説明

配線パターン位置計測装置

【課題】導体で形成された配線パターンが積層されてなる多層配線板において、測定対象パターンの位置を精度良く計測できる計測装置を提供する。
【解決手段】計測対象パターン2が配置された多層配線板1の微小領域に交番磁場を印加する磁気ヘッド50と、交番磁場によって誘起された起電力の電圧値を検出する検出電極52と、電圧値及び位置データが少なくとも記録される情報記録部7と、磁気ヘッド51と、情報記録部6とを制御する制御部Contとを備え、制御部Contは位置データと電圧値とを用いて、計測対象パターン2の位置を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の層が積層された多層配線板の内層に形成された配線パターンの位置を計測する配線パターン位置計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、導体で形成された配線パターンを備えた配線板では、前記配線パターンが微細化され、スルーホールのランド径が小径化されてきている。前記配線パターンと絶縁層とが交互に積層された多層配線板についても、同様に、配線パターンの微細化、スルーホールやバイアホールのランド径の小径化がなされている。前記多層配線板では、複数の層に分かれて形成された配線パターン同士の相対位置のわずかなずれによって、スルーホール欠損等、配線板全体の欠陥が発生する場合がある。
【0003】
そこで、各層の配線パターンをそれぞれ設計上決められている位置に正確に作製することで、それぞれ異なる層の配線パターン同士の相対位置のずれを小さくする製造方法が提案されている。しかしながら、配線板の作製において、加工時に変形したり伸縮したりしてしまうので、その変形、伸縮を考慮に入れなくてはならず、非常に複雑な工程が必要となる。
【0004】
そこで既設の配線パターンの位置を計測し、その計測結果をもとに、配線パターンを新設したり、複数層に形成されている配線パターンを貫通するように孔あけ加工を行うようにすることが行われている。
【0005】
各層の配線パターンの位置を計測する方法として次のような方法が提案されている。すなわち、多層配線板をX線撮影し、その撮影像をもとにして各層の配線パターンの位置を計測する方法。或いは、各層の配線パターンの一部に位置を確認するための確認用ランドを別途設けておき、光学的手法で各層の確認用ランドの位置を確認することで、各層の配線パターンの位置情報を確認する方法である。
【0006】
さらに、特開昭62−241699号公報に記載の発明では、配線板に形成された配線パターンに高周波数の電磁波を照射し、前記配線パターンで発生する渦電流を検出することで、前記各層の配線パターンの位置を計測するする方法及び装置が提案されている。また、同公報には配線パターンに高周波数の電磁波を照射し、導体である配線パターンからの発熱をサーマルイメージ法にて画像化して配線パターンの位置を割り出す方法も提案されている。
【特許文献1】特開昭62−241699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、多層配線板をX線撮影しその撮影像を元に配線パターンの位置を確認する方法の場合、複数層の配線パターンが重なった画像が撮影されてしまうので、各層の配線パターンの位置を計測するのは困難である。また、各層の配線パターンの相互位置のずれ量を計測するのも困難な場合が多い。さらに、X線を透過しない層(たとえば金属層)が存在している場合や、配線パターンが重なってしまっている部分では、X線が透過できないので、撮影像が正しく形成されにくい場合がある。
【0008】
また、確認用ランドを光学的手法で配線パターンの位置を計測する方法の場合、多層配線板の層数が多くなればなるほど、光が透過しにくくなり、各層の確認用ランドの位置を計測するのは困難である。また、光が多層配線板の内部に配置された絶縁層を透過するときに、屈折されたり拡散されたりすることがあり、異なる層の確認用ランドの位置を計測するのに必要な解像度やコントラストを得ることが困難な場合がある。
【0009】
さらに、特開昭62−241699号公報に記載の方法は、多層配線板の表面或いは内部の層が電磁波を遮断する導体で覆われている場合には採用することが不可能である。また、電磁波は照射面積を小さくすることが難しいので、微細な部分の形状、位置を正確に測定するために必要な解像度を得ることが難しい。さらに、電磁波が照射されることで配線パターンより発生する渦電流や熱を検出する場合、検出された渦電流や熱がどの層の配線パターンで発生しているのか特定するのが困難であり、異なる層の配線パターンの位置正確に計測するのは困難である。
【0010】
そこで本発明は、導体で形成された配線パターンが積層されてなる多層配線板において、前記配線パターンの位置を精度良く計測できる計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、内層又は表層の少なくとも一層に計測対象パターンが配置された多層配線板の微小領域に交番磁場を印加する磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドより印加された交番磁場によって前記計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を検出する検出電極と、前記検出電極により検出された電圧値及び前記電圧値が計測された位置での前記交番磁場の位置データが少なくとも記録される情報記録部と、少なくとも記磁気ヘッドと、前記情報記録部とを制御する制御部とを備え、前記制御部は前記情報記録部に記録された前記位置データと前記電圧値とを用いて、前記多層配線板における計測対象パターンの位置を計測する。
【0012】
この構成によると、計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を計測するので、前記計測対象パターンがどの層に形成されている場合でも、精度良く、計測対象パターンの位置(位置情報)を取得することが可能である。
【0013】
これにより、加工形状(精度)に依存する機械的な位置決め手法や、X線透視によって位置決めを行う従来の計測に比べて、簡単かつ精度良く計測対象パターンの位置を計測することが可能である。
【0014】
上記構成において、前記制御部にて制御され、前記情報記録部に記録された前記位置データと前記電圧値とを演算処理する演算処理部をさらに備えていてもよい。前記演算処理部をそなえることで、前記電圧値及び前記位置データの関係を明確にすることができ、前記計測対象パターンの位置を正確に計測することができる。また、前記計測対象パターンに近接した配線パターンからの反応や交番磁場の磁束の形状から出る誤差を減らすことができ、それだけ計測対象パターンの位置を精度良く計測することが可能である。
【0015】
上記構成において、前記検出電極は異なる層に形成されている複数の測定対象パターンで誘起された起電力の電圧値を検出し、前記制御部は前記情報記録部に記録された各層の前記計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値と、前記電圧値が検出された位置データとを用いて、前記各層の計測対象パターンの相互位置関係を計測するものであってもよい。
【0016】
上記構成において、前記磁気ヘッドは、交番磁場を発生させる一対の磁極部を含み、前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する時に、前記計測対象パターンの位置を計測する部分で交番磁場が前記多層配線板を貫通するように前記一対の磁極部が前記多層配線板を挟んで互いに対向して配置されたものであってもよい。このように、磁極部を配置することで、交番磁場が容易に多層配線板を貫通することができる。
【0017】
上記構成において、前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する時に、前記一対の磁極部が、それぞれ、前記多層配線板の一方の主面側に互いに所定の距離を隔てて配置され、前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する部分で交番磁場が前記多層配線板を貫通するものであってもよい。前記一対の磁極部を一方の主面側に配置するので、磁気ヘッドが他の構成物品に邪魔されにくい。前記一対の磁極部として、前記一対の磁極部のうちの一方の磁極部は前記計測対象パターンの位置を計測するものであり、前記一方の磁極部の磁束密度が、他方の磁極部の磁束密度よりも高くしたものを挙げることができる。
【0018】
上記構成において、前記磁極部より前記計測対象パターンの位置の計測を行う部分に印加される交番磁界の磁束幅が、前記計測対象パターンの位置を計測するのに必要な分解能よりも大きくなるようにしてもよい。
【0019】
上記構成において、前記検出電極が前記計測対象パターンの一部と直接接触し、交番磁場によって前記既設の配線パターンで誘起された電圧を検出するもの、前記検出電極の先端部が鋭く形成されているものを挙げることができる。先端を鋭く形成することで、前記多層配線板を貫通させることができ、予め計測対象パターンの一部を外部に露出させる必要がなく、それだけ製造にかかる手間を省くことができる。また、前記検出電極が、コイルを備えているものであってもよい。この場合、外部から前記計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を計測することができるので、手間を省くことができるとともに、穴を開けたり、貫通させたりすることがないので多層配線パターンのダメージを減らすことができる。
【0020】
上記構成において、前記磁気ヘッド及び前記検出電極を、それぞれ、前記計測対象パターンの数にあわせた個数備えており、前記検出電極が異なる計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を同時に検出するものであってもよい。これによると、複数の計測対象パターンの位置を同時に計測するので、短時間で多数の位置情報を得ることが可能である。
【0021】
上記構成において、前記磁気ヘッドを、前記多層配線板の主面に沿って1軸方向または2軸方向に移動させる磁気ヘッド駆動部を備えていてもよい。また、前記多層配線板が載置される載置面を有するテーブルを備え、前記テーブルを、前記載置テーブルの前記載置面に沿って1軸方向または2軸方向に移動させるテーブル駆動部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、導体で形成された配線パターンが積層されてなる多層配線板において、前記配線パターンの位置を精度良く計測できる計測装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる配線パターン位置計測装置の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、位置を計測される配線パターンを備えた多層配線板について説明する。図1は計測対象である多層配線板の断面図であり、図2は図1に示す多層配線板の平面図である。
【0024】
図1に示す多層配線板1は、ガラスエポキシ、ポリイミドフィルム等の絶縁性を有する材料で形成された中心基板11の両面に既設の配線パターン12が形成されている。そして、両面の既設の配線パターン12の外面側に絶縁層13が形成されており、絶縁層13の外側には配線パターンを作製する前の導体膜14が配置されている。また、図1に示すように、多層配線板1には中心基板11の両面に形成された既設の配線パターン12同士を接続するためのバイアホール15が形成されている。
【0025】
多層配線板1の積層は次のようにして行われる。既設の配線パターン12の上に、導体膜14(例えば銅箔)が積層された絶縁層13(ガラス繊維強化の半硬化樹脂フィルム)を熱プレスで加圧接着する。そして、導体膜14の表面にフォトレジスト層を形成し(例えば感光性を有するドライフィルムの貼り付け)、フォトレジスト層を新設する配線パターンの形状に合わせて露光、現像し、さらにエッチングにて不要な導体膜を取り除き、配線パターンを形成する。これを繰り返すことで多層化する。この積層工程や使用する材料は従来の方法と同じものでかまわない。さらに、通常の多層配線板1を製造するときと同様に、スルーホール孔或いはバイアホール孔加工、パネルめっき処理等も必要に応じて行う。
【0026】
図2に示すように、多層配線板1は矩形状を有しており、その四隅に位置計測に用いられる計測対象パターン2が形成されている。計測対象パターン2は各層の配線パターンと同じ層に設けられている。計測対象パターン2は、多層配線板1の長手方向に伸びる第1パターン21と、多層配線板1の短手方向に伸びる第2パターン22と、第1パターン21及び第2パターン22とを接続するリード23と、リード23と接続された計測ランド24とを備えている。
【0027】
そして、多層配線板1は計測ランド24の上部の絶縁層13及び導体膜14が取り除かれており、計測ランド24が外部に露出している。本実施形態の多層配線板1において計測対象配線パターン2は、機器に組み込まれて配線として機能する配線パターンとは別に形成されており、最終的に、多層配線板1製造時の最終工程で切除される領域に形成されているものである。なお、本実施形態では、導体膜14が形成された絶縁層13に予め貫通孔を形成しておき、中心基板11の両面に貼り付けることで、計測ランド24が外部に露出する。また、これに限定されるものではなく、導体膜14と絶縁層13を積層した後に、ざぐり加工等で計測ランド24を露出させるようにしてもよい。
【0028】
表層又は内層に形成された測定対象パターンの位置を計測する原理について図面を参照して説明する。図3は多層配線板に交番磁場を印加している状態の断面図と、そのときの電圧値と位置データとの関係を示すグラフである。なお、図3に示す配線パターンは計測対象パターン2であり、ここでは、第2パターン22である。
【0029】
交番磁場を計測対象パターン2に印加し、誘起された起電力の電圧値を計測し、その電圧値と電圧値を計測したときの交番磁場の位置データとを検出し、その電圧値及び位置データとを用いて位置情報を取得する。まず、交番磁場が計測対象パターン2を横切るように移動される。このとき、交番磁場は計測対象パターン2を貫通(図3では上下に貫通)するように印加されている。交番磁場が移動し計測対象パターン2を横切るときに起電力が誘起される。
【0030】
交番磁場の位置と誘起された電圧値は図3の上のグラフのような関係になっている。すなわち、交番磁場が計測対象パターン2の一方の縁に差し掛かったときに起電力が誘起され、起電力の電圧は上昇し所定の電圧値(V1)まで増加する。そして、計測対象パターン2に照射されている間は略一定の電圧値(V1)が計測され続け、交番磁場が他方の縁から計測対象パターン2の外側に移動するときに、起電力の電圧値が減少しやがて0になる。
【0031】
図3の上のグラフに示すように、交番磁場の磁束分布等の条件により、電圧値は、徐々に大きく(小さく)なり、途中で急に増加(減少)し、徐々に所定の値(V1又は0)になるような変化をする。この状態では、計測対象パターン2のエッジの位置を正確に取得するのは困難である。また、実際の測定では、計測対象パターン2の近傍に配置されている配線パターンや導体膜14の影響を受ける場合がある。そこで、計測された電圧値と位置データ(交番磁場の移動した長さ等のデータ)をノイズ処理、微分処理等の演算処理することで、図3の下のグラフに示すような、計測対象パターン2の縁でより鋭く変化する電圧値の関係を示す関数を得ることができる。この電圧値の変化と位置データとの関を用いることで計測対象パターン2の位置情報を正確に取得することができる。すなわち、電圧値がステップ状に増加しているところから、ステップ状に減少しているところの間が計測対象パターン2が形成されている位置であると検出することができる。
【0032】
なお、図3において、位置計測される計測対象のパターンとして、第2パターン22の位置を計測するものを例に説明しているが、第1パターン21の位置を計測する場合も、交番磁場の移動方向を変更することで同様に行うことができる。
【0033】
計測対象パターンとしては次のような条件を備えていることが好ましい。第1の条件は交番磁界の移動方向に対して直交或いは略直交するように配置されていることである。計測対象パターンは交番磁場によって誘導電圧が誘起される。誘起される電圧値は交番磁場が計測対象パターンの縁を横切るときに変化するので、交番磁場の移動方向と直交しているほうが変化率が大きく、より正確に位置を計測することが可能である。
【0034】
第2の条件は、互いに直交或いは略直交する方向に伸びる2つの縁を有することである。多層配線板は2軸方向(2次元方向)に広がりを持つものであり、多くの場合、2軸方向の位置計測が必要である。位置計測を行うときに交番磁場は、2軸方向に移動される。交番磁場の移動方向に対して直交或いは略直交する計測対象パターンの縁同士もまた、互いに直交或いは略直交する方向に伸びるものが好ましい。
【0035】
第3の条件は、計測対象パターンの交番磁場が横切る幅が交番磁場の磁束幅よりも狭くないことである。計測対象パターンの交番磁場が横切る幅が交番磁場の磁束幅よりも狭いと、交番磁場が横切ったときの誘導電圧の変化があいまいになり、計測制度が低下する。また、形成された配線パターンの幅が設計値どおり或いは想定誤差の範囲内にあるかどうか確認する用途にも用いられる。この場合、交番磁場が計測対象パターンを横切る必要がある。そして、配線パターンの幅の計測の代替として、計測対象パターンの幅を計測するので、計測対象パターンの幅は配線パターンの最も狭い部分(一般的に75μm〜100μm)と同じ幅であることが好ましい。
【0036】
また、計測対象パターン2は、配線パターン12と独立しているものを記載しているが、それに限定されるものではなく、配線パターン12が上述の3個の条件を満たす部分を備えている場合、3個の条件を備えている部分を計測対象パターン2として使用してもかまわない。
【0037】
一方、計測対象パターン2を交番磁場が通過するときに電圧が誘起され、急激な電圧値の変化を計測するので、電圧値の変化率は交番磁場の磁束幅に影響される。すなわち、磁束幅が大きいと交番磁場が計測対象パターン2を横切る直前直後での、計測対象パターン2に発生する電圧値の変化が緩やかになる。さらに、磁束幅が大きいと他の配線パターンからの影響も大きくなるため、位置計測の精度が悪くなる。
【0038】
磁束密度を向上させるとともに、磁束幅を小さくすることで、位置計測の精度を向上させ、計測時の分解能を向上させることができる。磁束幅は計測対象パターン2の第2パターン22(及び第1パターン21)の幅よりも小さいことが好ましい。たとえば、一般的に多層配線板の配線パターンの最小線幅は75μm〜100μm程度であることが多く、この場合、磁束幅としては10μm〜20μmであるものが好ましい。
【0039】
次に本発明にかかる配線パターン位置計測装置について説明する。図4は本発明にかかる配線パターン位置計測装置のブロック図であり、図5は図4に示す配線パターン位置計測装置に用いられる計測部の概略斜視図である。なお、図4において、横方向をX軸方向、縦方向をY軸方向と定義しており、多層配線板1は長辺がX軸方向に伸びるように配置されている状態で説明する。
【0040】
図4に示すように、配線パターン位置計測装置Aは、フレーム3と、フレーム3に摺動自在に支持され、多層配線板1を載置するテーブル4と、フレーム3に支持され、測定対象パターン2の位置を計測する計測部5と、テーブル4の駆動及び計測部5の後述する磁極部51を駆動させる駆動部の駆動を制御する駆動制御部6と、テーブル4及び計測部5から出力された情報を記録する情報記録部7と、情報記録部7に記録されている情報を元に測定対象パターン2の位置を算出する演算処理部8と、駆動制御部6、情報記録部7及び演算処理部8を制御する制御部Contとを備えている。
【0041】
テーブル4には図示を省略した位置決め部が備えられており、多層配線板1を位置決めすることができる。位置決め部としては、多層配線板1の外部が当接することでなされるものや、ピンの係合で位置決めするピンガイド方式のもの等、従来良く知られたものを採用することが可能である。そして、テーブル4は上部に載置された多層配線板1がずれないように基板保持機構も備えている。基板保持機構としては、従来良く知られているもののうち、交番磁界に影響のない方法(たとえば、テーブルと基板との間の気圧を外部の気圧より下げ、基板を吸着する方法)を採用することができる。
【0042】
テーブル4は摺動可能にフレーム3に支持されているものであり、上部に載置された多層配線板1を計測部5に接近/離反させるテーブル駆動部41を備えている。テーブル駆動部41はテーブル4を移動させるだけでなく、テーブル4の移動量を計測することができる。テーブル駆動部41はそれには限定されないが、電動モータ、歯車等の駆動機構を備えている。
【0043】
計測部5は、計測対象パターン2に交番磁場を印加し、計測対象パターン2で誘導された電圧を測定するものである。計測部5は、計測対象パターン2に交番磁場を印加する磁気ヘッド50と、磁気ヘッド50に備えられ交番磁場を発生する一対の磁極部51と、計測対象パターン2の計測ランド24と接触させて計測対象パターン2で誘起された電圧を検出する検出電極52と、磁気ヘッド50及び検出電極52をX軸方向及びY軸方向に移動させるとともに、その移動量を計測する磁気ヘッド駆動部53も備えている。磁気ヘッド50は制御部Contに接続されており、制御部Contからの指示で一対の磁極部51の間に交番磁場を発生させる。
【0044】
図5に示すように、一対の磁極部51は多層配線板1を上下に挟むように配置されている。一対の磁極部51の間で発生する磁場は交番磁場に限定されるものではなく、たとえば磁気パルスのような磁束強度が急激に変化するものを採用することができる。計測対象パターン2で誘起される電圧値の変化率が急で大きくなるものが好ましい。
【0045】
駆動制御部6は制御部Contからの制御信号をもとに、テーブル駆動部41及び磁気ヘッド駆動部53に駆動信号を送るものである。
【0046】
情報記録部7は情報を記録するためのメモリ装置である。情報記録部7は制御部Contによって制御される。情報記録部7はテーブル駆動部41、計測電極52及び磁気ヘッド駆動部53と接続されている。情報記録部7はテーブル駆動部41より送られてくるテーブル4の移動量(位置データ)、計測電極52より送られてくる計測電圧(電圧値)、磁気ヘッド駆動部53より送られてくる磁極部51の移動量(位置データ)を記録しておくものである。情報記録部7としてはそれには限定されないが、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリー等の半導体メモリ装置や、ハードディスク装置のような読み出し、記録を自在に行うことができるものが好ましく、ここではRAMを含むものである。
【0047】
演算処理部8は制御部Contによって制御される。演算処理部8は、情報記録部7に記録されている電圧値と位置データとの演算処理を行う。演算処理としてはそれには限定されないがここでは、ノイズ処理、微分処理が行われる。ノイズ処理及び微分処理が行われた電圧値及び位置データは、再び、情報記録部7に記録される。
【0048】
制御部Contは、配線パターン位置計測装置Aの動作を制御するためのものであり、CPUやマイコンを含み、駆動制御部6、情報記録部7及び演算処理部8の動作を制御するものである。なお、駆動制御部6及び演算処理部8はそれぞれ、独立したハードウェアで提供されるものであってもよく、制御部Contで起動されるソフトウェアとして提供されるものであってもよい。
【0049】
次に、配線パターン位置計測装置Aを用いて計測対象パターンの位置を測定する手順について説明する。まず、テーブル4の上に計測対象となる多層配線板1が載置される。多層配線板1はテーブル4上の適切な位置に位置決めされ、テーブル4の上部にずれないように保持される。ここで、多層配線板1は、テーブル4が移動したときに、測定対象パターン2の少なくとも第1パターン21及び第2パターン22が、計測部5の計測範囲内に配置される程度の精度でテーブル4に対して位置決めされる。
【0050】
制御部Contは駆動制御部6を動作させ、駆動制御部6よりテーブル駆動部41に指示を送りテーブル4を移動させる。このとき、テーブル4は載置されている多層配線板1の測定対象パターン2のうちのひとつが計測部5の計測可能範囲と重なるように移動される。
【0051】
計測対象パターン2が計測部5の計測範囲に入るようにテーブル3を移動させた後、制御部Contは駆動制御部6を動作させ、テーブル駆動部41に指示を送りテーブル4の移動を停止する。そして、制御部Contは磁気ヘッド駆動部53に指示を出し、計測部5の検出電極52を移動させて、検出電極52と計測ランド24とを接触させる。
【0052】
この時点で、計測部5は計測対象パターン2の位置の計測を開始することができる状態にあり、制御部Contは、計測開始前に、0点調整を行う。ここで、0点調整とは、検出電極52で検出されている微弱な電圧を0値とする補正と、テーブル4及び磁気ヘッド50の移動量を0にリセットする。
【0053】
そして、制御部Contは磁気ヘッド50に指示を出し磁極部51の間に交番磁場を発生させるとともに、磁気ヘッド駆動部53に指示を出し、一対の磁極部51で発生された交番磁場が計測対象パターン2の第2パターン22を横切る(図4、中X軸方向)ように磁気ヘッド50を移動させる。計測開始時より磁気ヘッド駆動部53から磁気ヘッド50の移動量(位置データ)が出力されており、情報記録部7に記録されている。同様に計測開始時より検出電極52で検出された電圧値が情報記録部7に記録される。なお、情報記録部7には位置データと電圧値とが対応する情報として記録されている。
【0054】
制御部Contは情報記録部7に記録された電圧値を確認しており、電圧値が急激に上昇し、その後急激に下降した時点で、交番電極が第2パターン22を通過したとして、計測を終了する。そして、制御部Contは磁気ヘッド50に指示を送り、一対の磁極部51で発生される交番磁場の発生を停止させる。そして、計測によって磁気ヘッド50が移動した距離を情報記録部7から読み出して磁気ヘッド駆動部53に指示を出し、磁気ヘッド50を0点まで移動させる。
【0055】
1つの計測対象パターン2の位置を計測する場合、位置計測はここで終了する。そして、制御部Contは情報記録部7から記録されている位置データ及び電圧値を読み出し、演算処理部8を作動させて、ノイズ処理、微分処理等の演算処理を施して、位置データと電圧値との関係を算出し、その位置データと電圧値との関係を元に計測対象パターン2の位置情報を取得する。なお、計測対象パターン2の位置情報としては、上述した0点調整の位置を基準とするものであってもよいし、配線パターン位置計測装置Aで用いられている座標系に置き換えられているものであってもよい。また、これら以外にも、多層配線板1の加工を行うときに、数値制御を行うことができる位置情報であるものを広く採用することができる。
【0056】
なお、制御部Contは磁気ヘッド50が0点に復帰された後、再度、磁気ヘッド50に指示を送り一対の磁極部51より交番磁場を発生させ、磁気ヘッド駆動部53に指示を送り、交番磁場が第1パターン21に向かう方向(Y軸方向)に磁気ヘッド50を移動させ、第1パターン21の位置計測を行ってもよい。位置の計測は第2パターン22を計測するのと同じ手順で行われるものであり、詳細は省略する。このように、直交する方向に伸びる第1パターン21及び第2パターン22のそれぞれから得られた電圧値及び位置データを用いて演算処理部8にて取得された計測対象パターン2の位置情報は、どちらか一方のパターンのみの電圧値及び位置データより取得された計測対象パターン2の位置情報に比べて精度が高い。
【0057】
このように、多層配線板1に形成された計測対象パターン2の位置情報を正確に取得することで、多層配線板1の位置情報(例えば、テーブル4に対するX軸方向のずれ、Y軸方向のずれ及びテーブル4の上面に直交する軸周りの回転方向のずれ)を正確に取得することができる。これにより、多層配線板1に施される加工(例えば、孔あけ、露光)を精度良く行うことが可能である。
【0058】
また、1箇所の計測対象パターン2の位置の計測が終了した後、テーブル4を移動させて、多層配線板1の四隅の他の場所に形成されている計測対象パターン2の位置を計測するようにしてもよい。複数の計測対象パターン2の位置情報を取得しており、その位置情報を用いることで、1箇所の計測対象パターン2の位置情報のときに比べて高精度な位置情報を取得することができる。さらに、計測対象パターン2の位置情報より同士の相対距離、相対的な傾き等を取得することができ、多層配線板1の変形、ひずみ等の情報を取得することが可能である。
【0059】
さらに、多層配線板1の所定の層に形成された配線パターン12と計測対象パターン2との位置関係は設計上決まっており、設計時の配線パターン12と計測対象パターン2との位置関係の情報を持っていれば、計測対象パターン2の位置情報をもとに、配線パターン12の位置情報を取得することができる。
【0060】
さらに、配線パターン位置計測装置Aは多層配線板の異なる層の測定対象パターン同士の相互位置のずれを計測することも可能である。図6は2つの異なる層の配線パターンの位置を計測するときの断面図と、そのときの各層の測定対象パターンの電圧値と位置データとの関係を示すグラフであり、図7は複数層に配線パターンが形成されている多層配線板の例を示す断面図である。
【0061】
本発明にかかる配線パターン位置計測装置Aでは、計測対象パターン2の外部より交番磁場を印加し、計測対象パターン2で誘起された誘導電圧を検出することで位置計測がなされるものである。よって、図6に示すように各層の計測対象パターン2で誘起された誘導電圧をそれぞれ独立して計測することも可能である。このときの距離データ及び電圧値とを演算処理することで、異なる層に配置された計測対象パターン2u、2dの両方の位置情報を精度良く計測することが可能である。
【0062】
各層の計測対象パターンの位置情報をもとに、各層に形成されている配線パターン12の位置情報をそれぞれ個別に精度良く取得することができる。そして、図7に示すような、配線パターンが複数の層で重なっているような多層配線板1の場合であっても、各層の計測対象パターン2の位置情報より、各層の配線パターン12に形成されたスルーホールランド16(ここでは、スルーホールランド16L、16M、16N)の中心位置の位置情報を精度良く取得することができる。孔あけ加工時この中心位置の位置情報を用いることで、すべてのスルーホールランド16(16L、16M、16N)を貫通するスルーホール孔17を形成することができる。これにより、スルーホール欠損等の各層の配線パターンのずれにより不具合の発生を抑制することができる。
【0063】
なお、各層の計測対象パターン2の位置計測を同時に行うために、各層の計測対象パターン2の計測ランド24に接触できるように、計測部5は計測対象パターン2の数に対応した個数の検出電極52を備えていてもよく、各層の計測対象パターン2毎に位置計測を行ってもよい。
【0064】
本発明にかかる配線パターン位置計測装置の他の例について図面を参照して説明する。図8は本発明にかかる配線パターン位置計測装置の磁気ヘッド及びテーブルの図である。図8に示す配線パターン位置計測装置Bでは、テーブル及び磁気ヘッド以外の部分は配線パターン位置計測装置Aと同じ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号が付してある。
【0065】
図8に示すように、配線パターン位置計測装置Bは多層配線板1が載置されるテーブル3bと、交番磁場を印可するための計測部5bとを備えている。テーブル3bは高透磁性材料で作成されている。そして、計測部5bはテーブル3bの多層配線板1が載置された側に配置された2つの磁極部511b、512bを有する磁気ヘッド51bを備えている。磁極部511b、512bとは連結部513bで連結されている。
【0066】
磁極部511b、512bはテーブル3bと対向している。磁極部511b、512bから交番磁場が発生すると、磁極部511b、テーブル3b、磁極部512b及び連結部513bで磁気回路が形成される。これにより、磁極部511b又は磁極部512bから出た磁力線は多層配線板1を貫通してテーブル3bを通り、再び多層配線板1を貫通して、出たのとは異なる磁極部に戻る。これにより、計測部5bは交番磁場を多層配線板1の計測対象パターン2に印加させることができる。
【0067】
磁極部511bの先端を細く絞り、磁極部512bの先端を広く形成されている。磁極部511bより出る交番磁場は、磁束幅が小さく、磁束密度が高くなる。一方で、磁極部512bより出る交番磁場は、磁束幅が大きく、磁束密度が小さくなる。磁極部511bを計測側の磁極とすることで、磁極部511bより出る交番磁場によって計測対象パターン2で誘導電圧を効果的に誘起させることができる。また、磁極部512bより出る交番磁場では計測対象パターン2で誘導電圧を誘起できにくい。これにより、計測対象パターン2の位置データ及び電圧値を精度よく検出することができ、計測対象パターン2の位置を精度良く計測することができる。
【0068】
この構成によると、磁極部511b、512bの両方がテーブル3b(多層配線板1)の一方の面に配置されるので、テーブル3bに切り欠きや凹み等の磁極部とテーブルとが接触するのを防ぐための構造を形成しなくても良く、それだけ、簡単な構成とすることができる。
【0069】
上記実施形態において、検出電極53は多層配線板1の計測ランド24を予め露出させておき、その、計測ランド24に直接接触させるものが示されているが、これに限定されるものではない。たとえば、検出電極の先端が鋭利な針状に形成されており、多層配線板1の表面より突き刺すことで、計測対象パターン2の計測ランド24に接触させる用にしてもよい。この構成によると、多層配線板1の計測ランド24を予め露出させなくても良く、それだけ、手間を省くことが可能である。また、検出電極の代わりにコイルを用いて、非接触で起電力を検出するようにしてもよい。
【0070】
上述した実施形態の配線パターン位置計測装置を用いることで、以下のような効果を得ることができる。
(1)交番磁場を印加することにより配線パターンで誘起される電圧値を検出して各層の配線パターンの位置を計測するので、ガイド孔、ガイドピン等を用いた位置決めのように、機械的な手法を取ることによる大きな誤差が発生しにくい。
(2)機械的手法をとらないので、繰り返し計測しても、精度が低下しにくい。例えば、ガイド孔にガイドピンを抜き差ししたりすることでガイド孔が拡開され、位置決め精度が低下する等の不具合が起こりにくい。
(3)位置検出を、測定対象パターンのエッジで行うので、エッチングファクタによる測定対象パターンの細り等の影響を受けにくく、精度良く位置測定することができる。
(4)従来のX線透視や光学的手法では、計測が難しかった高多層配線板の内層の配線パターンの位置計測も精度良く行うことが可能である。
(5)多層配線板の各層の配線パターンの位置を外部より精度良く計測することができるので、従来の方法では困難な最内層以外の層に形成された配線パターンを基準として、多層配線板の加工を行うことが可能である。
(6)異なる2層以上の層に形成された計測対象パターンの位置を測定し、各層の計測対象パターンの相互位置のずれを考慮して、加工を行うことができるので、加工時のエラーが発生するのを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】多層配線板の断面図である。
【図2】図1に示す多層配線板の平面図である。
【図3】多層配線板に交番磁場を印加している状態の断面図と、そのときの電圧値と位置データとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明にかかる配線パターン位置計測装置のブロック図である。
【図5】図4に示す配線パターン位置計測装置に用いられる計測部の概略斜視図である。
【図6】2つの異なる層の配線パターンの位置を計測するときの断面図と、そのときの各層の測定対象パターンの電圧値と位置データとの関係を示すグラフである。
【図7】複数層に配線パターンが形成されている多層配線板の例を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる配線パターン位置計測装置の磁気ヘッド及びテーブルの図である。
【符号の説明】
【0072】
A 配線パターン位置計測装置
1 多層配線板
11 中心基板
12 配線パターン
13 絶縁層
14 導体層
15 バイアホール
2 計測対象パターン
21 第1パターン
22 第2パターン
23 リード
24 計測ランド
3 フレーム
4 テーブル
5 計測部
50 磁気ヘッド
51 磁極部
52 検出電極
53 磁気ヘッド駆動部
6 駆動制御部
7 情報記録部
8 演算処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層又は表層の少なくとも一層に計測対象パターンが配置された多層配線板の微小領域に交番磁場を印加する磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドより印加された交番磁場によって前記計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を検出する検出電極と、
前記検出電極により検出された電圧値及び前記電圧値が計測された位置での前記交番磁場の位置データが少なくとも記録される情報記録部と、
少なくとも前記磁気ヘッドと、前記情報記録部とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は前記情報記録部に記録された前記位置データと前記電圧値とを用いて、前記多層配線板における計測対象パターンの位置を計測することを特徴とする配線パターン位置計測装置。
【請求項2】
前記制御部にて制御され、前記情報記録部に記録された前記位置データと前記電圧値とを演算処理する演算処理部をさらに備えた請求項1に記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項3】
前記検出電極は異なる層に形成されている複数の測定対象パターンで誘起された起電力の電圧値を検出し、
前記制御部は前記情報記録部に記録された各層の前記計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値と、前記電圧値が検出された位置データとを用いて、前記各層の計測対象パターンの相互位置関係を計測する請求項1または請求項2に記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項4】
前記磁気ヘッドは、交番磁場を発生させる一対の磁極部を含み、
前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する時に、前記計測対象パターンの位置を計測する部分で交番磁場が前記多層配線板を貫通するように前記一対の磁極部が前記多層配線板を挟んで互いに対向して配置された請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項5】
前記磁気ヘッドは交番磁場を発生させる一対の磁極部を含み、
前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する時に、前記一対の磁極部が、それぞれ、前記多層配線板の一方の主面側に互いに所定の距離を隔てて配置され、
前記計測対象パターンが形成されている位置を計測する部分で交番磁場が前記多層配線板を貫通する請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項6】
前記一対の磁極部のうちの一方の磁極部は前記計測対象パターンの位置を計測するものであり、
前記一方の磁極部の磁束密度が、他方の磁極部の磁束密度よりも高い請求項5に記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項7】
前記磁極部より前記計測対象パターンの位置の計測を行う部分に印加される交番磁界の磁束幅が、前記計測対象パターンの位置を計測するのに必要な分解能よりも大きい請求項1から6のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項8】
前記検出電極が前記計測対象パターンの一部と直接接触し、交番磁場によって前記既設の配線パターンで誘起された電圧を検出する請求項1から請求項7のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項9】
前記検出電極の先端部が鋭く形成されている請求項8に記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項10】
前記検出電極は、コイルを備えている請求項1から請求項6のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項11】
前記磁気ヘッド及び前記検出電極を、それぞれ、前記計測対象パターンの数にあわせた個数備えており、前記検出電極が異なる計測対象パターンで誘起された起電力の電圧値を同時に検出する請求項1から請求項10のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項12】
前記磁気ヘッドを、前記多層配線板の主面に沿って1軸方向または2軸方向に移動させる磁気ヘッド駆動部を備えている請求項1から請求項11のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。
【請求項13】
前記多層配線板が載置される載置面を有するテーブルを備え、
前記テーブルを、前記載置テーブルの前記載置面に沿って1軸方向または2軸方向に移動させるテーブル駆動部を備えている請求項1から請求項12のいずれかに記載の配線パターン位置計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−62390(P2010−62390A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227474(P2008−227474)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】