説明

野菜水耕栽培システム

【課題】同じ野菜工場内で多品種の野菜の同時の水耕栽培が可能で、最終消費地の店舗などに野菜を工場から移し替えることなく供給して新鮮な状態を維持でき、さらに店舗などにおいても引き続き栽培ボックスとしても使用可能な野菜水耕栽培システムを提供する。
【解決手段】光、温度、液肥を利用して野菜を水耕栽培する装置で、栽培室の栽培トレイに液肥を供給するボックス内液肥供給管のボックス内液肥貯留タンクに外部から液肥が供給される構造からなる野菜水耕栽培小型ボックス2と、上記野菜水耕栽培小型ボックス2を収納するボックス収納棚41を備え、且つボックス内液肥貯留タンクに液肥を供給する本体側液肥供給管を備えた立体型収納棚4と、各ボックス収納棚41に上記野菜水耕栽培小型ボックス2を収納台車に載せた状態で収納及びそこから取り出す昇降移動装置5とを備えた立体型ボックス収納栽培装置3とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野菜水耕栽培小型ボックスを立体型ボックス収納栽培装置の立体型収納棚にそれぞれ収納させて、立体型収納棚に収納された各野菜水耕栽培小型ボックス内で野菜を個別に水耕栽培すると共に、各ボックス内で栽培された野菜をそれから取り出すことなく、野菜水耕栽培小型ボックスにいれた状態で消費地の各店舗まで運び、各店舗で販売或いは使用されるまでの間もその野菜水耕栽培小型ボックス内で生育させて、新鮮な野菜の状態を提供する野菜水耕栽培システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
立体栽培施設を利用して植物を栽培する技術として、例えば特開2000−209970の立体式水耕栽培設備、特開平7−111828の植物の立体栽培装置などが出願されている。
特開2000−209970の立体式水耕栽培設備は、建物の内部に立体式水耕栽培設備が設置され、この設置された立体式水耕栽培設備の立体式の集合棚を利用して、水耕栽培が行われている。照明、温度管理、肥料水溶液の供給を通じて建物の内部の全体で水耕栽培が行われている。
同様に、特開平7−111828の植物の立体栽培装置も、建物の内部に立体栽培装置が設置され、この設置された立体栽培装置の立体式の栽培棚を利用して、水耕栽培が行われている。照明、温度管理、水耕液の供給を通じて建物の内部の全体で水耕栽培が行われている。
また、一つの装置で複数の機能を発揮でき、又小型軽量かつ低運転コストで植物の育成条件を容易かつ合理的に制御できる植物自動育成装置(特開2004−129621)が出願されている。
この特開2004−129621の植物自動育成装置は、日照時間の調整機能手段を備えた植物栽培室と、該植物栽培室内の温度及び湿度を調整する温度湿度駆動手段と、該植物栽培室内へ散水又は噴霧する水分補給手段と、前記日照時間の調整機能手段、温度湿度駆動手段及び水分補給手段を制御する中央制御手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−209970
【特許文献2】特開平7−111828
【特許文献3】特開2004−129621
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2000−209970の立体式水耕栽培設備、特開平7−111828の植物の立体栽培装置の各発明にあっては、建物の内部の全体で水耕栽培を行っているため、建物の内部の全体を均一に照らす照明コストや温度コストがかかる。しかもその光や温度立体式の集合棚や栽培棚の各棚を全て同一の光や温度の状態に維持することが困難である。つまり、各棚の位置によって光や温度条件が微妙に異なる。つまり立体式の集合棚や栽培棚の各棚の位置によって栽培環境が異なり、植物を均一に成長させることが困難である。
このため、特開2000−209970、特開平7−111828の発明では、各棚で生育している植物の棚を取り出して別の位置に定期的に移動させて、各棚の位置によって異なる栽培環境の解消を計り、成長が均一になるようにコントロールする必要があるが、移動させることにはコストがかかり、又面倒であった。
また、例え、生育の途中で生育場所を定期的に移動させたとしても、成長の時期によって光や温度の生育条件が異なることに代わりはなく、全部の植物を均一に成長させることはやはり困難であると考えられる。
さらに、特開2000−209970、特開平7−111828の発明では、建物の内部の全体で同じ光りや温度の管理下で植物の栽培を行うため、異なる種類の植物を同時に栽培することはできない。つまり、一品種、多量生産は可能であるが、多品種、少量生産はできない。
一方、特開2004−129621の植物自動育成装置の発明にあっては、この装置内で植物を育成できるが、水分補給手段として、タンクと該タンクから水又は養分液を吸上げるポンプとを備えているため、これらの配置スペースを必要とする結果、その分、植物栽培室が狭くなり、また、ポンプの費用分だけコスト増となり、植物自動育成装置を移動させる場合もポンプの重量分だけ重くなるという問題がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、同じ野菜工場内で多品種の野菜の同時の水耕栽培が可能で、野菜水耕栽培ボックスを小型でしかも液肥の供給駆動源を備えず簡略化でき、また最終消費地の店舗などに野菜を工場から移し替えることなく供給して新鮮な状態を維持でき、さらに店舗などにおいても引き続き栽培ボックスとしても使用可能な野菜水耕栽培システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を達成するために、この発明は、光、温度、水耕栽培用の液肥を利用して、その内部で野菜を水耕栽培し生育させる装置であって、内部に栽培室を備え、栽培室には上下段の棚に栽培トレイが置かれ、上下の各栽培トレイに液肥を供給するボックス内液肥供給管が上下方向に配管され、ボックス内液肥供給管の上端側は栽培室の上部側に設けられたボックス内液肥貯留タンクに接続され、ボックス内液肥貯留タンクには外部から液肥が供給される構造からなる野菜水耕栽培小型ボックスと、上記野菜水耕栽培小型ボックスを収納する上下段及び左右列方向に複数のボックス収納棚を備え、且つ各ボックス収納棚には上記野菜水耕栽培小型ボックスのボックス内液肥貯留タンクに液肥を供給する本体側液肥供給管を備えた立体型収納棚と、立体型収納棚の各ボックス収納棚に上記野菜水耕栽培小型ボックスを収納台車に載せた状態で収納及びそこから取り出す昇降移動装置とを備えた立体型ボックス収納栽培装置とからなり、立体型収納棚に収納してその内部で野菜が栽培された野菜水耕栽培小型ボックスの野菜を該ボックスから移し移し替えることなく、消費地まで野菜水耕栽培小型ボックスで移動させ、消費するときに野菜水耕栽培小型ボックスから始めて野菜を取り出すようにした手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0007】
課題を解決するための手段よりなるこの発明に係る野菜水耕栽培システムによれば、独立の野菜水耕栽培小型ボックス内で個別に野菜を生育させるため、各野菜水耕栽培小型ボックス内の光や温度条件を同じにすることで、立体収納棚の収納位置に関係なく、栽培環境を同じにできるので、特願2000−209970のように、収納棚内の野菜水耕栽培小型ボックスの位置を定期的に移動させる必要がない。
また、特願2000−209970は大きな生育室の立体収納棚を利用して栽培するため、例え、生育の途中で生育場所を定期的に移動させたとしても、全部の野菜を均一に成長させることは困難であるが、この発明では全ての野菜水耕栽培小型ボックス内の光や温度条件を同一にすることで、全ての栽培環境を同一に維持することができ、各野菜水耕栽培小型ボックス内の野菜を同じ栽培環境下で成長させることが可能となる。
しかも、この発明は、独立の野菜水耕栽培小型ボックス内で光や温度管理を個別に行って野菜を栽培させることができるので、各野菜水耕栽培小型ボックスで異なる野菜の栽培が可能となる。しかし、特願2000−209970では、室内全体で同じ光りや温度の管理下で植物の栽培を行うため、異なる種類の植物を同時に栽培することはできない。つまり、一品種、多量生産は可能であるが、多品種、少量生産はできない。これに対して、この発明では、立体型収納棚の各ボックス収納棚内で異なる野菜の栽培が可能となり、一品種、多量生産も可能であると共に、多品種、少量生産も可能となる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明を実施するための形態を示す概略全体斜視図である。
【図2】この発明を実施するための形態を示す野菜水耕栽培小型ボックスの概略内部正面図である。
【図3】この発明を実施するための形態を示す野菜水耕栽培小型ボックスの概略内部側面図である。
【図4】この発明を実施するための形態を示す立体型ボックス収納栽培装置の正面図である。
【図5】この発明を実施するための形態を示す立体型ボックス収納栽培装置の左側面図である。
【図6】この発明を実施するための形態を示す立体型ボックス収納栽培装置の右側面図である。
【図7】この発明を実施するための形態を示す立体型ボックス収納栽培装置の平面図である。
【図8】この発明を実施するための形態を示す昇降移動装置の部分側面図である。
【図9】この発明を実施するための形態を示す昇降移動装置の部分正面図である。
【図10】この発明を実施するための形態を示す昇降移動装置の部分平面図である。
【図11】この発明を実施するための形態を示す昇降移動装置の床面側の部分平面図である。
【図12】この発明を実施するための形態を示す立体型収納棚が走行路の両側にある場合の昇降移動装置の部分側面図である。
【図13】この発明を実施するための形態を示す立体型収納棚が走行路の両側にある場合の昇降移動装置の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0010】
図において、野菜水耕栽培小型ボックス2は、光、温度、水耕栽培用の液肥を利用して、その内部で野菜を水耕栽培し生育させる装置で、立体型ボックス収納栽培装置3の立体型収納棚4に収納されて野菜の水耕栽培が行われ、野菜の成長後は内部から野菜を取り出すことなく、ボックス自体を消費地の店舗などまで移動させ、店舗内でも栽培装置として引き続き使用できると共に、陳列棚としても使用できるものである。
【0011】
野菜水耕栽培小型ボックス2は、従来の野菜工場のように、工場で作られた野菜をそれぞれ取り出して、搬送容器に入れる手間を省略でき、また野菜を取り出して搬送容器に移し替える際に鮮度が落ちるのを防ぐことができ、さらに消費地の店舗などにおいても、搬送容器から取り出して店舗側の陳列棚などに移し替えることなく栽培装置として使用して、野菜の水耕栽培を続けさせることができ、新鮮な状態を維持させることができる等の利点も備えている。
【0012】
野菜水耕栽培小型ボックス2は例えば横長な箱形の外形を有し、その正面側には開閉扉21が設けられている。この開閉扉21によって内部の栽培室22の熱が放出されたり、逆に外部の熱が栽培室22に流入するのが防がれて、栽培室22の内部が均一の温度に維持されるようになっている。この開閉扉21の中央には図示しない覗窓が設けられ、この覗窓には透明なガラスが取り付けられて、内外からの熱の流出入を遮断している。開閉扉21を開けずに、つまり内部の温度状態を代えることなく、覗窓を通して内部の野菜の生育状態を把握することができる。
【0013】
内部の栽培室22は密閉室になっていて、例えば上下3段に仕切られており、仕切られた各棚22aには水耕栽培用の栽培トレイ22bが載置されている。栽培トレイ22bは例えば平面から見て長方形状で上面側が開口され、底面及び4側面が閉塞されていて、液肥が漏れないようになっていて、この栽培トレイ22bで野菜が水耕栽培される。栽培トレイ22bには外部から注入される水耕栽培用の液肥が適宜注入される構造になっている。野菜は栽培トレイ22b内の底面側に注入されている液肥を肥料にして生育される。
【0014】
各棚22aの天井側には、水耕栽培される野菜に光をあてるための光源23が下向きに取り付けられている。光源23はその下側に載置された栽培トレイ22bの野菜に向けて光りをあてる。光源23には例えば、LED照明、蛍光灯、紫外線灯などの各種の光源が必要に応じて取り付けられる。光源23から照明時間は制御部収納室内に収納された図示しないパソコンなどの制御装置によって制御される。
【0015】
栽培室22には、上下に配置された各栽培トレイ22bに外部から注入される水耕栽培用の液肥をそれぞれ供給するためのボックス内液肥供給管24が上側から下向きに配管されている。ボックス内液肥供給管24は図面では栽培室22の奥側に下向きに取り付けられている。ボックス内液肥供給管24は各ボックス棚22aを貫通する形で取り付けられている。
【0016】
下向きに配下管されたボックス内液肥供給管24からは、下端側の除きそれぞれの各栽培トレイ22bに液肥を供給するための分岐供給管24aが横向きに分岐し、分岐した各分岐供給管24aの先端側は下向きに曲がって各栽培トレイ22bに臨んでいて、各分岐供給管24aの先端から各栽培トレイ22bに液肥が漏れることなく供給できるようになっている。ボックス内液肥供給管24の下端側は分岐供給管24aと同じように横向きに曲がり、さらにその先端側は下向きに曲がって各栽培トレイ22bに臨んでいる。
【0017】
ボックス内液肥供給管24の上端側は栽培室22の天井側を貫通して上方に延びていて、栽培室22の上部側の制御部収納室25内に設置されたボックス内液肥貯留タンク26の排出口26aに接続されている。外部から注入された液肥は、一時的にこのボックス内液肥貯留タンク26に貯留されて、排出口26aからボックス内液肥供給管24及び分岐供給管24aを通じて各栽培トレイ22bに供給される。
【0018】
ボックス内液肥貯留タンク26の上面には、本体側液肥供給管から供給される液肥を入れるための注入口26bが形成されている。注入口26bは野菜水耕栽培小型ボックス2が本体側の収納棚に収納される場合には事前に開口されていて、本体側液肥供給管の先端側から液肥が注入口26bを通じてボックス内液肥貯留タンク26内に一時的に貯留される。
【0019】
この野菜水耕栽培小型ボックス2を収納棚から取り出して、消費地の店舗などに輸送する場合には蓋が取り付けられて塞がれる。また、消費地の店舗などではこの注入口26bの蓋が開けられ、液肥が入った小型容器の注ぎ口がその上から逆さまの下向きの状態で直に接続されて、小型容器内の液肥が注入口26bを通じてボックス内液肥貯留タンク26に供給される。
【0020】
前記したように、野菜水耕栽培小型ボックス2の栽培室22の上部側には、制御部収納室25が設けられていて、前記のボックス内液肥貯留タンク26やマイコンなどの制御装置27が収納して設置されている。制御装置27は光源23の照射時間を制御し、栽培室22の室温を制御する。
【0021】
野菜水耕栽培小型ボックス2の栽培室22の下部側には温度調整装置収納室28が設けられていて、この温度調整装置収納室28には栽培室22に温風又は冷風を供給して栽培室22の温度を調整するための温度調整装置29が収納されている。
【0022】
野菜水耕栽培小型ボックス2の箱形の外側下部の四隅にはキャスター2aがそれぞれ取り付けられていて、このキャスター2aによって野菜水耕栽培小型ボックス2は移動可能な構造になっている。即ち、野菜水耕栽培小型ボックス2はこのキャスター2aによって、収納棚に収納されたりそこから取り出される場合に移動できるようになっている。消費地の店舗などの店内に野菜水耕栽培小型ボックス2を移動する場合も、このキャスター2aによってスムーズに移動させることができる。
【0023】
立体型ボックス収納栽培装置3は、内部で野菜が栽培される前記の野菜水耕栽培小型ボックス2を上下及び左右方向に立体的に収納する立体型収納棚4と、立体型収納棚4の各棚に野菜水耕栽培小型ボックス2を収納し、又これから取り出す際に使用される昇降移動装置5とから構成される。
【0024】
立体型ボックス収納栽培装置3は、複数の鋼製縦フレーム31が左右の長さ方向に幅広に及び前後方向に所定の間隔で垂直に設けられ、これらの鋼製縦フレーム31に対して直交するように鋼製横フレーム32が上下方向に所定の間隔で水平に設けられて、左右及び前後に隣り合う鋼製縦フレーム31を水平向きに設けられた鋼製横フレーム32で連結して格子状の骨組の建屋が構築されている。
【0025】
複数の鋼製縦フレーム31と鋼製横フレーム32で格子状の骨組が構成された立体型ボックス収納栽培装置3の建屋は、平面からみて左右方向に長く、前後方向は短くなっている。短い前後方向の内部は、広めの前半側は昇降移動装置5が左右方向に移動できる空間の走行路33になっており、狭めの後半側には立体型収納棚4が設置されている。
【0026】
立体型ボックス収納栽培装置3の建屋の内部の後半部側に設置された立体型収納棚4には、上下段及び左右列方向に各野菜水耕栽培小型ボックス2を収納できるボックス収納棚41がそれぞれ形成されている。ボックス収納棚41は、全体斜視図では高さ方向が4段、左右幅方向では7列で図示しているが、正面図では詳細に表示するために高さ方向3段、左右幅方向3列で図示している。
【0027】
立体型収納棚4に設けられた各ボックス収納棚41のうち、その一つは各ボックス収納棚41に各野菜水耕栽培小型ボックス2を収納させるための専用の受け渡しステージ41aとして使用される。立体型ボックス収納栽培装置3の出入り口の向かい側に位置するボックス収納棚41が受け渡しステージ41aとして使用される。
【0028】
つまり、立体型ボックス収納栽培装置3の出入り口から入れられた野菜水耕栽培小型ボックス2は一旦、その向かい側の受け渡しステージ41aに置かれ、そこから、昇降移動装置5に載せられて所定のボックス収納棚41に運ばれる。また、ボックス収納棚41から取り出された野菜水耕栽培小型ボックス2は一旦、受け渡しステージ41aに置かれ、それから立体型ボックス収納栽培装置3の外部に搬出される。
【0029】
各野菜水耕栽培小型ボックス2は収納台車42の上に載せられた状態で各ボックス収納棚41に収納され、そこでボックス内部の野菜の生育が行われる。収納台車42の床台の下面には移動用のキャスター42aが取り付けられている。収納台車42の床台の方形状の周縁の前面、後面及び左右の各側面部分には、キャスター2aを備えた野菜水耕栽培小型ボックス2がそこから逸脱しないように低い側壁面が形成されている。
【0030】
収納台車42の前面側に位置する側壁面の中央には、この収納台車42をボックス収納棚41に入れたり出したりする際に利用されるコ字状の係止受け42bが前方に向けて突出するように設けられている。このコ字状の係止受け42b内に後述の係止爪52dが係合されることで出し入れが行われる
【0031】
収納台車42の後面側に位置する側壁面の中央には、後方に向けて受電器42cが設けられている。この受電器42cには野菜水耕栽培小型ボックス2側の差込プラグ2bが差し込まれるコンセント42dが設けられている。野菜水耕栽培小型ボックス2が収納台車42に載せられたときに、この差込プラグ2bがコンセント42dに差し込まれる。
【0032】
野菜水耕栽培小型ボックス2を収納台車42から下ろすときには、この差込プラグ2bはコンセント42dから抜き取られる。野菜水耕栽培小型ボックス2が店舗などに搬入された際にはこの差込プラグ2bは店舗のコンセントに差し込まれて、野菜水耕栽培小型ボックス2は電源の供給を受けるようになる。
【0033】
収納台車42がボックス収納棚41に収納された際に受電器42cが接触する本体側給電器41bが各ボックス収納棚41の奥側中央下部に設けられている。受電器42cが本体側給電器41bに接触することで通電し、立体型収納棚4側からの電源は本体側給電器41b、受電器42c、コンセント42dの差込プラグ2bを通じて野菜水耕栽培小型ボックス2に供給される。
【0034】
各ボックス収納棚41には、野菜水耕栽培小型ボックス2内で生育される野菜に外部から液肥を供給するために、本体側液肥供給管43が配管されている。図面では本体側液肥供給管43はボックス収納棚41の奥側に上下向きに配管されているが、左右方向に配管してもよい。
【0035】
例えば上下向きに配下管された本体側液肥供給管43からは、各ボックス収納棚41の野菜水耕栽培小型ボックス2に液肥を供給するための分岐供給管43aが横向きに分岐している。分岐した各分岐供給管43aの先端側は下向きに曲がって各野菜水耕栽培小型ボックス2の上部側に設けられたボックス内液肥貯留タンク26の注入口26bに臨んでいる。
【0036】
分岐した各分岐供給管43aには本体側液肥バルブ43bがそれぞれ設けられていて、この本体側液肥バルブ43bを通じて、各野菜水耕栽培小型ボックス2に供給される液肥の流量を調整できるようになっている。また、野菜水耕栽培小型ボックス2がボックス収納棚41から取り出される場合には、本体側液肥バルブ43bは閉じられて、液肥の供給が止められる。
【0037】
昇降移動装置5は、収納台車42に載せた野菜水耕栽培小型ボックス2を立体型収納棚4の左右の列方向に移動し、そこから上方に引き上げて所定の各ボックス収納棚41に収納し、また逆の手順で各ボックス収納棚41から野菜水耕栽培小型ボックス2を取り出す装置である。昇降移動装置5は立体型ボックス収納栽培装置3の広めの前半側の走行路33に左右方向に移動自在に設けられている。
【0038】
走行昇降塔51は、立体型ボックス収納栽培装置3の広めの前半側の走行路33の床面に、左右方向に敷設されたレール5aの上を走行する。走行昇降塔51は平面から見て、方形状の形状を有し、その4つの角部には上下に延びる鋼製の縦フレーム51aが配置され、4つの縦フレーム51aはこれに直角に設けられた複数の鋼製の横フレーム51bによって、上下両端及び中間部分が強固に連結されている。
【0039】
走行昇降塔51の下端側には、上記のレール5aの上を走行するために、車輪51cが取り付けられている。車輪51cは左右及び前後の4箇所に取り付けられている。各車輪51cは車軸によって回転自在に支持されている。レール5aは中央部分が窪んだ溝型になっていて、車輪51cは溝型のレール5aの上を走行するので脱輪のおそれはない。
【0040】
走行昇降塔51の上端の屋上の中央には、この走行昇降塔51の内部を昇降する昇降機52を昇降させるために、昇降用スプロケット51dが設けられている。昇降用スプロケット51dは減速機を介して昇降用モータに連動連結されている。この昇降用スプロケット51dには昇降チェーン51eが噛み合って垂下していて、昇降チェーン51eの垂下した先端は昇降機52の天井中央に連結されている。昇降チェーン51eの他方の先端にはバランス重りが連結されている。
【0041】
走行昇降塔51の上端の屋上には、走行昇降塔51の上部側が傾くのを防ぐためのガイドローラ51fが上向きに取り付けられている。立体型ボックス収納栽培装置3の前半側の天井側にはこのガイドローラ51fをガイドするためのガイドレールが走行昇降塔51の走行方向に向けて取り付けられている。ガイドレールは中央部分が窪んだ溝型になっていて、ガイドローラ51fは溝型のガイドレールの内部側を走行するので、そこから逸脱することはなく、走行昇降塔51の上部側が傾くのを防ぐことができる。
【0042】
走行昇降塔51の下端の中央には、この走行昇降塔51を左右に走行させるためのローラーチェーン51gが左右方向間に取り付けられている。ローラーチェーン51gは走行昇降塔51の走行移動範囲の走行路33の間に延設されている。ローラーチェーン51gの両端側は立体型ボックス収納栽培装置3の走行路33の左右の両端側の下端側に設けられたローラー間で反転して走行昇降塔51の下端中央にそれぞれ連結されている。ローラーチェーン51gと噛み合ってこれを直接駆動させる駆動スプロケットは減速機を介して走行用モータに連動連結されている。
【0043】
走行昇降塔51には、昇降機52が昇降する範囲で、上下段の各ボックス収納棚41の高さ位置を検出する高さ位置検出センサー51hがそれぞれ設けられている。また、立体型ボックス収納栽培装置3の下部には、走行昇降塔51の走行する移動範囲で、ボックス収納棚41の左右の列方向位置を検出する移動位置検出センサー34がそれぞれ設けられている。
【0044】
昇降機52は野菜水耕栽培小型ボックス2を載せて走行昇降塔51の内部を昇降する。昇降機52は平面から見て、方形状の形状を有し、その4つの角部には上下に設けられた縦桁52aが配置され、4つの縦桁52aはこれに直角に設けられた複数の横桁52bによって、上下両端部分が強固に連結されている。
【0045】
昇降機52の床面には、野菜水耕栽培小型ボックス2を出し入れするための駆動台52cが移動自在に設けられている。駆動台52cの下面側には移動用のキャスターが左右前後に4個取り付けられている。駆動台52cは走行昇降塔51の走行方向に対して直交方向に移動するように設けられている。これは立体型収納棚4の各ボックス収納棚41が走行昇降塔51の走行方向に対して直交方向に向けて設けられているからである。
【0046】
走行昇降塔51の走行方向に対して直交方向となる野菜水耕栽培小型ボックス2と向かい合う駆動台52cの前面部分には、前述の収納台車42の前面中央に設けられたコ字型の係止受け42bに下側から挿入する係止爪52dが形成されている。係止爪52dの先端側は水平に前方に少し突きだし、そこから上向きに直角に曲がっていて、反L字型に形成されている。
【0047】
立体型収納棚4が立体型ボックス収納栽培装置3の走行路33の片側にのみ設けられている場合には、この係止爪52dは駆動台52cの1箇所に設けられるが、走行路33を挟んでその両側に立体型収納棚4が設けられる場合には、係止爪52dは駆動台52cの前面及び後面の両側にそれぞれ形成される。
【0048】
昇降機52の床面上を移動する駆動台52cの下面の中央の両側には、この駆動台52cをボックス収納棚41に向けて進退動させるための一対のチェーン52eが進退方向間にそれぞれ取り付けられている。中央を挟んでその両側に取り付けられた左右一対のチェーン52eは駆動台52cの移動範囲の間で循環動自在に上下回りに回装されている。
【0049】
チェーン52dの両端側は駆動台52cの移動範囲の両端側の下端側に設けられた駆動スプロケットと従動スプロケット間で上下に反転して駆動台52cの下面中央の取付片52fにそれぞれ連結されている。チェーン52dと噛み合ってこれを直接駆動させる駆動スプロケットは減速機を介して床面の下面に下向きに取り付けられた棚出入用モータ52gに連動連結されている。
【0050】
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
立体型ボックス収納栽培装置3の立体型収納棚4での野菜水耕栽培小型ボックス2による栽培のための収納作業は次の手順で行われる。
【0051】
水耕栽培に適した状態まで生育させた野菜苗と栽培に必要な液肥とを栽培トレイ22bに入れ、これを野菜水耕栽培小型ボックス2の栽培室22の上下の各棚22aに載せて、開閉扉21を閉じる。また、野菜水耕栽培小型ボックス2の制御部収納室25の制御装置27で、栽培室22内での光源の日照時間や温度の管理を調整する。
【0052】
これらの作業が終わった後、野菜水耕栽培小型ボックス2を収納台車42に載せ、差込プラグ2bを収納台車42のコンセント42dに差し込んだ後、立体型ボックス収納栽培装置3の出入り口から内部に入れ、出入り口の向かい側に位置する受け渡しステージ41aに野菜水耕栽培小型ボックス2を一時的に置く。その後、立体型ボックス収納栽培装置3の走行路33内にある昇降移動装置5を作動させる。
【0053】
昇降移動装置5が作動すると、昇降移動装置5の走行昇降塔51は走行用モータで駆動するスプロケットによって作動するローラーチェーン51gにより、受け渡しステージ41aの前まで移動してくる。走行昇降塔51はレール5a上を車輪51cが転動することで移動する。移動する走行昇降塔51は、その上端側がガイドローラ51fによってガイドされているので、移動中の走行昇降塔51の上部側が傾くのが防がれ、スムーズに受け渡しステージ41aの前まで移動する。
【0054】
走行昇降塔51が受け渡しステージ41aの前まで移動してくると、その前の下部側に設けられている移動位置検出センサー34がこれを感知し、ローラーチェーン51gを駆動させている駆動スプロケットを駆動させている走行用モータを停止させる。これにより、受け渡しステージ41aの前で走行昇降塔51の移動は停止する。
【0055】
続いて、昇降機52の棚出入用モータ52gが作動して駆動スプロケットを駆動させる。駆動スプロケットの駆動により左右一対のチェーン52eは受け渡しステージ41a側に向けて移動する。各チェーン52eの両端側は駆動台52cの下面の取付片52fに連結されている。このため、この取付片52fを通じて駆動台52cは昇降機52の床面の上を受け渡しステージ41aに向けて移動する。
【0056】
移動する駆動台52cの前面中央に形成された係止爪52dは、受け渡しステージ41aに置かれた野菜水耕栽培小型ボックス2を載せた収納台車42の前面に形成されたコ字型の係止受け42bの真下に接近する。このとき、受け渡しステージ41aの前で停止する昇降機52の床面は、受け渡しステージ41aの床面より係止爪52dの先端側の高さ分だけ低くなるように設定されている。
【0057】
接近した駆動台52cの係止爪52dが係止受け42bの真下に位置すると、棚出入用モータ52gは停止し、今度は昇降用モータが駆動して、昇降機52を少しだけ上昇させる。昇降機52が上昇すると、昇降機52の床面も上昇し、床面の上の駆動台52cも同じだけ上昇する。これにより、上昇する駆動台52cの前面中央の係止爪52dの先端も上昇して、係止爪52dの先端側は受け渡しステージ41aに置かれている収納台車42の係止受け42bのコ字型の内側に係合する。
【0058】
駆動台52cの係止爪52dが収納台車42の係止受け42bの内側に係合すると、棚出入用モータ52gが逆向きに回転し、駆動スプロケットを通じてチェーン52eの上側を受け渡しステージ41aから離れる方向に循環移動させる。循環移動するチェーン52eは、取付片52fを通じて駆動台52cを受け渡しステージ41aから離れる方向に移動させる。離れる方向に移動する駆動台52cの前面の係止爪52dは、係止受け42bを通じて受け渡しステージ41aに置かれて収納台車42を、昇降機52の床面側に引き寄せる。
【0059】
これにより、受け渡しステージ41aに載置されていた収納台車42は、昇降機52の床面の上に移動して載る。この移動してきた収納台車42には野菜水耕栽培小型ボックス2が載っている。野菜水耕栽培小型ボックス2を載せた収納台車42が、昇降機52の床面の上に完全に乗り移ると、棚出入用モータ52gは停止し、駆動台52cも止まり、係止爪52dを通じて引き寄せられる収納台車42も停止する。
【0060】
再び走行用モータが駆動し始めて、駆動スプロケットによってローラーチェーン51gが引っ張られ、これにより走行昇降塔51はレール5a上を走行し始める。走行昇降塔51が所定の立体型収納棚4の列の前まで移動すると、走行用モータは停止する。モータの停止により、走行昇降塔51は止まる。
【0061】
走行用モータが停止すると、昇降用モータが作動し、駆動スプロケットは昇降チェーン51eを引き上げる方向に回転する。これにより、野菜水耕栽培小型ボックス2を載せた収納台車42が載っている昇降機52は上昇し、所定高さの段にあるボックス収納棚41の高さまで上昇すると、高さ位置検出センサー51hによりそれが検知されて、昇降用モータは停止する。
【0062】
続いて、棚出入用モータ52gが作動し始めて、駆動スプロケットの働きによって、上下回りに循環動自在なチェーン52eの上側はボックス収納棚41に向けて移動する。この移動するチェーン52eによって、取付片52fを介して駆動台52cはボックス収納棚41に向けて移動し始める。駆動台52cが移動すると、その前面中央の係止爪52dはその前面の収納台車42に当たった後、これをボックス収納棚41に向けて押圧する。
【0063】
押圧された収納台車42は駆動台52cに押された状態でボックス収納棚41に向けて移動する。移動する収納台車42は昇降機52の床面からボックス収納棚41の床面に乗り移る。ボックス収納棚41に乗り移った収納台車42は、その奥側に向けてさらに押圧されて移動を続ける。収納台車42の前面中央側の受電器42cがボックス収納棚41の奥側の本体側給電器41bに当接することで、棚出入用モータ52gは停止する。
【0064】
また、このとき、収納台車42の前面中央側の受電器42cがボックス収納棚41の奥側の本体側給電器41bに当接することで、立体型収納棚4側の電源が本体側給電器41b、受電器42c、コンセント42d及び差込プラグ2bを通じて野菜水耕栽培小型ボックス2に流れて、電源が自動的に供給されることになる。これにより、野菜水耕栽培小型ボックス2内の栽培室22の光源及び温度調整のための電源は立体型収納棚4の電源を利用することになる。
【0065】
野菜水耕栽培小型ボックス2を載せた収納台車42を所定のボックス収納棚41に収納させると、上記のように棚出入用モータ52gが停止する一方で、昇降用モータが作動して、係止爪52dの先端側が収納台車42のコ字型の係止受け42bの内側から下側に抜け出る程度の低さだけ、逆向きに昇降用スプロケット51dが回転して停止する。駆動台52cが載っている昇降機52はその分だけ降下して止まる。
【0066】
棚出入用モータ52gが逆向き、つまり駆動台52cをボックス収納棚41から離す方向に作動し、ボックス収納棚41内に入り込んでいた駆動台52cの前面側の係止爪52dは、そこから後退して昇降機52内に戻る。駆動台52c及びその前面側の係止爪52dが昇降機52内に所定の位置まで戻ると、棚出入用モータ52gは停止し、昇降用モータが作動して昇降機52を所定の待機位置まで戻す。
【0067】
以上のような動作手順によって、野菜水耕栽培小型ボックス2の所定のボックス収納棚41への収納作業は終了する。
【0068】
野菜水耕栽培小型ボックス2が所定のボックス収納棚41に収納されると、その情報によって、本体側液肥バルブ43bが開いて、本体側液肥供給管43を通じて液肥が野菜水耕栽培小型ボックス2のボックス内液肥貯留タンク26に液肥が供給されることになる。ボックス内液肥貯留タンク26に一時的に蓄えられた液肥は、ボックス内液肥供給管24を通じて、重力によりその下側の栽培室22内の栽培トレイ22b内に自動的に供給されることになる。
【0069】
一方、立体型ボックス収納栽培装置3の立体型収納棚4で栽培を終えた野菜水耕栽培小型ボックス2の立体型収納棚4からの取り出し作業は、前述内容と逆の手順で行われることになる。
【0070】
立体型収納棚4から取り出された野菜水耕栽培小型ボックス2は、差込プラグ2bが収納台車42のコンセント42dから抜かれた後、そのまま輸送車両に載せられる。輸送車両内では差込プラグ2bが車両内のコンセント42dに差し込まれて内部の栽培室22の光源量や温度の管理が引き続き行われながら、消費地の店舗などに搬送される。店舗などに搬送された野菜水耕栽培小型ボックス2は、店舗側のコンセント42dに差込プラグ2bが差し込まれて、内部の栽培室22の光源量や温度の管理が引き続き行われることになる。
【0071】
このように、立体型ボックス収納栽培装置3から取り出された野菜水耕栽培小型ボックス2の内部の栽培室22で水耕栽培された野菜は、栽培室22の外に一度も出されることなく、消費地の店舗などに送ることができるので、新鮮な状態を引き続き維持でき、また消費地の店舗などでも引き続き栽培を続けることも可能となる。
【0072】
なお、この発明は上記発明を実施するための形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
2 野菜水耕栽培小型ボックス
2a キャスター
2b 差込プラグ
21 開閉扉
22 栽培室
22a 棚
22b 栽培トレイ
23 光源
24 ボックス内液肥供給管
24a 分岐供給管
25 制御部収納室
26 ボックス内液肥貯留タンク
26a 排出口
26b 注入口
27 制御装置
28 温度調整装置収納室
29 温度調整装置
3 立体型ボックス収納栽培装置
31 鋼製縦フレーム
32 鋼製横フレーム
33 走行路
34 移動位置検出センサー
4 立体型収納棚
41 ボックス収納棚
41a 受け渡しステージ
41b 本体側給電器
42 収納台車
42a キャスター
42b 係止受け
42c 受電器
42d コンセント
43 本体側液肥供給管
43a 分岐供給管
43b 本体側液肥バルブ
5 昇降移動装置
5a レール
51 走行昇降塔
51a 縦フレーム
51b 横フレーム
51c 車輪
51d 昇降用スプロケット
51e 昇降チェーン
51f ガイドローラ
51g ローラーチェーン
51h 高さ位置検出センサー
52 昇降機
52a 縦桁
52b 横桁
52c 駆動台
52d 係止爪
52e チェーン
52f 取付片
52g 棚出入用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光、温度、水耕栽培用の液肥を利用して、その内部で野菜を水耕栽培し生育させる装置であって、内部に栽培室を備え、栽培室には上下段の棚に栽培トレイが置かれ、上下の各栽培トレイに液肥を供給するボックス内液肥供給管が上下方向に配管され、ボックス内液肥供給管の上端側は栽培室の上部側に設けられたボックス内液肥貯留タンクに接続され、ボックス内液肥貯留タンクには外部から液肥が供給される構造からなる野菜水耕栽培小型ボックスと、
上記野菜水耕栽培小型ボックスを収納する上下段及び左右列方向に複数のボックス収納棚を備え、且つ各ボックス収納棚には上記野菜水耕栽培小型ボックスのボックス内液肥貯留タンクに液肥を供給する本体側液肥供給管を備えた立体型収納棚と、立体型収納棚の各ボックス収納棚に上記野菜水耕栽培小型ボックスを収納台車に載せた状態で収納及びそこから取り出す昇降移動装置とを備えた立体型ボックス収納栽培装置とからなり、
立体型収納棚に収納してその内部で野菜が栽培された野菜水耕栽培小型ボックスの野菜を該ボックスから移し移し替えることなく、消費地まで野菜水耕栽培小型ボックスで移動させ、消費するときに野菜水耕栽培小型ボックスから始めて野菜を取り出すようにしたことを特徴とする野菜水耕栽培システム。
【請求項2】
野菜水耕栽培小型ボックスの差込プラグが差し込まれるコンセントが取り付けられた受電器が収納台車に設けられ、各ボックス収納棚に本体側給電器が設けられ、受電器が本体側給電器に接触することで通電し、立体型収納棚側から本体側給電器、受電器、コンセントの差込プラグを通じて野菜水耕栽培小型ボックスに電源が供給される請求項1記載の野菜水耕栽培システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−200222(P2012−200222A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68832(P2011−68832)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(511078473)宮本電機株式会社 (1)
【Fターム(参考)】