部品搭載機械
取り上げ位置において部品を取り上げると共に搭載位置において部品を設置するために配置される部品搭載ヘッドであって、前記取り上げおよび設置を可能にするために、鉛直方向に下方および上方に向けて移動可能な複数のノズルを備え、単一の部品を各ノズルで取り上げることと単一の部品を少なくとも2つの共通なノズルで取り上げることとを少なくとも含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される部品搭載ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアンドプレイス(pick and place)の技術が採用されている部品搭載機械と、搭載ヘッドと、部品搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板(PCB)のような基板、またはシステムインパッケージ(SiP)構成要素用の基板のような、基板上への部品のピックアンドプレイス搭載用機械は、搭載速度、搭載精度、サイズ、目的などの、様々な、しばしば相反する要求を受ける。「ピックアンドプレイス」という表現は、当業者であれば、搭載ヘッドが部品フィーダ(供給装置)領域に移動され、搭載ヘッドが、1つまたは2つ以上の部品フィーダから、1つまたは2つ以上の部品を取り上げ、その後、搭載ヘッドは搭載領域に移動されて、1つまたは複数の部品を基板上に設置するという、まさに搭載動作のことであることが理解されよう。従来技術の部品搭載機械の1つの主要な例が、添付された図の図1に示されている。この部品搭載機械は、機械フレーム1と、複数の部品フィーダを含み、機械フレーム1の部品フィーダ領域に配置される部品供給装置3と、機械フレーム1に取り付けられている第1梁部、またはX梁部7および第2直角梁部、またはY梁部9を有するガントリシステム5と、X梁部7に移動可能に取り付けられている搭載ヘッド11と、機械フレーム1に取り付けられている基板移送システム13と、を備える。部品供給装置3は、電子部品を搭載ヘッド11に供給する。基板移送システム13は、部品搭載機械のコンベヤラインと作業領域との間で基板を移送する。搭載ヘッド11は、X梁部7に沿って移動可能であり、X梁部は、Y梁部9に沿って移動可能である。それにより、ガントリシステム5は、搭載ヘッド11を、部品供給装置3と基板との間で移動することを可能にする。更に、搭載ヘッド11は鉛直方向において移動可能であり、また鉛直軸線回りの周りを回転することも可能である。搭載ヘッド11は吸引装置も含む。このため、吸引装置を起動することにより、部品供給装置3から電子部品を取り上げ、基板に移送し、基板上の正確な位置で電子部品を解放することが可能になる。取り上げから基板までの移送の間に、ビジョンセンタリング装置(視覚センタリング装置、センタリング視察装置、または画像認識装置)15を通過させ、取り上げられた部品の正確な位置を得る。
【0003】
部品供給装置3は、典型的には、大容量であることが所望され、つまり、装置内に多数の様々な部品リールを装填することが可能であるとされている。これは、部品供給装置に対して非常に大きな空間を要求する。更に、ガントリシステム及び搭載ヘッドは共に高速且つ正確であることが望ましい。従って、大規模なシステムは、より重量が重く、そのため、より強力なモータを必要とし、その結果、システムにおける、より大量の熱生成に繋がるため、可能な限り小規模なガントリシステムを有することが所望されている。この熱生成により、熱膨張による作用に何らかの形で対処しなくてはならないので、非常に正確なシステムを得ることが困難になる。
【0004】
一方では、伝統的なピックアンドプレイス機械では、ガントリシステムは、部品供給装置のすべての部分に届くことが可能なほど十分に大きいことが必要である。他の態様では、搭載ヘッドは、サイズ、形状、および重量において大きく異なる、すべての種類の部品を取り上げることが可能なように、時折、取り上げツールを変更しなくてはならないこともあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より汎用的且つ効率的なピックアンドプレイス動作を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、添付されている特許請求の範囲により画定される部品搭載ヘッドと、部品搭載機械と、方法と、により達成される。
【0007】
したがって、本発明の1つの態様によれば、部品を取り上げ位置において取り上げると共に部品を搭載位置において設置するために配置される部品搭載ヘッドが提供される。部品搭載ヘッドは、前記取り上げと設置を可能にするために鉛直方向に下方および上方に向けて移動可能な複数のノズルを備える。部品搭載ヘッドは、少なくとも単一の部品を各ノズルで取り上げることと単一の部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることとを少なくとも含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される。単一の部品を取り上げるために、2つ以上のノズルを使用する可能性もあるため、ノズルのサイズは、大きな部品を取り上げる前に交換する必要なく、小さな部品に適合可能である。従って、部品搭載ヘッドは、例えば、ノズルツールチップまたはノズルのような取り上げツールの変更が必要なく、サイズが大きく異なる部品を取り扱える機能を提供し、それにより、部品搭載機械のピックアンドプレイス動作を、より汎用的且つ効率的にする。
【0008】
本発明の例としての実施の形態が、付随する図面を参照して下記に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術の部品搭載機械を示している。
【図2】本発明の実施の形態に係る部品搭載動作の部分を模式的に例示している。
【図3】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態の模式的透視図である。
【図4】図3における搭載ヘッドの一部分の模式的断面図である。
【図5】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図6】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図7】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図8a】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8b】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8c】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8d】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図9】本発明に係る部品搭載機械の実施の形態の模式的透視図である。
【図10】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図11】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図12】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図13】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態の模式的透視図である。
【図14】更なる部品取り上げ状況を模式的に例示している。
【図15】更なる部品取り上げ状況を模式的に例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的は、より汎用的且つ効率的なピックアンドプレイス動作を可能にする解決策を提供することである。本目的は、添付されている特許請求の範囲で画定される部品搭載ヘッドと、部品搭載機械と、方法と、により達成される。
【0011】
本発明の柔軟且つ汎用的な部品搭載ヘッドは、少なくとも単一の部品を各ノズルで取り上げることおよび単一の部品を少なくとも2つのノズルで取り上げることを含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される。単一の部品を取り上げるために、2つ以上のノズルを使用する可能性もあるため、ノズルのサイズは、大きな部品を取り上げる前に交換する必要なく、小さな部品に適合可能である。従って、部品搭載ヘッドは、例えば、ノズルツールチップまたはノズルのような取り上げツールの変更が必要なく、様々なサイズの部品を取り扱える機能を提供し、それにより、部品搭載機械のピックアンドプレイス動作を、機械の全体の歩留まりを増大することにより、汎用的動作のために、より柔軟且つ効率的にする。
【0012】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、ノズルチップ衝撃検出器が、表面に対するノズルチップの衝撃を検出するために配置され、ここにおいてノズルチップはノズルの底端部である。
【0013】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドはノズルホルダを備え、ノズルホルダは鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含み、ノズルチップ衝撃検出器がノズルガイドに取り付けられて、ノズルガイドに対するノズルの移動を検出する。
【0014】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは更に、各ノズルチップの鉛直方向の位置を検出するために配置されるノズルチップ位置検出器を備え、ここにおいて、ノズルチップはノズルの底端部である。
【0015】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは更に、少なくとも2つのノズルから構成されている、単一の部品を取り上げるための、少なくとも1つのノズル群のノズルを同期するためのノズル群同期装置を備える。例えば、ノズルの鉛直方向の移動、または部品の表面までの距離に関してノズルが完全には同期されていないこと、または、表面が完全な平面ではないということも起こり得る。そのため、ノズル群同期装置は有利である。
【0016】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、同期を取る1つの方法は、各ノズルの個々の鉛直移動サーボモータと、サーボモータを制御するサーボコントローラによる方法である。
【0017】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは、鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、ノズルは、非起動位置と起動位置とのいずれかに保持され、非起動位置の場合は、ノズルは、ノズルガイドの座部に対してバネにより下方に向けて付勢される。そのため、バネによる付勢は、ノズルを下方に向けてノズルガイドに追従させ、部品の表面に衝撃を与えるときは、バネの付勢により、ノズルが引き続き下方に向けて移動する場合は、ノズルをノズルガイドから後退させることが可能であり、それにより、ノズルの損傷の危険性が解消される。
【0018】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは部品把持ツールを備え、部品把持ツールは複数のノズルチップに取り付けられ、ノズルチップが部品把持ツールに取り付けられているノズルを制御することにより、鉛直方向の移動と把持動作との制御が可能である。この把持ツールは、吸引ノズルで取り上げるには適切ではない不揃いな形状を有する部品を取り上げるために有効である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、取り上げ位置において部品を取り上げ、搭載位置において部品を設置するために配置される搭載ヘッドのノズルを制御する方法が提供され、この方法は、前記取り上げおよび設置を行うためにノズルを鉛直方向に下方および上方に向けて移動させ、それにより、単一部品を1つのノズルで取り上げることおよび単一部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることを含む、1つまたは2つ以上の複数の取り上げ動作を行う段階を含む。
【0020】
当該方法の実施の形態によれば、当該方法は、部品の取り上げを行った後に、搭載ヘッドを回転する段階と、ビジョンセンタリング装置を、搭載位置への移動中に通過させる段階と、を含む。これは、幾つかの部品が一直線に沿って取り上げられたときに特に有利である。搭載ヘッドを回転することにより、部品を、並列的にではなく直列的にビジョンセンタリング装置を通過させて移動可能である。
【0021】
本発明の更なる態様によれば、部品搭載機械であって、部品フィーダ領域と、部品搭載機械の作業領域内の、略固定位置に基板を保持するために配置される基板移送システムと、上記に定義した部品搭載ヘッドと、搭載ヘッドを支え、部品の取り上げおよび設置動作を行うために搭載ヘッドを移動するために配置されるガントリシステムと、を備える部品搭載機械が提供される。
【0022】
本発明の更なる目的と利点は、例としての実施の形態により下記において検討される。
【0023】
図3を参照すると、部品搭載ヘッド300の実施の形態は、搭載ヘッド本体部301と、搭載ヘッド本体部301に回転可能に取り付けられている真空コントローラ303と、真空コントローラ303に取り付けられているノズル選択部307および鉛直移動可能フレーム要素311により回転可能に支えられるノズルガイド309を備える回転可能ノズルホルダ305と、ノズルホルダ305により保持される複数のノズル313と、を備える。ノズルガイド309はフレーム要素311により鉛直方向に移動可能であるが、ノズル選択部307は鉛直方向に固定されている。
【0024】
図4から明白なように、ノズルは、ノズルガイド309における孔を通して延伸している。各ノズル313の上端部はノズル選択部307内に挿入されている。各ノズル313には、ノズル選択部307の底部表面317と、ノズルを囲み、ノズル選択部307の底部表面とノズルガイド309の上部表面の間に位置しているフランジ321により設けられているバネ座部319の間で延伸しているバネ315が設けられている。ノズル313はバネ315により、ノズルガイド309に向けてバネにより付勢されて、ノズルガイド309の座部に対してのバネによる付勢と見なすことが可能である。非起動状態においては、ノズル313はノズル選択部307により保持されている。起動状態においては、ノズル313はノズル選択部307から解放される。従って、ノズルガイド309を下方に向けて移動するときは、図4における最左端のノズルのような非起動状態のノズルはノズル選択部307により保持されているが、起動状態のノズル313は、下方に向けてノズルガイド309に追従する。このノズルの移動は、実際は、重力のみで引き起こされるが、ノズルがスタック(動けなくなること)しないこと確実にするために、バネの付勢によりノズル313を同じ方向に移動させる。更に、部品搭載ヘッド300は、典型的には、部品327の上部表面である表面に対するノズチップの衝撃を検出するために配置される衝撃検出器323を備える。この実施の形態においては、衝撃検出器はノズル移動検出器323であり、例えば、前記フランジ321、またはノズルガイド309に搭載される。各ノズル313は、その底端部を具現化しているノズルチップまたはツールチップ325を有する。ツールチップ325は交換可能であり、典型的には、摩耗したときに交換される。部品の取り上げが開始すると、鉛直移動可能なフレーム要素311は上方位置にあって、そこにおいて、ノズル313がノズル選択部307を使用して選択される。部品の取り上げのための鉛直方向の移動の前に、ノズルホルダ305は所望の角度に回転される。そして、使用されるノズルはノズル選択部307を使用して鉛直方向に解放される。選択されたノズルは、解放されたノズル313をノズルガイド309上に下方に向けて移動させる個々のノズルバネ315により、移動可能なフレーム要素、またはZ−フレーム311の鉛直方向の移動に追動する。Z−フレームが下方に移動すると、移動検出器323は、ノズル313とノズルガイド309の間の相対移動として、いずれかのノズル313が停止されたかを感知する。Z−フレーム311の下方に向けての移動は、1つまたは2つ以上のノズル313が部品(または複数の部品)327を上昇させるために使用されることが決定されたかにより、1つまたは2つ以上のノズル313が部品327と機械的に接触すると停止される。ノズルが停止されると、真空コントローラ303に含まれている関係する真空弁が起動し、1つまたは2つ以上の部品が、1つまたは2つ以上のノズル上に吸引される。複数の部品を取り上げることは、同時に、または別のシーケンスで行うことが可能である。1つの部品327を取り上げることは、1つまたは2つ以上のノズルを使用して行うことが可能であり、ノズル群同期装置により同期可能である。取り上げが行われると、部品搭載ヘッド300は、例えばPCB329のような基板の上方の設置領域に水平に移動されて、すべての部品が鉛直方向に上昇される。この移動の間に、図2に示されているビジョンセンタリング装置203のようなセンタリング装置が、取り上げられた部品の位置を検出して、各部品の正確な搭載位置を得る。搭載は、取り上げと類似した方法で行われる。上方位置においては、使用されるノズルが選択され、PCB329上への下方に向けての鉛直移動の前に回転される。部品327がPCB329と接触すると、真空コントローラ303の真空弁は起動が停止されて、部品327はPCB329上に解放される。
【0025】
この複数ノズル搭載ヘッド300により、複数のノズル313を、取り扱う部品ごとに使用可能である。これにより、小さな部品から大きな部品までの広い範囲の部品を取り扱うために必要な互いに異なるツールチップ325の数が減少される。通常は、ツールチップのサイズは、部品のサイズに整合していることが必要である。単一のノズルで大きな部品を取り扱うときは、ツールチップは、十分な真空力と十分に大きな接触領域を得るためのサイズが必要である。真空力は、部品を移動且つ回転可能にするために必要である。支持領域は、大きな力により、部品が傾斜して吸引が解消される危険性なしに安定した鉛直方向の移動を得るために必要である。ツールチップは大きすぎてはいけなく、それは、小さな部品を取り扱うのに大きなツールチップを使用すると、部品が、ツールチップの真空孔に部分的に入り込む危険性があり、これは、機械による部品の正確な設置を阻害する可能性がある。ツールチップの変更は、ピックアンドプレイス機械においては時間がかかり、そのため、ツールチップの変更は、機械の搭載速度を減少させる。PCB上にすべての部品を設置することを可能にするために多数の互いに異なるツールチップが必要なときは、ツールチップの変更は、設置のための余分なツールチップのコストを追加することになる。そこで、必要なツール数を減少させて、それにより、必要なツール変更を減少させることは、搭載速度の上昇とコスト削減の両者に対して重要である。
【0026】
本発明によれば、大きなツールチップを使用する代わりに、小さなツールチップを有する2つまたは3つ以上のノズルを使用可能である。多数の小さなツールチップを使用することにより、真空および支持領域は、より大きなツールチップを有する1つのノズルと同等になる。ノズル群で単一の部品を取り上げることは、ノズル群同期装置で同期可能である。
【0027】
より短い時間で、より多くの部品を設置するためのピックアンドプレイス部品搭載機械を得るために、複数のノズルを使用可能である。複数のノズルを使用することにより、複数の部品を、部品の取り上げから、ビジョンセンタリング装置の通過、および部品の設置までのすべてのサイクルにおいてピックアンドプレイスを行うことが可能である。1サイクル当たりに複数の部品を取り扱うことにより、各部品に対して消費される時間は削減され、そのため、機械は部品をより高速に搭載することになる。取り上げの間に複数のノズルを使用するときは、部品を最も高速で取り上げる方法は、すべてのノズルで同時に取り上げることであり、以降このことを複数取り上げと呼ぶ。複数取り上げを行うことを可能にするためには、供給装置におけるノズルと部品の間の間隔が実質的に同じであることが必要であり、部品供給装置における搭載ヘッドノズル及び部品に対するラインの向きが、実質的に同じであることが必要である。従来は、複数取り上げのために配置された多数の搭載ヘッドノズルを有し、ラインセンサビジョン装置を使用するときは、ラインセンサは、取り上げられたすべての部品の外形を捕捉するために十分な長さを有する必要があった。これは、部品供給装置における部品のラインの向きが、部品供給装置からPCBへの好適な移動方向に直交しているからである。長いラインセンサを有することは、コストがかかり大きな空間を必要とする。本発明によれば、ノズルの配置間隔を最小限にすることが可能であり、個々のノズルのすべてが別々の回転機構を必要としないため、空間の節約となる。他の利点は、ビジョンセンタリング装置におけるラインセンサの向きに対して直交する方向に向けられているノズルを回転する可能性である。この向きであると、ビジョンセンタリング装置を通過させるときに、すべての部品の外形を捕捉するために必要なラインセンサの長さが最小限になり、または、今日の部品搭載機械において可能な汎用的動作よりも、より汎用的な動作のために最適化され、スペースの節約になり、装置のコスト削減になる。また、この向きを使用するときは、ビジョンセンタリング装置により使用される光レベル(光の高さ)は、すべての部品に対して個々に調整可能であり、従って、より柔軟性があり、より汎用的な部品搭載機械のピックアンドプレイス動作にも貢献する。これは図2に例示されており、図2において、搭載ヘッド201は取り上げ位置207において幾つかの部品を取り上げて並べ、ビジョンセンタリング装置203を通過する前に90度回転し、PCB205に向かう途中の回転位置においてビジョンセンタリング装置を通過し、PCB205において各部品を搭載位置209に設置する。これは、取り上げられた部品が、ビジョンセンタリング装置を平行にではなく、直列に通過することを意味している。
【0028】
回転機構を共有する利点は、より大きなスペースが搭載ヘッドに生じ、コストが削減されることである。これらの自由になった財源は、高い正確性と性能を達成するために使用可能である。例えば、
・回転位置エンコーダの、より高い解像度、
・機械的な遊びを回避するための、予荷重(pre load)を有する大きな回転軸受、
・回転を行うより大きなモータとギア。
【0029】
まとめると、複数ノズル搭載ヘッドは1種類の回転移動のみを有し、すべてのノズルは同じ軸線の周りを回転し、ノズルの個々の回転移動はないということになる。
【0030】
ノズルの鉛直移動は、下記により実現される。
・個々のアクチュエータ。
・ノズル選択部と組み合わせられた共通移動アクチュエータ。
・個々の移動アクチュエータと共通移動動アクチュエータの組み合わせ。
【0031】
従来は、狭い間隔で配置される多数のノズルを有する複数ノズル搭載ヘッドは、高速且つ限られた正確性で小さい部品を搭載するのに適していた。上述したように、複数ノズル搭載ヘッドは、高い正確性で大きい部品を設置するためにも使用可能である。
【0032】
部品の取り上げおよび設置に複数のノズルを利用するときは、使用するノズルの高さのバラツキが小さいことが重要である。ノズルの高さに大きいバラツキがあると、ノズルと部品の間の吸引力は小さくなる。
【0033】
図5を参照すると、ノズルの高さのバラツキがあり、つまり、ノズル325が、ある不正確性のために互いに異なる高さに移動されており、ノズル325と部品327の間の空気の漏洩の原因となる可能性があり、また、ノズル325と部品327との間の接触面積も減少させる可能性があるが、これは、ノズル表面と部品表面との間に角度エラーがあるおそれがあるからである。最悪の場合、部品327は搭載される前に落下、または部品327を取り上げることが不可能になる。これらのマイナスの影響を最小限にするために、ノズルの長さと使用されるツールチップの機械的許容範囲は、機械的なノズルの同期を提供するノズル群同期装置を使用するときは大きくなければならない。サーボ機構により同期されたノズル移動を利用するときは、サーボコントローラは、高い正確性で動作されなければならない。サーボ機構により同期されたノズル移動は、ノズルまたは部品の上部表面の間のいかなる機械的な差にも適合可能であり、これは、ノズルの機械的同期と比較すると利点である。サーボ同期により、個々のノズル長、様々な高さを有する上部表面を有する部品、および様々長さのツールチップの補填が可能であり、また、ツールチップの摩耗の補填も可能である。ツールチップを含むノズルは、ツールチップの変更の間に調整可能であり、いかなる差も、同期されたピックアンドプレイスを行うときに補填可能である。サーボ同期は、例えば、図13に模式的に例示されているように、個々のノズル1303に、鉛直移動用の個々のサーボモータ1305を提供し、サーボモータ1305を制御するサーボコントローラ1307を提供することにより得られる。サーボモータ1305は、鉛直方向に固定されているが依然として回転可能なノズルガイド1309上方のどこかで搭載ヘッドの適切な位置に配置される。この実施の形態においては、典型例として上述したノズルチップ衝撃検出器が、ノズル動作の停止への到達を検出するために配置される。例えば、サーボモータ1305におけるブレーキングトルクの突然の増大が検出可能であり、ノズル移動のまさに停止、または、サーボモータ1305を駆動しながらのモータの出力軸の回転の停止が検出可能である。
【0034】
更に、ノズル移動の制御を増大し、異常な状況を検出するための手段を提供するために、ノズルチップ位置検出器1313が、各ノズルチップの鉛直方向の位置を検出するために配置される。ノズルチップ位置検出器は、搭載ヘッドのすべての実施の形態において有益である。例えば、様々な高さの部品表面部分の場合、これらの高さは予めプログラム可能であり、それにより、すべてのノズルがそれぞれの表面部分に到達したこと、および正確な表面部分に到達したとの正確な判断がますます確実になる。更に、位置検出器により、ノズル(または複数のノズル)を部品(または複数の部品)と接触させるために移動させる動作速度を高めることが可能であり、これは、部品から遠い距離にあるときはより速く、そして、部品に接近したときは速度を落とすように移動を多様化可能であるためである。更なる例として、サーボモータとサーボコントローラを使用する実施の形態に対しては、サーボコントローラを、ノズルチップ位置検出器1313からの入力により、少なくとも2つのノズルチップを互いに整列するために配置可能である。
【0035】
ここで図6を参照すると、ノズル同期の他の方法は、複数のノズル用に製作されたツールチップを有することであり、この方法により、複数のノズルは、共通のツールチップを介して同期される。このようにして、例えば、2つのノズル601は、2対1ツールチップ(two−to−one tooltip)603、つまり、組み合わされたノズル601よりも大きい直径の出力ノズルを有する、ある種のY結合器により組み合わされる。従って、部品607は、単一であるが、2つの組み合わされたノズル601により保持される場合よりも大きいノズル605により保持される。
【0036】
図7を参照すると、不揃いな形状の部品のピックアンドプレイスを行うために、把持ツール703が必要な場合もある。複数のノズル701を、サーボ制御同期で使用するときは、幾つかのノズルを使用して把持機構を制御することが可能である。例えば、3つの整列されたノズル701が把持ツール703と共に使用され、把持ツール703は、側部から部品707を把持する2つの爪状部705を有し、2つの外部ノズル701を上昇および降下させることにより動作される。
【0037】
図8a〜8dに例示されているように、把持ツールを使用して、ノズルの個々に制御された鉛直移動により部品を取り上げるときに行われるシーケンスは下記の通りである。
1.ツールを開く。2つの側部ノズル801と803が、中間ノズル802に対して下方に移動され、この相対的な移動により、把持ツールの爪状部805を開く。
2.下方に移動させる。それにより、3つすべてのノズルは、部品807を把持可能な高さまで、同期して下方に移動される。
3.ツールを閉じる。側部ノズル801と803は、部品807が爪状部805で把持されるまで、中間ノズル802に対して上方に移動される。部品807を保持するために、側部ノズル801と803は継続的に上方に向けて力を加えられ、それにより、把持力が部品807の側部上に加えられる。この工程の間、中間ノズル802は静止状態で保持される。
4.部品と共に上方へ移動する。3つすべてのノズル801、802、および803は同期して上方に移動される。把持力を部品807上に保つために、側部ノズル801と803は依然として中間ノズル802に対して上方に向けて力を加えられる。
【0038】
部品搭載ヘッドの他の実施の形態によれば、図14と15に示されているように、部品搭載ヘッドは不均一な上部表面を有する部品を取り上げるために配置される。これは、互いに異なるノズルが、相当に異なる高さで部品に係合することを意味する。上記の実施の形態に対応して、そして、図14に示されているように、搭載ヘッドは、回転可能なノズルホルダ1405と、ノズルホルダ1405により保持されている複数のバネ付勢ノズル1411を備える。その結果、ノズルホルダ1405は、鉛直方向に固定されているノズル選択部1407と、鉛直移動可能なノズルガイド1409を備える。
【0039】
第1の例においては、部品1415は第1平面状下部表面部分1417と、第2上部平面状表面部分1421と、下部平面状表面部分1417から上部平面状表面部分1421に延伸している第3傾斜表面部分1419を有する。部品の長さは、第1、第2、および第3ノズル1423、1425、および1427を含み、第1、第2、および第3ノズル1423、1425、および1427は取り上げ位置に位置しているときは、表面部分1417、1419、および1421それぞれの上に配置される。部品1415を取り上げるために、第1ノズル1423と第3ノズル1427はノズル選択部1407から解放されて、起動状態になる。
【0040】
機械が、良好な把持を困難にする傾斜表面のために、第2ノズル1425を起動すべきでないことを認識するためには、異なる解決策がある。1つの解決策は、何らかの方法で機械内にプログラムされているパッケージデータの中の、部品の形状に関するデータを使用することである。ユーザーは、パッケージの平面状表面をパッケージデータの一部として示す。
【0041】
従って、ノズルガイド1409を下方に移動するときは、非起動状態である第2ノズル1425はノズル選択部1407により保持され、起動状態にある第1および第3ノズル1423、1427は、高さが異なるので時間も異なるが、それぞれの平面状表面部分1417、1421に係合するまで、下方に向けてノズルガイド1409に追従する。そして、第1および第3ノズル1423、1425は、互いに対しての高さの位置を確実にするために、ノズルガイド1409に関して固定される。最終的に、部品1415は、ノズルガイド1409を上方に移動させることにより上昇される。
【0042】
第2の例においては、図15に示されているように、部品1430は、第1ノズル1423を含む、第1の、より小さい表面部分1431と、第2および第3ノズル1425、1427を含む、第2の、より大きい表面部分1432の段差がある表面を有する。部品1430が取り上げられるときは、3つのすべてのノズル1423、1425、および1427は解放され、ノズルガイドは、3つのノズルすべてが部品1430の上部表面に係合するまで降下される。そして部品は上述したように上昇されて、設置される。
【0043】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、図9〜12に示されているように、部品搭載機械901は、機械フレーム903と、移動ガントリシステム905と、機械フレーム903に取り付けられている固定細長部品供給装置907と、を備える。ガントリシステム905は、直線状ガイド909aおよび909b上で機械フレーム903により支えられ、直線状ガイド909aおよび909b上でガントリシステム905は、X方向、つまり、部品供給装置907の長さに沿って移動可能である。このように、ガントリシステム903は、第1端部、または機械フレーム903の基板受入れ端部911と、反対側の第2端部、または、機械フレーム903の基板受渡し端部913の間で移動可能である。この実施の形態においては、ガントリの移動は、ボールネジ917、ボールアセンブリ919、およびモータ921を備えるガントリシステム移動装置915により実現される。ガントリの移動は、リニアモータ、ラックおよびピニオン、ベルト駆動装置などの他のタイプの駆動機構によっても実現可能である。
【0044】
図12は、ガントリシステムと部品供給装置との詳細図を示している。ガントリシステム905には、カメラ1209および搭載ヘッド1207があり、この両者は、互いには固定された関係を有しているが、XおよびY方向に移動可能である。カメラ1209と搭載ヘッド1207とのXおよびY方向の移動は、XおよびY梁部1203および1205を使用して実現される。Y梁部1205はガントリシステム905の天井部に取り付けられており、移動可能ではない。Y梁部の下に、例えば直線状ガイドを使用して、X梁部が取り付けられている。X梁部1203はY方向、つまり、Y梁部1205に沿って、例えば、リニアモータにより移動可能である。X梁部1203の前部側には、カメラ1209および搭載ヘッド1207を支えるXワゴン1208が、例えば、直線状ガイドを使用して取り付けられている。Xワゴンは、例えば、リニアモータを使用して、X方向に移動可能である。直線状ガイドとリニアモータの代わりに、ボールネジと回転モータを使用することも可能である。XおよびY方向の移動は同時に行うことができ、それにより、X−Y平面の任意の方向における搭載ヘッド1207の移動が得られるということに留意されたい。
【0045】
供給装置907は供給バンク1221を保持し、部品ポケット1215に位置している、電子部品1213を含むキャリアテープ1211の装填を可能にする。キャリアテープ1211はまた、キャリアテープ1211、ひいてはその中の部品1213をY方向に移動するために使用されるステアリング孔1217も含み、それにより、部品は搭載ヘッド1207により取り上げ可能である。カメラ1209は、XおよびY方向に対して垂直なZ方向で下方を向いており、PCB上の基準マークの位置を突き止めるために使用され、また、基準マーク1219および部品1213のような、部品供給装置における物体の位置を突き止めるためにも使用される。
【0046】
部品搭載機械の動作例として、ここにおいて、3つのガントリシステムの位置、つまり、部品の搭載を行うためにガントリシステムを停止する位置が、部品供給装置907により提供されるすべての部品のいずれか1つの取り上げを可能にするために、部品供給装置907のすべての部分に到達する必要がある場合の、部品搭載機械901の動作シーケンスを以下に記述する。当然に、他の数の停止位置に対しても類似のシーケンスを適用可能である。
1.ガントリは、最左端のガントリシステム位置1aに移動される。
2.位置4aのPCB1107は、入ってくるコンベヤ1102から、基板受入れ端911において基板受入れ位置で受け取られ、基板移送システム1105により、入ってくるコンベヤ1102における移送ベルトと、基板移送システム1105の内部コンベヤを使用して、位置4bまで、ガントリシステム905の作業領域内に移送される。
3.ガントリシステム905内のPCBの正確な位置は、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209により決定される。
4.部品供給装置907の第1部分6aの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
5.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置907の第1部分6aからPCB1107に移送する。
6.ガントリシステム905は、PCB1107とガントリシステム905の間の相対位置を変化させない方法で、ガントリシステム移動装置915により第2ガントリシステム位置1bに移動される。
7.部品供給装置の第2部分6bの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
8.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置の第2部分6bからPCB1107に移送する。
9.ガントリシステム905は、PCB1107とガントリシステム905の間の相対位置を変化させない方法で、第3部分1cに移動される。
10.部品供給装置907の第3部分6cの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
11.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置907の第3部分6cからPCB1107に移送する。
12.ガントリシステム905内の位置4bのPCB1107は、基板移送システム1105により、内部コンベヤにおける移送ベルトと、外に出て行くコンベヤを使用して、内部コンベヤ1105から、部品搭載機械901の基板受渡し端913における基板受渡し位置において外に出て行く外部コンベヤ1103へ、そして、作業領域の外側の位置4cに移送される。
【0047】
移動するガントリの発明は、ガントリシステムの相反する必要条件、つまり、高速、正確、大容量のフィーダ、およびコスト効率のよい構成という必要条件を、ガントリシステム全体を移動可能し、それにより、ガントリシステムを、部品供給装置の互いに異なる部分間で移動可能にすることで解決する。ガントリシステム全体の移動は高度に正確である必要はなく、高度に高速である必要もない。これにより、ガントリ移動機構は、部品供給装置全体に到達可能なために十分な程度に大きいガントリから構成されている従来の解決策よりもはるかにコスト効率がよくなる。
【0048】
上述の部品搭載機械の動作シーケンスのステップ4、7および10において、部品供給装置907の現在アクセス可能な部分は、ガントリシステム905に関して位置を突き止める必要がある。この関係を決定するためには幾つかの可能性がある。
1.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、フィーダバンク1221上の基準マークの位置を突き止める。
2.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、フィーダバンク1221における個々のフィーダ1223上の基準マーク1219の位置を突き止める。方法1と比べての相違は、基準マークとキャリアテープとの間に1対1の対応があることである。この場合、基準マークとしてステアリング孔1217を使用してもよい。
3.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、部品キャリアテープ1211における部品ポケット1215の位置を突き止める。
4.十分に正確な機械的停止機構を使用する。
5.リニアスケール(等分目盛)を使用して、移動可能なガントリの停止位置を決定する。
6.移動可能なガントリの停止位置を決定するための、ガントリの駆動機構に接続されている回転位置センサ。
【0049】
Xワゴンに取り付けられているカメラを使用する最初の3つの方法は、そのようなカメラが、部品が設置されるPCB上の基準マークの位置を突き止めるために、いずれにしても必要なので、コストが低いという利点がある。第1の方法の利点は、方法2および方法3と比較して、部品フィーダまたは部品リール上に、いかなる機械ビジョン認識可能部分を必要としないということである。これにより、機械が多くの様々な非標準タイプのフィーダを取り扱うことが想定されているときは、第1の方法は好適となる。他方では、基準マーク用に、フィーダバンク上にスペースを設けることは不便である場合があり、その場合は、方法2または3が好適となる。
【0050】
方法4、5および6は、最初の3つの方法と比べて、移動可能なガントリが停止した後に、画像取得のための追加的な時間は必要ないという利点がある。他方では、方法4、5および6は、最初の3つの方法に比べて追加的なハードウェアを必要とし、それにより、最初の3つの方法は、コスト的に有利であり得る。機械的停止機構は2つの目的を有することが可能である。それは、正確な停止位置を決定すること、および/またはガントリの位置を固定状態に保つことである。機械的停止機構は、下記のいずれかにより実現可能である。
1.部分が共に移動されるときに、他方に対して相互結合を作成する任意の形状を有する移動部分。
2.一方向においてのみ停止部として作用し、駆動機構を使用して、ガントリをこの停止部に固定した状態に保つ移動可能機械的部分。
3.従来のブレーキとして設計される摩擦に基づく停止機構と、正確な位置を決定するための位置センサ。
【0051】
ビジョンセンタリング装置(203、図2)は、移動可能ガントリに関して様々なやり方で配置可能である。
1.ビジョンセンタリング装置は、移動可能ガントリモジュールにおいて強固に取り付け可能である。
2.ビジョンセンタリング装置1227は、移動可能ガントリモジュールとは独立してX方向に移動可能である。
3.ビジョンセンタリング装置は、フィーダバンクに関して固定位置にある。この場合は、2台以上のビジョンセンタリング装置が、良好な搭載速度を得るためには典型的に必要である。
【0052】
内部コンベヤ(1105、図11)は、移動可能ガントリの一部としての、短く、移動可能なコンベヤか、またはフィーダバンクに関して固定されている長いコンベヤのいずれかであることが可能である。内部コンベヤが固定されているときは、入ってくるPCBを取得することができると共に外に出て行くPCBを出すことができるように十分長くなくてはならない。移動可能な内部コンベヤと、固定された内部コンベヤを有することの主な相違は下記の通りである。
1.固定された内部コンベヤは、より大きいことが必要であり、従って、コスト効果が低い解決策である。
2.固定コンベヤでは、PCBをクランプ(締付)して位置を突き止めることを数回行う必要があり、これは遅い動作であり、従って、時間を消費する。
3.固定コンベヤでは、移動可能ガントリよりも長いPCB上に部品を搭載可能である。
4.固定コンベヤでは、いわゆるデュアルレーン(Dual Lane)コンベヤを利用可能である。デュアルレーンコンベヤは、基板切替え時間を削減するために2つの別々のレーンを有している。
【0053】
基本的な移動ガントリの発明は、時間を節約し、従って、機械の処理量を増大するために幾つかのやり方で改良可能である。幾つかの例は、下記の通りである。
1.共通の状況は、ガントリが1つの停止位置から次の停止位置に移動するときに、搭載ヘッドは、様々なフィーダバンクが様々なタイプの部品を含む可能性があり、そのため、信頼性のある取り上げには様々な搭載ツールが必要であるために、1つまたは2つ以上の搭載ツールを交換する必要があるということである。この状況においては、搭載ツールの変更は、移動可能ガントリが、次の停止位置に移動するときに同時に行うことが可能である。
2.フィーダバンク上の基準マークまたは参照マークを、移動可能ガントリの正確な停止位置を決定するために解析することが必要なときは、ガントリのXY軸は、移動可能ガントリと同時に移動可能である。XY軸は、移動可能ガントリが停止したときに、搭載ヘッドに取り付けられているカメラが既に基準または参照マーク上にセンタリングされているような位置に移動される。更に、カメラが、最大の光強度に到達する前にウォームアップする必要がある照明ユニット(白熱電球のような)を有しているときは、この照明ユニットを、移動可能ガントリが停止する前に起動可能である。
3.最後の部品が、ある停止位置においてフィーダバンクから取り上げられると、ガントリは即座に次の停止位置に向けて移動を開始可能である。同時に、搭載ヘッドは、最後の部品(あるいは複数の部品)をセンタリングカメラに移送し、そして部品をPCB上に設置する。従って、移動可能ガントリは、XYZ軸が移動するのと同時に移動するので時間が節約される。
4.移動可能ガントリが、移動可能ガントリの停止位置を決定するために、上記の方法4、5または6を使用していると、または、移動可能ガントリの移動を、停止位置を決定するための、後続の時間がかかる工程なしに可能にする他のある方法を使用していると、すべてのフィーダ位置に到達するために厳密に必要な回数よりも多くの回数だけ、移動可能ガントリを移動可能である。例えば、上記の図11において、移動可能ガントリは、要求されている3つの位置の代わりに、7つの異なる位置で停止可能である。この利点は、機械が部品のセンタリングおよび/または部品をPCB上に設置することで手一杯の間に、小さい移動がときどき発生し得るということであり、それにより、この小さい移動を実質的に「自由」に、つまり、PCB上にすべての部品を搭載することを完了するために必要な時間に加えられないということである。もちろん、これらの小さな移動は、搭載ヘッドのアクセスを、適切な時間にフィーダバンクの必要な部分に与えるために、搭載シーケンスの間の適切な時間に起こす必要がある。最適化ソフトウェアが、どのように、およびいつ、小さい移動可能ガントリの移動を搭載シーケンスに挿入するかを計算するときに好適に使用される。
【0054】
上記から明白なように、一般的には、部品搭載機械は、機械フレームと、機械フレームにより提供される細長部品フィーダ領域と、部品搭載機械を通して、基板受入れ位置から基板受渡し位置まで、部品が基板上に搭載される部品搭載機械の作業領域内の少なくとも1つの所定の位置に基板を停止させながら基板を移送するために配置される基板移送システムと、を備える。機械は更に、前記部品フィーダ領域において部品を取り上げて、基板上に部品を設置するために配置され、第1軸と第1軸に直角な第2軸とに沿って移動可能な搭載ヘッドと、機械フレームにより移動可能に支えられ、搭載ヘッドを支えているガントリシステムと、も備え、ガントリシステムは、搭載ヘッドを前記第1および第2軸に沿って移動させることを含む、部品の取り上げおよび設置を行う搭載ヘッドを動作させるために配置される。更に機械は、機械フレームに取り付けられ、かつガントリシステムを、前記第1軸に平行な第3軸に沿う異なるガントリシステムの位置同士の間でガントリシステムを移動するために配置され、それにより、フィーダ領域に沿うガントリシステムの移動を提供するガントリシステム移動装置と、ガントリシステム位置決め装置と、を備える。前記ガントリシステムの搭載ヘッド移動範囲は、部品フィーダ領域の部分をカバーし、ガントリシステムの位置は、フィーダ領域の異なる部分が搭載ヘッドによってアクセス可能になるように選択され、ガントリシステムと基板との間の相互の位置関係は、異なるガントリシステムの位置において維持される。ガントリシステムをフィーダ領域の長さよりも短くし、ガントリシステム移動装置を設けることにより、多数の部品フィーダを格納するという大規模機械の利点を有することになり、更に、相対的に小さな質量且つ小さいサイズのガントリシステムであるという、小規模機械の利点も依然として有している。
【0055】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ガントリシステム位置決め装置はビジョンユニットを備える。
【0056】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ガントリ位置決め装置は、フィーダ領域内に設けられている基準マークを備え、ビジョンユニットは搭載ヘッドに取り付けられ、ガントリシステムは、ビジョンユニットによって基準マークの位置を特定することにより、ガントリシステムの位置に位置決めするために配置される。基準マークは、フィーダを保持するために配置されるバンクフィーダバンク上、またはフィーダ上のような、フィーダ領域内の任意の適切な部分に配置可能である。
【0057】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ビジョンユニットは搭載ヘッドに取り付けられ、部品は、部品キャリアテープの部品ポケットにおいて提供され、部品キャリアテープはフィーダ領域において提供され、部品搭載機械は、ビジョンユニットにより部品ポケットの位置を突き止めるために配置される。
【0058】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、システム位置決め装置は、機械的停止機構のような停止機能を達成するための様々な種類の手段、またはガントリシステムの位置を決定するために配置されるリニアスケールおよびリニアスケール検出器、またはガントリシステム移動装置に接続され、ガントリシステムの位置を決定するために配置される回転位置センサを備える。
【0059】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、ガントリシステムはビジョンセンタリング装置を備え、ビジョンセンタリング装置は固定位置に取り付けられている。
【0060】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、部品搭載機械は、前記第3軸に平行な移動のために、機械フレームに移動可能に取り付けられているビジョンセンタリング装置を備える。
【0061】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、基板移送システムは、機械の基板受入れ端における機械フレームにおいて配置される基板受入れ部と、前記基板受入れ端とは反対側の部品搭載機械の基板受渡し端における機械フレームにおいて配置される基板受渡し部と、ガントリシステムに構成されると共に前記基板受入れ端と基板受渡し端との間に位置しているガントリシステム部と、を備える。
【0062】
更に、上記から明白なように、一般的には、移動可能搭載ヘッドと、基板移送システムと、部品が提供される細長フィーダ領域と、を備えるガントリシステムであって、ガントリシステムの搭載ヘッド移動範囲がフィーダ領域の部分をカバーするガントリシステムを備える部品搭載機械において、
部品を搭載する方法は、
ガントリシステムを第1ガントリシステム位置に移動する段階と、
部品搭載機械において基板を受け入れて、基板を、部品搭載機械の部品搭載領域内に移送する段階と、
部品を取り上げるためにフィーダ領域間で搭載ヘッドを移動し、部品を基板上に設置するために基板を移動することにより部品を搭載する段階と、
少なくとも一回は、
フィーダ領域の長さに沿ってガントリシステムを、搭載ヘッド移動範囲により、フィーダ領域の他の部分がカバーされる、次のシステム位置に移動する段階、および、
部品を搭載する段階、
を繰り返す段階と、
基板を部品搭載領域から外に移送する段階と、
を含む。
【0063】
方法の1つの実施の形態によれば、方法は、部品の相違のために適切なときは、ガントリシステムの、次のガントリシステム位置への前記移動の間に、搭載ヘッドの少なくとも1つの搭載ツールを交換する段階を含む。
【0064】
方法の1つの実施の形態によれば、当該方法は、ガントリシステムの、次のガントリシステム位置への移動の間に、基準マーク読取り位置に搭載ヘッドを位置させる段階と、搭載ヘッドに取り付けられているビジョン装置により、前記次のガントリシステム位置におけるフィーダ領域内に提供されている基準マークを読み取る段階、とを含む。本発明に係る装置と方法の好適な実施の形態を上述した。これらの実施の形態は、非制限的な例に過ぎないと見なされるべきである。多数の変形が、請求項で定義される本発明の範囲内で可能である。
【0065】
例えば、部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、部品搭載機械は2つ以上の搭載ヘッドを備える。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアンドプレイス(pick and place)の技術が採用されている部品搭載機械と、搭載ヘッドと、部品搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板(PCB)のような基板、またはシステムインパッケージ(SiP)構成要素用の基板のような、基板上への部品のピックアンドプレイス搭載用機械は、搭載速度、搭載精度、サイズ、目的などの、様々な、しばしば相反する要求を受ける。「ピックアンドプレイス」という表現は、当業者であれば、搭載ヘッドが部品フィーダ(供給装置)領域に移動され、搭載ヘッドが、1つまたは2つ以上の部品フィーダから、1つまたは2つ以上の部品を取り上げ、その後、搭載ヘッドは搭載領域に移動されて、1つまたは複数の部品を基板上に設置するという、まさに搭載動作のことであることが理解されよう。従来技術の部品搭載機械の1つの主要な例が、添付された図の図1に示されている。この部品搭載機械は、機械フレーム1と、複数の部品フィーダを含み、機械フレーム1の部品フィーダ領域に配置される部品供給装置3と、機械フレーム1に取り付けられている第1梁部、またはX梁部7および第2直角梁部、またはY梁部9を有するガントリシステム5と、X梁部7に移動可能に取り付けられている搭載ヘッド11と、機械フレーム1に取り付けられている基板移送システム13と、を備える。部品供給装置3は、電子部品を搭載ヘッド11に供給する。基板移送システム13は、部品搭載機械のコンベヤラインと作業領域との間で基板を移送する。搭載ヘッド11は、X梁部7に沿って移動可能であり、X梁部は、Y梁部9に沿って移動可能である。それにより、ガントリシステム5は、搭載ヘッド11を、部品供給装置3と基板との間で移動することを可能にする。更に、搭載ヘッド11は鉛直方向において移動可能であり、また鉛直軸線回りの周りを回転することも可能である。搭載ヘッド11は吸引装置も含む。このため、吸引装置を起動することにより、部品供給装置3から電子部品を取り上げ、基板に移送し、基板上の正確な位置で電子部品を解放することが可能になる。取り上げから基板までの移送の間に、ビジョンセンタリング装置(視覚センタリング装置、センタリング視察装置、または画像認識装置)15を通過させ、取り上げられた部品の正確な位置を得る。
【0003】
部品供給装置3は、典型的には、大容量であることが所望され、つまり、装置内に多数の様々な部品リールを装填することが可能であるとされている。これは、部品供給装置に対して非常に大きな空間を要求する。更に、ガントリシステム及び搭載ヘッドは共に高速且つ正確であることが望ましい。従って、大規模なシステムは、より重量が重く、そのため、より強力なモータを必要とし、その結果、システムにおける、より大量の熱生成に繋がるため、可能な限り小規模なガントリシステムを有することが所望されている。この熱生成により、熱膨張による作用に何らかの形で対処しなくてはならないので、非常に正確なシステムを得ることが困難になる。
【0004】
一方では、伝統的なピックアンドプレイス機械では、ガントリシステムは、部品供給装置のすべての部分に届くことが可能なほど十分に大きいことが必要である。他の態様では、搭載ヘッドは、サイズ、形状、および重量において大きく異なる、すべての種類の部品を取り上げることが可能なように、時折、取り上げツールを変更しなくてはならないこともあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より汎用的且つ効率的なピックアンドプレイス動作を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、添付されている特許請求の範囲により画定される部品搭載ヘッドと、部品搭載機械と、方法と、により達成される。
【0007】
したがって、本発明の1つの態様によれば、部品を取り上げ位置において取り上げると共に部品を搭載位置において設置するために配置される部品搭載ヘッドが提供される。部品搭載ヘッドは、前記取り上げと設置を可能にするために鉛直方向に下方および上方に向けて移動可能な複数のノズルを備える。部品搭載ヘッドは、少なくとも単一の部品を各ノズルで取り上げることと単一の部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることとを少なくとも含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される。単一の部品を取り上げるために、2つ以上のノズルを使用する可能性もあるため、ノズルのサイズは、大きな部品を取り上げる前に交換する必要なく、小さな部品に適合可能である。従って、部品搭載ヘッドは、例えば、ノズルツールチップまたはノズルのような取り上げツールの変更が必要なく、サイズが大きく異なる部品を取り扱える機能を提供し、それにより、部品搭載機械のピックアンドプレイス動作を、より汎用的且つ効率的にする。
【0008】
本発明の例としての実施の形態が、付随する図面を参照して下記に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術の部品搭載機械を示している。
【図2】本発明の実施の形態に係る部品搭載動作の部分を模式的に例示している。
【図3】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態の模式的透視図である。
【図4】図3における搭載ヘッドの一部分の模式的断面図である。
【図5】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図6】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図7】本発明に係る搭載ヘッドの、様々な部品取り上げ状況と様々な実施の形態を模式的に例示している。
【図8a】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8b】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8c】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図8d】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態により行われる動作シーケンスを例示している。
【図9】本発明に係る部品搭載機械の実施の形態の模式的透視図である。
【図10】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図11】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図12】部品搭載機械の実施の形態の模式的平面図である。
【図13】本発明に係る搭載ヘッドの実施の形態の模式的透視図である。
【図14】更なる部品取り上げ状況を模式的に例示している。
【図15】更なる部品取り上げ状況を模式的に例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的は、より汎用的且つ効率的なピックアンドプレイス動作を可能にする解決策を提供することである。本目的は、添付されている特許請求の範囲で画定される部品搭載ヘッドと、部品搭載機械と、方法と、により達成される。
【0011】
本発明の柔軟且つ汎用的な部品搭載ヘッドは、少なくとも単一の部品を各ノズルで取り上げることおよび単一の部品を少なくとも2つのノズルで取り上げることを含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される。単一の部品を取り上げるために、2つ以上のノズルを使用する可能性もあるため、ノズルのサイズは、大きな部品を取り上げる前に交換する必要なく、小さな部品に適合可能である。従って、部品搭載ヘッドは、例えば、ノズルツールチップまたはノズルのような取り上げツールの変更が必要なく、様々なサイズの部品を取り扱える機能を提供し、それにより、部品搭載機械のピックアンドプレイス動作を、機械の全体の歩留まりを増大することにより、汎用的動作のために、より柔軟且つ効率的にする。
【0012】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、ノズルチップ衝撃検出器が、表面に対するノズルチップの衝撃を検出するために配置され、ここにおいてノズルチップはノズルの底端部である。
【0013】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドはノズルホルダを備え、ノズルホルダは鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含み、ノズルチップ衝撃検出器がノズルガイドに取り付けられて、ノズルガイドに対するノズルの移動を検出する。
【0014】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは更に、各ノズルチップの鉛直方向の位置を検出するために配置されるノズルチップ位置検出器を備え、ここにおいて、ノズルチップはノズルの底端部である。
【0015】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは更に、少なくとも2つのノズルから構成されている、単一の部品を取り上げるための、少なくとも1つのノズル群のノズルを同期するためのノズル群同期装置を備える。例えば、ノズルの鉛直方向の移動、または部品の表面までの距離に関してノズルが完全には同期されていないこと、または、表面が完全な平面ではないということも起こり得る。そのため、ノズル群同期装置は有利である。
【0016】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、同期を取る1つの方法は、各ノズルの個々の鉛直移動サーボモータと、サーボモータを制御するサーボコントローラによる方法である。
【0017】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは、鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、ノズルは、非起動位置と起動位置とのいずれかに保持され、非起動位置の場合は、ノズルは、ノズルガイドの座部に対してバネにより下方に向けて付勢される。そのため、バネによる付勢は、ノズルを下方に向けてノズルガイドに追従させ、部品の表面に衝撃を与えるときは、バネの付勢により、ノズルが引き続き下方に向けて移動する場合は、ノズルをノズルガイドから後退させることが可能であり、それにより、ノズルの損傷の危険性が解消される。
【0018】
部品搭載ヘッドの実施の形態によれば、部品搭載ヘッドは部品把持ツールを備え、部品把持ツールは複数のノズルチップに取り付けられ、ノズルチップが部品把持ツールに取り付けられているノズルを制御することにより、鉛直方向の移動と把持動作との制御が可能である。この把持ツールは、吸引ノズルで取り上げるには適切ではない不揃いな形状を有する部品を取り上げるために有効である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、取り上げ位置において部品を取り上げ、搭載位置において部品を設置するために配置される搭載ヘッドのノズルを制御する方法が提供され、この方法は、前記取り上げおよび設置を行うためにノズルを鉛直方向に下方および上方に向けて移動させ、それにより、単一部品を1つのノズルで取り上げることおよび単一部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることを含む、1つまたは2つ以上の複数の取り上げ動作を行う段階を含む。
【0020】
当該方法の実施の形態によれば、当該方法は、部品の取り上げを行った後に、搭載ヘッドを回転する段階と、ビジョンセンタリング装置を、搭載位置への移動中に通過させる段階と、を含む。これは、幾つかの部品が一直線に沿って取り上げられたときに特に有利である。搭載ヘッドを回転することにより、部品を、並列的にではなく直列的にビジョンセンタリング装置を通過させて移動可能である。
【0021】
本発明の更なる態様によれば、部品搭載機械であって、部品フィーダ領域と、部品搭載機械の作業領域内の、略固定位置に基板を保持するために配置される基板移送システムと、上記に定義した部品搭載ヘッドと、搭載ヘッドを支え、部品の取り上げおよび設置動作を行うために搭載ヘッドを移動するために配置されるガントリシステムと、を備える部品搭載機械が提供される。
【0022】
本発明の更なる目的と利点は、例としての実施の形態により下記において検討される。
【0023】
図3を参照すると、部品搭載ヘッド300の実施の形態は、搭載ヘッド本体部301と、搭載ヘッド本体部301に回転可能に取り付けられている真空コントローラ303と、真空コントローラ303に取り付けられているノズル選択部307および鉛直移動可能フレーム要素311により回転可能に支えられるノズルガイド309を備える回転可能ノズルホルダ305と、ノズルホルダ305により保持される複数のノズル313と、を備える。ノズルガイド309はフレーム要素311により鉛直方向に移動可能であるが、ノズル選択部307は鉛直方向に固定されている。
【0024】
図4から明白なように、ノズルは、ノズルガイド309における孔を通して延伸している。各ノズル313の上端部はノズル選択部307内に挿入されている。各ノズル313には、ノズル選択部307の底部表面317と、ノズルを囲み、ノズル選択部307の底部表面とノズルガイド309の上部表面の間に位置しているフランジ321により設けられているバネ座部319の間で延伸しているバネ315が設けられている。ノズル313はバネ315により、ノズルガイド309に向けてバネにより付勢されて、ノズルガイド309の座部に対してのバネによる付勢と見なすことが可能である。非起動状態においては、ノズル313はノズル選択部307により保持されている。起動状態においては、ノズル313はノズル選択部307から解放される。従って、ノズルガイド309を下方に向けて移動するときは、図4における最左端のノズルのような非起動状態のノズルはノズル選択部307により保持されているが、起動状態のノズル313は、下方に向けてノズルガイド309に追従する。このノズルの移動は、実際は、重力のみで引き起こされるが、ノズルがスタック(動けなくなること)しないこと確実にするために、バネの付勢によりノズル313を同じ方向に移動させる。更に、部品搭載ヘッド300は、典型的には、部品327の上部表面である表面に対するノズチップの衝撃を検出するために配置される衝撃検出器323を備える。この実施の形態においては、衝撃検出器はノズル移動検出器323であり、例えば、前記フランジ321、またはノズルガイド309に搭載される。各ノズル313は、その底端部を具現化しているノズルチップまたはツールチップ325を有する。ツールチップ325は交換可能であり、典型的には、摩耗したときに交換される。部品の取り上げが開始すると、鉛直移動可能なフレーム要素311は上方位置にあって、そこにおいて、ノズル313がノズル選択部307を使用して選択される。部品の取り上げのための鉛直方向の移動の前に、ノズルホルダ305は所望の角度に回転される。そして、使用されるノズルはノズル選択部307を使用して鉛直方向に解放される。選択されたノズルは、解放されたノズル313をノズルガイド309上に下方に向けて移動させる個々のノズルバネ315により、移動可能なフレーム要素、またはZ−フレーム311の鉛直方向の移動に追動する。Z−フレームが下方に移動すると、移動検出器323は、ノズル313とノズルガイド309の間の相対移動として、いずれかのノズル313が停止されたかを感知する。Z−フレーム311の下方に向けての移動は、1つまたは2つ以上のノズル313が部品(または複数の部品)327を上昇させるために使用されることが決定されたかにより、1つまたは2つ以上のノズル313が部品327と機械的に接触すると停止される。ノズルが停止されると、真空コントローラ303に含まれている関係する真空弁が起動し、1つまたは2つ以上の部品が、1つまたは2つ以上のノズル上に吸引される。複数の部品を取り上げることは、同時に、または別のシーケンスで行うことが可能である。1つの部品327を取り上げることは、1つまたは2つ以上のノズルを使用して行うことが可能であり、ノズル群同期装置により同期可能である。取り上げが行われると、部品搭載ヘッド300は、例えばPCB329のような基板の上方の設置領域に水平に移動されて、すべての部品が鉛直方向に上昇される。この移動の間に、図2に示されているビジョンセンタリング装置203のようなセンタリング装置が、取り上げられた部品の位置を検出して、各部品の正確な搭載位置を得る。搭載は、取り上げと類似した方法で行われる。上方位置においては、使用されるノズルが選択され、PCB329上への下方に向けての鉛直移動の前に回転される。部品327がPCB329と接触すると、真空コントローラ303の真空弁は起動が停止されて、部品327はPCB329上に解放される。
【0025】
この複数ノズル搭載ヘッド300により、複数のノズル313を、取り扱う部品ごとに使用可能である。これにより、小さな部品から大きな部品までの広い範囲の部品を取り扱うために必要な互いに異なるツールチップ325の数が減少される。通常は、ツールチップのサイズは、部品のサイズに整合していることが必要である。単一のノズルで大きな部品を取り扱うときは、ツールチップは、十分な真空力と十分に大きな接触領域を得るためのサイズが必要である。真空力は、部品を移動且つ回転可能にするために必要である。支持領域は、大きな力により、部品が傾斜して吸引が解消される危険性なしに安定した鉛直方向の移動を得るために必要である。ツールチップは大きすぎてはいけなく、それは、小さな部品を取り扱うのに大きなツールチップを使用すると、部品が、ツールチップの真空孔に部分的に入り込む危険性があり、これは、機械による部品の正確な設置を阻害する可能性がある。ツールチップの変更は、ピックアンドプレイス機械においては時間がかかり、そのため、ツールチップの変更は、機械の搭載速度を減少させる。PCB上にすべての部品を設置することを可能にするために多数の互いに異なるツールチップが必要なときは、ツールチップの変更は、設置のための余分なツールチップのコストを追加することになる。そこで、必要なツール数を減少させて、それにより、必要なツール変更を減少させることは、搭載速度の上昇とコスト削減の両者に対して重要である。
【0026】
本発明によれば、大きなツールチップを使用する代わりに、小さなツールチップを有する2つまたは3つ以上のノズルを使用可能である。多数の小さなツールチップを使用することにより、真空および支持領域は、より大きなツールチップを有する1つのノズルと同等になる。ノズル群で単一の部品を取り上げることは、ノズル群同期装置で同期可能である。
【0027】
より短い時間で、より多くの部品を設置するためのピックアンドプレイス部品搭載機械を得るために、複数のノズルを使用可能である。複数のノズルを使用することにより、複数の部品を、部品の取り上げから、ビジョンセンタリング装置の通過、および部品の設置までのすべてのサイクルにおいてピックアンドプレイスを行うことが可能である。1サイクル当たりに複数の部品を取り扱うことにより、各部品に対して消費される時間は削減され、そのため、機械は部品をより高速に搭載することになる。取り上げの間に複数のノズルを使用するときは、部品を最も高速で取り上げる方法は、すべてのノズルで同時に取り上げることであり、以降このことを複数取り上げと呼ぶ。複数取り上げを行うことを可能にするためには、供給装置におけるノズルと部品の間の間隔が実質的に同じであることが必要であり、部品供給装置における搭載ヘッドノズル及び部品に対するラインの向きが、実質的に同じであることが必要である。従来は、複数取り上げのために配置された多数の搭載ヘッドノズルを有し、ラインセンサビジョン装置を使用するときは、ラインセンサは、取り上げられたすべての部品の外形を捕捉するために十分な長さを有する必要があった。これは、部品供給装置における部品のラインの向きが、部品供給装置からPCBへの好適な移動方向に直交しているからである。長いラインセンサを有することは、コストがかかり大きな空間を必要とする。本発明によれば、ノズルの配置間隔を最小限にすることが可能であり、個々のノズルのすべてが別々の回転機構を必要としないため、空間の節約となる。他の利点は、ビジョンセンタリング装置におけるラインセンサの向きに対して直交する方向に向けられているノズルを回転する可能性である。この向きであると、ビジョンセンタリング装置を通過させるときに、すべての部品の外形を捕捉するために必要なラインセンサの長さが最小限になり、または、今日の部品搭載機械において可能な汎用的動作よりも、より汎用的な動作のために最適化され、スペースの節約になり、装置のコスト削減になる。また、この向きを使用するときは、ビジョンセンタリング装置により使用される光レベル(光の高さ)は、すべての部品に対して個々に調整可能であり、従って、より柔軟性があり、より汎用的な部品搭載機械のピックアンドプレイス動作にも貢献する。これは図2に例示されており、図2において、搭載ヘッド201は取り上げ位置207において幾つかの部品を取り上げて並べ、ビジョンセンタリング装置203を通過する前に90度回転し、PCB205に向かう途中の回転位置においてビジョンセンタリング装置を通過し、PCB205において各部品を搭載位置209に設置する。これは、取り上げられた部品が、ビジョンセンタリング装置を平行にではなく、直列に通過することを意味している。
【0028】
回転機構を共有する利点は、より大きなスペースが搭載ヘッドに生じ、コストが削減されることである。これらの自由になった財源は、高い正確性と性能を達成するために使用可能である。例えば、
・回転位置エンコーダの、より高い解像度、
・機械的な遊びを回避するための、予荷重(pre load)を有する大きな回転軸受、
・回転を行うより大きなモータとギア。
【0029】
まとめると、複数ノズル搭載ヘッドは1種類の回転移動のみを有し、すべてのノズルは同じ軸線の周りを回転し、ノズルの個々の回転移動はないということになる。
【0030】
ノズルの鉛直移動は、下記により実現される。
・個々のアクチュエータ。
・ノズル選択部と組み合わせられた共通移動アクチュエータ。
・個々の移動アクチュエータと共通移動動アクチュエータの組み合わせ。
【0031】
従来は、狭い間隔で配置される多数のノズルを有する複数ノズル搭載ヘッドは、高速且つ限られた正確性で小さい部品を搭載するのに適していた。上述したように、複数ノズル搭載ヘッドは、高い正確性で大きい部品を設置するためにも使用可能である。
【0032】
部品の取り上げおよび設置に複数のノズルを利用するときは、使用するノズルの高さのバラツキが小さいことが重要である。ノズルの高さに大きいバラツキがあると、ノズルと部品の間の吸引力は小さくなる。
【0033】
図5を参照すると、ノズルの高さのバラツキがあり、つまり、ノズル325が、ある不正確性のために互いに異なる高さに移動されており、ノズル325と部品327の間の空気の漏洩の原因となる可能性があり、また、ノズル325と部品327との間の接触面積も減少させる可能性があるが、これは、ノズル表面と部品表面との間に角度エラーがあるおそれがあるからである。最悪の場合、部品327は搭載される前に落下、または部品327を取り上げることが不可能になる。これらのマイナスの影響を最小限にするために、ノズルの長さと使用されるツールチップの機械的許容範囲は、機械的なノズルの同期を提供するノズル群同期装置を使用するときは大きくなければならない。サーボ機構により同期されたノズル移動を利用するときは、サーボコントローラは、高い正確性で動作されなければならない。サーボ機構により同期されたノズル移動は、ノズルまたは部品の上部表面の間のいかなる機械的な差にも適合可能であり、これは、ノズルの機械的同期と比較すると利点である。サーボ同期により、個々のノズル長、様々な高さを有する上部表面を有する部品、および様々長さのツールチップの補填が可能であり、また、ツールチップの摩耗の補填も可能である。ツールチップを含むノズルは、ツールチップの変更の間に調整可能であり、いかなる差も、同期されたピックアンドプレイスを行うときに補填可能である。サーボ同期は、例えば、図13に模式的に例示されているように、個々のノズル1303に、鉛直移動用の個々のサーボモータ1305を提供し、サーボモータ1305を制御するサーボコントローラ1307を提供することにより得られる。サーボモータ1305は、鉛直方向に固定されているが依然として回転可能なノズルガイド1309上方のどこかで搭載ヘッドの適切な位置に配置される。この実施の形態においては、典型例として上述したノズルチップ衝撃検出器が、ノズル動作の停止への到達を検出するために配置される。例えば、サーボモータ1305におけるブレーキングトルクの突然の増大が検出可能であり、ノズル移動のまさに停止、または、サーボモータ1305を駆動しながらのモータの出力軸の回転の停止が検出可能である。
【0034】
更に、ノズル移動の制御を増大し、異常な状況を検出するための手段を提供するために、ノズルチップ位置検出器1313が、各ノズルチップの鉛直方向の位置を検出するために配置される。ノズルチップ位置検出器は、搭載ヘッドのすべての実施の形態において有益である。例えば、様々な高さの部品表面部分の場合、これらの高さは予めプログラム可能であり、それにより、すべてのノズルがそれぞれの表面部分に到達したこと、および正確な表面部分に到達したとの正確な判断がますます確実になる。更に、位置検出器により、ノズル(または複数のノズル)を部品(または複数の部品)と接触させるために移動させる動作速度を高めることが可能であり、これは、部品から遠い距離にあるときはより速く、そして、部品に接近したときは速度を落とすように移動を多様化可能であるためである。更なる例として、サーボモータとサーボコントローラを使用する実施の形態に対しては、サーボコントローラを、ノズルチップ位置検出器1313からの入力により、少なくとも2つのノズルチップを互いに整列するために配置可能である。
【0035】
ここで図6を参照すると、ノズル同期の他の方法は、複数のノズル用に製作されたツールチップを有することであり、この方法により、複数のノズルは、共通のツールチップを介して同期される。このようにして、例えば、2つのノズル601は、2対1ツールチップ(two−to−one tooltip)603、つまり、組み合わされたノズル601よりも大きい直径の出力ノズルを有する、ある種のY結合器により組み合わされる。従って、部品607は、単一であるが、2つの組み合わされたノズル601により保持される場合よりも大きいノズル605により保持される。
【0036】
図7を参照すると、不揃いな形状の部品のピックアンドプレイスを行うために、把持ツール703が必要な場合もある。複数のノズル701を、サーボ制御同期で使用するときは、幾つかのノズルを使用して把持機構を制御することが可能である。例えば、3つの整列されたノズル701が把持ツール703と共に使用され、把持ツール703は、側部から部品707を把持する2つの爪状部705を有し、2つの外部ノズル701を上昇および降下させることにより動作される。
【0037】
図8a〜8dに例示されているように、把持ツールを使用して、ノズルの個々に制御された鉛直移動により部品を取り上げるときに行われるシーケンスは下記の通りである。
1.ツールを開く。2つの側部ノズル801と803が、中間ノズル802に対して下方に移動され、この相対的な移動により、把持ツールの爪状部805を開く。
2.下方に移動させる。それにより、3つすべてのノズルは、部品807を把持可能な高さまで、同期して下方に移動される。
3.ツールを閉じる。側部ノズル801と803は、部品807が爪状部805で把持されるまで、中間ノズル802に対して上方に移動される。部品807を保持するために、側部ノズル801と803は継続的に上方に向けて力を加えられ、それにより、把持力が部品807の側部上に加えられる。この工程の間、中間ノズル802は静止状態で保持される。
4.部品と共に上方へ移動する。3つすべてのノズル801、802、および803は同期して上方に移動される。把持力を部品807上に保つために、側部ノズル801と803は依然として中間ノズル802に対して上方に向けて力を加えられる。
【0038】
部品搭載ヘッドの他の実施の形態によれば、図14と15に示されているように、部品搭載ヘッドは不均一な上部表面を有する部品を取り上げるために配置される。これは、互いに異なるノズルが、相当に異なる高さで部品に係合することを意味する。上記の実施の形態に対応して、そして、図14に示されているように、搭載ヘッドは、回転可能なノズルホルダ1405と、ノズルホルダ1405により保持されている複数のバネ付勢ノズル1411を備える。その結果、ノズルホルダ1405は、鉛直方向に固定されているノズル選択部1407と、鉛直移動可能なノズルガイド1409を備える。
【0039】
第1の例においては、部品1415は第1平面状下部表面部分1417と、第2上部平面状表面部分1421と、下部平面状表面部分1417から上部平面状表面部分1421に延伸している第3傾斜表面部分1419を有する。部品の長さは、第1、第2、および第3ノズル1423、1425、および1427を含み、第1、第2、および第3ノズル1423、1425、および1427は取り上げ位置に位置しているときは、表面部分1417、1419、および1421それぞれの上に配置される。部品1415を取り上げるために、第1ノズル1423と第3ノズル1427はノズル選択部1407から解放されて、起動状態になる。
【0040】
機械が、良好な把持を困難にする傾斜表面のために、第2ノズル1425を起動すべきでないことを認識するためには、異なる解決策がある。1つの解決策は、何らかの方法で機械内にプログラムされているパッケージデータの中の、部品の形状に関するデータを使用することである。ユーザーは、パッケージの平面状表面をパッケージデータの一部として示す。
【0041】
従って、ノズルガイド1409を下方に移動するときは、非起動状態である第2ノズル1425はノズル選択部1407により保持され、起動状態にある第1および第3ノズル1423、1427は、高さが異なるので時間も異なるが、それぞれの平面状表面部分1417、1421に係合するまで、下方に向けてノズルガイド1409に追従する。そして、第1および第3ノズル1423、1425は、互いに対しての高さの位置を確実にするために、ノズルガイド1409に関して固定される。最終的に、部品1415は、ノズルガイド1409を上方に移動させることにより上昇される。
【0042】
第2の例においては、図15に示されているように、部品1430は、第1ノズル1423を含む、第1の、より小さい表面部分1431と、第2および第3ノズル1425、1427を含む、第2の、より大きい表面部分1432の段差がある表面を有する。部品1430が取り上げられるときは、3つのすべてのノズル1423、1425、および1427は解放され、ノズルガイドは、3つのノズルすべてが部品1430の上部表面に係合するまで降下される。そして部品は上述したように上昇されて、設置される。
【0043】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、図9〜12に示されているように、部品搭載機械901は、機械フレーム903と、移動ガントリシステム905と、機械フレーム903に取り付けられている固定細長部品供給装置907と、を備える。ガントリシステム905は、直線状ガイド909aおよび909b上で機械フレーム903により支えられ、直線状ガイド909aおよび909b上でガントリシステム905は、X方向、つまり、部品供給装置907の長さに沿って移動可能である。このように、ガントリシステム903は、第1端部、または機械フレーム903の基板受入れ端部911と、反対側の第2端部、または、機械フレーム903の基板受渡し端部913の間で移動可能である。この実施の形態においては、ガントリの移動は、ボールネジ917、ボールアセンブリ919、およびモータ921を備えるガントリシステム移動装置915により実現される。ガントリの移動は、リニアモータ、ラックおよびピニオン、ベルト駆動装置などの他のタイプの駆動機構によっても実現可能である。
【0044】
図12は、ガントリシステムと部品供給装置との詳細図を示している。ガントリシステム905には、カメラ1209および搭載ヘッド1207があり、この両者は、互いには固定された関係を有しているが、XおよびY方向に移動可能である。カメラ1209と搭載ヘッド1207とのXおよびY方向の移動は、XおよびY梁部1203および1205を使用して実現される。Y梁部1205はガントリシステム905の天井部に取り付けられており、移動可能ではない。Y梁部の下に、例えば直線状ガイドを使用して、X梁部が取り付けられている。X梁部1203はY方向、つまり、Y梁部1205に沿って、例えば、リニアモータにより移動可能である。X梁部1203の前部側には、カメラ1209および搭載ヘッド1207を支えるXワゴン1208が、例えば、直線状ガイドを使用して取り付けられている。Xワゴンは、例えば、リニアモータを使用して、X方向に移動可能である。直線状ガイドとリニアモータの代わりに、ボールネジと回転モータを使用することも可能である。XおよびY方向の移動は同時に行うことができ、それにより、X−Y平面の任意の方向における搭載ヘッド1207の移動が得られるということに留意されたい。
【0045】
供給装置907は供給バンク1221を保持し、部品ポケット1215に位置している、電子部品1213を含むキャリアテープ1211の装填を可能にする。キャリアテープ1211はまた、キャリアテープ1211、ひいてはその中の部品1213をY方向に移動するために使用されるステアリング孔1217も含み、それにより、部品は搭載ヘッド1207により取り上げ可能である。カメラ1209は、XおよびY方向に対して垂直なZ方向で下方を向いており、PCB上の基準マークの位置を突き止めるために使用され、また、基準マーク1219および部品1213のような、部品供給装置における物体の位置を突き止めるためにも使用される。
【0046】
部品搭載機械の動作例として、ここにおいて、3つのガントリシステムの位置、つまり、部品の搭載を行うためにガントリシステムを停止する位置が、部品供給装置907により提供されるすべての部品のいずれか1つの取り上げを可能にするために、部品供給装置907のすべての部分に到達する必要がある場合の、部品搭載機械901の動作シーケンスを以下に記述する。当然に、他の数の停止位置に対しても類似のシーケンスを適用可能である。
1.ガントリは、最左端のガントリシステム位置1aに移動される。
2.位置4aのPCB1107は、入ってくるコンベヤ1102から、基板受入れ端911において基板受入れ位置で受け取られ、基板移送システム1105により、入ってくるコンベヤ1102における移送ベルトと、基板移送システム1105の内部コンベヤを使用して、位置4bまで、ガントリシステム905の作業領域内に移送される。
3.ガントリシステム905内のPCBの正確な位置は、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209により決定される。
4.部品供給装置907の第1部分6aの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
5.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置907の第1部分6aからPCB1107に移送する。
6.ガントリシステム905は、PCB1107とガントリシステム905の間の相対位置を変化させない方法で、ガントリシステム移動装置915により第2ガントリシステム位置1bに移動される。
7.部品供給装置の第2部分6bの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
8.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置の第2部分6bからPCB1107に移送する。
9.ガントリシステム905は、PCB1107とガントリシステム905の間の相対位置を変化させない方法で、第3部分1cに移動される。
10.部品供給装置907の第3部分6cの位置は、例えば、Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、ガントリシステム905に関して決定される。
11.搭載ヘッド1207はすべての部品を、部品供給装置907の第3部分6cからPCB1107に移送する。
12.ガントリシステム905内の位置4bのPCB1107は、基板移送システム1105により、内部コンベヤにおける移送ベルトと、外に出て行くコンベヤを使用して、内部コンベヤ1105から、部品搭載機械901の基板受渡し端913における基板受渡し位置において外に出て行く外部コンベヤ1103へ、そして、作業領域の外側の位置4cに移送される。
【0047】
移動するガントリの発明は、ガントリシステムの相反する必要条件、つまり、高速、正確、大容量のフィーダ、およびコスト効率のよい構成という必要条件を、ガントリシステム全体を移動可能し、それにより、ガントリシステムを、部品供給装置の互いに異なる部分間で移動可能にすることで解決する。ガントリシステム全体の移動は高度に正確である必要はなく、高度に高速である必要もない。これにより、ガントリ移動機構は、部品供給装置全体に到達可能なために十分な程度に大きいガントリから構成されている従来の解決策よりもはるかにコスト効率がよくなる。
【0048】
上述の部品搭載機械の動作シーケンスのステップ4、7および10において、部品供給装置907の現在アクセス可能な部分は、ガントリシステム905に関して位置を突き止める必要がある。この関係を決定するためには幾つかの可能性がある。
1.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、フィーダバンク1221上の基準マークの位置を突き止める。
2.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、フィーダバンク1221における個々のフィーダ1223上の基準マーク1219の位置を突き止める。方法1と比べての相違は、基準マークとキャリアテープとの間に1対1の対応があることである。この場合、基準マークとしてステアリング孔1217を使用してもよい。
3.Xワゴン1208に取り付けられているカメラ1209を使用して、部品キャリアテープ1211における部品ポケット1215の位置を突き止める。
4.十分に正確な機械的停止機構を使用する。
5.リニアスケール(等分目盛)を使用して、移動可能なガントリの停止位置を決定する。
6.移動可能なガントリの停止位置を決定するための、ガントリの駆動機構に接続されている回転位置センサ。
【0049】
Xワゴンに取り付けられているカメラを使用する最初の3つの方法は、そのようなカメラが、部品が設置されるPCB上の基準マークの位置を突き止めるために、いずれにしても必要なので、コストが低いという利点がある。第1の方法の利点は、方法2および方法3と比較して、部品フィーダまたは部品リール上に、いかなる機械ビジョン認識可能部分を必要としないということである。これにより、機械が多くの様々な非標準タイプのフィーダを取り扱うことが想定されているときは、第1の方法は好適となる。他方では、基準マーク用に、フィーダバンク上にスペースを設けることは不便である場合があり、その場合は、方法2または3が好適となる。
【0050】
方法4、5および6は、最初の3つの方法と比べて、移動可能なガントリが停止した後に、画像取得のための追加的な時間は必要ないという利点がある。他方では、方法4、5および6は、最初の3つの方法に比べて追加的なハードウェアを必要とし、それにより、最初の3つの方法は、コスト的に有利であり得る。機械的停止機構は2つの目的を有することが可能である。それは、正確な停止位置を決定すること、および/またはガントリの位置を固定状態に保つことである。機械的停止機構は、下記のいずれかにより実現可能である。
1.部分が共に移動されるときに、他方に対して相互結合を作成する任意の形状を有する移動部分。
2.一方向においてのみ停止部として作用し、駆動機構を使用して、ガントリをこの停止部に固定した状態に保つ移動可能機械的部分。
3.従来のブレーキとして設計される摩擦に基づく停止機構と、正確な位置を決定するための位置センサ。
【0051】
ビジョンセンタリング装置(203、図2)は、移動可能ガントリに関して様々なやり方で配置可能である。
1.ビジョンセンタリング装置は、移動可能ガントリモジュールにおいて強固に取り付け可能である。
2.ビジョンセンタリング装置1227は、移動可能ガントリモジュールとは独立してX方向に移動可能である。
3.ビジョンセンタリング装置は、フィーダバンクに関して固定位置にある。この場合は、2台以上のビジョンセンタリング装置が、良好な搭載速度を得るためには典型的に必要である。
【0052】
内部コンベヤ(1105、図11)は、移動可能ガントリの一部としての、短く、移動可能なコンベヤか、またはフィーダバンクに関して固定されている長いコンベヤのいずれかであることが可能である。内部コンベヤが固定されているときは、入ってくるPCBを取得することができると共に外に出て行くPCBを出すことができるように十分長くなくてはならない。移動可能な内部コンベヤと、固定された内部コンベヤを有することの主な相違は下記の通りである。
1.固定された内部コンベヤは、より大きいことが必要であり、従って、コスト効果が低い解決策である。
2.固定コンベヤでは、PCBをクランプ(締付)して位置を突き止めることを数回行う必要があり、これは遅い動作であり、従って、時間を消費する。
3.固定コンベヤでは、移動可能ガントリよりも長いPCB上に部品を搭載可能である。
4.固定コンベヤでは、いわゆるデュアルレーン(Dual Lane)コンベヤを利用可能である。デュアルレーンコンベヤは、基板切替え時間を削減するために2つの別々のレーンを有している。
【0053】
基本的な移動ガントリの発明は、時間を節約し、従って、機械の処理量を増大するために幾つかのやり方で改良可能である。幾つかの例は、下記の通りである。
1.共通の状況は、ガントリが1つの停止位置から次の停止位置に移動するときに、搭載ヘッドは、様々なフィーダバンクが様々なタイプの部品を含む可能性があり、そのため、信頼性のある取り上げには様々な搭載ツールが必要であるために、1つまたは2つ以上の搭載ツールを交換する必要があるということである。この状況においては、搭載ツールの変更は、移動可能ガントリが、次の停止位置に移動するときに同時に行うことが可能である。
2.フィーダバンク上の基準マークまたは参照マークを、移動可能ガントリの正確な停止位置を決定するために解析することが必要なときは、ガントリのXY軸は、移動可能ガントリと同時に移動可能である。XY軸は、移動可能ガントリが停止したときに、搭載ヘッドに取り付けられているカメラが既に基準または参照マーク上にセンタリングされているような位置に移動される。更に、カメラが、最大の光強度に到達する前にウォームアップする必要がある照明ユニット(白熱電球のような)を有しているときは、この照明ユニットを、移動可能ガントリが停止する前に起動可能である。
3.最後の部品が、ある停止位置においてフィーダバンクから取り上げられると、ガントリは即座に次の停止位置に向けて移動を開始可能である。同時に、搭載ヘッドは、最後の部品(あるいは複数の部品)をセンタリングカメラに移送し、そして部品をPCB上に設置する。従って、移動可能ガントリは、XYZ軸が移動するのと同時に移動するので時間が節約される。
4.移動可能ガントリが、移動可能ガントリの停止位置を決定するために、上記の方法4、5または6を使用していると、または、移動可能ガントリの移動を、停止位置を決定するための、後続の時間がかかる工程なしに可能にする他のある方法を使用していると、すべてのフィーダ位置に到達するために厳密に必要な回数よりも多くの回数だけ、移動可能ガントリを移動可能である。例えば、上記の図11において、移動可能ガントリは、要求されている3つの位置の代わりに、7つの異なる位置で停止可能である。この利点は、機械が部品のセンタリングおよび/または部品をPCB上に設置することで手一杯の間に、小さい移動がときどき発生し得るということであり、それにより、この小さい移動を実質的に「自由」に、つまり、PCB上にすべての部品を搭載することを完了するために必要な時間に加えられないということである。もちろん、これらの小さな移動は、搭載ヘッドのアクセスを、適切な時間にフィーダバンクの必要な部分に与えるために、搭載シーケンスの間の適切な時間に起こす必要がある。最適化ソフトウェアが、どのように、およびいつ、小さい移動可能ガントリの移動を搭載シーケンスに挿入するかを計算するときに好適に使用される。
【0054】
上記から明白なように、一般的には、部品搭載機械は、機械フレームと、機械フレームにより提供される細長部品フィーダ領域と、部品搭載機械を通して、基板受入れ位置から基板受渡し位置まで、部品が基板上に搭載される部品搭載機械の作業領域内の少なくとも1つの所定の位置に基板を停止させながら基板を移送するために配置される基板移送システムと、を備える。機械は更に、前記部品フィーダ領域において部品を取り上げて、基板上に部品を設置するために配置され、第1軸と第1軸に直角な第2軸とに沿って移動可能な搭載ヘッドと、機械フレームにより移動可能に支えられ、搭載ヘッドを支えているガントリシステムと、も備え、ガントリシステムは、搭載ヘッドを前記第1および第2軸に沿って移動させることを含む、部品の取り上げおよび設置を行う搭載ヘッドを動作させるために配置される。更に機械は、機械フレームに取り付けられ、かつガントリシステムを、前記第1軸に平行な第3軸に沿う異なるガントリシステムの位置同士の間でガントリシステムを移動するために配置され、それにより、フィーダ領域に沿うガントリシステムの移動を提供するガントリシステム移動装置と、ガントリシステム位置決め装置と、を備える。前記ガントリシステムの搭載ヘッド移動範囲は、部品フィーダ領域の部分をカバーし、ガントリシステムの位置は、フィーダ領域の異なる部分が搭載ヘッドによってアクセス可能になるように選択され、ガントリシステムと基板との間の相互の位置関係は、異なるガントリシステムの位置において維持される。ガントリシステムをフィーダ領域の長さよりも短くし、ガントリシステム移動装置を設けることにより、多数の部品フィーダを格納するという大規模機械の利点を有することになり、更に、相対的に小さな質量且つ小さいサイズのガントリシステムであるという、小規模機械の利点も依然として有している。
【0055】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ガントリシステム位置決め装置はビジョンユニットを備える。
【0056】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ガントリ位置決め装置は、フィーダ領域内に設けられている基準マークを備え、ビジョンユニットは搭載ヘッドに取り付けられ、ガントリシステムは、ビジョンユニットによって基準マークの位置を特定することにより、ガントリシステムの位置に位置決めするために配置される。基準マークは、フィーダを保持するために配置されるバンクフィーダバンク上、またはフィーダ上のような、フィーダ領域内の任意の適切な部分に配置可能である。
【0057】
部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、ビジョンユニットは搭載ヘッドに取り付けられ、部品は、部品キャリアテープの部品ポケットにおいて提供され、部品キャリアテープはフィーダ領域において提供され、部品搭載機械は、ビジョンユニットにより部品ポケットの位置を突き止めるために配置される。
【0058】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、システム位置決め装置は、機械的停止機構のような停止機能を達成するための様々な種類の手段、またはガントリシステムの位置を決定するために配置されるリニアスケールおよびリニアスケール検出器、またはガントリシステム移動装置に接続され、ガントリシステムの位置を決定するために配置される回転位置センサを備える。
【0059】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、ガントリシステムはビジョンセンタリング装置を備え、ビジョンセンタリング装置は固定位置に取り付けられている。
【0060】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、部品搭載機械は、前記第3軸に平行な移動のために、機械フレームに移動可能に取り付けられているビジョンセンタリング装置を備える。
【0061】
部品搭載機械の複数の実施の形態によれば、基板移送システムは、機械の基板受入れ端における機械フレームにおいて配置される基板受入れ部と、前記基板受入れ端とは反対側の部品搭載機械の基板受渡し端における機械フレームにおいて配置される基板受渡し部と、ガントリシステムに構成されると共に前記基板受入れ端と基板受渡し端との間に位置しているガントリシステム部と、を備える。
【0062】
更に、上記から明白なように、一般的には、移動可能搭載ヘッドと、基板移送システムと、部品が提供される細長フィーダ領域と、を備えるガントリシステムであって、ガントリシステムの搭載ヘッド移動範囲がフィーダ領域の部分をカバーするガントリシステムを備える部品搭載機械において、
部品を搭載する方法は、
ガントリシステムを第1ガントリシステム位置に移動する段階と、
部品搭載機械において基板を受け入れて、基板を、部品搭載機械の部品搭載領域内に移送する段階と、
部品を取り上げるためにフィーダ領域間で搭載ヘッドを移動し、部品を基板上に設置するために基板を移動することにより部品を搭載する段階と、
少なくとも一回は、
フィーダ領域の長さに沿ってガントリシステムを、搭載ヘッド移動範囲により、フィーダ領域の他の部分がカバーされる、次のシステム位置に移動する段階、および、
部品を搭載する段階、
を繰り返す段階と、
基板を部品搭載領域から外に移送する段階と、
を含む。
【0063】
方法の1つの実施の形態によれば、方法は、部品の相違のために適切なときは、ガントリシステムの、次のガントリシステム位置への前記移動の間に、搭載ヘッドの少なくとも1つの搭載ツールを交換する段階を含む。
【0064】
方法の1つの実施の形態によれば、当該方法は、ガントリシステムの、次のガントリシステム位置への移動の間に、基準マーク読取り位置に搭載ヘッドを位置させる段階と、搭載ヘッドに取り付けられているビジョン装置により、前記次のガントリシステム位置におけるフィーダ領域内に提供されている基準マークを読み取る段階、とを含む。本発明に係る装置と方法の好適な実施の形態を上述した。これらの実施の形態は、非制限的な例に過ぎないと見なされるべきである。多数の変形が、請求項で定義される本発明の範囲内で可能である。
【0065】
例えば、部品搭載機械の1つの実施の形態によれば、部品搭載機械は2つ以上の搭載ヘッドを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品搭載ヘッドであって、
取り上げ位置において部品を取り上げると共に搭載位置において前記部品を設置するために配置される部品搭載ヘッドであって、
前記取り上げおよび設置を可能にするために、鉛直方向に下方および上方に向けて移動可能な複数のノズルを備え、
各ノズルで単一の部品を取り上げることと少なくとも2つの共通のノズルで単一の部品を取り上げることとを少なくとも含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される、
部品搭載ヘッド。
【請求項2】
前記ノズルに接続されている真空コントローラを備える、
請求項1に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項3】
表面に対するノズルチップの衝撃を検出するために配置されるノズルチップ衝撃検出器を備え、
前記ノズルチップは、前記ノズルの底端部である、
請求項1または2に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項4】
鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、
前記ノズルチップ衝撃検出器は前記ノズルガイドに取り付けられて、前記ノズルガイドに対するノズルの移動を検出する、
請求項3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項5】
鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、
前記ノズルは、非起動位置と起動位置とのうちの1つに保持され、
前記起動位置にあるとき、ノズルは、前記ノズルガイドの座部に対して下方に向けてバネ付勢される、
請求項1、2または3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項6】
前記ノズルガイドに関して前記ノズルのうちの少なくとも1つの前記鉛直方向の位置を固定するための固定機構を備える、
請求項5に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項7】
各ノズル用の個々の鉛直方向移動サーボモータと、前記サーボモータを制御するサーボコントローラと、を備える、
請求項1、2または3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項8】
各ノズルチップの前記鉛直方向の位置を検出するために配置されるノズルチップ位置検出器を備え、
前記ノズルチップは前記ノズルの底端部である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項9】
単一の部品を取り上げるために、少なくとも2つのノズルから構成される少なくとも1つのノズル群の前記ノズル同士を同期させるためのノズル群同期装置を備える、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項10】
部品把持ツールであって、複数のノズルチップに取り付けられると共に、ノズルチップが前記部品把持ツールに取り付けられている前記ノズルを制御することにより鉛直移動および把持動作について制御可能である部品把持ツールを備える、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項11】
対応する数のノズルチップに接続されている少なくとも2つの上部開口部と、前記ノズルチップよりも大きい直径を有する共通下部開口部と、を有するノズルチップ相互接続コネクタを備える、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項12】
取り上げ位置において部品を取り上げると共に搭載位置において前記部品を設置するように配置される搭載ヘッドのノズルを制御する方法であって、
前記取り上げおよび設置を行うために前記ノズルを鉛直方向に下方および上方に向けて移動させ、それにより、単一部品を1つのノズルで取り上げることおよび単一部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることを含む、1つまたは2つ以上の複数の取り上げ動作を行う段階を含む、
方法。
【請求項13】
前記部品の取り上げを行った後に、前記搭載ヘッドを回転させる段階と、前記搭載位置への移動の間に、ビジョンセンタリング装置を通過させる段階と、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
幾つかのノズルを、様々な上部表面部分に係合させるように制御することより前記ノズルによって、様々な高さを有する前記様々な上部表面部分を有する部品を取り上げる段階を含む、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
部品搭載機械であって、
部品フィーダ領域と、
前記部品搭載機械の作業領域内のほぼ固定した位置において、基板を保持するために配置される基板移送システムと、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッドと、
前記搭載ヘッドを支えると共に前記部品の取り上げと設置を行うように前記搭載ヘッドを移動するために配置されるガントリシステムと、
を備える、
部品搭載機械。
【請求項16】
前記搭載ヘッドは、水平面の任意の方向に移動可能である、
請求項15に記載の部品搭載機械。
【請求項1】
部品搭載ヘッドであって、
取り上げ位置において部品を取り上げると共に搭載位置において前記部品を設置するために配置される部品搭載ヘッドであって、
前記取り上げおよび設置を可能にするために、鉛直方向に下方および上方に向けて移動可能な複数のノズルを備え、
各ノズルで単一の部品を取り上げることと少なくとも2つの共通のノズルで単一の部品を取り上げることとを少なくとも含む複数の取り上げ動作を制御するために配置される、
部品搭載ヘッド。
【請求項2】
前記ノズルに接続されている真空コントローラを備える、
請求項1に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項3】
表面に対するノズルチップの衝撃を検出するために配置されるノズルチップ衝撃検出器を備え、
前記ノズルチップは、前記ノズルの底端部である、
請求項1または2に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項4】
鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、
前記ノズルチップ衝撃検出器は前記ノズルガイドに取り付けられて、前記ノズルガイドに対するノズルの移動を検出する、
請求項3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項5】
鉛直方向に移動可能なノズルガイドを含むノズルホルダを備え、
前記ノズルは、非起動位置と起動位置とのうちの1つに保持され、
前記起動位置にあるとき、ノズルは、前記ノズルガイドの座部に対して下方に向けてバネ付勢される、
請求項1、2または3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項6】
前記ノズルガイドに関して前記ノズルのうちの少なくとも1つの前記鉛直方向の位置を固定するための固定機構を備える、
請求項5に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項7】
各ノズル用の個々の鉛直方向移動サーボモータと、前記サーボモータを制御するサーボコントローラと、を備える、
請求項1、2または3に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項8】
各ノズルチップの前記鉛直方向の位置を検出するために配置されるノズルチップ位置検出器を備え、
前記ノズルチップは前記ノズルの底端部である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項9】
単一の部品を取り上げるために、少なくとも2つのノズルから構成される少なくとも1つのノズル群の前記ノズル同士を同期させるためのノズル群同期装置を備える、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項10】
部品把持ツールであって、複数のノズルチップに取り付けられると共に、ノズルチップが前記部品把持ツールに取り付けられている前記ノズルを制御することにより鉛直移動および把持動作について制御可能である部品把持ツールを備える、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項11】
対応する数のノズルチップに接続されている少なくとも2つの上部開口部と、前記ノズルチップよりも大きい直径を有する共通下部開口部と、を有するノズルチップ相互接続コネクタを備える、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項12】
取り上げ位置において部品を取り上げると共に搭載位置において前記部品を設置するように配置される搭載ヘッドのノズルを制御する方法であって、
前記取り上げおよび設置を行うために前記ノズルを鉛直方向に下方および上方に向けて移動させ、それにより、単一部品を1つのノズルで取り上げることおよび単一部品を少なくとも2つの共通のノズルで取り上げることを含む、1つまたは2つ以上の複数の取り上げ動作を行う段階を含む、
方法。
【請求項13】
前記部品の取り上げを行った後に、前記搭載ヘッドを回転させる段階と、前記搭載位置への移動の間に、ビジョンセンタリング装置を通過させる段階と、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
幾つかのノズルを、様々な上部表面部分に係合させるように制御することより前記ノズルによって、様々な高さを有する前記様々な上部表面部分を有する部品を取り上げる段階を含む、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
部品搭載機械であって、
部品フィーダ領域と、
前記部品搭載機械の作業領域内のほぼ固定した位置において、基板を保持するために配置される基板移送システムと、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の部品搭載ヘッドと、
前記搭載ヘッドを支えると共に前記部品の取り上げと設置を行うように前記搭載ヘッドを移動するために配置されるガントリシステムと、
を備える、
部品搭載機械。
【請求項16】
前記搭載ヘッドは、水平面の任意の方向に移動可能である、
請求項15に記載の部品搭載機械。
【図1】
【図2a−2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2a−2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−515363(P2013−515363A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545165(P2012−545165)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007983
【国際公開番号】WO2011/079956
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(500563005)マイデータ オートメーション アクチボラグ (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007983
【国際公開番号】WO2011/079956
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(500563005)マイデータ オートメーション アクチボラグ (12)
【Fターム(参考)】
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