説明

配列されたコポリマー

本発明は、配列されたコポリマー、前記コポリマーを含む組成物、および化粧法に関する。本発明は、特に、各配列において少なくとも1つのイオン性親水性パターンを含む、線状、エチレン系順次コポリマーに関する。前記パターンは、1つの配列と次の配列が異なることができ、各配列は、前記配列の重量に対して、この2〜100重量%を含む。本発明は、また、1つのその様なコポリマーを含む化粧品または薬剤組成物、および組成物を使用する、ケラチン物質の化粧メークアップ法または手入れ法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なブロックコポリマー、それらの使用、特に化粧分野における使用およびそれらを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧分野においては、相反する性質を有するポリマーが、良好な不粘着固定;シャンプーした時に良好に除去される製品の良好な水分抵抗性;または、使用の快適さおよび滞留力を組合せたメークアップ組成物を得るためによく追求される。更に、これらのポリマーは、好ましくは、水に可溶または分散されねばならない。
【0003】
製造業者が、コポリマー、特に、有利な機械的性質を有するブロックポリマーにとりわけ注目するのはこの理由のためである。それらは、同じ鎖内において、異なる性質:例えば、一方では剛性を与えることができ、他方では可撓性を与えることのできる異なる性質を有するブロックの組合せを生じるので、これらの相反する性質を得ることを特に可能にする可能性がある。
【0004】
したがって、整髪用製品またはラッカーの整髪性は、変えられる可能性がある。これは、また、爪のニスの場合において、膜の表面に全く粘着を生じることなしに、摩擦抵抗および爪への膜の接着を最適化することを可能にする。これを行うためには、同じ鎖内において、接着性を与えるブロックおよび粘着を防ぐブロックが組合されてもよい。
【0005】
化粧分野においては、PEO−PPO(ポリエチレンオキシド/ポリピロピレンオキシド)をベースとしたコポリマーは、水媒体可能なブロックコポリマーとして特によく知られている。しかしながら、これらのポリマーは、十分な機械的性質を有していない。特に、それらは、全く頭髪整髪保持性を与えない。
【0006】
その他の水媒体可能なブロックコポリマーの中では、特許出願WO02/28358において記載されているものが挙げられる。1つのブロックが、疎水性単位と混合された非イオン性親水性単位を主に含むコポリマーであるブロックコポリマーが特に記載されている。これらのコポリマーは、非イオン性を有する。それらを水溶性にするために、親水性単位の量が非常に多い。この制限は、広範囲の適用を許さない。この文献は、また、1つのブロックが、アクリル酸単位を含むコポリマーであり、別のブロックが非イオン性親水性ブロックであるブロックポリマーを記載している。しかしながら、これらのブロックポリマーは、湿潤性の機能としてそれらの性質の高いばらつきを示す。
【0007】
このことは、水溶性であり、全てのブロックは、非イオン性モノマーから形成されるが、また湿潤性の機能としてそれらの性質の高いばらつきを有する、WO02/28357に記載されているブロックコポリマーの場合も同様である。
【0008】
また、特許出願WO00/71591を挙げることができ、これは、非イオン性親水性ブロックと組合せたカチオン性ホモポリマーブロックを含むブロックコポリマー、および身体衛生製品における泡立ち性を改善するためのこれらのコポリマーの使用を記載している。
【0009】
しかしながら、これらのポリマーは、アニオン性化合物、特に、シャンプーにおいて一般に使用されるアニオン界面活性剤とはやや相溶性に欠ける欠点を有する。更に、それらが、例えば、ラッカータイプの整髪製品として使用される場合は、これらのポリマーは、シャンプーすることによって除去することが困難である欠点を有する。
【0010】
ゲル化した水性組成物を与えることのできるジブロックまたはトリブロックコポリマーはまた、特許出願WO01/16187で知られている。これらのコポリマーは、特に、ポリ(スチレン/メタクリル酸)−b−ポリ(エチルアクリレート/メタクリル酸)タイプのものである。しかしながら、これらのコポリマーは増粘剤であって、或る場合には、これらのコポリマーは欠点、特に組成を困難にすることによる欠点とみなされる可能性がある。それは、ゲルを得ることが常に必要とされるものではないということが理由である。これは、例えば、そのために液体溶液が必要であるエアロゾルまたは爪ニスの場合である。
【0011】
したがって、水を媒体にしようとするブロックコポリマーの大部分は、疎水性単位を主に含み、欠点である、ゲルを形成する傾向を有することが分かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、有利な機械的性質を有するブロックコポリマーであって、それらを含む組成物の増粘またはゲル化、したがって、粘度に実質的な影響を有することなしに、多量に使用することのできるブロックコポリマーを提案することである。特に、本発明によるコポリマーは、水において粘弾性ゲル、即ち、粘性率(G″)を超える弾性率(G′)を有するゲルを形成しない。
【0013】
更に、シャンプーすることにより完全に除去することのできる膜または堆積物を形成するコポリマーも追求される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの主題は、したがって、少なくとも1つの第1ブロックおよび少なくとも1つの第2ブロックを含み、各ブロックが、1つのブロックと別のブロックとで異なっていてもよい、少なくとも1つのイオン性親水性単位を含み、イオン性親水性単位が、各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、2重量%〜100重量%の割合で存在する、線状エチレン系ブロックコポリマーである。
【0015】
その他の主題は、生理的に許容される媒体、特に、化粧品または皮膚用として許容される媒体において、以下で定義される少なくとも1つのコポリマーを含む化粧品または薬剤組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明によるコポリマーは、十分な機械的性質を有する。それらは、硬くはあるが、同時に、或る水準の可撓性または弾性を有することができ、頭髪の長く永続的な保持を与える。それらは、また、粘着感を有することのない良好な接着性を示すことができる。
【0017】
それらは、化粧分野において、特に、頭髪の手入れまたはメークアップにおいて最も適した用途を見出す。
【0018】
それらが、爪ニスにおいて使用される場合は、これらのポリマーは、爪に十分に接着するが簡単に擦り減ることのない堆積物を形成する。
【0019】
本発明によるブロックポリマーは、都合よく膜を形成する、線状ブロックエチレン系ポリマーである。
【0020】
「エチレン系」ポリマーと言う用語は、エチレン性不飽和モノマーの重合により得られるポリマーを意味する。
【0021】
「ブロックポリマー」と言う用語は、少なくとも2つの異なる連続ブロック、即ち、異なる化学的性質のブロックを含むポリマーを意味する。
【0022】
本発明によるポリマーは、線状構造のポリマーである。反対に、非線状構造のポリマーは、例えば、分岐、星状またはグラフト構造等のポリマーである。特に、線状ポリマーを調製するために使用される全てのモノマーは、単官能、即ち、それらは、1つの重合可能な官能のみを含むものである。重合開始剤は、それ自体、単官能または二官能であってもよい。
【0023】
「膜形成ポリマー」と言う用語は、それ自体で、または補助的膜形成剤の存在下で、支持体、特に、ケラチン物質に接着する連続膜を形成することのできるポリマーを意味する。
【0024】
本発明によるポリマーの各ブロックは、1つのタイプのモノマーまたは幾つかの異なるタイプのモノマーから得られる。これは、各ブロックが、ホモポリマーまたはコポリマーを構成してもよいことを意味する。ブロックを構成するこのコポリマーは、順に、統一的なまたは交互のまたは傾斜的なコポリマーであってもよい。各ブロック内のモノマーの分布は、したがって、ランダムであってもよく、または、性質および/またはモノマーの反応性および/または使用される調製方法によって調節されてもよい。
【0025】
本発明によるブロックポリマーは、したがって、少なくとも2つのブロック、有利には、2ブロック(ジブロック)または3ブロック(トリブロック)を含み、それぞれのブロックは、少なくとも1つのイオン性親水性モノマーを含み、このモノマーは、各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して少なくとも2重量%の割合で存在する。
【0026】
各ブロックにおいては、イオン性親水性モノマーは、実際は、異なるイオン性親水性モノマーの混合物であってもよい。
【0027】
更に、イオン性親水性モノマーは、1つのブロックと別のブロックとで全部または部分的に同じか異なるものであってもよい。
【0028】
イオン性親水性モノマーは、各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、2重量%〜100重量%、特に、3重量%〜70重量%、更に好ましくは、5重量%〜50重量%または更に8重量%〜30重量%の割合で存在する。
【0029】
モノマーは、相当するホモポリマーが親水性であれば、即ち、それが、水溶性または水分散性であれば、親水性であると言われる。
【0030】
ホモポリマーは、それが、水において、25℃で、少なくとも5重量%の割合まで可溶であれば水溶性である。
【0031】
ホモポリマーは、それが、水において、5重量%の濃度において、25℃で、微細な、一般には球状粒子の安定な懸濁液または分散体を形成する場合は、水分散性である。分散体を構成する粒子の平均サイズは、1μm未満であり、更に一般的には、5〜400nm、好ましくは、10〜250nmの範囲である。これらの粒子サイズは、光散乱(コールターカウンター(Coulter Counter)タイプの装置を使用する)により測定される。
【0032】
モノマーの親水性は、また、1−オクタノール/水の見掛けの分配係数の対数値(logPとしても知られている)により定義されてもよい。この値が、2以下、例えば、−8〜2、好ましくは、1.5以下、特に、1以下、特に、−7〜1、または更に−6〜0である場合、モノマーは親水性であるとみなすことができる。
【0033】
logP値は、公知であり、オクタノールおよび水におけるモノマーの濃度を測定する標準テストにより決定される。
【0034】
この値は、特に、ACD(Advanced Chemistry Development)ソフトウエア、ソラリス(solaris)V4.67を使用して計算されてもよい。それらは、また、Exploring QSAR:疎水性、電子および立体定数(ACS professional reference book、 1995年)から得られてもよい。
【0035】
また、推定値を提供するウエブサイトも存在する(アドレス:http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm)。
【0036】
上述の通り、最終ポリマーは、このブロックのそれぞれにおいて、ブロックの重量に対して、少なくとも2重量%の割合で存在する少なくとも1つの親水性モノマーを含む。
【0037】
これを行うためには、出発モノマーとして、所望のポリマーを得るために従来方法により共重合される、以下に記載されるイオン性親水性モノマーを使用することが可能である。
【0038】
しかしながら、また、親水性モノマーを得るために、予備合成したポリマーを変性することも可能である。
【0039】
例えば、カルボン酸官能を含む単位を与えるために加水分解することのできる、(メタ)アクリルエステルタイプの単位を含む場合は、ポリマーを加水分解することが可能である。これは、ポリマーが、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、t−ブチル、ベンジル、トリメトキシシリルまたはエチルトリメトキシシリル(メタ)アクリレートタイプの単位を含む場合である。
【0040】
加水分解は、したがって、一度ポリマーを、酸性条件下で(例えば、硫酸、塩酸またはトリフルオロ酢酸の存在下で)または塩基性条件下で(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、または水性アンモニア等のアミンの存在下で)合成してから行われてもよい。加水分解は、一般に、5〜100℃、好ましくは、15〜80℃で生起する。次いで、加水分解ポリマーは、繰り返し沈殿により精製されてもよい。
【0041】
また、タイプHO−R−X、NHR′−R−X、HO−R−YまたはNHR′−R−Yタイプ(XおよびYは、以下で与えられる意味を有する。)の化合物を、グリシジルまたはアズラクトンタイプの単位を含む、既に形成されたポリマーと反応させることを考えてもよい。
【0042】
最終ポリマーに存在するイオン性親水性モノマーは、アニオン性、カチオン性および/または両性親水性モノマーから選択される。
【0043】
好ましくは、各ブロックは、少なくとも1つのアニオン性親水性モノマーおよび/または少なくとも1つのカチオン性親水性モノマーを含む。
【0044】
1つの特定の実施形態においては、少なくとも1つのブロックは、少なくとも1つのカチオン性親水性モノマーおよび少なくとも1つのアニオン性親水性モノマーの両方を含む。
【0045】
特に挙げることのできるアニオン性親水性モノマーは、例えば、少なくとも1つのカルボン酸(COOH)、リン酸(PO)またはスルホン酸(SOH)官能を含むエチレン性不飽和モノマー、例えば、以下の式(I):
【0046】
【化6】

(式中、
は、水素原子、またはタイプC2p+1の線状もしくは分岐炭化水素ベース基(pは、1〜12の整数である。)である。)のエチレン性不飽和モノマーである。
【0047】
は、特に、メチル、エチル、プロピルまたはブチル基を表す。Rは、好ましくは、水素またはメチル基を表す。
【0048】
Zは、−COO−、−CONH−、−CONCH−、−OCO−または−O−から選択される二価基であり;好ましくは、Zは、−COO−および−CONH−から選択され;
xは、0または1、好ましくは1であり;
mは、0または1であり;
は、1〜30個の炭素原子の線状、分岐もしくは環状、場合によっては芳香族、飽和もしくは不飽和二価炭素ベース基で、O、N、SおよびPから選択される1〜30個のヘテロ原子を含んでもよい。
【0049】
基Rにおいては、ヘテロ原子は、それが存在する(それらが存在する)場合は、基Rの鎖において介在してもよく、あるいはまた、基Rは、ヒドロキシルまたはアミノ(NH、NHR′またはNR′R″(R′およびR″は、同じか異なっていてもよく、線状もしくは分岐C〜C22アルキル、特に、メチルまたはエチルを表す))等のそれらを含む1つ以上の基で置換されてもよい。
【0050】
は、特に、
メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−
ヘキシレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、n−オクタデシレン、n−テトラデシレンまたはn−ドコサニレン等のアルキレン基;
O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているフェニレン基−C−(オルト、メタまたはパラ);あるいはまた、O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているベンジレン基−C−CH−;
式−CH−CHOH−、−CH−CH−CHOH−、−CH−CH−CH(NH)−、−CH−CH(NH)−、−CH−CH−CH(NHR′)−、−CH−CH(NHR′)−、−CH−CH−CH(NR′R″)−、−CH−CH(NR′R″)−、−CH−CH=CH−(R′およびR″は、線状もしくは分岐C〜C18アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)の基であってもよい。
【0051】
Yは、−COOH、−SOH、−OSOH、−PO(OH)および−OPO(OH)から選択される基である。
【0052】
更に特に好ましいアニオン性親水性モノマーとしては、特に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、ジアクリル酸、ジメチルフマール酸、シトラコン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、式CH=CH−CONHCH(OH)COOHのアクリルアミドグリコール酸、ビニルリン酸;2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピルメタクリレートまたはアクリレート(CH=C(CH)CO(CHSOH)、スルホエチルメタクリレートまたはアクリレートおよびビニルメチルスルホン、式CH=C(CH)COOCOP(O)(OH)の2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスフェート;式C−CO−CH=CH−CO−Cのジアリルマレエート;ビニル結合を有するカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸等、およびこれらの塩;ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0053】
アニオン性基の中和は、無機塩基、例えば、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、NHOHまたはZn(OH)等で;または、有機塩、例えば第一級、第二級または第三級アルキルアミン、特に、トリエチルアミンもしくはブチルアミン等で行われてもよい。この第一級、第二級または第三級アルキルアミンは、1つ以上の窒素および/または酸素原子を含んでもよく、したがって、例えば、1つ以上のアルコール官能を含んでもよい;例としては、特に、2−アミノ−2−メチルプロパノール、トリエタノールアミンおよび2−ジメチルアミノプロパノールを挙げることができる。また、例としては、リシンまたは3−(ジメチルアミノ)プロピル−アミンを挙げることもできる。
【0054】
例として挙げることのできるカチオン性親水性モノマーは、少なくとも1つの第一級、第二級または第三級アミン官能を含むエチレン性不飽和モノマー、特に、以下の式(II):
【0055】
【化7】

(式中、
、Z、x、Rおよびmは、上記式(I)におけるものと同じ意味を有し;
Xは、(a)式−N−Rの基であり(RおよびRは、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)O、N、SおよびPから選択される1〜10個のヘテロ原子を含んでもよい1〜30個の炭素原子を含む線状、分岐もしくは環状、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族アルキル基;特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ラウリルまたはステアリル基;
(iii)式−(RO)のアルキレンオキシド基(Rは、線状もしくは分岐C〜Cアルキルを表し、Rは、水素または線状もしくは分岐C〜C30アルキル基であり、yは1〜250を含む。)を表し;
(iv)RおよびRは、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5もしくは6個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環を形成してもよく;環はまた、5、6もしくは7個の原子、特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。);
あるいはまた、Xは、(b)基−R′−N−R′−を表す(ここで、R′およびR′は、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5もしくは6個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環を形成し;環は、5、6もしくは7個の原子、特に、4、5、6、7もしくは8個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。)を表す。)のエチレン性不飽和モノマーである。
【0056】
例えば、Xは、カチオン化できる第三級アミン基を含む芳香族もしくは非芳香族環を構成してもよく、またはカチオン化できる第三級窒素を含む芳香族もしくは非芳香族ヘテロ環を表してもよい。
【0057】
例として挙げることのできる好ましい基Xは、ピリジン、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピペリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、キノリン、ピラゾリニル、ピリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、キニジニル、チアゾリニル、モルホリン、グアニジノもしくはアミジノタイプ、およびこれらの混合物の基である。
【0058】
単独または混合物の例として挙げることのできる好ましいカチオン性親水性モノマーは、
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリルアミンおよびアリルピリジン;
アミノアルキル(メタ)アクリレート、例えば、[N,N−ジ−(C〜C)アルキル
アミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリレートもしくは[N−(C〜C)アルキ
ルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリレート、特に、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2
−アミノエチル(メタ)アクリレートおよび2−(N−t−ブチルアミノ)エチル(メタ
)アクリレート等;
アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、例えば、[N,N−ジ−(C〜C)アルキ
ルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドもしくは[N−(C〜C)ア
ルキルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミド、特に、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等;3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
ビニルアミン、ビニルイミダゾールおよび2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン;
N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール;
およびこれらの塩および/またはこれらの第四級形態である。
【0059】
塩形態として挙げることのできる例は、無機酸、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸またはホウ酸等の塩である。
【0060】
1つ以上のカルボン酸、スルホン酸またはリン酸基を含んでもよい有機酸の塩を例として挙げることもできる。これらは、線状、分岐もしくは環状脂肪族酸あるいはまた芳香族酸であってもよい。これらの酸は、また、OおよびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を、例えば、ヒドロキシル基の形態で含んでもよい。特に例として挙げることのできるものは、プロピオン酸、酢酸、テトラフタール酸、クエン酸および酒石酸である。
【0061】
アニオン性またはカチオン性単位の中和、および同様に四級化は、全体または部分的であってもよい。
【0062】
第三級アミン基は、不安定なハロゲンを含む化合物、特に、ハロゲン化アルキル、例えば、C〜C12アルキルクロライドまたはブロマイド等、例えば、臭化メチルまたは塩化エチルで四級化されてもよい。
【0063】
これらの基は、また、カルボン酸またはスルホン酸官能を含む、不安定なハロゲンを含む化合物、特に、ナトリウムクロロアセテートで;または環状スルホン、例えば、プロパンスルホンで四級化されてもよい。両性親水性モノマー(または、同じモノマーにより生じる少なくとも1つの(+)電荷および少なくとも1つの(−)電荷を含むベタイン)は、この様にして得られる。
【0064】
四級化は、既に合成されたポリマーについて、または重合前に、出発モノマーについて行われてもよい。
【0065】
得られるポリマーは、したがって、式(III)
【0066】
【化8】

(式中、
、Z、x、Rおよびmは、上記式(I)におけるものと同じ意味を有し;
X′は、式−NR′R′の二価基であり(R′およびR′は、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を含んでもよい1〜30個の炭素原子を含む線状、分岐もしくは環状、場合によっては芳香族アルキル基;例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルまたはイソブチル;
(iii)式−(RO)のアルキレンオキシド基(Rは、線状または分岐C〜Cアルキルを表し、Rは、水素または線状もしくは分岐C〜C30アルキル基であり、yは1〜250を含む。)を表し;
(iv)R′およびR′は、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環(NR′R′またはR′NR′)を形成してもよく;環は、5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。);
Y′は、−COO、−SO、−OSO、−PO2−および−PO2−から選択される基であり;
は、O、N、SおよびPから選択される1〜18個のヘテロ原子を含んでもよい1〜30個の炭素原子の、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族、線状、分岐もしくは環状二価炭素ベース基である。)に相当することのできる両性モノマーを含んでもよい。
【0067】
基Rにおいては、ヘテロ原子は、それが存在する(それらが存在する)場合は、基Rの鎖において介在してもよく、あるいはまた基Rは、ヒドロキシルまたはアミノ等のそれらを含む1つ以上の基で置換されてもよく;Rは、特に、
メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−
ヘキシレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、n−オクタデシレン、n−テトラデシレン、n−ドコサニレン等のアルキレン基;
O、N、S、F、SiおよびPから選択される1〜5個のヘテロ原子を場合によって含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているフェニレン基−C−(オルト、メタまたはパラ);あるいはまた、O、N、SおよびPから選択される1〜5個のヘテロ原子を場合によって含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているベンジレン基−C−CH−;であってもよく、
nは、0または1である。
【0068】
特に、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタインおよび1−(3−スルホプロピル)−2−ビニルピリジニウムベタイン、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0069】
1つの好ましい実施形態においては、本発明によるコポリマーは、コポリマーの全重量に対して、4重量%〜100重量%、特に、8重量%〜80重量%、更に10重量%〜30重量%のイオン性親水性単位を含む。
【0070】
都合よいことに、本発明によるコポリマーは、25℃で、5重量%の割合まで水に可溶または分散性である。
【0071】
イオン性親水性モノマーに加えて、本発明によるブロックコポリマーのブロックは、非イオン性親水性モノマーおよび疎水性モノマー、ならびにこれらの混合物から選択される1つ以上の追加モノマーを含んでもよい。
【0072】
これらの追加モノマーは、1つのブロックと別のブロックで同じか異なっていてもよい。
【0073】
これまたはこれらの追加モノマーは、それらの反応係数とは関係なく、イオン性親水性モノマーと共重合できるエチレン系モノマーである。
【0074】
好ましくは、非イオン性親水性モノマーは、少なくとも1つのブロック、更には各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、0〜98重量%、特に、2重量%〜95重量%、更に好ましくは、3重量%〜92重量%の割合で存在してもよい。
【0075】
好ましくは、疎水性モノマーは、少なくとも1つのブロック、更には各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、0〜98重量%、特に、2重量%〜95重量%、更に好ましくは、3重量%〜92重量%の割合で存在してもよい。
【0076】
イオン性親水性モノマーと共重合することができて本発明によるポリマーを形成することのできる非イオン性親水性または疎水性モノマーとしては、単独または混合物として、
(i)エチレン、イソプレンまたはブタジエン等の、2〜10個の炭素を含むエチレン系炭化水素;
(ii)式:
【0077】
【化9】

(式中、
は、水素またはメチル(CH)であり、
は、
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子の線状もしくは分岐アルキル基を表し;アルキル基はまた、OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ;Rは、特に、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、特に、2−エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ドデシル、シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシルもしくはステアリル基;2−エチルペルフルオロヘキシルもしくは2−エチルペルフルオロオクチル;または、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシブチルおよび2−ヒドロキシプロピル等のC〜Cヒドロキシアルキル基;または、メトキシエチル、エトキシエチルおよびメトキシプロピル等の(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル基であってもよい、
イソボルニル基等のC〜C12シクロアルキル基、
フェニル基等のC〜C20アリール基、
2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルまたはベンジル等のC〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル基)、
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、芳香族または非芳香族である。)、
フルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル基(1〜4Cのアルキル)(シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子およびO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、線状もしくは分岐C1〜4アルキル基から選択される1つ以上の置換基で置換されていることができ、アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。)、
基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル、例えば、−(OC−OH、−(OC−O−メチルまたは−(OC−O−ベヘニル);基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル基、例えば、−(OC−OH);あるいはまた、基(OCおよび(OCのランダムもしくはブロック混合物を表す。)の(メタ)アクリレート;
(iii)式:
【0078】
【化10】

(式中、
は、Hまたはメチルを表し;
およびRは、同じか異なっていてもよく、
水素原子;または
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子の線状もしくは分岐アルキル基(アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(R、RおよびRは、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ;RまたはRは、特に、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ドデシル、シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシルまたはスレアリル基;2−エチルペルフルオロヘキシル、2−エチルペルフルオロオクチル;または、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシブチルもしくは2−ヒドロキシプロピル等のC1〜4ヒドロキシアルキル基;または、メトキシエチル、エトキシエチルもしくはメトキシプロピル等の(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル基であってもよい。)、
イソボルニル基等のC〜C12シクロアルキル基、
フェニル基等のC〜C20アリール基、
2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルもしくはベンジル等のC〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル基)、
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、芳香族または非芳香族である。)、
フルフリルメチルもしくはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル基(C1〜4アルキル)(シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子ならびにO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、線状もしくは分岐C1〜4アルキル基から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ、アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル、例えば、−(OC−OH、−(OC−O−メチルまたは−(OC−O−ベヘニル);基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル基、例えば、−(OC−OH);または、基(OCおよび(OCのランダムもしくはブロック混合物を表す。)の(メタ)アクリルアミド;
その様な追加モノマーの例は、(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−ウンデシルアクリルアミドおよびN−(2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)である;
(iv)式:CH=CHR
(式中、Rは、ヒドロキシル基;ハロゲン(ClまたはF);NH基;OR10基(ここで、R10は、フェニル基またはC〜C12アルキル基(モノマーは、ビニルもしくはアリルエーテル)を表す。);アセトアミド基(NHCOCH);基OCOR11(ここで、R11は、2〜12個の炭素の線状または分岐アルキル基(モノマーは、ビニルまたはアリルエステル)、C〜C12シクロアルキル、C〜C20アリールまたはC〜C30アラリルを表す。)であり;またはRは、
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子を含む線状もしくは分岐アルキル基(アルキル基はまた、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
イソボルニルまたはシクロヘキサン等のC〜C12シクロアルキル基、
フェニル等のC〜C20アリール基、
2−フェニルエチルもしくはベンジル等のC〜C30アリールアルキルまたはアルキルアリール基(C〜Cアルキル基)、
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム等の芳香族または非芳香族である。);
フルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル基(1〜4Cのアルキル)(シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子およびO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜4Cの線状もしくは分岐アルキル基から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ、アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
から選択される。)のビニル化合物;
その様な追加モノマーの例は、ビニルシクロヘキサンおよびスチレン(疎水性);N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム(非イオン性親水性);酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルエチルヘキサノエート、ビニルネオノナノエートおよびビニルネオドデカノエート(疎水性);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびイソブチルビニルエーテルである;
(v)式:CH=CH−CH−RまたはCH=C(CH)−CH−R(ここで、Rは、上記と同じ意味を有する。)のアリル化合物;
例としては、特に、アリルメチルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール(CH=CHCHOCHCH(OH)CHOH)および2−アリルオキシエタノール(CH=CHCHOCOH)を挙げることができる;
(vi)シリコーンベース(メタ)アクリル、(メタ)アクリルアミドまたはビニルモノマー、例えば、メタクリロキシプロピル−トリス(トリメチルシロキシ)シランもしくはアクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン、またはシリコーンベース(メタ)アクリルアミド;
を挙げることができる。
【0079】
更に特に好ましい追加モノマー(特に非イオン性親水性モノマー)の例としては、単独または混合物として、以下のモノマー(Tgが、指針として括弧内において与えられる。)を挙げることができる:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(ここで、アルキル基は、2〜4個の炭素原子を含む。)、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(Tg=15℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(55℃)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートおよびN−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド;
(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド、例えば、メトキシエチル、2−エトキシエチル、メトキシプロピルおよびビス(2−エトキシエチル)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド等;更に特に、2−エトキシエチルメタクリレート;
(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミド;
基−(OC−OR″を含む(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(m=5〜300およびR″=HまたはC〜Cアルキル)、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(メトキシもしくはヒドロキシル末端基を含む。);更に特に、ヒドロキシル末端基を含むポリエチレングリコールメタクリレート(n=8、10、12、45、90または200)およびメトキシ末端基を含むポリエチレングリコールメタクリレート(n=8、10、12、45、90または200)(Tg=−55℃);
ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム等のビニルラクタム;
メチルビニルエーテル(Tg=−34℃)およびエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;
ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム;
多糖類(メタ)アクリレート、例えば、スクロースアクリレートおよびエチルグルコシド(メタ)アクリレート。
【0080】
また、更に特に好ましい追加モノマー(特に疎水性モノマー)の例としては、単独または混合物として、以下のモノマー(Tgが、指針として括弧内において与えられる。)を挙げることができる:
t−ブチルベンジルアクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート(94℃)、フルフリルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート(45℃)、t−ブチルアクリレート(50℃)、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、ヒドロキシエチルアクリレート(15℃)、メチルアクリレート(10℃)、エチルアクリレート(−24℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、メトキシエチルアクリレート(−33℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、エチルヘキシルアクリレート(−50℃)、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート;
t−ブチルベンジルメタクリレート、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート(111℃)、メチルメタクリレート(100℃)、シクロヘキシルメタクリレート(83℃)、エチルメタクリレート(65℃)、ベンジルメタクリレート(54℃)、イソブチルメタクリレート(53℃)、ブチルメタクリレート(20℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート;
スチレン(100℃)、ビニルシクロヘキサン、酢酸ビニル(23℃)、メチルビニルエーテル(−34℃)、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート;
N−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド。
【0081】
好ましくは、本発明によるコポリマーは、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、エチルアクリレート(10℃)、メチルメタクリレート(100℃)、シクロヘキシルメタクリレート(83℃)、エチルメタクリレート(65℃)、ブチルメタクリレート(20℃)およびスチレン(100℃)から選択されるモノマーを含む少なくとも1つのブロックを含んでもよい。
【0082】
好ましくは、本発明によるコポリマーは、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、エチルアクリレート(−24℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、エチルヘキシルアクリレート(−50℃);メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(エチレングリコール単位のmの数は8、12、90、180または200である);m=8、12、90、180または200であるメトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリルアミド;m=8、12、90、180または200であるポリ(エチレングリコール)OH(メタ)アクリレート;m=8、12、90、180または200であるポリ(エチレングリコール)OH(メタ)アクリルアミド;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルから選択されるモノマーを含む少なくとも1つのブロックを含んでもよい。
【0083】
好ましくは、本発明によるコポリマーは、2ブロック(ジブロック)、例えば、
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)、および
ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸);
等を含むコポリマーであってもよい。
【0084】
好ましくは、本発明によるコポリマーは、3ブロック(トリブロック)、例えば、
ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)、
ポリ(メチルメタクリレート−co−(メタ)アクリル酸)−b−ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)、
ポリ(メチルアクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート−co−アクリル酸)、
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート);
ポリ(アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸);
ポリ(メタクリル酸)−b−ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メタクリル酸);
ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルメタクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルメタクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−イソボルニルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−イソボルニルアクリレート);
ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12))−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸);
ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12))−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12));
等を含むコポリマーであってもよい。
【0085】
一般に、各ブロックを構成するモノマーは、最終ポリマーの性質を決定するものなので、前記ブロック間の相分離を促進するように選択するのが好ましい。
【0086】
好ましくは、本発明によるコポリマーのブロックの少なくとも1つは、20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0087】
好ましくはまた、本発明によるコポリマーのブロックの少なくとも1つは、20℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0088】
Tg値を測定するための方法は、実施例の前で説明される。
【0089】
1つの特定の実施形態においては、本発明によるコポリマーは、20℃以上のTgを有するブロックおよび20℃未満のTgを有するブロックの両方を含んでもよい。得られるコポリマーは、「弾性的」性質を有する。
【0090】
これらの2ブロックのみを含むジブロックコポリマーであってもよく、または、トリブロックコポリマー、即ち、3つの異なるブロック、例えば、20℃未満のTgを有する中心ブロックおよび20℃以上のTgを有する2つの末端ブロック;あるいはまた、20℃以上のTgを有する中心ブロックおよび20℃以下のTgを有する2つの末端ブロックを含むコポリマーであってもよい。
【0091】
本発明のその他の実施形態においては、コポリマーは、共に20℃以上のTgを有する少なくとも2つの異なるブロックを含んでもよい。その結果、前記ブロックコポリマーは「硬い」性質を有する。
【0092】
20℃を超えるTgを有するブロックは、このホモポリマーがTg>20℃を有するモノマーのホモ重合により、またはTg>20℃であるモノマーの共重合によるが、Tg<20℃であるモノマーが添加されてもよい、Tg>20℃であるモノマーの共重合により得られてもよい。
【0093】
同様に、20℃未満のTgを有するブロックは、Tg<20℃であるモノマーのホモ重合により、またはTg<20℃であるモノマーの共重合によるが、Tg>20℃であるモノマーが添加されてもよい、Tg<20℃であるモノマーの共重合により得られてもよい。
【0094】
その他の実施形態においては、このホモポリマーが20℃を超えるTgを有するモノマーのコポリマーにおける全含有量は、好ましくは、ブロックコポリマーの全重量に対して、50重量%以上、特に、約70重量%〜100重量%である。その結果、前記ブロックコポリマーは、また、「硬い」性質を有する。
【0095】
本発明のその他の実施形態においては、コポリマーは、共に20℃以下のTgを有する少なくとも2つの異なるブロックを含んでもよい。その結果、前記ブロックコポリマーは「接着」性を有する。
【0096】
その他の実施形態においては、このホモポリマーが20℃未満のTgを有するモノマーのコポリマーにおける全含有量は、好ましくは、ブロックコポリマーの全重量に対して、60重量%以上、特に、約70重量%〜100重量%である。その結果、前記ブロックコポリマーは、「接着」性を有する。
【0097】
更に、1つの特定の実施形態においては、本発明によるコポリマーは、0℃以上、例えば、0〜250℃、特に、50℃〜200℃のTgを有する、少なくとも1つの親水性ブロックを含む。
【0098】
本発明によるブロックコポリマーの重量平均分子量Mwは、好ましくは、4000〜1000000、好ましくは、10000〜800000、更に好ましくは、20000〜500000、特に、60000〜350000である。
【0099】
都合のよいように、各ブロックの重量平均分子量Mwは、2000〜500000、好ましくは、5000〜400000、更に好ましくは、10000〜300000である。
【0100】
本発明によるポリマーは、ABタイプのジブロックポリマーであってもよく、または、ABA、BABもしくはABCタイプ(Cは、AおよびBと異なる。)のトリブロックポリマーであってもよく、あるいはまたは、3ブロックを超えて含む複数ブロックポリマー、例えば、A、B、CおよびDの化学的性質が異なる、タイプ(AB)n、(ABA)n、(BAB)n、(ABC)nもしくはABCDであってもよい。
【0101】
好ましくは、本発明によるポリマーは、例えば、ABAまたはABCタイプの2つの連続ブロックが異なっている、少なくとも3つの連続ブロックを含む。
【0102】
前記ポリマーは、当業者に知られている方法により調製されてもよい。これらの方法の例としては、アニオン重合、制御遊離基重合(例えば、キサンタン、ジチオカルバメートもしくはジチオエステルを用いる);ニトロキシドタイプの前駆体を使用する重合;原子移動ラジカル重合(ATRP);基移動重合を挙げることができる。
【0103】
例えば、本発明によるブロックコポリマーは、「New Method of Polymer Synthesis」、 Blackie Academic & Professional、 London、 1995、第2巻、1頁において特に記載されている、リビングもしくは擬似リビング、また、制御されるものとして知られている、遊離基重合により得られてもよい。
【0104】
制御遊離基重合とは、成長種の消失を通常生じる二次反応(停止または移行反応)が、遊離基調節剤による成長反応に対して殆ど起りえない重合を意味する。この形式の重合の不完全度は、遊離基の濃度がモノマー濃度に対して高くなる場合、二次反応が決定要因となり、質量分布を広くする傾向を持つ点にある。
【0105】
記憶として、リビングもしくは擬似リビング重合は、ポリマー鎖の成長が、モノマーの消失によってのみ中止する重合であることが想起される。数平均質量(Mn)は、転換の進行につれて増大する。この様な重合は、質量分散性が低いコポリマー、即ち、質量多分散性指数(Ip)が一般に2未満であるポリマーを生じる。
【0106】
アニオン重合は、リビング重合の一般的な例である。
【0107】
擬似リビング重合は、それ自体、制御遊離基重合と組み合わされる。制御遊離基重合の主たるタイプの例として:
ニトロキシドで制御される遊離基重合。参照は、特に、この重合のための手段およびそれらの使用を記載している特許出願WO96/24620およびWO00/71501、ならびにFischer(Chemical Reviews、 2001、 101、 3581)、TordoおよびGnanou(J. Am. Chem. Soc. 2000、 122、 5929)およびHawker(J. Am. Chem. Soc. 1999、 121、 3904)により発表された論文に対して行われてもよい;
特許出願WO96/30421において特に記載されている、炭素−ハロゲンタイプの結合における有機金属錯体上への可逆的挿入を介して進行する原子移動ラジカル重合;
特許出願FR2821620、WO98/01478、WO99/35177、WO98/58974、WO99/31144、WO97/01478において、およびRizzardo et al.(Macromolecules、 1998、 31、 5559)の刊行物において記載されている、キサンタン、ジチオエステル、トリチオカーボネートもしくはカルバメートタイプの硫黄誘導体で制御される遊離基重合;
を挙げることができる。
【0108】
これらの形式の重合により、コポリマーのポリマー鎖は、同時に成長し、各瞬間において同じ比率のコモノマーを導入する。したがって、全ての鎖は、同じ構造または類似構造を有し、低い組成分散性になる。これらの鎖は、また、低質量多分散性指数を有する。
【0109】
したがって、重合は、原子移動の方法(原子移動ラジカル重合または「ATRP」)により、もしくはニトロキシドを用いる反応により、あるいはまた、「reversible addition−fragmentation chain transfer」(「RAFT」)の方法により、もしくは、最後に、「reverse ATRP」の方法により行われてもよい。
【0110】
原子移動ラジカル重合の方法は、C−ハロゲン化物タイプ(金属/リガンド錯体の存在下における。)の結合の形態で、成長する遊離基種を阻止することからなる。このタイプの重合は、形成されるポリマーの質量の調節および低質量分散性指数により反映される。一般に、原子移動ラジカル重合は、
少なくとも1つの移動可能なハロゲン原子を含む開始剤;
開始剤および「休止状態の」ポリマー鎖を用いる還元工程において加えることのできる遷移金属を含むハロゲン化化合物(「連鎖移動剤」として知られている。);および
窒素(N)、酸素(O)、リン(P)または硫黄(S)原子を含む化合物であり、遷移金属を含む前記化合物および形成が避けられるポリマー間の直接結合の形成を、遷移金属を含む前記化合物を用いるσ結合を介して調整することのできる化合物から選択されてもよいリガンド;
の存在下で、遊離基重合を受けることのできる1つ以上のモノマーの重合により行われる。
【0111】
ハロゲン原子は、好ましくは、塩素または臭素原子である。
【0112】
この方法は、特に、特許出願WO97/18247ならびに、JACS、 117、
5614頁 (1995年)において発表されたMatyjasezwski et al.による論文において記載されている。
【0113】
ニトロキシドを用いる反応による遊離基重合の方法は、タイプC−O−NRR(ここで、RおよびRは、互いに独立であってもよく、アルキル基は、2〜30個の炭素原子を含み、または、それぞれは、窒素原子と一緒になって、4〜20個の炭素原子を含む環、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル環を形成する。)の結合の形態で、成長する遊離基種を阻止することからなる。この重合方法は、特に、論文「Living free radical polymerization: a unique technique for preparation of controlled macromolecular architectures」 CJ Hawker; Chem. Res. 1997、 30、 373−82、およびMacromol. Chem. Phys. 1998、 vol. 199、 923頁−935頁において発表された「Macromolecular engineering via living free radical polymerizations」、あるいはまた、特許出願WO−A−99/03894において記載されている。
【0114】
RAFT重合(可逆的付加−分裂連鎖移動)の方法は、C−Sタイプの結合の形態で、成長する遊離基種を阻止することからなる。ジチオ化合物、例えば、ジチオベンゾエート等のジチオエステル(−C(S)S−)、ジチオカルバメート(−NC(S)S−)またはジチオカーボネート(−OC(S)S−)(キサンテート)が、これを行うために使用される。これらの化合物は、モノマーの広範囲の鎖の成長の調節を可能にする。しかしながら、ジチオエステルは、ビニルエステルの重合を阻害し、一方、ジチオカルバメートは、メタクリレートに対して極めて弱い活性を持ち、ジチオカルバメートはこれらの化合物の適用をある範囲に制限する。この方法は、特に、Rhodiaの特許出願WO−A−98/58974およびMacromolecules、 1999、第32巻、 2071頁−2074頁において発表された論文「A more versatile route to block copolymers and other polymers of complex architecture by living radical polymerization: the RAFT process」において記載されている。既に引用された特許出願WO−A−98/58974およびCSIROの特許出願WO−A−99/31144は、「RAFT」試薬としてのジチオカルバメートの使用に関するものである。
【0115】
モノマー濃度対連鎖移動剤の濃度の比を変えることにより、ポリマーの分子量を変更することができる。
【0116】
重合は、以下の一般的スキームにより、数工程において一般に進行する:
a)第1工程においては、第1モノマーまたはモノマー混合物の重合が、マクロ開始剤または前駆体を形成するために行われる;
b)ポリマーは、沈殿により精製され、次いで、真空下で乾燥されてもよい、
c)第2工程においては、モノマーまたはモノマー混合物からなる第2ブロックの重合が、マクロ開始剤の末端で行われる。
【0117】
工程bおよびcは、ABタイプのジブロックポリマー、ABCタイプのトリブロックポリマーまたはA、BおよびCの化学的性質が異なる複数ブロックポリマー(AB)nもしくは(ABC)nを作製する場合は、ブロックの数により必要に応じて何度も繰り返される。
【0118】
二官能開始剤は、ABAまたはBABタイプの対称トリブロックポリマーを作製するために一般に使用される。
【0119】
連鎖移動剤および溶媒は、工程a)およびb)において、同じであっても異なっていてもよい。
【0120】
本発明によるブロックポリマーは、また、モノマーを順番に添加する標準の遊離基重合方法を使用して得られてもよい。この場合は、ブロックの性質の制御のみが可能である(質量制御はできない。)。
【0121】
重合反応器においてモノマーM1を第1工程において重合し、全体にわたってこの消費量を、例えば動力学的に監視し、次いで、M1が約95%消費された時に、新たなモノマーM2を重合反応器に導入することが重要である。このようにして、M1−M2タイプのブロック構造のポリマーが容易に得られる。
【0122】
本発明によるコポリマーは、本発明による組成物において、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜60重量%、好ましくは、0.5重量%〜50重量%、特に、1重量%〜30重量%、更に2重量%〜20重量%の量で存在してもよい。
【0123】
それらは、例えば、水または有機溶媒において溶解した形態における組成物において、あるいはまた、水性もしくは有機分散体の形態における組成物に存在してもよい。好ましくは、それらは、水においてポリマー粒子の分散体の形態で存在し、前記粒子は、光散乱(コールターカウンタータイプの装置で)により測定された、5〜400nm、特に、10〜250nmのサイズで存在することができる。
【0124】
本発明によるコポリマーの特徴の1つは、それらが、25℃の水において、5重量%の濃度、特に、10重量%の濃度、または更に20重量%の濃度でも、粘弾性ゲルを形成しないことである。
【0125】
特に、本発明によるコポリマーは、水において、20重量%の濃度のこれらのコポリマーの溶液が、25℃で、1〜10000センチポイズ(または、mPa.S)、特に、2〜5000mPa.S、特に、5〜3000mPa.Sの粘度を有するようなものである。
【0126】
粘度は、針型(スピンドル)のモデュールで、ブルックフィールド粘度計を使用して測定される。
【0127】
当業者は、当業者の通常の知識に基づいて、「速度/時間」の組合せおよび00番〜07番の範囲の針から針型のスピンドルを如何にして選択するかを知り、やや粘り気のある液体化合物の測定を行うことができる。35%の組合せおよび02番の針が、好ましくは使用される。
【0128】
本発明によるコポリマーのレオロジー挙動は、また、それらの弾性率(G′)および粘性率(G″)値により例示されてもよい。
【0129】
したがって、水において5重量%のコポリマーを含む溶液は、粘性率よりも小さい弾性率を好ましくは有する(G′<G″);特に、弾性率は、0.1〜20Paであり、粘性率は、0.1〜20Paである。これらのモジュラス値は、25℃、1Hzで、耐蒸発装置および直径が6cmで角度が2°の円錐板測定本体を取り付けた、サンドブラストされたチタン本体を備えた制御応力レオメーター(Haake RS 150)で決定される。剪断速度または応力頻度は、1Hz(s−1)である。
【0130】
本発明による化粧品または薬剤組成物は、前記ポリマーに加えて、生理的に許容される媒体、特に、化粧品としてまたは皮膚用として許容される媒体、即ち、顔または身体の皮膚、頭髪、睫毛、眉および爪等のケラチン物質と相溶性である媒体を含む。
【0131】
したがって、組成物は、水または水および親水性有機溶媒、例えば、アルコール、特に、2〜5個の炭素原子を含む線状もしくは分岐低級モノアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノールもしくはn−プロパノール、およびポリオール、例えば、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールもしくはペンチレングリコール、およびポリエチレングリコール、あるいはまた、親水性CエーテルおよびC〜Cアルデヒドとの混合物を含む親水性媒体を含んでもよい。
【0132】
水または水および親水性有機溶媒の混合物は、本発明による組成物において、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜99重量%、好ましくは、10重量%〜80重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0133】
組成物は、また、室温(一般に、25℃)で液体である脂肪物質および/または室温で固体である脂肪物質、例えば、ワックス、ペースト状脂肪物質およびガム、ならびにこれらの混合物等から特になる脂肪相を含んでもよい。これらの脂肪物質は、動物、植物、鉱物または合成源のものであってもよい。この脂肪相は、また、親油性有機溶媒を含んでもよい。
【0134】
本発明において使用されてもよい、油類として参照されることが多い、室温において液体である脂肪物質の例としては、ペルヒドロスクワレン等の動物源の炭化水素ベース油;4〜10個の炭素原子の脂肪酸の液体トリグリセリド等の炭化水素ベース植物油、例えば、ヘプタン酸もしくはオクタン酸トリグリセリド、あるいはまた、ひまわり油、トウモロコシ油、大豆油、ブドウ種油、ゴマ油、あんず油、マカダミア油、ヒマシ油、アボガド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、シアバター油等;鉱物もしくは合成源の線状または分岐炭化水素、例えば、液体パラフィンおよびこれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、パーリーム(parleam)等の水素化ポリイソブテン等;合成エステルおよびエーテル、特に、脂肪酸のエステルおよびエーテル、例えば、ピュアセリン油、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート;ヒドロキシル化エステル、例えば、イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、ならびに脂肪族アルコールヘプタノエート、オクタノエートおよびデカノエート;ポリオールエステル、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエートおよびジエチレングリコールジイソノナノエート;およびペンタエリスリトールエステル;12〜26個の炭素原子を含む脂肪族アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノールおよびオレイルアルコール;部分的に炭化水素ベースのフルオロ油および/または部分的にシリコーンベースのフルオロ油;シリコーン油、例えば、室温で液体またはペースト状である、揮発性もしくは非揮発性、線状もしくは環状ポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば、シクロメチコーン、ジメチコーン、フェニル基を場合によって含む、例えば、フェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーンおよびポリメチルフェニルシロキサン;これらの混合物を挙げることができる。
【0135】
これらの油は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜90重量%、更に好ましくは、0.1重量%〜85重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0136】
本発明による組成物は、また、1つ以上の生理的に許容される有機溶媒を含んでもよい。
【0137】
これらの溶媒は、一般に、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜90重量%、好ましくは、0.5重量%〜85重量%、更に好ましくは、10重量%〜80重量%、なお更に好ましくは、30重量%〜50重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0138】
上述の親水性有機溶媒に加えて、室温で液体であるケトン、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンおよびアセトン等;室温で液体であるプロピレングリコールエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等;短鎖エステル(合計で3〜8個の炭素原子を含む。)、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチルおよび酢酸イソペンチル等;25℃で液体であるエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルもしくはジクロロジエチルエーテル等;25℃で液体であるアルカン、例えば、デカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカンおよびシクロヘキサン等;25℃で液体である芳香族環状化合物、例えば、トルエンおよびキシレン等;25℃で液体であるアルデヒド、例えば、ベンズアルデヒドおよびアセトアルデヒド、ならびにこれらの混合物を特に挙げることができる。
【0139】
本発明の目的に対して、「ワックス」と言う用語は、室温(25℃)で固体である親油性化合物であって、状態の可逆的固体/液体変化を受け、25℃以上で、120℃までであってもよい融点を有する化合物を意味する。ワックスを液状(溶融状態)にすると、ワックスを、存在することのできる油と相溶性にすることが可能であり、顕微鏡的に均質な混合物を形成することが可能であるが、混合物の温度を室温に戻すと、ワックスの再結晶化が混合物の油において起る。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えば、Mettler社からDSC30の名称で販売されている熱量計を使用して測定されてもよい。
【0140】
ワックスは、炭化水素ベースワックス、フルオロワックスおよび/またはシリコーンワクッスであってもよく、植物、鉱物、動物および/または合成源のワックスであってもよい。特に、ワックスは、30℃を超え、更に好ましくは、45℃を超える融点を有する。本発明の組成物において使用されてもよいワックスの例としては、蜜蝋、カルナバワックスまたはカンデリラワックス、パラフィン、微結晶ワックス、セレシンもしくはオゾケライト、合成ワックス、例えば、ポリエチレンワックスもしくはフィシャー−トロプシュワックス、およびシリコーンワックス、例えば、16〜45個の炭素原子を含むアルキルもしくはアルコキシジメチコーンを挙げることができる。
【0141】
ガムは、一般に、高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)またはセルロースガムまたは多糖類であり、ペースト状物質は、一般に、炭化水素ベース化合物、例えば、ラノリンおよびこれらの誘導体、またはPDMSである。
【0142】
固体物質の性質および量は、必要とされる機械的性質および組織に依存する。指針として、組成物は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜50重量%、更に好ましくは、1重量%〜30重量%のワックスを含んでもよい。
【0143】
本発明による組成物は、また、粒状相において、顔料および/または真珠層ならびに/または化粧品組成物において通常使用される充填剤を含んでもよい。
【0144】
組成物は、また、当業者によく知られている、水溶性染料および/または脂溶性染料から選択されるその他の染料を含んでもよい。
【0145】
「顔料」と言う用語は、生理的媒体において不溶性であり、組成物を着色するための任意の形状の白色もしくは着色した無機または有機粒子を意味するもと理解されるべきである。
【0146】
「充填剤」と言う用語は、本体または組成物への剛性、および/または柔軟性、艶消し効果ならびにメークアップの結果に対する均一性を与えるための、無色もしくは白色の、無機または合成の層状もしくは非層状粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0147】
「真珠層」と言う用語は、或種の軟体動物によってそれらの殻において特に生成される、さもなければ合成される任意の形態の真珠光沢の粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0148】
顔料は、組成物において、最終組成物の0.01重量%〜25重量%の割合で、好ましくは、3重量%〜10重量%の割合で存在してもよい。それらは、白色であっても着色していてもよく、無機または有機であってもよい。例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、および酸化亜鉛、酸化鉄もしくは酸化クロム、第2鉄青、クロム水和物、カーボンブラック、ウルトラマリン(アルミノシリケートポリスルフィド)、ピロリン酸マグネシウムならびに或種の金属粉末、例えば、銀もしくはアルミニウム粉末等を挙げることができる。唇および皮膚の仕上がり効果を与えるために普通に使用されるD&C顔料およびレーキの例としては、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウムまたはジルコニウム塩を挙げることができる。
【0149】
真珠層は、組成物において、0.01重量%〜20重量%の割合で、好ましくは、約3重量%〜10重量%の割合で存在してもよい。考えられる真珠層の例としては、天然真珠、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料もしくはオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母、および着色されたチタン雲母を挙げることができる。
【0150】
脂溶性または水溶性染料は、組成物において、単独または混合物として、組成物の全重量に対して、0.001重量%〜15重量%、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、特に、0.1重量%〜2重量%の割合で存在してもよく、例としては、紅色のジナトリウム塩、アリザリングリーンのジナトリウム塩、キノリンイエロー、赤紫色のトリナトリウム塩、タートラジンのジナトリウム塩、ローダミンのモノナトリウム塩、フクシンのジナトリウム塩、キサントフィル、メチレンブルー、コチニールカルミン、ハロ−酸染料、アゾ染料、アントラキノン染料、硫酸銅、硫酸鉄、スーダンブラウン、スーダンレッドおよびアンナット、ならびにビートの根分泌液およびカロテンを挙げることができる。
【0151】
本発明による組成物は、また、1つ以上の充填剤を、組成物の全重量に対して、特に、0.01重量%〜50重量%、好ましくは、0.02重量%〜30重量%の全含有量範囲において含んでもよい。充填剤は、血小板形状、球形もしくは矩形の任意の形態における無機または有機充填剤であってもよい。例としては、タルク、雲母、シリカ、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、ポリ−β−アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))の粉末、ラウロイルリシン、澱粉、窒化ホウ素、中空ポリマー微小球、例えば、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルの微小球、例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)もしくはアクリル酸コポリマー微小球(Dow Corning社のPolytrap(登録商標))およびシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば、ToshibaのTospearls(登録商標))、弾性ポリ有機シロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(Maprecos社のSilica Beads(登録商標))、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、ならびに8〜22個の炭素原子、好ましくは、12〜18個の炭素原子を含む有機カルボン酸から得られる金属石鹸、例えば、亜鉛、マグネシウムもしくはリチウムステアレート、亜鉛ラウレートもしくはマグネシウムミリステートを挙げることができる。
【0152】
組成物は、また、膜形成ポリマー等の追加ポリマーを含んでもよい。本発明によれば、「膜形成ポリマー」と言う用語は、それ自体または補助的膜形成剤の存在下で、支持体、特に、ケラチン物質に接着する連続膜を形成することのできるポリマーを意味する。本発明の組成物において使用されてもよい膜形成ポリマーの例としては、遊離基タイプもしくはポリ縮合タイプの合成ポリマー、天然源のポリマーおよびこれらの混合物、特に、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素およびセルロースベースポリマー、例えば、ニトロセルロースを挙げることができる。
【0153】
本発明による組成物は、また、化粧品において通常使用される成分、例えば、ビタミン、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、軟化剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、酸性化もしくは塩基性化剤、保存剤、日焼け止め剤、界面活性剤、耐酸化剤、脱毛防止剤、ふけ防止剤、推進剤およびセラミドまたはこれらの混合物等を含んでもよい。言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物の有利な性質が、想定される添加にとって悪影響を受けない、もしくは実質的に悪影響を受けないように、これもしくはこれらの任意の追加化合物、および/またはこれらの量を選択するのに注意しなければならない。
【0154】
本発明による組成物は、懸濁液、分散体、特に、小胞による水中油の分散体;場合によって濃化されたもしくはゲル化されていてもよい油性溶液;水中油、油中水もしくは複合エマルション;ゲルもしくはムース;油性もしくは乳化ゲル;小胞、特に、脂質小胞の分散体;2相もしくは多相ローション;スプレー;自由で、緻密なもしくは注入粉末;無水ペーストの形態であってもよい。この組成物は、ローション、クリーム、軟膏(salve)、ソフトペースト、軟膏(ointment)、注入もしくは成形固体、特に、スティックもしくは皿状形態における成形固体、または緻密化固体の外観を有してもよい。
【0155】
当業者は、先ず初めに、使用される成分の性質、特に、支持体におけるそれらの溶解性、次に、組成物の意図される用途を考慮に入れ、当業者の常識を基礎として、適当な生薬形態およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0156】
本発明による化粧品組成物は、身体もしくは顔の皮膚、唇および頭髪用の手入れおよび/またはメークアップ用製品、日焼け止め製品、自己日焼け用製品もしくは頭髪手入れ用製品の形態であってもよい。
【0157】
皮膚、半粘膜、粘膜および/または外皮(爪、睫毛、眉、体毛および頭髪)のメークアップの分野において特に有利な用途を特に見出すことができる。
【0158】
また、手入れおよび/またはメークアップ組成物の形態、特に、ファンデーション、メークアップ用口紅もしくはアイシャドウ等の肌色製品;口紅等の唇製品もしくは唇手入れ用製品;コンシーラー製品;ブラッシャー、マスカラもしくはアイライナー;眉メークアップ用製品、リップペンシルもしくはアイペンシル;爪ニス等の爪用製品もしくは爪メークアップ製品;身体メークアップ製品;頭髪メークアップ製品(ヘアマスカラもしくはヘアラッカー)の形態であってもよい。
【0159】
本発明による組成物は、顔、首、手もしくは身体の皮膚に対する保護もしくは手入れ用組成物、特に、皺防止組成物、皮膚を艶々にするための疲労防止組成物、保湿もしくは処理組成物;日焼け止め組成物もしくは人工的日焼け用組成物であってもよい。
【0160】
本発明による組成物は、また、頭髪手入れ製品、特に髪型を保持するためもしくは髪を形作るための頭髪手入れ製品であってもよい。頭髪手入れ組成物は、好ましくは、シャンプー、整髪ローションもしくはゲル、ブロー乾燥ローションならびに、ラッカーもしくはスプレー等の固定および整髪用組成物である。ローションは、気化形態で、またはムース形態で組成物の適用を可能にするために、様々な形態、特に、気化器、ポンプ−ディスペンサーボトルに、もしくはエアロゾル容器に充填されてもよい。
【0161】
本発明の主題は、また、ケラチン物質、特に、身体もしくは顔の皮膚、爪、頭髪および/または睫毛のメークアップまたは手入れのための、上で定義された化粧品組成物の前記物質への適用を含む化粧法である。
【0162】
本発明は、また、本発明によるコポリマーを含む接着剤組成物に関する。この場合においては、コポリマーは、組成物の全重量に対して、少なくとも5重量%の含有量において有利に存在する。
【0163】
接着剤組成物は、粘着樹脂等の添加剤、油等の可塑剤を含んでもよく、いずれの場合においても、ホットメルト感圧接着剤組成物(略語HMPSAとして知られている。)を構成する。
【0164】
本発明のコポリマーは、特に、それらが、高温に暴露される場合(例えば、全面的な太陽光における窓に置かれたポストイットタイプのストリップ)に、接着剤組成物の機械的性質を改善する方向で貢献する。
【0165】
一般に、HMPSA組成物において可塑剤として使用される油は、例えば、トリオクチルトリメリテート等のトリメリテートタイプの油、あるいはまた、Shell社のCatenex N956等の主にナフテンベースの油である。パラフィンタイプの油(一般に、Exxon−Mobil社のPrimol 352油)もしくは液体ポリブテンタイプの油(一般に、Napvis 10)の使用は、或る条件下では、それらが、コポリマーと非相溶性であり、混合物から滲出するので薦められない。
【0166】
本発明によれば、粘着樹脂は、一般に、コロホニルベース樹脂、例えば、Foral AX等、コロホニルエステル樹脂、例えば、Foral F85等、純粋モノマーの名称で知られている樹脂、例えば、Krystallex F85等、DRT社のDercolyte A115等のポリテルペン、ヒドロキシル化ポリエステル(一般に、DRT社のReagem 5110)、スチレンテルペン(一般に、DRT社のDercolyte TS105)、ペンタエリスリトールテルペン(一般に、Dertoline P2L)、およびフェノール−テルペンベース樹脂(一般に、DRT社のDertophene T105)である。
【0167】
本発明の組成物は、例えば、衛生、木材、接合および充填等の様々な分野において、接着テープ、ラベルおよびストリップを構成するための接着剤として使用されてもよい。
【0168】
本発明は、また、接着剤組成物の成分として、上で定義されたコポリマーの使用に関する。
【0169】
最後に、本発明は、熱可塑性組成物に関する。この場合においては、コポリマーは、組成物の全重量に対して、少なくとも1重量%の含有量において都合よく存在する。
【0170】
添加剤として、その様な組成物は、また、1つ以上の熱可塑性ポリマー、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニル等を含んでもよい。
【0171】
本発明のコポリマーを使用することによって、組成物に存在する熱可塑性ポリマーの硬度を増加させることが可能である。
【0172】
最後に、本発明は、熱可塑性組成物における成分として、上で定義されたコポリマーの使用に関する。
【0173】
本発明は、以下に続く実施例において更に詳細に例示される。
【0174】
(Tg測定法)
ブロックのガラス転移温度は、the Polymer Handbook、 3rdedition、 1989、 John Wiley等の参照便覧において見出すことのできる各ブロックの成分モノマーの理論的Tg値から、Foxの法則として知られている以下の関係式:
【0175】
【数1】

(式中、wiは、検討中のブロックにおけるモノマーiの質量分率であり、Tgiは、モノマーiのホモポリマーのガラス転移温度である。)により決定される理論的Tg値であってもよい。
【0176】
別段の指示がなければ、ブロックに対して示されるTg値は、理論的Tg値である。
【0177】
(分子量)
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、液体ゲル浸透クロマトグラフィー、またはGPC(THF溶媒、線状ポリスチレン標準で定められた校正曲線、屈折検出器)により決定される。
【0178】
分散性指数は、次の方法:Ip=Mw/Mnにおいて計算される。
【0179】
GPCは、Styragel HR4/7.8×300mmカラム(Waters社から販売されている、WAT044225)で行われる。
【0180】
検出は、Waters 410屈折計で行われる。
【0181】
溶離液は、THFで、流速は、1ml/分である。
【0182】
注入容量は、25℃で、50μlである。
【0183】
形成された第1ブロックは、第1ブロックの質量を決定するためにGPCに掛けられる。
【0184】
全体のブロックコポリマーは、全コポリマーの質量を決定するためにGPCに掛けられる。
【0185】
ブロックの理論的重量平均質量は、(ブロックを構成するモノマーの重量(g))/(開始剤の重量(g))比により与えられる。
【0186】
第1ブロックにおける種々のモノマーの相対モル分率は、NMRにより決定される:モノマーM1%=(M1のモル数%)/(ブロックにおけるモノマーの全モル数)。
【0187】
第1ブロックおよび第2ブロック間の種々のモノマーの相対割合は、NMRにより決定される。
【0188】
(一般的合成方法)
実施例のポリマーは、
ハロゲン化銅の形態における銅(Cu1)、例えば、Aldrich社から販売されているCuBr(純度99%)またはAcros社から販売されているCuCl(純度99%)の存在下で、
RBrタイプの開始剤、および
アミンタイプのリガンド、
を用いるATRP法を介して合成される。
【0189】
Fluka社のPMDETA、即ち、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミンが、リガンドとして使用される。
【0190】
モノマーを、予め、アルミナのカラムに通してすべての安定剤を除去する。
【0191】
Aldrich社から販売されている、純度98%のエチル2−ブロモイソブチレート等の単官能開始剤を使用して、ジブロックの合成を行う。
【0192】
トリブロックの合成は、3−[(2−ブロモ−2−メチルプロパノイル)オキシ]プロピル−2−ブロモ−2−メチルプロパノエート:(CHBrC−C(=O)−O−(CH−O−C(=O)−C(CHBrタイプの二官能開始剤を伴って開始する重合を介して進める。
【0193】
重合は幾つかの工程において進行する:
第1工程:以下の一般的スキームによる、第1ブロックを構成するモノマー(またはモノマー混合物)の重合による第1ブロックの形成:
適当な量および性質のモノマーを、丸底フラスコに入れる。攪拌しながら、5分間、アルゴン流を通して泡立たせ、次いで、リガンドを、攪拌を続けながら、アルゴン流下で導入し、続いて、銅を、そして最後に開始剤を導入する。3回の真空/アルゴン脱気サイクルを行う。
【0194】
混合物を攪拌し、均質になったら、次いで、それを90℃の温度(浴温度)の油浴に置く。重合は、90℃で一定の時間で生起する。
【0195】
ポリマーをアルミナのカラムに通し、銅ベースの触媒を分離して精製する。
【0196】
次いで、ポリマーを、冷却条件(cardice(固体二酸化炭素))下で、水/メタノール混合物(20/80)において沈殿させる。
【0197】
この様にして、第2ブロックの重合のための前駆体(またはマクロ開始剤)として役立つ第1ブロックを得る:それは、この末端において、第2ブロックを構成する第2モノマー(またはモノマー混合物)の重合を再開始することのできる機能を含む「官能性」ポリマーである。この前駆体は、ポリマー−Brの様に図式的に表示されてもよい。
【0198】
第2工程:マクロ開始剤(ポリマー−Br)もしくは(Br−ポリマー−Br)の末端において、モノマー(またはモノマー混合物)の重合による第2ブロックの形成:
リガンド、溶媒、次いで、銅を、アルゴン流下でマクロ開始剤に添加し、続いて、モノマーまたはモノマー混合物を添加する。混合物を液体窒素で冷却する。混合物を準備したら、3回の真空−アルゴン脱気サイクルを行う。混合物を液体状態に戻し、次いで、反応器を、90℃の温度の油浴に置く。
【0199】
ポリマーをアルミナのカラムに通し、銅ベースの触媒を分離して精製する。
【0200】
次いで、最終ポリマーを、冷却条件(cardice(固体二酸化炭素))下で、水/メタノール混合物(20/80)から沈殿させる。
【実施例1】
【0201】
ポリ(ブチルアクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)ジブロックポリマーの調製
このポリマーは、ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルアクリレート)ジブロックコポリマーの加水分解により調製される。
【0202】
1/ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルアクリレート)の合成:
第1工程:ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルアクリレート)−Brマクロ開始剤の合成
上述の一般的な方法により、以下のモノマーの混合物を、以下の割合で重合する:
【0203】
【表1】

【0204】
%において設定された理論転換率:33
反応時間:3時間35分
【0205】
特徴:
Mw(理論値)(g/mol):31939
Mn(GPCによる測定値)(g/mol):54900
Mw(GPCによる測定値)(g/mol):59500
Mp(GPCにより測定されたピークにおける平均質量)(g/mol):58600
Ip=1.1
【0206】
【表2】

【0207】
第2工程:マクロ開始剤:ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルアクリレート)−Brの末端での、メチルメタクリレート/t−ブチルアクリレート混合物の重合
第1工程から得られたマクロ開始剤を、卵形磁気棒を備えた容器に入れ、12時間、減圧下で蒸発させ、可能な残留モノマーの最大量を除去する。
【0208】
第2ブロックの合成直前にGPCを行う;マクロ開始剤および最終ブロックを、同じ条件下で測定する。
【0209】
【表3】

【0210】
理論転換率:50%
反応時間:10時間
【0211】
形成されたジブロックコポリマーの特徴:
理論的Mw(g/mol):118117
GPCで測定されたMn(g/mol):97985
GPCで測定されたMw(g/mol):114579
Mp(GPCにより測定されたピークにおける平均質量)(g/mol):115080
Ip=1.17
【0212】
【表4】

【0213】
2/ポリ(ブチルアクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)ジブロックの合成
加水分解を、t−ブチルアクリレート単位についてトリフルオロ酢酸を伴って行う。それは、t−ブチル単位に対して6倍過剰の酸において使用する。
【0214】
【表5】

【0215】
加水分解されたジブロックコポリマーの特徴:
【0216】
【表6】

【0217】
以下の分布を有するジブロックコポリマーを最終的に得る:
モル%において:
ポリ(メチルメタクリレート97.1%−co−アクリル酸2.9%)−b−ポリ(ブチルアクリレート81.0%−co−アクリル酸19.0%)
重量%において:
ポリ(メチルメタクリレート97.9%−co−アクリル酸2.1%)−b−ポリ(ブチルアクリレート88.4%−co−アクリル酸11.6%)
【0218】
3/ポリマーの水性溶解/分散
酸単位の中和を、2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)を添加することにより行う。
【0219】
ポリマーをTHFに溶解し、次いで、Ultra−Turraxブレンダーを使用して、激しく攪拌しながらAMPおよび水を添加する。
【0220】
青みがかったキラキラと輝くやや粘り気のある白色ミルクを得る。
【0221】
コールター装置での粒径:390nm
溶液の乾燥抽出物:18.1重量%
【実施例2】
【0222】
ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)−b−ポリ(ブチルアクリレート−co−メタクリル酸)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)トリブロックの調製
このポリマーを、ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)トリブロックコポリマーの加水分解により調製する。
【0223】
1/ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)の合成
第1工程:二官能マクロ開始剤Br−ポリ(t−ブチルアクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−Brの合成
このマクロ開始剤は、二官能開始剤:(CHBrC−C(=O)−O−(CH−O−C(=O)−C(CHBrを使用して、モノマー混合物の重合により合成される。
【0224】
二官能重合開始剤の調製
二官能開始剤を、以下の反応スキームにより調製する:
HO−(CH−OH + 2(CH(Br)C−C(=O)Br →
(CHBrC−C(=O)−O−(CH−O−C(=O)−C(CHBr
18g(0.2mol)の1,4−ブタンジオールを、100gのテトラヒドロフランと混合し、混合物を、10分間、室温で平衡に保つ。次いで、40.4g(0.4mol)のトリエチルアミンを、溶液の温度が急激に増加しないように、30分間にわたってゆっくりと添加する。次いで、92g(0.4mol)の2−ブロモイソブチリルブロマイドを、3時間にわたって、5℃まで冷却しながら、非常にゆっくりと添加する。この添加中に、反応溶液は、徐々に黄変するのが観察される。攪拌を、25℃で一晩中続け、次いで、温度を室温まで徐々に上昇させる。
【0225】
反応溶液を、THFを蒸発させて濃縮し、残渣を水から沈殿させる。次いで、水性相を、エチルエーテルで3回抽出し、次いで、エーテル相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。
【0226】
次いでエーテルの蒸発後に、80%の収率に相当する、63gのビス(n−ブチル−1,4−ブロモイソブチレート)を得る。
【0227】
上述の一般的手順により、以下のモノマー混合物を、以下の割合で重合する:
【0228】
【表7】

【0229】
重合転換率:40重量%
反応時間:9時間15分
【0230】
特徴:
理論的Mw(g/mol):73259
GPCで測定されたMn(g/mol):68400
GPCで測定されたMw(g/mol):77294
Mp(GPCにより測定されたピークにおける平均質量)(g/mol):75292
Ip=1.13
【0231】
【表8】

【0232】
第2工程:二官能前駆体Br−ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−Brの末端における、メチルメタクリレート−t−ブチルメタクリレート混合物の重合
前駆体を、卵形磁気棒を備えた容器に導入し、可能な残留モノマーの最大量を除去するために、12時間、減圧下で蒸発させる。
【0233】
【表9】

【0234】
重合転換率:30重量%
反応時間:70分
【0235】
トリブロックコポリマーの特徴:
理論的Mw(g/mol):114222
GPCで測定されたMn(g/mol):103727
GPCで測定されたMw(g/mol):133295
Mp(GPCにより測定されたピークにおける平均質量)(g/mol):114983
Ip=1.29
【0236】
【表10】

【0237】
2/ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)−b−ポリ(ブチルアクリレート−co−メタクリル酸)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)の生成
これを行うために、上記で調製されたポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(ブチルアクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−t−ブチルメタクリレート)を加水分解する。
【0238】
加水分解を、t−ブチルアクリレート単位についてトリフルオロ酢酸で行う。t−ブチル単位に対して5倍過剰の酸を使用する。ポリマーを、ジクロロメタンにおいて30%で溶解する。反応を、室温で16時間行う。
【0239】
【表11】

【0240】
加水分解されたトリブロックコポリマーの特徴:
【0241】
【表12】

【0242】
以下の分布(トリブロックにおける重量%)を有するトリブロックコポリマーを最終的に得る:
ポリ(メチルメタクリレート34.9−co−メタクリル酸15.1)15%−b−ポリ(ブチルアクリレート86−co−メタクリル酸14)70%−b−ポリ(メチルメタクリレート34.9−co−メタクリル酸15.1)15%
【0243】
3/ポリマーの水性溶解/分散
酸単位の中和を、水にAMPを添加することにより行う。この様にして得られた、ポリマーは水溶性である。
【0244】
溶液の乾燥抽出物:5.1重量%
pH=8.5
水における粘度:25℃で、20重量%の濃度で、47.6mPa.S(38.1%のカップルを有する02番の針で測定された)。
【実施例3】
【0245】
実施例1のポリマーを、100mlの水に15gのポリマーの割合(15重量%溶液)で水に溶解させる。
【0246】
髪に適用するために、ポンプ−ディスペンサーボトルに充填されてもよい頭髪手入れ用組成物を得る。この組成物は、頭髪に整髪を与える。
【実施例4】
【0247】
実施例2のポリマーを、100mlの水に15gのポリマーの割合(15重量%溶液)で水に溶解させる。
【0248】
髪に適用するために、ポンプ−ディスペンサーボトルに充填されてもよい頭髪手入れ用組成物を得る。この組成物は、頭髪に整髪を与える。
【実施例5】
【0249】
実施例1のポリマーを、100mlの酢酸エチルに25gのポリマーの割合(25重量%溶液)で酢酸エチルに溶解させる。
【0250】
適当な染料の添加後、爪に適用できる爪ニスを得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1ブロック、および少なくとも1つの第2ブロックを含み、
各ブロックが、1つのブロックと別のブロックとで異なっていてもよい少なくとも1つのイオン性親水性単位を含み、前記イオン性親水性単位が、各ブロックにおいて、前記ブロックの重量に対して、2重量%〜100重量%の割合で存在する、線状エチレン系ブロックコポリマー。
【請求項2】
イオン性親水性モノマーが、各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、3重量%〜70重量%、特に、5重量%〜50重量%、または更に8重量%〜30重量%の割合で存在する、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
2ブロック(ジブロック)または3ブロック(トリブロック)を含み、ブロックのそれぞれが、ブロックの重量に対して、少なくとも2重量%の割合で存在する少なくとも1つのイオン性親水性モノマーを含む、請求項1または2のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項4】
イオン性親水性モノマーが、アニオン性、カチオン性および両性親水性モノマー、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1から3の一項に記載のコポリマー。
【請求項5】
ブロックのそれぞれが、少なくとも1つのアニオン性親水性モノマーおよび/または少なくとも1つのカチオン性親水性モノマーを含む、請求項1から4の一項に記載のコポリマー。
【請求項6】
少なくとも1つのブロックが、少なくとも1つのカチオン性親水性モノマーおよび少なくとも1つのアニオン性親水性モノマーの両方を含む、請求項1から5の一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
式(I):
【化1】

の少なくとも1つのアニオン性親水性モノマーを含む、請求項1から6の一項に記載のコポリマー
[式中、
は、水素原子、またはC2p+1タイプの線状もしくは分岐炭化水素ベース基(pは、1ないし12の整数である。);特に、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルであり、
Zは、−COO−、−CONH−、−CONCH−、−OCO−もしくは−O−から選択される二価基;好ましくは、−COO−および−CONH−であり、
xは、0または1、好ましくは1であり、
は、O、N、SおよびPから選択される1〜30個のヘテロ原子を含んでもよい、1〜30個の炭素原子の線状、分岐もしくは環状、場合によっては芳香族、飽和もしくは不飽和二価炭素ベース基であり;
Yは、−COOH、−SOH、−OSOH、−PO(OH)および−OPO(OH)から選択される基であり;
mは、0または1に等しい。]。
【請求項8】
が、
メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−ヘキシレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、n−オクタデシレン、n−テトラデシレンもしくはn−ドコサニレン等のアルキレン基;
O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合により含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているフェニレン基−C−(オルト、メタまたはパラ);あるいはまた、O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合により含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているベンジレン基−C−CH−;
式−CH−CHOH−、−CH−CH−CHOH−、−CH−CH−CH(NH)−、−CH−CH(NH)−、−CH−CH−CH(NHR′)−、−CH−CH(NHR′)−、−CH−CH−CH(NR′R″)−、−CH−CH(NR′R″)−、−CH−CH=CH−(R′およびR″は、線状もしくは分岐C〜C18アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)の基である、請求項7に記載のコポリマー。
【請求項9】
アニオン性親水性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、ジアクリル酸、ジメチルフマール酸、シトラコン酸、アクリルアミド−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、式CH=CH−CONHCH(OH)COOHのアクリルアミドグリコール酸;ビニルリン酸;2−カルボキシ−エチル(メタ)アクリレート、スルホプロピルメタクリレートもしくはアクリレート(CH=C(CH)CO(CHSOH)、スルホエチルメタクリレートもしくはアクリレートおよびビニルメチルスルホン、式CH=C(CH)COOCOP(O)(OH)の2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスフェート;式C−CO−CH=CH−CO−Cのジアリルマレエート;無水マレイン酸等のビニル結合を有するカルボン酸無水物およびまたはこれらの塩;ならびにこれらの混合物から選択される、請求項7および8のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項10】
式(II):
【化2】

の少なくとも1つのカチオン性親水性モノマーを含む、請求項1から9の一項に記載のコポリマー
[式中、
、Z、x、Rおよびmは、請求項7および8のいずれかにおけるものと同じ意味を有し;
Xは、(a)式−N−Rの基であり(RおよびRは、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)O、N、SおよびPから選択される1〜10個のヘテロ原子を含んでもよい、1〜30個の炭素原子を含む、線状、分岐もしくは環状、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族アルキル基;特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ラウリルまたはステアリル基;
(iii)式−(RO)のアルキレンオキシド基(Rは、線状もしくは分岐C〜Cアルキルを表し、Rは、水素または線状もしくは分岐C〜C30アルキル基であり、yは1ないし250である。)を表し;
(iv)RおよびRは、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5もしくは6個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環を形成してもよく;前記環はまた、5、6もしくは7個の原子、特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。);
あるいはまた、Xは、(b)基−R′−N−R′−を表す(ここで、R′およびR′は、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、特に、4、5もしくは6個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環を形成し;前記環は、5、6もしくは7個の原子、特に、4、5、6、7もしくは8個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。)]。
【請求項11】
カチオン性親水性モノマーが、単独または混合物として、
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリルアミンおよびアリルピリジン;
[N,N−ジ−(C〜C)アルキルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリレートもしくは[N−(C〜C)アルキルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、および特に、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレートおよび2−(N−t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート;
[N,N−ジ−(C〜C)アルキルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドもしくは[N−(C〜C)アルキルアミノ](C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミド等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、および特に、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
ビニルアミン、ビニルイミダゾールおよび2−(ジエチルアミノ)−エチルスチレン;
N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール;
およびまた、これらの塩および/またはこれらの第四級形態から選択される、請求項10に記載のコポリマー。
【請求項12】
式(III):
【化3】

の少なくとも1つの両性モノマーを含む、請求項1から11の一項に記載のコポリマー
[式中、
、Z、x、Rおよびmは、上記式(I)におけるものと同じ意味を有し;
X′は、式−NR′R′の二価基であり(R′およびR′は、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)O、N、SおよびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を含んでもよい1〜30個の炭素原子を含む線状、分岐もしくは環状、場合によっては芳香族アルキル基;例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルまたはイソブチル;
(iii)式−(RO)のアルキレンオキシド基(Rは、線状もしくは分岐C〜Cアルキルを表し、Rは、水素または線状もしくは分岐C〜C30アルキル基であり、yは1ないし250である。)を表し;
(iv)R′およびR′は、窒素原子と一緒になって、合計で5、6、7もしくは8個の原子、および特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子を含む、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環(NR′R′またはR′NR′)を形成してもよく;前記環は、5、6、7もしくは8個の原子、および特に、4、5、6もしくは7個の炭素原子ならびに/またはO、SおよびNから選択される2〜4個のヘテロ原子をそれぞれ含む、1つ以上のその他の飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族環と縮合していることができる。);
Y′は、−COO、−SO、−OSO、−PO2−および−PO2−から選択される基であり;
は、O、N、SおよびPから選択される1〜18個のヘテロ原子を含んでもよい、1〜30個の炭素原子の、飽和もしくは不飽和、場合によっては芳香族、線状、分岐もしくは環状二価炭素ベース基であり;
nは、0または1である。]。
【請求項13】
基Rが、
メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−ヘキシレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、n−オクタデシレン、n−テトラデシレン、n−ドコサニレン等のアルキレン基;
O、N、S、F、SiおよびPから選択される1〜5個のヘテロ原子を場合により含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているフェニレン基−C−(オルト、メタまたはパラ);あるいはまた、O、N、SおよびPから選択される1〜5個のヘテロ原子を場合により含むC〜C12アルキル基で場合によって置換されているベンジレン基−C−CH−である、請求項12に記載のコポリマー。
【請求項14】
両性親水性モノマーが、単独または混合物として、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタインおよび1−(3−スルホプロピル)−2−ビニル−ピリジニウムベタインから選択される、請求項12および13のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項15】
コポリマーが、コポリマーの全重量に対して、4重量%〜100重量%、特に、8重量%〜80重量%、または更に10重量%〜30重量%のイオン性親水性単位を含む、請求項1から14の一項に記載のコポリマー。
【請求項16】
非イオン性親水性モノマーおよび疎水性モノマー、ならびにこれらの混合物から選択される1つ以上の追加モノマーを更に含む、請求項1から15の一項に記載のコポリマー。
【請求項17】
非イオン性親水性モノマーが、少なくとも1つのブロックにおいて、または更に各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、0〜98重量%、特に、2重量%〜95重量%、更に好ましくは、3重量%〜92重量%の割合で存在する、請求項16に記載のコポリマー。
【請求項18】
疎水性モノマーが、少なくとも1つのブロックにおいて、または更に各ブロックにおいて、ブロックの重量に対して、0〜98重量%、特に、2重量%〜95重量%、更に好ましくは、3重量%〜92重量%の割合で存在する、請求項16および17のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項19】
追加モノマーが、単独または混合物として、
(i)エチレン、イソプレンもしくはブタジエン等の、2〜10個の炭素を含むエチレン系炭化水素、
(ii)式の(メタ)アクリレート
【化4】

[式中、
は、水素またはメチル(CH)であり、および
は、
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子の線状もしくは分岐アルキル基(前記アルキル基は、OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
イソボルニル基等のC〜C12シクロアルキル基;
フェニル基等のC〜C20アリール基;
2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルもしくはベンジル等のC〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル基);
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、芳香族または非芳香族である。);
フルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル(1〜4Cのアルキル)基(前記シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子ならびにO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、線状もしくは分岐C1〜4アルキル基から選択される1つ以上の置換基で置換されていることができ、前記アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル、例えば、−(OC−OH、−(OC−O−メチルまたは−(OC−O−ベヘニル);基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル、例えば、−(OC−OH);あるいはまた、基(OCおよび(OCのランダムもしくはブロック混合物を表す。];
(iii)式の(メタ)アクリルアミド
【化5】

[式中、
は、Hまたはメチルを表し;
およびRは、同じか異なっていてもよく、
水素原子;または
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子の線状もしくは分岐アルキル基(前記アルキル基はまた、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(R、RおよびRは、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
イソボルニル基等のC〜C12シクロアルキル基;
フェニル基等のC〜C20アリール基;
2−フェニルエチル、t−ブチルベンジルもしくはベンジル等のC〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル基);
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、芳香族または非芳香族である。);
フルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル基(C〜Cアルキル)(前記シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子およびO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、線状もしくは分岐C〜Cアルキル基から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ、前記アルキル基はまた、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル、例えば、−(OC−OH、−(OC−メチルまたは−(OC−ベヘニル);基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜C30アルキル基、例えば、−(OC−OH);あるいはまた、基(OCおよび(OCのランダムもしくはブロック混合物を表す。];
(iv)式:CH=CHR
のビニル化合物
[式中、Rは、ヒドロキシル基;ハロゲン(ClまたはF);NH基;OR10基(ここで、R10は、フェニル基またはC〜C12アルキル基(モノマーは、ビニルもしくはアリルエーテルである。);アセトアミド基(NHCOCH);基OCOR11(ここで、R11は、2〜12個の炭素の線状または分岐アルキル基(モノマーは、ビニルまたはアリルエステルである。)、C〜C12シクロアルキル基、C〜C20アリールまたはC〜C30アラリルを表す。)であり;あるいはまたRは、
O、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜30個の炭素原子を含む線状もしくは分岐アルキル基(前記アルキル基はまた、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。);
イソボルニルまたはシクロヘキサン等のC〜C12シクロアルキル基、
フェニル等のC〜C20アリール基、
2−フェニルエチルまたはベンジル等のC〜C30アリールアルキルまたはアルキルアリール基(C〜Cアルキル基)、
O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員ヘテロ環状基(環は、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム等の芳香族または非芳香族である。);
フルフリルメチルまたはテトラヒドロフルフリルメチル等のヘテロシクロアルキル基(1〜4Cのアルキル)(前記シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環状もしくはヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子およびO、N、SおよびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を場合によって介在した、1〜4Cの線状もしくは分岐アルキル基から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができ、前記アルキル基は、また、−OH、ハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)、ならびに基−Si(R)および−Si(R)O(ここで、R、RおよびRは、同じか異なっていてもよく、水素原子、C〜Cアルキル基またはフェニル基を表す。)から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されていることができる。)から選択される。];
(v)式:CH=CH−CH−RまたはCH=C(CH)−CH−R(ここで、Rは、上記と同じ意味を有する。)のアリル化合物;
(vi)シリコーンベース(メタ)アクリル、(メタ)アクリルアミドまたはビニルモノマー
から選択される、請求項16から18の一項に記載のコポリマー。
【請求項20】
追加モノマーが、単独または混合物として、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(ここで、アルキル基は、2〜4個の炭素原子を含む。)、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(Tg=15℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(55℃)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートおよびN−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド;
メトキシエチル、2−エトキシエチル、メトキシプロピルおよびビス(2−エトキシエチル)(メタ)アクリレートならびに(メタ)アクリルアミド等の(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド;
(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミド;
基−(OC−OR″(m=5〜300およびR″=HまたはC〜Cアルキル、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド(メトキシまたはヒドロキシル末端基を含む。)を含む(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド;
ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム等のビニルラクタム;
メチルビニルエーテル(Tg=−34℃)およびエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;
ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム;
多糖類(メタ)アクリレート、例えば、スクロースアクリレートおよびエチルグルコシド(メタ)アクリレート
から選択される、請求項16から19の一項に記載のコポリマー。
【請求項21】
追加モノマーが、単独または混合物として、
t−ブチルベンジルアクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート(94℃)、フルフリルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート(45℃)、t−ブチルアクリレート(50℃)、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、ヒドロキシエチルアクリレート(15℃)、メチルアクリレート(10℃)、エチルアクリレート(−24℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、メトキシエチルアクリレート(−33℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、エチルヘキシルアクリレート(−50℃)、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート;
t−ブチルベンジルメタクリレート、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート(111℃)、メチルメタクリレート(100℃)、シクロヘキシルメタクリレート(83℃)、エチルメタクリレート(65℃)、ベンジルメタクリレート(54℃)、イソブチルメタクリレート(53℃)、ブチルメタクリレート(20℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート;
スチレン(100℃)、ビニルシクロヘキサン、酢酸ビニル(23℃)、メチルビニルエーテル(−34℃)、ビニルネオノナノエート、ビニルネオドデカノエート;
N−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド
から選択される、請求項16から19の一項に記載のコポリマー。
【請求項22】
n−ヘキシルメタクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート;エチレングリコール単位のmの数が、8、12、90、180または200であるメトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート;m=8、12、90、180または200であるメトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリルアミド;m=8、12、90、180または200であるポリ(エチレングリコール)OH(メタ)アクリレート;m=8、12、90、180または200であるポリ(エチレングリコール)OH(メタ)アクリルアミド;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルから選択されるモノマーを含む少なくとも1つのブロックを含む、請求項16から21の一項に記載のコポリマー。
【請求項23】
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)、および
ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)
等の2ブロック(ジブロック)を含む、請求項1から22の一項に記載のコポリマー。
【請求項24】
ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)、
ポリ(メチルメタクリレート−co−(メタ)アクリル酸)−b−ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)、
ポリ(メチルアクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート−co−アクリル酸)、
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート);
ポリ(アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸);
ポリ(メタクリル酸)−b−ポリ(メタクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メタクリル酸);
ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルメタクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−シクロヘキシルメタクリレート);
ポリ(アクリル酸−co−イソボルニルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)−b−ポリ(アクリル酸−co−イソボルニルアクリレート);
ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12))−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸);
ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12))−b−ポリ(メチルメタクリレート−co−アクリル酸)−b−ポリ(アクリル酸−co−メトキシポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(m=12))
等の3ブロック(トリブロック)を含む、請求項1から23の一項に記載のコポリマー。
【請求項25】
コポリマーのブロックの少なくとも1つが、20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1から24の一項に記載のコポリマー。
【請求項26】
コポリマーのブロックの少なくとも1つが、20℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1から25の一項に記載のコポリマー。
【請求項27】
水中20重量%の濃度の溶液において、25℃で、1〜10000センチポイズ(またはmPa.S)、特に、2〜5000mPa.S特に、5〜3000mPa.Sの粘度を有する、請求項1から26の一項に記載のコポリマー。
【請求項28】
25℃で、5重量%の割合まで、水に可溶または分散可能であることを特徴とする、請求項1から27の一項に記載のコポリマー。
【請求項29】
生理的に許容される、特に、化粧品または皮膚科学的に許容される媒体において、請求項1から28の一項に記載の少なくとも1つのコポリマーを含む、化粧品または薬剤組成物。
【請求項30】
コポリマーが、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜60重量%、好ましくは、0.5重量%〜50重量%、特に、1重量%〜30重量%、または更に2重量%〜20重量%の量で存在する、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
コポリマーが、例えば、水または有機溶媒において、溶解した形態で、あるいはまた水性もしくは有機分散体の形態で組成物に存在する、請求項29および30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
水、親水性有機溶媒;ワックス、ペースト状脂肪物質およびガム、ならびにこれらの混合物等の脂肪相、特に、室温で液体である脂肪物質および/または室温で固体である脂肪物質からなる脂肪相;1つ以上の生理的に許容される有機溶媒;顔料および/または真珠層ならびに/または充填剤を含んでもよい粒子状相;水溶性または脂溶性染料;膜形成ポリマー;ビタミン、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、軟化剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、酸性化または塩基性化剤、保存剤、日焼け止め剤、界面活性剤、耐酸化剤、脱毛防止剤、ふけ防止剤、推進剤およびセラミド、またはこれらの混合物から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項29から31の一項に記載の組成物。
【請求項33】
身体または顔の皮膚、唇および頭髪のための手入れおよび/またはメークアップ用製品、日焼け止め製品、自己日焼け用製品、または更に頭髪用製品の形態における、請求項29から32の一項に記載の組成物。
【請求項34】
シャンプー、頭髪セットローションまたはゲル、ブロー乾燥ローション等の頭髪用製品、特に、頭髪スタイルを保持するため、または頭髪を整えるための頭髪用製品、ならびにラッカーまたはスプレー等の固定および整髪用組成物の形態である、請求項29から33の一項に記載の組成物。
【請求項35】
請求項1から28のいずれか一項に記載のコポリマーを含む接着剤組成物。
【請求項36】
コポリマーが、組成物の全重量に対して、少なくとも5重量%の含有量で存在する、請求項35に記載の接着剤組成物。
【請求項37】
粘着樹脂および可塑剤から選択される添加剤を更に含む、請求項35に記載の接着剤組成物。
【請求項38】
可塑剤が、トリメリテートタイプの油および主にナフタレンベース油から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
粘着樹脂が、コロホニーベース樹脂、コロホニーエステル樹脂、ポリテルペン樹脂、ヒドロキシル化ポリエステル樹脂、スチレンテルペン樹脂、ペンタエリスリトールテルペン樹脂またはフェノール−テルペン樹脂から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
請求項35から39のいずれか一項に記載の組成物を含む、接着剤テープ、ラベルおよびストリップ。
【請求項41】
接着剤組成物の成分としての、請求項1から28のいずれか一項に記載のコポリマーの使用。
【請求項42】
請求項1から28のいずれか一項に記載のコポリマーを含む熱可塑性組成物。
【請求項43】
1つ以上の熱可塑性ポリマーを更に含む、請求項42に記載の熱可塑性組成物。
【請求項44】
熱可塑性ポリマーが、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニルから選択される、請求項43に記載の熱可塑性組成物。
【請求項45】
熱可塑性組成物の成分としての、請求項1から28のいずれか一項に記載のコポリマーの使用。
【請求項46】
ケラチン物質、特に、身体または顔の皮膚、爪、頭髪および/または睫毛の手入れのメークアップのための化粧法であり、請求項29から34の一項に記載の化粧品組成物の前記物質への適用を含む化粧法。

【公表番号】特表2007−532711(P2007−532711A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506821(P2007−506821)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050227
【国際公開番号】WO2005/103102
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】