説明

酸素燃焼ボイラプラント及び酸素燃焼ボイラプラントの運転方法

【課題】本発明は、酸素燃焼方式において、バーナに供給される燃料量が変動しても、供給酸素量と酸素濃度を適切に制御することを目的とする。
【解決手段】本発明は、空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、該微粉炭流量計で計測した燃料量値に基づいて、前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を調節する酸素供給量決定手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素燃焼ボイラプラント及び酸素燃焼ボイラプラントの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラと蒸気タービンを主要構成機器とする火力発電プラントでは、地球温暖化の要因となっている二酸化炭素の排出量が他の発電方式に比べて多いことが指摘されている。
【0003】
そこで、ボイラで燃料を燃焼させる際に、従来のように空気を用いる代わりに高純度の酸素で燃焼させる方法が提案されている。以降、この方式を酸素燃焼,空気による燃焼方法を空気燃焼と呼ぶことにする。
【0004】
酸素燃焼では、排ガス中の大部分が二酸化炭素になるため、排ガスから二酸化炭素を回収する際に二酸化炭素を濃縮する必要がなく、そのまま排ガスを冷却して二酸化炭素を液化・分離することが可能であり、二酸化炭素排出量削減に有効な方法の一つである。
【0005】
また、空気中の約8割を占める窒素がボイラへ供給されないため、空気中の窒素から発生する窒素酸化物(サーマルNOx)が発生しなくなり、窒素酸化物の低減効果も期待される。
【0006】
酸素燃焼ボイラは、酸素のみで燃料を燃焼させると、火炎温度が高温になりすぎてバーナやボイラ火炉壁面が損傷する恐れがある。そのため、ボイラ排ガスの一部を循環させて酸素と混合して燃焼させる方式が提案されている。
【0007】
特許文献1には、ボイラの全体収熱量が目標収熱量になるようにボイラ排ガスの循環ガス流量を制御する方法,酸素を循環排ガスに混合してボイラ本体に供給する系統と酸素を直接ボイラ本体に供給する系統とを設け、両系統に供給する酸素の流量割合を変更することによりボイラ本体の収熱量を制御する方法が述べられている。
【0008】
また、起動時には空気燃焼で起動し、所定の負荷で酸素燃焼に切替える方法が提案されている。特許文献2には、起動時にはボイラ本体の出口酸素濃度が出口酸素濃度設定値と等しくなるよう大気の流量を調節し、起動完了後には、ボイラ本体の出口酸素濃度が出口酸素濃度設定値と等しくなるよう高純度酸素製造装置から供給される酸素の流量を調節し、且つボイラ本体の入口酸素濃度が入口酸素濃度設定値と等しくなるよう排ガス循環流量を調節する方法が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−147162号公報
【特許文献2】特開2001−336736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
酸素燃焼方式のボイラでは、供給ガス中の酸素量と酸素濃度を独立に変化させることができる点が空気燃焼方式と大きく異なる点の一つである。また、これらの量を適切に制御することが、プラントの安定かつ安全な運転につながる。
【0011】
特に供給酸素量は投入した燃料量に対して少なすぎると不完全燃焼や失火の要因となり、多すぎると火炎温度上昇による過熱の原因になるため重要な要因である。また、特に石炭を燃料とするボイラで顕著なように、供給燃料量の設定値は一定でも実際にボイラに投入される燃料量には時間的な変動があるため、供給酸素量を適切に維持することは容易ではない。酸素燃焼方式では酸素量の変化は酸素濃度にも影響する。上記特許文献のように目標収熱量や入口酸素濃度設定値を指標として排ガス循環流量を調節する場合も、所定の目標値または設定値に酸素濃度を維持することが難しい。
【0012】
ボイラ収熱量を指標として排ガス循環流量を調節する場合、酸素量や酸素濃度が変化してからボイラ収熱量に影響が現れるまでに、ボイラ内の燃焼,ガス流動,蒸気流動,伝熱などに起因する遅れが生じるため、収熱量を目標値に維持することも容易ではない。
【0013】
本発明は、酸素燃焼方式において、バーナに供給される燃料量が変動しても、供給酸素量と酸素濃度を適切に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、バーナへ供給する燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、微粉炭流量計で計測した燃料量値に基づいて、バーナに供給する高濃度の酸素を含む気体の量を調節する酸素供給量決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、酸素燃焼方式において、バーナに供給される燃料量が変動しても、供給酸素量と酸素濃度を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1に係るボイラプラントの構成を説明する図である。
【図2】実施例における水・蒸気系の構成を説明する図である。
【図3】実施例におけるボイラ火炉のバーナ配置例を説明する図である。
【図4】実施例2に係るボイラプラントの構成を説明する図である。
【図5】主要プロセス量の変化例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施例について、図を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は石炭を燃料とする発電プラントを例に、本実施例を示したものである。本実施例の制御装置100は制御対象プラントからプロセス値の計測情報を受け取り、これを使用して制御装置100内に予めプログラムされた演算を行ってプラントへの操作指令信号(制御信号)を送信する。プラントは受け取った操作指令信号に従って、例えばバルブの開度やダンパ開度といったアクチュエータを動作させてプラントの状態をコントロールしている。
【0019】
本実施例はボイラ200、ボイラ200で発生させた蒸気により駆動する蒸気タービン300を主構成要素とする火力発電プラントである(発電機は図示していない)。制御装置100は中央給電指令所からの負荷要求指令10を受信し、これに基づいてプラントを指定された負荷(発電出力)状態に制御する。蒸気加減弁254の弁開度を調節することで、タービン300へ導かれる蒸気流量が変化し発電出力が変化する。
【0020】
その他にも水・蒸気系統には、蒸気タービン300から出た蒸気を冷却して液体にする復水器310、復水器310で冷却された水をボイラ給水として再びボイラ200へ送り込む給水ポンプ320がある。また、図示していないが、実際のプラントには蒸気タービン300の途中段から抜き出した一部の蒸気(抽気)を加熱源としてボイラ給水を予熱する給水加熱器もある。
【0021】
一方、ボイラから排出される燃焼ガス380の系統には、ガス予熱器330,排ガスを浄化するための排ガス処理装置340,排ガス中の二酸化炭素を冷却・液化して回収する二酸化炭素回収装置350,二酸化炭素を回収した後の残りの窒素と酸素が主体のガス351を放出する煙突370がある。
【0022】
本実施例は、燃料を空気で燃焼させていた空気燃焼ボイラに対して、空気の代わりに高純度の酸素を含むガスを用いて燃焼させる酸素燃焼方式のボイラ及び酸素燃焼方式のボイラを含むプラントを対象としている。
【0023】
そのため、図1に示したように、空気を窒素主体のガスと、酸素主体のガスに分離して高濃度の酸素を製造する酸素製造装置360を備えている。酸素製造装置は空気を冷却して酸素と窒素の沸点の違いを利用して分離する方式である。本実施例は酸素製造の方法に依存するものではなく、窒素分子と酸素分子の大きさの違いを利用して分離する膜分離方式など、他の方法でもよい。
【0024】
酸素製造装置では空気363を高純度の酸素ガス362と窒素主体のガス361に分離し、窒素主体ガス361は煙突370から大気に放出される。
【0025】
空気の代わりに高純度の酸素のみを用いて燃焼させると、火炎の温度が高温になり過ぎるため、燃料を燃焼させるバーナやボイラ壁面が損傷する可能性がある。そのため、酸素製造装置360で製造した高純度の酸素362をボイラから排出される排ガスの一部である循環排ガス390と混合してバーナ210へ供給する。
【0026】
循環排ガス390は排ガス処理装置340で浄化された後のガスの一部を取り出し、ガス予熱器330で昇温させる。弁開度指令22に基づき循環排ガス流量調整弁391の開度を変化させることで循環排ガスの流量を調節する。
【0027】
バーナ210へ供給される酸素ガス362は、制御装置100からの弁開度指令14に基づいて流量調整弁211の開度を制御することで流量を調節できる。
【0028】
燃料である石炭400は燃料供給量調整弁401を介して石炭粉砕機410に送られる。石炭粉砕機410で粉末(微粉炭)となり、循環排ガス390の一部で搬送されてバーナ210に供給される。微粉炭の流量は微粉炭流量計420で計測されて、実際にバーナに供給される燃料量を把握することができる。石炭粉砕機410に送られる循環排ガス量は流量調整弁213を制御することにより調節できる。
【0029】
次にボイラの構成について説明する。
【0030】
燃料を燃焼させる火炉の炉内は高温になるため、壁面全体を冷却すると共に燃焼ガスの熱を回収する水壁230と呼ばれる冷却壁がある。ボイラ200内には他にも節炭器290,1次過熱器280,2次過熱器240,3次過熱器250,4次過熱器260からなる熱交換器があり、これらによって燃焼ガスの熱を回収して高温蒸気を生成する。
【0031】
図2に示すように、蒸気の流れとしては、ボイラ給水はまず節炭器290に導かれ、その後水壁230,1次過熱器280,2次過熱器240,3次過熱器250,4次過熱器260の順に通って昇温され、主蒸気251となって蒸気タービン300へ入る。高圧蒸気タービン300で仕事をした蒸気は復水器310で液体となり、給水ポンプ320で再びボイラへ送られるというサイクルである。
【0032】
次に、本実施例に関する制御装置100の構成と機能について説明する。制御装置100は、中央給電指令所からの負荷要求指令10に基づいてプラントを制御している。基準燃料量決定手段11は負荷要求指令10に対して予め設定されている燃料量を演算し、基準燃料量信号12として燃料供給量調整弁制御手段17に出力する。燃料供給量調整弁制御手段17は入力された基準燃料量信号12と微粉炭流量計420の計測値421とを比較し、その偏差量に基づいて比例積分制御により燃料供給量調整弁401の弁開度指令信号18を演算して燃料供給量調整弁401に出力する。
【0033】
給水流量決定手段15は、入力される負荷要求指令10に対して予め設定されているボイラへの給水流量を演算して給水流量信号19としてとして給水ポンプ320に出力する。給水ポンプ320は給水流量信号19に基づいてポンプの回転数または回転翼の開度を変化させることにより、ボイラへの供給水量が変化する。
【0034】
酸素供給量決定手段23では、微粉炭流量計420の計測値421に対して設定された燃料量と酸素量の比率となるように、基準酸素量決定手段13で基準酸素量信号14を演算する。この基準酸素量信号14を供給酸素の流量調整弁211に出力して酸素流量を調節すれば、実際にバーナに供給される燃料量が変動しても、設定された燃料量と酸素量の比率を維持しながら酸素を供給することができる。これにより、バーナでは望ましい状態の燃焼状態を保つことができる。
【0035】
循環排ガス量調節手段16では、入力される負荷要求指令10に対して予め設定されている基準循環排ガス量を演算する。また、条件比較手段20では計測器262で測定したボイラ出口における蒸気温度・圧力の計測値263と、計測器321で測定したボイラ入口の給水温度・圧力の計測値322と、給水流量決定手段15で決定した給水流量信号19を用いてボイラの熱吸収量を計算する。計算した熱吸収量を予め負荷要求指令10に対して設定された基準熱吸収量と比較して、その偏差量から比例積分制御により循環排ガス量に対する補正信号25を演算して循環排ガス量調節手段16に出力する。
【0036】
循環排ガス量調節手段16の機能として、負荷要求指令10から決定した基準循環排ガス量に補正信号25を加えた信号を作成し、これに基づいて循環排ガス流量調整弁391の開度指令信号22を作成する方法も考えられる。こうすることで、燃料量の変動や石炭種変更等による燃料発熱量の変化に対しても所望のボイラ熱吸収量を維持するように排ガス循環流量すなわち酸素濃度を制御することができ、安定な運転が可能になる。
【0037】
また、本実施例は、燃料量が変動したとしても酸素濃度を維持するために、循環排ガス量調節手段16では燃料量の計測値421に基づいて決定した基準酸素量信号14の増減に対応して循環排ガス流量調整弁391の開度指令を先行的に増減させるように補正を加える。すなわち、負荷要求指令10から決定した基準循環排ガス量に、補正信号25と基準酸素量信号14に対応する補正信号を加えた信号で循環排ガス流量調整弁391の開度指令信号22を作成する。
【0038】
これにより、燃料量の時間変動に対しても、酸素濃度を安定に目標値に維持することが可能となり、結果的に火炉内の熱負荷やボイラ収熱量が適切な範囲で運転を継続することができる。
【0039】
なお、ボイラのバーナは図3に示すように火炉前後に水平方向に複数本、高さ方向に複数段設置されるのが一般的である。バーナ段毎またはバーナ一本毎の微粉炭流量を計測してそれぞれ独立に酸素量や循環排ガス量を調節することが望ましい。
【0040】
図5は、本実施例適用による酸素量,燃料/酸素比率,循環排ガス量,酸素濃度の挙動例を示す。本図は負荷要求が一定の条件で、燃料量が時間的に変動した場合を示したものである。適用前を破線、適用後を実線で表している。
【0041】
適用前は負荷要求が一定のため、一定量の酸素が供給される。そのため、燃料/酸素比率は燃料量の変動に対応して変動してしまうことにより、安定な燃焼状態が得られにくい。
【0042】
また、循環排ガス量はボイラ収熱量をフィードバックして制御しているため、収熱量に影響がでるまでに時間遅れが生じることになり、酸素濃度を一定に保つことは難しい。
【0043】
これに対して、本実施例の適用により、燃料量変動を計測することにより速やかに燃料量の変動に対応でき、燃料/酸素比率をほぼ一定に維持することができる。また、循環排ガス量に対しても酸素量の増減を速やかに反映するため、酸素濃度もほぼ一定に維持することができる。
【0044】
これにより、燃料量が変動しても望ましい燃焼状態が維持できるため、過熱や失火などの可能性を抑制でき、安全かつ安定な運転を実現できる。
【0045】
酸素燃焼方式では燃料を空気で燃焼させる空気燃焼方式と比較して、空気中の約8割を占める窒素がボイラに投入されないため、主として空気中の窒素に由来する窒素酸化物(サーマルNOx)の発生が無くなり、窒素酸化物の排出量が減少する。また、燃料中のほとんどの炭素は燃焼によって二酸化炭素になるため、排ガスは高濃度の二酸化炭素ガスとなる。
【0046】
そのため、空気燃焼方式のボイラ排ガスから二酸化炭素を回収する場合に比べて二酸化炭素を濃縮する工程が不要であり、二酸化炭素の回収に適したシステムである。
【0047】
本実施例により、安全かつ安定に運転できるようになるため、酸素燃焼ボイラシステムの最大のメリットである二酸化炭素排出量の大幅な削減が期待できる火力発電システムとなり、電力の安定供給と環境保全を両立することができるようになる。
【実施例2】
【0048】
次に、図4を用いて実施例2を説明する。
【0049】
図1と異なる点は主に、制御装置100における条件比較手段20と酸素供給量決定手段23の機能である。酸素燃焼方式では、酸素量や酸素濃度が大きすぎると燃焼時の火炎温度が過大となりバーナ210や水壁230が過熱して損傷する可能性もある。
【0050】
そのため、本例ではバーナ210付近のメタル温度を温度計測器215で計測している。計測した温度216は条件比較手段20に入力される。条件比較手段20では、温度216と、予め設定された許容温度との偏差量26を演算して酸素供給量決定手段23に出力する。
【0051】
酸素供給量決定手段23には基準酸素量決定手段13の他に酸素量補正手段19がある。酸素量補正手段19は基準酸素量信号14に対して、バーナ付近の温度216と許容温度との偏差量26に基づいて補正を加える。温度216が許容温度以下の場合は補正量をゼロとする。また、許容温度を超える場合は、その偏差量26に比例して酸素供給量を減少させる補正を加えて酸素量信号21を作成する。
【0052】
これにより、バーナ付近が過熱して損傷することを防止することができる。ただし、酸素供給量を減らしすぎると、安定な燃焼状態が維持できなくなる可能性があるため、補正は基準酸素量信号14に対して予め設定した範囲内で行うものとしている。
【0053】
また、補正後の酸素量信号21は、実施例1における基準酸素量信号14の代わりとして、循環排ガス量調節手段16に出力される。
【0054】
なお、本例ではバーナ付近の温度216と許容温度との偏差量26に基づいて酸素量を補正しているが、循環排ガス量を補正して酸素濃度を変化させても良い。この場合、温度216が許容温度を超える時、循環排ガス量を増加する方向に補正して酸素濃度を低下させると良い。
【0055】
また、本例では最も火炎に近いと思われるバーナ付近の温度を計測して、この温度を補正の指標に用いている。ただし、水壁やボイラ内の熱交換器の金属温度または伝熱管内の蒸気温度、またはガス温度などを指標としても良く、その計測位置を限定するものではない。さらに、燃料と酸素の割合、酸素濃度は燃焼排ガスの組成にも影響するため、排ガス中の窒素酸化物濃度または硫黄酸化物または二酸化炭素または一酸化炭素などの排ガス中の成分濃度を測定して、それが望ましい値に近づくように酸素量または循環排ガス量を調節することも考えられる。
【符号の説明】
【0056】
11 基準燃料量決定手段
12 基準燃料量信号
13 基準酸素量決定手段
14 基準酸素量信号
15 給水流量決定手段
16 循環排ガス量調節手段
17 燃料供給量調整弁制御手段
18 弁開度指令信号
19 給水流量信号
20 条件比較手段
22 開度指令信号
23 酸素供給量決定手段
25 補正信号
100 制御装置
200 ボイラ
210 バーナ
211,213 流量調整弁
230 水壁
240 2次過熱器
250 3次過熱器
251 主蒸気
254 蒸気加減弁
260 4次過熱器
262,321 温度・圧力計測器
263,322 計測値
280 1次過熱器
290 節炭器
300 蒸気タービン
310 復水器
320 給水ポンプ
330 ガス予熱器
340 排ガス処理装置
350 CO2回収装置
351 窒素・酸素主体ガス
360 酸素製造装置
361 窒素主体ガス
362 高純度の酸素ガス
363 空気
370 煙突
380 排ガス
390 循環排ガス
391 循環排ガス流量調整弁
392 空気流量調整弁
400 石炭
401 燃料供給量調整弁
410 石炭粉砕機
420 微粉炭流量計
421 微粉炭流量計測値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、該微粉炭流量計で計測した燃料量値に基づいて、前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を調節する酸素供給量決定手段とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラント。
【請求項2】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、該微粉炭流量計で計測した燃料量値に基づいて、前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を調節する酸素供給量決定手段と、該酸素量調節手段で決定した前記高濃度の酸素を含む気体の量を用いて前記循環排ガスの量を調節する循環排ガス量調節手段とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラント。
【請求項3】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、
前記ボイラの熱吸収量,バーナ部温度,前記ボイラ内の熱交換器所定位置のメタル温度,前記ボイラ内所定位置のガス温度,前記ボイラの排ガス中の窒素酸化物濃度または硫黄酸化物または二酸化炭素または一酸化炭素のうち少なくとも一つについて、予め定めた条件値との偏差量を演算する条件比較手段と、前記微粉炭流量計で計測した燃料量値に基づいて、前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を調節する酸素供給量決定手段とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラント。
【請求項4】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、該微粉炭流量計で計測した燃料量値に対応して予め設定した関係に基づいて対応する前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の基準量を決定する基準酸素量決定手段と、
前記ボイラの熱吸収量,バーナ部温度,前記ボイラ内の熱交換器所定位置のメタル温度,前記ボイラ内所定位置のガス温度,前記ボイラの排ガス中の窒素酸化物濃度または硫黄酸化物または二酸化炭素または一酸化炭素のうち少なくとも一つについて、予め定めた条件値と比較してその偏差量を演算する条件比較手段と、
前記条件比較手段で演算した偏差量に基づいて、前記基準酸素量決定手段で決定した酸素量基準量に対する補正値を決定する酸素量補正手段と、前記酸素量基準量に前記補正値で補正を加えた酸素量を決定する酸素供給量決定手段とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラント。
【請求項5】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントにおいて、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測する微粉炭流量計と、該微粉炭流量計で計測した燃料量値に対応して予め設定した関係に基づいて対応する前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の基準量を決定する基準酸素量決定手段と、
前記ボイラの熱吸収量,バーナ部温度,前記ボイラ内の熱交換器所定位置のメタル温度,前記ボイラ内所定位置のガス温度,前記ボイラの排ガス中の窒素酸化物濃度または硫黄酸化物または二酸化炭素または一酸化炭素のうち少なくとも一つについて、予め定めた条件値と比較してその偏差量を演算する条件比較手段と、
前記条件比較手段で演算した偏差量に基づいて、前記基準酸素量決定手段で決定した酸素量基準量に対する補正値を決定する酸素量補正手段と、該酸素量補正手段で決定した前記高濃度の酸素を含む気体の量を用いて前記循環排ガスの量を調節する循環排ガス量調節手段とを有することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラント。
【請求項6】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントの運転方法において、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測したバーナ燃料量値に基づいて、前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を調節することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラントの運転方法。
【請求項7】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントの運転方法において、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測したバーナ燃料量値に基づいて対応する前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を決定し、決定した前記高濃度の酸素を含む気体の量を用いて前記循環排ガスの量を調節することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラントの運転方法。
【請求項8】
空気中よりも高濃度の酸素を含む気体及び空気中よりも高濃度の二酸化炭素を含む気体を用いて燃料をバーナで燃焼させて蒸気を発生させるボイラと、前記二酸化炭素を含む気体としてボイラ排ガスの一部を循環排ガスとして用いるための排ガス循環手段と、前記ボイラの排ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収手段とを備えた酸素燃焼ボイラプラントの運転方法において、
前記バーナへ供給する前記燃料量をバーナ一本毎または複数本の合計値として計測したバーナ燃料量値に対して予め設定した関係を用いて、該バーナへ供給する前記高濃度の酸素を含む気体の基準量を決定し、
前記ボイラの熱吸収量,バーナ部温度,前記ボイラ内の熱交換器所定位置のメタル温度,前記ボイラ内所定位置のガス温度,前記ボイラの排ガス中の窒素酸化物濃度または硫黄酸化物または二酸化炭素または一酸化炭素のうち少なくとも一つについて、予め定めた条件値との偏差を演算して、該偏差に基づいて前記高濃度の酸素を含む気体量の補正量を演算し、前記基準量と該補正量から前記バーナに供給する前記高濃度の酸素を含む気体の量を決定することを特徴とする酸素燃焼ボイラプラントの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−243016(P2010−243016A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90630(P2009−90630)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】