部品投入方法および部品投入装置
【課題】設備費の増大を招くことなく、部品組付工程への部品投入時間を短縮する。
【解決手段】搬送ロボット1に設けたテンプレート治具が、小物部品セット台7にセットしてある小物部品(ガードバーなど)を位置決め把持し、小物部品を把持した状態で、ドアインナパネル置き台3に載置してある本体部品(ドアインナパネル)を位置決め把持する。これら小物部品および本体部品を同時に把持したテンプレート治具は、搬送ロボット1によりスポット溶接工程11に搬送移動されて位置決めされ、かつスポット溶接工程11側にて本体部品を位置決め固定した状態で、仮付け溶接作業を搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により実施する。
【解決手段】搬送ロボット1に設けたテンプレート治具が、小物部品セット台7にセットしてある小物部品(ガードバーなど)を位置決め把持し、小物部品を把持した状態で、ドアインナパネル置き台3に載置してある本体部品(ドアインナパネル)を位置決め把持する。これら小物部品および本体部品を同時に把持したテンプレート治具は、搬送ロボット1によりスポット溶接工程11に搬送移動されて位置決めされ、かつスポット溶接工程11側にて本体部品を位置決め固定した状態で、仮付け溶接作業を搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助部品および本体部品を、これら各部品相互を組み付ける組付工程に投入する部品投入方法および部品投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアパネルに小物部品を溶接により組み付ける際には、例えば下記特許文献1に記載されているように、ワーク仮付け工程において、ドアパネルを投入した後、小物部品に相当するヒンジ取付部補強部材やドアサッシュ部材を別途投入している。
【特許文献1】特開2000−272561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来の部品投入方法では、ワーク仮付け工程に対し、ドアパネルを投入した後小物部品を別途投入しているので、部品等投入時間が2度の投入作業によって長くかかり、その問題を解消するためには、ワーク仮付け工程に2台の治具を設定し、一方に対してワークの投入をしている間に他方に対して溶接を行うようにする必要があり、設備費の増大を招くものとなる。
【0004】
そこで、本発明は、設備費の増大を招くことなく、部品組付工程への部品投入時間を短縮することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、部品把持手段が、補助部品を把持した状態で、この補助部品が組み付けられる本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持した状態で、これら各部品相互を組み付ける組付工程へ投入することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、部品把持手段が補助部品および本体部品を同時に把持した状態で組付工程へ投入するので、組付工程への部品投入時間を、補助部品と本体部品を順次個別に投入する場合に比較して短縮化することができる。このとき、本発明では、組付工程に2台の治具を設定する必要がなく、設備費の増大を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態を示す部品投入装置の簡略化した全体構成図である。この部品投入装置は、後述する部品把持手段としてのテンプレート治具を備える搬送手段としての搬送ロボット1により、本体部品配置部としてのドアインナパネル置き台3上に載置されている、自動車のパネル材である本体部品としての図2に示すドアインナパネル5と、補助部品配置部としての小物部品セット台7に載置されていて該ドアインナパネル5に溶接固定する図2に示す補助部品としての小物部品9とを同時にハンドリングして、組付工程としてのスポット溶接工程11へ投入するものである。
【0009】
ドアインナパネル置き台3には、前工程であるドアインナパネル組立工程13において、例えばドアヒンジやインナウエストをスポット溶接にて組み付けられ、さらにナット溶接機14にてナットを溶接固定したドアインナパネル5が、搬送ロボット15によりハンドリングされて投入されている。
【0010】
スポット溶接工程11では、搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により、ドアインナパネル5と小物部品9とをスポット溶接固定し、その後搬送兼溶接ロボット17により溶接後のドアインナパネル5を小物部品9とともに搬出パレット21に搬出する。
【0011】
なお、図1中の符号23で示すものは、搬送ロボット1に着脱可能に連結保持される各種のテンプレート治具を配置しておくテンプレート治具置き台である。
【0012】
図2は、上記したドアインナパネル5と、ドアインナパネル5の図示しないドアアウタパネル側に配置した3つの小物部品9とを示す平面図である。ここでの小物部品9は、いずれも車体前後方向に延びる長尺部材であり、ドアパネルの下部に位置するガードバー25と、上下方向中央に位置する補強部材27と、上部に位置するアウタウエスト29との3つの部品である。
【0013】
このうちアウタウエスト29は、前記図1に示したドアインナパネル組立工程13で事前に組み付けてある前記したインナウエストの上に溶接固定するものであり、これら各ウエスト部品相互間に図示しないドアガラスが入り込む隙間を形成する。
【0014】
図3は、前記図1に示してある小物部品セット台7に小物部品9がセットされた状態の詳細を示す斜視図である。小物部品セット台7は、各小物部品9の長手方向両端部付近を支持する補助部品支持具としての受け駒31,33を備え、受け駒31,33は、各小物部品9の両端部付近において小物部品9と交差する方向に延びる回転軸35,37の外周部に設けてある。
【0015】
一方の回転軸35の両端は、支持脚39,41の上部に回転可能に支持され、一方の支持脚39に設けたNCモータ43によって回転する。同様にして、他方の回転軸37の両端は、支持脚45,47の上部に回転可能に支持され、一方の支持脚45に設けたNCモータ49によって回転する。
【0016】
受け駒31,33は、回転軸35,37の回転とともに回転することで、図3に示す3つの小物部品9を支持する状態と、該小物部品9とは異なる種類の小物部品、すなわち、ここでは他車種に対応する小物部品を支持する状態とに変位する。
【0017】
具体的には、上記した受け駒31,33は、ガードバー25について見ると、本ガードバー25を支持する第1のガードバー支持具51,53と、他車種の図示しないガードバーを支持する第2のガードバー支持具55,57と、さらに別の他車種の図示しないガードバーを支持する第3のガードバー支持具59,61とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0018】
上記した第1,2,3の各ガードバー支持具(51,53),(55,57),(59,61)は、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0019】
また、受け駒31,33は、補強部材27について見ると、本補強部材27を支持する第1の補強部材支持具63,65と、他車種の図示しない補強部材を支持する第2の補強部材支持具67,69と、さらに別の他車種の図示しない補強部材を支持する第3の補強部材支持具71,73とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0020】
したがって、この第1,2,3の各補強部材支持具(63,65),(67,69),(71,73)も、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0021】
さらに、受け駒31,33は、アウタウエスト29について見ると、本アウタウエスト29を支持する第1のアウタウエスト支持具75,77と、他車種の図示しないアウタウエストを支持する第2のアウタウエスト支持具79,81と、さらに別の他車種の図示しないアウタウエストを支持する第3のアウタウエスト支持具83,85とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0022】
したがって、この第1,2,3の各アウタウエスト支持具(75,77),(79,81),(83,85)も、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0023】
図4は、上記図3のように小物部品セット台7にセットしてある3つの小物部品9を把持している部品把持手段としてのテンプレート治具87の平面図、図5は図4の右側面図である。
【0024】
テンプレート治具87は、把持具本体としてのフレーム89を備え、このフレーム89は、互いに平行に延びる長辺部89a,89bと、これら各長辺部89a,89bとで長方形の枠形状を形成して互いに平行に延びる短辺部89c,89dとを備えており、長辺部89a,89bの長手方向中央部の上面に、前記図1に示した搬送ロボット1に着脱可能に連結される連結部であるチェンジャユニット91を設けている。
【0025】
そして、図4中で左側に位置する一方の長辺部89aには、図4中で下部から上部に向けて順に、他方の長辺部89bと反対側(図4中で左側)に突出するアーム93,95,97,99をそれぞれ備え、アーム93の先端にはクランプ装置101が、アーム95の先端にはロケート引き込み装置103が、アーム97の先端にはロケート引き込み装置105が、アーム99の先端にはロケート引き込み装置107およびクランプ装置109が、それぞれ取り付けられている。
【0026】
また、図4中での右側に位置する他方の長辺部89bには、図4中で下部から上部に向けて順に、一方の長辺部89aと反対側(図4中で右側)に突出するアーム111,113,115,117をそれぞれ備え、アーム111の先端にはクランプ装置119が、アーム113の先端にはクランプ装置121が、アーム115の先端にはロケート引き込み装置123が、アーム117の先端にはロケート引き込み装置125およびクランプ装置127が、それぞれ取り付けられている。
【0027】
さらに、図4中で上部の短辺部89dには、同下部側の短辺部89cと反対側(図4中上部側)に突出するアーム129を備え、このアーム129の先端から下方(図5中で右側)に向けて支持ブラケット131を突出して設け、この支持ラケット131の先端にクランプ装置133を設けている。
【0028】
上記した各クランプ装置101,109,119,121,127,133は、いずれも基本的な構造は同一であり、例えばクランプ装置119について説明すると、図5に示すように、アーム111に固定した部品受け部119aと、部品受け部119aの基部側に取り付けたクランプシリンダ119bと、クランプシリンダ119bによりリンク119cを介して回転可能なクランプアーム119dとを主に備えている。
【0029】
他のクランプ装置101,109,121,127,133については、上記のクランプ装置119と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベット(a〜d)を付けている。
【0030】
一方、上記した各ロケート引き込み装置103,105,107,123,125は、いずれも基本的な構造は同一であり、従来から公知のものであるので、特に図示していないが、例えばロケート引き込み装置123について説明すると、図5に示すように、部品側に設けてある位置決め孔に挿入する位置決めピン123aを備え、該位置決めピン123a内には、図示しない部品保持爪が位置決めピン123a内にある状態と位置決めピン123a外にある状態とに進退移動可能に収容され、位置決めピン103aを位置決め孔に挿入した状態で、部品保持爪を突出させて引き込むことで、部品保持爪と位置決めピン123aの基部側に設けてある部品載置面との間で部品を挟持して位置決め保持するものである。
【0031】
他のロケート引き込み装置105,107,123,125については、上記のロケート引き込み装置103と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベットを付けている。
【0032】
なお、上記したクランプ装置101,109,121,127,133については、上記のクランプ装置119と同一の構成部分には、各符号の後に同一の小文字のアルファベット(a)を付けている。
【0033】
上記した各ロケート引き込み装置103,105,107,123,125は、補助部品位置決め具を構成している。
【0034】
また、クランプ装置109,121,127および、上記した補助部品位置決め具であるロケート引き込み装置103,105,107,123,125により補助部品把持具を構成し、クランプ装置101,119,133により本体部品把持具を構成している。
【0035】
そして、上記したテンプレート治具87は、ガードバー25に対し、図4中で右側に突出した部位を、クランプ装置121でクランプ保持するとともに、図4中で左側に向けて突出した部位の先端付近を、ロケート引き込み装置103で位置決め保持している。
【0036】
また、中央の補強部材27に対しては、図4中で右側に突出した部位を、ロケート引き込み装置123で位置決め保持するとともに、図4中で左側に向けて突出した部位をロケート引き込み装置105で位置決め保持している。
【0037】
さらに、アウタウエスト29に対し、図4中で右側に突出した部位を、ロケート引き込み装置125で位置決め保持すると同時に、クランプ装置127でクランプ保持し、図4中で左側に向けて突出した部位を、ロケート引き込み装置107で位置決め保持すると同時に、クランプ装置109でクランプ保持している。
【0038】
アウタウエスト29に対しては、同一部位付近をクランプ装置とロケート引き込み装置との双方で保持しているが、これはアウタウエスト29のドアインナパンル5上のインナウエストに対する位置決め精度を高めるためである。
【0039】
図6は、図3のように小物部品セット台7に例えば作業者によってセットされた状態の各小物部品9に対し、上記の図4,図5のようにテンプレート治具87により位置決め保持した状態を示す斜視図である。
【0040】
図7は、前記した図4に対し、さらにテンプレート治具87により前記図1に示してあるドアインナパネル置き台3に載置されているドアインナパネル5を把持した状態を示す平面図、図8は図7の右側面図である。このドアインナパネル5に対しては、テンプレート治具87は3つのクランプ装置101,119,133でクランプ保持する。すなわち、図7中で下部2つのクランプ装置101,119によりドアインナパネル5の下縁部を、同上部1つのクランプ装置133によりドアインナパネル5の上縁部における窓枠部に相当する部位を、それぞれクランプ保持する。
【0041】
この際、各小物部品9は、ドアインナパネル5に形成されたそれぞれ対応する図示しない凹部に一部が入り込むなどすることで、小物部品9のドアインナパネル5に対する位置決めがなされる。
【0042】
図9は、前記図1に示したスポット溶接工程11の詳細構造を示す平面図、図10は同正面図、図11は図10の右側面図である。このスポット溶接工程11は、台板135上における図9中の左右方向中央でかつ同上下方向両端部付近に、前記したテンプレート治具87を位置決め固定する治具位置決めポスト137,139(図10,図11参照)を立設している。
【0043】
このうち一方の治具位置決めポスト137の上端には、位置決め凸部141と位置決め凹部141を設定し、これら位置決め凸部141と位置決め凹部143が、前記図7に示してあるテンプレート治具87におけるフレーム89の一方の短辺部89dの下面に形成してある図示しない位置決め凹部と位置決め凸部にそれぞれ係合して位置決めされる。
【0044】
また、他方の治具位置決めポスト139上には、可動体145を図9中で上下方向に延びる一対のガイドレール147に沿ってスライド移動可能に設けてあり、この可動体145の上端に、位置決め凸部149と位置決め凹部151を設定して、これ位置決め凸部149と位置決め凹部151が、前記図7に示してあるテンプレート治具87におけるフレーム89の他方の短辺部89cの下面に形成してある図示しない位置決め凹部と位置決め凸部にそれぞれ係合して位置決めされる。
【0045】
なお、可動体145の移動は、治具位置決めポスト139の上端部付近に取り付けてあるスライドシリンダ152によってなされる。
【0046】
上記した可動体145は、図9,図10,図11では、治具位置決めポスト137側の端部に移動変位した状態であり、本実施形態における前記したドアインナパネル5に適用する際には、この位置で使用し、上記のドアインナパネル5よりも高さ寸法の大きい、例えばワンボックスカーなどのようなドアインナパネルの場合には、テンプレート治具87の長手方向寸法の拡大化(図7の短辺部89c,89d相互の間隔の拡大化)に対応すべく、可動体145を図9,図10,図11の位置に対して治具位置決めポスト137から離れた位置に設定する。
【0047】
このようなスポット溶接工程11では、上記した各治具位置決めポスト137,139にテンプレート治具87を位置決め固定した状態で、前記した図7のように把持しているドアインナパネル5に対し、5つのクランプ装置153,155,157,159,161でクランプ保持すると同時に、本体部品位置決め具としての2つのロケート引き込み装置163,165で位置決め固定する。
【0048】
これらクランプ装置153,155,157,159,161および、ロケート引き込み装置163,165は、前記したテンプレート治具87における、クランプ装置101,109,119,121,127,133および、ロケート引き込み装置103,105,107,123,125と、基本的な構造がそれぞれ同一である。
【0049】
すなわち、図10にてよく理解できるように、例えばクランプ装置153について見れば、部品受け部153aと、部品受け部153aの基部側に取り付けたクランプシリンダ153bと、クランプシリンダ153bによりリンク153cを介して回転可能なクランプアーム153dとを主として備えている。
【0050】
他のクランプ装置155,157,159,161については、上記のクランプ装置153と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベット(a〜d)を付けている。
【0051】
一方、ロケート引き込み装置163,165については、部品側に設けてある位置決め孔に挿入する位置決めピン163a,165aをそれぞれ備え、該位置決めピン163a,165a内には前述したものと同様な図示しない部品保持爪が進退移動可能に収容されていて、部品保持爪と位置決めピン163a,165aの基部側に設けてある部品載置面との間で部品を位置決め保持する。
【0052】
また、上記した各クランプ装置153,155,157,159,161および、ロケート引き込み装置163,165は、いずれも個別に直交3軸方向に移動可能とする移動機構167をそれぞれ備えている。
【0053】
各移動機構167は、台板135上に水平方向に延びる第1ガイドレール171に沿って移動可能な第1スライドブロック173を設け、この第1スライドブロック173の移動はモータ175の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0054】
第1スライドブロック173上には上記の水平方向と直交する水平方向に延びる第2ガイドレール177を設けるとともに、第2ガイドレール177に沿って移動する第2スライドブロック179を設ける。この第2スライドブロック179の移動はモータ181の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0055】
第2スライドブロック179の側部には、鉛直方向に延びる第3ガイドレール183を設け、第3ガイドレール183には第3スライドブロック185を移動可能に設ける。この第3スライドブロック185の移動は、モータ187の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0056】
そして、第3スライドブロック185の上端に、クランプ装置153,155,157,159,161であれば、部品受け部153a,155a,157a,159a,161aが固定され、ロケート引き込み装置163,165であれば、位置決めピン163a,165aが固定されることになる。
【0057】
図12は、前記図4に示したテンプレート治具87とは別車種対応のテンプレート治具87A,87Bを配置しておくテンプレート治具置き台189の斜視図である。なお、図12での各テンプレート治具87A,87Bは、図4のテンプレート治具87と同形状としているが、実際には互いに異なる形状のものである。
【0058】
テンプレート治具置き台189は、底部枠191と、底部枠191の一端に下端が接続される縦枠193と、底部枠191の他端と縦枠193の上端とを接続する傾斜枠195とをそれぞれ備え、傾斜枠195の長手方向に沿って各テンプレート治具87A,87Bを配置している。
【0059】
なお、各テンプレート治具87A,87Bにおけるクランプ装置やロケート引き込み装置は、テンプレート治具87と同一の符号を付してある。
【0060】
次に、上記した構成の部品投入装置による部品投入方法について説明する。図1に示すドアインナパネル置き台3には、前述したように、前工程であるドアインナパネル組立工程13で、例えばドアヒンジやインナウエストをスポット溶接にて組み付けられたドアインナパネル5が、搬送ロボット15によりハンドリングされて投入されているものとする。
【0061】
一方、小物部品セット台7には、図3に示すように、小物部品9として、ガードバー25,補強部材27およびアウタウエスト29の3つの部品がセットされている。
【0062】
そして、図1に示す搬送ロボット1に取り付けられているテンプレート治具87により、上記図3に示す3つの小物部品9に対し、図4〜図6に示すように、それぞれ対応するクランプ装置109,121,127でクランプ固定すると同時に、それぞれ対応するロケート引き込み装置103,105,107,123,125で位置決め固定する。
【0063】
このとき、3つの小物部品9は、図2に示すようにドアインナパネル5に取り付けられた状態での相互の位置関係となっている。
【0064】
続いて、搬送ロボット1は、3つの小物部品9を把持したまま、テンプレート治具87を図1に示すドアインナパネル置き台3に移動させ、図7,図8に示すように、それぞれ対応するクランプ装置101,119,133により、ドアインナパネル5をクランプ固定する。
【0065】
このとき、各小物部品9は、前述したように、ドアインナパネル5に形成されたそれぞれ対応する図示しない凹部に一部が入り込むことで、小物部品9のドアインナパネル5に対する位置決めがなされ、小物部品9とドアインナパネル5との相互の位置関係が正規の状態に保持される。
【0066】
さらに続いて、搬送ロボット1は、3つの小物部品9およびドアインナパネル5を同時に把持した状態で、テンプレート治具87を、図1に示すスポット溶接工程11に移動させ、図13〜図15に示すように、治具位置決めポスト137,139上に位置決め固定する。
【0067】
上記のようにしてテンプレート治具87を治具位置決めポスト137,139に位置決め固定した状態で、スポット溶接工程11側の台板135上に設けてある5つのクランプ装置153,155,157,159,161で、ドアインナパネル5の外周縁をクランプ保持すると同時に、2つのロケート引き込み装置163,165で、アウタウエスト29に対応する位置を位置決め固定する。
【0068】
すなわち、この状態では、テンプレート治具87により3つの小物部品9およびドアインナパネル5を把持すると同時に、スポット溶接工程11側でもドアインナパネル5を把持していることになる。
【0069】
そして、この状態で、図1に示してある搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により仮付け打点位置をスポット溶接し、3つの小物部品9とドアインナパネル5とを互いに仮付け溶接する。
【0070】
仮付け溶接後は、テンプレート治具87が、小物部品9およびドアインナパネル5に対する把持を解除した上で、次の部品に対する仮付け溶接作業に移行する。
【0071】
このときテンプレート治具87は、次に仮付け溶接する部品が、今回の溶接作業に適用したものと同じ小物部品9およびドアインナパネル5の場合、つまり同一車種の場合には、図3のようにして再度作業者が3つの小物部品9をセットした状態の小物部品セット台7に移動し、上記と同様の作業、つまり、小物部品9の把持→ドアインナパネル5の把持→スポット溶接工程11への移動、を繰り返し行う。
【0072】
テンプレート治具87が次の溶接部品の把持搬送動作を行っている間に、搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19は残りの打点位置に対してスポット溶接し、溶接完了後に搬送兼溶接ロボット17が、小物部品9を備えるドアインナパネル5を搬出パレット21に搬出する。
【0073】
一方、次に溶接作業を行う部品が、今回の溶接作業に適用したものと異なる場合、つまり他車種の部品の場合には、搬送ロボット1が、今まで連結していたテンプレート治具87を、図12に示してあるテンプレート治具置き台189の、図には示していないが、テンプレート治具を配置せずに空となっている位置に移動させ、チェンジャユニット91による連結状態を解除して放置する。その後、他車種対応のテンプレート治具87Aもしくはテンプレート治具87Bをチェンジャユニット91により搬送ロボット1に連結する。
【0074】
そして、この状態で、図3と同様に、小物部品セット台7にセットした他車種対応の小物部品を、テンプレート治具87Aもしくはテンプレート治具87Bによって把持し、続いて、ドアインナパネル置き台3に載置してある同様の他車種対応のドアインナパネルを把持する。その後は、スポット溶接工程11にて前記と同様にしてスポット溶接工程11側で上記の他車種対応のドアインナパネルを位置決め固定した状態で仮付け溶接を行う。
【0075】
ここで、図3に示した小物部品セット台7に他車種の小物部品をセットする際には、NCモータ43,49を適宜回転させて、受け駒31,33を、他車種に対応する、例えば第2のガードバー支持具55,57、第2の補強部材支持具67,69および第2のアウタウエスト支持具79,81を上部位置とし、他車種の小物部品をセット可能な状態とする。
【0076】
上記したように、本実施形態によれば、テンプレート治具87が、補助部品である小物部品9と本体部品であるドアインナパネル5とを同時に位置決め固定しつつ把持した状態で、組付工程であるスポット溶接工程11へ投入するので、小物部品9とドアインナパネル5を順次個別にスポット溶接工程11へ投入する場合に比較して部品投入時間を短縮化することができる。
【0077】
この際、本実施形態では、スポット溶接工程11にて治具を2台設けてその一方に対して部品を投入している間に他方に対して溶接を行うようにする必要がなく、このため設備費の増大を回避している。
【0078】
また、本実施形態では、テンプレート治具87が、小物部品9とドアインナパネル5とを同時に把持しつつスポット溶接工程11へ投入した状態で、小物部品9をテンプレート治具87が位置決めする一方、ドアインナパネル5をスポット溶接工程11に設けてあるロケート引き込み装置163,165によって位置決めするので、スポット溶接工程11側で小物部品9を位置決めする必要がない。
【0079】
このため、スポット溶接工程11側は、小物部品9を位置決めするための位置決め具が不要となって構造を簡素化することができる。スポット溶接工程11で小物部品9を位置決めしようとすると、小物部品9の下方にドアインナパネル5があるので、位置決め具の設置自体が困難を要し、極めて複雑な構造とならざるを得ない。
【0080】
また、本実施形態では、小物部品セット台7は、互いに異なる複数種の(車種毎に異なる)小物部品9をそれぞれ支持する受け駒31,33を補助部品支持具として備え、この各受け駒31,33は回転によって対応する車種の小物部品9を支持可能な位置に変位するので、異種の小物部品毎にセット台を設ける必要がなく、セット台の設置スペースを小さく抑えることができ、また該小物部品セット台を例えばドアパネル組立工程13の近くに設置することで、小物部品セット台7への小物部品9のセット作業とドアパネル組立工程13での作業を同一の作業者によって行うことが可能となる。
【0081】
また、上記した受け駒31,33は、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されており、回転軸35,37をNCモータ43,49によって回転駆動することで、必要とする車種の小物部品に対応する支持具を、容易に小物部品のセットが可能な上部位置とすることができる。
【0082】
また、テンプレート治具87は、小物部品9を把持する補助部品把持具(クランプ装置109,121,127,ロケート引き込み装置103,105,107,123,125)とドアインナパネル5を把持する本体部品把持具(クランプ装置101,119,133)とをそれぞれ備えた把持具本体であるフレーム89を有して小物部品9およびドアインナパネル5の異なる種類毎に複数設けているので、製造車種を変更した場合に対応することができる。
【0083】
また、上記したフレーム89を、搬送ロボット1により着脱可能に連結保持するので、製造車種変更に対して容易に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態を示す部品投入装置の簡略化した全体構成図である。
【図2】ドアインナパネルおよび、ドアインナパネルのドアアウタパネル側に配置した3つの小物部品を示す平面図である。
【図3】小物部品セット台に小物部品がセットされた状態を示す斜視図である。
【図4】小物部品を把持しているテンプレート治具の平面図である。
【図5】図4の右側面図である。
【図6】図3のように小物部品セット台にセットされた小物部品に対し、テンプレート治具により位置決め保持した状態を示す斜視図である。
【図7】図4に対し、テンプレート治具によりドアインナパネルを把持した状態を示す平面図である。
【図8】図7の右側面図である。
【図9】図1のスポット溶接工程の詳細構造を示す平面図である。
【図10】図1のスポット溶接工程の正面図である。
【図11】図10の右側面図である。
【図12】図4に示したテンプレート治具とは別車種対応のテンプレート治具を配置しておくテンプレート治具置き台の斜視図である。
【図13】テンプレート治具をスポット溶接工程における治具位置決めポスト上に位置決め固定した状態を示す平面図である。
【図14】図13に対応する正面図である。
【図15】図13の右側面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 搬送ロボット(搬送手段)
3 ドアインナパネル置き台(本体部品配置部)
5 ドアインナパネル(ドアパネル,本体部品)
9 小物部品(補助部品)
7 小物部品セット台(補助部品配置部)
11 スポット溶接工程(組付工程)
25 ガードバー(小物部品)
27 補強部材(小物部品)
29 アウタウエスト(小物部品)
31,33 受け駒(補助部品支持具)
35,37 回転軸
87,87A,87B テンプレート治具(部品把持手段)
89 フレーム(把持具本体)
103,105,107,123,125 テンプレート治具のロケート引き込み装置(補助部品位置決め具,補助部品把持具)
163,165 スポット溶接工程のロケート引き込み装置(本体部品位置決め具)
109,121,127 テンプレート治具のクランプ装置(補助部品把持具)
101,119,133 テンプレート治具のクランプ装置(本体部品把持具)
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助部品および本体部品を、これら各部品相互を組み付ける組付工程に投入する部品投入方法および部品投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアパネルに小物部品を溶接により組み付ける際には、例えば下記特許文献1に記載されているように、ワーク仮付け工程において、ドアパネルを投入した後、小物部品に相当するヒンジ取付部補強部材やドアサッシュ部材を別途投入している。
【特許文献1】特開2000−272561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来の部品投入方法では、ワーク仮付け工程に対し、ドアパネルを投入した後小物部品を別途投入しているので、部品等投入時間が2度の投入作業によって長くかかり、その問題を解消するためには、ワーク仮付け工程に2台の治具を設定し、一方に対してワークの投入をしている間に他方に対して溶接を行うようにする必要があり、設備費の増大を招くものとなる。
【0004】
そこで、本発明は、設備費の増大を招くことなく、部品組付工程への部品投入時間を短縮することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、部品把持手段が、補助部品を把持した状態で、この補助部品が組み付けられる本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持した状態で、これら各部品相互を組み付ける組付工程へ投入することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、部品把持手段が補助部品および本体部品を同時に把持した状態で組付工程へ投入するので、組付工程への部品投入時間を、補助部品と本体部品を順次個別に投入する場合に比較して短縮化することができる。このとき、本発明では、組付工程に2台の治具を設定する必要がなく、設備費の増大を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態を示す部品投入装置の簡略化した全体構成図である。この部品投入装置は、後述する部品把持手段としてのテンプレート治具を備える搬送手段としての搬送ロボット1により、本体部品配置部としてのドアインナパネル置き台3上に載置されている、自動車のパネル材である本体部品としての図2に示すドアインナパネル5と、補助部品配置部としての小物部品セット台7に載置されていて該ドアインナパネル5に溶接固定する図2に示す補助部品としての小物部品9とを同時にハンドリングして、組付工程としてのスポット溶接工程11へ投入するものである。
【0009】
ドアインナパネル置き台3には、前工程であるドアインナパネル組立工程13において、例えばドアヒンジやインナウエストをスポット溶接にて組み付けられ、さらにナット溶接機14にてナットを溶接固定したドアインナパネル5が、搬送ロボット15によりハンドリングされて投入されている。
【0010】
スポット溶接工程11では、搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により、ドアインナパネル5と小物部品9とをスポット溶接固定し、その後搬送兼溶接ロボット17により溶接後のドアインナパネル5を小物部品9とともに搬出パレット21に搬出する。
【0011】
なお、図1中の符号23で示すものは、搬送ロボット1に着脱可能に連結保持される各種のテンプレート治具を配置しておくテンプレート治具置き台である。
【0012】
図2は、上記したドアインナパネル5と、ドアインナパネル5の図示しないドアアウタパネル側に配置した3つの小物部品9とを示す平面図である。ここでの小物部品9は、いずれも車体前後方向に延びる長尺部材であり、ドアパネルの下部に位置するガードバー25と、上下方向中央に位置する補強部材27と、上部に位置するアウタウエスト29との3つの部品である。
【0013】
このうちアウタウエスト29は、前記図1に示したドアインナパネル組立工程13で事前に組み付けてある前記したインナウエストの上に溶接固定するものであり、これら各ウエスト部品相互間に図示しないドアガラスが入り込む隙間を形成する。
【0014】
図3は、前記図1に示してある小物部品セット台7に小物部品9がセットされた状態の詳細を示す斜視図である。小物部品セット台7は、各小物部品9の長手方向両端部付近を支持する補助部品支持具としての受け駒31,33を備え、受け駒31,33は、各小物部品9の両端部付近において小物部品9と交差する方向に延びる回転軸35,37の外周部に設けてある。
【0015】
一方の回転軸35の両端は、支持脚39,41の上部に回転可能に支持され、一方の支持脚39に設けたNCモータ43によって回転する。同様にして、他方の回転軸37の両端は、支持脚45,47の上部に回転可能に支持され、一方の支持脚45に設けたNCモータ49によって回転する。
【0016】
受け駒31,33は、回転軸35,37の回転とともに回転することで、図3に示す3つの小物部品9を支持する状態と、該小物部品9とは異なる種類の小物部品、すなわち、ここでは他車種に対応する小物部品を支持する状態とに変位する。
【0017】
具体的には、上記した受け駒31,33は、ガードバー25について見ると、本ガードバー25を支持する第1のガードバー支持具51,53と、他車種の図示しないガードバーを支持する第2のガードバー支持具55,57と、さらに別の他車種の図示しないガードバーを支持する第3のガードバー支持具59,61とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0018】
上記した第1,2,3の各ガードバー支持具(51,53),(55,57),(59,61)は、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0019】
また、受け駒31,33は、補強部材27について見ると、本補強部材27を支持する第1の補強部材支持具63,65と、他車種の図示しない補強部材を支持する第2の補強部材支持具67,69と、さらに別の他車種の図示しない補強部材を支持する第3の補強部材支持具71,73とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0020】
したがって、この第1,2,3の各補強部材支持具(63,65),(67,69),(71,73)も、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0021】
さらに、受け駒31,33は、アウタウエスト29について見ると、本アウタウエスト29を支持する第1のアウタウエスト支持具75,77と、他車種の図示しないアウタウエストを支持する第2のアウタウエスト支持具79,81と、さらに別の他車種の図示しないアウタウエストを支持する第3のアウタウエスト支持具83,85とが、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されている。
【0022】
したがって、この第1,2,3の各アウタウエスト支持具(75,77),(79,81),(83,85)も、互いに異なる複数種の補助部品である小物部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を構成しており、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することになる。
【0023】
図4は、上記図3のように小物部品セット台7にセットしてある3つの小物部品9を把持している部品把持手段としてのテンプレート治具87の平面図、図5は図4の右側面図である。
【0024】
テンプレート治具87は、把持具本体としてのフレーム89を備え、このフレーム89は、互いに平行に延びる長辺部89a,89bと、これら各長辺部89a,89bとで長方形の枠形状を形成して互いに平行に延びる短辺部89c,89dとを備えており、長辺部89a,89bの長手方向中央部の上面に、前記図1に示した搬送ロボット1に着脱可能に連結される連結部であるチェンジャユニット91を設けている。
【0025】
そして、図4中で左側に位置する一方の長辺部89aには、図4中で下部から上部に向けて順に、他方の長辺部89bと反対側(図4中で左側)に突出するアーム93,95,97,99をそれぞれ備え、アーム93の先端にはクランプ装置101が、アーム95の先端にはロケート引き込み装置103が、アーム97の先端にはロケート引き込み装置105が、アーム99の先端にはロケート引き込み装置107およびクランプ装置109が、それぞれ取り付けられている。
【0026】
また、図4中での右側に位置する他方の長辺部89bには、図4中で下部から上部に向けて順に、一方の長辺部89aと反対側(図4中で右側)に突出するアーム111,113,115,117をそれぞれ備え、アーム111の先端にはクランプ装置119が、アーム113の先端にはクランプ装置121が、アーム115の先端にはロケート引き込み装置123が、アーム117の先端にはロケート引き込み装置125およびクランプ装置127が、それぞれ取り付けられている。
【0027】
さらに、図4中で上部の短辺部89dには、同下部側の短辺部89cと反対側(図4中上部側)に突出するアーム129を備え、このアーム129の先端から下方(図5中で右側)に向けて支持ブラケット131を突出して設け、この支持ラケット131の先端にクランプ装置133を設けている。
【0028】
上記した各クランプ装置101,109,119,121,127,133は、いずれも基本的な構造は同一であり、例えばクランプ装置119について説明すると、図5に示すように、アーム111に固定した部品受け部119aと、部品受け部119aの基部側に取り付けたクランプシリンダ119bと、クランプシリンダ119bによりリンク119cを介して回転可能なクランプアーム119dとを主に備えている。
【0029】
他のクランプ装置101,109,121,127,133については、上記のクランプ装置119と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベット(a〜d)を付けている。
【0030】
一方、上記した各ロケート引き込み装置103,105,107,123,125は、いずれも基本的な構造は同一であり、従来から公知のものであるので、特に図示していないが、例えばロケート引き込み装置123について説明すると、図5に示すように、部品側に設けてある位置決め孔に挿入する位置決めピン123aを備え、該位置決めピン123a内には、図示しない部品保持爪が位置決めピン123a内にある状態と位置決めピン123a外にある状態とに進退移動可能に収容され、位置決めピン103aを位置決め孔に挿入した状態で、部品保持爪を突出させて引き込むことで、部品保持爪と位置決めピン123aの基部側に設けてある部品載置面との間で部品を挟持して位置決め保持するものである。
【0031】
他のロケート引き込み装置105,107,123,125については、上記のロケート引き込み装置103と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベットを付けている。
【0032】
なお、上記したクランプ装置101,109,121,127,133については、上記のクランプ装置119と同一の構成部分には、各符号の後に同一の小文字のアルファベット(a)を付けている。
【0033】
上記した各ロケート引き込み装置103,105,107,123,125は、補助部品位置決め具を構成している。
【0034】
また、クランプ装置109,121,127および、上記した補助部品位置決め具であるロケート引き込み装置103,105,107,123,125により補助部品把持具を構成し、クランプ装置101,119,133により本体部品把持具を構成している。
【0035】
そして、上記したテンプレート治具87は、ガードバー25に対し、図4中で右側に突出した部位を、クランプ装置121でクランプ保持するとともに、図4中で左側に向けて突出した部位の先端付近を、ロケート引き込み装置103で位置決め保持している。
【0036】
また、中央の補強部材27に対しては、図4中で右側に突出した部位を、ロケート引き込み装置123で位置決め保持するとともに、図4中で左側に向けて突出した部位をロケート引き込み装置105で位置決め保持している。
【0037】
さらに、アウタウエスト29に対し、図4中で右側に突出した部位を、ロケート引き込み装置125で位置決め保持すると同時に、クランプ装置127でクランプ保持し、図4中で左側に向けて突出した部位を、ロケート引き込み装置107で位置決め保持すると同時に、クランプ装置109でクランプ保持している。
【0038】
アウタウエスト29に対しては、同一部位付近をクランプ装置とロケート引き込み装置との双方で保持しているが、これはアウタウエスト29のドアインナパンル5上のインナウエストに対する位置決め精度を高めるためである。
【0039】
図6は、図3のように小物部品セット台7に例えば作業者によってセットされた状態の各小物部品9に対し、上記の図4,図5のようにテンプレート治具87により位置決め保持した状態を示す斜視図である。
【0040】
図7は、前記した図4に対し、さらにテンプレート治具87により前記図1に示してあるドアインナパネル置き台3に載置されているドアインナパネル5を把持した状態を示す平面図、図8は図7の右側面図である。このドアインナパネル5に対しては、テンプレート治具87は3つのクランプ装置101,119,133でクランプ保持する。すなわち、図7中で下部2つのクランプ装置101,119によりドアインナパネル5の下縁部を、同上部1つのクランプ装置133によりドアインナパネル5の上縁部における窓枠部に相当する部位を、それぞれクランプ保持する。
【0041】
この際、各小物部品9は、ドアインナパネル5に形成されたそれぞれ対応する図示しない凹部に一部が入り込むなどすることで、小物部品9のドアインナパネル5に対する位置決めがなされる。
【0042】
図9は、前記図1に示したスポット溶接工程11の詳細構造を示す平面図、図10は同正面図、図11は図10の右側面図である。このスポット溶接工程11は、台板135上における図9中の左右方向中央でかつ同上下方向両端部付近に、前記したテンプレート治具87を位置決め固定する治具位置決めポスト137,139(図10,図11参照)を立設している。
【0043】
このうち一方の治具位置決めポスト137の上端には、位置決め凸部141と位置決め凹部141を設定し、これら位置決め凸部141と位置決め凹部143が、前記図7に示してあるテンプレート治具87におけるフレーム89の一方の短辺部89dの下面に形成してある図示しない位置決め凹部と位置決め凸部にそれぞれ係合して位置決めされる。
【0044】
また、他方の治具位置決めポスト139上には、可動体145を図9中で上下方向に延びる一対のガイドレール147に沿ってスライド移動可能に設けてあり、この可動体145の上端に、位置決め凸部149と位置決め凹部151を設定して、これ位置決め凸部149と位置決め凹部151が、前記図7に示してあるテンプレート治具87におけるフレーム89の他方の短辺部89cの下面に形成してある図示しない位置決め凹部と位置決め凸部にそれぞれ係合して位置決めされる。
【0045】
なお、可動体145の移動は、治具位置決めポスト139の上端部付近に取り付けてあるスライドシリンダ152によってなされる。
【0046】
上記した可動体145は、図9,図10,図11では、治具位置決めポスト137側の端部に移動変位した状態であり、本実施形態における前記したドアインナパネル5に適用する際には、この位置で使用し、上記のドアインナパネル5よりも高さ寸法の大きい、例えばワンボックスカーなどのようなドアインナパネルの場合には、テンプレート治具87の長手方向寸法の拡大化(図7の短辺部89c,89d相互の間隔の拡大化)に対応すべく、可動体145を図9,図10,図11の位置に対して治具位置決めポスト137から離れた位置に設定する。
【0047】
このようなスポット溶接工程11では、上記した各治具位置決めポスト137,139にテンプレート治具87を位置決め固定した状態で、前記した図7のように把持しているドアインナパネル5に対し、5つのクランプ装置153,155,157,159,161でクランプ保持すると同時に、本体部品位置決め具としての2つのロケート引き込み装置163,165で位置決め固定する。
【0048】
これらクランプ装置153,155,157,159,161および、ロケート引き込み装置163,165は、前記したテンプレート治具87における、クランプ装置101,109,119,121,127,133および、ロケート引き込み装置103,105,107,123,125と、基本的な構造がそれぞれ同一である。
【0049】
すなわち、図10にてよく理解できるように、例えばクランプ装置153について見れば、部品受け部153aと、部品受け部153aの基部側に取り付けたクランプシリンダ153bと、クランプシリンダ153bによりリンク153cを介して回転可能なクランプアーム153dとを主として備えている。
【0050】
他のクランプ装置155,157,159,161については、上記のクランプ装置153と同一の構成部分には、各符号(数字)の後に同一の小文字のアルファベット(a〜d)を付けている。
【0051】
一方、ロケート引き込み装置163,165については、部品側に設けてある位置決め孔に挿入する位置決めピン163a,165aをそれぞれ備え、該位置決めピン163a,165a内には前述したものと同様な図示しない部品保持爪が進退移動可能に収容されていて、部品保持爪と位置決めピン163a,165aの基部側に設けてある部品載置面との間で部品を位置決め保持する。
【0052】
また、上記した各クランプ装置153,155,157,159,161および、ロケート引き込み装置163,165は、いずれも個別に直交3軸方向に移動可能とする移動機構167をそれぞれ備えている。
【0053】
各移動機構167は、台板135上に水平方向に延びる第1ガイドレール171に沿って移動可能な第1スライドブロック173を設け、この第1スライドブロック173の移動はモータ175の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0054】
第1スライドブロック173上には上記の水平方向と直交する水平方向に延びる第2ガイドレール177を設けるとともに、第2ガイドレール177に沿って移動する第2スライドブロック179を設ける。この第2スライドブロック179の移動はモータ181の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0055】
第2スライドブロック179の側部には、鉛直方向に延びる第3ガイドレール183を設け、第3ガイドレール183には第3スライドブロック185を移動可能に設ける。この第3スライドブロック185の移動は、モータ187の駆動により図示しないボールねじ機構によってなされる。
【0056】
そして、第3スライドブロック185の上端に、クランプ装置153,155,157,159,161であれば、部品受け部153a,155a,157a,159a,161aが固定され、ロケート引き込み装置163,165であれば、位置決めピン163a,165aが固定されることになる。
【0057】
図12は、前記図4に示したテンプレート治具87とは別車種対応のテンプレート治具87A,87Bを配置しておくテンプレート治具置き台189の斜視図である。なお、図12での各テンプレート治具87A,87Bは、図4のテンプレート治具87と同形状としているが、実際には互いに異なる形状のものである。
【0058】
テンプレート治具置き台189は、底部枠191と、底部枠191の一端に下端が接続される縦枠193と、底部枠191の他端と縦枠193の上端とを接続する傾斜枠195とをそれぞれ備え、傾斜枠195の長手方向に沿って各テンプレート治具87A,87Bを配置している。
【0059】
なお、各テンプレート治具87A,87Bにおけるクランプ装置やロケート引き込み装置は、テンプレート治具87と同一の符号を付してある。
【0060】
次に、上記した構成の部品投入装置による部品投入方法について説明する。図1に示すドアインナパネル置き台3には、前述したように、前工程であるドアインナパネル組立工程13で、例えばドアヒンジやインナウエストをスポット溶接にて組み付けられたドアインナパネル5が、搬送ロボット15によりハンドリングされて投入されているものとする。
【0061】
一方、小物部品セット台7には、図3に示すように、小物部品9として、ガードバー25,補強部材27およびアウタウエスト29の3つの部品がセットされている。
【0062】
そして、図1に示す搬送ロボット1に取り付けられているテンプレート治具87により、上記図3に示す3つの小物部品9に対し、図4〜図6に示すように、それぞれ対応するクランプ装置109,121,127でクランプ固定すると同時に、それぞれ対応するロケート引き込み装置103,105,107,123,125で位置決め固定する。
【0063】
このとき、3つの小物部品9は、図2に示すようにドアインナパネル5に取り付けられた状態での相互の位置関係となっている。
【0064】
続いて、搬送ロボット1は、3つの小物部品9を把持したまま、テンプレート治具87を図1に示すドアインナパネル置き台3に移動させ、図7,図8に示すように、それぞれ対応するクランプ装置101,119,133により、ドアインナパネル5をクランプ固定する。
【0065】
このとき、各小物部品9は、前述したように、ドアインナパネル5に形成されたそれぞれ対応する図示しない凹部に一部が入り込むことで、小物部品9のドアインナパネル5に対する位置決めがなされ、小物部品9とドアインナパネル5との相互の位置関係が正規の状態に保持される。
【0066】
さらに続いて、搬送ロボット1は、3つの小物部品9およびドアインナパネル5を同時に把持した状態で、テンプレート治具87を、図1に示すスポット溶接工程11に移動させ、図13〜図15に示すように、治具位置決めポスト137,139上に位置決め固定する。
【0067】
上記のようにしてテンプレート治具87を治具位置決めポスト137,139に位置決め固定した状態で、スポット溶接工程11側の台板135上に設けてある5つのクランプ装置153,155,157,159,161で、ドアインナパネル5の外周縁をクランプ保持すると同時に、2つのロケート引き込み装置163,165で、アウタウエスト29に対応する位置を位置決め固定する。
【0068】
すなわち、この状態では、テンプレート治具87により3つの小物部品9およびドアインナパネル5を把持すると同時に、スポット溶接工程11側でもドアインナパネル5を把持していることになる。
【0069】
そして、この状態で、図1に示してある搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19により仮付け打点位置をスポット溶接し、3つの小物部品9とドアインナパネル5とを互いに仮付け溶接する。
【0070】
仮付け溶接後は、テンプレート治具87が、小物部品9およびドアインナパネル5に対する把持を解除した上で、次の部品に対する仮付け溶接作業に移行する。
【0071】
このときテンプレート治具87は、次に仮付け溶接する部品が、今回の溶接作業に適用したものと同じ小物部品9およびドアインナパネル5の場合、つまり同一車種の場合には、図3のようにして再度作業者が3つの小物部品9をセットした状態の小物部品セット台7に移動し、上記と同様の作業、つまり、小物部品9の把持→ドアインナパネル5の把持→スポット溶接工程11への移動、を繰り返し行う。
【0072】
テンプレート治具87が次の溶接部品の把持搬送動作を行っている間に、搬送兼溶接ロボット17および溶接ロボット19は残りの打点位置に対してスポット溶接し、溶接完了後に搬送兼溶接ロボット17が、小物部品9を備えるドアインナパネル5を搬出パレット21に搬出する。
【0073】
一方、次に溶接作業を行う部品が、今回の溶接作業に適用したものと異なる場合、つまり他車種の部品の場合には、搬送ロボット1が、今まで連結していたテンプレート治具87を、図12に示してあるテンプレート治具置き台189の、図には示していないが、テンプレート治具を配置せずに空となっている位置に移動させ、チェンジャユニット91による連結状態を解除して放置する。その後、他車種対応のテンプレート治具87Aもしくはテンプレート治具87Bをチェンジャユニット91により搬送ロボット1に連結する。
【0074】
そして、この状態で、図3と同様に、小物部品セット台7にセットした他車種対応の小物部品を、テンプレート治具87Aもしくはテンプレート治具87Bによって把持し、続いて、ドアインナパネル置き台3に載置してある同様の他車種対応のドアインナパネルを把持する。その後は、スポット溶接工程11にて前記と同様にしてスポット溶接工程11側で上記の他車種対応のドアインナパネルを位置決め固定した状態で仮付け溶接を行う。
【0075】
ここで、図3に示した小物部品セット台7に他車種の小物部品をセットする際には、NCモータ43,49を適宜回転させて、受け駒31,33を、他車種に対応する、例えば第2のガードバー支持具55,57、第2の補強部材支持具67,69および第2のアウタウエスト支持具79,81を上部位置とし、他車種の小物部品をセット可能な状態とする。
【0076】
上記したように、本実施形態によれば、テンプレート治具87が、補助部品である小物部品9と本体部品であるドアインナパネル5とを同時に位置決め固定しつつ把持した状態で、組付工程であるスポット溶接工程11へ投入するので、小物部品9とドアインナパネル5を順次個別にスポット溶接工程11へ投入する場合に比較して部品投入時間を短縮化することができる。
【0077】
この際、本実施形態では、スポット溶接工程11にて治具を2台設けてその一方に対して部品を投入している間に他方に対して溶接を行うようにする必要がなく、このため設備費の増大を回避している。
【0078】
また、本実施形態では、テンプレート治具87が、小物部品9とドアインナパネル5とを同時に把持しつつスポット溶接工程11へ投入した状態で、小物部品9をテンプレート治具87が位置決めする一方、ドアインナパネル5をスポット溶接工程11に設けてあるロケート引き込み装置163,165によって位置決めするので、スポット溶接工程11側で小物部品9を位置決めする必要がない。
【0079】
このため、スポット溶接工程11側は、小物部品9を位置決めするための位置決め具が不要となって構造を簡素化することができる。スポット溶接工程11で小物部品9を位置決めしようとすると、小物部品9の下方にドアインナパネル5があるので、位置決め具の設置自体が困難を要し、極めて複雑な構造とならざるを得ない。
【0080】
また、本実施形態では、小物部品セット台7は、互いに異なる複数種の(車種毎に異なる)小物部品9をそれぞれ支持する受け駒31,33を補助部品支持具として備え、この各受け駒31,33は回転によって対応する車種の小物部品9を支持可能な位置に変位するので、異種の小物部品毎にセット台を設ける必要がなく、セット台の設置スペースを小さく抑えることができ、また該小物部品セット台を例えばドアパネル組立工程13の近くに設置することで、小物部品セット台7への小物部品9のセット作業とドアパネル組立工程13での作業を同一の作業者によって行うことが可能となる。
【0081】
また、上記した受け駒31,33は、回転軸35,37の外周部にその周方向に沿って配置されており、回転軸35,37をNCモータ43,49によって回転駆動することで、必要とする車種の小物部品に対応する支持具を、容易に小物部品のセットが可能な上部位置とすることができる。
【0082】
また、テンプレート治具87は、小物部品9を把持する補助部品把持具(クランプ装置109,121,127,ロケート引き込み装置103,105,107,123,125)とドアインナパネル5を把持する本体部品把持具(クランプ装置101,119,133)とをそれぞれ備えた把持具本体であるフレーム89を有して小物部品9およびドアインナパネル5の異なる種類毎に複数設けているので、製造車種を変更した場合に対応することができる。
【0083】
また、上記したフレーム89を、搬送ロボット1により着脱可能に連結保持するので、製造車種変更に対して容易に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態を示す部品投入装置の簡略化した全体構成図である。
【図2】ドアインナパネルおよび、ドアインナパネルのドアアウタパネル側に配置した3つの小物部品を示す平面図である。
【図3】小物部品セット台に小物部品がセットされた状態を示す斜視図である。
【図4】小物部品を把持しているテンプレート治具の平面図である。
【図5】図4の右側面図である。
【図6】図3のように小物部品セット台にセットされた小物部品に対し、テンプレート治具により位置決め保持した状態を示す斜視図である。
【図7】図4に対し、テンプレート治具によりドアインナパネルを把持した状態を示す平面図である。
【図8】図7の右側面図である。
【図9】図1のスポット溶接工程の詳細構造を示す平面図である。
【図10】図1のスポット溶接工程の正面図である。
【図11】図10の右側面図である。
【図12】図4に示したテンプレート治具とは別車種対応のテンプレート治具を配置しておくテンプレート治具置き台の斜視図である。
【図13】テンプレート治具をスポット溶接工程における治具位置決めポスト上に位置決め固定した状態を示す平面図である。
【図14】図13に対応する正面図である。
【図15】図13の右側面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 搬送ロボット(搬送手段)
3 ドアインナパネル置き台(本体部品配置部)
5 ドアインナパネル(ドアパネル,本体部品)
9 小物部品(補助部品)
7 小物部品セット台(補助部品配置部)
11 スポット溶接工程(組付工程)
25 ガードバー(小物部品)
27 補強部材(小物部品)
29 アウタウエスト(小物部品)
31,33 受け駒(補助部品支持具)
35,37 回転軸
87,87A,87B テンプレート治具(部品把持手段)
89 フレーム(把持具本体)
103,105,107,123,125 テンプレート治具のロケート引き込み装置(補助部品位置決め具,補助部品把持具)
163,165 スポット溶接工程のロケート引き込み装置(本体部品位置決め具)
109,121,127 テンプレート治具のクランプ装置(補助部品把持具)
101,119,133 テンプレート治具のクランプ装置(本体部品把持具)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品把持手段が、補助部品を把持した状態で、この補助部品が組み付けられる本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持した状態で、これら各部品相互を組み付ける組付工程へ投入することを特徴とする部品投入方法。
【請求項2】
前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持しつつ前記組付工程へ投入した状態で、前記補助部品を前記部品把持手段が位置決めする一方、前記本体部品を前記組付工程に設けてある本体部品位置決め具によって位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の部品投入方法。
【請求項3】
補助部品を配置する補助部品配置部と、前記補助部品が組み付けられる本体部品を配置する本体部品配置部と、前記補助部品配置部に配置された補助部品を把持した状態で、本体部品配置部に移動し、該本体部品配置部に配置された前記本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、これら各部品を同時に把持した状態で、各部品相互を組み付ける組付工程へ投入する部品把持手段とを有することを特徴とする部品投入装置。
【請求項4】
前記補助部品配置部は、互いに異なる複数種の前記補助部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を備え、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することを特徴とする請求項3に記載の部品投入装置。
【請求項5】
前記各補助部品支持具は、回転軸の外周部にその周方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項4に記載の部品投入装置。
【請求項6】
前記部品把持手段は、前記補助部品を位置決めする補助部品位置決め具を備える一方、前記組付工程は、前記本体部品を位置決めする本体部品位置決め具を備えていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【請求項7】
前記部品把持手段は、前記補助部品を把持する補助部品把持具と前記本体部品を把持する本体部品把持具とをそれぞれ備えた把持具本体を有して前記補助部品と前記本体部品の少なくとも一方の異なる種類毎に複数設けられ、これら複数の部品把持手段のうちの1つを搬送手段により前記把持具本体を介して着脱可能に連結保持することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【請求項8】
前記本体部品が自動車のドアパネルで、前記補助部品が前記ドアパネルに組み付けられる小物部品であることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【請求項1】
部品把持手段が、補助部品を把持した状態で、この補助部品が組み付けられる本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持した状態で、これら各部品相互を組み付ける組付工程へ投入することを特徴とする部品投入方法。
【請求項2】
前記部品把持手段が、前記補助部品および前記本体部品を同時に把持しつつ前記組付工程へ投入した状態で、前記補助部品を前記部品把持手段が位置決めする一方、前記本体部品を前記組付工程に設けてある本体部品位置決め具によって位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の部品投入方法。
【請求項3】
補助部品を配置する補助部品配置部と、前記補助部品が組み付けられる本体部品を配置する本体部品配置部と、前記補助部品配置部に配置された補助部品を把持した状態で、本体部品配置部に移動し、該本体部品配置部に配置された前記本体部品を、これら各部品相互を組み付け位置としつつ把持し、これら各部品を同時に把持した状態で、各部品相互を組み付ける組付工程へ投入する部品把持手段とを有することを特徴とする部品投入装置。
【請求項4】
前記補助部品配置部は、互いに異なる複数種の前記補助部品をそれぞれ支持する補助部品支持具を備え、この各補助部品支持具は回転によって対応する補助部品を支持可能な位置に変位することを特徴とする請求項3に記載の部品投入装置。
【請求項5】
前記各補助部品支持具は、回転軸の外周部にその周方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項4に記載の部品投入装置。
【請求項6】
前記部品把持手段は、前記補助部品を位置決めする補助部品位置決め具を備える一方、前記組付工程は、前記本体部品を位置決めする本体部品位置決め具を備えていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【請求項7】
前記部品把持手段は、前記補助部品を把持する補助部品把持具と前記本体部品を把持する本体部品把持具とをそれぞれ備えた把持具本体を有して前記補助部品と前記本体部品の少なくとも一方の異なる種類毎に複数設けられ、これら複数の部品把持手段のうちの1つを搬送手段により前記把持具本体を介して着脱可能に連結保持することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【請求項8】
前記本体部品が自動車のドアパネルで、前記補助部品が前記ドアパネルに組み付けられる小物部品であることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の部品投入装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−272882(P2008−272882A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119830(P2007−119830)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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