配線基板及びその製造方法
【課題】本発明は、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】貫通部25を有したソルダーレジスト層11と、貫通部25に設けられた外部接続用パッド13と、外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14と、少なくとも外部接続用パッド13の接続面13Aに形成される拡散防止膜12と、を備えた配線基板10であって、ソルダーレジスト層11に配線パターン14を設けた。
【解決手段】貫通部25を有したソルダーレジスト層11と、貫通部25に設けられた外部接続用パッド13と、外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14と、少なくとも外部接続用パッド13の接続面13Aに形成される拡散防止膜12と、を備えた配線基板10であって、ソルダーレジスト層11に配線パターン14を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に係り、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の配線基板の断面図である。
【0003】
図1を参照するに、従来の配線基板200は、コアレス基板であり、ソルダーレジスト層201,206と、外部接続用パッド202と、樹脂層203と、配線パターン204とを有する。
【0004】
ソルダーレジスト層201は、貫通部211を有する。外部接続用パッド202は、貫通部211に設けられている。外部接続用パッド202の上面202Aは、樹脂層203の上面203Aと略面一となるように構成されている。外部接続用パッド202は、Au層上にNi層が積層された構成とされている。外部接続用パッド202は、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。
【0005】
樹脂層203は、ソルダーレジスト層201の上面201Aと、外部接続用パッド202の上面202Aの一部とを覆うように設けられている。樹脂層203は、外部接続用パッド202の一部を露出する貫通孔212を有する。
【0006】
配線パターン204は、ビア部214と、配線部215と、パッド部216とを有する。ビア部214は、貫通孔212に設けられている。ビア部214の下端は、外部接続用パッド202の上端と接続されている。配線部215は、ビア部214の上端及び樹脂層203の上面203Aに設けられている。配線部215は、ビア部214とパッド部216とを電気的に接続している。パッド部216は、樹脂層203の上面203Aに設けられている。パッド部216は、電子部品(図示せず)が接続される部分である。
【0007】
ソルダーレジスト層206は、配線部215を覆うように、樹脂層203上に設けられている。ソルダーレジスト層206は、パッド部216の上面を露出する開口部218を有する。
【0008】
図2〜図7は、従来の配線基板の製造工程を示す図である。図2〜図7において、従来の配線基板200と同一構成部分には同一符号を付す。
【0009】
図2〜図7を参照して、従来の配線基板200の製造方法について説明する。始めに、図2に示す工程では、導電材料よりなる支持基板221を準備し、その後、支持基板221の上面221Aを粗化し、その後、粗化された支持基板221の上面221Aに貫通部211を有したソルダーレジスト層201を形成する。支持基板221の上面221Aの粗化処理は、支持基板221とソルダーレジスト層201との密着性を向上させるためのものである。ソルダーレジスト層201の材料としては、感光性樹脂材料を用いることができる。
【0010】
次いで、図3に示す工程では、支持基板221を給電層とする電解めっき法により、Au層と、Ni層とを順次形成することで外部接続用パッド202を形成する。このとき、外部接続用パッド202は、ソルダーレジスト層201の上面201Aと外部接続用パッド202の上面202Aとが略面一となるように形成する。
【0011】
次いで、図4に示す工程では、ソルダーレジスト層201の上面201A及び外部接続用パッド202の上面202Aに貫通孔212を有した樹脂層203を形成する。次いで、図5に示す工程では、セミアディティブ法により、貫通孔212及樹脂層203の上面203Aに配線パターン204を形成する。
【0012】
次いで、図6に示す工程では、配線部215を覆うように樹脂層203上にソルダーレジスト層206を形成する。次いで、図7に示す工程では、支持基板221を除去する。これにより、配線基板200が製造される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−13092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の配線基板200では、ソルダーレジスト層201の上面201A及び外部接続用パッド202の上面202Aに樹脂層203を設け、この樹脂層203を貫通する貫通孔212及び樹脂層203の上面203Aに配線パターン204を形成していたため、配線基板200の厚さ方向のサイズを小型化することができないという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、少なくとも前記外部接続用パッドの接続面に形成される拡散防止膜と、を備えた配線基板であって、前記ソルダーレジスト層に前記配線パターンを設けたことを特徴とする配線基板が提供される。
【0016】
本発明によれば、ソルダーレジスト層に外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンを設けることにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0017】
本発明の他の観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、前記支持金属層に前記貫通部を有した前記ソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化処理するソルダーレジスト層粗化工程と、前記ソルダーレジスト粗化工程後に、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0018】
本発明によれば、支持基板本体と、支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備し、次いで、支持金属層に貫通部を有したソルダーレジスト層を形成し、次いで、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面、及び配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化処理し、その後、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面、及び貫通部の底面に対応する部分の支持金属層の面に拡散防止膜を形成し、その後、拡散防止膜が形成された貫通部に外部接続用パッドを形成すると共に、拡散防止膜に配線パターンを形成することにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0019】
本発明のその他の観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、前記支持金属層に前記貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された前記一方の面が前記ソルダーレジスト層と接触するように、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面に前記金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する貫通部形成工程と、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化するソルダーレジスト層粗化工程と、前記ソルダーレジスト層粗化工程後に、前記金属箔、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0020】
本発明によれば、支持基板本体と、支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備し、次いで、支持金属層に貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成し、次いで、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された一方の面がソルダーレジスト層と接触するように、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付け、その後、ソルダーレジスト層に貫通部を形成し、次いで、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化し、その後、金属箔、貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び貫通部の底面に対応する部分の支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成し、拡散防止膜が形成された貫通部に外部接続用パッドを形成し、拡散防止膜に配線パターンを形成することにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0021】
また、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された一方の面がソルダーレジスト層と接触するように、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層と金属箔との密着性を向上させることができる。
【0022】
さらに、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付け、その後、例えば、レーザ加工法を用いて、ソルダーレジスト層に貫通部を形成することにより、貫通部の加工精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【0026】
図8を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、コアレス基板であり、ソルダーレジスト層11,21と、拡散防止膜12,23と、外部接続用パッド13と、配線パターン14,17,19と、絶縁層16,18(積層された複数の絶縁層)とを有する。
【0027】
ソルダーレジスト層11は、複数の貫通部25を有する。ソルダーレジスト層11の面11A及び貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面は、粗化された面である。ソルダーレジスト層11の面11Aの一部は、配線パターン14の形成領域に対応する面である。粗化処理された部分のソルダーレジスト層11の面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0028】
このように、ソルダーレジスト層11の面11A及び貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化することにより、ソルダーレジスト層11に直接、金属膜(本実施の形態の場合、拡散防止膜12)を形成することが可能となる。
【0029】
ソルダーレジスト層11としては、感光性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト層11として感光性樹脂を用いた場合、複数の貫通部25は、例えば、ソルダーレジスト層11を露光、現像することにより形成する。
【0030】
拡散防止膜12は、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面(粗化された面)と、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面(粗化された面)と、外部接続用パッド13の接続面13Aとを覆うように設けられている。拡散防止膜12は、導電性を有した膜(具体的には、例えば、金属膜)により構成されている。外部接続用パッド13の接続面13Aに設けられた拡散防止膜12の接続面12A(外部接続端子(図示せず)が配設される面)は、ソルダーレジスト層11の面11Bと略面一とされている。また、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化処理されている。拡散防止膜12の接続面12Aは、外部接続端子(図示せず)が配設される面である。
【0031】
このように、拡散防止膜12の接続面12Aを粗化された面とすることにより、拡散防止膜12の接続面12Aに配設される外部接続端子(図示せず)と拡散防止膜12との密着性を向上させることができる。拡散防止膜12としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0032】
外部接続用パッド13は、拡散防止膜12が形成された貫通部25に設けられている。外部接続用パッド13の側面及び接続面13Aは、拡散防止膜12により覆われている。外部接続用パッド13は、拡散防止膜12を介して、電子部品(図示せず)又はマザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。
【0033】
配線パターン14は、配線部26と、パッド部27とを有する。配線部26は、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに配置された拡散防止膜12上に設けられている。配線部26は、外部接続用パッド13とパッド部27とを電気的に接続するためのものである。
【0034】
パッド部27は、外部接続用パッド13上又はソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに形成された拡散防止膜12上に設けられている(図8では、外部接続用パッド13上にパッド部27が配置された部分の断面を例に挙げて図示するが、パッド部27は、ソルダーレジスト層11の面11Aに形成された拡散防止膜12上に配置される場合が多い。)。パッド部27は、配線部26を介して、外部接続用パッド13と電気的に接続されている。配線パターン14の材料としては、例えば、導電性材料(例えば、Cu)を用いることができる。
【0035】
上記構成された配線パターン14は、拡散防止膜12を介して、ソルダーレジスト層11上に配設されると共に、外部接続用パッド13と電気的に接続されている。
【0036】
このように、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設けると共に、拡散防止膜12上に外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14を設けることにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0037】
上記説明した配線パターン14は、外部接続用パッド13と一体的に構成されている。このように、配線パターン14を外部接続用パッド13と一体的に構成することにより、配線パターン14と外部接続用パッド13とを同時に形成することが可能となるため、配線基板10の製造工程を簡略化することができる。
【0038】
絶縁層16は、配線部26を覆うように、ソルダーレジスト11の面11Aに設けられている。絶縁層16は、パッド部27の上面を露出する開口部31を有する。絶縁層16としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。
【0039】
配線パターン17(他の配線パターン)は、ビア部33と、配線部34と、パッド部35とを有する。ビア部33は、開口部31に設けられている。ビア部33の下端は、パッド部27と接続されている。これにより、ビア部33は、配線パターン14と電気的に接続されている。
【0040】
配線部34は、絶縁層16の上面16A及び/又はビア部33の上端に設けられている。配線部34は、ビア部33及びパッド部35と接続されている。これにより、配線部34は、ビア部33とパッド部35とを電気的に接続している。
【0041】
パッド部35は、絶縁層16の面16A及び/又はビア部33の上端に設けられている。パッド35は、ビア部33と電気的に接続されている。
【0042】
上記構成とされたビア部33、配線部34、及びパッド部35は、一体的に構成されている。配線パターン17の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0043】
絶縁層18は、配線部34を覆うように、絶縁層16の面16Aに積層されている。絶縁層18は、パッド部35の上面を露出する開口部37を有する。絶縁層18としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。
【0044】
配線パターン19(他の配線パターン)は、ビア部41と、配線部42と、パッド部43とを有する。ビア部41は、開口部37に設けられている。ビア部41の下端は、パッド部35と接続されている。これにより、ビア部41は、配線パターン17と電気的に接続されている。
【0045】
配線部42は、絶縁層18の面18A及び/又はビア部41の上端に設けられている。配線部42は、ビア部41及びパッド部43と接続されている。これにより、配線部42は、ビア部41とパッド部43とを電気的に接続している。
【0046】
パッド部43は、絶縁層18の面18A及び/又はビア部41の上端に設けられている。パッド43は、ビア部41と電気的に接続されている。パッド部43は、拡散防止膜23を介して、電子部品(図示せず)又はマザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続される部分である。
【0047】
上記構成とされたビア部41、配線部42、及びパッド部43は、一体的に構成されている。上記構成とされた配線パターン19の材料としては、例えば、導電性材料(具体的には、Cu)を用いることができる。
【0048】
ソルダーレジスト層21は、配線部42を覆うように、絶縁層18の面18Aに設けられている。ソルダーレジスト層21は、パッド部43を露出する開口部21Aを有する。ソルダーレジスト層21としては、例えば、感光性樹脂を用いることができる。
【0049】
拡散防止膜23は、開口部21Aに露出された部分のパッド部43に設けられている。拡散防止膜23は、導電性を有した膜(具体的には、例えば、金属膜)により構成されている。拡散防止膜23としては、例えば、パッド部43上にAu層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0050】
本実施の形態の配線基板によれば、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設けると共に、拡散防止膜12上に外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14を設けることにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0051】
なお、本実施の形態の配線基板10では、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設け、この拡散防止膜12上に配線パターン14を設けた場合を例に挙げて説明したが、拡散防止膜12を設けることなく、ソルダーレジスト層11に直接、配線パターン14を設けてもよい。この場合、本実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0052】
図9〜図22は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図9〜図22において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図11〜図22において、Aは支持基板50の配線基板10が形成される領域(以下、「配線基板形成領域A」とする)、Bは支持基板50を切断する位置(以下、「切断位置B」とする)をそれぞれ示している。
【0053】
図9〜図22を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図9に示す工程では、支持基板本体51と、2つの下地層52と、下地層52よりも外形の大きい2つの支持金属層53とを準備し、次いで、支持基板本体51の両面51A,51Bに、下地層52、支持金属層53の順にそれぞれ1つの下地層52及び支持金属層53を配置する(図9に示す状態)。支持基板本体51、2つの下地層52、及び2つの支持金属層53は、後述する図10に示す支持基板50の構成要素となる部材である。
【0054】
支持基板本体51としては、例えば、樹脂基板(具体的には、プリプレグ)を用いることができる。支持基板本体51としてプリプレグを用いる場合、プリプレグとしては、B−ステージ(半硬化状態)を用いることができる。
【0055】
下地層52としては、例えば、金属箔(例えば、Cu箔)、離型フィルム、離型剤等を用いることができる。離型フィルムとしては、例えば、フィルム状とされたポリエステル又はポリエチレンテレフタレートに薄いフッ素樹脂を積層したものや、フィルム状とされたポリエステル又はポリエチレンテレフタレートにシリコーン離型処理を施したものを用いることができる。また、離型剤としては、シリコーン系離型剤やフッ素系離型剤等を用いることができる。支持金属層53としては、例えば、Cu層やCu箔等を用いることができる。
【0056】
次いで、図10に示す工程では、真空雰囲気において、図9に示す構造体を加熱すると共に、図9に示す構造体の上下方向から加圧して、支持基板本体51の両面51A,51Bに下地層52及び下地層52からはみ出した部分の支持金属層53を接着することにより、支持基板50を形成する(支持基板準備工程)。その後、ソルダーレジスト層11が形成される側の支持金属層53の面53Aを粗化する(支持金属層粗化工程)。具体的には、ソフトエッチング、サンドブラスト、黒化処理等の化学的又は物理的な処理を行うことにより、支持金属層53の面53Aを粗化する。
【0057】
このように、ソルダーレジスト層11が形成される側の支持金属層53の面53Aを粗化することにより、外部接続用パッド13の接続面13Aに形成される拡散防止膜12の接続面12Aに支持金属層53の面53Aの形状(具体的には、微細な凹凸形状)が転写されるため、拡散防止膜12の面12Aに接合される外部接続端子(例えば、バンプやはんだボール等)と拡散防止膜12との密着性を向上させることができる。
【0058】
次いで、図11に示す工程では、支持基板本体51の面51A側に配置された支持金属層53の上面、及び支持基板本体51の面51B側に配置された支持金属層53の下面に、支持金属層53を露出する貫通部25を有したソルダーレジスト層11を形成する(ソルダーレジスト層形成工程)。ソルダーレジスト層形成工程は、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11を形成する工程と、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11に貫通部25を形成する工程と、を有する。
【0059】
具体的には、例えば、感光性ソルダーレジストを用いてソルダーレジスト層11を形成する場合、感光性ソルダーレジストを支持金属層53の面53Aに塗布後、塗布した感光性ソルダーレジスト(この段階では貫通部25が形成されていない)を露光、現像(貫通部25を形成するため処理)することでソルダーレジスト層11を形成する。また、貫通部25は、レーザ加工法により形成してもよい。ソルダーレジスト層11として熱硬化性ソルダーレジストを用いた場合、ソルダーレジスト層11は、例えば、スクリーン印刷法により形成することができる。
【0060】
次いで、図12に示す工程では、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化処理する(ソルダーレジスト層粗化工程)。
【0061】
このとき、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面は、粗化されたソルダーレジスト層11の面にスパッタ法、蒸着法、無電解めっき法等の方法により、金属膜(本実施の形態の場合は拡散防止膜12の母材となる金属膜)が成膜可能な程度に粗化する。ソルダーレジスト層11の粗化された面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0062】
このように、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化することにより、拡散防止膜12の母材となる金属膜54をソルダーレジスト層11に直接形成する(図13参照)ことが可能となる。
【0063】
次いで、図13に示す工程では、ソルダーレジスト層11の粗化された面11A、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の粗化された面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面53Aを覆うように金属膜54を形成する。金属膜54は、拡散防止膜12の母材となる膜である。
【0064】
具体的には、例えば、スパッタ法、蒸着法、無電解めっき法等の方法により、金属膜54を形成する。このとき、先に説明した図10に示す工程において、支持金属層53の面53Aは粗化されているため、支持金属層53の面53Aの微細な凹凸形状が拡散防止膜12の接続面12Aとなる部分の金属膜54の面54Bに転写される。これにより、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化される。金属膜54としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0065】
次いで、図14に示す工程では、金属膜54の面54Aに開口部55Aを有したレジスト膜55を形成する。このとき、開口部55Aは、配線パターン14の形成領域に対応する部分の金属膜54の面54Aを露出するように形成する。
【0066】
次いで、図15に示す工程では、金属膜54を給電層とする電解めっき法により、開口部55Aに露出された部分の金属膜54にめっき膜を析出成長させて、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成する(外部接続用パッド形成工程及び配線パターン形成工程)。
【0067】
このように、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成することにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを別々の工程で形成した場合と比較して、配線基板10の製造工程の数が少なくなるため、配線基板10の製造コストを低減することができる。
【0068】
次いで、図16に示す工程では、図15に示すレジスト膜55を除去する。続いて、配線パターン14に覆われていない部分の不要な金属膜54を除去して、拡散防止膜12を形成する(拡散防止膜形成工程)。具体的には、配線パターン14に覆われていない部分の不要な金属膜54は、例えば、エッチングにより除去することができる。
【0069】
次いで、図17に示す工程では、ソルダーレジスト層11の面11Aに、配線部26を覆うように開口部31を有した絶縁層16を形成する。絶縁層16としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。開口部31は、外部接続用パッド部27を露出するように形成する。開口部31は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。
【0070】
次いで、図18に示す工程では、配線パターン17の形成領域に対応する部分の絶縁層16の面16A及び開口部31に、ビア部33、配線部34、及びパッド部35を有した配線パターン17を形成する。具体的には、配線パターン17は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。また、配線パターン17の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0071】
次いで、図19に示す工程では、先に説明した図17及び図18に示す工程と同様な処理を行うことにより、開口部37を有した絶縁層18と、配線パターン19とを順次形成する。絶縁層18としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。開口部37は、パッド部35を露出するように形成する。開口部37は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。また、配線パターン19は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。また、配線パターン19の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0072】
次いで、図20に示す工程では、絶縁層18の面18Aに、配線部42を覆うように開口部21Aを有したソルダーレジスト層21を形成し、その後、開口部21Aに露出された部分のパッド部43に拡散防止膜23を形成する。これにより、支持基板50の上下方向に配線基板10に相当する構造体が製造される。ソルダーレジスト層21としては、例えば、感光性樹脂を用いることができる。
【0073】
拡散防止膜23としては、例えば、パッド部43にAu層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0074】
次いで、図21に示す工程では、図20に示す構造体の切断位置Bに対応する部分を切断することにより、支持金属層53及び支持金属層53の面53Aに形成された構造体を下地層52から分離させる。
【0075】
次いで、図22に示す工程では、図21に示す支持金属層53(ソルダーレジスト層11の面11B及び拡散防止膜12に設けられた支持金属層53)を除去する。これにより、配線基板10が製造される。支持金属層53は、例えば、ウエットエッチング法により除去することができる。支持金属層53及び外部接続用パッド13の材料としてCuを用いた場合、拡散防止膜12の材料はCu以外の材料(具体的には、例えば、Au/Ni積層膜)を用いるとよい。このように、支持金属層53及び外部接続用パッド13の材料と拡散防止膜12の材料とを異ならせることにより、支持金属層53をエッチングする際、外部接続用パッド13がエッチングされることを防止できる。
【0076】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、支持基板本体51と、支持基板本体51の両面51A,51Bに設けられた支持金属層53とを有する支持基板50を準備し、次いで、支持金属層53に貫通部25を有したソルダーレジスト層11を形成し、次いで、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化処理し、その後、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面に拡散防止膜12を形成し、その後、拡散防止膜12が形成された貫通部25に外部接続用パッド13を形成すると共に、ソルダーレジスト層11の面11Aに配置された拡散防止膜13に配線パターン14を形成することにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0077】
図23〜図25は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図である。図23〜図25において、第1の実施の形態の配線基板10及び図20に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0078】
本実施の形態の配線基板の製造方法では、支持基板51の両面51A,51Bに下地層52と、支持金属層53とを順次形成し、2つの支持金属層53に配線基板10を形成する場合を例に挙げて説明したが、図23〜図25に示すように、支持基板51の一方の面51Aに下地層52と、支持金属層53とを順次形成し、1つの支持金属層53に配線基板10を形成してもよい。この場合、本実施の形態の配線基板10の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。図26において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0080】
図26を参照するに、第2の実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10の構成に、さらに金属箔61を設けた以外は、配線基板10と同様に構成される。
【0081】
金属箔61は、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面11Aに設けられている。金属箔61は、一方の面61Aが微細な凹凸形状を有した面とされており、他方の面61Bが平滑な面とされている。つまり、金属箔61の面61Aは、粗化された面である。金属箔61の面61Aは、ソルダーレジスト層11の面11Aと接触している。金属箔61としては、例えば、電解Cu箔を用いることができる。配線パターン14と接触する部分の拡散防止膜12は、金属箔61の面61Bに設けられている。
【0082】
図27〜図33は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図27〜図33において、第2の実施の形態の配線基板60及び第1の実施の形態で説明した図20に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0083】
図27〜図33を参照して、第2の実施の形態の配線基板60の製造方法について説明する。始めに、図27に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図10に示す支持基板50の2つの支持金属層53の面53Aに、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11を形成する(ソルダーレジスト層形成工程)。具体的には、ソルダーレジスト層11の材料として液状レジストを用いた場合、ソルダーレジスト層11は、例えば、スクリーン印刷法やロールコート法等の方法により形成することができる。なお、フィルム状のソルダーレジストを支持金属層53の面53Aにラミネートすることで、ソルダーレジスト層11を形成してもよい。
【0084】
次いで、ソルダーレジスト層11を形成後に、一方の面61Aが微細な凹凸形状を有した面とされ、他方の面61Bが平滑な面とされた金属箔61を準備すると共に、金属箔61の面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付ける(金属箔貼付工程)。
【0085】
このように、金属箔61の微細な凹凸を有した粗化された面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層11と金属箔61との密着性が向上するため、ソルダーレジスト層11の面11Aを粗化する工程を省略することができる。
【0086】
次いで、図28に示す工程では、外部接続用パッド13の形成位置に対応する部分のソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成する(貫通部形成工程)。このとき、貫通部25は、支持金属層53の面53Aを露出するように形成する。具体的には、貫通部25は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。このように、ソルダーレジスト層11に金属箔61を積層させた状態で、ソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成することにより、貫通部25の加工精度を向上させることができる。
【0087】
次いで、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面の粗化処理を行う(ソルダーレジスト層粗化工程)。ソルダーレジスト層11の粗化された面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0088】
このように、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化することにより、後述する図29に示す工程において、ソルダーレジスト層11に金属膜54を形成することが可能となる。
【0089】
次いで、図29に示す工程では、金属箔61の面61B、貫通部25の側面に対応する部分の金属箔61及びソルダーレジスト層11の面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面53Aを覆うように、金属膜54を形成する。金属膜54は、拡散防止膜12の母材となる膜である。
【0090】
具体的には、例えば、無電解めっき法、スパッタ法、蒸着法等の方法により、金属膜54を形成する。このとき、先に説明した図10に示す工程において、支持金属層53の面53Aは粗化されているため、支持金属層53の面53Aの微細な凹凸形状が拡散防止膜12の接続面12Aとなる部分の金属膜54の面54Bに転写される。これにより、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化される。金属膜54としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0091】
次いで、図30に示す工程では、金属膜54を給電層とする電解めっき法により、金属膜54の面54Aにめっき膜64を析出成長させる。めっき膜64は、外部接続用パッド13及び配線パターン14の母材となる膜である。めっき膜64としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。
【0092】
次いで、図31に示す工程では、配線パターン14の形成位置に対応する部分のめっき膜64の面64Aにレジスト膜65を形成する。次いで、図32に示す工程では、レジスト膜65をマスクとして、図31に示すめっき膜64、金属膜54、及び金属箔61をエッチングすることにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成する。
【0093】
このように、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成することにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを別々の工程で形成した場合と比較して、製造工程の数が少なくなるため、配線基板60の製造コストを低減することができる。
【0094】
次いで、図33に示す工程では、図32に示すレジスト膜65を除去する。その後、第1の実施の形態で説明した図17〜図22に示す工程と同様な処理を行うことにより、配線基板60が製造される。
【0095】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、金属箔61の微細な凹凸を有した面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層11と金属箔61との密着性が向上するため、ソルダーレジスト層11の面11Aを粗化する工程を省略することができる。
【0096】
また、ソルダーレジスト層11に金属箔61を積層させた状態で、レーザ加工法により、ソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成することにより、貫通部25の加工精度を向上させることができる。
【0097】
また、本実施の形態の配線基板60の製造方法は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0098】
本実施の形態の配線基板60の製造方法では、支持基板51の両面に配線基板60を形成する場合を例に挙げて説明したが、第1の実施の形態で説明した図23〜図25のように、支持基板51の一方の面にのみ配線基板60を形成してもよい。この場合、本実施の形態の配線基板60の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0099】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】従来の配線基板の断面図である。
【図2】従来の配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図3】従来の配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図4】従来の配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図5】従来の配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図6】従来の配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図7】従来の配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その12)である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その13)である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その14)である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その1)である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その2)である。
【図25】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その3)である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図31】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図32】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図33】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【符号の説明】
【0102】
10,60 配線基板
11,21 ソルダーレジスト層
11A,11B,16A,18A,54A 面
12,23 拡散防止膜
12A,13A 接続面
13 外部接続用パッド
14,17,19 配線パターン
16,18 絶縁層
21A,31,37,51A,51B,53A,54B,55A,61A,61B,64A 面
25 貫通部
26,34,42 配線部
27,35,43 パッド部
33,41 ビア部
50 支持基板
51 支持基板本体
52 下地層
53 支持金属層
54 金属膜
55,65 レジスト膜
61 金属箔
64 めっき膜
A 配線基板形成領域
B 切断位置
T1 厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に係り、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の配線基板の断面図である。
【0003】
図1を参照するに、従来の配線基板200は、コアレス基板であり、ソルダーレジスト層201,206と、外部接続用パッド202と、樹脂層203と、配線パターン204とを有する。
【0004】
ソルダーレジスト層201は、貫通部211を有する。外部接続用パッド202は、貫通部211に設けられている。外部接続用パッド202の上面202Aは、樹脂層203の上面203Aと略面一となるように構成されている。外部接続用パッド202は、Au層上にNi層が積層された構成とされている。外部接続用パッド202は、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。
【0005】
樹脂層203は、ソルダーレジスト層201の上面201Aと、外部接続用パッド202の上面202Aの一部とを覆うように設けられている。樹脂層203は、外部接続用パッド202の一部を露出する貫通孔212を有する。
【0006】
配線パターン204は、ビア部214と、配線部215と、パッド部216とを有する。ビア部214は、貫通孔212に設けられている。ビア部214の下端は、外部接続用パッド202の上端と接続されている。配線部215は、ビア部214の上端及び樹脂層203の上面203Aに設けられている。配線部215は、ビア部214とパッド部216とを電気的に接続している。パッド部216は、樹脂層203の上面203Aに設けられている。パッド部216は、電子部品(図示せず)が接続される部分である。
【0007】
ソルダーレジスト層206は、配線部215を覆うように、樹脂層203上に設けられている。ソルダーレジスト層206は、パッド部216の上面を露出する開口部218を有する。
【0008】
図2〜図7は、従来の配線基板の製造工程を示す図である。図2〜図7において、従来の配線基板200と同一構成部分には同一符号を付す。
【0009】
図2〜図7を参照して、従来の配線基板200の製造方法について説明する。始めに、図2に示す工程では、導電材料よりなる支持基板221を準備し、その後、支持基板221の上面221Aを粗化し、その後、粗化された支持基板221の上面221Aに貫通部211を有したソルダーレジスト層201を形成する。支持基板221の上面221Aの粗化処理は、支持基板221とソルダーレジスト層201との密着性を向上させるためのものである。ソルダーレジスト層201の材料としては、感光性樹脂材料を用いることができる。
【0010】
次いで、図3に示す工程では、支持基板221を給電層とする電解めっき法により、Au層と、Ni層とを順次形成することで外部接続用パッド202を形成する。このとき、外部接続用パッド202は、ソルダーレジスト層201の上面201Aと外部接続用パッド202の上面202Aとが略面一となるように形成する。
【0011】
次いで、図4に示す工程では、ソルダーレジスト層201の上面201A及び外部接続用パッド202の上面202Aに貫通孔212を有した樹脂層203を形成する。次いで、図5に示す工程では、セミアディティブ法により、貫通孔212及樹脂層203の上面203Aに配線パターン204を形成する。
【0012】
次いで、図6に示す工程では、配線部215を覆うように樹脂層203上にソルダーレジスト層206を形成する。次いで、図7に示す工程では、支持基板221を除去する。これにより、配線基板200が製造される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−13092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の配線基板200では、ソルダーレジスト層201の上面201A及び外部接続用パッド202の上面202Aに樹脂層203を設け、この樹脂層203を貫通する貫通孔212及び樹脂層203の上面203Aに配線パターン204を形成していたため、配線基板200の厚さ方向のサイズを小型化することができないという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、少なくとも前記外部接続用パッドの接続面に形成される拡散防止膜と、を備えた配線基板であって、前記ソルダーレジスト層に前記配線パターンを設けたことを特徴とする配線基板が提供される。
【0016】
本発明によれば、ソルダーレジスト層に外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンを設けることにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0017】
本発明の他の観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、前記支持金属層に前記貫通部を有した前記ソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化処理するソルダーレジスト層粗化工程と、前記ソルダーレジスト粗化工程後に、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0018】
本発明によれば、支持基板本体と、支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備し、次いで、支持金属層に貫通部を有したソルダーレジスト層を形成し、次いで、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面、及び配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化処理し、その後、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面、及び貫通部の底面に対応する部分の支持金属層の面に拡散防止膜を形成し、その後、拡散防止膜が形成された貫通部に外部接続用パッドを形成すると共に、拡散防止膜に配線パターンを形成することにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0019】
本発明のその他の観点によれば、貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、前記支持金属層に前記貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された前記一方の面が前記ソルダーレジスト層と接触するように、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面に前記金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する貫通部形成工程と、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化するソルダーレジスト層粗化工程と、前記ソルダーレジスト層粗化工程後に、前記金属箔、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0020】
本発明によれば、支持基板本体と、支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備し、次いで、支持金属層に貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成し、次いで、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された一方の面がソルダーレジスト層と接触するように、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付け、その後、ソルダーレジスト層に貫通部を形成し、次いで、貫通部の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化し、その後、金属箔、貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び貫通部の底面に対応する部分の支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成し、拡散防止膜が形成された貫通部に外部接続用パッドを形成し、拡散防止膜に配線パターンを形成することにより、従来、配線パターンを形成するためにソルダーレジスト層に配設されていた樹脂層が不要となるため、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0021】
また、一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された一方の面がソルダーレジスト層と接触するように、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層と金属箔との密着性を向上させることができる。
【0022】
さらに、配線パターンの形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層の面に金属箔を貼り付け、その後、例えば、レーザ加工法を用いて、ソルダーレジスト層に貫通部を形成することにより、貫通部の加工精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【0026】
図8を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、コアレス基板であり、ソルダーレジスト層11,21と、拡散防止膜12,23と、外部接続用パッド13と、配線パターン14,17,19と、絶縁層16,18(積層された複数の絶縁層)とを有する。
【0027】
ソルダーレジスト層11は、複数の貫通部25を有する。ソルダーレジスト層11の面11A及び貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面は、粗化された面である。ソルダーレジスト層11の面11Aの一部は、配線パターン14の形成領域に対応する面である。粗化処理された部分のソルダーレジスト層11の面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0028】
このように、ソルダーレジスト層11の面11A及び貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層の面を粗化することにより、ソルダーレジスト層11に直接、金属膜(本実施の形態の場合、拡散防止膜12)を形成することが可能となる。
【0029】
ソルダーレジスト層11としては、感光性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト層11として感光性樹脂を用いた場合、複数の貫通部25は、例えば、ソルダーレジスト層11を露光、現像することにより形成する。
【0030】
拡散防止膜12は、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面(粗化された面)と、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面(粗化された面)と、外部接続用パッド13の接続面13Aとを覆うように設けられている。拡散防止膜12は、導電性を有した膜(具体的には、例えば、金属膜)により構成されている。外部接続用パッド13の接続面13Aに設けられた拡散防止膜12の接続面12A(外部接続端子(図示せず)が配設される面)は、ソルダーレジスト層11の面11Bと略面一とされている。また、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化処理されている。拡散防止膜12の接続面12Aは、外部接続端子(図示せず)が配設される面である。
【0031】
このように、拡散防止膜12の接続面12Aを粗化された面とすることにより、拡散防止膜12の接続面12Aに配設される外部接続端子(図示せず)と拡散防止膜12との密着性を向上させることができる。拡散防止膜12としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0032】
外部接続用パッド13は、拡散防止膜12が形成された貫通部25に設けられている。外部接続用パッド13の側面及び接続面13Aは、拡散防止膜12により覆われている。外部接続用パッド13は、拡散防止膜12を介して、電子部品(図示せず)又はマザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。
【0033】
配線パターン14は、配線部26と、パッド部27とを有する。配線部26は、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに配置された拡散防止膜12上に設けられている。配線部26は、外部接続用パッド13とパッド部27とを電気的に接続するためのものである。
【0034】
パッド部27は、外部接続用パッド13上又はソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに形成された拡散防止膜12上に設けられている(図8では、外部接続用パッド13上にパッド部27が配置された部分の断面を例に挙げて図示するが、パッド部27は、ソルダーレジスト層11の面11Aに形成された拡散防止膜12上に配置される場合が多い。)。パッド部27は、配線部26を介して、外部接続用パッド13と電気的に接続されている。配線パターン14の材料としては、例えば、導電性材料(例えば、Cu)を用いることができる。
【0035】
上記構成された配線パターン14は、拡散防止膜12を介して、ソルダーレジスト層11上に配設されると共に、外部接続用パッド13と電気的に接続されている。
【0036】
このように、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設けると共に、拡散防止膜12上に外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14を設けることにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0037】
上記説明した配線パターン14は、外部接続用パッド13と一体的に構成されている。このように、配線パターン14を外部接続用パッド13と一体的に構成することにより、配線パターン14と外部接続用パッド13とを同時に形成することが可能となるため、配線基板10の製造工程を簡略化することができる。
【0038】
絶縁層16は、配線部26を覆うように、ソルダーレジスト11の面11Aに設けられている。絶縁層16は、パッド部27の上面を露出する開口部31を有する。絶縁層16としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。
【0039】
配線パターン17(他の配線パターン)は、ビア部33と、配線部34と、パッド部35とを有する。ビア部33は、開口部31に設けられている。ビア部33の下端は、パッド部27と接続されている。これにより、ビア部33は、配線パターン14と電気的に接続されている。
【0040】
配線部34は、絶縁層16の上面16A及び/又はビア部33の上端に設けられている。配線部34は、ビア部33及びパッド部35と接続されている。これにより、配線部34は、ビア部33とパッド部35とを電気的に接続している。
【0041】
パッド部35は、絶縁層16の面16A及び/又はビア部33の上端に設けられている。パッド35は、ビア部33と電気的に接続されている。
【0042】
上記構成とされたビア部33、配線部34、及びパッド部35は、一体的に構成されている。配線パターン17の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0043】
絶縁層18は、配線部34を覆うように、絶縁層16の面16Aに積層されている。絶縁層18は、パッド部35の上面を露出する開口部37を有する。絶縁層18としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。
【0044】
配線パターン19(他の配線パターン)は、ビア部41と、配線部42と、パッド部43とを有する。ビア部41は、開口部37に設けられている。ビア部41の下端は、パッド部35と接続されている。これにより、ビア部41は、配線パターン17と電気的に接続されている。
【0045】
配線部42は、絶縁層18の面18A及び/又はビア部41の上端に設けられている。配線部42は、ビア部41及びパッド部43と接続されている。これにより、配線部42は、ビア部41とパッド部43とを電気的に接続している。
【0046】
パッド部43は、絶縁層18の面18A及び/又はビア部41の上端に設けられている。パッド43は、ビア部41と電気的に接続されている。パッド部43は、拡散防止膜23を介して、電子部品(図示せず)又はマザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続される部分である。
【0047】
上記構成とされたビア部41、配線部42、及びパッド部43は、一体的に構成されている。上記構成とされた配線パターン19の材料としては、例えば、導電性材料(具体的には、Cu)を用いることができる。
【0048】
ソルダーレジスト層21は、配線部42を覆うように、絶縁層18の面18Aに設けられている。ソルダーレジスト層21は、パッド部43を露出する開口部21Aを有する。ソルダーレジスト層21としては、例えば、感光性樹脂を用いることができる。
【0049】
拡散防止膜23は、開口部21Aに露出された部分のパッド部43に設けられている。拡散防止膜23は、導電性を有した膜(具体的には、例えば、金属膜)により構成されている。拡散防止膜23としては、例えば、パッド部43上にAu層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0050】
本実施の形態の配線基板によれば、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設けると共に、拡散防止膜12上に外部接続用パッド13と電気的に接続された配線パターン14を設けることにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0051】
なお、本実施の形態の配線基板10では、ソルダーレジスト層11の粗化された面11Aに拡散防止膜12を設け、この拡散防止膜12上に配線パターン14を設けた場合を例に挙げて説明したが、拡散防止膜12を設けることなく、ソルダーレジスト層11に直接、配線パターン14を設けてもよい。この場合、本実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0052】
図9〜図22は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図9〜図22において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図11〜図22において、Aは支持基板50の配線基板10が形成される領域(以下、「配線基板形成領域A」とする)、Bは支持基板50を切断する位置(以下、「切断位置B」とする)をそれぞれ示している。
【0053】
図9〜図22を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図9に示す工程では、支持基板本体51と、2つの下地層52と、下地層52よりも外形の大きい2つの支持金属層53とを準備し、次いで、支持基板本体51の両面51A,51Bに、下地層52、支持金属層53の順にそれぞれ1つの下地層52及び支持金属層53を配置する(図9に示す状態)。支持基板本体51、2つの下地層52、及び2つの支持金属層53は、後述する図10に示す支持基板50の構成要素となる部材である。
【0054】
支持基板本体51としては、例えば、樹脂基板(具体的には、プリプレグ)を用いることができる。支持基板本体51としてプリプレグを用いる場合、プリプレグとしては、B−ステージ(半硬化状態)を用いることができる。
【0055】
下地層52としては、例えば、金属箔(例えば、Cu箔)、離型フィルム、離型剤等を用いることができる。離型フィルムとしては、例えば、フィルム状とされたポリエステル又はポリエチレンテレフタレートに薄いフッ素樹脂を積層したものや、フィルム状とされたポリエステル又はポリエチレンテレフタレートにシリコーン離型処理を施したものを用いることができる。また、離型剤としては、シリコーン系離型剤やフッ素系離型剤等を用いることができる。支持金属層53としては、例えば、Cu層やCu箔等を用いることができる。
【0056】
次いで、図10に示す工程では、真空雰囲気において、図9に示す構造体を加熱すると共に、図9に示す構造体の上下方向から加圧して、支持基板本体51の両面51A,51Bに下地層52及び下地層52からはみ出した部分の支持金属層53を接着することにより、支持基板50を形成する(支持基板準備工程)。その後、ソルダーレジスト層11が形成される側の支持金属層53の面53Aを粗化する(支持金属層粗化工程)。具体的には、ソフトエッチング、サンドブラスト、黒化処理等の化学的又は物理的な処理を行うことにより、支持金属層53の面53Aを粗化する。
【0057】
このように、ソルダーレジスト層11が形成される側の支持金属層53の面53Aを粗化することにより、外部接続用パッド13の接続面13Aに形成される拡散防止膜12の接続面12Aに支持金属層53の面53Aの形状(具体的には、微細な凹凸形状)が転写されるため、拡散防止膜12の面12Aに接合される外部接続端子(例えば、バンプやはんだボール等)と拡散防止膜12との密着性を向上させることができる。
【0058】
次いで、図11に示す工程では、支持基板本体51の面51A側に配置された支持金属層53の上面、及び支持基板本体51の面51B側に配置された支持金属層53の下面に、支持金属層53を露出する貫通部25を有したソルダーレジスト層11を形成する(ソルダーレジスト層形成工程)。ソルダーレジスト層形成工程は、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11を形成する工程と、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11に貫通部25を形成する工程と、を有する。
【0059】
具体的には、例えば、感光性ソルダーレジストを用いてソルダーレジスト層11を形成する場合、感光性ソルダーレジストを支持金属層53の面53Aに塗布後、塗布した感光性ソルダーレジスト(この段階では貫通部25が形成されていない)を露光、現像(貫通部25を形成するため処理)することでソルダーレジスト層11を形成する。また、貫通部25は、レーザ加工法により形成してもよい。ソルダーレジスト層11として熱硬化性ソルダーレジストを用いた場合、ソルダーレジスト層11は、例えば、スクリーン印刷法により形成することができる。
【0060】
次いで、図12に示す工程では、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化処理する(ソルダーレジスト層粗化工程)。
【0061】
このとき、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面は、粗化されたソルダーレジスト層11の面にスパッタ法、蒸着法、無電解めっき法等の方法により、金属膜(本実施の形態の場合は拡散防止膜12の母材となる金属膜)が成膜可能な程度に粗化する。ソルダーレジスト層11の粗化された面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0062】
このように、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化することにより、拡散防止膜12の母材となる金属膜54をソルダーレジスト層11に直接形成する(図13参照)ことが可能となる。
【0063】
次いで、図13に示す工程では、ソルダーレジスト層11の粗化された面11A、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の粗化された面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面53Aを覆うように金属膜54を形成する。金属膜54は、拡散防止膜12の母材となる膜である。
【0064】
具体的には、例えば、スパッタ法、蒸着法、無電解めっき法等の方法により、金属膜54を形成する。このとき、先に説明した図10に示す工程において、支持金属層53の面53Aは粗化されているため、支持金属層53の面53Aの微細な凹凸形状が拡散防止膜12の接続面12Aとなる部分の金属膜54の面54Bに転写される。これにより、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化される。金属膜54としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0065】
次いで、図14に示す工程では、金属膜54の面54Aに開口部55Aを有したレジスト膜55を形成する。このとき、開口部55Aは、配線パターン14の形成領域に対応する部分の金属膜54の面54Aを露出するように形成する。
【0066】
次いで、図15に示す工程では、金属膜54を給電層とする電解めっき法により、開口部55Aに露出された部分の金属膜54にめっき膜を析出成長させて、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成する(外部接続用パッド形成工程及び配線パターン形成工程)。
【0067】
このように、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成することにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを別々の工程で形成した場合と比較して、配線基板10の製造工程の数が少なくなるため、配線基板10の製造コストを低減することができる。
【0068】
次いで、図16に示す工程では、図15に示すレジスト膜55を除去する。続いて、配線パターン14に覆われていない部分の不要な金属膜54を除去して、拡散防止膜12を形成する(拡散防止膜形成工程)。具体的には、配線パターン14に覆われていない部分の不要な金属膜54は、例えば、エッチングにより除去することができる。
【0069】
次いで、図17に示す工程では、ソルダーレジスト層11の面11Aに、配線部26を覆うように開口部31を有した絶縁層16を形成する。絶縁層16としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。開口部31は、外部接続用パッド部27を露出するように形成する。開口部31は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。
【0070】
次いで、図18に示す工程では、配線パターン17の形成領域に対応する部分の絶縁層16の面16A及び開口部31に、ビア部33、配線部34、及びパッド部35を有した配線パターン17を形成する。具体的には、配線パターン17は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。また、配線パターン17の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0071】
次いで、図19に示す工程では、先に説明した図17及び図18に示す工程と同様な処理を行うことにより、開口部37を有した絶縁層18と、配線パターン19とを順次形成する。絶縁層18としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなる樹脂層を用いることができる。開口部37は、パッド部35を露出するように形成する。開口部37は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。また、配線パターン19は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。また、配線パターン19の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0072】
次いで、図20に示す工程では、絶縁層18の面18Aに、配線部42を覆うように開口部21Aを有したソルダーレジスト層21を形成し、その後、開口部21Aに露出された部分のパッド部43に拡散防止膜23を形成する。これにより、支持基板50の上下方向に配線基板10に相当する構造体が製造される。ソルダーレジスト層21としては、例えば、感光性樹脂を用いることができる。
【0073】
拡散防止膜23としては、例えば、パッド部43にAu層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0074】
次いで、図21に示す工程では、図20に示す構造体の切断位置Bに対応する部分を切断することにより、支持金属層53及び支持金属層53の面53Aに形成された構造体を下地層52から分離させる。
【0075】
次いで、図22に示す工程では、図21に示す支持金属層53(ソルダーレジスト層11の面11B及び拡散防止膜12に設けられた支持金属層53)を除去する。これにより、配線基板10が製造される。支持金属層53は、例えば、ウエットエッチング法により除去することができる。支持金属層53及び外部接続用パッド13の材料としてCuを用いた場合、拡散防止膜12の材料はCu以外の材料(具体的には、例えば、Au/Ni積層膜)を用いるとよい。このように、支持金属層53及び外部接続用パッド13の材料と拡散防止膜12の材料とを異ならせることにより、支持金属層53をエッチングする際、外部接続用パッド13がエッチングされることを防止できる。
【0076】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、支持基板本体51と、支持基板本体51の両面51A,51Bに設けられた支持金属層53とを有する支持基板50を準備し、次いで、支持金属層53に貫通部25を有したソルダーレジスト層11を形成し、次いで、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化処理し、その後、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面に拡散防止膜12を形成し、その後、拡散防止膜12が形成された貫通部25に外部接続用パッド13を形成すると共に、ソルダーレジスト層11の面11Aに配置された拡散防止膜13に配線パターン14を形成することにより、従来、配線パターン204を形成するためにソルダーレジスト層201上に配設されていた樹脂層203(図1参照)が不要となるため、配線基板10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
【0077】
図23〜図25は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図である。図23〜図25において、第1の実施の形態の配線基板10及び図20に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0078】
本実施の形態の配線基板の製造方法では、支持基板51の両面51A,51Bに下地層52と、支持金属層53とを順次形成し、2つの支持金属層53に配線基板10を形成する場合を例に挙げて説明したが、図23〜図25に示すように、支持基板51の一方の面51Aに下地層52と、支持金属層53とを順次形成し、1つの支持金属層53に配線基板10を形成してもよい。この場合、本実施の形態の配線基板10の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。図26において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0080】
図26を参照するに、第2の実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10の構成に、さらに金属箔61を設けた以外は、配線基板10と同様に構成される。
【0081】
金属箔61は、配線パターン14の形成領域に対応する部分のソルダーレジスト層11の面11Aに設けられている。金属箔61は、一方の面61Aが微細な凹凸形状を有した面とされており、他方の面61Bが平滑な面とされている。つまり、金属箔61の面61Aは、粗化された面である。金属箔61の面61Aは、ソルダーレジスト層11の面11Aと接触している。金属箔61としては、例えば、電解Cu箔を用いることができる。配線パターン14と接触する部分の拡散防止膜12は、金属箔61の面61Bに設けられている。
【0082】
図27〜図33は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図27〜図33において、第2の実施の形態の配線基板60及び第1の実施の形態で説明した図20に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0083】
図27〜図33を参照して、第2の実施の形態の配線基板60の製造方法について説明する。始めに、図27に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図10に示す支持基板50の2つの支持金属層53の面53Aに、貫通部25を有していないソルダーレジスト層11を形成する(ソルダーレジスト層形成工程)。具体的には、ソルダーレジスト層11の材料として液状レジストを用いた場合、ソルダーレジスト層11は、例えば、スクリーン印刷法やロールコート法等の方法により形成することができる。なお、フィルム状のソルダーレジストを支持金属層53の面53Aにラミネートすることで、ソルダーレジスト層11を形成してもよい。
【0084】
次いで、ソルダーレジスト層11を形成後に、一方の面61Aが微細な凹凸形状を有した面とされ、他方の面61Bが平滑な面とされた金属箔61を準備すると共に、金属箔61の面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付ける(金属箔貼付工程)。
【0085】
このように、金属箔61の微細な凹凸を有した粗化された面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層11と金属箔61との密着性が向上するため、ソルダーレジスト層11の面11Aを粗化する工程を省略することができる。
【0086】
次いで、図28に示す工程では、外部接続用パッド13の形成位置に対応する部分のソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成する(貫通部形成工程)。このとき、貫通部25は、支持金属層53の面53Aを露出するように形成する。具体的には、貫通部25は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。このように、ソルダーレジスト層11に金属箔61を積層させた状態で、ソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成することにより、貫通部25の加工精度を向上させることができる。
【0087】
次いで、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面の粗化処理を行う(ソルダーレジスト層粗化工程)。ソルダーレジスト層11の粗化された面の粗さ(Ra)は、例えば、0.1μm〜1.0μmとすることができる。
【0088】
このように、貫通部25の側面に対応する部分のソルダーレジスト層11の面を粗化することにより、後述する図29に示す工程において、ソルダーレジスト層11に金属膜54を形成することが可能となる。
【0089】
次いで、図29に示す工程では、金属箔61の面61B、貫通部25の側面に対応する部分の金属箔61及びソルダーレジスト層11の面、及び貫通部25の底面に対応する部分の支持金属層53の面53Aを覆うように、金属膜54を形成する。金属膜54は、拡散防止膜12の母材となる膜である。
【0090】
具体的には、例えば、無電解めっき法、スパッタ法、蒸着法等の方法により、金属膜54を形成する。このとき、先に説明した図10に示す工程において、支持金属層53の面53Aは粗化されているため、支持金属層53の面53Aの微細な凹凸形状が拡散防止膜12の接続面12Aとなる部分の金属膜54の面54Bに転写される。これにより、拡散防止膜12の接続面12Aは、粗化される。金属膜54としては、例えば、Au層と、Ni層とを順次積層させたAu/Ni積層膜を用いることができる。
【0091】
次いで、図30に示す工程では、金属膜54を給電層とする電解めっき法により、金属膜54の面54Aにめっき膜64を析出成長させる。めっき膜64は、外部接続用パッド13及び配線パターン14の母材となる膜である。めっき膜64としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。
【0092】
次いで、図31に示す工程では、配線パターン14の形成位置に対応する部分のめっき膜64の面64Aにレジスト膜65を形成する。次いで、図32に示す工程では、レジスト膜65をマスクとして、図31に示すめっき膜64、金属膜54、及び金属箔61をエッチングすることにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成する。
【0093】
このように、外部接続用パッド13と配線パターン14とを同時に形成することにより、外部接続用パッド13と配線パターン14とを別々の工程で形成した場合と比較して、製造工程の数が少なくなるため、配線基板60の製造コストを低減することができる。
【0094】
次いで、図33に示す工程では、図32に示すレジスト膜65を除去する。その後、第1の実施の形態で説明した図17〜図22に示す工程と同様な処理を行うことにより、配線基板60が製造される。
【0095】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、金属箔61の微細な凹凸を有した面61Aとソルダーレジスト層11の面11Aとが接触するように、ソルダーレジスト層11の面11Aに金属箔61を貼り付けることにより、ソルダーレジスト層11と金属箔61との密着性が向上するため、ソルダーレジスト層11の面11Aを粗化する工程を省略することができる。
【0096】
また、ソルダーレジスト層11に金属箔61を積層させた状態で、レーザ加工法により、ソルダーレジスト層11及び金属箔61を貫通する貫通部25を形成することにより、貫通部25の加工精度を向上させることができる。
【0097】
また、本実施の形態の配線基板60の製造方法は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0098】
本実施の形態の配線基板60の製造方法では、支持基板51の両面に配線基板60を形成する場合を例に挙げて説明したが、第1の実施の形態で説明した図23〜図25のように、支持基板51の一方の面にのみ配線基板60を形成してもよい。この場合、本実施の形態の配線基板60の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0099】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、配線基板の厚さ方向のサイズを小型化することのできる配線基板及びその製造方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】従来の配線基板の断面図である。
【図2】従来の配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図3】従来の配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図4】従来の配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図5】従来の配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図6】従来の配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図7】従来の配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その12)である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その13)である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その14)である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その1)である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その2)である。
【図25】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の他の製造工程を示す図(その3)である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図31】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図32】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図33】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【符号の説明】
【0102】
10,60 配線基板
11,21 ソルダーレジスト層
11A,11B,16A,18A,54A 面
12,23 拡散防止膜
12A,13A 接続面
13 外部接続用パッド
14,17,19 配線パターン
16,18 絶縁層
21A,31,37,51A,51B,53A,54B,55A,61A,61B,64A 面
25 貫通部
26,34,42 配線部
27,35,43 パッド部
33,41 ビア部
50 支持基板
51 支持基板本体
52 下地層
53 支持金属層
54 金属膜
55,65 レジスト膜
61 金属箔
64 めっき膜
A 配線基板形成領域
B 切断位置
T1 厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、少なくとも前記外部接続用パッドの接続面に形成される拡散防止膜と、を備えた配線基板であって、
前記ソルダーレジスト層に前記配線パターンを設けたことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面は、粗化された面であることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記拡散防止膜は、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層に設けられており、
前記配線パターンは、前記配線パターンの形成領域に対応する部分に配置された前記拡散防止膜に設けることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線パターンが設けられた側の前記ソルダーレジスト層の面には、積層された複数の絶縁層が設けられ、
前記積層された絶縁層には、他の配線パターンが設けられており、
前記配線パターンは、前記他の配線パターンと接続されるパッド部を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項5】
前記配線パターンは、前記外部接続パッドと一体的に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項6】
外部接続端子が配設される前記拡散防止膜の接続面は、粗化された面であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項7】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、
支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、
前記支持金属層に前記貫通部を有した前記ソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、
前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化処理するソルダーレジスト層粗化工程と、
前記ソルダーレジスト粗化工程後に、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、
前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、
前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記ソルダーレジスト層形成工程は、前記貫通部を有していない前記ソルダーレジスト層を形成する工程と、
前記貫通部を有していない前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項7記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、
支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、
前記支持金属層に前記貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、
一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された前記一方の面が前記ソルダーレジスト層と接触するように、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面に前記金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、
前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する貫通部形成工程と、
前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化するソルダーレジスト層粗化工程と、
前記ソルダーレジスト層粗化工程後に、前記金属箔、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、
前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、
前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記外部接続用パッドと前記配線パターンとを同時に形成することを特徴とする請求項8又は9記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記ソルダーレジスト形成工程の前に、前記ソルダーレジスト層が形成される側の前記支持金属層の面を粗化する支持金属層粗化工程をさらに設けたことを特徴とする請求項8ないし10のうち、いずれか一項記載の配線基板の製造方法。
【請求項1】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、少なくとも前記外部接続用パッドの接続面に形成される拡散防止膜と、を備えた配線基板であって、
前記ソルダーレジスト層に前記配線パターンを設けたことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面は、粗化された面であることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記拡散防止膜は、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層に設けられており、
前記配線パターンは、前記配線パターンの形成領域に対応する部分に配置された前記拡散防止膜に設けることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線パターンが設けられた側の前記ソルダーレジスト層の面には、積層された複数の絶縁層が設けられ、
前記積層された絶縁層には、他の配線パターンが設けられており、
前記配線パターンは、前記他の配線パターンと接続されるパッド部を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項5】
前記配線パターンは、前記外部接続パッドと一体的に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項6】
外部接続端子が配設される前記拡散防止膜の接続面は、粗化された面であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか一項記載の配線基板。
【請求項7】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、
支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、
前記支持金属層に前記貫通部を有した前記ソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、
前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化処理するソルダーレジスト層粗化工程と、
前記ソルダーレジスト粗化工程後に、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、
前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、
前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記ソルダーレジスト層形成工程は、前記貫通部を有していない前記ソルダーレジスト層を形成する工程と、
前記貫通部を有していない前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項7記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
貫通部を有したソルダーレジスト層と、前記貫通部に設けられた外部接続用パッドと、前記外部接続用パッドと電気的に接続された配線パターンと、を備えた配線基板の製造方法であって、
支持基板本体と、前記支持基板本体の少なくとも一方の面に設けられた支持金属層とを有する支持基板を準備する支持基板準備工程と、
前記支持金属層に前記貫通部を有していないソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と、
一方の面が粗化された金属箔を準備すると共に、粗化された前記一方の面が前記ソルダーレジスト層と接触するように、前記配線パターンの形成領域に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面に前記金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、
前記ソルダーレジスト層に前記貫通部を形成する貫通部形成工程と、
前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面を粗化するソルダーレジスト層粗化工程と、
前記ソルダーレジスト層粗化工程後に、前記金属箔、前記貫通部の側面に対応する部分の前記ソルダーレジスト層の面、及び前記貫通部の底面に対応する部分の前記支持金属層の面を覆うように拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、
前記拡散防止膜が形成された前記貫通部に前記外部接続用パッドを形成する外部接続用パッド形成工程と、
前記拡散防止膜に前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記外部接続用パッドと前記配線パターンとを同時に形成することを特徴とする請求項8又は9記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記ソルダーレジスト形成工程の前に、前記ソルダーレジスト層が形成される側の前記支持金属層の面を粗化する支持金属層粗化工程をさらに設けたことを特徴とする請求項8ないし10のうち、いずれか一項記載の配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2009−94403(P2009−94403A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265615(P2007−265615)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
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