コンベア12による基板2の搬送及び作業位置への位置決め動作は、部品実装装置1が備える制御装置20(図2及び図4)が図示しないアクチュエータから成る搬送コンベア駆動機構21(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0021】
テープフィーダ13による部品供給口13pへの部品4の供給は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動機構22(図4)の作動制御を行うことによってなされ、トレイフィーダ14による部品4の供給は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るトレイフィーダ駆動機構23(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0022】
各装着ヘッド16の水平面内方向への移動動作は、制御装置20がヘッド移動ロボット15を作動させるロボット駆動機構24(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
【0023】
各吸着ノズル17の装着ヘッド16に対する昇降及び上下軸回りの回転動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動機構25(図4)の作動制御を行うことによってなされ、各吸着ノズル17による部品4の吸着(ピックアップ)及び吸着解除(離脱)動作は、制御装置20が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構26(図4)の作動制御を行って吸着ノズル17内に真空圧を供給し、また真空圧の供給を解除することによってなされる。
【0024】
各基板カメラ18の撮像動作制御と各部品カメラ19の撮像動作制御は、制御装置20によってなされる(図4)。各基板カメラ18の撮像動作によって得られた画像データ及び各部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像データはそれぞれ制御装置20に送られ、制御装置20が備える画像認識部20a(図4)において画像認識処理される。
【0025】
本実施の形態では部品カメラ19の構成に特徴があり、以下にその説明を行う。図5及び図6に示すように、各部品カメラ19は、基台11上に設けられた筐体31、筐体31の内部に設けられた第1照明装置32、第2照明装置33、照明切り替え部34及び撮像実行部35を備える。
【0026】
図5及び図6において、第1照明装置32は筐体31の上下中心軸Jを取り囲むように複数個(ここでは4個)設けられており、それぞれ、部品カメラ19の撮像視野Rg内であって部品カメラ19の上方に位置した部品4に対して斜め下方から光を照射する(第1照明装置32の光軸L1参照)。各第1照明装置32から照射される光は広範囲の照明が可能なように拡散光から成り、部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させた部品4の下面を下方から照明する(図7)。
【0027】
図5及び図6において、第2照明装置33は筐体31の上下中心軸Jを取り囲むように複数後(ここでは6個)設けられており、それぞれ、部品カメラ19の上方の撮像視野Rg内に位置した部品4に対して各第1照明装置32による光の照射角度θ1(図5)よりも水平方向照射(水平方向に向けた照射)に近い角度θ2(図5)で光を照射する(第2照明装置33の光軸L2参照)。各第2照明装置33から照射される光は局所的な照明が可能なように平行光又は収束光から成り、部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させた部品4が挿入部品4bである場合に、その挿入部品4bが備える下方延出部4F(特に下方延出部4Fの下端)のみを照明する(図8)。
【0028】
ここで、図5に示すように、第2照明装置33は筐体31の内部の第1照明装置32よりも高い位置(但し、第1照明装置32からの光を遮らない位置)に設けられており、これにより部品カメラ19全体が横方向に広がらないコンパクトな構成となっている。
【0029】
照明切り替え部34は、制御装置20からの指令に基づいて、第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明との切り替えを行う。ここで、制御装置20は、部品実装作業の手順が記録された実装プログラムの内容等に基づいて、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかの判断を行い、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aである場合には照明切り替え部34に第1照明装置32を点灯させる指令を出力し、吸着ノズル17に吸着された部品4が挿入部品4bである場合には照明切り替え部34に第2照明装置33を点灯させる指令を出力する。
【0030】
撮像実行部35は図示しないラインセンサから成る撮像素子を有して成り、撮像光軸Kが筐体31の上下中心軸Jと一致するように筐体31内に設けられている。撮像実行部35は、制御装置20によって制御されて、第1照明装置32又は第2照明装置33により照明された部品4の撮像を行う(図4)。
【0031】
このように照明切り替え部34は、吸着ノズル17により吸着された部品4、すなわち部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置して撮像対象となっている部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかに応じて第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明の切り替えを行う照明切り替え手段として機能し、撮像実行部35は、第1照明装置32又は第2照明装置33により照明された部品4の撮像を行う撮像実行手段として機能する。
【0032】
このような構成を有する部品カメラ19は、撮像視野Rg内に位置した表面実装部品4aに対して斜め下方から光を照射して表面実装部品4aの下面を照明する第1照明装置32のほか、撮像視野Rg内に位置した挿入部品4bの下方延出部4Fのみを照明する照明手段として、第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い(図5に示すように、水平方向照射でなく、第1照明装置32による光の照射角度よりは小さい)照射角度で光を照射する第2照明装置33を備えており、第1照明装置32によって部品4を照明する場合と、第2照明装置33によって部品4を照明する場合の双方において(すなわち、部品4が表面実装部品4aである場合と挿入部品4bである場合との双方において)、部品カメラ19による部品4の撮像領域Ar(図5)を、部品カメラ19の上方の位置に設定することができる。このため吸着ノズル17により吸着した部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、撮像視野Rg内の同一の撮像高さH(図7及び図8)で部品4の撮像を行うことができる。
【0033】
第1照明装置32によって下面が照明された表面実装部品4aの撮像を撮像実行部35により行うと、各電極部4Dが表面実装部品4aの下面よりも明るく見える図9(a),(b)のような画像が得られる。この画像に基づいて制御装置20は表面実装部品4aが備える電極部4Dの位置を認識することができ、これにより表面実装部品4aの姿勢を把握することができる。
【0034】
また、第2照明装置33によって下方延出部4Fのみが照明された挿入部品4bの撮像を撮像実行部35により行うと、挿入部品4bの下面には光が当たらないために暗く、光の当たっている下方延出部4Fの下端のみが明るく光って見える図10(a),(b)のような画像が得られる。この画像に基づいて制御装置20は挿入部品4bが備える下方延出部4Fの位置を認識することができ、これにより挿入部品4bの姿勢を把握することができる。
【0035】
制御装置20は、上記のように、撮像実行部35による撮像動作によって得られた部品4の画像に基づいて、その部品4の姿勢を把握するほか、その部品4に異常箇所が認められるか否かの判断を行う。ここで、部品4の異常箇所が認められる場合とは、表面実装部品4aについては、例えば、電極部4Dに曲がりや欠損等が認められる場合いい、挿入部品4bについては、下方延出部4Fに曲がりや欠損等が認められる場合をいう。
【0036】
図9(a)は表面実装部品4aが備える16本全ての電極部4Dに曲がりが生じておらず、全ての電極部4Dが整然と並んでいる場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は表面実装部品4aには異常箇所が認められないと判断する。図9(b)は16本の電極部4Dのうちの1本(符号を4Dpで示す)に曲がりが生じていてその曲がりが生じている1本の電極部4Dpが他の電極部4Dに対してずれて見えている場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は表面実装部品4aに異常箇所が認められると判断する。
【0037】
図10(a)は挿入部品4bが備える16本全ての下方延出部4Fに曲がりが生じておらず、全ての下方延出部4Fが整然と並んでいる場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は挿入部品4bに異常箇所は認められないと判断する。図10(b)は16本の下方延出部4Fのうちの1本(符号を4Fpで示す)に曲がりが生じていてその曲がりが生じている1本の下方延出部4Fpが他の下方延出部4Fに対してずれて見えている場合の画像の例であり、この場合には制御装置20は挿入部品4bに異常箇所が認められると判断する。
【0038】
制御装置20は、吸着ノズル17に吸着された部品4について異常箇所の有無を判断した結果、部品4に異常箇所が認められなかった場合には、把握した部品4の姿勢に基づいて、吸着ノズル17に吸着された部品4が搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の部品装着部位に正確に装着されるように吸着ノズル17を(装着ヘッド16を)移動させる。一方、制御装置20は、吸着ノズル17に吸着された部品4について異常箇所が認められた場合には、その部品4を基板2に装着することなく廃棄する。
【0039】
このような構成を有する部品実装装置1による部品装着作業では、制御装置20は、先ず、部品実装装置1の上流側に配置された他の装置(例えば半田印刷機)から送られてきた基板2を搬送コンベア12によって搬入して所定の作業位置に位置決めする(図11に示すステップST1)。そして、ヘッド移動ロボット15を作動させて基板カメラ18を(装着ヘッド16を)基板2の上方に移動させ、基板カメラ18に基板2上の基板マークを撮像させて画像認識を行い、基板2の正規の作業位置からの位置ずれを算出する(図11に示すステップST2)。
【0040】
制御装置20は、基板2の位置ずれを算出したら、ヘッド移動ロボット15を作動させて装着ヘッド16をテープフィーダ13の上方に移動させ、吸着ノズル17をテープフィーダ13の部品供給口13pに供給された部品4に接触させるとともに、吸着機構26の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を行い、吸着ノズル17により部品4を吸着してピックアップする(図11に示すステップST3)。
【0041】
制御装置20は実装プログラムの内容等から、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bであるか否かの判断を行う(図11に示すステップST4)。そして、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bでない(表面実装部品4aである)場合には第1照明装置32を点灯させ(図11に示すステップST5)、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bである場合には第2照明装置33を点灯させる(図11に示すステップST6)。
【0042】
このように、ステップST4〜ステップST6は、吸着ノズル17に吸着された部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかに応じて第1照明装置32による部品4の照明と第2照明装置33による部品4の照明の切り替えを行う工程となっている。
【0043】
制御装置20は、現在、吸着ノズル17が吸着している部品4が挿入部品4bであるか否かに応じて第1照明装置32又は第2照明装置33を点灯させたら、吸着ノズル17を(装着ヘッド16を)移動させて部品4を部品カメラ19の撮像視野Rg内に位置させ、部品カメラ19により部品4を下方から撮像する(図11に示すステップST7)。
【0044】
なお、ここでは、部品4が部品カメラ19の上方を水平方向に横切るように吸着ノズル17(装着ヘッド16)を水平方向に移動させるスキャン動作を行いながら部品4の撮像を行うことができる。部品カメラ19の上方で吸着ノズル17の移動を一旦停止させたうえで吸着ノズル17を下降させるようにしていた従来では、撮像実行部35には高価なエリアセンサを使用せざるを得なかったが、本実施の形態における部品カメラ19では、上記スキャン動作との関係で撮像実行部35にラインセンサを用いることができるので、コストを安価にすることができる。
【0045】
制御装置20は、部品カメラ19により部品4の撮像を行ったら、その撮像によって得られる部品4の画像データを画像認識してその部品4に異常箇所が認められるか否かの判断を行い(図11に示すステップST8)、その結果、部品4に異常箇所が認められなかった場合には吸着ノズル17に対する部品4の姿勢を把握するとともに、吸着ノズル17に対する位置ずれ(吸着ずれ)を算出する(図11に示すステップST9)。そして、吸着ノズル17を(装着ヘッド16)を基板2の上方に移動させ、ノズル駆動機構25の作動制御を行うことによって吸着ノズル17により吸着した部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2上の目標装着部位(この目標装着部位にある電極3上には、部品実装装置1の上流側に配置された半田印刷機によって半田が印刷されている)に接触させるとともに、吸着機構26の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を解除し、部品4を基板2に装着する(図11に示すステップST10)。
【0046】
ここで、制御装置20は、部品4を基板2に装着するときは、ステップST9で把握した部品4の姿勢を考慮したうえで、基板カメラ18による基板マークの撮像によって得られた基板2の位置ずれと、部品カメラ19による部品4の撮像によって得られた吸着ノズル17に対する部品4の位置ずれ(吸着ずれ)がキャンセルされるように吸着ノズル17の位置補正(回転補正を含む)を行うようにする。
【0047】
このように、制御装置20は、撮像手段である部品カメラ19により部品4が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる装着制御手段となっている。また、ステップST9及びステップST10は、ステップST7の部品カメラ19による撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる工程となっている。
【0048】
一方、制御装置20は、ステップST8において、部品4に異常箇所が認められた場合には、吸着ノズル17に吸着された部品4を所定の部品廃棄位置(図示せず)に廃棄する(図11に示すステップST11)。
【0049】
制御装置20は、ステップST10又はステップST11が終了したら、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了したか否かの判断を行う(図11に示すステップST12)。そして、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了していなかった場合には、ステップST3に戻って次の部品4のピックアップを行い、基板2に装着すべき全ての部品4の基板2への装着が終了していた場合には、搬送コンベア12を作動させて、部品実装装置1の下流側に配置された他の装置(例えば実装後検査機)に基板2を搬出する(図11に示すステップST13)。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1は、基板2の位置決めを行う基板位置決め手段としての搬送コンベア12、部品4の供給を行う部品供給手段としてのテープフィーダ13及びトレイフィーダ14、テープフィーダ13及びトレイフィーダ14より供給される部品4を吸着する吸着ノズル17、吸着ノズル17に吸着されて撮像視野Rg内に移動された部品4が基板2の表面に表面実装される表面実装部品4aである場合にはその部品4(表面実装部品4a)に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段としての第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品4を下方から撮像し、吸着ノズル17に吸着されて撮像視野Rg内に移動された部品4が下方に延出する下方延出部4Fを有した挿入部品4bである場合にはその部品4(挿入部品4b)に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段としての第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品4を下方から撮像する撮像手段としての部品カメラ19及び部品カメラ19により部品4が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる装着制御手段としての制御装置20を備えたものとなっている、
【0051】
また、この部品実装装置1による部品実装方法は、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が表面実装部品4aである場合にはその部品4(表面実装部品4a)に対して斜め下方から光を照射する第1照明装置32によって部品4の下面を照明して部品カメラ19により部品4を撮像し、吸着ノズル17に吸着されて部品カメラ19の撮像視野Rg内に移動された部品4が挿入部品4bである場合にはその部品4(挿入部品4b)に対して第1照明装置32による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2照明装置33によって下方延出部4Fのみを照明して部品カメラ19により部品4を撮像する工程(ステップST4〜ステップST7)及び部品カメラ19による撮像によって得られた画像に基づいてその部品4の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品4を搬送コンベア12によって位置決めされた基板2に装着させる工程(ステップステップST9及びステップST10)を含むものとなっている。
【0052】
本実施の形態における部品実装装置1及びその部品実装方法では、前述のように、撮像手段である部品カメラ19において、第1照明装置32によって部品4を照明する場合と、第2照明装置33によって部品4を照明する場合の双方において、部品4の撮像領域Arを部品カメラ19の上方の位置に設定することができ、吸着ノズル17により吸着した部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、撮像視野Rg内の同一の撮像高さHで部品4の撮像を行うことができるので、従来のように、吸着した部品4が部品カメラ19の撮像視野内に位置したとき、吸着ノズル17の水平方向移動を一旦停止させたうえで吸着ノズル17を下降させるといった動作が不要であり、挿入部品4bの撮像に要する時間を短くして部品実装装置の実装タクトの増大を防止することができる。
【0053】
また、表面実装部品4aの撮像を行うための第1照明装置32と挿入部品4bの撮像を行うための第2照明装置33が併設されているうえ、挿入部品4bの撮像を表面実装部品4aの場合と同じ撮像高さHで行うことができることから、部品4が表面実装部品4aであるか挿入部品4bであるかによらず、部品4の撮像の際の吸着ノズル17の動作を一定にすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態における部品実装装置1及び部品実装方法では、表面実装部品でありながらも下方への延出部(バンプ)を有するタイプの部品(例えばBGAなど)については、第1照明装置32と第2照明装置33の双方による光の照射を行って部品の撮像を行うケースもあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0055】
挿入部品の撮像を短時間で行って実装タクトの増大を防止することができるようにした部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0056】
1 部品実装装置
2 基板
4 部品
4a 表面実装部品
4b 挿入部品
4F 下方延出部
12 搬送コンベア(基板位置決め手段)
13 テープフィーダ(部品供給手段)
14 トレイフィーダ(部品供給手段)
17 吸着ノズル
19 部品カメラ(撮像手段)
20 制御装置(装着制御手段)
32 第1照明装置(第1の照明手段)
33 第2照明装置(第2の照明手段)
Rg 撮像視野
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、
部品の供給を行う部品供給手段と、
部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、
吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して部品を下方から撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して部品を下方から撮像する撮像手段と、
撮像手段により部品が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる装着制御手段とを備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、部品を下方から撮像する撮像手段とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、
吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して撮像手段により部品を撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して撮像手段により部品を撮像する工程と、
撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいてその部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。
【請求項1】
基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、
部品の供給を行う部品供給手段と、
部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、
吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して部品を下方から撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して部品を下方から撮像する撮像手段と、
撮像手段により部品が撮像された後、その撮像によって得られた画像に基づいて部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる装着制御手段とを備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
基板の位置決めを行う基板位置決め手段と、部品の供給を行う部品供給手段と、部品供給手段より供給される部品を吸着する吸着ノズルと、部品を下方から撮像する撮像手段とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、
吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が基板の表面に表面実装される表面実装部品である場合にはその部品に対して斜め下方から光を照射する第1の照明手段によって部品の下面を照明して撮像手段により部品を撮像し、吸着ノズルに吸着されて撮像手段の撮像視野内に移動された部品が下方に延出する下方延出部を有した挿入部品である場合にはその部品に対して第1の照明手段による光の照射角度よりも水平方向照射に近い照射角度で光を照射する第2の照明手段によって下方延出部のみを照明して撮像手段により部品を撮像する工程と、
撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいてその部品の姿勢を把握し、その把握した姿勢に基づいて部品を基板位置決め手段によって位置決めされた基板に装着させる工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−182334(P2012−182334A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44645(P2011−44645)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]