説明

重合体フィルム

プロピレン重合体成分、及びエチレン重合体成分(好ましくはコア層の0.2重量%〜8重量%)又はスチレン重合体成分(好ましくはコア層の0.2重量%〜25重量%)のいずれか、を含む少なくとも1つのコア層を含む二軸配向ポリオレフィン単層又は多層フィルムが記載される。そのフィルムは3Hz及び25℃で、28〜136MPa(TD)及び/又は73〜135MPa(MD)の動的損失モジュラス(E”)、ならびに3Hz及び25℃で、630〜2800MPa(TD)及び/又は1300〜3000MPa(MD)の動的貯蔵モジュラス(E’)を有する。これらのフィルムは、例えば押し曲げ可能な(絞り出し可能な)容器のための改良されたラベルを提供するために改良されたなじみ性(順応性)を有するラベル表面材料として使用するために適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(押し曲げ可能なプラスチックびん又はグラフィックアートのディスプレイのような)変形可能なそして/又は不規則な形状の物品上のラベルとして使用するために適当な改良されたなじみ性(順応性:confomability)のフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ラベル又はグラフィックアート分野における表面材料(facestock)として用いる場合、フィルムを適用できる不規則な表面に良好に適合(順応)する改良された重合体フィルムを提供することが望ましい。高度に適合性(順応性)であった従来のフィルムは、多くの場合、ラベルとして使用するには不適当であった。なじみ性(順応性)の改良された水準を達成させるために、ラベルにおいてまた望ましい又は必要な他のフィルム特性にとって許容することができない妥協を必要とした。例えば適合性(順応性)ラベルは、“ラベルなし外観(no−label look)”を達成させるための透明なラベルのために許容できない光学的性質、例えば不十分な清澄性を有した。
【0003】
他の共重合体の層を含む或る種の多層ポリプロピレンフィルムが既知である。
例えば、WO 00/54968(Mobil)は、シンジオタクチックポリプロピレンのコア(芯)層を有する多層フィルムを記載している。(表面薄膜層及び/又はこのフィルムのコア層に隣接する層のような)フィルムの他の層はエチレン共重合体及び/又はプロピレンとブテン−1との共単量体を含有する三元重合体(ターポリマー)を含むことができる。これらのフィルムは、例えば包装用適用のために有利な障壁性を有すると記載されている。それらはまた、“顕著な靱性及び変形に対す抵抗性”を有すると記載されており、このことは、適合性(順応性)基材上へのそのようなフィルムの使用から離れるように直接に教示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は(例えばなじみ性(順応性)に関する)上記問題の幾つか又は全てに取り組んでおり、そして押し曲げ可能な(絞り出し可能な)物品にラベルを張りつけるような用途に特に適しているシートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それ故、広範囲に、本発明に従えば、3Hz及び25℃で測定されたフィルムの動的損失モジュラス(dynamic loss modulus)(E”)が、
(a)横方向(TD)に測定して、約28〜約136MPa、好ましくは、約100MPaであり;
(b)縦方向(MD)に測定して、約73〜約135MPa、好ましくは、約100MPaである;
ことを特徴とする、プロピレン重合体成分、及びエチレン重合体成分又はスチレン重合体成分のいずれか、を含む少なくとも1つのコア層を含む二軸配向されたポリオレフィン単層又は多層フィルムが提供される。
【0006】
本発明のフィルムは、押し曲げ可能な(絞り出し可能な)(squeezable)容器(例えばプラスチックびん)のような変形可能な基材上へのラベルとして使用するために適している。これらのフィルムのラベルは、一方では許容できる他の性質を有していながら、基材に適合(順応)することができる。それらのフィルムは、繰り返しての変形の後に減少した折れしわ及び減少した視覚的(肉眼で見る)傷、汚損を示し得るけれども、透明なラベルフィルムのために望ましい良好な光学的性能のような許容できる他の性質を依然として維持することができる。それらのフィルムは、所望に応じてバランスのとれた性質を有して調製することができ、そして/又は他の場合では、他のフィルム特性に有害な影響を有する可能性がある、添加剤をコア層に実質的に存在させないことができる。
【0007】
エチレン重合体成分及び/又はスチレン重合体成分を有する本発明のフィルムが改良されたなじみ性(順応性)を有することは、WO 00/54968の前記教示を考えれば、特に驚くべきことである。
広範囲に本発明の追加の面に従えば、3Hz及び25℃で測定された動的貯蔵モジュラス(dynamic storage modulus)(E’)が
(a)横方向(TD)に測定して約630〜約2800MPaであり;そして/又は
(b)縦方向(MD)に測定して約1300〜約3000MPaである;
ことを特徴とする、プロピレン重合体成分、及びエチレン重合体成分又はスチレン重合体成分のいずれか、を含む少なくとも1つのコア層を含む二軸配向されたポリオレフィン単層又は多層フィルムが提供される。
【0008】
随意的に、本発明のフィルムは、動的損失モジュラス(E”)についての、及び動的貯蔵モジュラス(E’)についての両方について本明細書に示される値を有する。
広範囲に、本発明のその上の追加の面に従えば、プロピレン重合体成分、及びコア層の重量により、
(x)約0.2%〜約8%のエチレン重合体成分;又は
(y)約0.2%〜約25%のスチレン重合体成分;
のいずれか、を含む二軸配向されたポリオレフィン単層又は多層フィルムが提供される。
エチレン重合体成分が好ましい。
【0009】
好ましくは、本発明のフィルムは、ラベルなし外観(no−label look)を生成するための清澄な透明ラベルとして使用するために、実質的に透明であり、そして/又はつや消し(haze)(広い角度又は狭い角度)光沢、等のような他の許容できる光学的性質を有する。
【0010】
本発明の追加の面において、使用中のフィルム上の傷、汚損を減少させるための、変形可能な及び/又は不規則な形状の物品にラベルを張りつけるために適当な改良された適合性(順応性)である重合体フィルムを選択する方法であって、その方法が、
(a)少なくともプロピレン単量体及びエチレン単量体から形成された共重合体を含む少なくとも1つのコア層を含む重合体(好ましくはポリオレフィン)フィルムを調製し;
(b)そのフィルムの動的損失モジュラス(E”)及び/又は動的貯蔵モジュラス(E’)をMD及び/又はTDにおいて3Hz及び25℃で測定し;
(c)以下の性質:
(i)約20〜約150MPaの、TDにおけるE”;
(ii)約70〜約150MPaの、MDにおけるE”;
(iii)約600〜約3000MPaの、TDにおけるE’;
及び/又は
(iv)約1300〜約3000MPaの、MDにおけるE’;
の少なくとも1つを有する(随意的にはラベル表面材料(facestock)としての)ラベルの張りつけにおいて使用するためのフィルムを選択し;
(d)随意的に、押し曲げ可能な(絞り出し可能な)物品に、ラベルとして工程(c)から選ばれたフィルムを適用する、
工程からなる、上記選択方法が提供される。
【0011】
都合よくは、本発明のフィルム及び/又は本発明において使用するフィルムは以下の値を示すことができる:
(i)約28〜約136MPaの、TDにおけるE”;
(ii)約73〜約135MPaの、MDにおけるE”;
(iii)約630〜約2800MPaの、TDにおけるE’;及び/又は
(iv)約1300〜約3000MPaの、MDにおけるE’。
【0012】
さらに都合よくは、本発明のフィルム及び/又は本発明において使用するフィルムは以下の値を示す:
(i)約56〜約124MPaの、TDにおけるE”;
(ii)約76〜約122MPaの、MDにおけるE”;
(iii)約920〜約2430MPaの、TDにおけるE’;及び/又は
(iv)約1325〜約2390MPaの、MDにおけるE’。
【0013】
最も都合よくは、本発明のフィルム及び/又は本発明において使用するフィルムは以下の値を示す:
(i)約80〜約111MPaの、TDにおけるE”;
(ii)約80〜約108MPaの、MDにおけるE”;
(iii)約1320〜約2060MPaの、TDにおけるE’;及び/又は
(vi)約1350〜約2175MPaの、MDにおけるE’。
【0014】
本発明のものであることができる、そして/又は本発明において使用することができる特定のフィルムは以下の値を示す:

【0015】
本明細書において使用するものとして、押し曲げ可能な(絞り出し可能な)(squeezable)という用語は、例えばびんを握り、そして押し曲げて(絞り出して)、その液体内容物を分配するときに、使用中に人からの力の適用により容易に変形することができる任意の基材又は物品を意味することが理解されるだろう。
【0016】
(単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、二元重合体、三元重合体、等のような)本明細書において使用される全ての重合体の用語の意味は当業者に周知であり、そして例えば化学専門用語のIUPAC総目録(IUPAC Compendium of Chemical Terminology)(第2版;1997)において定義されている。本明細書において使用するものとして、重合体成分は、その重合体が、(随意的に他の重合体との物理的混合物において)単独重合体として、又は適当な単量体から形成された共重合体の部分として、存在することを意味することができる。
コア層は、プロピレン単独重合体とエチレン単独重合体とのブレンド;飽和スチレンブロック共重合体とのプロピレンのブレンド;及び/又は、少なくともプロピレン単量体及びエチレン単量体から形成された共重合体;を含むことができる。
【0017】
好ましくは、本明細書において使用する共重合体は、2種の単量体から得られたか、そして/又は得ることができる共重合体(二元重合体)及び/又は、3種の単量体から得られたか、そして/又は得ることができる共重合体(三元重合体)である。
動的機械熱分析(DMTA)は、材料のモジュラス、弾性、粘性、減衰挙動(damping behavior)及び(ガラス転移温度のような)緩和現象に関して物質を特徴づけるために使用される技術である。これらのパラメータの各々は、ひずみ、ひずみ速度、温度及び振動周波数の関数として監視することができる。
【0018】
DMTA試験において、振動ひずみ(典型的には正弦)をサンプルに適用し、そしてサンプルにおいて発現した結果として生じる応力を測定する。(本明細書において使用する試験計画下のポリプロピレンフィルムのような)線状粘弾性材料について、応力とひずみとの両方とも正弦曲線的に変化するだろうが、しかし応力とひずみとはお互いに関して位相を異にするだろう。応力シグナルは次ぎに2つの成分、即ちひずみと同位相である弾性応力、及びひずみと90°位相を異にする粘性応力とに分離することができる。それ故、応力−ひずみ関係は、ひずみと同位相であるモジュラスE’及び90°位相を異にする量E”により定義することができる。ひずみと同位相である故、E’は、適用されたひずみに起因して試験体に貯蔵されたエネルギーと定義されるので、しばしば貯蔵モジュラスと称される。位相を異にするモジュラスE”はエネルギーの消失と定義され、しばしば損失モジュラスと称される。
【0019】
他に特別に示さない限り、本明細書において得られたDMTAデータは25℃及び3Hzの周波数で測定され、そして全てのモジュラスはMPaの単位で提供される。
コア層は自己支持性であるのが好ましい。フィルムは1枚(single ply)(即ちコア層が唯一の層である場合)であることができるけれども、フィルムはまた、多層(即ち、フィルムがまたコア層に隣接する少なくとも1つの追加の層を含む場合)であることができる。
好ましくはコア層の共重合体は、随意的に約50%までのPEを含むランダム共重合体及び/又はブロック共重合体(例えば二元重合体及び三元重合体)から選ばれる。
【0020】
さらに好ましくは、コア層は:
(a)PP単独重合体とPP/PEランダム二元重合体とのブレンド;
(b)PP単独重合体とPP/PEブロック二元重合体とのブレンド;
(c)PP単独重合体とPP/PE/PB三元重合体とのブレンド;
(d)PP、PE及びポリブチレン(PB)の三元重合体;
(e)PP/PEランダム二元重合体とPP/PEブロック二元重合体とのブレンド;
(f)PP/PEランダム二元重合体;
(g)PP/PEブロック二元重合体;そして/又は、
該二元重合体又は三元重合体においてPEが約50重量%までを占める;の1種を含む。
【0021】
実用的には、コア層は、
(i)PP/PEランダム二元重合体の、(i)及び(ii)の重量により0%〜100%;及び
(ii)PP/PEブロック二元重合体の、(i)及び(ii)の重量により100%〜0%;
(iii)(酸化防止剤のような)他の既知の適当な添加剤の0%〜10%;からなる。
さらに実用的にはコア層は添加剤を実質的に含有せず、そして
(ii)PP/PEブロック二元重合体は、(ブロック二元重合体とランダム二元重合体とのブレンドだけである)層の重量により0〜約60%、例えば0%、18.5%、27.5%、36.9%又は53.0%の量で存在する。
【0022】
PP/PEランダム共重合体及び/又はPP/PEブロック共重合体は、構成成分の、PE成分又はPP成分の任意の割合を含むことができる。好ましいPP/PEランダム共重合体は約0.2重量%〜約5重量%のPE、さらに好ましくは約3.5重量%のPEを含む。好ましいPP/PEブロック共重合体は、約5重量%〜約50重量%のPE、さらに好ましくは約5重量%〜約12重量%のPE、最も好ましくは約7.5重量%のPEを含む。
【0023】
適当な添加剤は、以下の1種以上、それらの混合物及びそれらの組み合わせから選ぶことができる:UV安定剤、UV吸収剤、染料;顔料、着色剤;金属被覆及び/または擬似金属被覆;潤滑剤、帯電防止剤(陽イオン性、陰イオン性及び/又は非イオン性、例えばポリ−(オキシエチレン)ソルビタンモノオレイン酸エステル)、酸化防止剤、界面活性剤、硬化促進剤、滑り助剤(slip aids)(例えば、およそ室温で表面を横切って十分良好に滑るようにフィルムの能力を改良する高温滑り助剤又は冷温滑り助剤、例えば微結晶ワックス)、光沢改良剤、化学的分解前駆体(prodegradants)、(ポリハロゲン化ビニリデン、例えばPVdCのような)フィルムの気体及び/又は湿気浸透性質を変えるための障壁コーティング;ブロック防止助剤(例えば約0.1μm〜約0.6μmの平均粒子寸法を有する、例えば微結晶ワックス);粘着性減少用添加剤(例えば煙霧シリカ);粒子状材料(例えばタルク);摩擦係数(COF)を減少させるための添加剤(例えば米国特許第3,753,769号に記載されているような、コロイドシリカ及びカルナウバろうと一緒に、アクリル酸又はメタクリル酸の約2〜15重量%、アクリル酸メチル又はアクリル酸エチルの10〜80重量%及びメタクリル酸メチルの10〜80重量%の三元重合体);封止性添加剤;インク接着性及び/又は印刷性を改良するための添加剤;架橋剤(例えばメラミンホルムアルデヒド樹脂);接着剤層(例えば感圧性接着剤);及び/又は(剥離板ラベル適用においてのライナーとして使用するための)接着剤剥離層。
【0024】
上に列挙された添加剤の或るもの又は全ては、本発明のフィルムをコーティングするための組成物として、一緒に添加することができ、そして/又はそれ自体がコーティングされることができる新しい層を形成することができ、そして/又はシートの外側層又は表面層を形成することができる。別法として、前記添加剤の或るもの又は全ては別々に加えられ、そして/又はフィルム形成中に随意的にコア層の大部分(bulk)中に(例えば始めの重合体組成物の部分として)直接に導入することができ、このようにしてそれらは、そのままで層又はコーティングを形成してもよく、又は形成しなくてもよい。コア層が唯一の層である(即ち、本発明のフィルムが一枚のフィルムである)場合、そのときは包含する添加剤は、フィルムの表面層にいっそう適している(本明細書に列挙された添加剤の或るもののような)添加剤であることができる。
【0025】
本明細書において使用されるPP−PE二元重合体は、ポリプロピレン単位とエチレン単位とが、一方の単位又は他方の単位の長い配列に対して優先性を有しない無作為統計学に従って分布している重合体鎖からなることができる。PP−PE二元重合体はまた、プロピレン単量体又はエチレン単量体の1種から大部分形成された、結合された単一種ブロックを含むことができる。それらの二元重合体は、重合反応器中で触媒作用重合反応帯域に、所望の割合でプロピレンとエチレンとを同時に供給することにより都合よく調製される。
【0026】
本明細書におけるコア層において使用する重合体は、チグラー−ナッタ触媒反応又はメタロセン触媒反応のような任意の慣用の方法により調製することができる。
本発明のフィルムは、本明細書に記載したようなコア層の単層であることができる。しかしながら、本発明のシートのフィルムは、多層状であるのが、即ち複数の層からなるのが好ましい。それらの層は積層化又は同時押し出しにより一緒にすることができる。さらに好ましくは、そのシートは、どのコア層もシートのいずれかの外側表面を形成しないように、そのコア層又は各々のコア層が他の層間にサンドイッチされている少なくとも三層からなる。
【0027】
本発明のフィルムはまた、2つの同時押し出しされたフィルムを積層することにより調製することができる。コア層上への外側層(1つ又は複数)の適用は、複合多層フィルムの生成において慣用的に使用される任意の積層化又はコーティング技術により都合よく行うことができる。しかしながら、好ましくは、各々が依然として溶融している間に、コア層及び外側層の重合体成分が緊密に接触して同時に押し出される同時押し出し技術により1つ以上の外側層を基材上に適用する。好ましくは、複合フィルムの各々の層を構成する溶融重合体成分がダイス型内のそれらの境界で合体して単一複合構造物を形成し、次ぎにこれは管状押し出し物の形で共通のダイス型オリフィスから押し出されるようにデザインされた多チャネル環状ダイス型から、その同時押し出しは行われる。平らなダイス型のような任意の他の形状の適当なダイス型がまた、使用することができることが認識されよう。
【0028】
例えば、本発明のフィルムは、第2重合体材料から形成されている中心の、即ちコアの層の重合体との三層を有することができる。そのコア層は、フィルムの合計の厚さの約90%〜約98%の厚さを有することができる。次ぎに、そのような三層フィルムの残りは、第1重合体材料の2つの外側層を有することができ、各々の外側層は実質的に同一の厚さを有する。
【0029】
本発明の他のフィルムは、中心コア層、中心コア層に隣接する2つの層及び2つの最も外側の層を有し、しかも中心コア層及びそのような隣接層が第2重合体材料を含み、そして2つの外側層が第1重合体材料から形成されている、5つの同時押し出し層からなる。好ましくは中心コア層は、フィルムの合計厚さの、約70%〜約96%、さらに好ましくは約76%〜約90%の厚さを有する。好ましくはそのような隣接層の各々は実質的に同じ厚さを有し、その厚さは、さらに好ましくはフィルムの合計厚さの約1%〜約6%、最も好ましくは約1%〜約2%である。好ましくは各々の外側層は実質的に同じ厚さを有し、その厚さはさらに好ましくはフィルムの合計厚さの約1%〜約6%、最も好ましくは約1%〜約2%である。
【0030】
本発明のフィルムの1つ以上の層は、フィルムの末端用途に依存して、不透明又は透明であることができる。そのような層は、層材料より高い融点を有し、そして層材料とは不混和性である材料の粒子(好ましくは実質的に球形の粒子)(例えば層がアイソタクチックポリプロピレン単独重合体から形成されている場合、そのような粒子は例えば米国特許第4,632,869号及び同第4,720,716号に記載されているようなポリブチレンテレフタレートのものであることができる)を含有する層を延伸配向することにより導入された間隙(空隙)を含むことができる。
【0031】
フィルムの外側層(即ちコア層でもなく、複数のコア層でもない層)の重合体はまた、これらの外側層に所望の性質を提供する適当な任意の重合体、共重合体又は三元重合体又は複数の単独重合体のブレンド、及び共重合体(1種又は複数種)と単独重合体(1種又は複数種)とのブレンドから形成することができる。そのような外側層は、それらの外側層の存在によってフィルムの全体的ななじみ性(順応性)が減少されないように、コア層と同じなじみ性(順応性)であるか、またはコア層よりいっそうなじみ性(順応性)を有するように選ばれた材料から形成されるのが好ましいことが認識されるだろう。外側層はコア層により支持されているので、外側層は自己支持性である必要がない故、コア層に比較して外側層の組成に対しての拘束は小さい。
【0032】
適当な外側層はアイソタクチックプロピレン単独重合体又は例えばエチレン及び/又はブチレン−1のような1種以上の他のα−オレフィンの少量とのプロピレンの共重合体、そして/又は当業界に既知の他の適当な三元重合体を含む。
【0033】
本発明の重合体フィルムは、重合体(1種又は複数種)のガラス転移温度より高い温度で延伸することにより配向される。例えばプロピレン単独重合体基材層を有するフィルムの配向は、約145℃〜165℃の範囲内の温度で都合よく行われる。二軸配向は、フィルムの平面において2つの相互に垂直方向の各々にフィルムを延伸することにより行われる。二軸配向は、バランスがとれていてもよる、又はバランスがとれていなくてもよく、例えば好ましい方向(通常は横方向)に、バランスがとれていないフィルムの高い程度の配向を有してもよい。バランスがとれた二軸配向フィルムが好ましい。
【0034】
都合よくは、コア層及び外側層を形成する材料を、複合管の形で押し出し、次ぎに急冷し、再加熱し、そして次ぎに内部ガス圧により膨張させて、横方向配向を誘発させ、そして、それを、押し出す速度よりも大きい速度で取り出して、縦方向に延伸し且つ配向する。別法として、平らな多層フィルムは、テンタ(stenter)により、又は延伸ロールとテンタとの組み合わせにより、2つの相互に垂直な方向の各々に同時延伸又は順次延伸により配向することができる。
【0035】
フィルム基材を延伸させる程度は、或る程度まで、フィルムの意図する最終用途により左右されるが、しかしプロピレン重合体をベースとするフィルムについて、満足できる伸張性及び他の性質は、横方向及び縦方向の各々においてその始めの寸法の3〜10倍、好ましくは5〜8倍にフィルムを延伸する場合に、一般に発現する。本発明のフィルムの好ましい利点は(配向した方向にフィルムをいっそう堅くさせるように働く)二軸配向を、許容できるなじみ性(順応性)を有するフィルムにおいて達成させることができることである。
【0036】
延伸後に、例えばGB−A−1124886において開示しているような、例えば1つ以上の加熱ローラーのシステムにより、重合体フィルムを熱的に処理することができる。上記熱処理は、好ましくは40℃〜130℃の範囲の温度での処理である。別法として又は追加的に、フィルムをEP−A−23776に記載された種類の強制熱処理に付すことができる。
【0037】
本発明に従う重合体フィルムは特定のフィルムを使用すべきである最終の適用に主として支配される厚さの範囲で調製することができ、そして例えば約2.5マイクロメートル〜約120マイクロメートルの範囲の合計の厚さを有することができる。
【0038】
本発明のフィルムは実質的にバランスのとれた性質を有することができる。好ましいフィルムにおいて、E’値はMD及びTDにおいて実質的に同じであり、そして/又はE”値はMD及びTDにおいて実質的に同じである。さらに好ましくは、フィルムはフィルム表面に対して平行なすべての方向において等方性動的モジュラス(E’&E”)(最も好ましくは等方性機械的性質、例えば等方性物理的性質)を有している。バランスのとれた配向されたフィルムを調製するための1つの方法は、本明細書において記載されているような吹き込みバブル方法(blown bubble process)である。
【0039】
本発明のフィルムは、ラベル、フィルム加工(film converting)及び/又はグラフィックアートの分野における当業者に周知であるような、本発明のフィルムと共に使用するために適合性があり、そして/又は適している任意の適当な慣用の表面処理、他の表面材料(facestock)、下地塗り層(primer layers)、接着剤、剥離層、ライナー及び/又は裏打ち処理(back treatment)と組み合わせて、ラベル及び/又はグラフィックアート適用のための表面材料(facestock)フィルムとして使用できる。
本発明の追加の面、態様及び/又は好ましい特徴は、特許請求の範囲において示される。
本発明は、幾つかの添付図面の非限定的図により例示される。
【実施例】
【0040】
例示だけのためにであり、そして本明細書に記載された本発明の範囲に対しての限定ではない以下の例に言及することにより、本発明をさらに例示する。それらの例において、五層積層化BOPPフィルムを、以下のバブル方法により調製する。
【0041】
バブル法
三重チャネル環状ダイス型を通過させての3種の組成物の同時押し出しによりフィルムを形成する。ダイス型の中央チャネルからの(組成物Aとして示される)ポリプロピレン組成物は、バブルのコア層を形成し、ダイス型の最も外側のチャネルの(組成物Bとして示される)組成物は、バブルの外側表面を形成し、そして内側チャネルからの(組成物Cとして示される)組成物はバブルの内側表面を形成する。
【0042】
該3種の組成物を同時押し出しするときに、ダイス型中に空気を吹き込んでチューブラバブルを形成し、これは該チューブ内のマンドレル上を通過することにより冷却され、そしてマンドレルを取り囲む水浴を通過することにより外部的に急冷される。次ぎに該チューブを延伸温度に加熱し、内部ガス圧により膨張させてバブルを形成し、該チューブを膨張帯域に供給する速度よりも大きな速度で、該膨張帯域から取り出す。その結果、当該バルブは、押し出し方向(MD)及びそれに対しての横方向(TD)の両方の方向に、始めの寸法の7倍に延伸される。次ぎに延伸された管状フィルムを、一方では加熱しながらつぶし、それにより平らな積層フィルムを形成し、次ぎに例えば(例えばGB1124886−Aに記載された種類の)つや消し表面を有するローラーヒートセッター(ローラー熱硬化器)を用いて、これを、適当な温度で熱硬化してフィルムを安定化させる。
【0043】
結果として得られた五層フィルムは、組成物Aの2つの同一層、及びフィルムの2つの外側表面を形成する組成物Bの2つの同一の外側層により取り囲まれたコア層を形成するバブルの内側上の組成物Cの層により一緒に積層された2つの三層フィルムからなる。したがって、この方法により形成されたフィルムは、B/A/C/A/B層構造を有し、そのフィルムは、組成物Cから形成された内部コア層が2つのそのような層を一緒に積層することにより形成されるので、厳密に言って、六層フィルムである。
【0044】
以下の諸例において、フィルムの外側表面を形成する組成物Bの外側層は、約0.3マイクロメートル(μm)〜約0.6マイクロメートル(μm)の平均厚さを有し;そして組成物Cの中心の積層された内部層は、約0.7マイクロメートル(μm)〜約1.2マイクロメートル(μm)の平均厚さを有する。組成物Aのコア層はフィルムの厚さの残りを形成する。
【0045】
本明細書において試験されたフィルムの全ては50マイクロメートル(μm)の合計の厚さを有した。
本明細書において調製され且つ試験された特定のBOPPフィルムは、上記したようなバブル法により調製され、それらにおいて組成物Bは、プロピレン(95%重量/重量)/エチレン(5%重量/重量)共重合体であり、そして組成物Cは低い結晶性のプロピレン(82%重量/重量)/エチレン(1%重量/重量)/ブチレン−1(17%重量/重量)三元重合体であった。
【0046】
(本明細書において必ずしも試験されない)他の例は、本発明の範囲から離れることなしに、組成物A〜Cのいずれかを他の適当な組成物と置き換えることにより実施することができることが認識されるだろう。例えば組成物Aは小濃度(約0.5%〜約3.0%(重量/重量))のポリエチレンを含有するポリプロピレンの重合体と置き換えることができ、そして/又は組成物Bは、プロピレン(92%重量/重量)/エチレン(4%重量/重量)/ブチレン−1(4%重量/重量)三元重合体と置き換えることができるだろう。
【0047】
例1〜6及び比較例1
本発明のフィルムは本明細書において記載したようにして調製し、それらにおいて:
比較例1(以後比較例1と称する)において、コア層組成物Aは230℃及び2.16kgで測定して約6.5〜約9.0のメルトフローインデックス(MFI)を有するフィルム製造のために適当な、安定化ポリプロピレン単独重合体であった。
【0048】
本発明の例1〜6において、コア層組成物Aは表1において示されるような、(3.5%PEを有する)PP/PEランダム共重合体の(100−‘x’)%及び(同様な割合のPEの)PP/PEブロック共重合体の‘x’%の重合体ブレンドであった。
【表1】

【0049】
結果
各々の段階でバブルを固定させ(落ちつかせ)そしてサンプルを採取した。標準の実験室条件に条件づけした後にフィルムを試験し、そして得られた結果を下に示す。それらの結果は3Hz周波数でのDMTA測定についてである。
【0050】
DMTA結果
DMTAは、本明細書において記載した試験の方法であり、装置の製造者により特定された方法を用いて、慣用のDMTA装置から、25℃の温度で測定して、MPaでE”(損失モジュラス)について以下の結果を得た。
【0051】
【表2】

【0052】
光学的結果(光沢、NAH、WAH)
鏡面光沢は、鏡面反射方向、即ち入射角度と反射角度とが等しい方向での特定の固体の角度について、試験体上から反射した光束の、試験体に入射する光束に対する比として定義される。使用した角度は45°である。試験方法はASTM D2457に基づいている。
【0053】
試験体の狭角つや消し(Narrow Angle Haze)(NAH)は、入射光束(入射ビーム)(incident beam)からフィルムサンプル中を通過する場合にアークの6分(0.1°)より多く光散乱する平行光線であり、そしてフィルム中を透過した総光線のパーセントとして慣用の周知の方法で測定される。
【0054】
試験体の広角つや消し(Wide Angle Haze)(WAH)は、試験体通過において、前方光散乱により2.5度より多く入射光束(入射ビーム)(incident beam)からそれている、透過光のパーセントである。それはASTM D1003に記載された試験方法を用いて測定される。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
本発明(例1〜6)のなじみ性(順応性)フィルムが、従来のBOPPラベルフィルム(比較例1)についての許容できる光学的性質を示すことが、結果から了解することができる。
【0057】
他の機械的結果
引っ張り強さ、破断時伸び及びモジュラス(ヤング率)を国家(National)標準ASTM D882(1989)に記載された試験方法を用いて測定した。結果を以下の表4〜表6において示す。
【0058】
【表4】

【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
収縮度
フィルムの熱安定性を測定するために、収縮試験を計画し、そしてこの試験はフィルムの見込みのある性能の表示を提供する。各々のフィルムがTD及びMDの両方において、25cm離して間隔を置き、フィルムのTD及びMDのそれぞれに平行なフィルムの最も長い軸に関してサンプルフィルムの中心から2つの試験細片を切断した。収縮は:


(但し、Aは室温(23℃)でのサンプルの始めの長さであり、そしてBは特定の温度で1分間オーブン中に維持された後の長さである)として計算された。膨張は、マイナス収縮として表される。同じ条件下にTD及びMD収縮を測定するために同じ時間、該2つのサンプルが加熱された。以下の結果を得た。
【0062】
【表7】


これらの結果を、添付図面の図1にグラフ的にプロットしている。
【0063】
【表8】


これらの結果を、添付図面の図2にグラフ的にプロットしている。
【0064】
ハンドル−O−メーター
使用したハンドル−O−メーター(The Handle−O−Meter)試験方法は、スイング−アルバートハンドル−O−メーターテスター(Thwing−Albert Handle−O−Meter Tester)使用者手引書(1992)において、そしてまた試験標準IST 90.3−95(織物産業標準)において記載されている。
【0065】
【表9】


これらの結果を添付図面の図3においてグラフ的にプロットしている。
【0066】
ハンドル−O−メーター設定はアルファが100gバー(bar)、10mmギャップ(gap)、テフロン(登録商標)プレートを示し、そしてベータが100gバー、20mmギャップ、テフロン(登録商標)プレートを示す、アルファ及びベータで示される。結果はグラムである。
【0067】
その他
これらの例はまた、以下のとおりにして視覚的に評価した。フィルムを、押し曲げ可能な(絞り出し可能な)びんに慣用の方法でラベルとして適用した。ラベルを張りつけたビンを押し曲げ、そしてその“自然な”形に戻し、そしてこのサイクルを繰り返した。数回のそのようなサイクルの後に、びん上のラベルの視覚的外観を、折れしわのような汚損について調べた。より少ない汚損は、フィルムが押し曲げ中のびんの変化している表面に良好に適合(順応)することができたことを示している。これらの試験において本発明のフィルム(例1〜例6)は、比較例1の従来のフィルムよりも少ない汚損(即ちよりなじみ性(順応性))を有すると一貫して評価された。
【0068】
本明細書に記載された諸例と同様に、さらに多くのラベルサンプルを調製し、そしてラベルの性能を、上記基準を用いて等級をつけた(その場合、等級“1”は等級“2”よりも貧弱な性能を示す)。本発明のラベル(例1〜例6:図面において網状線入り円形としてプロットされたデータ)の各々は、同様な性能を有しており、そして全てが比較例1(中黒円形としてプロットされたデータ)より高い等級を有した。
【0069】
試験されたフィルムは、フィルムの性質がTD及びMDに同じでなかったバランスのとれていないフィルムであった。したがって変形パラメータE’及びE”は、TD及びMDの両方におけるその組み合わされた性能に基づいて、各々のサンプルに1つだけの等級を与えたけれども、試験された各々のフィルムについてMDとTDとの両方について測定した。結果は添付図面の図4〜図6にプロットされている。
【0070】
図4〜図6は、比較例1及び例1〜例6(横座標)について損失モジュラス(横座標:PMaでのE”)に対しての貯蔵モジュラス(縦座標:PMaでのE’)のプロットである。MD(図4)において及びTD(図5)において測定されたE’及びE”データを、別々にプロットし、そしてまた単一のプロットで(MD及びTDの両方で)一緒にデータをプロットしている(図6)。
【0071】
試験したラベルの性能の相対的な等級は、TD及びMDで測定した場合、損失モジュラス(E”)及び貯蔵モジュラス(E’)の2つのパラメータの相対的な値と対応していることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】温度に対してのMDにおけるフィルムのパーセント収縮結果のプロットである(表7に示されたデータ)。
【図2】温度に対してのTDにおけるフィルムのパーセント収縮結果のプロットである(表8に示されたデータ)。
【図3】“ベータ”設定でのフィルムのハンドル−o−メータ(Handle−o−meter)結果のプロットである(表9に示されたデータ)。
【図4】比較フィルム及び本発明のフィルムについての全体的な性能等級(MDにおけるE’及びE”に関しての等級づけ)に対しての貯蔵モジュラス(MPaでのE’)及び損失モジュラス(MPaでのE”)のプロットである。
【図5】比較フィルム及び本発明のフィルムについての全体的な性能等級(TDにおけるE’及びE”に関しての等級づけ)に対しての貯蔵モジュラス(MPaでのE’)及び損失モジュラス(MPaでのE”)のプロットである。
【図6】比較フィルム及び本発明のフィルムについての全体的な性能等級(MD及びTDにおけるE’及びE”に関しての等級づけ)に対しての貯蔵モジュラス(MPaでのE’)及び損失モジュラス(MPaでのE”)のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Hz及び25℃で測定されたフィルムの動的損失モジュラス(E”)が、
(a)横方向(TD)で測定して約28〜約136MPaであり;及び/又は、
(b)縦方向(MD)で測定して約73〜約135MPaである;
ことを特徴とする、プロピレン重合体成分、及びエチレン重合体成分又はスチレン重合体成分のいずれか、を含む少なくとも1つのコア層を含む二軸配向ポリオレフィン単層又は多層フィルム。
【請求項2】
(i)横方向(TD)で測定して約630〜約2800MPa;及び/又は
(ii)縦方向(MD)で測定して約1300〜約3000MPa;
の、3Hz及び25℃で測定した動的貯蔵モジュラス(E’)をさらに特徴とする、請求項1に記載の二軸配向ポリオレフィンフィルム。
【請求項3】
プロピレン重合体成分、及びコア層の重量により
(x)約0.2%〜約8%のエチレン重合体成分;又は
(y)約0.2%〜約25%のスチレン重合体成分;
のいずれか、を含む少なくとも1つのコア層を含む二軸配向ポリオレフィン単層又は多層フィルム。
【請求項4】
コア層がプロピレン単独重合体とエチレン単独重合体とのブレンドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸配向ポリオレフィンフィルム。
【請求項5】
コア層が飽和スチレンブロック共重合体とのプロピレンのブレンドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸配向ポリオレフィンフィルム。
【請求項6】
コア層が、少なくともプロピレン単量体及びエチレン単量体から形成された共重合体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸配向ポリオレフィンフィルム。
【請求項7】
コア層が、
a)PP単独重合体とPP/PEランダム二元重合体とのブレンド;
b)PP単独重合体とPP/PEブロック二元重合体とのブレンド;
c)PP単独重合体とPP/PE/PB三元重合体とのブレンド;
d)PP、PE及びポリブチレン(PB)の三元重合体;
e)PP/PEランダム二元重合体とPP/PEブロック二元重合体とのブレンド;
f)PP/PEランダム二元重合体;及び/又は
g)PP/PEブロック二元重合体;
を含み、しかも二元重合体(1種又は複数種)及び/又は三元重合体(1種又は複数種)においてPE成分が約50重量%までを占める、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項8】
動的モジュラス(即ちE’及び/又はE”)のいずれか又は両方が、MD及びTDにおいて実質的に同じである(好ましくは等方性である)、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルムを含むラベル表面材料。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム及び/又は請求項9に記載のラベル表面材料をラベルとして張りつけた物品。
【請求項11】
物品が押し曲げ可能な(絞り出し可能な)物品である、請求項10に記載のラベルを張りつけた物品。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム及び/又は請求項9に記載のラベル表面材料を含む、グラフィックアートディスプレイ。
【請求項13】
ラベル及び/又はグラフィックアート分野における、請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム及び/又は請求項9に記載のラベル表面材料の使用。
【請求項14】
使用中フィルム上の傷、汚損を減少させるために変形可能な及び/又は不規則な形状の物品にラベルとして張りつけるための適当な改良されたなじみ性(順応性)を有する重合体フィルムを選択する方法において、その方法が、
(a)少なくともプロピレン単量体及びエチレン単量体から形成された共重合体を含む少なくとも1つのコア層を含む重合体フィルムを調製し;
(b)フィルムの動的損失モジュラス(E”)及び/又は動的貯蔵モジュラス(E’)を、MD及び/又はTDにおいて3Hz及び25℃で測定し;
(c)ラベル張りつけにおいて(随意的にラベル表面材料として)使用するために、以下の性質:
(i)約28〜約136MPaの、TDにおけるE”;
(iii)約73〜約135MPaの、MDにおけるE”;
(xi)約630〜約2800MPaの、TDにおけるE’;及び/又は
(xii)約1300〜約3000MPaの、MDにおけるE’;
の少なくとも1つを有するフィルムを選択し;
(d)随意的に、工程(c)から選ばれたフィルムを、押し曲げ可能な(絞り出し可能な)物品にラベルとして適用する;
工程からなる、上記選択方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム及び/又は請求項9に記載のラベル表面材料を、物品に適用することによる物品にラベルを張りつける方法。
【請求項16】
ラベルを張りつけるべき物品が押し曲げ可能な(絞り出し可能な)物品である、請求項15に記載のラベルを張りつける方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の方法により得られた及び/又は得ることができるラベルを張りつけた物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−511354(P2006−511354A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−522484(P2004−522484)
【出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007774
【国際公開番号】WO2004/009355
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(502358717)ユ セ ベ ソシエテ アノニム (13)
【Fターム(参考)】