説明

配線部材

【課題】配線部材において、導電性粒子を含有したインクで形成した配線の電気接続の信頼性を向上することができるようにする。
【解決手段】配線部材1において、樹脂製の基材部3と、基材部3にインサート成形された導電性部材4と、基材部3上に導電性粒子を含有したインクで印刷して形成され、導電性部材4と電気的に接続された配線5と、を備え、配線5は、導体パターンを形成する配線本体部5aと、配線本体部5aと導電性部材4とを電気的に接続し、配線本体部5aの厚さより厚く形成された接続部5bと、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属ナノ粒子などの導電性粒子を溶媒に分散させた導電性粒子含有インクを用いて、基材上に回路や電極などの導体パターンを形成した配線部材が提案されている。このような配線部材は、例えば、インクジェットやスクリーン印刷、転写などによって基材に導電性粒子含有インクを塗布し、配線を形成する導体パターンを描画し、この基材を加熱炉などにより所定温度で所定時間加熱し、導電性粒子含有インクを焼成して製造される。
例えば、特許文献1には、基材へ形成したスルーホールに液滴吐出法(インクジェット方式)で導電性粒子を含有した液滴を塗布し加熱処理することで、スルーホール内にも導電層を形成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−183847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の配線部材には、以下のような問題があった。
特許文献1では、基材としてフレキシブル基板のような薄い基材が採用されているが、高アスペクト比のスルーホールを有するような厚い基材の場合には、スルーホール内に塗布された導電性粒子含有インクの乾燥時の体積収縮によって、スルーホール内での断線が起こりやすくなるという問題がある。
また、インクを適宜厚さごとに乾燥させる積層塗布を行ってスルーホールの高さに対応させることも考えられるが、製造に時間がかかるため、あまり厚い基材には対応できないという問題がある。
一方、このようなスルーホールでの断線を防止するため、基材のスルーホールに金属製の導電性部材をインサート成形し、この導電性部材と電気的な接続をとるように、導電性粒子含有インクを描画することも考えられる。
しかし、この場合、焼成によって形成される導電性粒子層および導電性部材と、樹脂製の基材とは、熱膨張率が大きく異なるため、焼成時の熱膨張によって導電性粒子層に応力が集中してクラックが発生するおそれがある。したがって、導電性部材との導電性粒子層との接続部位で断線して接続不良が発生したり、接続部位での電気接続の信頼性が低下したりしてしまうおそれがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、導電性粒子を含有したインクで形成した配線の電気接続の信頼性を向上することができる配線部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、配線部材において、樹脂製の基材部と、該基材部にインサート成形された導電性部材と、前記基材部上に導電性粒子を含有したインクで印刷して形成され、前記導電性部材と電気的に接続された配線と、を備え、該配線は、導体パターンを形成する配線本体部と、該配線本体部と前記導電性部材とを電気的に接続し、前記配線本体部の厚さより厚く形成された接続部と、を有する構成とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の配線部材において、前記基材部は、該基材部の表面に前記導電性部材の軸方向端部を囲んだ凹部を備え、前記接続部は、前記凹部に形成される構成とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の配線部材において、前記接続部の厚さが、前記導電性部材に向かうにつれて増大している構成とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項2または3のいずれか1項に記載の配線部材において、前記導電性部材は、前記凹部の外側に突き出さない範囲で、前記凹部の内部側に突出して設けられた構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の配線部材によれば、配線における配線本体部の厚さより厚く形成された接続部によって配線本体部と導電性部材とを電気的に接続するため、導電性粒子を含有したインクで形成した配線の電気接続の信頼性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態の配線基材の概略構成を示す模式的な斜視図である。
【図2】図1のA部の詳細を示す平面図、およびそのB−B断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の配線部材に用いる配線用基材の模式的な平面図、およびそのC−C断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の配線部材の作用について説明する熱応力解析の解析条件を示す模式的な斜視図、および各解析例の断面構造を示すD−D断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の配線部材の作用について説明する応力分布図である。
【図6】比較例の配線部材の応力分布図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の配線部材の主要部の構成を示す模式的な平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の配線部材の概略構成を示す模式的な断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の配線部材の作用について説明する解析例の断面構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の配線部材の作用について説明する応力分布図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の変形例(第2変形例)の配線部材の主要部の構成を示す模式的な平面図、およびそのE−E断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の配線部材の概略構成を示す模式的な斜視図、およびそのF−F断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材等には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0013】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の配線部材について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の配線基材の概略構成を示す模式的な斜視図である。図2(a)は、図1のA部の詳細を示す平面図である。図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態の配線部材に用いる配線用基材の模式的な平面図である。図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。
なお、各図面は模式図のため、寸法や形状は誇張されている(以下の図面も同じ)。
【0014】
本実施形態の配線部材1は、図1に示すように、樹脂製の基材部3の2箇所にインサート成形された金属製の導電性部材4を含む板状に形成された配線用基材2と、配線用基材2の基材部3の一方の板面である基板面3aに形成された配線5と、他方の板面である基板面3dに形成された配線6A、6Bとを備え、これら配線5、6A、6Bが、導電性部材4と電気的に接続された両面基板である。
配線用基材2の外形は、配線部材1を取り付ける装置の取り付け形状等に応じて、適宜の形状を採用することができる。ただし、以下では、一例として、図1に示すような矩形形状として説明する。
また、配線用基材2の厚さは、基材部3に後述する凹部3bを形成し、導電性部材4をインサート成形できる厚さであれば、特に限定されない。
【0015】
基材部3の材質としては、導電性部材4をインサート成形可能であって、後述する焼成時の温度に耐える耐熱性を有する適宜の合成樹脂材料を採用することができる。本実施形態では、一例として、ポリエチレン樹脂を採用している。
【0016】
導電性部材4は、基板面3a、3d間に導電路を形成する棒状部材である。本実施形態では、一例として、基材部3の板厚と同等もしくは板厚より短い長さを有する直径100μmの棒状の銅線を採用している。
本実施形態では、図2(b)に示すように、導電性部材4の軸端面4aが、基板面3aと整列するか、もしくは内側に引っ込んだ位置に配置されている。また、軸端面4aと反対側の軸端面4bは、基板面3dと整列するか、もしくは内側に引っ込んだ位置に配置されている。このように本実施形態では、導電性部材4が、基材部3の基板面3a、3dから突出しないようになっている。
導電性部材4において、凹部3bに突出した外周面を除く外周面は、インサート成形によって基材部3と密着されている。このため、基材部3の内部には、導電性部材4の外周面と密着する円筒孔状の保持部3cが板厚方向に貫通して形成されている。
【0017】
また、導電性部材4が設けられた基材部3には、その基材部3の表面(基板面3a(3d))に導電性部材4の軸方向端部を囲んで、導電性部材4の直径よりも大径に開口する凹部3bがそれぞれ設けられている。
本実施形態では、凹部3bの形状は、基板面3a(3d)における開口から導電性部材4の外周側面に向かって斜め内側に傾斜するテーパ状としている。
凹部3bの深さは、後述する熱応力解析を行うなどして、焼成時の熱応力や、配線部材1の使用時に想定される外力負荷による応力に耐える強度が得られる深さにすればよい。
凹部3bの好適な寸法の一例としては、導電性部材4の直径が100μmの場合、例えば、開口径が直径200μm、最深部の深さが50μm、テーパ角θが45度を挙げることができる。
【0018】
配線5は、2箇所の導電性部材4に電気的に接続する導電性のパターンを構成するもので、基板面3aに導電性粒子を含有したインクで印刷されたのちに乾燥し、加熱炉で焼成処理を行って形成されている。
本実施形態では、配線5は、基板面3a上で適宜の導体パターンを形成する配線本体部5aと、配線本体部5aの端部を各導電性部材4と電気的に接続するため、導電性部材4上およびその周辺において、平面視円状に形成された接続部5bとから構成されている。
配線本体部5aは、図1に示すように、導体パターンの一例として矩形波状の繰り返しパターンが形成されている。ただし、配線本体部5aの導体パターンは、このパターンには限定されず、印刷可能な適宜の導体パターンを採用することができる。
すなわち、配線本体部5aのパターン形状は、本実施形態のように、パターンが閉じて電気回路を構成する形状であってもよいし、例えば、リード線、電子回路素子、電気接点、コネクタ端子などの他の電気部材と接続するランド部や電極などのように、開放されたパターンでもよい。
また、配線本体部5aは、基材部3を貫通するスルーホールの開口周辺や、エッジ部に形成されていてもよい。
配線本体部5aの線幅および線厚さは、導体パターンの必要に応じて適宜設定することができる。本実施形態では、一例として、線幅は50μm、線厚さは40μmとしている。
【0019】
接続部5bは、図2(a)、(b)に示すように、基材部3の凹部3bにおいて、導電性部材4を覆って電気的に接続する配線部分であり、基板面3aと凹部3bとの境界位置で、配線本体部5aに連続して接続されている。
本実施形態では、接続部5bの基板面3aからの高さは、配線本体部5aの基板面3aからの高さと揃えられている。
このため、接続部5bの厚さは導電性部材4の外周側において配線本体部5aの厚さより厚く形成されており、かつ、導電性部材4に向かうにつれて厚さが増大されている。また、軸端面4a上の厚さは、配線本体部5aと同一またはわずかに厚く形成されている。
【0020】
配線6A、6Bは、2箇所の導電性部材4に電気的に接続する独立した導体パターンを構成するもので、基板面3dに導電性粒子を含有したインクで印刷されたのちに乾燥し、加熱炉で焼成処理を行って形成されている。
配線6A、6Bの形状は、互いに異なっていてもよいが、以下では簡単のため、同一形状を有するものとして説明する。
本実施形態では、配線6A(6B)は、真直帯状のパターンが基材部3のエッジまで延ばされた配線本体部6aと、配線本体部6aの端部を導電性部材4と電気的に接続するため、導電性部材4上およびその周辺に形成された平面視円状の接続部6bとから構成されている。
配線本体部6aは、配線本体部5aと同様、適宜の線幅、線厚さで形成することができる。本実施形態では、一例として、線幅は80μm、線厚さは40μmとしている。
【0021】
接続部6bは、接続部5bと同様の形状に形成されている。すなわち、基材部3の凹部3b’において、導電性部材4を覆って電気的に接続する配線部分であり、基板面3dと凹部3b’との境界位置で、配線本体部6aに連続して接続されている。
本実施形態では、接続部6bの基板面3dからの高さは、配線本体部6aの基板面3dからの高さと揃えられている。このため、接続部6bの厚さは配線本体部6aの厚さより厚く形成されており、かつ、導電性部材4に向かうにつれて厚さが増大されている。
【0022】
このような構成の配線部材1を製造するには、まず、金型を用いて導電性部材4をインサート成形した配線用基材2を形成する。
このとき、図3(a)、(b)に示すように、導電性部材4の軸端面4a側の外周部に凹部3bが形成される。また、特に図示しないが、導電性部材4の軸端面4b側の外周部にも凹部3bが形成される。
本実施形態の配線用基材2では、軸端面4a、4bはそれぞれ基板面3a、3dから突出しないようになっている。
【0023】
次に、基板面3a(3d)上に、導電性粒子を含有したインクで配線本体部5a(6a)、接続部5b(6b)を印刷し、乾燥させる。
導電性粒子を含有したインクとしては、例えば、銀微粒子、金微粒子、銅微粒子などの金属微粒子を、加熱により分解される有機膜等の分散剤で覆い、溶媒中に分散させた金属含有インクを採用することができる。
本実施形態では、一例として、銀微粒子を含む銀含有インクを用いてインクジェット装置によりパターンを描画する。
【0024】
接続部5b(6b)を描画する際は、銀含有インクの吐出量を増やしたり、描画速度を下げたりして、凹部3b(3b’)上に吐出された銀含有インクの液滴高さを調整する。凹部3b(3b’)における液滴高さは、乾燥による体積収縮を考慮して、基板面3a(3d)からの乾燥時の高さが、配線本体部5a(6a)と接続部5b(6b)とで略同一高さとなるように設定する。
本実施形態では、軸端面4a(4b)が、基板面3a(3d)と略同一高さに整列されているため、軸端面4a(4b)上の接続部5b(6b)の厚さは、基板面3a(3d)上の配線本体部5a(6a)の線厚さと略等しくなっている。
このようにして、銀含有インクによって、凹部3b(3b’)が埋められるとともに、導電性部材4の軸端部が覆われる。
【0025】
このように、本実施形態で描画される銀含有インクは、導電性部材4の外周面と凹部3bとで囲まれた円環状の領域で、わずかに相対的な厚肉になるのみであり、この厚肉部での厚さの変化も、導電性部材4に近づくにつれて徐々に変化している。
このため、導電性部材4に相当する導電路を、すべて銀含有インクによって形成する場合に比べると、銀含有インクの乾燥による体積収縮は格段に少ない。したがって、乾燥時の体積収縮の影響によって、クラックが発生することを防止することができる。
また、保持部3cに相当する空間に銀含有インクを充填したり、充填過程において徐々に乾燥させたりする時間を要しないため、迅速に描画することができる。
【0026】
次に、本実施形態では、銀含有インクによって配線5、6A、6Bに対応するパターンが描画され、その後乾燥させた配線用基材2を、例えば加熱温度140℃の加熱炉に入れて30分加熱して、焼成処理を行う。
これにより、銀含有インク中の銀微粒子を覆う有機膜が消失する。この結果、銀微粒子同士、あるいは導電性部材4の表面に密着した銀微粒子と導電性部材4とが金属結合し、導電性微粒子層として形成された配線本体部5a(6a)、接続部5b(6b)が金属バルクとしての性質を持つようになる。
また、これと同時に、配線5、6A、6Bは、それぞれ接続部5b、6b、6bにおいて、導電性部材4の軸端部とも良好に密着し電気的に接続される。
このようにして、配線部材1が製造される。
【0027】
本実施形態の基材部3を構成するポリエチレンの線膨張係数は、10〜22×10−6−1であるのに対して、本実施形態の導電性部材4を構成する銅の熱膨張率は、線膨張係数は、17.7×10−6−1、また本実施形態の配線5等を形成する銀の線膨張係数は、19.7×10−6−1である。
このため、配線5等には、上記の焼成処理において、熱膨張率の差に応じて熱応力が作用する。
本実施形態では、配線本体部5a(6a)は、より厚肉の接続部5b(6b)を介して、導電性部材4に接続されているため、導電性部材4の近傍の熱応力が緩和され、熱応力による断線やクラックの発生を防止できる。
【0028】
この点について、以下に、熱応力の解析例を用いて説明する。
図4(a)は、本発明の第1の実施形態の配線部材の作用について説明する熱応力解析の解析条件を示す模式的な斜視図である。図4(b)、(c)は、各解析例の断面構造を示すD−D断面図である。図4(b)は、本実施形態の作用を説明する解析例であり、図4(c)は、比較例の解析例である。図5は、本発明の第1の実施形態の配線部材の作用について説明する応力分布図である。図6は、比較例の配線部材の応力分布図である
【0029】
解析モデルとしては、本実施形態に類似したモデルM1(図4(b)参照)と、比較例のモデルM2(図4(c)参照)を用いた。
なお、解析モデルは、解析結果の見通しがよくなりかつ考察がし易くなるように、配線5の形状そのものではなく、より対称性の強い形状に変形している。
図4(a)に示すように、モデルM1、M2とも共通して、1辺が5mm立方体形状のポリエチレン樹脂製の基材部13の中心に、直径100μmの円柱状の銅製の導電性部材14が貫通して設けられている。導電性部材14の軸端面14aは、導電性部材14が貫通する一方の表面Sと整列されている。
モデルM1の場合、基材部13には、導電性部材14の軸端面14aの外周に、上記の凹部3bと同様に開口径が直径200μm、最深部の深さが50μm、テーパ角θが45度の形状を有する凹部13bが形成されている。
このため、配線15として、凹部13b内に上記の接続部5bと同様な形状の接続部15bと、接続部15bの側方から線幅×線厚さが50μm×40μmの断面形状で直線状に延ばされた一対の配線本体部15aとを備えている。
モデルM2の場合、モデルM1から凹部13bを削除した形状とされている。すなわち配線25は、配線15の接続部15bに代えて、直径200μm、厚さ40μmの円板状の接続部25bを備える。配線15、25は、いずれも上記配線5と同様な銀製である。また、配線15、25は、連続体としてモデル化されている。
【0030】
拘束条件としては、図4(a)に示すように、モデルM1、M2共通で、一方の配線本体部15aと交差する側面Sと、側面Sに隣接する1つの側面Sとをミラー拘束し、側面S、Sと表面Sに対向する裏面Sとが交わる点Pを点拘束した。
解析条件としては、熱負荷として、25℃から100℃まで昇温を行い、有限要素法により熱平衡状態での熱応力解析を行った。
【0031】
解析結果は、モデルM1の場合を図5に、モデルM2の場合を図6に示す。各図とも、応力分布を、応力の小さい方から大きい方に向かって黒から白に徐変するグレースケールで表示している。なお、配線15、25が湾曲しているのは、基材部自体の熱変形である。また、図示上半分の灰色部は背景であり応力分布を図示したものではない。
【0032】
図5によれば、モデルM1の場合、互いの熱膨張の差が少ない導電性部材4と配線15との密着部分では応力の発生が少なく、熱膨張の差が大きい配線15と基材部13との密着部分で応力が大きくなっている。特に、配線本体部15aと接続部15bとの境界に基材部13が接触する位置(図示の点Q参照)の近傍で応力が大きい分布となっている。
一方、図6によれば、モデルM2の場合、軸端面14aに隣接する導電性部材14の外周部(図示の点Q参照)で最も応力が大きくなり、この近傍の接続部25bには、モデルM1の応力集中部位Qよりもさらに大きい応力集中部位が形成されていることが分かる。
【0033】
すなわち、モデルM1、M2とも、基材部13、導電性部材14、配線15、25の伸び量(熱膨張量)が異なるため、線膨張係数および体積が最も大きい基材部13の伸び変形によって、基材部13と導電性部材14と配線15、25との界面に沿ってせん断荷重が発生する。このとき、導電性部材14および配線15、25の線膨張係数は近似しているため、相互の相対的な伸び変形の差が少なく略一体的に変形する。
この結果、導電性部材14および配線15、25の内部には、それぞれの断面形状に応じて応力が発生する。
比較例のモデルM2では、凹部13bが削除され接続部25bに導電性部材14に向かって厚さが増大する形状が形成されていないため、軸端面14aの外周側における接続部25bとの接合部分に応力が集中している。
これに対して、モデルM1では、接続部15bの厚さが導電性部材14に向かって漸増しているため、モデルM2に比べて応力集中が緩和されている。
【0034】
このような熱応力解析結果から分かるように、本実施形態の接続部5bは、熱応力の集中を緩和することができる。また、同様の構成を有する接続部6bも同様な作用を有する。
このため、熱応力が発生する焼成処理時に配線5(6A、6B)にクラックが生じたり、配線5(6A、6B)が破断したりする不良の発生を防止することができる。
すなわち、配線部材1では、配線本体部5a(6a)の厚さより厚く形成された接続部5b(6b)によって配線本体部5a(6a)と導電性部材4とを電気的に接続するため、導電性粒子を含有したインクを用いて配線5(6A、6B)を形成しても、クラックや破断の発生を防止することができ、配線の電気接続の信頼性を向上することができる。特に、基板面3a、3d間の層間の電気接続を導電性部材4に代えて金属含有インクの印刷により導電路を形成する場合に比べて信頼性を格段に向上することができる。
また、接続部5b(6b)は、応力緩和作用があるため、配線部材1は、焼成処理時の熱変形におけるクラックの発生を防止できるのみならず、配線部材1に外力が作用した場合の電気接続の信頼性も向上できる。
【0035】
[第1変形例]
次に、本実施形態の変形例(第1変形例)の配線部材について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の配線部材の主要部の構成を示す模式的な平面図である。
【0036】
本変形例の配線部材1Aは、図1、7に示すように、上記第1の実施形態の配線部材1の導電性部材4、配線5に代えて、導電性部材4A、配線16を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】
導電性部材4Aは、図7に示すように、導電性部材4の長さを凹部3bの深さだけ短縮した棒状部材であり、軸端面4aが凹部3bの底面を構成する位置となるように、基材部3にインサート成形されている。
配線16は、上記第1の実施形態の配線5の接続部5bに代えて接続部16bを備える。
接続部16bは、配線本体部5aの端部を各導電性部材4Aと電気的に接続するため、導電性部材4A上およびその周辺において、導電性部材4Aの軸端面4aおよび凹部3bの内面を覆うように平面視円状に形成された配線部分である。接続部16bの基板面3aからの高さは、配線本体部5aの基板面3aからの高さと揃えられている。
このため、接続部16bの厚さは配線本体部5aの厚さより厚く形成されており、かつ、導電性部材4Aの外周に向かうにつれて厚さが増大され、軸端面4a上では一定の最大厚さを有する。
【0038】
本変形例の構成によれば、上記第1の実施形態と異なり、導電性部材4Aは接続部16bに貫入していない。しかし、導電性部材4Aと接続部16bとは、線膨張係数が近いため一体的な熱変形を示す。したがって、配線本体部5aから導電性部材4A側に向かう断面積の変化が上記第1の実施形態とまったく同様であるため、接続部16bの厚肉部も同様に応力緩和の作用を有する。
このため、熱応力が発生する焼成処理時に配線16にクラックが生じたり、配線16が破断したりする不良の発生を防止することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の配線部材について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の配線部材の概略構成を示す模式的な断面図である。
【0040】
本実施形態の配線部材1Bは、図1、8に示すように、上記第1の実施形態の配線部材1の基材部3、配線5に代えて、基材部3B、配線17を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0041】
基材部3Bは、上記第1の実施形態の基材部3の凹部3bを、凹部3eに代えたものである。
凹部3eは、円断面が凹部3bと同じ深さまで延ばされた円筒状の凹穴部である。本実施形態では、凹部3eの開口径は、凹部3bよりも小さい径に設定している。凹部3eの開口径は、例えば、直径150μmとしている。
配線17は、上記第1の実施形態の配線5の接続部5bに代えて接続部17bを備える。
接続部17bは、配線本体部5aの端部を各導電性部材4と電気的に接続するため、導電性部材4上およびその周辺において、導電性部材4の軸端面4aおよび凹部3eの内面を覆うように平面視円状に形成された配線部分である。接続部17bの基板面3aからの高さは、配線本体部5aの基板面3aからの高さと揃えられている。
このため、接続部17bの厚さは導電性部材4の外周側において配線本体部5aの厚さより厚い一定の厚さを有する。また、軸端面4a上の厚さは、接続部5bと同一またはわずかに厚く形成されている。
【0042】
本実施形態の構成によれば、上記第1の実施形態と異なり、凹部3eが一定の円断面を有する凹穴で構成されているため、配線本体部5aと接続部17bとの境界では、導電性部材4側に向かって階段状に厚さが増大している。
このため、接続部17b内では接続部5bと同様に応力緩和の作用がある。
【0043】
この点を検証するため、上記第1の実施形態と同様の熱応力解析を行った結果を示す。 図9は、本発明の第2の実施形態の配線部材の作用について説明する解析例の断面構造を示す断面図である。図10は、本発明の第2の実施形態の配線部材の作用について説明する応力分布図である。
【0044】
解析モデルとしては、図4(a)、図9に示すように、本実施形態に類似したモデルM3を用いた。
モデルM3は、上記モデルM1、M2と同様に、解析結果の見通しがよくなりかつ考察がし易くなるように、配線17の形状そのものではなく、より対称性の強い形状に変形している。
モデルM3では、基材部13には、導電性部材14の軸端面14aの外周に、上記の凹部3eと同様に開口径が直径150μm、深さが50μmの円筒穴状の凹部13eが形成されている。このため、配線35として、凹部13e内に上記の接続部17bと同様な形状の接続部35bと、一対の配線本体部15aとを備えている。
配線35の材質は、配線17と同様な銀としている。また、配線35は、連続体としてモデル化されている。
また、拘束条件、解析条件は、上記モデルM1と同様であり、図10のグレースケール表示は図5と同様である。
【0045】
図10によれば、モデルM3の場合、互いの熱膨張の差が少ない導電性部材4と配線35との密着部分では応力の発生が少なく、熱膨張率の差が大きい配線35と基材部13との密着部分で応力が高くなっている。特に、配線本体部15aと接続部35bとの境界に基材部13が接触する位置(図示の点Q参照)の近傍で応力が大きい分布となっている。
ただし、モデルM1と同様、比較例のモデルM2の最大の応力よりも小さい応力しか発生しておらず、モデルM1と同様に十分な応力集中の緩和作用が見られる。
【0046】
このような熱応力解析結果から分かるように、本実施形態の接続部17bは、熱応力の集中を緩和することができる。
このため、熱応力が発生する焼成処理時に配線17にクラックが生じたり、配線17が破断したりする不良の発生を防止することができる。
すなわち、配線部材1Bでは、配線本体部5aの厚さより厚く形成された接続部17bによって配線本体部5aと導電性部材4とを電気的に接続するため、導電性粒子を含有したインクを用いて配線17を形成してもクラックや破断の発生を防止することができ、配線の電気接続の信頼性を向上することができる。特に、基板面3a、3d間の層間の電気接続を導電性部材4に代えて金属含有インクの印刷により導電路を形成する場合に比べて信頼性を格段に向上することができる。
【0047】
本実施形態は、接続部の厚さが導電性部材に向かって漸増せず階段状に増大しても同様な応力緩和効果が得られることを示す例となっている。
【0048】
[第2変形例]
次に、本実施形態の変形例(第2変形例)の配線部材について説明する。
図11(a)は、本発明の第2の実施形態の変形例(第2変形例)の配線部材の主要部の構成を示す模式的な平面図である。図11(b)は、図11(a)におけるE−E断面図である。
【0049】
本変形例の配線部材1Cは、図1、図11(a)、(b)に示すように、上記第2の実施形態の配線部材1Bの基材部3B、導電性部材4、配線17に代えて、基材部3C、導電性部材4C、配線18を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0050】
基材部3Cは、上記第2の実施形態の基材部3Bの凹部3eを、平面視の形状が矩形状の凹部3fに代えたものである。
凹部3fは、矩形断面が凹部3eと同じ深さまで延ばされた角穴上の凹穴部である。本変形例では、凹部3fの開口は、一例として、150μm×150μmの正方形としている。
導電性部材4Cは、上記第2の実施形態の導電性部材4と同一長さを有する同材料で形成され、100μm×100μmの正方形断面を有する角棒状部材である。導電性部材4Cは、その4つの側面が凹部3fの内壁と平行となる位置関係で、凹部3fの中心を貫通するように基材部3Cにインサート成形して設けられている。
【0051】
配線18は、上記第2の実施形態の配線17の接続部17bに代えて接続部18bを備える。
接続部18bは、配線本体部5aの端部を各導電性部材4Cと電気的に接続するため、導電性部材4C上およびその周辺において、導電性部材4Cの軸端面4cおよび凹部3fの内面を覆うように平面視矩形状に形成された配線部分である。接続部18bの基板面3aからの高さは、配線本体部5aの基板面3aからの高さと揃えられている。
このため、接続部18bの厚さは導電性部材4Cの外周側において配線本体部5aの厚さより厚い一定の厚さを有する。また、軸端面4c上の厚さは、接続部5bと同一またはわずかに厚く形成されている。
【0052】
このように、本変形例の配線部材1Cは、上記第2に実施形態の配線部材1Bの凹部3e、接続部17b、導電性部材4の断面形状を円形から矩形に変形した例となっている。
このため、配線部材1Bと同様に配線部材1Cにも応力集中の緩和作用がある。
【0053】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の配線部材について説明する。
図12(a)は、本発明の第3の実施形態の配線部材の概略構成を示す模式的な斜視図である。図12(b)は、図12(a)におけるF−F断面図である。
【0054】
本実施形態の配線部材40は、図12(a)、(b)に示すように、基板面に湾曲面を有し、全体として3次元の立体形状を有する配線部材である。
配線部材40はどのような立体形状を備えていてもよいが、以下では、一例として、均一厚さを有する板部材が直角に折り曲げられ、その折り曲げ部に部分円筒面状の湾曲面が形成された場合の例で説明する。また、配線部材40の板厚は、上記第1の実施形態の基材部3の板厚と同一であるとして説明する。
配線部材40の構成は、基材部43にインサート成形された金属製の導電性部材44を含む直角に折り曲げられた板状の配線用基材42と、配線用基材42の基材部43の曲げ内側の板面である基板面43aに形成された配線45と、曲げ外側の板面である基板面43fに形成された配線46とを備え、これら配線45、46が、導電性部材44と電気的に接続された、立体形状を有する両面基板である。
配線用基材42の外形、板厚は、配線部材40を取り付ける装置の取り付け形状等に応じて、適宜の形状を採用することができる。
基材部43、導電性部材44、配線45(46)の材質、断面形状はそれぞれ上記第1の実施形態の基材部3、導電性部材4、配線5の材質、断面形状と同一である。また、配線5、6の形成方法は、上記第1の実施形態と同様なインクジェット装置等を用いた種々の印刷を採用することができる。
【0055】
本実施形態の導電性部材44は、基板面43aに形成された凹湾曲面である湾曲面43bから、基板面43fに形成された凸湾曲面である湾曲面43dの間に貫通して設けられている。
本実施形態では、導電性部材44の軸端面44a、44bは、それぞれ湾曲面43b、43dの近傍において、外方に突出しないように配置されている。
導電性部材44の軸方向の両端部における湾曲面43b、43dには、上記第1の実施形態の凹部3bと同様な形状のテーパ状の凹部43c、43eがそれぞれ設けられている。
【0056】
配線45は、凹部43cに形成された接続部45bと、接続部45bの側方から湾曲面43bに交差する2方向に沿って延出された一対の配線本体部5aとを備える。
配線46は、凹部43eに形成された接続部46bと、接続部46bの側方から湾曲面43dの頂部に沿う方向に延出された一対の配線本体部6aとを備える。
このため、接続部45b(46b)は、曲げ内側(曲げ外側)に向いた表面が湾曲面43b(43d)の湾曲に沿って形成される点を除いては、上記第1の実施形態の接続部5b(6b)と同様な形状を有する。
【0057】
本実施形態の配線部材40によれば、配線45(46)の接続部45b(46b)が、上記第1の実施形態の接続部5b(6b)と略同様な構成を有している。したがって、配線本体部5a(6a)の厚さより厚く形成された接続部45b(46b)によって配線本体部5a(6a)と導電性部材44とが電気的に接続されるため、導電性粒子を含有したインクを用いて配線45(46)を形成しても熱応力の集中を緩和しクラックや破断の発生を防止することができ、配線の電気接続の信頼性を向上することができる。特に、湾曲面43b、43d間の層間の電気接続を、導電性部材44に代えて金属含有インクの印刷により導電路を形成する場合に比べて信頼性を格段に向上することができる。
また、本実施形態の配線部材40によれば、外力が作用した場合に応力集中が生じやすい湾曲面43b、43dにおいて、導電性部材44と配線45、46の接合部の応力を緩和できるため、外力によるクラックや断線の発生を防止することもできる。
【0058】
なお、上記の説明では、導電性粒子含有インクをインクジェット装置によって描画して配線を印刷する場合の例で説明したが、導電性粒子含有インクの印刷方法は、インクジェット印刷には限定されない。例えば、スクリーン印刷、ディスペンス、転写印刷も好適に用いることができる。
【0059】
また、上記の説明では、導電性部材を基材部の表面から突出させない配置とした例で説明したが、基材部の基板面からの突出しても使用上問題がない場合には、導電性部材を基材部から突出させた配置としてもよい。
【0060】
また、上記の説明では、配線本体部を基材部の基板面上に印刷する場合の例で説明したが、基材面に配線形成用の溝部を設け、この溝部内に導電性粒子を印刷して配線本体部を形成してもよい。この場合、接続部を形成する凹部は、溝部の溝底面に対してさらに陥没した凹部として形成すればよい。
【0061】
また、上記の説明では、導電性粒子を焼成処理したのみで、配線が構成される場合の例で説明したが、焼成処理後に、表面にめっき層を形成した配線としてもよい。
【0062】
また、上記の説明では、一例として、基材部表面の1または2箇所に配線が形成された場合の例で説明したが、配線は、2箇所以上の複数箇所に形成されていてもよい。
また、上記説明では、円柱状または角棒状の導電性部材を用いたが、基材部にインサートできる形状であれば、例えばL字型・矩形型など、形成したい導電路に応じた導電性部材を用いることができる。
【0063】
また、上記の各実施形態、変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記の第1変形例、第2の実施形態、第2変形例の説明では、上記第1の実施形態の配線5を変形した場合の例として説明したが、上記第1の実施形態の配線6A、6Bを同様にして変形してもよく、配線5、6A、6Bを同時に変形した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、1B、1C、40 配線部材
2、42 配線用基材
3、3B、3C、13、43 基材部
3a、3d、43a、43f 基板面
3b、3b’、3e、3f、13b、13e、43c、43e 凹部
4、4A、4C、14、44 導電性部材
4a、4b、4c、14a、44a 軸端面
5、6A、6B、15、16、17、18、25、35、45、46 配線
5a、6a、15a 配線本体部
5b、6b、15b、16b、17b、18b、25b、35b、45b、46b 接続部
43b、43d 湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基材部と、
該基材部にインサート成形された導電性部材と、
前記基材部上に導電性粒子を含有したインクで印刷して形成され、前記導電性部材と電気的に接続された配線と、を備え、
該配線は、
導体パターンを形成する配線本体部と、
該配線本体部と前記導電性部材とを電気的に接続し、前記配線本体部の厚さより厚く形成された接続部と、
を有することを特徴とする配線部材。
【請求項2】
前記基材部は、該基材部の表面に前記導電性部材の軸方向端部を囲んだ凹部を備え、
前記接続部は、前記凹部に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の配線部材。
【請求項3】
前記接続部の厚さが、
前記導電性部材に向かうにつれて増大している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線部材。
【請求項4】
前記導電性部材は、
前記凹部の外側に突き出さない範囲で、前記凹部の内部側に突出して設けられた
ことを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の配線部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−114170(P2012−114170A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260589(P2010−260589)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】