説明

重合性LC材料および負の光学的分散を有するポリマーフィルム

【課題】重合性LC材料および負の光学的分散を有するポリマーフィルムを提供する。
【解決手段】本発明は、負の光学的分散を有する重合性LC材料と、その様な材料より得ることができる負の光学的分散を有するポリマーフィルムと、光学的、電気光学的、電子的、半導体または発光部品または装置における該重合性LC材料およびポリマーフィルムの使用とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負の光学的分散を有する重合性LC材料と、その様な材料より得ることができる負の光学的分散を有するポリマーフィルムと、光学的、電気光学的、電子的、半導体または発光部品または装置における該重合性LC材料およびポリマーフィルムの使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
負の光学的リターデーション分散を有し、液晶(LC:liquid crystal)ディスプレイにおける収色性光学的リターダーまたはコンペンセータとしての使用に適する改良された複屈折光学的フィルムが、先行技術に記載されている。例えば、国際特許出願公開第2008/119427号パンフレット(特許文献1)には負の光学的分散を有する複屈折ポリマーフィルムが記載されており、該フィルムは、負の分散成分として、下に示す構造を有する化合物またはそれらの誘導体を含む重合性LC材料より得ることができる。
【0003】
【化1】

国際特許出願公開第2008/119427号パンフレット(特許文献1)に記載される重合性LC材料中における負の分散成分の割合は、例えば、固形分の総量(即ち、溶媒を含まない)の50〜60%である。
【0004】
しかしながら、先行技術において開示される負の分散材料は、依然として更なる改良の余地を有する。例えば、重合性混合物においては、通常高額である負の分散化合物の量を低減することが望ましい。また、光学的リターデーションフィルムのリターデーションはフィルムの複屈折率とフィルム厚との積によって与えられ、フラットパネルディスプレイ用途においては、より薄いフィルムが一般に好ましいため、同一のリターデーションを達成しながらフィルム厚を低減できるように、フィルムの複屈折率を増加することが望ましい。
【0005】
負の分散を有するフィルムは、例えば、AプレートまたはCプレートのリターダーとして使用できる。正のAプレートリターダーは、例えば、円偏光子において、例えば、反射を低減し、従って、コントラスト比を増加するために、OLEDパネルにおいて使用することに適する。正のCプレートリターダーは、例えば、IPSモードのLCDコンペンセータフィルムにおける部品として使用することに適する。
【0006】
また、フィルムを調製するために使用される負の分散化合物およびそれらを含む重合性LC混合物は、良好な熱的特性、特に、適度な融点、LCホストおよび有機溶媒中における良好な溶解性、妥当に外挿された透明点を示さなければならず、更に、優れた光学的特性特性を示さなければならない。また、それらは、大規模生産プロセスにおいて商業的に実行可能な1/4波長フィルムの作製に適していなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際特許出願公開第2008/119427号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、先行技術の材料の欠点を有しておらず、上および下で述べられる利点を有している改良されたポリマーフィルムおよびそれらを調製するための重合性材料を提供する目的を有する。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、専門家に入手可能で負の分散を有するポリマーフィルムおよび材料の蓄積を広げることである。他の目的は、以下の記載より専門家には直ちに明らかである。
【0010】
これらの目的は、本発明において特許請求される通りの重合性LC材料およびポリマーフィルムを提供することによって達成できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式Iの1種類以上の化合物を1〜45%含み、更に、式Iと異なる重合性メソゲンまたは液晶化合物を50%〜99%含む重合性LC材料に関する。
【0012】
【化2】

式中、
1、2は、それぞれ互いに独立に、
【0013】
【化3】

より選択され、それらの鏡像を含み、ただし、環UおよびUは、それぞれ、軸結合を介して中央のビトラン基に結合されており、これらの環における1個または2個の隣接していないCH基はOおよび/またはSで置き換えられていてもよく、環UおよびUは1個以上の基Lで置換されていてもよく、
1、2は、それぞれ互いに独立に、CHまたはSiHであり、
は、CまたはSiであり、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、非芳香族、芳香族またはヘテロ芳香族炭素環式またはヘテロ環式基より選択され、該基は1個以上の基Rで置換されていてもよく、ただし、−(A−Z−U−(Z−A−および−(A−Z−U−(Z−A−のそれぞれは非芳香族基よりも多くの芳香族基を含有しておらず、好ましくは、1個より多い芳香族基を含有しておらず、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−(CH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CY=CY−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR00または単結合であり、
1、2は、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、CNまたはRであり、
およびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
oおよびpは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
1〜5は、それぞれ互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−NO、−CF、−SF、P−Sp−、置換されていてもよいシリル、1〜40個のC原子を有するカルビルまたはヒドロカルビル(該基は置換されていてもよく、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。)より選択される同一または異なる基であるか、または、PまたはP−Sp−を表すか、または、PまたはP−Sp−で置換されており、ただし、該化合物は、少なくとも1個の基R1〜4(該基はPまたはP−Sp−を表すか、または、PまたはP−Sp−で置換されている。)を含み、
Pは、重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合である。
【0014】
本発明は、更に、上および下で記載される通りの重合性LC材料を、好ましくは、そのLC相において薄膜の形態で配向状態において重合することで得ることができるか得られる複屈折ポリマーフィルムに関する。
【0015】
本発明は、特に、負のリターデーション分散、即ち、R450/R550<1を有し、上および下で記載される通りの重合性LC材料またはポリマーフィルムに関し、ただし、R450は450nmの波長における光学的軸上リターデーションであり、R550は550nmの波長における光学的軸上リターデーションである。
【0016】
本発明は、更に、光学的、電子的および電気光学的部品および装置、好ましくは、負の光学的分散を有する光学的フィルム、リターダーまたはコンペンセータにおける、上および下で記載される通りの重合性LC材料またはポリマーフィルムの使用に関する。
【0017】
本発明は、特に、AプレートまたはCプレート、好ましくは、正のAプレート(+Aプレート)または正のCプレート(+Cプレート)である、上および下で記載される通りのポリマーフィルムに関する。
【0018】
本発明は、更に、上および下で記載される通りの化合物、重合性LC材料またはポリマーを含む光学的、電子的または電気光学的部品または装置に関する。
【0019】
前記装置および部品としては、限定することなく、電気光学的ディスプレイ、LCD、光学的フィルム、リターダー、コンペンセータ、偏光子、ビームスプリッター、反射フィルム、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンプ箔、着色画像、装飾またはセキュリティーマーク、LC顔料、接着剤、非線形光学(NLO:non−linear optic)装置、光学的情報記憶装置、電子装置、有機半導体、有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)、集積回路(IC:integrated circuit)、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、無線識別(RFID:Radio Frequency Identification)タグ、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、有機発光トランジスタ(OLET:organic light emitting transistor)、電子発光ディスプレイ、有機光起電(OPV:organic photovoltaic)装置、有機太陽電池(O−SC:organic solar cell)、有機レーザーダイオード(O−レーザー:organic laser)、有機集積回路(O−IC:organic integrated circuit)、照明装置、センサー装置、電極材料、光導電体、光検出器、電子写真記録装置、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、導電性基板、導電性パターン、光導電体、電子写真用途、電子写真記録、有機記憶装置、バイオセンサー、バイオチップが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】例1により調製されたポリマーフィルムについて、リターデーション分散を示す。
【図1b】例1により調製されたポリマーフィルムについて、異なる波長における視野角に対するリターデーションを示す。
【図2a】例2により調製されたポリマーフィルムについて、リターデーション分散を示す。
【図2b】例2により調製されたポリマーフィルムについて、異なる波長における視野角に対するリターデーションを示す。
【図3a】例3により調製されたポリマーフィルムについて、リターデーション分散を示す。
【図3b】例3により調製されたポリマーフィルムについて、異なる波長における視野角に対するリターデーションを示す。
【図4a】例4により調製されたポリマーフィルムについて、リターデーション分散を示す。
【図4b】例4により調製されたポリマーフィルムについて、異なる波長における視野角に対するリターデーションを示す。
【図5a】例5により調製されたポリマーフィルムについて、リターデーション分散を示す。
【図5b】例5により調製されたポリマーフィルムについて、異なる波長における視野角に対するリターデーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<用語および定義>
用語「液晶またはメソゲン化合物」は、1個以上のカラミチック(棒または板/ラス形状)またはディスコチック(ディスク形状)メソゲン基を含む化合物を意味する。用語「メソゲン基」は液晶(LC:liquid crystal)相挙動を誘発する能力を有する基を意味する。メソゲン基を含む化合物は、必ずしもそれ自体がLC相を示す必要はない。それらが他の化合物との混合物中においてのみ、または、メソゲン化合物または材料またはそれらの混合物が重合された場合にLC相挙動を示すことも可能である。簡潔のために、以下において用語「液晶」を、メソゲンおよびLC材料の両方に用いる。定義の概要については、C.Tschierske、G.PelzlおよびS.Diele、Angew.Chem.2004年、116巻、6340〜6368頁を参照。
【0022】
カラミチックメソゲン基は、通常、それぞれ互いに直接または連結基を介して接続される1個以上の芳香族または非芳香族環式基より成るメソゲン核を含み、メソゲン核の端に結合された末端基を含んでいてもよく、メソゲン核の長い側に結合された1個以上の横方向の基を含んでいてもよく、ただし、通常、これらの末端および横方向の基は、例えば、カルビルまたはヒドロカルビル基、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシなどの極性基、または、重合性基より選択される。
【0023】
用語「反応性メソゲン」(RM:reactive mesogen)は、重合性メソゲンまたは液晶化合物を意味する。
【0024】
1個の重合性基を有する重合性化合物は「一反応性」化合物とも呼ばれ、2個の重合性基を有する化合物は「二反応性」化合物とも呼ばれ、2個より多い重合性基を有する化合物は「多反応性」化合物とも呼ばれる。重合性基を持たない化合物は、「非反応性」化合物とも呼ばれる。
【0025】
用語「フィルム」としては、剛直性または柔軟性、自己支持性または独立して立つ機械的に安定なフィルム、ならびに、支持基板上または2枚の基板間のコーティングまたは層が挙げられる。
【0026】
用語「カルビル基」は、非炭素原子を一切有さない(例えば、−C≡C−など)か、またはN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの非炭素原子を少なくとも1個有する(例えば、カルボニルなど)のいずれかで、少なくとも1個の炭素原子を含む任意の一価または多価有機基部分構造を意味する。用語「ヒドロカルビル基」は、1個以上のH原子を追加的に含有し、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどのヘテロ原子を1個以上含有してもよいカルビル基を表す。3個以上のC原子鎖を含むカルビルまたはヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状および/または環状でもよく、スピロおよび/または縮合環を含んでもよい。
【0027】
分子レベルにおいて、液晶の複屈折は分極率の異方性(Δα=α−α)に依存する。「分極率」は、原子または分子中の電子分布を歪めることができる容易さを意味する。電子の数がより多く、電子雲がより拡散するほど分極率は増加する。分極率は、例えば、Jap.J.Appl.Phys.42巻、(2003年)3463頁に記載される方法を使用して計算できる。
【0028】
ある波長における液晶または複屈折材料の層の「光学的リターデーション」R(λ)(nmにおいて)は、その波長における複屈折率Δn(λ)および層厚d(nmにおいて)の積として、式
R(λ)=Δn(λ)・d
に従い定義される。光学的リターデーションRは、複屈折材料を通過する際にS偏光およびP偏光が進む光路長の違いをナノメータで表す。「軸上」リターデーションとは、サンプル表面に対して垂直入射におけるリターデーションを意味する。
【0029】
用語「負の(光学的)分散」は、波長(λ)の増加に伴い複屈折率(Δn)の大きさも増加し、反転複屈折分散を示す複屈折または液晶材料または層のことを言う。即ち、|Δn(450)|<|Δn(550)|またはΔn(450)/Δn(550)<1であり、ただし、Δn(450)およびΔn(550)は、それぞれ450nmおよび550nmの波長で測定された材料の複屈折率である。対照的に、正の(光学的)分散」は、|Δn(450)|>|Δn(550)|またはΔn(450)/Δn(550)>1を有する材料または層を意味する。また、例えば、A.Uchiyama、T.Yatabe「Control of Wavelength Dispersion of Birefringence for Oriented Copolycarbonate Films Containing Positive and Negative Birefringent Units」J.Appl.Phys.42巻、6941〜6945頁(2003年)も参照。
【0030】
ある波長における光学的リターデーションは、上記[R(λ)=Δn(λ)・d]の通り、複屈折率および層厚の積として定義されるため、光学的分散は、比Δn(450)/Δn(550)により「複屈折分散」として、または、比R(450)/R(550)により「リターデーション分散」のいずれかとして表現でき、ただし、R(450)およびR(550)は、それぞれ450nmおよび550nmの波長で測定された材料のリターデーションである。波長によって層厚dは変化しないため、R(450)/R(550)はΔn(450)/Δn(550)に等しい。よって、負または反転分散を有する材料または層はR(450)/R(550)<1または|R(450)|<|R(550)|を有し、正または正常分散を有する材料または層はR(450)/R(550)>1または|R(450)|>|R(550)|を有する。
【0031】
本発明において、他に明言しない限り、「光学的分散」はリターデーション分散、即ち、比R(450)/R(550)を意味する。
【0032】
用語「高分散」は分散の絶対値が1からの大きな偏差を示すことを意味し、一方、用語「低分散」は分散の絶対値が1からの小さな偏差を示すことを意味する。よって、「高い負の分散」は分散値が1より著しく小さいことを意味し、「低い負の分散」は分散値が1より僅かに小さいことを意味する。
【0033】
材料のリターデーション(R(λ))は分光エリプソメータ、例えば、J.A.Woollam社製M2000分光エリプソメータを使用して測定できる。この装置は、典型的には、370nm〜2000nmの波長範囲にわたって、複屈折サンプル、例えば、石英の光学的位相差をナノメータで測定できる。このデータより、材料の分散R(450)/R(550)またはΔn(450)/Δn(550))を計算することが可能である。
【0034】
これらの測定を行うための方法は、2006年10月、N.SinghによるNational Physics Laboratory(ロンドン、英国)、表題「Spectroscopic Ellipsometry、Part1−Theory and Fundamentals、Part 2−Practical Examples and Part 3−measurements」で提示された。J.A.Woollam社(リンカーン市、ネブラスカ州、アメリカ合衆国)によって出版されたRetardation Measurement(RetMeas)Manual(2002年)and Guide to WVASE(2002年)(Woollam Variable Angle Spectroscopic Ellipsometer)に記載される測定手順に従う。他に明言しない限り、この方法を、本発明で記載される材料、フィルムおよび装置のリターデーションを決定するために使用する。
【0035】
用語「Aプレート」は、層面に対して平行に配向した、その異常軸を有する単軸性複屈折材料の層を利用する光学的リターダーを言う。用語「Cプレート」は、層面に対して垂直に配向した、その異常軸を有する単軸性複屈折材料の層を利用する光学的リターダーを言う。均一に配向する光学的に単軸性の複屈折液晶材料を含むA/Cプレートにおいて、フィルムの光軸は異常軸の方向によって与えられる。また、正の複屈折率を有する光学的に単軸性の複屈折材料を含むA(またはC)プレートを、「正のA(またはC)プレート」または「+A(または+C)プレート」とも呼ぶ。また、ディスコチック材料の配向に依存して、ディスコチック異方性材料などの負の複屈折率を有する光学的に単軸性の複屈折材料のフィルムを含むA(またはC)プレートを、「負のA(またはC)プレート」または「−A(またはC)プレート」とも呼ぶ。また、スペクトルのUV部分に反射帯域を有するコレステリックカラミチック材料より作製されるフィルムも、負のCプレートの光学性を有する。
【0036】
<本発明の詳細な記載>
好ましくは、本発明によるポリマーフィルムは、式Iの1種類以上の化合物と、1種類以上の重合性メソゲンまたは液晶化合物とを含むLC材料を重合することによって調製される。好ましくは、重合性LC材料はアキラルなネマチック相を有し、キラルまたは光学活性成分を含有しない。
【0037】
本発明によるポリマーフィルムは、好ましくは、正の複屈折および負(または「反転」)の分散を有する。
【0038】
式Iの化合物は、好ましくは、550nmにおいて正の複屈折と、負(反転)の複屈折分散とを有する。この場合、450nmにおいて化合物が負の複屈折を有するのであれば、Δn(450)/Δn(550)は負となり得る。
【0039】
LC材料中に含まれるその他のメソゲンまたは液晶化合物は、好ましくは、550nmにおいて正の複屈折と、正(正常)の複屈折分散とを有する。
【0040】
先行技術には、反転複屈折分散を有するフィルムを作製するために重合性反応性メソゲンに添加できる化合物の使用が開示されてきた。しかしながら、先行技術において開示されてきたフィルムは低い複屈折を有し、例えば、Aプレートの場合、添加量は50%より多く、従って、例えば、垂直入射において137.5nmのリターデーションを有するAプレート(これは、1/4波長フィルムとして使用できる。)を製造するためには、少なくとも3ミクロンまたは更に厚い厚みを有する厚膜コーティングを必要とする。
【0041】
これとは対称的に、先行技術より既知の通りの負の分散を有する化合物およびLC材料と比較して、本発明において開示される化合物および重合性LC材料は、より高い複屈折を有する。このため、より低い厚みを有するAプレートおよびCプレートリターダーの調製が可能となり、そのため、光学的リターダーとして、例えば、1/4波長リターダー(Aプレートの場合)またはホメオトロピックコンペンセータ(Cプレートの場合)としての使用にリターダーが適するようになる所望のリターデーション値を依然として達成しながら、フラットパネル用途にリターダーが特に適切となる。
【0042】
同時に、先行技術の化合物および材料と比較して、式Iの化合物は高い負の光学的分散を示すため、より低濃度で使用する場合においてすら、ポリマーフィルムの最終的なLC混合物中において式Iの化合物が負の分散を達成できる。このため、ポリマーフィルム中における、高額な負の分散成分の量を低減でき、よって、生産コストを低下できる。
【0043】
しかしながら、負の分散を有する化合物は、通常、重合性LC材料中に存在するその他の反応性メソゲンよりも低い複屈折を有し、一方で、その他の反応性メソゲンは、通常、正の分散を示すため、高い正の複屈折と高い負の分散との要求を同時に満たすことが常に可能というわけではないことに注目しなければならない。よって、高い複屈折と高い負の分散との間に相殺の可能性がある。例えば、重合性LC材料中において式Iの化合物の量を増加すると、材料の負の分散が典型的には増加する(即ち、分散値が減少する)こととなるが、同時に通常、複屈折は減少することとなる。従って、最終的なポリマーフィルムの所望の使用に従い、所望の分散と所望の複屈折との間の適正なバランスを見出すためには、式Iの化合物の濃度を注意深く選択しなければならない。
【0044】
本発明による重合性LC材料における式Iの化合物の濃度は、1〜45%である。
【0045】
+Aプレートを調製するために使用される重合性LC材料(以下では、「Aプレート配合物」とも呼ぶ)において、式Iの化合物の濃度は、好ましくは、20%〜45%、非常に好ましくは、30〜45%である。
【0046】
+Cプレートを調製するために使用される重合性LC材料(以下では、「Cプレート配合物」とも呼ぶ)において、式Iの化合物の濃度は、好ましくは、5〜35%、非常に好ましくは、10〜30%である。
【0047】
重合性LC材料における式Iの化合物の特に好ましい濃度は、以下の通りである:
・1.0未満の分散を有する+Aプレート用の配合物中においては、1〜35%、好ましくは、20〜35%、
・0.9未満の分散を有する+Aプレート用の配合物中においては、1〜45%、好ましくは、35〜45%、
・1.0未満の分散を有する+Cプレート用の配合物中においては、1〜20%、好ましくは、10〜20%、
・0.9未満の分散を有する+Cプレート用の配合物中においては、1〜25%、好ましくは、15〜25%、
・0.85未満の分散を有する+Cプレート用の配合物中においては、1〜35%、好ましくは、20〜35%。
【0048】
重合性LC材料における他の重合性メソゲンまたは液晶化合物の濃度は、40〜99%、好ましくは、55〜85%である。
【0049】
0°の入射角において測定する場合、本発明による+Aプレートまたは+Aプレート配合物は、好ましくは、0.7より大きく、非常に好ましくは、0.75より大きく、最も好ましくは、0.8より大きく、および、好ましくは、0.98未満、非常に好ましくは、0.9未満のリターデーション分散を有する。
【0050】
550nmにおいて、本発明による+Aプレートまたは+Aプレート配合物は、好ましくは、0.05以上、および、好ましくは、0.15未満、非常に好ましくは、0.1未満の複屈折を有する。
【0051】
60°の入射角において測定する場合、本発明による+Cプレートまたは+Cプレート配合物は、好ましくは、0.65より大きく、非常に好ましくは、0.75より大きく、最も好ましくは、0.8より大きく、および、好ましくは、0.95未満、非常に好ましくは、0.85未満のリターデーション分散を有する。
【0052】
550nmにおいて、本発明による+Cプレートまたは+Cプレート配合物は、好ましくは、0.035以上、および、好ましくは、0.15未満、非常に好ましくは、0.1未満の複屈折を有する。
【0053】
0°の入射角において測定する場合、本発明による+Aプレートは、好ましくは、90〜160nmのリターデーションを有する。
【0054】
60°の入射角において測定する場合、本発明による+Cプレートは、好ましくは、40〜100nmのリターデーションを有する。
【0055】
上および下において、「入射角」はフィルム面に垂直な軸に対する角度を意味する。「軸上」は、0°の入射角を言う。
【0056】
式Iの化合物において、以下では「メソゲン基」とも呼ぶ基(A−Z−U−(Z−Aおよび(A−Z−U−(Z−Aは、好ましくは、低い分極率を示し、好ましくは、カラミチック基であり、非常に好ましくは、棒形状の基である。
【0057】
式Iにおけるメソゲン基は、好ましくは、主に非芳香族、最も好ましくは、完全飽和の炭素環式またはヘテロ環式基を含んでおり、該基は直接または連結基を介して接続されており、ただし、「主に」は、それぞれのメソゲン基が不飽和または芳香族環よりも多い飽和環を含み、非常に好ましくは、1個より多い不飽和または芳香族環を含まないことを意味する。
【0058】
式Iの化合物において、2個のメソゲン基は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
【0059】
また、以下において、式Iにおける下の構造を有する中央のビトラン基を「ブリッジ基」またはBとも呼び、該基は高い分極率を示す。
【0060】
【化4】

式中、点線はUおよびUへの接続を示す。
【0061】
式Iにおける芳香族基A1〜4は、単核、即ち、1個のみの芳香族環を有していても(例えば、フェニルまたはフェニレンなど)、多核、即ち、2個以上の縮合環を有していても(例えば、ナフチルまたはナフチレンなど)よい。25個までのC原子を有する単環式、二環式または三環式の芳香族またはヘテロ芳香族基が特に好ましく、また、該基は縮合環を含んでいてもよく、置換されていてもよい。
【0062】
好ましい芳香族基としては、限定することなく、ベンゼン、ビフェニレン、トリフェニレン、[1,1’:3’,1”]ターフェニル−2’−イルエン、ナフタレン、アントラセン、ビナフチレン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどが挙げられる。
【0063】
好ましいヘテロ芳香族基としては、限定することなく、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなどの6員環、およびカルバゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリダイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノピリジン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合系、または、それらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
式Iにおける非芳香族炭素環式およびヘテロ環式基A1〜4としては、飽和(「完全飽和」とも言う)、即ち、それらは単結合で接続されたC原子またはヘテロ原子のみを含有するもの、および、不飽和(「部分的に飽和」とも言う)、即ち、それらは二重結合で接続されたC原子またはヘテロ原子も含むものが挙げられる。また、非芳香族環は、好ましくは、Si、O、NおよびSより選択される1個以上のヘテロ原子も含んでよい。
【0065】
非芳香族炭素環式およびヘテロ環式基は、単核、即ち、1個のみの環を有する(例えば、シクロヘキサンなど)、または、多核、即ち、2個以上の縮合環を有する(例えば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタンなど)のいずれでもよい。完全飽和の基が特に好ましい。更に、25個までのC原子を有する単環式、二環式または三環式の非芳香族基が好ましく、該基は縮合環を含んでいてもよく、置換されていてもよい。5員、6員、7員または8員の炭素環式環が非常に好ましく、ただし、1個以上の隣接していないC原子はSiで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上の隣接していないCH基はNで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上の隣接していないCH基は−O−および/または−S−で置き換えられていてもよく、それら全ては置換されていてもよい。
【0066】
好ましい非芳香族環としては、限定することなく、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなどの5員環、シクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジンなどの6員環、シクロヘプタンなどの7員環、ビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダンなどの縮合系、または、それらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
好ましくは、式Iにおける非芳香族および芳香族環A1〜4は、1個以上の基Lで置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレンおよび1,4−フェニレンより選択される。
【0068】
好ましくは、メソゲン基は1個よりも多い芳香族環を含まず、非常に好ましくは、芳香族環を含まず、最も好ましくは、芳香族および不飽和環を含まない。
【0069】
mおよびpが1で、nおよびoが1または2である式Iの化合物が非常に好ましい。mおよびpが1または2であり、nおよびoが0である式Iの化合物が更に好ましい。m、n、oおよびpが2である化合物が更に好ましい。
【0070】
式IにおけるZ1〜4は、好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−(CH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CY=CY−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR00または単結合より、非常に好ましくは、−COO−、−OCO−および単結合より選択される。
【0071】
式Iにおける置換基Lは、好ましくは、P−Sp−、F、Cl、Br、I、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)OR、−C(=O)R、−NR00、−OH、−SF、置換されていてもよいシリル、1〜12個、好ましくは1〜6個のC原子を有するアリールまたはヘテロアリール、および、1〜12個、好ましくは1〜6個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシより選択され、ただし、1個以上のH原子はFまたはClで置き換えられていてもよく、ただし、RおよびR00は式Iにおいて定義される通りであり、Xはハロゲンである。
【0072】
好ましい置換基は、F、Cl、CN、NOまたは1〜12個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシより選択され、ただし、アルキル基はペルフルオロ化されていてもよく、または、P−Sp−である。
【0073】
非常に好ましい置換基は、F、Cl、CN、NO、CH、C、C(CH、CH(CH、CHCH(CH)C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OCまたはP−Sp−、特に、F、Cl、CN、CH、C、C(CH、CH(CH、OCH、COCHまたはOCF、最も好ましくは、F、Cl、CH、C(CH、OCHまたはCOCHより選択されるか、または、P−Sp−である。
【0074】
【化5】

ただし、Lは、それぞれ独立に、上で与えられる意味の1つを有する。
【0075】
式Iにおけるカルビルおよびヒドロカルビル基R1〜5は、好ましくは、1〜40個、好ましくは、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキルより選択され、該基は無置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH基は、それぞれの場合で互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR00−、−CY=CY−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、ただし、YおよびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、RおよびR00は、それぞれ互いに独立に、H、または、1〜20個のC原子を有する置換されていてもよい脂肪族または芳香族炭化水素である。
【0076】
式Iにおける非常に好ましいR1〜5は、C〜C20−アルキル、C〜C20−オキサアルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノ、C〜C20−フルオロアルキルより選択される。
【0077】
アルキルまたはアルコキシ基、即ち、末端CH基が−O−によって置き換えられている場合、直鎖状でも分枝状でもよい。それは、好ましくは、直鎖状で1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の炭素原子を有し、従って、好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、または、オクトキシ、更に、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
【0078】
オキサアルキル、即ち、1個のCH基が−O−によって置き換えられている場合、好ましくは、例えば、直鎖状の2−オキサプロピル(即ち、メトキシメチル)、2−(即ち、エトキシメチル)または3−オキサブチル(即ち、2−メトキシエチル)、2−、3−、または4−オキサペンチル、2−、3−、4−、または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−、または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0079】
1個以上のCH基が−CH=CH−で置き換えられているアルキル基は、直鎖状でも分枝状でもよい。それは、好ましくは、直鎖状で2〜10個のC原子を有し、従って、好ましくは、ビニル、プロパ−1−、またはプロパ−2−エニル、ブタ−1−、2−またはブタ−3−エニル、ペンタ−1−、2−、3−またはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−、2−、3−、4−またはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−、2−、3−、4−、5−またはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−、2−、3−、4−、5−、6−またはオクタ−7−エニル、ノナ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−またはノナ−8−エニル、デカ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−またはデカ−9−エニルである。
【0080】
特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特に、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までのC原子を有する基が一般に好ましい。
【0081】
1個のCH基が−O−で、および1個が−CO−で置き換えられているアルキル基において、これらの基は、好ましくは、隣り合っている。従って、これらの基は、共にカルボニルオキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を形成する。好ましくは、この基は直鎖状で、2〜6個のC原子を有する。それは、従って、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシカルボニル)−ブチルである。
【0082】
2個以上のCH基が−O−および/または−COO−で置き換えられているアルキル基は、直鎖状または分岐状でよい。それは、好ましくは、直鎖状で、3〜12個のC原子を有する。従って、それは、好ましくは、ビス−カルボキシ−メチル、2,2−ビス−カルボキシ−エチル、3,3−ビス−カルボキシ−プロピル、4,4−ビス−カルボキシ−ブチル、5,5−ビス−カルボキシ−ペンチル、6,6−ビス−カルボキシ−ヘキシル、7,7−ビス−カルボキシ−ヘプチル、8,8−ビス−カルボキシ−オクチル、9,9−ビス−カルボキシ−ノニル、10,10−ビス−カルボキシ−デシル、ビス−(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(メトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(メトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(メトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(メトキシカルボニル)−ペンチル、6,6−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘプチル、8,8−ビス−(メトキシカルボニル)−オクチル、ビス−(エトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(エトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(エトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(エトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(エトキシカルボニル)−ヘキシルである。
【0083】
CNまたはCFで一置換されているアルキルまたはアルケニル基は、好ましくは、直鎖状である。CNまたはCFによる置換は、任意の所望の位置でよい。
【0084】
ハロゲンによって少なくとも一置換されているアルキルまたはアルケニル基は、好ましくは、直鎖状である。ハロゲンは、好ましくは、FまたはClで、多置換の場合、好ましくは、Fである。また、結果として生じる基はペルフルオロ化された基も含む。一置換の場合、FまたはCl置換は任意の所望の位置でよいが、好ましくはω位である。末端F置換を有する特に好ましい直鎖状の基の例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルである。しかしながら、Fの他の位置が除外されるものではない。
【0085】
およびR00は、好ましくは、H、1〜12個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルより選択される。
【0086】
−CY=CY−は、好ましくは、−CH=CH−、−CF=CF−または−CH=C(CN)−である。
【0087】
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはI、好ましくは、FまたはClである。
【0088】
1〜5は、アキラルでもキラル基でもよい。特に好ましいキラル基は、例えば、2−ブチル(即ち、1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に、2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシが非常に好ましい。
【0089】
好ましいアキラルな分岐状の基は、イソプロピル、イソブチル(即ち、メチルプロピル)、イソペンチル(即ち、3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチル−プロポキシおよび3−メチルブトキシである。
【0090】
式Iにおける重合性基Pは、ラジカル性またはイオン性連鎖重合、重付加または重縮合などの重合反応に関与できるか、または、例えば、縮合または付加によって、ポリマー類似反応においてポリマー主鎖上にグラフトできる基である。ラジカル性、カチオン性またはアニオン性重合などの連鎖重合反応のための重合性基が特に好ましい。C−C二重または三重結合を含む重合性基、および、オキセタンまたはエポキシドなどの開環反応によって重合できる重合性基が非常に好ましい。
【0091】
適切で好ましい重合性基としては、限定することなく、CH=CW−COO−、CH=CW−CO−、
【0092】
【化6】

CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびWSi−が挙げられ、ただし、Wは、H、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5個のC原子のアルキル、特に、H、F、ClまたはCHであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルであり、Pheは、好ましくは、上で定義される通りの1個以上の基L(P−Sp−の意味は除く)で置換されていてもよい1,4−フェニレンであり、kおよびkは、それぞれ互いに独立に、0または1である。
【0093】
非常に好ましい重合異性基は、CH=CH−COO−、CH=C(CH)−COO−、CH=CF−COO−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、
【0094】
【化7】

より、特に、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタンおよび3−エチルオキセタン基より選択される。
【0095】
重合は、通常の専門家に既知で、文献、例えば、D.J.Broer;G.Challa;G.N.Mol、Macromol.Chem、1991年、192巻、59頁に記載される方法に従って行うことができる。
【0096】
用語「スペーサー基」は先行技術において既知であり、適切なスペーサー基Spは当業者に既知である(例えば、Pure Appl.Chem.73巻(5号)、888頁(2001年)参照)。スペーサー基は、好ましくは、P−Sp−がP−Sp’−X’−となるように、式Sp’−X’から選択され、式中、
Sp’は、1〜20個のC原子、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレンであり、該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されていてもよく、ただし、1個以上の隣接していないCH基は、それぞれの場合で互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
およびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、および
およびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNである。
【0097】
X’は、好ましくは、−O−、−S−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−または単結合である。
【0098】
典型的な基Sp’は、例えば、−(CHp1−、−(CHCHO)q1−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00−O)p1−であり、ただし、p1は2〜12の整数、q1は1〜3の整数、および、RおよびR00は上で与えられる意味を有する。
【0099】
好ましい基Sp’は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシ−ブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。更に、キラルなスペーサー基が好ましい。
【0100】
更に、重合性基がスペーサー基Spを有さないメソゲン基に直接接続されている化合物が好ましい。
【0101】
2個以上の基P−Sp−を有する化合物の場合、重合性基Pは、それぞれ互いに同一でも、それぞれ互いに異なっていてもよく、および/または、スペーサー基Spは、それぞれ互いに同一でも、それぞれ互いに異なっていてもよい。
【0102】
もう一つの好ましい実施形態において、式Iの化合物は、2個以上の重合性基PまたはP−Sp−で置換されている1個以上の基R1〜4またはR(多官能重合性基)を含む。このタイプの適切な多官能重合性基は、例えば、米国特許第7,060,200号明細書または米国特許出願公開2006/172090号公報において開示されている。以下の式より選択される1個以上の多官能重合性基を含む化合物が非常に好ましい。
【0103】
【化8】

【0104】
【化9】

式中、
alkylは1〜12個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキレンであり、該基は無置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH基は、それぞれの場合で互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR00−、−CY=CY−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、ただし、RおよびR00は上で与えられる意味を有し、または、alkylは単結合を表し、
aおよびbは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6であり、
X’は、上で定義される通りであり、および
1〜5は、それぞれ互いに独立に、上でPに対して与えられる意味の1つを有する。
【0105】
式Iの好ましい化合物は、以下のサブ式のものである。
【0106】
【化10】

【0107】
【化11】

式中、R1〜5、A1〜4、Z1〜4、m、n、oおよびpは式Iの意味を有し、Bは以下の構造(式中、点線は式Ia〜Idにおいてシクロヘキシル環への接続を示す。)のビトラン基である。
【0108】
【化12】

【0109】
非常に好ましい式Iの化合物は、以下のサブ式のものである。
【0110】
【化13】

【0111】
【化14】

式中、Bは上で定義される通りであり、Zは式Iにおいて与えられるZの意味の1つを有し、RはP−Sp−と異なり式Iにおいて与えられる通りのRの意味の1つを有し、P、Sp、Lおよびrは式Iにおいて定義される通りであり、ベンゼン環は、式Iにおいて定義される通りの1個以上の基Lで置換されていてもよい。
【0112】
これらの好ましい化合物におけるP−Sp−は、好ましくは、P−Sp’−X’であり、ただし、X’は、好ましくは、−O−、−COO−または−OCO−O−である。Zは、好ましくは、−COO−または−OCO−である。
【0113】
以下のサブ式の化合物が、特に好ましい。
【0114】
【化15】

【0115】
【化16】

式中、nは2〜12、好ましくは、2〜8の整数であり、PおよびRは上に定義される通りであり、ベンゼン環は、式Iにおいて定義される通りの1個以上の基Lで置換されていてもよい。
【0116】
Pが、アクリレート、メタクリレート、エポキシまたはオキセタン基である上述の好ましいサブ式I1〜I6、I1a、I4aおよびI6aの化合物が特に好ましい。更に、Rが1〜8個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ、非常に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシである上述の好ましいサブ式I1〜I6、I1a、I4aおよびI6aの化合物が好ましい。
【0117】
式Iの化合物およびそれらを合成するための適切な方法は、国際特許出願公開第2008/119427号パンフレットにおいて開示されている。
【0118】
重合性LC材料における追加の重合性化合物は、好ましくは、メソゲンまたは液晶である。非常に好ましくは、LC材料は、反応性メソゲン(RM:reactive mesogen)より選択され、最も好ましくは、一反応性および二反応性RMより選択される1種類以上の追加の化合物を含む。これらの追加の化合物は、重合性LCホスト材料を構成する。
【0119】
好ましくは、本発明によるポリマーフィルムは架橋されており、重合性ゲスト化合物および/または重合性ホスト材料は、2個以上の重合性基を有する(二反応性または多反応性)少なくとも1種類の化合物を含む。
【0120】
重合性LCホスト配合物の追加のRMは、それ自身は公知で、例えば、Houben−Weyl編、Methoden der organischen Chemie、Thieme−Verlag社、Stuttgart市などの有機化学の標準的な著作に記載されている方法によって調製できる。適切なRMは、例えば、国際特許出願公開第93/22397号パンフレット、欧州特許第0 261 712号明細書、ドイツ国特許第195 04 224号明細書、国際特許出願公開第95/22586号パンフレット、国際特許出願公開第97/00600号パンフレット、米国特許第5,518,652号明細書、米国特許第5,750,051号明細書、米国特許第5,770,107号明細書および米国特許第6,514,578号明細書において開示されている。特に適切で好ましいRMの例を、以下のリストに示す。
【0121】
【化17】

【0122】
【化18】

【0123】
【化19】

【0124】
【化20】

【0125】
【化21】

【0126】
【化22】

式中、
は、複数出現する場合は互いに独立に、上でPに与えられる意味の1つを有する重合性基であり、好ましくは、アクリル、メタクリル、オキセタン、3−エチルオキセタン、エポキシ、ビニルオキシまたはスチレン基であり、
Spは、上でSp’に与えられる意味の1つを有するスペーサー基であり、
は、上でX’に与えられる意味の1つを有し、
Sp−Xは、好ましくは、−(CHp1−、−(CHp1−O−、−(CHp1−CO−O−および−(CHp1−O−CO−O−より選択され、ただし、p1は1〜12の整数であり、ただし、これらの基は、存在しているのであれば、O原子を介して隣接する環に連結されており、
およびBは、複数出現する場合は互いに独立に、1,4−フェニレン(該基は、1個、2個、3個または4個の基Lで置換されていてもよい。)またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
は、複数出現する場合は互いに独立に、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
は、1〜20個、好ましくは、1〜15個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(該基はフッ素化されていてもよい。)であるか、または、YまたはP−Sp−X−を表し、
は、F、Cl、CN、NO、OCH、OCN、SCN、SF、1〜4個のC原子を有し、フッ素化されていてもよいアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ、または、1〜4個のC原子を有し、一フッ素化、オリゴフッ素化またはポリフッ素化されたアルキルまたはアルコキシであり、
00は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−NR01−CO−NR01−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
01は、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
は、2−メチルブチル、2−メチルオクチル、2−メチルブトキシまたは2−メチルオクトキシなどの、4個以上、好ましくは、4〜12個のC原子を有するキラルなアルキルまたはアルコキシ基であり、
Chは、メンチルまたはシトロネリルなどの、コレステリル、エストラジオールまたはテルペノイド基より選択されるキラル基であり、
Lは、複数出現する場合は同一または異なって、F、Cl、CN、SCN、SF、または、1〜12個のC原子を有し、直鎖状または分岐状で、一フッ素化または多フッ素化されていてもよいアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、または、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし、アルキルおよびアルコキシと異なる基は少なくとも2個のC原子を含有し、分岐状の基は少なくとも3個のC原子を含有する。)、または、1〜5個のC原子を有し、ハロゲン化されていてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、
rは、0、1、2、3または4であり、
uは、0または1であり、
vおよびwは、それぞれ互いに独立に、0、1または2であり、
ただし、ベンゼンおよびナフタレン環は、1個以上の同一または異なる基Lで追加的に置換されていてもよい。
【0127】
特に好ましくは、重合性LCホスト成分はアキラルな化合物のみを含有し、キラルな化合物は含有しない。
【0128】
更に好ましくは、重合性LCホスト成分は、式MR3、MR4、MR7、MR8、MR9、MR10、MR18、MR27、MR28、DR1、DR5、DR6、DR7、DR8、DR9およびDR10から成る群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0129】
更に好ましくは、重合性LCホスト成分は、以下の式より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0130】
【化23】

【0131】
【化24】

【0132】
【化25】

【0133】
【化26】

式中、PおよびRは上で定義される通りであり、Rは、好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはアルキルカルボニルオキシであり、LはHまたはCHであり、
xおよびyは、それぞれ互いに独立に、0であるか、または、1〜12の同一または異なる整数であり、
zは、それぞれの出現において互いに独立に、0または1であり、ただし、隣接するxまたはyが0の場合、zは0である。
【0134】
更に好ましくは、重合性LCホスト成分は、以下の式より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0135】
【化27】

【0136】
【化28】

【0137】
【化29】

【0138】
【化30】

【0139】
【化31】

【0140】
【化32】

式中、LはHまたはCHである。
【0141】
前述のRMおよびそれらの合成は先行技術より既知である。例えば、化合物DR1a1およびDR1a2は、D.J.Broer;G.Challa;G.N.Mol、Macromol.Chem、1991年、192巻、59頁に記載されており、化合物MR10a1およびMR10a2は、米国特許第6,183,822号明細書に記載されており、化合物MR7a1およびMR7a2は、米国特許第5,720,900号明細書に記載されている。
【0142】
好ましくは、重合性LCホスト材料の重合性化合物は、低い複屈折率を有し、非常に好ましくは、一反応性または二反応性のRMの化合物より選択される。
【0143】
0.01〜0.2、非常に好ましくは、0.04〜0.16の複屈折率の絶対値を有する重合性ホスト材料が特に好ましい。
【0144】
本発明によるポリマーLCフィルムの一般的な調製は通常の専門家に既知であり、文献、例えば、D.J.Broer、G.Challa、G.N.Mol、Macromol.Chem、1991年、192巻、59頁に記載されている。典型的には、基板上に重合性LC材料をコートするか、そうでなければ塗工し、そこで重合性LC材料を均一な方向に配向させ、例えば、熱または化学線放射に曝露して、好ましくは光重合により、非常に好ましくはUV光重合によって、選択された温度において、重合性LC材料のLC相中でその場で重合し、LC分子の配向を固定する。必要に応じて、LC材料の剪断またはアニール、基板の表面処理、または、LC材料への界面活性剤の添加などの追加的な手段によって、均一な配向を促進できる。
【0145】
基板としては、例えば、ガラスまたは石英シートまたはプラスチックフィルムを使用できる。また、重合前および/または重合中および/または重合後において、コートされた材料の最表面上に第2の基板を配置することも可能である。化学線放射によって硬化する際に2枚の基板を使用する場合、少なくとも一方の基板は、重合のために使用される化学線放射に対して透過性でなければならない。等方性または複屈折性の基板を使用できる。重合後に重合されたフィルムから基板を取り除かない場合、好ましくは等方性基板を使用する。
【0146】
適切で好ましいプラスチック基板は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルのフィルム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)、非常に好ましくは、PETまたはTACフィルムである。複屈折性基板としては、例えば、一軸延伸プラスチックフィルムを使用できる。PETフィルムは、例えば、帝人デュポンフィルム株式会社より商標名Melinex(登録商標)で商業的に入手可能である。
【0147】
重合性材料は、スピンコーティングまたはブレードコーティングなどの従来のコーティング技術によって、基板上に塗工できる。また、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、オープンリール式印刷、レタープレス印刷、グラビア印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、インタリオ印刷、パッド印刷、熱シール印刷、インクジェット印刷またはスタンプまたは印刷板を利用する印刷などの専門家に既知である従来の印刷技術によっても、重合性材料を基板に塗工できる。
【0148】
また、重合性材料を適切な溶媒に溶解することも可能である。次いで、この溶液を、例えば、スピンコーティングまたはスピン印刷または他の既知の技術によって、基板上にコートまたは印刷し、重合前に溶媒を蒸発させる。多くの場合、溶媒の蒸発を促進するために、混合物を加熱することが適切である。溶媒としては、例えば、標準的な有機溶媒を使用できる。溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン;メチル、エチルまたはブチルアセテートまたはメチルアセトアセテートなどの酢酸エステル;メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどのアルコール;トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒;ジ−またはトリ−クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;PGMEA(プロピルグリコールモノメチルエーテルアセテート)などのグリコールまたはそれらのエステル、γ−ブチロラクトンなどから選択できる。また、上の溶媒の2種または3種以上の混合物を使用することも可能である。
【0149】
重合性LC材料の均一配向、例えば、平面配向(Aプレートを調製するため)またはホメオトロピック、即ち、垂直配向(Cプレートを調製するため)は、例えば、基板をラビング処理する、コーティング中または後に材料を剪断する、重合前に材料をアニールする、配向層を塗工する、コートされた材料に磁界または電界を印加する、または、材料に表面活性化合物を添加することで達成できる。配向技術の総説は、例えば、I.Sage、「Thermotropic Liquid Crystals」中、G.W.Gray編、John Wiley & Sons社、1987年刊、75〜77頁;およびT.UchidaおよびH.Seki、「Liquid Crystals−Applications and Uses、第3巻」中、B.Bahadur編、World Scientific Publishing社、Singapore、1992年刊、1〜63頁に与えられている。配向材料および技術の総説は、J.Cognard、Mol.Cryst.Liq.Cryst.、78巻、補足1、1〜77頁(1981年刊)に与えられている。
【0150】
LC分子の特定の表面配向を促進する1種類以上の界面活性剤を含む重合性材料が特に好ましい。適切な界面活性剤は、例えば、J.Cognard、Mol.Cryst.Liq.Cryst.、78巻、補足1、1〜77頁(1981年刊)に記載されている。平面配向のための好ましい配向剤は、例えば、非イオン性界面活性剤、好ましくは、商業的に入手可能なFluorad FC−171(登録商標)(3M社製)またはZonyl FSN(登録商標)(デュポン社製)などのフッ化炭素界面活性剤、英国特許第2 383 040号明細書に記載される通りの多重ブロック界面活性剤または欧州特許第1 256 617号明細書に記載される通りの重合性界面活性剤である。好ましくは、重合性LC材料中における界面活性剤の総濃度は、0.05〜3%、非常に好ましくは、0.1〜1%である。
【0151】
また、基板上に配向層を塗工し、この配向層上に重合性材料を提供することも可能である。適切な配向層は、例えば、米国特許第5,602,661号明細書、米国特許第5,389,698号明細書または米国特許第6,717,644号明細書に記載される通りのラビングされたポリイミドまたは光配向で調製された配向層など、当該技術において既知である。
【0152】
例えば、平面配向を誘発するためにラビングされたポリイミド(PI)を使用でき、一方で、例えば、ホメオトロピック配向を誘発するために、未処理のガラス基板を使用できる。
【0153】
また、好ましくは、重合前に重合性LC材料の重合温度に昇温して、重合性LC材料をアニールすることで、配向を誘発または改良することも可能である。
【0154】
重合は、例えば、重合性材料を熱または化学線放射に曝露することで達成される。化学線放射とは、UV光、IR光または可視光などの光の照射、X線またはガンマ線の照射またはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。好ましくは、重合をUV照射によって行う。化学線放射の線源としては、例えば、単一のUVランプまたは一組のUVランプを使用できる。高いランプパワーを使用すれば、硬化時間を短縮できる。化学線放射のもう1つの可能な線源は、例えば、UV、IRまたは可視光レーザーなどのレーザーである。
【0155】
重合は、好ましくは、化学線放射の波長で吸収のある開始剤の存在下において行う。この目的のためには、重合性LC材料は、好ましくは、1種類以上の開始剤を、好ましくは、0.01〜10%、非常に好ましくは、0.05〜5%の濃度で含む。例えば、UV光を利用して重合する場合、UV照射下で分解し、重合反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する光開始剤を使用できる。アクリレートまたはメタクリレート基の重合には、好ましくは、ラジカル光開始剤が使用される。ビニル、エポキシドまたはオキセタン基の重合には、好ましくは、カチオン性の光開始剤が使用される。また、加熱されると分解して重合を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する熱重合開始剤を使用することも可能である。典型的なラジカル性光開始剤は、例えば、商業的に入手可能なIrgacure(登録商標)またはDarocure(登録商標)(Ciba AG、Basel市、スイス国)である。典型的なカチオン性光開始剤は、例えば、UVI6974(Union Carbide社)である。
【0156】
また、重合性材料は、望ましくない自発的な重合を予防するため、例えば、商業的に入手可能なIrganox(登録商標)(Ciba AG、Basel市、スイス国)などの1種類以上の安定剤または禁止剤を、好ましくは、0.005〜1%、非常に好ましくは、0.01〜0.1%の濃度で含んでもよい。
【0157】
硬化時間は、とりわけ、重合性材料の反応性、コートされた層の厚み、重合開始剤のタイプおよびUVランプの出力に依存する。硬化時間は、好ましくは、5分以下、非常に好ましくは、3分以下、最も好ましくは、1分以下である。大量生産には、30秒以下の短い硬化時間が好ましい。
【0158】
好ましくは、重合は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気内で行う。
【0159】
また、重合性材料は、重合のために使用される放射の波長で吸収が最大となるよう調整された色素、例えば、4,4”−アゾキシアニソールまたはTinuvin(登録商標)色素(Ciba AG製、Basel市、スイス国)などの特にUV色素を1種類以上含んでもよい。
【0160】
もう1つの好ましい実施形態において、重合性材料は1種類以上の一反応性の重合性の非メソゲン性化合物を、好ましくは、0〜50%、非常に好ましくは、0〜20%の量で含む。典型的な例は、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである。
【0161】
もう1つの好ましい実施形態において、二反応性または多反応性の重合性のメソゲン性化合物に代えるか加えて、重合性材料は1種類以上の二反応性または多反応性の重合性の非メソゲン性化合物を、好ましくは、0〜50%、非常に好ましくは、0〜20%の量で含む。二反応性の非メソゲン性化合物の典型的な例は、1〜20個のC原子のアルキル基を有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタクリレートである。多反応性の非メソゲン性化合物の典型的な例は、トリメチルプロパントリメタクリレートまたはペンタエリトリトールテトラアクリレートである。
【0162】
また、ポリマーフィルムの物理的特性を改変するために、1種類以上の連鎖移動剤を重合性材料に加えることも可能である。チオール化合物、例えば、ドデカンチオールなどの一官能性チオールまたはトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)などの多官能性チオールが特に好ましい。例えば、国際特許出願公開第96/12209号パンフレット、国際特許出願公開第96/25470号パンフレットまたは米国特許第6,420,001号明細書に記載される通りのメソゲン性またはLCチオールが非常に好ましい。連鎖移動剤を使用することよって、ポリマーフィルム中の束縛されていないポリマー鎖の長さおよび/または2つの架橋間のポリマー鎖の長さを制御できる。連鎖移動剤の量を増加すると、ポリマーフィルム中のポリマー鎖長は減少する。
【0163】
また、重合性材料は、重合体バインダーまたは重合体バインダーを形成できる1種類以上のモノマーおよび/または1種類以上の分散助剤を含むこともできる。適切なバインダーおよび分散助剤は、例えば、国際特許出願公開第96/02597号パンフレットに開示されている。しかしながら、好ましくは、重合性材料は、バインダーおよび分散助剤を含有しない。
【0164】
重合性材料は、例えば、触媒、増感剤、安定剤、禁止剤、連鎖移動剤、共反応性モノマー、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、粘着剤、流動性改良剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、助剤、着色剤、色素、顔料またはナノ粒子などの1種類以上の添加剤を追加的に含んでよい。
【0165】
本発明によるポリマーフィルムの厚みは、好ましくは、0.3〜5ミクロン、非常に好ましくは、0.5〜3ミクロン、最も好ましくは、0.7〜1.5ミクロンである。配向層としての使用には、0.05〜1、好ましくは、0.1〜0.4ミクロンの厚みを有する薄膜が好ましい。
【0166】
本発明のポリマーフィルムおよび材料は、例えば、LCD中において大きい視野角におけるコントラストおよび輝度を改良し色度を低減するために、リターデーションまたはコンペンセーションフィルムとして使用できる。本発明のポリマーフィルムおよび材料は、LCDのスイッチ可能なLCセルの外側または基板(通常、基板はガラス基板であり、スイッチ可能なLCセルを形成し、スイッチ可能なLC媒体を含有する。)間で使用できる(セル内用途)。
【0167】
本発明のポリマーフィルムおよび材料は従来のLCディスプレイ、例えば、DAP(deformation of aligned phase:整列相の変形)、ECB(electrically controlled birefringence:電気制御複屈折)、CSH(colour super homeotropic:カラー超ホメオトロピック)、VA(vertically aligned:垂直整列)、VANまたはVAC(vertically aligned nematicまたはcholesteric:垂直整列ネマチックまたはコレステリック)、MVA(multi−domain vertically aligned:マルチドメイン垂直整列)、PVA(patterned vertically aligned:パターン化垂直整列)またはPSVA(polymer stabilised vertically aligned:ポリマー安定化垂直整列)モードなどの垂直配向を有するディスプレイ;OCB(optically compensated bend cell:光学的補償ベンドセルまたはoptically compensated birefringence:光学的補償複屈折)、R−OCB(reflective OCB:反射型OCB)、HAN(hybrid aligned nematic:ハイブリッド整列ネマチック)またはパイ−セル(π−cell)モードなどのベンドまたはハイブリッド配向を有するディスプレイ;TN(twisted nematic:ツイストネマチック)、HTN(highly twisted nematic:高ツイストネマチック)、STN(super twisted nematic:超ツイストネマチック)、AMD−TN(active matrix driven TN:アクティブマトリクス駆動TN)モードなどのツイスト配向を有するディスプレイ;IPS(in plane switching:面内スイッチ)モードのディスプレイ、または、光学的等方相においてスイッチするディスプレイ中で使用できる。
【0168】
本発明の層、フィルムおよび材料は、好ましくは、光学的一軸フィルム(Aプレート、Cプレート、負のCプレートまたはOプレート)、例えば、ツイスト1/4波長箔(QWF:quarter wave foil)、収色性リターダー、収色性QWFまたは半波長箔(HWF:half wave foil)などのツイスト光学的リターダー、および、光学的二軸フィルムより選択される各種タイプの光学的フィルム用に使用できる。層および材料におけるLC相構造は、コレステリック、スメクチック、ネマチックおよびブルー相より選択できる。層におけるLC材料の配向は、ホメオトロピック、スプレイ、チルト、平面およびブルー相配向より選択できる。層は均一に配向できるか、異なる配向のパターンを示すこともできる。
【0169】
フィルムは、LCDの視野角増大のための光学的コンペンセータとして、または、輝度増強素子における部品として、更には、例えば、反射型または半透過型LCDにおける収色性リターダーとして使用できる。更に好ましい用途および装置としては、
−複合CD/DVD/HD−DVD/ブルーレイなどで、読み出し、書き込み、再書き込みデータ記憶システムを含む、多数の波長において同様の位相シフトを必要とする光電子装置におけるリターディング部品
−カメラなどの光学的装置用の収色性リターダー
−OLEDおよびLCDを含むディスプレイ用の収色性リターダーが挙げられる。
【0170】
以下の例は、本発明を制限することなく本発明を説明することを意図している。また、以下に記載される方法、構造および特性を、本発明において特許請求されているが、先述の明細書または例において明示的に記載されていない材料にも適用または転用できる。
【0171】
上および下において、他に明言しない限り、全てのパーセンテージは重量パーセントである。全ての温度は摂氏度で与えられる。「m.p.」は融点を表し、「cl.p.」は透明点を表し、「Tg」はガラス転移温度を表す。更に、Cは結晶状態、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方相である。これらの記号の間または後のデータは転移温度を表す。Δnは550nmおよび20℃において測定される光学異方性(Δn=n−n、ただし、nは分子の長軸に平行な屈折率を表し、nはそれに垂直な屈折率を表す)を表す。他に明らかに言及しない限り、光学的および電気光学的データは20℃で測定される。
【0172】
新規な単一種類の化合物の屈折率を測定する方法:製品コードZLI4792においてメルク社より商業的に入手可能な液晶混合物の屈折率を、Abbe屈折計を使用し、20℃において、波長550nmの光を使用して測定する。次いで、この混合物を10重量%の試験中の化合物でドープし、屈折率を測定する。100%に外挿し、試験中の化合物の屈折率を与える。
【0173】
他に明言しない限り、上および下で与えられる通りの重合性LC材料の成分のパーセンテージは重量%であり、重合性混合物中における固形分の総量を表し、即ち、溶媒を含まない。
【実施例】
【0174】
<例1 +Cプレートの調製>
以下の混合物を配合する(重量%)。
【0175】
【表1】

【0176】
【化33】

0.65gのトルエン/シクロヘキサン溶液(7:3)を0.25gの混合物に加える。
【0177】
未処理のガラス製スライド(ただし、ガラス製スライドはホメオトロピック的に配向する。)上に30秒間で3000rpmにおいて溶液をスピンコートする。60秒間で65℃においてサンプルをアニールし、次いで、20℃において60秒間で窒素雰囲気下においてUV硬化(365nmフィルター、80mW/cm)する。
【0178】
図1aおよび1bに示される通りのリターデーションのプロファイル(リターデーション分散および異なる波長における視野角に対するリターデーション)をエリプソメータを使用して測定し、厚みを表面形状測定装置を使用して測定する。
【0179】
異なる入射角におけるリターデーション分散の値を、下の表1に示す。
【0180】
【表2】

混合物の複屈折率は、550nmにおいて0.062である。
【0181】
<例2 +Cプレートの調製>
以下の混合物を配合する(重量%)。
【0182】
【表3】

0.65gのトルエン/シクロヘキサン溶液(7:3)を0.25gの混合物に加える。
【0183】
未処理のガラス製スライド(ただし、ガラス製スライドはホメオトロピック的に配向する。)上に30秒間で3000rpmにおいて溶液をスピンコートする。60秒間で65℃においてサンプルをアニールし、次いで、20℃において60秒間で窒素雰囲気下においてUV硬化(365nmフィルター、80mW/cm)する。
【0184】
図2aおよび2bに示される通りのリターデーションのプロファイル(リターデーション分散および異なる波長における視野角に対するリターデーション)をエリプソメータを使用して測定し、厚みを表面形状測定装置を使用して測定する。
【0185】
異なる入射角におけるリターデーション分散の値を、下の表2に示す。
【0186】
【表4】

混合物の複屈折率は、550nmにおいて0.054である。
【0187】
<例3 +Cプレートの調製>
以下の混合物を配合する(重量%)。
【0188】
【表5】

0.65gのトルエン/シクロヘキサン溶液(7:3)を0.25gの混合物に加える。
【0189】
未処理のガラス製スライド(ただし、ガラス製スライドはホメオトロピック的に配向する。)上に30秒間で3000rpmにおいて溶液をスピンコートする。60秒間で65℃においてサンプルをアニールし、次いで、20℃において60秒間で窒素雰囲気下においてUV硬化(365nmフィルター、80mW/cm)する。
【0190】
図3aおよび3bに示される通りのリターデーションのプロファイル(リターデーション分散および異なる波長における視野角に対するリターデーション)をエリプソメータを使用して測定し、厚みを表面形状測定装置を使用して測定する。
【0191】
異なる入射角におけるリターデーション分散の値を、下の表3に示す。
【0192】
【表6】

混合物の複屈折率は、550nmにおいて0.039である。
【0193】
<例4 +Aプレートの調製>
以下の混合物を配合する(重量%)。
【0194】
【表7】

LC242は、BASF社(ルートヴィヒスハーフェン市、ドイツ国)より商業的に入手可能な重合性キラル材料である。
【0195】
【化34】

0.65gのトルエン/シクロヘキサン溶液(7:3)を0.25gの混合物に加える。
【0196】
ポリイミドでコートされたガラス製スライド(ただし、ポリイミドは平面配向する。)上に30秒間で3000rpmにおいて溶液をスピンコートする。60秒間で65℃においてサンプルをアニールし、次いで、20℃において60秒間で窒素雰囲気下においてUV硬化(365nmフィルター、80mW/cm)する。
【0197】
図4aおよび4bに示される通りのリターデーションのプロファイル(リターデーション分散および異なる波長における視野角に対するリターデーション)をエリプソメータを使用して測定し、厚みを表面形状測定装置を使用して測定する。
【0198】
異なる入射角におけるリターデーション分散の値を、下の表4に示す。
【0199】
【表8】

混合物の複屈折率は、550nmにおいて0.079である。
【0200】
<例5 − Aプレートの調製>
以下の混合物を配合する(重量%)。
【0201】
【表9】

0.65gのトルエン/シクロヘキサン溶液(7:3)を0.25gの混合物に加える。
【0202】
ポリイミドでコートされたガラス製スライド(ただし、ポリイミドは平面配向する。)上に30秒間で3000rpmにおいて溶液をスピンコートする。60秒間で65℃においてサンプルをアニールし、次いで、20℃において60秒間で窒素雰囲気下においてUV硬化(365nmフィルター、80mW/cm)する。
【0203】
図5aおよび5bに示される通りのリターデーションのプロファイル(リターデーション分散および異なる波長における視野角に対するリターデーション)をエリプソメータを使用して測定し、厚みを表面形状測定装置を使用して測定する。
【0204】
異なる入射角におけるリターデーション分散の値を、下の表5に示す。
【0205】
【表10】

混合物の複屈折率は、550nmにおいて0.063である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの1種類以上の化合物を1〜45%含み、更に、式Iと異なる重合性メソゲンまたは液晶化合物を50%〜99%含む重合性LC材料。
【化1】

(式中、
1、2は、それぞれ互いに独立に、
【化2】

より選択され、それらの鏡像を含み、ただし、環UおよびUは、それぞれ、軸結合を介して中央のビトラン基に結合されており、これらの環における1個または2個の隣接していないCH基はOおよび/またはSで置き換えられていてもよく、環UおよびUは1個以上の基Lで置換されていてもよく、
1、2は、それぞれ互いに独立に、CHまたはSiHであり、
は、CまたはSiであり、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基および芳香族またはヘテロ芳香族基より選択され、該基は1個以上の基Rで置換されていてもよく、ただし、−(A−Z−U−(Z−A−および−(A−Z−U−(Z−A−のそれぞれは非芳香族基よりも多くの芳香族基を含有しておらず、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−(CH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CY=CY−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR00または単結合であり、
1、2は、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、CNまたはRであり、
、R00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
oおよびpは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
1〜5は、それぞれ互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−NO、−CF、−SF、P−Sp−、置換されていてもよいシリル、1〜40個のC原子を有するカルビルまたはヒドロカルビル(該基は置換されていてもよく、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。)より選択される同一または異なる基であるか、または、PまたはP−Sp−を表すか、または、PまたはP−Sp−で置換されており、ただし、該化合物は、少なくとも1個の基R1〜4(該基はPまたはP−Sp−を表すか、または、PまたはP−Sp−で置換されている。)を含み、
Pは、重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合である。)
【請求項2】
式IにおけるUおよびUは、以下より選択されることを特徴とする請求項1に記載の重合性LC材料。
【化3】

(式中、Rは請求項1において定義される通りである。)
【請求項3】
式IにおけるA1〜4は、請求項1において定義される通りの1個以上の基Lで置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレンおよび1,4−フェニレンより選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の重合性LC材料。
【請求項4】
メソゲン基は、1個よりも多い不飽和および芳香族環を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【請求項5】
式IにおけるZ1〜4は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−(CH−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CY=CY−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR00または単結合より選択され、ただし、R、R00、YおよびYは、請求項1において与えられる意味を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【請求項6】
式IにおけるPは、CH=CW−COO−、CH=CW−CO−、
【化4】

CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびWSi−より選択され、ただし、Wは、H、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、ClまたはCHであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルであり、Pheは置換されていてもよい1,4−フェニレンであり、kおよびkは、それぞれ互いに独立に、0または1であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【請求項7】
式IにおけるSpは、P−Sp−がP−Sp’−X’−となるように、式Sp’−X’から選択され、式中、
Sp’は、1〜20個のC原子、好ましくは、1〜12個のC原子を有するアルキレンであり、該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されていてもよく、ただし、1個以上の隣接していないCH基は、それぞれの場合で互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
および、R、R00、YおよびYは、請求項6において与えられる意味を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【請求項8】
式Iの化合物は、以下のサブ式より選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【化5】

(式中、R1〜5、A1〜4、Z1〜4、m、n、oおよびpは、請求項1において与えられる意味を有し、Bは、
【化6】

を表す。)
【請求項9】
式Iの化合物は、以下のサブ式より選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の重合性LC材料。
【化7】

【化8】

(式中、Bは請求項8において定義される通りであり、Zは請求項1において与えられる
の意味の1つを有し、Rは、P−Sp−と異なり請求項1において与えられるRの意味の1つを有し、P、Sp、Lおよびrは請求項1において定義される通りであり、ベンゼン環は、請求項1において定義される通りの1個以上の基Lで置換されていてもよい。)
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の重合性LC材料を重合して得られるポリマーフィルム。
【請求項11】
負のリターデーション分散を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の重合性LC材料または請求項10に記載のポリマーフィルム。
【請求項12】
550nmにおいて0.05以上0.15未満の複屈折率を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の重合性LC材料または請求項10または11に記載のポリマーフィルム。
【請求項13】
550nmにおいて0.035以上0.1未満の複屈折率を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の重合性LC材料または請求項10または11に記載のポリマーフィルム。
【請求項14】
+Aプレートまたは+Cプレートであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載のポリマーフィルム。
【請求項15】
+Aプレートであり、0°の入射角において0.7より大きく0.98未満のリターデーション分散を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のポリマーフィルム。
【請求項16】
+Cプレートであり、60°の入射角において0.65より大きく0.95未満のリターデーション分散を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のポリマーフィルム。
【請求項17】
光学的、電子的または電気光学的装置またはその部品における、請求項1〜9または11〜13のいずれか一項に記載の重合性LC材料、または、請求項10〜16のいずれか一項に記載のポリマーフィルムの使用。
【請求項18】
請求項1〜9または11〜13のいずれか一項に記載の重合性LC材料、または、請求項10〜16のいずれか一項に記載のポリマーフィルムを含む光学的、電子的または電気光学的装置またはその部品。
【請求項19】
Aプレート、Cプレート、負のCプレートまたはOプレート、ツイスト光学的リターダー、ツイスト1/4波長箔(QWF:quarter wave foil)、光学的二軸フィルム、収色性リターダー、収色性QWFまたは半波長箔(HWF:half wave foil)、コレステリック、スメクチック、ネマチックまたはブルー相を有するフィルム、ホメオトロピック、スプレイ、チルト、平面またはブルー相配向を有するフィルムより選択される1枚以上の光学的一軸フィルムを含み、該フィルムは均一に配向されているか、異なる配向のパターンを示すことを特徴とする請求項18に記載の部品。
【請求項20】
視野角増大のための光学的コンペンセータ、輝度増大素子、または、収色性リターダーであることを特徴とする請求項18または19に記載の部品。
【請求項21】
多数の波長において同様の位相シフトを必要とする光電子装置(複合CD/DVD/HD−DVD/ブルーレイを含む。)、読み出しおよび/または書き込みおよび/または再書き込みデータ記憶システム、光学的装置(カメラを含む。)用の収色性リターダー、または、ディスプレイ(OLEDおよびLCDを含む。)用の収色性リターダーにおけるリターダー部品であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の部品。
【請求項22】
電気光学的ディスプレイ、LCD、光学的フィルム、偏光子、コンペンセータ、ビームスプリッター、反射フィルム、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンプ箔、着色画像、装飾またはセキュリティーマーク、LC顔料、接着剤、非線形光学(NLO:non−linear optic)装置、光学的情報記憶装置、電子装置、有機半導体、有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)、集積回路(IC:integrated circuit)、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、無線識別(RFID:Radio Frequency Identification)タグ、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、有機発光トランジスタ(OLET:organic light emitting transistor)、電子発光ディスプレイ、有機光起電(OPV:organic photovoltaic)装置、有機太陽電池(O−SC:organic solar cell)、有機レーザーダイオード(O−レーザー:organic laser)、有機集積回路(O−IC:organic integrated circuit)、照明装置、センサー装置、電極材料、光導電体、光検出器、電子写真記録装置、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、導電性基板、導電性パターン、光導電体、電子写真用途、電子写真記録、有機記憶装置、バイオセンサー、バイオチップ、多数の波長において同様の位相シフトを必要とする光電子装置、複合CD/DVD/HD−DVD/ブルーレイ、読み出し、書き込み、再書き込みデータ記憶システム、または、カメラより選択されることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の装置または部品。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2013−509458(P2013−509458A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535650(P2012−535650)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006092
【国際公開番号】WO2011/050896
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】