説明

配線基板及びその製造方法

【課題】薄型で剛性に優れた、電子部品を内蔵する配線基板を提供する。
【解決手段】電子部品を内蔵する配線基板であって、ベース絶縁層と、このベース絶縁層の上面側に設けられた台座パターンと、この台座パターン上の電子部品と、この電子部品の外周を取り囲む補強絶縁層と、電子部品が内側に配置された開口を持つコア絶縁層と上面側コア配線と下面側コア配線を含み、補強絶縁層上に設けられたコア配線構造層と、電子部品を埋め込むようにコア配線構造層上に設けられた埋め込み絶縁層と、電子部品と電気的に接続された基板上面側の第1配線と、基板下面側の第2配線とを含み、台座パターンの外縁は電子部品の外縁より外側に位置し、補強絶縁層は第1補強繊維を含み、この第1補強繊維は台座パターンの外縁より外側の周辺領域から台座パターンの外縁の直上にわたって配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を内蔵する配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の軽薄短小化に伴い、半導体素子の小型化、高集積化と共に、半導体パッケージにおける高密度実装技術が進展している。
【0003】
ICチップ等の半導体素子のパッケージングにおいて、パッケージ内の配線基板と半導体素子の接続は、金線等を用いるワイヤーボンディング接続や、半田ボール等を用いるフリップチップ接続により行われている。
【0004】
ワイヤーボンディング接続は、半導体素子の接続パッド数が少ない場合は低コストでパッケージングできるメリットがあるが、接続パッド数の増加と狭ピッチ化に伴ってワイヤー径を小さくする必要があり、そのため、ワイヤー切れ等の組立不良により歩留まりが低下する問題がある。また、ワイヤーボンディング接続では、半導体素子の端子と配線基板の端子との間の接続経路にある程度の距離を必要とするため、高速伝送特性が劣化しやすい問題がある。
【0005】
フリップチップ接続は、ワイヤーボンディング接続に比べて半導体素子と配線基板間の接続経路が短いため高速信号伝送が可能であり、また半導体素子の回路面の周辺だけではなく全体にわたって端子を設けることができるため接続端子数を増加させることができる。しかしながら、半導体素子の接続パッド数の増加と狭ピッチ化に伴い、半田バンプのサイズが小さくなるにつれ接続強度が弱くなり、そのため、クラック等の接続不良が発生しやすくなる問題がある。
【0006】
近年、半導体装置のさらなる高密度化及び高機能化を容易にする高密度実装技術として、配線基板に半導体素子を内蔵させるパッケージ技術、いわゆる半導体素子内蔵技術が提案されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、下層配線基板と、この下層配線基板上に設けられた半導体素子と、この半導体素子に対応する部分をくり抜いてなる貫通ホールを持ち、この貫通ホール内に半導体素子を収容するように下層配線基板上に設けられた中間配線基板と、この中間配線基板上に設けられた上層配線基板とを含む半導体素子内蔵多層配線基板が記載されている。各配線基板の絶縁層は、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂とガラス繊維等の無機物からなる絶縁材料で形成されている。配線基板同士の間および配線基板と半導体素子との間には、この絶縁材料とほぼ同一組成のプリプレグが設けられ、加熱・加圧下で減圧を行って半導体素子周囲の空間にこのプリプレグが充填され硬化されている。このような構造によれば、内蔵された半導体素子の周囲に起因するストレスが抑えられ、このストレスによるトラブルの発生を防止できることが記載されている。
【0008】
特許文献2には、第1シート上に半導体素子を接着する工程と、硬化反応途中の絶縁性樹脂からなり開口部を有する第2シートを、この開口部中に前記半導体素子が収容されるように第1シート上に載置する工程と、硬化反応途中の絶縁性樹脂層が第2シートに面する側に設けられた導電性の第3シートを第2シート上に載置する工程と、第1、第2及び第3シートを一括して熱圧着する工程と、前記半導体素子の電極と第3シートを電気的に接続する工程と、第3シートをパターン加工して配線を形成する工程を含む半導体素子内蔵基板の製造方法が記載されている。熱圧着後の表面の平坦性が損なわれるのを防ぐため、第2シートには、ガラスクロスが含まれたプリプレグ材を使用できることが記載されている。
【0009】
特許文献3には、半導体チップが内蔵された配線基板であって、この半導体チップが埋設される絶縁層と、この半導体チップに接続される配線構造とを有し、この絶縁層に当該絶縁層を補強する補強構造体が埋設されている、配線基板が記載されている。この補強構造体は、半導体チップと同一平面上で、当該半導体チップを囲むように形成できることが記載されている。また、この補強構造体は、有機コア材(プリプレグ材)または金属材料で形成できることが記載されている。このような構成によれば、半導体チップを内蔵した配線基板の薄型化を実現し、かつ当該配線基板の反りを抑制できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−270712号公報
【特許文献2】特開2004−335641号公報
【特許文献3】特開2006−261246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
電子部品を内蔵した配線基板は、より一層の薄型化が求められているが、基板全体の剛性を確保し反りを抑えながら薄型化を図ることは困難となっている。
【0012】
本発明の目的は、薄型で剛性に優れた、電子部品を内蔵する配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
ベース絶縁層と、
前記ベース絶縁層の上面側に設けられた台座パターンと、
前記台座パターン上に設けられた電子部品と、
前記ベース絶縁層の上面側に設けられ、前記電子部品の外周を取り囲む補強絶縁層と、
前記電子部品が内側に配置された開口を持つコア絶縁層と該コア絶縁層の上面側のコア配線と該コア絶縁層の下面側のコア配線を含み、前記補強絶縁層上に設けられたコア配線構造層と、
前記電子部品を埋め込むように前記コア配線構造層上に設けられた埋め込み絶縁層と、
前記電子部品と電気的に接続され、前記埋め込み絶縁層上に設けられた第1配線と、
前記ベース絶縁層の下面側に設けられた第2配線と、を含む配線基板であって、
前記台座パターンの外縁は、前記電子部品の外縁より外側に位置し、
前記補強絶縁層は、第1補強繊維を含み、該第1補強繊維は、前記台座パターンの外縁より外側の周辺領域から該台座パターンの外縁の直上にわたって配置されている、配線基板が提供される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、
支持基板上のベース絶縁層上に、電子部品の搭載側の面より広い台座パターンを形成する工程と、
前記台座パターン上に、該台座パターンの外縁より内側に配置されるように前記電子部品を搭載する工程と、
前記台座パターンの外縁より内側に配置でき且つ前記電子部品を内側に配置できる開口を有し、第1補強繊維を含む補強絶縁層を用意する工程と、
前記電子部品を内側に配置できる開口を持つコア絶縁層と該コア絶縁層の上面側のコア配線と該コア絶縁層の下面側のコア配線を含むコア配線構造層を用意する工程と、
前記補強絶縁層を、その開口の内側に前記電子部品が配置され、且つ前記第1補強繊維が前記台座パターンの外縁より外側の周辺領域から該台座パターンの外縁の直上にわたって配置されるように、前記ベース絶縁層上に重ねる工程と、
前記コア配線構造層を、その開口の内側に前記電子部品が配置されるように前記補強絶縁層上に重ねる工程と、
前記電子部品を覆うように前記補強絶縁層上に埋め込み絶縁層を重ねる工程と、
加熱を行って前記補強絶縁層および前記埋め込み絶縁層を流動化させ前記電子部品の周囲の隙間を充填し、硬化させるとともに、前記ベース絶縁層、前記補強絶縁層、前記コア配線構造層および前記埋め込み絶縁層を圧着する工程と、
前記埋め込み絶縁層上に、第1配線を形成する工程と、
前記第1配線を形成する前または後に前記支持基板を除去する工程と、
前記ベース絶縁層の下面側に、第2配線を形成する工程を含む、配線基板の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、薄型で剛性に優れた、電子部品を内蔵する配線基板およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の配線基板を模式的に示した断面図。
【図2】本発明の他の実施形態の配線基板を模式的に示した断面図。
【図3】本発明の他の実施形態の配線基板を模式的に示した断面図。
【図4】本発明の実施形態の配線基板の製造方法を説明するための模式的断面図。
【図5】図4に示す工程に続く工程を説明するための模式的断面図。
【図6】図5に示す工程に続く工程を説明するための模式的断面図。
【図7】本発明の他の実施形態の配線基板を模式的に示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態の配線基板を模式的に示した断面図である。
【0019】
本実施形態の配線基板において、ベース絶縁層101上にはプレート状の台座パターン102が設けられ、この台座パターン上に接着層103を介して電子部品200が設けられている。また、ベース絶縁層101上には、電子部品200の外周を取り囲む補強絶縁層110が設けられている。この補強絶縁層には、第1補強繊維111が含まれている。
【0020】
この補強絶縁層110上には、コア配線構造層120が設けられている。このコア配線構造層は、開口を有し、この開口の内側に電子部品200が配置されている。このコア配線構造層120は、この開口が設けられたコア絶縁層121と、このコア絶縁層の上面側のコア配線122と、下面側のコア配線123を含んでいる。上面側のコア配線122と下面側のコア配線123は、図1に示すように、コア絶縁層121を貫通するビアを介して接続することができる。
【0021】
コア配線構造層120上には、電子部品200を埋め込むように埋め込み絶縁層130が設けられている。
【0022】
埋め込み絶縁層130上には、第1配線構造層140が設けられている。この第1配線構造層は、電子部品200と電気的に接続される第1配線141aと、この第1配線上の第1絶縁層142aと、この第1絶縁層上の第1配線141bと、保護絶縁層142bを含んでいる。上層側の第1配線141bの一部が露出するように保護絶縁層(例えばソルダーレジスト層)142bが設けられ、この第1配線141bの露出部分は外部端子として利用できる。下層側の第1配線141aと上層側の第1配線141bとは、第1絶縁層142aを貫通するビアを介して接続されている。
【0023】
下層側の第1配線141aとコア配線構造層120の上層側コア配線122とは、埋め込み絶縁層130を貫通するビアを介して接続されている。これにより、電子部品周囲の基板内部領域が有効に利用されるため、高密度配線が可能になる。
【0024】
第1配線構造層140は、さらに、一層以上の配線と一層以上の絶縁層を交互に積層した多層配線構造を有していてもよい。また、図1に示す構造では、埋め込み絶縁層130上に直接第1配線141aを設けているが、埋め込み絶縁層130上に他の絶縁層を設けてその上に第1配線141aを設けてもよい。
【0025】
ベース絶縁層101の下面側(電子部品が搭載された側の反対側)には、第2配線構造層150が設けられている。この第2配線構造層150は、第2配線151と、第2配線151の一部が露出するように設けられた保護絶縁層(例えばソルダーレジスト層)152を含んでいる。第2配線151の露出部分は外部端子として利用できる。
【0026】
第2配線151と下層側コア配線123とは、図1に示すように、ベース絶縁層101及び補強絶縁層110を貫通するビアを介して接続することができる。これにより、電子部品周囲の基板内部領域が有効に利用されるため、配線基板の下面側においても高密度配線が可能になる。さらに、コア配線構造層120の上層側コア配線122と下層側コア配線123がビア124を介して接続される場合は、配線基板の上面側および下面側の配線、並びにコア配線構造層120の上面側および下面側の配線が電気的に接続されるため、配線基板の上面側の領域と、配線基板の下面側の領域と、電子部品周囲の基板内部領域が一つの配線領域として利用できるため、高密度配線を形成できる。また、配線基板の上面側の外部端子と下面側の外部端子とが電気的に接続されるため、配線基板の上面側と下面側の両方に他の電子部品を接続することによって、設計の自由度が高く且つ高密度なシステムを構成できる。また、配線基板の上面側と下面側に接続された電子部品間を短い距離で接続できるため、デバイス性能を向上することができる。第2配線構造層150は、さらに、一層以上の配線と一層以上の絶縁層を交互に積層した多層配線構造を有していてもよい。第2配線構造層を設けることで、配線基板の下面側も配線基板として利用することができ、高密度なパッケージングが可能になる。また、第1配線構造層と第2配線構造層の間で、配線および絶縁層の積層数や材料種等の構造を近いものとすることにより、反りの抑制効果を得ることができる。
【0027】
本実施形態の配線基板は、薄型化を図りながら剛性を確保し、反りを抑える点から、内蔵される電子部品の下面(台座パターンに対面する側の面:以下「搭載面」という)より広い台座パターン102がベース絶縁層101上に設けられ、この台座パターン102の外縁より内側に電子部品200が配置され、さらに、この台座パターン上に搭載した電子部品200の周囲を取り囲む補強絶縁層110が設けられている。この補強絶縁層110には、補強繊維111が含まれている。電子部品200は、台座パターンの外縁より内側に配置されているため、台座パターンの外縁の直上には電子部品は配置されず、補強絶縁層が配置されている。すなわち、台座パターン102は、電子部品の搭載面の外縁より外側の周辺領域へ延在する外周部を有している。このような台座パターン102の外縁(外周部の端部)の直上に、電子部品の側面に対向する補強繊維111の端部が配置され、すなわち、この補強繊維111は、電子部品に対向する端部が台座パターン102の外縁と重なるように配置されている。この重なり部分は、図1中ではサイズWの部分に相当する。十分な剛性を得る点から、この重なり部分は、電子部品200の外周を取り囲んでいることが好ましい。電子部品の搭載領域では台座パターンにより補強され、台座パターンの周辺領域では補強繊維により補強されるため、配線基板全体にわたって十分な剛性を得ることができる。特に、台座パターンと補強繊維と間に、基板平面方向の隙間ができないように重なり部分を設けることで、効果的に補強することができる。その際、絶縁信頼性や製造工程中での電子部品破損を防止する点から、補強繊維を電子部品に接触させないことが望ましい。
【0028】
この重なり部分のサイズWは、補強効果や重ね合わせ精度の点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。重なり部分のサイズWは、このようなサイズ以上であれば、電子部品のサイズに応じて適宜設定できるが、補強繊維と電子部品との間隔を確保しながら小型化を図る点から、100μm以下に設定することができる。ここで、重なり部分のサイズWは、基板平面方向における電子部品の搭載面外周(下面外周)に垂直な方向の長さをいう。この搭載面(電子部品下面)の形状が正方形や矩形である場合はその辺に垂直な方向の長さに相当し、搭載面外周が曲線からなる場合はその法線方向の長さに相当する。
【0029】
電子部品が搭載された台座パターンの外周部のサイズLは、補強繊維と電子部品との間隔を確保しながら十分な重なり部分のサイズWを得る点、加工精度の点から、60μm以上が好ましく、110μm以上がより好ましく、160μm以上がさらに好ましい。このようなサイズ以上であれば、電子部品のサイズに応じて適宜設定できるが、小型化等の点から、200μm以下に設定することができる。ここで、電子部品が搭載された台座パターンの外周部とは、台座パターンにおける電子部品より外側の部分をいい、この外周部のサイズLとは基板平面方向における電子部品の搭載面外周(下面外周)に垂直な方向の長さをいう。この搭載面(電子部品下面)の形状が正方形や矩形である場合はその辺に垂直な方向の長さに相当し、搭載面外周が曲線からなる場合はその法線方向の長さに相当する。
【0030】
台座パターンと補強繊維との重なり部分において、台座パターンと補強繊維との間の距離(基板平面に垂直方向の間隔、図1中のD)は、十分な補強効果を得る点から、できるだけ短い方が望ましく、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。台座パターンが非導電性材料で形成されている場合や非導電性材料で被覆されたものである場合は、台座パターンと補強繊維は接触してもよい。台座パターンが導電性材料で形成されている場合は、絶縁性を確保する観点から相互の接触を避けることが望ましく、台座パターンと補強繊維との間の距離(D)は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
【0031】
台座パターンのサイズは、台座パターンと補強繊維との重なり部分を十分に確保し、また台座パターン自体によって配線基板の剛性を向上する点から、電子部品がこの台座パターンの外縁より内側に配置でき、電子部品の搭載面より十分に広いことが望ましい。また、熱伝導性の高い材料からなる台座パターンを用いた場合は、台座パターンを広くすることにより放熱性を高めることができる。台座パターンが、電子部品の搭載面に対して狭すぎると、台座パターンによる補強効果が小さくなることに加え、台座パターンと補強繊維との重なり部分が十分に確保できなくなる。逆に、台座パターンが広すぎると、電子部品周辺での厚み方向の配線の形成(特にビアの形成)に際して台座パターンを避ける必要が生じ、高密度配線の形成が妨げられる。
【0032】
台座パターンの平面形状は、台座パターンと補強繊維との重なり部分が十分に設けられる形状であれば特に制限はなく、正方形や矩形、その他の多角形、円形、楕円形、十字、これらに抜き孔を設けた形状が挙げられる。電子部品の周囲を均等に補強する観点から、電子部品の搭載面の外縁の形状に応じた形状にすることができる。電子部品の搭載面の平面形状が正方形の場合は、台座パターンの平面形状を正方形にすることができる。電子部品の搭載面の平面形状が矩形(長方形)の場合は、台座パターンの平面形状を、電子部品の搭載面の平面形状に相似する矩形にすることができる。電子部品が搭載された台座パターンの外周部のサイズLは、電子部品の周囲にわたって均等であることが望ましい。
【0033】
このような台座パターンの材料は、配線基板に対する補強効果のある種々の金属や無機材料等から適宜選択できる。例えば、補強効果に加えて加工の容易さや熱伝導性の点から銅や銅合金を好適に用いることができる。この台座パターンの厚みは、所望の効果に応じて適宜設定することができるが、補強効果や熱伝導性の点から3μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。加工性や薄型化の観点から、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。例えば、厚み20μmの銅からなる台座パターンを形成することができる。
【0034】
補強繊維としては、織布または不織布等からなる繊維シートを用いることができる。強度および耐熱性等の点からガラス繊維が好ましく、特にガラスクロスを好適に用いることができる。補強繊維シートの厚みとしては、十分な補強効果を得る点から10μm以上が好ましく、20μm以上が好ましく、配線基板の薄型化の点から、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
【0035】
補強繊維は、電子部品に接触せず、且つその端部が台座パターンの外縁と重なるように、電子部品を取り囲むように配置されることが好ましい。このように配置される補強繊維として、電子部品が内側に配置可能なサイズの開口を有する繊維シートが好ましい。この開口形状は、電子部品の周辺を均一に補強する観点から、電子部品の外縁形状に対応させた形状とすることができる。また、この開口形状は、補強繊維と台座パターンとの重なり幅を電子部品の周囲にわたって均一にする観点から、台座パターンの外縁形状に対応させた形状とすることができる。
【0036】
図1に示すように、補強絶縁層110を貫通するビア112は、基板上面側の上端径が基板下面側の下端径より小さいことが好ましい。補強繊維111が配置された側のビア径が小さいため、高密度な接続が可能になるだけでなく、補強繊維と接触しにくくなり、隣接する他の導電部との繊維ブリッジによる絶縁不良を低減でき、絶縁信頼性を高めることができる。
【0037】
本実施形態において、補強絶縁層110の上面側に配置された配線(下面側コア配線123)は、コア絶縁層121の下面平面上に設けられたものであり、補強絶縁層110に覆われた結果、当該配線の側面および下面が補強絶縁層110に接している。すなわち、この配線123は、コア絶縁層121側ではなく、補強絶縁層110側に埋め込まれている。このため、配線123と補強繊維111とが近づき、補強効果を高めることができる。また、台座パターン102は補強絶縁層110に覆われた結果、当該台座パターンの側面と上面が補強絶縁層110に接している。すなわち、台座パターン102は、ベース絶縁層101側ではなく、補強絶縁層110側に埋め込まれている。このため、台座パターン102と補強繊維111とが近づき、補強効果を高めることができる。
【0038】
図7に示すように、下面側コア配線123は、その下面がコア絶縁層121と同一平面内もしくは窪む位置にあってもよい。下面側コア配線123は、コア絶縁層121と補強絶縁層110との境界平面よりコア絶縁層121側へ配置されているため、補強絶縁層110側へ配置されている図1に示す構造に比べて、補強繊維111と下面側コア配線123との間隔を大きくとることができ、その分だけ、薄型化に有利となる。
【0039】
このような下面側コア配線123を含むコア配線構造層120は、例えば次のようにして形成することができる。まず、銅等の金属からなる支持基板上に所定の配線パターンに対応する開口パターンを持つレジストマスクを形成する。次に、メッキ法によりこの開口パターン内に導電層を形成する。レジストマスクを除去することにより、この導電層からなる配線(下面側コア配線123に相当)が形成される。次に、この配線が形成された支持基板上に絶縁層(コア絶縁層121に相当)を設ける。次に、この絶縁層に、配線に達するビアホールを形成する。次に、この絶縁層上に、ビアホール内を充填するように導電層を形成し、この導電層をパターニングして配線(上面側コア配線122に相当)を形成する。その後、エッチング又は研磨により支持基板を除去し、結果、コア配線構造層120に好適な配線構造体を得ることができる。この配線構造体を用い、後述の製造方法に従って図7に示す配線基板を得ることができる。
【0040】
補強繊維は、埋め込み絶縁層130中に設けられていてもよい。また、補強繊維は、コア絶縁層121中に設けられていてもよい。補強繊維が、埋め込み絶縁層およびコア絶縁層の両方に設けられている場合の例を図6(c)に示す。また、補強繊維はベース絶縁層101中に設けられていてもよい。これらの補強繊維は、補強絶縁層110に設けられる補強繊維111と同様なものを用いることができる。
【0041】
本実施形態の配線基板には、電子部品として、半導体素子(LSI等のICチップ)を内蔵することができる。半導体素子に含まれる半導体基板は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム(GaN)、炭化珪素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、その他の化合物半導体(II−VI族化合物、III−V族化合物、VI族化合物)、ダイアモンド等からなる基板を用いることができるが、これらに限定されない。本実施形態の半導体素子として、シリコン基板を用いたLSIチップを好適に用いることができる。半導体素子の平面形状が正方形や矩形(長方形)等の多角形の場合、加工精度や小型化等の点から、一辺が0.5mm〜22mm、周長が2mm〜88mmのものを用いることができる。半導体素子の厚みは、5〜400μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。例えば、半導体素子の厚みは50μmに設定でき、サイズは10mm角に設定できる。
【0042】
また、電子部品として、コンデンサ、抵抗、ダイオード、インダクタ、フィルタ等のチップ部品を内蔵することもできる。チップ部品の平面形状が正方形や矩形等の多角形の場合、加工精度や小型化等の点から、一辺が0.1mm〜2mm、周長が1mm〜8mmのものを用いることができる。チップ部品の厚みは、30〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。例えば、チップ部品の厚みは50μmに設定でき、サイズは、1.0×0.5mm、0.6×0.3mm、0.4×0.2mmに設定することができる。
【0043】
本実施形態の配線基板は、複数の電子部品を内蔵してもよく、複数の半導体素子を内蔵する形態、複数のチップ部品を内蔵する形態、および少なくとも一つの半導体素子と少なくとも一つのチップ部品を内蔵する形態をとることができる。
【0044】
複数の電子部品を内蔵する配線基板の例を図2及び図3に示す。
【0045】
図2に示す構造は、ベース絶縁層101上に複数の台座パターン102が設けられ、各台座パターン上に電子部品が設けられている場合の例である。図3に示す構造は、一つの台座パターン102上に複数の電子部品が設けられている場合の例である。図中の符号200aは電子部品として半導体素子を示し、符号200bは電子部品としてチップ部品を示す。図2に示す構造では、各台座パターンの外縁と重なるように補強繊維が設けられ、各電子部品の周囲に補強繊維が配置されている。図3に示す構造では、複数の電子部品が搭載された台座パターンの外縁と重なるように補強繊維が設けられ、電子部品間には補強繊維が配置されていない。電子部品間に補強繊維が配置されていても構わない。
【0046】
本実施形態の配線基板は、第1配線141aとして、電子部品の上面から周辺領域へ延在するファンアウト配線を設けることができる。これにより、電子部品が半導体素子である場合、半導体素子内のピッチに対して十分に拡大したピッチで配線構造や外部端子を形成できる。その結果、より高密度な半導体素子を内蔵することができ、また接続信頼性を高めることができる。
【0047】
本実施形態におけるベース絶縁層101、補強絶縁層110、コア絶縁層121及び埋め込み絶縁層130の材料としては、それぞれ、通常のビルドアップ基板に使用されている絶縁材料を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂が挙げられる。補強絶縁層110には、前述の補強繊維が含まれる。他の絶縁層には、基板剛性の点からは補強繊維を含むことが望ましく、微小径ビアを形成する点からは補強繊維を含まないことが望ましい。
【0048】
本実施形態における接着層103の材料としては、電子部品がベース絶縁層101上に所望の強度で固定できれば特に制限はないが、例えば、ダイアタッチメントフィルム(DAF)と呼ばれる半硬化樹脂や、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)などの樹脂ペースト、あるいは銀ペーストなどを用いることができる。
【0049】
コア配線構造層120、第1配線構造層140及び第2配線構造層150は、通常のプリント配線板製造技術を用いて形成することができ、特にインターポーザ基板の形成に適用されるビルドアップ法を用いて好適に形成できる。
【0050】
これらの配線構造層に含まれる配線は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等により形成できる。セミアディティブ法は、無電解めっき法、スパッタ法、CVD法等で給電層を形成した後、所望のパターンに開口されたレジストを形成し、レジスト開口部内に電解めっき法により金属を析出させ、レジストを除去した後に給電層をエッチングして所望の配線パターンを得る方法である。サブトラクティブ法は、基板又は絶縁層上に設けられた銅箔上に所望のパターンのレジストを形成し、不要な銅箔をエッチングした後に、レジストを剥離して所望のパターンを得る方法である。フルアディティブ法は、基板又は絶縁層上に無電解めっき触媒を吸着させた後に、所望のパターンのレジストを形成し、このレジストを絶縁膜として残したまま触媒を活性化し、無電解めっき法によりレジスト絶縁膜の開口部に金属を析出させることで所望の配線パターンを得る方法である。
【0051】
配線の厚みは、抵抗の観点から3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましく、他方、加工性や薄型化の観点から40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
【0052】
これらの配線の材料としては、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、およびパラジウムからなる群から選択される1種又は2種以上からなる金属材料を使用することができる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から、銅が望ましい。例えば、厚さ約10μmの銅からなる配線をセミアディティブ法により形成することができる。
【0053】
これらの配線構造層の絶縁層の材料としては、樹脂絶縁材料を好適に用いることができ、例えば、感光性又は非感光性の有機材料を用いて形成できる。このような材料としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂が挙げられる。また、ガラスクロスやアラミド繊維などからなる織布や不織布等の補強繊維にそれらの樹脂を含浸させた複合材料、無機フィラーや有機フィラーを含むそれらの樹脂、さらにケイ素樹脂(シリコーン樹脂)が挙げられる。例えば、配線との密着性を高めるため、表面に十分な凹凸を形成する観点から、例えば凹凸形成に有利なフィラーを含むエポキシ樹脂を用いることができる。
【0054】
絶縁層の厚みは、絶縁信頼性やインピーダンス整合の観点から10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、他方、薄型化の観点から200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。例えば20μmに設定することができる。各配線構造層において配線と交互に設けられた絶縁層の厚さとは、下層側の配線の下面に接する絶縁層の上面から上層側の配線の下面に接する絶縁層の上面にいたる厚み方向(基板平面に垂直方向)に沿った長さとする。
【0055】
これらの配線構造層の絶縁層は、例えば、トランスファーモールディング法、圧縮形成モールド法、印刷法、真空プレス法、真空ラミネート法、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、フォトリソグラフィー法を用いて形成することができる。例えば、フィラーを含むエポキシ樹脂を用いて真空ラミネート法で良好に形成することができる。感光性材料を用いた場合、フォトリソグラフィー法によりビアホールを形成することができる。非感光性の材料や、感光性であってもパターン解像度が低い有機材料を用いた場合、ビアホールはレーザ、ドライエッチング法、ブラストなどにより形成できる。
【0056】
以上に説明した配線基板には、いずれかの配線構造層内に、回路のノイズフィルターの役割を果たすLCR素子が設けられていてもよい。コンデンサを構成する誘電体材料としては、酸化チタン、酸化タンタル、Al23、SiO2、ZrO2、HfO2、Nb25等の金属酸化物;BST((Bax,Sr1-x)TiO3)、PZT(Pb(Zrx,Ti1-x)O3、PLZT((Pb1-y,Lay)(Zrx,Ti1-x)O3)等のペロブスカイト系材料(0<x<1、0<y<1);SrBi2Ta29等のBi系層状化合物が好ましい。また、コンデンサを構成する誘電体材料として、無機材料や磁性材料を混合した有機材料等を使用してもよい。
【0057】
以下、本発明の配線基板の製造方法について説明する。
【0058】
図4〜図6に、本実施形態の配線基板の製造方法を説明するための模式的断面図を示す。
【0059】
まず、支持基板100上にベース絶縁層101が設けられた基板を用意する。このベース絶縁層101上に、通常のビルドアップ法に用いられるセミアディティブ法又はフルアディティブ法により台座パターン102を形成する(図4(a))。支持基板としては、金属板(銅、銅合金、アルミ、ステンレスなど)や、ガラス板、セラミック板、Siウエハが挙げられる。特に銅合金を好適に用いることができる。
【0060】
次に、図4(b)に示すように、台座パターン102上に接着層を介して電子部品200を設ける。
【0061】
次に、図4(c)に示すように、電子部品200が設けられた基板上に、補強絶縁層110、コア配線構造層120、埋め込み絶縁層130及び保護層201をこの順で重ね合わせる。
【0062】
補強絶縁層110は、ガラスクロス等の補強繊維を含む熱硬化性樹脂からなる半硬化状態の樹脂シートであり、電子部品200を内側に配置できる開口が設けられている。この開口の形成の際に補強繊維にも開口が形成される。この樹脂シートは、その開口内に電子部品が配置され、且つその開口全体が台座パターンの外縁の内側に位置するように配置する。その際、補強繊維の開口の周囲端部と台座パターンの外縁とが所定のサイズで重ねることができるように、開口のサイズ及び台座パターンのサイズを設定しておく。補強絶縁層の厚みは、その硬化後の補強絶縁層の上面が台座パターン上に設けられた電子部品の上面より低くなるように設定することが好ましい。これにより、コア配線構造層120を電子部品の周囲に配置でき、配線基板の薄型化を図ることができる。
【0063】
コア配線構造層120は、通常のプリント配線板製造技術を用いて予め所望の配線構造を形成したものを用いることができる。この配線構造層には、電子部品200が内側に配置できる開口を設けておく。コア配線構造層のコア絶縁層は、硬化後の樹脂絶縁層を用いることができ、配線基板の剛性向上の点から補強繊維等の補強材を含んでいてもよいし、微細ビア等の形成の点から補強材を含んでいなくてもよい。コア配線構造層120は、その開口内に電子部品が配置されるように、補強絶縁層110上に重ね合わせる。
【0064】
埋め込み絶縁層130は、熱硬化性樹脂からなる半硬化状態の樹脂シートであり、配線基板の剛性向上の点から補強繊維等の補強材を含んでいてもよいし、微細ビア等の形成の点から補強材を含んでいなくてもよい。この埋め込み絶縁層は、電子部品を覆うように、コア配線構造層120上に重ね合わせる。
【0065】
保護層201は、通常のプリント配線板製造技術に用いられるものを用いることができ、例えば、Cu箔や耐熱フィルムが挙げられる。
【0066】
上記のように積層した後、通常の真空プレス法により加熱処理を行う。この真空プレス法に代えて、通常のラミネート法による加熱圧着処理を行ってもよい。この熱圧着処理により、層間が圧着されるとともに、図4(d)に示すように、補強樹脂層の樹脂および埋め込み絶縁層の樹脂が流動化し、電子部品の周囲の隙間に充填され、硬化する。
【0067】
次に、図5(a)に示すように、支持基板100及び保護層201を除去する。支持基板が銅合金で形成され、保護層が銅箔で形成されている場合は、同時にウェットエッチングにより除去することができる。保護層の除去と支持基板の除去は別々に行ってもよい。また、保護層201を除去し、後述の下地絶縁層131を形成した後に、支持基板を除去してもよい。
【0068】
次に、図5(b)に示すように、埋め込み絶縁層130上に、真空プレス法又はラミネート法により下地絶縁層131を形成する。この下地絶縁層は、スピンコート法や印刷法によって形成することもできる。この下地絶縁層の材料は、前述の通常のビルドアップ基板に使用されている絶縁材料を用いることができる。この下地絶縁層は、必要に応じて設けることができるものであり、この下地絶縁層を設けないで、次の工程を実施してもよい。
【0069】
次に、図5(c)に示すように、レーザ法により、ビアを形成するためのホールを形成する。基板上面側からは、コア配線構造層の上面側配線に達するホール161a、電子部品の端子に達するホール161cを形成する。基板下面側からは、コア配線構造層の下面側配線に達するホール161bを形成する。基板下面側から、ホールを形成することにより、コア配線構造層側のホール上端径が、基板下面側のホール下端径より小さいホールを形成することができる。このホール内にビアを形成することにより、コア配線構造層側のビア上端径が基板下面側のビア下端径より小さいビアを形成できる。これらのホールは、レーザ法に代えて、フォトリソグラフィー法、ブラスト法、エッチング法などに形成することができる。
【0070】
次に、図5(d)に示すように、通常のビルドアップ法に用いられているセミアディティブ法やサブトラクティブ法により、ホールを充填するとともに配線141a、151aを形成する。ホールは、所望の電気的接続経路が形成されていれば、充填されていなくてもよい。ホールを、導電性ペースト等の導電性材料で充填した後、配線を形成してもよい。
【0071】
補強繊維を含まない埋め込み絶縁層を用いた場合、電子部品の端子とその上層側の配線との接続は、次のようにして形成することもできる。予め電子部品の端子上にバンプを形成し、このバンプが形成された電子部品上に埋め込み絶縁層を形成し、バンプ上の絶縁層(埋め込み絶縁層)を除去してバンプ上面を露出させる。そして、このバンプに接続するように配線を形成する。
【0072】
次に、図5(e)に示すように、真空プレス法又はラミネート法により、絶縁層142a、152aを形成する。これらの絶縁層は、スピンコート法や印刷法によって形成することもできる。これらの絶縁層の材料は、前述の通常のビルドアップ基板に使用されている絶縁材料を用いることができる。
【0073】
次に、図6(a)に示すように、レーザ法により、ビアを形成するためのホールを形成する。基板上面側からは、配線141aに達するホール162aを形成する。基板下面側からは、配線151aに達するホール162bを形成する。これらのホールは、レーザ法に代えて、フォトリソグラフィー法、ブラスト法、エッチング法などに形成することができる。
【0074】
次に、図6(b)に示すように、通常のビルドアップ法に用いられているセミアディティブ法やサブトラクティブ法により、ホールを充填するとともに配線141b、151bを形成する。ホールは、所望の電気的接続経路が形成されていれば、充填されていなくてもよい。ホールを、導電性ペースト等の導電性材料で充填した後、配線を形成してもよい。
【0075】
次に、図6(c)に示すように、ソルダーレジスト層142b、152bを通常の方法に従って形成する。配線の露出部分は端子として利用できる。この露出部分に、通常の方法に従って半田材料を設けてバンプを形成してもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 支持基板
101 ベース絶縁層
102 台座パターン
103 接着層
110 補強絶縁層
111 第1補強繊維
112 ビア
120 コア配線構造層
121 コア絶縁層
122 上面側コア配線
123 下面側コア配線
124 ビア
130 埋め込み絶縁層
131 下地絶縁層
140 第1配線構造層
141a 第1配線
141b 第1配線
142a 第1絶縁層
142b 保護絶縁層(ソルダーレジスト層)
150 第2配線構造層
151 第2配線
151a 第2配線
151b 配線
152 保護絶縁層(ソルダーレジスト層)
152a 第2絶縁層
152b ソルダーレジスト層
161a ホール
161b ホール
161c ホール
162a ホール
162b ホール
200 電子部品
200a 半導体素子
200b チップ部品
201 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース絶縁層と、
前記ベース絶縁層の上面側に設けられた台座パターンと、
前記台座パターン上に設けられた電子部品と、
前記ベース絶縁層の上面側に設けられ、前記電子部品の外周を取り囲む補強絶縁層と、
前記電子部品が内側に配置された開口を持つコア絶縁層と該コア絶縁層の上面側のコア配線と該コア絶縁層の下面側のコア配線を含み、前記補強絶縁層上に設けられたコア配線構造層と、
前記電子部品を埋め込むように前記コア配線構造層上に設けられた埋め込み絶縁層と、
前記電子部品と電気的に接続され、前記埋め込み絶縁層上に設けられた第1配線と、
前記ベース絶縁層の下面側に設けられた第2配線と、を含む配線基板であって、
前記台座パターンの外縁は、前記電子部品の外縁より外側に位置し、
前記補強絶縁層は、第1補強繊維を含み、該第1補強繊維は、前記台座パターンの外縁より外側の周辺領域から該台座パターンの外縁の直上にわたって配置されている、配線基板。
【請求項2】
前記第1補強繊維は、前記電子部品が内側に配置された開口を持つ繊維シートであり、該繊維シートの開口の周囲端部が前記台座パターンの外縁の直上に配置されている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記ベース絶縁層上に複数の台座パターンが設けられ、
各台座パターン上に電子部品が設けられている、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記台座パターン上に複数の電子部品が設けられている、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項5】
前記電子部品として、半導体素子を内蔵する、請求項1から4のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記電子部品として、チップ部品を内蔵する、請求項1から4のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
前記電子部品として、半導体素子とチップ部品を内蔵する、請求項3に記載の配線基板。
【請求項8】
前記電子部品として、半導体素子とチップ部品を内蔵する、請求項4に記載の配線基板。
【請求項9】
前記チップ部品は、コンデンサ、抵抗、ダイオード、インダクタ及びフィルタから選ばれる、請求項6から8のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項10】
前記コア配線構造層は、前記コア絶縁層を貫通し前記上面側コア配線と前記下面側コア配線とを接続するビアを含み、
前記上面側コア配線は、前記埋め込み絶縁層を貫通するビアを介して前記第1配線と電気的に接続され、
前記下面側コア配線は、前記補強絶縁層を貫通するビアを介して前記第2配線と電気的に接続されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項11】
前記補強絶縁層を貫通するビアは、基板上面側の上端径が基板下面側の下端径より小さい、請求項10に記載の配線基板。
【請求項12】
前記下面側コア配線は、その下面が前記コア絶縁層の下面より突出した位置にある、請求項1から11のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項13】
前記下面側コア配線は、その下面が前記コア絶縁層の下面と同一平面内にある、請求項1から11のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項14】
前記第1補強繊維は、ガラス繊維である、請求項1から13のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項15】
前記埋め込み絶縁層は、第2補強繊維を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項16】
前記コア絶縁層は、第3補強繊維を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項17】
前記第1配線を覆う保護絶縁膜を有し、
前記保護絶縁膜は開口を有し、該開口内の前記第1配線の露出部からなる外部端子、または該開口に設けられた導電部からなる外部端子を備えた、請求項1から16のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項18】
前記埋め込み絶縁層上に交互に設けられた配線と絶縁層を含む第1配線構造層を有し、
最上層側の絶縁層に開口を有し、該開口内の配線の露出部からなる外部端子、または該開口に設けられた導電部からなる外部端子を備えた、請求項1から16のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項19】
前記第2配線を覆う保護絶縁膜を有し、
前記保護絶縁膜は開口を有し、該開口内の前記第2配線の露出部からなる外部端子、または該開口に設けられた導電部からなる外部端子を備えた、請求項1から18のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項20】
前記ベース絶縁層の下面側に交互に設けられた配線と絶縁層を含む第2配線構造層を有し、
最下層側の絶縁層に開口を有し、該開口内の配線の露出部からなる外部端子、または該開口に設けられた導電部からなる外部端子を備えた、請求項1から18のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項21】
支持基板上のベース絶縁層上に、電子部品の搭載側の面より広い台座パターンを形成する工程と、
前記台座パターン上に、該台座パターンの外縁より内側に配置されるように前記電子部品を搭載する工程と、
前記台座パターンの外縁より内側に配置でき且つ前記電子部品を内側に配置できる開口を有し、第1補強繊維を含む補強絶縁層を用意する工程と、
前記電子部品を内側に配置できる開口を持つコア絶縁層と該コア絶縁層の上面側のコア配線と該コア絶縁層の下面側のコア配線を含むコア配線構造層を用意する工程と、
前記補強絶縁層を、その開口の内側に前記電子部品が配置され、且つ前記第1補強繊維が前記台座パターンの外縁より外側の周辺領域から該台座パターンの外縁の直上にわたって配置されるように、前記ベース絶縁層上に重ねる工程と、
前記コア配線構造層を、その開口の内側に前記電子部品が配置されるように前記補強絶縁層上に重ねる工程と、
前記電子部品を覆うように前記補強絶縁層上に埋め込み絶縁層を重ねる工程と、
加熱を行って前記補強絶縁層および前記埋め込み絶縁層を流動化させ前記電子部品の周囲の隙間を充填し、硬化させるとともに、前記ベース絶縁層、前記補強絶縁層、前記コア配線構造層および前記埋め込み絶縁層を圧着する工程と、
前記埋め込み絶縁層上に、第1配線を形成する工程と、
前記第1配線を形成する前または後に前記支持基板を除去する工程と、
前記ベース絶縁層の下面側に、第2配線を形成する工程を含む、配線基板の製造方法。
【請求項22】
前記台座パターンを複数設け、各台座パターン上に電子部品を搭載する、請求項21に記載の配線基板の製造方法。
【請求項23】
前記台座パターン上に複数の電子部品を搭載する、請求項21に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−69863(P2012−69863A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215256(P2010−215256)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000236931)株式会社トッパンNECサーキットソリューションズ (54)
【Fターム(参考)】