部材の接合方法およびパネル構造
【課題】 接続具の先端部を部材の表面に突出させないようにしたり、部材の厚みを薄くしたりする場合であっても、部材どうしを確実に接合し得る部材の接合方法およびパネル構造の提供。
【解決手段】 部材の接合面間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させる部材の接合方法およびこの接合方法で構成したパネル構造。
【解決手段】 部材の接合面間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させる部材の接合方法およびこの接合方法で構成したパネル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル等の部材の接合方法およびパネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル等の部材どうしを接合する方法として、例えば、特許文献1参照に示すものが提案されている。これは、接着剤および接続具としてのリベットを用いて部材どうしを接合するものであり、部材どうしの接合面に接着剤による接着剤層(粘着剤層)を施し、続いて一方の部材側から他方の部材に亘るようにリベット孔を形成し、該リベット孔にリベットを挿入・打設して、該リベットにより両部材どうしを強固に接合するものである。このようにして構成したパネル構造物は、家屋の外壁等にビス止め等により固定するように用いられる。
【特許文献1】特許第3287715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようにして構成されたパネル構造物において、見栄えの向上のために、リベットはその先端部を他方の部材の表面に突出させないようにすることが考えられる。このような場合ではリベットの接合力のみでは不足しがちであるから、接着剤層を施工することで不足した接合力をカバーすることが好ましい。しかしながら、フィルム状の粘着剤層は肉薄であれば部材どうしの平行度を確保し易いが、部材どうしの接合面に所定の厚みの接着剤層を均一にして部材どうしの平行度を確保して接合することはむずかしい。
また、コスト面や軽量化のために、特に、他方の部材の厚みを薄くすることが考えられ、このような場合では、リベットを他方の部材に貫通させるようにして両部材を接合しても充分な接合力が得られないから、接着剤層の面積を大きくすることが望まれる。
【0004】
そこで本発明は、接続具の先端部を部材の表面に突出させないようにしたり、部材の厚みを薄くしたりする場合であっても、部材どうしを確実に接合し得る部材の接合方法およびパネル構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴としている。
【0006】
上記方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を調整でき、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面から突出しないようにしていても、接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができ、部材の接合具挿入用孔や接合具を長期にわたって腐食防止することができる。
【0007】
本発明は、部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させるように挿通して両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴としている。
【0008】
上記方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を調整でき、したがって他方の部材の表面に突出させるようにした接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、他方の部材の厚みが薄くても、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができ、部材の接合具挿入用孔や接合具を長期にわたって腐食防止することができる。
【0009】
本発明の部材の接合方法は、スペーサを、接合具挿入用孔および流入用孔を回避させて、接合具挿入用孔および流入用孔の両側に対向させて配置することを特徴としている。
この方法によれば、流入用孔から流入された接着剤の充填範囲がスペーサによって規制されるから、接着剤の厚みの厚薄が生じにくくなる。
【0010】
本発明の部材の接合方法は、接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサを部材の接合面の間に配置することを特徴としている。
上記方法によれば、環状スペーサによって接着剤の範囲を規制することができ、接着剤の厚みの厚薄が生じにくくなる。
【0011】
本発明の部材の接合方法は、環状スペーサとして、その周方向途中に接着剤を接合面に沿う方向に通過させうる切欠が形成されたものを用いていることを特徴としている。
【0012】
上記方法によれば、先ず接着剤が環状スペーサの内方に充填され、続いて環状スペーサの切欠から環状スペーサの外方へ向けて流出するようにして充填される。そして接着剤の充填範囲を規制するよう設けたスペーサ間に充填された接着剤と合流して均一な厚みの接着剤となる。
【0013】
本発明のパネル構造は、一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至って両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成され、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成において、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至っている構成であっても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【0015】
本発明のパネル構造は、一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されて両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成されて、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴としている。
【0016】
上記構成において、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって、他方の部材の厚みが薄くても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【0017】
本発明のパネル構造は、接合具を介してその両側にスペーサが配置されて、接合具の周囲を含めたスペーサ間に接着剤が充填されていることを特徴としている。
この構成によれば、スペーサ間の規制された範囲に、スペーサの厚みに応じた厚みの接着剤があってこの接着剤によって両部材が接着されている。
【0018】
本発明のパネル構造では、接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサが両部材の接合面の間に配置され、環状スペーサの少なくとも内方に接着剤が充填されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の部材の接合方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を容易に調整でき、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面から突出しないようにしていても、接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができる。
【0020】
本発明のパネル構造によれば、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至っている構成であっても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る部材の接合方法およびパネル構造を、壁面パネル構造の場合を例に、図面に基づいて説明する。先ず、本発明の実施形態に係る壁面パネル構造を説明する。
【0022】
図1の断面図に示すように、本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1は、取付け用部材2(一方の部材に相当する)と、パネル状部材3(他方の部材に相当する)と、取付け用部材2およびパネル状部材3を固定するためのリベット(接合具に相当する)4と、取付け用部材2およびパネル状部材3の接合面5,6に挟持されたスペーサ7と、接合面5,6間に施された接着剤層(粘着剤層)10とを有する。パネル状部材3は正面視して矩形に形成されている。
【0023】
なお、壁面パネル構造1は複数個を縦方向、横方向に並べて、例えば建築物の外壁や内壁に用いられるものである。そして、取付け用部材2としてはアルミニウム製の型材であり、パネル状部材3としては樹脂板や、樹脂板の両側に金属製面材を接着した複合板等である。壁面パネル構造1を建築物の外壁に用いる場合は、パネル状部材3を取付け用部材2の室外側(観者側)に配置するよう設ける。換言すれば、パネル状部材3は、建築材料としての化粧板である。
【0024】
取付け用部材2とパネル状部材3との接合面5,6は平面であり、これら接合面5,6は、取付け用部材2およびパネル状部材3の平板部における接合面5,6である。この接合面5,6は、その有機溶剤が脱脂され、必要に応じてプライマー処理が施された後にスペーサ7を介して平行に対向されている。
【0025】
取付け用部材2においてスペーサ7を回避する部位に接合具挿入用孔11(図2参照)が形成され、接合具挿入用孔11にリベット4が挿入されて取付け用部材2とパネル状部材3とが固定されている。リベット4は接合具挿入用孔11を挿通(遊嵌)してパネル状部材3に渡されているが、その先端部12はパネル状部材3を貫通しておらず、その表面に至る途中で留められている。
【0026】
スペーサ7は、リベット4を介してその両側に配置された第一スペーサ13と、接合具挿入用孔11の外側で対向して接合具挿入用孔11を囲むようにして配置された環状の第二スペーサ(環状スペーサ)15とからなる。第一スペーサ13として、帯状のマスキング用紙テープ16(空気および接着剤は通さない)の重合せ体が用いられ接合面5,6の縦方向に亘って、例えば取付け用部材2の接合面5,6に貼着されている。
【0027】
この第一スペーサ13は、他に腐食しにくい金属板(アルミニウム合金板、SUS板等)やプラスチック板等でもよく、接合具挿入用孔11に対向する部位からその両横方向側に所定間隔だけ位置ずれさせており、この場合、ひとつの接合具挿入用孔11についてその両横方向側に対で設けられている。すなわち、第一スペーサ13間における取付け用部材2およびパネル状部材3の上下端部部分は開放されている。
【0028】
この実施形態では、スペーサ7の厚みは例えば約0.5mmに設定されている。例えば第一スペーサ13として、アクリル板や、ポリカーボネート等の樹脂片を用いてもよい。また、第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚みと同程度とすることが好ましい。これにより、接合具挿入用孔11にリベット4を挿入し取付け用部材2およびパネル状部材3の両部材を固定する際に、接合具挿入用孔11の周囲において、取付け用部材2がパネル状部材3側に不必要に撓みにくくなる。
【0029】
第二スペーサ15は、第一スペーサ13間で接合具挿入用孔11に対向する部位からを囲むように、該部位より大径の環状に形成されている。第二スペーサ15は、前記部位と同心円となるよう環状に形成されている。第二スペーサ15は例えば針金を環状に形成したもので、したがってこの実施形態では第二スペーサ15の径方向断面は、円形に形成されている。
【0030】
第一スペーサ13の厚みおよび第二スペーサ15の断面径は実質的に等しく設定されている。また内側の第二スペーサ15、すなわちスペーサ7のうちリベット4側のものは外側の第一スペーサ13に比べて硬質のものを用いている。
このようなスペーサ7を用いることにより、接合面5,6どうしは第一スペーサ13の厚みおよび第二スペーサ15の断面径分だけ前後方向に離間している。
【0031】
そして、一対の第一スペーサ13で制限される範囲内(接合具挿入用孔11の径方向外方側)の取付け用部材2に、接着剤充填用孔(流入用孔)20が複数形成されている。また、第二スペーサ15は、その周方向途中に接着剤を接合面5,6に沿う方向に通過させうる切除部分としての切欠22が形成されている。
接着剤充填用孔20は、接合具挿入用孔11の径方向外方位置に周方向に等間隔に配置して形成されており、この場合では接合具挿入用孔11の径方向外方位置に二個設けられている。
【0032】
接着剤は、第二スペーサ15の内径領域を含めて、第一スペーサ13で制限される範囲内に充填されている。しかも、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間にも充填されている。さらに、接着剤はリベット4の頭部24を覆うようにして、頭部24と取付け用部材2の裏面との接触面をシールするよう施されている。このシールのための接着剤は、第一スペーサ13間における取付け用部材2およびパネル状部材3の上下端部部分を開放していることにより、接着剤充填用孔20から接着剤を接合面5,6間に充填させた際に吐出する(はみ出る)余剰の接着剤を適宜の除去具を用いて除去して利用することがコスト面で好ましい。
【0033】
上記のようなスペーサ7(第一スペーサ13,第二スペーサ15)、接合具挿入用孔11、および接着剤充填用孔20の組を、接合する取付け用部材2とパネル状部材3の大きさ(場合によっては形状)に応じて必要な組数だけ設けている。
【0034】
次に、上記構成の取付け用部材2とパネル状部材3との接合方法、すなわちパネル構造1の製造方法を説明する。先ず図5に示すように、取付け用部材2の所定場所に、接合具挿入用孔11および接着剤充填用孔20を形成しておき、スペーサ7(第一スペーサ13,第二スペーサ15)を、取付け用部材2およびパネル状部材3の接合面5,6である平面の何れかに貼着しておく。なお、図5ではスペーサ7およびそれによって形成される隙間Sは図示していない。
【0035】
そして、取付け用部材2に対してパネル状部材3を位置合わせしてこれらの接合面5,6どうしを対向させ、図6で示すように所定の保持具(例えば万力)50で両部材を位置ずれしないように仮に保持しておく。
【0036】
この状態で、取付け用部材2とパネル状部材3の接合面5,6間にはスペーサ7が存在しているから、取付け用部材2とパネル状部材3の接合面5,6間はスペーサ7の厚み分だけ離間して隙間Sが生じている。
【0037】
続いて、図7に示すように、取付け用部材2の接合面5に対応する裏面に、接合具挿入用孔11に挿入される筒体部51を有する取付け用工具52の押さえ部(位置決め部)53を当て、さらに図8で示すように、ドリル54等の工具のワーク部55を取付け用工具52の筒体部51に挿入して、ドリル54の先端をパネル状部材3の接合面6に当てて、図9および図10で示すように、リベット4の先端部12が挿入される凹部56を形成し、ドリル54および取付け用工具52を取外す。
このとき、ドリル54のワーク部55の先端は、パネル状部材3の表面を貫通しないようにさせる。このために、取付け用工具52およびドリル54は、取付け用部材2およびパネル状部材3の厚みに応じたものを用いることが必要である。
【0038】
続いて、図11に示すように、接合具挿入用孔11から接着剤cを充填する。接合具挿入用孔11から接着剤を充填することにより、第二スペーサ15の内径側の領域S1、凹部56および接合具挿入用孔11に接着剤を充填した状態とする。
【0039】
次に図12に示すように、接合具挿入用孔11にリベット4を挿入して、図13に示すようにエアーリベッタ57を用いてリベット4を接合具挿入用孔11および凹部56に亘るように打設する。リベット4を打設すると、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間にも接着剤cが充填された状態となる。
【0040】
リベット4を打設する際、取付け用部材2およびパネル状部材3のリベット4周辺に撓みが発生することが考えられるが、リベット4の周囲の第二スペーサ15は剛性の高いものを用いているから、取付け用部材2およびパネル状部材3の変形を抑えることができる。
【0041】
図14に示すように、リベット4はその打設によりその先端部12が複数の片状に分割されて拡径されるタイプのものを用いることが、取付け用部材2とパネル状部材3とを強固に固定するという点において好ましい。
【0042】
なお、凹部56はパネル状部材3を貫通していないから、上記のようにリベット4を打設しても、その先端部12はパネル状部材3を貫通せず、したがってパネル状部材3(化粧板)の表面は平滑面を保持したままである。
また、リベット4を打設することで、取付け用部材2とパネル状部材3は固定されるから、保持具50を取外す。
【0043】
続いて、図15に示すように、接着剤充填用孔20から接着剤cを接合面5,6間に向けて充填する。そして、接合面5,6間には第一スペーサ13が接着剤充填用孔20の両側にあって、それより外側への接着剤cの流出を防止しており、しかも接着剤cは既に第二スペーサ15の内径側の領域にあって(あるいは切欠22から第二スペーサ15の外部へ流出しており)、接着剤充填用孔20から充填された接着剤cは、第二スペーサ15の切欠22によって予め接合具挿入用孔11から充填した接着剤cと合流する。したがって、接着剤cは、第一スペーサ13で囲まれる領域内で、第二スペーサ15の体積を除くエリア内に充填されることになる。
【0044】
そして、接着剤充填用孔20から接着剤cを接合面5,6間に充填させた際に吐出する余剰の接着剤cを適宜の除去具を用いて除去し、リベット4の頭部24を覆うようにして、頭部24と取付け用部材2の裏面との接触面をシールするよう施工する。
【0045】
上記のような作業を、スペーサ7、接合具挿入用孔11、および接着剤充填用孔20の組毎に行うことで、取付け用部材2とパネル状部材3との取付けを行う。そして接着剤cは、固化することにより接合面5,6間の厚みに等しい厚みを有した接着剤層10となる。
【0046】
接着剤cとして、シリコーン・シーラント等が好適に用いられる。このシリコーン・シーラントは、初期状態では流動性が高く、経時的に硬化してゴム状弾性および接着力に富むものである。したがって、特に充填の作業がし易く、硬化した後は大きな接着力およびゴム状弾性(変形追従性)により、パネル状部材3が風等の外力を受けた場合に、リベット4の接合力と相まって安全に支持するよう機能し、パネル状部材3の脱落を確実に防止する。
【0047】
本発明の取付け用部材2とパネル状部材3との接合方法によれば、予め接着剤cを接合面5,6に施しておくのではなく、スペーサ7を介してその厚み分だけ接合面5,6どうしを離間させておいて、接合具(リベット4)で両部材を接合し、その後に接着剤cを接合面5,6間に充填するから、スペーサ7の厚みに応じた厚みの接着剤層10を施すことができる。
【0048】
そして、スペーサ7によって接着剤cの充填範囲を規制しているから、接着剤cで形成される接着剤層10の厚みも一定となり、取付け用部材2とパネル状部材3との平行度を確保することができる。
【0049】
しかも、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間、およびリベット4の胴部23の外周領域にも接着剤cが充填されているから、リベット4が接着剤cと一体化し、接着剤cは取付け用部材2およびパネル状部材3に一体化するから、取付け用部材2、パネル状部材3、リベット4、および接着剤cが一体化されて取付け用部材2およびパネル状部材3どうしが強固且つ確実に一体化される。また、接着剤cによりリベット4の防錆が図られる。
【0050】
このようなパネル状部材3は、コストの低減および軽量化等のために、リベット4の先端部12を挿入可能として厚み方向の途中で留めることが可能な厚みとした上で、可及的に薄く形成されたものを用いる場合があるが、このような場合であっても、リベット4と充分な接着力を確保できる所定の厚みに充填された接着剤層10により、取付け用部材2とパネル状部材3とを確実に、強固に接合することができる。
【0051】
上記実施形態の部材の接合方法およびパネル構造では、リベット4の先端部12をパネル状部材3の厚み方向の途中で留める場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、見栄えの低下に問題がなければ、リベットの先端部をパネル状部材3に貫通させるようにする接合方法およびパネル構造にも適用させることができる。何れの場合でも、上記実施形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0052】
なお、接着剤cを接合面5,6に一体化させるために、接合面5,6に予めプライマー(シリコーン系)を塗布しておくことも好ましい。また、接着剤cには予め硬化剤を添加しておくことも好ましい。
【0053】
また、第一スペーサ13として、アクリル樹脂やポリカーボネート等の樹脂板に限定されるものではなく、例えば図3に示すようにマスキング用紙テープ16を重ねたものを用いてもよい。この場合は、第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚み(径)に比べてわずかに大きくすることが好ましい。
さらに、第二スペーサ(環状スペーサ)1の形状は、接合具挿入用孔11の周りを取り囲むことができる形状であればよく、例えば円形、楕円形、三角形、四角形等でもよく、またC字状、コ字状、U字状等でもよく、さらに複数の棒状体を接合具挿入用孔11の周りに配置したものでもよい。
第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚み(径)に比べてわずかに大きくすることが好ましいのは、リベット4を打設した際に部材の撓みを第一スペーサ13の内側にある第二スペーサ15で支持させるためである。したがって、第一スペーサ13よりも第二スペーサ15の方が剛性が高い材料を用いることがさらに好ましい。
【0054】
図16は他の実施形態を示しており、これはリベット4を取付け用部材2とパネル状部材3の双方に貫通するようにして両部材2,3を固定するよう構成したものである。この場合、リベット4はパネル状部材3側から取付け用部材2に渡すように取付けてよい。リベット4の取付けは、エアーリベッタで打設することで行う。
他の構成は上記図1〜図15に示した実施形態と同様であり、両部材2,3の接合方法も、リベット4をパネル状部材3側から取付け用部材2に渡すように取付ける以外は上記実施形態と同様である。そしてこの場合も、取付け用部材2とパネル状部材3とを確実に、強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態を示す壁面パネル構造の要部平面断面図
【図2】同じく壁面パネル構造を取付け用部材側から見て接合具挿入用孔および接着剤充填用孔の配置を示した背面図
【図3】同じく第一スペーサの構成を示す図で、(a)はマスキング用紙テープを重ねた状態の平面図、(b)は第一スペーサの切断状態を示す平面図、(c)は第一スペーサの平面図
【図4】同じく壁面パネル構造を取付け用部材側から見て第二スペーサをあえて実線で表した背面図
【図5】同じく接合具挿入用孔および接着剤充填用孔の配置を示した平面断面図
【図6】同じく所定の保持具で取付け用部材とパネル状部材とを保持した平面断面図
【図7】同じく接合具挿入用孔に取付け用工具の筒体部を挿入した状態の平面断面図
【図8】同じく取付け用工具の筒体部にドリルのワーク部を挿入した状態の平面断面図
【図9】同じくドリルのワーク部をパネル状部材に挿入した状態の平面図
【図10】同じくドリルのワーク部をパネル状部材に挿入して凹部を形成した状態の平面断面図
【図11】同じく接合具挿入用孔から接着剤を充填した状態の平面断面図
【図12】同じく接合具挿入用孔にリベットを挿入した状態の平面断面図
【図13】同じくリベットをエアーリベッタで打設する途中の平面断面図
【図14】同じくリベットをエアーリベッタで打設した状態の平面断面図
【図15】同じく接着剤充填用孔から接着剤を接合面間に向けて充填している状態の平面断面図
【図16】他の実施形態を示す壁面パネル構造の平面断面図
【符号の説明】
【0056】
1…壁面パネル構造、2…取付け用部材、3…パネル状部材、4…リベット、5,6…接合面、7…スペーサ、10…接着剤層、11…接合具挿入用孔、12…先端部、13…第一スペーサ、15…第二スペーサ、20…接着剤充填用孔、22…切欠、23…胴部、24…頭部、50…保持具、51…筒体部、56…凹部、S…隙間、S1…領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル等の部材の接合方法およびパネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル等の部材どうしを接合する方法として、例えば、特許文献1参照に示すものが提案されている。これは、接着剤および接続具としてのリベットを用いて部材どうしを接合するものであり、部材どうしの接合面に接着剤による接着剤層(粘着剤層)を施し、続いて一方の部材側から他方の部材に亘るようにリベット孔を形成し、該リベット孔にリベットを挿入・打設して、該リベットにより両部材どうしを強固に接合するものである。このようにして構成したパネル構造物は、家屋の外壁等にビス止め等により固定するように用いられる。
【特許文献1】特許第3287715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようにして構成されたパネル構造物において、見栄えの向上のために、リベットはその先端部を他方の部材の表面に突出させないようにすることが考えられる。このような場合ではリベットの接合力のみでは不足しがちであるから、接着剤層を施工することで不足した接合力をカバーすることが好ましい。しかしながら、フィルム状の粘着剤層は肉薄であれば部材どうしの平行度を確保し易いが、部材どうしの接合面に所定の厚みの接着剤層を均一にして部材どうしの平行度を確保して接合することはむずかしい。
また、コスト面や軽量化のために、特に、他方の部材の厚みを薄くすることが考えられ、このような場合では、リベットを他方の部材に貫通させるようにして両部材を接合しても充分な接合力が得られないから、接着剤層の面積を大きくすることが望まれる。
【0004】
そこで本発明は、接続具の先端部を部材の表面に突出させないようにしたり、部材の厚みを薄くしたりする場合であっても、部材どうしを確実に接合し得る部材の接合方法およびパネル構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴としている。
【0006】
上記方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を調整でき、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面から突出しないようにしていても、接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができ、部材の接合具挿入用孔や接合具を長期にわたって腐食防止することができる。
【0007】
本発明は、部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させるように挿通して両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴としている。
【0008】
上記方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を調整でき、したがって他方の部材の表面に突出させるようにした接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、他方の部材の厚みが薄くても、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができ、部材の接合具挿入用孔や接合具を長期にわたって腐食防止することができる。
【0009】
本発明の部材の接合方法は、スペーサを、接合具挿入用孔および流入用孔を回避させて、接合具挿入用孔および流入用孔の両側に対向させて配置することを特徴としている。
この方法によれば、流入用孔から流入された接着剤の充填範囲がスペーサによって規制されるから、接着剤の厚みの厚薄が生じにくくなる。
【0010】
本発明の部材の接合方法は、接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサを部材の接合面の間に配置することを特徴としている。
上記方法によれば、環状スペーサによって接着剤の範囲を規制することができ、接着剤の厚みの厚薄が生じにくくなる。
【0011】
本発明の部材の接合方法は、環状スペーサとして、その周方向途中に接着剤を接合面に沿う方向に通過させうる切欠が形成されたものを用いていることを特徴としている。
【0012】
上記方法によれば、先ず接着剤が環状スペーサの内方に充填され、続いて環状スペーサの切欠から環状スペーサの外方へ向けて流出するようにして充填される。そして接着剤の充填範囲を規制するよう設けたスペーサ間に充填された接着剤と合流して均一な厚みの接着剤となる。
【0013】
本発明のパネル構造は、一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至って両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成され、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成において、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至っている構成であっても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【0015】
本発明のパネル構造は、一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されて両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成されて、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴としている。
【0016】
上記構成において、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって、他方の部材の厚みが薄くても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【0017】
本発明のパネル構造は、接合具を介してその両側にスペーサが配置されて、接合具の周囲を含めたスペーサ間に接着剤が充填されていることを特徴としている。
この構成によれば、スペーサ間の規制された範囲に、スペーサの厚みに応じた厚みの接着剤があってこの接着剤によって両部材が接着されている。
【0018】
本発明のパネル構造では、接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサが両部材の接合面の間に配置され、環状スペーサの少なくとも内方に接着剤が充填されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の部材の接合方法によれば、スペーサを介して部材の接合面どうしを離間させることで所定の厚みに接着剤を充填する領域を接合面間で確保したうえで部材どうしを接合具で接合した後に接合面間の隙間に接着剤を充填するから、接着剤(接着剤層)を所定の厚みにして充分な圧力で部材面に密着させることができ、また、要求される接合強度に応じて流入用孔の数を増減することで接着面積を容易に調整でき、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面から突出しないようにしていても、接合具および接着剤の双方の接合力によって双方の部材を強固に接合することができ、しかも接合具挿入用孔に接合具を挿入する前に接合具挿入用孔から接着剤を流入させていることで接合具を接合具挿入用孔に挿入した際に接合具周りに接着剤が存在しているから、接合具、接着剤および双方の部材を強固に接合することができる。
【0020】
本発明のパネル構造によれば、スペーサによって一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしが所定の幅の隙間をもって配置されて接着剤充填用孔(流入用孔)から接着剤が充填されているから、スペーサの厚みに応じて設定された厚みの接着剤(接着剤層)となっており、したがって接合具の先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至っている構成であっても、接合具と所定の厚みの接着剤とにより双方の部材が強固に接合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る部材の接合方法およびパネル構造を、壁面パネル構造の場合を例に、図面に基づいて説明する。先ず、本発明の実施形態に係る壁面パネル構造を説明する。
【0022】
図1の断面図に示すように、本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1は、取付け用部材2(一方の部材に相当する)と、パネル状部材3(他方の部材に相当する)と、取付け用部材2およびパネル状部材3を固定するためのリベット(接合具に相当する)4と、取付け用部材2およびパネル状部材3の接合面5,6に挟持されたスペーサ7と、接合面5,6間に施された接着剤層(粘着剤層)10とを有する。パネル状部材3は正面視して矩形に形成されている。
【0023】
なお、壁面パネル構造1は複数個を縦方向、横方向に並べて、例えば建築物の外壁や内壁に用いられるものである。そして、取付け用部材2としてはアルミニウム製の型材であり、パネル状部材3としては樹脂板や、樹脂板の両側に金属製面材を接着した複合板等である。壁面パネル構造1を建築物の外壁に用いる場合は、パネル状部材3を取付け用部材2の室外側(観者側)に配置するよう設ける。換言すれば、パネル状部材3は、建築材料としての化粧板である。
【0024】
取付け用部材2とパネル状部材3との接合面5,6は平面であり、これら接合面5,6は、取付け用部材2およびパネル状部材3の平板部における接合面5,6である。この接合面5,6は、その有機溶剤が脱脂され、必要に応じてプライマー処理が施された後にスペーサ7を介して平行に対向されている。
【0025】
取付け用部材2においてスペーサ7を回避する部位に接合具挿入用孔11(図2参照)が形成され、接合具挿入用孔11にリベット4が挿入されて取付け用部材2とパネル状部材3とが固定されている。リベット4は接合具挿入用孔11を挿通(遊嵌)してパネル状部材3に渡されているが、その先端部12はパネル状部材3を貫通しておらず、その表面に至る途中で留められている。
【0026】
スペーサ7は、リベット4を介してその両側に配置された第一スペーサ13と、接合具挿入用孔11の外側で対向して接合具挿入用孔11を囲むようにして配置された環状の第二スペーサ(環状スペーサ)15とからなる。第一スペーサ13として、帯状のマスキング用紙テープ16(空気および接着剤は通さない)の重合せ体が用いられ接合面5,6の縦方向に亘って、例えば取付け用部材2の接合面5,6に貼着されている。
【0027】
この第一スペーサ13は、他に腐食しにくい金属板(アルミニウム合金板、SUS板等)やプラスチック板等でもよく、接合具挿入用孔11に対向する部位からその両横方向側に所定間隔だけ位置ずれさせており、この場合、ひとつの接合具挿入用孔11についてその両横方向側に対で設けられている。すなわち、第一スペーサ13間における取付け用部材2およびパネル状部材3の上下端部部分は開放されている。
【0028】
この実施形態では、スペーサ7の厚みは例えば約0.5mmに設定されている。例えば第一スペーサ13として、アクリル板や、ポリカーボネート等の樹脂片を用いてもよい。また、第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚みと同程度とすることが好ましい。これにより、接合具挿入用孔11にリベット4を挿入し取付け用部材2およびパネル状部材3の両部材を固定する際に、接合具挿入用孔11の周囲において、取付け用部材2がパネル状部材3側に不必要に撓みにくくなる。
【0029】
第二スペーサ15は、第一スペーサ13間で接合具挿入用孔11に対向する部位からを囲むように、該部位より大径の環状に形成されている。第二スペーサ15は、前記部位と同心円となるよう環状に形成されている。第二スペーサ15は例えば針金を環状に形成したもので、したがってこの実施形態では第二スペーサ15の径方向断面は、円形に形成されている。
【0030】
第一スペーサ13の厚みおよび第二スペーサ15の断面径は実質的に等しく設定されている。また内側の第二スペーサ15、すなわちスペーサ7のうちリベット4側のものは外側の第一スペーサ13に比べて硬質のものを用いている。
このようなスペーサ7を用いることにより、接合面5,6どうしは第一スペーサ13の厚みおよび第二スペーサ15の断面径分だけ前後方向に離間している。
【0031】
そして、一対の第一スペーサ13で制限される範囲内(接合具挿入用孔11の径方向外方側)の取付け用部材2に、接着剤充填用孔(流入用孔)20が複数形成されている。また、第二スペーサ15は、その周方向途中に接着剤を接合面5,6に沿う方向に通過させうる切除部分としての切欠22が形成されている。
接着剤充填用孔20は、接合具挿入用孔11の径方向外方位置に周方向に等間隔に配置して形成されており、この場合では接合具挿入用孔11の径方向外方位置に二個設けられている。
【0032】
接着剤は、第二スペーサ15の内径領域を含めて、第一スペーサ13で制限される範囲内に充填されている。しかも、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間にも充填されている。さらに、接着剤はリベット4の頭部24を覆うようにして、頭部24と取付け用部材2の裏面との接触面をシールするよう施されている。このシールのための接着剤は、第一スペーサ13間における取付け用部材2およびパネル状部材3の上下端部部分を開放していることにより、接着剤充填用孔20から接着剤を接合面5,6間に充填させた際に吐出する(はみ出る)余剰の接着剤を適宜の除去具を用いて除去して利用することがコスト面で好ましい。
【0033】
上記のようなスペーサ7(第一スペーサ13,第二スペーサ15)、接合具挿入用孔11、および接着剤充填用孔20の組を、接合する取付け用部材2とパネル状部材3の大きさ(場合によっては形状)に応じて必要な組数だけ設けている。
【0034】
次に、上記構成の取付け用部材2とパネル状部材3との接合方法、すなわちパネル構造1の製造方法を説明する。先ず図5に示すように、取付け用部材2の所定場所に、接合具挿入用孔11および接着剤充填用孔20を形成しておき、スペーサ7(第一スペーサ13,第二スペーサ15)を、取付け用部材2およびパネル状部材3の接合面5,6である平面の何れかに貼着しておく。なお、図5ではスペーサ7およびそれによって形成される隙間Sは図示していない。
【0035】
そして、取付け用部材2に対してパネル状部材3を位置合わせしてこれらの接合面5,6どうしを対向させ、図6で示すように所定の保持具(例えば万力)50で両部材を位置ずれしないように仮に保持しておく。
【0036】
この状態で、取付け用部材2とパネル状部材3の接合面5,6間にはスペーサ7が存在しているから、取付け用部材2とパネル状部材3の接合面5,6間はスペーサ7の厚み分だけ離間して隙間Sが生じている。
【0037】
続いて、図7に示すように、取付け用部材2の接合面5に対応する裏面に、接合具挿入用孔11に挿入される筒体部51を有する取付け用工具52の押さえ部(位置決め部)53を当て、さらに図8で示すように、ドリル54等の工具のワーク部55を取付け用工具52の筒体部51に挿入して、ドリル54の先端をパネル状部材3の接合面6に当てて、図9および図10で示すように、リベット4の先端部12が挿入される凹部56を形成し、ドリル54および取付け用工具52を取外す。
このとき、ドリル54のワーク部55の先端は、パネル状部材3の表面を貫通しないようにさせる。このために、取付け用工具52およびドリル54は、取付け用部材2およびパネル状部材3の厚みに応じたものを用いることが必要である。
【0038】
続いて、図11に示すように、接合具挿入用孔11から接着剤cを充填する。接合具挿入用孔11から接着剤を充填することにより、第二スペーサ15の内径側の領域S1、凹部56および接合具挿入用孔11に接着剤を充填した状態とする。
【0039】
次に図12に示すように、接合具挿入用孔11にリベット4を挿入して、図13に示すようにエアーリベッタ57を用いてリベット4を接合具挿入用孔11および凹部56に亘るように打設する。リベット4を打設すると、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間にも接着剤cが充填された状態となる。
【0040】
リベット4を打設する際、取付け用部材2およびパネル状部材3のリベット4周辺に撓みが発生することが考えられるが、リベット4の周囲の第二スペーサ15は剛性の高いものを用いているから、取付け用部材2およびパネル状部材3の変形を抑えることができる。
【0041】
図14に示すように、リベット4はその打設によりその先端部12が複数の片状に分割されて拡径されるタイプのものを用いることが、取付け用部材2とパネル状部材3とを強固に固定するという点において好ましい。
【0042】
なお、凹部56はパネル状部材3を貫通していないから、上記のようにリベット4を打設しても、その先端部12はパネル状部材3を貫通せず、したがってパネル状部材3(化粧板)の表面は平滑面を保持したままである。
また、リベット4を打設することで、取付け用部材2とパネル状部材3は固定されるから、保持具50を取外す。
【0043】
続いて、図15に示すように、接着剤充填用孔20から接着剤cを接合面5,6間に向けて充填する。そして、接合面5,6間には第一スペーサ13が接着剤充填用孔20の両側にあって、それより外側への接着剤cの流出を防止しており、しかも接着剤cは既に第二スペーサ15の内径側の領域にあって(あるいは切欠22から第二スペーサ15の外部へ流出しており)、接着剤充填用孔20から充填された接着剤cは、第二スペーサ15の切欠22によって予め接合具挿入用孔11から充填した接着剤cと合流する。したがって、接着剤cは、第一スペーサ13で囲まれる領域内で、第二スペーサ15の体積を除くエリア内に充填されることになる。
【0044】
そして、接着剤充填用孔20から接着剤cを接合面5,6間に充填させた際に吐出する余剰の接着剤cを適宜の除去具を用いて除去し、リベット4の頭部24を覆うようにして、頭部24と取付け用部材2の裏面との接触面をシールするよう施工する。
【0045】
上記のような作業を、スペーサ7、接合具挿入用孔11、および接着剤充填用孔20の組毎に行うことで、取付け用部材2とパネル状部材3との取付けを行う。そして接着剤cは、固化することにより接合面5,6間の厚みに等しい厚みを有した接着剤層10となる。
【0046】
接着剤cとして、シリコーン・シーラント等が好適に用いられる。このシリコーン・シーラントは、初期状態では流動性が高く、経時的に硬化してゴム状弾性および接着力に富むものである。したがって、特に充填の作業がし易く、硬化した後は大きな接着力およびゴム状弾性(変形追従性)により、パネル状部材3が風等の外力を受けた場合に、リベット4の接合力と相まって安全に支持するよう機能し、パネル状部材3の脱落を確実に防止する。
【0047】
本発明の取付け用部材2とパネル状部材3との接合方法によれば、予め接着剤cを接合面5,6に施しておくのではなく、スペーサ7を介してその厚み分だけ接合面5,6どうしを離間させておいて、接合具(リベット4)で両部材を接合し、その後に接着剤cを接合面5,6間に充填するから、スペーサ7の厚みに応じた厚みの接着剤層10を施すことができる。
【0048】
そして、スペーサ7によって接着剤cの充填範囲を規制しているから、接着剤cで形成される接着剤層10の厚みも一定となり、取付け用部材2とパネル状部材3との平行度を確保することができる。
【0049】
しかも、接合具挿入用孔11の内周面とリベット4の胴部23の外周面との間の隙間、およびリベット4の胴部23の外周領域にも接着剤cが充填されているから、リベット4が接着剤cと一体化し、接着剤cは取付け用部材2およびパネル状部材3に一体化するから、取付け用部材2、パネル状部材3、リベット4、および接着剤cが一体化されて取付け用部材2およびパネル状部材3どうしが強固且つ確実に一体化される。また、接着剤cによりリベット4の防錆が図られる。
【0050】
このようなパネル状部材3は、コストの低減および軽量化等のために、リベット4の先端部12を挿入可能として厚み方向の途中で留めることが可能な厚みとした上で、可及的に薄く形成されたものを用いる場合があるが、このような場合であっても、リベット4と充分な接着力を確保できる所定の厚みに充填された接着剤層10により、取付け用部材2とパネル状部材3とを確実に、強固に接合することができる。
【0051】
上記実施形態の部材の接合方法およびパネル構造では、リベット4の先端部12をパネル状部材3の厚み方向の途中で留める場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、見栄えの低下に問題がなければ、リベットの先端部をパネル状部材3に貫通させるようにする接合方法およびパネル構造にも適用させることができる。何れの場合でも、上記実施形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0052】
なお、接着剤cを接合面5,6に一体化させるために、接合面5,6に予めプライマー(シリコーン系)を塗布しておくことも好ましい。また、接着剤cには予め硬化剤を添加しておくことも好ましい。
【0053】
また、第一スペーサ13として、アクリル樹脂やポリカーボネート等の樹脂板に限定されるものではなく、例えば図3に示すようにマスキング用紙テープ16を重ねたものを用いてもよい。この場合は、第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚み(径)に比べてわずかに大きくすることが好ましい。
さらに、第二スペーサ(環状スペーサ)1の形状は、接合具挿入用孔11の周りを取り囲むことができる形状であればよく、例えば円形、楕円形、三角形、四角形等でもよく、またC字状、コ字状、U字状等でもよく、さらに複数の棒状体を接合具挿入用孔11の周りに配置したものでもよい。
第一スペーサ13の厚みは第二スペーサ15の厚み(径)に比べてわずかに大きくすることが好ましいのは、リベット4を打設した際に部材の撓みを第一スペーサ13の内側にある第二スペーサ15で支持させるためである。したがって、第一スペーサ13よりも第二スペーサ15の方が剛性が高い材料を用いることがさらに好ましい。
【0054】
図16は他の実施形態を示しており、これはリベット4を取付け用部材2とパネル状部材3の双方に貫通するようにして両部材2,3を固定するよう構成したものである。この場合、リベット4はパネル状部材3側から取付け用部材2に渡すように取付けてよい。リベット4の取付けは、エアーリベッタで打設することで行う。
他の構成は上記図1〜図15に示した実施形態と同様であり、両部材2,3の接合方法も、リベット4をパネル状部材3側から取付け用部材2に渡すように取付ける以外は上記実施形態と同様である。そしてこの場合も、取付け用部材2とパネル状部材3とを確実に、強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態を示す壁面パネル構造の要部平面断面図
【図2】同じく壁面パネル構造を取付け用部材側から見て接合具挿入用孔および接着剤充填用孔の配置を示した背面図
【図3】同じく第一スペーサの構成を示す図で、(a)はマスキング用紙テープを重ねた状態の平面図、(b)は第一スペーサの切断状態を示す平面図、(c)は第一スペーサの平面図
【図4】同じく壁面パネル構造を取付け用部材側から見て第二スペーサをあえて実線で表した背面図
【図5】同じく接合具挿入用孔および接着剤充填用孔の配置を示した平面断面図
【図6】同じく所定の保持具で取付け用部材とパネル状部材とを保持した平面断面図
【図7】同じく接合具挿入用孔に取付け用工具の筒体部を挿入した状態の平面断面図
【図8】同じく取付け用工具の筒体部にドリルのワーク部を挿入した状態の平面断面図
【図9】同じくドリルのワーク部をパネル状部材に挿入した状態の平面図
【図10】同じくドリルのワーク部をパネル状部材に挿入して凹部を形成した状態の平面断面図
【図11】同じく接合具挿入用孔から接着剤を充填した状態の平面断面図
【図12】同じく接合具挿入用孔にリベットを挿入した状態の平面断面図
【図13】同じくリベットをエアーリベッタで打設する途中の平面断面図
【図14】同じくリベットをエアーリベッタで打設した状態の平面断面図
【図15】同じく接着剤充填用孔から接着剤を接合面間に向けて充填している状態の平面断面図
【図16】他の実施形態を示す壁面パネル構造の平面断面図
【符号の説明】
【0056】
1…壁面パネル構造、2…取付け用部材、3…パネル状部材、4…リベット、5,6…接合面、7…スペーサ、10…接着剤層、11…接合具挿入用孔、12…先端部、13…第一スペーサ、15…第二スペーサ、20…接着剤充填用孔、22…切欠、23…胴部、24…頭部、50…保持具、51…筒体部、56…凹部、S…隙間、S1…領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、
接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴とする部材の接合方法。
【請求項2】
部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、
接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させるように挿通して両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴とする部材の接合方法。
【請求項3】
スペーサを、接合具挿入用孔および流入用孔を回避させて、接合具挿入用孔および流入用孔の両側に対向させて配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の部材の接合方法。
【請求項4】
接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサを部材の接合面の間に配置することを特徴とする請求項3に記載の部材の接合方法。
【請求項5】
環状スペーサとして、その周方向途中に接着剤を接合面に沿う方向に通過させうる切欠が形成されたものを用いていることを特徴とする請求項4記載の部材の接合方法。
【請求項6】
一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至って両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成され、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴とするパネル構造。
【請求項7】
一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されて両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成されて、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴とするパネル構造。
【請求項8】
接合具を介してその両側にスペーサが配置されて、接合具の周囲を含めたスペーサ間に接着剤が充填されていることを特徴とする請求項6または請求項7記載のパネル構造。
【請求項9】
接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサが両部材の接合面の間に配置され、環状スペーサの少なくとも内方に接着剤が充填されていることを特徴とする請求項8記載のパネル構造。
【請求項1】
部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、
接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させることなくその厚み方向途中にまで至らせて両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴とする部材の接合方法。
【請求項2】
部材の接合面どうしを平行に対向させて該部材どうしを接合する接合方法であって、
接合面の間にスペーサを挟持させて該接合面どうしをスペーサの厚み分だけ離間して配置させ、前記両部材のうち一方の部材の、スペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から、接合具を挿入する前に両部材間の接合具挿入用孔回りに接着剤を流入させ、次いで接合具挿入用孔に接合具を挿入してその先端部を他方の部材の表面に突出させるように挿通して両部材を固定し、一方の部材の、接合具挿入用孔の外方でスペーサに対して接合具挿入用孔側に回避する部位に形成した流入用孔から両部材間に接着剤を流入して両部材を接着接合させることを特徴とする部材の接合方法。
【請求項3】
スペーサを、接合具挿入用孔および流入用孔を回避させて、接合具挿入用孔および流入用孔の両側に対向させて配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の部材の接合方法。
【請求項4】
接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサを部材の接合面の間に配置することを特徴とする請求項3に記載の部材の接合方法。
【請求項5】
環状スペーサとして、その周方向途中に接着剤を接合面に沿う方向に通過させうる切欠が形成されたものを用いていることを特徴とする請求項4記載の部材の接合方法。
【請求項6】
一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されることなくその厚み方向途中にまで至って両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成され、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴とするパネル構造。
【請求項7】
一方の取付け用部材と他方のパネル状部材の接合面どうしがスペーサを介して平行に対向され、一方の取付け用部材においてスペーサを回避する部位に形成した接合具挿入用孔から接合具が挿入されてその先端部が他方の部材の表面に突出されて両部材が固定され、接合具挿入用孔とは別の接着剤充填用孔が接合具挿入用孔の近傍に形成されて、スペーサによって離間した接合面間に接着剤が充填されて両部材が接着接合されていることを特徴とするパネル構造。
【請求項8】
接合具を介してその両側にスペーサが配置されて、接合具の周囲を含めたスペーサ間に接着剤が充填されていることを特徴とする請求項6または請求項7記載のパネル構造。
【請求項9】
接合具挿入用孔の外側で対向して接合具挿入用孔を囲むように環状スペーサが両部材の接合面の間に配置され、環状スペーサの少なくとも内方に接着剤が充填されていることを特徴とする請求項8記載のパネル構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−2406(P2009−2406A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162597(P2007−162597)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【出願人】(399071775)積水樹脂プラメタル株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【出願人】(399071775)積水樹脂プラメタル株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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