説明

酸素結合−ピリミジン誘導体

本発明は、抗増殖剤として有用なピリミジン化合物に関する。より詳細には、本発明は、酸素−結合の置換ピリミジン化合物、それらの製造方法、これらの化合物を含む医薬組成物、および増殖性障害の処置におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、腫瘍および癌を含む多数の増殖性障害、ならびにキナーゼに関係するかまたは関連する、他の障害または状態の処置のための医薬として有用となり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗増殖剤として有用となり得るピリミジン化合物に関する。より詳細には、本発明は、酸素−結合の置換ピリミジン化合物、それらの製造方法、これらの化合物を含む医薬組成物ならびに増殖性障害の処置におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、腫瘍及び癌をはじめとする多数の増殖性障害、ならびにキナーゼに関連する他の状態又は障害の処置のための医薬として有用となり得る。
【0002】
発明の背景
癌などの増殖性障害は、体内の細胞の制御されない増殖により特徴付けるられる。そのため(as such)、増殖性障害は、一般に、細胞増殖及び/又は分裂の制御での異常性を含み、腫瘍を形成して、最終的に死亡に至らしめる。理論に束縛されるものではないが、これは、細胞増殖及び分裂を調節する経路により引き起こされ、癌細胞で変化すると考えられる。その変化は、細胞増殖及び分裂を制御する、これらの正常な調節機序の効果が不能になる又は偏向されるようにする。
【0003】
無制御な細胞増殖及び/又は分裂は、最終的に細胞の一部での、継続的に突然変異の循環として、患者に致命的であことが立証され、その後、代表的には、患者の体内の正常な健常細胞よりも選択的に有利な癌細胞に至り、癌細胞が、患者の細胞集団において優占的になる。その後、癌細胞は、代表的には、転移して、癌細胞の根源部分以外の、他の組織又は体の一部でコロニーを形成して、最後は、患者の臓器不全及び死亡をもたらす、第2の腫瘍となる。それが、癌細胞の特徴である、急速な細胞増殖及び分裂を制御することの難しさであり、効果的な化学療法的戦略で克服することを困難にしている。
【0004】
癌などの増殖性障害の伝統的な処置の多くは、より高い増殖能と、それによるDNA損傷へのより高い感受性という利点の獲得を模索している。使用されてきた処置は、イオン化放射線(γ線、X線など)及び細胞毒性剤(例えば、ブレオマイシン、シスプラチン、ビンブラスチン、シクロホスファミド、5’−フルオロウラシル及びメトトレキサート)を含む。これらの処置は全て、DNAへの損傷を誘発して、染色体構造を不安定にし、最終的に癌細胞の死をもたらすことに依存している。
【0005】
これらのアプローチの多くに関わる問題は、それらが癌細胞に対して非選択的であり、この処理により、健常な細胞が有害な作用を受ける可能性があること、そして多くの場合は受けることである。これらの戦略により目的とされる細胞機序が、癌細胞だけでなく(通常は速度が遅いが)、健常な細胞でも起こり、健常な細胞に修復不能な損傷を与えずに、患者の癌の成功する処置を達成することの困難さを単に浮き彫りにすることになることは決して意外ではない。そのため、これらの多くの処置と共に、破壊的な副作用が存在する可能性があり、それが、患者の短期の生活の質を著しく低下させるだけでなく、また、それらが癌の攻撃を切り抜けたとしても、患者の健康に対する長期の障害をも有する可能性がある。
【0006】
上記問題の幾つかは、実質的には、選択的抗癌剤(例えば、タモキシフェン)の開発により克服されたが、全ての化学療法剤の効力は、患者において癌細胞の薬物耐性の発現にみまわれる。患者の癌細胞での薬物耐性発現は、クラス特異性の傾向があり、それゆえ、患者の癌細胞が、あるクラスの抗癌剤に薬物耐性を発現すると、通常は、そのクラスに含まれる化合物の全てが、その患者の更なる処置に無効になる。そのため、患者の臨床結果を改善するには、所定の状況において使用され得る薬物庫を腫瘍学者に提供する際に、別の化学療法剤を同定することが肝要となる。
【0007】
それゆえ、薬物耐性発現の回避の助けとなり、併用療法にも用いられ得るから、異なるクラスの治療剤が重要である。そのような併用療法は、代表的には、異なる性質及び異なる細胞内標的を有する抗癌剤の使用を含み、それは、選択される化学療法レジメンの全体的効力を高める傾向があり、患者の薬物耐性発現の可能性を低下させる。
【0008】
癌研究の主な進歩の一つは、プロテインキナーゼの活性を阻害する分子標的剤の臨床的検証であった。腫瘍の適用例にこれから認可される、小分子キナーゼ阻害剤は、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ及びダサチニブを含む[Baselga J., Science, 2006, 312, 1175-1178]。キナーゼの多く(例えば、JAK2、FLT3及びCDK2)は、固形腫瘍、血液悪性腫(hematological malignancies)、骨髄増殖性障害及びケロイドなどの非悪性増殖性障害での薬理学的介入のための有望なキナーゼ標的である。
【0009】
Janusキナーゼ(JAK)は、JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2からなる、細胞質チロシンキナーゼのファミリーである。それらは、数多くのサイトカイン、ホルモン及び増殖因子のシグナル経路においてとても重要な役割を担う[Rawings JS et al, J. Cell Sci., 2004, 117, 1281-1283]。それらの細胞内基質は、シグナル伝達性転写因子(STAT)と呼ばれる蛋白質ファミリーを含む。JAK−STAT経路は、リガンドの適切な作用により、重要な生理学的工程(例えば、ウイルスに対する免疫応答、赤血球形成、授乳、脂質のホメオスタシスなど)を調節する。しかし、無数の要因により生じるシグナルの機能不全が、結果的に、病態生理学的状態(例えば、アレルギー、ぜん息、慢性関節リウマチ、合併した重度の免疫不全、血液悪性腫など)になる。詳細には、JAK2の突然変異は、骨髄増殖性障害(真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維腫など)ならびに広範囲の白血病及びリンパ腫に関連している[Percy MJ et al, Hematol. Oncol., 2005, 23, 91-93]。重要なこととして、骨髄増殖性障害は、満たされない医療ニーズ(unmet medical need)の分野に属し、そこでは、処置モダリティの幾つかは、この2、30年の間進展しなかった[Schafer AI, Blood, 2006, 107, 4214-4222]。
【0010】
骨髄増殖性障害(MPD)は、骨髄中の変異した始原幹細胞のクローン増幅から生じる血液悪性腫の群に属する。1種のMPDである慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体との関連性が、広範囲に文書化されてきた。フィラデルフィア陰性MPDは、本態性血小板血症(ET)、真性赤血球増加症(PV)及び慢性特発性骨髄線維腫(MF)を含む。現在のところ、利用できる有効な処置はない。JAK2においてシグナル認識された体細胞突然変異がこれらのMPD徴候の特徴の多くの原因と思わせる近年の発見があり、それが、これらの障害のある患者の診断及び処置に影響を与え、調節不能の細胞増殖及び機能の起源への更なる研究を促している。近年まで、ほとんどのMPDが、珍しい疾患又は奇病と考えられてきたが、実施中の研究は、かなり高いはやりであることを示唆する。
【0011】
本態性血小板血症は、循環する血小板の増加、著しい骨髄巨核球増殖、巨脾症を特徴とする慢性MPDであり、出血もしくは血栓エピソード又はその両方により臨床工程が変化される。現在の処置選択は、低用量アスピリン、又は血小板低下剤(platelet lowering agents)(例えば、アナグレリド、インターフェロン又はヒドロキシ尿素)を含む。これらの処置は、患者の生活の質を害する重度の副作用を有する。
【0012】
真性赤血球増加症は、ヘマトクリットの上昇、赤血球塊の増加、及び通常は白血球カウントの上昇、血小板カウントの上昇及び脾臓の肥大を特徴とする慢性の進行性MPDである。罹患及び死亡の最も一般的な原因は、生命を脅かす動脈及び静脈血栓を発症するPV患者の素因である。処置の選択は、低用量アスピリンでの瀉血又は骨髄抑制療法的選択(例えば、ヒドロキシ尿素、インターフェロン又はアナグレリド)を含む。同じく、これらの処置は、重度の副作用のため理想的ではない。
【0013】
慢性特発性骨髄線維腫(MF)は、脾臓の肥大、様々な度合いの貧血及び低血小板カウント、涙滴に似た、抹消血中の赤血球、血中の、少数の幼弱な有核赤血球及び白血球の出現、髄腔の様々な度合いでの線維化程度の変化(骨髄線維症)及び髄腔の外側の骨髄細胞の存在(骨髄外の造血又は骨髄性化生)を特徴とする慢性悪性血液障害である。現在の処置は、組織的症状、貧血及び症候性の巨脾症を軽減することに向けられている。処置の選択は、ヒドロキシ尿素、インターフェロン、サリドマイドとプレドニソンとの併用、及び異種幹細胞移植を含む。MFは、フィラデルフィア陰性MPDの中で最も予後が悪く、最大の満たされない医療ニーズ(greatest unmet medical need)の領域を表す。
【0014】
加えて、JAK2は、アンギオテンシンIIシグナル経路における役割により、うっ血性心不全及び肺高血圧症のような心臓血管疾患の病因にも関与する[Berk BC et al, Circ. Res, 1997, 80, 607-616]。その上、JAK2への推定上の役割が、ケロイドの病原で実証され、ケロイド管理のための新しいアプローチを構成しうる[Lim CP et al, Oncogene, 2006, 25, 5416-5425]。網膜変性のマウスモデルにおいて、JAK2阻害が、光受容体について保護効果を与えることが見出されたため、JAK2阻害剤の更に別の潜在的適用が、網膜疾患の処置に存する[Samardzija M et al, FASEB J., 2006, 10, 1096]。
【0015】
c−Fms、c−Kit、fms様受容体チロシンキナーゼ3(FLT3)、及び血小板由来増殖因子受容体(PDGFRα及びβ)を含む、クラスIII受容体チロシンキナーゼ(RTK)のファミリーは、造血細胞及び非造血細胞の維持、増殖及び発達において重要な役割を担う。これらのRTKの過剰発現及び活性化型変異が、固形及び血液の両方を起源とする、種々のヒト癌の病態生理学に関与することは公知である[Hannah AL, Curr. Mol. Med., 2005, 5, 625-642]。FLT3変異は、最初、中間膜ドメインコード配列の内部タンデム重複(FLT3/ITD)として報告され、続いて、D835コード配列の周囲の、点突然変異、欠失及び挿入が、見出された[Parcells BW et al, Stem Cells, 2006, 24, 1174-1184]。FLT3変異は、急性骨髄性白血病(AML)において報告された最も頻出する遺伝子変化であり、白血病細胞の自律増殖及び分化遮断のシグナル経路に関与する[Tickenbrock L et al, Expert Opin. Emerging Drugs, 2006, 11, 1-13]。複数の臨床試験は、FLT3/ITDが、予後不良に強く関連することを確認した。高用量化学療法及び幹細胞移植は、FLT3変異の有害作用を克服することができないため、FLT3キナーゼ阻害剤の開発は、白血病治療のため、より有効な治療戦略をもたらし得る。
【0016】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期の制御(CDK1、2、4及び6)、転写開始(CDK7及び9)、及び神経機能(CDK5)において重要な役割を担うセリン−トレオニンキナーゼである[knockaert M et al, Trends Pharmacol. Sci., 2002, 23, 417-425]。細胞周期 CDK及びそのサイクリンパートナーの変形が、乳房、結腸、肝臓及び脳の腫瘍を含む、様々な腫瘍タイプで観察された[Shapiro GI, J. Clin. Oncol., 2006, 24, 1770-1783]。CDK1、2、4、6及び/又は9の薬理学的阻害が、種々の癌患者のための新規な治療選択を提供し得ると考えられる。特に、CDK1、2及び9の同時阻害が、結果として、単一のCDKのみの阻害に比較して、肺癌(H1299)及び骨肉腫細胞(U2OS)のアポトーシス死を高めることが近年になり示された[Cai D et al, Cancer Res, 2006, 66, 9270-9280]。
【0017】
したがって、キナーゼ阻害剤である化合物は、キナーゼ関連状態又は障害(例えば、癌及び他の増殖性障害)の処置において、有用な、改善された薬物特性を有すると期待される、更なる生物的活性化合物を提供する必要性を満たす可能性を有する。
【0018】
発明の概要
一つの態様において、本発明は、式(I):
【0019】
【化18】

【0020】
[式中、
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
、R、及びRのそれぞれは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
のそれぞれは、独立して、結合、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
は、独立して、結合、O、S、−N(R)−、−N(R)C1〜2アルキル−、及び−C1〜2アルキルN(R)−からなる群から選択され;
のそれぞれは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
Ar及びArは、それぞれ独立して、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
Lは、式:
【0021】
【化19】

【0022】
(式中、Xは、Arに結合しており、Xは、Arに結合しており、ここで、X、X及びYは、基:Lがノルマル鎖内に原子を5〜15個有するように選択され、
及びXは、それぞれ独立して、ノルマル鎖内に酸素原子を少なくとも1個含むヘテロアルキル基であり、
Yは、式:−CR=CR−で示される基又は場合により置換されたシクロアルキル基であり、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよいか;又は
及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルケニル又はシクロへテロアルケニル基を形成するように結合していてもよい)で示される基である]
で示される化合物、又は薬学的に許容され得るその塩、そのN−酸化物、もしくはそのプロドラッグを提供する。
【0023】
特有の有用性を有する、構造的に関連する化合物がいずれの群についても、式(I)で示される化合物の変種の特定の実施形態が、その最終的使用適用において特に有用である。
【0024】
特定の実施形態において、Zは、結合、−N(R)−及び−S−からなる群から選択される。一つの特別な実施形態において、Zは、−N(R)−である。より特別な実施例において、Zは、−NH−である。
【0025】
Ar及びArは、それぞれ独立して、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、単環、二環又は多環部分であってもよい。特定の実施形態において、Ar及びArのそれぞれは、単環又は二環部分である。特定の実施形態において、Ar及びArのそれぞれは、単環部分である。
【0026】
特定の実施形態において、Arは、
【0027】
【化20】

【0028】
(式中、V、V、V及びVは、それぞれ独立して、N及びC(R10)からなる群から選択され;
Wは、O、S及びNR10からなる群から選択され;
及びWは、それぞれ独立して、N及びCR10からなる群から選択され;
ここで、R10のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
、R、R及びRは、先に定義されたとおりである)からなる群から選択される。
【0029】
特定の実施形態において、Arは、
【0030】
【化21】

【0031】
(式中、V、V、V、V、W、W、W、R、R、R及びRは、先に定義されたとおりである)からなる群から選択される。
【0032】
特定の実施形態において、Arは、
【0033】
【化22】

【0034】
(式中、R10のそれぞれは、先に定義されたとおりであり、
kは、0、1、2、3、及び4からなる群から選択される整数であり、
nは、0、1、及び2からなる群から選択される整数である)からなる群から選択される。
【0035】
更なる実施形態において、Arは、
【0036】
【化23】

【0037】
(式中、R10は、先に定義されたとおりである)からなる群から選択される。
【0038】
特定の実施形態において、Arは、
【0039】
【化24】

【0040】
(式中、R10のそれぞれは、独立して、先に定義されたとおりであり、
qは、0、1及び2からなる群から選択される整数である)からなる群から選択される。
【0041】
特定の実施形態において、Arは、
【0042】
【化25】

【0043】
からなる群から選択される。
【0044】
特定の実施形態において、Arは、
【0045】
【化26】

【0046】
からなる群から選択される。
【0047】
特定の実施形態において、Arは、
【0048】
【化27】

【0049】
(式中、V、V、V及びVは、独立して、N、及びC(R11)からなる群から選択され;
ここで、R11のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい)からなる群から選択される。
【0050】
特定の実施形態において、Arは、
【0051】
【化28】

【0052】
(式中、R11のそれぞれは、独立して、先に定義されたとおりであり
oは、0、1、2、3、及び4からなる群から選択される整数であり;
pは、0、1、2、及び3からなる群から選択される整数である)からなる群から選択される。
【0053】
特定の実施形態において、Arは、
【0054】
【化29】

【0055】
(式中、R11のそれぞれは、先に定義されたとおりである)からなる群から選択される。
【0056】
更なる実施形態において、Arは、
【0057】
【化30】

【0058】
からなる群から選択される。
【0059】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(II):
【0060】
【化31】

【0061】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、k及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0062】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(III):
【0063】
【化32】

【0064】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0065】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(IV):
【0066】
【化33】

【0067】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0068】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(V):
【0069】
【化34】

【0070】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0071】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(VI):
【0072】
【化35】

【0073】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0074】
本発明の一つの実施形態において、該化合物は、式(VII):
【0075】
【化36】

【0076】
(式中、R、R、R10、R11、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)で示されるもの、又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグである。
【0077】
本発明の化合物において、X、X及びYは、ノルマル鎖内に原子が5〜15個存在するように選択される。本発明の化合物の一つの実施形態において、X、X及びYは、ノルマル鎖内に原子が6〜15個存在するように選択される。本発明の化合物の一つの特別な実施形態において、X、X及びYは、ノルマル鎖内に原子が7個存在するように選択される。本発明の化合物の別の特別な実施形態において、X、X及びYは、ノルマル鎖内に原子が8個存在するように選択される。
【0078】
本発明の化合物において、X及びXは、それぞれ独立して、ノルマル鎖内に酸素原子を少なくとも1個含むヘテロアルキル基である。
【0079】
特定の実施形態において、Xは、
(a)−OC1〜5アルキル−、
(b)−C1〜5アルキルO−、及び
(c)−C1〜5アルキルOC1〜5アルキル、
からなる群から選択される。
【0080】
特定の実施形態において、Xは、
(a)−OCH−、
(b)−CHO−、
(c)−OCHCH−、
(d)−CHCHO−、
(e)−CHOCH−、及び
(f)−CHCHOCH−、
からなる群から選択される。
【0081】
一つの特別な実施形態において、Xは、−OCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHO−である。別の特別な実施形態において、Xは、−OCHCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHCHO−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHOCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHCHOCH−である。
【0082】
特定の実施形態において、Xは、
(a)−OC1〜5アルキル−、
(b)−C1〜5アルキルO−、及び
(c)−C1〜5アルキルOC1〜5アルキル、
からなる群から選択される。
【0083】
特定の実施形態において、Xは、
(a)−OCH−、
(b)−CHO−、
(c)−OCHCH−、
(d)−CHCHO−、
(e)−CHOCH−、及び
(f)−CHCHOCH−、
からなる群から選択される。
【0084】
一つの特別な実施形態において、Xは、−OCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHO−である。別の特別な実施形態において、Xは、−OCHCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHCHO−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHOCH−である。別の特別な実施形態において、Xは、−CHCHOCH−である。
【0085】
本発明の化合物の特に有用な部分集合は、
【0086】
【化37】





【0087】
(式中、R、R、R10、R11、k、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)からなる群、又は薬学的に許容され得るその塩から選択される。
【0088】
特定の実施形態において、Rは、H、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、COOH、COR、COOR、CONHR、NHCOR、NHCOOR、NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0089】
本発明の特別な実施形態において、Rは、H、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、フェニル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0090】
特定の実施形態において、Rは、H、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0091】
特別な実施形態において、Rは、Hである。
【0092】
特定の実施形態において、Rは、H、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、COOH、COR、COOR、CONHR、NHCOR、NHCOOR、NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0093】
特定の実施形態において、Rは、H、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、フェニル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0094】
特定の実施形態において、Rは、H、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0095】
一つの特別な実施形態において、Rは、H及びアルキルからなる群から選択される。
【0096】
別の特別な実施形態において、Rは、H又はメチルである。
【0097】
特定の実施形態において、Rは、H、C〜Cアルキル及びアシルからなる群から選択される。別の実施形態において、Rは、H及びC〜Cアルキルからなる群から選択される。特別な実施形態において、Rは、C〜Cアルキルである。
【0098】
特定の実施形態において、Rは、H及びC〜Cアルキルからなる群から選択される。特別な実施形態において、Rは、C〜Cアルキルである。
【0099】
特定の実施形態において、Rは、C〜Cアルキル、ヘテロアルキル及びアシルからなる群から選択される。特別な実施形態において、Rは、C〜Cアルキルである。
【0100】
特定の実施形態において、Rは、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキル及びアシルからなる群から選択される。特別な実施形態において、Rは、C〜Cアルキル又は結合である。
【0101】
特定の実施形態において、Rは、H及びC〜Cアルキルからなる群から選択される。特別な実施形態において、Rは、Hである。
【0102】
本発明の化合物の特定の実施形態において、R10のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アミノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、及びアルコキシアルキルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0103】
特定の実施形態において、R10のそれぞれは、独立して、H、ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、メトキシ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、及び2−モルホリノエトキシからなる群から選択され、そのそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0104】
特定の実施形態において、R11のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アミノ、NR、アルキルスルホニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールスルホニルオキシ、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、及びアルコキシアルキルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0105】
特定の実施形態において、R11のそれぞれは、独立して、H、ヒドロキシ、メトキシ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、及び2−モルホリノエトキシからなる群から選択され、そのそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0106】
本発明の特定の実施形態において、R11のそれぞれは、独立して、H、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、及びアリールスルホニルオキシからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい。
【0107】
本発明の特定の実施形態において、kは、0又は1である。一つの実施形態において、kは、0である。別の実施形態において、kは、1である。
【0108】
本発明の特定の実施形態において、qは、0又は1である。一つの実施形態において、qは、0である。別の実施形態において、qは、1である。
【0109】
本発明の特定の実施形態において、oは、0、1、又は2である。一つの実施形態において、oは、1である。別の実施形態において、oは、1である。別の実施形態において、oは、2である。
【0110】
本発明の特定の実施形態において、R11のそれぞれは、独立して、
【0111】
【化38】

【0112】
からなる群から選択される。
【0113】
一つの実施形態において、Yは、
【0114】
【化39】

【0115】
からなる群から選択される。
【0116】
特別な実施形態において、Yは、
【0117】
【化40】

【0118】
である。
【0119】
別の特別な実施形態において、Yは、
【0120】
【化41】

【0121】
である。
【0122】
別の特別な実施形態において、Yは、シクロプロピル基である。
【0123】
先に議論した変数の全てではないが多くは、場合により置換されていてもよい。変数が、場合により置換されている場合、特定の実施形態において、任意の置換基は、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、−CF、−OCF、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルコキシヘテロアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、−COOH、−COR、−C(O)OR、−SH、−SR、−OR及びアシルからなる群から選択される。
【0124】
特定の実施形態において、置換基は、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、フェノキシ、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、−C(O)OR、COOH、SH、及びアシルからなる群から選択される。
【0125】
式Iで示される化合物に加えて、開示された実施形態は、そのような化合物の薬学的に許容され得る塩、薬学的に許容され得るN−オキシド、薬学的に許容され得るプロドラッグ、及びそのような化合物の薬学的に活性な代謝産物、ならびにそのような代謝産物の薬学的に許容され得る塩にも向けられる。
【0126】
本発明は、本発明の化合物を、薬学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤と共に含む医薬組成物にも関する。
【0127】
更なる態様において、本発明は、1種以上のプロテインキナーゼ及び/又はそのコファクターを本発明の化合物の効果的な量にさらすことを含む、1種以上のプロテインキナーゼを阻害する方法を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0128】
本明細書に開示された化合物は、キナーゼ分子に直接そして単独で作用して、生物活性を阻害してもよい。しかし、該化合物が、リン酸化工程に関与するコファクター上でも、少なくとも部分的に作用し得ることを理解されたい。例えば、キナーゼがサイクリン依存性であれば、コファクター(例えば、サイクリンA)は、ATP(それ自身がコファクターとも見なされる)からその基質分子へのリン酸の転移に関与する。他のキナーゼコファクターは、イオン類(例えば、亜鉛及びカルシウム)、脂質、(例えば、ホスファチジルセリン)、及びジアシルグリセリンを含む。
【0129】
該方法の一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、サイクリン依存性プロテインキナーゼである。特別な実施形態において、サイクリン依存性キナーゼは、GroupI CMCGキナーゼである。一つの実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDK2又はその機能的均等物である。
【0130】
該方法の別の実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、プロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである。一つの実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、JAK2又はその機能的均等物である。該方法の一つの形態において、JAK2は、再発性の独特な後天的クローン変異(recurrent unique acquired clonal mutation)を含む。この突然変異は、真性赤血球増加症(PV)患者の大部分及び他の骨髄増殖性障害(本態性血小板血症(ET)及び慢性特発性骨髄線維腫(IMF)を含む)の患者のかなりの割合に観察される。該方法の一つの形態において、突然変異は、617位(V617F)でのバリンからフェニルアラニンへの置換である。PV患者におけるこの突然変異の発生率は、非常に高い(患者の約78%)。
【0131】
JAK2変異は、体幹的であり、造血幹細胞のレベルで発生する。研究は、変異したJAK2が、骨髄性の細胞、即ち、骨髄細胞、顆粒球、血小板及びCD34+細胞由来の赤芽球で見出され、T細胞では見いだされないことを実証した。加えて、変異型JAK2が、造血性始原細胞由来の造血性クローンに見出された。本出願人は、本明細書に記載されたキナーゼ阻害剤が、野生型及び変異型JAK2の活性を阻害し得ることを実証した。
【0132】
該方法の別の実施形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される。一つの特別な実施形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、FLT3又はその機能的均等物である。該方法の別の形態において、FLT3キナーゼは、突然変異を含む。FLT3の変異が、一部の患者のAMLの開始又は維持において重要であるとする仮説を裏付ける、実質的な実験的及び臨床的証拠が存在する。FLT3の活性型変異は、結果として、FLT3チロシンキナーゼ活性の構造的活性化をもたらし、免疫欠損マウスにおける、因子非依存性増殖への変換及び腫瘍形成により証明されるように、因子依存性造血細胞を形質転換させうる。加えて、AML患者由来のFLT3 ITD(内部タンデム重複)cDNAでの一次マウス骨髄(primary murine bone marrow)のレトロウイルス形質導入は、結果として、致命的な骨髄増殖性症候群をもたらす。その上、FLT3 ITDでの前骨髄生白血病/レチノイン酸受容体(PML−RAR)トランスジェニックマウス由来の骨髄のレトロウイルス形質導入は、結果として、mock形質転換骨髄の移植を受けたマウスと比較して、そのようなマウスの急性前顆粒球(APL)様の白血病の発生率の著しい上昇となる。本出願人は、本明細書に記載されたキナーゼ阻害剤が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複が存在するITDを含むFLT3を阻害する可能性があることを実証した。該方法のより特別な実施形態において、FLT3は、内部タンデム重複を含む。より具体的な実施形態において、内部タンデム重複は、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である。
【0133】
該方法の一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼを該化合物へさらすことは、該化合物を1種以上のプロテインキナーゼを含むホ乳類に投与することを含む。
【0134】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する。この実施形態の一つの形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する。
【0135】
更なる態様において、本発明は、1種以上のプロテインキナーゼを阻害するための本発明の化合物の使用を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0136】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、サイクリン依存性プロテインキナーゼである。特別な実施形態において、サイクリン依存性キナーゼは、GroupI CMCGキナーゼである。一つの実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDK2又はその機能的均等物である。
【0137】
別の実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、プロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである。一つの実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、JAK2又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、JAK2は、617位のVからFへの変異を含む。
【0138】
別の実施形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される。一つの特別な実施形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、FLT3又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、FLT3は、内部タンデム重複を含む。より特別な実施形態において、内部タンデム重複は、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である。
【0139】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する。この実施形態の一つの形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する。
【0140】
更なる態様において、本発明は、1種以上のプロテインキナーゼ及び/又はそのコファクターの阻害が、状態の病態又は症候を予防、阻害又は改善する、ホ乳類における状態を処置又は予防する方法であって、本発明の化合物の治療的効果的な量を投与することを含む方法を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0141】
該方法の一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、サイクリン依存性プロテインキナーゼである。特別な実施形態において、サイクリン依存性キナーゼは、GroupI CMCGキナーゼである。一つの実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDK2又はその機能的均等物である。一つの実施形態において、状態は、前立腺癌、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、T細胞白血病、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、筋骨格新生物及びアルツハイマー病からなる群から選択される。
【0142】
該方法の別の実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、プロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである。一つの実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、JAK2又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、JAK2は、617位のVからFへの変異を含む。一つの実施形態において、状態は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸悪性腫瘍、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大、肺高血圧症、及び網膜変性からなる群から選択される。
【0143】
該方法の別の実施形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される。一つの特別な実施形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、FLT3又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、FLT3は、内部タンデムの重複を含む。より特別な実施形態において、内部タンデム重複は、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である。一つの実施形態において、状態は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、骨髄増殖性障害、及び慢性骨髄単球性白血病からなる群から選択される。
【0144】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する。この実施形態の一つの形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する。
【0145】
更なる態様において、本発明は、動物内の状態を処置する医薬を製造における、本発明の化合物の使用であって、1種以上のプロテインキナーゼの阻害が、状態の病態又は症候を予防、阻害又は改善し得る使用を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0146】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、サイクリン依存性プロテインキナーゼである。特別な実施形態において、サイクリン依存性キナーゼは、GroupI CMCGキナーゼである。一つの実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupI CMCGキナーゼは、CDK2又はその機能的均等物である。一つの実施形態において、状態は、前立腺癌、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、T細胞白血病、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、筋骨格新生物及びアルツハイマー病からなる群から選択される。
【0147】
別の実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、プロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである。一つの実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される。特別な実施形態において、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、JAK2又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、JAK2は、617位のVからFへの変異を含む。一つの実施形態において、状態は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸悪性腫瘍、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大、肺高血圧症、及び網膜変性からなる群から選択される。
【0148】
別の実施形態において、プロテインチロシンキナーゼは、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである。この実施形態の一つの形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される。一つの実施形態において、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、FLT3又はその機能的均等物である。より特別な実施形態において、FLT3は、内部タンデムの重複を含む。より特別な実施形態において、内部タンデム重複は、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である。一つの実施形態において、状態は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、骨髄増殖性障害、及び慢性骨髄単球性白血病からなる群から選択される。
【0149】
一つの実施形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する。この実施形態の一つの形態において、1種以上のプロテインキナーゼは、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する。
【0150】
更なる態様において、本発明は、キナーゼ関連障害の処置又は予防のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0151】
一つの実施形態において、キナーゼ関連障害は、増殖性障害である。特別な実施形態において、増殖性障害は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、急性B細胞白血病、白血球増多症、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、及び筋骨格新生物からなる群から選択される。
【0152】
一つの実施形態において、増殖性障害は、骨髄増殖性障害である。特別な実施形態において、骨髄増殖性疾患は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される。
【0153】
別の実施形態において、増殖性障害は、癌である。一つの実施形態において、癌は、固形癌である。一つの実施形態において、固形癌は、乳房、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜、骨、皮膚、肺、肝臓、膵臓、頚、脳、神経組織、リンパ組織、血管、膀胱及び筋肉からなる群から選択される臓器又は組織に存在する腫瘍、又はそこから転移した腫瘍である。
【0154】
一つの実施形態において、癌は、血液癌である。特別な実施形態において、血液癌は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、及びB細胞リンパ腫からなる群から選択される。
【0155】
別の実施形態において、キナーゼ関連障害は、心臓血管障害である。一つの実施形態において、心臓血管障害は、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大及び再狭窄からなる群から選択される。
【0156】
一つの実施形態において、キナーゼ関連障害は、神経変性障害である。特別な実施形態において、神経変性障害は、アルツハイマー病である。
【0157】
更なる態様において、本発明は、本発明の化合物の効果的な量を、それを必要とする患者に投与することを含む、キナーゼ関連障害を処置又は予防する方法を提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0158】
一つの実施形態において、キナーゼ関連障害は、増殖性障害である。特別な実施形態において、増殖性障害患は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、急性B細胞白血病、白血球増多症、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、及び筋骨格新生物からなる群から選択される。
【0159】
一つの実施形態において、増殖性障害は、骨髄増殖性障害である。特別な実施形態において、骨髄増殖性障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される。
【0160】
別の実施形態において、増殖性障害は、癌である。一つの実施形態において、癌は、固形癌である。一つの実施形態において、固形癌は、乳房、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜、骨、皮膚、肺、肝臓、膵臓、頚、脳、神経組織、リンパ組織、血管、膀胱及び筋肉からなる群から選択される臓器又は組織に存在する腫瘍、又はそこから転移した腫瘍である。
【0161】
一つの実施形態において、癌は、血液癌である。特別な実施形態において、血液癌は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、及びB細胞リンパ腫からなる群から選択される。
【0162】
別の実施形態において、キナーゼ関連障害は、心臓血管障害である。一つの実施形態において、心臓血管障害は、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大及び再狭窄からなる群から選択される。
【0163】
一つの実施形態において、キナーゼ関連障害は、神経変性障害である。特別な実施形態において、神経変性障害は、アルツハイマー病である。
【0164】
本発明は、式(I)で示される化合物の効果的な量を投与することを含む、細胞増殖を阻害する方法も提供する。一つの実施形態において、該化合物は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で示される化合物である。
【0165】
更なる態様において、本発明は、(a)式:
【0166】
【化42】

【0167】
(式中、R、R、R、R、Z、Ar、Ar、X及びXは、先に定義されたとおりである)で示される化合物を提供するステップ;
(b)該化合物を閉環メタセシスに供するステップ;
(c)場合により、こうして形成された二重結合を反応させて、シクロアルキル基を形成させるステップを含む、式(I)で示される化合物の合成方法を提供する。
【0168】
発明の詳細な説明
本明細書においては、当業者に周知の多数の用語が用いられている。しかし、明瞭にするために、多数の用語を定義する。
【0169】
本明細書において用いられるように、用語「非置換」は、置換基が存在しないか、又は唯一の置換基が水素であることを意味する。
【0170】
本明細書の全体と通して用いられるように、用語「場合により置換される」は、その基が、1個以上の非水素置換基で、更に置換又は縮合され得ること(その結果、縮合される多環系を形成し得ること)、又は置換又は縮合され得ないことを示す。特定の実施形態において、置換基は、独立して、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、−CF、−OCF、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルケニル、ヘテロシクロアルキルアルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシシクロアルキル、アルコキシへテロシクロアルキル、アルコキシアリール、アルコキシへテロアリール、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アミノスルフィニルアミノアルキル、−COOH、−COR、−C(O)OR、CONHR、NHCOR、NHCOOR、NHCONHR、C(=NOH)R、−SH、−SR、−OR及びアシルからなる群から選択される、1個以上の基である。
【0171】
基又は基の一部としての「アルキル」は、他に断りがなければ、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素基、好ましくは、C〜C14アルキル、より好ましくは、C〜C10アルキル、最も好ましくは、C〜Cアルキルを指す。適切な直鎖状又は分枝状C〜Cアルキル置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシルなどを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0172】
「アルキルアミノ」は、他に断りがなければ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノの両方を包含する。「モノアルキルアミノ」は、アルキルが、先に定義されたとおりである、−NH−アルキル基を意味する。「ジアルキルアミノ」は、各アルキルが同一又は異なっていてもよく、それぞれアルキルに関して本明細書に定義されたとおりである、−N(アルキル)基を意味する。アルキル基は、好ましくは、C〜Cアルキル基である。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0173】
「アリールアミノ」は、他に断りがなければ、モノアリールアミノ及びジアリールアミノの両方を包含する。モノアリールアミノは、アリールが先に定義されたとおりである、式:アリールNH−で示される基を意味する。ジアリールアミノは、各アリールが同一又は異なっていてもよく、それぞれアリールに関して本明細書に定義されたとおりである、式:(アリール)N−で示される基を意味する。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0174】
「アシル」は、アルキル基が本明細書に定義されたとおりである、アルキル−CO−基を意味する。アシルの例は、アセチル及びベンゾイルを含む。アルキル基は、好ましくは、C〜Cアルキル基である。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0175】
基又は基の一部としての「アルケニル」は、直鎖状又は分枝状であってもよく、炭素−炭素二重結合を少なくとも1個含む脂肪族炭化水素基、ノルマル鎖内に、好ましくは、炭素原子を2〜14個、より好ましくは、炭素原子を2〜12個、最も好ましくは、炭素原子を2〜6個有するものを示す。該基は、ノルマル鎖内に多数の二重結合を含んでいてもよく、それぞれについての配置は、独立して、E又はZである。例示的なアルケニル基は、非限定的に、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル及びノネニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0176】
「アルコキシ」は、アルキルが先に定義されたとおりである、−O−アルキル基を指す。好ましくは、アルコキシは、C〜Cアルコキシである。例は、非限定的に、メトキシ及びエトキシを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0177】
「アルケニルオキシ」は、アルケニルが先に定義されたとおりである、−O−アルケニル基を指す。好ましいアルケニルオキシ基は、C〜Cアルケニルオキシ基である。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0178】
「アルキニルオキシ」は、アルキニルが先に定義されたとおりである、−O−アルキニル基を指す。好ましいアルキニルオキシ基は、C〜Cアルキニルオキシ基である。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0179】
「アルコキシカルボニル」は、アルキルが本明細書の先に定義されたとおりである、−C(O)−O−アルキル基を指す。アルキル基は、好ましくは、C〜Cアルキル基である。例は、非限定的に、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0180】
「アルキルスルフィニル」は、アルキルが先に定義されたとおりである、−S(O)−アルキル基を意味する。アルキル基は、好ましくは、C〜Cアルキル基である。例示的なアルキルスルフィニル基は、非限定的に、メトキシスルフィニル及びエチルスルフィニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0181】
「アルキルスルホニル」は、アルキルが先に定義されたとおりである、−S(O)−アルキル基を指す。アルキル基は、好ましくは、C〜Cアルキル基である。例は、非限定的に、メチルスルホニル及びエチルスルホニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0182】
基又は基の一部としての「アルキニル」は、直鎖状又は分枝状であってもよく、炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、ノルマル鎖内に、好ましくは炭素原子を2〜14個、より好ましくは、炭素原子を2〜12個、さらにより好ましくは。炭素原子を2〜6個有する。例示的な構造は、非限定的に、エチニル及びプロピニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0183】
「アルキルアミノカルボニル」は、アルキルアミノが先に定義されたとおりである、アルキルアミノ−カルボニル基を指す。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0184】
「シクロアルキル」は、他に断りがなければ、好ましくは、環あたり、3〜9個の炭素を含む、飽和又は部分飽和の、単環又は縮合又はスピロ多環式の炭素環を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを指す。それは、単環系(例えば、シクロプロピル及びシクロヘキシル)、二環系(例えば、デカリン)、及び多環系(例えば、アダマンタン)を包含する。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0185】
「シクロアルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、好ましくは、環あたり、5〜10個の炭素原子を有する、非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルを含む。シクロアルケニル基は、1個以上の置換基で置換されていてもよい。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0186】
アルキル及びシクロアルキル置換基の先の議論は、他の置換基(例えば、非限定的に、アルコキシ、アルキルアミン、アルキルケトン、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルキルスルホニル及びアルキルエステル置換基など)のアルキル部分にも適用される。
【0187】
「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル及びアルキル部分が先に記載されたとおりである、シクロアルキル−アルキル基を意味する。例示的なモノシクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル及びシクロヘプチルメチルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0188】
「ハロゲン」は、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を表す。
【0189】
「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、硫黄、酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、飽和又は部分飽和の単環、二環、又は多環を指し、少なくとも1個の環内に、、好ましくは、1〜3個のヘテロ原子を含む。各環は、好ましくは、3〜10員、より好ましくは、4〜7員である。適切なヘテロシクロアルキル置換基の例は、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフラニル、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、1,3−ジアザパン、1,4−ジアザパン、1,4−オキサゼパン、及び1,4−オキサチアパンを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0190】
「ヘテロシクロアルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含む、先に記載されたとおりであるヘテロシクロアルキルを指す。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0191】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、ヘテロシクロアルキル及びアルキル部分がこれまで記載されたとおりである、ヘテロシクロアルキル−アルキル基を指す。例示的なヘテロシクロアルキルアルキル基は、(2−テトラヒドロフリル)メチル、(2−テトラヒドロチオフラニル)メチルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0192】
「ヘテロアルキル」は、鎖内に、好ましくは、2〜14個の炭素を、より好ましくは、2〜10個の炭素を有し、その1個以上が、S、O、P及びNから選択されるヘテロ原子により置換される、直鎖又は分枝鎖アルキル基を指す。例示的なヘテロアルキルは、アルキルエーテル、第2級及び第3級アルキルアミン、アミド、アルキルスルフィドなどを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。本明細書内で用いられるように、架橋基に関連して用いられるノルマル鎖の参照は、架橋基の、2個の末端部分に結合している、原子の直接の鎖(direct chain)を指す。
【0193】
基又は基の一部としての「アリール」は、(i)好ましくは、環あたり、5〜12個の原子を有する、場合により置換される単環式又は縮合多環式の芳香族炭素環(環構造は、全てが炭素である環原子を有する)を示し、アリール基の例は、フェニル、ナフチルであり、;(ii)フェニルとC5〜7シクロアルキル又はC5〜7シクロアルケニル基とが、一緒に縮合され、環構造を形成している、場合により置換される部分飽和二環式芳香族炭素環部分、例えば、テトラヒドロナフチル、インデニル又はインダニルを示す。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0194】
「アリールアルケニル」は、アリール及びアルケニルが先に記載されたとおりである、アリール−アルケニル基を意味する。例示的なアリールアルケニル基は、フェニルアリルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0195】
「アリールアルキル」は、アリール及びアルキル部分が先に記載されたとおりである、アリール−アルキル基を意味する。好ましいアリールアルキル基は、C1〜5アルキル部分を含む。例示的なアリールアルキル基は、ベンジル、フェネチル及びナフテレンメチルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0196】
単独で、又は基の一部としての「ヘテロアリール」は、芳香環内に環原子として、1個以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子が炭素原子である、芳香族環(好ましくは、5又は6員芳香族環)を含む基を指す。適切なヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄を含む。ヘテロアリールの例は、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、シノリン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、2−、3−又は4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、又は8−キノリル、1−、3−、4−、又は5−イソキノリニル、1−、2−、又は3−インドリル、及び2−、又は3−チエニルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0197】
「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール及びアルキル部分が先に記載されたとおりである、ヘテロアリール−アルキル基を意味する。好ましいペテロアリールアルキル基は、低級アルキル部分を含む。例示的なヘテロアリールアルキル基は、ピリジルメチルを含む。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0198】
基としての「低級アルキル」は、他に断りがなければ、鎖内に、1〜6個の炭素原子を、より好ましくは、1〜4個の炭素を有し、直鎖状又は分枝状であってもよい脂肪族炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル又はイソプロピル)又はブチル(n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチル)を意味する。該基は、末端基又は架橋基であってもよい。
【0199】
式(I)で示される化合物のファミリーに含まれるものは、ジアステレオ異性体、鏡像異性体、互変異性体、及び「E」又は「Z」配置異性体又はE異性体とZ異性体との混合物中の幾何異性体を含む異性形態であることを理解されたい。ジアステレオマー、鏡像異性体、及び幾何異性体などの幾つかの異性形態は、物理的及び/又は化学的方法により及び当業者に周知の方法により、分離されうることも理解されたい。
【0200】
開示された実施形態の化合物の幾つかは、単一の立体異性体、ラセミ体、ならびに/又は鏡像異性体及び/もしくはジアステレオマーの混合物として存在してもよい。そのような単一の立体異性体、ラセミ体及びその混合物の全てが、記載及び請求される主題の範囲に含まれるものとする。
【0201】
加えて、式(I)は、適宜、該化合物の溶媒和及び非溶媒和形態を包含するものとする。つまり、各式は、水和及び非水和形態を含む、示される構造を有する化合物を含む。
【0202】
式(I)で示される化合物に加えて、様々な実施形態の化合物は、そのような化合物の、薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、N−オキシド、及び活性代謝産物、ならびにそのような代謝産物の薬学的に許容され得る塩を包含する。
【0203】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、先に同定された化合物の所望の生物活性を保持する塩を指し、薬学的に許容され得る酸付加塩及び塩基付加塩を包含する。式(I)で示される化合物の、適切な薬学的に許容され得る酸付加塩は、無機酸又は有機酸から製造されうる。そのような無機酸の例は、塩酸、硫酸、及びリン酸である。適切な有機酸は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環式の、カルボン酸及びスルホン酸類から選択され得、有機酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸である。式(I)で示される化合物の、適切な薬学的に許容され得る塩基付加塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛から製造される金属塩、ならびに有機塩基、例えば、コリン、ジエタノールアミン、モルホリンから製造される有機塩を含む。有機塩の他の例は、アンモニウム塩、第4級塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩);アミノ酸付加塩(例えばグリシン及びアルギニンとの塩)である。薬学的に許容され得る塩における更なる情報は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 19th Edition, Mack Publishing Co., Easton, PA 1995に見出されうる。固体である薬剤の場合、本発明の化合物、薬剤及び塩が、異なる結晶又は多形形態で存在し得、その全てが本発明及び特定の式の範囲に含まれることは、当業者には理解されよう。
【0204】
「プロドラッグ」は、インビボで、代謝手段により(例えば、加水分解、還元又は酸化により)、式(I)で示される化合物に変換可能な化合物を意味する。例えば、ヒドロキシル基を含む式(I)で示される化合物のエステルプロドラッグは、インビボで、加水分解されることにより、親分子に変換可能になり得る。ヒドロキシル基を含む式(I)で示される化合物の適切なエステルは、例えば、酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、シュウ酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエ酸エステル、ゲスチサート(gestisates)、イセチオン酸エステル、ジ−p−トルピル酒石酸エステル(di-p-tolupyltartrates)、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、シクロヘキシルスルファミン酸エステル及びキナ酸エステルである。他の例として、カルボキシ基を含む式(I)で示される化合物のエステルプロドラッグは、インビボで加水分解により、親分子に変換可能になり得る。(エステルプロドラッグの例は、F. J. Leinweber, Drug Metab. Res., 18: 379, 1987に記載されたものである)。
【0205】
用語「薬学上効果的な量」又は「効果的な量」は、有利な、又は所望の臨床結果を実行するのに十分な量である。効果的な量は、1回以上の投与で投与されうる。効果的な量は、代表的には、疾患状態の進行を、緩和させ、改善させ、安定化させ、回復させ、減速させ又は遅延させるのに十分である。
【0206】
用語「ノルマル鎖」は、結合部分の2つの先端に結合する直接の鎖を指す。本発明の化合物の参照において、アルコキシアルキル基は、ノルマル鎖内にヘテロ原子(この場合、酸素原子)を含むヘテロアルキル基である。アミド基は、ヘテロアルキル基でもあるが、それは、ノルマル鎖内に酸素原子を含まない(それは、ノルマル鎖内に窒素原子を含む)。
【0207】
用語「機能的均等物」は、本明細書に記載された、特別なプロテインキナーゼ種の変種を包含するものとする。キナーゼがアイソフォームを有し得るため、所定のキナーゼアイソフォームの、第1級、第2級、第3級又は第4級構造は、プロトタイプのキナーゼとは異なるが、分子がプロテインキナーゼとしての生物活性を保持することは理解されよう。アイソフォームは、母集団内の正常な対立形質の変異から生じる可能性があり、アミノ酸の、置換、欠失、付加、欠損、又は重複などの突然変異を含む。同じく用語「機能的均等物」に含まれるものは、転写のレベルで発生した変異である。多くのキナーゼ(JAKS及びCDK2など)は、転写変異から生じたアイソフォームを有する。FLT3が、エキソンスキッピングの結果のアイソフォームを有することも公知である。他の機能的均等物は、グリコシル化などの、変化した翻訳後修飾を有するキナーゼを含む。
【0208】
本発明の具体的な化合物は、以下のものを含む。
【0209】
【化43】













【0210】
本発明の化合物は、特定のプロテインキナーゼの活性を阻害する能力を有する。キナーゼ活性を阻害する能力は、本発明の化合物がキナーゼ分子上で直接かつ単独で作用して、生物活性を阻害する結果でありうる。しかし、該化合物が、リン酸化工程に関与する該当のキナーゼのコファクター上で、少なくとも部分的に作用し得ることも理解されたい。例えば、キナーゼが、サイクリン依存性である場合、コファクター(例えば、サイクリンA)は、ATP(それ自身がコファクターとも見なされる)からその基質分子へのリン酸の転移に関与する。他のキナーゼコファクターは、イオン種(例えば、亜鉛及びカルシウム)、脂質(例えば、ホスファチジルセリン)、及びジアシルグリセリンを含む。
【0211】
該化合物は、広範囲のプロテインキナーゼに対して活性を有していてもよい。プロテインキナーゼの一つの適切なファミリーは、サイクリン依存性プロテインキナーゼである。サイクリン依存性キナーゼの例は、GroupI CMCGキナーゼである。GroupI CMCGキナーゼの例は、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rを含む。特に興味あるGroupI CMCGキナーゼは、CDK2である。
【0212】
プロテインキナーゼの別のファミリーは、プロテインチロシンキナーゼである。プロテインチロシンキナーゼの例は、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである。GroupVIIプロテインチロシンキナーゼの例は、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPを含む。特に興味あるGroupVIIプロテインチロシンキナーゼは、JAK2である。JAK2プロテインキナーゼは、再発性の独特な後天的クローン変異を含んでいてもよい。先に述べたとおり、この突然変異は、真性赤血球増加症(PV)患者の大部分及び他の骨髄増殖性障害(本態性血小板血症(ET)及び慢性特発性骨髄線維症(IMF)など)の患者のかなりの割合に観察される。代表的な突然変異は、617位(V617F)でのバリンからフェニルアラニンへの置換である。PV患者におけるこの突然変異の発生率は、非常に高い(患者の約78%)。
【0213】
プロテインチロシンキナーゼの別の例は、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである。GroupXIVプロテインチロシンキナーゼの例は、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4を含む。特に興味あるGroupXIVプロテインチロシンキナーゼは、FLT3である。FLT3キナーゼは、突然変異を含んでいてもよい。FLT3の変異が、一部の患者のAMLの開始又は維持において重要であるとする仮説を裏付ける実質的な実験的及び臨床的証拠が存在する。FLT3の活性型変異は、結果的に、FLT3チロシンキナーゼ活性の構造的活性化をもたらし、免疫欠損マウスでの因子依存性増殖への変換及び腫瘍形成で示されたとおり、因子依存性造血細胞を形質転換しうる。加えて、AML患者由来のFLT3 ITD(内部タンデム重複)cDNAでの、一次マウス骨髄のレトロウイルス形質導入は、結果的に、致命的な骨髄増殖性症候群をもたらす。その上、FLT3 ITDでの、前骨髄生白血病/レチノイン酸受容体(PML−RAR)トランスジェニックマウス由来の骨髄のレトロウイルス形質導入は、結果的に、mock形質転換骨髄の移植を受けたマウスと比較して、そのようなマウスの急性前顆粒球(APL)様の白血病の発生率において、著しく増加となる。本出願人は、本明細書に記載されたキナーゼ阻害剤が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複が存在するITDを含むFLT3を阻害する可能性があることを実証した。該方法のより特別な実施形態において、FLT3は、内部タンデム重複を含む。より具体的な実施形態において、内部タンデム重複は、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である。
【0214】
プロテインキナーゼの阻害は、当該技術分野で周知の数多くの方法のいずれにおいて、実施されうる。例えば、インビトロでのプロテインキナーゼの阻害が望ましい場合、適切な量の本発明の化合物を、キナーゼを含む溶液に添加してもよい。ホ乳類でのキナーゼの活性を阻害することが望ましい状況では、キナーゼの阻害は、代表的には、キナーゼを含むホ乳類に該化合物を投与することを含む。
【0215】
したがって、本発明の化合物は、上述のタイプのプロテインキナーゼを阻害する能力が利用され得る多数の適用例を見出しうる。例えば、該化合物は、プロテインキナーゼを阻害するために、使用されうる。該化合物は、また、ホ乳類の状態を処置又は予防する際に、使用され得、プロテインキナーゼ及び/又はそのコファクターの阻害が、状態の病態又は症状を予防し、阻害し又は改善する。
【0216】
プロテインキナーゼの阻害により処置され得る状態の例は、前立腺癌、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、T細胞白血病、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、筋骨格新生物及びアルツハイマー病を含む。
【0217】
プロテインキナーゼの阻害により処置され得る別の状態は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大、肺高血圧症、及び網膜変性を含む。
【0218】
プロテインキナーゼの阻害により処置され得る他の状態は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、骨髄増殖性疾患、及び慢性骨髄単球性白血病を含む。
【0219】
本発明の化合物は、プロテインキナーゼの阻害が、状態の病態又は症候を予防し、阻害し又は改善し得る、動物の状態を処置する医薬の製造に用いられうる。本発明の化合物は、また、キナーゼ関連障害の処置又は予防用の医薬の製造において用いられうる。
【0220】
キナーゼ関連障害の一例は、増殖性障害である。特別な実施形態において、増殖性障害患は、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、急性B細胞白血病、白血球増多症、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪背腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、及び筋骨格新生物からなる群から選択される。
【0221】
増殖性障害の一例は、癌である。その癌は、固形癌であるうる。その固形腫瘍は、乳房、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜、骨、皮膚、肺、肝臓、膵臓、頚、脳、神経組織、リンパ組織、血管、膀胱及び筋肉からなる群から選択される臓器又は組織に存在する腫瘍、又はそこから転移した腫瘍であってもよい。
【0222】
癌の別の例は、血液癌である。血液癌の例は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、及びB細胞リンパ腫を含む。
【0223】
別のキナーゼ関連障害は、心臓血管障害である。心臓血管障害の例は、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大及び再狭窄を含む。
【0224】
別のキナーゼ関連障害は、神経変性障害である。神経変性障害は、アルツハイマー病でありうる。
【0225】
開示される化合物は、増殖性障害の処置において用いられる能力を有する。そのような疾患の例は、癌である。
【0226】
式(I)内の化合物のヒトへの投与は、腸内投与(例えば、経口又は直腸内)又は非経口投与(例えば、皮下、筋肉内、静脈内及び皮内経路)による、許容された様式のいずれかであってもよい。注入は、ボーラスで、又は一定のもしくは断続的な輸注であってもよい。該活性化合物は、代表的には、薬学的に許容され得る担体又は希釈剤中に、薬学上効果的な用量を患者に送達するのに十分な量で含まれる。様々な実施形態において、阻害剤化合物は、正常な細胞に対してよりも、急速に増殖する細胞(例えば、癌性の腫瘍)に対して選択的な毒性的、又は高い毒性的でありうる。
【0227】
本明細書で用いられる用語「癌」は、細胞の無制御的な異常増殖を特徴とする、大多数の状態を包含することを意図される一般的用語である。
【0228】
本発明の化合物は、非限定的に、骨癌(ユーイング肉腫、骨肉種、軟骨肉腫など)、脳及びCNSの腫瘍(聴神経腫、神経芽細胞腫、グリオーム及び他の脳腫瘍など)、脊髄腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、進行した結腸直腸腺癌、内分泌癌(副腎皮質癌、膵臓癌、下垂体癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、胸腺癌、多発性内分泌腺腫症など)、胃腸癌(胃癌、食道(oesophageal)癌、小腸癌など)、肝臓癌、肝外胆管癌、胃腸類癌腫、胆嚢癌、尿生殖器癌(精巣癌、ペニス癌、前立腺癌など)、婦人科系癌(子宮頸癌、卵巣癌、膣癌、子宮/子宮内膜癌、外陰癌、妊娠性絨毛(trophoblastic)癌、ファロピーオ管癌、子宮肉腫など)、頭部及び頚部癌(口腔癌、舌癌、唾液腺癌、喉頭癌、下咽頭(hypopharynx)癌、オソファリックス(orthopharynx)癌、鼻癌、副鼻腔(paranasal)癌、鼻咽頭癌など)、白血病(小児白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病、急性前骨髄球性白血病、プラズマセル白血病、骨髄腫など)、血液性障害(骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、再生不良性(aplastic)貧血、ファンコニ貧血、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症など)、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌など)、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、バーキット型リンパ腫、AID関連のリンパ腫など)、目の癌(網膜芽細胞腫、眼内黒色腫など)、皮膚癌(黒色腫、非黒色腫皮膚癌、メルケル細胞腫など)、軟部組織肉腫(小児軟部組織肉腫、成人軟部組織肉腫、カポジ肉腫など)、泌尿器系癌(腎臓癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、尿道癌など)、及び移行細胞癌を含む様々な癌を処置するのに有用となろう。本発明の化合物により処置され得る例示的な癌は、血液癌、例えば、骨髄増殖性障害(特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病及び非ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、骨髄異形成症候群、プラズマセル障害、ヘアリーセル白血病、カポジ肉腫、リンパ腫;婦人科系癌(例えば、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、膣及び外陰癌、子宮内膜増殖症など);胃腸管癌(例えば、結腸直腸癌、ポリープ、肝臓癌、胃癌、膵臓癌、胆嚢癌など);尿管癌(例えば、前立腺癌、腎臓癌など);膀胱癌、尿道癌、ペニス癌;皮膚癌(例えば、黒色腫など);脳腫瘍(例えば、グリア芽細胞腫、神経芽細胞腫、星状細胞腫、脳室上衣腫(ependynoma)、脳幹グリオーム、髄芽細胞腫、髄膜腫(menigiomas)、星状細胞腫、乏突起膠腫など)、頭部及び頚部癌(例えば、鼻咽頭(nasopharyngeal)癌、喉頭癌など);呼吸器管癌(例えば、肺癌(NSCLC及びSCLC)、中皮腫;目の疾患(例えば、網膜芽細胞腫);筋骨格疾患(例えば、骨肉腫、筋骨格新生物など);鱗状細胞(sqamous cell)癌及び類線維腫を含む。
【0229】
本発明の化合物により処置され得る例示的な癌は、非限定的に、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、結腸(colon)癌、胃癌、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、卵巣癌、膵臓癌、白血病、リンパ腫、前立腺癌及び肺癌を含む。
【0230】
本発明の化合物により処置され得る例示的な癌は、結腸癌、結腸直腸癌、膵臓癌及び子宮頚癌である。
【0231】
本発明の化合物により処置され得る更なる例示的癌は、非限定的に、B細胞リンパ腫(例えば、バークット型リンパ腫)、白血病(例えば、急性前骨髄球性白血病、赤白血病)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)及び末梢T細胞リンパ球を含む。
【0232】
本発明の化合物により処置され得る更なる例示的な癌は、固形腫瘍及び血液悪性腫瘍(malignancies)が挙げられる。
【0233】
本発明の化合物は、JAK2阻害により、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維症を含む様々な骨髄増殖性障害の処置にも有用であると予測される。
【0234】
本発明の化合物を用いる際、該化合物が生体で利用可能になる形態又は様式で、それを投与することができる。配合剤を製造する当業者は、選択される化合物の個々の性質、処置される状態、処置される状態の段階及び他の関連する状況に応じて、投与の適切な形態及び様式を容易に選択することができる。更なる情報のため、読者に、Remingtons Pharmaceutical Sciences, 19th edition, Mack Publishing Co.(1995)を提供する。
【0235】
本発明の化合物は、単独で、又は薬学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤と共に、医薬組成物の形態で投与することができる。本発明の化合物は、それ自体が効果的であるが、これらの形態が、代表的には、より安定し、より容易に結晶化されて、高い溶解度を有することから、薬学的に許容され得る塩の形態で配合され又は投与される。
【0236】
しかし、該化合物は、代表的には、所望の投与様式に応じて、配合される医薬組成物の形態で用いられる。そのため、更なる実施形態において、本発明は、式(I)で示される化合物及び薬学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。組成物は、当該技術分野で周知の手法で製造される。
【0237】
別の実施形態において、本発明は、本発明の医薬組成物の、1種以上の成分で充填される、1種以上の容器を含む医薬パック又はキットを提供する。そのようなパック又はキットにおいて、薬剤の単位用量を有する容器が見出されうる。キットは、使用前に更に希釈され得る濃縮物(凍結乾燥された組成物など)として効果的薬剤を含む組成物を含むことができ、又はそれらが使用濃度で提供され得、その場合、バイアルは、1種以上の用量を含みうる。簡便には、キットには、滅菌バイアル中に単一の用量が提供され得く、それにより、医師は、所望の量及び濃度の薬剤を有するバイアルを直接使用することができる。そのような容器に関連して、使用のため指示などの様々な記述材料、又は医薬品もしくは生物学的製品の製造、使用もしくは販売を規制する政府機関により規定されるた形式の注意事項が添付されてもよく、そのような注意事項は、ヒト投与のための、製造、使用又は販売の機関による認可を反映している。
【0238】
本発明の化合物は、上述の障害/疾患の処置用の抗癌剤及び/又は手順(例えば、手術、放射線療法)である、1種以上の追加の薬物と組み合わせて、使用又は投与されうる。該成分は、同じ配合剤又は別個の配合剤中で投与されうる。別個に配合剤中で投与する場合、本発明の化合物は、他の薬物と連続して、又は同時に投与されうる。
【0239】
抗癌剤を含む、1種以上の追加の薬物と組み合わせて投与できることに加えて、本発明の化合物を併用療法で使用されうる。これを行う場合、該化合物は、典型的には、互いに混組み合わせて投与される。こうして、所望の効果を実現するために、1種以上の本発明の化合物は、同時に(混合製剤として)又は連続してのいずれでも、投与されうる。各化合物の治療プロファイルが異なる場合、2種の薬物の組み合わせ効果が、改善される治療結果が得られるようにすることは特に望ましい。
【0240】
非経口注入用の本発明の医薬組成物は、薬学的に許容され得る滅菌水性又は非水性の、溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョン、及び使用の直前に滅菌される注入可能な溶液または分散液に再調製する滅菌粉末を含む。適切な水性及び非水性の、担体、希釈液、溶媒又はビークルの例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、ならびに注入可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含む。例えば、コーティング材料(例えば、レシチン)の使用により、分散液の場合には、必要な粒度を保持することにより、そして界面活性剤の使用により、適切な流動性が維持されうる。
【0241】
これらの組成物は、また、佐剤(例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤)を含んでいてもよい。様々な抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)を含ませることにより、微生物の作用の予防を確実に行ってもよい。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含むことが望ましい場合もある。吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン)を含ませることにより、注射可能な医薬形態の長期吸収を実施してもよい。
【0242】
所望なら、より効果的な分布のために、該化合物を徐放性の送達系又はターゲットデリバリーシステム(例えば、ポリマーマトリックス、リポソーム、及びミクロスフェア)に組み入れることができる。
【0243】
注入可能な配合剤は、例えば、細菌フィルターでのろ過により、又は使用直前に、滅菌水もしくは他の滅菌された注射可能な媒体に溶解もしくは分散され得る滅菌固体組成物の形態で、滅菌剤を組み入れることにより、滅菌することができる。
【0244】
経口投与用の固体投与形態は、カプセル、錠剤、ピル、粉末、及び顆粒を含む。そのような固体投与形態において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性の薬学的に許容され得る賦形剤もしくは担体(例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム)、ならびに/又は a)充填剤もしくは膨張剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸など)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア)、c)保湿剤(例えば、グリセリン)、d)崩壊剤(例えば、アガー−アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリカート、及び炭酸ナトリウム)、e)溶液遅延剤(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリン)、h)吸収剤(例えば、カオリン及びベントナイト粘土)、及びi)滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びその混合物)と混合される。カプセル、錠剤及びピルの場合、投与形態は、緩衝剤を含んでいてもよい。
【0245】
類似のタイプの固体組成物は、そのような賦形剤(例えば、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールなど)を用いる、ソフト及びハード充填ゼラチンカプセルにフィラーとして、使用されうる。
【0246】
錠剤、糖剤、カプセル、ピル、及び顆粒の固体投与形態は、医薬配合分野で周知のコーティング及びシェル(例えば、腸溶性コーティング及び他のコーティング)と共に製造することができる。それらは、場合により不透明化剤を含んでいてもよく、それらが、活性成分のみを放出する、又は優先的に腸管の特定部分で、場合により遅延的手法で放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。
【0247】
所望なら、より効果的な分布のために、該化合物を徐放性送達系又はターゲットデリバリーシステム(例えば、ポリマーマトリックス、リポソーム、及びミクロスフェア)に組み入れることができる。
【0248】
活性化合物は、適宜、1種以上の上述賦形剤とのマイクロカプセル化形態であってもよい。
【0249】
経口投与用の液体投与形態は、薬学的に許容され得る、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。液体投与形態は、活性化合物に加えて、当該技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤(例えば、水又は他の溶媒)、可溶化剤及び乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油(castor)及びゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物)を含んでいてもよい。
【0250】
経口組成物は、不活性希釈剤の他に、佐剤(例えば、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味剤、香味料、ならびに香料)を含んでいてもよい。
【0251】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガー−アガー、及びトラガカント、ならびにそれらの混合物)を含んでいてもよい。
【0252】
経腸又は経膣投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤又は担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール又は室温では固体で体温では液体になるため、腸腔又は膣腔で融解して活性化合物を放出する坐剤用ワックス)と混合することにより製造されうる坐剤である。
【0253】
本発明の化合物の局所投与用の投与形態は、粉末、パッチ、スプレー、軟膏及び吸入剤を含む。活性化合物は、滅菌条件下で、薬学的に許容され得る担体及び必要な、防腐剤、緩衝剤、又は必要となり得る噴射剤と混合される。
【0254】
投与される化合物の量は、好ましくは、状態を処置し及び低減し又は緩和する。治療上効果的な量は、診断者により、従来の技術の利用により、そして類似環境下で得られる結果を観察することにより、容易に決定されうる。治療上効果的な量を決定する際、多数の因子(例えば、非限定的に、動物種、その寸法、年齢及び一般的健康状態、関係する具体的状態、状態の重症度、処置に対する患者の応答、投与される個々の化合物は、投与様式、投与される製剤の生物学的利用度、選択された投与レジメン、他の薬剤の使用及び他の関連する環境など)が考慮されるべきである。
【0255】
好ましい投与量は、1日に、体重kgあたり約0.01〜300mgの範囲であろう。より好ましい投与量は、1日に、体重kgあたり約0.1〜100mg、より好ましくは、1日に、体重kgあたり約0.2〜80mg、よりさらに好ましくは、1日に体重kgあたり約0.2〜50mgの範囲内であろう。適切な用量を、1日に、複数に分割して投与することができる。
【0256】
先に議論したとおり、実施形態の化合物は、増殖性疾患の処置に有用となり得る。そのような細胞増殖性疾患又は状態の例は、癌(いずれかの転移を含む)、乾癬、及び平滑筋細胞増殖性障害(例えば再狭窄)を含む。本発明の化合物は、腫瘍(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、頭部及び/もしくは頚部癌、又は腎臓癌、胃癌、膵臓癌、及び脳の癌)及び血液悪性腫瘍(例えば、リンパ腫及び白血病)を処置するのに特に有用となり得る。加えて、本発明の化合物は、他の抗癌剤での処置に難治性の増殖性疾患を処置するのに、そして増殖亢進状態(hyperproliferative conditions)(例えば、白血病、乾癬及び再狭窄)を処置するのに有用となり得る。他の実施形態において、本発明の化合物は、前癌状態又は増殖(家族性線腫ポリポーシス、結腸腺腫ポリープ、骨髄形成異常、子宮内膜形成異常、異型性子宮頸部形成異常を伴う子宮内膜増殖、膣上皮内新生物、良性前立腺増殖、喉頭乳頭腫、化学線及び日光角化症、脂漏性角化症ならびに角化棘細胞腫など)を処置するために使用されうる。
【0257】
ピリミジンマクロサイクルの合成
先に議論したとおり、本発明は、(a)式:
【0258】
【化44】

【0259】
(式中、R、R、R、R、Z、Ar、Ar、X及びXは、先に定義されたとおりである)で示される化合物を提供するステップ;
(b)該化合物を閉環メタセシスに供するステップ;
(c)場合により、こうして形成された二重結合を反応させて、シクロアルキル基を形成させるステップ、を含む、式(I)で示される化合物の合成方法を提供する。
【0260】
本発明の方法は、当該技術分野で周知の手順又は以下に詳細に示す手順を用いて製造し得る、先に記載された式で示されるジエン化合物の環化を含む。環化用のジエンの製造に用いられる方法の厳密な選択は、選択されたジエンに依存し、ジエンの合成方法は、当業者の熟練の範囲内である。該化合物は、代表的には、最初に適切な酸塩に変換するが、遊離形態で反応させてもよい。酸塩は、先に議論したとおり周知であり、塩酸塩及びトリフルオロ酢酸塩が特に適していることが見出された。
【0261】
適切な式で示されるジエンを先に議論したとおり、一度提供されると、それを標準的条件を用いて閉環メタセシスに供する。多数のルテニウム系触媒を含む多数の触媒が、閉環メタセシスに適していることが周知である。適切なルテニウム系触媒は、オレフィンメタセシス反応に用いられる周知のルテニウム系触媒、例えばGrubb触媒(第1及び第2世代)、Hoveyda触媒(第1及び第2世代)及びNolan触媒を含む。各例では、反応条件に適切に調整して、閉環を可能にする必要があろう。一つの特別な実施形態において、触媒は、Grubb第2世代触媒である。
【0262】
先に議論されたメタセシス閉環ステップに有用なルテニウム系触媒は、公知の合成技術により得られる公知の触媒全てである。例えば、適切なルテニウム系触媒の例は、以下の参考資料を参照されたい。
【0263】
Organometallics 2002, 21, 671; 1999, 18, 5416;及び1998, 17, 2758
【0264】
J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 6543; 1999, 121, 791; 1999, 121, 2674; 2002, 124, 4954; 1998, 120, 2484; 1997, 119, 3887; 1996, 118, 100; 及び1996, 118, 9606
【0265】
J. Org. Chem. 1998 63, 9904;及び1999, 64, 7202
【0266】
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1998, 37, 2685;1995, 34, 2038, 2000, 39, 3012及び2002, 41, 4038
【0267】
米国特許第5,811,515号;第6,306,987 B1号;及び第6,608,027B1
【0268】
触媒に対するジエンの比は、当業者には明白であるように、広く変動してもよい。しかし、適切な比は、100:1〜1:1になるようにする。特に適切な比は、20:1〜2:1である。より特別な比は、20:1〜10:1である。
【0269】
閉環メタセシスステップは、広い温度範囲で実施され得、温度範囲は、代表的には、環化されるジエン、反応時間、及び選択された触媒に基づいて選択される。一つの実施形態において、反応は、20〜200℃の温度で実施される。別の実施形態において、温度は、30〜120℃である。別の実施形態において、温度は、30〜50℃の範囲内である。特別な実施形態において、温度は、40℃である。
【0270】
閉環ステップは、反応を妨害しない適切な非妨害性溶媒の存在下で実施してもよい。当業者は、反応を妨害しない適切な溶媒を容易に選択できようが、適切な例は、アルカン(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン又はn−ヘプタン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン)、塩素化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はジクロロエタン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル又はジオキサン)、及びメチルアルコールを含む。特別な溶媒の例は、ジクロロメタンである。
【0271】
閉環メタセシスステップは、溶媒中のジエン希釈の広範囲にわたって、実施されうるが、希釈剤に対するジエンの比は、代表的には、1:4000重量〜1:25重量の範囲内である。別の実施形態において、比は、1:200重量〜1:50重量である。
【0272】
シクロアルキル化ステップは、当該技術分野で周知のシクロアルキル化剤を用いて実施してもよい。適切なシクロアルキル化剤の例は、シクロプロパン化剤である。シクロプロパン化剤の例は、当該技術分野で周知であり、ジアゾメタン及びカルベンを含む。これらの薬剤の使用は、周知であり、当業者の範囲内で、このタイプの反応を実施することができる。
【0273】
シクロアルキル化反応は、代表的には、非妨害性溶媒(例えば、アセトニトリル、酢酸エチル/ヘキサン混合物、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、アセトン、四塩化炭素、及びジクロロメタン、又はそれらの混合物)中で実施される。実際には、ある範囲の溶媒が、本発明の反応を実施する際に使用に適していることは、当業者には理解されよう。特別な例では、上記溶媒などを用いて試験及び実験により、最適な溶媒を同定することができる。
【0274】
様々な実施形態の薬剤を、以下に記載する反応経路及び合成スキームを用い、当該技術分野で入手可能な技術を利用し、容易に入手できる出発原料を用いて製造してもよい。実施形態の個々の化合物の製造は、以下の実施例に詳細に記載されるが、記載された化学反応を、様々な実施形態の多数の他の薬剤を製造するために容易に適応させ得ることは、当業者には認識されよう。例えば、非例示的化合物の合成は、当業者に明白な修飾により、例えば、妨害性の基を適宜保護することにより、当該技術分野で公知の他の適切な試薬に変換することにより、又は反応条件の日常的修飾を行うことにより、成功的に実施されうる。有機合成での適切な保護基のリストは、T. W. Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, 3th, John Wiley & Sons, 1991に見出すことができる。あるいは本明細書に開示された、又は当該技術分野で公知の他の反応が、様々な実施形態の他の化合物を製造するための適用性を有することが認識されよう。
【0275】
化合物を合成するのに有用な試薬は、入手するか、又は当該技術分野で公知の技術により製造されうる。
【0276】
以下に記載される実施例において、他に断りがなければ、以下の記載における温度は全て、摂氏温度であり、部及びパーセント値は全て、他に断りがなければ重量による。
【0277】
様々な出発原料及び他の試薬は、他に断りがなければ、商業的供給業者(例えば、Aldrich Chemcal Company or Lancaster Synthesis Ltd.,)から購入し、更に精製せずに用いた。テトラヒドロフラン(THF)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)は、AldrichからSureSealボトルで購入し、受理して、使用した。他に断りがなければ、溶媒は全て、当該技術分野の標準的方法を用いて精製した。
【0278】
以下に示す反応は、無水溶媒中、周囲温度で(他に断りがなければ)、陽圧の窒素、アルゴンの下で、又は乾燥管を用いて実施し、反応フラスコには、シリンジを通して基質及び試薬を導入するためのゴムセプタムを取り付けた。ガラス製品は、オーブン乾燥及び/又は加熱乾燥させた。
【0279】
分析用薄層クロマトグラフィーを、ガラス付シリカゲル60F254プレート(E Merck (0.25mm))で実施し、適切な溶媒比(v/v)で溶離した。反応は、TLCによりアッセイし、出発原料の消費により判断して、終了させた。
【0280】
TLCプレートは、UV吸収により、又はp−アニスアルデヒドスプレー試薬もしくはリンモリブデン酸試薬(Aldrich Chemcal、 エタノール中に20重量%)を用いて、熱で活性化するか、又はヨウ素チャンバー内で染色することにより、視覚化した。仕上げは、代表的には、試薬溶媒又は抽出溶媒で反応容積を2倍にし、その後、(他に断りがなければ)抽出容積の25容積%を用いて、示される水溶液により洗浄することにより実施した。生成物の溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、ロータリーエバポレータ上で、減圧下で溶媒を蒸発させ、溶媒の真空除去のように記載した。フラッシュクロマトグラフィー[Still et al, J. Org. Chem., 43, 2923(1978)]を、E-Merck−グレイドのフラッシュシリカゲル(47〜61mm)を用い、他に断りがなければシリカゲル:粗物質比 約20:1〜50:1で実施した。示される圧力又は周囲圧力で、水素化を行った。
【0281】
H NMRスペクトルは、Bruker機器を400MHzで操作して記録し、13C−NMRスペクトルは、100MHzで操作して記録した。参照標準としてのクロロホルム(7.27ppm及び77.00ppm)もしくはCDOD(3.4及び4.8ppm及び49.3ppm)、又は適宜、内部テトラメチルシラン標準(0.00ppm)を用いて、CDCl溶液でのNMRスペクトルを得た(ppmで記録)。必要に応じて、他のNMR溶媒を用いた。ピークの多重性を報告する場合、以下の略語を用いた:s=単重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、br=広い、dd=二重項の二重項、dt=三重項の二重項。カップリング定数は、示されていれば、ヘルツで報告する。
【0282】
質量分析は、ESI又はAPCIのいずれかのLC/MSを利用して得られた。融点は全て、補正しなかった。
【0283】
最終生成物は全て、90%を超える純度を有していた(波長220nm及び254nmでのHPLCによる)。
【0284】
以下の実施例は、開示された実施態様を示すもので、それを限定するものではない。以下に記載されたもの以外の追加の化合物は、以下に記載された反応スキーム又はその適切な変更又は修飾を用いて製造されうる。
【0285】
一般的合成スキーム
スキーム1は、一般式(VIIIa)及び(IXa)(式中、X及びXは、ノルマル鎖内に酸素原子を少なくとも1個含むヘテロアルキル基であり、A及びAは、フェニレンである)で示される本発明の化合物の製造手順を概説する一般的合成スキームである。用いられる試薬及び出発原料を適切に修飾することにより、この一般的手順が、X、X、Ar及びArが異なる値を有する本発明の別の化合物を製造するために、修飾されうる。当業者は、これらの変更を容易に実施することができる。式(VIIIa)で示される化合物を適切な試薬と反応させて、式(IXa)で示される関連のシクロプロピル類似体を製造してもよい。
【0286】
【化45】

【0287】
スキーム1に示されるとおり、適宜置換された2,4−ジクロロピリミジン(Ia)を、Suzukiカップリング条件下で、タイプ(IIa)で示される適宜官能基化されたボロン酸で処理して、タイプ(IIIa)で示されるバイアリール化合物を得、塩基(例えば、CsCO)の存在下、臭化アリル(IV)で処理して、タイプ(Va)で示されるアリル化合物を与える。式(IIIa)で示される化合物及び式(IVa)で示される化合物の両方を、それぞれ適切なL及びL基で官能基化して、反応後に所望のX基を生成させる。基:L及びLの同一性の変更は、本発明により考えられる広範囲の異なるX基を得ることを可能にする。標準的条件下での、適切に官能基化されたアニリン(VIa)の置換は、閉環メタセシス(RCM)についての重要な中間体である、末端アルケン(VIIa)をあたえる。同じく、適切に置換されたアニリン(VIa)を選択すれば、本発明により考えられる広範囲の可能なXを得ることができる。Grubbs第2世代触媒を用いて、RCMにより、(VIIIa)をトランス−及びシス−異性体の混合物として得、それをクロマトグラフィーにより分離することができる。タイプ(IXa)で示される化合物は、標準的条件下でシクロプロパン化により得てもよい
【0288】
【化46】

【0289】
出発原料の同一性を変更させることにより、Ar及びArの多数の異なる組み合わせが考えられ、X及びXの多数の異なる置換形態が可能になるように、製造されうる。図示されたスキームでは、Ar及びArは両方とも、フェニル部分として表されているが、スキーム1に示された類似の化学を利用することにより、他のアリールを入手することができる。式VIIIaで示される化合物の多数の類似体を合成する合成手順を、以下に詳述する。
【0290】
XVIIIb及びXVIIIcの合成
スキーム2は、式(XVIIIb及びXVIIIc)で示される化合物の製造に用いられる手順を示し、それが、類似の手順、例えば適切な出発原料の選択により、製造されうる。
【0291】
【化47】

【0292】
同じく、市販の2,4−ジクロロピリミジン(Ia)を、Suzukiカップリング条件下で、タイプ(XIIa)で示されるボロン酸とカップリングして、タイプ(XIIIa)で示されるバイアリール化合物を得、塩基(例えば、CsCO)の存在下、臭化アルケニル(XIV)で処理して、タイプ(XVa)で示される不飽和エーテルを与える。標準的条件下で、アニリン(XVIb又はXVIc)で置換すれば、閉環メタセシス(RCM)についての重要な中間体である末端アルケン(XVIIb又はXVIIc)が得られる。Grubbs第2世代触媒を利用して、RCMにより、(XVIIIb又はXVIIIc)がえられる。タイプ(XIXb)で示される化合物を、標準的条件下でのシクロプロパン化により得る。
【0293】
【化48】

【0294】
中間体:XVIbの合成
【化49】

【0295】
ニトロアルデヒド(XX)から、対応するアルコール(アルデヒド(XX)を水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより製造)を臭化アリル(IVa1)でアルキル化し、その後、ニトロ官能基をSnClで還元することにより、アニリン(XVIb)を得る。
【0296】
中間体:XVIcの合成
【0297】
【化50】

【0298】
3−ニトロフェノールから、臭化アリル(Iva1)でアルキル化し、その後、SnClで還元して、アニリン(XVIc)を得る。
【0299】
XVIIIdの合成
スキーム3は、式(XVIIId)で示される化合物の製造に用いられる手順を示し、それが、類似の手順、例えば適切な出発原料の選択により製造されうる。
【0300】
【化51】

【0301】
【化52】

【0302】
スキーム3
市販の2,4−ジクロロピリミジン(Ia)を、Suzukiカップリング条件下で、タイプ(XIId)で示されるボロン酸とカップリングして、タイプ(XIIIc)で示されるバイアリール化合物を得、塩基(例えば、CsCO)の存在下、臭化アリル(XIVc)で処理して、タイプ(XVd)で示されるアリルエーテルをうる。標準的条件下でアニリン(XVIb)で置換すれば、閉環メタセシス(RCM)についての重要な中間体である末端アルケン(XVIId)が得られる。Grubbs第2世代触媒を利用して、RCMにより(XVIIId)を与える。タイプ(XIXd)で示される化合物が、標準的条件下でのシクロプロパン化により得られる。
【0303】
XVIIIe-iの合成
ピリミジン系に結合した5員複素環を含むマクロサイクルを、XVIIIdに関して記載されたものと類似の手順で、別のボロン酸から出発して製造することができる。以下の構造:XVIIIe-iは、このクラスの化合物の代表である。
【0304】
【化53】

【0305】
【化54】

【0306】
スキーム4は、タイプ:XVIIIe、XVIIIf、XVIIIg及びXVIIIhで示される化合物の製造を示す。市販の2,4−ジクロロピリミジン(Ia)を、Suzukiカップリング条件下で、タイプ(XIIe-i)で示されるボロン酸とカップリングして、タイプ(XIIIe-i)で示されるバイアリール化合物を得、塩基(例えば、CsCO)の存在下、臭化アリル(XIVc)で処理して、タイプ(XVe-h)で示されるアリルエーテルを得る。標準的条件下でアニリン(XVIb)と反応させた後、Grubbs第2世代触媒を用いた閉環メタセシス(RCM)により、所望の生成物(XVIIIe-i)を得る。
【0307】
化合物タイプ(XVIIIb)の合成のための代表的な手順
3−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フェノール(XIIIa1)
【0308】
【化55】

【0309】
1,2 ジメトキシエタン(10mL)中の(Ia)(1.0g、6.71mmol)と(XIIa1)(1.1g、8.05mmol)の脱気溶液に、含水NaCO(1.06g、10.06mmol)とPd(PPh(0.387g、0.335mmol)を連続して加えた。結果として得られた混合物を、80−850℃で4時間撹拌し、0℃に冷却して、飽和NHClでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗混合物をカラム精製して(EtOAc/ヘキサン)、(XIIIa1)0.450gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 207([M+H]);
【0310】
【表1】

【0311】
4−(3−ブテ−3−エニルオキシ−フェニル)−2−クロロ−ピリミジン(XVa1)
【0312】
【化56】

【0313】
乾燥DMF(10mL)中の、(XIIIa1)(2.0g、9.68mmol)と(XIV)(7.8g、5.80mmol)の混合物に、周囲温度で、炭酸セシウム(14.19g、43.55mmol)を加えて、得られた混合物を40℃で6時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、HOでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、オイルを得、それをカラム(EtOAc/ヘキサン)により精製して、(XVa1)1.61gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 261([M+H]);
【0314】
【表2】

【0315】
(3−ニトロ−フェニル)−メタノール(XXIb)
【0316】
【化57】

【0317】
MeOH(25mL)中の(XXb)(5g、33.1mmol)の溶液に、周囲温度で、NaBH(1.25g、33.1mmol)を加えて、得られた混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水でクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、精製なしで、化合物(XXIb)5gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 154([M+H]);
【0318】
【表3】

【0319】
1−アリルオキシメチル−3−ニトロ−ベンゼン(XXIIb)
【0320】
【化58】

【0321】
(XXIb)(5g、32.6mmol)と臭化アリル(11.3ml、130.4mmol)の混合物に、周囲温度で、KOH(3.65g、65.2mmol)とTBAI(602mg、1.63mmol)を加えて、得られた混合物を40℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却して、HOでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、オイルを得、それをカラム(EtOAc/ヘキサン:9/1)により精製し、(XXIIb)6.3gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 194([M+H]);
【0322】
【表4】

【0323】
3−アリルオキシメチル−フェニルアミン(XVIb1)
【0324】
【化59】

【0325】
MeOH/CHCl(1:1、150mL)中の(XXIIb)(10g、51.75mmol)の溶液に、周囲温度で、SnCl・2HO(46.7g、207mmol)を加えて、得られた混合物を一晩撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、飽和NaCOでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、オイルを得、それをカラム(EtOAc/ヘキサン:5/1)により精製し、80%の収率で(XVIb1)6.80gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 164([M+H]);
【0326】
【表5】

【0327】
(3−アリルオキシメチル−フェニル)−[4−(3−ブテ−3−エニルオキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イル]−アミン(XVIIb1)
【0328】
【化60】

【0329】
n−ブタノール(15mL)中の、(XVa1)(100mg、0.38mmol)と(XVIb1)(93.9mg、0.57mmol)の混合物に、周囲温度で、1N HCl(1.0mL)を加えて、得られた混合物を100℃で一晩中撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、HOでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液を飽和NaHCO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、オイルを得、それをカラム(EtOAc/ヘキサン)により精製し、47%で(XVIIb1)70mgを得た。
【0330】
【表6】

【0331】
マクロサイクルの実施例1(化合物1)
【0332】
【化61】

【0333】
CHCl(200mL)中の、(XVIIb1)(20mg、0.05mmol)とTFA(14mg、0.125mmol)の脱気溶液に、周囲温度で、Grubbs 2nd世代触媒(7mg、0.005mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で一晩中撹拌した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮して、オイルを得、プレパラティブHPLCにより精製し、(1)9mgを得た。254nmでのHPLC純度:95%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 360([M+H]);
【0334】
【表7】

【0335】
化合物タイプ(XVIIIc)の合成のための代表的な手順
1−アリルオキシ−3−ニトロ−ベンゼン(XXIIc)
【0336】
【化62】

【0337】
化合物(XXIIc)を、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 180([M+H])。
【0338】
3−アリルオキシ−フェニルアミン(XVIc1)
【0339】
【化63】

【0340】
化合物(XVIc1)を、化合物(XVIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 150([M+H])。
【0341】
(3−アリルオキシ−フェニル)−[4−(3−ブテ−3−エニルオキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イル]−アミン(XVIIc1)
【0342】
【化64】

【0343】
化合物(XVIIc1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 374([M+H])。
【0344】
マクロサイクルの実施例2(化合物12)
【0345】
【化65】

【0346】
化合物(12)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得た。254nmでのHPLC純度:99%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 346([M+H]);
【0347】
【表8】

【0348】
化合物タイプ(XVIIId)の合成のための代表的な手順
[3−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フェニル]−メタノール(XIIIa2)
【0349】
【化66】

【0350】
化合物(XIIIa2)を、化合物(XIIIa1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 221([M+H])。
【0351】
4−(3−アリルオキシメチル−フェニル)−2−クロロ−ピリミジン(XVa2)
【0352】
【化67】

【0353】
化合物(XVa2)を、化合物(XVa1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 271([M+H])。
【0354】
2−(2−クロロ−エトキシ)−5−ニトロ−ベンズアルデヒド(XXId)
【0355】
【化68】

【0356】
乾燥DMF(15mL)中の、(XXd)(1.0g、5.98mmol)とブロモクロロエタン(996 L、11.96mmol)の混合物に、周囲温度で、炭酸カリウム(1.64g、11.96mmol)を加えて、得られた混合物を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、HOでクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、94%の収率で黄色固体(XXId)1.29gを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 229([M+H]);
【0357】
【表9】

【0358】
[2−(2−クロロ−エトキシ)−5−ニトロ−フェニル]−メタノール(XXIId)
【0359】
【化69】

【0360】
化合物(XXIId)を、化合物(XXIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 232([M+H])。
【0361】
2−アリルオキシメチル−1−(2−クロロ−エトキシ)−4−ニトロ−ベンゼン(XXIIId)
【0362】
【化70】

【0363】
化合物(XXIIId)を、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 272([M+H])。
【0364】
1−[2−(2−アリルオキシメチル−4−ニトロ−フェノキシ)−エチル]−ピロリジン(XXIVd)
【0365】
【化71】

【0366】
DMA(10mL)中の(XXIIId)(1g、3.68mmol)の溶液に、ピロリジン(0.61mL、7.36mmol)を加えて、得られた混合物を一晩、60℃で撹拌した。反応混合物を水でクエンチした。生成物をCHClで3回抽出して、合わせた有機抽出液をHO、続いてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、精製なしに、70%の収率で、化合物(XXIVd)750mgを得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 307([M+H])。
【0367】
3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニルアミン(XVIb2)
【0368】
【化72】

【0369】
化合物(XVIb2)を、化合物(XVIb)に対して記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 277([M+H])。
【0370】
[4−(3−アリルオキシメチル−フェニル)−ピリミジン−2−イル]−[3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−アミン(XVIId1)
【0371】
【化73】

【0372】
化合物(XVIId1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 501。
【0373】
マクロサイクルの実施例3(化合物13)
【0374】
【化74】

【0375】
化合物(13)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得た。254nmでのHPLC純度:99%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 473([M+H]);
【0376】
【表10】

【0377】
マクロサイクルの実施例4(化合物53)
【0378】
【化75】

【0379】
CHCl(2mL)−ジオキサン(1mL)の混合液中の(13)(0.02g)の溶液に、0℃で、Pd(OAc) 5モル%を加えた。次に、フレッシュに調製されたCHのエーテル溶液を、ゆっくり加えた。得られた混合物を0℃で3時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮し、オイルを得、それをプレパラティブHPLCにより精製し、(53)0.005gを得た。
【0380】
【表11】

【0381】
化合物タイプ(XVIIIe)の合成のための代表的な手順
5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−チオフェン−2−カルバルデヒド(XIIIe1)
【0382】
【化76】

【0383】
1,4 ジオキサンの溶液に、2,4 ジクロロピリミジンを加えて、反応物を脱気してNでパージした。次に、dppf触媒([1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))を加えて、系を脱気し、再びNでパージした。次に、(XIIe1)と飽和重炭酸塩溶液を順次加えて、溶液を85℃、N下で1時間撹拌した。溶液を冷却して、セライトで、濾過して、DCMで3回洗浄した。DCM層を水で抽出した。水層をDCMで抽出して、全てのDCM層をNaSOで乾燥して、減圧で除去した。未精製物をヘキサン中の40%酢酸エチルを用いて溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体(XIIIe1)(50%)を得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 225([M+H]);
【0384】
【表12】

【0385】
[5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−チオフェン−2−イル]−メタノール(XIIIe2)
【0386】
【化77】

【0387】
化合物(XIIIe2)を、90%の収率で、化合物(XXIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 227([M+H]);
【0388】
【表13】

【0389】
4−(5−アリルオキシメチル−チオフェン−2−イル)−2−クロロ−ピリミジン(XVe1)
【0390】
【化78】

【0391】
化合物(XVe1)を、80%の収率で、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た。LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 267([M+H]
【0392】
[3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−[4−(5−アリルオキシメチル−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン(XVIIe1)
【0393】
【化79】

【0394】
化合物(XVIIe1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 507。
【0395】
マクロサイクルの実施例5(化合物48)
【0396】
【化80】

【0397】
化合物(48)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得た。254nmでのHPLC純度:100%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 479([M+H]);
【0398】
【表14】

【0399】
化合物タイプ(XVIIIf)の合成のための代表的な手順
5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フラン−2−カルバルデヒド(XIIIf1)
【0400】
【化81】

【0401】
化合物(XIIIf1)を、化合物(XIIIe1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 209([M+H]
【0402】
[5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フラン−2−イル]−メタノール(XIIIf2)
【0403】
【化82】

【0404】
化合物(XIIIf2)を、化合物(XXIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 211([M+H])。
【0405】
4−(5−アリルオキシメチル−フラン−2−イル)−2−クロロ−ピリミジン(XVf1)
【0406】
【化83】

【0407】
化合物(XVf1)を、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 251([M+H])。
【0408】
[4−(5−アリルオキシメチル−フラン−2−イル)−ピリミジン−2−イル]−[3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−アミン(XVIIf1)
【0409】
【化84】

【0410】
化合物(XVIIf1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 491。
【0411】
マクロサイクルの実施例6(化合物38)
【0412】
【化85】

【0413】
化合物(38)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得た。254nmでのHPLC純度:99%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 463([M+H]);
【0414】
【表15】

【0415】
化合物タイプ(XVIIIg1)の合成のための代表的な手順
4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−チオフェン−2−カルバルデヒド(XIIIg1)
【0416】
【化86】

【0417】
化合物(XIIIg1)を、化合物(XIIIe1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 225([M+H])。
【0418】
[4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−チオフェン−2−イル]−メタノール(XIIIg2)
【0419】
【化87】

【0420】
化合物(XIIIg2)を、化合物(XXIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 227([M+H])。
【0421】
4−(5−アリルオキシメチル−チオフェン−3−イル)−2−クロロ−ピリミジン(XVg1)
【0422】
【化88】

【0423】
化合物(XVIg1)を、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 267([M+H]
【0424】
[3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−[4−(5−アリルオキシメチル−チオフェン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン(XVIIg1)
【0425】
【化89】

【0426】
化合物(XVIIg1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 507。
【0427】
マクロサイクルの実施例7(化合物52)
【0428】
【化90】

【0429】
化合物(52)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得た。254nmでのHPLC純度:99%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 479([M+H]);
【0430】
【表16】

【0431】
化合物タイプ(XVIIIh1)の合成のための代表的な手順
4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フラン−2−カルバルデヒド(XIIIh1)
【0432】
【化91】

【0433】
化合物(XIIIh1)を、化合物(XIIIe1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 209([M+H]
【0434】
[4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−フラン−2−イル]−メタノール(XIIIh2)
【0435】
【化92】

【0436】
化合物(XIIIh2)を、化合物(XXIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 211([M+H])。
【0437】
4−(5−アリルオキシメチル−フラン−3−イル)−2−クロロ−ピリミジン(XVh1)
【0438】
【化93】

【0439】
化合物(XVh1)を、化合物(XXIIb)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 251([M+H])。
【0440】
[4−(5−アリルオキシメチル−フラン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−[3−アリルオキシメチル−4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−アミン(XVIIh1)
【0441】
【化94】

【0442】
化合物(XVIIh1)を、化合物(XVIIb1)について記載されたものと同じ手順を使って得た;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 491。
【0443】
マクロサイクルの実施例8(化合物50)
【0444】
【化95】

【0445】
化合物(50)を、化合物(1)について記載されたものと同じ手順を使って得て、254nmでのHPLC純度:99%;LC−MS(ESIポジティブモード)m/z 463([M+H]);
【0446】
【表17】

【0447】
表1中に概説される化合物を、上記に概説された手順に従って合成した。
【0448】
【表18】































【0449】
前述のように、本発明のある実施態様において、化合物は式(III):
【0450】
【化96】

【0451】
である。
【0452】
上記に記載されたものに対する類似の手順に従って、そして出発物質に対して適切な修飾をすることにより、表2中に掲げられた化合物もまた製造されうる。
【0453】
【表19】


掲げられた化合物のそれぞれにおいて、二重結合に関する配置は、シスまたはトランスであってもよい
10とR11の位置は、関連のある出発物質において、対応する置換基の位置によって変動してもよい
【0454】
本発明の別の実施態様において、化合物は式(IV):
【0455】
【化97】

【0456】
である。
【0457】
上記に記載されたものに対する類似の手順に従って、そして出発物質に対して適切な修飾をすることにより、表3中に掲げられた化合物もまた製造されうる。
【0458】
【表20】


掲げられた化合物のそれぞれにおいて、二重結合に関する配置は、シスまたはトランスであってもよい
10とR11の位置は、関連のある出発物質において、対応する置換基の位置によって変動してもよい。
【0459】
本発明の別の実施態様において、化合物は式(V):
【0460】
【化98】

【0461】
である。
【0462】
上記に記載されたものに対する類似の手順に従って、そして出発物質に対して適切な修飾良をすることにより、表4中に掲げられた化合物もまた製造されうる。
【0463】
【表21】


掲げられた化合物のそれぞれにおいて、二重結合に関する配置は、シスまたはトランスであってもよい
10とR11の位置は、関連のある出発物質において、対応する置換基の位置によって変動してもよい。
【0464】
本発明の別の実施態様において、化合物は式(VI):
【0465】
【化99】

【0466】
である。
【0467】
上記に記載されたものに対する類似の手順に従って、そして出発物質に対して適切な修飾をすることにより、表5中に掲げられた化合物もまた製造されうる。
【0468】
【表22】


掲げられた化合物のそれぞれにおいて、二重結合に関する配置は、シスまたはトランスであってもよい
10とR11の位置は、関連のある出発物質において、対応する置換基の位置によって変動してもよい。
【0469】
本発明の別の実施態様において、化合物は式(VII):
【0470】
【化100】

【0471】
である。
【0472】
上記に記載されたものに対する類似の手順に従って、そして出発物質に対して適切な修飾をすることにより、表6中に掲げられた化合物もまた製造されうる。
【0473】
【表23】


掲げられた化合物のそれぞれにおいて、二重結合に関する配置は、シスまたはトランスであってもよい
10とR11の位置は、関連のある出発物質において、対応する置換基の位置によって変動してもよい。
【0474】
生物学的テスト
【0475】
1.インビトロキナーゼ活性のアッセイ
組換え酵素(CDK2/サイクリンA、FLT3、JAK2およびJAK2 V617F)は、Invitrogen(それぞれカタログ番号:PV3267、3182、4210および4347)から購入した。アッセイは全て、384穴白色マイクロタイタープレートで、Cambrex(East Rutherford, New Jersey)のPKLightアッセイシステムを用いて実施した。このアッセイの根本は、本質的に、ルシフェラーゼ結合反応を用いて、反応中のATPを検出するための発光測定アッセイである。CDK2/サイクリンAアッセイでは、反応混合物は、アッセイ緩衝液(Hepes pH7.5 50mM、MgCl 10mM 、MnCl 5mM 、BGP 5mM、DTT 1mM、オルトバナジン酸ナトリウム 0.1mM)25μl中で、以下の成分:CDK2/サイクリンA錯体 1.4μg/mL、RbING基質(Invitrogen、カタログ番号:PV2939) 0.5μMおよびATP 0.5μMで構成されていた。該化合物を、10μMから出発した4倍希釈系列の8濃度でテストした。反応物を室温で2時間インキュベートした。PKLight ATP検出試薬13μLを添加して、反応物を10分間インキュベートした。発光シグナルをマルチレベルプレートリーダー(VictorV 1420、Perkin-Elmer)で検出した。他のキナーゼアッセイは、以下のとおりの試薬の違い以外は同一であった。FLT3アッセイについては、反応物は、FLT3酵素 2.0μg/mL、ポリ(Glu,Tyr)基質(Sigma、カタログ番号:P0275)5μMおよびATP 4μMを含んだ。JAK2アッセイについては、反応物は、JAK2酵素 0.6μg/mL、ポリ(Glu,Ala,Tyr)基質(Sigma、カタログ番号:P3899)2μMおよびATP 0.2μMを含んだ。JAK2 V617F変異体アッセイについては、反応物は、JAK2変異体酵素 8.0μg/mL、ポリ(Glu,Ala,Tyr)基質(Sigma、カタログ番号:P3899)2μMおよびATP 0.2μMを含んだ。分析用ソフトウエアであるPrism4.0(GraphPad Software Pte Ltd)を用いて、データからIC50を得た。IC50を、キナーゼ酵素活性の50%阻害に必要な化合物の濃度と定義する。IC050データを以下の表7に示す。
【0476】
【表24】

【0477】
2.細胞系
試験で用いた細胞系を、以下の表8に要約する。
【0478】
【表25】

【0479】
3.GI50値を測定するための細胞による増殖アッセイ
本発明の生物学的有効性を、以下のアッセイにより実証した。ヒト癌細胞系:HL60(急性骨髄性白血病細胞系)、Colo205(結腸腺癌細胞系)、HEL92.1.7(赤白血病細胞系)およびMV4−11(急性骨髄性白血病細胞系)を、ATCCから得た。それらを、ATCCの作業説明書に従って培地で培養した。Colo205細胞は、96穴プレートに5000細胞/ウェルずつ播種した。HEL92.1.7細胞およびMV4−11細胞は96穴プレートに6000細胞/ウェルずつ播種し、HL60細胞は8000細胞/ウェルずつ播種した。プレートを37℃、5%COで24時間インキュベートした。細胞を様々な濃度の化合物で96時間処理した。その後、Promega(Wisconsin州 Madison)のCelltiter96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assayを用いて、細胞増殖をモニタリングした。用量相関曲線をプロットし、XL-fit(Id Business Solution, CA州、Emeryville)を用いて化合物のGI50値を決定した。GI50は、細胞増殖の50%阻害に必要な化合物の濃度と定義される。本発明の化合物は、以下の表9に示すとおり、細胞増殖を阻害した。データは、本発明の化合物が、腫瘍細胞増殖の阻害において活性であることを示した。
【0480】
【表26】

【0481】
インビボでの抗新生物(または抗腫瘍)効果:
その後、本発明の化合物の有効性を、インビボ動物異種移植試験を利用して測定することができる。動物異種移植モデルは、最も一般的に用いられるインビボ癌モデルの一つである。
【0482】
これらの試験では、メスの12〜14週齢の胸腺欠損ヌードマウス(Harlan)に、Matrigel(BD Biosciences、1:1)中のMV4−11ヒト混合型(biphenotypic)B骨髄単球性白血病細胞 5×10細胞を側腹部に皮下移植した。腫瘍が100mmの寸法に達したら、異種移植ヌードマウスを様々な処置群にペアマッチさせた(paired-match)。選択されたキナーゼ阻害剤を、適切なビークルに溶解し、異種移植ヌードマウスに21日間連日、腹腔内または経口投与した。投与容量は、0.01ml/g体重であった。式:体積(mm)=(W×l)/2(式中、MV4−11腫瘍をmmで表した、w=幅およびl=長さ)を利用して、注入後2日おき、または1週間に2回、腫瘍の体積を計算した。テストされた本発明の化合物は、ビークルのみで処置されたコントロールに対して、腫瘍体積の有意な減少を示すであろう。それゆえ、結果から、本発明の化合物が、癌などの増殖性疾患を処置するのに有効であることが示されるであろう。
【0483】
本発明に記載された特別な実施形態の詳細は、限定を意味するものではない。本発明の本質および範囲を逸脱することなく、様々な均等物および修飾物が製造され得、そのような均等な実施形態が本発明の一部であることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中、
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
、R、及びRのそれぞれは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
のそれぞれは、独立して、結合、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
は、結合、O、S、−N(R)−、−N(R)C1〜2アルキル−、及び−C1〜2アルキルN(R)−からなる群から選択され;
のそれぞれは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
Ar及びArは、独立して、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
Lは、式:
【化2】


(式中、Xは、Arに結合し、Xは、Arに結合し、ここで、X、X及びYは、基:Lがノルマル鎖内に、5〜15個の原子を有するように選択され、
及びXは、それぞれ独立して、ノルマル鎖内に、少なくとも1個の酸素原子を含むヘテロアルキル基であり、
Yは、式:−CR=CR−で示される基又は場合により置換されるシクロアルキル基であり、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよいか;又は
及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルケニル又はシクロへテロアルケニル基を形成するように結合していてもよい)で示される基である]
で示される化合物又は薬学的に許容され得るその塩、そのN−酸化物、もしくはそのプロドラッグ。
【請求項2】
が、結合、−N(R)−及び−S−からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、−N(R)−である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が、−NH−である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
Arが、
【化3】


(式中、V、V、V及びVは、それぞれ独立して、N及びC(R10)からなる群から選択され;
Wは、O、S及びN(R10)からなる群から選択され;
及びWは、それぞれ独立して、N及びC(R10)からなる群から選択され;
ここで、R10のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよく;
、R、R及びRは、請求項1に定義されたとおりである)
からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
Arが、
【化4】


(式中、V、V、V、V、W、W及びWは、請求項5に定義されたとおりであり、R、R、R及びRは、請求項1に定義されたとおりである)
からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
Arが、
【化5】


(式中、R10は、請求項5に定義されたとおりであり、
kは、0、1、2、3、及び4からなる群から選択される整数であり、
nは、0、1、2、及び3からなる群から選択される整数であり、
qは、0、1、及び2からなる群から選択される整数である)
からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
Arが、
【化6】


(式中、R10は、請求項5に定義されたとおりである)
からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
Arが、
【化7】


(式中、V、V、V及びVは、それぞれ独立して、N、及びC(R11)からなる群から選択され;
ここで、R11のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−NHCOR、−NHCOOR、−NHCONHR、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、スルホニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アミノスルホニル、−SR、RS(O)R−、RS(O)−、RC(O)N(R)R−、RSON(R)R−、RN(R)C(O)R−、RN(R)SO−、RN(R)C(O)N(R)R−及びアシルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい)
からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
Arが、
【化8】


(式中、R11は、請求項9に定義されたとおりであり;
oは、0〜4の整数であり;
pは、0〜3の整数である)
からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
Arが、
【化9】


(式中、R11のそれぞれは、請求項9に定義されたとおりである)
からなる群から選択される基である、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
化合物が、
【化10】


(式中、R、R、R10、R11、k、X、X、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)
からなる群から選択される、前記請求項のいずれか1項記載の化合物又は薬学的に許容され得るその塩。
【請求項14】
が、
(a)−OC1〜5アルキル−、
(b)−C1〜5アルキルO−、及び
(c)−C1〜5アルキルOC1〜5アルキル
からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
が、
(a)−OCH−、
(b)−CHO−、
(c)−OCHCH−、
(d)−CHCHO−、
(e)−CHOCH−、及び
(f)−CHCHOCH
からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
が、
(a)−OC1〜5アルキル−、
(b)−C1〜5アルキルO−、及び
(c)−C1〜5アルキルOC1〜5アルキル
からなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
が、
(a)−OCH−、
(b)−CHO−、
(c)−OCHCH−、
(d)−CHCHO−、
(e)−CHOCH−、及び
(f)−CHCHOCH
からなる群から選択される、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
【化11】






(式中、R、R、R10、R11、k、Y、q及びoは、先に定義されたとおりである)からなる群から選択される、請求項1記載の化合物又は薬学的に許容され得るその塩。
【請求項19】
が、Hである、請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
が、H及びアルキルからなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
が、Hである、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物。
【請求項22】
10が、H、ハロゲン、アミノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、及びアルコキシアルキルからなる群から選択され、その群のそれぞれは、場合により置換されていてもよい、請求項5〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項23】
10が、H、ヒドロキシ、メトキシ、フルオロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、及び2−モルホリノエトキシからなる群から選択され、そのそれぞれが、場合により置換されていてもよい、請求項5〜22のいずれか1項記載の化合物。
【請求項24】
11のそれぞれが、独立して、H、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、及びアリールスルホニルオキシからなる群から選択され、その群のそれぞれ
が、場合により置換されていてもよい、請求項9〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
11のそれぞれが、独立して、
【化12】




からなる群から独立して選択される、請求項9〜24のいずれか1項記載の化合物。
【請求項26】
Yが、
【化13】


からなる群から選択される、請求項1〜25のいずれか1項記載の化合物。
【請求項27】
Yが、
【化14】


である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項28】
Yが、
【化15】


である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項29】
Yが、シクロプロピル基である、請求項1〜25のいずれか1項記載の化合物。
【請求項30】
任意の置換基が、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、−CF、−OCF、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルコキシヘテロアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、−COOH、−COR、−C(O)OR、−SH、−SR、−OR及びアシルからなる群から選択される、請求項1〜29のいずれか1項記載の化合物。
【請求項31】
【化16】












からなる群から選択される、請求項1記載の化合物又は薬学的に許容され得るその塩もしくはそのプロドラッグ。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物及び薬学的に許容され得る希釈剤、賦形剤又は担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
1種以上のプロテインキナーゼ及び/又はそのコファクターを、請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物の効果的な量にさらすことを含む、1種以上のプロテインキナーゼを阻害する方法。
【請求項34】
1種以上のプロテインキナーゼが、サイクリン依存性プロテインキナーゼである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
サイクリン依存性キナーゼが、GroupI CMCGキナーゼである、請求項34記載の方法。
【請求項36】
GroupI CMCGキナーゼが、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される請求項35記載の方法。
【請求項37】
GroupI CMCGキナーゼが、CDK2又はその機能的均等物である、請求項35又は36記載の方法。
【請求項38】
1種以上のプロテインキナーゼが、プロテインチロシンキナーゼである、請求項33記載の方法。
【請求項39】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである、請求項38記載の方法。
【請求項40】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、JAK2又はその機能的均等物である、請求項39又は40記載の方法。
【請求項42】
JAK2が、617位のVからFへの変異を含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである、請求項38記載の方法。
【請求項44】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、FLT3又はその機能的均等物である、請求項43又は44記載の方法。
【請求項46】
FLT3が、内部タンデムの重複を含む、請求項45記載の方法。
【請求項47】
内部タンデム重複が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である、請求項46記載の方法。
【請求項48】
1種以上のプロテインキナーゼを該化合物にさらすことが、1種以上のプロテインキナーゼを含むホ乳動物に該化合物を投与することを含む、請求項33〜47のいずれか1項記載の方法。
【請求項49】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ又はその機能的均等物を包含する、請求項33記載の方法。
【請求項50】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て又はその機能的均等物を包含する、請求項49記載の方法。
【請求項51】
1種以上のプロテインキナーゼを阻害するための、請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項52】
1種以上のプロテインキナーゼが、サイクリン依存性プロテインキナーゼである、請求項51記載の使用。
【請求項53】
サイクリン依存性キナーゼが、GroupI CMCGキナーゼである、請求項52記載の使用。
【請求項54】
GroupI CMCGキナーゼが、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群又はその機能的均等物から選択される請求項53記載の使用。
【請求項55】
GroupI CMCGキナーゼが、CDK2である、請求項53又は54記載の使用。
【請求項56】
1種以上のプロテインキナーゼが、プロテインチロシンキナーゼである、請求項51記載の使用。
【請求項57】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである、請求項56記載の使用。
【請求項58】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群又はその機能的均等物から選択される、請求項57記載の使用。
【請求項59】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、JAK2又はその機能的均等物である、請求項57又は58記載の使用。
【請求項60】
JAK2が、617位のVからFへの変異を含む、請求項59記載の使用。
【請求項61】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである、請求項56記載の使用。
【請求項62】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群又はその機能的均等物から選択される、請求項61記載の使用。
【請求項63】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、FLT3又はその機能的均等物である、請求項62記載の使用。
【請求項64】
FLT3が、内部タンデムの重複を含む、請求項63記載の方法。
【請求項65】
内部タンデム重複が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である、請求項64記載の使用。
【請求項66】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する、請求項51記載の使用。
【請求項67】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する、請求項66記載の使用。
【請求項68】
1種以上のプロテインキナーゼ及び/又はそのコファクターの阻害が、状態の病状又は症候を予防、阻害又は改善する、ホ乳類の状態を処置又は予防する方法であって、請求項1〜31のいずれか1項記載の、治療上効果的な量の化合物を投与することを含む方法。
【請求項69】
1種以上のプロテインキナーゼが、サイクリン依存性プロテインキナーゼである、請求項68記載の方法。
【請求項70】
サイクリン依存性キナーゼが、GroupI CMCGキナーゼである、請求項69記載の方法。
【請求項71】
GroupI CMCGキナーゼが、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される請求項70記載の方法。
【請求項72】
GroupI CMCGキナーゼが、CDK2又はその機能的均等物である、請求項70又は71記載の方法。
【請求項73】
状態が、前立腺癌、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、T細胞白血病、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、筋骨格新生物及びアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項69〜72のいずれか1項記載の方法。
【請求項74】
1種以上のプロテインキナーゼが、プロテインチロシンキナーゼである、請求項68記載の方法。
【請求項75】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである、請求項74記載の方法。
【請求項76】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項75記載の方法。
【請求項77】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、JAK2又はその機能的均等物である、請求項76記載の方法。
【請求項78】
JAK2が、617位のVからFへの変異を含む、請求項77記載の方法。
【請求項79】
状態が、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大、肺高血圧症、及び網膜変性からなる群から選択される、請求項74〜78のいずれか1項記載の方法。
【請求項80】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである、請求項74記載の方法。
【請求項81】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項80記載の方法。
【請求項82】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、FLT3又はその機能的均等物である、請求項81記載の方法。
【請求項83】
FLT3が、内部タンデムの重複を含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
内部タンデム重複が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である、請求項83記載の方法。
【請求項85】
状態が、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、骨髄増殖性障害、及び慢性骨髄単球性白血病からなる群から選択される、請求項80〜84のいずれか1項記載の方法。
【請求項86】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する、請求項68記載の方法。
【請求項87】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する、請求項86記載の方法。
【請求項88】
動物内の状態を処置する医薬を製造における、請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物の使用であって、1種以上のプロテインキナーゼの阻害が、状態の病状又は症候を予防、阻害又は改善し得る使用。
【請求項89】
1種以上のプロテインキナーゼが、サイクリン依存性プロテインキナーゼである、請求項88記載の使用。
【請求項90】
サイクリン依存性キナーゼが、GroupI CMCGキナーゼである、請求項89記載の使用。
【請求項91】
GroupI CMCGキナーゼが、CDC2Hs、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、CAK/MO15、Dm2、Dm2c、Ddcdc2、DdPRK、LmmCRK1、PfC2R、EhC2R、CfCdc2R、cdc2+、CDC28、PHO85、KIN28、FpCdc2、MsCdc2B、及びOsC2Rからなる群、又はその機能的均等物から選択される請求項90記載の使用。
【請求項92】
GroupI CMCGキナーゼが、CDK2又はその機能的均等物である、請求項90又は91記載の使用。
【請求項93】
状態が、前立腺癌、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、T細胞白血病、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、筋骨格新生物及びアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項89〜92のいずれか1項記載の使用。
【請求項94】
1種以上のプロテインキナーゼが、プロテインチロシンキナーゼである、請求項88記載の使用。
【請求項95】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupVIIプロテインチロシンキナーゼである、請求項94記載の使用。
【請求項96】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、TYK2、JAK1、JAK2及びHOPからなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項95記載の使用。
【請求項97】
GroupVIIプロテインチロシンキナーゼが、JAK2又はその機能的均等物である、請求項96記載の使用。
【請求項98】
JAK2が、617位のVからFへの変異を含む、請求項97記載の使用。
【請求項99】
状態が、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大、肺高血圧症、及び網膜変性からなる群から選択される、請求項95〜98のいずれか1項記載の使用。
【請求項100】
プロテインチロシンキナーゼが、GroupXIVプロテインチロシンキナーゼである、請求項94記載の使用。
【請求項101】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、PDGFR−b、PDGFR−a、CSF1R、c−kit、FIk2、FLT1、FLT2、FLT3及びFLT4からなる群、又はその機能的均等物から選択される、請求項101記載の使用。
【請求項102】
GroupXIVプロテインチロシンキナーゼが、FLT3又はその機能的均等物である、請求項101記載の使用。
【請求項103】
FLT3が、内部タンデムの重複を含む、請求項102記載の使用。
【請求項104】
内部タンデム重複が、592〜601位のアミノ酸:VDFREYEYDHの重複である、請求項103記載の使用。
【請求項105】
状態が、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、骨髄増殖性障害、及び慢性骨髄単球性白血病からなる群から選択される、請求項100〜104のいずれか1項記載の使用。
【請求項106】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2からなる群から選択される少なくとも2種のキナーゼ、又はその機能的均等物を包含する、請求項88記載の使用。
【請求項107】
1種以上のプロテインキナーゼが、CDK2、FLT3及びJAK2の3種全て、又はその機能的均等物を包含する、請求項106記載の方法。
【請求項108】
キナーゼ関連障害の処置又は予防のための医薬の製造における、請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項109】
キナーゼ関連障害が、増殖性障害である、請求項108記載の使用。
【請求項110】
増殖性障害が、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、急性B細胞白血病、白血球増多症、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、及び筋骨格新生物からなる群から選択される、請求項109記載の使用。
【請求項111】
増殖性障害が、骨髄増殖性障害である、請求項110記載の使用。
【請求項112】
骨髄増殖性障害が、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される、請求項111記載の使用。
【請求項113】
増殖性障害が、癌である、請求項109記載の使用。
【請求項114】
癌が、固形腫瘍である、請求項113記載の使用。
【請求項115】
固形腫瘍が、乳房、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜、骨、皮膚、肺、肝臓、膵臓、頚、脳、神経組織、リンパ組織、血管、膀胱及び筋肉からなる群から選択される臓器又は組織に存在する腫瘍、又はそこから転移する腫瘍である、請求項114記載の使用。
【請求項116】
癌が、血液癌である、請求項113記載の使用。
【請求項117】
血液癌が、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、及びB細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項116記載の使用。
【請求項118】
キナーゼ関連障害が、心臓血管障害である、請求項108記載の使用。
【請求項119】
心臓血管疾患が、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大及び再狭窄からなる群から選択される、請求項118記載の使用。
【請求項120】
キナーゼ関連障害が、神経変性障害である、請求項108記載の使用。
【請求項121】
神経変性障害が、アルツハイマー病である、請求項120記載の使用。
【請求項122】
請求項1〜31のいずれか1項記載の化合物の治療上効果的な量を、それを必要とする患者に投与することを含む、キナーゼ関連障害を処置又は予防する方法。
【請求項123】
キナーゼ関連疾患が、増殖性障害である、請求項122記載の方法。
【請求項124】
増殖性障害が、骨髄増殖性障害(慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病)、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性赤芽球性白血病、急性B細胞白血病、白血球増多症、ホジキン病、B細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、乳悪性腫瘍、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫、骨髄異形成症候群、ケロイド、網膜芽細胞腫、乳房の悪性新生物、結腸の悪性腫瘍、子宮内膜増殖症、骨肉腫、鱗状上皮癌、非小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞上皮癌、膵臓の悪性新生物、骨髄性白血病、頸上皮癌、類線維腫、結腸の悪性腺癌、グリオーム、グリア芽腫、乏突起膠腫、リンパ腫、卵巣癌、再狭窄、星状細胞腫、膀胱新生物、及び筋骨格新生物からなる群から選択される、請求項123記載の方法。
【請求項125】
増殖性障害が、骨髄増殖性障害である、請求項123記載の方法。
【請求項126】
骨髄増殖性障害が、真性赤血球増加症、本態性血小板血症及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される、請求項125記載の方法。
【請求項127】
増殖性障害が、癌である、請求項123記載の方法。
【請求項128】
癌が、固形腫瘍である、請求項127記載の方法。
【請求項129】
固形腫瘍が、乳房、卵巣、結腸、前立腺、子宮内膜、骨、皮膚、肺、肝臓、膵臓、頚、脳、神経組織、リンパ組織、血管、膀胱及び筋肉からなる群から選択される臓器又は組織に存在する腫瘍、又はそこから転移する腫瘍である、請求項128記載の方法。
【請求項130】
癌が、血液癌である、請求項127記載の方法。
【請求項131】
血液癌が、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、白血球増多症、若年性骨髄単球性白血病、急性B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生、慢性骨髄単球性白血病、急性赤芽球性白血病、ホジキン病、及びB細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項130記載の方法。
【請求項132】
キナーゼ関連障害が、心臓血管障害である、請求項122記載の方法。
【請求項133】
心臓血管障害が、うっ血性心不全、虚血、血栓症、心肥大及び再狭窄からなる群から選択される、請求項132記載の方法。
【請求項134】
キナーゼ関連障害が、神経変性障害である、請求項122記載の方法。
【請求項135】
神経変性障害が、アルツハイマー病である、請求項134記載の方法。
【請求項136】
(a)式:
【化17】


(式中、R、R、R、R、Z、Ar、Ar、X及びXは、請求項1に定義されたとおりである)で示される化合物を提供するステップ;
(b)該化合物を閉環メタセシスに付すステップ;
(c)場合により、こうして形成される二重結合を反応させて、シクロアルキル基を形成させるステップを含む、請求項1記載の式Iで示される化合物の合成方法。
【請求項137】
ステップ(b)が、ジクロロメタン中、40℃で、該化合物のトリフルオロ酢酸(TFA)塩又は塩酸(HCl)塩を、Grubbs第二世代触媒5〜10モル%で処理することを含む、請求項136記載の方法。
【請求項138】
ステップ(c)が、ジクロロメタン/ジオキサン中、0℃で、メタセシス生成物を、ジアゾメタン(CH)のフレシュに調製されたエーテル溶液で処理することを含む、請求項136又は137記載の方法。

【公表番号】特表2009−515954(P2009−515954A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541128(P2008−541128)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000352
【国際公開番号】WO2007/058627
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(506096349)エス*バイオ プライベート リミティッド (10)
【Fターム(参考)】