部材、部材の使用、および部材の製造方法
【課題】 特別単純に構成され、金属製本体とプラスチック構造体との間に単純な結合を有する車両横支持体用部材、特に複合部材を提供する。
【解決手段】 車両横支持体用の部材(1)、特に複合部材において、少なくとも部分的にプラスチック構造体(6)を備えた1つの金属製本体(2)を含み、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される1つの固定要素(12)を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体(6)が本体(2)と少なくとも機械的に組立可能である。金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される固定要素(12)を備え、金属製本体(2)の空洞(H)内に受容されるプラスチック構造体(6)がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体(2)の一体に成形される固定要素(12)が塑性加工され、プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と少なくとも機械的に結合される。そのような部材を、ダッシュボード支持体や、ループピラーとして使用する。
【解決手段】 車両横支持体用の部材(1)、特に複合部材において、少なくとも部分的にプラスチック構造体(6)を備えた1つの金属製本体(2)を含み、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される1つの固定要素(12)を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体(6)が本体(2)と少なくとも機械的に組立可能である。金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される固定要素(12)を備え、金属製本体(2)の空洞(H)内に受容されるプラスチック構造体(6)がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体(2)の一体に成形される固定要素(12)が塑性加工され、プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と少なくとも機械的に結合される。そのような部材を、ダッシュボード支持体や、ループピラーとして使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横支持体用部材、特に複合部材と、部材の使用に関する。本発明は、さらに部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造の方から、中空形材、例えば管または半鉢から形成される横支持体が公知であり、これらは金属からなり、相応に大きな肉厚を有する。その際、肉厚は十分な形状剛性、曲げ剛性、座屈剛性および捩り剛性用に、そして十分な耐圧縮荷重性用に相応に厚く実施されている。中空形材として構成される横支持体は、例えば車両フロント領域の中央に配置される空調装置から側部吐出し口へと空気を案内するのに基本的に適している。
【0003】
このような部材は例えば特許文献1により公知であり、そこに示された中空室‐軽量部材は、プラスチック製のリブ付き支持構造体の高強度材料製の少なくとも1つの鉢状ハウジング部分と、特にプラスチックとは異なる高強度材料製の少なくとも1つの蓋板または蓋鉢とからなる。その際、直接積み重なる個所で支持構造とハウジング部分とが、重なり合う開口部の領域において射出成形された形状接合式プラスチック結合によって結合されることによって、支持構造体はその縁領域においてハウジング部分の周縁の少なくとも一部と結合されている。また、ハウジング部分は部分的にまたは完全に熱可塑性プラスチックで覆いまたは射出被覆することができる。その際、金属製ハウジング部分を取り囲むプラスチックによって部材の変形を生じることがある。また、支持構造体の造形自由度またはプラスチックの補強が限定されている。それに加えて、開口部または離散結合個所にボタン穴を製造するのに高価な金型が必要である。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0995668号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特別単純に構成され、金属製本体とプラスチック構造体との間に単純な結合を有する車両横支持体用部材、特に複合部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば部材に関しては、[少なくとも部分的にプラスチック構造体を備えた1つの金属製本体を含み、金属製本体がその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体が本体と少なくとも機械的に組立可能である部材]によって解決され、このような部材の使用に関しては、[車両内で1つの通路、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を有するダッシュボード支持体としての使用、車両内で横支持体としての、特に車両のAピラー間の横支持体としての、またはフロントエンド部材としての使用、車両内で支持要素としての、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素としての、縦支持体としての、車両下枠としての、またはルーフピラーとしての使用]によって解決される。このような部材を製造するための方法に関して、本発明は、[金属製本体がその縁領域に、一体に成形される固定要素を備えており、金属製本体の空洞内に受容されるプラスチック構造体がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体の一体に成形される固定要素が塑性加工され、プラスチック構造体がその縁領域において金属製本体と少なくとも機械的に結合されている方法]によって解決する。
【0006】
本発明の有利な諸構成は従属請求項の対象である。
【発明の実施の形態】
【0007】
本発明が出発点とするのは、プラスチック構造体との離散結合個所を創出するための開口部を備えた金属製本体を手間をかけて予め仕上げる代わりに本体とプラスチック構造体との結合が可能でなければならないであろうし、しかもそれが付加的要素なしに間に合うとの考えである。さらに、結合個所は極力良好な力の面的伝達を確保しなければならないであろう。このため金属製本体はその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体は本体と少なくとも機械的に組立可能である。換言するなら、金属製本体とプラスチック構造体との結合は、本体の一体に成形された固定要素が機械的に塑性加工され、特に鍔出しされることによって、重なり合うそれらの縁で十分に機械的に行われる。このため、一体に成形される固定要素は、金属製本体を中空形材として構成する場合、片側または両側で縦軸線上を延びるその縁自体によって形成されている。
【0008】
最も単純な1実施形態において、本体の全長にわたって延びる縁は鍔出しされ、すなわち折り曲げられる。鍔出しとは特に、場合によっては縁の延伸または据込みを同時に行って縁を補強しながら本体の縁を折り曲げることであり、こうして本体は補強構成され、または選択的にまたは付加的に平滑な縁面または境界面が備えられ、この面で付加的に本体は、例えば蝋付、ねじ止めまたは折畳みによってプラスチック構造体と結合することができる。
【0009】
選択的実施形態において、金属製本体の縁として構成される固定要素は櫛構造体を有する。その際、金属製本体の櫛状または冠状縁(=一体に成形される固定要素)はプラスチック構造体の縁領域の周りで曲げられ、特に鍔出しされ、金属製本体は機械的にプラスチック構造体と結合されている。櫛状または冠状縁は、本体とプラスチック構造体との鍔出し結合の他に、プラスチック構造体の縁領域を相応に構成することによって付加的に嵌合結合または締付結合を可能とすることができる。このためプラスチック構造体の縁領域は本体の櫛状縁の切欠き部に対応する表面形状または付加成形部付きで構成されている。
【0010】
付加的にまたは選択的に、一体に成形される固定要素は嵌合要素として構成しておくことができる。このため固定要素は本体の縁領域に切欠き部または膨らみ部として構成しておくことができる。さらに、プラスチック構造体はその縁領域に主に突起を備えており、これらの突起は金属製本体の縁領域の櫛構造体内および/または嵌合要素内に組込可能、特に挿入可能、差込可能もしくは嵌入可能である。換言するなら、プラスチック構造体の縁領域における突起は金属製本体の縁領域における櫛構造体および/または嵌合要素に対応しており、両方の縁領域を重ね合わせると簡単な機械的位置決めと固定および結合が可能になる。
【0011】
金属製本体に対してプラスチック構造体を極力確実かつ十分強固に機械的に結合するために、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体をその縁領域において少なくとも部分的に取り囲む。特に、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体を少なくともu形状に取り囲む。機械的結合の強度を高めるために金属製本体とプラスチック構造体は縁領域において複数の段差で重ね合わせて機械的に結合しておくことができる。例えば、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体を段差ごとにu形状に取り囲むことができる。一体に成形される固定要素を櫛状に構成する場合、固定要素はプラスチック構造体を櫛構造体で取り囲み、特に把持する。櫛構造体の取り囲みに応じてプラスチック構造体の縁領域の上面および/または下面にプラスチック構造体は付属する縁領域の上側および/または下側に対応する突起を有し、これらの突起は櫛構造体内で固定し、例えば嵌入しまたは締付けるのに適している。
【0012】
付加的にまたは選択的に、一体に成形される固定要素は少なくとも1つの構造要素、特に1つの肋片、1つの腹部、1つの突部、1つの開口部を備えていることができる。これにより金属製本体の縁領域は十分に良好な強度、特に座屈・折り曲げ強度が確保される。付加的にこれらの構造要素は、プラスチック構造体の表面が縁領域では金属製本体の縁領域の構造要素と対応していることによって、機械的結合を支援することができる。
【0013】
可能な1実施形態においてプラスチック構造体は金属製本体の空洞内に挿入可能、特に組込可能である。その際プラスチック構造体は一方で、金属製本体に挿入される個別のモジュールとして構成しておくことができる。このためプラスチック構造体は一体に成形される固定要素によって位置決め可能、固定可能である。他方でプラスチック構造体は少なくとも部分的に一種のプラスチック内張りとして例えば射出成形し、組付けおよび/または組み込んでおくことができる。このため例えばプラスチック内張りはいわゆる単液または多液射出成形法で1操作ステップにおいて導入され、プラスチック構造体として成形され、これは金属製本体の縁領域も覆う。
【0014】
望ましくはプラスチック構造体はその縁領域において、一体に成形される固定要素によって金属製本体と形状接合式および/または摩擦接合式に鍔出し結合、差込結合、スナップ結合、クリップ結合、かしめ結合および/またはフック結合に基づいて組込可能、特にクリップ止め可能、絞り込み可能、掛け込み可能および/または挿入可能である。さらに、プラスチック構造体はその縁領域において、一体に成形される固定要素によって金属製本体と素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合しておくことができる。
【0015】
付加的にプラスチック構造体は1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu形クランプによって金属製本体とそれらの縁領域において結合可能としておくことができる。例えばクランプは、プラスチック構造体の縁領域が少なくとも部分的に保持されている本体の鍔出し縁領域を把持するように配置しておくことができる。
【0016】
部材の種類と機能に応じてプラスチック構造体は補強構造体および/または案内構造体として構成しておくことができる。例えばプラスチック構造体は、媒体、例えば車室を空気調和するための空気を案内する案内通路または流れ通路を形成することができる。選択的にまたは付加的にプラスチック構造体はケーブル通路として構成しておくことができる。付加的にまたは選択的にプラスチック構造体は少なくとも部分的に、金属製本体を補強するための内部肋材として構成しておくことができる。また、プラスチック構造体は1つの内部肋材と1つの通路とからなる1つの複合要素とすることができる。他の1実施形態においてプラスチック構造体は単一部分または多部分で構成しておくことができる。例えば、プラスチック構造体は金属製本体の空洞内に1つの通路を形成することができ、金属製本体の空洞の上向き開口領域、例えば半鉢の開口領域に、開口領域を極力良好に補強するリブ付蓋として実施しておくことができる。
【0017】
望ましくは、プラスチック構造体は熱可塑性プラスチック、特に繊維強化プラスチックおよび/または充填材入りプラスチックから形成されている。金属製本体は好ましくは軽金属、特にアルミニウム、マグネシウムまたはチタン、または精密鋼から形成され、0.4mm〜3mm、特に0.4mm〜1.5mmの壁厚を有する。例えば車両内の横支持体としてのまたは空気案内通路としての部材の機能および種類に応じて、金属製本体は中空形材として、特に中空形材の縦軸線に沿って片面または両面で延びる縁を有する開口中空形材として、例えば帽子型形材として実施されている。
【0018】
部分的にプラスチックを備えた本体は有利には少なくとも一部では穿孔して構成しておくことができる。これは望ましくは例えば開口領域において行われる。このような本体は特に、重量を節約しおよび/または構造体を補強する利点を有する。
【0019】
上記部材は好ましくは車両内でダッシュボード支持体として使用され、プラスチックコアまたはプラスチック構造体は単数または複数の通路、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を形成する。選択的に、このような部材は車両内で横支持体として、特に車両のAピラー間の横支持体として、またはフロントエンド部材として使用することができる。またこのような部材は車両内で支持要素として、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素として、縦支持体として、車両下枠として、またはルーフピラーとして使用することが可能である。
【0020】
上記部材を製造するための方法において例えば、既に予め仕上げた金属製本体が使用され、この本体はその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を備えている。金属製本体の空洞内に受容されるべきプラスチック構造体は予め仕上げられた金属製本体内で位置決めされかつ固定され、金属製本体の一体に成形される固定要素が塑性加工され、プラスチック構造体はその縁領域において金属製本体と少なくとも機械的に結合され、特に鍔出し結合されている。可能な1実施形態において金属製本体の縁領域の固定要素はプラスチック構造体の縁領域の周りで少なくともu形状に曲げられる。
【0021】
特に、金属製本体とプラスチック構造体との互いに結合された縁領域が互いに形状接合式、摩擦接合式および/または素材接合式に結合され、それらは例えば鍔出しされ、圧着され、スタンピングされ、リベット止めされ、ねじ止めされ、溶接され、蝋付されおよび/または接着される。金属製本体とプラスチック構造体との互いに機械的に結合される縁領域は1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、1つのクリップ、1つのねじによって付加的に互いに結合することができる。
【0022】
部材の構造および機能に応じて金属製本体は固定要素を形成する1つの縁を備えて、予め仕上げられたモジュールとして使用することができる。選択的に、金属製本体は縁領域を機械的に結合する場合でも成形することができ、このため本体は塑性加工工具内に配置されている。また、プラスチック構造体は予め仕上げたモジュールとして、特に単一部分または多部分構成のモジュールとして使用することができる。選択的に、予め仕上げられた金属製本体内のプラスチック構造体はいわゆる単液または多液射出成形法でプラスチック導入によって導入され、プラスチック構造体として成形することができる。例えばプラスチック構造体は繊維マット補強付きまたは補強なしに長ガラス繊維強化可塑剤の射出成形、射出スタンピング、プレスによって製造される。
【0023】
本発明で達成される利点は特に、高い造形自由度で部材を製造できることにある。その際金属製本体は縁領域において付加的部品なしに十分大きな面でプラスチック構造体と結合することができる。さらに、プラスチック構造体用の材料として長ガラス繊維材料を使用することができ、これが部材の剛性と強度を高める。さらに、本体とプラスチック構造体とを大きな面で結合することによって部材間で面的または線状に力の伝達が可能である。面積の大きい結合個所によって付加的にこれは素材接合式結合等の他の結合方式、例えば接着用に使用することができる。
【0024】
本発明の実施例が図面を基に詳しく説明される。
【実施例】
【0025】
相対応する部品にはいずれの図でも同じ符号が付けてある。
【0026】
図1Aは部材1、例えば詳しくは図示しない車両の詳しくは図示しないAピラーの間に配置するための横支持体を横断面で示す。
【0027】
部材1は特に複合部材である。このため部材1が1つの金属製本体2を有し、この本体は好ましくは板、特に軽金属板、例えばアルミニウム板またはマグネシウム板、または精密鋼板から形成されており、壁厚は0.4mm〜3mm、特に0.4mm〜1.5mmまたは2.0mmである。さらに、本体2は部分的に厚さを変更して成形しておくことができ、区域によっては他の要素、例えばステアリングまたは空調装置または空気入口および/または空気出口を部材1に一体化することができる。
【0028】
本体2は実施例において中空形材として、特にu型形材または箱型形材として実施されている。その際本体2はu型形材または半鉢体の上向き開口領域に1つの張出し部または縁領域Rgを有し、これが本体2の縦軸線に沿って延びている。それゆえに本体2は帽子型形材と称することもできる。選択的に金属製本体は管状に、例えば中空円筒として構成しておくこともできる。詳しくは図示しないこの実施形態において本体2は2つの要素から形成されており、要素は重なり合う領域に縁領域を備えている。また箱型またはu型本体2は2つの要素で構成できる。これは特に部材1の使用に依存している。上向きに開口した本体2の開口領域Oは例えば蓋4を備えておくことができ、この蓋は部材1の機能および種類に応じてプラスチックまたは金属から、特に軽金属から形成されている。
【0029】
本体2が内側にプラスチックKを備えており、これがプラスチック構造体6を形成する。プラスチックKはその際一種のプラスチック内張りとして組付け、組み込みまたは射出成形しておくことができる。少なくとも部分的にプラスチックKで内張りされた本体2は閉状態のとき通路8として、特に流れを案内するための流れ通路として、および/またはケーブルまたは別のコンポーネントを案内するための案内通路として役立つ。プラスチック構造体6の構造に応じて通路8は単室通路または多室通路として構成しておくことができる。多室通路の場合、プラスチック構造体6は付加的に1つの隔壁10(破線で図示)を有する。プラスチック構造体6は特に、力が加わったとき本体2の変形を防止するために例えば軽金属から成形される本体2を補強するのに役立つ。
【0030】
プラスチック構造体6によって形成される通路8を極力良好に利用して媒体、例えば車室を空気調和するための空気または管路またはケーブルを案内し、そしてそこから帰結する部材1の機械的応力、特に本体2とプラスチック構造体6との結合の力の応力を減らすために、本体とプラスチック構造体は互いに十分強固に結合されねばならない。このためプラスチック構造体6はそれらに付属した縁領域Rkが本体2の縁領域Rgに組付けられる。本体2の縁領域Rgは一体に成形される固定要素12を備えており、この固定要素に基づいてプラスチック構造体6は少なくとも機械的に組み立てられ、特に鍔出しされている。その際、金属製本体2とプラスチック構造体6との機械的結合はそれらの重なり合った縁RgもしくはRkで機械的に行われ、一体に成形される固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkの周りで曲げられ、特に鍔出しされる。金属製本体2とプラスチック構造体6とをそれらの縁領域RgもしくはRkにおいて大きな面で結合する簡単な実施形態において、一体に成形される固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkをu形状に取り囲んでおり、そのことは図1Bにおいて図1Aによる拡大部分図で詳しく示してある。
【0031】
図2A〜図2Cは金属製本体2とプラスチック構造体6との機械的結合を製造するための作製経過を概略示す。その際、図2Aに示すようにプラスチック構造体6は本体2の例えば通路8として役立つ空洞Hに挿入され、特に組み込まれる。場合によってはプラスチック構造体6は固定要素12を介して空洞H内で位置決めされ、予め固定される。重なり合う縁領域RgもしくはRkにおいて本体2をプラスチック構造体6と面的にかつ素材接合式に結合するために各固定要素12が塑性加工され、特に折り曲げられ、図2Bと図2Cに拡大部分図で示すように固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkを取り囲み、特にu形状に取り囲む。
【0032】
部材の種類に応じて金属製本体2も、プラスチック構造体6も、予め仕上げられるモジュールとして構成しておくことができ、モジュールは入れ子式に組み立てられ、特に設定され、またそれらの縁領域RgもしくはRkは固定要素12によって互いに結合され、特に鍔出し結合される。選択的にプラスチック構造体6は複数の要素から形成しておくことができ、1つの要素は中空室Hのプラスチック内張りを表す。他方の要素は内部肋材の態様の補強構造体Vとして本体2の開口領域でプラスチック構造体6としての蓋4の下方に配置されている。プラスチック層またはプラスチック内張りもしくは補強構造体は、内張りの方式‐射出成形した態様または組付けた態様‐にかかわりなく、要求条件に応じて厚さが1mm〜10mm、主に0.8mm〜6mmである。本体2は内面および/または外面にプラスチックKを備えておくことができる。さらに、プラスチックを複数の段階で導入することによってプラスチックは単層または多層で本体2に一体に成形しておくことができる。
【0033】
図3A〜図4Bは、金属製本体2とプラスチック構造体6との縁領域RgもしくはRkにおける各種結合を有するさまざまな実施形態の部材1を略横断面図で示す。
【0034】
図3Aと図3B(図3Aの拡大部分図)は縁領域Rg、Rkの鍔出し結合を補足して他の結合を示しており、すなわちプラスチック構造体6の縁領域Rkが1つの突起14、例えば1つのプラスチック鼻端を備えており、この鼻端は固定要素12および本体2の縁領域Rgの凹部15内に係合し、こうして固定が可能になる。
【0035】
図4Aと図4B(図4Aの拡大部分図)は本体2とプラスチック構造体6との結合の他の構成を示す。その際プラスチック構造体6がその縁領域Rkに1つの切欠き部16を有し、この切欠き部内に固定要素12が曲げ入れられ、こうして嵌入される(右縁領域Rg、Rk参照)。図3Aと図3Bに示したように、ここでもプラスチック構造体の縁領域Rkの突起14は本体2の縁領域Rgの凹部15に嵌入することができる。
【0036】
図5Aと図5Bが略斜視図で示す部材1は本体2と縁領域Rgに櫛状に一体に成形される固定要素12とを有する。縁領域Rgの櫛構造体は、それとともに櫛状固定要素12は、ここでは単に補強構造体として図示されているプラスチック構造体6の縁領域Rkの周りで曲げられ、特に鍔出しされる。付加的にプラスチック構造体6はやはり突起14を備えておくことができ、これらの突起は固定要素12の櫛構造体によって形成される凹部15内に係合し、例えばクリップ止めされ、嵌入され、締付けられる。
【0037】
図6Aと図6Bが略斜視図で示す他の実施形態の部材1は本体2の縁領域Rgに各種の固定要素12を有する。その際固定要素12は嵌合要素として構成されており、この嵌合要素内にプラスチック構造体6の縁領域Rkの突起14が係合し、特に嵌入され、締付けられまたはクリップ止めされる。図7は嵌合機能を有する固定要素12の他の実施形態を示す。
【0038】
付加的に、本体2の縁領域Rgの固定要素12は肋片、腹部、突部および/または開口部を備えておくことができる(詳しくは図示せず)。その場合、プラスチック構造体6はその縁領域Rkが射出圧力によって成形され、対応する表面構造体を備えている。固定要素12の形状、種類および数に応じて、プラスチック構造体6用の固定する表面構造体として、固定要素12の構造体に対応する任意の形状およびパターン、例えば縦条溝、横条溝、十字パターンまたは六角形パターンを縁領域Rkに実現することができる。
【0039】
付加的に、プラスチック構造体6はその縁領域Rkにおいて金属製本体2と素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合しておくことができる。これは以上述べたすべての実施形態の部材1において可能である。また、プラスチック構造体6と金属製本体2はそれらの縁領域Rg、Rkにおいて1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu型クランプによって結合することができる。
【0040】
部材1は例えば空調装置および/または暖房装置用ダッシュボード支持体として利用される。選択的に部材1は車両内でウインドシールドガラスの下に配置される横支持体として利用することができ、この横支持体は車室を空気調和しウインドシールドガラスまたはフロントガラスを除霜するための空気案内通路として設けられている。本体2は、通路8内を案内される媒体、例えば空気を流入および/または流出させるための縦方向に見て相互に離間配置される複数の開口領域を備えている。
【0041】
さらに、このような部材1は車両内の別の個所でも利用することができる。例はA‐、B‐、C‐、Dピラー、縦支持体、車両下枠、ルーフピラー等である。これらの部材1を通しても、空調装置(簡単にHVACと称する)の空気はスペース節約的に案内し分配することができ、部材1は車両内で構造部品として、特に中空構造部品として実施されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】縁領域において機械的に結合された1つの金属製本体と1つのプラスチック構造体とを有する部材の可能な実施形態を略横断面図で示す。
【図1B】縁領域において機械的に結合された1つの金属製本体と1つのプラスチック構造体とを有する部材の可能な実施形態を略横断面図で示す。
【図2A】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図2B】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図2C】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図3A】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図3B】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図4A】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図4B】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図5A】本体と縁領域に櫛状に一体に成形される固定要素とを有する部材を略斜視図で示す。
【図5B】本体と縁領域に櫛状に一体に成形される固定要素とを有する部材を略斜視図で示す。
【図6A】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【図6B】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【図7】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【符号の説明】
【0043】
1 部材
2 本体
4 蓋
6 プラスチック構造体
8 通路
10 隔壁
12 一体に成形された固定要素
14 突起
15 凹部
16 切欠き部
H 空洞
K プラスチック
Rg 本体の縁領域
Rk プラスチック構造体の縁領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、横支持体用部材、特に複合部材と、部材の使用に関する。本発明は、さらに部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造の方から、中空形材、例えば管または半鉢から形成される横支持体が公知であり、これらは金属からなり、相応に大きな肉厚を有する。その際、肉厚は十分な形状剛性、曲げ剛性、座屈剛性および捩り剛性用に、そして十分な耐圧縮荷重性用に相応に厚く実施されている。中空形材として構成される横支持体は、例えば車両フロント領域の中央に配置される空調装置から側部吐出し口へと空気を案内するのに基本的に適している。
【0003】
このような部材は例えば特許文献1により公知であり、そこに示された中空室‐軽量部材は、プラスチック製のリブ付き支持構造体の高強度材料製の少なくとも1つの鉢状ハウジング部分と、特にプラスチックとは異なる高強度材料製の少なくとも1つの蓋板または蓋鉢とからなる。その際、直接積み重なる個所で支持構造とハウジング部分とが、重なり合う開口部の領域において射出成形された形状接合式プラスチック結合によって結合されることによって、支持構造体はその縁領域においてハウジング部分の周縁の少なくとも一部と結合されている。また、ハウジング部分は部分的にまたは完全に熱可塑性プラスチックで覆いまたは射出被覆することができる。その際、金属製ハウジング部分を取り囲むプラスチックによって部材の変形を生じることがある。また、支持構造体の造形自由度またはプラスチックの補強が限定されている。それに加えて、開口部または離散結合個所にボタン穴を製造するのに高価な金型が必要である。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0995668号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特別単純に構成され、金属製本体とプラスチック構造体との間に単純な結合を有する車両横支持体用部材、特に複合部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば部材に関しては、[少なくとも部分的にプラスチック構造体を備えた1つの金属製本体を含み、金属製本体がその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体が本体と少なくとも機械的に組立可能である部材]によって解決され、このような部材の使用に関しては、[車両内で1つの通路、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を有するダッシュボード支持体としての使用、車両内で横支持体としての、特に車両のAピラー間の横支持体としての、またはフロントエンド部材としての使用、車両内で支持要素としての、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素としての、縦支持体としての、車両下枠としての、またはルーフピラーとしての使用]によって解決される。このような部材を製造するための方法に関して、本発明は、[金属製本体がその縁領域に、一体に成形される固定要素を備えており、金属製本体の空洞内に受容されるプラスチック構造体がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体の一体に成形される固定要素が塑性加工され、プラスチック構造体がその縁領域において金属製本体と少なくとも機械的に結合されている方法]によって解決する。
【0006】
本発明の有利な諸構成は従属請求項の対象である。
【発明の実施の形態】
【0007】
本発明が出発点とするのは、プラスチック構造体との離散結合個所を創出するための開口部を備えた金属製本体を手間をかけて予め仕上げる代わりに本体とプラスチック構造体との結合が可能でなければならないであろうし、しかもそれが付加的要素なしに間に合うとの考えである。さらに、結合個所は極力良好な力の面的伝達を確保しなければならないであろう。このため金属製本体はその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体は本体と少なくとも機械的に組立可能である。換言するなら、金属製本体とプラスチック構造体との結合は、本体の一体に成形された固定要素が機械的に塑性加工され、特に鍔出しされることによって、重なり合うそれらの縁で十分に機械的に行われる。このため、一体に成形される固定要素は、金属製本体を中空形材として構成する場合、片側または両側で縦軸線上を延びるその縁自体によって形成されている。
【0008】
最も単純な1実施形態において、本体の全長にわたって延びる縁は鍔出しされ、すなわち折り曲げられる。鍔出しとは特に、場合によっては縁の延伸または据込みを同時に行って縁を補強しながら本体の縁を折り曲げることであり、こうして本体は補強構成され、または選択的にまたは付加的に平滑な縁面または境界面が備えられ、この面で付加的に本体は、例えば蝋付、ねじ止めまたは折畳みによってプラスチック構造体と結合することができる。
【0009】
選択的実施形態において、金属製本体の縁として構成される固定要素は櫛構造体を有する。その際、金属製本体の櫛状または冠状縁(=一体に成形される固定要素)はプラスチック構造体の縁領域の周りで曲げられ、特に鍔出しされ、金属製本体は機械的にプラスチック構造体と結合されている。櫛状または冠状縁は、本体とプラスチック構造体との鍔出し結合の他に、プラスチック構造体の縁領域を相応に構成することによって付加的に嵌合結合または締付結合を可能とすることができる。このためプラスチック構造体の縁領域は本体の櫛状縁の切欠き部に対応する表面形状または付加成形部付きで構成されている。
【0010】
付加的にまたは選択的に、一体に成形される固定要素は嵌合要素として構成しておくことができる。このため固定要素は本体の縁領域に切欠き部または膨らみ部として構成しておくことができる。さらに、プラスチック構造体はその縁領域に主に突起を備えており、これらの突起は金属製本体の縁領域の櫛構造体内および/または嵌合要素内に組込可能、特に挿入可能、差込可能もしくは嵌入可能である。換言するなら、プラスチック構造体の縁領域における突起は金属製本体の縁領域における櫛構造体および/または嵌合要素に対応しており、両方の縁領域を重ね合わせると簡単な機械的位置決めと固定および結合が可能になる。
【0011】
金属製本体に対してプラスチック構造体を極力確実かつ十分強固に機械的に結合するために、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体をその縁領域において少なくとも部分的に取り囲む。特に、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体を少なくともu形状に取り囲む。機械的結合の強度を高めるために金属製本体とプラスチック構造体は縁領域において複数の段差で重ね合わせて機械的に結合しておくことができる。例えば、一体に成形される固定要素はプラスチック構造体を段差ごとにu形状に取り囲むことができる。一体に成形される固定要素を櫛状に構成する場合、固定要素はプラスチック構造体を櫛構造体で取り囲み、特に把持する。櫛構造体の取り囲みに応じてプラスチック構造体の縁領域の上面および/または下面にプラスチック構造体は付属する縁領域の上側および/または下側に対応する突起を有し、これらの突起は櫛構造体内で固定し、例えば嵌入しまたは締付けるのに適している。
【0012】
付加的にまたは選択的に、一体に成形される固定要素は少なくとも1つの構造要素、特に1つの肋片、1つの腹部、1つの突部、1つの開口部を備えていることができる。これにより金属製本体の縁領域は十分に良好な強度、特に座屈・折り曲げ強度が確保される。付加的にこれらの構造要素は、プラスチック構造体の表面が縁領域では金属製本体の縁領域の構造要素と対応していることによって、機械的結合を支援することができる。
【0013】
可能な1実施形態においてプラスチック構造体は金属製本体の空洞内に挿入可能、特に組込可能である。その際プラスチック構造体は一方で、金属製本体に挿入される個別のモジュールとして構成しておくことができる。このためプラスチック構造体は一体に成形される固定要素によって位置決め可能、固定可能である。他方でプラスチック構造体は少なくとも部分的に一種のプラスチック内張りとして例えば射出成形し、組付けおよび/または組み込んでおくことができる。このため例えばプラスチック内張りはいわゆる単液または多液射出成形法で1操作ステップにおいて導入され、プラスチック構造体として成形され、これは金属製本体の縁領域も覆う。
【0014】
望ましくはプラスチック構造体はその縁領域において、一体に成形される固定要素によって金属製本体と形状接合式および/または摩擦接合式に鍔出し結合、差込結合、スナップ結合、クリップ結合、かしめ結合および/またはフック結合に基づいて組込可能、特にクリップ止め可能、絞り込み可能、掛け込み可能および/または挿入可能である。さらに、プラスチック構造体はその縁領域において、一体に成形される固定要素によって金属製本体と素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合しておくことができる。
【0015】
付加的にプラスチック構造体は1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu形クランプによって金属製本体とそれらの縁領域において結合可能としておくことができる。例えばクランプは、プラスチック構造体の縁領域が少なくとも部分的に保持されている本体の鍔出し縁領域を把持するように配置しておくことができる。
【0016】
部材の種類と機能に応じてプラスチック構造体は補強構造体および/または案内構造体として構成しておくことができる。例えばプラスチック構造体は、媒体、例えば車室を空気調和するための空気を案内する案内通路または流れ通路を形成することができる。選択的にまたは付加的にプラスチック構造体はケーブル通路として構成しておくことができる。付加的にまたは選択的にプラスチック構造体は少なくとも部分的に、金属製本体を補強するための内部肋材として構成しておくことができる。また、プラスチック構造体は1つの内部肋材と1つの通路とからなる1つの複合要素とすることができる。他の1実施形態においてプラスチック構造体は単一部分または多部分で構成しておくことができる。例えば、プラスチック構造体は金属製本体の空洞内に1つの通路を形成することができ、金属製本体の空洞の上向き開口領域、例えば半鉢の開口領域に、開口領域を極力良好に補強するリブ付蓋として実施しておくことができる。
【0017】
望ましくは、プラスチック構造体は熱可塑性プラスチック、特に繊維強化プラスチックおよび/または充填材入りプラスチックから形成されている。金属製本体は好ましくは軽金属、特にアルミニウム、マグネシウムまたはチタン、または精密鋼から形成され、0.4mm〜3mm、特に0.4mm〜1.5mmの壁厚を有する。例えば車両内の横支持体としてのまたは空気案内通路としての部材の機能および種類に応じて、金属製本体は中空形材として、特に中空形材の縦軸線に沿って片面または両面で延びる縁を有する開口中空形材として、例えば帽子型形材として実施されている。
【0018】
部分的にプラスチックを備えた本体は有利には少なくとも一部では穿孔して構成しておくことができる。これは望ましくは例えば開口領域において行われる。このような本体は特に、重量を節約しおよび/または構造体を補強する利点を有する。
【0019】
上記部材は好ましくは車両内でダッシュボード支持体として使用され、プラスチックコアまたはプラスチック構造体は単数または複数の通路、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を形成する。選択的に、このような部材は車両内で横支持体として、特に車両のAピラー間の横支持体として、またはフロントエンド部材として使用することができる。またこのような部材は車両内で支持要素として、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素として、縦支持体として、車両下枠として、またはルーフピラーとして使用することが可能である。
【0020】
上記部材を製造するための方法において例えば、既に予め仕上げた金属製本体が使用され、この本体はその縁領域に、一体に成形される1つの固定要素を備えている。金属製本体の空洞内に受容されるべきプラスチック構造体は予め仕上げられた金属製本体内で位置決めされかつ固定され、金属製本体の一体に成形される固定要素が塑性加工され、プラスチック構造体はその縁領域において金属製本体と少なくとも機械的に結合され、特に鍔出し結合されている。可能な1実施形態において金属製本体の縁領域の固定要素はプラスチック構造体の縁領域の周りで少なくともu形状に曲げられる。
【0021】
特に、金属製本体とプラスチック構造体との互いに結合された縁領域が互いに形状接合式、摩擦接合式および/または素材接合式に結合され、それらは例えば鍔出しされ、圧着され、スタンピングされ、リベット止めされ、ねじ止めされ、溶接され、蝋付されおよび/または接着される。金属製本体とプラスチック構造体との互いに機械的に結合される縁領域は1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、1つのクリップ、1つのねじによって付加的に互いに結合することができる。
【0022】
部材の構造および機能に応じて金属製本体は固定要素を形成する1つの縁を備えて、予め仕上げられたモジュールとして使用することができる。選択的に、金属製本体は縁領域を機械的に結合する場合でも成形することができ、このため本体は塑性加工工具内に配置されている。また、プラスチック構造体は予め仕上げたモジュールとして、特に単一部分または多部分構成のモジュールとして使用することができる。選択的に、予め仕上げられた金属製本体内のプラスチック構造体はいわゆる単液または多液射出成形法でプラスチック導入によって導入され、プラスチック構造体として成形することができる。例えばプラスチック構造体は繊維マット補強付きまたは補強なしに長ガラス繊維強化可塑剤の射出成形、射出スタンピング、プレスによって製造される。
【0023】
本発明で達成される利点は特に、高い造形自由度で部材を製造できることにある。その際金属製本体は縁領域において付加的部品なしに十分大きな面でプラスチック構造体と結合することができる。さらに、プラスチック構造体用の材料として長ガラス繊維材料を使用することができ、これが部材の剛性と強度を高める。さらに、本体とプラスチック構造体とを大きな面で結合することによって部材間で面的または線状に力の伝達が可能である。面積の大きい結合個所によって付加的にこれは素材接合式結合等の他の結合方式、例えば接着用に使用することができる。
【0024】
本発明の実施例が図面を基に詳しく説明される。
【実施例】
【0025】
相対応する部品にはいずれの図でも同じ符号が付けてある。
【0026】
図1Aは部材1、例えば詳しくは図示しない車両の詳しくは図示しないAピラーの間に配置するための横支持体を横断面で示す。
【0027】
部材1は特に複合部材である。このため部材1が1つの金属製本体2を有し、この本体は好ましくは板、特に軽金属板、例えばアルミニウム板またはマグネシウム板、または精密鋼板から形成されており、壁厚は0.4mm〜3mm、特に0.4mm〜1.5mmまたは2.0mmである。さらに、本体2は部分的に厚さを変更して成形しておくことができ、区域によっては他の要素、例えばステアリングまたは空調装置または空気入口および/または空気出口を部材1に一体化することができる。
【0028】
本体2は実施例において中空形材として、特にu型形材または箱型形材として実施されている。その際本体2はu型形材または半鉢体の上向き開口領域に1つの張出し部または縁領域Rgを有し、これが本体2の縦軸線に沿って延びている。それゆえに本体2は帽子型形材と称することもできる。選択的に金属製本体は管状に、例えば中空円筒として構成しておくこともできる。詳しくは図示しないこの実施形態において本体2は2つの要素から形成されており、要素は重なり合う領域に縁領域を備えている。また箱型またはu型本体2は2つの要素で構成できる。これは特に部材1の使用に依存している。上向きに開口した本体2の開口領域Oは例えば蓋4を備えておくことができ、この蓋は部材1の機能および種類に応じてプラスチックまたは金属から、特に軽金属から形成されている。
【0029】
本体2が内側にプラスチックKを備えており、これがプラスチック構造体6を形成する。プラスチックKはその際一種のプラスチック内張りとして組付け、組み込みまたは射出成形しておくことができる。少なくとも部分的にプラスチックKで内張りされた本体2は閉状態のとき通路8として、特に流れを案内するための流れ通路として、および/またはケーブルまたは別のコンポーネントを案内するための案内通路として役立つ。プラスチック構造体6の構造に応じて通路8は単室通路または多室通路として構成しておくことができる。多室通路の場合、プラスチック構造体6は付加的に1つの隔壁10(破線で図示)を有する。プラスチック構造体6は特に、力が加わったとき本体2の変形を防止するために例えば軽金属から成形される本体2を補強するのに役立つ。
【0030】
プラスチック構造体6によって形成される通路8を極力良好に利用して媒体、例えば車室を空気調和するための空気または管路またはケーブルを案内し、そしてそこから帰結する部材1の機械的応力、特に本体2とプラスチック構造体6との結合の力の応力を減らすために、本体とプラスチック構造体は互いに十分強固に結合されねばならない。このためプラスチック構造体6はそれらに付属した縁領域Rkが本体2の縁領域Rgに組付けられる。本体2の縁領域Rgは一体に成形される固定要素12を備えており、この固定要素に基づいてプラスチック構造体6は少なくとも機械的に組み立てられ、特に鍔出しされている。その際、金属製本体2とプラスチック構造体6との機械的結合はそれらの重なり合った縁RgもしくはRkで機械的に行われ、一体に成形される固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkの周りで曲げられ、特に鍔出しされる。金属製本体2とプラスチック構造体6とをそれらの縁領域RgもしくはRkにおいて大きな面で結合する簡単な実施形態において、一体に成形される固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkをu形状に取り囲んでおり、そのことは図1Bにおいて図1Aによる拡大部分図で詳しく示してある。
【0031】
図2A〜図2Cは金属製本体2とプラスチック構造体6との機械的結合を製造するための作製経過を概略示す。その際、図2Aに示すようにプラスチック構造体6は本体2の例えば通路8として役立つ空洞Hに挿入され、特に組み込まれる。場合によってはプラスチック構造体6は固定要素12を介して空洞H内で位置決めされ、予め固定される。重なり合う縁領域RgもしくはRkにおいて本体2をプラスチック構造体6と面的にかつ素材接合式に結合するために各固定要素12が塑性加工され、特に折り曲げられ、図2Bと図2Cに拡大部分図で示すように固定要素12はプラスチック構造体6の縁領域Rkを取り囲み、特にu形状に取り囲む。
【0032】
部材の種類に応じて金属製本体2も、プラスチック構造体6も、予め仕上げられるモジュールとして構成しておくことができ、モジュールは入れ子式に組み立てられ、特に設定され、またそれらの縁領域RgもしくはRkは固定要素12によって互いに結合され、特に鍔出し結合される。選択的にプラスチック構造体6は複数の要素から形成しておくことができ、1つの要素は中空室Hのプラスチック内張りを表す。他方の要素は内部肋材の態様の補強構造体Vとして本体2の開口領域でプラスチック構造体6としての蓋4の下方に配置されている。プラスチック層またはプラスチック内張りもしくは補強構造体は、内張りの方式‐射出成形した態様または組付けた態様‐にかかわりなく、要求条件に応じて厚さが1mm〜10mm、主に0.8mm〜6mmである。本体2は内面および/または外面にプラスチックKを備えておくことができる。さらに、プラスチックを複数の段階で導入することによってプラスチックは単層または多層で本体2に一体に成形しておくことができる。
【0033】
図3A〜図4Bは、金属製本体2とプラスチック構造体6との縁領域RgもしくはRkにおける各種結合を有するさまざまな実施形態の部材1を略横断面図で示す。
【0034】
図3Aと図3B(図3Aの拡大部分図)は縁領域Rg、Rkの鍔出し結合を補足して他の結合を示しており、すなわちプラスチック構造体6の縁領域Rkが1つの突起14、例えば1つのプラスチック鼻端を備えており、この鼻端は固定要素12および本体2の縁領域Rgの凹部15内に係合し、こうして固定が可能になる。
【0035】
図4Aと図4B(図4Aの拡大部分図)は本体2とプラスチック構造体6との結合の他の構成を示す。その際プラスチック構造体6がその縁領域Rkに1つの切欠き部16を有し、この切欠き部内に固定要素12が曲げ入れられ、こうして嵌入される(右縁領域Rg、Rk参照)。図3Aと図3Bに示したように、ここでもプラスチック構造体の縁領域Rkの突起14は本体2の縁領域Rgの凹部15に嵌入することができる。
【0036】
図5Aと図5Bが略斜視図で示す部材1は本体2と縁領域Rgに櫛状に一体に成形される固定要素12とを有する。縁領域Rgの櫛構造体は、それとともに櫛状固定要素12は、ここでは単に補強構造体として図示されているプラスチック構造体6の縁領域Rkの周りで曲げられ、特に鍔出しされる。付加的にプラスチック構造体6はやはり突起14を備えておくことができ、これらの突起は固定要素12の櫛構造体によって形成される凹部15内に係合し、例えばクリップ止めされ、嵌入され、締付けられる。
【0037】
図6Aと図6Bが略斜視図で示す他の実施形態の部材1は本体2の縁領域Rgに各種の固定要素12を有する。その際固定要素12は嵌合要素として構成されており、この嵌合要素内にプラスチック構造体6の縁領域Rkの突起14が係合し、特に嵌入され、締付けられまたはクリップ止めされる。図7は嵌合機能を有する固定要素12の他の実施形態を示す。
【0038】
付加的に、本体2の縁領域Rgの固定要素12は肋片、腹部、突部および/または開口部を備えておくことができる(詳しくは図示せず)。その場合、プラスチック構造体6はその縁領域Rkが射出圧力によって成形され、対応する表面構造体を備えている。固定要素12の形状、種類および数に応じて、プラスチック構造体6用の固定する表面構造体として、固定要素12の構造体に対応する任意の形状およびパターン、例えば縦条溝、横条溝、十字パターンまたは六角形パターンを縁領域Rkに実現することができる。
【0039】
付加的に、プラスチック構造体6はその縁領域Rkにおいて金属製本体2と素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合しておくことができる。これは以上述べたすべての実施形態の部材1において可能である。また、プラスチック構造体6と金属製本体2はそれらの縁領域Rg、Rkにおいて1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu型クランプによって結合することができる。
【0040】
部材1は例えば空調装置および/または暖房装置用ダッシュボード支持体として利用される。選択的に部材1は車両内でウインドシールドガラスの下に配置される横支持体として利用することができ、この横支持体は車室を空気調和しウインドシールドガラスまたはフロントガラスを除霜するための空気案内通路として設けられている。本体2は、通路8内を案内される媒体、例えば空気を流入および/または流出させるための縦方向に見て相互に離間配置される複数の開口領域を備えている。
【0041】
さらに、このような部材1は車両内の別の個所でも利用することができる。例はA‐、B‐、C‐、Dピラー、縦支持体、車両下枠、ルーフピラー等である。これらの部材1を通しても、空調装置(簡単にHVACと称する)の空気はスペース節約的に案内し分配することができ、部材1は車両内で構造部品として、特に中空構造部品として実施されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】縁領域において機械的に結合された1つの金属製本体と1つのプラスチック構造体とを有する部材の可能な実施形態を略横断面図で示す。
【図1B】縁領域において機械的に結合された1つの金属製本体と1つのプラスチック構造体とを有する部材の可能な実施形態を略横断面図で示す。
【図2A】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図2B】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図2C】金属製本体とプラスチック構造体との機械的結合を製造するための略作製経過を示す。
【図3A】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図3B】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図4A】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図4B】金属製本体とプラスチック構造体との各種結合を有する1つの実施形態の部材を略横断面図で示す。
【図5A】本体と縁領域に櫛状に一体に成形される固定要素とを有する部材を略斜視図で示す。
【図5B】本体と縁領域に櫛状に一体に成形される固定要素とを有する部材を略斜視図で示す。
【図6A】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【図6B】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【図7】本体の縁領域に各種の固定要素を有する部材の他の実施形態を略斜視図で示す。
【符号の説明】
【0043】
1 部材
2 本体
4 蓋
6 プラスチック構造体
8 通路
10 隔壁
12 一体に成形された固定要素
14 突起
15 凹部
16 切欠き部
H 空洞
K プラスチック
Rg 本体の縁領域
Rk プラスチック構造体の縁領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両横支持体用の部材(1)、特に複合部材であって、少なくとも部分的にプラスチック構造体(6)を備えた1つの金属製本体(2)を含み、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される1つの固定要素(12)を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体(6)が本体(2)と少なくとも機械的に組立可能である部材。
【請求項2】
金属製本体(2)を中空形材として構成する場合、一体に成形される固定要素(12)が、縦軸線上を延びる縁(Rg)自体によって形成されている、請求項1記載の部材。
【請求項3】
金属製本体(2)を中空形材として構成する場合、一体に成形される固定要素(12)が、縦軸線上を延びて櫛構造体を有する縁(Rg)によって形成されている、請求項1または2記載の部材。
【請求項4】
一体に成形される固定要素(12)が嵌合要素として構成されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の部材。
【請求項5】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)に突起(14)を備えており、これらの突起が金属製本体(2)の縁領域の櫛構造体内および/または嵌合要素内に組込可能、特に挿入可能、差込可能もしくは嵌入可能である、請求項1〜4のいずれか1項記載の部材。
【請求項6】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)をその縁領域(Rk)において少なくとも部分的に取り囲む、請求項1〜5のいずれか1項記載の部材。
【請求項7】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)を少なくともu形状に取り囲む、請求項1〜6のいずれか1項記載の部材。
【請求項8】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)をその縁領域(Rk)において櫛状に取り囲み、特に把持する、請求項1〜7のいずれか1項記載の部材。
【請求項9】
一体に成形される固定要素(12)が少なくとも1つの構造要素、特に1つの肋片、1つの腹部、1つの突部、1つの開口部を備えている、請求項1〜8のいずれか1項記載の部材。
【請求項10】
プラスチック構造体(6)が金属製本体(2)の空洞(H)内に挿入可能、特に組込可能であり、かつ一体に成形される固定要素(12)によって位置決め可能、固定可能である、請求項1〜9のいずれか1項記載の部材。
【請求項11】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において、一体に成形される固定要素(12)によって金属製本体(2)と形状接合式および/または摩擦接合式に鍔出し結合、差込結合、スナップ結合、クリップ結合、かしめ結合および/またはフック結合に基づいて組込可能、特に挟込み可能、絞り込み可能、掛け込み可能および/または挿入可能である、請求項1〜10のいずれか1項記載の部材。
【請求項12】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と付加的に素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合されている、請求項1〜11のいずれか1項記載の部材。
【請求項13】
プラスチック構造体(6)が付加的に1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu形クランプによって金属製本体(2)とそれらの縁領域(Rg、Rk)において結合可能である、請求項1〜12のいずれか1項記載の部材。
【請求項14】
プラスチック構造体(6)が補強構造体および/または案内構造体として構成されている、請求項1〜13のいずれか1項記載の部材。
【請求項15】
プラスチック構造体(6)が単一部分または多部分で構成されている、請求項1〜14のいずれか1項記載の部材。
【請求項16】
プラスチック構造体(6)が熱可塑性プラスチック、特に繊維強化プラスチックおよび/または充填材入りプラスチックから形成されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の部材。
【請求項17】
金属製本体(2)が軽金属、特にアルミニウム、マグネシウムまたはチタン、または精密鋼から形成され、0.4mm〜1.5mmの壁厚を有する、請求項1〜16のいずれか1項記載の部材。
【請求項18】
金属製本体(2)が中空形材として、特に中空形材の縦軸線に沿って片面または両面で延びる縁(Rg)を有する開口中空形材として、例えば帽子型形材として実施されている、請求項1〜17のいずれか1項記載の部材。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)の、車両内で1つの通路(8)、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を有するダッシュボード支持体としての使用。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)の、車両内で横支持体としての、特に車両のAピラー間の横支持体としての、またはフロントエンド部材としての使用。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材の、車両内で支持要素としての、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素としての、縦支持体としての、車両下枠としての、またはルーフピラーとしての使用。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)を製造するための方法であって、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される固定要素(12)を備えており、金属製本体(2)の空洞(H)内に受容されるプラスチック構造体(6)がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体(2)の一体に成形される固定要素(12)が塑性加工され、プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と少なくとも機械的に結合されている方法。
【請求項23】
固定要素(12)がプラスチック構造体(6)の縁領域(Rk)の周りで少なくともu形状に曲げられる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
金属製本体とプラスチック構造体(6)との互いに結合された縁領域(Rg、Rk)が互いに形状接合式、摩擦接合式および/または素材接合式に結合され、特に鍔出し結合、圧着、スタンピング、リベット止め、ねじ止め、溶接、蝋付および/または接着される、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
金属製本体(2)とプラスチック構造体(6)との互いに結合された縁領域(Rg、Rk)が1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、1つのクリップ、1つのねじによって付加的に互いに結合される、請求項22〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
金属製本体(2)が、固定要素(12)を形成する1つの縁(Rg)を備えており、予め仕上げられたモジュールとして使用される、請求項22〜25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
プラスチック構造体(6)が予め仕上げられたモジュールとして、特に単一部分または多部分構成のモジュールとして使用される、請求項22〜26のいずれか1項記載の方法。
【請求項1】
車両横支持体用の部材(1)、特に複合部材であって、少なくとも部分的にプラスチック構造体(6)を備えた1つの金属製本体(2)を含み、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される1つの固定要素(12)を有し、この固定要素に基づいてプラスチック構造体(6)が本体(2)と少なくとも機械的に組立可能である部材。
【請求項2】
金属製本体(2)を中空形材として構成する場合、一体に成形される固定要素(12)が、縦軸線上を延びる縁(Rg)自体によって形成されている、請求項1記載の部材。
【請求項3】
金属製本体(2)を中空形材として構成する場合、一体に成形される固定要素(12)が、縦軸線上を延びて櫛構造体を有する縁(Rg)によって形成されている、請求項1または2記載の部材。
【請求項4】
一体に成形される固定要素(12)が嵌合要素として構成されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の部材。
【請求項5】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)に突起(14)を備えており、これらの突起が金属製本体(2)の縁領域の櫛構造体内および/または嵌合要素内に組込可能、特に挿入可能、差込可能もしくは嵌入可能である、請求項1〜4のいずれか1項記載の部材。
【請求項6】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)をその縁領域(Rk)において少なくとも部分的に取り囲む、請求項1〜5のいずれか1項記載の部材。
【請求項7】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)を少なくともu形状に取り囲む、請求項1〜6のいずれか1項記載の部材。
【請求項8】
一体に成形される固定要素(12)がプラスチック構造体(6)をその縁領域(Rk)において櫛状に取り囲み、特に把持する、請求項1〜7のいずれか1項記載の部材。
【請求項9】
一体に成形される固定要素(12)が少なくとも1つの構造要素、特に1つの肋片、1つの腹部、1つの突部、1つの開口部を備えている、請求項1〜8のいずれか1項記載の部材。
【請求項10】
プラスチック構造体(6)が金属製本体(2)の空洞(H)内に挿入可能、特に組込可能であり、かつ一体に成形される固定要素(12)によって位置決め可能、固定可能である、請求項1〜9のいずれか1項記載の部材。
【請求項11】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において、一体に成形される固定要素(12)によって金属製本体(2)と形状接合式および/または摩擦接合式に鍔出し結合、差込結合、スナップ結合、クリップ結合、かしめ結合および/またはフック結合に基づいて組込可能、特に挟込み可能、絞り込み可能、掛け込み可能および/または挿入可能である、請求項1〜10のいずれか1項記載の部材。
【請求項12】
プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と付加的に素材接合式に接着結合、射出成形プラスチック結合、蝋結合および/または溶接結合に基づいて結合されている、請求項1〜11のいずれか1項記載の部材。
【請求項13】
プラスチック構造体(6)が付加的に1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、例えば1つのu形クランプによって金属製本体(2)とそれらの縁領域(Rg、Rk)において結合可能である、請求項1〜12のいずれか1項記載の部材。
【請求項14】
プラスチック構造体(6)が補強構造体および/または案内構造体として構成されている、請求項1〜13のいずれか1項記載の部材。
【請求項15】
プラスチック構造体(6)が単一部分または多部分で構成されている、請求項1〜14のいずれか1項記載の部材。
【請求項16】
プラスチック構造体(6)が熱可塑性プラスチック、特に繊維強化プラスチックおよび/または充填材入りプラスチックから形成されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の部材。
【請求項17】
金属製本体(2)が軽金属、特にアルミニウム、マグネシウムまたはチタン、または精密鋼から形成され、0.4mm〜1.5mmの壁厚を有する、請求項1〜16のいずれか1項記載の部材。
【請求項18】
金属製本体(2)が中空形材として、特に中空形材の縦軸線に沿って片面または両面で延びる縁(Rg)を有する開口中空形材として、例えば帽子型形材として実施されている、請求項1〜17のいずれか1項記載の部材。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)の、車両内で1つの通路(8)、特に1つの空気案内通路および/または1つのケーブル通路を有するダッシュボード支持体としての使用。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)の、車両内で横支持体としての、特に車両のAピラー間の横支持体としての、またはフロントエンド部材としての使用。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材の、車両内で支持要素としての、特にA‐、B‐、C‐、Dピラー支持要素としての、縦支持体としての、車両下枠としての、またはルーフピラーとしての使用。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれか1項に記載した部材(1)を製造するための方法であって、金属製本体(2)がその縁領域(Rg)に、一体に成形される固定要素(12)を備えており、金属製本体(2)の空洞(H)内に受容されるプラスチック構造体(6)がこの固定要素内で位置決めされかつ固定され、金属製本体(2)の一体に成形される固定要素(12)が塑性加工され、プラスチック構造体(6)がその縁領域(Rk)において金属製本体(2)と少なくとも機械的に結合されている方法。
【請求項23】
固定要素(12)がプラスチック構造体(6)の縁領域(Rk)の周りで少なくともu形状に曲げられる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
金属製本体とプラスチック構造体(6)との互いに結合された縁領域(Rg、Rk)が互いに形状接合式、摩擦接合式および/または素材接合式に結合され、特に鍔出し結合、圧着、スタンピング、リベット止め、ねじ止め、溶接、蝋付および/または接着される、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
金属製本体(2)とプラスチック構造体(6)との互いに結合された縁領域(Rg、Rk)が1つの個別の結合要素、特に1つのクランプ、1つのクリップ、1つのねじによって付加的に互いに結合される、請求項22〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
金属製本体(2)が、固定要素(12)を形成する1つの縁(Rg)を備えており、予め仕上げられたモジュールとして使用される、請求項22〜25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
プラスチック構造体(6)が予め仕上げられたモジュールとして、特に単一部分または多部分構成のモジュールとして使用される、請求項22〜26のいずれか1項記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公表番号】特表2007−508176(P2007−508176A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530128(P2006−530128)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011281
【国際公開番号】WO2005/035339
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011281
【国際公開番号】WO2005/035339
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】
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