説明

酸化膜エッチング装置、及び酸化膜エッチング方法

【課題】NHガスの利用効率を高めることのできる酸化膜エッチング装置、及び酸化膜エッチング方法を提供する。
【解決手段】シリコン酸化膜をプロセスチャンバ11でエッチングする酸化膜エッチング装置10であって、プロセスチャンバ11の前段でガスを励起する放電管12と、この放電管12にアンモニアガスを供給するマスフローコントローラ16aと、放電管12の後段にアンモニアガスを供給するマスフローコントローラ16cと、放電管12の後段に三フッ化窒素ガスを供給するマスフローコントローラ16dとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化膜エッチング装置、例えばシリコン基板に形成された自然酸化膜等のシリコン酸化膜をエッチングする装置、及び酸化膜エッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載のように、シリコン基板上の自然酸化膜をエッチングする酸化膜エッチング装置が知られている。以下に、この種の酸化膜エッチング装置の概略構成について図8を参照して説明する。
【0003】
図8に示されるように、酸化膜エッチング装置20のプロセスチャンバ21には、該プロセスチャンバ21に各種のプロセスガスを供給するガス供給配管22が接続されている。このガス供給配管22の途中には、管内にマイクロ波を照射する放電管23が設けられ、該放電管23には、導波管24を介してマイクロ波源25が接続されている。
【0004】
また、ガス供給配管22のうち、放電管23の上流には、アンモニア(NH)ガスを供給するマスフローコントローラ26と、窒素(N)ガスを供給するマスフローコントローラ27とが接続されている。また、ガス供給配管22のうち、放電管23の下流には、三フッ化窒素(NF)ガスを供給するマスフローコントローラ28が接続されている。
【0005】
一方、プロセスチャンバ21には、該プロセスチャンバ21にて処理されたシリコン基板を収容するための加熱チャンバ31が、仕切弁32を介して接続されている。加熱チャンバ31の外表面には、該加熱チャンバ31の内部を所定の温度にまで加熱するヒータ33が取り付けられている。また、加熱チャンバ31には、プロセスチャンバ21及び加熱チャンバ31内を排気する排気ポンプ34が接続されている。
【0006】
こうした構成からなる酸化膜エッチング装置20にて、自然酸化膜のエッチングが行われる際には、まず、排気ポンプ34によって減圧されたプロセスチャンバ21内に、例えば20枚のシリコン基板が搬入される。シリコン基板が搬入されると、マスフローコントローラ26からのNHガスとマスフローコントローラ27からのNガスとが、放電管23に供給され、その後、放電管23内にマイクロ波が照射される。これにより、NHガスを用いたプラズマが生成され、プラズマ中に含まれる水素含有ラジカル(N、H等)がプロセスチャンバ21に供給される。
【0007】
このとき、マスフローコントローラ28から供給されるNFと上記水素含有ラジカルとが、ガス供給配管22やプロセスチャンバ21で反応し、これにより、自然酸化膜のエッチャントであるアンモニアフッ化物(NH)が生成される。そして、生成されたエッチャントがシリコン基板にまで運ばれると、自然酸化膜とエッチャントとが反応し、これにより、熱分解温度の低いアンモニア錯体[(NHSiF]が生成される。
【0008】
こうしたプロセスチャンバ21での処理が行われると、シリコン基板が上記加熱チャンバ31に移載され、そして、[(NHSiF]の分解温度にまでシリコン基板が加熱される。これにより、シリコン基板上の[(NHSiF]が、NH、フッ化水素(HF)、及び四フッ化シリコン(SiF)として揮発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−133284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、本願発明者は、このような自然酸化膜のエッチング反応を鋭意研究する中で、上記酸化膜エッチング装置20では、下記(式1)〜(式5)の反応が逐次進行することを見出した。すなわち、(式1)に示されるNHの励起反応、(式2)〜(式4)に示されるエッチャントの生成反応、及び(式5)に示されるエッチング反応、これらが逐次進行することで自然酸化膜がエッチングされることを見出した。
・NH→NH … (式1)
・5NH+NF→6NH+3HF … (式2)
・NH+2HF→NHF … (式3)
・SiO+4HF+2NHF→(NHSiF+2HO … (式4)
・(NHSiF→NH↑+HF↑+SiF↑ … (式5)
ここで、自然酸化膜のエッチング速度を高めるうえでは、上記(式2)における生成物の生成量と(式3)における生成物の生成量とが、共に高められることが好ましい。
【0011】
しかしながら、(式2)におけるHFの生成量を高めるためには、(式1)におけるNHの生成量を高める必要がある一方、(式3)におけるNHFの生成量を高めるためには、(式1)においてNHの生成量を抑える必要がある。その結果、(式1)の反応効率が高ければ、(式4)においてHFが余剰となり、反対に、(式1)の反応効率が低ければ、(式4)においてNHFが余剰となる。そして、(式1)におけるNHの生成量が如何様な場合であれ、エッチャントを生成するために供給されたNHガスが、少なからずエッチャントの生成に寄与することなく排気されることとなる。こうした理由から、上述した酸化膜エッチング装置では、NHガスの利用効率を高めることによって酸化膜のエッチング反応の効率を高めることが要請されている。
【0012】
なお、こうした問題は、シリコン基板に形成された自然酸化膜をエッチングする酸化膜エッチング装置及び酸化膜エッチング方法に限って生じるものではなく、真空槽内にてシリコン基板の表面に酸素を供給することで形成されたシリコン酸化膜や、酸化源とTEOSとを用いたCVD法によってシリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜等をエッチングする酸化膜エッチング装置及び酸化膜エッチング方法においても概ね共通するものである。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、NHガスの利用効率を高めることのできる酸化膜エッチング装置、及び酸化膜エッチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
本発明の態様の一つは、シリコン酸化膜を真空槽でエッチングする酸化膜エッチング装置であって、前記真空槽の前段でガスを励起する励起部と、前記励起部にアンモニアガスを供給する第1アンモニア供給部と、前記励起部の後段に三フッ化窒素ガスを供給する三フッ化窒素供給部と、前記励起部の後段にアンモニアガスを供給する第2アンモニア供給部とを備える。
【0015】
本発明の態様の一つは、シリコン酸化膜をエッチングする酸化膜エッチング方法であって、アンモニアガスを励起する工程と、前記励起されたガスに三フッ化窒素ガスとアンモニアガスとを加えて混合ガスを生成する工程と、前記混合ガスを前記シリコン酸化膜に供給する工程とを備える。
【0016】
本願発明者の鋭意研究によれば、上述したように、(式1)〜(式5)の反応が進むことによって、熱分解されやすい[(NHSiF]がシリコン酸化膜に生成される。そのため、上記従来の酸化膜エッチング装置のように、NHガスが励起部の前段のみから供給される態様では、励起部にて励起されなかった未反応分のNHが、(式3)の反応物であるNHを担うことになる。それゆえに、励起部にて生成される水素含有ラジカルの全量が増えることで(式2)の反応が進んだとしても、(式3)の反応物であるNHが少なくなる以上、NHFの生成反応が律速されてしまうことになる。
【0017】
この点、上記の態様によれば、上記(式1)の反応物であるNHガスが、第1アンモニア供給部から供給される一方、上記(式3)の反応物であるNHガスは、(式1)の未反応分に加え、第2アンモニア供給部からも供給されるようになる。そのため、励起部の前段のみにNHガスが供給されるエッチングの態様と比較して、(式3)以降の反応が進行しやすくなる。その結果、励起部にて励起されたNHガスが余剰分として排気されること、あるいは励起部にて励起されなかったNHガスが余剰分として排気されること、これらを抑えることが可能となる。ひいては、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されるNHガスの利用効率が高められることになる。
【0018】
本発明の態様の一つでは、酸化膜エッチング装置が、前記励起部に窒素ガスを供給する窒素供給部を更に備える。
上記態様によれば、励起部にてNが励起されることで、下記(式6)(式7)から出発するエッチング反応も進行することになる。
・N→N … (式6)
・N+NH→NH … (式7)
そのため、真空槽の前段あるいは真空槽に供給されたNHガスは、上記(式1)から出発する反応経路と上記(式6)(式7)から出発する反応経路とで利用されることになる。それゆえに、窒素ガス供給部を有しない酸化膜エッチング装置よりも、NHガスの利用効率を高めることが可能である。
【0019】
本発明の態様の一つでは、酸化膜エッチング装置において、前記三フッ化窒素供給部は、前記真空槽の前段に三フッ化窒素ガスを供給し、前記第2アンモニア供給部は、前記真空槽の前段にアンモニアガスを供給する。
【0020】
上記態様によれば、真空槽の前段でエッチャントの生成反応が進行するため、真空槽内でエッチャントの生成反応が進行する態様と比べて、シリコン酸化膜に対するエッチャントの均一化を図ることが容易となる。また、真空槽の前段で流れるガスの流路では、該流路の断面積が、通常、真空槽と比べて十分に小さく、こうした流路に流れるガス間の衝突頻度も、真空槽と比べて十分に高いものとなる。それゆえに、上述したエッチャントの生成反応が進行しやすくもなる。
【0021】
本発明の態様の一つでは、酸化膜エッチング装置において、前記三フッ化窒素供給部が、前記真空槽内に三フッ化窒素ガスを供給し、前記第2アンモニア供給部が、前記真空槽内にアンモニアガスを供給する。
【0022】
上記態様によれば、上記(式2)及び(式3)に示される反応が、真空槽内にて進行することになる。ここで、NFガス及びNHガスが、真空槽の前段に供給される態様では、真空槽の前段の配管等の設計に際し、上記(式3)の生成物であるNHの活性がシリコン酸化膜にまで保たれるような構成が求められる。一方、NFガス及びNHガスが、真空槽に供給される態様では、上記(式3)の生成物であるNHが、真空槽内のシリコン酸化膜上で生成されやすくなる。それゆえに、NFガス及びNHガスが、真空槽の前段に供給される態様と比べて、NHの活性を維持するための設計が不要となる分、NHの供給系の設計が容易となる。
【0023】
本発明の態様の一つでは、前記励起部の後段に、前記三フッ化窒素供給部からの三フッ化窒素ガスと前記第2アンモニア供給部からのアンモニアガスとの混合ガスが供給される。
【0024】
上記態様によれば、励起部で励起されたガスに対し、NFガスとNHガスとの混合ガスが加えられる。そのため、励起部で励起されたガスに対し、これらガスが各別に加えられる態様と比較して、上記(式2)の生成物であるHFとNHとの衝突する頻度を高めることが可能となる。それゆえに、NHの生成される確率を高くすること、ひいてはシリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率を、さらに高めることが可能にもなる。
【0025】
本発明の態様の一つでは、前記第2アンモニア供給部は、前記三フッ化窒素供給部の後段にアンモニアガスを供給する。
上記態様によれば、励起部で励起されたガスとNFガスとの混合ガスに対し、NHガスが供給される。そのため、励起部にて生成された水素含有ラジカルとNFガスとが衝突する頻度が、水素含有ラジカルとNHガスとが衝突する頻度よりも高くなる。そして、励起部で励起されたガスに対し、NFガスとNHガスとが同時に加えられる態様、あるいは励起部で励起されたガスに対し、NHガス、NFガスの順でこれらが加えられる態様と比べて、水素含有ラジカルとNFガスとの反応、すなわち上記(式2)の反応が進行しやすくなる。それゆえに、エッチャントの生成反応が(式2)の反応で律速する場合には、例えばNFガスの供給量が小さい場合や励起部の後段における圧力が低い場合には、(式2)以降の反応が進行しやすくなる結果、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率が、さらに高められることになる。
【0026】
本発明の態様の一つでは、酸化膜エッチング装置が、前記励起部に窒素ガスを供給する窒素供給部を備え、前記第2アンモニア供給部は、前記三フッ化窒素供給部の前段にアンモニアガスを供給する。
【0027】
上記態様によれば、励起部で生成された窒素ラジカルとNHガスとの混合ガスに対し、NFガスが供給される。そのため、窒素ラジカルに対しNFガスとNHガスとが同時に加えられる態様、あるいは窒素ラジカルに対し、NFガス、NHガスの順にこれらが加えられる態様と比べて、窒素ラジカルとNHガスとの反応、すなわち上記(式7)の反応が進行しやすくなる。
【0028】
ここで、例えば、励起部から真空槽までのガスの飛行時間が、水素含有ラジカルの寿命よりも大きい場合、また、励起部の後段における温度が、水素含有ラジカルの活性を下げる程度に低い場合等では、こうした水素含有ラジカルの活性が、真空槽の前段で失活することも少なくない。この点、上記態様であれば、励起部の後段への水素含有ラジカルの供給に関し、その確実性を高めることが可能となる。その結果、励起部で生成された水素含有ラジカルが、該励起部の後段で活性を失う場合であっても、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率を高められるという効果を得ることが、確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の酸化膜エッチング装置における一実施形態の全体構成を示す概略図。
【図2】NHガスの流量とエッチング速度との関係を示すグラフ。
【図3】NHガスの流量とエッチング速度との関係を示すグラフ。
【図4】NHガスの流量とエッチング速度との関係を示すグラフ。
【図5】酸化膜エッチング装置における他の実施形態の全体構成を示す概略図。
【図6】酸化膜エッチング装置における他の実施形態の全体構成を示す概略図。
【図7】酸化膜エッチング装置における他の実施形態の全体構成を示す概略図。
【図8】従来の酸化膜エッチング装置の全体構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明における酸化膜エッチング装置を自然酸化膜のエッチング装置に具体化した一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。なお、本実施形態の酸化膜エッチング装置は、先に説明した従来の酸化膜エッチング装置と比較して、プロセスチャンバにガスを供給するためのガス供給系の構成が異なる。そのため、以下では、このガス供給系について特に説明する。
[酸化膜エッチング装置の全体構成]
まず、酸化膜エッチング装置の全体構成について図1を参照して説明する。
【0031】
図1に示されるように、酸化膜エッチング装置10には、自然酸化膜の形成された複数のシリコン基板を収容する真空槽としてのプロセスチャンバ11が搭載されている。プロセスチャンバ11には、励起部を構成する放電管12が下流配管LLを介して接続されている。放電管12の内部には、励起部を構成するマイクロ波源13から出力されるマイクロ波が、導波管14を介して照射される。
【0032】
放電管12の前段である上流には、上流配管LUが接続され、該上流配管LUの上流端には、上流アンモニア供給配管Laと窒素供給配管Lbとが合流している。上流アンモニア供給配管Laの上流端には、第1アンモニア供給部としてのマスフローコントローラ16aが、バルブVaを介して接続されている。マスフローコントローラ16aは、NHガスを貯蔵するボンベに接続された流量調節弁であって、該ボンベから放電管12に供給されるNHガスの流量を調節する。他方、窒素供給配管Lbの上流端には、窒素ガス供給部としてのマスフローコントローラ16bが、バルブVbを介して接続されている。マスフローコントローラ16bは、Nガスを貯蔵するボンベに接続された流量調節弁であって、該ボンベから放電管12に供給されるNガスの流量を調節する。
【0033】
放電管12の内部では、マスフローコントローラ16aから供給されたNHガスと、マスフローコントローラ16bから供給されたNガスとに対してマイクロ波が照射される。これにより、NHガス及びNガスが励起されることで、NHガスの励起種である水素含有ラジカル(NH,NH,NH等)及び窒素ラジカル(N,N等)が生成される。
【0034】
下流配管LLの途中には、分岐配管LRが接続され、該分岐配管LRの上流端には、下流アンモニア供給配管Lcと三フッ化窒素供給配管Ldとが合流している。下流アンモニア供給配管Lcの上流端には、第2アンモニア供給部としてのマスフローコントローラ16cがバルブVcを介して接続されている。マスフローコントローラ16cは、NHガスを貯蔵するボンベに接続された流量調節弁であって、該ボンベから下流配管LLに供給されるNHガスの流量を調節する。他方、三フッ化窒素供給配管Ldの上流端には、三フッ化窒素ガス供給部としてのマスフローコントローラ16dがバルブVdを介して接続されている。マスフローコントローラ16dは、NFガスを貯蔵するボンベに接続された流量調節弁であって、該ボンベから下流配管LLに供給されるNFガスの流量を調節する。
【0035】
下流配管LLの内部には、放電管12にて生成された上記ラジカルと、分岐配管LRを通過した上記ガスとが供給される。そのため、下流配管LLの内部、並びにこれに接続されたプロセスチャンバ11内では、上記ラジカルと分岐配管LRを通過した上記ガスとの反応によって、アンモニアフッ化物(NH例えばNHF)が生成される。そして、生成されたNHが、プロセスチャンバ11に収容されたシリコン基板の酸化シリコンと反応することで、シリコン基板上にアンモニア錯体[(NHSiF]が生成される。
【0036】
酸化膜エッチング装置10には、マイクロ波源13の駆動と各マスフローコントローラ16a〜16dの駆動とを制御する制御装置10Cが搭載されている。制御装置10Cには、マイクロ波源13の出力の設定値と、各マスフローコントローラ16a〜16dの出力の設定値とが、プロセスステップごとに定められたプログラムをプロセスレシピとして記憶されている。そして、制御装置10Cは、プロセスレシピを読み出した後、該プロセスレシピを構成するプロセスステップごとに、該プロセスステップの設定値を読み出す。そして、制御装置10Cは、上述したプロセスステップごとに、マイクロ波源13に電力指令を出力し、各マスフローコントローラ16a〜16dに流量指令を出力する。
【0037】
例えば、制御装置10Cは、プロセスレシピを読み出した後、まず、ガス流量を安定させるためのプロセスステップを実行する。すなわち、制御装置10Cは、各マスフローコントローラ16a〜16dに対し、所定の流量でガスを流すための流量指令を出力するとともに、マイクロ波源13に対し、その出力を0Wするための電力指令を出力する。これにより、放電管12の内部にマイクロ波が照射されない状態で、プロセスチャンバ11内に各種のガスが定常的に供給され、各マスフローコントローラ16a〜16dにおける流量の安定化が図られる。次いで、制御装置10Cは、シリコン酸化膜のエッチングを開始するためのプロセスステップを実行する。すなわち、制御装置10Cは、各マスフローコントローラ16a〜16dに対し、所定の流量でガスを流すための流量指令を出力するとともに、マイクロ波源13に対し、所定の電力でマイクロ波を出力するための電力指令を出力する。これにより、放電管12の内部にマイクロ波が照射され、上述したNHが生成される。そして、生成されたNHが、プロセスチャンバ11内のシリコン酸化膜と反応することで、該シリコン酸化膜のエッチング反応が開始される。
[酸化膜エッチング装置の作用]
次に、酸化膜エッチング装置10の行う動作の一つである自然酸化膜のエッチング処理について、図2及び図3を参照して説明する。
【0038】
酸化膜エッチング装置10にて酸化膜のエッチング処理が行われる際には、まず、上述した排気ポンプ34によって所定の圧力に減圧されたプロセスチャンバ11内に、複数のシリコン基板、例えば50枚のシリコン基板が搬入される。シリコン基板の搬入が完了すると、放電管12の上流では、マスフローコントローラ16aから放電管12に対するNHガスの供給が開始されるとともに、マスフローコントローラ16bから放電管12に対するNガスの供給が開始される。他方、放電管12の下流では、マスフローコントローラ16dから下流配管LLに対するNFガスの供給が開始されるとともに、マスフローコントローラ16cから下流配管LLに対するNHガスの供給が開始される。
【0039】
放電管12に対するNHガス及びNガスの供給が開始されると、放電管12でのマイクロ波の照射が開始される。これにより、NHガス及びNガスの励起種である上記ラジカルや各種イオンが生成される。
【0040】
放電管12内にて励起種が生成されると、上記排気ポンプ34によって形成されるガスの流れによって、該励起種が下流配管LLを通じてプロセスチャンバ11にまで運ばれる。このとき、励起種が、下流配管LL内のNFガス及びNHガスと反応することによって、上記NHが生成される。このようにして生成されたNHも、上記励起種と同様、酸化膜エッチング装置10内のガスの流れによって、下流配管LLからプロセスチャンバ11にまで運ばれる。なお、NHには、下流配管LL内で生成されるものの他、プロセスチャンバ11内で生成されるものもある。
【0041】
プロセスチャンバ11にまで運ばれたNHが、プロセスチャンバ11内のシリコン基板にまで到達すると、シリコン基板に形成された自然酸化膜とNHとが反応することで、[(NHSiF]が生成される。そして、[(NHSiF]の生成されたシリコン基板が、[(NHSiF]の熱分解温度以上にまで加熱されることで、シリコン基板に形成された自然酸化膜は、揮発性のガスとしてエッチングされる。
[下流NHガスの作用]
次に、放電管12の下流に供給されるNHガスの作用を図2〜図4を参照して説明する。なお、図2〜図4は、それぞれ実施例1、実施例2、比較例の各々のエッチング速度とNHガスの総流量との関係を示すグラフである。
[実施例1]
以下に示される条件のもと、放電管12の上流及び下流にNHガスを供給して自然酸化膜のエッチングを行うことにより、実施例のエッチング速度を得た。実施例のエッチング速度とNHガスの総流量との関係を図2に示す。
・放電管の上流におけるNHガスの流量:60sccm〜1200sccm
・放電管の下流におけるNHガスの流量:50sccm
・Nガスの流量:2000sccm
・NFガスの流量:4000sccm
・マイクロ波の周波数:2.45GHz
・マイクロ波源の出力:2800W
・プロセスチャンバ11内の圧力:266Pa
[実施例2]
放電管12の上流に供給するNHガスの流量を20sccmとし、放電管12の下流に供給するNHガスの流量を50sccm〜1200sccmとし、且つその他の条件を実施例1と同じくして自然酸化膜のエッチングを行うことにより、実施例2のエッチング速度を得た。実施例2のエッチング速度とNHガスの総流量との関係を図3に示す。
[比較例]
放電管12の上流に供給するNHガスの流量を60sccm〜1200sccmとし、放電管12の下流に供給するNHガスの流量を0sccmとし、且つその他の条件を実施例と同じくして自然酸化膜のエッチングを行うことにより、比較例のエッチング速度を得た。比較例のエッチング速度とNHガスの総流量との関係を図4に示す。
【0042】
図2に示されるように、実施例1では、NHガスの総流量が110sccm〜1250sccmという広い範囲にわたり、6Å/minを超える高いエッチング速度が認められた。また、実施例1では、放電管12の上流でNHガスの流量が大きく変わったとしても、8Å/minという高いエッチング速度が概ね保たれるという傾向が認められた。すなわち、8Å/minという高いエッチング速度を得るうえで、放電管12の上流におけるNHガスの流量は、60sccm〜120sccmで十分であることが認められた。
【0043】
図3に示されるように、実施例2では、NHガスの総流量が70sccm〜300sccmとなる範囲において、6Å/minを超える高いエッチング速度が認められた。また、実施例2では、放電管12の下流でNHガスの流量が大きくなるに連れて、エッチング速度が単調減少するという傾向が認められた。すなわち、6Å/minを超える高いエッチング速度を得るうえで、放電管12の下流におけるNHガスの流量は、50sccm〜280sccmで十分である、それが認められた。
【0044】
一方、図4に示されるように、比較例では、NHガスの総流量が増えるに連れてエッチング速度が大きくなるものの、1200sccmという高い流量が供給されても、8Å/minを超えるエッチング速度は認められなかった。なお、比較例では、実施例1を上回るエッチング速度は認められず、400sccmを超える高い流量の範囲でのみ、実施例2を上回るエッチング速度が認められた。
【0045】
このように、放電管12の上流と下流とにNHガスが供給される態様であれば、NHガスの総流量が400sccm以下という低い領域であっても、エッチング速度が大幅に高められることが認められた。そして、こうしたエッチング速度の向上は、上述した(式1)〜(式5)の反応が逐次進行することで、シリコン酸化膜のエッチングが進行することを示唆するものでもある。
【0046】
すなわち、上述したように、(式2)におけるHFの生成量を高めるためには、(式1)におけるNHの生成量を高めることが必要である。一方、(式3)におけるNHFの生成量を高めるためには、(式1)におけるNHの生成量を抑えることが必要である。それゆえに、放電管12の下流にNHガスが供給されない比較例では、(式1)の反応効率が高ければ、(式4)においてHFが余剰となり、反対に、(式1)の反応効率が低ければ、(式4)においてNHFが余剰となる。そして、(式1)の反応効率がいずれになる場合であれ、エッチャントを生成するために供給されたNHガスが、少なからずエッチャントの生成に寄与することなく排気されることとなる。
【0047】
これに対し、放電管12の上流と下流とにNHガスが供給される条件では、上記(式1)の反応物であるNHガスは、マスフローコントローラ16aから供給され、上記(式3)の反応物であるNHガスは、(式1)の未反応分に加え、マスフローコントローラ16cからも供給されるようになる。そのため、放電管12の前段にのみNHガスが供給される比較例と比べて、上記実施例1,2では、(式3)以降の反応が進行しやすくなる。その結果、放電管12にて励起されたNHガスが余剰分として排気されること、あるいは放電管12にて励起されなかったNHガスが余剰分として排気されること、これらを抑えることが可能となる。そして、自然酸化膜のエッチング用に供給されるNHガスの利用効率が高められることになる。
【0048】
なお、NHガスの利用効率を高めるという観点では、図2及び図3に示されるように、放電管12の下流におけるNHガスの流量は、50sccm〜100sccmが好ましく、放電管12の上流におけるNHガスの流量は、60sccm〜120sccmが好ましい。そして、こうした低い流量でエッチング速度が高められることは、上述した(式3)の反応促進が、エッチャントの生成に大きく寄与していることを示唆するものでもある。
【0049】
ちなみに、Nガスが放電管12に供給される態様では、上記(式1)の励起反応とともに、下記(式6)及び(式7)の反応も進行する。ここで、NHガスが放電管12の上流のみに供給される態様では、放電管12の下流にNHガスが存在し難い、すなわち、Nと反応するNHが存在し難くなる。それゆえに、(式6)から開始される自然酸化膜のエッチング反応が、(式7)におけるNHの供給量によって律速することになる。これに対し、放電管12の上流及び下流にNHガスが供給される態様であれば、(式7)の反応物であるNHが、マスフローコントローラ16dから供給されることとなる。その結果、上記(式1)から開始される自然酸化膜のエッチング反応に加え、上記(式6)から開始される自然酸化膜のエッチング反応によっても、シリコン基板の自然酸化膜がエッチングされるようになる。
【0050】
以上説明したように、上記実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)上記(式1)の反応物であるNHガスが、マスフローコントローラ16aから供給される一方、上記(式3)の反応物であるNHガスは、(式1)の未反応分に加え、マスフローコントローラ16cからも供給されるようになる。そのため、放電管12の前段のみにNHガスが供給されるエッチングの態様と比較して、(式3)以降の反応が進行しやすくなる。それゆえに、放電管12にて励起されたNHガスが余剰分として排気されること、あるいは放電管12にて励起されなかったNHガスが余剰分として排気されること、これらを抑えることが可能となる。ひいては、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されるNHガスの利用効率が高められることになる。
【0051】
(2)プロセスチャンバ11の前段に供給されたNHガスは、上記(式1)から出発する反応経路と、上記(式6)(式7)から出発する反応経路とで利用されることになる。それゆえに、放電管12の前段にNガスが供給されないエッチングの態様と比べて、NHガスの利用効率を高めることが可能である。
【0052】
(3)エッチャントであるNHが、プロセスチャンバ11の前段で生成されるため、こうしたエッチャントがプロセスチャンバ11内で生成される態様と比べて、シリコン酸化膜に対し、エッチャントを均一に供給することが容易にもなる。
【0053】
(4)また、プロセスチャンバ11の前段で流れるガスの流路では、該流路の断面積が、通常、プロセスチャンバ11と比べて十分に小さく、こうした流路に流れるガス間の衝突頻度も、プロセスチャンバ11内と比べて十分に高いものとなる。そのため、上述したように、プロセスチャンバ11の前段でエッチャントが生成される態様によれば、エッチャントの生成反応が進行しやすくもなる。
【0054】
(5)放電管12で励起されたガスに対し、NFガスとNHガスとの混合ガスが加えられる。そのため、NFガスが反応物となる上記(式2)の反応が進んだ直後に、該反応の生成物であるHFと新たに加えられたNHとが衝突しやすくなる。すなわち、放電管12で励起されたガスに対し、NFガスとNHガスとが各別に加えられる態様と比較して、上記(式2)の生成物であるHFと新たに加えられるNHとの衝突する頻度を高めることが可能である。それゆえに、NHの生成される確率を高くすること、ひいてはシリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率を、さらに高めることが可能にもなる。
【0055】
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・放電管12の後段におけるガスの供給態様は、下記供給経路aから供給経路cのいずれか一つに具体化することが可能であって、また、上記実施形態を含め、互いに異なる複数の供給経路の組み合わせとして具体化することも可能である。
[供給経路a]
・図5に示されるように、下流配管LLに対し、下流アンモニア供給配管Lcと三フッ化窒素供給配管Ldとが各別に接続されるとともに、下流アンモニア供給配管Lcが、三フッ化窒素供給配管Ldよりもプロセスチャンバ11側に連結される構成でもよい。要は、第2アンモニア供給部を構成する下流アンモニア供給配管Lcが、三フッ化窒素供給部を構成する三フッ化窒素供給配管Ldの後段にアンモニアガスを供給する態様であってもよい。こうした構成によれば、上記(1)〜(4)に準じた効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
【0056】
(6)放電管12にて励起されたガスに対し、NFガスと衝突する頻度が、NHガスと衝突する頻度よりも高くなる。そして、放電管12で励起されたガスに対し、NFガスとNHガスとが同時に加えられる態様、あるいは放電管12で励起されたガスに対し、NHガス、NFガスの順でこれらが加えられる態様と比べて、水素含有ラジカルとNFガスとの反応、すなわち上記(式2)の反応が進行しやすくなる。それゆえに、エッチャントの生成反応が(式2)の反応で律速する場合には、例えばNFガスの供給量が小さい場合や放電管12の後段における圧力が低い場合には、(式2)以降の反応が進行しやすくなる結果、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率が、さらに高められることになる。
[供給経路b]
・図6に示されるように、下流配管LLに対し、下流アンモニア供給配管Lcと三フッ化窒素供給配管Ldとが各別に接続されるとともに、下流アンモニア供給配管Lcが、三フッ化窒素供給配管Ldよりも放電管12側に連結される構成でもよい。要は、放電管12にNガスを供給する窒素供給部を備え、第2アンモニア供給部を構成する下流アンモニア供給配管Lcが、三フッ化窒素供給部を構成する三フッ化窒素供給配管Ldの前段にアンモニアガスを供給する態様であってもよい。こうした構成によれば、上記(1)〜(4)に準じた効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
【0057】
(7)放電管12で生成されたNとNHガスとの混合ガスに対し、NFガスが供給される。そのため、Nに対しNFガスとNHガスとが同時に加えられる態様、あるいはNに対し、NFガス、NHガスの順にこれらが加えられる態様と比べて、NとNHガスとの反応、すなわち上記(式7)の反応が進行しやすくなる。
【0058】
ここで、例えば、放電管12からプロセスチャンバ11までのガスの飛行時間が、水素含有ラジカルの寿命よりも大きい場合、また、放電管12の後段における温度が、水素含有ラジカルの活性を下げる程度に低い場合等では、こうした水素含有ラジカルの活性が、プロセスチャンバ11の前段で失活することも少なくない。この点、上記態様であれば、放電管12の後段への水素含有ラジカルの供給に関し、その確実性を高めることが可能となる。その結果、放電管12で生成された水素含有ラジカルが、該放電管12の後段で活性を失う場合であっても、シリコン酸化膜のエッチング用に供給されたNHガスの利用効率を高められるという効果を得ることが、確実なものとなる。
[供給経路c]
・図7に示されるように、下流アンモニア供給配管Lcと三フッ化窒素供給配管Ldとがプロセスチャンバ11に連結される構成であってもよい。あるいは、下流アンモニア供給配管Lcと三フッ化窒素供給配管Ldとのいずれか一方がプロセスチャンバ11に連結される構成であってもよい。要は、三フッ化窒素供給部を構成する三フッ化窒素供給配管Ldが、プロセスチャンバ11内にNFガスを供給する、又は第2アンモニア供給部を構成する下流アンモニア供給配管Lcが、プロセスチャンバ11内にNHガスを供給する構成であってもよい。こうした構成によれば、上記(1)及び(2)に準じた効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
【0059】
(8)上記(式2)又は(式3)に示される反応が、プロセスチャンバ11内にて進行することになる。ここで、NFガス及びNHガスが、プロセスチャンバ11の前段に供給される態様では、プロセスチャンバ11の前段における配管等の設計に際し、上記(式3)の生成物であるNHの活性がシリコン酸化膜にまで保たれるような構成が求められる。一方、NFガス及びNHガスが、プロセスチャンバ11に供給される態様では、上記(式3)の生成物であるNHが、プロセスチャンバ11内のシリコン酸化膜上で生成されやすくなる。それゆえに、NFガス及びNHガスが、プロセスチャンバ11の前段に供給される態様と比べて、NHの活性を維持するための設計が不要となる分、NHの供給系の設計が容易となる。
【0060】
・マスフローコントローラ16bと、該マスフローコントローラ16bの接続された窒素供給配管Lbとを有しない構成でもよい。こうした構成によっても、上記(1)に準じた効果が得られるとともに、マスフローコントローラ16b等を有していない分だけ、酸化膜エッチング装置10の構成を簡単な構成とすることができる。
【0061】
・プロセスチャンバ11は、複数のシリコン基板を収容可能な構成としたが、単一のシリコン基板を収容する真空槽であってもよい。
・励起部は、マイクロ波を照射する放電管12等からなるものでなく、上記各種ガスを励起することのできる公知の構成であってよく、例えば、容量結合型のプラズマを形成する構成や、誘導結合型のプラズマを形成する構成であってもよい。
【0062】
・酸化膜エッチング処理の対象となるシリコン基板は、自然酸化膜が形成されたシリコン基板だけでなく、真空槽内での表面酸素によって酸化膜の形成されたシリコン基板や、酸化源とTEOSとを用いたCVD法によって酸化膜の形成されたシリコン基板であってもよい。
【0063】
・酸化膜のエッチング処理を行うときのプロセス条件は、上述した条件に限らず、酸化膜のエッチングが可能な範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0064】
10,20…酸化膜エッチング装置、10C…制御装置、11,21…プロセスチャンバ、12,23…放電管、22…ガス供給配管、14,24…導波管、13,25…マイクロ波源、31…加熱チャンバ、32…仕切弁、33…ヒータ、34…排気ポンプ、LU…上流配管、LL…下流配管、La…上流アンモニア供給配管、Lb…窒素供給配管、Lc…三フッ化窒素供給配管、Ld…下流アンモニア供給配管、16a,16b,16c,16d,26,27,28…マスフローコントローラ、Va,Vb,Vc,Vd…バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン酸化膜を真空槽でエッチングする酸化膜エッチング装置であって、
前記真空槽の前段でガスを励起する励起部と、
前記励起部にアンモニアガスを供給する第1アンモニア供給部と、
前記励起部の後段に三フッ化窒素ガスを供給する三フッ化窒素供給部と、
前記励起部の後段にアンモニアガスを供給する第2アンモニア供給部とを備える
ことを特徴とする酸化膜エッチング装置。
【請求項2】
前記励起部に窒素ガスを供給する窒素供給部を更に備える
請求項1に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項3】
前記三フッ化窒素供給部は、前記真空槽の前段に三フッ化窒素ガスを供給し、
前記第2アンモニア供給部は、前記真空槽の前段にアンモニアガスを供給する
請求項1又は2に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項4】
前記三フッ化窒素供給部は、前記真空槽内に三フッ化窒素ガスを供給し、
前記第2アンモニア供給部は、前記真空槽内にアンモニアガスを供給する
請求項1又は2に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項5】
前記励起部の後段には、
前記三フッ化窒素供給部からの三フッ化窒素ガスと前記第2アンモニア供給部からのアンモニアガスとの混合ガスが供給される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項6】
前記第2アンモニア供給部は、
前記三フッ化窒素供給部の後段にアンモニアガスを供給する
請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項7】
前記励起部に窒素ガスを供給する窒素供給部を備え、
前記第2アンモニア供給部は、
前記三フッ化窒素供給部の前段にアンモニアガスを供給する
請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化膜エッチング装置。
【請求項8】
シリコン酸化膜をエッチングする酸化膜エッチング方法であって、
アンモニアガスを励起する工程と、
前記励起されたガスに三フッ化窒素ガスとアンモニアガスとを加えて混合ガスを生成する工程と、
前記混合ガスを前記シリコン酸化膜に供給する工程とを備える
ことを特徴とする酸化膜エッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−16592(P2013−16592A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147521(P2011−147521)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】